(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】オンザフライ方式の自動ウェハセンタリング方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021120958
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2018501292の分割
【原出願日】2016-07-13
【審査請求日】2021-07-21
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン、ビン
(72)【発明者】
【氏名】モウラ、ジャイロ ティー
(72)【発明者】
【氏名】ツァン、ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】ゴーリク、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】スパイカー、ナーザン
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-134747(JP,A)
【文献】特開2014-008578(JP,A)
【文献】特開2002-160183(JP,A)
【文献】特表2009-500869(JP,A)
【文献】特開平01-264786(JP,A)
【文献】国際公開第2009/145082(WO,A1)
【文献】特表2017-536257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の中心を有するウェハ保持ステーション
と少なくとも1つの中心判定特徴部とを備えるセルフセンタリングエンドエフェクタを有する基板搬送装置を提供することであって、前記エンドエフェクタは、前記ウェハ保持ステーションでウェハを保持し、基板処理装置内で前記ウェハを搬送し、
前記少なくとも1つの中心判定特徴部が、前記基板処理装置に一体化される、基板搬送装置を提供することと、
前記基板処理装置の静的検出センサにより、前記基板搬送装置の運動中に、オンザフライ方式で、前記少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出することと
を含む方法であって、
前記少なくとも1つの縁部の前記検出が、前記静的検出センサの傍を通過する前記少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心の判定をもたらす、
方法。
【請求項2】
前記ウェハ保持ステーションは、前記少なくとも1つの中心判定特徴部によって妨げられない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記エンドエフェクタにより保持されるウェハによって妨げられない、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記静的検出センサを用いて、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心に対する、前記エンドエフェクタに保持されるウェハの偏心度を判定することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心、および偏心度は、前記静的検出センサの傍を通過する前記少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、オンザフライ方式で判定される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記静的検出センサは、前記ウェハの縁部を検出する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
制御装置を用いて、前記静的検出センサから、前記少なくとも1つの縁部の前記検出に対応するセンサデータを受信することと、前記制御装置を用いて、前記センサデータから判定される前記基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、前記所定の中心の位置を調節するように、前記基板搬送装置を制御することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
制御装置を用いて、前記少なくとも1つの中心判定特徴部の前記少なくとも1つの縁部の前記検出から、前記基板処理装置のウェハ処理ステーションの中心位置を特定および知得することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
制御装置を用いて、前記少なくとも1つの中心判定特徴部の前記少なくとも1つの縁部の前記検出から、前記エンドエフェクタから独立して、前記基板搬送装置の寸法における変動を画定することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記寸法における変動は、熱的影響によるものである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
基板処理装置であって、
フレームと、
前記フレームに接続され、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるエンドエフェクタを有する基板搬送装置であって、前記エンドエフェクタは、前記ウェハ保持ステーションでウェハを保持し、前記基板処理装置内で前記ウェハを搬送するように構成される、基板搬送装置と、
前記フレームに接続される自動ウェハセンタリングセンサであって、前記基板搬送装置の運動中に、オンザフライ方式で、前記エンドエフェクタ上に保持される前記ウェハの縁部の感知をもたらすように構成される自動ウェハセンタリングセンサと、
前記基板搬送装置に一体化される少なくとも1つの中心判定特徴部であって、前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記自動ウェハセンタリングセンサが、オンザフライ方式で、前記少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出するように配置される、少なくとも1つの中心判定特徴部と
を備え、
前記少なくとも1つの縁部の前記検出が、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心の判定をもたらす、
基板処理装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記ウェハ保持ステーションとは分離し、前記ウェハ保持ステーションとは別個に、前記基板搬送装置上に配置される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記長手方向の中心線の両側に配置される少なくとも2つの中心判定特徴部を備える、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記長手方向の中心線の共通する側に配置される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの、対向して配置される中心判定特徴部を備える、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの中心判定特徴部を含み、前記少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの別の1つに対し補助的である、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部のそれぞれは、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心を独立して求めるように構成される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記中心判定特徴部のそれぞれは、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心と所定の関係を有する、対応する形状を有し、それによって、各対応する形状が、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心を独立して判定する、請求項17記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記基板搬送装置は、前記エンドエフェクタに接続されるアームを含み、前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記基板搬送装置の前記アームに一体化される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記基板搬送装置は、機械的インターフェース部において前記エンドエフェクタに連結されるアームを含み、前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記機械的インターフェース部に一体化される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、前記エンドエフェクタから独立して、前記基板搬送装置の寸法における変動を画定するように配置される、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記自動ウェハセンタリングセンサから、前記少なくとも1つの縁部の前記検出に対応するセンサデータを受信し、前記センサデータから判定される前記基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、前記所定の中心の位置を調節するように前記基板搬送装置を制御するように構成される制御装置をさらに備える、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部の検出から、前記基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を知得するように構成される制御装置をさらに備える、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項24】
基板処理装置であって、
フレームと、
前記フレームに接続され、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるエンドエフェクタを有する基板搬送装置であって、前記エンドエフェクタは、前記ウェハ保持ステーションでウェハを保持し、前記基板処理装置内で前記ウェハを搬送するように構成される、基板搬送装置と、
前記フレームに接続される自動ウェハセンタリングセンサと、
前記基板搬送装置に一体化される少なくとも1つの中心判定特徴部であって、前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記自動ウェハセンタリングセンサが、前記基板搬送装置の運動中に、オンザフライ方式で、前記少なくとも1つの中心判定特徴部を検出するように配置される、少なくとも1つの中心判定特徴部と
を備え、
前記少なくとも1つの中心判定特徴部の前記検出が、前記自動ウェハセンタリングセンサの傍を通過する前記少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心の判定をもたらす、
基板処理装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、前記ウェハ保持ステーションとは分離し、前記ウェハ保持ステーションとは別個に、前記基板搬送装置上に配置される、請求項24記載の基板処理装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの中心判定特徴部を含み、前記少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの別の1つに対し補助的である、請求項24記載の基板処理装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部のそれぞれは、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心を独立して求めるように構成される、請求項24記載の基板処理装置。
【請求項28】
前記中心判定特徴部のそれぞれは、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心と所定の関係を有する、対応する形状を有し、それによって、各対応する形状が、前記エンドエフェクタ上の前記ウェハ保持ステーションの前記所定の中心を独立して判定する、請求項27記載の基板処理装置。
【請求項29】
前記自動ウェハセンタリングセンサから、前記少なくとも1つの中心判定特徴部の前記検出に対応するセンサデータを受信し、前記センサデータから判定される前記基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、前記所定の中心の位置を調節するように前記基板搬送装置を制御するように構成される制御装置をさらに備える、請求項24記載の基板処理装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの中心判定特徴部の前記検出から、前記基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を知得するように構成される制御装置をさらに備える、請求項24記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年7月13日に出願された米国仮特許出願第62/320,142号および2016年4月8日に出願された米国仮特許出願第62/191,863号の利益を主張する通常出願であって、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
例示的実施形態は、概して、基板処理システムに関し、より詳細には、基板処理システムの構成要素の較正および同期に関する。
【0003】
基板処理装置は、典型的には、基板に対し、複数の動作を行うことが可能である。基板処理装置は、概して、移送チャンバ、および移送チャンバに連結される1つまたは複数の処理モジュールを含む。移送チャンバ内の基板搬送ロボットは、基板を、スパッタリング、エッチング、コーティング、ソーキングなどの種々の動作が行われる処理モジュール間で移動させる。たとえば、半導体装置製造者および材料生産者に使用される製造工程は、基板処理装置内における、基板の正確な位置決めを必要とすることが多い。
【0004】
基板の正確な位置決めは、一般的には、処理モジュールの位置を基板搬送ロボットに教示することによって提供される。処理モジュールの位置を知らせるため、および基板を基板保持位置に正確に設置するためには、基板の中心がわかっていなければならない。一般的に、自動の基板またはウェハセンタリングアルゴリズムは、たとえば、基板を保持する基板搬送部のエンドエフェクタに対し、偏心度ゼロである基準基板位置を規定するために、基板中心治具の利用を必要とし、偏心度ゼロとは、基板の中心の位置が、エンドエフェクタの予測される中心と一致する場所である。一般的に、基板センタリング治具は、エンドエフェクタ上に手動で取り付けられ、基板を偏心度ゼロの基準として画定される位置に位置決めするための基準面として使用される。基板センタリング治具の手動による設置、および基板センタリング治具に対する、基板の手動による設置は、オペレータの誤操作や、基板処理装置内における粒子(たとえば汚染)の発生につながり得る。基板センタリング治具の使用は、また、大気にて行われる。つまり、基板処理装置内の環境が乱され、それによって生産時間が減少する。
【0005】
一般的に、基板搬送ロボットの教示は、基板搬送ロボットにより運搬される、(たとえば、基板上のセンサまたはカメラを含む)器具を取り付けられた基板を利用すること、処理モジュール内、もしくは基板処理装置の他の基板保持ステーション内に設置される取外し可能な治具を利用すること、処理モジュール内に位置する、または処理モジュールにてアクセス可能であるウェハセンタリングセンサを利用すること、処理モジュールの外部に配置されるセンサ(たとえばカメラ)を利用すること、または基板搬送ロボット、もしくは基板搬送ロボットにより運搬される物体に、処理モジュール内の目標物を接触させることによって、基板処理装置に付加される専用の教示センサを用いてロボットおよび/またはロボットにより運搬される基板の位置を検出することを含む。基板処理装置内の教示位置へのこれらの手法は、センサが真空内に設置されることを要求してもよく、顧客に対し、処理装置および/または工具の変更を要求してもよく、真空環境または高温での使用に適さなくてもよく、センサ目標物、ミラー、または治具が処理装置内に設置されることを要求してもよく、基板処理装置の真空環境を乱してもよく、ならびに/または基板搬送ロボットの制御装置および/もしくは処理システムの制御装置に組み込まれたコードに、ソフトウェアの変更を要求してもよい。
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載されるもののような、他の従来のアーム温度補償アルゴリズムは、基準温度と現在の温度との間でセンサが移行するときにロボットの位置を比較することによって熱膨張量を推定するために、ロボットエンドエフェクタまたはアーム内/上の基準フラッグを使用してもよい。この従来の手法は、本質的に、ロボットマニピュレータのアッパーアームおよびフォアアームが、ある一定の熱膨張係数を用いて、ロボットが一定温度において直線の棒状としてモデル化され得るような安定状態条件にあると仮定する。一般的に、従来のアーム温度補償アルゴリズムの限界は、マニピュレータリンクが温度の上昇または低下などの温度過渡の状況下にある場合の位置誤差を正確に補償しないという点にある。このような温度過渡の状況は、半導体クラスタツールは、動作温度が大きく異なる処理モジュールおよびロードロックを有し得るため、より現実的な顧客の使用状況を表している。一般的に、従来の熱補償アルゴリズムはまた、エンドエフェクタ位置に対するリンクの角位置に対する非線形の感度のため、アームの運動力学の非線形の影響を考慮しない。
【0007】
また、従来の実施では、
【数1】
(R0は基準温度にあるアーム位置であり、R1は制御ソフトウェアにより算出される新しい位置である)と定義される、ロボットマニピュレータの推定された相対的な熱膨張は、直線的にふるまうと考えられ、ロボットの中心からより離れて位置する設置ステーション位置における、ロボット搬送の位置修正を推定するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2013/0180448号明細書
【文献】米国特許第6556887号明細書
【発明の概要】
【0009】
処理装置内の環境を乱すことなく、または、基板処理装置への追加の器具および/または変更を必要とすることなく、処理装置内の基板処理位置を基板搬送ロボットに教示することをもたらすために、センタリング治具を使用することなく、基板を自動でセンタリングすることは有利となる。
【0010】
開示される実施形態の前述の態様および他の特徴を、添付の図面に関連して、以下の記載において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】開示される実施形態の態様を組み込む基板処理装置の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様を組み込む基板処理装置の概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様を組み込む基板処理装置の概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様を組み込む基板処理装置の概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2D】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2E】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図3】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4A】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4B】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4C】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4D】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4E】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4F】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図5】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図6】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図7】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図8】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図9】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図10】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図11】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図12】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図13】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図14】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図15】開示される実施形態の態様による、基板処理装置のアームリンクの経時的な温度勾配を示す例示的グラフである。
【
図16】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図17】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図18】開示される実施形態の態様による、基板処理装置の位置補償データを示す例示的グラフである。
【
図19】開示される実施形態の態様による、位置計算の例示的ブロック図である。
【
図20】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図21】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図22】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図23】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図24】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図25】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図26】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図27】開示される実施形態の態様による、異なる温度にあるエンドエフェクタのずれを示す例示的グラフである。
【
図28】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図29】開示される実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図30】開示される実施形態の態様による、基板搬送装置の例示的エンドエフェクタの概略図である。
【
図31】開示される実施形態の態様による、基板搬送装置の例示的エンドエフェクタの概略図である。
【
図32】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1A~1Dを参照すると、本明細書においてさらに説明する、開示される実施形態の態様を組み込む基板処理装置またはツールの概略図が示される。開示される実施形態の態様を図面に関連して説明するが、開示される実施形態の態様は、様々な形態で具体化され得ることが理解されるべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状または種類の要素または材料が使用されてもよい。
【0013】
以下においてより詳細に説明するように、開示される実施形態の態様は、自動で(たとえば、オペレータの介入なしで)基板またはウェハをたとえば、基板搬送エンドエフェクタに対してセンタリングすること、基板処理装置の基板保持ステーションを自動で位置特定すること、および基板保持ステーションの位置を基板搬送装置に教示することを提供する。なお、基板と、ウェハという用語は、本明細書では互換的に使用される。また、本明細書で使用される用語「基板保持ステーション」は、処理モジュール内の基板保持位置、または、たとえば、ロードポート(またはその上に保持された基板カセット)、ロードロック、バッファステーションなどの、基板処理装置内の他の任意の適切な基板保持位置である。開示される実施形態の態様は、基板処理センサのような、基板処理装置に用いられる既存の器具および装置を利用する。本明細書で使用される基板処理センサは、自動ウェハセンタリング(AWC)をもたらす能動型ウェハセンタリングセンサ、基板アライナ、および/または基板処理中の基板の整列および/またはセンタリングに使用される、他の適切な(たとえば、エンドエフェクタ上の所定の基板保持位置に対する)基板の偏心度検出ユニットである。換言すると、開示される実施形態の態様よる自動センタリングおよび教示を利用した場合、たとえば、基板処理装置の最初の購入/構成の後に顧客にかかる、追加の器具コストが実質的にない。
【0014】
開示される実施形態の態様は、基板搬送装置および/または基板処理装置システム制御装置に組み込まれるプログラミングコードに対し、実質的にソフトウェアを変更することなく、実施されてもよい。たとえば、開示される実施形態の態様は、「取り出しおよび設置」コマンドおよび/または「基板整列」コマンドなどの、基板搬送装置に関連する既存のコマンドを利用してもよい。開示される実施形態の態様は、また、処理環境内に位置する電子部品(たとえば、ケーブル、プリント基板など)が存在しないときに適合する、真空環境(ならびに、大気環境、たとえば、不活性ガス、濾過された清浄空気)などの動作環境でもある。理解できるように、大気処理環境において、AWCの中心が大気処理環境内に位置してもよい。従って、開示される実施形態の態様は、基板搬送装置の自動センタリングおよび/または教示の間、基板処理装置内に既に確立されている処理環境(たとえば、真空または大気)を乱すことを実質的になしで、機械の休止時間の減少を提供する(たとえば、基板処理装置およびその構成要素が、自動教示プロセスの間、外部環境からシールされる、または隔離されるままである)。
【0015】
以下に説明するように、開示される実施形態の態様は、一般的に、偏心度ゼロの基準基板位置を規定する従来の(たとえば、センタリング治具を使用する)自動ウェハまたは基板センタリング方法によりもたらされる誤差の除去を提供する。開示される実施形態の態様は、概して、自動基板センタリングのために慣例的に使用される較正ステップおよび治具を排除する。開示される実施形態の態様は、また、たとえば、各処理モジュール内の温度が約200℃~約850℃の範囲である場合の基板搬送装置と基板保持ステーションとの間の熱的影響による誤差を補償する。一態様では、各処理モジュール内の温度が、約850℃より高いが、他の態様では、各処理モジュールの温度は約200℃未満である。開示される実施形態の態様はまた、たとえば、センサエラーまたは待ち時間によるヒステリシス効果を自動で補償する。
【0016】
図1Aおよび1Bを参照すると、たとえば、半導体ツールステーション11090などの、開示される実施形態の態様による処理装置が示される。半導体ツール11090が図中に示されるが、本明細書において説明する、開示される実施形態の態様は、ロボットマニピュレータを使用する任意のツールステーションまたは応用例に適用されてもよい。この例では、ツール11090は、クラスタツールとして示されているが、開示される実施形態の態様は、たとえば、
