(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
H05F 3/04 20060101AFI20240213BHJP
H01T 19/04 20060101ALI20240213BHJP
H01T 23/00 20060101ALI20240213BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H05F3/04 D
H01T19/04
H01T23/00
H01L21/304 646
(21)【出願番号】P 2020070790
(22)【出願日】2020-04-10
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】瓜田 直功
(72)【発明者】
【氏名】新田 秀次
(72)【発明者】
【氏名】江角 和也
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄大
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-049359(JP,A)
【文献】特開2002-066865(JP,A)
【文献】特開2007-149419(JP,A)
【文献】特開平02-267880(JP,A)
【文献】特開2010-257756(JP,A)
【文献】特開2013-257952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05F 1/00 - 7/00
H01T 19/04
H01T 23/00
H01L 21/301
H01L 21/304
H01L 21/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持するチャックテーブルと、
該チャックテーブルで保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、
該被加工物を保持するスピンナテーブルを含み、該スピンナテーブルで保持された該被加工物を洗浄する洗浄ユニットと、
該被加工物を該チャックテーブルへ搬送するときの該チャックテーブルの位置に隣接して設けられ、針電極を有し、イオン化されたエアを噴射口から該チャックテーブルへ噴射して該被加工物の帯電を緩和する第1のイオン噴射部と、該スピンナテーブルに隣接して設けられ、針電極を有し、イオン化されたエアを噴射口から該スピンナテーブルへ噴射して該被加工物の帯電を緩和する第2のイオン噴射部と、を有するイオン噴射ユニットと、
該第1のイオン噴射部の噴射口と該チャックテーブルとの間に配置され、該第1のイオン噴射部の噴射口から噴射されたイオン化されたエアの少なくとも一部が当たる第1の金属部材と、該第2のイオン噴射部の噴射口と該スピンナテーブルとの間に配置され、該第2のイオン噴射部の噴射口から噴射されたイオン化されたエアの少なくとも一部が当たる第2の金属部材と、を有する金属部材と、
該金属部材の電位を測定することにより、イオン化されたエアにおけるプラスイオンとマイナスイオンとのイオンバランスを検知するイオンバランス検知ユニットと、を備え
、
該第1の金属部材及び該第2の金属部材の各々は、一面から、該一面の反対側に位置する他面まで貫通する開口部が形成された金属板であり、
該第1のイオン噴射部から噴射されるイオン化されたエアの一部は、該第1の金属部材の開口部を通過し、
該第2のイオン噴射部から噴射されるイオン化されたエアの一部は、該第2の金属部材の開口部を通過することを特徴とする加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等の被加工物へイオン化されたエアを噴射して、被加工物の帯電を緩和するイオン噴射ユニットを備える加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスでは、例えば、ウェーハの表面に格子状に設定された複数の分割予定ラインで区画される各領域にデバイスを形成した後、当該ウェーハの裏面側を研削し、続いて、各分割予定ラインに沿ってウェーハを切削する。これにより、ウェーハを、複数のデバイスチップに分割する。
【0003】
製造プロセスで使用される切削装置には、除電器(イオナイザ)が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。イオナイザは、イオン化したエアをウェーハに噴射して、ウェーハに溜まった静電気を除去する。これにより、デバイスの静電破壊を防止する。
【0004】
イオナイザは、高電圧電源に電気的に接続される針電極を有する。空気中で針電極に高電圧を印加することにより、針電極の先端部にコロナ放電を生じさせると、針電極の先端部近傍にはイオン化されたエアが生じる。例えば、高電圧電源の正極に接続された針電極の先端部近傍では、プラスイオンが生じ、高電圧電源の負極に接続された針電極の先端部近傍では、マイナスイオンが生じる。
