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特許7431475超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022565880
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021090688
(87)【国際公開番号】W WO2021219030
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】202010355155.2
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510232360
【氏名又は名称】中国科学院光電技術研究所
【氏名又は名称原語表記】The Institute of Optics and Electronics, The Chinese Academy of Sciences
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 350, Shuangliu, Chengdu, Sichuan 610209, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110003742
【氏名又は名称】弁理士法人海田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 先▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】高 平
(72)【発明者】
【氏名】蒲 明博
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲暁▼亮
(72)【発明者】
【氏名】李 雄
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-206575(JP,A)
【文献】特開2007-103657(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107817653(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに変形を発生させ、前記マスクの変形の受力値を検出し、前記マスクの変形の受力値を出力力設定値と比較し、第一制御フィードバック量を生成して、前記マスクに変形を発生させる力を調整することによって、前記マスクの変形量を制御するための16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムと、
前記マスク及びベースシートの画像を収集し、前記画像に基づいて前記マスクと前記ベースシートとの間の位置を調整することによって、前記マスクと前記ベースシートとを位置合わせするためのアライメントサブシステムとを含み、
前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、PLCコントローラサブシステムを含み、前記PLCコントローラサブシステムは、PIDコントローラと、アナログ量入力拡張モジュールと、アナログ量出力拡張モジュールと、デジタル量入力拡張モジュールと、デジタル量出力拡張モジュールとを含み、
前記アナログ量入力拡張モジュールは、収集された前記受力値のアナログ量電気信号をA/D変換するために用いられ、
前記デジタル量入力拡張モジュールは、A/D変換されたデジタル量信号をPIDコントローラに入力するために用いられ、
前記PIDコントローラは、A/D変換されたデジタル量信号を前記出力力設定値と比較し、前記第一制御フィードバック量を生成するために用いられ、
前記デジタル量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をアナログ量出力拡張モジュールに出力するために用いられ、
前記アナログ量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をD/A変換し、変換して得られた前記第一制御フィードバック量のアナログ電気信号を出力して、前記マスクの変形に対する閉ループフィードバックを形成するために用いられ、
前記PIDコントローラの関数方程式は、以下の通りであり、
【数1】
ここで、yはPIDアルゴリズムの出力値および、システムで演算された出力値であり、K は比例ゲインであり、Sはラプラス演算子であり、bは比例作用重みであり、wは設定値であり、xはプロセス値であり、すなわち力センサによって検出された作用力であり、cは微分作用重みであり、T は積分作用時間であり、T は微分作用時間であり、aは係数である
ことを特徴とする超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項2】
前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、気圧出力制御サブシステムをさらに含み、
前記気圧出力制御サブシステムは、
前記マスクに変形を発生させる力を出力するための16通路シリンダと、
前記第一制御フィードバック量に基づいて前記16通路シリンダの出力力の強度を制御するための16通路電気比例弁と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、マスク受力検出フィードバックサブシステムをさらに含み、
前記マスク受力検出フィードバックサブシステムは、
マスク変形の受力値を収集するための16通路力センサと、
前記16通路シリンダの接続気管内の気圧を収集するための圧力センサと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記PLCコントローラサブシステムは、さらに、前記気圧を所定の気圧値と比較して、第二制御フィードバック量を生成することに用いられ、
前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、さらに方向変更電磁弁を含み、前記方向変更電磁弁は、前記第二制御フィードバック量に基づいて、前記16通路シリンダの出力力の方向を制御するために用いられ、
前記PLCコントローラサブシステムは、中間リレーを介して前記方向変更電磁弁に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アライメントサブシステムは、8通路画像収集CCDカメラと、2枚の画像収集カードと、画像プロセッサと、画像収集調節モータ制御サブシステムと、8通路照明サブシステムとを含み、
前記8通路画像収集CCDカメラについて、各前記CCDカメラにはいずれもテレセントリックレンズが設けられ、前記画像を収集するために用いられ、
前記画像収集カードについて、各前記画像収集カードは、それぞれ4通路の前記CCDカメラが収集した画像の受信及び伝送に用いられ、
前記画像プロセッサは、前記画像を前処理し、前処理された前記画像を中央制御システムに伝送することによって、前記中央制御システムが、前記画像に基づいて前記マスクと前記ベースシートとが位置合わせしているか否かを判断して、前記マスクと前記ベースシートとを位置合わせする調整制御命令を生成するようにすることに用いられ、
前記画像収集調節モータ制御サブシステムは、前記調整制御命令に基づいて前記ベースシートの位置を調整することによって、前記ベースシートと前記マスクとを位置合わせすることに用いられ、
