IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図1
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図2
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図3
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図4
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図5
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図6
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図7
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図8
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図9
  • 特許-シート搬送装置、及び、画像形成装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】シート搬送装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
B65H5/06 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020023545
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021127227
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】堀田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】戸坂 彰彦
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-002752(JP,A)
【文献】特開平07-261584(JP,A)
【文献】特開2003-173121(JP,A)
【文献】特開2018-200436(JP,A)
【文献】特開2011-002750(JP,A)
【文献】特開2013-105125(JP,A)
【文献】特開2014-201409(JP,A)
【文献】特開2008-158076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが所定の搬送方向に搬送される搬送経路に配置された第1搬送ローラ対と、
前記搬送経路において前記第1搬送ローラ対に対して搬送方向下流側に配置された第2搬送ローラ対と、
前記搬送経路において前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対との間に配置されて、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対とに挟持された状態で搬送されるシートの表面までの距離を検知する検知手段と、
前記第1搬送ローラ対を回転駆動する第1駆動手段と、
前記第2搬送ローラ対を回転駆動する第2駆動手段と、
を備え、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記第1駆動手段と前記第2駆動手段とのうち少なくとも一方を制御して、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対とのうち少なくとも一方の回転速度を調整する調整モードを実行可能に構成され、
前記調整モードが実行される前に、前記シートに撓みが形成された状態になるように、前記第1搬送ローラ対の回転速度を増速するか、前記第2搬送ローラ対の回転速度を減速するか、少なくともいずれかをおこなうことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送ローラ対のニップと前記第2搬送ローラ対のニップとを通る仮想平面と、前記検知手段の検知面と、の距離を基準距離として、
前記検知手段によって検知されるシートの表面までの検知距離が前記基準距離よりも短い場合には、前記基準距離から当該検知距離を減じた値を撓み量として、
前記検知手段によって検知されるシートの表面までの検知距離が前記基準距離よりも長い場合には、当該検知距離から前記基準距離を減じた値を撓み量として、
前記調整モードは、前記撓み量が所定値を超えた場合に、前記第1搬送ローラ対の回転速度を減速するか、前記第2搬送ローラ対の回転速度を増速するか、少なくともいずれかをおこなうことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
シートが所定の搬送方向に搬送される搬送経路に配置された第1搬送ローラ対と、
前記搬送経路において前記第1搬送ローラ対に対して搬送方向下流側に配置された第2搬送ローラ対と、
