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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ウレタン樹脂組成物及び塗装物
(51)【国際特許分類】
   C09D 175/04 20060101AFI20240209BHJP
   C08G 18/62 20060101ALI20240209BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20240209BHJP
   C08G 18/36 20060101ALI20240209BHJP
   C08G 18/69 20060101ALI20240209BHJP
   C08G 18/65 20060101ALI20240209BHJP
   C08J 7/04 20200101ALI20240209BHJP
【FI】
C09D175/04
C08G18/62 004
C08G18/32 003
C08G18/36
C08G18/69
C08G18/65
C08J7/04 B CFF
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019025503
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2019143133
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2018027809
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白木 慶彦
【審査官】佐藤 のぞみ
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-133114(JP,A)
【文献】特開平01-132620(JP,A)
【文献】特開2004-277477(JP,A)
【文献】特開2008-189808(JP,A)
【文献】特開2005-263240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08J 7/04-7/06
C09D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃における水との接触角が70°以上の樹脂基材に塗膜を形成するための塗膜形成用ウレタン樹脂組成物であって、
下記一般式(1):
【化1】
[一般式(1)中、Rは炭素数2~10,000の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わす。]
で表される化合物(A)、
ポリイソシアネート化合物(B)、及び
下記一般式(2):
【化2】
[一般式(2)中、Xは炭素数1~30の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わし、Yは単結合、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基およびアミド基からなる群より選ばれるいずれか1つを表わし、Zは炭素数1~50の炭化水素基、炭化水素基の炭素原子の一部又は全てがヘテロ原子で置換された構造、および炭化水素基の水素の一部又は全てがヘテロ原子及び/又は官能基で置換された構造(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい。)からなる群より選ばれるいずれか1つを表わす。]
で表される化合物(C)、
の反応生成物であり、
数平均分子量が3,000~500,000であることを特徴とするウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
25℃における水との接触角が70°以上の樹脂基材に塗膜を形成するための塗料組成物用ウレタン樹脂組成物であって、
下記一般式(1):
【化3】
[一般式(1)中、Rは炭素数2~10,000の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わす。]
で表される化合物(A)、
ポリイソシアネート化合物(B)、及び
下記一般式(2):
【化4】
[一般式(2)中、Xは炭素数1~30の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わし、Yは単結合、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基およびアミド基からなる群より選ばれるいずれか1つを表わし、Zは炭素数1~50の炭化水素基、炭化水素基の炭素原子の一部又は全てがヘテロ原子で置換された構造、および炭化水素基の水素の一部又は全てがヘテロ原子及び/又は官能基で置換された構造(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい。)からなる群より選ばれるいずれか1つを表わす。]
で表される化合物(C)、
の反応生成物であることを特徴とする、ウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
前記一般式(1)で表される化合物(A)が、分子中の異なる二つ以上の炭素上にそれぞれ一つの水酸基を有する、炭素数10~10,000のポリオールポリオレフィンであることを特徴とする、請求項1または2に記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
ポリイソシアネート化合物(B)が、一分子中に2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記一般式(2)で表される化合物(C)がモノグリセライドであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物を含む塗料組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の塗料組成物から形成された塗膜。
