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特許7432373反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置
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  • 特許-反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置 図1
  • 特許-反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置 図2
  • 特許-反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置 図3
  • 特許-反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240208BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240208BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01L21/304 648E
H01L21/31 B
C23C16/44 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020009396
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021118226
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(73)【特許権者】
【識別番号】000190138
【氏名又は名称】信越石英株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】中田 徹
(72)【発明者】
【氏名】木村 博至
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 徹
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-008216(JP,A)
【文献】特開平11-219925(JP,A)
【文献】特開2009-289960(JP,A)
【文献】特開平02-207801(JP,A)
【文献】特開2019-067820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02-21/48
B08B 1/00-17/00
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応管をアニールする第1アニール工程、前記第1アニール工程後の前記反応管の内周面を、第1濃度のフッ素化合物を含む液で洗浄する第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程で用いた前記フッ素化合物を純水により洗い流す、1回以上の第1リンス工程を有し、且つ、前記第1アニール工程、前記第1洗浄工程、及び、前記1回以上の第1リンス工程を1サイクルとして、該1サイクルを1回又は複数回行う工程と、
前記反応管をアニールする第2アニール工程と、
第2アニール工程後の前記反応管の内周面を、前記第1濃度より高い第2濃度のフッ素化合物を含む液体で洗浄する第2洗浄工程と、
前記第2洗浄工程で用いた前記フッ素化合物を純水により洗い流す第2リンス工程と、を有し、
該第2リンス工程を2回以上行
前記第1リンス工程及び前記第2リンス工程が、各々、
前記純水に接触させて前記反応管を湿らす湿潤工程と、
前記純水に接触させた前記反応管を揺らす揺動工程と、
前記純水に接触させた前記反応管を、当該反応管の周方向に回転させる回転工程と、
を含む、反応管の洗浄方法。
【請求項2】
前記第2リンス工程の回数が前記第1リンス工程の回数以上である、請求項に記載の反応管の洗浄方法。
【請求項3】
前記第2リンス工程の回数が7回以上である、請求項又は請求項に記載の反応管の洗浄方法。
【請求項4】
前記反応管内に、高周波電極及びガスノズルのうち少なくとも一方を収容するバッファ室が設けられている、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の反応管の洗浄方法。
【請求項5】
反応管をアニールする第1アニール工程、前記第1アニール工程後の前記反応管の内周面を、第1濃度のフッ素化合物を含む液で洗浄する第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程で用いた前記フッ素化合物を純水により洗い流す、1回以上の第1リンス工程を有し、且つ、前記第1アニール工程、前記第1洗浄工程、及び、前記1回以上の第1リンス工程を1サイクルとして、該1サイクルを1回又は複数回行う工程と、
前記反応管をアニールする第2アニール工程と、
第2アニール工程後の前記反応管の内周面を、前記第1濃度よりも高い第2濃度のフッ素化合物を含む液体で洗浄する第2洗浄工程と
記第2洗浄工程で用いた前記フッ素化合物を純水により洗い流す第2リンス工程と、
を有し、前記第2リンス工程を2回以上行う、反応管の洗浄工程と、
前記洗浄工程後の反応管の内部に設けられる処理室に基板を収容して、当該基板を処理する基板処理工程と、
を有し、
前記反応管の洗浄工程が、
前記第1リンス工程及び前記第2リンス工程が、各々、
前記純水に接触させて前記反応管を湿らす湿潤工程と、
前記純水に接触させた前記反応管を揺らす揺動工程と、
前記純水に接触させた前記反応管を、当該反応管の周方向に回転させる回転工程と、
を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記基板処理工程が、
複数枚の基板を基板保持具に保持させる工程と、
前記複数枚の基板を保持した前記基板保持具を前記洗浄工程後の反応管内に収容する工程と、
を含む、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記基板処理工程が、
前記洗浄工程後の反応管内に供給された第1の処理ガスと第2の処理ガスとにより前記基板を処理する工程である、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の処理ガスが第1の層を形成する原料ガスであり、且つ、前記第2の処理ガスが前記第1の層を改質して第2の層を形成する反応ガスである、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記基板処理工程が、前記洗浄工程後の反応管内に収容された基板を加熱して行われる、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の反応管の洗浄方法により洗浄された反応管と、
該反応管の内部に設けられ、複数枚の基板を保持した基板保持具を収容する処理室と、
前記処理室を加熱する加熱部と、
前記基板に第1の層を形成する原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
前記第1の層を改質して第2の層を形成する反応ガスを供給する反応ガス供給系と、
