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特許7433302LOW-K ALDギャップフィル方法および材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】LOW-K ALDギャップフィル方法および材料
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20240209BHJP
【FI】
H01L21/316 X
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021515484
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019052215
(87)【国際公開番号】W WO2020061491
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】62/734,635
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アベル・ジョセフ・アール.
(72)【発明者】
【氏名】アグニュー・ダグラス・ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ラボア・エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】カーティン・イアン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クマー・プルショッタム
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/046921(WO,A1)
【文献】特開2001-118843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
H01L 21/31
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低誘電率(low-k)膜を形成する方法であって、
原子層堆積(ALD)技術によって、膜堆積層を堆積することと、
前記堆積された膜層にフッ素をドープすることと、
原子層堆積技術によって、後続の膜堆積層を堆積することと、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、低誘電率を有する膜の最終的な膜厚を得ることと
得られる形成された膜が約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有するように、フッ素ドーピングのレベルおよび堆積層ごとの堆積膜厚を含む変数から少なくとも1つの変数を選択することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成されたlow-k膜は、シリコンベースの材料である、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
シラン前駆体を選択することをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記low-k膜は、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF)、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、およびフッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
密度が約1×1018原子/cm3~約1×1021原子/cm3の範囲内にあるフッ素ドーパントを選択することをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記フッ素ドーパントの前記密度の指定の範囲は、酸化ケイ素(SiOx)マトリックス内にある、方法。
【請求項7】
低誘電率(low-k)膜を形成する方法であって、
シラン前駆体を反応チャンバに導入することと、
原子層堆積(ALD)プロセスによって、少なくとも第1の層の膜を堆積することと、
前記第1の層の膜を酸化および洗浄することと、
前記第1の層の膜にフッ素ベースのドーパント材料をドープすることと
得られる形成された膜が約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有するように、フッ素ドーピングのレベルおよび堆積層ごとの堆積膜厚を含む変数から少なくとも1つの変数を選択することと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有する膜の最終的な所望の膜厚を得ることをさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項に記載の方法であって、
アニール操作を追加することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、
高アスペクト比のフィーチャ内に少なくとも部分的に前記膜を形成し、それによって前記高アスペクト比のフィーチャの実質的にボイドフリーのギャップフィルを提供することをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法であって、
少なくとも1つの空間方向に勾配プロファイルを有するようにフッ素ドーパントプロファイルのプロファイルを選択することをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項に記載の方法であって、
少なくとも1つの空間方向に勾配プロファイルを有するようにフッ素ドーパントプロファイルのプロファイルを選択することをさらに含む、方法。
【請求項13】
低誘電率(low-k)酸化ケイ素(SiOx)膜を形成する方法であって、
原子層堆積(ALD)技術によって、膜堆積層を堆積することと、
前記堆積された膜層にハロゲン化物をドープすることと、
原子層堆積(ALD)技術によって、後続のSiOxの膜堆積層を堆積することと、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有する前記SiOx膜の最終的な膜厚を得ることと
ヨウ素および臭素を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含むように前記ハロゲン化物を選択することと、
を含む、方法。
【請求項14】
低誘電率(low-k)膜を形成する方法であって、
原子層堆積(ALD)技術によって、層ごとの膜堆積プロセスにおいて膜厚を変調することと、
各堆積された膜層にフッ素およびハロゲン化物を含む少なくとも1つのドーパント材料から選択されるドーパント材料をドープすることと、
原子層堆積(ALD)技術によって、後続の膜堆積層を堆積することと、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、前記low-k膜の最終的な膜厚を得ることと
得られる形成された膜が約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有するように、フッ素ドーピングのレベルおよび堆積層ごとの堆積膜厚を含む変数から少なくとも1つの変数を選択することと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
