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特許7428853捕集ユニット及び半導体予備洗浄チャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】捕集ユニット及び半導体予備洗浄チャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240130BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H01L21/302 101H
H01L21/302 101M
H01L21/304 645C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023515769
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2021118658
(87)【国際公開番号】W WO2022057847
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】202010980699.8
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ レイ
(72)【発明者】
【氏名】グゥォ ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シュ クゥイ
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-212482(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105097401(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109273342(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0078635(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第112233962(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物を捕集するための捕集ユニットであって、
前記半導体予備洗浄チャンバ内に間隔を空けて設置される保護プレート及び捕集プレートを備え、前記保護プレートが環状を呈し、且つ前記保護プレートには前記半導体予備洗浄チャンバ内のプロセスガスが通過するための第1貫通孔が複数設置され、
前記捕集プレートが前記第1貫通孔の排気端側に位置し、前記第1貫通孔から通過した前記半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物の少なくとも一部を捕獲するためのものであることを特徴とする捕集ユニット。
【請求項2】
前記捕集プレートが環状を呈して前記保護プレートに対向して設置され、且つ前記保護プレート上のすべての前記第1貫通孔の水平面での正投影がいずれも前記捕集プレートの前記水平面での正投影内にあることを特徴とする請求項1に記載の捕集ユニット。
【請求項3】
前記捕集プレートの前記保護プレートに対向する表面は平面であり、前記平面が前記保護プレートに互いに平行し、又は前記保護プレートに対して傾斜することを特徴とする請求項2に記載の捕集ユニット。
【請求項4】
前記捕集プレートの前記保護プレートに対向する表面に凹み構造を有することを特徴とする請求項2に記載の捕集ユニット。
【請求項5】
前記凹み構造は前記捕集プレートの周方向に沿って周設される環状溝を含むことを特徴とする請求項4に記載の捕集ユニット。
【請求項6】
前記環状溝の縦断面形状は矩形、円弧形又は三角形を含むことを特徴とする請求項5に記載の捕集ユニット。
【請求項7】
前記捕集プレートの外周縁には前記保護プレートに近接する方向に向かって延設される環状突起を有し、前記環状突起の前記保護プレートに近接する端と前記保護プレートとの間に隙間を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の捕集ユニット。
【請求項8】
前記捕集プレートの前記保護プレートに対向する表面が粗面化処理された表面であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の捕集ユニット。
【請求項9】
