(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】二段デッキ三次元NANDメモリ、およびそれを製作するための方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240209BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240209BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B41/27
(21)【出願番号】P 2021570983
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2020072624
(87)【国際公開番号】W WO2021142747
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2021-11-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フェン・ル
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ガオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンビン・ジョウ
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0204117(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0103996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0271261(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109887918(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108093656(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H10B 41/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法であって、
基板に交互の誘電体スタックを形成するステップと、
複数のチャネルホールを形成するステップであって、前記複数のチャネルホールは、少なくとも前記基板の一部分を露出させるために、前記基板に対して垂直な方向において、前記交互の誘電体スタックを鉛直に貫通する、ステップと、
前記複数のチャネルホールの内側における基板の露出された前記一部分にエピタキシャル層を配置するステップと、
前記複数のチャネルホールの側壁および前記エピタキシャル層の上面にメモリ膜を配置するステップと、
前記メモリ膜に第1のキャッピング層を配置するステップと、
前記複数のチャネルホールを第1の領域において覆い、前記複数のチャネルホールを第2の領域において露出させる第1のマスクを形成するステップと、
前記第2の領域における前記交互の誘電体スタックにリセスを形成するステップと、
前記第1のマスクを除去するステップと、
前記リセスに第2のマスクを形成するステップであって、前記第2のマスクは、前記第2の領域における前記複数のチャネルホールを覆い、前記第1の領域における前記複数のチャネルホールを露出させる、ステップと、
前記第1の領域における前記複数のチャネルホールの底に
前記エピタキシャル層へと延びる窪みを形成するステップと、
前記第2のマスクを除去するステップと、
前記メモリ膜の側壁に、および、前記複数のチャネルホールの内側の前記エピタキシャル層に、チャネル層を配置するステップと、
前記複数のチャネルホールの内側
および前記リセスにコア充填膜を配置するステップと、
を
この順で含む方法。
【請求項2】
前記第1のマスクを形成するステップは、
前記第1の領域における前記複数のチャネルホールを覆うハードマスク層を配置するステップであって、前記ハードマスク層は前記複数のチャネルホールの内側を満たさない、ステップと、
前記ハードマスク層の上に第1のフォトレジストマスクを形成するステップと、
前記第1のフォトレジストマスクのパターンを前記ハードマスク層に転写するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハードマスク層を配置するステップは、非晶質炭素層を配置するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記交互の誘電体スタックを形成するステップは、前記基板に対して垂直な方向において鉛直に積み重ねられる複数の誘電層対を形成するステップであって、各々の誘電層対は、第1の誘電層と、前記第1の誘電層と異なる第2の誘電層とを備える、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記交互の誘電体スタックに前記リセスを形成するステップは、前記第1の誘電層および前記第2の誘電層の1つまたは複数の対を除去するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のチャネルホールおよび前記リセスの外側における過剰なコア充填膜、チャネル層、およびメモリ膜を除去するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のチャネルホールの外側における前記過剰なコア充填膜、チャネル層、およびメモリ膜を除去するステップは、化学機械研磨を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のチャネルホールの外側における過剰なコア充填膜、チャネル層、およびメモリ膜を除去するステップの後、前記第1の領域における前記複数のチャネルホールの上方部分に上コンタクト構造を形成するステップであって、前記上コンタクト構造は、前記複数のチャネルホールの内側の前記チャネル層と連結される、ステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記リセスに前記第2のマスクを形成するステップは、
前記第2の領域における前記交互の誘電体スタックにわたって第2のフォトレジストマスクを配置するステップであって、前記第2のフォトレジストマスクは前記複数のチャネルホールの外側にある、ステップと、
前記第1の領域における前記交互の誘電体スタックと同一平面の上面を形成するために、前記第2のフォトレジストマスクを平坦化するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の領域における前記複数のチャネルホールの前記底に窪みを形成するステップは、
前記第1の領域における前記複数のチャネルホールの内側に、および、前記第2の領域における前記第2のマスクの上に、第2のキャッピング層を配置するステップと、
前記基板におけるエピタキシャル層を露出させるために、前記第1の領域における前記複数のチャネルホールの前記底から前記第2のキャッピング層を除去するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記交互の誘電体スタックを交互の導電層および誘電層の膜スタックで置き換えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して半導体技術の分野に関し、より詳細には、三次元(3D)メモリを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造コストを低減し、記憶密度を増加させるために、メモリデバイスがより小さいダイの大きさへと縮小するにつれて、平面型メモリセルのスケーリングは、プロセス技術の限界および信頼性の問題のため、困難に直面する。三次元(3D)メモリアーキテクチャは、平面型メモリセルにおける密度および性能の限度に対処することができる。
【0003】
3Dメモリにおける記憶容量をさらに増加させるために、鉛直に積み重ねられたメモリセルの数が大きく増加させられている一方で、メモリセルの横寸法は縮小されている。結果として、3Dメモリセルのアスペクト比は相当に増加しており、製造に複雑性をもたらしている。例えば、チャネルホールの側壁におけるメモリ膜に損傷を与えることなくチャネル層を形成することが困難である。したがって、高い密度で良好な信頼性を達成するために、3Dメモリのための製作プロセスにおいて改良への要求が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
三次元(3D)メモリデバイス、および三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法の実施形態が、本開示に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板に交互の誘電体スタックを形成するステップと、複数のチャネルホールを形成するステップであって、複数のチャネルホールは、少なくとも基板の一部分を露出させるために、基板に対して垂直な方向において、交互の誘電体スタックを鉛直に貫通する、ステップとを含む、三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法を提供している。方法は、複数のチャネルホールを第1の領域において覆い、複数のチャネルホールを第2の領域において露出させる第1のマスクを形成するステップも含む。方法は、第2の領域における交互の誘電体スタックにリセスを形成するステップをさらに含む。方法は、リセスに第2のマスクを形成するステップであって、第2のマスクは、第2の領域における複数のチャネルホールを覆い、第1の領域における複数のチャネルホールを露出させる、ステップも含む。方法は、第1の領域における複数のチャネルホールの底に窪みを形成するステップをさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1のマスクを形成するステップは、複数のチャネルホールを覆うためにハードマスク層を配置するステップであって、ハードマスク層は複数のチャネルホールの内側を満たさない、ステップを含む。