堆積される誘電体材料のタイプを選択することをさらに含む、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記low-k膜は、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF)、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、およびフッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記low-k膜は、カルボノフルオリドイルゲルマニウム(GeOCF)およびフッ素ドープ酸化ゲルマニウム(GeOF)材料を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本特許出願は、2018年9月21日に出願された「LOW-K ALD GAP-FILL METHODS AND MATERIAL」と題する米国仮出願番号第62/734,635号の優先権を主張し、上記の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される主題は、半導体および関連産業で使用するための様々なタイプの膜の調製に関する。より具体的には、開示される主題は、low-k(低誘電率)材料の形成およびギャップフィル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスに対する抵抗-静電容量(RC)スケーリングは、アグレッシブなフィーチャに対して堆積を行い充填する能力を備えた新しい膜および材料の開発に依存している。NAND、DRAM、PCRAM、および関連するメモリや他のデバイスは、一般的な誘電体デバイスに二酸化ケイ素(SiO2)を組み込むことに依存している。高品質のバルクSiO2膜は、k=4.0の比誘電率kを有する。同様に、オキシ炭化ケイ素(SiOC)などのlow-k材料は、本明細書に開示されているのと同様のk値を達成することが可能である。
【0003】
このセクションで説明されている情報は、当業者に以下の開示された主題の背景を提示するために提供されており、認められた先行技術と見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本明細書に開示されるlow-k膜を製造する様々な実施形態のための、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF、フルオロシリケートガラスとしても知られる)、または他のハロゲン化物による酸化ケイ素膜(SiOx)膜のナノラミネートドーピングのプロセス方法を示す図である。
【0005】
図2A図2A図2Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する200℃の相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)ブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的な原子層堆積(ALD)酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
図2B図2A図2Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する200℃の相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)ブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的な原子層堆積(ALD)酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
図2C図2A図2Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する200℃の相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)ブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的な原子層堆積(ALD)酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
【0006】
図3A図3A図3Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する400℃のPCRAMブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的なALD酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
図3B図3A図3Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する400℃のPCRAMブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的なALD酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
図3C図3A図3Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する400℃のPCRAMブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的なALD酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
【0007】
図4図4は、ドーパントプロセスフローを組み込んだALDプロセスフローの方法の例示的な実施形態を示す図である。
【0008】
図5図5は、ドーパントプロセスフローおよびアニールプロセス制御フローを組み込んだALDプロセスフローの方法の例示的な実施形態を示す図である。
【0009】
図6図6は、低アスペクト比(低AR)のフィーチャについて、ドーパントプロセスフローを組み込んだALDプロセスフローの方法の例示的な実施形態を示す図である。
【0010】
図7図7は、高アスペクト比(高AR)のフィーチャについて、ドーパントプロセスフローを組み込んだALDプロセスフローの方法の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、様々な添付の図面に示されるいくつかの一般的かつ具体的な実施形態を参照して、開示された主題を詳細に説明する。以下の説明では、開示された主題の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、当業者には、開示された主題がこれらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくても実践され得ることは明らかであろう。他の例では、開示された主題を不明瞭にしないために、周知のプロセスステップまたは構造は詳細には説明されていない。
【0012】
開示された主題は、交互の原子層堆積(ALD)サイクルおよびドーパント材料を用いて、シリコンベースのlow-k材料の新しいファミリーを生成するプロセス方法を開示している。様々な実施形態において、比誘電率kは、約3.2~約3.4の範囲にあり得る。具体的には、これらの材料は、高アスペクト比の構造をリエントラント型フィーチャで充填するために開発された。本明細書に開示されるプロセスは、高アスペクト比のフィーチャにおいてボイドフリーまたは実質的にボイドフリーの充填物を製造することができる。しかし、これらの膜は、共形ナノラミネートが適用可能なブランケット膜用途にも使用することができる。開示された主題は、例えば、フッ素ドープ酸化ケイ素SiOF、ならびに例えば、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、フッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)、カルボノフルオリドイルゲルマニウム(GeOCF)、およびフッ素ドープ酸化ゲルマニウム(GeOF)の材料に対する提案された手段を含む。これらの膜に類似した膜はまた、ハロゲン化物誘導体の代わりに、またはそれに加えて、ヨウ素および臭素を含むことができる(例えば、前述の材料のFをIまたはBrで置き換える)。
【0013】
ギャップフィル用途の場合、これらの材料は、例えば、3D NANDワードライン、DRAMシャロートレンチアイソレーション(STI)、ロジックSTI、PCRAM STI、MRAM、およびロジックプレメタル誘電体(PMD)を含む幾何学的に複雑な集積回路構造の3Dボイドフリーのギャップ充填を含む、NANDギャップフィル(例えば、スリットおよびピラーまたは穴)に適用可能である。これらの材料および方法は、水平および垂直デバイスギャップフィルのタンデム堆積およびギャップフィルにも用いることができる(例えば、NANDワードラインと他のデバイスとの間の層間コンデンサスタックと同様)。フッ素、または別のハロゲン化物は、SiOxマトリックス内で密度が約1×1018原子/cm3から約1×1021原子/cm3まで変化する場合がある。