【請求項8】
水の接触角が100度以上となる請求項7に記載の塗膜。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の塗膜を有する物品。
【請求項10】
請求項9に記載の物品の基材が25℃における水との接触角が70°以上の樹脂である物品。
【請求項11】
請求項10に記載の樹脂がポリオレフィン(ただし、表面処理がなされたポリオレフィンを除く。)である物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン樹脂組成物、当該ウレタン樹脂組成物を含む塗膜、及び当該ウレタン樹脂組成物を含む塗膜を有する塗装物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリプロピレンをはじめとする樹脂基材は工業的に広く普及している。例えば自動車、洗濯機や冷蔵庫等の電化製品、スマートフォンやパソコンといった電子機器には樹脂基材が多く用いられている。これは、樹脂基材は金属材料と比較して軽量かつ安価であり、成形や加工が容易といった利点があるためである。また、フィルム等の樹脂基材特有の用途も存在し、例えばポリエチレンテレフタレートから成るフィルムは食品包装材や電子材料の製造工程で使用される離形フィルムの基材として広く普及している。
【0003】
一般的に、樹脂基材は金属基材と比較して表面が濡れ難いことが知られている。樹脂基材の持つ表面の濡れ難さ(以下難濡れ性と言う。)は、例えば接着剤や塗料を塗布する際にハジキ等の欠陥を発生させるため、均一な塗布面を得られない原因となり、望ましくない。また、難濡れ性を示す基材は一般的に難密着性を示すことが知られており、接着剤の場合には接着不良を、塗料の場合には塗膜剥離といった重大な欠陥の原因となるため、望ましくない。
【0004】
濡れ性を改善する方法としては、樹脂基材の組成変更や表面改質、あるいは塗布する材料の組成変更がおこなわれてきた。
【0005】
ポリプロピレン基材の組成変更としては、例えばポリプロピレンと不飽和カルボン酸及び芳香族ビニル単量体とを反応させる方法が報告されているが(特許文献1)、十分な濡れ性の改善は達成しておらず、反応収率が十分ではない等の問題があった。
【0006】
表面改質の方法としては、例えばコロナ処理が従来知られており、既に実用化されている(非特許文献1)。しかし、大型の装置が必要なため多額の設備投資が必要であることや最適条件の設定が困難であることから必ずしも十分な汎用性があるわけではなく、また、分子鎖を切断する方法であることから機械強度低下等の懸念がある等の問題があった。
【0007】
塗布する材料の組成変更としては、例えば水性ポリオレフィン系樹脂と水性エポキシ樹脂と水性ポリウレタン樹脂とを含むプライマー塗料組成物が報告されている(特許文献2)。水性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量が50,000~200,000と高いことから、溶剤および他樹脂との相溶性の観点から溶剤系での使用が困難であり、使用形態としては水分散系に限定される問題があった。また、水分散系の場合には乳化剤等の添加剤が必要となるが、添加剤を加えることで例えば耐水性試験時に起こる白化等の外観不良や添加剤が塗膜表面へブリードアウトする等の問題があった。
【0008】
一方で、基材表面が難濡れ性を示すことで、例えば防汚機能といった望ましい効果が得られることも広く知られている。そのため、基材表面に難濡れ性を付与するための方法についても従来盛んに検討されてきた。
【0009】
難濡れ性を付与する方法としては、例えばアルコキシシリル基を有するアクリル系共重合体と両末端にヒドロキシ基を有するジメチルポリシロキサンと金属触媒とを含有する塗料組成物を用いる方法が報告されている(特許文献3)。しかし、アルコキシシリル基やジメチルポリシロキサンといったケイ素を含む材料は基材への密着性が低く、ガラスの様にこれらケイ素化合物と反応できる水酸基を多く持つ基材には密着するものの、樹脂基材への適用には限界があった。
【0010】
以上の様に、難濡れ性を示す基材に十分に密着することができる樹脂組成物が強く望まれているものの、その方法は限られたものであった。
【0011】
また、基材の種類に関わらず、基材表面に難濡れ性を付与する方法についても強く望まれてはいるものの、十分に解決できていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2009-13230号公報
【文献】特開2017-132902号公報
【文献】特開2018-2927号公報
【非特許文献】
【0013】
【文献】日本ゴム協会誌 1997 70 333
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、ポリプロピレンをはじめとする樹脂基材に対して良好な密着性が得られ、また、基材の種類に関わらず、塗布した基材の表面に難濡れ性を付与することができるウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の2種類のポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物との反応生成物であるウレタン樹脂組成物が、ポリプロピレンをはじめとする樹脂基材に対して良好な密着性が得られ、また、基材の種類に関わらず、塗布した基材の表面に難濡れ性を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明は以下に示す実施形態を含むものである。
【0017】
下記一般式(1)で表される化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び下記一般式(2)で表される化合物(C)の反応生成物であることを特徴とする。
【0018】
【化1】
【0019】
[一般式(1)中、Rは炭素数2~10,000の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わす。]