次に、第1のフォトレジストマスクがハードマスク層の上に形成でき、第1のフォトレジストマスクのパターンがハードマスク層に転写され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、ハードマスク層を配置するステップは、非晶質炭素層を配置するステップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタックを形成するステップは、基板に対して垂直な方向において鉛直に積み重ねられる複数の誘電層対を形成するステップであって、各々の誘電層対は、第1の誘電層と、第1の誘電層と異なる第2の誘電層とを備える、ステップを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタックにリセスを形成するステップは、第1の誘電層および第2の誘電層の1つまたは複数の対を除去するステップを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、複数のチャネルホールの内側における基板の露出させられた一部分にエピタキシャル層を配置するステップも含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数のチャネルホールの側壁およびエピタキシャル層の上面にメモリ膜を配置するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、メモリ膜に第1のキャッピング層を配置するステップも含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の領域における複数のチャネルホールの底に窪みを形成するステップの後、メモリ膜の側壁に、および、複数のチャネルホールの内側のエピタキシャル層に、チャネル層を配置するステップをさらに含む。方法は、複数のチャネルホールの内側にコア充填膜を配置するステップと、複数のチャネルホールの外側における過剰なコア充填膜、チャネル層、およびメモリ膜を除去するステップとを同じく含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルホールの外側における過剰なコア充填膜、チャネル層、およびメモリ膜を除去するステップは、化学機械研磨を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルホールの外側における過剰なコア充填膜、チャネル層、およびメモリ膜を除去するステップの後、上コンタクト構造が第1の領域における複数のチャネルホールの上方部分に形成され、上コンタクト構造は、複数のチャネルホールの内側のチャネル層と連結される。
【0014】
いくつかの実施形態では、リセスに第2のマスクを形成するステップは、第2の領域における交互の誘電体スタックにわたって第2のフォトレジストマスクを配置するステップであって、第2のフォトレジストマスクは複数のチャネルホールの内側を満たさない、ステップを含む。次に、第2のフォトレジストマスクは、交互の誘電体スタックと同一平面の上面を形成するために平坦化される。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルホールの底に窪みを形成するステップは、第1の領域における複数のチャネルホールの内側に、および、第2の領域における第2のマスクの上に、第2のキャッピング層を配置するステップを含み、続いて、基板、または基板におけるエピタキシャル層を露出させるために、第1の領域における複数のチャネルホールの底から第2のキャッピング層を除去するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、交互の誘電体スタックを交互の導電層および誘電層の膜スタックで置き換えるステップをさらに含む。
【0017】
本開示の別の態様は、基板に配置される上方デッキおよび下方デッキを伴う交互の誘電体スタックであって、各々のデッキは、基板に対して垂直の方向において交互に積み重ねられた第1の誘電層および第2の誘電層を備え、第2の誘電層は第1の誘電層と異なる、交互の誘電体スタックを備える二段デッキ三次元(3D)メモリデバイスを提供する。二段デッキ3Dメモリデバイスは、交互の誘電体スタックの上方デッキおよび下方デッキを通じて基板へと貫通する複数のチャネルホールも備える。二段デッキ3Dメモリデバイスは、複数のチャネルホールの各々の側壁を覆うメモリ膜、チャネル層、およびコア充填膜をさらに備える。二段デッキ3Dメモリデバイスは、第1の領域においての複数のチャネルホールの各々の底における窪みと、第2の領域においての交互の誘電体スタックの上方デッキにおけるリセスとを同じく備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、二段デッキ3Dメモリデバイスは、複数のチャネルホールの各々の底におけるエピタキシャル層であって、エピタキシャル層は、第1の領域における窪みを通じてチャネル層に連結され、メモリ膜は、第2の領域においてエピタキシャル層とチャネル層との間に挟まれる、エピタキシャル層も備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、二段デッキ3Dメモリデバイスは、第2の領域における複数のチャネルホールの各々の底においてエピタキシャル層とチャネル層との間に挟まれるキャッピング層をさらに備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2の領域における交互の誘電体スタックの上方デッキにおけるリセスは、エピタキシャル層とコア充填膜とを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、二段デッキ3Dメモリデバイスは、第1の領域における複数のチャネルホールの各々の内側のコア充填膜の上に上コンタクト構造をさらに備え、上コンタクト構造はチャネル層と連結される。
【0022】
いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタックは、第1の領域における上コンタクト構造と同一平面であり、第2の領域におけるリセスの内側のコア充填膜と同一平面である。
【0023】
本開示の他の態様は、本開示の記載、請求項、および図面を考慮して当業者によって理解され得る。
【0024】
本明細書において組み込まれており、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示しており、本記載と共に、本開示の原理を説明するように、および、当業者に本開示を準備させて使用させることができるように、さらに供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示の三次元(3D)メモリダイの概略的な上から見下ろした図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリダイの一領域の概略的な上から見下ろした図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、例示の3Dメモリアレイ構造の一部分の斜視図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図15】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図16】本開示のいくつかの実施形態による、様々な製作段階における例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図17】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための例示の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の特徴および利点は、同様の符号が全体を通じて対応する要素を特定している図面と併せて理解されるとき、以下に述べられている詳細な記載からより明らかとなる。図面では、同様の符号は、同様の要素、機能的に同様の要素、および/または構造的に同様の要素を概して指示している。要素が最初に現れる図面は、対応する符号における最も左の数字によって指示されている。
【0027】
本開示の実施形態が添付の図面を参照して説明される。
【0028】
特定の構成および配置が検討されているが、これは例示の目的だけのために行われていることは理解されるべきである。当業者は、他の構成および配置が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用できることを認識するものである。本開示が様々な他の用途においても採用できることが、当業者には明らかとなる。
【0029】
本明細書において、「一実施形態」、「実施形態」、「例の実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、記載されている実施形態が具体的な特徴、構造、または特性を含み得るが、必ずしもすべての実施形態が具体的な特徴、構造、または特性を含むとは限らない可能性があることを意味していることは、留意されている。さらに、このような文言は必ずしも同じ実施形態に言及しているのではない。さらに、具体的な特徴、構造、または特性が実施形態との関連で記載されている場合、明示的に記載されていようがなかろうが、このような特徴、構造、または特性に他の実施形態との関連で影響を与えることは、当業者の知識の範囲内である。
【0030】
概して、専門用語は、文脈における使用から少なくとも一部で理解され得る。例えば、本明細書で使用されているような「1つまたは複数」という用語は、少なくとも一部で文脈に依存して、単数の意味で任意の特徴、構造、もしくは特性を記載するために使用され得るか、または、複数の意味で特徴、構造、もしくは特性の組み合わせを記載するために使用され得る。同様に、「1つ」または「その」などの用語は、少なくとも一部で文脈に依存して、単数での使用を伝えるため、または、複数での使用を伝えるためと理解できる。また、「~に基づいて」という用語は、因子の排他的な集まりを伝えるように必ずしも意図されていないとして理解でき、代わりに、ここでも少なくとも一部で文脈に依存して、必ずしも明示的に記載されていない追加の因子の存在を許容してもよい。
【0031】
本開示における「~に」、「~の上方に」、および「~にわたって」の意味が、「~に」が何か「に直接的に」だけを意味するのではなく、それらの間に中間の特徴または層を伴って何か「に」あるという意味も含むような最も幅広い様態で解釈されるべきあることは、容易に理解されるべきである。さらに、「~の上方に」または「~にわたって」は、何か「の上方に」または「にわたって」だけを意味するのではなく、それらの間に中間の特徴または層を伴わずに何か「の上方に」または「にわたって」(つまり、何かに直接的に)であるという意味も含む可能性がある。