前記処理室に収容された前記基板の温度を所定の温度範囲に維持しつつ、前記原料ガス及び前記反応ガスを供給して前記基板を処理するよう、前記加熱部、前記原料ガス供給系、及び前記反応ガス供給系を制御する制御部と、
を有する基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多孔質焼結体を用いた耐熱性半導体製造治具を薬液による洗浄後に純水、蒸気その他のリンス媒体を用いてリンスを行なう洗浄方法において、前記薬液若しくはリンス媒体に加圧力を付勢して耐熱性治具の一側空間より他側空間へ押し出し洗浄を行なうことを特徴とする耐熱性半導体製造治具の洗浄方法、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-219925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置の製造に用いる反応管に対しては、フッ素化合物を含む薬液による洗浄を行い、その後、純水を用いたリンス処理が行われている。
しかしながら、リンス処理が不十分であると、反応管の内周面に残留したフッ素化合物が、半導体装置の製造の際に用いられるクリーニングガス、プロセスガス等と反応してしまい、反応管自体にダメージを与えることがある。
【0005】
本開示の目的は、フッ素化合物を含む薬液による洗浄を行っても、フッ素化合物の反応管の内周面への残留を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
反応管をアニールする第1アニール工程、前記第1アニール工程後の前記反応管の内周面を、第1濃度のフッ素化合物を含む液で洗浄する第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程で用いた前記フッ素化合物を純水により洗い流す第1リンス工程を有し、且つ、前記第1リンス工程を1回以上行うサイクルを1サイクルとして、該1サイクルを1回又は複数回行う工程と、
反応管をアニールする第2アニール工程と、
第2アニール工程後の石英反応管の内周面を、第1濃度よりも高い第2濃度のフッ素化合物を含む液体で洗浄する第2洗浄工程と、
第2洗浄工程で用いたフッ素化合物を純水により洗い流す第2リンス工程と、
を有し、
該第2リンス工程を2回以上行う、技術が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、フッ素化合物を含む薬液による洗浄を行っても、フッ素化合物の反応管の内周面への残留を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施態様に係る反応管の洗浄方法に用いられるリンス工程を説明する図である。
図2】本開示の実施態様に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置を示した概略構成図である。
図3】本開示の実施態様に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置を示し、図1のA-A線断面図である。
図4】本開示の実施態様に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置に備えられたコントローラを説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施態様に係る反応管の洗浄方法、半導体装置の製造方法、及び基板処理装置について図1図4に従って説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0010】
<反応管の洗浄方法>
本実施態様に係る反応管の洗浄方法では、アニールした後の反応管について、低濃度のフッ素化合物を含む液体にて内周面を洗浄する第1洗浄工程と、フッ素化合物を純水にて洗い流す第1リンス工程と、を含む1サイクルを行うことによって、反応管の製造過程及び加工過程で発生する付着物や不純物(特に、金属含有の付着物や不純物)等の除去性を高めている。その後の第2アニール工程を経た後に、高濃度のフッ素化合物を含む液体にて反応管の内周面を洗浄する第2洗浄工程を行い、1サイクルを経ても除去しきれなかった付着物や不純物を除去した後、2回以上の第2リンス工程を行い、反応管の内周部に残留するフッ素化合物を十分に除去する。
なお、反応管としては「石英反応管」が挙げられ、以降、石英反応管を単に「反応管」という場合もある。
【0011】
ここで、フッ素化合物としてはフッ化水素(HF)が用いられることが多く、このフッ化水素が石英反応管の内周部に残留すると、石英反応管を構成するSiOと反応して、石英反応管を侵食し、ヘキサフルオロケイ酸2水和物(HSiF・2HO)等の析出物が生じる。
特に、石英反応管中にヒドロキシル基が多いと、経時や加温により、このヒドロキシル基と析出物(ヘキサフルオロケイ酸2水和物)とが反応し、フッ素原子に置換されてしまう。これにより、石英反応管の内周面の表層にフッ素原子が取り込まれる。
表層に取り込まれたフッ素原子は、その後、石英反応管の内部に供給されるガス等の成分や石英反応管の成分との間で更に化学反応を生じさせ、ガス化することがある。このガス化したフッ素化合物は、更に石英反応管を侵食し、加えて、既に浸食された箇所の分圧を高めてしまう。その結果、石英反応管の浸食部位が更に浸食されて大きくなり、石英反応管のダメージが大きくなり、石英反応管の寿命を縮めていた。
【0012】
以上のことを鑑み、本開示者らは、フッ素化合物を含む薬液による洗浄を行ってもフッ素化合物の反応管の内周面への残留を抑制しうる、反応管の洗浄技術について検討した。
本実施態様に係る反応管の洗浄技術は、反応管を高温(例えば1000℃~1200℃)でアニールする第1アニール工程、第1アニール工程後の反応管の内周面を、低濃度(例えば2質量%~5質量%)のフッ素化合物を含む液体で洗浄する第1洗浄工程、及び、第1洗浄工程で用いたフッ素化合物を純水により洗い流す第1リンス工程を有し、且つ、前記第1リンス工程を1回以上(好ましくは2回以上)行うサイクルを1サイクルとして、この1サイクルを1回又は複数回行った後、反応管を高温(例えば1000℃~1200℃)でアニールする第2アニール工程と、第2アニール工程後の反応管の内周面を、高濃度(例えば10質量%~50質量%)のフッ素化合物を含む液体で洗浄する第2洗浄工程と、第2洗浄工程で用いたフッ素化合物を純水により洗い流す第2リンス工程と、を有し、第2リンス工程を2回以上行う。
本実施態様に係る反応管の洗浄技術によれば、石英反応管の付着物、内面表層に取り込まれた不純物等を除去した上で、石英反応管のフッ素化合物の反応管の内周面への残留が抑制されることを見出した。
【0013】
以下、本実施態様に係る反応管の洗浄方法における各工程について説明する。
【0014】
〔第1アニール工程〕
第1アニール工程は、反応管をアニールする工程である。アニール温度は、例えば、1000℃~1200℃が挙げられる。
ここで、第1アニール工程に供される反応管は、その内部に、高周波電極及びガスノズルのうち少なくとも一方を収容するバッファ室を有するものであってもよいし、かかるバッファ室とは別にガスノズルを有するものであってもよい。
この第1アニール工程により、第1洗浄工程で破損しない程度に反応管製作時に残留した歪みの除去を行うことができる。
