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特許7431288極端紫外線リソグラフィマスク用のマスクペリクル及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】極端紫外線リソグラフィマスク用のマスクペリクル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/62 20120101AFI20240206BHJP
   G03F 1/24 20120101ALI20240206BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G03F1/62
G03F1/24
G03F7/20 503
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022125826
(22)【出願日】2022-08-05
(65)【公開番号】P2023024406
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】63/230,555
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/576,911
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 子昂
(72)【発明者】
【氏名】鄭 兆欽
(72)【発明者】
【氏名】汪 涵
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092155(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0272047(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0149966(US,A1)
【文献】特開2018-194840(JP,A)
【文献】特表2020-529036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/84
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層と、
第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層の間に設けられ、複数のナノチューブを含む主層と、
を備え、
前記第1の層は第1の材料を含み、前記第2の層は前記第1の材料とは異なる第2の材料を含み、前記第1の材料及び前記第2の材料のそれぞれは、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS、MoSe、WS及びWSeからなる群から選択される少なくとも1つを含む極端紫外線(EUV)反射マスク用のマスクペリクル。
【請求項2】
前記第1の材料はMoSを含む請求項1に記載のマスクペリクル。
【請求項3】
前記第2の材料は、WSを含む請求項2に記載のマスクペリクル。
【請求項4】
前記主層を完全にパッケージングするように前記第1の層の周辺及び前記第2の層の周辺で前記第1の層及び前記第2の層が封止される請求項1~3の何れか一項に記載のマスクペリクル。
【請求項5】
前記ナノチューブのそれぞれの直径は、0.5nm~20nmの範囲内にある請求項1~3の何れか一項に記載のマスクペリクル。
【請求項6】
第1の層と、
第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層の間に設けられる主層と、
を備え、
前記主層は、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブを含み、前記第2のナノチューブと前記第1のナノチューブとは異なり、
前記第1の層は第1の材料を含み、前記第2の層は前記第1の材料とは異なる第2の材料を含み、前記第1の材料及び前記第2の材料のそれぞれは、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS、MoSe、WS及びWSeからなる群から選択される少なくとも1つを含む極端紫外線(EUV)反射マスク用のマスクペリクル。
【請求項7】
前記第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、前記第2のナノチューブは多層ナノチューブである請求項6に記載のマスクペリクル。
【請求項8】
前記第1のナノチューブは、前記第2のナノチューブと異なる材料で製造される請求項6又は7に記載のマスクペリクル。
【請求項9】
支持基板の上方にナノチューブ層を形成するステップと、
前記ナノチューブ層の上方に第1の被覆層を形成するステップと、
前記第1の被覆層の上方にマスクペリクルフレームを形成するステップと、
切断マスクペリクルフィルムを形成するように前記ナノチューブ層及び前記第1の被覆層を切断するステップと、
前記切断マスクペリクルフィルムの前記第1の被覆層と共に封止されることで前記切断マスクペリクルフィルムの前記ナノチューブ層を完全にパッケージングするように第2の被覆層を形成するステップと、
前記第1の被覆層、前記第2の被覆層及びマスクペリクルフレームの上方に保護層を形成するステップと、
を含み、
前記第1の被覆層は第1の材料を含み、前記第2の被覆層は前記第1の材料とは異なる第2の材料を含み、前記第1の材料及び前記第2の材料のそれぞれは、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS、MoSe、WS及びWSeからなる群から選択される少なくとも1つを含む極端紫外線(EUV)反射マスク用のマスクペリクルの製造方法。
【請求項10】
前記第1の被覆層の前記第1の材料又は前記第2の被覆層の前記第2の材料の少なくとも一方は、MoSを含む請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マスクペリクルに関し、特に、極端紫外線リソグラフィマスク用のマスクペリクルに関する。
【背景技術】
【0002】
ペリクルは、フレーム上に張られた透明フィルムであり、マスクをダメージ、埃及び/又は湿気から保護するように、マスクの片側の上方に貼り付けられる。EUVリソグラフィでは、通常、EUV波長領域で高透明度、高機械的強度及び低熱膨脹性を有するペリクルを必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Jonathan Kim et al., “Synthesis and Characterization of Transition Metal Dichalcogenide and Carbon Nanotube Coaxial Heterostructures,” Transfer-to-Excellence Summer Research Program (2017) https://e3s-center.berkeley.edu/education-diversity/education/undergraduate/tte-transfer-excellence-summer-research-program/tte-program-archive-b/2017-2/
Jonathan Kimら、「遷移金属ジカルコゲナイド及びカーボンナノチューブ同軸ヘテロ構造の合成と特性評価」、Transfer-to-Excellenceサマーリサーチプログラム(2017) https://e3s-center.berkeley.edu/education-diversity/education/undergraduate/tte-transfer-excellence-summer-research-program/tte-program-archive-b/2017-2/
【発明の概要】
【0004】
幾つかの実施例において、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層の間に設けられ、複数のナノチューブを含む主層と、を備え、第1の層又は第2の層の少なくとも一方は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含むEUV反射マスク用のマスクペリクルを提供する。
【0005】
幾つかの実施例において、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層の間に設けられる主層と、を備え、主層は、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブを含み、前記第2のナノチューブと前記第1のナノチューブとは異なるEUV反射マスク用のマスクペリクルを提供する。