前記搬送経路において前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対との間に配置されて、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対とに挟持された状態で搬送されるシートの表面までの距離を検知する検知手段と、
前記第1搬送ローラ対を回転駆動する第1駆動手段と、
前記第2搬送ローラ対を回転駆動する第2駆動手段と、
を備え、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記第1駆動手段と前記第2駆動手段とのうち少なくとも一方を制御して、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対とのうち少なくとも一方の回転速度を調整する調整モードが実行され、
前記第1搬送ローラ対のニップと前記第2搬送ローラ対のニップとを通る仮想平面と、前記検知手段の検知面と、の距離を基準距離として、
前記検知手段によって検知されるシートの表面までの検知距離が前記基準距離よりも短い場合には、前記基準距離から当該検知距離を減じた値を撓み量として、
前記検知手段によって検知されるシートの表面までの検知距離が前記基準距離よりも長い場合には、当該検知距離から前記基準距離を減じた値を撓み量として、
前記調整モードは、前記撓み量が所定値を超えた場合に、前記第1搬送ローラ対の回転速度を減速するか、前記第2搬送ローラ対の回転速度を増速するか、少なくともいずれかをおこない、
前記調整モードが実行される前に、前記撓み量が増加するように、前記第1搬送ローラ対の回転速度を増速するか、前記第2搬送ローラ対の回転速度を減速するか、少なくともいずれかをおこなうことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
前記調整モードは、前記撓み量が前記所定値よりも小さな第2所定値を下回った場合に、前記第1搬送ローラ対の回転速度を増速するか、前記第2搬送ローラ対の回転速度を減速するか、少なくともいずれかをおこなうことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記調整モードは、前記搬送経路にシートが搬送されるたびに実行されて、先行のシートによって調整された回転速度によって後行のシートが搬送されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項6】
操作部の操作によって前記調整モードの実行の有無を選択可能であることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項7】
複数枚のシートを収納可能に構成されて、前記搬送経路に向けてシートを給送可能な複数の給送装置を備え、
前記複数の給送装置ごとに、前記調整モードにおいて調整された回転速度が記憶されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記搬送経路に搬送されるシートの種類ごとに、前記調整モードにおいて調整された回転速度が記憶されることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記第1搬送ローラ対は、シート上に担持された未定着画像を定着する定着ローラと加圧ローラとであることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項10】
前記第1搬送ローラ対は、感光体ドラムと転写ローラとで構成され、
前記第2搬送ローラ対は、シート上に担持された未定着画像を定着する定着ローラと加圧ローラとであることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれかに記載のシート搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シートを搬送するシート搬送装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機や印刷機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタや印刷機等の画像形成装置において、シートを所定の搬送方向に搬送するシート搬送装置が設置されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1には、用紙(シート)の撓みや引張りを適正化することを目的として、2つの搬送ローラ対の間に、用紙の撓み量を測定するセンサを設置するとともに、下流側の搬送ローラ対を駆動するモータのトルクを検出するトルク検出手段とを設けて、先行の用紙を搬送したときの撓み量の測定結果とトルク検出手段の検出結果とに基づいて、後行の用紙の搬送速度を調整する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシート搬送装置は、シートが、上流側と下流側とにそれぞれ設置された2つの搬送ローラ対によって挟持・搬送されるときに、撓み過ぎてしまう不具合が生じてしまっていた。そして、そのような場合、大きく撓んだシートが搬送ガイド板に接触するなどして、搬送不良や画像コスレなどの不具合が生じてしまっていた。