【0014】
本明細書に記載のギャップフィルプロセスはまた、例えば、ドーパントとしてフッ素を使用して、堆積膜厚を層ごとに変調することによるALDプロセスである。したがって、様々な実施形態において、ALDプロセスは、所与のプロセスについて必要に応じて、膜堆積層、フッ素ドーピング、それに続く別の膜堆積層などを含む。様々な実施形態において、各層は、例えば、約7Å~約50Åから100Å以上であり得る。反復回数はデバイスタイプによって異なり、最大数百以上の層で構成される場合がある。したがって、本明細書に開示される他の変数に加えて、変更することができる2つの変数は、例えば、フッ素(または他のドーパントタイプ)ドーピングのレベル、ならびに堆積誘電体層のタイプおよび厚さを含む。
【0015】
さらに、フッ素ドーパントプロファイルは、勾配または非勾配であり、z方向または横方向にあり得る。その結果、必要に応じて、ドーパントプロファイルにおける勾配を任意の方向に作成することができる。様々な実施形態において、フッ素(または上記のようにヨウ素(I)または臭素(Br))の組み込みは、本開示の一部として含まれる様々な図に記述されるように制御される。
【0016】
場合によっては、膜のハロゲン化物含有量の低下を行うことができる。膜のハロゲン化物含有量を低下させる方法は、例えば、中間処理または後処理のいずれか(1つまたは複数の高処理温度、水素処理(+/-プラズマ)、H2/O2混合物、および/または紫外線(UV)もしくは真空紫外線(VUV)処理)を含む。これらの材料の堆積は、例えば、13.56MHzでの容量結合プラズマ(CCP)ALD処理により実証されている。ただし、他の周波数も適用可能である(例えば、400Khz、27MHz、または60MHz)。誘導結合プラズマ(ICP)、VUV、および熱線ラジカル(hot-wire radicals)を含む、追加の活性化方法もまた適用可能である。
【0017】
一般に、他の要因が実質的に一定である場合、周波数が高くなると、比誘電率kは減少する。様々な実施形態において、電力範囲は、約100ワット(またはそれ以下)~約6000ワット(またはそれ以上)であり得る。電力の増加は、製造された膜の緻密化を高める傾向がある。
【0018】
SiOF膜は、約200℃~約550℃の堆積温度で製造されている。他の実施形態では、SiOF膜は、約0℃~約700℃の温度で製造され、これは、シリコン前駆体の選択に少なくとも部分的に依存している。また、温度を使用して膜密度を制御することも可能である。例えば、一実施形態では、0℃で製造されたALD膜は低い密度を有し、700℃で製造されたALD膜はより高い密度を有する。
【0019】
様々な実施形態において、以下の前駆体および関連する類似体を使用することができる:本明細書に提供される開示を読んで理解することに基づいて当業者に認識可能なものとして、ビス(tert-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、トリスジメチルアミノシラン(3DMAS)、トリスジメチルアミノシラン(TDMAS)、ビスジエチルアミノシラン(BDEAS)、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)、シリレン、ハロゲン化シリル(例えば、F、Br、I)など。
【0020】
SiOF膜のファミリーは、新しいドーピング戦略で開発されている。材料は、以下でより詳細に説明するように、ALD SiO2層間に断続的にフッ素前駆体を投入して堆積される。一実施形態では、フッ素前駆体は、三フッ化窒素(NF3)を含む。しかし、様々な実施形態は、誘電体材料のドライエッチングで使用される一般的なガスおよびそれらの混合物を含む、他の前駆体を含む(例えば、テトラフルオロエチレン(C24)、テトラフルオロメタン(CF4)、塩素(Cl2)、フッ素(F2)、二フッ化キセノン(XeF2)、四フッ化キセノン(XeF4)、フッ化カルボニル(COF2)、六フッ化硫黄(SF6)、トリクロロフルオロメタン(CFCl3)、トリフルオロメタン(CHF3)、トリクロロフルオロメタン(CCl3F)、三フッ化ホウ素(BF3)、三塩化ホウ素(BCl3)、テトラクロロメタン(CCl4)、ジクロロジフルオロメタン(CCl22)など)。
【0021】
ここで図1を参照すると、本明細書に開示されるlow-k膜を製造する様々な実施形態のための、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF、フルオロシリケートガラスとしても知られる)、または他のハロゲン化物による酸化ケイ素膜(SiOx)膜のナノラミネートドーピングのプロセス方法100が示されている。したがって、プロセス方法100は大まかな概要を提供し、方法が一般的な特定の例示的な実施形態に関して以下により詳細に説明される。例えば、材料の第1のブロックを調製する際、最初のALDが実施され(例えば、ALD堆積中にALD形成酸化物ブロック)、続いて指定の抑制条件(例えば、温度、圧力、体積流量など)での抑制(例えば、反応チャンバから1つまたは複数の他のガスを流出させながら、1つまたは複数のガスを反応チャンバに投入することによってALD堆積ガスをパージする)に移行し、次にALD堆積に戻る(例えば、ALD形成酸化物に戻る)。これらの操作の各々は、所与のまたは所定のサイクル数の間繰り返され得る。本明細書で提供される開示された主題を読んで理解することに基づいて当業者に理解可能なように、所与の操作についての様々なレシピおよびプロセス条件、ならびにサイクル数は、少なくとも部分的に所与のフィーチャの形状の関数である。(例えば、ピンチポイントの数および場所、リエントラント型フィーチャ、構造内の屈曲などに依存する)。ブロック2~ブロックNは、ブロック1の操作の少なくとも一部を繰り返すことができる。
【0022】
図2A図2Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する200℃の相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)ブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的な原子層堆積(ALD)酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
【0023】
例えば、図2Aのグラフ200は、ベースラインプロセス201の比誘電率kを、開示された主題によって本明細書で定義される新しいプロセス203と比較する。グラフ200が示すように、新しいプロセス203は、著しく低い比誘電率を有する膜を製造する(例えば、ベースラインプロセス201が約4.25の平均kを有する膜を製造するのに対し、新しいプロセス203は約3.15の平均kを有する膜を製造する)。グラフ200によってさらに示されるように、エラーバー(例えば、得られた膜誘電率の「広がり」)は、新しいプロセス203では著しく小さく、それによって新しいプロセス203によって製造された作製膜について、より一定かつ再現性のある比誘電率値を示している。
【0024】
図2Bのグラフ230は、ベースラインプロセス231の破壊電界強度(MV/cm単位)を、開示された主題によって本明細書で定義される新しいプロセス233と比較する。グラフ230が示すように、新しいプロセス233は、著しく高い破壊電界強度を有する膜を製造する(例えば、ベースラインプロセス231が約11.2MV/cmの平均破壊電界強度を有する膜を製造するのに対し、新しいプロセス233は約12.6MV/cmの平均破壊電界強度を有する膜を製造する)。グラフ230によってさらに示されるように、エラーバーは、新しいプロセス233では著しく小さく、それによって新しいプロセス233によって製造された作製膜について、より一定かつ再現性のある破壊電界強度を示している。
【0025】