【0005】
しかし、高電圧の印加により、経時的に針電極の先端部が摩耗したり、先端部に汚れが付着したりする。これにより、イオン化されたエア中のプラスイオンの量とマイナスイオンの量とのバランス(即ち、イオンバランス)が崩れることがある。イオンバランスが崩れると、静電気の除去能力が低下するので、デバイスの静電破壊が生じやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デバイスの静電破壊を防ぐために、例えば、イオナイザからウェーハまでのエアの流路を、十分に大きな金属板で塞いだ状態で、イオン化されたエアのイオンバランスを監視することが考えられる。しかし、測定用の金属板を常時配置しておくと、ウェーハへ到達するイオン化されたエアの量が著しく低減する。
【0008】
これに対して、イオン化されたエアが吹き付けられているウェーハの電位を測定することも考えられるが、間接的にウェーハの電位を測定したとしても、デバイスの静電破壊を未然に防ぐことはできない。
【0009】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、イオン化されたエアがウェーハへ到達することを確保しつつ、ウェーハを介さずにエアのイオンバランスを測定可能な加工装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルで保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、該被加工物を保持するスピンナテーブルを含み、該スピンナテーブルで保持された該被加工物を洗浄する洗浄ユニットと、該被加工物を該チャックテーブルへ搬送するときの該チャックテーブルの位置に隣接して設けられ、針電極を有し、イオン化されたエアを噴射口から該チャックテーブルへ噴射して該被加工物の帯電を緩和する第1のイオン噴射部と、該スピンナテーブルに隣接して設けられ、針電極を有し、イオン化されたエアを噴射口から該スピンナテーブルへ噴射して該被加工物の帯電を緩和する第2のイオン噴射部と、を有するイオン噴射ユニットと、該第1のイオン噴射部の噴射口と該チャックテーブルとの間に配置され、該第1のイオン噴射部の噴射口から噴射されたイオン化されたエアの少なくとも一部が当たる第1の金属部材と、該第2のイオン噴射部の噴射口と該スピンナテーブルとの間に配置され、該第2のイオン噴射部の噴射口から噴射されたイオン化されたエアの少なくとも一部が当たる第2の金属部材と、を有する金属部材と、該金属部材の電位を測定することにより、イオン化されたエアにおけるプラスイオンとマイナスイオンとのイオンバランスを検知するイオンバランス検知ユニットと、を備え、該第1の金属部材及び該第2の金属部材の各々は、一面から、該一面の反対側に位置する他面まで貫通する開口部が形成された金属板であり、該第1のイオン噴射部から噴射されるイオン化されたエアの一部は、該第1の金属部材の開口部を通過し、該第2のイオン噴射部から噴射されるイオン化されたエアの一部は、該第2の金属部材の開口部を通過する加工装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る加工装置は、イオン噴射ユニットを備える。イオン噴射ユニットは、被加工物をチャックテーブルへ搬送するときのチャックテーブルの位置に隣接して設けられ、針電極を有し、イオン化されたエアを噴射口から該チャックテーブルへ噴射して被加工物の帯電を緩和する第1のイオン噴射部を有する。更に、イオン噴射ユニットは、スピンナテーブルに隣接して設けられ、針電極を有し、イオン化されたエアを噴射口からスピンナテーブルへ噴射して被加工物の帯電を緩和する第2のイオン噴射部を有する。
【0013】
加工装置は、金属部材を更に備える。金属部材は、第1のイオン噴射部のイオン噴射口とチャックテーブルとの間に配置された第1の金属部材と、第2のイオン噴射部のイオン噴射口とスピンナテーブルとの間に配置された第2の金属部材と、を有する。第1の金属部材は、イオン噴射口から噴射されたイオン化されたエアの少なくとも一部を該チャックテーブルへ通過させる。また、第2の金属部材は、噴射口から噴射されたイオン化されたエアの少なくとも一部をスピンナテーブルへ通過させる。
【0014】
加工装置は、イオンバランス検知ユニットを更に備える。イオンバランス検知ユニットは、金属部材の電位を測定することにより、イオン化されたエアにおけるプラスイオンとマイナスイオンとのイオンバランスを検知する。
【0015】