図1Cおよび1Dに示され、ならびにその開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月19日に発行された、「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題される米国特許第8,398,355号明細書に記載されるものなどの、線形ツールステーションなどの、任意の適切なツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション11090は、概して、大気フロントエンド11000、真空ロードロック11010、および真空バックエンド11020を含む。他の態様では、ツールステーションは、任意の適切な構成を有してもよい。フロントエンド11000、ロードロック11010、およびバックエンド11020のそれぞれの構成要素は、たとえば、クラスタ型アーキテクチャ制御などの任意の適切な制御アーキテクチャの一部であってもよい制御装置11091に接続されてもよい。制御システムは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された、「Scalable Motion Control System」と題される米国特許第7,904,182号明細書に記載されるものなどの、主制御装置、クラスタ制御装置、および自律型遠隔制御装置を有する閉ループ制御装置であってもよい。他の態様では、任意の適切な制御装置および/または制御システムが利用され得る。制御装置11091は、基板処理装置の、基板の自動センタリングおよび/または基板保持ステーションの自動位置特定をもたらすために、本明細書に記載される処理装置を動作させるため、ならびに基板搬送装置に基板保持ステーションの位置を教示するための非一時的なプログラムコードを含む、任意の適切な記憶装置および(1つまたは複数の)プロセッサを含む。たとえば、一態様では、制御装置11091は、(たとえば、基板と、基板搬送装置のエンドエフェクタとの間の偏心度を判定するための)組み込まれた基板位置特定コマンドを含む。一態様では、基板位置特定コマンドは、基板および基板を保持するエンドエフェクタを、1つまたは複数の自動基板センタリングセンサを通過または通り抜けるように移動させる、組み込まれた取出し/設置コマンドであってもよい。制御装置は、基板の中心およびエンドエフェクタの基準位置を判定し、エンドエフェクタの基準位置に対する基板の偏心度を判定するように構成される。一態様では、制御装置は、基板搬送装置/ロボットのエンドエフェクタおよび/または搬送アームの1つまたは複数の機能に対応する検出信号を受信し、たとえば、処理モジュール内の温度を原因とする、基板搬送装置または基板搬送装置の構成要素の熱膨張または収縮を判定するように構成される。
【0017】
理解できるように、そして本明細書で説明されるように、一態様では、基板ステーションは内部に設置され、ここに記載された自動教示は、内部に真空圧力環境を有する処理モジュールにおいて行われる。一態様では、真空圧力は、10-5Torr以下のような高真空である。一態様では、本明細書で説明される自動センタリングおよび/または教示は、たとえば、(たとえば、基板を処理するための)処理セキュリティの状態にある処理モジュール内に位置する基板ステーション特徴部内で行われる。基板処理のための処理セキュリティの状態とは、処理モジュールが、処理真空または大気を処理モジュール内に導入する準備が整っている清浄状態内に、または製造ウェハを処理モジュール内に導入する準備が整っている状態内に密閉されるという処理モジュールの状態である。
【0018】
一態様では、フロントエンド11000は、概して、ロードポートモジュール11005、および、たとえばイクイップメントフロントエンドモジュール(EFEM)などのミニエンバイロメント11060を含む。ロードポートモジュール11005は、300mmロードポートのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9、前開き型または底開き型ボックス/ポッドおよびカセットに適合した、ボックスオープナー/ローダーツール標準(BOLTS)インターフェースであってもよい。他の態様では、ロードポートモジュールは、200mmウェハインターフェース、450mmウェハインターフェース、または、たとえば、より大型もしくはより小型のウェハまたは平面パネルディスプレーのための平面パネルのような、他の任意の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。
図1Aには2つのロードポートモジュール11005が示されているが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールが、フロントエンド11000に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール11005は、オーバーヘッド型搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、レール型搬送車、または他の任意の適切な搬送手段から、基板キャリアまたはカセット11050を受容するように構成されていてもよい。ロードポートモジュール11005は、ロードポート11040を通じて、ミニエンバイロメント11060と接合してもよい。一態様では、ロードポート11040は、基板カセット11050とミニエンバイロメント11060との間で、基板の通過を可能にしてもよい。
【0019】
一態様では、ミニエンバイロメント11060は、概して、本明細書において説明する、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を組み込む任意の適切な移送ロボット11013を含む。一態様では、ロボット11013は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,002,840号明細書に記載されるものなどの、トラック搭載ロボットであってもよく、他の態様では、任意の適切な構成を有する他の任意の適切な搬送ロボットであってもよい。ミニエンバイロメント11060は、複数のロードポートモジュール間に基板移送用の被制御クリーンゾーンを設けてもよい。
【0020】
真空ロードロック11010は、ミニエンバイロメント11060とバックエンド11020との間に位置付けられて、ミニエンバイロメント11060およびバックエンド11020と接続されてもよい。なお、本明細書において使用される真空という用語は、基板が処理される、10-5Torr以下のような高真空を意味してもよい。ロードロック11010は概して、大気および真空スロットバルブを含む。スロットバルブは、大気フロントエンドから基板を搭載した後に、ロードロック内を排気するために使用され、窒素などの不活性ガスを用いてロック内に通気するときに、搬送チャンバ内の真空を維持するために使用される環境隔離を提供してもよい。一態様では、ロードロック11010は、処理に望ましい位置に基板の基準をアライメントするためのアライナ11011を含む。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に設置されていてもよく、任意の適切な構成および/または測定機器を有していてもよい。
【0021】
真空バックエンド11020は概して、搬送チャンバ11025、1つもしくは複数の処理ステーションまたは処理モジュール11030、および、任意の適切な移送ロボットまたは装置11014を含む。移送ロボット11014は、以下において説明されるが、ロードロック11010と様々な処理ステーション11030との間で基板を搬送するために、搬送チャンバ11025内に設置されていてもよい。処理ステーション11030は、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対して動作してもよい。典型的な処理は、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチング処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、測定、急速熱処理(RTP)、乾燥細片原子層成膜(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィ、エピタキシ(EPI)、ワイヤボンダ、および蒸発のような、真空を使用する薄膜処理、または他の真空圧を使用する薄膜処理を含む。搬送チャンバ11025から処理ステーション11030に、またはその逆に、基板を通過させることを可能にするために、処理ステーション11030は、搬送チャンバ11025に接続される。一態様では、ロードポートモジュール11005およびロードポート11040は、ロードポートに取り付けられるカセット11050が、移送チャンバ11025の真空環境および/または処理ステーション11030の処理真空と実質的に直接適合する(たとえば、処理真空および/または真空環境が、処理ステーション11030とカセット11050との間で延在し、共通である)ように、真空バックエンド11020に実質的に直接連結される(たとえば、一態様では、少なくともミニエンバイロメント11060が省略され、他の態様では、真空ロードロック11010も省略されて、カセット11050が、真空ロードロック11010と類似の方法で真空にまで排気される)。
【0022】
次に
図1Cを参照すると、ツールインターフェースセクション2012が、概して搬送チャンバ3018の長手方向軸Xに(たとえば内向きに)向くが、長手方向軸Xからずれるように、ツールインターフェースセクション2012が搬送チャンバモジュール3018に取り付けられている、線形基板処理システム2010の概略平面図が示されている。搬送チャンバモジュール3018は、すでに参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたように、他の搬送チャンバモジュール3018A、3018I、3018Jを接続部2050、2060、2070に取り付けることによって、任意の適切な方向に延長されてもよい。各搬送チャンバモジュール3018、3019A、3018I、3018Jは、基板を、処理システム2010の全体に亘って、および、たとえば、(一態様において、上述した処理ステーション11030に実質的に類似する)処理モジュールPMの内外へ搬送するために、本明細書において説明する、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい、任意の適切な基板搬送部2080を含んでいる。理解できるように、各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。
【0023】
図1Dを参照すると、線形搬送チャンバ416の長手方向軸Xに沿った、例示的な処理ツール410の概略的な立面図が示されている。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、ツールインターフェースセクション12は典型的に、搬送チャンバ416に接続されてもよい。この態様では、インターフェースセクション12は、ツール搬送チャンバ416の一方の端部を画定してもよい。
図1Dに見られるように、搬送チャンバ416は、たとえば、インターフェースステーション12から反対の端部に、別のワークピース進入/退出ステーション412を有していてもよい。他の態様では、搬送チャンバからワークピースを挿入/除去するための、他の進入/退出ステーションが設けられてもよい。一態様では、インターフェースセクション12および進入/退出ステーション412は、ツールからのワークピースの搭載および取出しを可能にしてもよい。他の態様では、ワークピースは、一方の端部からツールに搭載され、他方の端部から取り出されてもよい。一態様では、搬送チャンバ416は、1つまたは複数の搬送チャンバモジュール18B、18iを有してもよい。各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を保持することが可能であってもよい。既に述べられたように、
図1Dに示される搬送チャンバ416を形成する搬送チャンバモジュール18B、18i、ロードロックモジュール56A、56、およびワークピースステーションの構成/配置は例示的なものに過ぎず、他の態様では、搬送チャンバは、任意の望ましいモジュール配置で配置された、より多くのまたはより少ないモジュールを有してもよい。示される態様では、ステーション412はロードロックであってもよい。他の態様では、ロードロックモジュールは、(ステーション412に類似の)端部進入/退出ステーションの間に設置されてもよく、または、(モジュール18iに類似の)隣の搬送チャンバモジュールは、ロードロックとして動作するように構成されてもよい。
【0024】
既に述べられたように、搬送チャンバモジュール18B、18iは、搬送チャンバモジュール18B、18iに設置され、本明細書において説明する、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい1つまたは複数の対応する搬送装置26B、26iを有してもよい。それぞれの搬送チャンバモジュール18B、18iの搬送装置26B、26iは、搬送チャンバ内に線形に分散されたワークピース搬送システムを提供するために連携してもよい。この態様では、(
図1Aおよび1Bに図示されるクラスタツールの搬送装置11013、11014に実質的に類似であってもよい)搬送装置26Bは、一般的なSCARAアーム構成を有してもよい(他の態様では、搬送アームは、たとえば、
図2Bに示される線形摺動アーム214、または任意の適切なアーム連係機構を有する他の適切なアームに実質的に類似の配置などの、他の任意の所望の配置を有してもよい)。アーム連係機構の適切な例は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2009年8月25日に発行された米国特許第7,578,649号明細書、1998年8月18日に発行された米国特許第5,794,487号明細書、2011年5月24日に発行された米国特許第7,946,800号明細書、2002年11月26日に発行された米国特許第6,485,250号明細書、2011年2月22日に発行された米国特許第7,891,935号明細書、2013年4月16日に発行された米国特許第8,419,341号明細書、ならびに、2011年11月10日に出願された、「Dual Arm Robot」と題される米国特許出願第13/293,717号明細書、および2013年9月5日に出願された、「Linear Vacuum Robot with Z Motion and Articulated Arm」と題される米国特許出願第13/861,693号明細書に見ることができる。開示される実施形態の態様では、少なくとも1つの移送アームは、アッパーアーム、バンド駆動式フォアアーム、およびバンド拘束式エンドエフェクタを含む、従来のSCARA(水平多関節ロボットアーム)型設計から、または伸縮アーム、もしくは他の任意の適切なアーム設計から得られてもよい。移送アームの適切な例は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2008年5月8日に出願された、「Substrate Transport Apparatus with Multiple Movable Arms Utilizing a Mechanical Switch Mechanism」と題される米国特許出願第12/117,415号明細書、および2010年1月19日に発行された、米国特許第7,648,327号明細書に見ることができる。移送アームの動作は、互いから独立してもよく(たとえば、各アームの伸長/後退は、他のアームから独立してもよい)、ロストモーションスイッチによって動作されてもよく、またはアームが少なくとも1つの共通駆動軸を共有するように、任意の適切な方法で、動作可能に連結されてもよい。さらに他の態様では、搬送アームは、フロッグレッグアーム216(
図2A)構成、リープフロッグアーム217(
図2D)構成、左右対称型アーム218(
図2C)構成などの、他の任意の望ましい構成を有してもよい。別の態様では、
図2Eを参照すると、移送アーム219は、少なくとも第1および第2関節アーム219A、219Bを含み、各アーム219A、219Bは、共通する移送平面内で少なくとも2つの基板S1、S2を隣り合って保持するように構成されるエンドエフェクタ219Eを含み(エンドエフェクタ219Eの各基板保持位置は、基板S1、S2を取り出し、設置するための共通の駆動部を共有する)、基板S1、S2の間の間隔DXは、隣り合う基板保持位置の間の固定された間隔に対応する。搬送アームの適切な例は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日に発行された米国特許第6,231,297号明細書、1993年1月19日に発行された米国特許第5,180,276号明細書、2002年10月15日に発行された米国特許第6,464,448号明細書、2001年5月1日に発行された米国特許第6,224,319号明細書、1995年9月5日に発行された米国特許第5,447,409号明細書、2009年8月25日に発行された米国特許第7,578,649号明細書、1998年8月18日に発行された米国特許第5,794,487号明細書、2011年5月24日に発行された米国特許第7,946,800号明細書、2002年11月26日に発行された米国特許第6,485,250号明細書、2011年2月22日に発行された米国特許第7,891,935号明細書、2011年11月10日に出願され、「Dual Arm Robot」と題された米国特許出願第13/293,717号明細書、および2011年10月11日に出願され、「Coaxial Drive Vacuum Robot」と題された米国特許出願第13/270,844号明細書に見られる。開示される実施形態の態様は、一態様では、たとえば、米国特許第8,293,066号明細書および第7,988,398号明細書に記載され、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれるもののような線形搬送シャトルの搬送アームに組み込まれている。
【0025】
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、搬送装置26Bのアームは、取り出し/配置場所から素早くウェハを交換する(たとえば、基板保持位置からウェハを取り出し、その後すぐに同じ基板保持位置にウェハを設置する)搬送を可能にする、いわゆる迅速交換配置(fast swap arrangement)を提供するように配置されてもよい。搬送アーム26Bは、任意の適切な数の自由度(たとえば、Z軸運動を伴う、肩および肘関節部の周りの独立回転)を各アームに提供するために、任意の適切な駆動セクション(たとえば、同軸配置駆動シャフト、並置駆動シャフト、水平方向に隣接するモータ、垂直方向に積み重ねられたモータなど)を有してもよい。
図1Dに見られるように、この態様では、モジュール56A、56、30iは、搬送チャンバモジュール18Bと18iとの間に介在して設置されてもよく、適切な処理モジュール、(1つまたは複数の)ロードロックLL、(1つまたは複数の)バッファステーション、(1つまたは複数の)測定ステーション、または他の任意の望ましい(1つまたは複数の)ステーションを画定してもよい。たとえば、ロードロック56A、56、およびワークピースステーション30iなどの中間モジュールはそれぞれ、搬送チャンバの線形軸Xに沿った搬送チャンバの全長に亘って、ワークピースの搬送を可能にするために搬送アームと連携する静止型ワークピース支持部/棚56S1、56S2、30S1、30S2を有していてもよい。例として、(1つまたは複数の)ワークピースが、インターフェースセクション12によって、搬送チャンバ416に搭載されてもよい。(1つまたは複数の)ワークピースは、インターフェースセクションの搬送アーム15を用いて、ロードロックモジュール56Aの(1つまたは複数の)支持部上に位置決めされてもよい。ロードロックモジュール56A内で、(1つまたは複数の)ワークピースは、モジュール18B内の搬送アーム26Bによって、ロードロックモジュール56Aとロードロックモジュール56との間で移動させられてもよく、同様の連続的な方法で、(モジュール18i内の)アーム26iを用いて、ロードロック56とワークピースステーション30iとの間で、および、モジュール18i内のアーム26iを用いて、ステーション30iとステーション412との間で移動させられてもよい。(1つまたは複数の)ワークピースを反対の方向に移動させるために、この処理は全体的に、または部分的に逆行されてもよい。したがって、一態様では、ワークピースは、軸Xに沿って任意の方向に、および搬送チャンバに沿って任意の位置に移動させられてもよく、搬送チャンバと通信する、任意の望ましいモジュール(処理モジュール、あるいは別のモジュール)に、または任意の望ましいモジュールから、搭載または取り出されてもよい。他の態様では、静止型ワークピース支持部または棚を有する中間搬送チャンバモジュールは、搬送チャンバモジュール18Bと18iの間には設けられなくてもよい。そのような態様では、隣接する搬送チャンバモジュールの搬送アームは、搬送チャンバを通してワークピースを移動させるために、ワークピースを、エンドエフェクタまたは1つの搬送アームから直接、別の搬送アームのエンドエフェクタへ受け渡してもよい。処理ステーションモジュールは、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対し動作してもよい。基板が、搬送チャンバから処理ステーションに、またはその逆に、受け渡されることを可能にするために、処理ステーションモジュールは、搬送チャンバモジュールに接続される。
図1Dに示された処理装置と類似の一般的特徴を有する処理ツールの適切な例は、既に参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,398,355号明細書に記載されている。
【0026】
次に
図3を参照すると、任意の適切な処理ツール390の一部の概略図が示されている。ここでは、処理ツール390は、上記の処理ツールの1つまたは複数と実質的に類似である。処理ツール390は、概して、搬送ロボット130、少なくとも1つの(たとえば、自動ウェハセンタリング(AWC)センサ199A、199Bなどの)静的検出センサ、および、たとえば、自動ウェハセンタリングおよびステーション教示装置300を形成する(一態様では制御装置11091である)ロボット制御装置を含んでもよい。例示目的のために、
図3には2つのセンサ199A、199Bが示されているが、他の態様では、処理ツールは、2つよりも多い、または少ないセンサを有してもよい。
図3は、また、処理ツール390の例示的な処理モジュール325を示している。
図3では、搬送ロボット330は完全に模式的に表現され、上述されたように、ロボット330は任意の所望の構成を有することができる。ロボット330は、(上記の処理ステーション11030、処理モジュールPMと実質的に同様である)処理モジュール325に搬送するために基板Sを保持するように示されている。処理モジュール325は、所定の中心位置SCを画定する基板保持ステーション315を有する。基板Sの中心が、保持ステーション315内に位置決めされたときに、ステーションセンターSCと実質的に一致することが望ましい。他の態様では、基板ステーションは、処理装置の任意の望ましい部分によって画定されてもよく、基板はロボットによって位置決めされる。
図3に示されるように、ロボット330に対する、基板位置および/または保持ステーション315、ならびに(1つまたは複数の)センサ199A、199Bは、単に例示的なものである。他の態様では、基板保持ステーションおよび(1つまたは複数の)センサは、搬送ロボットに対して所望の位置に設置されてもよい。
図3では、以下に説明するように、基板搬送ロボット330、センサ199A、199B、および制御装置11091が接続されて示されており、ロボットが基板を搬送路Pに沿って保持ステーション315へと搬送するときに、ロボットのエンドエフェクタ395上のウェハまたは基板保持ステーション395S(
図4A)に保持される基板Sの少なくとも偏心度を判定すること、および搬送ロボット330の位置を調節するためのセンタリング要素を生成し、ロボットが基板Sを基板ステーションセンターSC上に設置することを確実することが可能である、オンザフライ方式(すなわち、基板搬送移動の間)の基板センタリングシステムを形成している。本明細書で説明されるように、少なくともロボット330の熱膨張および/または収縮に基づいて基板Sのセンタリングが実行されるように、ロボット330の熱膨張および/または収縮もまた、判定される。
図3にも見られるように、一態様では、処理ツール390は、アライナまたは自動ウェハセンタリングステーション362を含む。一態様では、制御装置11091は、オンザフライ方式の自動基板センタリングをもたらすために、アライナ362により提供される、またはアライナ362から引き出される情報またはデータ(たとえば、基板の直径、基準Fの位置など)を使用してもよい。
【0027】
理解できるように、既知の制御された方法で制御装置11091が、ロボットのエンドエフェクタ395、具体的には、所定のエンドエフェクタの中心または基準位置395Cを、処理ツール390内の任意の望ましい位置に運ぶために、基板搬送ロボット330の移動を制御し得るように、基板搬送ロボット330は、制御装置11091と接続および通信する。たとえば、基板搬送ロボット330は、制御装置11091に接続され、制御装置11091に適切な信号を送信し、制御装置11091が、ロボット330に関連する任意の望ましい基準系で、エンドエフェクタの中心395Cの位置座標および運動定義パラメータの両方を規定することを可能にする(たとえば、位置またはモータエンコーダ331などの)所望の位置判定装置を有してもよい。たとえば、基板搬送ロボット330は、回転の肩軸Zの周りで全体の回転を可能にするように、枢動可能に取り付けられてもよく、エンドエフェクタの中心395Cを回転の肩軸Zに対して少なくとも径方向に移動させるように連結式にされてもよい。基板搬送ロボット330のエンコーダ331は、移動をもたらすロボットのモータの相対または絶対移動を特定するために、制御装置11091に接続される。さらに、制御装置11091は、エンコーダデータを変換し、(制御装置内にプログラムされた、ロボットの幾何情報と組み合わせて)エンドエフェクタの中心395Cの位置座標および慣性パラメータを生成するようにプログラムされる。そのようにして、制御装置11091は、任意の時点におけるエンドエフェクタの中心395Cの(所望の座標基準フレームでの)位置座標、およびエンドエフェクタの任意の目的地の位置(たとえば、基板ステーションの中心SC)を知得する。
【0028】
一態様では、アライナ362は、任意の適切な基板アライナであってもよい。一態様では、アライナ362は、装置のフロントまたは大気セクション11000に設置される(
図1参照)が、他の態様では、アライナは、装置内の任意の所望の位置に設置されてもよい。適切なアライナの一例は、「High Speed Aligner Apparatus」と題される、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8、545、165号に記載されている。上記のように、アライナ362は、貫通ビームセンサのような、基板S上の基準Fを検出することが可能である(1つまたは複数の)適切なセンサを有してもよい。理解できるように、基準Fは、処理モジュールの1つまたは複数の処理特性に関連する、基板Sの望ましい整列を特定するように機能する。たとえば、
図3に示されている処理モジュール325は、基板が特定の方向を向いていることが要求される、基板Sに対する特定の処理の実行が可能であってもよい。アライナ362は、後に、基板搬送ロボット330によって基板保持ステーション315内に搬送され、設置されると、基板Sが所望の方向を向くように、たとえば、基板Sを、アライナ内にあるときに、位置決めしてもよい。他の態様では、制御装置11091が、基板Sを所望の向きで処理モジュール325内に設置するように基板搬送ロボット330を制御するように、アライナ165は、制御装置11091に位置情報を特定してもよい。アライナ362によって確立された基板の向きによって、既知の位置に、基板の基準Fが位置決めされる。基板のための基準の既知の位置が制御装置11091に通知される。制御装置11091は、基板315がエンドエフェクタ395によって搬送され、アライナ362により提供される基準Fの位置情報から、エンドエフェクタ395に対する基準Fの予定位置を確立するようにプログラムされる。エンドエフェクタ395上での予定基準位置は、たとえば、基板S上の2つの地点を特定する(1つまたは複数の)センサ199A、199Bを使用する自動ウェハセンタリングをもたらすように、制御装置11091によって使用されてもよい。
【0029】
一態様では、制御装置11091は、自動ウェハセンタリングをもたらすために使用される、処理ツール390および基板Sの様々な一時データを監視および登録するようにプログラムされてもよい。理解できるように、基板Sの寸法特性は、環境条件、特に温度により変化し得る。たとえば、基板315は、処理中に温度変化に曝されると、熱膨張および収縮を起こし得る。一態様では、制御装置11091は、基板Sの前の位置および温度に関するデータとは実質的に関わらない任意の適切な方法で、たとえば、基板の縁部に沿って、十分な数(たとえば、3つ以上)の地点を検出するなどによって、基板の中心を判定するように構成される。他の態様では、制御装置11091は、基板の前の位置に関する情報、および基板が前の位置で曝されていた環境温度、曝露時間、および他の関連する情報を有してもよい。たとえば、基板Sは、ある事前の時点に、何らかの温度で搬送コンテナ内に設置された焼成モジュールから取り除かれ、そこである期間保持され、そして、あるフロントエンド温度を有する処理ツール390内へと搬入されてもよい。したがって、制御装置11091の記憶装置は、基板Sが搬送されるときに通過する、または内部で基板Sを保持する、処理ツール390の各領域内、および半導体製造施設の他の所望の部分内の温度に関するデータを保持してもよい。たとえば、温度情報は、内部で基板Sが装置へと搬送される搬送コンテナ11050(
図1)のために、制御装置11091に記憶されてもよい。温度情報は、フロントセクション11000(