【0006】
幾つかの実施例において、支持基板の上方にナノチューブ層を形成するステップと、前記ナノチューブ層の上方に第1の被覆層を形成するステップと、前記第1の被覆層の上方にマスクペリクルフレームを形成するステップと、切断マスクペリクルフィルムを形成するように前記ナノチューブ層及び前記第1の被覆層を切断するステップと、前記切断マスクペリクルフィルムの前記第1の層と共に封止されることで前記切断マスクペリクルフィルムの前記ナノチューブ層を完全にパッケージングするように第2の層を形成するステップと、前記第1の被覆層、前記第2の被覆層及びマスクペリクルフレームの上方に保護層を形成するステップと、を含むEUV反射マスク用のマスクペリクルの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の態様は、添付される図面に合わせて読む時に以下の詳細な記述内容から最もよく理解される。注意すべきなのは、業界における基準仕様に応じて、各種の特徴は縮尺通りに描かれていないことである。実際には、各種の特徴の寸法は、明らかに説明するために任意に増減可能である。
図1A-1C】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルを示す各種の視図である。
図2A-2G】本開示の実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルのネットワークフィルムを示す各種の視図である。
図3A-3J】本開示の実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルのネットワークフィルムを示す各種の視図である。
図4A-4F】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルを示す各種の視図である。
図5A】本開示の一実施例によるネットワークフィルムの製造プロセスを示す。
図5B】製造プロセスのフローチャートを示す。
図6】本開示の一実施例によるネットワークフィルムの製造プロセスを示す。
図7A】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図7B】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す平面(上面)図である。
図8A】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図8B】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す平面(上面)図である。
図9A】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図9B】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す平面(上面)図である。
図10A】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図10B】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す平面(上面)図である。
図11A】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図11B】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す平面(上面)図である。
図11C】本開示の実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図11D】本開示の実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図12A】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す断面図である。
図12B】本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階のうちの1つを示す平面(上面)図である。
図13A】本開示の実施例による半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図13B】半導体装置の製造方法の順次製造時の操作を示す。
図13C】半導体装置の製造方法の順次製造時の操作を示す。
図13D】半導体装置の製造方法の順次製造時の操作を示す。
図13E】半導体装置の製造方法の順次製造時の操作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
理解すべきなのは、以下に開示される内容が本開示の異なる特徴の多くの異なる実施例又は実例を実施するために提供される。本開示を簡略化するために、以下、コンポーネント及び配置の特定の実施例又は実例を記述する。勿論、これらは単なる実例であり、制限しようとするものではない。例えば、素子の寸法は、開示された範囲又は値に限定されず、プロセス条件及び/又は装置に必要な性質によって決定可能である。また、以下の記述において、第1の特徴が第2の特徴の上方又は上に形成されることは、第1の特徴が第2の特徴に直接接触するように形成される実施例を含んでもよく、別の特徴を第1の特徴と第2の特徴の間に形成することで第1の特徴が第2の特徴に直接接触しないことを可能にする実施例を含んでもよい。簡単且つ明瞭にするために、各種の特徴は、任意に異なる縮尺で描かれてもよい。添付される図面において、簡略化するために、一部の層/特徴を省略してもよい。
【0009】
また、記述しやすくするために、本明細書において、「~下方に」、「~の下に」、「下部」、「~の上に」、「上部」及び類似するもの等の空間的相対用語を使用して、各図面に図示される1つの素子又は特徴と別(複数)の素子又は特徴との関係を記述することができる。空間的相対用語は、各図面に描かれている配向以外の装置の使用又は操作時における異なる配向を網羅することを意図する。装置は、別の配向であってもよく(90度回転するか又は他の配向である)、これに類似するように、本明細書に使用される空間的相対記述符号は、対応して解釈することができる。また、「~で製造される」という用語は、「含む」又は「~からなる」を意味することができる。また、以下の製造プロセスにおいて、前記操作の間に1つ又は複数の別の操作が存在する可能性があり、且つ操作の順序が変更可能である。本開示において、別途解釈されていない限り、「A、B及びCの少なくとも一方」という語句は、A、B、C、A+B、A+C、B+C又はA+B+Cのうちの任意の1つを意味するものであり、Aのうちの1つ、Bのうちの1つ及びCのうちの1つを意味するものではない。一実施例で解釈された材料、構成、構造、操作及び/又は寸法は、他の実施例に適用可能であり、その記述を省略してよい。
【0010】
EUVリソグラフィは、ムーアの法則を拡張する肝心な技術の1つである。しかしながら、波長が193nm(ArF)から13.5nmまで短縮されるため、EUV光源は、環境の吸収によってパワーが強烈に減衰する。ガスのEUVに対する強烈な吸収を防止するためにステッパ/スキャナのチャンバを真空で操作しても、EUV光源からウェハへの高EUV透過率を保持することは、依然としてEUVリソグラフィでの重要な要素である。
【0011】
マスクペリクルは、通常、高透明度及び低反射率を必要とする。UV又はDUVリソグラフィでは、マスクペリクルフィルムは、透明樹脂フィルムで製造される。しかしながら、EUVリソグラフィでは、樹脂に基づいたフィルムが受け入れられず、多結晶シリコン、ケイ化物又は金属フィルム等の非有機材料が使用されている。
【0012】
カーボンナノチューブ(carbon nanotube;CNT)は、96.5%を超えた高EUV透過率を有するため、EUV反射マスク用のマスクペリクルに適する材料の1つである。通常、EUV反射マスク用のマスクペリクルは、以下の性質を必要とする。(1)EUVステッパ/スキャナにおける水素リッチラジカル(rich hydrogen radical)の存在する操作環境で長い使用寿命を有する。(2)強い機械的強度を有し、真空ポンプ及び通気操作期間におけるたわみ効果(sagging effect)を最小限にする。(3)約20nmよりも大きい粒子(キラー粒子)に対して高い又は完璧な阻止性質を有する。(4)マスクペリクルがEUV放射によって焼損されることを防止するように、優れた放熱性を有する。
【0013】