【0015】
反応管のアニールは、上記の温度によるアニール(熱処理)が可能であれば、その手法には制限はなく、公知の石英反応管のアニール処理の手法が適用できる。
アニール処理時の熱と自重による反応管断面の扁平化の防止の観点からは、反応管のアニールは、反応管を縦にして(即ち、反応管の軸方向を重力方向に平行にして)行われることが好ましい。
【0016】
アニール温度は前述したように1000℃~1200℃が好ましく、1050℃~1150℃がより好ましい。アニール温度でのキープ時間後は、900℃まで徐冷することが更に好ましい。
アニール時間は、アニール温度にて15分間~5時間キープすることが好ましく、30分間~2時間キープすることがより好ましい。アニール温度でのキープ後の徐冷時間は1時間~3時間が更に好ましい。
【0017】
更に、第1アニール工程は、表面残留物質を酸化により気化や分解又は安定化するために、不活性ガス雰囲気よりも酸素を含む酸化性雰囲気にて行われることが好ましい。
【0018】
〔第1洗浄工程〕
第1洗浄工程は、第1アニール工程後の反応管の内周面を、第1濃度のフッ素化合物を含む液体で洗浄する工程である。
この第1洗浄工程により、反応管の内周面の洗浄(主に、反応管の製造過程及び加工過程で発生する付着物や不純物(特に、金属含有の付着物や不純物)等の除去)が行われる。
【0019】
第1洗浄工程における洗浄は、フッ素化合物を含む液体中に反応管を浸漬する方法、フッ素化合物を含む液体をシャワーなどによりかけ流す方法等が挙げられる。
【0020】
第1洗浄工程に用いるフッ素化合物を含む液体としては、フッ化水素(HF)の水溶液(フッ酸)、フッ化水素(HF)と硝酸(HNO)との混合水溶液であるフッ硝酸等が好ましい。フッ酸やフッ硝酸を用いることで、反応管の内周面の表面エッチングが可能となり、上記した付着物や不純物の除去が容易になる。
【0021】
フッ素化合物を含む液体中のフッ素化合物の濃度(即ち、第1濃度)としては、2質量%~6質量%が好ましく、2質量%~5質量%がより好ましく、4質量%~5質量%が更に好ましい。
【0022】
反応管に対するフッ素化合物を含む液体の接触時間(即ち、洗浄時間)としては、10秒間~6時間が好ましく、5分間~2時間がより好ましく、10分間~1時間が更に好ましい。
【0023】
〔第1リンス工程〕
第1リンス工程は、第1洗浄工程で用いたフッ素化合物を純水により洗い流す工程である。
この第1リンス工程により、第1洗浄工程で用いたフッ素化合物が反応管の内周面に残留することを抑制する。
第1リンス工程において、フッ素化合物を純水により洗い流す方法は特に制限はなく、例えば、流水により反応管の内周面を洗い流す方法、純水中に反応管を浸漬して洗浄する方法等の、反応管の内周面に純水に接触させて行う方法が挙げられる。
【0024】
フッ素化合物の除去性及び除去効率の高さ等の観点から、第1リンス工程は、純水に接触させて反応管を湿らす湿潤工程と、純水に接触させた前記反応管を揺らす揺動工程と、純水に接触させた反応管を反応管の周方向に回転させる回転工程と、を含むことが好ましい。
湿潤工程としては、純水中に反応管を浸ける又は反応管全体に純水をかけ流し、反応管の表面を湿潤させればよい。
揺動工程としては、純水中に反応管を浸けながら又は反応管全体に純水をかけ流しながら、反応管を揺らせばよい。
回転工程としては、純水中に反応管を浸けながら又は反応管全体に純水をかけ流しながら、反応管を回転させればよい。
以下、湿潤工程、揺動工程、及び回転工程を含むリンス工程を、「特定リンス工程」ともいう。
【0025】
特定リンス工程について、図1を参照して説明する。図1は、特定リンス工程の一例を示す工程図である。
まず、容器10中に純水を入れ、この純水中に、反応管20を横にして(即ち、反応管の軸方向を水面に平行にして)浸漬する(ST1、湿潤工程)。
その後、純水中に浸漬している反応管20を、例えば30秒間、上下左右に揺らす(ST2、揺動工程)。
続いて、純水中に浸漬している反応管20を、例えば5分間、反応管の周方向(図1中の矢印X方向)に回転させる(ST3、回転工程)。
【0026】
湿潤工程において用いられる純水の温度は、10℃~50℃が好ましく、この特定リンス工程の全工程が、この温度範囲の純水にて行われることが好ましい。
揺動工程において、反応管を揺らす時間としては、10秒間~300秒間が好ましく、30秒間~180秒間がより好ましい。
回転工程において、反応管の回転する時間としては、1分間~20分間が好ましく、3分間~10分間がより好ましい。
なお、湿潤工程、揺動工程、及び回転工程中、反応管の開口部から内周部に対し純水の通水が行われることが好ましい。
【0027】
本実施態様に係る反応管の洗浄方法に適用される反応管は、その内部に、バッファ室が形成されている場合や、バッファ室とガスノズルとが形成されている場合がある。バッファ室やガスノズルの端部には、フッ素化合物が残留し易い。
図1に示す特定リンス工程(即ち、湿潤工程、揺動工程、及び回転工程を有するリンス工程)を経ることで、バッファ室やガスノズルの端部に残留するフッ素化合物を効果的に除去することができる。
より詳細にいえば、純水にて表面全体を湿潤状態にし、純水に表面を接触させながら反応管を揺らすことで、バッファ室やガスノズルの端部に残留するフッ素化合物を効果的に除去することができる。
また、純水にて表面全体を湿潤状態にし、純水に表面を接触させながら反応管をその周方向に回転することで、反応管の内周面に残留するフッ素化合物を効果的に除去することができる。
【0028】
上述した特定リンス工程は、湿潤工程、揺動工程、及び回転工程を1サイクルとしたとき、この1サイクルを2回以上繰り返したほう好ましい。つまり、図1に示す特定リンス工程において、矢印Yのように、ST3で示される回転工程が終了した後、ST1で示される湿潤工程に戻り、特定リンス工程の次サイクルを開始してもよい。
上記1サイクルを2回以上繰り返す場合、使用する純水は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。つまり、1サイクル終了後の次のサイクルは、新たな純水を用いて行ってもよい。
また、上述のように反応管を純水中に浸漬させずに、例えば、ホースで純水を掛け流して洗浄してもよく、また、その場合、純水を掛けながら反応管を揺らしたり、回転させたりしてもよい。
【0029】
本実施態様に係る反応管の洗浄方法は、前述した、第1アニール工程と、第1洗浄工程と、第1リンス工程と、を1サイクルとして、この1サイクルを2回以上行うほうが好ましい。
第1洗浄工程におけるフッ素化合物は、濃度が低いため、反応管の洗浄性能を高めるために、複数回行ってもよい。
一方で、サイクルの回数の上限は、工程に要する時間が長くなること、反応管内面が粗面化するリスクの観点から、20回が好ましい。
【0030】
〔第2アニール工程〕
第1アニール工程と、第1洗浄工程と、第1リンス工程(1回以上、好ましくは2回以上を行う)と、を1サイクルとして、この1サイクルを1回又は複数回行った後、第2アニール工程を行う。
第2アニール工程は、反応管を例えば1000℃~1200℃でアニールする工程である。
この第2アニール工程により、反応管の歪みを最終的に除去することができる。
第2アニール工程の詳細については、前述した第1アニール工程と同様であり、好ましい態様も同様であるため、説明を省略する。