これに対して、特許文献1では、用紙の撓み量を測定するセンサを設置するとともに、下流側の搬送ローラ対を駆動するモータのトルクを検出するトルク検出手段とを設けて、シートの撓みが適正化されるように調整制御しようとしているものの、その調整精度が不充分であるとともに、装置や制御が複雑化してしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、上流側と下流側とにそれぞれ設置された2つの搬送ローラ対によってシートが挟持・搬送されるときに、シートが撓み過ぎる不具合が充分かつ効率的に軽減される、シート搬送装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるシート搬送装置は、シートが所定の搬送方向に搬送される搬送経路に配置された第1搬送ローラ対と、前記搬送経路において前記第1搬送ローラ対に対して搬送方向下流側に配置された第2搬送ローラ対と、前記搬送経路において前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対との間に配置されて、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対とに挟持された状態で搬送されるシートの表面までの距離を検知する検知手段と、前記第1搬送ローラ対を回転駆動する第1駆動手段と、前記第2搬送ローラ対を回転駆動する第2駆動手段と、を備え、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記第1駆動手段と前記第2駆動手段とのうち少なくとも一方を制御して、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対とのうち少なくとも一方の回転速度を調整する調整モードを実行可能に構成され、前記調整モードが実行される前に、前記シートに撓みが形成された状態になるように、前記第1搬送ローラ対の回転速度を増速するか、前記第2搬送ローラ対の回転速度を減速するか、少なくともいずれかをおこなうものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上流側と下流側とにそれぞれ設置された2つの搬送ローラ対によってシートが挟持・搬送されるときに、シートが撓み過ぎる不具合が充分かつ効率的に軽減される、シート搬送装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】シート搬送装置の要部を示す図である。
図3】シートに撓みが生じている状態を示す図である。
図4】調整モードを実行するときの制御を示すフローチャートである。
図5】シートの種類ごとに調整モードにおける調整値を設定する制御を示すフローチャートである。
図6】給送装置ごとに調整モードにおける調整値を設定する制御を示すフローチャートである。
図7】変形例1におけるシート搬送装置において、シートに撓みが生じている状態を示す図である。
図8】変形例1における、調整モードを実行するときの制御を示すフローチャートである。
図9】変形例2における、操作部の画面を示す図である。
図10】変形例3における、調整モードを実行するときの制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像をシートPに転写する転写ローラ、を示す。
また、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部(自動原稿搬送装置)、12、13は給送カセット内に収納されたシートPを給送する給送装置、を示す。
また、17は転写ローラ7に向けてシートPを搬送するレジストローラ対(タイミングローラ対)、20はシートP上に担持されたトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、51は装置本体1から排出されたシートPが積載される排出トレイ、を示す。
また、61~65は搬送経路Kにおける所定位置にシートPがあるか否かを光学的に検知する検知センサ、100は画像形成装置1における種々の情報を表示したり種々の指令を入力したりするための操作表示パネル、を示す。
【0011】
図1を参照して、画像形成装置本体1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送(給送)されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
なお、本実施の形態では、原稿Dを原稿搬送部10で搬送しながら原稿読込部2で原稿Dの画像情報を読み取ったが、原稿読込部2の原稿セット部上に原稿Dを手動で載置して原稿Dの画像情報を読み取ってもよい。
また、画像形成装置1がプリンタとして用いられる場合には、パソコンなどの入力装置から画像形成装置1に受信された画像情報に基づいて、露光部3から感光体ドラム5上に露光光Lが発せられることになる。
【0012】
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図1の時計方向(シートPの搬送方向に沿う方向である。)に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写ローラ7との転写ニップで、レジストローラ対17により搬送されたシートP上に転写される。