前記捕集ユニットは前記捕集プレートと前記保護プレートとの距離を調整するための距離調整構造を更に備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の捕集ユニット。
【請求項10】
前記距離調整構造は少なくとも1つの距離調整部材を備え、前記少なくとも1つの距離調整部材が前記捕集プレートと前記保護プレートとの間に設置され、且つ前記保護プレートの内周縁又は外周縁に位置し、前記距離調整部材の数及び/又は厚さを設定することにより前記捕集プレートと前記保護プレートとの距離を調整することを特徴とする請求項9に記載の捕集ユニット。
【請求項11】
前記捕集プレートに接続部が更に設置され、前記接続部が前記捕集プレートの内周縁又は外周縁に設置され、且つ前記接続部及び前記保護プレートには前記保護プレートの周方向に沿って間隔を空けて配置される複数のねじ穴が対応して設置され、
前記捕集ユニットは更に複数の締付ねじを備え、各前記締付ねじが各前記ねじ穴に1対1で対応してねじ接続され、前記接続部と前記保護プレートとを固定して接続するためのものであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の捕集ユニット。
【請求項12】
前記捕集プレートは少なくとも2つであって、前記保護プレートから離れる方向に沿って間隔を空けて設置され、且つ少なくとも2つの前記捕集プレートのうちの前記保護プレートから最も遠い前記捕集プレート以外に、残りの前記捕集プレートにいずれも複数の第2貫通孔が設置され、且つ隣接する2つの前記捕集プレート上の前記第2貫通孔の軸線が重ならず、前記保護プレートに最も近い前記捕集プレート上の前記第2貫通孔の軸線と前記保護プレート上の前記第1貫通孔の軸線とがいずれも重ならないことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の捕集ユニット。
【請求項13】
半導体予備洗浄チャンバであって、
キャビティと、前記キャビティ内に設置されるファラデー円筒と、ウエハを載置するためのベースと、請求項1~12のいずれか1項に記載の捕集ユニットと、を備え、前記捕集ユニットにおける前記保護プレートが前記ベースに套設され、且つ前記ベースがプロセス位置にあるとき、前記キャビティ内の空間を上部サブキャビティ及び下部サブキャビティに分割するように前記保護プレートが前記ファラデー円筒に嵌合することを特徴とする半導体予備洗浄チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体加工装置の技術分野に関し、具体的には捕集ユニット及び半導体予備洗浄チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ装置は半導体チップの製造、パッケージング、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)及びフラットパネルディスプレイなどの製造プロセスに広く応用されている。従来技術に応用されるプラズマ装置の放電タイプは直流放電、容量結合放電、誘導結合放電及び電子サイクロトロン共鳴放電などがあり、物理蒸着(PVD、Physical Vapor Deposition)、プラズマエッチング及び化学蒸着(CVD、Chemical Vapor Deposition)などに広く応用されている。
【0003】
従来技術において、特にウエハに対して集積回路(IC、Integrated Circuit)の製造、TSV(Through Silicon Via、シリコン貫通電極)及びPackaging(パッケージング)などのプロセスを完了した後、一般的にウエハを予備洗浄する必要があり、次に、金属接触や金属相互接続線などを形成するようにマグネトロンスパッタリングによりアルミニウム、銅などの金属薄膜を蒸着する。予備洗浄プロセスは半導体予備洗浄チャンバ(例えば、予備洗浄チャンバ)内で行われ、大量の電子、イオン、励起状態の原子、分子及び遊離基などの活性基を生成するようにAr(アルゴンガス)、He(ヘリウムガス)、H(水素ガス)などのガスをプラズマに励起し、これらの活性基がウエハの表面に様々な化学反応及び物理衝撃を与え、それによりウエハの表面の不純物を除去し、これによりその後の物理蒸着プロセスの効率的な進行を容易にするとともに、蒸着膜の付着力を著しく増加させ、そうでなければ、ウエハの表面の不純物が回路の抵抗を著しく高めることとなり、このため、回路の熱損失を高め、更にチップの性能を低下させてしまう。
【0004】