【0031】
〔第2洗浄工程〕
第2洗浄工程は、第2アニール工程後の反応管の内周面を、第1濃度よりも高い第2濃度のフッ素化合物を含む液体で洗浄する工程である。
この第2洗浄工程により、反応管の内周面表層の除去と洗浄(主に、反応管の製造過程及び加工過程で発生する付着物や表層に取り込まれた不純物(特に、金属元素含有の付着物や不純物)等の除去)が行われる。
特に、フッ素化合物の濃度が高いため、金属元素と反応し易く、また、石英反応管表層の除去が速く、金属元素含有の付着物や表層に取り込まれた不純物の除去性に優れる。
【0032】
フッ素化合物を含む液体中のフッ素化合物の濃度(即ち、第2濃度)としては、10質量%~50質量%が好ましく、10質量%~30質量%がより好ましく、10質量%~20質量%が更に好ましい。
【0033】
第2洗浄工程の詳細については、フッ素化合物の濃度以外は、前述した第1洗浄工程と同様であり、好ましい態様も同様であるため、説明を省略する。
【0034】
〔第2リンス工程〕
第2リンス工程は、第2洗浄工程で用いたフッ素化合物を純水により洗い流す工程であり、2回以上を行う。
この第2リンス工程を2回以上行うことにより、第2洗浄工程で用いたフッ素化合物が反応管の内周面に残留することを抑制する。
第2リンス工程において、フッ素化合物を純水により洗い流す方法は特に制限はなく、第1リンス工程に記載の方法を用いることができる。フッ素化合物の除去性及び除去効率の高さ等の点から、第2リンス工程においても特定リンス工程を用いることが好ましい。
【0035】
第2リンス工程に特定リンス工程を用いた場合、この特定リンス工程(即ち、湿潤工程、揺動工程、及び回転工程を1サイクルとした特定リンス工程)を第1リンス工程の回数以上繰り返すことが好ましい。特に、フッ素化合物の除去効果を高めるためには、特定リンス工程の回数は7回以上行うことが好ましく、10回以上行うことがより好ましい。また、特定リンス工程の回数の上限に制限はないが、工程に要する時間が長くなることから、15回以下が好ましい。
また、特定リンス工程における揺動工程及び回転工程は純水をかけ流しつつ行われ、1サイクルを2回以上繰り返す場合、使用する純水は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。つまり、1サイクル終了後の次のサイクルは、新たな純水を用いて行ってもよい。
【0036】
なお、第2リンス工程で用いられる特定リンス工程は、前述した第1リンス工程と同様に純水中に含浸させる方法でもよいが、例えば、ホースのようなもので純水をかけ流し方法が好ましい。これは、第2洗浄工程では、反応管を高濃度のフッ素化合物で洗浄するため、確実に電極や供給ノズルに該当する部分に直接純水を当てて洗い流すことができるためである。なお、特定リンス工程では、第1リンス工程と同様にリンスを行った後、純水を掛け流して更にリンスするようにしてもよい。
【0037】
以上の各工程を経ることで、内周部にフッ素化合物の残留や、内面表層に取り込まれた不純物が抑えられた反応管が得られる。
得られた反応管の内周部におけるフッ素原子(F)の残留量は、内周部の単位面積当たり0.05mg/cm以下(より好ましくは0.01mg/cm以下)を達成することができる。なお、フッ素原子(F)の残留量は、少なければ少ないほどよいが、0.5mg/cm程度までであれば、残留していても実使用上の許容範囲である。
ここで、反応管の内周部におけるフッ素原子(F)の残留量は、反応管の内周面を純水で洗浄し、洗浄した水に含まれるフッ素イオン量をイオン電極法又は滴定法などを用いて測定する。測定したフッ素イオン量を洗浄した内周部の内寸より算出した表面積で割ることによって求めることができる。
また、反応管の内面表層に取り込まれた不純物量は、反応管の内周部の一部を高純度のフッ化水素酸で一定深さまで溶解して、フッ化水素酸に溶け込んだ不純物の量をICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析法)などを用いることで測定できる。ここで、反応管の内周部に取り込まれた不純物として内面表層の深さ5μmのNa濃度を指標とすることができる。
【0038】
<基板処理方法及び基板処理装置>
本実施態様に係る基板処理方法は、前述した、本実施態様に係る反応管の洗浄方法による反応管の洗浄工程、及び、該洗浄工程後の反応管を処理炉内に設置して、この洗浄後の反応管内部に設けられた処理室に基板を収容して、基板を処理する基板処理工程を有する。
また、本実施態様に係る基板処理装置は、本実施態様に係る反応管の洗浄方法により洗浄され、電極及びガス供給ノズルを設置可能に構成されている反応管と、反応管の内部に設けられ、複数枚の基板を保持した基板保持具を収容する処理室と、処理室を加熱する加熱部と、基板に第1の層を形成する原料ガスを供給する原料ガス供給系と、第1の層を改質して第2の層を形成する反応ガスを供給する反応ガス供給系と、処理室に収容された基板の温度を所定の温度範囲に維持しつつ、原料ガス及び反応ガスを供給して基板を処理するよう、加熱部、原料ガス供給系、及び反応ガス供給系を制御する制御部と、を有する。
【0039】
先ず、基板処理装置について図2を参照して説明する。図2に示す基板処理装置100は、上述した洗浄方法で洗浄された反応管203を処理炉202に設置含む基板処理装置100の組み立て、反応管の空焼き等の所定の立上げ工程が終了し、ウエハ200がボート217に載置された状態で処理室201に搬入された状態を示す。本明細書において、以下、単に反応管と称する反応管203は、上述の反応管の洗浄方法により洗浄された反応管である。
【0040】
図2に示すように、基板処理装置100は、処理炉202を有し、処理炉202には、加熱部としてのヒータ207が配設されている。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、後述するようにガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば、石英(SiO)又は炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えば、ステンレス(SUS)等の金属により構成され、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。
【0041】
マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベースに支持されることにより、反応管203は垂直に据え付けられた状態となる。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成されている。処理容器の筒中空部には処理室201が形成されている。処理室201は、複数枚の基板としてのウエハ200を、後述するボート(基板保持具)217によって水平姿勢で垂直方向に多段に配列した状態で収容可能に構成されている。
【0042】
処理室201内には、上下方向に延びたノズル249a(第1のノズル),249b(第2のノズル)が、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a,249bには、ガス供給管232a,232bが、それぞれ接続されている。このように、反応管203には2本のノズル249a,249bと、2本のガス供給管232a,232bとが設けられており、これにより、処理室201内へ複数種類、ここでは2種類のガスを供給することができるように構成されている。