【0032】
さらに、「~の下に」、「~の下方に」、「下方の」、「~の上方に」、「上方の」などの空間的に相対的な用語は、本明細書において、図に示されているようなある要素または特徴の他の要素または特徴への関係を記載するために、記載の容易性のために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図で描写された配向に加えて、使用またはプロセスのステップにおけるデバイスの異なる配向を網羅するように意図されている。装置は他に配向されてもよく(90度または他の配向に回転させられる)、本明細書で使用される空間的に相対的な記載は、それに応じて同様に解釈され得る。
【0033】
本明細書で使用されているように、「基板」という用語は、それに続く材料層が加えられる材料を言っている。基板は「上」の表面および「下」の表面を含む。基板の上面は、典型的には半導体デバイスが形成される場所であり、そのため、半導体デバイスは、他に述べられていない場合、基板の上側に形成される。下面は上面の反対であり、そのため基板の下側は基板の上側の反対である。基板自体がパターン形成されてもよい。基板の上に追加される材料は、パターン形成されてもよいし、パターン形成されないままであってもよい。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなど、幅広い半導体材料を含み得る。代替で、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアのウェハなどの非導電性材料から形成されてもよい。
【0034】
本明細書で使用されているように、「層」という用語は、厚さの領域を含む材料部分を言っている。層は上側と下側とを有し、層の下側は比較的基板に近く、上側は比較的基板から遠くである。層は、下もしくは上にある構造の全体にわたって広がることができる、または、下もしくは上にある構造の広がり未満の広がりを有することができる。さらに、層は、連続的な構造の厚さ未満の厚さを有する同質または非同質の連続的な構造の領域であり得る。例えば、層は、連続的な構造の上面と下面との間、またはそれら上面および下面における水平面の任意のセットの間に位置させられ得る。層は、水平に、鉛直に、および/または、先細りの表面に沿って、延びることができる。基板は、層であり得る、1つもしくは複数の層を含み得る、ならびに/または、1つまたは複数の層を上、上方、および/もしくは下方に有し得る。層は複数の層を含んでもよい。例えば、インターコネクト層は、1つまたは複数の導電層およびコンタクト層(コンタクト、インターコネクト線、および/または鉛直インターコネクトアクセス(VIA)が形成される)、ならびに、1つまたは複数の誘電層を含み得る。
【0035】
本開示では、記載の容易性のために、「階層」が、鉛直方向に沿っての実質的に同じ高さの要素に言及するために使用される。例えば、ワード線と下にあるゲート誘電層とは「階層」と称することができ、ワード線と下にある絶縁層とは共に「階層」と称することができ、実質的に同じ高さのワード線は「ワード線の階層」または同様に称することができるといった具合である。
【0036】
本明細書で使用されているように、「名目上の/名目上は」は、製品の設計の局面の間またはプロセスの間に、所望の値より上の値および/または下の値の範囲と一緒に設定される、構成要素またはプロセスステップについての特性またはパラメータの所望の値または目標値を言っている。値の範囲は、製造プロセスにおける若干の変化または公差によるものであり得る。本明細書で使用されているように、「約」という用語は、主題の半導体デバイスと関連付けられる具体的な技術ノードに基づいて変化する可能性がある所与の量の値を指示している。具体的な技術ノードに基づいて、「約」という用語は、例えば値の10~30%(例えば、値の±10%、±20%、または±30%)内で変化する所与の量の値を指示することができる。
【0037】
本開示において、「水平の/水平に/横の/横に」という用語は、基板の横表面と名目上平行を意味し、「鉛直の」または「鉛直に」という用語は、基板の横表面に対して名目上垂直を意味する。
【0038】
本明細書で使用されているように、「3Dメモリ」という用語は、メモリストリングが基板に対して鉛直方向に延びるように、横に配向された基板において、メモリセルトランジスタの鉛直に配向されたストリング(本明細書では、NANDストリングなど、「メモリストリング」と称される)を伴う三次元(3D)半導体デバイスを言っている。
【0039】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例示の三次元(3D)メモリデバイス100の上から見下ろした図である。3Dメモリデバイス100は、メモリチップ(パッケージ)、メモリダイ、またはメモリダイの任意の一部分であり得、複数のメモリブロック103を各々が備え得る1つまたは複数のメモリ平面101を備え得る。同一または同時の工程が各々のメモリ平面101において行われ得る。大きさがメガバイト(MB)であり得るメモリブロック103が、削除工程を実行するための最小の大きさである。
図1に示されているように、例示の3Dメモリデバイス100は4つのメモリ平面101を備え、各々のメモリ平面101は6つのメモリブロック103を備える。各々のメモリブロック103は複数のメモリセルを備えることができ、各々のメモリセルはビット線およびワード線などのインターコネクトを通じてアドレス指定され得る。ビット線およびワード線は垂直に配置でき(例えば、それぞれ行および列)、金属線の配列を形成する。ビット線の方向およびワード線の方向は、
図1において「BL」および「WL」と記されている。この開示では、メモリブロック103は「メモリアレイ」または「配列」とも称されている。メモリアレイはメモリデバイスにおけるコア領域であり、記憶機能を実施する。
【0040】
3Dメモリデバイス100は、メモリ平面101を包囲する領域である周辺領域105も備える。周辺領域105は、例えばページバッファ、行デコーダ、列デコーダ、およびセンスアンプといった、メモリアレイの機能を支援するための多くのデジタル回路、アナログ回路、および/または混合信号回路を含む。周辺回路は、当業者には明らかであるように、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗などの能動的および/または受動的な半導体デバイスを使用する。
【0041】
図1に示されている3Dメモリデバイス100におけるメモリ平面101の配置、および各々のメモリ平面101におけるメモリブロック103の配置が、本開示の範囲を限定することのない例として使用されているだけであることは、留意されている。
【0042】
図2を参照すると、本開示のいくつかの実施形態による、
図1における領域108を拡大した、上から見下ろした図が示されている。3Dメモリデバイス100の領域108は階段領域210とチャネル構造領域211とを含み得る。チャネル構造領域211は、複数の積み重ねられたメモリセルを各々含むメモリストリング212の配列を備え得る。階段領域210は、階段構造と、階段構造に形成されたコンタクト構造214の配列とを備え得る。いくつかの実施形態では、チャネル構造領域211および階段領域210を横切るWL方向に延びる複数のスリット構造216が、メモリブロックを複数のメモリ指部218へと分割できる。少なくとも一部のスリット構造216は、チャネル構造領域211におけるメモリストリング212の配列のための共通ソースコンタクトとして機能することができる。上選択ゲート切断部220が、例えば、メモリ指部218の上選択ゲート(TSG: Top Select Gate)を2つの部分へと分割するために、各々のメモリ指部218の中間に配置でき、それによってメモリ指部を2つのメモリスライス224へと分割することができ、同じワード線を共有するメモリスライス224におけるメモリセルは、プログラム可能(読取り/書込み)なメモリページを形成する。3D型NANDメモリの削除工程がメモリブロックのレベルで実行され得るが、読取り動作および書込み動作はメモリページのレベルで実行され得る。メモリページは大きさがキロバイト(KB)であり得る。いくつかの実施形態では、領域108は、製作の間のプロセス変化制御のために、および/または、追加の機械的支持のためにダミーメモリストリング222も備える。
【0043】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例示の三次元(3D)メモリアレイ構造300の一部分の斜視図を示している。メモリアレイ構造300は、基板330と、基板330にわたる絶縁膜331と、絶縁膜331にわたる下方選択ゲート(LSG: Lower Select Gate)332の階層と、交互の導電層および誘電層の膜スタック335を形成するためにLSG332の上に積み重なる、「ワード線(WL)」とも称される制御ゲート333の複数の階層とを備える。制御ゲートの階層に隣接する誘電層は、明確にするために
図3には示されていない。
【0044】
各々の階層の制御ゲートは、膜スタック335を通じてスリット構造216-1および216-2によって分離されている。メモリアレイ構造300は、制御ゲート333のスタックにわたって上選択ゲート(TSG)334の階層も備えている。TSG334、制御ゲート333、およびLSG332のスタックは、「ゲート電極」とも称される。メモリアレイ構造300は、メモリストリング212と、隣接するLSG332同士の間の基板330の部分におけるドープソース線領域344とをさらに備える。各々のメモリストリング212は、絶縁膜331と、交互の導電層および誘電層の膜スタック335とを通じて延びるチャネルホール336を備える。メモリストリング212は、チャネルホール336の側壁におけるメモリ膜337と、メモリ膜337にわたるチャネル層338と、チャネル層338によって包囲されるコア充填膜339とを同じく備える。メモリセル340が、制御ゲート333とメモリストリング212との交差部に形成できる。メモリアレイ構造300は、TSG334にわたってメモリストリング212と連結される複数のビット線(BL)341をさらに備える。メモリアレイ構造300は、複数のコンタクト構造214を通じてゲート電極と連結される複数の金属インターコネクト線343も備える。膜スタック335の縁は、ゲート電極の各々の階層への電気的連結を可能にするために、階段の形で構成されている。
