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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20210101AFI20240213BHJP
   H01S 5/0683 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H01S5/022
H01S5/0683
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020021882
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021128991
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】礒部 結希
(72)【発明者】
【氏名】清田 和明
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-094812(JP,A)
【文献】特開2019-140308(JP,A)
【文献】特開2015-095513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利得部と、
第一反射部と、
前記利得部に対して前記第一反射部とは反対側に設けられた第二反射部と、
前記第一反射部に対して前記利得部とは反対側に設けられ前記第一反射部からのレーザ光を第一光と第二光とに分配する分配器と、
前記分配器に対して第一方向に離れて位置されるとともに前記分配器に対して前記第一反射部とは反対側に位置され前記第一光または増幅された前記第一光を出射光として出力する第一端部と、
前記分配器に対して前記第一方向とは異なる第二方向に当該分配器から離れて位置され前記第二光を検出光として出力する第二端部と、
を備え
前記分配器において、前記第一反射部からのレーザ光に対する前記第一光の出力比率は80%以上であり、
前記分配器と前記第二端部との間に前記第二光を増幅することなく伝播する導波路のみが介在した、レーザ装置。
【請求項2】
前記導波路は、湾曲部を有した、請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
前記湾曲部において、前記第二光の進行方向が略180°変化する、請求項2に記載のレーザ装置。
【請求項4】
前記第一端部および前記第二端部は、前記レーザ装置の長手方向の一端と他端とにそれぞれ位置された、請求項1~3のうちいずれか一つに記載のレーザ装置。
【請求項5】
前記第二反射部は、リング共振器フィルタである、請求項1~4のうちいずれか一つに記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記第二反射部は、ミラーである、請求項1~4のうちいずれか一つに記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記ミラーは、DBR型である、請求項6に記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記第一反射部と前記第一端部との間に光増幅器を備えた、請求項1~7のうちいずれか一つに記載のレーザ装置。
【請求項9】
前記光増幅器は、前記分配器と前記第一端部との間に位置された、請求項8に記載のレーザ装置。
【請求項10】
前記光増幅器は、前記第一反射部と前記分配器との間に位置された、請求項8に記載のレーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第一反射部、第二反射部、および第一反射部と第二反射部との間の利得部を備え、第一反射部に対して第二反射部および利得部とは反対側の出射端(前端)からレーザ光を出射するレーザ装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この種のレーザ装置では、第二反射部に対して出力端とは反対側の端部(後端)を透過して出力される後方出力光を、例えば波長計やパワーメータのような測定機器でモニタリングすることが、行われている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-140308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のレーザ装置では、当該レーザ装置の出力光のパワーを高めるために第二反射部の反射率を高くすると、後方出力光のパワーが低くなり、波長などの特性を検出し難くなるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、レーザ光の波長などの特性をより検出しやすいレーザ装置を得ること、にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレーザ装置は、例えば、利得部と、第一反射部と、前記利得部に対して前記第一反射部とは反対側に設けられた第二反射部と、前記第一反射部に対して前記利得部とは反対側に設けられ前記第一反射部からのレーザ光を第一光と第二光とに分配する分配器と、前記分配器に対して第一方向に離れて位置され前記第一光を出射光として出力する第一端部と、前記分配器に対して前記第一方向とは異なる第二方向に当該分配器から離れて位置され前記第二光を出力する第二端部と、を備える。