前記8通路照明サブシステムは、各前記CCDカメラに接続されたテレセントリックレンズに照明を提供することに用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、中央制御システムを内蔵した上位機をさらに含み、
前記上位機は、実際のマスク変形制御需要に基づいて、前記PLCコントローラサブシステムにプログラム命令を発信することに用いられ、前記プログラム命令は、前記第一制御フィードバック量を生成し、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムが前記マスクの変形量を調整するように調整制御するために用いられ、
前記上位機は、さらに、前記画像に基づいて、前記マスクと前記ベースシートとが位置合わせしているか否かを判断して、前記マスクと前記ベースシートとを位置合わせする調整制御命令を生成することに用いられる、
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記上位機と前記アライメントサブシステムとは、PCIeバス又はRS232シリアルポート通信バスを介して通信可能に接続され、前記画像収集カードは、PCIeX4インタフェースを介して前記上位機と通信可能に接続される、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記アライメントサブシステムは、さらに、
前記CCDカメラの位置を調整するためのコンパクト型線形変位テーブルと、
中央制御システムから発信された制御命令に基づいて、前記コンパクト型線形変位テーブルを移動させて位置を調整するためのマルチチャネル移動コントローラと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムとアライメントサブシステムとを含み、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、マスク受力検出フィードバックサブシステムと、気圧出力制御サブシステムと、PLCによって実現されたPIDコントローラサブシステムとを含み、前記アライメントサブシステムは、8通路画像収集CCDと、画像収集カードと、画像プロセッサと、8通路照明サブシステムとを含み、前記画像収集CCDによって収集された画像データは、画像収集カードによって高性能上位機と伝送し、上位機は、画像プロセッサによって関連画像を前処理し、その後に中央制御システムにフィードバックし、アライメントプログラムに画像支援を提供し、前記8通路照明サブシステムは、信号発生器を介して位相変調器に接続され、励起信号を生成することによって、ヘリウム-ネオンレーザが発した光が変調された後に関連光路及び光ファイバ伝送チャネルを介して、CCDに接続されたテレセントリックレンズに照明を提供し、
前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、PLCコントローラサブシステムを含み、前記PLCコントローラサブシステムは、PIDコントローラと、アナログ量入力拡張モジュールと、アナログ量出力拡張モジュールと、デジタル量入力拡張モジュールと、デジタル量出力拡張モジュールとを含み、
前記アナログ量入力拡張モジュールは、収集された受力値のアナログ量電気信号をA/D変換するために用いられ、前記受力値は受けられる力の値であり、
前記デジタル量入力拡張モジュールは、A/D変換されたデジタル量信号をPIDコントローラに入力するために用いられ、
前記PIDコントローラは、A/D変換されたデジタル量信号を出力力設定値と比較し、第一制御フィードバック量を生成するために用いられ、前記出力力設定値は、出力される力に対して設定される値であり、
前記デジタル量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をアナログ量出力拡張モジュールに出力するために用いられ、
前記アナログ量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をD/A変換し、変換して得られた前記第一制御フィードバック量のアナログ電気信号を出力して、前記マスクの変形に対する閉ループフィードバックを形成するために用いられ、
前記PIDコントローラの関数方程式は、以下の通りであり、
【数2】
ここで、yはPIDアルゴリズムの出力値および、システムで演算された出力値であり、K は比例ゲインであり、Sはラプラス演算子であり、bは比例作用重みであり、wは設定値であり、xはプロセス値であり、すなわち力センサによって検出された作用力であり、cは微分作用重みであり、T は積分作用時間であり、T は微分作用時間であり、aは係数である
ことを特徴とする超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項10】
前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、さらに、PLC制御サブシステムと、アナログ量入出力拡張モジュールと、PLC内部PIDコントローラと、マスク受力検出フィードバックサブシステムと、気圧出力制御サブシステムとを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項11】
前記アライメントサブシステムは、PCIeX4に基づくPCIeバス又はカスタマイズ可能なPCIeバスを採用し、或いはUSRTに基づくRS232シリアルポート通信バス又はカスタマイズ可能なRS232シリアルポート通信バスを採用する、
ことを特徴とする請求項9に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項12】
前記アライメントサブシステムは、マルチチャネル画像収集サブシステムと、画像伝送サブシステムと、画像処理サブシステムと、画像収集調節モータ制御サブシステムと、8通路照明サブシステムとを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項13】
前記制御システムは、制御システム全体の動作及び画像処理高速演算に用いられる高性能産業用コンピュータを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項14】
前記PLC制御サブシステムは、16通路PIDコントローラを提供することに用いられ、出力力の閉ループ制御アルゴリズムを完了するためのPLCコントローラと、力センサアナログ量の入力変換に用いられ、フィードバック力のD/A変換を完了し、さらに入力気圧検出に用いられ、D/A変換を完了するためのアナログ量入力拡張モジュールと、電気比例弁制御信号出力に用いられ、A/D変換を完了するためのアナログ量出力拡張モジュールと、シリンダ出力方向変更制御に用いられ、シリンダ押出及び後退制御を完了し、該プロセスが中間リレーを制御して相応的な方向変更電磁弁を起動することによって完了されるためのデジタル量出力拡張モジュールと、センサ信号受信に用いられるデジタル量入力拡張モジュールとを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項15】
前記マルチチャネル画像収集サブシステムは、画像収集に用いられる8通路画像収集CCDと、CCDと組み合わせて用いられるテレセントリックレンズとを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項16】