【0043】
ガス供給管232a,232bには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a,241b、及び開閉弁であるバルブ243a,243bがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a,232bのバルブ243a,243bよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管232c,232dがそれぞれ接続されている。ガス供給管232c,232dには、上流方向から順に、流量制御器であるMFC241c,241d、及び開閉弁であるバルブ243c,243dがそれぞれ設けられている。
【0044】
ガス供給管232aの先端部には、ノズル249aが接続されている。ノズル249aは、図3に示されるように、反応管203の内壁とウエハ200との間における円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向(上下方向)上方に向かって立ち上がるように設けられている。即ち、ノズル249aは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うように設けられている。ノズル249aはL字型のロングノズルとして構成されており、その水平部はマニホールド209の側壁を貫通するように設けられており、その垂直部は少なくともウエハ配列領域の一端側から他端側に向かって立ち上がるように設けられている。ノズル249aの側面には、ガスを供給するガス供給孔250aが設けられている。ガス供給孔250aは、反応管203の中心を向くように開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
【0045】
ガス供給管232bの先端部には、ノズル249bが接続されている。ノズル249bは、ガス分散空間であるバッファ室237内に設けられている。バッファ室237は、図3に示されるように、反応管203の内壁とウエハ200との間における円環状の空間に、また、処理室201内の下部より上部にわたる部分に、ウエハ200の積載方向に沿って設けられている。即ち、バッファ室237は、ウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うように設けられている。
【0046】
バッファ室237のウエハ200と隣接する壁の端部には、ガスを供給するガス供給孔250cが設けられている。ガス供給孔250cは、反応管203の中心を向くように開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250cは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
【0047】
ノズル249bは、バッファ室237のガス供給孔250cが設けられた端部と反対側の端部に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載(配列)方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。即ち、ノズル249bは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うように設けられている。ノズル249bもノズル249aと同様にL字型のロングノズルとして構成されている。ノズル249bの側面には、ガスを供給するガス供給孔250bが設けられ、ガス供給孔250bも、ガス供給孔250aと同様に設けられている。
【0048】
ガス供給孔250bのそれぞれの開口面積や開口ピッチを、上流側から下流側にかけて前述のように調節することで、ガス供給孔250bのそれぞれから、流速の差はあるものの、流量がほぼ同量であるガスを噴出させることが可能となる。そして、これら複数のガス供給孔250bのそれぞれから噴出するガスを、一旦、バッファ室237内に導入することで、バッファ室237内においてガスの流速差の均一化を行うことが可能となる。
複数のガス供給孔250bのそれぞれよりバッファ室237内に噴出したガスは、バッファ室237内で各ガスの粒子速度が緩和された後、複数のガス供給孔250cより処理室201内に噴出する。複数のガス供給孔250bのそれぞれよりバッファ室237内に噴出したガスは、ガス供給孔250cのそれぞれより処理室201内に噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとなる。
【0049】
このように、本実施態様では、反応管203の内壁と、積載された複数のウエハ200の端部と、で定義される円環状の縦長の空間内、つまり、円筒状の空間内に配置したノズル249a,249b及びバッファ室237を経由してガスを搬送している。
【0050】
そして、ノズル249a,249b及びバッファ室237にそれぞれ開口されたガス供給孔250a~250cから、ウエハ200の近傍で初めて処理室201内にガスを噴出させている。また、処理室201内におけるガスの主たる流れを、ウエハ200の表面と平行な方向、即ち、水平方向としている。ウエハ200の表面上を流れた、反応後の残ガスは、後述する排気管231の方向に向かって流れる。但し、この残ガスの流れの方向は、排気口の位置によって適宜特定される。
【0051】
ガス供給管232aからは、所定元素を含む原料として、例えば、少なくともシリコン(Si)を含む原料ガスであるシリコン系原料ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201へ供給される。
【0052】
シリコン系原料ガスとは、気体状態のシリコン系原料、例えば、常温常圧下で液体状態であるシリコン系原料を気化することで得られるガスや、常温常圧下で気体状態であるシリコン系原料等のことである。本明細書において「原料」という言葉を用いた場合は、「液体状態である液体原料」を意味する場合、「気体状態である原料ガス」を意味する場合、又はその両方を意味する場合がある。
【0053】
ガス供給管232bからは、反応ガスとして、例えば、窒素含有ガスであるアンモニア(NH)ガスが、MFC241b、バルブ243b、ガス供給管232b、ノズル249b、バッファ室237を介して処理室201内へ供給される。
【0054】
ガス供給管232c,232dからは、不活性ガスとして、例えば、窒素(N)ガスが、それぞれ、MFC241c,241d、バルブ243c,243d、ガス供給管232a,232b、ノズル249a,249b、バッファ室237を介して処理室201内へ供給される。
【0055】
各ガス供給管から前述のようなガスをそれぞれ流す場合、主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、所定元素を含む原料を供給する原料供給系、即ち、原料ガス供給系(例えば、シリコン系原料ガス供給系)が構成される。ノズル249aを、原料ガス供給系に含めて考えてもよい。
【0056】