【0008】
また、前記レーザ装置は、例えば、湾曲部を有し前記分配器と前記第二端部との間を繋ぐ導波路を備える。
【0009】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記湾曲部において、前記第二光の進行方向が略180°変化する。
【0010】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記第一端部および前記第二端部は、前記レーザ装置の長手方向の一端と他端とにそれぞれ位置される。
【0011】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記第二反射部は、リング共振器フィルタである。
【0012】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記第二反射部は、ミラーである。
【0013】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記ミラーは、DBR型である。
【0014】
また、前記レーザ装置は、例えば、前記第一反射部と前記第一端部との間に光増幅器を備える。
【0015】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記光増幅器は、前記分配器と前記第一端部との間に位置される。
【0016】
また、前記レーザ装置では、例えば、前記光増幅器は、前記第一反射部と前記分配器との間に位置される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、例えば、レーザ光の波長などの特性をより検出しやすいレーザ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態のレーザ装置の例示的かつ模式的な平面図である。
図2図2は、第1変形例のレーザ装置の例示的かつ模式的な平面図である。
図3図3は、第2変形例のレーザ装置の例示的かつ模式的な平面図である。
図4図4は、第3変形例のレーザ装置の例示的かつ模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0020】
以下に示される実施形態および変形例は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態および変形例の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0021】
本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0022】
また、各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表す。X方向およびY方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。なお、X方向は、長手方向や、縦方向と称され、Y方向は、短手方向や、幅方向、横方向と称されうる。
【0023】
[実施形態]
[レーザ装置の構成]
まずは、実施形態のレーザ装置10Aの構成について説明する。図1は、レーザ装置10Aの平面図である。図1に示されるように、レーザ装置10Aは、第一DBR部11と、リング共振器フィルタ12Aと、利得部13と、光増幅器14と、分配器15と、を備えている。レーザ装置10Aは、半導体レーザ素子であり、波長可変レーザ素子である。レーザ装置10Aは、半導体積層基板20に設けられている。半導体積層基板20は、半導体基板上に複数の半導体層を積層して、導波路などの所定の機能を持つように構成されている。
【0024】
第一DBR部11、リング共振器フィルタ12A、利得部13、光増幅器14、および分配器15は、いずれもInP系半導体材料で作られている。
【0025】
第一DBR部11は、分布型ブラッグ反射型のサンプルドグレーティング(SG-DBR)の構成を含む導波路(不図示)を有している。第一DBR部11は、第一反射部の一例であり、ミラーの一例でもある。
【0026】
リング共振器フィルタ12Aは、リング状の形状を有したリング状導波路12aと、当該リング状導波路12aにレーザ光を入出力する二つの光カプラ導波路12b1,12b2と、を有している。光カプラ導波路12b1,12b2は、リング状導波路12aを挟んだ反対側で、それぞれ、リング状導波路12aと光学結合されている。光カプラ導波路12b1,12b2は、リング状導波路12aから第一DBR部11に向けて離れた位置で利得部13と繋がる一つの導波路12cから分岐されている線分状のアーム部と、リング状導波路12aに光を入出力する接続部と、を有している。接続部は、例えば、多モード干渉導波路型や、方向性結合器である。光カプラ導波路12b1,12b2としては、例えば、多モード干渉導波路型や方向性結合器を用いることができる。このような構成を有したリング共振器フィルタ12Aは、導波路12cから入力された光の波長に対して反射特性が周期的に変化するミラーとして機能する。リング共振器フィルタ12Aは、第二反射部の一例である。