図1参照)、ロードロック11010、および基板Sがバッファされてもよい任意のバッファステーション(図示されず)のために記憶されてもよい。真空セクション11090においても同様に、放熱表面または熱吸収表面(たとえば、加熱板、冷却板など)の温度のような熱情報もまた、制御装置11091により記憶されてもよい。理解できるように、例示的な実施形態では、制御装置170もまた、位置および時間などの基板の一時情報を監視し記憶してもよい。したがって、例示的な実施形態では、制御装置11091は、その記憶装置内に、(1つまたは複数の)センサ199A、199Bを通過するときなどの所望の期間中の基板Sの熱的条件を十分に規定するのに望ましいパラメータのためのデータを有してもよい。たとえば、制御装置は、アライナ362による半径の測定時、および(1つまたは複数の)センサ199A、199Bを通過する時などの、ある時点における基板の熱的条件(すなわち、温度)を適切に確立するための適切な熱平衡アルゴリズムを有してもよい。代替の実施形態では、基板のための熱的条件を特定するためのデータは、所望の外部記憶装置の場所から制御装置によってアクセスされてもよい。さらに他の代替の実施形態では、基板の熱的条件は、光温度計などの適切な装置によって直接計測されてもよい。基板の温度に関するデータは、基板の熱的条件による、基板Sの寸法の変動を判定するために使用されるように、制御装置に通知されてもよい。他の態様では、基板Sの中心は、たとえば、センサ199A、199Bを用いて基板の縁部上の少なくとも3つの地点を検出する、および検出された少なくとも3つの地点に基づいて、中心を判定するなどによって、基板の温度と無関係に判定されてもよい。
【0030】
図3をさらに参照すると、センサ199A、199Bは、基板搬送ロボット330により、基板がセンサを通過するように移動させられると、基板315の存在を検出することが可能である、貫通ビームセンサ、またはリフレクタンスセンサのような任意の適切なタイプのものであってもよい。例示的な実施形態では、センサ199A、199Bは、それぞれ、ビームを検出したとき、または検出できなかったときに適切な信号を生成するビーム源および検出器を有してもよい。基板の縁部が、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数の感知領域を通過し、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数によって検出されるように、センサ199A、199Bは基板の搬送路Pに対してずれるように位置してもよい。
図3では、基板の搬送路Pは、例示目的のために、略径方向の進路として示されている(すなわち、進路が、基板搬送ロボット330の回転の肩軸Zを通過して延びている)。他の態様では、基板Sは、任意の望ましい搬送路を有してもよい。たとえば、進路は、径方向の進路Pに対しずれているが、略平行である直線状の進路であってもよく、他の態様では、進路は、弧状の進路である。他の態様では、進路は、径方向の進路Pに対して所望の角度分ずれてもよい。センサ199A、199Bは、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,990,430号明細書に記載されるように、対象の縁部検出のための感度を向上させるために、最適に設置されてもよい。
【0031】
一態様では、搬送路Pに対するセンサ199A、199Bのうちの1つまたは複数の位置は、エンドエフェクタ395上での基板315の予定の向きに(すなわち、基準Fの予定位置に)基づいてもよく、ひいては、基板が搬送される処理モジュール325に関連する基板配向パラメータに基づいてもよい。所定の処理モジュールへと搬送される基板の予期される向きは、処理モジュールおよびロボットが取り付けられる、装置のセットアップ時に設定可能である。オンザフライ方式の自動基板センタリングセンサ199A、199Bは、ロボットエンドエフェクタ395上における、基板の予定される向きにおいて、与えられる処理モジュールに関連する配向パラメータに応じて、基準Fが、センサにより画定される除外領域内にないことが予定されることを確実にするために、搬送路Pに対して適宜に位置決めされてもよい。
【0032】
一態様では、制御装置11091は、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる、2006年1月24日に発行された米国特許第6,990,430号明細書および2011年4月12日に発行された米国特許第7,925,378号明細書に記載されるもののような方法で、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数を使用して、エンドエフェクタ395の基準位置395C対する基板Sの中心位置を判定するように構成される。他の態様では、制御装置11091は、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる、1989年4月4日に発行された米国特許第4,819,167号明細書および1999年11月9日に発行された米国特許第5,980,194号明細書に記載されるもののような、任意の適切な方法で、エンドエフェクタ395の基準位置395C対する基板Sの中心位置を判定するように構成される。
【0033】
既に説明したように、制御装置11091は、また、基板を基板保持ステーション315から取出し、基板保持ステーション315へ設置するために、基板を自動でセンタリングするときに、基板搬送装置395の熱膨張および/または収縮を判定するように構成される。
図4Aを参照すると、一態様では、エンドエフェクタ395は、エンドエフェクタの基準点の位置の判定をもたらすために、任意の適切な方法でエンドエフェクタに一体化される(一体部材として形成される)または取り付けられる、1つまたは複数の基準特徴部または中心判定特徴部401、402を備えるセルフセンタリングエンドエフェクタである。基準特徴部401、402は、エンドエフェクタ395に関して説明されるが、他の態様では、基準特徴部は、アームリンク上など、基板搬送ロボット330の任意の適切な部分上に位置してもよいことが理解されるべきである。1つまたは複数の基準特徴部401、402は、エンドエフェクタ395の基準位置395C(
図4Aでは、位置Xc、Ycとも表示される)に対して、ひいては、エンドエフェクタのあらゆる空間位置に対して決定的である。たとえば、1つまたは複数の基準特徴部401、402は、本明細書においてより詳細に説明するように、エンドエフェクタ395および基準特徴部401、402の温度とは無関係である、基準位置395Cとの所定の固定関係を有する。一態様では、(1つまたは複数の基準特徴部401、402を含む)エンドエフェクタ395は、エンドエフェクタ395の材料は、実質的に限られた熱膨張および収縮を有するという点で、たとえば、上記温度の上側範囲にあたるような高温(たとえば、約850℃以上)で、寸法が安定している。一態様では、エンドエフェクタ395、および1つまたは複数の基準特徴部401、402は、アルミナ、または高温において限られた量の熱膨張および収縮を有する他の適切な材料を含む。エンドエフェクタおよび基準特徴部の材料は、また、約850℃未満の温度においても、寸法が安定していることが理解されるべきである。なお、エンドエフェクタ395の高温および熱膨張が説明されるが、開示される実施形態の態様は、たとえば、約500℃の中程度の基板処理温度および約200℃の低温の処理温度に適用可能であることが理解されるべきである。
【0034】
一態様では、
図3および4Aを参照すると、1つまたは複数の基準特徴部401、402は、たとえば、エンドエフェクタ395上、または基板搬送装置330の他の任意の適切な場所に形成および位置決めされ、それにより、1つまたは複数の基準特徴部401、402は、(1つまたは複数の)センサ199A、199Bを通過する、基板搬送330の移送アーム330Aの(たとえば、オンザフライ方式の)運動499の間に、センサ199A、199Bの1つまたは複数などの、自動基板またはウェハセンタリングセンサに検出され、運動は、径方向の伸長/後退運動(たとえば、R運動)、回転運動(たとえば、θ運動)、または任意の適切な直線状または曲線状の運動のうちの1つまたは複数である。一態様では、基板Sがエンドエフェクタ395により保持されるまたは運搬される間、基準特徴部401、402が、センサ199A、199Bに感知されるように、基準特徴部401、402は、エンドエフェクタ395上に保持される基板Sに対して位置決めされる。たとえば、エンドエフェクタ395の基板保持ステーション395Sは、1つまたは複数の基準特徴部401、402により妨げられない。また、1つまたは複数の基準特徴部401、402は、エンドエフェクタ395により保持される基板Sによって妨げられない。一態様では、基準特徴部401、402は、基板保持ステーション395Sとは分離し、基板保持ステーション395Sとは別個であるように基板搬送ロボット330上に配置される。一態様では、
図3にみられるように、1つまたは複数の基準特徴部401’は、基板搬送装置330のアーム330A上に位置する。たとえば、一態様では、エンドエフェクタ395は、手首ブレード395WR、またはエンドエフェクタをアーム330Aのリンクに連結させる、他の適切な機械的インターフェース部によってアーム330Aに連結される。一態様における手首ブレード395WRは、基板搬送装置のアーム330Aの手首軸を画定し、エンドエフェクタ395が取り付けられる連結支持部またはシートを含む。
【0035】
理解できるように、基板Sは、エンドエフェクタ上で、中央に位置決めされて(たとえば、基板の中心が、エンドエフェクタの基準点395Cと一致して)保持されてもよく、または偏心位置で(たとえば、基板の中心が、エンドエフェクタの基準点と一致しないで)保持されてもよい。センサ199A、199Bは、それぞれのセンサ199A、199Bを通過する基板の移行部421~422、およびエンドエフェクタ395の運動499の間に、オンザフライ方式でそれぞれのセンサ199A、199Bを通過する基準特徴部の移行部425~428を検出するように構成される。理解できるように、基板Sは、エンドエフェクタ395上に、基板の中心WCとエンドエフェクタの基準点395Cとの間における任意の偏心度eを有して載置されてもよい。本明細書で説明するように、基準特徴部401、402とエンドエフェクタ395の基準点395Cとの間の所定の決定的関係により、どの教示治具からも独立した、基板の中心ずれ(たとえば、偏心度e)の特定、基板搬送ロボット330(たとえば、ロボットの少なくともアーム330A)が、熱変位(たとえば、膨張または収縮)の影響下にある場合のエンドエフェクタの中心または基準位置395Cの特定、ステーション保持位置SCが特定および教示されるための、センサ199A、199Bに対するエンドエフェクタの中心または基準位置395Cの特定、およびセンサのそれぞれの移行部421~428に関連する、ロボット395の位置の検出におけるヒステリシスの影響(たとえば、センサの待ち時間)の最小化がもたらされる。
【0036】
基準特徴部401、402のそれぞれは、エンドエフェクタの基準点395Cに対してセンサ199A、199Bによりスキャンされるそれぞれの縁部または移行点425、426、427、428を検出するための決定的唯一解を定義する既知の所定の形状を有する。この既知の所定の形状は、熱膨張/収縮前のエンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Yc、および熱膨張/収縮後のエンドエフェクタの基準点395の位置を判定するために、センサ199A、199Bにより検出または感知される。一態様では、センサ199A、199Bは、エンドエフェクタがセンサ199A、199Bを通過して移動するときに、各センサが、エンドエフェクタ395の長手方向の中心線CLに対してずれるように、処理ツール390内に位置決めされる。ここで、センサ199A、199Bは、中心線CLの両側に位置しているが、他の態様では、中心線CLの共通の側に1つまたは複数のセンサが位置してもよい。
【0037】
図4Aに示される態様では、エンドエフェクタ395の横方向(横方向は、概して、X方向であり、長手方向軸は、エンドエフェクタ中心線CLにより画定される)の両側部から延びる、または垂下する2つの基準特徴部401、402が存在するが、他の態様では、2つより多い、または少ない基準特徴部401、402が存在してもよい。たとえば、
図4Bを参照すると、一態様では、エンドエフェクタ395の単一の横方向側部上に配置される(たとえば、側部から延びるまたは垂下する)単一の基準特徴部401が存在する。他の態様では、エンドエフェクタ395は、横方向の共通側部または横方向の両側部上に配置される補助的基準特徴部を含む。たとえば、
図4Cを参照すると、基準面401、402’が、エンドエフェクタ395の横方向の共通側部上に位置し、基準特徴部401、402’が、移行点425’、426’と427、428のいずれかの組を使用して、補助的なエンドエフェクタの基準点395Cの位置判定を提供し、補助的基準特徴部401、402’のそれぞれは、基準特徴部の他方の補助であり、本明細書で説明するように、位置判定の正確性を向上させるために、組み合わされ、平均化され得る、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycを判定するための、それぞれの決定的唯一解を提供する。補助的基準特徴部401、402’は、エンドエフェクタ395の横方向の共通する側に図示されているが、他の態様では、補助的基準特徴部は、エンドエフェクタの横方向の両側に位置してもよい。他の態様では、
図4Dおよび4Eを参照すると、エンドエフェクタ395は、1つまたは複数の基準特徴部403を含み、基準特徴部403は、エンドエフェクタ395内の開口(たとえば、スロットまたは孔)などの内部基準特徴部として形成される。1つまたは複数の基準特徴部403は、本明細書において説明されるものと実質的に類似の方法で、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycの判定をもたらすための任意の適切な形状および構成を有する。たとえば、1つまたは複数の基準特徴部403は、特徴部の位置およびサイズを判定するために、1つまたは複数の方向でスキャンされるように形成される単一または複数の特徴部403A、403Bであってもよく、その形状およびサイズは、さらに、エンドエフェクタの熱膨張または収縮、およびエンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycを判定するために、制御装置により使用される。一態様では、1つまたは複数の基準特徴部403は、基準特徴部401、402に関して本明細書において説明されるものと実質的に類似の方法で、基板移送ロボット330の移動中にスキャンされるように、形成され、サイズ決めされる。一態様では、本明細書において説明されるような熱的影響は、ウェハの偏心度の判定から独立して判定され、アーム330A、エンドエフェクタ395、および/または手首ブレード395WR上の任意の場所に位置する別の基準特徴部を用いて感知されてもよい。たとえば一態様では、1つまたは複数の内部基準特徴部403、403A、403Bの少なくとも一部は、エンドエフェクタ395の縁部395EGなどの外部基準特徴部に対応する。たとえば、基準特徴部403A、403Bの縁部403Eは、少なくともエンドエフェクタの基準点395Cの判定をもたらすために、基準特徴部401、402の縁部に関して説明された方法で、縁部403Eおよび395EGが、感知/検出されるように、縁部395EGとの所定の関係を有する。基準特徴部403、403A、403Bの形状および数は、典型的なものであり、他の態様では、それぞれが任意の適切な形状を有する、任意の適切な数の基準特徴部が存在してもよいことが理解されるべきである。
図4Fを参照すると、さらに別の態様では、基準特徴部401’’、402’’は、エンドエフェクタ395の1つまたは複数の縁部と一致する。たとえば、エンドエフェクタは、手首部395Wおよび基板保持部395Hを含む。この態様では、手首部395W、またはエンドエフェクタ395の他の適切な部分は、手首部395Wの縁部が、手首部395Wの縁部と一致する基準特徴部401’’、402’’を一体的に形成するように、形成される。他の態様では、本明細書で説明される(1つまたは複数の)基準特徴部は、基板搬送装置330のアーム330A、およびエンドエフェクタ395とアーム330Aとの間の機械的インターフェース部(たとえば、手首部395Wに類似であってもよい手首プレート)のうちの1つまたは複数の内部に、または上に組み込まれる。
【0038】
図4Aに示される態様では、基準特徴部401、402は、各基準特徴部401、402の(移行部425~428に対応する)前部側および後部側縁部が、実質的に一定の半径を有するように、曲線状に図示されており、移行部425~428における前部側および後部側縁部の検出は、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycを確立するために、たとえば、エンコーダ331からの位置データを用いて、制御装置11091によって解決される。他の態様では、基準特徴部401、402は、エンドエフェクタの基準点395Cに関する唯一解を有する任意の適切な形状を有し、その唯一解は、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycを特定するのを解決する。
図5を参照すると、たとえば、一態様では、基準特徴部501、502は、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycに対して所定のずれFS1、FS2、および角度αを有する直線状の縁部を含む。一態様では、本明細書で説明される基準特徴部のそれぞれは、基板保持ステーション395Sのエンドエフェクタの基準点395Cを独立して求めるように構成される。一態様では、本明細書で説明される基準特徴部は、基準特徴部の検出により、エンドエフェクタ395から独立して、基板搬送ロボット330の寸法の変動が画定されるように、エンドエフェクタ395上または基板搬送ロボット330のアーム330Aの他の適切な部分上に配置され、その変動は、一態様では、基板搬送ロボット330に対する熱的影響による。
【0039】
図4Aをさらに参照すると、一態様では、エンドエフェクタの基準点395Cの基準位置Xc、Ycの判定に関する正確性を向上させるために、複数の基準特徴部401、402がエンドエフェクタ上に設けられる。たとえば、基準特徴部401、402のそれぞれの形状が、たとえば、(移行部425、427に対応する)第1の円形VRW1および(移行部426、428に対応する)第2の円形VRW2などの、1つまたは複数の共通の仮想基準特徴部と揃うように、基準特徴部401、402は、実質的に互いに類似であり、互いに対向して配置される。2つの円形が図示されているが、他の態様では、移行部は、単一の円形または2つよりも多い円形に対応してもよい。他の態様では、基準特徴部401、402は、たとえば、エンドエフェクタの基準点395Cと所定の関係を有する、任意の適切な幾何学的特徴部/形状を画定してもよい。それぞれの円形VRW1、VRW2は、既知の直径を有し、したがって、それぞれの円形VRW1、VRW2(それぞれの円形および移行部425、427および426、428に対応する基準特徴部401、402の縁部)は、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycの判定に関する、それぞれの決定解を有する。一態様では、円形VRW1、VRW2に対する解のそれぞれと、移行部425、427および426、428に対応するエンコーダ331からの位置データとが、たとえば、センサ199A、199Bの信号およびロボットエンコーダデータにおけるノイズ変動を実質的に除去するために、任意の適切な方法で、制御装置11091によって組み合わされ、平均化される。他の態様では、単一の基準特徴部、エンドエフェクタの両側の基準特徴部、および/またはエンドエフェクタの共通する側の基準特徴部など(補助的な特徴部または非補助的な特徴部であろうとなかろうと)の、基準特徴部のそれぞれに対する解は、センサおよびエンコーダデータにおけるノイズ変動を実質的に除去するために、組み合わされ、平均化され得る。
【0040】
理解できるように、移行部421~428の1つまたは複数を検出するときの、たとえば、移動する搬送アーム330Aおよびエンドエフェクタ395の速度の影響による、(たとえば、センサ199A、199Bの信号における)ヒステリシスの影響があってもよい。たとえば、搬送アーム330Aがより高速になると、センサ199A、199Bが、少なくとも移行部425~428の1つまたは複数を感知する時と、センサ信号が制御装置11091によって受信される時のずれにより、より大きな変動の影響を引き起こす。一態様では、ヒステリシスの影響は、たとえば、異なる速度の、それぞれの移行部425~428の信号の検出に対応する、搬送アーム330Aの径方向伸張位置のエンコーダの値を組み合わせることで、解消される。アーム330Aの径方向の伸長が例として用いられているが、他の態様では、エンコーダ331から取得されるアーム330Aの位置情報は、任意の適切な座標系に対応する任意の適切な位置データであってもよい。たとえば、搬送アーム330Aが、基板Sを設置するために、基板保持ステーション315内へと第1の速度で伸長し、基板Sの設置後に、第1の速度と異なる第2の速度で、基板保持ステーション315から後退する。移行部425~428のデータが、搬送アーム330Aの伸長および後退の通過に対し、制御装置11091により受信され、たとえば、エンドエフェクタが、センサ199A、199Bの傍を通過し、エンコーダ331が、制御装置11091に、移行部425~428のデータと対応する位置の値/データを送信する。制御装置11091は、ヒステリシスの影響を補償するために、伸長および後退の両方の通過に対する移行部425~428のデータと対応する、エンコーダ331からの位置の値/データを組み合わせ、平均化するように構成される。理解できるように、複数の伸長および後退の通過は、ヒステリシスの影響を実質的に減少または除去するために、組み合わされ、平均化されてもよい。アーム330Aの径方向の伸長は、上記のヒステリシスの補償の例に関して説明されるが、他の態様では、アーム330Aは、様々な速度で、複数の方向の任意の適切な進路に沿ってセンサの傍を通過してもよく、センサの移行に対応する位置データが、ヒステリシスの影響を補償するために、組み合わされ、平均化される。
【0041】
図4Aをさらに参照して、開示される実施形態の態様の例示的な動作を説明する。既に説明したように、従来の自動ウェハまたは基板センタリングアルゴリズムは、偏心度ゼロの基準ウェハ位置を画定するために、基板センタリング治具を利用する。開示される実施形態の態様では、基準特徴部401、402は、偏心度ゼロのウェハ位置(たとえば、エンドエフェクタの基準点395Cの位置)と、所定の決定的関係を有する。このようにして、基準特徴部401、402から取得される測定値により、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycが画定される。基準特徴部401、402がそれぞれのセンサ199A、199Bの傍を通過するときに(1つまたは複数の)センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数により検出される移行部425~428は、それぞれのセンサ199A、199Bが各移行部425~428を検出する瞬間に、基板搬送ロボット330のエンコーダ331により報告されるエンドエフェクタ位置として計測される。一態様では、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycは、(たとえば、(1つまたは複数の)センサ199A、199Bの傍を通る、エンドエフェクタ、基準特徴部、および/または基板の同一の通過または単一の通過で)エンドエフェクタ395上に保持される基板Sの偏心度判定と略同時に判定される。
【0042】
一態様では、基準特徴部401~402が、1つまたは複数のセンサ199A、199Bを通過するときに、基板搬送ロボット330の少なくともエンコーダデータが、エンドエフェクタの基準点395Cと関連するように、本明細書で説明される自動基板センタリングおよびステーション通知装置300は、所定の較正温度または基準温度T
REFで較正される。較正温度は、たとえば、基板搬送アーム330が熱膨張または収縮の影響を受けない温度、および/または基板保持ステーション315が、基板搬送装置330に教示される温度など、任意の適切な温度であってもよい。他の態様では、較正温度は、熱膨張または収縮の量が基板搬送装置330について既知である温度である。一態様では、自動基板センタリングおよびステーション通知装置300を較正するために、基板搬送ロボットが存在する環境を較正温度にする(
図6、ブロック600)。基板搬送ロボット330は、たとえば、搬送チャンバ内で、基板保持ステーション315の位置へと移動する。基板搬送ロボット330が、基板保持ステーション315へと移動すると、エンドエフェクタ395(たとえば、(1つまたは複数の)基準特徴部)は、1つまたは複数のセンサ199A、199Bを通過するように移動する(
図6、ブロック605)。センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数は、移行部425~428において、たとえば、基準特徴部401、402のうちの1つまたは複数の前部側および後部側縁部を検出する(
図6、ブロック610)。各移行部425~428において、1つまたは複数のセンサ199A、199Bは、それぞれの移行部425~428が現れたことを示す信号を制御装置11091に送信し(
図6、ブロック615)、この信号に応じて、基板搬送ロボット330のエンコーダは、基板搬送ロボット330の位置を示す信号を制御装置11091に送信する(たとえば、制御装置11091が、移行部の検出に応じてエンコーダデータを受信する)(
図6、ブロック620)。制御装置は、任意の適切な方法で、移行部425~428に対応するエンコーダデータ、および基準特徴部401、402とエンドエフェクタの基準点395Cとの間の既知の決定的関係に基づいて、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Yc(たとえば、偏心度ゼロの基板位置)を判定し、それによって、基板搬送ロボット330のエンコーダデータ(および、たとえば径方向伸張位置)が、エンドエフェクタの基準点395Cに相互に関連付けられる(たとえば、エンドエフェクタの基準点の位置Xc、Ycが制御装置に知得される)(
図6、ブロック625)。一態様では、制御装置11091は、移行点427、428および基準面401に関する以下の方程式を使用し、
図4Aおよび
図7を参照して、位置Xc、Ycを判定する。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
ここでは、r1およびr2はそれぞれ、基準特徴部401、402により画定される仮想の円形VRW1およびVRW2の半径であり、γ1およびγ2は、仮想の円形VRW1、VRW2上の移行点427および428に対するそれぞれの角度であり、そして、ΔRは、移行部427および移行部428におけるアームの径方向の伸長の差である。較正の正確性を向上させるために、基準面402についての移行部425、426に対し類似の計算を行い、移行部427、428に対する計算の結果と平均化してもよい。
【0048】
あらためて、他の解/方程式が、基準特徴部401、402の幾何学的構成に応じて適応可能であることが理解されるべきである。理解できるように、自動基板センタリングおよびステーション通知装置300の較正は、たとえば、ツールのセットアップ時に、または基板の搬送が取り替えられるときに実行されてもよく、基板処理装置が処理セキュリティの状態にある(たとえば、密閉された処理装置内の温度が、基板処理温度にまで高められる)ときは、実行される必要はない。さらに、較正温度にある基板搬送アーム330Aの径方向の伸長RCTは、移行部425~428の少なくとも1つに対し判定されるが、他の態様では、基板搬送アームの伸長は径方向ではなく、移行部425~428の少なくとも1つに対する基板の搬送のXおよびY座標(または他の任意の適切な座標系における基板搬送ロボットの座標)は、制御装置11091によって記録され、移行部425~428に相互に関連付けられる。
【0049】
上記のように、たとえば基板搬送ロボット330などの基板処理装置に対する熱的影響は、たとえば、基板保持ステーション315への基板Sの設置、および基板保持ステーション315からの基板Sの取出しの正確性における誤差の原因となり得る。たとえば、基板搬送ロボット330の熱膨張および/または収縮は、基板保持ステーション315(
図3)などの基板保持ステーションからの基板Sの取出し、および基板保持ステーションへの基板Sの設置の間の、基準特徴部401、402の移行部のデータに対応する、基板搬送ロボット330のアーム330Aの位置データを用いて、一態様では、基板処理と略同時であるオンザフライ方式で補償される。一態様では、基板処理モジュール325(および、基板保持ステーション315などのその構成要素)に対する熱的影響もまた、たとえば、基板処理モジュール325の熱膨張/収縮を、基板搬送装置330の熱膨張/収縮に関連付ける、制御装置11091内の設定可能なスケールを記憶することによって補償される。一態様では、基板処理モジュール325の熱膨張/収縮の値は、本明細書で説明するように、基板搬送装置330の既知の熱膨張/収縮の値に基づいて、制御装置により推定される。たとえば、アーム330Aの熱膨張/収縮は、基板処理モジュール325の膨張/収縮を推定するための温度センサとして機能してもよく、その相関関係は、設定可能なスケール中に表示され得る。
【0050】
理解できるように、基板処理装置の処理温度が変化すると、基板搬送装置330の熱膨張または収縮の結果、搬送アーム395などの基板搬送ロボット330の位置に対し、基準特徴部401、402の検出される移行部425~428がドリフトする。このようにして、基板搬送装置330の位置データを、較正温度T