前記画像伝送サブシステムは、画像収集カードを含み、単一の画像収集カードは、4チャネルCCD収集データ伝送に用いられ、画像収集カードは、外部トリガ条件の受信に用いられるトリガと、画像収集カード全体の動作を遂行するための収集カード内部システムプログラムと、受信したデータをシステムプログラムによって処理した後にPCIeインタフェースに伝送するためのPHY送受信機と、内部プログラムの実行にメモリを提供するための4つのDDR RAMとを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項17】
前記画像処理サブシステムは、画像プロセッサを含み、画像収集カードによって収集されて簡単に前処理されたデータを総合的に処理し、最終的に処理された画像データを中央制御システムに伝送するために用いられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項18】
前記画像収集調節モータ制御サブシステムは、CCD位置調整に用いられるコンパクト型線形変位テーブルと、前記コンパクト型線形変位テーブルに合わせて移動制御するために用いられるマルチチャネル移動コントローラとを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【請求項19】
前記8通路照明サブシステムは、波長が633nmの光を生成するためのヘリウム-ネオンレーザと、コリメート光を光ケーブルに集束するための集束レンズと、光ケーブルの出力光をコリメートするためのコリメートミラーと、光信号伝送に用いられる光ケーブルと、光ファイバ先端とテレセントリック対物レンズとの接続に用いられるアダプタと、関連出力光信号の変調に用いられる位相変調器と、位相変調器の励起信号を生成するための信号発生器とを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年04月29日に提出された、出願番号が202010355155.2である中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、フォトリソグラフィ装置の技術分野に関し、特に超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体集積回路技術の急速な発展に伴い、フォトリソグラフィ装置は、半導体技術の中核装置として、フォトリソグラフィ装置制御システムの設計及び開発に対する要求がますます高くなる。
【0004】
現在の制御システムにおいて画像処理収集方式は、USBシリアルポート伝送又はイーサネット(登録商標)ポート伝送を用いることが多く、これらの伝送方式は伝送速度が比較的遅く、後続の制御システムによる処理の効率が低下することになり、かつ全ての画像処理作業が上位機制御システムによって完了され、このようにして上位機の作業負担を大幅に増加させ、システム全体の処理速度が遅くなり、アライメント効率を低下させることに繋がる。該問題に対して、現在もより高い制御精度の制御システムを必要とし、この制御システムによってアライメント及びマスク補正を正確、迅速かつ安定的に完了することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、上記問題の少なくとも一部を解決するように、超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本開示の一態様は、マスクに変形を発生させ、前記マスクの変形の受力値を検出し、前記マスクの変形の受力値を出力力設定値と比較し、第一制御フィードバック量を生成して、前記マスクに変形を発生させる力を調整することによって、前記マスクの変形量を制御するための16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムと、前記マスク及びベースシートの画像を収集し、前記画像に基づいて前記マスクと前記ベースシートとの間の位置を調整することによって、前記マスクと前記ベースシートとを位置合わせするためのアライメントサブシステムとを含み、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、PLCコントローラサブシステムを含み、前記PLCコントローラサブシステムは、PIDコントローラと、アナログ量入力拡張モジュールと、アナログ量出力拡張モジュールと、デジタル量入力拡張モジュールと、デジタル量出力拡張モジュールとを含み、前記アナログ量入力拡張モジュールは、収集された前記受力値のアナログ量電気信号をA/D変換するために用いられ、前記デジタル量入力拡張モジュールは、A/D変換されたデジタル量信号をPIDコントローラに入力するために用いられ、前記PIDコントローラは、A/D変換されたデジタル量信号を前記出力力設定値と比較し、前記第一制御フィードバック量を生成するために用いられ、前記デジタル量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をアナログ量出力拡張モジュールに出力するために用いられ、前記アナログ量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をD/A変換し、変換して得られた前記第一制御フィードバック量のアナログ電気信号を出力して、前記マスクの変形に対する閉ループフィードバックを形成するために用いられ、前記PIDコントローラの関数方程式は、以下の通りであり、
【数1】
ここで、yはPIDアルゴリズムの出力値および、システムで演算された出力値であり、K は比例ゲインであり、Sはラプラス演算子であり、bは比例作用重みであり、wは設定値であり、xはプロセス値であり、すなわち力センサによって検出された作用力であり、cは微分作用重みであり、T は積分作用時間であり、T は微分作用時間であり、aは係数である、ことを特徴とする超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムを提供する。
【0007】
本開示の実施例によれば、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、さらに気圧出力制御サブシステムを含み、前記気圧出力制御サブシステムは、16通路シリンダと、16通路電気比例弁とを含み、前記16通路シリンダは、前記マスクに変形を発生させる力を出力するために用いられ、前記16通路電気比例弁は、前記第一制御フィードバック量に基づいて前記16通路シリンダの出力力の強度を制御するために用いられる。
【0008】
本開示の実施例によれば、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、さらにマスク受力検出フィードバックサブシステムを含み、前記マスク受力検出フィードバックサブシステムは、マスク変形受力値を収集するために用いられる16通路力センサと、前記16通路シリンダの接続気管内の気圧を収集するために用いられる圧力センサとを含む。
【0009】
本開示の実施例によれば、前記PLCコントローラサブシステムは、さらに、前記気圧を所定の気圧値と比較して、第二制御フィードバック量を生成することに用いられ、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、前記第二制御フィードバック量に基づいて前記16通路シリンダの出力力の方向を制御するための方向変更電磁弁をさらに含み、前記PLCコントローラサブシステムは、中間リレーを介して前記電磁弁に接続される。