当該加工装置では、金属部材が、イオン化されたエアの少なくとも一部を通過させるので、イオン化されたエアが被加工物へ到達することを確保できる。加えて、イオンバランス検知ユニットにより、ウェーハではなく金属部材を介して、イオン化されたエアのイオンバランスが崩れているか否かを監視できるので、被加工物の静電破壊を未然に防止できる。また、第1の金属部材を通じて第1のイオン噴射部のイオンバランスを監視でき、第2の金属部材を通じて第2のイオン噴射部のイオンバランスを監視できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】第1のイオン噴射部等の一部断面側面図である。
【
図4】
図4(A)は第1変形例に係る第1の金属部材の正面図であり、
図4(B)は第2変形例に係る第1の金属部材の正面図である。
【
図5】
図5(A)は第3変形例に係る第1の金属部材の正面図であり、
図5(B)は第4変形例に係る第1の金属部材の正面図であり、
図5(C)は第5変形例に係る第1の金属部材の正面図であり、
図5(D)は第6変形例に係る第1の金属部材の正面図であり、
図5(E)は第7変形例に係る第1の金属部材の正面図であり、
図5(F)は第8変形例に係る第1の金属部材の正面図である。
【
図6】
図6(A)は第9変形例に係る第1の金属部材の斜視図であり、
図6(B)は第10変形例に係る第1の金属部材の斜視図であり、
図6(C)は第11変形例に係る第1の金属部材の斜視図であり、
図6(D)は第12変形例に係る第1の金属部材の斜視図であり、
図6(E)は第13変形例に係る第1の金属部材の斜視図であり、
図6(F)は第14変形例に係る第1の金属部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。
図1は、切削装置2の斜視図である。
図1におけるX軸方向(加工送り方向)、Y軸方向(割り出し送り方向)及びZ軸方向(鉛直方向、高さ方向)は、互いに直交する方向である。
【0018】
切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の前方の角部には、開口4aが設けられている。開口4a内には、昇降機構(不図示)によって昇降するカセットエレベータ6aが設けられている。
【0019】
カセットエレベータ6aの上面には、カセット載置台(不図示)が設けられており、このカセット載置台上には、カセット6bが載せられる。カセット6bには、複数の被加工物11が収容される。被加工物11は、例えば、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハである。なお、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。
【0020】
被加工物11の表面側には、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)が設定されている。複数の分割予定ラインによって区画された各領域の表面側には、IC(Integrated Circuit)等のデバイスが形成されている。
【0021】
被加工物11の裏面側には、被加工物11の径よりも大きな径を有する粘着テープ13が貼り付けられる。粘着テープ13の外周部分に金属製の環状のフレーム15の一面を貼り付けることで、粘着テープ13を介して被加工物11がフレーム15で支持された被加工物ユニット17が形成される。
【0022】
カセットエレベータ6aの後方には、X軸方向に沿う長辺を有する矩形状の開口4bが形成されている。開口4b内には、テーブルカバー10と、X軸方向に伸縮する蛇腹状カバー12とが設けられている。テーブルカバー10上には、チャックテーブル14が設けられている。
【0023】
チャックテーブル14は、ステンレス鋼等の金属で形成された円盤状の枠体を有する。枠体の上部には円盤状の凹部が形成されており、この凹部には多孔質板が固定されている。多孔質板は、枠体に形成されている流路を介してエジェクタ等の吸引源に接続されている。
【0024】
吸引源で発生された負圧が、流路を介して多孔質板に伝達することにより、多孔質板の上面には負圧が生じる。それゆえ、多孔質板の上面は、被加工物ユニット17を吸引して保持する保持面14aとして機能する。
【0025】
チャックテーブル14の下面には、モータ等の回転駆動源(不図示)の出力軸が接続されている。この出力軸は、Z軸方向(鉛直方向)に略平行に配置されており、チャックテーブル14の回転軸となる。
【0026】
回転駆動源の下方には、不図示のボールネジ式のX軸移動機構(加工送りユニット)が設けられている。X軸移動機構を動作させることにより、テーブルカバー10、チャックテーブル14及び回転駆動源は、X軸方向に沿って移動する。
【0027】
例えば、カセット6bから被加工物ユニット17(即ち、被加工物11)が搬出されてチャックテーブル14に載置されるとき、チャックテーブル14は、Y軸方向において開口4aに隣接する搬入・搬出領域Aに位置付けられる。
【0028】
搬入・搬出領域Aに位置付けられたチャックテーブル14の上方には、長手方向がY軸方向に沿って各々配置された一対のガイドレール(不図示)が設けられている。一対のガイドレールは、X軸方向に沿って互いに近づくことで、一対のガイドレール上に載置された被加工物ユニット17のX軸方向の位置を調整する。