また、主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、反応ガスを供給する反応ガス供給系、即ち、反応ガス供給系(例えば、窒素含有ガス供給系)が構成される。ノズル249b、バッファ室237を、原料ガス供給系に含めて考えてもよい。
【0057】
また、主に、ガス供給管232c,232d、MFC241c,241d、バルブ243c,243dにより、不活性ガス供給系が構成される。不活性ガス供給系を、パージガス供給系と称することもできる。
【0058】
バッファ室237内には、図3に示されるように、導電体により構成され、細長い構造を有する2本の棒状電極269,270が、反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積層方向に沿って配設されている。棒状電極269,270のそれぞれは、ノズル249bと平行に設けられている。棒状電極269,270のそれぞれは、上部より下部にわたって電極保護管275により覆われることで保護されている。棒状電極269,270のいずれか一方は、整合器272を介して高周波電源273に接続され、他方は、基準電位であるアースに接続されている。整合器272を介して高周波電源273から棒状電極269,270間に高周波(RF)電力を印加することで、棒状電極269,270間のプラズマ生成領域224にプラズマが生成される。主に、棒状電極269,270、電極保護管275によりプラズマ発生器(プラズマ発生部)としてのプラズマ源が構成される。整合器272、高周波電源273をプラズマ源に含めて考えてもよい。プラズマ源は、後述するようにガスをプラズマ状態に活性化(励起)させる活性化機構(励起部)として機能する。
【0059】
電極保護管275は、棒状電極269,270のそれぞれをバッファ室237内の雰囲気と隔離した状態でバッファ室237内に挿入できる構造となっている。電極保護管275の内部の酸素濃度が外気(大気)の酸素濃度と同程度であると、電極保護管275内にそれぞれ挿入された棒状電極269,270は、ヒータ207による熱で酸化されてしまう。電極保護管275の内部に窒素(N)ガスなどの不活性ガスを充填しておくか、不活性ガスパージ機構を用いて電極保護管275の内部を窒素(N)ガスなどの不活性ガスでパージすることで、電極保護管275の内部の酸素濃度を低減させ、棒状電極269,270の酸化を防止することができる。
【0060】
図2及び図3に示されるように、反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が接続されている。この排気管231の一端は、処理室201の下端部の排気口に接続されている。また、排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245及び排気バルブ(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の排気及び排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されているバルブである。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
排気管231は、反応管203に設ける場合に限らず、ノズル249a,294bと同様にマニホールド209に設けてもよい。
【0061】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219の上面にはマニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬入及び搬出するように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217及びボート217に支持されるウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構)として構成されている。
【0062】
基板保持具としてのボート217は、複数、例えば25~200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる断熱部材218が設けられており、ヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わりにくくなるよう構成されている。
【0063】
処理室201内には温度検出器としての温度センサ263が設けられている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。
【0064】
図4に示されるように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えば、タッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
【0065】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する膜形成等の基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0066】
I/Oポート121dは、前述のMFC241a~241d、バルブ243a~243d、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115、整合器272、高周波電源273等に接続されている。
【0067】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、MFC241a~241dによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a~243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作及び圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動及び停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転及び回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、整合器272によるインピーダンス調整動作、高周波電源273の電力供給等を制御するように構成されている。ここで、プロセスレシピは、後述する膜形成工程等の基板処理工程における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。
【0068】
コントローラ121は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、前述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ等)123を用意し、この外部記憶装置123を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施態様のコントローラ121を構成することができる。但し、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置123を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置123を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。