REFにあるそれらの値のそれぞれと比較することで、結果として生じる熱膨張または収縮の影響を測定することが可能である。
図9を参照すると、エンドエフェクタの基準点395Cは、たとえば、熱的影響による歪みが存在する時を除き、固有の場所にあるはずである。所望であれば、たとえば、基板搬送アーム330Aの、温度による歪みの影響を数量化するために、較正温度T
REFでの位置Xc、Ycを測定し、(上記のような)較正処理の一部として位置を記憶することが可能である。基板搬送ロボットが、任意の温度Tで、基板処理モジュール325の基板保持ステーション315に伸張する、または基板保持ステーション315から後退する場合、温度の影響は以下の方程式で算出され得る。
【0051】
【0052】
ここでは、ウェハの中心WCが、ステーション位置SCと揃うように設置されるように、測定された歪みが、任意の適切な方法で、ウェハのずれの測定および修正に組み込まれる。一態様では、ΔX(T)、ΔY(T)は、本明細書で説明されるように、基板処理モジュール325に対する熱的影響を判定するために使用されてもよい。たとえば、一態様では、基板搬送ロボット330は、エンドエフェクタ395を用いて、任意の適切な基板保持位置から基板Sを取り出す(
図8、ブロック800)。なお、一態様では、熱補償は、エンドエフェクタが基板Sを保持することなく実行され(たとえば、
図8のブロック800は任意である)、基板の処理の前に、またはその間に実行されてもよい。基板搬送ロボット330は、たとえば、搬送チャンバまたは他の制御環境内から基板保持ステーション315の位置へと移動する。基板搬送ロボット330が、(たとえば、基板Sを設置するため、または基準特徴部401、402をセンサ199A、199Bを通過して移動させるために)基板処理モジュール325の基板保持ステーション315に向かって移動すると、基板Sおよび/またはエンドエフェクタ395(たとえば、基準特徴部401、402)がセンサ199A、199Bのうちの1つまたは複数を通過するように移動させられる(
図8、ブロック805)。エンドエフェクタ395が基板を保持している態様では、移行部421~424において、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数が、オンザフライ方式で、たとえば、基板Sの前部側および後部側縁部を検出する(
図8、ブロック810)。一態様では、移行部425~428において、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数が、オンザフライ方式で、たとえば、移行部421~424の検出に加えて、または代わって、基準特徴部401、402のうちの1つまたは複数の前部側および後部側縁部を検出する(たとえば、
図8のブロック810における基板の検出は、一態様では任意である)(
図8、ブロック815)。各移行部421~428において、1つまたは複数のセンサ199A、199Bは、それぞれの移行部421~428が現れたことを示す信号を制御装置11091に送信し(
図8、ブロック820、および821、ブロック820は、エンドエフェクタが基板を保持しているときのみ行われる)、この信号に応じて、基板搬送ロボット330のエンコーダは、基板搬送ロボット330の位置を示す信号を制御装置11091に送信する(たとえば、制御装置11091が、移行部の検出に応じてエンコーダデータを受信する)(
図8、ブロック825)。一態様では、処理温度における(たとえば、ΔTにおける)エンドエフェクタの基準位置395Cの熱補償は、たとえば、移行部425~428の1つまたは複数、たとえば、移行部428における、基板搬送ロボット330の径方向伸張位置R
ΔTに基づいて判定される。たとえば、R
ΔTは、センサ119Aが、移行部428を検出し、基板搬送装置330のエンコーダ331が、基板搬送装置330の位置を示す位置信号を制御装置11091に送信するとき、制御装置11091により判定される(
図8、ブロック830)。なお、R
ΔTは、たとえば、熱膨張または収縮による、基板搬送ロボット330のアーム330Aのセンサ199Aから肩軸Zまでの寸法の変化に対応する、または寸法の変化を反映する。このようにして、処理温度にあるエンドエフェクタの基準点395Cの位置X
CΔT、Y
CΔTは、以下の方程式から、たとえば、基板の処理と略同時に判定される(
図8、ブロック835)。
【0053】
【0054】
【0055】
ここでは、
【数9】
は、たとえば、エンドエフェクタ395の材料の熱安定性のため、[数9]の較正値から変化せず、およびX
CΔTもまた、エンドエフェクタ395材料の熱安定性のため、略一定(たとえば、X
Cに等しい)である。一態様では、(たとえば、熱的影響による)処理モジュールの寸法因子は、必要に応じて、基板Sを処理モジュールステーション315に設置するための搬送ロボットの転換のため、処理モジュール325のステーション315の寸法変動の影響を組み込むために、合計することなどによって、Y
CΔTおよびX
CΔTと組み合わされてもよい。一態様では、たとえば、較正温度における移行部425~428の対応する位置の値から、処理温度における移行部425~428の相対的な偏差を自然に検出することで、温度補償効果が達成されるため、基板搬送アーム330Aの熱膨張を補償するために、処理温度の実際の値を知る必要はない。制御装置11091は、基板搬送ロボット330の熱膨張および/または収縮をオンザフライ方式で補償する、たとえば、位置Xc、Ycが、処理温度におけるR
ΔTに基づいてオンザフライ方式で調節される、ために、処理温度にあるエンドエフェクタの基準点395Cの位置X
CΔT、Y
CΔTに基づいて、基板搬送ロボット330の移動を制御する。
【0056】
処理温度にあるエンドエフェクタの基準点395Cの位置X
CΔT、Y
CΔTは、移行部428から判定されるが、他の態様では、位置X
CΔT、Y
CΔTは、たとえば、第1の円形VRW1および第2の円形VRW2上の2つ以上の地点を使用して判定され、複数の地点は、円形VRW1、VRW2のうちの共通の1つに対応する。たとえば、移行部426および428のような2つの地点が、位置X
CΔT、Y
CΔTを判定するために使用される(または、他の態様では、移行部425および427が使用される)。たとえば、
図9を参照すると、位置X
CΔT、Y
CΔTは、以下の方程式を使用し、たとえば、移行部426、428を感知することによって、求められる。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
ここでは、これらの方程式により、エンドエフェクタ395により保持される、中央に揃えられた基板を表す、仮想の円形VRW1、VRW2のうちの1つまたは複数を使用して、エンドエフェクタの基準点395Cの位置が特定される。理解できるように、円形上の2つの地点を使用する方程式は、円形VRW1、VRW2の両方に適用可能であり、その結果得られる、エンドエフェクタの基準点395Cのそれぞれの位置は、位置XCΔT、YCΔTの判定の正確性を向上させるために、平均化される。ここでは、開示される実施形態の他の態様と同様に、エンドエフェクタの基準点395Cの位置は、エンドエフェクタ395上に保持される基板Sの位置とは無関係に、基板搬送装置330がアーム330Aを、基板処理モジュール/ステーション325に/から伸長する度に、判定されてもよい。また、一態様では、処理モジュール325の寸法変動は、本明細書で説明されるように、基板Sを処理モジュールステーション315に設置することをもたらすために、位置XCΔT、YCΔTの判定と組み合わされてもよい。
【0063】
エンドエフェクタが基板Sを保持する一態様では、制御装置11091は、所望であれば、移行部421~424についての基板センサ移行データ、およびエンドエフェクタの基準点395Cの位置X
CΔT、Y
CΔTに基づいて、基板Sの偏心度eを判定するように構成される(
図8、ブロック840)。一態様では、基板Sの偏心度eは、たとえば、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,990,430号明細書、米国特許第7,925,378号明細書、米国特許第4,819,167号明細書、および米国特許第5,980,194号明細書に記載されるもののような任意の適切な方法で、オンザフライ方式で判定される。たとえば、
図4Aを参照すると、基板の中心WCの位置Xw、Yw、エンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Yc、および基板Sの偏心度eが示されている。基板の中心WCの位置Xw、Yw、およびエンドエフェクタの基準点395Cの位置Xc、Ycは、較正温度における位置または処理温度ΔTにおける位置のいずれかを表し、位置Xw、YwおよびXc、Yc(X
CΔT、Y
CΔT)は、本明細書で説明されるように判定されることが理解されるべきである。一態様では、偏心度eは、以下の方程式を用いて判定され得る。
【0064】
【0065】
基板保持ステーション315の位置は、較正温度にある基板搬送ロボット330に教示されると上記されているが、一態様では、(1つまたは複数の)基板保持ステーション315の位置は、任意の適切な方法で、たとえば、処理温度にて判定される基準点の位置X
CΔT、Y
CΔTおよび/または基板の偏心度eに基づいて、処理温度にある基板搬送ロボットに再度教示される(較正温度における教示の代わりに教示される)(
図8、ブロック845)。たとえば、制御装置11091は、本明細書で説明される基準特徴部の検出から、基板処理ツール390の基板処理モジュール/ステーション325の中心位置SCを知得するように構成される。一態様では、制御装置11091は、本明細書で説明される基準特徴部の少なくとも1つの少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータから、基板処理ツール390の基板処理モジュール325の中心位置SCを特定および知得するように構成される。一態様では、(1つまたは複数の)基板保持ステーション315の(1つまたは複数の)位置は、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる、2015年11月10日に出願され、「Tool Auto-Teach Method and Apparatus」と題された米国特許出願第14/937,676号(代理人整理番号390P015016-US(PAR))に記載されるものに実質的に類似の方法で、処理温度にある基板処理ロボット330に教示される。
【0066】
一態様では、
図4Aおよび10を参照すると、教示ウェハなしの1回の通過またはステップで、基板移送ロボット330のエンドエフェクタ395の位置395Cが判定され、ステーションの中心SCが、基板搬送装置330に教示される。たとえば、センサ199A、199B(中心線CLの両側に対向して配置されるが、対称に配置される必要はない)は、基準特徴部401、402のような基準特徴部を感知することが、エンドエフェクタの中心または基準位置395Cの判定と、ステーションの中心SCの知得との両方の役に立つように、ステーションの中心SCと所定の空間関係を有する。たとえば、ステーションの中心SCの教示は、エンドエフェクタ395の基準特徴部401、402により画定される仮想の円形VRW1に関連して説明されるが、ステーションの中心SCは、基準特徴部および/または基板Sにより画定される円形VRW2を使用して、類似の方法で教示され得ることが理解されるべきである。一態様では、ウェハSおよび/または基準特徴部401、402は、エンドエフェクタ395により、センサ199A、199Bの方向に移動させられる。(
図11、ブロック1100)。ウェハSおよび/または基準特徴部401、402は、センサを用いて感知され(
図11、ブロック1110)、ウェハ中心部WCのうちの1つまたは複数の判定、および基板搬送装置の位置(すなわち、基準位置395C)が判定される(
図11、ブロック1120)。たとえば、基準位置395Cは、本明細書で説明する円形VRW1を使用して判定される。理解できるように、ステーションの中心SCに対するセンサ199A、199Bの位置が知られているため、また、ウェハ中心部WCが、エンドエフェクタ中心基準点395Cと実質的に一致しているため、基板保持ステーションの位置もまた、エンドエフェクタ中心基準点395Cに対して知られており、基板搬送装置に教示され、センサ199A、199BによりウェハSおよび/または基準特徴部401、402を感知することで、エンドエフェクタの1回の通過(またはステップ)で、ステーションの中心に対するエンドエフェクタ中心基準点395C(すなわち、基板搬送装置の位置)の位置合わせがもたらされる(
図11、ブロック1130)。
【0067】
図1Aおよび
図3を参照すると、一態様では、制御装置11091は、アーム330Aの位置(または、たとえば、エンドエフェクタ395/基板Sの中心395C(Xc、Yc)などの、アーム330A上の所定の基準点の位置、もしくは他の適切な基準点)、およびアーム330Aの、搬送モジュール11025または処理ステーション11030の基準フレームへの運動に関連する、またはそれらを記述する運動モデルおよび/またはアルゴリズムを用いてプログラムされる。一態様では、運動モデルおよび/またはアルゴリズムは、アーム330Aの寸法(たとえば、各アームリンク330AU、330AFの寸法L
Ui、L
Fi、
図12参照)およびアーム330Aの幾何学的形状(たとえば、固定枢動型、SCARA型、フロッグレッグ型、リープフロッグアーム、左右対称アーム、線形摺動型、など)に基づいている。一態様では、運動モデルまたはアルゴリズムは、(たとえば、基準特徴部401、402などの)アームの基準点または基準面を、エンドエフェクタ395の中心395Cのような、エンドエフェクタ395の位置に関連付け、肩軸Zからエンドエフェクタ395の中心395Cまで、またはアームの(中心判定/基準特徴部401、402などの)基準点または基準面までの距離は、
図4A、9、12および13に示されるように、概してアーム330Aの径方向位置または距離Rと呼称される。
【0068】
図12を参照すると、SCARAアームの概略図(左右対称アーム構成にも適用される)が例示目的のため示される。他の態様では、アームは、たとえば、
図2A~2Eに関して既に説明されたアームの1つ、または他の任意の適切なロボットアームであってもよい。
図12に示されるSCARAアームに関して説明すると、アッパーアーム330AUは、長さがL
Uiであり、フォアアーム330AFは、長さがL
Fiであり、エンドエフェクタ395は、たとえば、SCARアームの手首部L
EWiの寸法、(たとえば、手首部から)(本明細書で説明される、
図4A~4Cに示される特徴部401、402、および/または
図4D~5に示される中心判定特徴部に類似の)1つまたは複数の基準または中心判定特徴部401、402までの寸法(L
EFi)、および/または(たとえば、手首部から)エンドエフェクタ395または基板Sの中心点までの寸法(L
ECi)などの、1つまたは複数の基準点の寸法L
Eiを有してもよい。アッパーアーム330AUのリンクおよびフォアアーム330AFのリンクは、また、リンク角度ε
i、β
iを有し、(たとえば、枢動軸Zを通過して延びる軸Yに沿った)SCARAアーム330Aの径方向の伸長のためのエンドエフェクタ395の角度は、ゼロ(0)にほぼ等しい。
【0069】
運動モデルおよび/またはアルゴリズムは、SCARAアーム330A上の所定の基準点または基準面の伸長/後退位置を記述する寸法として、SCARAアーム330Aの径方向位置Rの値を生成する。たとえば、
図4および
図7を参照すると、処理温度にあるアーム330Aの径方向位置R
ΔT、および較正温度T
REFにあるアーム330Aの径方向位置R
CTは、ロボットエンドエフェクタ395上の1つまたは複数の基準または中心判定特徴部401、402に対して判定され、一方で、
図9では、処理温度にあるアーム330Aの径方向位置R
ΔT、および較正温度T
REFにあるアーム330Aの径方向位置R
CTは、エンドエフェクタ395の中心395Cに対して判定される。したがって、SCARAアーム330A(または、左右対称アームの各アーム)において、R
iは、L
Ui、L
Fi、L
Ei、ε
iおよびβ
iの関数であり、たとえば、
【数16】
である。較正温度T
REFにあるSCARAアーム330Aの径方向位置R
CTについては、アッパーアームL
Uiの長さL
UI、およびフォアアームL
Fiの長さL
Fiが既知であり、リンク角度ε
i、β
iは、既知の初期値を用いて、(それぞれのアームの)モータのエンコーダデータから判定される。エンドエフェクタの基準点の寸法L
Eiは、(手首部L
EWiにあっても、1つまたは複数の基準または中心判定特徴部401、402(L
EFi)にあっても、エンドエフェクタまたは基板の中心L
ECiにあっても)既に説明されたように、一定と考えられる。したがって、アーム330Aの運動中、(
図3、
図4A~4F、
図5、
図7および
図9に関して既に説明されたように)自動ウェハセンタリング(AWC)センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数からのセンサ信号が、アーム330A特徴部または基板特徴部を検出するなどのときに、およびアームリンク330AU、330AF、395と、アーム330A上の所定の基準点との幾何学的関係から、処理温度にあるアーム330Aの径方向位置R
ΔT、および較正温度T
REFにあるアーム330Aの径方向位置R
CTが、任意の所定の位置において、運動モデルおよび/またはアルゴリズムにより生成される。一態様では、アーム上の所定の基準点は、アーム330Aの基準フレーム(たとえば、径方向のR、θ座標系において)、および搬送または処理チャンバの基準フレーム(たとえば、デカルト座標系において)の両方に対して判定される。
【0070】
図3、
図9、および
図13を参照すると、たとえば、運動モデルおよび/またはアルゴリズムにおけるアーム330Aの径方向伸張位置Rは、エンドエフェクタ395の中心位置に設定され、ここでは、
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
ここでは、DCは、センサ199A、199B間の既知の寸法であり、Y3、Y2、Y1、X2、X1は、上で説明されたものと同様である。
【0075】
さらに、本明細書で既に説明したように、アーム330Aの径方向位置Rは、搬送チャンバ11025および/または処理ステーション11030の熱的変化とともに変化し、熱的影響による径方向位置RΔTの変化は、本明細書で既に説明したように、(1つまたは複数の)センサ199A、199Bによって検出され、運動モデルおよび/またはアルゴリズムに入力されることによって、処理温度にあるアーム330Aの径方向位置R(y)ΔT(すなわち、運動モデルまたはアルゴリズムにより判定される軸に沿った運動の範囲に亘る径方向のアーム位置)が、同様に本明細書で既に説明された較正温度TREFにあるアームの径方向位置R(y)ΔTから修正される。概して、本明細書でより詳細に説明するように、処理温度および較正温度TREFにおけるアームの径方向位置(RΔTおよびRCT)は、アーム330Aの径方向位置R(y)ΔTを確立する運動モデルまたはアルゴリズムに適用される比例因子または膨張係数KSを画定する。
【0076】
一態様では、制御装置11091は、運動モデルおよび/またはアルゴリズムの感度の影響を、搬送チャンバ11025および/または処理ステーション11030の温度変化ΔTの関数として、解明するように構成される運動力学的影響レゾルバ11091R(
図3参照)を含む。一態様では、レゾルバ11091Rは、中心判定特徴部401、402の少なくとも1つの縁部の検出から、膨張係数の変動と、(径方向の運動などの)運動中の基板搬送装置を用いた、(1つまたは複数の)センサ199A、199Bによる、オンザフライ方式での、少なくとも1つの縁部の検出との関係を判定し、さらに、アームの変動を判定する、膨張係数に対し、判定された膨張係数の変動の影響を解明するように構成される。たとえば、レソルバ11091Rは、以下でさらに説明するように、アーム330Aの(たとえば、R
ΔTなどの)運動力学的に画定される寸法、膨張係数K
S、(たとえば、熱的影響による)アーム330Aの寸法の変動の間の関係を解明するように構成される。たとえば、レゾルバ11091Rは、運動モデルおよび/またはアルゴリズムによって、(たとえば、膨張または比例係数K
Sにより)処理温度にあるSCARAアーム330Aの径方向位置R
ΔTと、較正温度T
REFにあるSCARAアーム330Aの径方向位置R
CTを関連付ける因数分解に影響を及ぼしてもよく、ここでは、K
Sは、概して以下のように表される。
【0077】
【0078】
一態様では、運動モデルおよび/またはアルゴリズムにおいて、アーム330Aの運動の径方向の範囲に亘り、処理温度または他の任意の温度における径方向位置R(Y)ΔTなどのアーム330Aの径方向位置Rを修正するために、膨張係数KSは、較正温度TREFにあるアーム330Aの径方向位置R(Y)CT(たとえば、較正温度TREFにおける、Y軸に沿った、アーム330Aの径方向位置、すなわち熱的影響がない)の値に一貫して適応されてもよい。
【0079】
他の態様では、膨張係数K
Sは、本明細書で説明したように、エンドエフェクタ395が、熱的に安定しており、X
CΔT、Y
CΔT(
図4A参照)が、実質的に一定である場合など、アーム330Aの熱的影響に対し無視してもよい寄与を有するアーム部材の影響を除去するために判定されてもよい。ここでは、K
Sは、アーム330Aの熱的影響に対し無視してもよい寄与を有するアーム部材の影響を除去するために判定され、以下のように表される。
【0080】
【0081】
そして、ここでは、アーム330Aの径方向位置Rが、エンドエフェクタの中心395C(Xc、Yc)として設定され、
図9、
図12、および
図13に示されるように、L
Eiは、L
ECiに等しい。
【0082】
一態様では、レゾルバ11091Rは、運動モデルおよび/またはアルゴリズムにおいて、アーム330Aおよび基板処理システムにおける非線形の変動、および他の非線形性により生成される、アーム330Aの寸法L
Ui、L
Fiにおける、熱的変化の非線形の影響をフィルタにかける、または補償するために、膨張係数K
Sに直接適用されてもよい。非線形の変動とは、限定されないが、アーム330Aの(異なる割合で膨張するアッパーアーム330AUおよびフォアアーム330AFなどの)各アームリンクの変動のある膨張、共通の基板搬送装置(フロッグレッグロボット構成、左右対称ロボット構成、または基板搬送装置が複数の独立アームを有する場合など、たとえば、
図2A、
図2Cおよび
図2E)の異なるアーム216A、216B、218A、218B、219A、219Bの変動のある膨張、および基板搬送装置の異なるアームリンクまたは異なるアームが曝される(たとえば、アームの一部(または、第1のアーム)がアームの別の異なる部分(または、第2のアーム)とは異なる温度に曝される)変動のある温度を含む。一方のアームが、基板搬送装置の別の異なるアームとは異なる温度に曝され得る場合の一例は、基板搬送装置が、最上部のアームが、(たとえば、温度勾配により)最下部のアームよりも高い温度に曝されるように、上下に積み重なる複数のアームを有する場合である。マルチアーム基板搬送装置のうちの1つのアームが、別の異なるアームとは異なる(1つまたは複数の)温度に曝される場合のもう1つの例は、一方のアームが、一貫して熱い基板を取り出すために使用され、他方のアームが、一貫して冷たい基板を取り出すために使用される場合である。さらに別の例は、アッパーアーム330UAが、搬送チャンバ内に留まる間にフォアアーム330AFが処理モジュール内へと伸長され、それによって、フォアアーム330AFが、アッパーアーム330AUよりも高い温度に曝される場合である。
【0083】
一態様では、レゾルバ11091Rは、履歴ベースであり、アーム330Aの寸法LUi、LFiにおける熱的変化の非線形の影響を補償する有限インパルスフィルタまたは移動平均フィルタなどの適切なフィルタを適用するように構成されてもよく、寸法LUi、LFiにおける熱的変化は、基板処理システムにおける非線形の変動により生成され、その結果、運動モデルまたはアルゴリズムを用いた、アーム330Aの径方向の寸法R(Y)ΔTの確立に非線形の影響を生じる。一態様では、レゾルバ11091Rは、加熱および冷却環境の両方で、膨張係数KSに直接適用され、膨張係数KS(t)iは、熱過渡中に(1つまたは複数の)センサ199A、199Bを通過するアーム330A(または、その、本明細書で説明される所定の基準点/基準面などの所定の一部)の各通過によって判定される。各通過における膨張係数KS(t)iの値は、レゾルバ11091Rに入力され、膨張係数KS(t)が、各通過の後に更新され、制御装置11091によりアーム330Aの移動に適用される。求められた膨張係数KS(t)は、概して、有限インパルスフィルタとして以下の形で表され得る。
【0084】
【0085】
ここでは、連続したアーム330A間i=Δtで移動し、nは、(任意の適切な整数値などの)任意の適切な測定窓の値である。求められた膨張係数KS(t)は、以下のようにより詳細に表される。
【0086】
【0087】
ここでは、Nsamplesは、KSがサンプリングされた回数である。
【0088】
したがって、(所定の較正温度TREFにおける較正後の、与えられる任意の移動回数(i=1、2、3...)での)アーム330Aの径方向の運動の範囲において、アーム330Aについての運動モデルまたはアルゴリズムによって判定される、その径方向の運動に対する径方向の寸法R(Y)ΔTは、以下のように表され得る。
【0089】
【0090】
ここでは、RCTKは、所定の較正温度TREFにおいて運動モデルまたはアルゴリズムにより判定される、アーム330Aの、対応する径方向の運動であり、Gは、アーム330Aのそれぞれの位置(たとえば、基板保持ステーション、処理モジュールなど)において特定される(安定状態でのバイアスなどの)所定のバイアスを補償するために含まれてもよいゲイン係数またはスケール係数である。したがって、Riは、(アームの別々のリンクが、安定した状態の一定の温度でないときなどの)熱的変化の影響に対し補償される運動モデルからの径方向距離Rであり、既に説明された、もしくは既知である自動ウェハセンタリング(AWC)および基板保持/処理ステーション位置を判定するために適用される。
【0091】
一態様では、膨張係数KSは、設定可能な閾を有してもよく、KSが所定の閾値よりも大きい場合に、制御装置11091のレゾルバ11091Rが、移動平均フィルタを持続的に適用するように構成される。KSが所定の閾値よりも低い場合、アーム330Aのアッパーアームリンクおよびフォアアームリンク330AU、330AFの熱膨張による、アーム330Aの運動の誤差は、安定状態とみなされ、移動平均フィルタは、膨張係数KSに適用されなくてもよく、それによって、膨張係数KSが、運動モデルまたはアルゴリズムにおいて、実質的にフィルタリングすることなく制御装置11091によりアームの運動に適用される。一態様では、レソルバ11091Rは、望ましく設定された初期の閾KS(t‐i)の値(たとえば、初期の閾値は、KS=1.0001であってもよい)に基づいて求められた膨張係数KS(t)を開始および/または適用するように構成される。
【0092】
運動モデルまたはアルゴリズムの感度のためのレゾルバ11091Rは、アーム330Aが休止している期間のための、バックフィル値KS(B)を適用するように構成されてもよい。たとえば、レゾルバ11091Rは、アーム330Aの、1つまたは複数の前の取出し/設置移動(たとえば、アームが休止する前に実行される、1つ前のアームの移動)のフィルタされた膨張値KS(t)を、フィルタされていない測定窓における、初期の膨張係数KS(B)の値として使用してもよい。一態様では、バックフィル値KS(B)は、アーム330Aの移動の最終の実行と、アーム330Aの移動の再開との間の休止期間に依存してもよい。一態様では、休止期間に基づく所定の衰退機能を含む、任意の適切なバックフィル値KS(B)が使用されてもよい。レゾルバは、求められた膨張係数KS(t)が、各アームに対して別々に、各AWCセンサに対して(たとえば、それぞれの基板保持/処理ステーション11030に対応する各センサ199A、199B、または各センサグループ199A1~199A7に対して)別々に、1つまたは複数のアーム330Aの熱的成長に対して別々に、および1つまたは複数のアーム330Aの熱収縮に対して別々に決定されてもよいように、構成されてもよい。
【0093】
求められた、および求められていない膨張係数の実施の一例として、
図3を参照すると、一態様では、基板搬送ロボット330は、セルフセンタリングエンドエフェクタ395を用いて、任意の適切な基板保持位置から、基板Sを取り出す(
図14、ブロック1400)。上記のように、一態様では、エンドエフェクタが、基板Sを保持することなく(たとえば、
図14のブロック1400は任意である)熱補償が実行され、また、基板処理の前に、または基板処理の間に実行されてもよい。他の態様では、熱補償は、基板搬送ロボット330が、エンドエフェクタ395上の1つまたは複数の基板Sを搬送する間に、オンザフライ方式で実行されてもよい。基板搬送ロボット330は、たとえば、搬送チャンバまたは他の制御環境内から基板保持ステーション315の位置へと移動する。基板搬送ロボット330が、(たとえば、基板Sを設置するため、または基準特徴部401、402をセンサ199A、199Bを通過して移動させるために)基板処理モジュール325の基板保持ステーション315に向かって移動すると、基板Sおよび/またはエンドエフェクタ395(たとえば、基準特徴部401、402)がセンサ199A、199Bのうちの1つまたは複数を通過するように移動させられる(
図14、ブロック1405)。