【0029】
一対のガイドレールの上方であって、搬入・搬出領域Aにあるチャックテーブル14に隣接する位置には、第1のイオン噴射部20(第1のイオナイザ)が配置されている。
図2は、第1のイオン噴射部20等の一部断面側面図であり、
図3は、第1のイオン噴射部20等の斜視図である。
【0030】
なお、
図2及び
図3では、便宜上、粘着テープ13及びフレーム15を省略している。第1のイオン噴射部20は、長手部がX軸方向に沿って配置された角筒状の筐体22を有する。筐体22のX軸方向の一端部の側面には、開口22aが形成されている(
図3参照)。
【0031】
筐体22の内部には、開口22aから、ファン等の吸引機構によりエア21が取り込まれる。筐体22のX軸方向の両端部の間に位置する1つの側面には、筐体22の長手方向に沿って互いに離れた態様で、各々円筒状の複数の噴射口24a、24bが設けられている。
【0032】
各噴射口24a、24bは、筐体22の内部へ取り込まれたエア21がチャックテーブル14に向かって噴射される様に、その開口が斜め下に向かって配置されている。筐体22の内部には、各噴射口24a、24bに対応する位置に針電極26a、26bが設けられている。
【0033】
図3に示す例では、正極の針電極26aと、負極の針電極26bと、がX軸方向に沿って交互に配置されている。針電極26aと直流電源28aの正極との間にはスイッチ30aが設けられており、針電極26bと直流電源28bの負極との間にはスイッチ30bが設けられている。
【0034】
図2及び
図3では、スイッチ30a、30bがオン状態である場合を示す。本実施形態の第1のイオン噴射部20は、SSDC(Steady State Direct Current)方式である。スイッチ30a、30bは、後述する制御ユニット90によって制御され、所定時間、共にオン状態にされる。
【0035】
スイッチ30a、30bをオン状態とすると、エア中の酸素、窒素、水蒸気等が電離して、針電極26aの先端部近傍でプラスイオンが発生し、針電極26bの先端部近傍でマイナスイオンが発生する。そして、筐体22に取り込まれたエア21の流れに乗って、プラスイオンが噴射口24aから噴射され、マイナスイオンが噴射口24bから噴射される。
【0036】
プラスイオン及びマイナスイオンを含むイオン化されたエア21aは、搬入・搬出領域Aに位置するチャックテーブル14へ噴射される。イオン化されたエア21aは、チャックテーブル14に配置される被加工物11の帯電を緩和するために利用される。
【0037】
噴射口24a、24bと、保持面14aとの間には、ステンレス鋼等の金属で形成された第1の金属板(第1の金属部材)32が配置されている。なお、金属板の材料としては、錆び難く、且つ、比較的コストが低いステンレス鋼が適している。
【0038】
第1の金属板32の長手部は、X軸方向に沿って配置されている。第1の金属板32には、一面32aから、当該一面32aの反対側に位置する他面32bまでそれぞれ貫通する矩形状の複数の開口(開口部)34が形成されている。複数の開口34は、X軸方向に沿って互いに離れた態様で配置されている。
【0039】
第1のイオン噴射部20から噴射されたイオン化されたエア21aの一部は、開口34を通過するが、他の一部は、第1の金属板32に当たったり、第1の金属板32の外側を通過したりする。
【0040】
第1の金属板32に当たるイオン化されたエア21aにより、イオン化されたエア21aのイオンバランスは、第1の金属板32の電位として、第1の金属板32に直接反映される。
【0041】
第1の金属板32には、チャージプレートモニタ(イオンバランス検知ユニット)36が電気的に接続されている。なお、チャージプレートモニタは、イオナイザテスタ、イオナイザパフォーマンステスタ等とも呼ぼれることがある。
【0042】
以降の説明では、チャージプレートモニタをCPMと略記する。CPM36で第1の金属板32の電位を測定することにより、イオン化されたエア21aのプラスイオンとマイナスイオンとのイオンバランスを測定できる。
【0043】
チャックテーブル14へ被加工物ユニット17(即ち、被加工物11)が載置されるとき、及び、チャックテーブル14から被加工物ユニット17(即ち、被加工物11)が剥離されるとき、被加工物ユニット17には、静電気が発生しやすい。
【0044】
本実施形態では、開口34を有する第1の金属板32を介して被加工物11へイオン化されたエア21aを噴射することにより、イオン化されたエア21aが被加工物11へ到達することを確保できる。
【0045】
加えて、被加工物11ではなく第1の金属板32を介して、第1のイオン噴射部20イオン化されたエア21aのイオンバランスが崩れているか否かを監視できるので、被加工物11の静電破壊を未然に防止できる。