図2Cのグラフ250は、ベースラインプロセス251の漏れ電流(A/cm2単位)を、開示された主題によって本明細書で定義される新しいプロセス253と比較する。グラフ250が示すように、新しいプロセス253は、ベースラインプロセス251よりもごくわずかに高く同等の漏れ電流を有する膜を製造するが(漏れ電流の範囲は互いに重複しているが)、新しいプロセス253ではエラーバーが著しく小さく、それによって新しいプロセス253によって製造された作製膜について、より一定かつ再現性のある漏れ電流値を示している。
【0026】
図3A図3Cは、比誘電率(より低いk膜を製造する)、破壊電界強度(ベースラインプロセスによって製造された膜よりも大きい破壊電圧Vbdを有する)、および漏れ電流(1×10-9A/cm2未満の2MVにおいて)について、ベースラインプロセスを開示された主題の新しいプロセスと比較する400℃のPCRAMブランケット試験の例示的な実施形態を示す図であり、それによって本明細書に開示される技術および方法によって製造されたlow-k膜が、標準的なALD酸化物と同等またはそれ以上の電気的性質を有することを示している。
【0027】
例えば、図3Aのグラフ300は、ベースラインプロセス301の比誘電率kを、開示された主題によって本明細書で定義される新しいプロセス303と比較する。グラフ300が示すように、新しいプロセス303は、著しく低い比誘電率を有する膜を製造する(例えば、ベースラインプロセス301が約3.8の平均kを有する膜を製造するのに対し、新しいプロセス303は約3.3の平均kを有する膜を製造する)。グラフ300によってさらに示されるように、エラーバーによって示される範囲は、ベースラインプロセス301と比較して新しいプロセス303はほぼ同じである。
【0028】
図3Bのグラフ330は、ベースラインプロセス331の破壊電界強度(MV/cm単位)を、開示された主題によって本明細書で定義される新しいプロセス333と比較する。グラフ330が示すように、新しいプロセス333は、著しく高い破壊電界強度を有する膜を製造する(例えば、ベースラインプロセス331が約11.2MV/cmの平均破壊電界強度を有する膜を製造するのに対し、新しいプロセス233は約12.7MV/cmの平均破壊電界強度を有する膜を製造する)。グラフ330によってさらに示されるように、エラーバーは、新しいプロセス333では著しく小さく、それによって新しいプロセス333によって製造された作製膜について、より一定かつ再現性のある破壊電界強度を示している。
【0029】
図3Cのグラフ350は、ベースラインプロセス351の漏れ電流(A/cm2単位)を、開示された主題によって本明細書で定義される新しいプロセス353と比較する。グラフ350が示すように、新しいプロセス353は、ベースラインプロセス351よりもごくわずかに高く同等の漏れ電流を有する膜を製造するが(漏れ電流の範囲は互いに重複しているが)、新しいプロセス353ではエラーバーが著しく小さく、それによって新しいプロセス353によって製造された作製膜について、より一定かつ再現性のある漏れ電流値を示している。
【0030】
図4は、ドーパントプロセスフロー430を組み込んだALDプロセスフロー410の方法400の例示的な実施形態を示す。特定の操作(必要な膜厚および特性、ギャップフィル能力、フィーチャのアスペクト比、ならびに当業者に理解可能な他の要因を含む)に応じて、ALDプロセスフロー410は、1~100回以上(例えば、n=1~n≧100サイクル)繰り返され得る。ドーパントプロセスフロー430の少なくとも一部は、「n」サイクル中に必要に応じて、ALDプロセスフロー410内に組み込まれてもよい。
【0031】
特定の例示的な実施形態では、投入操作411において、シラン前駆体ガスが反応器チャンバ内の基板(例えば、シリコンウエハ)に導入され、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1標準リットル/分(slpm)~約20slpmのアルゴン(Ar)、約0slpm~約30slpmの窒素(N2)、および約0slpm~約5slpmの水素(H2)。チャンバ内の圧力は約0.6トル~約10トルであり、チャンバ内の温度は約150℃~約550℃であり得る。上記のように、温度の変化を使用して、所与の操作の膜密度を制御することができる。指定のチャンバ圧力および温度は、方法400の例示的な実施形態全体について実質的に一定であるか、または指定の圧力および温度の範囲内で可変であってもよい。
【0032】
パージ操作413中、副生成物および過剰の反応ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmの酸素(O2)、および約0.5slpm~約5slpmの亜酸化窒素(N2O)を含む。
【0033】
酸化操作415では、基板の表面が酸化され、RFプラズマで洗浄される。酸化操作415は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約0.5slpm~約5slpmのN2O。RF電力は、約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0034】
第2のパージ操作417では、残留酸化剤が反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約0.5slpm~約5slpmのN2Oを含む。第2のパージ操作417の完了後、ALDプロセスフロー410のシーケンスは、投入操作411で再び開始することができる。上記のように、ALDプロセスフロー410を通るサイクル数は、所与の操作および所望の膜特性に応じてn=1回~n=100回以上であり得る。
【0035】
ドーパントプロセスフロー430は、所与のプロセスについて、ALDプロセスフロー410の1つまたは複数の適切な点で操作401に導入され得、ドーパントプロセスフロー430は、操作403でALDプロセスフロー410に戻ることができる。ドーパントプロセスフロー430は、点火操作431、ドープ操作433、およびパージ操作435を含むことが示されている。ALDプロセスフロー410に関して上で述べたように、チャンバ内の圧力は約0.6~約10トルであり、チャンバ内の温度は約150℃~約550℃であり得る。指定のチャンバ圧力および温度は、方法400の例示的な実施形態全体について反応チャンバ内で、または指定の圧力および温度の範囲内で実質的に一定であってもよい。
【0036】
点火操作431は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約5標準立方センチメートル/分(sccm)~約2500sccmの三フッ化窒素(NF3)。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0037】
ドープ操作433は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約5sccm~約2500sccmのNF3。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。期間は、約0.02秒~約2.0秒である。
【0038】
パージ操作435では、残留ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および他の残留ガスを含む。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0039】
図5は、ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550を組み込んだALDプロセスフロー510の方法500の例示的な実施形態を示す。特定の操作(必要な膜厚および特性、ギャップフィル能力、フィーチャのアスペクト比、ならびに当業者に理解可能な他の要因を含む)に応じて、ALDプロセスフロー510は、1~100回以上(例えば、n=1~n≧100サイクル)繰り返され得る。ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550の少なくとも一部は、「n」サイクル中に必要に応じて、ALDプロセスフロー510内および方法500内に部分的または全体的に組み込まれてもよい。
【0040】