【0013】
一方、転写ローラ7(転写ニップ)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給送装置12、13のうち、1つの給送装置が自動又は手動で選択される(例えば、下段の給送装置13が選択されたものとする。)。そして、給送装置13に収納された用紙などのシートPの最上方の1枚が、給送機構52によって給送されて、搬送経路に向けて搬送される。その後、シートPは、複数の搬送ローラ対が配設された搬送経路Kを通過して、レジストローラ対17の位置に達する。そして、レジストローラ対17によって、シートPが、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ローラ7(転写ニップ)に向けて搬送される。
【0014】
そして、転写工程後のシートPは、転写ローラ7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ22と加圧ローラ23との間に送入されて、定着ローラ22から受ける熱と双方の部材22、23から受ける圧力とによってトナー像が定着される(定着工程である)。トナー像が定着された定着工程後のシートPは、定着ローラ22と加圧ローラ23との間(定着ニップである。)から送出された後に、搬送経路Kを通過して、第2搬送ローラ対25によってさらに搬送される。そして、シートPは、画像形成装置本体1から排出されて、出力画像として排出トレイ51上に積載されることになる。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0015】
次に、本実施の形態における画像形成装置1において特徴的な、シート搬送装置30について詳述する。
図1図2に示すように、本実施の形態における画像形成装置1には、シートPを所定の搬送方向に搬送するシート搬送装置30が設けられている。
特に、本実施の形態においては、定着装置20から、その下流側の第2搬送ローラ対25に至る搬送経路Kに、特徴的なシート搬送装置30が設けられている。
【0016】
図2に示すように、搬送経路Kでは、シートPが所定の搬送方向(白矢印方向)に搬送される。そして、その搬送経路Kには、上流側から、第1搬送ローラ対21、検知手段としての測距センサ29、第2搬送ローラ対25が設けられている。また、シート搬送装置30には、第1搬送ローラ対21、測距センサ29(検知手段)、第2搬送ローラ対25の他に、第1搬送ローラ対21を回転駆動する第1駆動手段としての第1モータ61や、第2搬送ローラ対25を回転駆動する第2駆動手段としての第2モータ62などが設置されている。
【0017】
詳しくは、第1搬送ローラ対21は、駆動ローラとしての定着ローラ22と、従動ローラとしての加圧ローラ23と、で構成されている。すなわち、本実施の形態における第1搬送ローラ対21は、シートP上に担持された未定着画像を定着する定着ローラ22と加圧ローラ23とで構成されている。そして、制御部90に制御された第1モータ61(第1駆動手段)によって定着ローラ22が時計方向に回転駆動されることで、加圧ローラ23が反時計方向に従動回転して、そのニップに挟持されたシートPを白矢印方向に搬送することになる。
第2搬送ローラ対25は、駆動ローラ26と従動ローラ27とで構成されていて、搬送経路Kにおいて第1搬送ローラ対21に対して搬送方向下流側に配置されている。そして、制御部90に制御された第2モータ62(第2駆動手段)によって駆動ローラ26が時計方向に回転駆動されることで、従動ローラ27が反時計方向に従動回転して、そのニップに挟持されたシートPを白矢印方向に搬送することになる。
ここで、第1モータ61と第2モータ62とは、それぞれ独立したモータであるとともに、それぞれ回転数可変型のモータである。すなわち、第1搬送ローラ対21や第2搬送ローラ対25の回転速度を別々に調整可能に構成されている。なお、後述する調整モードにおいて、第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対25とのうち一方の回転速度のみを調整する場合には、対応するモータのみを回転数可変型のものとすることができる。
【0018】
検知手段としての測距センサ29は、搬送経路Kにおいて第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対25との間に配置されている。そして、測距センサ29は、第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対とに挟持された状態で搬送されるシートPの表面までの距離Hを光学的に検知する検知手段として機能する。
具体的に、本実施の形態において、測距センサ29は、第1搬送ローラ対21ニップと第2搬送ローラ対25のニップとを結ぶ仮想線分のほぼ中央位置の上方であって、搬送されるシートPの幅方向(搬送方向に直交する方向であって、図2の紙面垂直方向である。)のほぼ中央位置の上方に、シートPの搬送を妨げないように配置されている。
【0019】