しかしながら、従来技術における半導体予備洗浄チャンバは、粒子状不純物の捕集効果が低く、残った粒子状不純物が半導体予備洗浄チャンバの内壁面を汚染しやすく、汚染された半導体予備洗浄チャンバが予備洗浄後のウエハを二次汚染するリスクも比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は従来技術における技術的問題の1つを少なくとも解決するように意図され、従来技術における半導体予備洗浄チャンバにおいては粒子状不純物の捕集効果が低く、残った粒子状不純物が半導体予備洗浄チャンバの内壁面を汚染しやすく、ウエハを二次汚染するリスクも比較的高いという技術的問題を解決するために、捕集ユニット及び半導体予備洗浄チャンバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1目的は捕集ユニットを提供することにあり、該捕集ユニットは半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物を捕集するためのものであり、前記半導体予備洗浄チャンバ内に間隔を空けて設置される保護プレート及び捕集プレートを備え、前記保護プレートが環状を呈し、且つ前記保護プレートには前記半導体予備洗浄チャンバ内のプロセスガスが通過するための第1貫通孔が複数設置され、
前記捕集プレートが前記第1貫通孔の排気端側に位置し、前記第1貫通孔から通過した前記半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物の少なくとも一部を捕獲するためのものである。
【0007】
更に、前記捕集プレートが環状を呈して前記保護プレートに対向して設置され、且つ前記保護プレート上のすべての前記第1貫通孔の水平面での正投影がいずれも前記捕集プレートの前記水平面での正投影内にある。
【0008】
更に、前記捕集プレートの前記保護プレートに対向する表面は平面であり、前記平面が前記保護プレートに互いに平行し、又は前記保護プレートに対して傾斜する。
【0009】
更に、前記捕集プレートの前記保護プレートに対向する表面に凹み構造を有する。
【0010】
更に、前記凹み構造は前記捕集プレートの周方向に沿って周設される環状溝を含む。
【0011】
更に、前記環状溝の縦断面形状は矩形、円弧形又は三角形を含む。
【0012】
更に、前記捕集プレートの外周縁には前記保護プレートに近接する方向に向かって延設される環状突起を有し、前記環状突起の前記保護プレートに近接する端と前記保護プレートとの間に隙間を有する。
【0013】
更に、前記捕集プレートの前記保護プレートに対向する表面が粗面化処理された表面である。
【0014】
更に、前記捕集ユニットは前記捕集プレートと前記保護プレートとの距離を調整するための距離調整構造を更に備える。
【0015】
更に、前記距離調整構造は少なくとも1つの距離調整部材を備え、前記少なくとも1つの距離調整部材が前記捕集プレートと前記保護プレートとの間に設置され、且つ前記保護プレートの内周縁又は外周縁に位置し、前記距離調整部材の数及び/又は厚さを設定することにより前記捕集プレートと前記保護プレートとの距離を調整する。
【0016】
更に、前記捕集プレートに接続部が更に設置され、前記接続部が前記捕集プレートの内周縁又は外周縁に設置され、且つ前記接続部及び前記保護プレートには前記保護プレートの周方向に沿って間隔を空けて配置される複数のねじ穴が対応して設置され、
前記捕集ユニットは更に複数の締付ねじを備え、各前記締付ねじが各前記ねじ穴に1対1で対応してねじ接続され、前記接続部と前記保護プレートとを固定して接続するためのものである。
【0017】
更に、前記捕集プレートが少なくとも2つであって前記保護プレートから離れる方向に沿って間隔を空けて設置され、且つ少なくとも2つの前記捕集プレートのうちの前記保護プレートから最も遠い前記捕集プレート以外に、残りの前記捕集プレートにいずれも複数の第2貫通孔が設置され、且つ隣接する2つの前記捕集プレート上の前記第2貫通孔の軸線が重ならず、前記保護プレートに最も近い前記捕集プレート上の前記第2貫通孔の軸線と前記保護プレート上の前記第1貫通孔の軸線とがいずれも重ならない。
【0018】
本発明の第2目的は半導体予備洗浄チャンバを提供することにあり、該半導体予備洗浄チャンバはキャビティと、前記キャビティ内に設置されるファラデー円筒と、ウエハを載置するためのベースと、本発明に係る上記捕集ユニットと、を備え、前記捕集ユニットにおける前記保護プレートが前記ベースに套設され、且つ前記ベースがプロセス位置にあるとき、前記キャビティ内の空間を上部サブキャビティ及び下部サブキャビティに分割するように前記保護プレートが前記ファラデー円筒に嵌合する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0020】