さらに、ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550は特定の順序であるものとして図5に示されているが、そのような順序は推論されるべきではない。例えば、ドーパントプロセスフロー530内の操作の1つまたは複数は、アニールプロセス制御フロー550内の1つまたは複数の操作に続いて発生し得る。例えば、ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550の操作は、所望のドーピング制御に応じて切り替えることができる。
【0041】
再びALDプロセスフロー510を参照すると、特定の例示的な実施形態では、投入操作511において、シラン前駆体ガスが反応器チャンバ内の基板(例えば、シリコンウエハ)に導入され、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約10slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、および約0slpm~約5slpmのH2。チャンバ内の圧力は約0.6トル~約10トルであり、チャンバ内の温度は約150℃~約550℃であり得る。上記のように、温度の変化を使用して、所与の操作の膜密度を制御することができる。指定のチャンバ圧力および温度は、方法500の例示的な実施形態全体について実質的に一定であるか、または指定の圧力および温度の範囲内で可変であってもよい。
【0042】
パージ操作513中、副生成物および過剰の反応ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約10slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約0.5slpm~約5slpmのN2Oを含む。
【0043】
酸化操作515では、基板の表面が酸化され、RFプラズマで洗浄される。酸化操作515は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約0.5slpm~約5slpmのN2O。RF電力は、約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0044】
第2のパージ操作517では、残留酸化剤が反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約0.5slpm~約5slpmのN2Oを含む。第2のパージ操作517の完了後、ALDプロセスフロー510のシーケンスは、投入操作511で再び開始することができる。上記のように、ALDプロセスフロー510を通るサイクル数は、所与の操作および所望の膜特性に応じてn=1回~n=100回以上であり得る。
【0045】
ドーパントプロセスフロー530は、所与のプロセスについて、ALDプロセスフロー510の1つまたは複数の適切な点で操作501に導入され得、ドーパントプロセスフロー530は、アニールプロセス制御フロー550のすべてまたは一部に続くことができる。また、上述のように、ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550は特定の順序であるものとして図5に示されているが、そのような順序は推論されるべきではない。例えば、ドーパントプロセスフロー530内の操作の1つまたは複数は、アニールプロセス制御フロー550内の1つまたは複数の操作に続いて発生し得る。例えば、ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550の操作は、所望のドーピング制御に応じて切り替えることができる。したがって、ドーパントプロセスフロー530およびアニールプロセス制御フロー550のいずれかにおける1つまたは複数の操作の後、方法500内の操作は、操作505でALDプロセスフロー510に戻ることができる。
【0046】
ドーパントプロセスフロー530を引き続き参照すると、点火操作531、ドープ操作533、およびパージ操作535が、ドーパントプロセスフロー530内に含まれることが示されている。ALDプロセスフロー510に関して上で述べたように、チャンバ内の圧力は約0.6~約10トルであり、チャンバ内の温度は約150℃~約550℃であり得る。指定のチャンバ圧力および温度は、方法500の例示的な実施形態全体について反応チャンバ内で、または指定の圧力および温度の範囲内で実質的に一定であってもよい。
【0047】
点火操作531は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約5標準立方センチメートル/分(sccm)~約2500sccmのNF3。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0048】
ドープ操作533は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および約5sccm~約2500sccmのNF3。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。期間は、約0.02秒~約2.0秒である。
【0049】
パージ操作535では、残留ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および他の残留ガスを含む。RF電力は、約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0050】
アニールプロセス制御フロー550は、点火操作551、ドープ操作553、およびパージ操作555を含むことが示されている。ALDプロセスフロー510に関して上で述べたように、チャンバ内の圧力は約0.6~約10トルであり、チャンバ内の温度は約150℃~約550℃であり得る。指定のチャンバ圧力および温度は、方法500の例示的な実施形態全体について反応チャンバ内で、または指定の圧力および温度の範囲内で実質的に一定であってもよい。
【0051】
点火操作551は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、および約0.5slpm~約5slpmのO2。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0052】
ドープ操作553は、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、および約0.5slpm~約5slpmのO2。RF電力は、例えば、単一RF電力または二重RF電力のいずれかで約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。期間は、約0.02秒~約2.0秒である。
【0053】
パージ操作555では、残留ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約1slpm~約20slpmのAr、約0slpm~約30slpmのN2、約0slpm~約5slpmのH2、約0.5slpm~約5slpmのO2、および他の残留ガスを含む。RF電力は、約500W~約5000Wの範囲にあり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0054】
図6は、低アスペクト比(低AR)のフィーチャについて、ドーパントプロセスフローを組み込んだALDプロセスフローの方法600の例示的な実施形態を示す。方法600の例示的な実施形態は、ALDプロセスフロー610と、ドーパントプロセスフロー630とを含む。特定の操作(必要な膜厚および特性、ギャップフィル能力、フィーチャのアスペクト比、ならびに当業者に理解可能な他の要因を含む)に応じて、ALDプロセスフロー610は、1~5回以上(例えば、n=1~n≧5サイクル)繰り返され得る。ドーパントプロセスフロー630は、「n」サイクル中に必要に応じて、ALDプロセスフロー610内および方法600内に部分的または全体的に組み込まれてもよい。さらに、当業者には認識可能なように、方法600について述べられたこれらのガス、体積流量、圧力、および温度は、特定の例示的な実施形態のためのものであり、特定の用途のために変えることができる。