そして、測距センサ29(検知手段)の検知手段の検知結果(距離H)に基づいて、第1モータ61(第1駆動手段)と第2モータ62(第2駆動手段)とのうち少なくとも一方を制御して、第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対25とのうち少なくとも一方の回転速度を調整する「調整モード」が実行される。
詳しくは、本実施の形態では、図2に示すように、シートPが第1、第2搬送ローラ対21、25によって挟持・搬送されているときに、そのシートPとの距離Hを測距センサ29によって検知している。そして、制御部90で、その測距センサ29で測定した距離Hが所定範囲内に入るように、第2モータ62を制御している。具体的に、測距センサ29で検知した距離Hが所定範囲外である場合には、シートPに大きな撓みW(図3参照)が生じているものとして、第2モータ62の回転数を増加して第2搬送ローラ対25の回転速度を増速して、その撓みWが小さくなるようにしている。
【0020】
なお、本実施の形態では、測距センサ29(検知手段)の検知手段の検知結果に基づいて第2モータ62(第2駆動手段)を制御して、第2搬送ローラ対25の回転速度を調整しているが、測距センサ29(検知手段)の検知手段の検知結果に基づいて第1モータ61(第1駆動手段)を制御して、第1搬送ローラ対21の回転速度を調整することもできる。その場合、シートPに大きな撓みWが形成されたときに、第1モータ61の回転数を減少して第1搬送ローラ対21の回転速度を減速して、その撓みWが小さくなるようすることになる。
さらには、測距センサ29の検知手段の検知結果に基づいて第1、第2モータ61、62を制御して、第1、第2搬送ローラ対21、25の回転速度を調整することもできる。その場合、シートPに大きな撓みWが形成されたときに、第1モータ61の回転数を減少して第1搬送ローラ対21の回転速度を減速するとともに、第2モータ62の回転数を増加して第2搬送ローラ対25の回転速度を増速して、その撓みWが小さくなるようすることになる。
また、調整モードに関わる測距センサ29の検知結果は、検知対象(補正対象)となるシートPが搬送される間に、1回検知したものであっても良いし、複数回検知したものを平均化したものであっても良い。
【0021】
さらに具体的に、本実施の形態では、図3(A)のようにシートPが上方に撓む場合と、図3(B)のようにシートPが下方に撓む場合と、の双方を想定して、次のように調整モードをおこなっている。
図3に示すように、第1搬送ローラ対21のニップと第2搬送ローラ対25のニップとを通る仮想平面Mと、測距センサ29(検知手段)の検知面と、の距離を基準距離H0としている。この仮想平面Mは、撓みのないシートPの表面と同じであるため、基準距離H0は、撓みのないシートPの表面に対する距離になる。
そして、図3(A)に示すように、測距センサ29(検知手段)によって検知されるシートPの表面までの検知距離Hが基準距離H0よりも短い場合(H<H0)には、基準距離H0から検知距離Hを減じた値(H0-H)を撓み量Wとしている。
これに対して、図3(B)に示すように、測距センサ29によって検知されるシートPの表面までの検知距離Hが基準距離H0よりも長い場合(H>H0)には、検知距離Hから基準距離H0を減じた値(H-H0)を撓み量Wとしている。
そして、「調整モード」は、上述したようにして求めた撓み量Wが所定値W1を超えた場合に、第1搬送ローラ対21の回転速度を減速するか、第2搬送ローラ対25の回転速度を増速するか、少なくともいずれかをおこなうことになる(本実施の形態では、第2搬送ローラ対25の回転速度の増速をおこなっている)。
このような制御をおこなうことで、シートPの撓み方向に関わらず、その撓み量Wを精度良く検知して、その撓みWを減ずることができる。
【0022】
このように、本実施の形態におけるシート搬送装置30は、2つの搬送ローラ対21、25の間に配置した測距センサ29によって、2つの搬送ローラ対21、25によって挟持・搬送されるシートPとの距離H(撓み量W)を検知して、その検知結果に基づいて第2搬送ローラ対25(又は/及び、第1搬送ローラ対21)の回転速度を調整しているため、シートPに大きな撓みWが形成されてしまう不具合を充分かつ効率的に軽減することができる。したがって、大きく撓んだシートPが搬送ガイド板24(図1参照)に接触するなどして、シートPの搬送不良や、シートP上の画像にコスレ(画像コスレ)が生じる不具合なども軽減される。
【0023】
また、搬送ローラ対21、25は、それぞれのローラの材質、ローラ径や、温度や、シートPの状態などによって、狙いの搬送速度に対して誤差が生じてしまう場合がある。そして、上流側の搬送ローラ対21と下流側の搬送ローラ対25とのいずれかに、そのような誤差が生じてしまうと、シートPの撓みW(又は、引張り)が生じてしまうことになる。特に、定着装置20や転写ローラ7(転写ニップ)の近傍でそのような不具合が生じてしまうと、シートPの巻きつきジャム、蛇腹ジャム、搬送ガイド板への貼りつき、シワ、光沢ムラ、画像コスレ、汚れなどが生じやすい。これに対して、本実施の形態では、シートPの撓みWを精度良く検知して、その検知結果に基づいて調整モードを実行して、大きな撓みWの発生を防止しているため、そのような不具合の発生を軽減することができる。