図4Aを参照すると、エンドエフェクタ395が基板を保持している態様では、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数が、オンザフライ方式で、たとえば、移行部421~424において、基板S前部側および後部側縁部を検出する(
図14、ブロック1410)。一態様では、センサ199A、199Bのうちの1つまたは複数は、オンザフライ方式で、たとえば、移行部421~424の検出に加えて、または代わりに(たとえば、
図14のブロック1410において基板の検出は、一態様では、任意である)、移行部425~428において、基準特徴部401、402のうちの1つまたは複数の前部側および後部側縁部を検出する(
図14、ブロック1415)。各移行部421~428において、1つまたは複数のセンサ199A、199Bは、それぞれの移行部421~428が現れたことを示す信号を制御装置11091に送信し(
図14、ブロック1420、および1421、ブロック1420は、エンドエフェクタが基板を保持しているときのみ行われる)、この信号に応じて、基板搬送ロボット330のエンコーダは、基板搬送ロボット330の位置を示す信号を制御装置11091に送信する(たとえば、制御装置11091が、移行の検出に応じてエンコーダデータを受信する)(
図14、ブロック1425)。これにより、同時に、アームの寸法における、両方のエンドエフェクタ中心位置に熱による変動の影響が通知される。制御装置11091は、エンコーダデータに基づいて、基板搬送ロボット330のアーム330Aの寸法における変動を特定し、寸法における変動をアーム330Aの寸法に関連付ける膨張係数K
Sを判定するように構成される。一態様において、一態様では、処理温度における(たとえば、ΔTにおける)エンドエフェクタ395の中心395Cであるエンドエフェクタの基準位置の熱補償または膨張係数K
Sは、たとえば、移行部425~428の1つまたは複数、たとえば、移行部428における、基板搬送ロボット330の径方向伸張位置R
ΔTに基づいて判定される。たとえば、R
ΔTは、センサ119Aが、移行部428を検出し、基板搬送装置330のエンコーダ331が、基板搬送装置330の位置を示す位置信号を制御装置11091に送信するとき、制御装置11091により判定される(
図14、ブロック1430)。上記のように、R
ΔTは、たとえば、熱膨張または収縮による、基板搬送ロボット330のアーム330Aのセンサ199Aから肩軸Zまでの寸法の変化に対応する、または寸法の変化を反映する。このようにして、処理温度にあるエンドエフェクタの基準点395CまたはR
ΔTの位置X
CΔT、Y
CΔTは、上記のように、たとえば、基板の処理と略同時に判定される(
図14、ブロック1435)。制御装置11091はまた、膨張係数K
Sを所定の閾と比較し、膨張係数K
Sの値が所定の閾よりも大きい場合、上記の方法でアーム330Aの運動を判定する際に、上で説明した移動平均フィルタが、膨張係数K
Sに直接適用される(
図14、ブロック1440)。K
Sの値が所定の閾値よりも小さい場合、アーム330Aの運動を判定する際に、実質的にフィルタリングなしで、膨張係数K
Sが適用される。
【0094】
本明細書で説明するシステムおよび方法の別の態様は、本明細書で説明する搬送ロボットの個別のマニピュレータ/アームリンクごとの温度およびそれぞれの熱膨張を推定し、また、搬送ロボットアームの運動力学の非線形の影響を考慮に入れる手法を提供する。一例として、この手法は、より正確な搬送ロボットアームの位置を報告するために、搬送ロボットアームの運動力学的方程式を明示的に修正する。さらに、搬送ロボットが安定状態に達すると、この手法は、以下でより詳細に説明するが、類似の結果を現在の実施に報告する。
【0095】
図12および
図13を参照すると、上記のように、開示される実施形態の例示的な態様では、制御装置11091は、K
Sパラメータから、熱的影響の関係モデルに対する非線形の影響を認識するように構成される。
【0096】
K
Sのパラメータは、リンク角度(たとえば、
図12に示されるε
i、β
i)に依存する。
【0097】
アッパーアームとフォアアームの温度は異なってもよく(
図15参照)、K
Sが計算される場合とは異なる割合で、時間とともに変化してもよい。
【0098】
図15も参照すると、時間に対するアッパーアームの典型的な温度プロファイル1500、および時間に対するフォアアームの典型的な温度プロファイル1501が示されている。アッパーアームおよびフォアアームの典型的な温度プロファイル1500、1501は、高温の処理モジュール(たとえば、処理モジュールが運転温度である)を用いて、例示的な顧客の適用に対して観察される。
図15に見られるように、搬送ロボットが(たとえば、熱的に)安定状態に達した場合でも、(たとえば、
図12に示される移送アーム330Aのような)移送アームのアッパーアームとフォアアームとの間には温度勾配が存在する。
【0099】
図16は、開示される実施形態の態様による、たとえば、エンドエフェクタ395上の別個の運動力学的位置に位置する(上記のエンドエフェクタに類似の)2つの基準特徴部1600、1601を有するエンドエフェクタ395の別の例示的な配置を示している。上記のように、基準特徴部1600、1601は、典型的な構成を有し、例示目的のために、エンドエフェクタ395の一方の側に示されているが、他の態様では、基準特徴部は、上記のように、K
Sの値を平均化するために、(上記のように)エンドエフェクタ395の両側に配置されてもよい。また、他の態様では、基準特徴部1600、1601の一方または両方は、中心位置Xc、Yc判定特徴部であってもよく、(上記のように)移送アームの他の任意の適切な位置を判定するように構成されてもよい。他の態様では、基準特徴部1600、1601は、たとえば、中心位置Xc、Yc(または、移送アームの他の位置)を判定する他の基準特徴部を備えてもよい。一態様では、基準特徴部1600、1601は、各基準特徴部1600、1601に対応するK
Sの値(K
S1、K
S2)が、与えられる温度設定における、上記のアッパーアームリンクとフォアアームリンクとの間における、非線形の影響の寄与の区別をもたらすように、径方向の伸長/後退(たとえば、運動力学モデルにより生成される所定の伸長寸法、
図15および
図17参照)の方向499に沿って、直線的に変位されてもよい。センサ199A、199Bの傍を通る同一の通過での(たとえば、(1つまたは複数の)センサを通過する共通の伸長または後退移動で)センサ199A、199Bによる基準特徴部1600、1601の検出にそれぞれ関連する、K
S1、K
S2などのそれぞれのK
Sの値は、たとえば、各基準特徴部1600、1601が検出された時の、各基準特徴部1600、1601に対する異なる運動力学により、実質的に異なる。したがって、K
S1、K
S2などのそれぞれのK
Sの値は、アッパーアームリンクとフォアアームリンクとの間の温度勾配の存在を示す表示を提供するために使用され得る。その結果、従来の熱補償アルゴリズムと比較して、エンドエフェクタ395の位置を、より正確に報告するために、搬送ロボットの運動力学は、修正され得る。
【0100】
一態様では、
図16および
図17(例示目的のために、フロッグレッグアーム構成を示しているが、開示される実施形態の態様は、たとえば、
図2A~2Eに関して上で説明したような、SCARAアーム構成、左右対称アーム構成および他のアーム構成に等しく適用されることが理解されるべきである)を参照すると、K
S1:K
S2とも表される、K
S1とK
S2の間の関係(既に説明したように、K
S1およびK
S2はそれぞれ、各基準特徴部1600、1601に関連するK
Sの値である)は、アッパーアームリンク330AU(L
Uiも参照)およびフォアアームリンク330AF(L
Fiを参照)のそれぞれの熱膨張/収縮の効果に依存する。アッパーアームリンクL
Uiの熱膨張/収縮と、フォアアームリンクL
Fiの熱膨張/収縮との間の任意の差、およびそれに対応する、そのような膨張/収縮の差を引き起こす、アッパーアームリンクとフォアアームリンクとの間の任意の温度差は、K
S1:K
S2関係における、対応する変化から反映および特定される。したがって、熱過渡中に異なる通過で、アーム330Aの動作が一巡する(たとえば、伸長および/または後退される)と、各通過(i)における、対応する基準特徴部1600、1601に関連する、相対的な熱膨張の値K
S1(i)およびK
S2(i)のそれぞれは、互いに関連する場合、与えられた通過(i)に対して、アッパーアームリンクの温度T
Uiと、フォアアームリンクの温度T
Fiとの間の温度差ΔT
U/Aiを決定する。それぞれのアーム温度T
Ui、T
Fiは、それぞれのアームリンクL
Ui、L
Fiの対応する長さL1、L2のために平均化されると考えられ得る。他の態様では、それぞれのアーム温度T
Ui、T
Fiは、対応するアーム上の、(アームリンクの端部、アームリンクの中央部、またはそれぞれのアームリンクL
Ui、L
Fiの長さL1、L2沿った他の任意の1つまたは複数の位置など)ある所定の位置と関連してもよい。また、それぞれのアーム温度T
Ui、T
Fi間の関係は、異なるものとして説明されるが、それぞれのアーム温度T
Ui、T
Fi間の任意の適切な関係が使用されてもよい(たとえば、T
Ui:T
Fi)。
【0101】
開示される実施形態の別の態様によると、アッパーアームリンクL
UiおよびフォアアームリンクL
Fiの異なるそれぞれのアーム温度(T
Ui、T
Fi)と、(各基準特徴部1600、1601と関連する)異なるそれぞれの膨張係数K
Si1、K
Si2との間の固有の関係は、制御装置11091に記憶されるルックアップテーブルまたは任意の適切なアルゴリズム中に表現される(たとえば、
図1および
図3参照)。ルックアップテーブル/アルゴリズムにより具体化される関係は、実証的に、または適切にモデリングされて特定されてもよく、またはそれらの組み合わせにより特定されてもよい。
【0102】
図19も参照すると、開示される実施形態の態様による、修正されたロボットの位置の判定のための、(制御装置11091の一部であってもよい)非線形変動レゾルバ1950を示す概略図が示されている。開示される実施形態の態様によると、K
S1およびK
S2の値は、基準特徴部1600、1601のそれぞれに対し、たとえば、
図12および
図13関して既に説明されたように算出される(
図20、ブロック2000)一態様では、K
S1およびK
S2の値は、たとえば、ルックアップテーブルまたは任意の適切なアルゴリズム1900に入力され(
図20、ブロック2005)、ルックアップテーブルまたは任意の適切なアルゴリズム1900は、それぞれアッパーアームリンク330AU、L
Uiおよびフォアアームリンク330AF、L
Fiのモデル化された温度T
Ui、T
Fiを出力し(
図20、ブロック2010)、アッパーアームリンク330AU、L
Uiおよびフォアアームリンク330AF、L
Fiは、所定の較正温度において、それぞれ、リンク長さL1i、L2iを有する。一態様では、モデル化された温度情報は、膨張した(または、収縮した)リンク長さ(たとえば、
図17中にリンク330AU’およびリンク330AF’によって示される、熱的影響によるL1i+ΔL1i、およびL2i+ΔL2i)を予測する熱膨張モデル1910に入力され(
図20、ブロック2015)、搬送ロボットの修正位置は、膨張したリンク長さL1+ΔL1、L2+ΔL2に対し修正された運動力学モデル1920を使用して算出され(
図20、ブロック2020)、なお、エンドエフェクタ395の長さL3は、上記のように、略一定である。
【0103】
図16を参照すると、開示される実施形態の一態様では、上記のものと類似の方法で、基準特徴部1600、1601は、センサ199A、199Bの傍を通過する基板/エンドエフェクタの1回の通過で、基板Sの中心の判定(
図4A参照)を、およびエンドエフェクタ395の中心の判定(たとえば、ステーションの中心に対しエンドエフェクタの中心を位置合わせするための教示ウェハなしで、ステーションの中心SCが、基板搬送装置330に教示される)を提供する。たとえば、上記のように、(エンドエフェクタの中心線CLの両側に対向して配置されるが、必ずしも対称には配置されない、
図4A参照)センサ199A、199Bは、基準特徴部1600、1601などの基準特徴部を感知することが、エンドエフェクタの中心または基準位置395C、基板/ウェハの中心WCの判定、およびステーションの中心SCの知得に役立つ(
図4参照)ように、ステーションの中心SCと所定の空間関係を有する(
図4参照)。たとえば、ステーションの中心SCの教示(およびウェハ中心の判定)は、エンドエフェクタ395の基準特徴部1600、1601に関連して説明されるが、ステーションの中心SCは、基板/ウェハSを使用する類似の方法で教示され得ることが理解されるべきである。一態様では、基板Sおよび/または基準特徴部1600、1601をセンサ199A、199Bに向けて移動させるために、エンドエフェクタ395が移動させられる(
図21、ブロック2100)。基板Sがセンサを用いて感知され(
図21、ブロック2105)、基準特徴部1600、1601がセンサを用いて感知され(
図21、ブロック2110)、基板の中心WCの判定、および基板搬送装置の位置(すなわち、基準位置395C)が、(たとえば、本明細書で説明される円形VRW1を使用することによってなど)上で説明されたもののような、任意の適切な方法で判定される(
図21、ブロック2115および2120)。理解できるように、ステーションの中心SCに対するセンサ199A、199Bの位置が知られているため、また、基板の中心WCが、エンドエフェクタ中心基準点395Cと実質的に一致しているため、基板保持ステーションの位置もまた、エンドエフェクタ中心基準点395Cに対して知られており、基板搬送装置に教示され、基板Sおよび/または基準特徴部1600、1601を感知することで、センサ199A、199Bの傍を通るエンドエフェクタの一回の通過(またはステップ)で、ステーションの中心に対するエンドエフェクタ中心基準点395C(すなわち、基板搬送装置の位置)の位置合わせがもたらされる(
図21、ブロック2125)。
【0104】
別の態様では、ステーションの中心SCに対するエンドエフェクタの中心395Cの位置合わせ、および基板の中心WCの判定は、一回の通過または複数回の通過で判定されてもよい。たとえば、基板の中心395Cおよびステーション位置SCの両方が教示される
図16をさらに参照すると、基板Sおよび/または基準特徴部1600、1601をセンサ199A、199Bに向けて移動させるために、エンドエフェクタ395が移動させられる(
図22、ブロック2200)。基板Sがセンサを用いて感知され(
図22、ブロック2205)、基準特徴部1600、1601がセンサを用いて感知され(
図22、ブロック2215)、基板の中心WCの判定、および基板搬送装置の位置(すなわち、基準位置395C)が、(たとえば、本明細書で説明される円形VRW1を使用することによってなど)上で説明されたもののような、任意の適切な方法で判定される(
図22、ブロック2220および2225)。ステーションの中心SCに対するエンドエフェクタ中心基準点395Cの位置合わせは、上記の方法でもたらされてもよい(
図22、ブロック2230)。
【0105】
基板の中心395Cのみが判定される場合、エンドエフェクタが移動させられ(
図22、ブロック2200)、それによって、基板が、センサ199A、199Bに向けて移動させられ、基板が、上記のように感知される(
図22、ブロック2205)。基板の中心が判定され(
図22、ブロック2210)、それによって、基板は、ステーション位置SCに設置されてもよい。一態様では、任意の適切な数の基板は、ステーション位置SCが再度教示される前に、(エンドエフェクタ395上に保持される基板を有して、またはなしで)ステーション位置SCに、およびステーション位置SCから移送されてもよい。たとえば、ステーション位置SCは、10個の基板、20個の基板、または他の任意の適切な数の基板が設置された後に教示されてもよい。他の態様では、ステーション位置SCは、任意の適切な所定の時間間隔(たとえば、30分、60分、または他の任意の適切な時間間隔)の後に教示されてもよい。基板ステーションSCは、エンドエフェクタをセンサ199A、199Bに向けて移動させ(
図22、ブロック2200)、それによって、基準特徴部1600、1601が感知される(
図22、ブロック2215)ことによって教示されてもよい。エンドエフェクタの中心395Cが、上記の方法で判定され(
図22、ブロック2220)、エンドエフェクタの中心が、上記の方法でステーションの中心SCに対し位置合わせされる(
図22、ブロック2230)。ステーションの中心SCが教示される間にエンドエフェクタが基板を保持している場合、基板の中心WCは、エンドエフェクタの、センサ199A、199Bの傍を通過する同一の通過で(たとえば、一回の通過で)判定されてもよく、または基板の中心WCおよびステーション位置SCが異なる通過において教示されるように、センサ199A、199Bを通過する、エンドエフェクタの2回目の通過で判定されてもよい。
【0106】
図18も参照すると、例示的なグラフが、開示される実施形態の態様による(本明細書で説明する移送アームなどの)移送アームのための熱補償1801と、従来技術の熱補償アルゴリズムによる移送アームのための熱補償1800との比較を示している。
図18の例示的なグラフでは、移送アームの位置決め誤差が、時間に対してプロットされ、開示される実施形態の態様による熱補償が、従来の熱補償アルゴリズムと比較すると、位置の正確性の向上を提供する。
【0107】
図23を参照すると、開示される実施形態の一態様では、搬送アームの熱補償が、上記のものと類似の方法で提供され、温度の関数(たとえば、L
if(ΔT
i))としての、長さにおける変化の個別の影響は、アームが温度に達する、およびアームが安定状態の温度条件に達する両方の過渡中に、各アームリンクは温度が異なるため、搬送ロボットの各アームリンクに対して解明/判定される。開示される実施形態のこの態様は、SCARAアーム2300Aを有する搬送装置2300の温度の変動の判定および補償に関して説明されるが、開示される実施形態のこの態様は、上記のもの、および限定されないが、リープフロッグアーム構成、左右対称アーム構成および多関節手首構成を含むものなどの、任意の適切な搬送アームに等しく適用可能である。概して、搬送装置2300は、アッパーアーム23201、フォアアーム23202、基板保持部23203、および駆動部23204を有するSCARAアーム2300Aを含む。制御装置11091は、要望通りにSCARAアーム2300Aのアーム部を移動させるために、搬送装置2300に接続されてもよい。他の態様では、アームアセンブリは、他の任意の望ましい一般的なSCARA構成を有してもよい。たとえば、アセンブリは、複数のフォアアームおよび/または複数の基板保持部を有してもよい。
【0108】
基板保持部23203は、搬送装置2300の手首部23755にて、シャフトアセンブリ23754によってフォアアーム23202に回転可能に接続される。基板保持部23203は、支持シャフト23698によって、フォアアーム23202に回転可能に接続される。一態様では、基板保持部23203は、フォーク状のエンドエフェクタであってもよい。基板保持部23203は、能動型機械縁部把持部または受動型縁部把持部を有してもよい。他の態様では、基板保持部23202は、真空チャックを有するパドル型エンドエフェクタであってもよい。フォアアーム23202は、搬送装置2300の肘23646にて、同軸シャフトアセンブリ23675によって、アッパーアーム23201に回転可能に接続される。基板保持部23203は、所定の中心を有し、エンドエフェクタは、本明細書で説明されるもののような基板処理装置内で基板を搬送するために、基板の中心が、エンドエフェクタの所定の中心と一致するように、基板を保持するように構成される。アッパーアーム23201は、肩23652にて、駆動部23204に回転可能に接続される。この態様では、アッパーアーム23201およびフォアアーム23202の長さは等しいが、他の態様では、アッパーアーム23201は、たとえば、フォアアーム23202よりも長さが短くてもよく、また、その逆であってもよい。
【0109】
示される態様では、駆動部23204は、同軸シャフトアセンブリ23660および3つのモータ23662、23664、23666を収容する外部ハウジング23634Hを有してもよい。他の態様では、駆動部は、3つよりも多い、または少ないモータを有してもよい。駆動シャフトアセンブリ23660は、3つの駆動シャフト23668a、23668b、23668cを有する。他の態様では、3つよりも多い、または少ない駆動シャフトが設けられ得る。第1モータ23662は、ステータ23678a、および内側シャフト23668aに接続されるロータ23680aを備える。第2モータ23662は、ステータ23678b、および中央シャフト23668bに接続されるロータ23680bを備える。第3モータ23666は、ステータ23678c、および外側シャフト23668cに接続されるロータ23680cを備える。3つのステータ23678a、23678b、23678cは、ハウジング23634Hに、ハウジングに沿った別々の高さまたは位置に固定されて取り付けられる。この態様では、第1ステータ23678aは、底部ステータであり、第2ステータ23678bは、中央部ステータであり、第3ステータ23678cは、上部ステータである。概して、各ステータは電磁コイルを備える。3つのシャフト23668a、23668b、および23668cは、同軸シャフトとして配置される。3つのロータ23680a、23680b、23680cは、好ましくは、永久磁石から成るが、代替的に、永久磁石を持たない磁気誘導ロータを備えてもよい。駆動シャフトアセンブリ23660が真空環境内に位置し、ステータ23678が真空環境外に位置した状態で、搬送装置2300が、真空環境内で使用可能とするように、スリーブ23663が、ロータ23680とステータ23678との間に位置する。しかし、搬送装置2300が大気環境内においての使用のみを対象とする場合、スリーブ23663は、設けられる必要がない。
【0110】
第1シャフト23668aは、内側シャフトであり、底部ステータ23678aから延びる。内側シャフトは、底部ステータ23678aと揃う第1ロータ23680aを有する。中央シャフト23668bは、中央部ステータ23678bから上方向に延びる。中央部シャフトは、第2ステータ23678bと揃う第2ロータ23680bを有する。外側シャフト23668cは、上部ステータ23678cから上方向に延びる。外側シャフトは、上部ステータ23678cと揃う第3ロータ23680cを有する。各シャフトが、互いに対して、およびハウジング23634Hに対して独立して回転可能となるように、様々な軸受けが、シャフト23668およびハウジング23634Hの周りに設けられる。各シャフト23668に、互いに対する、および/またはハウジング23634Hに対するシャフト23668の回転位置を制御装置11091に信号で知らせるために、適切な位置センサが設けられてもよい。光学センサまたは誘導センサなどの任意の適切なセンサが使用され得る。
【0111】
外側シャフト23668cは、シャフト23668cおよびアッパーアーム23201が、軸Z1の周りを一単位として共に回転するように、アッパーアーム23201に固定されて接続される。
図23に示されるように、中央シャフト23668bは、アッパーアーム23201内の第1伝動装置23620に接続され、内側シャフト23668aは、アッパーアーム23201内の第2伝動装置23610に接続される。第1伝動装置23620は、好ましくは、駆動プーリ23622、従動プーリ23624、および駆動ケーブルまたはベルト23626を備える。駆動プーリ23622は、中央シャフト23668bの上部に固定されて取り付けされ、駆動ベルト23626により、従動プーリ23624に接続される。従動プーリ23624は、同軸シャフトアセンブリ23675の内側シャフト23672の底部に固定されて取り付けられ、フォアアーム23202をアッパーアーム23201に接続している。アッパーアーム23201内の第2伝動装置23610は、好ましくは、駆動プーリ23612、従動プーリ23614、駆動ベルトまたはケーブル23616を備える。駆動プーリ23612は、駆動部23204内の同軸シャフトアセンブリ23660の内側シャフト23668aの上部に固定されて取り付けられる。従動プーリ23614は、同軸シャフトアセンブリの外側シャフト23674の底部に固定されて取り付けられ、フォアアーム23202をアッパーアーム23201に接続している。駆動ベルト23616は、駆動プーリ23612を従動プーリ23614に接続する。第1伝動装置23626の従動プーリ23624と駆動プーリ23622の径比(たとえば、プーリ比)および第2伝動装置23610の従動プーリ23614と駆動プーリ23612の径比は、本明細書で説明されるもののような任意の適切な駆動比であってもよい。駆動ベルト23616、23626は、それぞれの従動プーリ23614、23624を対応する駆動プーリ23612、23622と同じ方向に回転させるように構成される(たとえば、駆動プーリ23612、23622が時計回りに回転することで、従動プーリ23614、23624が時計回りに回転させられる)。
【0112】
フォアアーム23202をアッパーアーム23201に接続する同軸シャフトアセンブリ23675は、適切な軸受けにより、アッパーアーム23201から回転可能に支持され、それによって、シャフトアセンブリの外側シャフト23674および内側シャフト23672を、互いに対して、およびアッパーアーム23201に対して、軸Z2の周りで回転させる。同軸シャフトアセンブリ23675の外側シャフト23674は、シャフト23674およびフォアアーム23202が、Z2の周りで一単位として共に回転するように、フォアアーム23202に固定されて取り付けられる。アッパーアーム23201内の第2伝動装置23610の従動プーリ23614が、駆動部23204の内側シャフト23668aによって回転させられると、フォアアーム23202は、軸Z2の周りを回転させられる。したがって、駆動部23204の内側シャフト23668aは、フォアアーム23202をアッパーアーム23201に対して独立して回転させるために使用される。
【0113】
同軸シャフトアセンブリの内側シャフト23672は、フォアアーム23202内の第3伝動装置23752の駆動プーリ23753に固定されて取り付けられる。フォアアーム23202内の第3伝動装置23752は、好ましくは、駆動プーリ23753、従動プーリ23750および駆動ベルトまたはケーブル23751を備える。従動プーリ23750は、シャフト23698に固定されて取り付けられる。駆動ベルト23751は、駆動プーリ23753を従動プーリ23750に接続する。シャフト23698は、適切な軸受けにより、フォアアーム23202から回転可能に支持され、それによって、シャフト23698が、フォアアーム23202に対して、軸Z3の周りで回転することが可能になる。第3伝動装置23752の従動プーリ23750と駆動プーリ23753の径比は、この態様では、本明細書で説明されるもののような任意の適切な駆動比である。駆動ベルト23751は、従動プーリ23750を駆動プーリ23753と同じ方向に回転させるように構成される(たとえば、駆動プーリ23753が時計回りに回転することで、従動プーリ23750が時計回りに回転させられる)。
【0114】
シャフト23698は、基板保持部23203に固定されて取り付けられる。したがって、シャフト23698および基板保持部23203は、軸Z3の周りで一単位として共に回転する。第3伝動装置23752の従動プーリ23750が、駆動プーリ23753によって回転されると、基板保持部23203は、軸Z3の周りを回転させられる。駆動プーリ23753は、次に、同軸シャフトアセンブリ23675の内側シャフト23672により、回転させられる。アッパーアーム23201内の第1伝動装置23626の従動プーリ23624が、駆動部23204の中央部シャフト23268bによって回転させられると、内側シャフト23672は回転させられる。したがって、基板保持部23203は、軸Z3の周りで、フォアアーム23202およびアッパーアーム23201に対して、独立して回転させられてもよい。
【0115】
図24を参照すると、一態様では、搬送装置2300は、複数の基板Sが、略同時に、並んで位置する複数の処理モジュールPMへ搬送されるように、および複数の処理モジュールPMから取り除かれるように、並んで位置する2つのエンドエフェクタ23203A、23203Bを含んでもよい。一態様では、2つのエンドエフェクタ23203A、23203Bは、手首軸Z3の周りで、互いに対して独立して移動可能であってもよい。たとえば、駆動装置23204は、エンドエフェクタ23203A、23203Bの一方の、エンドエフェクタ23203A、23203Bの他方に対する移動をもたらすために、追加の駆動シャフトおよびモータを含んでもよい。
【0116】