【0055】
ここでALDプロセスフロー610を参照すると、特定の例示的な実施形態では、投入操作611において、シラン前駆体ガスが反応器チャンバ内の基板(例えば、シリコンウエハ)に導入され、指定の流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約10slpmのArおよび約10slpmのN2。チャンバ内の圧力は約7トルであり、チャンバ内の温度は約550℃であり得る。
【0056】
パージ操作613中、副生成物および過剰の反応ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約10slpmのAr、約10slpmのN2、約5slpmのO2、および約5slpmのN2Oを含む。チャンバ内の圧力は約7トルであり、チャンバ内の温度は約550℃であり得る。
【0057】
酸化操作615では、基板の表面が酸化され、RFプラズマで洗浄される。酸化操作615は、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約10slpmのAr、約10slpmのN2、約5slpmのO2、および約5slpmのN2O。チャンバ内の圧力は約7トルであり、チャンバ内の温度は約550℃であり得る。RF電力は、約5000Wであり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0058】
第2のパージ操作617では、残留酸化剤が反応チャンバからパージされる。ガスは、約10slpmのAr、約10slpmのN2、約5slpmのO2、および約5slpmのN2Oを含む。チャンバ内の圧力は約7トルであり、チャンバ内の温度は約550℃であり得る。第2のパージ操作517の完了後、ALDプロセスフロー510のシーケンスは、投入操作611で再び開始することができる。上記のように、ALDプロセスフロー510を通るサイクル数は、所与の操作および所望の膜特性に応じてn=1回~n=5回以上であり得る。
【0059】
ドーパントプロセスフロー630は、所与のプロセスについて、ALDプロセスフロー610の1つまたは複数の適切な点で操作601に導入され得、ドーパントプロセスフロー630は、操作603でALDプロセスフロー610に戻ることができる。ドーパントプロセスフロー630は、点火操作631、ドープ操作633、およびパージ操作635を含むことが示されている。この特定の例示的な実施形態では、チャンバ内の圧力は約1トルであり、チャンバ内の温度は約550℃であり得る。さらに、当業者には認識可能なように、ドーパントプロセスフロー630について述べられた列挙されたガス、体積流量、圧力、および温度は、特定の例示的な実施形態のためのものであり、特定の用途のために変えることができる。
【0060】
ドーパントプロセスフロー630を引き続き参照すると、点火操作631は、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約2slpmのAr、約10slpmのN2、約1slpmのO2、および約50sccmのNF3。RF電力は、約13.56MHzの周波数で約1500Wであり、約400kHzの周波数で約750Wであり得る。
【0061】
ドープ操作633は、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約2slpmのAr、約10slpmのN2、約1slpmのO2、および約50sccmのNF3。RF電力は、約13.56MHzの周波数で約1500Wであり、約400kHzの周波数で約750Wであり得る。当業者に知られているように、所与のドーピング操作について期間を決定することができる。
【0062】
パージ操作635では、残留ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、2slpmのAr、10slpmのN2、約1slpmのO2、約50sccmのNF3、および他の残留ガスを含む。RF電力は、約13.56MHzの周波数で約1500Wであり、約400kHzの周波数で約750Wであり得る。
【0063】
ここで図7を参照すると、高アスペクト比(高AR)のフィーチャについて、ドーパントプロセスフローを組み込んだALDプロセスフローの方法700の例示的な実施形態。方法700の例示的な実施形態は、ALDプロセスフロー710と、ドーパントプロセスフロー730とを含む。特定の操作(必要な膜厚および特性、ギャップフィル能力、フィーチャのアスペクト比、ならびに当業者に理解可能な他の要因を含む)に応じて、ALDプロセスフロー710は、1~10回以上(例えば、n=1~n≧10サイクル)繰り返され得る。ドーパントプロセスフロー730は、「n」サイクル中に必要に応じて、ALDプロセスフロー710内および方法700内に部分的または全体的に組み込まれてもよい。さらに、当業者には認識可能なように、方法700について述べられたこれらのガス、体積流量、圧力、および温度は、特定の例示的な実施形態のためのものであり、特定の用途のために変えることができる。
【0064】
ここでALDプロセスフロー710を参照すると、特定の例示的な実施形態では、投入操作711において、シラン前駆体ガスが反応器チャンバ内の基板(例えば、シリコンウエハ)に導入され、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約5slpmのArおよび約10slpmのN2。チャンバ内の圧力は約3トルであり、チャンバ内の温度は約400℃であり得る。
【0065】
パージ操作713中、副生成物および過剰の反応ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、約5slpmのAr、約10slpmのN2、約2slpmのO2、および約5slpmのN2Oを含む。チャンバ内の圧力は約3トルであり、チャンバ内の温度は約400℃であり得る。
【0066】
酸化操作715では、基板の表面が酸化され、RFプラズマで洗浄される。酸化操作715は、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約5slpmのAr、約10slpmのN2、約2slpmのO2、および約5slpmのN2O。チャンバ内の圧力は約3トルであり、チャンバ内の温度は約400℃であり得る。RF電力は、約5000Wであり得る。RF電力の周波数は、前述の周波数の1つまたは複数、または反応器チャンバが動作するように構成される別の周波数であってもよい。
【0067】
第2のパージ操作717では、残留酸化剤が反応チャンバからパージされる。ガスは、約5slpmのAr、約10slpmのN2、約2slpmのO2、および約5slpmのN2Oを含む。チャンバ内の圧力は約3トルであり、チャンバ内の温度は約400℃であり得る。第2のパージ操作717の完了後、ALDプロセスフロー710のシーケンスは、投入操作711で再び開始することができる。上記のように、ALDプロセスフロー710を通るサイクル数は、所与の操作および所望の膜特性に応じてn=1回~n=10回以上であり得る。
【0068】
ドーパントプロセスフロー730は、所与のプロセスについて、ALDプロセスフロー710の1つまたは複数の適切な点で操作701に導入され得、ドーパントプロセスフロー730は、操作703でALDプロセスフロー710に戻ることができる。ドーパントプロセスフロー730は、点火操作731、ドープ操作733、およびパージ操作735を含むことが示されている。この特定の例示的な実施形態では、チャンバ内の圧力は約5トルであり、チャンバ内の温度は約400℃であり得る。さらに、当業者には認識可能なように、ドーパントプロセスフロー730について述べられた列挙されたガス、体積流量、圧力、および温度は、特定の例示的な実施形態のためのものであり、特定の用途のために変えることができる。
【0069】
ドーパントプロセスフロー730を引き続き参照すると、点火操作731は、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpmのNa、約8slpmのN2、約2slpmのO2、および約250sccmのNF3。RF電力は、約13.56MHzの周波数で約700Wであり、約400kHzの周波数で約400Wであり得る。