【0010】
本開示の実施例によれば、前記アライメントサブシステムは、8通路画像収集CCDカメラと、2枚の画像収集カードと、画像プロセッサと、画像収集調節モータ制御サブシステムと、8通路照明サブシステムとを含み、ここで、前記8通路画像収集CCDカメラについて、各前記CCDカメラには、いずれもテレセントリックレンズが設けられ、前記画像を収集するために用いられ、前記画像収集カードについて、各前記画像収集カードは、それぞれ4通路の前記CCDカメラで収集された画像の受信及び伝送に用いられ、前記画像プロセッサは、前記画像を前処理し、前処理された前記画像を中央制御システムに伝送することによって、前記中央制御システムが、前記画像に基づいて前記マスクと前記ベースシートとが位置合わせしているか否かを判断して、前記マスクと前記ベースシートとを位置合わせする調整制御命令を生成することに用いられ、前記画像収集調節モータ制御サブシステムは、前記調整制御命令に基づいて前記ベースシートの位置を調整することによって、前記ベースシートと前記マスクとを位置合わせするために用いられ、前記8通路照明サブシステムは、各前記CCDカメラに接続されたテレセントリックレンズに照明を提供することに用いられる。
【0011】
本開示の実施例によれば、前記システムは、中央制御システムを内蔵した上位機をさらに含み、前記上位機は、実際のマスク変形制御需要に基づいて、前記PLCコントローラサブシステムにプログラム命令を発信することに用いられ、前記プログラム命令は、前記第一制御フィードバック量を生成し、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムが前記マスクの変形量を調整するように調整制御するために用いられ、前記上位機は、さらに、前記画像に基づいて、前記マスクと前記ベースシートとが位置合わせしているか否かを判断して、前記マスクと前記ベースシートとを位置合わせする調整制御命令を生成することに用いられる。
【0012】
本開示の実施例によれば、前記上位機と前記アライメントサブシステムとは、PCIeバス又はRS232シリアルポート通信バスを介して通信可能に接続され、前記画像収集カードは、PCIe X4インタフェースを介して前記上位機と通信可能に接続される。
【0013】
本開示の実施例によれば、前記アライメントサブシステムは、さらに、前記CCDカメラの位置を調整するためのコンパクト型線形変位テーブルと、中央制御システムから発信された制御命令に基づいて、前記コンパクト型線形変位テーブルを移動させて位置を調整するためのマルチチャネル移動コントローラとを含む。
【0014】
本開示の他の態様は、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムとアライメントサブシステムとを含み、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、マスク受力検出フィードバックサブシステムと、気圧出力制御サブシステムと、PLCによって実現されたPIDコントローラサブシステムとを含み、前記アライメントサブシステムは、8通路画像収集CCDと、画像収集カードと、画像プロセッサと、8通路照明サブシステムとを含み、前記画像収集CCDによって収集された画像データは、画像収集カードによって高性能上位機と伝送し、上位機は、画像プロセッサによって関連画像を前処理し、その後に中央制御システムにフィードバックし、アライメントプログラムに画像支援を提供し、前記8通路照明サブシステムは、信号発生器を介して位相変調器に接続され、励起信号を生成することによって、ヘリウム-ネオンレーザが発した光が変調された後に関連光路及び光ファイバ伝送チャネルを介して、CCDに接続されたテレセントリックレンズに照明を提供し、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、PLCコントローラサブシステムを含み、前記PLCコントローラサブシステムは、PIDコントローラと、アナログ量入力拡張モジュールと、アナログ量出力拡張モジュールと、デジタル量入力拡張モジュールと、デジタル量出力拡張モジュールとを含み、前記アナログ量入力拡張モジュールは、収集された受力値のアナログ量電気信号をA/D変換するために用いられ、前記受力値は受けられる力の値であり、前記デジタル量入力拡張モジュールは、A/D変換されたデジタル量信号をPIDコントローラに入力するために用いられ、前記PIDコントローラは、A/D変換されたデジタル量信号を出力力設定値と比較し、第一制御フィードバック量を生成するために用いられ、前記出力力設定値は、出力される力に対して設定される値であり、前記デジタル量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をアナログ量出力拡張モジュールに出力するために用いられ、前記アナログ量出力拡張モジュールは、前記第一制御フィードバック量のデジタル量信号をD/A変換し、変換して得られた前記第一制御フィードバック量のアナログ電気信号を出力して、前記マスクの変形に対する閉ループフィードバックを形成するために用いられ、前記PIDコントローラの関数方程式は、以下の通りであり、
【数2】
ここで、yはPIDアルゴリズムの出力値および、システムで演算された出力値であり、K は比例ゲインであり、Sはラプラス演算子であり、bは比例作用重みであり、wは設定値であり、xはプロセス値であり、すなわち力センサによって検出された作用力であり、cは微分作用重みであり、T は積分作用時間であり、T は微分作用時間であり、aは係数である、ことを特徴とする超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムを提供する。
【0015】
本開示の実施例によれば、前記16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、さらに、PLC制御サブシステムと、アナログ量入出力拡張モジュールと、PLC内部PIDコントローラと、マスク受力検出フィードバックサブシステムと、気圧出力制御サブシステムとを含む。
【0016】
本開示の実施例によれば、前記アライメントサブシステムは、PCIeX4に基づくPCIeバス又はカスタマイズ可能なPCIeバスを採用し、或いは、USRTに基づくRS232シリアルポート通信バス又はカスタマイズ可能なRS232シリアルポート通信バスを採用する。
【0017】
本開示の実施例によれば、前記アライメントサブシステムは、マルチチャネル画像収集サブシステムと、画像伝送サブシステムと、画像処理サブシステムと、画像収集調節モータ制御サブシステムと、8通路照明サブシステムとを含む。
【0018】
本開示の実施例によれば、前記制御システムは、制御システム全体の動作及び画像処理高速演算のための高性能産業用コンピュータを含む。
【0019】
本開示の実施例によれば、前記PLC制御サブシステムは、16通路PIDコントローラを提供することに用いられ、出力力閉ループ制御アルゴリズムを完了するためのPLCコントローラと、力センサアナログ量入力変換に用いられ、フィードバック力D/A変換を完了し、さらに入力気圧検出に用いられ、D/A変換を完了するためのアナログ量入力拡張モジュールと、電気比例弁制御信号出力に用いられ、A/D変換を完了するためのアナログ量出力拡張モジュールと、シリンダ出力切換制御に用いられ、シリンダ押出及び後退制御を完了し、該プロセスが中間リレーを制御して相応的な方向変更電磁弁を起動することによって完了されるためのデジタル量出力拡張モジュールと、センサ信号受信に用いられるデジタル量入力拡張モジュールとを含む。