図25を参照すると、一態様では、搬送装置2300は、アーム2300Aに実質的に類似の2つのSCARAアーム25155A、25155Bを含んでもよい。たとえば、各SCARAアーム25155A、25155Bは、アッパーアームリンク25155UA、25155UB、フォアアームリンク25155FA、25155FBおよびエンドエフェクタ25155EA、25155EBを含む。この態様では、エンドエフェクタ25155EA、25155EBは、アッパーアームに従属するが、他の態様では、エンドエフェクタは、独立して駆動されてもよい。アーム25155A、25155Bは、3リンクSCARAアームとして示されており、駆動部23204に、同軸で連結されてもよく、(たとえば、4軸駆動装置を使用して、駆動シャフト23668dを参照)独立したシータ運動を可能にするために、または(たとえば、3軸駆動装置を使用して)連結シータ運動を可能にするために、上下に積み重ねられてもよく、連結シータ運動とは、ロボットアームが、実質的に伸長または後退なしで、一単位として、肩軸Z1の周りで回転することである。各アーム25155A、25155Bは、1組のモータによって駆動され、任意の適切な駆動プーリ配置を有する。一態様では、各アームの、肩部プーリ、肘部プーリ、手首部プーリの径比は、非限定的な例示目的のため、1:1:2の比率、または2:1:2の比率である。たとえば1:1:2の比率を使用する各アームを伸長するために、1組のモータの各モータは、実質的に等しく、反対の方向に回転させられる。たとえば2:1:2の比率を使用する各アームを伸長するために、肩部プーリは、実質的に固定され(たとえば、実質的に回転しない)、アッパーアームに連結されるモータが、アームを伸長させるために回転させられる。シータ運動は、モータを、実質的に同じ速度で、同じ方向に回転させることによって制御される。複数のエンドエフェクタが同一平面上にある場合、各アームの互いに対するシータ運動は制限されるが、複数のアームが共に移動させられる場合、アームはシータに無限に移動し得る。理解できるように、複数のエンドエフェクタが同一平面上にない場合、4軸駆動装置を使用するなど、各アームが、他のアームに対して独立して駆動されるときには、各アームは、シータに無限に移動し得る。
【0117】
上記のように、この態様では、温度の関数(たとえば、Lif(ΔT
i))としての、長さにおける変化の個別の影響は、アームが温度に達する、およびアームが安定状態の温度条件に達する両方の過渡中に、各アームリンクは温度が異なるため、
図23~25に図示されるSCARAアームの各アームリンクに対して解明/判定される。ここで、各SCARAアームに沿って温度勾配が存在してもよく、エンドエフェクタ(および手首軸T
W)の温度T
EEが、フォアアームリンクの温度T
F(および肘軸の温度T
EL)よりも高く、フォアアームリンクの温度T
F(および肘軸の温度T
EL)が、アッパーアームリンクの温度T
U(および肩軸の温度T
S)よりも高い(すなわち、T
EE/T
W>T
F/T
EL>T
U/T
S)。なお、各アームリンクにおいて、温度勾配が存在してもよく、アームリンクの遠位端部(たとえば、肩軸Z1から最も遠いアームリンクの端部)が、同じアームリンクの近位端部よりも高温であってもよい。
図26および
図27を参照すると、エンドエフェクタウェハ中心点EECにおけるずれをシミュレートしたもののグラフが
図27に示され、SCARAアームの半角値が示される。
図27のグラフは、特にセンサトリガ位置のあたり(たとえば、100度の狭角のあたり)のXおよびY軸両方に沿った誤差を示す。
【0118】
この態様では、エンドエフェクタの長さの変化ΔL
EE、および手首軸Z3に対する温度の影響が考慮される。また、この態様では、たとえば、アームリンクの長さの変化ΔL
iの合計(i=アッパーアームリンク、フォアアームリンクおよびエンドエフェクタ)により、エンドエフェクタの中心ΔX、ΔYの位置の非線形の影響を、プーリの影響ΔVが生成し、そのプーリの影響ΔV
i(i=肩部プーリ、肘部プーリおよび手首部プーリ)(すなわち、ΣΔL
i、ΔV
i)が説明される。また、
図26を参照すると、この態様では、たとえば、SCARAアームの構成要素の熱膨張による、(X-Y平面において固定である)肩軸Z1と、エンドエフェクタウェハ中心点EECとの間におけるSCARAアームの変動は、SCARAアームリンク(たとえば、アッパーアーム、フォアアームおよびエンドエフェクタ)の熱的線膨張、および異なるSCARAアームリンクの不均一の温度分布によるものである。一例として、異なるSCARAアームリンクの不均一の温度分布は、エンドエフェクタから肩軸Z1への熱的条件の通路の1つまたは複数の減衰、および、たとえば、エンドエフェクタが、フォアアームおよびアッパーアームよりも高温に曝されるというような、SCARAアームリンクが受ける不均一の温度分布の結果によるものである。さらに、SCARAアームの肩部、肘部、手首部プーリのプーリ駆動比は、それぞれのSCARAアームリンクが受ける不均一の温度分布によるプーリの熱膨張を原因とする各プーリの直径の変化により、変化する。
【0119】
図26をさらに参照すると、この態様では、少なくとも1つのSCARAアーム2300Aは、(本明細書において、一態様では、上記の、またはエンドエフェクタの部分の縁部もしくはSCARAアームの他のリンクに従う態様におけるフラッグに類似であってもよい基準特徴部とも呼称されてもよい)少なくとも1つの姿勢判定特徴部またはフラッグF1~F4を含み、少なくとも1つの姿勢判定特徴部またはフラッグF1~F4は、SCARAアーム2300Aに一体化され、各フラッグF1~F4は、1つまたは複数のセンサ199(
図24参照)による、少なくとも1つのフラッグF1~F4の、SCARAアームリンク23201、23202、23203のそれぞれの温度の変化による、SCARAアームリンク23201、23202、23203の長さΔL
i、およびプーリの影響ΔV
iにおける(1つまたは複数の)個別の変動の感知に対して決定的である構成を有する。たとえば、基板処理装置の(センサ199A、199Bに類似である)センサ199のような静的検出センサが、SCARAアーム2300の径方向運動を伴うオンザフライ方式で、少なくとも1つのフラッグF1~F4の少なくとも1つの縁部を検出するように、少なくとも1つのフラッグF1~F4は、SCARAアーム上に配置される。ここで、フラッグF1~F4の構成は、各SCARAアームリンク23201、23202、23203における異なる温度の変化ΔT
iによる、それぞれ異なるSCARAアームリンク23201、23202、23203の、異なる個別の変動(たとえば、ΔL
i)のそれぞれの区別を判定し、それによって、それぞれのプーリの変動ΔV
i、およびSCARAアームの変動に対する、対応する非線形の影響(寄与)を判定するために、それぞれの異なる個別の変動を個別に適用する。個別の変動は、上記のように、変動を所定の位置基準(たとえば、基準温度T
REFおよび基準温度での初期のリンク長さL
i)に関連付ける、上記の、および以下で説明する、対応する比率または膨張係数(K
S(i))を用いて表され得る。
【0120】
フラッグF1~F4の構成は、アッパーアームリンク23201、フォアアームリンク23202およびエンドエフェクタ23203を有する3リンクSCARAアーム2300Aの区別に対し決定的である(または、上記のそれぞれ異なる個別の変動の間での決定的区別による)が、他の態様では、フラッグF1~F4は、nリンクアーム(たとえば、任意の適切な数のアームリンクを有するアーム)の決定的区別のための任意の適切な構成を有し得る。フラッグF1~F4の構成は、方程式[1]~[4]に関して以下でより詳細に説明する単一のセンサ199を用いて、1回の通過で、オンザフライ方式で、1つまたは複数のフラッグF1~F4の少なくとも1つの縁部を感知することにより、それぞれ異なる個別の変動(ΔLi、ΔVi)の区別、または(1つまたは複数の)膨張係数KS(i)に対し決定的である。
【0121】
一態様では、制御装置11091(または、制御装置の運動力学的レゾルバ11091K)は、センサ199による、オンザフライ方式での、フラッグF1~F4の少なくとも1つの縁部の検出から、各アームリンク23201、23202、23203に対する異なる個別の変動ΔL
iを判定し、肩軸Z1からエンドエフェクタ23203の基準位置EEC(すなわち、ウェハ/エンドエフェクタの中心位置)までの、SCARAアームの変動(たとえば、使用される座標系に応じて、ΔX、ΔYまたはR、θ)の判定におけるそれぞれ異なる個別の変動を区別するように構成される。上記のように、各アームリンク23201、23202、23203に対応する膨張係数K
S(i)として表される変動を用いて、制御装置11091は、オンザフライ方式でのフラッグF1~F4の検出から、対応する各アームリンク23201、23202、23203の異なる膨張係数K
S(i)間の個別の関係を判定するように構成され、それによって、エンドエフェクタ23203の基準位置EECに対する変動の判定の際に、対応する異なるアームリンク23201、23202、23203の膨張係数K
S(i)を区別する。換言すると、制御装置は、静的検出センサ199による、SCARAアーム2300の径方向運動を伴うオンザフライ方式での、フラッグF1~F4の少なくとも1つの縁部の検出から、判定された比例因子K
Sと、それぞれ異なるSCARAアーム2300Aのアームリンク23201、23202、23203に対するそれぞれ異なる個別の変動ΔL
iとの間の個別の関係を判定するように構成される運動力学的影響レゾルバを含み、SCARAアーム2300Aの径方向運動を伴うオンザフライ方式でSCARAアームの変動を判定する。1つまたは複数のフラッグF1~F4の少なくとも1つの縁部の検出から、制御装置11091は、センサ199の傍を通過するSCARAアーム2300の1回の通過で、SCARAアーム2300Aの変動ΔX、ΔYを判定するように構成される。さらに、制御装置11091(または運動力学的レゾルバ11091K)は、アーム関節部またはプーリの軸Z1、Z2、Z3における異なる温度による、それぞれのプーリの異なるそれぞれの非線形の運動力学的影響ΔV
iを区別する温度の変化ΔT
iによる、それぞれのプーリ(たとえば、
図23のプーリ23750、23753、23264、23612、23622を参照)の非線形の運動力学的影響ΔV
iを求めるように構成される。非線形の運動力学的影響ΔV
iに対応するプーリの変動は、アームリンク23201、23202、23203それぞれの両端部にあるプーリ間のプーリ駆動比として表され得る。
【0122】
図26を参照すると、例示目的および簡便性のために、搬送装置は、単一のSCARAアームを有して示され、SCARAアーム2300Aのアッパーアームリンク23201およびフォアアームリンク23202は、基準温度T
REFにおいて同じ長さLを有して示されているが、他の態様では、アッパーアームリンクおよびフォアアームリンクは、同等でない長さを有してもよい。他の態様では、開示される実施形態は、たとえば、
図25に示されるマルチアーム搬送ロボットの各アーム、および/または
図24に示されるマルチエンドエフェクタアームの各エンドエフェクタに適用されてもよい。さらに、例示目的および簡便性のために、複数のSCARAアームリンクは、同様の熱膨張係数を有するように、類似の材料で構築されるが、他の態様では、複数のアームリンクは、異なる熱膨張係数を有するように、異なる材料で構築されてもよい。一態様では、例示目的のみのため、アッパーアームリンク23201およびフォアアームリンク23202は、それぞれのモータ軸によって駆動され、一方で、エンドエフェクタ23203は、アッパーアームリンク23201に従属する。熱膨張の前後のSCARAアーム2300Aが、同一のモータ位置で、
図26に示されている(熱膨張したアームは仮想線で図示されている)。SCARAアームの運動力学は概して以下のように記述され得る。
【0123】
基準温度において、
【0124】
【0125】
【0126】
温度上昇および熱膨張後、
【0127】
【0128】
【0129】
ここでは、
【0130】
【0131】
【0132】
G1およびG2は、アッパーアーム対肘部のプーリギア比、および手首部対肘部のプーリギア比である。
【0133】
較正温度TREFにおいて、アッパーアームリンク23201およびフォアアームリンク23202のそれぞれは、長さLを有する。温度変化の後、アッパーアームリンク23201の長さはL1と示され、フォアアームリンク23202の長さは、L2と示される。
【0134】
同じモータ位置において、アッパーアームの温度変化がΔT1であり、フォアアームの温度変化がΔT2であり、アッパーアームリンク23201の熱膨張係数がα1であり、フォアアームリンク23020の熱膨張係数がα2であるとした場合、熱膨張後のアッパーアームの長さL1およびフォアアームの長さL2は、以下のように表される。
【0135】
【0136】
【0137】
であり、膨張係数は、以下のように規定される。
【0138】
【0139】
【0140】
温度は、SCARAアーム2300Aのエンドエフェクタ23203から肩軸Z1へと分配されるため、特に温度が安定状態にまで上昇する間、分配された温度が、異なる割合でのプーリの熱膨張により、SCARAアーム関節部(たとえば、軸Z1、Z2、Z3)におけるプーリのプーリ比を変化させる。プーリのこの熱膨張が、狭角およびエンドエフェクタの向きを変化させる。再度、
図27を参照すると、シミュレーションの結果の例であり、プーリはそれぞれ異なる温度であるが、リンクの長さは変化しないとした場合の、エンドエフェクタの中心EECに対するプーリ駆動比の変化の影響を示している。
【0141】
以下の表は、SCARAアーム2300Aのプーリの例示的なプーリ駆動比を示しており、プーリの位置が特定され、直径が汎用体単位で表されている。
【0142】
【0143】
SCARAアーム2300Aの場合、肩軸Z1は、2:1の駆動比を有するプーリを含む伝動装置により肘部軸Z2に接続され、手首軸Z3は、2:1の駆動比を有するプーリを含む伝動装置により肘部軸Z2に接続される。
【0144】
肩軸Z1の温度変化をΔT1とし、手首軸の温度変化をΔT2とし、αをアームリンク材料の熱膨張係数とした場合、肩軸Z1対肘部軸Z2のプーリ比は、以下のように表される。
【0145】
【0146】
方程式[3]および[4]を使用すると、
【0147】
【0148】
従って、プーリ比の変化後の角度は、
【0149】
【0150】
エンドエフェクタ上の温度変化をΔT3とすると、手首軸Z3と、フォアアームの軸Z2とのプーリ比は、以下のように表されてもよい。
【0151】
【0152】
そして、膨張係数は、以下のように規定され得る。
【0153】
【0154】
そして、
【0155】
【0156】
エンドエフェクタ23203の角度の変化は、以下のように表され得る。
【0157】
【0158】
一態様では、アーム姿勢判定特徴部またはフラッグF1~F4は、エンドエフェクタ23203に一体化され、上記のエンドエフェクタ23203の任意の適切な位置に設置されてもよい。また、上記のように、それぞれのアームリンク23201、23202、23203の、およびSCARAアーム2300Aの異なるプーリの、それぞれ異なる個別の変動ΔL
iを区別するように、または、少なくとも3リンクSCARAアーム2300Aの、それぞれのアームリンクおよび/またはプーリの膨張係数K
S(i)を判定および区別するように、フラッグF1~F4は、決定性である。
図28を参照すると、例示的なエンドエフェクタ23203が示されている。一態様では、エンドエフェクタ23203の熱膨張を説明するために、エンドエフェクタは、複数のセグメントL3~L7から構築され、各セグメントL3~L7は、エンドエフェクタ23203の他のセグメントL3~L7と同じまたは異なる材料で構築されてもよい。この態様では、エンドエフェクタ23203は、4つのフラッグF1~F4を含むが、他の態様では、エンドエフェクタ23203は、任意の適切な数のアーム姿勢判定特徴部を有し得る。以下の例示的な表は、各セグメントL3~L7の長さおよび熱膨張係数を示しているが、他の態様では、セグメントは、任意の適切な長さおよび熱膨張係数を有してもよく、フラッグF1~F4は、エンドエフェクタ23203上の任意の適切な位置に設置されてもよい。
【0159】
【0160】
エンドエフェクタが、それぞれが熱膨張係数を有する異なる材料のセグメントから成るとした場合、以下の通りである。
【0161】
【0162】
【0163】
エンドエフェクタ23203の各セグメントの熱膨張は、以下の通りである。
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
フラッグF1~F4の縁部の少なくとも1つが、同じフラッグの他の縁部(なお、
図29のフラッグF3、F3’は、2つの傾斜縁部を有する)に対して、または異なるフラッグF1~F4に対して傾斜しており(たとえば、ゼロ以外の角度、
図29~31の角度β
2のような角度を有するフラッグF2、F2’、F3、F3’、F4、F4’の縁部を参照。なお、フラッグの各傾斜縁部は、角度β
2と同じまたは異なってもよい、対応する角度を有する)、フラッグF1~F4の縁部の組み合わせは、それぞれのSCARAアームリンク(およびプーリのΔV
i)のそれぞれ異なる個別の変動ΔL
iの区別をもたらすように決定的であるアーム姿勢判定特徴部またはフラッグF1~F4の決定的構成を画定する。なお、本明細書で説明される(
図4A~
図5に関連して、既に図示および説明されたものを含む)フラッグのいずれも、エンドエフェクタが、傾斜したもの(たとえば、ゼロ以外の角度)と、直線状のもの(たとえば、アームの伸長/後退の方向に対して略直角であるフラッグ、
図29~31のフラッグF1、F1’、F4、F4’参照)との組み合わせを含むように、エンドエフェクタ23203上など、共通のロボットアーム上で、任意の順序で組み合わされてもよい。それぞれのSCARAアームリンクの異なる個別の変動ΔL
iの区別、ならびに、それに対応する、(たとえば、各SCARAアームリンク/プーリの温度の変化ΔT
1による)それぞれのSCARAアームリンク/プーリのそれぞれ異なる膨張係数K
S(i)の判定および区別が、プーリの変動による非線形の影響を含む、SCARAアームの変動の判定をもたらす。ここで、上記のように、
図26に示されるアーム構成は、3つのSCARAアームリンク(たとえば、アッパーアーム23201、フォアアーム23202およびエンドエフェクタ23203)、および、各々が静的検出センサ199により検出可能である少なくとも1つの縁部を有するフラッグF1~F4を含む。フラッグF1~F4の(または、少なくとも1つのフラッグF1~F4の)少なくとも1つの縁部は、冗長的であり、静的検出センサ199により提供されるセンサ信号ノイズをフィルタリングまたは「スムージング」するのに役立ち、以下で説明する、進路(たとえば、SCARAアームのRまたは径方向運動)の「ウォブル」を解明するのに役立ってもよい。
【0170】
図1A、
図26および
図27を参照すると、上記のように、制御装置11091は、SCARAアームリンクおよびプーリの温度の変化ΔT
iによるアームの変動ΔL
i(およびΔV
i)を解明するように構成されてもよい。たとえば、熱膨張により引き起こされるSCARAアーム2300Aの全体のずれまたは変動を判定するために、Y軸が室温T
REFにおける伸長および後退の径方向に沿うように、局所的X‐Y座標枠が、ロボットフレーム(たとえば、R-θ)の回転変換として定義される。室温T
REFにおけるエンドエフェクタ23203位置に対する方程式は、以下のように記述され得る。
【0171】
【0172】
【0173】
ここでは、LEE0は、パン(pan)であり(パンという用語は、ここでは、簡便性のみのために使用され、任意の適切な構成を有してもよいエンドエフェクタ構造の構成を記述または限定することを意図しない)、パンは、手首部Z3からエンドエフェクタの中心EECへとずれており、θは、モータT1およびT2の位置(たとえば、エンドエフェクタ23203が、アッパーアーム23201に従属している場合における、アッパーアーム23201およびフォアアーム23203を駆動する駆動シャフトの位置)により判定される狭角の半分である。Yの位置は、径方向の座標(R-θ)におけるRの位置と同じである。
【0174】
温度上昇後は、手首関節部Z3の位置に対する方程式は、以下のように記述され得る。
【0175】
【0176】
【0177】
膨張係数KS(i)の値に関して、手首関節部Z3の位置は、以下のように記述され得る。
【0178】
【0179】
【0180】
熱膨張によるエンドエフェクタ23203の全体の膨張は、(方程式[15]を使用して)以下のように記述され得る。
【0181】
【0182】
これをX‐Y座標枠に変換すると、以下のように記述され得る。
【0183】
【0184】
【0185】
膨張係数KSに関して上記の方程式を展開すると、以下のようになる。
【0186】
【0187】
【0188】
KSの因子(または、全てのSCARAアームリンクの温度)を知ることで、熱膨張によるウェハおよびエンドエフェクタ23203のずれが、任意の所与の半狭角θにおいて、上記の方程式を使用して算出され得る。
【0189】
次に、(各々が開示される実施形態の異なる態様による、適切なフラッグの構成の異なる例を示す、または
図26および
図28においては、概略的に図示する)
図29~31を参照して、フラッグF1~F4の縁部の検出、それぞれの膨張係数K
S(i)の判定、およびそれぞれの膨張係数K
S(i)の区別を説明する。一態様では、熱的ずれを算出するために、方程式[24]および[25]において、膨張係数K
S(i)が判定される。これは、既に説明された、エンドエフェクタ23203の縁部および手首部のフラッグF1~F4のトリガ位置の変化を検出するために、静的検出センサ199を使用することにより達成され得る。これは、膨張係数K
S(i)の値を逆算するために、既知のターゲットをシステム内に設置すること、および信号の変化を測定することに相当する。一態様では、信号の変化は、リンクの熱的線膨張、たとえば、不均一の温度分布における関節部の膨張によるSCARAアームのプーリのプーリ比の変化、および/またはプーリ比の変化によるフラッグ/エンドエフェクタの縁部の配置の変化により引き起こされてもよい。
【0190】
アーム2300AなどのSCARAアームにおける熱膨張が、線膨張およびプーリ比の両方の変化を引き起こし、(フラッグが感知される、またはエンドエフェクタの縁部が感知されるときなどの)位置捕捉と、熱膨張との間における複素数非線形方程式を生成する。したがって、フラッグF1~F4の構成は、各SCARAアームリンク23201、23202、23203に対して異なる膨張係数KS(i)を判定すること、および静的検出センサ199により、エンドエフェクタ23203の1回以下(または1回のみの)の通過によるオンザフライ方式の検出で、アーム全体の膨張を求めることに対して決定的である。
【0191】
図29に、典型的なセンサ199および手首部フラッグの構成が示されるが、センサ199およびフラッグF1~F4は、
図30および
図31に示されるものを含み、任意の適切な構成を有してもよいことが理解されるべきである。この態様では、上記のように、フラッグF1~F5が、静的ウェハ検出センサ199A、199Bの1つなどのセンサ199の傍を通過する際に、フラッグF1~F4が、SCARA2300Aのアーム位置を捕捉するためのトリガ位置を生成するように、フラッグF1~F5は、エンドエフェクタ23203に沿って位置してもよい。センサ199A、199Bのうちの1つのみにより感知されるフラッグF1~F4の位置は、上記のように、それぞれのSCARAアームリンク23201、23202、23203の、関連の熱膨張を判定するために、SCARAアームの運動力学による解析用の方程式への入力として使用される。一態様では、フラッグF1~F4の形状は、未知の変数、すなわち、それぞれ異なるSCARAアームリンク23101、23202、23203の、またはそれぞれに個別である膨張係数K
S(i)(たとえば、アッパーアームリンク23201の膨張係数K
S1、フォアアームの膨張係数K
S2、およびエンドエフェクタ23203の膨張係数K
S3)を求めるために必要である、最小限の組の方程式を提供するための、適切な数のセンサ/フラッグの移行部を生成するために選択されてもよい。1つの例示的な組の方程式が、以下で説明する方程式[34]、[36]および[39]に示される。この態様では、そのような方程式を生成するために、
図4、
図5Aおよび
図5BのフラッグF1~F3に対するフラッグの移行部が利用された。
【0192】
一態様では、
図5Bに示されるように、丸みを帯びたフラッグF5、F6に亘ってのセンサの移行部が図示され、フラッグF5、F6の半径の中心が、エンドエフェクタEECの中心と一致している。この態様では、少なくともフラッグF5、F6により提供されるセンサの移行部は、たとえば、
図4A~4C、
図4F、
図7に関する上記のものと類似の方法で、エンドエフェクタの中心EECを中心として揃えられる(エンドエフェクタの中心EECからのずれがゼロである中心を有する)基準ウェハを模倣するために使用され得る。上記のように、フラッグF5、F6の中心をエンドエフェクタの中心EECと同じ位置に設置することにより、能動型ウェハ中心(AWC)較正のためのゼロオフセット治具の必要性が除去される。
図29~
図31に示されるフラッグF1~F5の形状は、例示的なものであり、上で説明したもののような、フラッグの他の形状が使用されてもよい。さらに、本明細書で説明するフラッグの複数の形状は、1つのみの静的検出センサ199を通過するエンドエフェクタ23203の1回のみの通過で、SCARAアームの熱膨張の判定、および/または自動ウェハセンタリングをもたらすために、単一のエンドエフェクタ上において、
図30および
図31に示されるものに類似の方法で、組み合わされてもよい。
【0193】
一態様では、フラッグF1~F6(または、本明細書で説明される他の基準特徴部)は、たとえば、アッパーアーム23201もしくはフォアアーム23202などのSCARAアームのエンドエフェクタ23203または他の任意の適切な位置に、一体的に形成されてもよい。他の態様では、フラッグF1~F6の1つまたは複数は、フラッグF1~F6が、1つのみの静的検出センサ199により(または、上記のように、少なくとも1つの静的検出センサにより)感知されるように、エンドエフェクタ23203(または、SCARAアームの他の部分)に、任意の適切な方法で、任意の適切な位置に取り付けられてもよい。
【0194】
上記のように、開示される実施形態の態様およびフラッグF1~F6の概念は、1つのみの静的検出センサ199とともに使用され得る。しかし、他の態様では、2つ以上のセンサ199A、199Bが、冗長な情報を生成し、上記のもののような、ノイズに対する信号の割合を向上させるために、使用されてもよい。一態様では、センサ199A、199Bは、センサトリガ位置が、SCARAアームの基準フレーム(たとえば、R-θまたはX‐Y)内の固定位置として考えられ得るように、SCARAアーム2300が位置する移送チャンバ11025に、処理チャンバPM上に、移送チャンバ11025と処理チャンバPMとの間のゲートバルブGV上に、または処理システムの他の任意の適切な位置で、取り付けられる(
図1Aおよび
図24参照)。一態様では、センサ199A、199Bの両方からのトリガ移行部が、センサ較正中に、既知の位置基準として記憶される。
【0195】
一態様では、センサ199AによるフラッグF1(たとえば、エンドエフェクタ23203の手首部上の平坦縁部)の検出を用いて、手首関節部Z3の位置は、(方程式[20]~[21]を用いて)以下のように記述され得る。
【0196】
【0197】
【0198】
ここでは、θは、上記の元の運動力学の半狭角であり、半狭角は、一態様では、たとえば、SCARAアーム2300Aの運動計画作成のための元の運動力学による、たとえばフラッグF1の位置捕捉、および対応する報告から取得されてもよい。
【0199】
Rを位置捕捉の径方向の値(フラッグF1が感知された、径方向の伸長軸に沿った位置)とした場合、
【0200】
【0201】
トリガ縁部のY方向における向きの変化によるシフトは、以下のように記述され得る。
【0202】
【0203】
熱膨張後の、較正中のフラッグF1の平坦縁部のトリガ位置をS4とした場合、フラッグF1の平坦縁部のトリガ位置は、以下のように記述され得る。
【0204】
【0205】
ここでは、(方程式[7]を使用して)
【0206】
【0207】
熱膨張後のフラッグ上における径方向の位置捕捉をR4とした場合、半狭角は以下のように表される。
【0208】
【0209】
そして方程式[32]を展開すると、
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
同じ方法を使用して、センサ199Aを通過するフラッグF1の平坦縁部の移行部は、以下のように記述され得る。
【0214】
【0215】
ここでは、d1は、エンドエフェクタの中心EECからセンサ199AまでのYの距離である。
【0216】
フラッグF1の径方向の位置捕捉をR1とした場合、半狭角は以下のように表される。
【0217】
【0218】
そして方程式[35]を展開すると、
【0219】
【0220】
フラッグF2の傾斜縁部の場合、X方向の熱膨張により引き起こされる、Y方向の余分のシフトが存在する。
【0221】
【0222】
ここでは、β
2は、
図29に示されるような縁部の角度である。β
2が縁部F2’に関して図示されているが、たとえば、
図29~31に示されるフラッグF2、F2’、F3、F3’の傾斜縁部のいずれかの角度が使用されてもよいことが理解されるべきである。記憶されたトリガの値を使用して、上記のものに類似の方法で、S
2は、以下のように記述され得る。
【0223】
【0224】
フラッグF2の径方向の位置捕捉をR2とした場合、半狭角は、以下のように表される。
【0225】
【0226】
そして方程式[38]を展開すると、
【0227】
【0228】
方程式[34]、[36]および[39]は、3リンクSCARAアームの熱膨張による変動を記述する、3つの変数KS1、KS2およびKS3を有する3つの非線形方程式である。他の態様では、追加のフラッグ/縁部が、4リンクSCARAアームまたは任意の適切な数のリンクを有するSCARAアーム(たとえば、nリンクSCARAアーム)の膨張係数(KS(i))を区別する/求めるために設けられてもよい。一態様では、たとえば、ニュートン-ラフソン法を用いて1組の非線形方程式は解かれてもよいが、他の態様では、非線形方程式を解くために、任意の適切な方法が用いられてもよい。一態様では、任意の適切なニュートン-ラフソンアルゴリズムが、順運動力学から半狭角θを見出すために使用されてもよい。ニュートン-ラフソン法は、初期値が解に近い場合、高速に収束し、一態様では、センサ199が少なくとも1つのフラッグF1~F4の少なくとも1つの縁部を検出/感知する場合、静的検出センサ199を通過するエンドエフェクタ23203の単一の通過と一致する解の決定をもたらすことを可能にする。元の逆運動力学が、適切な開始点を提供する。最終の解は、所望であれば、記憶され、次回のために、同じ目標位置に対する初期値として使用され得る。例示的なニュートン-ラフソン法において、たとえば、3つの変数が以下のように規定される。