ポリイソシアネート化合物(B)が一分子中に2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であることが好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】
[一般式(2)中、Xは炭素数1~30の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わし、Yは単結合、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基およびアミド基からなる群より選ばれるいずれか1つを表わし、Zは炭素数1~50の炭化水素基、炭化水素基の炭素原子の一部又は全てがヘテロ原子で置換された構造、および炭化水素基の水素の一部又は全てがヘテロ原子及び/又は官能基で置換された構造(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい。)からなる群より選ばれるいずれか1つを表わす。]
【0022】
本発明のウレタン樹脂組成物において、一般式(1)で表される化合物(A)(以下化合物(A)、又は単に(A)とも言う。)が分子中の異なる二つ以上の炭素上にそれぞれ一つの水酸基を有し、炭素数が10~5,000であることが好ましい。
【0023】
本発明のウレタン樹脂組成物において、一般式(2)で表される化合物(C)(以下化合物(C)、又は単に(C)とも言う。)がモノグリセライドであることが好ましい。
【0024】
本発明のウレタン樹脂組成物の数平均分子量が3,000~500,000であることが好ましい。
【0025】
なお、本発明における難濡れ性とは、特に断りのない限り水に対する濡れ難さである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ポリプロピレンをはじめとする難濡れ性を示す樹脂基材に対して良好な密着性が得られ、また、基材の種類に関わらず、塗布した基材の表面に難濡れ性を付与することができるウレタン樹脂組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のウレタン樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び下記一般式(2)で表される化合物(C)の反応生成物であることを特徴とする。
【0028】
【化3】
【0029】
[一般式(1)中、Rは炭素数2~10,000の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わす。]
【0030】
【化4】
【0031】
[一般式(2)中、Xは炭素数1~30の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わし、Yは単結合、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基およびアミド基からなる群より選ばれるいずれか1つを表わし、Zは炭素数1~50の炭化水素基、炭化水素基の炭素原子の一部又は全てがヘテロ原子で置換された構造、および炭化水素基の水素の一部又は全てがヘテロ原子及び/又は官能基で置換された構造(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素数が3以上の場合には環状でもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)からなる群より選ばれるいずれか1つを表わす。]。
【0032】
本発明の前記化合物(A)としては、特に限定するものではないが、例えば、炭素数が2~100のグリコール類、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン等の不飽和骨格を有するポリオールポリオレフィン類、ポリエチレン、ポリプロピレン、水添ポリブタジエン、ポリブテン、水添ポリイソプレン等の飽和骨格を有するポリオールポリオレフィン類等が挙げられる。これらの中でも、密着性の観点からは炭素数が10~5,000であることが好ましく、30~1,000であることがより好ましく、70~250であることが最も好ましい。また、分子中の異なる二つ以上の炭素上にそれぞれ一つの水酸基を有することが好ましく、樹脂重合性の観点から水酸基を分子末端に有することが好ましい。このような化合物(A)としては、ポリオールポリオレフィン類が好ましく、不飽和骨格を有するポリオールポリオレフィン類が好ましい。
【0033】
本発明のポリイソシアネート化合物(B)としては、特に限定するものではなく、例えば、ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、2,4―トルエンジイソシアネート、2,6―トルエンジイソシアネート、1,5―ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3―テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4―テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族骨格を持つイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族骨格を持つイソシアネート類等が挙げられる。これらは単量体でもよく多量体でもよく、アロファネート変性やビウレット変性されたものでもよい。これらの中でも、表面硬度や機械強度の観点からジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、2,4―トルエンジイソシアネート、2,6―トルエンジイソシアネートが好ましく、耐光性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0034】