【0046】
ここで、
図1に戻って、切削装置2の他の構成要素について説明する。開口4bの上方には、第1の搬送機構(不図示)が設けられている。第1の搬送機構は、カセット6bから一対のガイドレールへ、又は、一対のガイドレールからカセット6bへ被加工物ユニット17を搬送するプッシュプル機構(不図示)を有する。
【0047】
第1の搬送機構は、更に、負圧によりフレーム15を吸着して保持するための複数の吸着ヘッド(不図示)を有する。第1の搬送機構は、一対のガイドレール上の被加工物ユニット17を各吸着ヘッドで保持した状態で、被加工物ユニット17を一対のガイドレールからチャックテーブル14へ搬送する。
【0048】
チャックテーブル14は、被加工物11が切削されるとき、搬入・搬出領域Aに対してX軸方向の一方側に位置する切削領域Bへ移動する。切削領域B上には、開口4bを跨ぐ様に門型の支持体4cが設けられている。
【0049】
支持体4cの一面側には、一対の加工ユニット移動機構(割り出し送りユニット、切り込み送りユニット)40が設けられている。一対の加工ユニット移動機構40は、支持体4cの一面に固定されY軸方向に略平行に配置された一対のY軸ガイドレール42を備える。
【0050】
一対のY軸ガイドレール42には、2つのY軸移動プレート44がY軸方向にスライド可能な態様で取り付けられている。各Y軸移動プレート44の裏面側(即ち、支持体4c側)には、ナット部(不図示)が設けられている。
【0051】
一のY軸移動プレート44のナット部には、Y軸方向に略平行な一のY軸ボールネジ46が回転可能な態様で連結されており、他のY軸移動プレート44のナット部には、他のY軸ボールネジ46が回転可能な態様で連結されている。
【0052】
各Y軸ボールネジ46の一端部には、Y軸パルスモータ48が連結されている。Y軸パルスモータ48でY軸ボールネジ46を回転させれば、各Y軸移動プレート44は、Y軸ガイドレール42に沿って移動する。
【0053】
各Y軸移動プレート44の表面側には、Z軸方向に概ね平行な一対のZ軸ガイドレール50が固定されている。一対のZ軸ガイドレール50には、Z軸移動プレート52がスライド可能な態様で取り付けられている。
【0054】
Z軸移動プレート52の裏面側(即ち、支持体4c側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレール50に平行なZ軸ボールネジ54が回転可能な態様で連結されている。
【0055】
Z軸ボールネジ54の一端部には、Z軸パルスモータ56が連結されている。Z軸パルスモータ56でZ軸ボールネジ54を回転させれば、Z軸移動プレート52は、Z軸ガイドレール50に沿ってZ軸方向に移動する。
【0056】
各Z軸移動プレート52の下部には、チャックテーブル14で保持された被加工物11を切削(加工)する切削ユニット(加工ユニット)58が設けられている。切削ユニット58は、長手方向がY軸方向に沿う様に配置された筒状のスピンドルハウジングを有する。
【0057】
スピンドルハウジングの内部には、Y軸方向に対して略平行に配置された円柱状のスピンドルが回転可能な態様で支持されている。スピンドルの一端部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドルの他端部には、円環状の切り刃を有する切削ブレードが装着されている。
【0058】
各切削ユニット58に隣接する位置には、カメラユニット60が設けられている。カメラユニット60は、CCDイメージセンサ等の撮像素子と、撮像素子に像を結ぶためのレンズ等を所定の光学系と、を有する。
【0059】
開口4bの上方には、第2の搬送機構(不図示)が設けられている。第2の搬送機構は、負圧によりフレーム15を吸着して保持するための複数の吸着ヘッド(不図示)を有する。第2の搬送機構は、被加工物ユニット17を各吸着ヘッドで保持した状態で、被加工物ユニット17をチャックテーブル14から後述する洗浄ユニット62へ搬送する。
【0060】
Y軸方向において開口4bに対して開口4aと反対側の位置には、開口4dが形成されている。開口4dには、加工後の被加工物11を洗浄するための洗浄ユニット62が設けられている。洗浄ユニット62は、スピンナテーブル64を有する。
【0061】
スピンナテーブル64の下部には、モータ等の回転駆動源(不図示)の出力軸が接続されている。この出力軸は、Z軸方向(鉛直方向)に略平行に配置されており、スピンナテーブル64の回転軸となる。
【0062】
スピンナテーブル64は、チャックテーブル14と同様に、枠体と、枠体に固定された多孔質板と、を有する。多孔質板の上面には、所定の流路を介して吸引源から負圧が作用する。それゆえ、スピンナテーブル64の上面は、被加工物ユニット17を吸引保持する保持面として機能する。
【0063】