【0024】
また、本実施の形態におけるシート搬送装置30は、定着ローラ22と加圧ローラ23とで構成される第1搬送ローラ対21を用いているが、この第1搬送ローラ対21は画像形成装置本体1の寿命よりも短いサイクルで定着装置20ごと交換される。一方、第2搬送ローラ対25は、画像形成装置本体1が寿命に達するまで交換されないことが多い(装置本体1とともに寿命を迎える。)。そのため、第2搬送ローラ対25は、摩耗やトナー、紙粉などの付着により、経時になるほど搬送能力が低下してしまう。したがって、そのように搬送能力が低下した第2搬送ローラ対25と、交換されたばかりの第1搬送ローラ対21と、によって挟持・搬送されるシートPには大きな撓みWが生じやすくなる。そのようなことからも、本実施の形態における調整モードを実行することが有用になる。
【0025】
ここで、本実施の形態において、「調整モード」は、搬送経路KにシートPが搬送されるたびに実行されて、先行のシートPによって調整された回転速度によって後行のシートPが搬送されるようにしている。
すなわち、先行シートPとの距離Hを測距センサ29で検知して、その検知結果に基づいて第2搬送ローラ対25(又は、第1搬送ローラ対21)の回転速度が調整されると、次に後行シートPが搬送されるときには、先に調整した回転速度で第2搬送ローラ対25(又は、第1搬送ローラ対21)が回転駆動されることになる。
このような制御をおこなうことで、第1、第2搬送ローラ対21、25自体に起因してシートPに大きな撓みWが形成されている場合などに、シートPが通紙されるたびに調整モードを実行する手間がなくなる。したがって、制御の効率が向上することになる。
【0026】
以下、まとめとして、図4のフローチャートを用いて、調整モードのフローについて説明する。
図4に示すように、まず、ユーザーによる操作表示パネル100(図1参照)の操作によって印刷指示がされると(ステップS1)、給送装置12、13からシートPが搬送されて、そのシートPが第1、第2搬送ローラ対21、25に挟持・搬送されるときに測距センサ29によって距離H(撓み量W)が検知される(ステップS2)。そして、検知した撓み量Wが所定値W1以上であるかが判別される(ステップS3)。
その結果、撓み量Wが所定値W1以上でないものと判別された場合には、搬送不良や画像不良が生じるほどの大きな撓みWが生じていないものとして、そのまま本フロー(調整モード)を終了する。
これに対して、撓み量Wが所定値W1以上であるものと判別された場合には、搬送不良や画像不良が生じるほどの大きな撓みWが生じているものとして、第2搬送ローラ対25の回転速度を増速して(ステップS4)、撓み量Wが所定値W1を下回るまでステップS2以降のフローが繰り返される。
なお、ステップS4にて、検知した撓み量Wの大きさに応じて、回転速度の変化の割合を可変することもできる。すなわち、撓み量Wが大きい場合には、小さい場合に比べて、第2搬送ローラ対25を増速する割合を大きくすることができる。
【0027】
ここで、本実施の形態では、搬送経路Kに搬送されるシートPの種類ごとに、調整モードにおいて調整された回転速度が記憶されるように構成している。
これは、シートPの種類(銘柄、厚さ、サイズなどである。)に応じて、撓みやすさが異なるためである。すなわち、シートPの種類ごとに、大きな撓みWを生じさせない最適な搬送ローラ対の調整値(回転速度)が異なるためである。
具体的に、図5に示すように、まず、印刷指示がされると(ステップS10)、ユーザーによって操作表示パネル100に入力されたシートPに関する情報に基づいて、搬送されるシートPの種類が検出される(ステップS11)。そして、ステップS11で検出されたシートPの種類に応じて、制御部90に記憶された制御テーブルを参照して、そのシートPの種類に最適な調整値(シートPの種類ごとに記憶された回転速度)が決定される(ステップS12)。そして、調整モードが実行されるときに、その決定した調整値(回転速度)で第1、第2搬送ローラ対21、25によってシートPが挟持・搬送される(ステップS13)。このとき、調整モードにおいて、第1、第2搬送ローラ対21、25の調整値(回転速度)が変更されたときには、その変更した調整値を制御テーブルに記憶されていたものから書き換える(ステップS14)。こうして、本フローを終了する。
【0028】
また、本実施の形態では、複数の給送装置12、13(複数枚のシートPを収納可能に構成されて、搬送経路Kに向けてシートを給送可能な複数の給送装置である。)ごとに、調整モードにおいて調整された回転速度が記憶されるように構成している。
これは、給送装置12、13ごとに異なる種類のシートPが収納されることがあるためである。そのような場合、搬送されるシートPが収納されている給送装置12、13ごとに、大きな撓みWを生じさせない最適な搬送ローラ対の調整値(回転速度)が異なることになる。