本発明の前記化合物(C)としては、特に限定するものではないが、Xの炭素数は1~30であり、1~15であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、2~5であることが最も好ましい。Yは単結合、エーテル結合、カルボニル基、エステル基、アミノ基、およびアミド基からなる群から選ばれるいずれか1つであり、結合の安定性の観点から、単結合、エーテル結合、エステル基、アミノ基からなる群から選ばれるいずれか1つであることが好ましく、エステル基、アミノ基のいずれかであることがより好ましく、エステル基であることが最も好ましい。Zの炭素数は1~50であり、1~28であることが好ましく、2~25であることがより好ましく、5~22であることが最も好ましい。Zの炭素を置換する元素としては、濡れ性の観点から酸素及び/又はケイ素が好ましく、Zの水素を置換する元素としては、濡れ性の観点からフッ素が好ましい。
【0035】
なお、化合物(C)としては、モノグリセライドであることが好ましい。
【0036】
化合物(A)と化合物(C)との水酸基当量比は、(C)/(A)として0.010~99が好ましく、0.050~20がより好ましく、0.070~15が最も好ましい。当量比が0.010未満であると、(C)に由来する物性が十分に得られない恐れがあり、当量比が99を超えると(A)に由来する物性が十分に得られない恐れがある。
【0037】
(A)と(C)との水酸基の総量と、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基との当量比は、イソシアネート基/水酸基として0.70~1.3が好ましく、0.8~1.2がより好ましく、0.9~1.1が最も好ましい。当量比が0.70未満であると、十分な分子量が得られにくいために乾燥性が不十分となる恐れがあり、当量比が1.3を超えると分子量が大きくなり過ぎる恐れがあることから流動性が不足する懸念が有る。
【0038】
(A)、(C)、及び(B)の反応生成物であるウレタン樹脂組成物の数平均分子量は3,000~500,000が好ましく、3,000~250,000がより好ましく、3,000~100,000が最も好ましい。
【0039】
本発明のウレタン樹脂組成物は化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、及び化合物(C)に加えて、本発明の目的を損なわない範囲内で、任意に他の成分を含有していても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、溶剤、触媒、消泡剤、レベリング剤、有機増粘剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性向上剤、離型剤、補強材、軟化剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、湿潤分散剤等が挙げられる。
【0040】
溶剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トルエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルジグリコール、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、水等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0041】
本発明のウレタン樹脂組成物が溶剤を含有する場合、その含有量は、塗布方法、所望するウレタン樹脂塗膜の膜厚によって選択すればよく、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して1.0~10,000質量部であることが好ましく、40~3,200質量部であることがより好ましく、150~2,000質量部であることが最も好ましい。含有量が1.0質量部未満であると、ウレタン樹脂組成物の粘度が高くなり塗装が困難となる恐れがあり、10,000質量部を超えると、ウレタン樹脂塗膜の膜厚が薄くなり、十分な膜厚が得られない恐れがある。
【0042】
触媒としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0043】
本発明のウレタン樹脂組成物が触媒を含有する場合、その含有量は、用いるポリイソシアネート化合物の反応性によって選択すればよく、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して0.0010~1.0質量部であることが好ましく、0.0050~0.50質量部であることがより好ましく、0.010~0.10質量部であることが最も好ましい。含有量が0.0010質量部未満であると、十分な触媒効果が得らない恐れがあり、1.0質量部を超えると、経済性が悪くなる恐れがある。
【0044】
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、シリコン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0045】
本発明のウレタン樹脂組成物がレベリング剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して0.0010~25質量部であることが好ましく、0.010~12質量部であることがより好ましく、0.050~6.0質量部であることが最も好ましい。含有量が0.0010質量部未満であると、レベリング性が不十分となる恐れがあり、25質量部を超えると、ウレタン樹脂塗膜の密着性が不十分となる恐れがある。
【0046】
本発明のウレタン樹脂組成物から得られる塗膜は、水に対して難濡れ性を示す基材を含む多様な基材に対し良好な密着性を有し、また、前記塗膜、および前記塗膜を有する物品は、難濡れ性を示す。本発明の難濡れ性は、ポリプロピレン基材に対する水の接触角を指標とし、これよりも接触角が大きいことが好ましく、接触角が100度以上であることがより好ましい。
【0047】