【0069】
以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、又はその両方を含む場合がある。
【0070】
〔基板処理工程〕
次に、前述の基板処理装置100を用いて、半導体装置(半導体デバイス)の製造工程(製造方法)の一工程として、ウエハ200上に膜を形成(成膜)する成膜シーケンスを例にとり、具体的に説明する。以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0071】
ここでは、基板としてのウエハ200に対して、第1の処理ガス(第1の層を形成する原料ガス)と第2の処理ガス(第1の層を改質して第2の層を形成する反応ガス)とを交互に供給することで、ウエハ200上に膜を形成する例について説明する。
より具体的には、原料ガスとしてヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS、シリコン系原料ガス)ガスを用い、反応ガスとしてアンモニア(NH)ガス(窒素含有ガス)を用い、ウエハ200上にシリコン窒化膜(Si膜、以下、SiN膜ともいう)を形成する例について説明する。
【0072】
本成膜シーケンスの例では、処理室201内のウエハ200に対してHCDSガスを供給する工程と、処理室201からHCDSガス(残留ガス)を除去する工程と、処理室201内のウエハ200に対してNHガスを供給する工程と、処理室201からNHガス(残留ガス)を除去する工程と、を非同時に行うサイクルを所定回数(1回以上)行うことで、ウエハ200上にSiN膜を形成する。
【0073】
(ウエハチャージ及びボートロード)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)、保持されると、ボート217は、ボートエレベータ115によって処理室201に搬入(ボートロード)される。このとき、シールキャップ219は、Oリング220bを介して反応管203の下端を気密に閉塞(シール)した状態となる。
【0074】
(圧力調整及び温度調整)
処理室201、即ち、ウエハ200が存在する空間が所定の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244が、フィードバック制御される。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。
【0075】
また、処理室201内のウエハ200が所定の温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201が所定の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0076】
また、回転機構267によるボート217及びウエハ200の回転を開始する。回転機構267により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。回転機構267によるボート217及びウエハ200の回転は、少なくとも、ウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0077】
(成膜処理)
処理室201内の温度が予め設定された処理温度に安定すると、次の原料ガス供給工程及び反応ガス供給工程を順次実行する。
【0078】
原料ガス供給工程では、処理室201のウエハ200に対し、HCDSガスを供給する。
【0079】
バルブ243aを開き、ガス供給管232a内へHCDSガスを流す。HCDSガスは、MFC241aにより流量調整され、ノズル249aを介して処理室201へ供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してHCDSガスが供給されることとなる。
また、同時にバルブ243dを開き、ガス供給管232d内へNガスを流す。Nガスは、MFC241dにより流量調整され、HCDSガスと一緒に処理室201へ供給され、排気管231から排気される。
ウエハ200に対してHCDSガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、第1の層として、例えば、シリコン(Si)含有層が形成される。
【0080】
第1の層が形成された後、バルブ243aを閉じ、HCDSガスの供給を停止する。このとき、APCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201に残留する未反応もしくは第1の層の形成に寄与した後のHCDSガスを処理室201から排出する。このとき、バルブ243dを開いたままとして、Nガスの処理室201への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201に残留するガスを処理室201から排出する効果を高めることができる。
【0081】
原料ガス供給工程が終了した後、ウエハ200上に形成された第1の層に対してNHガスを供給する。NHガスは熱で活性化されてウエハ200に対して供給される。
【0082】
反応ガス供給工程では、バルブ243b,243cの開閉制御を、原料ガス供給工程におけるバルブ243a,243dの開閉制御と同様の手順で行う。
NHガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してNHガスが供給される。
また、同時にバルブ243cを開き、ガス供給管232c内へNガスを流す。Nガスは、MFC241cにより流量調整され、NHガスと一緒に処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。
ウエハ200に対して供給されたNHガスは、原料ガス供給工程でウエハ200上に形成された第1の層、即ちSi含有層の少なくとも一部と反応する。これにより第1の層は、ノンプラズマで熱的に窒化され、第2の層、即ち、シリコン窒化膜(SiN膜)へと変化させられる(改質される)。
【0083】
第2の層が形成された後、バルブ243bを閉じ、NHガスの供給を停止する。そして、原料ガス供給工程と同様の処理手順により、処理室201に残留する未反応もしくは第2の層の形成に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201から排出する。このとき、処理室201に残留するガス等を完全に排出しなくてもよい点は、原料ガス供給工程と同様である。
【0084】
(所定回数実施)
上述した2つの工程を非同時に、即ち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回)行うことにより、ウエハ200上に、所定膜厚のSiN膜を形成することができる。なお、上述のサイクルを1回行う際に形成される第2の層の厚さを所定の膜厚よりも小さくし、第2の層を積層することで形成されるSiN膜の膜厚が所定の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
【0085】
(パージ及び大気圧復帰)