スピンナテーブル64の上方には、ノズル66が配置されている。ノズル66は、圧縮エアを供給する気体供給源(不図示)と、純水等の液体を供給する液体供給源(不図示)とに接続されており、スピンナテーブル64の保持面へ、エア及び液体が混合された気液混合流体(二流体)を噴射する。
【0064】
なお、ノズル66には、金属製のアームの一端部が固定されている。また、アームの他端部には、揺動機構(不図示)が連結されている。揺動機構が動作すると、ノズル66は、スピンナテーブル64上のXY平面において円弧状の経路を往復移動する。
【0065】
スピンナテーブル64に隣接する位置には、第2のイオン噴射部70(第2のイオナイザ)が配置されている。第2のイオン噴射部70は、被加工物ユニット17の洗浄ユニット62への搬入搬出が阻害されない様に、開口4dに対して開口4bとは反対側の領域の上方に配置されている。
【0066】
第1のイオン噴射部20と同様に、第2のイオン噴射部70も、角筒状の筐体72を有する。筐体72のX軸方向の一端部の側面には、開口(不図示)が形成されており、この開口から筐体72の内部へは、ファン等の吸引機構によりエア21が取り込まれる。
【0067】
筐体72の洗浄ユニット62側の側面には、筐体72の長手方向に沿って互いに離れた態様で、複数の噴射口74a、74bが設けられている。各噴射口74a、74bは、筐体72の内部へ取り込まれたエア21がスピンナテーブル64に向かって噴射される様に、その開口が斜め下に向かって配置されている。
【0068】
筐体72の内部には、各噴射口74a、74bに対応する位置に針電極76a、76bが設けられている。第1のイオン噴射部20と同様に、第2のイオン噴射部70もSSDC方式である。針電極76aは一の電源(不図示)の正極に、針電極76bは他の電源(不図示)の負極に、それぞれスイッチ(不図示)を介して、所定時間、接続される。
【0069】
噴射口74aからのプラスイオンと、噴射口74bからのマイナスイオンと、を含むイオン化されたエア21aは、スピンナテーブル64へ噴射される。イオン化されたエア21aは、スピンナテーブル64に配置される被加工物11の帯電を緩和するために利用される。
【0070】
噴射口74a、74bと、スピンナテーブル64との間には、ステンレス鋼等の金属で形成された第2の金属板(第2の金属部材)80が配置されている。第2の金属板80にも、第1の金属板32と同様に、複数の開口(開口部)82が形成されている。
【0071】
第2のイオン噴射部70から噴射されたイオン化されたエア21aの一部は、開口82を通過し、他の一部は、第2の金属板80に当たったり、第2の金属板80の外側を通過したりする。第2の金属板80に当たるイオン化されたエア21aにより、イオン化されたエア21aのイオンバランスが第2の金属板80に反映される。
【0072】
第2の金属板80にも、上述のCPM36が電気的に接続されている。CPM36で第2の金属板80の電位を測定することにより、イオン化されたエア21aのイオンバランスを測定できる。
【0073】
チャックテーブル14で保持された被加工物ユニット17の被加工物11が、切削ユニット58で切削された後、当該被加工物ユニット17は、第2の搬送機構により、チャックテーブル14からスピンナテーブル64へ搬送される。
【0074】
第2の搬送機構により被加工物ユニット17(即ち、被加工物11)をスピンナテーブル64へ配置するとき、及び、第1の搬送機構によりスピンナテーブル64から被加工物ユニット17(即ち、被加工物11)を剥離するとき、被加工物ユニット17には静電気が発生しやすい。
【0075】
本実施形態では、開口82を有する第2の金属板80を介して被加工物11へイオン化されたエア21aを噴射することにより、イオン化されたエア21aが被加工物11へ到達することを確保できる。
【0076】
加えて、被加工物11ではなく第2の金属板80を介して、イオン化されたエア21aのイオンバランスが崩れているか否かを監視できるので、被加工物11の静電破壊を未然に防止できる。
【0077】
第1のイオン噴射部20及び第2のイオン噴射部70は、イオン噴射ユニットを構成する。イオン噴射ユニットにおいてイオンバランスが崩れた場合、CPM36を介して制御ユニット90へ、イオンバランスが崩れた旨が通知される。
【0078】
制御ユニット90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ等の処理装置と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置と、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置と、を含むコンピュータによって構成されている。
【0079】
補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従い処理装置等を動作させることによって、制御ユニット90の機能が実現される。制御ユニット90は、上述の様に、針電極と電源とを接続するためのスイッチ30a、30bのオン/オフを制御する。