【0045】
図3では、図示の目的のために、制御ゲート333-1、333-2、および333-3の3つの階層が、TSG334の1つの階層およびLSG332の1つの階層と共に示されている。この例では、各々のメモリストリング212は、制御ゲート333-1、333-2、および333-3にそれぞれ対応する3つのメモリセル340-1、340-2、および340-3を備え得る。いくつかの実施形態では、制御ゲートの数およびメモリセルの数は、記憶容量を増加させるために、3つより多くてもよい。メモリアレイ構造300は、例えばTSG切断部、共通ソースコンタクト、およびダミーメモリストリングといった他の構造を含んでもよい。これらの構造は、簡潔にするために
図3には示されていない。
【0046】
3Dメモリにおいてより大きな記憶容量を追求するために、鉛直に積み重ねられたメモリセルの数は大きく増加している。結果として、制御ゲートまたはワード線333の数が大きく増加している。したがって、交互の導電層および誘電層の膜スタック335の全体の厚さが増加させられている。一方で、メモリストリング212の横寸法は、メモリセル340の密度と3Dメモリの記憶容量とをさらに増加させるために縮小されている。そのため、メモリストリング212のアスペクト比は相当に増加させられており、例えば、膜スタック335全体を通じてチャネルホール336を形成するためのエッチングプロセス、および、チャネル層338をエピタキシャル層または基板330と連結するためにチャネルホール336の底からメモリ膜を除去することといった様々なプロセスにおいて、多くの困難をもたらす。
【0047】
二段デッキ構造が、3Dメモリの製造における複雑性を考慮して開発されてきた。二段デッキ3Dメモリでは、鉛直に積み重ねられたメモリセルは、2つの区域、すなわち、上方デッキおよび下方デッキへと分割されており、上方デッキと下方デッキとは連続して形成され得る。例えば、膜スタック335の下方デッキが最初に形成され、チャネルホール336は下方デッキのみについてエッチングされ得る。次に、膜スタック335の上方デッキが下方デッキの上に形成でき、チャネルホールが、別のリソグラフィプロセスを用いて、上方デッキについて再びエッチングされ得る。二段デッキ構造および二段ステッププロセスは、大きなアスペクト比のエッチングまたは膜堆積の複雑性を低減することができる。しかしながら、追加のリソグラフィステップが、上方デッキと下方デッキとの間に重ね合わせ誤差を引き起こす可能性がある。例えば、下方デッキにおけるメモリ膜337は、上方デッキについてのチャネルホールのエッチングの間に曝される場合に損傷させられる可能性があり、これはワード線における漏れを引き起こす可能性がある。
【0048】
概して、上方デッキと下方デッキとの間の重ね合わせ誤差は、階段構造のトポロジーによるより小さいリソグラフィプロセスウインドウのため、チャネル構造領域211と比較して、階段領域210(
図2)においてより大きくなる。また、十分な支持構造を3Dメモリに提供するために、階段領域210におけるダミーメモリストリング222のためのチャネルホールは、チャネル構造領域211におけるメモリストリング212のためのチャネルホールより大きな寸法で典型的には設計される。概して、より大きなチャネルホールはより素早くエッチングでき、これは、上方デッキと下方デッキとの間の境界面により深いガウジングをもたらし、より大きなワード線の漏れをもたらす可能性がある。
【0049】
この開示では、二段デッキ3Dメモリにおいてチャネルホール336およびチャネル層338を形成するための改良された方法が開示されている。2つのリソグラフィマスクを追加し、製作プロセスを見直すことで、所望の通路構造(例えば、チャネルホール、メモリ膜、チャネル層)が、メモリストリング212についてのチャネル構造領域211に形成できる一方で、ダミー領域(例えば、階段領域210)におけるメモリ膜の損傷または側壁のガウジングが最小限とされ得る。
【0050】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による二段デッキを備える3Dメモリデバイス400の断面図を示している。3Dメモリデバイス400は、基板(例えば、基板330)に配置される交互の誘電体スタック450を備え、交互の誘電体スタック450は下方デッキ450-1と上方デッキ450-2とを備える。
【0051】
基板330は、続く構造を形成するためのプラットフォームを提供することができる。いくつかの実施形態では、基板330は、単結晶、多結晶、または単一の結晶の半導体など、任意の適切な半導体材料を有する任意の適切な半導体基板であり得る。例えば、基板330は、シリコン、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム、炭化ケイ素、III-V族化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、基板330は、例えばガラス、プラスチック、または他の半導体基板といった、ハンドルウェハに形成される半導体材料の層を含み得る。
【0052】
基板330の前面330fは、本明細書において基板の「主面」または「上面」とも称される。材料の層が基板330の前面330fに配置され得る。「最上位」または「上方」の層は、基板の前面330fから最も遠い層、またはより遠くに離れた層である。「最下位」または「下方」の層は、基板の前面330fに最も近い層、またはより近い層である。
【0053】
いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタック450は、互いの上に交互に積み重ねられた複数の誘電層対を備え、各々の誘電層対は、第1の誘電層452(「誘電層」とも称される)と、第1の誘電層452と異なる第2の誘電層454(「犠牲層」とも称される)とを備える。交互の誘電体スタック450は、基板330の前面330fと平行である横方向に延びる。
【0054】
交互の誘電体スタック450では、第1の誘電層452と第2の誘電層454とは、基板330に対して垂直な鉛直方向において交互である。別の言い方をすれば、各々の第2の誘電層454は2つの第1の誘電層452の間に挟み付けられ、各々の第1の誘電層452は2つの第2の誘電層454の間に挟み付けられ得る(最下位の層および最上位の層を除く)。
【0055】
交互の誘電体スタック450の形成は、同じ厚さを各々が有するように、または、異なる厚さを有するように、第1の誘電層452を配置することを含み得る。第1の誘電層452の例の厚さは、10nmから500nmの範囲であり、好ましくは約25nmであり得る。同様に、第2の誘電層454は、同じ厚さを各々有し得る、または、異なる厚さを有し得る。第2の誘電層454の例の厚さは、10nmから500nmの範囲であり、好ましくは約35nmであり得る。
図4における誘電層対の数は、図示の目的だけのためであり、任意の適切な数の層が交互の誘電体スタック450に含まれ得ることは、理解されるべきである。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の誘電層452は、例えば酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、TEOS、または、F-、C-、N-、および/もしくはH-の組み込まれている酸化シリコンといった任意の適切な絶縁材料を含む。第1の誘電層452は、例えば酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜、または酸化ランタン膜といった高k誘電性材料も含み得る。いくつかの実施形態では、第1の誘電層452は上記の材料の任意の組み合わせであり得る。
【0057】
基板330における第1の誘電層452の形成は、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、プラズマCVD(PECVD)、急速熱化学気相堆積(RTCVD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)、スパッタリング、金属有機化学気相堆積(MOCVD)、原子層堆積(ALD)、高密度プラズマCVD(HDP-CVD)、熱酸化、窒化、任意の他の適切な堆積方法、および/またはそれらの組み合わせなど、任意の適切な堆積方法を含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、第2の誘電層454は、第1の誘電層452と異なる任意の適切な材料を含み、第1の誘電層452に対して選択的に除去できる。例えば、第2の誘電層454は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、TEOS、多結晶質シリコン、多結晶質ゲルマニウム、多結晶質ゲルマニウムシリコン、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の誘電層454は、アモルファスシリコンまたはアモルファスゲルマニウムなどのアモルファス半導体材料も含む。第2の誘電層454は、CVD、PVD、ALD、熱酸化、熱窒化、またはそれらの任意の組み合わせなど、第1の誘電層452と同様の技術を用いて配置され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の誘電層452は酸化シリコンであり得、第2の誘電層454は窒化シリコンであり得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタック450は、第1の誘電層452および第2の誘電層454に加えて層を含むことができ、異なる材料から、および/または異なる厚さで作られ得る。例えば、下方デッキ450-1と上方デッキ450-2との間の境界面455は、第1の誘電層452、および/または、異なる厚さを伴う他の誘電性材料を備え得る。
【0061】