【0020】
本開示の実施例によれば、前記マルチチャネル画像収集サブシステムは、画像収集に用いられる8通路画像収集CCDと、CCDと組み合わせて用いられるテレセントリックレンズとを含む。
【0021】
本開示の実施例によれば、前記画像伝送サブシステムは、画像収集カードを含み、単一の画像収集カードは、4チャネルCCD収集データ伝送に用いられ、画像収集カードは、外部トリガ条件の受信に用いられるトリガと、画像収集カード全体の動作を遂行するための収集カード内部システムプログラムと、受信したデータをシステムプログラムによって処理した後にPCIeインタフェースに伝送するためのPHY送受信機と、内部プログラムの実行にメモリを提供するための4つのDDR RAMとを含む。
【0022】
本開示の実施例によれば、前記画像処理サブシステムは、画像プロセッサを含み、画像収集カードによって収集されて簡単に前処理されたデータを総合的に処理し、最終的に処理後の画像データを中央制御システムに伝送するために用いられる。
【0023】
本開示の実施例によれば、前記画像収集調節モータ制御サブシステムは、CCD位置調整に用いられるコンパクト型線形変位テーブルと、コンパクト型線形変位テーブルに合わせて移動制御するために用いられるマルチチャネル移動コントローラとを含む。
【0024】
本開示の実施例によれば、前記8通路照明システムは、波長が633nmの光を生成するためのヘリウム-ネオンレーザと、コリメート光を光ケーブルに集束するための集束レンズと、光ケーブルからの出力光をコリメートするためのコリメートミラーと、光信号伝送に用いられる光ケーブルと、光ファイバ先端とテレセントリック対物レンズとの接続に用いられるアダプタと、関連する出力光信号の変調に用いられる位相変調器と、位相変調器の励起信号を生成するための信号発生器とを含む。
【発明の効果】
【0025】
本開示の実施例が提供した超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムによって、所望の精密マスク変形制御を実現することができ、従来の実現方法に比べて、ステップがより簡便であり、制御システムの実現もより経済的であり、かつ前記制御システムは、PCIeチャネルを用いて画像信号伝送を行い、制御システム全体の反応速度もより速く、アライメント効率を向上させ、さらにマスク変形制御及びアライメントをより迅速かつより正確に実現することができる。前記制御システムの16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、高精度力センサ及び電気比例弁によって検出及び制御を行い、マスク変形制御の高精度な調整を保証でき、ここで、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムは、PID制御アルゴリズムを採用して出力力の閉ループデバッグを実現し、該閉ループシステムは、調整制御時間が短く、応答が速く、システムの動作が安定し、実際のテスト出力力の制御誤差が±0.03Nであり、制御精度が高いことを実現できる。前記制御システムのアライメントサブシステムは、高精度モータによってX、Y、Z軸の位置決め制御を実現し、画像収集及びアライメントをより効率的に完了することができ、高いオーバレイ精度の結像に支援を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本開示の実施例が提供した16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムの単一通路気圧微調整マスク変形制御構成の概略図を概略的に示している。
図2図2は、本開示の実施例が提供した16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムの単一通路PID制御ループの構成概略図を概略的に示している。
図3図3は、本開示の実施例が提供した超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムの概略図を概略的に示している。
図4図4は、本開示の実施例が提供した画像収集カードの内部構成及びチャネルの構成ブロック図を概略的に示している。
【符号の説明】
【0027】
100…中央制御システム;101…制御バス;102…上位機;103…画像プロセッサ;104…画像収集カード;105…モータコントローラ;106…位相変調器;107…PLCコントローラ;110/112…PCIe伝送チャネル;120/122…イーサネット(登録商標)伝送チャネル;130/132…シリアルポート通信バスチャネル;140/143…光ファイバ伝送チャネル;150/154…デジタル量及びアナログ量伝送チャネル;200…アライメントサブシステム;300…8通路照明サブシステム;400…16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。ただし、これらの説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。以下の詳細な説明において、説明を便利にするために、多くの具体的な詳細を説明して本発明の実施例に対する全面的な理解に供する。しかしながら、明らかなように、一つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合にも実施され得る。また、以下の説明において、公知の構成及び技術に対する説明を省略することによって、本発明の概念を不必要に混同することが回避される。
【0029】
ここで用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。ここで使用される「含む」、「含有する」などの用語は、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部品の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部品の存在や追加を排除するものではない。
【0030】
本開示は、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400と、アライメントサブシステム200とを含む超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムを提供している。
【0031】
16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、マスクに変形させ、マスクの変形の受力値を検出し、マスクの変形の受力値を出力力設定値と比較し、第一制御フィードバック量を生成して、マスクに変形させるための力を調整し、これによりマスクの変形量を制御する。
【0032】
アライメントサブシステム200は、マスク及びベースシートの画像を収集し、画像に基づいて、マスクとベースシートとの間の位置を調整することによって、マスクとベースシートとを位置合わせするために用いられる。
【0033】