【0027】
利得部13は、活性層で作られた導波路(不図示)を有している。
【0028】
また、光増幅器14は、活性層で作られた導波路(不図示)を有している。
【0029】
上記の構成において、活性層は、例えば、GaInAsP系半導体材料、またはAlGaInAs系半導体材料からなる多重量子井戸(MQW)構造を有している。受動型の導波路は、例えば、バンドギャップ波長が1300nmのi型GaInAsP系半導体材料で作られる。SG-DBR構成の導波路は、例えば、GaInAsP系半導体材料、またはAlGaInAs系半導体材料によって作られ、屈折率が互いに異なる部分が、回折格子が形成されるように周期的に配置されている。
【0030】
第一DBR部11、およびリング共振器フィルタ12Aには、それぞれマイクロヒータ(不図示)が設けられている。マイクロヒータは、所謂抵抗発熱体であり、電流の供給に応じて発熱する。マイクロヒータには、電流を供給するための電極や導体層のような配線構造が設けられている。
【0031】
第一DBR部11とリング共振器フィルタ12Aとは、レーザ共振器を構成している。第一DBR部11は、回折格子の周期の逆数に応じて周期的な周波数間隔のコム状の反射ピークを有する。第一DBR部11とリング共振器フィルタ12Aとでは、その周期が異なり、バーニア型と呼ばれる方法によってレーザ光の周波数の粗調が可能な構成となっている。マイクロヒータが第一DBR部11を加熱することにより、当該第一DBR部11の屈折率が変化し、これにより、コム状の反射ピークが周波数軸方向にシフトする。同様に、マイクロヒータがリング共振器フィルタ12Aを加熱することにより、当該リング共振器フィルタ12Aの屈折率が変化し、コム状の反射ピークが周波数軸方向にシフトする。
【0032】
利得部13は、第一DBR部11とリング共振器フィルタ12Aとの間に位置されている。言い換えると、リング共振器フィルタ12Aは、利得部13に対して第一DBR部11とは反対側に設けられている。利得部13には、互いに離間した一対の電極(不図示)が設けられている。一対の電極に電圧を印加することにより、利得部13に電流が流れ、光増幅効果が得られる。これにより、レーザ発振が生じる。
【0033】
分配器15は、第一DBR部11に対して利得部13およびリング共振器フィルタ12Aとは反対側に位置されている。分配器15は、第一DBR部11から導波路20aを伝播したレーザ光を光増幅器14へ向かう第一光と当該第一光とは別の第二光とに分ける。第一光は、導波路20b1を介して光増幅器14へ向かい、第二光は、導波路20b2を介して端部10bに向かう。
【0034】
光増幅器14は、第一DBR部11に対して利得部13およびリング共振器フィルタ12Aとは反対側に位置されるとともに、第一DBR部11とレーザ光の出射端としての端部10aとの間に位置されている。光増幅器14には、分配器15から導波路20b1を介して第一光が入力される。光増幅器14に電極(不図示)を介して電圧を印加することにより、光増幅器14に電流が流れ、光増幅効果が得られる。光増幅器14は、レーザ発振により第一DBR部11から出力されたレーザ光、本実施形態では分配器15からの第一光を、光増幅する。
【0035】
レーザ装置10Aは、端部10aから光増幅器14で増幅されたレーザ光、すなわち光増幅器14で増幅された第一光を出力する。端部10aから出射されるレーザ光は、レーザ装置10Aの出射光である。端部10aは、第一端部の一例であり、出射端や前端とも称されうる。
【0036】
分配器15で分配された第二光の導波路20b2は、湾曲部20b21を有している。湾曲部20b21は、U字状の形状を有している。よって、湾曲部20b21において第二光の進行方向は、180°変化する。
【0037】
分配器15における入力光に対する第一光の出力比率は、好適には、80%以上でありかつ99%以下であり、さらに好適には、95%以上である。
【0038】
第二光は、導波路20b2の分配器15とは反対側の端部10bから出力される。端部10bは、第二端部の一例である。
【0039】
図1に示されるように、端部10aは、分配器15からX方向に離れて位置されている。また、端部10bは、分配器15からX方向とは異なるD1方向に離れて位置されている。また、端部10aは、レーザ装置10A(半導体積層基板20)のX方向の端部に位置され、端部10bは、レーザ装置10A(半導体積層基板20)のX方向の反対方向の端部に位置されている。X方向は、第一方向の一例であり、D1方向は、第二方向の一例である。
【0040】
以上、説明したように、本実施形態では、分配器15は、第一DBR部11(第一反射部)からのレーザ光を第一光と第二光とに分配する。端部10a(第一端部)は、光増幅器14によって増幅された第一光をレーザ装置10Aの出射光として出力する。端部10b(第二端部)は、第二光を出力する。
【0041】