本開示において、EUVマスク用のマスクペリクルは、複数のナノチューブを有するネットワークフィルムと、ネットワークフィルムを被覆する二次元材料層と、を備える。このようなマスクペリクルは、高EUV透過率、改善された機械的強度を有し、キラー粒子がEUVマスクに落ちることを阻止し、及び/又は改善された耐久性を有する。
【0014】
図1A図1B及び図1Cは、本開示の一実施例によるEUV反射マスク5に取り付けられたEUVマスクペリクル10を示す。図1AはX方向の断面図であり、図1BはY方向の断面図であり、図1Cは上面(平面)図である。
【0015】
幾つかの実施例において、EUV反射マスク用のマスクペリクル10は、第1の被覆層20と、第2の被覆層30と、第1の被覆層20と第2の被覆層30の間に設けられる主ネットワークフィルム(network membrane)100と、を備える。幾つかの実施例において、主ネットワークフィルムは、ナノチューブ及び/又はナノシート等の複数のナノ材を含む。幾つかの実施例において、支持フレーム15は、EUVマスク5に取り付けられる時にマスクペリクルのフィルムとEUVマスク5(パターン領域)の間にスペースを空けるように第1の被覆層20に付着される。第1の被覆層20及び第2の被覆層30のうちの1つ又は2つは、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む。ここで、幾つかの実施例において、「二次元」層は、通常、厚さが約0.1~5nmの範囲内にある原子マトリックス又はネットワークの1つ又は複数の結晶層を指す。
【0016】
マスクペリクルの支持フレーム15は、適切な接合材料でEUVマスク5の表面に付着される。幾つかの実施例において、接合材料は、例えばアクリル酸又はシリコンベース接着剤又はA-B架橋型接着剤等のバインダである。マスクペリクルがマスクの電路パターン領域を被覆するだけでなく、ブラックボーダーをも被覆するように、フレーム構造の大きさは、EUVマスクのブラックボーダーの面積よりも大きい。
【0017】
幾つかの実施例において、第1の被覆層20及び第2の被覆層30の二次元材料は、互いに同じ又は異なる。幾つかの実施例において、第1の被覆層は第1の二次元材料を含み、第2の被覆層は第2の二次元材料を含む。
【0018】
幾つかの実施例において、第1の被覆層20及び/又は第2の被覆層30に用いられる二次元材料は、窒化ホウ素(BN)、グラフェン及び/又は遷移金属二硫化物(TMD)の少なくとも一方を含み、MX2で示され、M=Mo、W、Pd、Pt及び/又はHfであり、X=S、Se及び/又はTeである。幾つかの実施例において、TMDは、MoS2、MoSe2、WS2又はWSe2のうちの1つである。
【0019】
幾つかの実施例において、第1の被覆層20及び第2の被覆層30のそれぞれの総厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にあるが、他の実施例において、約0.5nm~約1.5nmの範囲内にある。幾つかの実施例において、第1の被覆層及び/又は第2の被覆層の二次元材料のそれぞれの二次元層の数は1~約20であるが、他の実施例において、2~約10である。厚さ及び/又は層数がこれらの範囲よりも大きい場合、マスクペリクル10のEUV透過率が低下するおそれがあり、厚さ及び/又は層数がこれらの範囲よりも小さい場合、マスクペリクルの機械的強度が不足する可能性がある。
【0020】
幾つかの実施例において、図1A及び図1Bに示すように、第1の被覆層20及び第2の被覆層30は、主ネットワークフィルム100を完全にパッケージングするようにその周辺が封止される。幾つかの実施例において、第1の被覆層20及び第2の被覆層30は、真空封止構造を形成する。幾つかの実施例において、真空封止構造内部の圧力は、約0.01Pa~約100Paである。内部圧力が高過ぎる場合、例えば、操作中のEUVリソグラフィ装置の内部圧力よりも高い場合、マスクペリクルは圧力差によって割れる可能性がある。幾つかの実施例において、第1の被覆層20及び/又は第2の被覆層30に1つ又は複数の通気孔が形成される。
【0021】
幾つかの実施例において、図1A及び図1Bに示すように、第1の被覆層20、第2の被覆層30及び支持フレーム15の上方に保護層40が更に設けられている。幾つかの実施例において、保護層40は、HfO2、Al23、ZrO2、Y23又はLa23等の少なくとも1つの酸化物層を含む。幾つかの実施例において、保護層40は、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN又はZrN等の少なくとも1つの非酸化物化合物層を含む。幾つかの実施例において、保護層40は、例えばRu、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt又はBiで製造された少なくとも1つの金属層を含む。幾つかの実施例において、保護層40は単一層であるが、他の実施例において、これらの材料の2つ以上の層を保護層40として用いる。幾つかの実施例において、保護層の厚さは、0.1nm~5nmの範囲内にあるが、他の実施例において、約0.2nm~約2.0nmの範囲内にある。保護層40の厚さがこれらの範囲よりも大きい場合、マスクペリクル10のEUV透過率が低下するおそれがあるが、保護層40の厚さがこれらの範囲よりも小さい場合、マスクペリクルの機械的強度が不足する可能性がある。
【0022】
第1の被覆層及び/又は第2の被覆層及び/又は保護層(例えば、約10~20nmの開口及び/又はスペースよりも大きい孔を有しない)を使用することにより、約20nmよりも大きいキラー粒子が主ネットワークフィルム100を通過してEUVマスク5の表面に落ちることを完全に阻止することができる。
【0023】
図2A図2B図2C図2D図2E図2F及び図2Gは、本開示の実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各種のネットワークフィルムを示す。
【0024】
幾つかの実施例において、ネットワークフィルム100は、複数のナノチューブを含む。幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、ネットワーク構造を形成するようにランダムに配置される。幾つかの実施例において、複数のナノチューブのそれぞれの直径は、0.5nm~20nmの範囲内にあるが、他の実施例において、約1nm~約10nmの範囲内にある。幾つかの実施例において、複数のナノチューブのそれぞれの長さは、約0.5μm~約50μmの範囲内にあるが、他の実施例において、約1.0μm~約20μmの範囲内にある。
【0025】
幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、カーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ及び/又はTMDナノチューブであり、TMDはMX2で示され、M=Mo、W、Pd、Pt及び/又はHfであり、X=S、Se及び/又はTeである。幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、MoS2ナノチューブ、MoSe2ナノチューブ、WS2ナノチューブ又はWSe2ナノチューブである。
【0026】
幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、材料及び構造の点で1つのタイプのナノチューブを含む。幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、同じ材料のナノチューブを含む。幾つかの実施例において、図2Aに示すように、主ネットワークフィルム100は、単層ナノチューブ111のみを含む。他の実施例において、図2Bに示すように、主ネットワークフィルム100は、多層(例えば二層)ナノチューブ113のみを含む。多層ナノチューブは、インナーチューブ及びインナーチューブを囲んで同軸に設けられる1つ又は複数のアウターチューブを含む。幾つかの実施例において、アウターチューブは、インナーチューブに対して軸方向に沿って移動可能であるが、他の実施例において、アウターチューブは、インナーチューブの外面に固定される。幾つかの実施例において、単層ナノチューブのそれぞれの直径は、約0.5nm~約5nmの範囲内にあるが、他の実施例において、約1nm~約2nmの範囲内にある。幾つかの実施例において、多層ナノチューブのそれぞれの直径は、約3nm~約20nmの範囲内にあるが、他の実施例において、約5nm~約10nmの範囲内にある。
【0027】
幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、材料及び構造の点で2つ以上のタイプのナノチューブを含む。幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、2つ以上の材料で製造された単層ナノチューブ(異なる材料のナノチューブの混合物)を含む。一例として、幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、複数の第1のナノチューブ及び複数の第1のナノチューブと異なる材料で製造された複数の第2のナノチューブを含み、且つ両者は何れも単層ナノチューブである。
【0028】
幾つかの実施例において、図2Cに示すように、主ネットワーク層100は、複数のナノチューブ111(単層ナノチューブ)及び複数のナノチューブ113(多層(例えば二層)ナノチューブ)を含む。幾つかの実施例において、単層ナノチューブ111の量(重量)は、多層ナノチューブ113の量よりも大きい。幾つかの実施例において、単層ナノチューブ111の量(重量)は、多層ナノチューブ113の量よりも大きい。
【0029】
幾つかの実施例において、複数の単層ナノチューブ111は、複数の多層ナノチューブ113と同じ材料で製造される。一例として、複数の単層ナノチューブ111は単層カーボンナノチューブであり、複数の多層ナノチューブは多層カーボンナノチューブである。他の実施例において、複数の単層ナノチューブ111は、複数の多層ナノチューブ113と異なる材料で製造される。一例として、複数の単層ナノチューブ111は単層TMDナノチューブであり、複数の多層ナノチューブは多層カーボンナノチューブである。幾つかの実施例において、複数のナノチューブは、2つ以上の異なる材料で製造された多重ナノチューブ(2つのタイプの多層ナノチューブの混合物)である。
【0030】
幾つかの実施例において、図2D図2Fに示すように、主ネットワークフィルム100は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料で製造された複数のナノチューブ111及び複数のシート121(ナノシート)を含む。
【0031】
幾つかの実施例において、二次元材料シート121は、窒化ホウ素(BN)、グラフェン及び/又は遷移金属二硫化物(TMD)の少なくとも一方を含み、MX2で示され、M=Mo、W、Pd、Pt及び/又はHfであり、X=S、Se及び/又はTeである。幾つかの実施例において、TMDは、MoS2、MoSe2、WS2又はWSe2のうちの1つである。
【0032】
幾つかの実施例において、二次元材料シート121の厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にあるが、他の実施例において、約0.5nm~約1.5nmの範囲内にある。幾つかの実施例において、二次元材料シート121の二次元層の数は、1~約20であるが、他の実施例において、2~約10である。厚さ及び/又は層数がこれらの範囲よりも大きい場合、マスクペリクル10のEUV透過率が低下するおそれがあり、厚さ及び/又は層数がこれらの範囲よりも小さい場合、マスクペリクルの機械的強度が不足する可能性がある。
【0033】
幾つかの実施例において、二次元材料シート121の形状はランダムである。他の実施例において、二次元材料シート121の形状は、三角形又は六角形である。幾つかの実施例において、二次元材料シート121の形状は、3つの原子で形成された三角形又は6つの原子で形成された六角形である。幾つかの実施例において、二次元材料シート121のそれぞれの大きさ(面積)は、約10nm2~約10μm2の範囲内にあるが、他の実施例において、約100nm2~約1μm2の範囲内にある。
【0034】
幾つかの実施例において、図2Dに示すように、二次元材料シート121は、複数の単層ナノチューブ111に嵌め込まれるか又はそれと混合される。幾つかの実施例において、図2Eに示すように、二次元材料シート121は、複数の多層ナノチューブ113に嵌め込まれるか又はそれと混合される。幾つかの実施例において、図2Fに示すように、二次元材料シート121は、複数の単層ナノチューブ111及び複数の多層ナノチューブ113に嵌め込まれるか又はそれと混合される。
【0035】
幾つかの実施例において、二次元材料シート121の量(重量)は、ネットワークフィルム100の総重量に対して約5%~約30%の範囲内にあるが、他の実施例において、約10%~約20%の範囲内にある。二次元材料シートの数がこれらの範囲よりも大きい場合、マスクペリクル10のEUV透過率が低下するおそれがあり、二次元材料シートの数がこれらの範囲よりも小さい場合、マスクペリクルの機械的強度が不足する可能性がある。
【0036】
幾つかの実施例において、図2Gに示すように、ネットワークフィルム100は、それぞれ1つのインナーチューブ及び1つ又は複数のアウターチューブを有する多層ナノチューブ117を含み、インナーチューブとアウターチューブは、異なる材料で製造される。幾つかの実施例において、各多層ナノチューブ117は、カーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ及び/又はTMDナノチューブで形成されたインナーチューブ、及びアウターチューブである塗布層を含む。幾つかの実施例において、塗布層は、HfO2、Al23、ZrO2、Y23又はLa23等の酸化物、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN又はZrN等の非酸化物化合物、及び/又はRu、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt又はBi等の金属のうちの1つを含む。幾つかの実施例において、塗布層は、保護層40と同じ材料で製造される。
【0037】
図3A図3B図3C図3D図3E図3F図3G図3H図3I及び図3Jは、本開示の実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルのネットワークフィルムを示す各種の視図である。幾つかの実施例において、ネットワークフィルム100は、単層構造又は多層構造を有する。
【0038】
幾つかの実施例において、図3Aに示すように、ネットワークフィルム100は、複数の単層又は多層ナノチューブの単一層110を有する。幾つかの実施例において、図3Bに示すように、ネットワークフィルム100は、2つの異なるタイプのナノチューブ層110と112を有する。層110と層112の厚さは、互いに同じ又は異なる。幾つかの実施例において、図3Cに示すように、ネットワークフィルム100は、3つのナノチューブ層110、112と114を有する。幾つかの実施例において、少なくとも隣接する層は、異なるタイプである。層110、112と114の厚さは、互いに同じ又は異なる。幾つかの実施例において、図3Dに示すように、ネットワークフィルム100は、異なるタイプのナノチューブ混合物の単一層115を有する。
【0039】
幾つかの実施例において、図3E及び図3Fに示すように、ネットワークフィルム100は、ナノチューブ層110及び二次元シート層120を有する。層110と層120の厚さは、互いに同じ又は異なる。層110は、図3Dに示すように混合層115であってよい。幾つかの実施例において、図3Gに示すように、ネットワークフィルム100は、第1のナノチューブ層110と第2のナノチューブ層112の間に設けられた二次元シート層120を有する。幾つかの実施例において、第1のナノチューブ層と第2のナノチューブ層は、同じタイプ又は異なるタイプである。幾つかの実施例において、図3Hに示すように、ネットワークフィルム100は、第1の二次元シート層120と第2の二次元シート層122の間に設けられたナノチューブ層110を有する。幾つかの実施例において、第1の二次元シート層と第2の二次元シート層は、同じ材料又は互いに異なる材料で製造される。幾つかの実施例において、図3Iに示すように、ネットワークフィルム100は、ナノチューブ層110、ナノチューブ層110の上方にある第1の二次元シート層120、及び第1の二次元シート層120の上方に設けられた第2の二次元シート層122を有する。幾つかの実施例において、ネットワークフィルム100は、同じタイプ又は異なるタイプの1つ又は複数のナノチューブ層、及び同じ材料又は異なる材料の1つ又は複数の二次元シート層を有する。幾つかの実施例において、図3Jに示すように、ネットワークフィルム100は、ナノチューブと二次元シートの混合物の単一層125を有する。
【0040】