本発明に係る捕集ユニットは、半導体予備洗浄チャンバ内に間隔を空けて設置される保護プレート及び捕集プレートを備え、該保護プレートが半導体予備洗浄チャンバ内のベースの周りに套設されることを可能にするように環状を呈し、且つ該保護プレートには半導体予備洗浄チャンバ内のプロセスガスが通過するための第1貫通孔が複数設置されるとともに、該第1貫通孔の孔壁は気流に含まれる粒子状不純物を少量で捕集することができ、捕集プレートは該第1貫通孔の排気端側に位置し、該第1貫通孔から通過した半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物の少なくとも一部を捕獲するためのものである。該捕集プレートが第1貫通孔の排気方向と逆であるため、大量の粒子状不純物が含まれる気流は捕集プレートの表面と衝突することとなり、これにより粒子状不純物を捕集プレートの表面に効果的に捕集することができ、予備洗浄チャンバ内に残った粒子状不純物を大幅に減少させ、ひいては残留をなくし、更に半導体予備洗浄チャンバの内壁面を汚染しにくく、ウエハを二次汚染するリスクを低減する。また、本発明に係る捕集ユニットは洗浄する必要がある場合、それを取り外して洗浄してもよく、メンテナンス性が高い。
【0021】
本発明に係る半導体予備洗浄チャンバは上記捕集ユニットのすべての利点を有するため、ここで詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記載する図面は単に本発明の実施例であって、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、更にこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明の実施例に係る半導体予備洗浄チャンバの構造模式図である。
図2】本発明の実施例に係る捕集ユニットの第2形態の構造模式図である。
図3】本発明の実施例に係る捕集ユニットの第3形態の構造模式図である。
図4】本発明の実施例に係る捕集ユニットの第4形態の構造模式図である。
図5】本発明の実施例に係る捕集ユニットの第5形態の構造模式図である。
図6】本発明の実施例に係る捕集ユニットの第6形態の構造模式図である。
図7】本発明の実施例に係る捕集ユニットの捕集プレートの第2形態の側断面模式図である。
図8】本発明の実施例に係る捕集ユニットの捕集プレートの第3形態の側断面模式図である。
図9】本発明の実施例に係る捕集ユニットの捕集プレートの第4形態の側断面模式図である。
図10】本発明の実施例に係る捕集ユニットの保護プレートの第1形態の底面模式図である。
図11】本発明の実施例に係る捕集ユニットの保護プレートの第2形態の底面模式図である。
図12】本発明の実施例に係る捕集ユニットの保護プレートの第3形態の側断面模式図である。
図13】本発明の実施例に係る捕集ユニットの保護プレートの第4形態の側断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確にして分かりやすくするために、以下に図面を参照しながら本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。理解されるように、ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。
【0024】
本実施例は半導体予備洗浄チャンバを提供し、図1に示すように、該半導体予備洗浄チャンバはキャビティ510と、キャビティ510内に設置されるファラデー円筒560と、ウエハ800を載置するためのベース590と、捕集ユニットと、を備え、該捕集ユニットがベース590に套設され、且つベース590がプロセス位置にあるとき、キャビティ510内の空間を上部サブキャビティと下部サブキャビティに分割するように捕集ユニットにおける保護プレート100がファラデー円筒560に嵌合する。
【0025】
本実施例では、半導体予備洗浄チャンバは更に第1金属リング521、第2金属リング522、コイル530、コイル遮蔽箱540、結合窓550、カバープレート570、石英リング580、上部電極高周波電源610、上部電極アダプタ620、下部電極高周波電源630、下部電極アダプタ640及び真空ポンプ700などを備えてもよい。なお、捕集ユニット以外の上記構造及び対応する作動原理などはいずれも成熟した従来技術であり、本願はそれを改良するところがないため、ここで詳細な説明は省略する。