具体的には、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、PLCコントローラサブシステム107を含み、該PLCコントローラサブシステム107は、PIDコントローラと、アナログ量入力拡張モジュールと、アナログ量出力拡張モジュールと、デジタル量入力拡張モジュールと、デジタル量出力拡張モジュールとを含む。
【0034】
図1は、本開示の実施例が提供した16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムの単一通路気圧微調整マスク変形制御構成の概略図を概略的に示している。
【0035】
図1に示すように、アナログ量入力拡張モジュールは、収集された受力値のアナログ量電気信号をA/D変換するために用いられ、デジタル量入力拡張モジュールは、A/D変換されたデジタル量信号をPIDコントローラに入力するために用いられ、PIDコントローラは、A/D変換されたデジタル量信号を出力力設定値と比較し、第一制御フィードバック量を生成するために用いられ、デジタル量出力拡張モジュールは、第一制御フィードバック量のデジタル量信号をアナログ量出力拡張モジュールに出力するために用いられ、アナログ量出力拡張モジュールは、第一制御フィードバック量のデジタル量信号をD/A変換し、変換された第一制御フィードバック量のアナログ電気信号を出力し、マスクの変形に対する閉ループフィードバックを形成するために用いられる。
【0036】
本開示の実施例において、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、マスク受力検出フィードバックサブシステムをさらに含み、具体的に、マスク変形受力値を収集し、収集された受力値のアナログ量電気信号をアナログ量入力拡張モジュールによってPIDコントローラに伝送するための16通路力センサを含む。マスク受力検出フィードバックサブシステムは、前記16通路シリンダの接続気管内の気圧を収集するための圧力センサをさらに含む。
【0037】
図2は、本開示の実施例が提供した16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400の単一通路PID制御ループの構成概略図を概略的に示している。
【0038】
図2に示すように、前記PLCコントローラサブシステム107は、マスク変形制御を完了するための16通路PIDコントローラを提供する。該PIDコントローラの関数方程式は、以下の通りである。
【0039】
【数3】
【0040】
ここで、yはPIDアルゴリズムの出力値および、システムで演算された出力値である。K は比例ゲインであり、Sはラプラス演算子であり、bは比例作用重みであり、wは設定値であり、xはプロセス値であり、すなわち力センサによって検出された作用力であり、cは微分作用重みであり、T は積分作用時間であり、T は微分作用時間であり、aは係数である
【0041】
本開示の実施例において、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、16通路シリンダ及び16通路電気比例弁を含む気圧出力制御サブシステムをさらに含む。ここで、16通路シリンダは、16通路電気比例弁に接続され、マスクに変形させる力を出力するために用いられ、16通路電気比例弁は、アナログ量出力拡張モジュールに接続され、第一制御フィードバック量に基づいて16通路シリンダの出力力の強度を制御することによって、マスクの変形に対するフィードバック制御を実現するために用いられる。
【0042】
また、図1に示すように、PLCコントローラサブシステム107は、さらに、圧力センサによって収集された接続気管内の気圧を所定の気圧値と比較し、第二制御フィードバック量を生成するために用いられる。16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、第二制御フィードバック量に基づいて16通路シリンダの出力力の方向を制御するための方向変更電磁弁をさらに含む。PLCコントローラサブシステム107は、中間リレーを介して電磁弁に接続される。このようにして、シリンダ内の気圧に対するフィードバック制御を実現し、マスク変形に対する制御の精度をより一層向上させる。
【0043】
図1及び図2に示すように、PLCコントローラサブシステム107は、産業用イーサネット(登録商標)を介して上位機との通信を実現し、PLCコントローラサブシステム107は、中間リレーを介して電磁弁のオンオフを制御することによってシリンダの押出及び後退を実現し、電圧型アナログ量出力信号を介して電気比例弁を制御することによって出力気圧に対する制御を実現し、これによってシリンダの作用力出力を制御するという作用を達成して、マスクの作用力に対する制御を実現し、マスクの変形に対する制御を実現する。力センサで検出されたシリンダ出力力電圧型アナログ量信号によって、PLCコントローラサブシステム107内部のPIDコントローラを結合して、閉ループ制御効果を達成する。
【0044】
本開示の実施例において、アライメントサブシステム200は、8通路画像収集CCDカメラと、2枚の画像収集カード104と、画像プロセッサ103と、画像収集調節モータ制御サブシステム105と、8通路照明サブシステム300とを含む。ここで、8通路画像収集CCDカメラは、各CCDカメラにそれぞれテレセントリックレンズが設けられ、画像を収集するために用いられ、2枚の画像収集カード104は、各画像収集カードがそれぞれ4通路CCDカメラによって収集された画像の受信及び伝送に用いられ、画像プロセッサ103は、画像を前処理し、前処理された画像を中央制御システムに伝送することによって、中央制御システムが画像に基づいてマスクとベースシートとが位置合わせしているか否かを判断して、マスクとベースシートとを位置合わせする調整制御命令を生成することに用いられ、画像収集調節モータ制御サブシステム105は、調整制御命令に基づいてベースシートの位置を調整することによって、ベースシートとマスクとを位置合わせするために用いられ、8通路照明サブシステム300は、各CCDカメラに接続されたテレセントリックレンズに照明を提供することに用いられる。
【0045】
アライメントサブシステム200は、さらに、CCDカメラの位置を調整するためのコンパクト型線形変位テーブルと、中央制御システムから送信された制御命令に基づいて、コンパクト型線形変位テーブルを移動させて位置を調整するためのマルチチャネル移動コントローラとを含む。
【0046】
本開示の実施例が提供したシステムは、さらに、中央制御システムを内蔵した上位機102を含み、上位機102は、実際のマスク変形制御需要に基づいて、PLCコントローラサブシステム107にプログラム命令を発信することに用いられ、プログラム命令は、第一制御フィードバック量を生成し、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステムの16通路シリンダを調整制御することによって、マスクの変形量を調整するためのものであり、上位機102は、さらに、画像に基づいて、マスクとベースシートとが位置合わせしているか否かを判断し、マスクとベースシートとを位置合わせする調整制御命令を生成し、ベースシートの位置を調節するための機械的構成を制御することによって、ベースシートとマスクとを位置合わせすることに用いられる。上位機102と16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400とは、産業用イーサネット(登録商標)バスを介して通信可能に接続され、上位機102とアライメントサブシステム200とは、産業用イーサネット(登録商標)バス、PCIeバス又はRS232シリアルポート通信バスを介して通信可能に接続され、そのうち、画像収集カード104は、PCIeX4インタフェースを介して上位機102と通信可能に接続される。該上位機102の制御によって、マスク変形及びアライメントシステムのフィードバック制御が同時に実現されるため、ステップが簡潔で、コストが経済的であり、反応速度が速く、アライメント効率及び変形制御精度を向上させることができる。