図4A図4B図4C図4D図4E及び図4Fは、本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルを示す各種の視図である。
【0041】
図4Aは、図1A図1Cと同じである。幾つかの実施例において、マスクペリクルは、図4Bに示されるように保護層を含まない。幾つかの実施例において、図4Cに示すように、第1の被覆層を使用せずに、第2の被覆層30のみが主ネットワークフィルム100の上方に設けられる。幾つかの実施例において、図4Dに示すように、第2の被覆層を使用せずに、第1の被覆層20のみが主ネットワークフィルム100の上方に設けられる。幾つかの実施例において、図4Eに示すように、第1の被覆層を使用せずに、第2の被覆層30のみが主ネットワークフィルム100の上方に設けられ、且つ、被覆されたネットワーク層119を形成するように、保護層40が第2の被覆層及びネットワークフィルム100に形成される。幾つかの実施例において、図4Fに示すように、第2の被覆層を使用せずに、第1の被覆層20のみが主ネットワークフィルム100に設けられ、且つ、被覆されたネットワーク層119を形成するように、保護層40が第1の被覆層及びネットワークフィルム100に形成される。
【0042】
図5Aは、本開示の一実施例によるネットワークフィルムの製造プロセスを示し、図5Bは、製造プロセスのフローチャートを示す。
【0043】
幾つかの実施例において、図5Aに示すように、ナノチューブは溶液に分散している。幾つかの実施例において、ナノチューブは、アーク放電、レーザアブレーション又は化学気相成長(chemical vapor deposition;CVD)方法等の各種の方法により形成されたカーボンナノチューブである。それと類似するように、BNナノチューブ及びTMDナノチューブもCVDプロセスにより形成される。溶液は、水を含む溶媒又はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の有機溶媒である。ナノチューブは、1つのタイプ又は2つ以上のタイプのナノチューブ(材料及び/又は層構造)である。
【0044】
図5Aに示すように、支持フィルムは、ナノチューブ分散溶液が入ったチャンバ又は円筒と真空チャンバの間に置かれる。幾つかの実施例において、支持フィルムは、有機又は無機多孔或いはネットワーク材料である。幾つかの実施例において、支持フィルムは、織物又は非織物である。幾つかの実施例において、支持フィルムは、円形形状を有し、大きさがマスクペリクルと同等であるか又は150mm×150mmの正方形(EUVマスクの大きさ)がその中に置かれることができる程度である。
【0045】
図5Aに示すように、圧力がチャンバ又は円筒における溶媒に印加されるように、真空チャンバにおける圧力が低下される。支持フィルムのネットワーク又は孔径がナノチューブの大きさよりも十分に小さいため、ナノチューブは支持フィルムにより取り込まれ、溶媒が支持フィルムを通過する。ナノチューブがその上に成長した支持フィルムを図5Aの濾過装置から取り外し、続いて乾燥する。幾つかの実施例において、濾過による成長を繰り返し、図5Bに示される所望の厚さのナノチューブネットワーク層を得る。幾つかの実施例において、溶液でナノチューブを成長させた後、他のナノチューブを同じ溶液又は新たな溶液に分散させ、且つ濾過・成長を繰り返す。他の実施例において、ナノチューブを乾燥した後、別の濾過・成長を実行する。繰り返し時に、幾つかの実施例において、同じタイプのナノチューブを使用し、他の実施例において、異なるタイプのナノチューブを使用する。
【0046】
図6は、本開示の一実施例によるネットワークフィルムの製造プロセスを示す。図6に示すように、主ネットワークフィルム100がナノチューブ及び二次元材料シートを含む場合、ナノチューブに対する濾過・成長及びシートに対する濾過・成長を繰り返す。幾つかの実施例において、ナノチューブとシートの混合物を溶媒に分散させ、濾過・成長を実行してナノチューブと二次元材料シートの混合ネットワーク層を形成する。
【0047】
CVD方法により基板の上方に二次元材料層(複数)を形成し、続いて基板から成長層を剥離する。幾つかの実施例において、二次元材料層は、剥離された後にシートに粉砕される。
【0048】
図7A及び図7B図12A及び図12Bは、本開示の一実施例によるEUVマスク用のマスクペリクルの各製造段階を示す断面図(各図「A」)及び平面(上面)図(各図「B」)である。方法の別の実施例としては、図7A図12Bに示されるプロセスの前、最中及び後に別の操作を提供してよく、且つ、以下に記述される操作の一部を取り替えたり削除したりすることができることを理解されたい。操作/プロセスの順序は交換可能である。
【0049】
図5A図5B又は図6に示すように、濾過により支持フィルム80に成長することで主ネットワークフィルム100を形成する。続いて、図7A及び図7Bに示すように、主ネットワークフィルム100を成長装置から取り外す。続いて、図8A及び図8Bに示すように、幾つかの実施例において、主ネットワークフィルム100の上方に第1の被覆層20を形成する。
【0050】
第1の被覆層20は、二次元材料であり、例えばCVD方法により基板に形成され、続いて基板から成長した二次元層(複数)を剥離する。図8A及び図8Bに示すように、剥離された二次元層(複数)は引き続き支持基板80に形成されている主ネットワーク層100の上方に転移する。
【0051】
幾つかの実施例において、MX2で示されるTMD層は、CVDにより形成される。幾つかの実施例において、ガス源(例えばMo源としてのMo(CO)6ガス、MoCl5ガス、及び/又はMoOCl4ガス、及びS源としてのH2Sガス及び/又は硫化ジメチルガス)を使用するCVDによりMoS2層を形成する。他の実施例において、MO3ガスは固体MO3又はMoCl5源から昇華し、及び/又はSガスは固体S源から昇華する。Mo及びSの固体源を反応チャンバに置き、不活性ガス(例えばAr、N2及び/又はHe)を含有するキャリアガスを反応チャンバで流す。固体源が加熱され、昇華によりガス源が発生し、発生したガス源が反応してMoS2分子を形成する。続いてMoS2分子を基板に成長させる。幾つかの実施例において、基板を適切に加熱する。他の実施例において、誘導加熱により反応チャンバ全体を加熱する。他のTMD層も、適した源ガスを使用してCVDにより形成可能である。一例として、WO3、PdO2及びPtO2等の金属酸化物は、それぞれW、Pd及びPtの昇華源として使用可能であり、W(CO)6、WF6、WOCl4、PtCl2及びPdCl2等の金属化合物も、金属源として使用可能である。幾つかの実施例において、その上にTMD二次元層が形成される基板は、Si(110)、γ-Al23(110)、Ga23(010)又はMgO(110)のうちの1つを含む。他の実施例において、CVDにより基板の上方に六方晶窒化ホウ素(h-BN)又はグラフェン層を形成して第1の被覆層20とする。幾つかの実施例において、基板は、SiC(0001)、Si(111)又はGe(111)のうちの1つを含む。
【0052】
続いて、図9A及び図9Bに示すように、支持フレーム15を第1の被覆層20に付着する。幾つかの実施例において、支持フレーム15は、結晶シリコン、多結晶シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、セラミック、金属又は有機材料の1つ又は複数の層により形成される。幾つかの実施例において、図9Bに示すように、支持フレーム15は、矩形(正方形を含む)のフレーム形状を有し、EUVマスクのブラックボーダーの面積よりも大きく且つEUVマスクの基板よりも小さい。
【0053】
続いて、図10A及び図10Bに示すように、幾つかの実施例において、第1の被覆層20、主ネットワークフィルム100及び支持フィルム80を、支持フレーム15の大きさと同じ又は支持フレーム15よりもやや大きい矩形形状に切断し、続いて支持基板80を取り外すか又は除去する。支持基板80が有機材料で製造された場合、有機溶媒を使用してウェットエッチングにより支持基板80を除去する。
【0054】
また、図11A及び図11Bに示すように、主ネットワークフィルム100の上方に第2の被覆層30を形成する。二次元材料である第2の被覆層30を形成するための操作は、上記した第1の被覆層20を形成するための操作と同じ又は類似する。幾つかの実施例において、第1の被覆層20及び第2の被覆層30は、主ネットワークフィルム100を完全にパッケージングするようにその周辺が封止される。
【0055】
幾つかの実施例において、図11Cに示すように、第2の被覆層30はフランジ部分を有し、第2の被覆層30は、フランジ部分において第1の被覆層20に固定又は接合される。他の実施例において、図11Dに示すように、第2の被覆層30は、第1の被覆層20及び支持フレーム15の側面に付着される。