【0026】
本願に係る半導体予備洗浄チャンバにおいて、プロセスを行うとき、ウエハ800をベース590に置き、上部電極高周波電源610が上部電極アダプタ620によって高周波電力をコイル530に印加し、高周波エネルギーをファラデー円筒560により上部サブキャビティ内に結合し、それによりプロセスガス(例えば、アルゴンガス)をプラズマに励起し、下部電極高周波電源630が下部電極アダプタ640によって高周波電力をベース590に印加し、ベース590に高周波自己バイアスを発生させ、更にプラズマを引きつけてウエハ800に物理的衝撃を与え、又はそれと同時に化学反応を施し、これによりウエハの表面の不純物を除去する。プロセスによる粒子状不純物が保護プレート100上の第1貫通孔110から下部サブキャビティに入り、この過程において、大量の粒子状不純物が捕集プレート210により捕獲して捕集されるが、捕集プレート210により捕獲して捕集されていない残った粒子状不純物が真空ポンプ700により吸い出して捕集される。
【0027】
以下に本実施例に係る捕集ユニットを詳しく説明する。
【0028】
本実施例に係る捕集ユニットは半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物を捕集するためのものであり、図1に示すように、該捕集ユニットは半導体予備洗浄チャンバ内に間隔を空けて設置される保護プレート100及び捕集プレート210を備え、保護プレート100が環状を呈し、具体的に、保護プレート100に中心貫通孔120が設置され、保護プレート100が中心貫通孔120によりベース590に套設される。且つ、保護プレート100には半導体予備洗浄チャンバ内のプロセスガスが通過するための第1貫通孔110が複数設置され、即ちプロセスガスが上部サブキャビティから各第1貫通孔110を介して下部サブキャビティに入ることができる。
【0029】
本実施例では、図1に示すように、第1貫通孔110は横断面形状が円形のストレートな貫通孔である。しかしながら、本願の他の実施例では、第1貫通孔110は更に他の形態であってもよく、図11に示すように、第1貫通孔110の横断面形状は更に矩形であってもよく、図12に示すように、第1貫通孔110は更に折れ線状の孔であってもよく、更に図13に示すように、第1貫通孔110は更に傾斜孔であってもよい。
【0030】
なお、第1貫通孔110の形状に関わらず、保護プレート100の第1貫通孔110の孔径はプラズマが通過できない要求を満たすように設定され、これによりプラズマが保護プレート100の下方の下部サブキャビティに入って下部サブキャビティが点火することを効果的に回避することができる。
【0031】
本実施例では、図10に示すように、複数の第1貫通孔110が保護プレート100の中心貫通孔120の周りに3周配置され、各周の第1貫通孔110が保護プレート100の周方向に沿って均一に配置される。このように設置すれば、上部サブキャビティ内の気流及び粒子状不純物が第1貫通孔110に安定して規則正しく流れ込むことが確保される。当然ながら、本願の他の実施例では、第1貫通孔110の周数、1周あたりの第1貫通孔110の個数及び均一に配置されるか否かなどについては、いずれも制限しなくてもよい。
【0032】
捕集プレート210は第1貫通孔110の排気端側に位置し、即ち第1貫通孔110の排気方向と逆であり、第1貫通孔110を通過した半導体予備洗浄チャンバ内の粒子状不純物の少なくとも一部を捕獲するためのものである。捕集プレート210が第1貫通孔110の排気方向と逆であるため、大量の粒子状不純物が含まれる気流は捕集プレート210の表面と衝突することとなり、これにより粒子状不純物を捕集プレート210の表面に効果的に捕集することができ、予備洗浄チャンバ内に残った粒子状不純物を大幅に減少させ、ひいては残留をなくし、更に半導体予備洗浄チャンバの内壁面を汚染しにくく、ウエハ800を二次汚染するリスクを低減する。また、本発明に係る捕集ユニットは洗浄する必要がある場合、それを取り外して洗浄してもよく、メンテナンス性が高い。
【0033】
いくつかの選択可能な実施例では、捕集プレート210と保護プレート100とが平行に設置される。当然ながら、実際の応用では、捕集プレート210と保護プレート100とが夾角をなしてもよい。
【0034】