【0070】
ドープ操作733は、指定の体積流量またはその近くの以下のガスの1つまたは複数を含む:約1slpmのAr、約8slpmのN2、約2slpmのO2、および約250sccmのNF3。RF電力は、約13.56MHzの周波数で約750Wであり、約400kHzの周波数で約400Wであり得る。所与のドーピング操作について期間を決定することができるが、この特定の例示的な実施形態では、約0.5秒であり得る。
【0071】
パージ操作735では、残留ガスが反応チャンバからパージされる。ガスは、1slpmのAr、8slpmのN2、約2slpmのO2、約250sccmのNF3、および他の残留ガスを含む。RF電力は、約13.56MHzの周波数で約750Wであり、約400kHzの周波数で約400Wであり得る。
【0072】
開示された主題の例
第1の例では、開示された主題は、低誘電率(low-k)膜を形成する方法を含む。この方法は、原子層堆積(ALD)技術によって、膜堆積層を堆積することと、堆積された膜層にフッ素をドープすることと、原子層堆積技術によって、後続の膜堆積層を堆積することと、必要に応じて堆積操作およびドーピング操作を繰り返し、低誘電率を有する膜の最終的な膜厚を得ることとを含む。
【0073】
第2の例は、第1の例の方法を含み、形成されたlow-k膜は、シリコンベースの材料である。
【0074】
第3の例は、前述の例のいずれか1つを含み、シラン前駆体を選択することをさらに含む。
【0075】
第4の例は、前述の例のいずれか1つを含み、low-k膜は、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF)、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、およびフッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む。
【0076】
第5の例は、第4の例を含み、密度が約1×1018原子/cm3~約1×1021原子/cm3の範囲内にあるフッ素ドーパントを選択することをさらに含む。
【0077】
第6の例は、第4の例および第5の例のいずれか1つを含み、フッ素ドーパントの密度の指定の範囲は、酸化ケイ素(SiOx)マトリックス内にある。
【0078】
第7の例は、前述の例のいずれか1つを含み、フッ素ドーピングのレベルおよび堆積層ごとの堆積膜厚を含む変数から少なくとも1つの変数を選択することをさらに含む。
【0079】
第8の例は、第7の例を含み、得られる形成された膜が約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有するように少なくとも1つの変数を選択することをさらに含む。
【0080】
第9の例では、開示された主題は、低誘電率(low-k)膜を形成する方法を含む。この方法は、シラン前駆体を反応チャンバに導入することと、原子層堆積(ALD)プロセスによって、少なくとも第1の層の膜を堆積することと、第1の層の膜を酸化および洗浄することと、第1の層の膜にフッ素ベースのドーパント材料をドープすることとを含む。
【0081】
第10の例は、第9の例の方法を含み、必要に応じて堆積操作およびドーピング操作を繰り返し、約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有する膜の最終的な所望の膜厚を得ることをさらに含む。
【0082】
第11の例は、前述の例のいずれか1つを含み、アニール操作を追加することをさらに含む。
【0083】
第12の例は、前述の例のいずれか1つを含み、高アスペクト比のフィーチャ内に少なくとも部分的に膜を形成し、それによって高アスペクト比のフィーチャの実質的にボイドフリーのギャップフィルを提供することをさらに含む。
【0084】
第13の例は、第12の例の方法を含み、少なくとも1つの空間方向に勾配プロファイルを有するようにフッ素ドーパントプロファイルのプロファイルを選択することをさらに含む。
【0085】
第14の例は、第13の例を含み、少なくとも1つの空間方向に勾配プロファイルを有するようにフッ素ドーパントプロファイルのプロファイルを選択することをさらに含む。
【0086】
第15の例では、開示された主題は、低誘電率(low-k)酸化ケイ素(SiOx)膜を形成する方法を含む。この方法は、原子層堆積(ALD)技術によって、膜堆積層を堆積することと、堆積された膜層にハロゲン化物をドープすることと、原子層堆積(ALD)技術によって、後続のSiOxの膜堆積層を堆積することと、必要に応じて堆積操作およびドーピング操作を繰り返し、約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有するSiOx膜の最終的な膜厚を得ることとを含む。
【0087】
第16の例は、第15の例を含み、ヨウ素および臭素を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含むようにハロゲン化物を選択することをさらに含む。
【0088】
第17の例では、開示された主題は、低誘電率(low-k)膜を形成する方法を含む。この方法は、原子層堆積(ALD)技術によって、層ごとの膜堆積プロセスにおいて膜厚を変調することと、各堆積された膜層にフッ素およびハロゲン化物を含む少なくとも1つのドーパント材料から選択されるドーパント材料をドープすることと、原子層堆積(ALD)技術によって、後続の膜堆積層を堆積することと、必要に応じて堆積操作およびドーピング操作を繰り返し、low-k膜の最終的な膜厚を得ることとを含む。
【0089】
第18の例は、第17の例を含み、堆積される誘電体材料のタイプを選択することをさらに含む。
【0090】
第19の例は、第17の例または第18の例のいずれか1つを含み、low-k膜は、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF)、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、およびフッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む。
【0091】
第20の例は、第17~第19の例のいずれか1つを含み、low-k膜は、カルボノフルオリドイルゲルマニウム(GeOCF)およびフッ素ドープ酸化ゲルマニウム(GeOF)材料を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む。
【0092】
本明細書全体を通して、単一の事例として説明された構成要素、操作、化学物質、または構造を複数の事例が実装してもよい。1つまたは複数の方法の個々の操作は別個の操作として図示し説明されているが、個々の操作の1つまたは複数が同時に実施されてもよく、各操作を例示された順序で実施する必要はない。例示的な構成において別個の構成要素として提示された構造および機能は、組み合わされた構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造および機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加、および改良は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0093】
いくつかの実施形態は、論理もしくは多数の構成要素、モジュール、機構、または特定の化学物質を含むものとして本明細書に記載されている。様々な実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、またはサーバコンピュータシステム)またはコンピュータシステムの1つまたは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサまたはプロセッサのグループ)が、本明細書において説明するようにいくつかの操作(例えば、様々なプロセスレシピ)を実施するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーションまたはアプリケーション部分)によって構成されてもよい。