【0056】
また、図12A及び図12Bに示すように、第1の被覆層20、第2の被覆層及び支持フレーム15の上方に保護層40を形成する。幾つかの実施例において、保護層40は、CVD、物理気相成長(physical vapor deposition;PVD)又は原子層堆積(atomic layer deposition;ALD)により形成される。
【0057】
図13Aは、本開示の実施例による半導体装置の製造方法を示すフローチャートであり、図13B図13C図13D及び図13Eは、半導体装置の製造方法の順次製造時の操作を示す。本開示は、その上に集積回路を形成するようにパターニングされた半導体基板又は他の適切な基板を提供する。幾つかの実施例において、半導体基板はシリコンを含む。代替的又は追加的に、半導体基板は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム又はIII-V族半導体材料等の他の適切な半導体材料を含む。図13AのS801では、半導体基板の上方にパターニングされるターゲット層を形成する。幾つかの実施例において、ターゲット層は半導体基板である。幾つかの実施例において、ターゲット層は、金属層又は多結晶シリコン層等の導電層、酸化シリコン、窒化シリコン、SiON、SiOC、SiOCN、SiCN、酸化ハフニウム又はアルミナ等の誘電体層、或いはエピタキシャルに形成された半導体層等の半導体層を含む。幾つかの実施例において、ターゲット層は、隔離構造、トランジスタ又は配線等の下地構造の上方に形成される。図13AのS802では、図13Bに示すように、ターゲット層の上方にフォトレジスト層を形成する。後続のフォトリソグラフィ露光プロセス中に、フォトレジスト層は、露光源からの放射に対して敏感である。本実施例において、フォトレジスト層は、リソグラフィ露光プロセスに使用されるEUV光に対して敏感である。スピンコート又は他の適切な技術によりターゲット層の上方にフォトレジスト層を形成することができる。フォトレジスト層を塗布してからフォトレジスト層における溶媒を除去するように更にベークしてよい。図13AのS803では、図13Cに示すように、上記のようなマスクペリクルを有するEUV反射マスクを使用してフォトレジスト層をパターニングする。フォトレジスト層のパターニングは、EUVマスクを使用したEUV露光システムによりフォトリソグラフィ露光プロセスを実行することを含む。露光プロセス中に、EUVマスクに画定される集積回路(IC)の設計パターンをフォトレジスト層に結像させ、その上に潜在的パターンを形成する。フォトレジスト層のパターニングは、露光したフォトレジスト層を現像して1つ又は複数の開口を有するパターニングされたフォトレジスト層を形成することを更に含む。フォトレジスト層がポジ型フォトレジスト層である実施例において、現像プロセス中にフォトレジスト層の露光した部分を除去する。フォトレジスト層のパターニングは、異なる段階における各種のベークステップ等の他のプロセスステップを更に含んでよい。一例として、露光後ベーク(post-exposure-baking;PEB)プロセスは、フォトリソグラフィ露光プロセスの後及び現像プロセスの前に実施されてよい。
【0058】
図13AのS804では、図13Dに示すように、パターニングされたフォトレジスト層をエッチングマスクとして利用し、ターゲット層をパターニングする。幾つかの実施例において、ターゲット層のパターニングは、パターニングされたフォトレジスト層をエッチングマスクとして使用し、ターゲット層にエッチングプロセスを適用することを含む。パターニングされたフォトレジスト層の開口内に露光したターゲット層の部分はエッチングされ、同時に他の部分がエッチングされないように保護する。また、図13Eに示すように、パターニングされたフォトレジスト層は、湿式剥離又はプラズマアッシングにより除去されてよい。
【0059】
従来のマスクペリクルと比べれば、本開示の実施例によるマスクペリクルは、より高い強度及び熱伝導性(放熱)及びより高いEUV透過率を有する。上記実施例において、2つ以上のタイプのナノチューブを主ネットワークフィルムとして用いることにより、マスクペリクルの機械的強度が増やされ、高EUV透過率が得られる。また、二次元材料層を被覆層(第1の被覆層及び/又は第2の被覆層)として用い、及び/又はナノチューブと共に使用することにより、マスクペリクルの機械的強度が増やされる。また、二次元材料層及び/又は保護層を使用して主ネットワークフィルムを封じ込めることにより、マスクペリクルの機械的強度を増やすと共に、高い又は完璧なキラー粒子阻止性質を提供することができる。また、幾つかの実施例において、二次元材料の使用により放熱を改善し、マスクペリクルがEUV放射によって焼損されることを防止する。
【0060】
本明細書において全てのメリットに対して必要な論述を行ったわけではなく、全ての実施例又は実例は特定のメリットを必要とするものではなく、且つ他の実施例又は実例は異なるメリットを提供可能であることを理解されたい。
【0061】
本開示の一態様によれば、EUVマスク用のマスクペリクルは、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層の間に設けられ、複数のナノチューブを含む主層と、を備える。第1の層又は第2の層の少なくとも一方は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の層は第1の二次元材料を含み、第2の層は第2の二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元材料及び第2の二次元材料のそれぞれは、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元材料は、第2の二次元材料と異なる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の層及び第2の層のそれぞれの厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元材料及び第2の二次元材料のそれぞれの1つ又は複数の二次元層の数は、1~20である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の層及び第2の層は、主層を完全にパッケージングするように封止される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、マスクペリクルは、第1の層及び第2の層の上方に設けられる保護層を更に含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、HfO2、Al23、ZrO2、Y23及びLa23からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN及びZrNからなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、Ru、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt及びBiからなる群から選択される少なくとも1つで製造された金属層を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層の厚さは、0.1nm~5nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のナノチューブのそれぞれの直径は、0.5nm~20nmの範囲内にある。
【0062】