具体的に、図6に示すように、まず、印刷指示がされると(ステップS10)、ユーザーによって操作表示パネル100に入力された、使用される給送装置12、13の情報と、それぞれに収納されたシートPに関する情報と、に基づいて、給送装置(例えば、上段の給送装置12である。)が検出される(ステップS21)。そして、ステップS21で検出された給送装置12に応じて、制御部90に記憶された制御テーブルを参照して、その給送装置12に収容されたシートPに最適な調整値(給送装置ごとに記憶された回転速度)が決定される(ステップS12)。そして、調整モードが実行されるときに、その決定した調整値(回転速度)で第1、第2搬送ローラ対21、25によってシートPが挟持・搬送される(ステップS13)。このとき、調整モードにおいて、第1、第2搬送ローラ対21、25の調整値(回転速度)が変更されたときには、その変更した調整値を制御テーブルに記憶されていたものから書き換える(ステップS14)。こうして、本フローを終了する。
【0029】
<変形例1>
図7を参照して、変形例1における「調整モード」は、先に図3を用いて説明した制御に加えて、撓み量Wが第2所定値W2(図3で説明した所定値としての第1所定値W1よりも小さな値である。)を下回った場合に、第1搬送ローラ対19の回転速度を増速するか、第2搬送ローラ対21の回転速度を減速するか、少なくともいずれかをおこなっている(変形例1では、第2搬送ローラ対21の回転速度の減速をおこなっている)。
また、変形例1では、第1搬送ローラ対19として感光体ドラム5と転写ローラ7とで構成されたものを用いて、第2搬送ローラ対21として定着ローラ22と加圧ローラ23とで構成されたものを用いたシート搬送装置30(搬送経路K)において、第1搬送ローラ対19と第2搬送ローラ対21との間に測距センサ29が配置されている。なお、図7では、簡単のため、感光体ドラム5、転写ローラ7、定着ローラ22、加圧ローラ23を同等のローラ径で図示している。
このような制御をおこなうことで、シートPの撓み方向に関わらず、その撓み量Wを精度良く検知して、その撓みWを減ずることができるとともに、シートPに僅かな撓みW(第2所定値W2以上の撓みである。)を形成してシートPが引っ張られ過ぎないようにすることができる。
特に、感光体ドラム5と転写ローラ7とで構成された第1搬送ローラ対19と、定着ローラ22と加圧ローラ23とで構成された第2搬送ローラ対21と、によるシート搬送装置は、2つの搬送ローラ対19、21の間でシートPが引っ張られた状態になると、転写ニップでシートPがスリップして画像の倍率が搬送方向で大きくなる倍率誤差や、シートPが転写ニップを抜けで跳ねて転写ガイド板18(図1参照)に接触して汚れる不具合などが生じやすくなる。これに対して、変形例1では、2つの搬送ローラ対19、21の間で、シートPに適度な撓みWが形成されるように調整モードを実行しているため、そのような不具合が生じにくくなる。
また、変形例1でも、2つの搬送ローラ対19、21の間で、シートPに大き過ぎる撓みWが形成されないように調整モードを実行しているため、定着装置20(第2搬送ローラ対21)でシワが生じる不具合や、搬送ガイド板との接触により画像コスレや搬送不良が生じる不具合なども軽減されることになる。
【0030】
以下、図8のフローチャートを用いて、変形例1における調整モードのフローについて説明する。
図8に示すように、まず、ユーザーによる操作表示パネル100(図1参照)の操作によって印刷指示がされると(ステップS1)、給送装置12、13からシートPが搬送されて、そのシートPが第1、第2搬送ローラ対21、25に挟持・搬送されるときに測距センサ29によって距離H(撓み量W)が検知される(ステップS2)。そして、検知した撓み量Wが第1所定値W1以上であるかが判別される(ステップS3)。その結果、撓み量Wが第1所定値W1以上であるものと判別された場合には、大きな撓みWが生じているものとして、第2搬送ローラ対25の回転速度を増速して(ステップS4)、撓み量Wが第1所定値W1を下回るまでステップS2以降のフローが繰り返される。
これに対して、ステップS3で撓み量Wが第1所定値W1以上でないものと判別された場合には、さらにその撓み量Wが第2所定値W2以下でないかが判別される(ステップS5)。その結果、撓み量Wが第2所定値W2以下であるものと判別された場合には、撓みWがほとんどなくて引っ張られた状態であるものとして、第2搬送ローラ対25の回転速度を減速して(ステップS6)、撓み量Wが第2所定値W2を上回るまでステップS2以降のフローが繰り返される。
そして、撓み量Wが第2所定値W2以上であって第1所定値W1以下に最適化された後に、本フローを終了する。
【0031】
<変形例2>
変形例2におけるシート搬送装置30(画像形成装置1)は、図9を参照して、操作部としての操作表示パネル100の操作によって「調整モード」の実行の有無を選択可能に構成されている。
変形例2では、サービスマンやユーザーなどの操作者が、実際の出力画像の画質やシートPの搬送不良の有無をみながら、図9に示す操作表示パネル100の画面にアクセスして、画面上のボタンを押して、調整モードにおける搬送ローラ対21、25の調整値(回転速度)を自由に設定することができる。また、画質不良や搬送不良などの不具合が生じておらず調整モードの実行が不要と考える場合などには、そのような操作をキャンセルすることもできる。