交互の誘電体スタック450の上方デッキ450-2は、上においてチャネル連結層456も備える。いくつかの実施形態では、チャネル連結層456は、第1の絶縁層456-1と、第2の絶縁層456-2と、第3の絶縁層456-3とを備え得る。第1の絶縁層456-1、第2の絶縁層456-2、および第3の絶縁層456-3は、任意の適切な絶縁材料および/または誘電性材料によって作られ得る。いくつかの実施形態では、第1の絶縁層456-1および第3の絶縁層456-3は酸化シリコンを含み、第2の絶縁層456-2は窒化シリコンを含み得る。チャネル連結層456は、化学気相堆積(CVD)プロセス(例えば、PECVD、LPCVD、RTCVD、MOCVD)、原子層気相堆積(ALD)、スパッタリング、または任意の他の適切なプロセスなど、薄膜堆積プロセスを用いて形成できる。
【0062】
交互の誘電体スタック450に加えて、いくつかの実施形態では、周辺デバイス(図示されていない)が基板330の前面330fにおいて周辺領域105(
図1参照)に形成され得る。いくつかの実施形態では、能動的なデバイス領域(図示されていない)も基板330の前面330fにおいてメモリブロック103(
図1参照)に形成され得る。いくつかの実施形態では、基板330は前面330fに絶縁膜331をさらに含み得る(
図4に示されていない)。絶縁膜331は、交互の誘電体スタック450と同じまたは異なる材料から作られ得る。
【0063】
周辺デバイスは、例えば金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、ダイオード、抵抗、コンデンサなどの任意の適切な半導体デバイスを含み得る。周辺デバイスは、例えば行デコーダ、列デコーダ、ドライバ、ページバッファ、センスアンプ、タイミング、および制御といった、メモリコアの記憶機能を支援するデジタル回路、アナログ回路、および/または混合信号回路の設計で使用され得る。
【0064】
メモリブロックにおける能動的なデバイス領域は、浅いトレンチ隔離などの隔離構造によって包囲される。p型および/またはn型のドーピングされたウェルなどのドーピングされた領域が、メモリブロックにおけるアレイデバイスの機能性に応じて、能動的なデバイス領域に形成され得る。
【0065】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス500の断面図を示している。3Dメモリデバイス500は、交互の誘電体スタック450に形成され、交互の誘電体スタック450全体(上方デッキ450-2と下方デッキ450-1との両方を含む)を貫通し、基板330へと延びる複数のチャネルホール(例えば、チャネルホール336)を備える。
【0066】
いくつかの実施形態では、チャネルホール336の形成は、フォトリソグラフィおよびエッチングなどのプロセスを含む。いくつかの実施形態では、炭素ベースのポリマ材料、またはハードマスクが、エッチングプロセスについてのフォトレジストに加えて使用され得る。ハードマスクは、酸化シリコン、窒化シリコン、TEOS、シリコン含有耐反射被覆(SiARC)、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。チャネルホール336を形成するためのエッチングプロセスには、ドライエッチング、ウェットエッチング、またはそれらの組み合わせがあり得る。いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタック450は、反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性エッチングを用いてエッチングされ得る。いくつかの実施形態では、フッ化炭素(CF4)、六フッ化エタン(C2F6)、CHF3、C3F6、Cl2、BCl3など、またはそれらの任意の組み合わせなど、フッ素または塩素ベースのガスが使用できる。第1および第2の誘電層452/454をエッチングするための方法およびエッチング液は、本開示の実施形態によって限定されるべきではない。
【0067】
いくつかの実施形態では、チャネルホール336は同じリソグラフィマスクおよびエッチングプロセスによって形成でき、階段領域210およびチャネル構造領域211におけるすべてのチャネルホールが同時に開けられる。いくつかの実施形態では、チャネル構造領域211におけるチャネルホールと階段領域210におけるチャネルホールとは、異なるリソグラフィマスクおよびエッチングプロセスによって形成され得る。例えば、階段領域210におけるチャネルホールは特定のリソグラフィマスクおよびエッチングプロセスで初めに形成され、チャネル構造領域211におけるチャネルホールは、別のリソグラフィマスクおよび異なるエッチングプロセスで続けて形成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、チャネルホール336は、下方デッキ450-1および上方デッキ450-2を通じて連続してエッチングすることで形成され得る。この例では、下方デッキ450-1は基板330に配置でき、複数の第1の開口(図示されていない)は下方デッキ450-1に形成できる。次に、充填材料が、複数の第1の開口の内側に配置され得る。上方デッキ450-2は、充填材料の堆積の後に下方デッキにわたって配置され得る。次に、複数の第2の開口が別のリソグラフィマスクで上方デッキ450-2に形成され得る。第2の開口は、充填材料を除去した後、交互の誘電体スタック450全体を通じて延びるチャネルホール336が形成され得るように、第1の開口と並べられ得る。下方デッキ450-1と上方デッキ450-2との間の境界面455におけるガウジングが、充填材料の除去プロセスのため、または、上方デッキ450-2における複数の第2の開口についての拡張のエッチングプロセスのため、形成され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス500は、チャネルホール336の内側にエピタキシャル層558をさらに備える。エピタキシャル層558は、シリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、III-V族化合物、またはそれらの任意の組み合わせなど、任意の適切な半導体材料を含み得る。エピタキシャル層558は基板330からエピタキシャル成長させられ得る。いくつかの実施形態では、エピタキシャル層558は、チャネルホール336の内側の基板330の露出させられた表面から選択的に成長させられ得る。いくつかの実施形態では、エピタキシャル層558は、例えば多結晶シリコンといった多結晶半導体材料であり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、エピタキシャル層558は、基板330におけるドーピング領域(
図15には示されていない)からエピタキシャル成長させられ得る。ドーピング領域は、例えばボロン、リン、ヒ素、またはそれらの任意の組み合わせといったp型またはn型のドーパントを使用するイオン注入によって形成できる。イオン注入は、交互の誘電体スタック450の堆積の前に実施され得る。いくつかの実施形態では、イオン注入はチャネルホールエッチングの後に実施され得る。
【0071】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス600の断面図を示している。3Dメモリデバイス600は、3Dメモリデバイス500(
図5)に配置されたメモリ膜(例えば、
図3におけるメモリ膜337)を備える。メモリ膜337は、各々のチャネルホール336の側壁、エピタキシャル層558の上面、およびチャネル連結層456の上面に配置され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、メモリ膜337は、トンネル層、記憶層(「電荷捕獲/保存層」としても知られている)、およびブロック層を含む複合層であり得る。各々のチャネルホール336は円筒形を有し得る。トンネル層、記憶層、およびブロック層は、いくつかの実施形態によれば、チャネルホールの中心から外側に向かう方向に沿って上記の順番で配置される。トンネル層は、酸化シリコン、窒化シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ブロック層は、酸化シリコン、窒化シリコン、高誘電率(高k)誘電体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。記憶層は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、メモリ膜337はONO誘電体(例えば、酸化シリコンを含むトンネル層、窒化シリコンを含む記憶層、および、酸化シリコンを含むブロック層)を備える。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1のキャッピング層659が、続いての製作プロセスにおいて損傷から保護するために、メモリ膜337に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1のキャッピング層659は非晶質または多結晶のシリコン層を備え得る。いくつかの実施形態では、第1のキャッピング層659は酸化シリコン、酸窒化シリコン、または窒化シリコンの層を備え得る。第1のキャッピング層659は、ALD、CVD、PVD、スパッタリング、または任意の他の適切なプロセスなどの薄膜堆積プロセスを用いて形成され得る。いくつかの実施形態では、第1のキャッピング層659の厚さは約10nmから約50nmの範囲であり得る。
【0074】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス700の断面図を示している。3Dメモリデバイス700は、3Dメモリデバイス600(
図6に示されている)に配置されたハードマスク層760および第1のフォトレジストマスク762を備える。
【0075】
ハードマスク層760は、続くエッチングプロセスの間、下にあるデバイスおよび材料へ保護を提供するために使用され得る。ハードマスク層760は、例えば非晶質炭素層760-1および誘電マスク層760-2といった、エッチングプロセスに耐えることができる任意の適切な材料を備える。
【0076】
非晶質炭素層760-1は、3Dメモリデバイス600の上に非共形の膜を提供でき、チャネルホール336にわたる段差状の覆いは、非晶質炭素層760-1がチャネルホール336の内側に配置されないように十分に低くされる。別の言い方をすれば、メモリ膜337および第1のキャッピング層659は、チャネル連結層456の上において非晶質炭素層760-1によって覆うことができ、チャネルホール336の内側におけるメモリ膜337および第1のキャッピング層659の側壁は、非晶質炭素層760-1の無い状態で露出され得る。チャネルホール336にわたる非晶質炭素層760-1における三角形(