【0047】
本開示の他の態様は、超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムを提供し、それは、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400と、アライメントサブシステム200とを含み、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、マスク受力検出フィードバックサブシステムと、気圧出力制御サブシステムと、PLCによって実現されたPIDコントローラサブシステムとを含み、アライメントサブシステム200は、8通路画像収集CCDと、画像収集カード104と、画像プロセッサ103と、8通路照明サブシステム300と、を含み、画像収集CCDによって収集された画像データは、画像収集カード104によって高性能の上位機102と伝送し、上位機102は、画像プロセッサ103によって関連画像を前処理し、その後に中央制御システムにフィードバックし、アライメントプログラムに画像支持を提供し、8通路照明サブシステム300は、信号発生器を介して位相変調器106に接続され、励起信号を生成することによって、ヘリウム-ネオンレーザが発した光が変調された後に関連光路及び光ファイバ伝送チャネルを介して、CCDに接続されたテレセントリックレンズに照明を提供する。
【0048】
図3は、本開示の実施例が提供した超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムの概略図を概略的に示している。
【0049】
図3に示すように、本開示の実施例が提供した超解像フォトリソグラフィ精密マスク用のインテリジェント補正装置制御システムは、中央制御システム100と、制御バス101と、上位機102と、画像プロセッサ103と、画像収集カード104と、モータコントローラ105と、位相変調器106と、PLCコントローラサブシステム107とを含み、前記画像プロセッサ103は、PCIe伝送チャネル110によって外部と接続され、画像収集カード104は、イーサネット(登録商標)伝送チャネル120によって外部と接続され、モータコントローラ105は、シリアルポート通信バスチャネル130によって外部と接続され、位相変調器106は、光ファイバ伝送チャネル140によって外部と接続され、PLCコントローラサブシステム107は、デジタル量及びアナログ量制御チャネル150によって外部と接続される。
【0050】
制御システムの上位機102は、高性能産業用コンピュータであり、制御システム全体の動作及び画像処理の高速演算に用いられる。このシステムの制御バス101は、標準制御バスを採用する。
【0051】
アライメントサブシステム200は、マルチチャネル画像収集サブシステムと、画像伝送サブシステムと、画像処理サブシステムと、画像収集調節モータ制御サブシステム105と、8通路照明サブシステム300とを含む。マルチチャネル画像収集サブシステムは、画像収集のための8通路画像収集CCDと、CCDと組み合わせて用いられるテレセントリックレンズとを含む。画像伝送サブシステムは、画像収集カード104を含み、単一の画像収集カード104は、4チャネルCCD収集データの伝送に用いられ、画像収集カード104は、外部トリガ条件の受信に用いられるトリガを含み、収集カード内部システムプログラムは、画像収集カード104全体の動作適用に用いられ、PHY送受信機は、イーサネット(登録商標)インタフェースから受信したデータをシステムプログラムによって処理した後にPCIeインタフェースに伝送するために用いられ、4つのDDR RAMは、内部プログラムの実行にメモリを提供するために用いられ。画像処理サブシステムは、画像プロセッサ103を含み、該画像プロセッサは、NVIDIA会社のRTX 2080 SUPER図形処理ビデオカードを採用し、画像収集カード104によって収集されて簡単に前処理されたデータを総合的に処理し、最終的に処理後の画像データを中央制御システムに伝送するために用いられる。画像収集調節モータ制御サブシステム105は、CCD位置調整のために用いられるコンパクト型線形変位テーブルと、コンパクト型線形変位テーブルに合わせて移動制御するために用いられるマルチチャネル移動コントローラとを含む。
【0052】
アライメントサブシステム200は、TCP/IPプロトコルに基づくか又はカスタマイズ可能な産業用イーサネット(登録商標)バス、PCIeX4に基づくか又はカスタマイズ可能なPCIeバス、USRTに基づくか又はカスタマイズ可能なRS232シリアルポート通信バスを採用することができる。具体的には、前記アライメントサブシステム200は、画像プロセッサ103PCIe伝送チャネル112によって画像プロセッサ103に接続され、前記アライメントサブシステム200は、8通路CCDイーサネット(登録商標)伝送チャネル122によって画像収集カード104に接続され、前記アライメントサブシステム200は、8通路モータコントローラシリアルポート通信チャネル132によってモータコントローラ105に接続され、前記照明サブシステム300は、ヘリウムネオン-レーザ位相変調照明サブシステム300ファイバ伝送チャネル143によって位相変調器106に接続され、前記16通路独立微調整マスク変形制御サブシステム400は、力センサ、電気比例弁アナログ量伝送チャネル154によってPLCコントローラサブシステム107に接続される。
【0053】
本開示の実施例において、中央制御システム100は、中央制御プログラムによって、PCIe伝送チャネル110を介して画像プロセッサ103の処理後の画像結果を収集し、実際の需要に応じて画像を処理し、処理後の画像を結合してアライメントを判断して対応する操作を行う。中央制御システム100は、シリアルポート通信バスチャネル130によって、モータが実際の需要に応じて変位微調整を行うように制御し、それによって動作要求を達成する。中央制御システム100は、TCP/IPに基づく産業用イーサネット(登録商標)を介してPLCコントローラサブシステム107と通信し、実際のマスク変形制御需要に応じてPLCコントローラサブシステム107に制御命令を発信し、後続の関連操作は、PLCコントローラサブシステム107によって下位機の制御を完了する。
【0054】
図4は、本開示の実施例が提供した画像収集カード104の内部構成及びチャネルの構成ブロック図を概略的に示している。
【0055】