該塗膜を有する物品は、車両用関連部品、電子材料、構造材料、建材、家具、化粧シート、スポーツ用品、文房具等に好適に用いることができる。
【0048】
基材の材質としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、ナイロン6、ナイロン66、アラミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂、前記樹脂基材とガラス繊維等とから成る複合材料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、又はポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂と炭素繊維との複合材料(CFRP、CFRTP)、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、ステンレス、ブリキ、電気亜鉛めっき鋼板、クロムメッキ鋼板等といった金属類、ガラス等が挙げられる。これらの基材は単独で用いても良いし、2種以上を併用あるいは混合した複合材料として用いても良い。
【0049】
なお、本発明における難濡れ性基材としては、25℃における水との接触角が70°以上の樹脂を挙げることができる。このような樹脂としては、ポリオレフィンを挙げることができ、なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
【0050】
ウレタン樹脂塗膜は、本発明のウレタン樹脂組成物から形成される。本発明のウレタン樹脂組成物を用いてウレタン樹脂塗膜を形成する方法としては、特に限定されないが、本発明のウレタン樹脂組成物を基材の少なくとも一つの面に塗布した後、乾燥させる方法等が挙げられる。
【0051】
本発明のウレタン樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、アプリケーター法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ノズルコート法、グラビアコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、カーテンコート法、ナイフコート法、トランスファロールコート法、スクイズコート法、含浸コート法、キスコート法、カレンダコート法、押出コート法等が挙げられる。
【0052】
乾燥させる際の乾燥温度は、特に限定されないが、0~300℃であることが好ましく、20~150℃であることがより好ましく、60~120℃であることが最も好ましい。乾燥温度が0℃未満であると、溶剤を含む場合にはその残留が問題となることがあり、300℃を超えると、ウレタン樹脂塗膜が熱分解することがある。また、乾燥時間は、特に限定されないが5秒間~10日間であることが好ましく、20~6,000秒間であることがより好ましい。乾燥時間が5秒間未満であると、乾燥不良となることがあり、10日間を超えると、工程に要する時間が長くなるため生産性の観点から好ましくない。
【0053】
ウレタン樹脂塗膜の厚みは、特に限定されないが、0.050~300μmであることが好ましく、0.10~200μmであることがより好ましい。厚みが0.050μm未満であると、ウレタン樹脂塗膜の難濡れ性が不十分となることがあり、300μmを超えると、ウレタン樹脂塗膜の密着性が不十分となることがある。
【実施例
【0054】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない場合、%表記は質量基準である。
【0055】
(実施例1)
以下の方法でウレタン樹脂組成物の製造、試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
<ウレタン樹脂組成物の製造>
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエン1を150.0g、ベヘン酸モノグリセライドを2.9g、ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート(以下、MDIと言う。商品名:ミリオネートMT、イソシアネート基含量31.3%、東ソー社製)を17.2g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.094g、酢酸ブチルを1530g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、以下の方法で数平均分子量および粘度を測定した。
【0057】
<数平均分子量の測定>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。条件は以下の通りである。装置として高速GPC装置(東ソー社製HLC-8220)、カラムとしてG3000H-XL、G2500H-XL、G2000H-XLおよびG1000H-XL(いずれも東ソー社製)を記載の順に1本ずつ直列に接続したものを用い、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、移動相速度を1.00mL/分とした。カラム温度は40℃とし、検出器は示差屈折率計で実施し、ポリスチレン換算分子量として分子量を求めた。サンプル溶液は濃度0.50%のTHF溶液を調製して用いた。
【0058】
<粘度の測定>
JIS7117-2に準拠して、B型粘度計(芝浦システム社製ビスメトロンVS-A1)を用いて測定した。
【0059】
<試験片の作成>
得られたウレタン樹脂組成物をポリプロプレン基材(日立化成社製コウベポリシートPP)にアプリケーターを用いて塗布し、室温条件下で5分間静置した後、熱風乾燥器を用いて80℃で30分間乾燥させ、乾燥膜厚20μmの塗膜を有する試験片を作成した。ポリエチレン基材(パルテック社製)の場合についても同様の方法で試験片を作成した。
【0060】
<塗膜物性の評価>
得られた試験片を用いて以下の方法により評価を行った。
【0061】
1.乾燥性
JIS-5600-1-1に準拠して乾燥性を確認し、下記の基準により3段階で評価した。