本開示の別の態様によれば、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用のマスクペリクルは、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層の間に設けられる主層と、を備える。主層は、複数の第1のナノチューブ及び複数の第1のナノチューブと異なる複数の第2のナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の層又は第2の層の少なくとも一方は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、複数の第2のナノチューブは多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは、複数の第2のナノチューブと同じ材料で製造される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは、複数の第2のナノチューブと異なる材料で製造される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブのそれぞれは、全てカーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ、MoS2ナノチューブ、MoSe2ナノチューブ、WS2ナノチューブ及びWSe2ナノチューブからなる群から選択される1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブは全て単層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブは全て多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、複数の第2のナノチューブは多層ナノチューブである。
【0063】
本開示の別の態様によれば、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用のマスクペリクルは、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層の間に設けられる主層と、を備える。主層は、複数のナノチューブ及び1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む複数のシートを備える。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料は、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの大きさは、100nm2~100μm2の範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの1つ又は複数の二次元層の数は、1~20である。
【0064】
本開示の別の態様によれば、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用のマスクペリクルは、第1のフィルムと、第1のフィルムに付着される支持フレームと、第1の層の上方に設けられ、複数のナノチューブを含む主層と、を備える。第1のフィルムは、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のフィルムの二次元材料は、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のフィルムの厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のフィルムの1つ又は複数の二次元層の数は、1~20である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のフィルムは、支持フレームと主層の間に設けられる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、主層の一部は、第1のフィルムと支持フレームの間に設けられる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、マスクペリクルは、第1のフィルムの両側の上方に設けられる保護層を更に含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、HfO2、Al23、ZrO2、Y23及びLa23からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN及びZrNからなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、Ru、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt及びBiからなる群から選択される少なくとも1つで製造された金属層を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層の厚さは、0.1nm~5nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層も、主層を被覆する複数のナノチューブとして形成される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のナノチューブは、複数の第1のナノチューブ及び複数の第1のナノチューブと異なる複数の第2のナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、複数の第2のナノチューブは多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは、複数の第2のナノチューブと同じ材料で製造される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは、複数の第2のナノチューブと異なる材料で製造される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブのそれぞれは、全てカーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ、MoS2ナノチューブ、MoSe2ナノチューブ、WS2ナノチューブ及びWSe2ナノチューブからなる群から選択される1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブは全て単層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブは全て多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、複数の第2のナノチューブは多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、主層は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む複数のシートを更に含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料は、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの大きさは、100nm2~100μm2の範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの1つ又は複数の二次元層の数は、1~20である。
【0065】
本開示の別の態様によれば、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用のマスクペリクルの製造方法において、支持基板の上方にナノチューブ層を形成し、ナノチューブ層の上方に第1の被覆層を形成し、第1の被覆層の上方にマスクペリクルフレームを付着し、切断マスクペリクルフィルムを形成するようにナノチューブ層及び第1の被覆層を切断し、切断マスクペリクルフィルムの第1の層と共に封止されることで切断マスクペリクルフィルムのナノチューブ層を完全にパッケージングするように第2の層を形成し、第1の被覆層、第2の被覆層及びマスクペリクルフレームの上方に保護層を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の被覆層又は第2の被覆層の少なくとも一方は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の被覆層は第1の二次元材料を含み、第2の被覆層は第2の二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元材料及び第2の二次元材料のそれぞれは、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元材料は、第2の二次元材料と異なる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の被覆層及び第2の被覆層のそれぞれの厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元材料及び第2の二次元材料のそれぞれの1つ又は複数の二次元層の数は、1~20である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、HfO2、Al23、ZrO2、Y23及びLa23からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN及びZrNからなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層は、Ru、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt及びBiからなる群から選択される少なくとも1つで製造された金属層を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、保護層の厚さは、0.1nm~5nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノチューブ層は、直径が0.5nm~20nmの範囲内にある複数のナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のナノチューブは、複数の第1のナノチューブ及び複数の第1のナノチューブと異なる複数の第2のナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の層又は第2の層の少なくとも一方は、1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、複数の第2のナノチューブは多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは、複数の第2のナノチューブと同じ材料で製造される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは、複数の第2のナノチューブと異なる材料で製造される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブのそれぞれは、全てカーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ、MoS2ナノチューブ、MoSe2ナノチューブ、WS2ナノチューブ及びWSe2ナノチューブからなる群から選択される1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブは全て単層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブ及び複数の第2のナノチューブは全て多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数の第1のナノチューブは単層ナノチューブであり、複数の第2のナノチューブは多層ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノチューブ層は、複数のナノチューブ及び1つ又は複数の二次元層が積み重ねられた二次元材料を含む複数のシートを備える。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料は、窒化ホウ素(BN)、グラフェン、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群から選択される少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの大きさは、100nm2~100μm2の範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの厚さは、0.3nm~3nmの範囲内にある。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、複数のシートのそれぞれの1つ又は複数の二次元層の数は、1~20である。
【0066】
本開示の別の態様によれば、EUVマスクペリクルの製造方法において、ナノチューブのネットワーク構造を形成し、ナノチューブのネットワーク構造の上方に二次元(two-dimensional;2D)材料層を形成し、且つナノチューブのネットワーク構造の上方に保護層を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノチューブのネットワーク構造を形成する時、第1のナノチューブの第1のネットワーク構造を形成し、且つ第1のナノチューブの第1のネットワーク構造の上方に第2のナノチューブの第2のネットワーク構造を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のナノチューブは、第2のナノチューブと異なる。前述及び以下の1つ又は複数の実施例において、ナノチューブのネットワーク構造を形成する時、第1のナノチューブの第1のネットワーク構造の上方に2D材料シートの第3のネットワーク構造を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、2D材料シートは、第1のナノチューブ及び第2のナノチューブと異なる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のナノチューブの第1のネットワーク構造の上方に第2のナノチューブの第2のネットワーク構造を形成する前に、第1のナノチューブの第1のネットワーク構造の上方に2D材料シートの第3のネットワーク構造を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のナノチューブの第1のネットワーク構造の上方に2D材料シートの第3のネットワーク構造を形成することは、第1のナノチューブの第1のネットワーク構造の上方に第2のナノチューブの第2のネットワーク構造を形成した後に行われる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノチューブのネットワーク構造の上方に2D材料層を形成することは、ナノチューブのネットワーク構造の上方に保護層を形成する前に行われる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノチューブのネットワーク構造の上方に2D材料層を形成することは、ナノチューブのネットワーク構造の上方に保護層を形成した後に行われる。
【0067】
本開示の別の態様によれば、EUVマスクペリクルの製造方法において、ナノ構造を形成し、ナノ構造を溶液に分散させ、支持フィルムによりナノ構造を濾過することで主フィルムを形成し、主フィルムの第1の側の上方に第1の二次元層を形成し、支持フィルムを除去し、支持フィルムが除去された主フィルムの第2の側に第2の二次元層を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノ構造はナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノ構造は、1つ又は複数の二次元材料のシートを更に含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、支持フィルムは多孔である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、支持フレームは第1の二次元層に付着される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の二次元層、第2の二次元層及び支持フレームの上方に保護層を形成する。
【0068】
当業者が本開示の態様をより良く理解できるように、前述した内容をもって幾つかの実施例の特徴を概説した。当業者であれば、本明細書に援用された実施例と同じ目的を実施する、及び/又は同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示を容易に使用することができると理解すべきである。当業者であれば、このような等価構造は、本開示の精神及び範疇から逸脱しておらず、且つ本開示の精神及び範疇から逸脱しない限り、本明細書において様々な変更、置換や代替を行うことができることも意識すべきである。
【符号の説明】
【0069】
5 EUV反射マスク
10 EUVマスクペリクル
15 支持フレーム
20 第1の被覆層
30 第2の被覆層
40 保護層
80 支持フィルム
100 主ネットワークフィルム
110 第1のナノチューブ層
111 単層ナノチューブ
112 第2のナノチューブ層
113 多層ナノチューブ
114 ナノチューブ層
115 単一層/混合層
117 多層ナノチューブ
119 被覆されたネットワーク層
120 第1の二次元シート層
121 二次元材料シート
122 第2の二次元シート層
125 単一層
S801~S804 ブロック
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E