成膜処理が完了した後、バルブ243c,243dを開き、ガス供給管232c,232dからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。Nガスはパージガスとして作用する。これにより、処理室201がパージされ、処理室201に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(パージ)。その後、処理室201の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0086】
(ボートアンロード及びウエハディスチャージ)
ボートエレベータ115によりシールキャップ38が下降され、反応管203の下端が開口される。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態で、反応管203の下端から反応管203の外部に搬出される(ボートアンロード)。処理済のウエハ200は、ボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
【0087】
また、前述した成膜シーケンスの例では、シリコン系原料ガスとして、クロロシラン系原料ガスであるヘキサクロロジシラン(SiC1)ガスを用いたが、他のクロロシラン系原料ガスを用いてもよく、更には、アミノシラン系原料ガス、又はフルオロシラン系原料ガス等を用いてもよい。
また、原料ガスとしては、シリコン系原料ガスではなく、チタン系原料(例えば四塩化チタン)、タンタル系原料(例えば五塩化タンタル)、ハフニウム系原料(例えばテトラキスエチルメチルアミノハフニウム)、ジルコニウム系原料(例えばテトラキスエチルメチルアミノジルコニウム)、アルミニウム系原料(トリメチルアルミニウム)等を用いてもよい。
【0088】
また、前述した成膜シーケンスの例では、反応ガスとして窒素含有ガスであるNHガスを用いて、ウエハ200にSiN膜を形成させたが、反応ガスとして酸素含有ガスであるOガス等を用いて、ウエハ200にSiO膜を形成させてもよく、反応ガスとして炭素含有ガスであるCガスを用いて、ウエハ200にシリコン炭化膜(SiC膜)を形成させてもよい。
【0089】
また、前述した本成膜シーケンスの例では、ウエハ200上にSiN膜を形成させたが、他の膜を形成させてもよく、例えば、チタン窒化膜(TiN膜)、タンタル窒化膜(TaN膜)等の金属窒化膜を形成させてもよく、ハフニウム酸化膜(HfO膜)、ジルコニウム酸化膜(ZrO膜)、アルミニウム酸化膜(AlO膜)等の金属酸化膜を形成させてもよく、シリコン酸化膜等の他の絶縁膜を形成させてもよい。
【0090】
以上、本実施態様に係る基板処理装置について、半導体製造に用いられる基板処理装置を説明したが、本実施態様に係る基板処理装置はこの装置への適用に限定されるものではなく、液晶ディスプレイ(LCD)を製造する際に用いる、ガラス基板を処理する装置にも適用可能である。
【実施例
【0091】
以下に実施例を挙げて本開示を更に具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0092】
〔実施例及び比較例〕
石英反応管に対し、下記表1に記載の各工程を用いて洗浄を行った。
そして、洗浄後の石英反応管について、内周部におけるフッ素原子の残留量(表1中「Fの量」)、内面表層に取り込まれた不純物量、及び内周面の表面粗さRaを測定し、その結果を表1にまとめた。
なお、内周部におけるフッ素原子の残留量は、イオン電極法を用いた前述の方法で測定した。反応管の内面表層に取り込まれた不純物量は、内面表層の深さ5μmのNa濃度を前述の方法で測定し、これを評価指標とした。更に、内周面の表面粗さRaはJIS B 0601に規定されている測定法にて測定した。
【0093】
【表1】
【0094】
表1における各工程の詳細は以下の通りである。
・第1アニール工程:電気炉を用いて、大気雰囲気下、1100℃で1時間のアニールを行う。
・第1洗浄工程:濃度5質量%フッ酸用いて、浸漬法にて、10分の洗浄を行う。
・第1リンス工程:下記特定リンス工程を所定回行う。
図1に示すように、容器10中に純水を入れ、この純水中に、反応管20を横にして浸漬する(湿潤工程)。続いて、純水中に浸漬している反応管20を、30秒間、上下左右に揺らす(揺動工程)。更に続いて、純水中に浸漬している反応管20を、5分間、反応管の周方向(図1中の矢印X方向)に回転させる(回転工程)。
・1サイクルの繰り返し数:第1アニール工程、第1洗浄工程、及び第2リンス工程による1サイクルを、所定回を行う。
・第2アニール工程:電気炉を用いて、大気の雰囲気下、1080℃で2時間のアニールを行う。
・第2洗浄工程:濃度25質量%フッ酸用いて、浸漬法にて、30分の洗浄を行う。
・第2リンス工程:上記特定リンス工程を所定回行う。
・第1リンス比較工程及び第2リンス比較工程:純水によるかけ流しにて、反応管全体に5分のリンス洗浄のみを行う。
【0095】
表1から明らかなように、各実施例は、本実施態様に係る反応管の洗浄方法を用いることで、内周部におけるフッ素原子の残留量が抑えられており、内面表層に取り込まれた不純物量も抑えられていることが分かる。
これにより、各実施例にて洗浄された反応管は、基板処理装置に適用してもダメージを受け難く、基板処理装置に適用できる時間(即ち、寿命)が長くなると考えられる。
【0096】
本実施態様によれば、フッ素化合物の濃度が高い液体を用いても、石英反応管内にフッ素化合物が残留することがない。また、フッ素化合物として、例えば、フッ化水素(HF)が用いられることが多いが、このフッ化水素が石英反応管の内周部に残留すると、石英反応管を構成するSiOと反応して、石英反応管を侵食し、ヘキサフルオロケイ酸2水和物(HSiF・2HO)等の析出物が生じていたが、このような石英反応管の浸食を抑制できる。
【0097】
本実施態様によれば、石英反応管中にヒドロキシル基が多い場合でも、基板処理工程中に加温されたとしても、このヒドロキシル基と析出物(ヘキサフルオロケイ酸2水和物)とが反応して生成されるフッ素原子を低減できる。これにより、石英反応管の内周面の表層に取り込まれるフッ素原子を低減できる。
【0098】
また、本実施態様によれば、基板処理工程中の反応管の内部に供給されるガス等の成分や反応管の成分との間で化学反応が生じても、表層に取り込まれたフッ素原子のガス化を低減できる。これにより、石英反応管の侵食を抑制できる。
【0099】
従来、Fガス等のフッ素原子を含むクリーニングガスにより、既に浸食された箇所の分圧が高くなり、石英反応管の浸食部位が更に浸食されて大きくなり、石英反応管のダメージが大きくなり、石英反応管の寿命を縮めていたが、本実施態様によれば、フッ素化合物を含むクリーニングガスが供給されても、洗浄後の反応管の表層に取り込まれるフッ素原子が極めて低く抑えられるので、石英反応管の浸食が低減され、石英反応管の寿命(例えばメンテナンス周期)を長くすることができる。
【符号の説明】
【0100】
100 基板処理装置
121 コントローラ(制御部の一例)
200 ウエハ(基板の一例)
201 処理室
20、203 反応管(石英反応管の一例)
207 加熱部
232a ガス供給管(原料ガス供給系の一部)
249a ノズル(原料ガス供給系の一部)
232b ガス供給管(反応ガス供給系の一部)
249b ノズル(反応ガス供給系の一部)
237 バッファ室(反応ガス供給系の一部)
図1
図2
図3
図4