【0229】
【0230】
対応する関数が以下のように規定される。
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
以下の非線形システムが作成される。
【0235】
【0236】
偏導関数のヤコビアン行列
【0237】
【0238】
1組の非線形方程式の解は、以下の反復により求められる。
【0239】
【0240】
一態様では、低温において、熱膨張によるプーリ比の変化は、たとえば、上記の方程式におけるそれぞれのSCARAアームリンク23201、23202、23203の線膨張の優勢により、システムに対する微小摂動として扱われ得る。高温では、最終の解の値は、SCARAアームリンク23201、23202、23203の遅い熱膨張の進行のため、同じ目標位置に対する初期値として使用され得る。
【0241】
プーリ比の変化が無ければ、熱膨張は、3つの線形方程式にまとめることが可能である。プーリ比を一定とすると、方程式[34]は以下に変更可能である。
【0242】
【0243】
方程式[36]は以下に変更可能である。
【0244】
【0245】
方程式[39]は、以下のようになる。
【0246】
【0247】
線形方程式[41]、[42]および[43]は、閉形式解析解を有し得るため、線形方程式[41]、[42]および[43]は、少なくとも1つの縁部/フラッグF1~F6のオンザフライ方式の感知/検出を伴う一回の通過で、1組の非線形方程式の、非線形の影響を有する許容可能な解を求める(たとえば、1組の非線形方程式の解が、少なくとも1つのフラッグF1~F6のオンザフライ方式の感知を用いて、センサ199の1回の通過で求められ得るように)高速の反復のために、非線形方程式[40]に供給する初期値を提供してもよい。それぞれのSCARAアームリンクに対するKS(i)の値がわかると、たとえば、方程式[24]および[25]を用いて、SCARAアームの任意の位置における熱膨張ずれが算出され得る。アームの運動の最大範囲に亘るアーム運動を制御する制御運動力学は、したがって、アームの、より具体的には、エンドエフェクタの中心の、運動の全体範囲に亘る判定された熱膨張ずれを補償するように修正される。理解できるように、ずれ/変動の判定、および補償は、実質的にリアルタイムで、アームの、オンザフライ方式の、センサ199の傍を通るアームの2回未満の通過で(換言すると1回のみの通過で)もたらされる。
【0248】
基板の中心EECのみが判定される場合、エンドエフェクタが移動させられ(
図32、ブロック3200)、それによって、基板が、センサ199A、199Bの少なくとも1つに向けて移動させられ、基板が、上記のように感知される(
図32、ブロック3205)。基板の中心が判定され(
図32、ブロック3210)、それによって、基板は、ステーション位置SCに設置されてもよい。一態様では、任意の適切な数の基板は、ステーション位置SCが再度教示される前に、(エンドエフェクタ23203上に保持される基板を有して、またはなしで)ステーション位置SCに、およびステーション位置SCから移送されてもよい。たとえば、ステーション位置SCは、10個の基板、20個の基板、または他の任意の適切な数の基板が設置された後に教示されてもよい。他の態様では、ステーション位置SCは、任意の適切な所定の時間間隔(たとえば、30分、60分、または他の任意の適切な時間間隔)の後に教示されてもよい。基板ステーションSCは、エンドエフェクタ23203をセンサ199A、199Bの少なくとも1つに向けて移動させ(
図32、ブロック3200)(単一のセンサのみが使用されてもよいことを再度記す)、それによって、フラッグF1~F4のうちの少なくとも1つが感知される(
図32、ブロック3215)ことによって教示されてもよい。エンドエフェクタの中心EECが、上記の方法で判定され(
図32、ブロック3220)、エンドエフェクタの中心が、上記の方法でステーションの中心SCに対し位置合わせされる(
図32、ブロック3230)。ステーションの中心SCが教示される間にエンドエフェクタが基板保持している場合、基板の中心WCは、エンドエフェクタの、センサ199A、199Bの傍を通る同一の通過で(たとえば、一回の通過で)判定されてもよく、または基板の中心WCおよびステーション位置SCが異なる通過において教示されるように、センサ199A、199Bを通過する、エンドエフェクタの2回目の通過で判定されてもよい。
【0249】
一態様では、
図29を再度参照すると、(上記のエンドエフェクタの中心395Cに実質的に類似の)エンドエフェクタの中心EECの、ステーションの中心SCとの位置合わせ、および(
図29にエンドエフェクタの中心EECからずれて示される)基板の中心WCの判定は、センサ199A、199Bのうちの1つのみを通過するエンドエフェクタの1回のみの通過で判定されるが、所定のアーム内に存在しない周辺特徴部の位置特定を含む他の態様では、センサ199A、199Bのうちの少なくとも1つを通過するエンドエフェクタの複数回の通過は、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれ、「Tool Auto-Teach Method and Apparatus」と題される、2015年11月10日に出願された米国特許出願第14/937,676号明細書に記載されるもののような方法で行われてもよい。たとえば、基板の中心EECおよびステーション位置SCの両方が教示される場合、エンドエフェクタ23203が移動させられ(
図32、ブロック3200)、基板Sおよび/またはフラッグF1~F4(たとえば、基準特徴部)をセンサ199A、199Bのうちの少なくとも1つの方向に移動させる。基板Sは、少なくとも1つのセンサ199A、199Bで感知され(
図32、ブロック3205)、フラッグF1~F4は、少なくとも1つのセンサ199A、199B(
図32、ブロック3215)で感知され、また、エンドエフェクタの中心EECをステーションの中心SCに対して位置合わせするためには、単一のセンサ199Aのみ、および単回または2回未満の通過で充分である。SCARAアームの変動ΔL
i(およびΔV
i)は、たとえば、
図23~31に関して既に説明された線形および非線形の影響の、熱膨張における区別により、SCARAアームリンク23201、23202、23203(およびSCARAアームのプーリ)のそれぞれに対して判定される(
図32、ブロック3216)。基板の中心WCおよび基板搬送装置の位置(すなわち、基準点EEC)の判定が、上記のもののような各リンクの膨張係数K
S(i)を使用して(たとえば、上記のような、エンドエフェクタの中心に対する既知の関係を有し、たとえば、フラッグF5、F5’、F6および/もしくはF6’(
図31参照)に画定される円形VRW1(
図10参照)に類似の曲線状または他の形状の特徴部(たとえば、
図31のフラッグF5、F5’、F6、F6’参照)を使用して、ならびに/または、たとえば、上記の方程式[24]および[25]を用いて)、任意の適切な方法で判定される(
図32、ブロック3220および3225)。エンドエフェクタ中心基準点EECの、ステーションの中心SCに対する位置合わせは、上記の方法でもたらされる(
図32、ブロック3230)。
【0250】
図29~31を再度参照すると、一態様では、制御装置11091(または、制御装置11091の運動力学的レゾルバ11091K)は、R軸におけるウォブルまたはバイアスとも呼称され得る、SCARAアーム2300Aの径方向軸Rにおける変動を誘発する摂動および/または過渡の影響(たとえば、ピボットまたはピボット軸受けに亘る不均一な温度分布になどによる、関節部、プーリ、駆動ベルトの摩擦力、SCARAアームリンクおよびプーリの枢動軸の章動運動の非線形の影響)を解明するように構成される。理解できるように、R軸のこのような変動またはウォブルは、制御装置110910に通信される(アームの運動中にフラッグF1~F6を感知するセンサによりもたらされる)径方向位置信号s
iに起こる非熱性の変動成分、およびSCARAアーム2300Aの異なるリンクおよびプーリの熱性の変動の判定をもたらし得る。一態様では、前述の誤差の影響(たとえば、バイアスまたはウォブル)は、
図29に示されるような(
図29は、エンドエフェクタ23203の両側部のセンサ199A、199Bを示している。対称型のエンドエフェクタを示す
図30および
図31も参照)SCARAアーム2300Aの対向する側または鏡像側の冗長のフラッグF1~F6およびセンサ199A、199Bなどから、適切な信号平均化(または、他の適切な重み付き組み合わせ)により解明されてもよい(または、それらの寄与が最小化される)。図示される態様では、センサ199A、199BおよびフラッグF1~F6は、(不規則効果以外のために、R軸と実質的に揃う)SCARAアーム2300Aの対称軸に対して、対称的に設けられてもよく、対応する、対向するフラッグ(フラッグF1~F6およびF1’~F6’参照)を感知する、対向するセンサ199A、199Bからのs
i信号を(運動力学的に表現されるように)平均化することにより、R軸のバイアスまたはウォブルによる不規則成分が解明される。他の態様では、制御装置11091は、SCARAアーム2300Aが、較正温度T
REFと安定状態の動作温度との間を熱的に過渡する際に、連続する通過の(運動力学的に表現されてもよい)s
i信号を線形化する(
図27に示されるものに類似の曲線を生じ、および記憶装置内に適切な形態で登録される)ように構成されてもよい。次に、各s
i信号が、与えられる通過の、対応する曲線に一致するように、(たとえば、
図27に示されるものと類似の)曲線は、センサ199A、199Bを通過する、エンドエフェクタ23203およびフラッグF1~F6、F1’~F6’の各通過に対し、s
i信号を調節するために適用されてもよい。したがって、センサからのs
i信号と曲線プロットとの間の不一致の一因となる、既に説明したもののような不規則成分は、たとえば、1つ以下のセンサ199A、199Bの信号から解消されてもよい。さらに、各通過の曲線は、先行する通過の連続して先行する曲線と比較されてもよく、それによって、軸のバイアスまたはウォブルを表す傾向が特定される。
【0251】
上に見られるように、開示される実施形態の態様は、搬送アーム、およびエンドエフェクタ23203、23203A、25155EA、25155EBの(1つまたは複数の)基準特徴部またはフラッグF1~F6、F1’~F6’を位置決めするために、制御装置を用いて、たとえば、
図23、
図24および
図25に示される搬送アームの判定された変動を補償する。さらに、開示される実施形態の態様は、制御装置を用いて、エンドエフェクタ23203A、23203B、25155EAと少なくとも1つまたは複数のアームリンク23201、23202を共有する別の独立したエンドエフェクタ23203B(たとえば、
図24参照)の判定された変動を補償し、他の独立したエンドエフェクタ23203Bは、エンドエフェクタ23203Aに対して、独立した少なくとも1自由度を有する。
【0252】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理装置は、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるセルフセンタリングエンドエフェクタを有する基板搬送装置を備え、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送するように構成され、少なくとも1つの中心判定特徴部は、基板搬送装置に一体化され、少なくとも1つの中心判定特徴部は、基板処理装置の静的検出センサが、基板搬送装置の径方向運動を伴うオンザフライ方式で、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出するように配置され、少なくとも1つの縁部の検出が、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0253】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、少なくとも1つの中心判定特徴部に妨げられない。
【0254】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、ウェハ保持ステーションに保持されるウェハに妨げられない。
【0255】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの判定特徴部は、ウェハ保持ステーションとは分離し、ウェハ保持ステーションとは別個であるように基板搬送装置上に配置される。
【0256】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の両側に配置される少なくとも2つの中心判定特徴部を備える。
【0257】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の共通する側に配置される。
【0258】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの、対向して配置される中心判定特徴部を備える。
【0259】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの中心判定特徴部を含み、少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの中心判定特徴部の別の1つに対し補助的である。
【0260】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して求めるように構成される。
【0261】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心と所定の関係を有する、対応する形状を有し、それによって、各対応する形状が、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して判定する。
【0262】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに一体化される。
【0263】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から延びる。
【0264】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から垂下する。
【0265】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、エンドエフェクタから独立して、基板搬送装置の寸法における変動を規定するように配置される。
【0266】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、寸法における変動は、熱的影響によるものである。
【0267】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、静的検出センサから、少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータを受信し、基板搬送装置を、センサデータから判定される基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、所定の中心の位置を調節するように制御するように構成される制御装置をさらに含む。
【0268】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出から、基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を知得するように構成される制御装置をさらに備える。
【0269】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、静的検出センサは、自動ウェハセンタリングセンサを備える。
【0270】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータから、基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を特定および知得するように構成される制御装置をさらに備える。
【0271】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるセルフセンタリングエンドエフェクタを有する基板搬送装置を提供することと、
運動中の基板搬送装置を用いてオンザフライ方式で、基板処理装置の静的検出センサを用いて、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出することと、を含み、
エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、基板搬送装置に一体化され、少なくとも1つの縁部の検出が、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0272】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、少なくとも1つの中心判定特徴部に妨げられない。
【0273】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに保持されるウェハに妨げられない。
【0274】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、静的検出センサを用いて、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心に対する、エンドエフェクタに保持されるウェハの偏心度を判定することをさらに含む。
【0275】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心、および偏心度は、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、オンザフライ方式で判定される。
【0276】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、静的検出センサは、ウェハの縁部を検出する。
【0277】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置を用いて、静的検出センサから、少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータを受信することと、制御装置を用いて、センサデータから判定される基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、所定の中心の位置を調節するように、基板搬送装置を制御することをさらに含む。
【0278】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置を用いて、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部の検出から、基板処理装置のウェハ処理ステーションの中心位置を特定および知得することをさらに含む。
【0279】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置を用いて、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部の検出から、エンドエフェクタから独立して、基板搬送装置の寸法における変動を規定することをさらに含む。
【0280】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、寸法における変動は、熱的影響によるものである。
【0281】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理装置は、
フレームと、
フレームに接続され、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるエンドエフェクタを有する基板搬送装置であって、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送するように構成される基板搬送装置と、
フレームに接続され、運動中の基板搬送装置を用いたオンザフライ方式で、エンドエフェクタ上に保持されるウェハの縁部の感知をもたらすように構成される自動ウェハセンタリングセンサと、
基板搬送装置に一体化される少なくとも1つの中心判定特徴部であって、少なくとも1つの中心判定特徴部は、自動ウェハセンタリングセンサが、オンザフライ方式で、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出するように配置される、少なくとも1つの中心判定特徴部と、を備え、
少なくとも1つの縁部の検出が、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0282】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、少なくとも1つの中心判定特徴部に妨げられない。
【0283】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに保持されるウェハに妨げられない。
【0284】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの判定特徴部は、ウェハ保持ステーションとは分離し、ウェハ保持ステーションとは別個であるように基板搬送装置上に配置される。
【0285】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の両側に配置される少なくとも2つの中心判定特徴部を備える。
【0286】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の共通する側に配置される。
【0287】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの、対向して配置される中心判定特徴部を備える。
【0288】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの中心判定特徴部を含み、少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの中心判定特徴部の別の1つに対し補助的である。
【0289】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して求めるように構成される。
【0290】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心と所定の関係を有する、対応する形状を有し、それによって、各対応する形状が、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して判定する。
【0291】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに一体化される。
【0292】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板搬送装置は、エンドエフェクタに接続されるアームを含み、少なくとも1つの中心判定特徴部は、基板搬送装置のアームに一体化される。
【0293】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板搬送装置は、機械的インターフェース部においてエンドエフェクタに連結されるアームを含み、少なくとも1つの中心判定特徴部は、機械的インターフェース部に一体化される。
【0294】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から延びる。
【0295】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から垂下する。
【0296】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、エンドエフェクタから独立して、基板搬送装置の寸法における変動を規定するように配置される。
【0297】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、寸法における変動は、熱的影響によるものである。
【0298】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動ウェハセンタリングセンサから、少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータを受信し、センサデータから判定される基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、所定の中心の位置を調節するように基板搬送装置を制御するように構成される制御装置をさらに含む。
【0299】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出から、基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を知得するように構成される制御装置をさらに備える。
【0300】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理装置は、
フレームと、
フレームに接続され、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるエンドエフェクタを有する基板搬送装置であって、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送するように構成される、基板搬送装置と、
フレームに接続される自動ウェハセンタリングセンサと、
基板搬送装置に一体化される少なくとも1つの中心判定特徴部であって、少なくとも1つの中心判定特徴部は、自動ウェハセンタリングセンサが、運動中の基板搬送装置を用いてオンザフライ方式で、少なくとも1つの中心判定特徴部を検出するように配置される、少なくとも1つの中心判定特徴部と、を備え、
少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、自動ウェハセンタリングセンサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0301】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、少なくとも1つの中心判定特徴部に妨げられない。
【0302】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに保持されるウェハに妨げられない。
【0303】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの判定特徴部は、ウェハ保持ステーションとは分離し、ウェハ保持ステーションとは別個であるように基板搬送装置上に配置される。
【0304】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の両側に配置される少なくとも2つの中心判定特徴部を備える。
【0305】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の共通する側に配置される。
【0306】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの、対向して配置される中心判定特徴部を備える。
【0307】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの中心判定特徴部を含み、少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの中心判定特徴部の別の1つに対し補助的である。
【0308】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心決定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して求めるように構成される。
【0309】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心と所定の関係を有する、対応する形状を有し、それによって、各対応する形状が、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して判定する。
【0310】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに一体化される。
【0311】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から延びる。
【0312】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から垂下する。
【0313】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、エンドエフェクタから独立して、基板搬送装置の寸法における変動を規定するように配置される。