図7に示されているような)は、図示の目的だけのためであり、非共形の配置のため、任意の他の適切な形とできる。非晶質炭素層760-1は、CVD、PVD、スパッタリング、または任意の他の適切な堆積方法によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、非晶質炭素層760-1は、非晶質炭素の耐エッチング性を向上させるために、ボロンなどの他の耐エッチング性元素でドーピングされ得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、誘電マスク層760-2は、非晶質炭素層760-1の上に配置される酸化シリコン、酸窒化シリコン、または窒化シリコンを含む。いくつかの実施形態では、誘電マスク層760-2は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、および酸化アルミニウム(Al2O3)などの薄い金属または酸化金属の層を備え得る。誘電マスク層760-2は、CVD、ALD、PVD、スパッタリング、または任意の他の適切な堆積方法によって配置することができる。
【0078】
ハードマスク層760は、本明細書に記載されている例示の材料に限定されない。他の選択肢には、高k誘電性材料および/またはそれらの任意の組合せがあり得る。
【0079】
リソグラフィによって形成された第1のフォトレジストマスク762が、第1の領域(例えば、
図2におけるチャネル構造領域211)を保護し、第2の領域(例えば、階段領域210または任意の他のダミー領域)を露出させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、第1のフォトレジストマスク762は、リソグラフィ品質を向上させ、エッチングの間に過剰な保護を提供するために使用される誘電性ARC(DARC)または下面ARC(BARC)などの反射防止コーティング(ARC)も含む。
【0080】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス800の断面図を示している。3Dメモリデバイス800は、
図7における第1のフォトレジストマスク762からのパターン転写プロセスによって形成される第1のマスク(つまり、ハードマスク層760の一部分または非晶質炭素層760-1)を備える。第1のフォトレジストマスク762のように、第1のマスク(または非晶質炭素層760-1)は、階段領域210におけるチャネルホール336を露出させ、チャネル構造領域211におけるチャネルホール336を覆う。
【0081】
いくつかの実施形態では、パターン転写プロセスはエッチングプロセスを含む。エッチングプロセスには、ドライエッチング、ウェットエッチング、またはそれらの組合せがある。ドライエッチングは、フッ化炭素(CF4)、六フッ化エタン(C2F6)、および/または任意の他の適切なガスなどのガスに基づいて酸素(O2)および/またはフッ素(F)を使用する反応性イオンエッチング(RIE)であり得る。
【0082】
ハードマスク層760をパターン形成した後(例えば、非晶質炭素層760-1を通じてエッチングした後)、第1のフォトレジストマスク762および誘電マスク層760-2は、
図8に示されているように消費させられ得る。いくつかの実施形態では、第1のフォトレジストマスク762および誘電マスク層760-2は非晶質炭素層760-1の上に残り得る。この例では、第1のフォトレジストマスク762および/または誘電マスク層760-2は、続いてのプロセスステップの前に、非晶質炭素層760-1にパターンを転写した後に除去できる。
【0083】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス900の断面図を示している。3Dメモリデバイス900は階段領域210にリセス964を備える。リセス964は、第1のマスク(つまり、
図8におけるパターン形成された非晶質炭素層760-1)を用いて、交互の誘電体スタックの上方デッキ450-2において第1および第2の誘電層452/454の複数の対を通じてエッチングすることで形成できる。
【0084】
図9に示されているように、チャネル連結層456と、第1および第2の誘電層452/454の上位3つの対とが、階段領域210において除去され得る。いくつかの実施形態では、異なる数の第1/第2の誘電層が除去され得る。
図7における第1のフォトレジストマスク762の設計に依存して、チャネル連結層456と、第1/第2の誘電層452/454の複数の対とは、階段領域210以外のウェハにおける様々なダミー領域においても除去され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、チャネル連結層456と第1および第2の誘電層452/454とは、ドライエッチング、ウェットエッチング、またはそれらの組合せによって除去され得る。ドライエッチングは、CF
4、CHF
3、C
2F
6、または任意の他の適切なガスによるRIEを含み得る。エッチングプロセスの後、
図8における非晶質炭素層760-1が除去され得る。
【0086】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1000の断面図を示している。3Dメモリデバイス1000は、階段領域210を覆い、チャネル構造領域211を露出させる第2のフォトレジストマスク1070を備える。
【0087】
第2のフォトレジストマスク1070は、リソグラフィによって形成でき、フォトレジストが、小さい寸法を伴うチャネルホール336を満たすことなく、より大きい寸法のリセス964(
図9に示されている)を満たすことができるような粘度を伴う任意のフォトレジストを含み得る。いくつかの実施形態では、アッシングプロセス(例えば、酸素プラズマエッチング)が、チャネル構造領域211におけるチャネルホール336の内側の望ましくないフォトレジスト在留物を除去するために実施され得る。
【0088】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1100の断面図を示している。3Dメモリデバイス1100は第2のマスク(つまり、第2のフォトレジストマスク1070の一部分)を備える。3Dメモリデバイス1100は、同一平面の上面を形成するために、
図10における3Dメモリデバイス1000の第2のフォトレジストマスク1070を平坦化することで形成できる。3Dメモリデバイス1100では、第2のフォトレジストマスク1070の上面と、チャネル連結層456の上における第1のキャッピング層659とが同一平面である。いくつかの実施形態では、平坦化プロセスは、O
2、CF
4、または他の適切なガスによるエッチバックRIEを含む。いくつかの実施形態では、平坦化プロセスは化学機械研磨を備える。
【0089】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1200の断面図を示している。3Dメモリデバイス1200は、3Dメモリデバイス1100(
図11)に配置された第2のキャッピング層1072を備える。チャネル構造領域211では、第2のキャッピング層1072は、チャネルホールの内側およびチャネル連結層456の上における第1のキャッピング層659を覆う。第2のキャッピング層1072は第2のマスク(つまり、階段領域210における第2のフォトレジストマスク1070)も覆う。第2のキャッピング層1072は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、または任意の適切な誘電性材料を含む。第2のキャッピング層1072は、CVD、PVD、スパッタリングなどによって堆積させられ得る。
【0090】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1300の断面図を示している。3Dメモリデバイス1300は、チャネル構造領域211における各々のチャネルホール336の底に窪み1374を備え、チャネルホールは第2のフォトレジストマスク1070によって覆われていない。したがって、チャネル構造領域211におけるチャネルホール336は、窪み1374を介してエピタキシャル層558へと延びる。
【0091】
窪み1374は、例えばCF4、CHF3、C2F6、もしくはC3F6などの化学ガス、および/または他の適切なエッチング液によるRIEといったドライエッチングによって形成され得る。エッチングプロセスの間、ポリマ膜(図示されていない)が、チャネルホール336の側壁、チャネル連結層456の上面、および第2のフォトレジストマスク1070の上における第2のキャッピング層1072を保護するために堆積させられ得る。エッチングプロセスは、チャネル構造領域211におけるチャネルホールの底における第2のキャッピング層1072、第1のキャッピング層659、およびメモリ膜337を除去する。そのため、エピタキシャル層558の少なくとも一部分が、窪み1374を形成した後、チャネル構造領域211におけるチャネルホール336の内側で露出させられる。いくつかの実施形態では、窪み1374は、5nmから100nmの間の範囲での深さと、10nmから100nmの間の範囲での幅とを有し得る。
【0092】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1400の断面図を示している。3Dメモリデバイス1400は、
図13における3Dメモリデバイス1300から第1のキャッピング層659および第2のキャッピング層1072を除去することで形成できる。3Dメモリデバイス1400では、メモリ膜337はチャネル構造領域211におけるチャネルホール336の内側で露出される。階段領域210では、メモリ膜337は第1のキャッピング層659によって覆われており、エピタキシャル層558はメモリ膜337および第1のキャッピング層659によって覆われている。
【0093】
第2のフォトレジストマスク1070を使用することで、階段領域210における構造は、窪み1374の形成、および、第1のキャッピング層659/第2のキャッピング層1072の除去の間に露出させられない。そのため、ダミー領域(つまり、階段領域210)におけるメモリ膜337の損傷が回避できる。
【0094】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1500の断面図を示している。3Dメモリデバイス1500は、