【0080】
また、制御ユニット90は、CPM36の結果を受けて、第1のイオン噴射部20及び第2のイオン噴射部70の少なくともいずれかでのイオンバランスが崩れた旨を、切削装置2に設けられたモニタ、警報ランプ、スピーカ(いずれも不図示)を通じて報知する。
【0081】
なお、イオンバランスが崩れた旨が報知された場合、例えば、オペレータが、イオン噴射ユニットの点検、掃除、交換等を行う。これにより、イオン噴射ユニットのイオンバランスを正常に戻すことができる。
【0082】
本実施形態では、第1の金属板32及び第2の金属板80の各々が、イオン化されたエアの少なくとも一部を通過させるので、イオン化されたエア21aが被加工物11へ到達することを確保できる。
【0083】
加えて、被加工物11ではなく金属部材を介して、イオン化されたエア21aのイオンバランスが崩れているか否かを監視できるので、被加工物11の静電破壊を未然に防止できる。また、第1の金属板32を通じて第1のイオン噴射部20のイオンバランスを監視でき、第2の金属板80を通じて第2のイオン噴射部70のイオンバランスを監視できる。
【0084】
次に、第1の金属板32(第1の金属部材)の種々の変形例について説明する。各変形例では、第1の金属部材について説明し、当該第1の金属部材と同じ形状を有する第2の金属部材については、説明を省略する。
【0085】
図4(A)は、第1変形例に係る第1の金属部材92の正面図である。第1の金属部材92は、第1の金属板32に比べて、縦横が大きい略正方形の金属板である。第1の金属部材92には、各々矩形状の複数の開口92a(開口部)が、金属板の縦方向及び横方向に沿って形成されている。各開口92aは、金属板の一面から、一面とは反対側に位置する他面まで、貫通している。
【0086】
図4(B)は、第2変形例に係る第1の金属部材94の正面図である。第1の金属部材94は、第1の金属部材92と同じ、略正方形の金属板である。しかし、第1の金属部材94には、各々円形状の複数の開口94a(開口部)が、金属板の縦方向及び横方向に沿って形成されている。各開口94aも、金属板を貫通している。
【0087】
図5(A)は、第3変形例に係る第1の金属部材96の正面図である。第1の金属部材96は、金属製のリングであり、中央部に1つの開口96a(開口部)を有する。
【0088】
図5(B)は、第4変形例に係る第1の金属部材98の正面図である。第1の金属部材98は、金属製の円盤である。第1の金属部材98には、各々円形状の複数の開口98a(開口部)が、円盤の一面上の第1方向と、当該第1方向に直交する第2方向に沿って形成されている。なお、各開口96aも、第1の金属部材98を貫通している。
【0089】
図5(C)は、第5変形例に係る第1の金属部材100の正面図である。第1の金属部材100は、金属製の円盤であり、その中央部に、円盤を貫通する態様で形成された略正方形の1つの開口100a(開口部)を有する。
【0090】
図5(D)は、第6変形例に係る第1の金属部材102の正面図である。第1の金属部材102は、略正方形の形状を有する金属板であり、その中央部に、金属板を貫通する態様で形成された1つの円形の開口102a(開口部)を有する。
【0091】
図5(E)は、第7変形例に係る第1の金属部材104の正面図である。第1の金属部材104は、略正方形の形状を有する金属板であり、その中央部に、金属板を貫通する態様で形成された1つの略正方形の開口104a(開口部)を有する。
【0092】
図5(F)は、第8変形例に係る第1の金属部材106の正面図である。第1の金属部材106は、第1の金属部材104よりも横長の矩形形状を有する金属板であり、その中央部に、金属板を貫通する態様で形成された1つの矩形状の開口106a(開口部)を有する。
【0093】
図6(A)は、第9変形例に係る第1の金属部材108の斜視図である。第1の金属部材108は、細長い角柱形状の金属棒が渦を形成する様に、複数箇所で直角に折り曲げられた形状を有する。金属棒のうち略平行な線分の間には、開口108a(開口部)が形成されている。
【0094】
図6(B)は、第10変形例に係る第1の金属部材110の斜視図である。第1の金属部材110は、細長い角柱形状の1つの金属棒110aを有する。この金属棒110aの側部には、金属棒110aの長手方向に直交する様に配置された、それぞれ細長い角柱形状の複数の金属棒110bの各一端部が連結されている。
【0095】
各金属棒110bは、金属棒110aの長手方向に沿って互いに離れた態様で配置されている。隣接する2つの金属棒110bの間には、開口110c(開口部)が形成されている。
【0096】
図6(C)は、第11変形例に係る第1の金属部材112の斜視図である。第1の金属部材112は、連結された2つの金属製のリングである。各リングの中央部には1つの開口112aが形成されている。