いくつかの選択可能な実施例では、捕集プレート210が環状を呈して保護プレート100に対向して設置され、且つ保護プレート100上のすべての第1貫通孔110の水平面での正投影がいずれも捕集プレート210の水平面での正投影内にある。このように、すべての第1貫通孔110から流れ出したガスがいずれも捕集プレート210の表面と衝突できるように確保することができ、更に粒子状不純物の捕集効果を更に高めることができる。
【0035】
本実施例では、図1に示すように、捕集プレート210及び保護プレート100の外径が等しく、即ち両方の水平面での正投影の輪郭が重なる。しかしながら、本願の他の実施例では、捕集プレート210及び保護プレート100の水平面での正投影の輪郭が重ならなくてもよく、例えば、図2に示すように、捕集プレート210の外径が保護プレート100の外径よりも大きく、即ち捕集プレート210の水平面での正投影の輪郭が保護プレート100の正投影の輪郭外にあり、更に例えば、図3に示すように、捕集プレート210の外径が保護プレート100の外径よりも小さく、即ち捕集プレート210の水平面での正投影の輪郭が保護プレート100の正投影の輪郭内にある。保護プレート100及び捕集プレート210の両方の水平面での正投影に関わらず、保護プレート100上のすべての第1貫通孔110の水平面での正投影がいずれも捕集プレート210の水平面での正投影内にあれば、すべての第1貫通孔110から流れ出したガスがいずれも捕集プレート210の表面と衝突できるように確保することができる。
【0036】
本実施例では、図1に示すように、捕集プレート210の保護プレート100に対向する表面は平面であり、該平面が保護プレート100に互いに平行する。このように設置すれば、第1貫通孔110から搬出された粒子状不純物を捕集プレート210の表面と確実に衝突させることができ、これにより粒子状不純物の捕集を容易にする。当然ながら、実際の応用では、該平面が更に保護プレート100に対して傾斜してもよい。
【0037】
しかしながら、本願の他の実施例では、捕集プレート210の保護プレート100に対向する表面は平面に限定されるものではなく、凹み構造を有するものであってもよい。該凹み構造の設置は粒子状不純物が保護プレート100及び捕集プレート210の互いに対向する表面の間に反発して衝突することに寄与し、それにより粒子状不純物の捕集率を向上させることに寄与する。具体的に、図7に示すように、凹み構造は捕集プレート210の周方向に沿って周設される環状溝211を含み、該環状溝211の縦断面形状は矩形、円弧形又は三角形などを含み、例えば、図7に示される環状溝211については、その縦断面形状が矩形である。図8に示される環状溝211については、その縦断面形状が円弧形である。図98に示される環状溝211については、その縦断面形状が三角形である。また、環状溝211の縦断面形状は更に段階形状(図示せず)などであってもよい。
【0038】
いくつかの選択可能な実施例では、図8に示すように、捕集プレート210の外周縁には保護プレート100に近接する方向に向かって延設される環状突起212を有し、該環状突起212の保護プレート100に近接する端と保護プレート100との間に隙間を有する。このように設置すれば、粒子状不純物が捕集プレート210と保護プレート100との間に反発することに寄与し、更に粒子状不純物を捕獲して捕集することに寄与し、捕集率を高める。
【0039】
いくつかの選択可能な実施例では、捕集ユニットは捕集プレート210と保護プレート100との距離を調整するための距離調整構造を更に含む。両方の距離を調整することによって、両方の間の流動案内即ち両方間のガス通過能力を調整することができ、更に半導体予備洗浄チャンバの給気量及び給気速度を調整することができる。具体的に、捕集プレート210と保護プレート100との距離が小さければ小さいほど、給気速度が遅くなり、捕集率が高くなり、それとは逆に、捕集プレート210と保護プレート100との距離が大きければ大きいほど、給気速度が速くなり、捕集率が低くなる。これに基づいて、ウエハ800の表面の粒子状不純物の残留への要求が比較的高い場合、捕集プレート210と保護プレート100との距離を適当に短縮して給気速度を減速することができ、これにより捕集率を高めるが、ウエハ800の表面の粒子状不純物の残留への要求が比較的低く、又は給気速度に対して一定の要求をする場合、給気速度を加速するように捕集プレート210と保護プレート100との距離を適当に延長させることができる。
【0040】
いくつかの選択可能な実施例では、捕集プレート210と保護プレート100との距離が3mm以上且つ20mm以下である。
【0041】