図4に示すように、本開示の実施例において、画像収集カード104には、XILINX会社のFPGAチップXC3S4000-4FGG900Cが集積され、X4PCI Express(登録商標)の二世代のインタフェースを採用し、合計として2GB/sの帯域幅を提供して画像収集カード104と上位機102との間のデータ伝送を実現する。該画像収集カード104は、4つのイーサネット(登録商標)ポートを介してCCDイーサネット(登録商標)インタフェースから伝送された画像情報を受信し、本発明の実施例に記載の制御システムは、合計として8個のCCDを用いるため、2枚の画像収集カード104を用いて画像伝送を実現する。画像収集カード104は、PCIeX4インタフェースを介して中央制御システム100に接続され、画像プロセッサ103によって関連画像処理を行う。システムを高速に動作させ、命令発信遅延などを減少させるために、今回の上位機102は、デュアル回路志強E5 2620 V3をプロセッサとして採用し、かつ32GBのRAM及び256G SSDを配置し、システムの高速動作を保証する。画像収集カード104の内部には、システムプログラム及び制御プログラムが集積され、ポート1-4が受信した画像情報はシステムプログラムの初期処理を経た後、PHY送受信機はPCIeX4インタフェースを介してデータを上位機102に伝送し、画像収集カード104の内部には、さらに4つのDDR RAMが集積され、プログラムを実行するために供される。
【0056】
本開示の実施例において、画像プロセッサ103は、RTX 2080 SUPERの高性能グラフィックボードであり、画像収集カード104によって受信されたデータがPCIe伝送チャネル110によって画像プロセッサ103に伝送され、さらに画像プロセッサ103がデータを処理し、中央制御システム100に伝送する。画像収集カード104は、XILINX XC3S4000-4FGG900C FPGAチップをプロセッサとして採用し、単一の画像収集カード104は、4つのイーサネット(登録商標)伝送チャネル122によって伝送された画像データを収集することができる。今回は、合計として2枚の画像収集カード104を用いて8つのチャンネルのCCD画像データ収集を行う。
【0057】
モータコントローラ105は、8つのコンパクト型線形変位テーブルの移動位置を制御すること、及び手動変位テーブルを協働することによって、CCD画像収集の位置を調整する。
【0058】
ヘリウム-ネオンレーザで生成された波長が633nmである赤色光がコリメート、集束を経た後、信号発生器が励起信号を生成し、位相変調器106がそれを変調し、最後に光を光ファイバ伝送チャネル140によってテレセントリックレンズに出力し、テレセントリックレンズがCCDに接続され、CCDに照明を提供する。本発明では、合計として8個のCCDを用いてマスクの4辺の8つのポイントを観測する。
【0059】
より具体的には、16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、さらに、PLC制御サブシステム107及びアナログ量入出力拡張モジュールと、PLC内部PIDコントローラと、マスク受力検出フィードバックサブシステムと、気圧出力制御サブシステムとを含む。
【0060】
PLCコントローラサブシステム107が提供したPIDコントローラは、シリンダの出力力の閉ループ制御を完了するために用いられ、現場に取り付けられた装置に対してPID実際デバッグを行うことによって、後続にシリンダの出力力、即ちマスクの受力状況を調整する必要がある場合、内部PIDコントローラによって力センサで検出された受力状況及び電気比例弁の気圧の出力状況を調整制御して、制御目的を達成することが可能となる。PLCコントローラサブシステム107の給電システムは、DC24電源によって提供され、同時に電気比例弁、力センサ、圧力センサ、電磁弁などに電力を供給する。
【0061】
PLCコントローラサブシステム107は、また、電気比例弁によって制御される電圧信号を出力するためのアナログ量出力モジュールと、力センサ及び圧力センサによって入力されるアナログ量電圧信号変換を実現するためのアナログ量入力モジュールと、他のボタン、スイッチ及び中間リレーを制御するためのデジタル量出力モジュールと、デジタルフィードバック信号のアクセスに用いられるモジュールであって、シリンダピストン押出リミットスイッチなどを含むデジタル量入力モジュールとを拡張する。PLCコントローラサブシステム107が提供したPIDコントローラは、シリンダの出力力の閉ループ制御を完了するために用いられ、現場に取り付けられた装置に対してPID実際デバッグを行うことによって、後続にシリンダの出力力、即ちマスクの受力状況を調整する必要がある場合、内部PIDコントローラによって力センサで検出された受力状況及び電気比例弁の気圧の出力状況を調整制御して、制御目的を達成することが可能となる。PLCコントローラサブシステム107の給電システムは、DC24電源によって提供され、同時に電気比例弁、力センサ、圧力センサ、電磁弁などに電力を供給する。
【0062】
PLCコントローラサブシステム107のPLCは、シーメンスS7-1200 CPU 1215C DC/DC/DCをコントローラとして採用し、該CPUは、動作メモリ容量(集積)が100kBであり、ロードメモリ容量(集積)が4MBであり、保持メモリ容量(集積)が10kBであり、集積デジタル量I/Oが14入力/10出力であり、集積アナログ量I/Oが2入力/2出力であり、プロセスイメージサイズが1024バイト入力/1024バイト出力である。S7-1200 PLCの基本的なデータタイプの長さは32ビットに達し、S7-1200 PLCは、Pointer、Anyという二種類のポインタをサポートすることによって、S7-1200は、プログラミングするときに一定の柔軟性を有する。ブール演算実行速度が0.08μs/命令であり、移動ワード変数実行速度が1.7μs/命令であり、浮動小数点演算実行速度が2.3μs/命令である。
【0063】
16通路気圧微調整マスク変形制御サブシステム400は、TCP/IPプロトコルに基づくか又はカスタマイズ可能な産業用イーサネット(登録商標)バスを採用する。
【0064】
前記8通路照明サブシステム300は、波長が633nmである光を生成するためのヘリウム-ネオンレーザと、コリメート光を光ケーブルに集束するための集束レンズと、光ケーブルからの出力光をコリメートするためのコリメートミラーと、光信号の伝送に用いられる光ケーブルと、光ファイバの先端とテレセントリック対物レンズとの接続に用いられるアダプタと、関連する出力光信号の変調に用いられる位相変調器106と、位相変調器106の励起信号を生成するための信号発生器とを含む。
【0065】
当業者であれば理解されるように、本発明の各実施例及び/又は請求項に記載の特徴は、本発明に明確に記載されていない、様々な組み合わせ又は/又は結合を行うことができる。特に、本発明の精神及び教示から逸脱することなく、本発明の各実施例及び/又は請求項に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、全て本発明の範囲に属するものとする。
【0066】
本発明の特定の例示的な実施例を参照して本発明を示して説明したが、当業者であれば理解されるように、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって限定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の形態及び細部について様々な変更を行うことができる。したがって、本発明の範囲は、上記実施例に限定されるものではなく、添付の請求項だけでなく、添付の請求項の等価物によって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4