【0097】
2つのリングは、2箇所で連結されており、2箇所の連結部の間には、切り欠き112bが形成されている。2つの開口112aは、切り欠き112bにより連結され、1つの開口部を形成している。
【0098】
図6(D)は、第12変形例に係る第1の金属部材114の斜視図である。第1の金属部材114は、金属製の円盤である。
図6(E)は、第13変形例に係る第1の金属部材116の斜視図である。第1の金属部材116は、略正方形の形状を有する金属板である。
【0099】
なお、第1の金属部材114、116は、イオン化されたエア21aがチャックテーブル14又はスピンナテーブル64に到達することを妨げない程度に十分に小さい。例えば、第1の金属部材114、116は、1個の噴射口、又は、2個から3個の噴射口を覆う程度の大きさを有する。
【0100】
図6(F)は、第14変形例に係る第1の金属部材118の斜視図である。第1の金属部材118は、細長い円柱形状の金属棒である。その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【0101】
例えば、CPM36に代えて、静電電位測定器を用いることができる。また、イオン噴射ユニットは、SSDC方式に限定されない。イオン噴射ユニットでは、DC(Direct Current)方式、パルスDC方式、AC(Alternating Current)方式、パルスAC方式等の種々の方式が採用されてもよい。
【0102】
ところで、上述のイオン噴射ユニット(第1のイオン噴射部20及び第2のイオン噴射部70)と、金属部材(第1の金属板32及び第2の金属板80)とは、チャックテーブル14及びスピンナテーブル64を各々有する、他の加工装置に採用されてもよい。他の加工装置とは、例えば、研削装置、研磨装置、レーザー加工装置等である。
【0103】
研削装置は、Z軸方向に略平行に配置されたスピンドルを有する。スピンドルの上端部には、モータ等の回転駆動源が連結されており、スピンドルの下端部には、円盤状のホイールマウントの上面が連結されている。
【0104】
ホイールマウントの下面には、円環状の研削ホイールが装着される。研削ホイールは、金属で形成された環状のホイール基台を有する。ホイール基台の上面は、上述のホイールマウントに装着される。
【0105】
ホイール基台の下面側には、それぞれブロック状の複数の研削砥石が、ホイール基台の周方向に沿って互いに離れた態様で固定されている。研削装置では、スピンドル、ホイールマウント及び研削ホイール等が、研削ユニット(加工ユニット)を構成する。
【0106】
研磨装置も、研削装置と同様に、スピンドルを有する。スピンドルの上端部には、モータ等の回転駆動源が連結されており、スピンドルの下端部には、円盤状のマウントの上面が連結されている。マウントの下面には、円盤状の研磨パッドが装着される。研磨装置では、スピンドル、マウント、研磨パッド等が、研磨ユニット(加工ユニット)を構成する。
【0107】
レーザー加工装置は、パルス状のレーザービームを出射するレーザー発振器を有する。レーザー発振器から出射されたレーザービームは、波長、強度、断面形状等が調整された後、集光レンズを介して、チャックテーブル14で保持された被加工物11に照射される。レーザー加工装置では、レーザー発振器、集光レンズ等が、レーザー照射ユニット(加工ユニット)を構成する。
【符号の説明】
【0108】
2:切削装置、4:基台
4a,4b,4d:開口、4c:支持体
6a:カセットエレベータ、6b:カセット
10:テーブルカバー、12:蛇腹状カバー
14:チャックテーブル、14a:保持面
20:第1のイオン噴射部、22:筐体、22a:開口
24a,24b:噴射口
26a,26b:針電極
28a,28b:直流電源
30a,30b:スイッチ
32:第1の金属板、32a:一面、32b:他面、34:開口
36:CPM(チャージプレートモニタ)
40:加工ユニット移動機構
42:Y軸ガイドレール、44:Y軸移動プレート
46:Y軸ボールネジ、48:Y軸パルスモータ
50:Z軸ガイドレール、52:Z軸移動プレート
54:Z軸ボールネジ、56:Z軸パルスモータ
58:切削ユニット、60:カメラユニット
62:洗浄ユニット、64:スピンナテーブル、66:ノズル
70:第2のイオン噴射部、72:筐体
74a,74b:噴射口
76a,76b:針電極
80:第2の金属板、82:開口
90:制御ユニット
92,94,96,98,100,102,104,106,108,110,112,114,116,118:第1の金属部材
92a,94a,96a,98a,100a,102a,104a,106a,108a,110c,112a:開口
110a,110b:金属棒
112b:切り欠き
11:被加工物、13:粘着テープ、15:フレーム、17:被加工物ユニット
21:エア、21a:イオン化されたエア