【0314】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、寸法における変動は、熱的影響によるものである。
【0315】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動ウェハセンタリングセンサから、少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータを受信し、センサデータから判定される基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、所定の中心の位置を調節するように基板搬送装置を制御するように構成される制御装置をさらに含む。
【0316】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出から、基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を知得するように構成される制御装置をさらに備える。
【0317】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理装置は、以下のものを備える。
【0318】
基板処理装置は、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるセルフセンタリングエンドエフェクタを有する基板搬送装置であって、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送するように構成される、基板搬送装置を備える。
【0319】
基板処理装置は、基板搬送装置に一体化される少なくとも1つの中心判定特徴部であって、少なくとも1つの中心判定特徴部は、基板処理装置の静的検出センサが、基板搬送装置の径方向運動を用いてオンザフライ方式で、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出するように配置される、少なくとも1つの中心判定特徴部を備える。
【0320】
基板処理装置は、基板搬送装置に通信可能に連結される制御装置であって、少なくとも1つの縁部の検出が、基板搬送装置の径方向運動を伴うオンザフライ方式で、基板搬送装置のアームの変動を特定する比例因子の判定をもたらすように構成される制御装置を備える。
【0321】
制御装置は、運動力学的影響レゾルバを含み、運動力学的影響レゾルバは、少なくとも1つの縁部の検出から、比例因子の変動と、基板搬送装置の径方向運動を伴うオンザフライ方式での、基板搬送装置の静的検出センサによる、少なくとも1つの縁部の検出との関係を判定し、さらに、判定された比例因子の変動の、アームの変動を判定する比例因子に対する影響を解消するように構成される。
【0322】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす、少なくとも1つの縁部の検出は、静的検出センサの傍を通通する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過によって起こる。
【0323】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、少なくとも1つの中心判定特徴部に妨げられない。
【0324】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、ウェハ保持ステーションに保持されるウェハに妨げられない。
【0325】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、ウェハ保持ステーションとは分離し、ウェハ保持ステーションとは別個であるように基板搬送装置上に配置される。
【0326】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の両側に配置される少なくとも2つの中心判定特徴部を備える。
【0327】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、長手方向の中心線を有し、少なくとも1つの中心判定特徴部は、長手方向の中心線の共通する側に配置される。
【0328】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの、対向して配置される中心判定特徴部を備える。
【0329】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも2つの中心判定特徴部を含み、少なくとも2つの中心判定特徴部のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの中心判定特徴部の別の1つに対し補助的である。
【0330】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して求めるように構成される。
【0331】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、中心判定特徴部のそれぞれは、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心と所定の関係を有する、対応する形状を有し、それによって、各対応する形状が、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心を独立して判定する。
【0332】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに一体化される。
【0333】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から延びる。
【0334】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタの側部から垂下する。
【0335】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、エンドエフェクタから独立して、基板搬送装置の寸法における変動を規定するように配置される。
【0336】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、寸法における変動は、熱的影響によるものである。
【0337】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、さらに以下のように構成される。
【0338】
制御装置は、静的検出センサから、少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータを受信するように構成される。
【0339】
制御装置は、センサデータから判定される基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、所定の中心の位置を調節するように基板搬送装置を制御するように構成される。
【0340】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、さらに、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出から、基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を知得するように構成される。
【0341】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、静的検出センサは、自動ウェハセンタリングセンサを備える。
【0342】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータから、基板処理装置の基板処理ステーションの中心位置を特定および知得するように構成される。
【0343】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、さらに以下のように構成される。
【0344】
制御装置は、静的検出センサから、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出に対応するセンサデータを受信するように構成される。
【0345】
制御装置は、センサデータに基づいて基板搬送装置の寸法における変動を特定し、変動を基板搬送装置の寸法に関連付ける比例因子を判定するように構成される。
【0346】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、基板搬送装置のアームの、運動力学的に規定される寸法と、比例因子と、変動との間の関係を求めるように構成される。
【0347】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、比例因子のフィルタを含む。
【0348】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、以下のものを含む。
【0349】
方法は、基板搬送装置を提供することを含む。
【0350】
基板搬送装置は、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるセルフセンタリングエンドエフェクタを有し、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送する。
【0351】
基板搬送装置は、基板搬送装置に一体化される、少なくとも1つの中心判定特徴部を有する。
【0352】
方法は、運動中の基板搬送装置を用いたオンザフライ方式で、基板処理装置の静的検出センサを用いて、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出することであって、少なくとも1つの縁部の検出は、運動中の基板搬送装置を用いてオンザフライ方式で、基板搬送装置のアームの変動を特定する比例因子の判定をもたらす、少なくとも1つの縁部を検出することを含む。
【0353】
方法は、運動力学的影響レゾルバを用いて、少なくとも1つの縁部の検出から、比例因子の変動と、静的検出センサによる、少なくとも1つの縁部の検出との間の関係を判定し、さらに判定された比例因子の変動の、アームの変動を判定する比例因子に対する影響を解消することを含む。
【0354】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの縁部の検出が、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0355】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、少なくとも1つの中心判定特徴部に妨げられない。
【0356】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに保持されるウェハに妨げられない。
【0357】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、静的検出センサを用いて、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心に対する、エンドエフェクタに保持されるウェハの偏心度を判定することをさらに含む。
【0358】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心、および偏心度は、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、オンザフライ方式で判定される。
【0359】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、静的検出センサは、ウェハの縁部を検出する。
【0360】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、さらに、以下のものを含む。
【0361】
方法は、制御装置を用いて、静的検出センサから、少なくとも1つの縁部の検出に対応するセンサデータを受信することを含む。
【0362】
方法は、制御装置を用いて、センサデータから判定される基板搬送装置の熱による寸法変化に基づいて、所定の中心の位置を調節するように基板搬送装置を制御することを含む。
【0363】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、制御装置を用いて、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部の検出から、基板処理装置のウェハ処理ステーションの中心位置を特定および知得することをさらに含む。
【0364】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、制御装置を用いて、少なくとも1つの中心判定特徴部の少なくとも1つの縁部の検出から、エンドエフェクタから独立して、基板搬送装置の寸法における変動を規定することをさらに含む。
【0365】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、寸法における変動は、熱的影響によるものである。
【0366】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理装置は、以下のものを含む。
【0367】
基板処理装置は、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるエンドエフェクタを有する基板搬送装置であって、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送するように構成される、基板搬送装置を含む。
【0368】
基板処理装置は、基板処理装置の静的検出センサが、基板搬送装置の径方向運動を伴うオンザフライ方式で、2つ以上の特徴部のそれぞれの少なくとも1つの縁部を検出するように、基板搬送装置上に配置される2つ以上の特徴部を含む。
【0369】
基板処理装置は、基板搬送装置に通信可能に連結される制御装置であって、少なくとも1つの縁部のそれぞれの検出が、それぞれ、1回のみの共通の径方向運動の基板搬送装置を用いてオンザフライ方式で、基板搬送装置の共通アームの異なる変動を特定する異なる比例因子の判定をもたらすように構成される、制御装置を含む。
【0370】
制御装置は、運動力学的影響レゾルバを含み、運動力学的影響レゾルバは、判定された異なる比例因子から、1回のみの共通の運動中の基板搬送装置を用いてオンザフライ方式で、共通アームの異なる対応するリンクのそれぞれの変動を解消し、ウェハ位置に対し影響のある、共通アームの変動を判定するように構成される。
【0371】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、さらに、異なる比例因子における変動の、アームの影響のある変動に対する影響を解消するように構成される。
【0372】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす、少なくとも1つの縁部の検出は、静的検出センサの傍を通過する2つ以上の特徴部の1回のみの通過によって起こる。
【0373】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェハ保持ステーションは、2つ以上の特徴部に妨げられない。
【0374】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、2つ以上の特徴部は、ウェハ保持ステーションに保持されるウェハに妨げられない。
【0375】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、2つ以上の特徴部は、ウェハ保持ステーションとは分離し、ウェハ保持ステーションとは別個であるように基板搬送装置上に配置される。
【0376】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理装置は以下のものを備える。
【0377】
基板処理装置は、所定の中心を備え、基準特徴部を有するエンドエフェクタを含む搬送アームを備える基板搬送装置であって、エンドエフェクタは、所定の中心を基づいて、基板処理装置内で、ウェハを保持し、ウェハを搬送するように構成される、基板搬送装置を備える。
【0378】
基板処理装置は、基板搬送装置に一体化される少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部であって、少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部は、基板処理装置の静的検出センサが、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式で、少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部の少なくとも1つの縁部を検出するように配置される、少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部を備える。
【0379】
基板処理装置は、基板搬送装置に通信可能に連結される制御装置であって、制御装置は、少なくとも1つの縁部の検出が、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式で、搬送アームの変動を特定する比例因子の判定をもたらすように構成される、制御装置を備える。
【0380】
制御装置は、運動力学的影響レゾルバを含み、運動力学的影響レゾルバは、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式での、静的検出センサによる、少なくとも1つの縁部の検出から、判定された比例因子と、搬送アームのそれぞれ異なるリンクに対するそれぞれ異なる個別の変動との間の個別の関係を判定し、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式で搬送アームの変動を判定するように構成される。
【0381】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、判定された比例因子との、判定された関係において、それぞれ異なるリンクに対するそれぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすように構成される。
【0382】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、少なくとも1つの縁部の検出に基づいてそれぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすように構成される。
【0383】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式での、静的検出センサによる、少なくとも1つの縁部の検出から、搬送アームのそれぞれ異なるリンクに対する異なる個別の変動の、非線形の運動力学的影響の寄与を判定し、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式でアームの変動を判定するように構成される。
【0384】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、アームの変動を判定する、非線形の運動力学的影響の判定された寄与において、搬送アームのそれぞれ異なるリンクまたは異なるプーリに対する、異なる寄与をもたらす非線形の運動力学的影響の間の区別をもたらすように構成される。
【0385】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、アームの変動を判定する、非線形の運動力学的影響の判定された寄与において、搬送アームの少なくとも1つの、異なるリンクまたは異なるプーリの、異なる寄与をもたらす非線形の運動力学的影響の間の区別をもたらすように構成される。
【0386】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、運動力学的影響レゾルバは、少なくとも1つの縁部の検出に基づいて、異なる寄与をもたらす非線形の運動力学的影響の間の区別をもたらすように構成される。
【0387】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部は、判定された比例因子との、判定された関係において、それぞれ異なるリンクに対する、それぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすように決定的である構成を有する。
【0388】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの姿勢判定特徴部は、静的検出センサの傍を通過する、オンザフライ方式での搬送アームの径方向運動による少なくとも1つの縁部の1回のみの通過で、静的検出センサが、オンザフライ方式で、少なくとも1つの縁部を検出し、搬送アームのそれぞれ異なるリンクに対する、それぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすように構成される。
【0389】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送アームは、3リンクSCARAアームであり、少なくとも1つの姿勢判定特徴部は、3リンクSCARAアームのそれぞれ異なるリンクに対する、それぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすように構成される。
【0390】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタは、所定の中心を有するウェハ保持ステーションを備えるセルフセンタリングエンドエフェクタであり、エンドエフェクタは、ウェハ保持ステーションにてウェハを保持し、基板処理装置内でウェハを搬送するように構成される。
【0391】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部は、少なくとも1つの中心判定特徴部を備え、少なくとも1つの中心判定特徴部は、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0392】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、少なくとも1つの中心判定特徴部は、エンドエフェクタに保持されるウェハによって妨げられず、少なくとも1つの中心判定特徴部は、静的検出センサが、運動中の基板搬送装置を用いてオンザフライ方式で少なくとも1つの中心判定特徴部を検出するように配置され、少なくとも1つの中心判定特徴部の検出が、静的検出センサの傍を通過する少なくとも1つの中心判定特徴部の1回のみの通過で、エンドエフェクタ上のウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらす。
【0393】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、少なくとも1つの縁部の検出に基づいて、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式での搬送アームの変動の判定と略同時に、ウェハ保持ステーションの所定の中心の判定をもたらすように構成される。
【0394】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送アームは、アッパーアームリンク、フォアアームリンクおよび2つ以上のエンドエフェクタを含み、2つ以上のエンドエフェクタは、アッパーアームリンクおよびフォアアームリンクが、2つ以上のエンドエフェクタのそれぞれに共通であるように、アッパーアームリンクおよびフォアアームリンクに共通して従属する。
【0395】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、共通して従属する2つ以上のエンドエフェクタの少なくとも1つは、独立した自由度を有し、それによって、共通して従属するエンドエフェクタの少なくとも1つが、共通のアッパーアームリンクおよびフォアアームリンクに対し、独立して移動可能であり、共通して従属する2つ以上のエンドエフェクタの別の1つに対応する別のアーム姿勢判定特徴部とは異なる、対応するアーム姿勢判定特徴部を有し、それによって、少なくとも1つの、独立して移動可能なエンドエフェクタの対応するアーム姿勢判定特徴部の少なくとも1つの縁部の、静的検出センサによる感知に基づいて、少なくとも1つの、独立して移動可能なエンドエフェクタに対する搬送アームの変動が、共通して従属する2つ以上のエンドエフェクタの別の1つに対する搬送アームの変動とは別個に判定される。
【0396】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送アームは、SCARAアームである。
【0397】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、搬送アーム、およびエンドエフェクタの基準特徴部を位置決めし、搬送アームの判定された変動を補償するように構成される。
【0398】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、基板処理方法は、以下を含む。
【0399】
方法は、所定の中心を備え、基準特徴部を有するエンドエフェクタを含む搬送アームを備える基板搬送装置を用いて、基板処理装置内でウェハを搬送することであって、ウェハは、エンドエフェクタのウェハ保持ステーションにて、エンドエフェクタ上に保持される、ウェハを搬送することを含む。
【0400】
方法は、静的検出センサを用いて、基板搬送装置に一体化される少なくとも1つのアーム姿勢判定特徴部の少なくとも1つの縁部を、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式で検出することを含む。
【0401】
方法は、基板搬送装置に通信可能に連結される制御装置を用いて、少なくとも1つの縁部の検出に基づき、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式で、搬送アームの変動を特定する比例因子を判定することを含む。
【0402】
方法は、制御装置の運動力学的影響レゾルバを用いて、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式での、静的検出センサによる、少なくとも1つの縁部の検出から、判定された比例因子と、搬送アームのそれぞれ異なるリンクに対するそれぞれ異なる個別の変動との間の個別の関係を判定し、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式で、搬送アームの変動を判定することを含む。
【0403】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、運動力学的影響レゾルバを用いて、判定された比例因子との、判定された関係において、それぞれ異なるリンクに対する、それぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすことをさらに含む。
【0404】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、運動力学的影響レゾルバを用いて、少なくとも1つの縁部の検出に基づいて、それぞれ異なる個別の変動の間の区別をもたらすことをさらに含む。
【0405】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、運動力学的影響レゾルバを用いて、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式での、静的検出センサによる、少なくとも1つの縁部の検出から、搬送アームのそれぞれ異なるリンクに対する異なる個別の変動の、非線形の運動力学的影響の寄与を判定し、搬送アームの径方向運動を伴うオンザフライ方式での、アームの変動を判定することをさらに含む。
【0406】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送アームは、SCARAアームである。
【0407】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、制御装置を用いて、搬送アームおよびエンドエフェクタの基準特徴部を位置決めするために、搬送アームの判定された変動を補償することをさらに含む。
【0408】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法は、制御装置を用いて、少なくとも1つまたは複数のアームリンクをエンドエフェクタと共有する、別の独立したエンドエフェクタの判定された変動を補償することをさらに含み、別の独立したエンドエフェクタは、エンドエフェクタに対して、少なくとも1つの独立した自由度を有する。
【0409】
上述の記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことを理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。したがって、開示された実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、相互に異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することが出来ないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。