○:塗面の中央を親指と人差し指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かない状態
△:塗面の中央を指先で静かに軽くこすって塗面にすり跡が付かない状態
×:塗面の中央に指先で軽く触れて、タックが有る状態。
【0062】
2.密着性
乾燥性評価が○であった試験片について、JIS5600-5-1に準拠してマンドレル試験をおこない、試験片作成直後の基材に対する塗膜の密着性を確認した。試験にはマンドレル試験機(エリクセン社製モデル266)を用いて、マンドレルの直径が32mmの条件で行った。試験後の塗膜を目視で確認し、下記の基準により2段階で評価した。
○:塗膜の剥離無し
×:塗膜の剥離有り。
【0063】
3.濡れ性
乾燥性評価が○であった試験片について、試験片の塗膜表面上に純水を2.0μL滴下し、接触角測定器(協和界面化学社製自動接触角計DMo―601)を用いて接触角を測定した。試験片の作成に用いた基材の中で比較的濡れ難いポリプロピレン基材について、同様の方法で水の接触角を測定した場合の値は93度であった。ポリプロピレン基材の場合の接触角を超える接触角であれば良好な難濡れ性を示すと言える。
【0064】
(実施例2)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエン1を150.0g、カプリル酸モノグリセライドを1.5g、MDIを17.2g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.094g、酢酸ブチルを1520g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
(実施例3)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエン2を130.0g、ベヘン酸モノグリセライドを5.5g、MDIを32.6g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.18g、酢酸ブチルを1515g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例4)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエン2を130.0g、カプリル酸モノグリセライドを2.9g、MDIを32.6g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.18g、酢酸ブチルを1490g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例5)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリイソプレンを150.0g、ベヘン酸モノグリセライドを1.7g、MDIを19.2g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.11g、シクロヘキサノンを1539g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
(比較例1)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエン1を150.0g、MDIを15.5g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.084g、酢酸ブチルを1480g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(比較例2)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、ベヘン酸モノグリセライドを110.0g、MDIを65.0g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.36g、酢酸ブチルを1570g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエン1を150.0g、エチレングリコールを0.43g、MDIを15.5g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.094g、酢酸ブチルを1500g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0071】
(比較例4)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリイソプレンを150.0g、MDIを17.3g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.10g、シクロヘキサノンを1510g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
・水酸基末端ポリブタジエン1:商品名 Poly bd R-45HT、数平均分子量2,800、水酸基含量0.84mol/kg、出光興産社製
・水酸基末端ポリブタジエン2:商品名 Poly bd R-15HT、数平均分子量1,200、水酸基含量1.84mol/kg、出光興産社製
・水酸基末端水添ポリイソプレン:商品名 EPOL、数平均分子量2,500、水酸基含量0.94mol/kg、出光興産社製
・ベヘン酸モノグリセライド:商品名 リケマールB-100、理研ビタミン社製
・カプリル酸モノグリセライド:商品名 リケマールM-100、理研ビタミン社製
・エチレングリコール:東京化成工業社製、試薬特級
・ジラウリン酸オクチルスズ:キシダ化学社製
・酢酸ブチル:ゴードー社製
・シクロヘキサノン:ゴードー社製。
【0074】
表1から明らかなように、本発明のウレタン樹脂組成物によれば、高い難濡れ性を示すポリプロピレン樹脂基材を含め、樹脂基材への十分な密着性を発揮し、塗膜面に難濡れ性を付与できる塗料組成物を得ることができる。