このように構成することで、操作者にとって、より細かな調整をおこないたい場合や、調整を必要としない場合など、選択肢の幅が広がることになる。
【0032】
<変形例3>
変形例3における調整モードは、調整モードが実行される前に、シートPの撓み量Wが増加するように(シートPにある程度の撓みが形成されるように)、第1搬送ローラ対21の回転速度を増速するか、第2搬送ローラ対25の回転速度を減速するか、少なくともいずれかをおこなっている(変形例3では、第2搬送ローラ対21の回転速度の減速をおこなっている)。
図10は、変形例3における調整モードを示したフローチャートであるが、ステップS1で印刷指示がおこなわれた後であって、ステップS2でシートPの搬送がおこなわれる前に、ステップS30で第2搬送ローラ対25の回転速度が減速されるようにプレ調整している点が、図8に示す制御フローと異なる。
このような制御をおこなうことで、調整モードが実行される前に事前にシートPの撓みW(搬送不良や画像不良などの不具合が生じない程度の撓みである。)が形成された状態になるため、その後の調整モードがおこなわれるときの調整動作のバラツキが少なくなる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態におけるシート搬送装置30は、シートPが所定の搬送方向に搬送される搬送経路Kに配置された第1搬送ローラ対21と、搬送経路Kにおいて第1搬送ローラ対21に対して搬送方向下流側に配置された第2搬送ローラ対25と、搬送経路Kにおいて第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対25との間に配置されて第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対25とに挟持された状態で搬送されるシートKの表面までの距離Hを検知する測距センサ29(検知手段)と、第1搬送ローラ対21を回転駆動する第1モータ61(第1駆動手段)と、第2搬送ローラ対25を回転駆動する第2モータ62(第2駆動手段)と、が設けられている。そして、測距センサ29の検知結果に基づいて、第1モータ61と第2モータ62とのうち少なくとも一方を制御して、第1搬送ローラ対21と第2搬送ローラ対25とのうち少なくとも一方の回転速度を調整する調整モードが実行される。
これにより、上流側と下流側とにそれぞれ設置された2つの搬送ローラ対21、25によってシートPが挟持・搬送されるときに、シートPが撓み過ぎる不具合を充分かつ効率的に軽減することができる。
【0034】
なお、本実施の形態(及び、変形例1~3)では、モノクロの画像形成装置1に設置されるシート搬送装置30に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置されるシート搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態(及び、変形例1~3)では、電子写真方式の画像形成装置1に設置されるシート搬送装置30に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に設置されるシート搬送装置に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態(及び、変形例1~3)では、画像形成装置1において画像(定着画像、又は、未定着画像)が担持された後のシートPを搬送するシート搬送装置30に対して本発明を適用したが、画像が担持される前のシートを搬送するシート搬送装置に対しても本発明を適用することができるし、シート搬送装置としての原稿搬送部10(自動原稿搬送装置)に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0035】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0036】
なお、本願明細書等において、「シート」とは、用紙(紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、金属シート、フィルム、等のシート状の記録媒体のすべてを含むものと定義する。
【符号の説明】
【0037】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
5 感光体ドラム、
7 転写ローラ、
12、13 給送装置、
20 定着装置、
21 第1搬送ローラ対、
22 定着ローラ(駆動ローラ)、
23 加圧ローラ(従動ローラ)、
25 第2搬送路オーラ対、
26 駆動ローラ、
27 従動ローラ、
29 測距センサ(検知手段)、
30 シート搬送装置、
61 第1モータ(第1駆動手段)、
62 第2モータ(第2駆動手段)、
100 操作表示パネル(操作部)、
P シート、 K 搬送経路、
M 仮想平面、
H0 基準距離、 W1 所定値(第1所定値)、 W2 第2所定値。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【文献】特開2014-201409号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10