図14における3Dメモリデバイス1400から第2のフォトレジストマスク1070を除去し、続いてチャネル層338およびコア充填膜339を配置することで形成できる。
【0095】
チャネル構造領域211では、チャネル層338はチャネルホール336の内側のメモリ膜337の側壁を覆い、窪み1374を通じてエピタキシャル層558と連結される。階段領域210では、チャネル層338は、チャネルホール336の側壁およびリセス964に形成され得る。
【0096】
チャネル層338は、シリコンなどの任意の適切な半導体材料であり得る。いくつかの実施形態では、チャネル層338は、アモルファス、ポリシリコン、または単結晶シリコンであり得る。チャネル層338は、限定されることはないが、CVD、PVD、ALD、またはそれらの組み合わせを含む任意の適切な薄膜堆積プロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態では、チャネル層338の厚さは約10nmから約30nmの範囲であり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、コア充填膜339は、チャネル構造領域211および階段領域210に加えてリセス964において、各々のチャネルホール336を満たすように配置され得る。いくつかの実施形態では、コア充填膜339の中間は1つまたは複数の空隙を含み得る。コア充填膜339は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、スピンオンガラス、ボロンもしくはリンでドーピングされた酸化シリコン、炭素でドーピングされた酸化物(CDO、SiOC、もしくはSiOC:H)、フッ素でドーピングされた酸化物(SiOF)、またはそれらの任意の組み合わせといった任意の適切な絶縁体であり得る。コア充填膜339は、例えばALD、PVD、CVD、スピンコーティング、スパッタリング、または任意の他の適切な膜堆積技術を用いて堆積させられ得る。コア充填膜339は、繰り返しの堆積およびエッチバックのプロセスを用いることで形成されてもよい。エッチバックプロセスには、限定されることはないが、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはそれらの組み合わせがあり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、コア充填膜339、チャネル層338、およびチャネル連結層456は3Dメモリデバイス1500において同一平面にある。平坦化プロセスには、化学機械研磨、RIE、ウェットエッチング、またはそれらの組み合わせがある。平坦化プロセスは、チャネルホール336およびリセス964の外部の過剰なコア充填膜339、チャネル層338、およびメモリ膜337を除去する。したがって、チャネル構造領域211では、チャネル層338とメモリ膜337とは、隣接するチャネルホール336同士の間で連結解除され得る。
【0099】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による3Dメモリデバイス1600の断面図を示している。3Dメモリデバイス1600は、チャネル構造領域211における各々のチャネルホール336の上部分に形成された上コンタクト構造1676を備える。
【0100】
上コンタクト構造1676は、非晶質または多結晶のシリコンとでき、例えばタングステン、チタン、タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化タンタル、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、またはそれらの任意の組合せといった、金属、金属合金、および/または金属シリサイドを含み得る。上コンタクト構造1676は、薄膜堆積が続くリセスエッチングプロセスによって形成される。リセスエッチングプロセスには、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはそれらの組合せがある。薄膜堆積は、CVD、PVD、ALD、スパッタリング、または任意の他の適切なプロセスを含む。
【0101】
上コンタクト構造1676は、チャネル構造領域211における各々のチャネルホール336の内側のチャネル層338と電気的接触を形成することができ、チャネル層338は窪み1374を介してエピタキシャル層558と連結される。
【0102】
図16に示されているように、3Dメモリデバイス1600は、化学機械研磨(CMP)などの平坦化プロセスによって形成できる平面状の上面を有する。平坦化プロセスを通じて、チャネルホール336の外側の過剰な上コンタクト構造1676が除去できる。
【0103】
製作プロセスは、例えば
図3に示されているように、スリット構造216を形成すること、交互の導電層および誘電層の膜スタック335を形成するために第2の誘電層454を導電性材料で置き換えること、ワード線333およびビット線341のためのコンタクト構造214および金属インターコネクト線343を形成することなど、機能的な二段デッキ3Dメモリを形成するために再び始めることができる。これらのプロセスと、結果生じる構造とは、当業者には知られており、したがって本開示には含まれていない。
【0104】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、
図4~
図16において示された3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセス1700を示している。製作プロセス1700に示された工程は完全なものではなく、他のプロセスステップが、図示されている工程のいずれかの前、後、または間に実施され得ることは、理解されるべきである。いくつかの実施形態では、例示の製作プロセス1700の一部の工程が省略されてもよいし、他の工程が含まれてもよく、それらは、本明細書では簡潔にするために記載されていない。いくつかの実施形態では、製作プロセス1700のプロセスステップは、異なる順番で実施されてもよい、および/または、変わってもよい。
【0105】
図17に示されているように、製作プロセス1700はプロセスステップS1710において開始し、プロセスステップS1710では、交互の誘電体スタック(
図4における交互の誘電体スタック450)が基板330に形成でき、交互の誘電体スタックは第1の誘電層(例えば第1の誘電層452)と第2の誘電層(例えば第2の誘電層454)とを有する。いくつかの実施形態では、交互の誘電体スタック450は上方デッキ450-2と下方デッキ450-1とを備える。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の誘電層452および第2の誘電層454は任意の適切な絶縁材を含むことができ、第2の誘電層454は第1の誘電層452と異なる。いくつかの実施形態では、第1の誘電層452は酸化シリコンであり、第2の誘電層454は窒化シリコンであり得る。交互の誘電体スタック450は、CVD、PVD、ALD、スパッタリング、またはそれらの任意の組合せなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって形成され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、基板330に交互の誘電体スタック450を配置した後、階段構造(
図3参照)が、複数のエッチングトリムプロセスを用いることで交互の誘電体スタック450の端に形成され得る。
【0108】
プロセスステップS1720において、交互の誘電体スタック450全体を貫通し、基板330の少なくとも一部分を露出させる複数のチャネルホール(例えば、
図5におけるチャネルホール336)が形成され得る。チャネルホール336の形成は、フォトリソグラフィ、および、例えば反応性イオンエッチング(RIE)といったエッチングなどのプロセスを含み得る。いくつかの実施形態では、続いてのウェットプロセスが、チャネルホール336を洗浄して、可及的なポリマ、またはRIEプロセスからの副産物を除去するために使用できる。
【0109】
いくつかの実施形態では、エピタキシャル層(例えば、
図5におけるエピタキシャル層558)が、エピタキシャルプラグを形成するためにチャネルホール336の内側に堆積させられ得る。一例では、エピタキシャル層558は選択的なエピタキシーを用いることで堆積でき、半導体層(例えば、シリコン)が基板330の露出された部分から成長することだけでき(または、その露出された部分に堆積させることだけでき)、誘電膜(例えば、第1および第2の誘電層452/454)においては成長できない。いくつかの実施形態では、エピタキシャル層558は、エピタキシーの間、または、続いてのイオン注入によって、その場でのドーピングによってドーピングされ得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、メモリ膜および第1のキャッピング層(例えば、
図6におけるメモリ膜337および第1のキャッピング層659)がチャネルホール336の内側に連続して配置され得る。いくつかの実施形態では、メモリ膜337はONO誘電体(例えば、酸化シリコンを含むトンネル層、窒化シリコンを含む記憶層、および、酸化シリコンを含むブロック層)を備える。いくつかの実施形態では、メモリ膜337は高k誘電体も備え得る。いくつかの実施形態では、第1のキャッピング層659は、非晶質もしくは多結晶のシリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、またはそれらの組合せを含む。
【0111】
プロセスステップS1730において、第1のマスクが、第1の領域(例えば、
図2および
図7におけるチャネル構造領域211)においてチャネルホール336にわたって形成される。いくつかの実施形態では、第1のマスクは、
図7における第1のフォトレジストマスク762およびハードマスク層760を備えてもよく、ハードマスク層760は、チャネルホール336の内側を満たさない非共形の膜(例えば、非晶質炭素層760-1)を含む。第1のフォトレジストマスク762のパターンは、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを通じて、下にあるハードマスク層760へと転写され得る。結果として、第1の領域(例えば、チャネル構造領域211)におけるチャネルホール336は第1のマスク(例えば、ハードマスク層760)によって覆われ、第2の領域(例えば、