また、上記距離調整構造によって捕集プレート210と保護プレート100との距離を調整することは異なるプロセス過程に適用されることができ、半導体予備洗浄チャンバに複数の加工装置の機能を統合させることができ、これにより装置コストを削減することができる。
【0042】
上記距離調整構造は複数種類の構造があってもよく、例えば、図1図4に示すように、上記距離調整構造は少なくとも1つの距離調整部材300を備えてもよく、少なくとも1つの距離調整部材300が捕集プレート210と保護プレート100との間に設置され、且つ保護プレート100の内周縁又は外周縁に位置し、距離調整部材300の数及び/又は厚さを設定することにより捕集プレート210と保護プレート100との距離を調整する。距離調整部材300は例えばワッシャーであり、選択肢として、該ワッシャーの内径が上記中心貫通孔120の直径と同じである。
【0043】
距離調整部材300及び捕集プレート210の保護プレート100に対向する表面が粗面化処理された表面である。例えば、捕集プレート210の保護プレート100に対向する表面がサンドブラスト又は溶射などの処理を行った表面であってもよい。このように設置すれば、捕集プレート210の表面に粒子状不純物を捕獲して保存することに寄与し、これにより捕集効果を更に高める。
【0044】
本実施例では、図1に示すように、捕集プレート210が1つである。
【0045】
しかしながら、本願の他の実施例では、図5及び図6に示すように、捕集プレート210の数は1つに限定されるものではなく、捕集プレート210は更に少なくとも2つであってもよく、且つ保護プレート100から離れる方向に沿って間隔を空けて設置され、且つ少なくとも2つの捕集プレート210のうちの保護プレート100から最も遠い捕集プレート210以外に、残りの捕集プレート210にいずれも複数の第2貫通孔215が設置され、且つ隣接する2つの捕集プレート210上の第2貫通孔215の軸線が重ならず、且つ保護プレート100に最も近い捕集プレート210上の第2貫通孔215の軸線と保護プレート100上の第1貫通孔110の軸線とがいずれも重ならない。
【0046】
複数の捕集プレート210を設置することにより、粒子状不純物を1層ずつ濾過して捕集することができ、これにより粒子状不純物の捕集率を更に高めることができる。それと同時に、保護プレート100に最も近い捕集プレート210上の第2貫通孔215の軸線と保護プレート100上の第1貫通孔110の軸線とがいずれも重ならないようにすることによって、第1貫通孔110から搬出された粒子状不純物を保護プレート100に最も近い捕集プレート210の第2貫通孔215から直接下向きに搬送することを効果的に回避することができ、それにより粒子状不純物が該捕集プレート210の表面と衝突する確率を増加させることができ、粒子状不純物の捕集率を向上させることに寄与するが、隣接する2つの捕集プレート210上の第2貫通孔215の軸線が重ならないようにすることによって、捕集プレート210から搬出された粒子状不純物をその下層の隣接する捕集プレート210の第2貫通孔215から直接下向きに搬送することを効果的に回避することができ、粒子状不純物が下層の捕集プレート210の表面と衝突する確率を増加させ、それにより下層の捕集プレート210が粒子状不純物を捕獲することに寄与し、下層の捕集プレート210の利用率を効果的に高め、そして、各層の捕集プレート210の利用率の向上はすべての捕集プレートが全体として粒子状不純物を捕集する捕集率を向上させることに寄与する。
【0047】
本願の他の実施例では、図5及び図6に示すように、捕集プレート210が少なくとも2つである場合、隣接する2つの捕集プレート210の間にも隣接する2つの捕集プレート210間の距離を調整するための距離調整部材300が設置されてもよい。
【0048】
いくつかの選択可能な実施例では、図2及び図3に示すように、捕集プレート210に接続部220が更に設置され、該接続部220が捕集プレート210の内周縁に設置され、具体的に、図2及び図3に示すように、接続部220はリング体であり、該リング体の外径が捕集プレート210及び保護プレート100の外径よりも小さく、該リング体の内径が中心貫通孔120の直径と同じであり、且つリング体が中心貫通孔120と同軸に設置される。このような場合、捕集プレート210の接続部220の外側に位置する部分と保護プレート100との間にはプロセスを行う際に気流が流れ出すための隙間を有する。
【0049】