【0094】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的または排他的な意味で解釈され得る。さらに、他の実施形態は、提供される本開示を読んで理解することにより、当業者によって理解されるであろう。さらに、本明細書で提供される本開示を読んで理解すると、当業者は、本明細書で提供される化学物質、技術、および例の様々な組み合わせがすべて様々な組み合わせで適用され得ることを容易に理解するであろう。
【0095】
様々な実施形態が別個に論じられているが、これらの別個の実施形態は、独立した技術または設計と見なされることを意図していない。上に示したように、様々な部分の各々は相互に関連していてもよく、各々は別個に、または説明した他の操作もしくは方法と組み合わせて使用されてもよい。例えば、方法、操作、化学物質、およびプロセスの様々な実施形態が説明されてきたが、これらの方法、操作、化学物質、およびプロセスは、別個にまたは様々な組み合わせで使用することができる。
【0096】
その結果、本明細書で提供される本開示を読んで理解すると当業者には明らかであるように、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態の部分および特徴は、他の実施形態のそれらに含まれても、または代用されてもよい。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲の権利が与えられる同等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定される。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定的であることを意図するものではないことも理解されたい。
【0097】
本開示の要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるようにするために提供されている。要約書は、特許請求の範囲の解釈または限定に使用されないことを理解した上で提出されている。加えて、前述の発明を実施するための形態において、本開示を合理化する目的で、様々な特徴または方法が単一の実施形態に一緒にグループ化されてもよいことが理解され得る。本開示の方法は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として自立するものである。本開示は、以下の適用例を含む。
[適用例1]
低誘電率(low-k)膜を形成する方法であって、
原子層堆積(ALD)技術によって、膜堆積層を堆積することと、
前記堆積された膜層にフッ素をドープすることと、
原子層堆積技術によって、後続の膜堆積層を堆積することと、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、低誘電率を有する膜の最終的な膜厚を得ることと
を含む、方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、
前記形成されたlow-k膜は、シリコンベースの材料である、方法。
[適用例3]
適用例2に記載の方法であって、
シラン前駆体を選択することをさらに含む、方法。
[適用例4]
適用例1に記載の方法であって、
前記low-k膜は、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF)、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、およびフッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む、方法。
[適用例5]
適用例1に記載の方法であって、
密度が約1×10 18 原子/cm 3 ~約1×10 21 原子/cm 3 の範囲内にあるフッ素ドーパントを選択することをさらに含む、方法。
[適用例6]
適用例5に記載の方法であって、
前記フッ素ドーパントの前記密度の指定の範囲は、酸化ケイ素(SiO x )マトリックス内にある、方法。
[適用例7]
適用例1に記載の方法であって、
フッ素ドーピングのレベルおよび堆積層ごとの堆積膜厚を含む変数から少なくとも1つの変数を選択することをさらに含む、方法。
[適用例8]
適用例7に記載の方法であって、
得られる形成された膜が約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有するように前記少なくとも1つの変数を選択することをさらに含む、方法。
[適用例9]
低誘電率(low-k)膜を形成する方法であって、
シラン前駆体を反応チャンバに導入することと、
原子層堆積(ALD)プロセスによって、少なくとも第1の層の膜を堆積することと、
前記第1の層の膜を酸化および洗浄することと、
前記第1の層の膜にフッ素ベースのドーパント材料をドープすることと
を含む、方法。
[適用例10]
適用例9に記載の方法であって、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有する膜の最終的な所望の膜厚を得ることをさらに含む、方法。
[適用例11]
適用例9に記載の方法であって、
アニール操作を追加することをさらに含む、方法。
[適用例12]
適用例9に記載の方法であって、
高アスペクト比のフィーチャ内に少なくとも部分的に前記膜を形成し、それによって前記高アスペクト比のフィーチャの実質的にボイドフリーのギャップフィルを提供することをさらに含む、方法。
[適用例13]
適用例9に記載の方法であって、
少なくとも1つの空間方向に勾配プロファイルを有するようにフッ素ドーパントプロファイルのプロファイルを選択することをさらに含む、方法。
[適用例14]
適用例9に記載の方法であって、
少なくとも1つの空間方向に勾配プロファイルを有するようにフッ素ドーパントプロファイルのプロファイルを選択することをさらに含む、方法。
[適用例15]
低誘電率(low-k)酸化ケイ素(SiO x )膜を形成する方法であって、
原子層堆積(ALD)技術によって、膜堆積層を堆積することと、
前記堆積された膜層にハロゲン化物をドープすることと、
原子層堆積(ALD)技術によって、後続のSiO x の膜堆積層を堆積することと、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、約3.2~約3.4の範囲の低誘電率を有する前記SiO x 膜の最終的な膜厚を得ることと
を含む、方法。
[適用例16]
適用例15に記載の方法であって、
ヨウ素および臭素を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含むように前記ハロゲン化物を選択することをさらに含む、方法。
[適用例17]
低誘電率(low-k)膜を形成する方法であって、
原子層堆積(ALD)技術によって、層ごとの膜堆積プロセスにおいて膜厚を変調することと、
各堆積された膜層にフッ素およびハロゲン化物を含む少なくとも1つのドーパント材料から選択されるドーパント材料をドープすることと、
原子層堆積(ALD)技術によって、後続の膜堆積層を堆積することと、
必要に応じて前記堆積操作および前記ドーピング操作を繰り返し、前記low-k膜の最終的な膜厚を得ることと
を含む、方法。
[適用例18]
適用例17に記載の方法であって、
堆積される誘電体材料のタイプを選択することをさらに含む、方法。
[適用例19]
適用例17に記載の方法であって、
前記low-k膜は、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiOF)、カルボノフルオリドイルシリコン(SiOCF)、およびフッ素化シリコンオキシナイトライド(SiONF)を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む、方法。
[適用例20]
適用例17に記載の方法であって、
前記low-k膜は、カルボノフルオリドイルゲルマニウム(GeOCF)およびフッ素ドープ酸化ゲルマニウム(GeOF)材料を含む材料から選択される少なくとも1つの材料を含む、方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7