図2および
図8における階段領域210)におけるチャネルホールは露出される。
【0112】
プロセスステップS1740において、交互の誘電体スタックの上部分が、パターン形成されたハードマスク層760を用いて、階段領域210において除去される。したがって、リセスが第2の領域(例えば、階段領域210)に形成される。
図9は、階段領域210にリセス964を形成するために、第1および第2の誘電層452/454の上位3つの対がチャネル連結層456と共に除去されている例示の構造を示している。
【0113】
プロセスステップS1750において、第2のマスク(例えば、
図10および
図11における第2のフォトレジストマスク1070)が、第2の領域(例えば、階段領域210)においてチャネルホールを覆うために形成される。第2のフォトレジストマスク1070の粘度は、第2のフォトレジストマスク1070がより大きな寸法のリセス964を満たす一方で、第2のフォトレジストマスク1070がより小さい寸法のチャネルホールの内側を満たさないように選択され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、第2のフォトレジストマスク1070は、チャネル連結層456の上面と平坦化され得る。平坦化プロセスには、ドライエッチング、ウェットエッチング、化学機械研磨、またはそれらの組合せがある。
【0115】
プロセスステップS1760において、窪み(例えば、
図14における窪み1374)が、チャネル構造領域211における各々のチャネルホール336の底に形成される。窪み1374は、チャネルホール336の底におけるメモリ膜337を通じてドライエッチングすることで形成できる。いくつかの実施形態では、窪み1374は第1のキャッピング層659を通じて延びる。したがって、エピタキシャル層558の少なくとも一部分が、チャネル構造領域211におけるチャネルホール336の内側で露出させられる。
【0116】
いくつかの実施形態では、誘電層(例えば、
図12および
図13における第2のキャッピング層1072)が、窪み1374を形成する前に配置され得る。第2のキャッピング層1072は、窪み1374のためのエッチングプロセスの間にチャネルホールの側壁におけるメモリ膜337を保護するために使用される。第1の領域におけるチャネルホールの底におけるこの誘電層は、窪み1374の形成の間にメモリ膜337と共にエッチングされ得る。
【0117】
第2のキャッピング層1072および第1のキャッピング層659は、チャネル構造領域211におけるチャネルホールの内側にメモリ膜337を露出させるために、窪み1374を形成した後に剥ぎ取られ得る。そして次に第2のフォトレジストマスク1070が除去され得る。
【0118】
プロセスステップS1770において、チャネル層およびコア充填膜(例えば、
図15におけるチャネル層338およびコア充填膜339)が、第1の領域においてチャネルホール336の内側におけるメモリ膜337に配置される。チャネル層およびコア充填膜は、第2の領域におけるチャネルホール336の内側でリセス964に配置されてもいる。いくつかの実施形態では、チャネル層338は非晶質シリコン層または多結晶シリコン層とでき、コア充填膜339は酸化シリコンとできる。チャネル層338およびコア充填膜339は、CVD、PVD、ALDなどの薄膜堆積プロセスを用いることで形成できる。
【0119】
いくつかの実施形態では、平坦化プロセス(例えば、化学機械研磨)が、チャネルホール336の外側の過剰なメモリ膜337、チャネル層338、およびコア充填膜339を除去して平坦化された上面を形成するために使用され得る。
【0120】
プロセスステップS1780において、上コンタクト構造(例えば、
図16における上コンタクト構造1676)が、第1の領域(例えば、チャネル構造領域211)における各々のチャネルホールについて形成され得る。上コンタクト構造1676は、チャネルホール336の内側にコンタクトリセスを形成するために、エッチングプロセス(例えば、RIE)を用いてコア充填膜339を凹ませ、続いて、コンタクトリセスにおける半導体材料(例えば、非晶質または多孔質のシリコン)を薄膜堆積させることで形成できる。いくつかの実施形態では、上コンタクト構造1676は金属、金属合金、またはケイ化物を含む。上コンタクト構造1676はチャネル層338と連結され、チャネル層338のための電気接触として機能することができる。平坦化プロセス(例えば、化学機械研磨)は、チャネルホール336の外側の半導体材料を除去して平坦化された上面を形成するために使用され得る。
【0121】
機能的な二段デッキ3Dメモリを形成するための製作プロセスは、再び始めることができる。例えば、交互の導電層および誘電層の膜スタックが、第2の誘電層を導電層で置き換えることで形成され得る。
【0122】
まとめると、本開示は、3Dメモリデバイスの様々な実施形態と、3Dメモリデバイスを作る方法とを記載している。
【0123】
本開示の一態様は、基板に交互の誘電体スタックを形成するステップと、複数のチャネルホールを形成するステップであって、複数のチャネルホールは、少なくとも基板の一部分を露出させるために、基板に対して垂直な方向において、交互の誘電体スタックを鉛直に貫通する、ステップとを含む、三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法を提供している。方法は、複数のチャネルホールを第1の領域において覆い、複数のチャネルホールを第2の領域において露出させる第1のマスクを形成するステップも含む。方法は、第2の領域における交互の誘電体スタックにリセスを形成するステップをさらに含む。方法は、リセスに第2のマスクを形成するステップであって、第2のマスクは、第2の領域における複数のチャネルホールを覆い、第1の領域における複数のチャネルホールを露出させる、ステップも含む。方法は、第1の領域における複数のチャネルホールの底に窪みを形成するステップをさらに含む。
【0124】
本開示の別の態様は、基板に配置される上方デッキおよび下方デッキを伴う交互の誘電体スタックであって、各々のデッキは、基板に対して垂直の方向において交互に積み重ねられた第1の誘電層および第2の誘電層を備え、第2の誘電層は第1の誘電層と異なる、交互の誘電体スタックを備える二段デッキ三次元(3D)メモリデバイスを提供する。二段デッキ3Dメモリデバイスは、交互の誘電体スタックの上方デッキおよび下方デッキを通じて基板へと貫通する複数のチャネルホールも備える。二段デッキ3Dメモリデバイスは、複数のチャネルホールの各々の側壁を覆うメモリ膜、チャネル層、およびコア充填膜をさらに備える。二段デッキ3Dメモリデバイスは、第1の領域においての複数のチャネルホールの各々の底における窪みと、第2の領域においての交互の誘電体スタックの上方デッキにおけるリセスとを同じく備える。
【0125】
特定の実施形態の先の記載は、他の者が、当業者の知識を適用することで、過度の実験なしで、本開示の大まかな概念から逸脱することなく、このような実施形態を様々な用途に向けて容易に変更および/または適合することができるように本開示の概略的な性質を十分に明らかにしている。そのため、このような適合および変更は、本明細書で提起されている本開示および案内に基づいて、開示されている実施形態の均等の意味および範囲の中にあると意図されている。本明細書の用語および表現が本開示および案内に鑑みて当業者によって解釈されるものであるように、本明細書における表現および用語が説明の目的のためであって、限定のものではないことは、理解されるものである。
【0126】
本開示の実施形態は、明示された機能の実施およびそれらの関係を示す機能的な構成要素の助けで先に記載されている。これらの機能的な構成要素の境界は、記載の利便性のために本明細書では任意に定められている。明示された機能およびそれらの関係が適切に実施される限り、代替の境界が定められてもよい。
【0127】
概要および要約は、本開示の1つまたは複数の例示の実施形態を述べることができるが、発明者によって考えられているような本開示のすべての例示の実施形態を述べていない可能性があり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を何らかの形で限定するようには意図されていない。
【0128】
本開示の広がりおよび範囲は、前述の例示の実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、以下の特許請求の範囲およびその均等に従ってのみ定められるべきである。
【符号の説明】
【0129】
100 三次元(3D)メモリデバイス
101 メモリ平面
103 メモリブロック
105 周辺領域
108 領域
210 階段領域
211 チャネル構造領域
212 メモリストリング
214 コンタクト構造
216、216-1、216-2 スリット構造
218 メモリ指部
220 上選択ゲート切断部
222 ダミーメモリストリング
224 メモリスライス
300 三次元(3D)メモリアレイ構造
330 基板
330f 前面、主面、上面
331 絶縁膜
332 下方選択ゲート
333、333-1、333-2、333-3 制御ゲート、ワード線
334 上選択ゲート
335 膜スタック
336 チャネルホール
337 メモリ膜
338 チャネル層
339 コア充填膜
340、340-1、340-2、340-3 メモリセル
341 ビット線
343 金属インターコネクト線
344 ドープソース線領域
400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600 3Dメモリデバイス
450 誘電体スタック
450-1 下方デッキ
450-2 上方デッキ
452 第1の誘電層
454 第2の誘電層
455 境界面
456 チャネル連結層
456-1 第1の絶縁層
456-2 第2の絶縁層
456-3 第3の絶縁層
558 エピタキシャル層
659 第1のキャッピング層
760 ハードマスク層
760-1 非晶質炭素層
760-2 誘電マスク層
762 第1のフォトレジストマスク
964 リセス
1070 第2のフォトレジストマスク
1072 第2のキャッピング層
1374 窪み
1676 上コンタクト構造
BL ビット線の方向
WL ワード線の方向