且つ、接続部220、距離調整部材300及び保護プレート100には保護プレート100の周方向に沿って間隔を空けて配置される複数のねじ穴213が対応して設置される。図1に示すように、捕集ユニットは更に複数の締付ねじ214を備え、各締付ねじ214が各ねじ穴213に1対1で対応してねじ接続され、接続部220、距離調整部材300及び保護プレート100を固定して接続するためのものである。
【0050】
他のいくつかの選択可能な実施例では、図4に示すように、接続部220は更に捕集プレート210の外周縁に設置されてもよく、具体的に、接続部220はリング体であり、該リング体の外径が保護プレート100の外径に等しく、該リング体の内径が中心貫通孔120の直径よりも大きく、且つリング体が中心貫通孔120と同軸に設置される。このような場合、捕集プレート210の接続部220の内側に位置する部分と保護プレート100との間にはプロセスを行う際に気流が流れ出すための隙間を有し、次に気流が捕集プレート210の中心孔から流れ出すことができる。
【0051】
本願の他の実施例では、図5及び図6に示すように、捕集プレート210の数が少なくとも2つである場合、各捕集プレート210にいずれも接続部220が設置され、保護プレート100に最も近い捕集プレート210が第1捕集プレートであり、残りの捕集プレート210が第2捕集プレートであり、第1捕集プレート上の接続部220が第1捕集プレートと保護プレート100との間に設置され、第2捕集プレート上の接続部220が隣接する2つの第2捕集プレートの間に設置される。
【0052】
選択肢として、少なくとも2つの捕集プレート210上の接続部220はいずれも捕集プレート210の内周縁又は外周縁に設置されてもよく、又は、一部の捕集プレート210上の接続部220は捕集プレート210の内周縁に設置され、残りの捕集プレート210上の接続部220は捕集プレート210の外周縁に設置されてもよい。例えば、図5及び図6に示すように、保護プレート100に最も近い捕集プレート210の第1捕集プレートについては、その接続部220は捕集プレート210の外周縁に設置され、気流が保護プレート100と第1捕集プレートとの間を通過することを阻止することができ、気流を各第2貫通孔215から流れ出させることができ、第2捕集プレート上の接続部220は捕集プレート210の内周縁に設置される。且つ、上記第1捕集プレート上の接続部220にねじ穴を設置せずに、第1捕集プレートにおける第2捕集プレート上の接続部220のねじ穴213に対応する位置にねじ穴を設置してもよく、これにより締付ねじ314で第1捕集プレートと第2捕集プレートとの固定接続を実現することができる。
【0053】
最後に、更に説明する必要があることは、本明細書において、「第1」及び「第2」などの関係用語は1つの実体又は操作を別の実体又は操作から区別するためのものに過ぎず、必ずこれらの実体又は操作の間にいかなるこのような実際の関係又は順序が存在するように要求又は暗示するとは限らない。且つ、用語「含む」、「包含」又はそれらの任意の他の変形は非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置はこれらの要素を含むだけでなく、且つ明確に列挙しない他の要素を更に含み、又はこのような過程、方法、物品又は装置固有の要素を更に含むようにする。
【0054】
開示される実施例についての上記説明によって、当業者は本発明を実現又は使用することができる。実施例に対する種々の修正は当業者にとって明らかであり、本明細書に定義された一般的な原理は本発明の趣旨又は範囲を逸脱せずに、他の実施例において実現され得る。したがって、本発明は本明細書に示される実施例に限定されることがなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に適合する。
【符号の説明】
【0055】
100 保護プレート
110 第1貫通孔
120 中心貫通孔
210 捕集プレート
211 環状溝
212 環状突起
213 ねじ穴
214 締付ねじ
215 第2貫通孔
220 接続部
300 距離調整部材
510 キャビティ
521 第1金属リング
522 第2金属リング
530 コイル
540 コイル遮蔽箱
550 結合窓
560 ファラデー円筒
570 カバープレート
580 石英リング
590 ベース
610 上部電極高周波電源
620 上部電極アダプタ
630 下部電極高周波電源
640 下部電極アダプタ
700 真空ポンプ
800 ウエハ
図1
図2
図3
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図5
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