すなわち、上記構成により、分配器15によって分配された第二光を、検査に用いることができる。このような構成によれば、例えば、従来構成のように第二反射部で反射せずに透過した光、すなわち漏れた光を検査に用いる場合に比べて、より確実なレーザ光の出力を検査に用いることができ、ひいては、より確実なあるいはより精度の良い検査結果を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態では、端部10aは、分配器15からX方向(第一方向)に離れて位置されるとともに、分配器15に対して第一DBR部11とは反対側に位置されている。また、端部10bは、分配器15からX方向とは異なるD1方向(第二方向)に離れて位置されている。
【0043】
分配器15において導波路20b1,20b2と光学的に結合されなかった光は、半導体積層基板20において導波路を囲む半導体層を進行する迷光となるが、当該迷光は、第一DBR部11から分配器15への光の入力方向、すなわちX方向に進みやすい。このため、仮に、端部10bが分配器15に対してX方向に離れて位置されていたとすると、当該端部10bからの出力光には、迷光が混入しやすくなり、検出精度に影響を及ぼす虞がある。当該端部10bからの出力光は、通常、端部10aからの出力光よりもかなり弱いので、迷光の影響をより大きく受けることになる。この点、本実施形態では、端部10aが分配器15に対して第一DBR部11とは反対側に位置されるとともに、当該端部10aが分配器15に対して存在する方向(X方向、第一方向)と、端部10bが分配器15に対して存在する方向(D1方向、第二方向)とが互いに異なっている。よって、端部10bから出力される第二光(検出光)に迷光が混入するのを抑制することができ、ひいては、検査精度をより向上することができる。
【0044】
また、本実施形態では、レーザ装置10Aは、湾曲部20b21を有し分配器15と端部10bとを繋ぐ導波路20b2を備えている。また、本実施形態では、湾曲部20b21において、第二光の進行方向は約180°変化する。さらに、本実施形態では、端部10aおよび端部10bは、レーザ装置10Aの長手方向(X方向)の一端と他端とにそれぞれ位置されている。
【0045】
これら各構成によれば、端部10bに迷光が混入し難い構造を、実現することができる。
【0046】
また、本実施形態では、リング共振器フィルタ12A(ミラー)が、第二反射部の一例である。
【0047】
上記効果が得られる構成は、第二反射部としてリング共振器フィルタ12Aを備えたレーザ装置10Aに適用することができる。
【0048】
また、本実施形態では、光増幅器14は、第一DBR部11と端部10aとの間に位置されている。
【0049】
上記効果が得られる構成は、第一DBR部11と端部10aとの間に光増幅器14を備えたレーザ装置10Aに適用することができる。
【0050】
また、本実施形態では、光増幅器14は、分配器15と端部10aとの間に位置されている。
【0051】
上記効果が得られる構成は、分配器15と端部10aとの間に光増幅器14を備えたレーザ装置10Aに適用することができる。
【0052】
[第1変形例]
図2は、第1変形例のレーザ装置10Bの平面図である。本変形例のレーザ装置10Bは、光増幅器14と分配器15との位置が逆になっている点を除き、実施形態のレーザ装置10Aと同様の構成を備えている。すなわち、本変形例では、光増幅器14は、第一DBR部11と分配器15との間に位置されている。
【0053】
このような構成によっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
[第2変形例]
図3は、第2変形例のレーザ装置10Cの平面図である。本変形例のレーザ装置10Cは、光増幅器14を備えていない点を除き、実施形態のレーザ装置10Aと同様の構成を備えている。
【0055】
このような構成によっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0056】
[第3変形例]
図4は、第3変形例のレーザ装置10Dの平面図である。本変形例のレーザ装置10Dは、(1)第二反射部としてリング共振器フィルタ12Aに替えて第二DBR部12Bを備えている点、(2)位相調整部16を備えている点、および(3)第二端部としての端部10cの位置が端部10bの位置とは異なる点を除き、実施形態のレーザ装置10Aと同様の構成を備えている。
【0057】
第二DBR部12Bは、第一DBR部11と同様に、SG-DBRの構成を含む導波路(不図示)を有している。第二DBR部12Bは、第二反射部の一例であり、ミラーの一例である。
【0058】
位相調整部16は、第一DBR部11と第二DBR部12Bとの間に位置されている。位相調整部16は、本実施形態では、利得部13と第二DBR部12Bとの間に位置されている。ただし、位相調整部16は、利得部13と第一DBR部11との間に位置されてもよい。
【0059】
位相調整部16は、受動型の導波路(不図示)を有している。
【0060】
また、位相調整部16にも、マイクロヒータ(不図示)が設けられている。マイクロヒータは、所謂抵抗発熱体であり、電流の供給に応じて発熱する。マイクロヒータには、電流を供給するための電極や導体層のような配線構造が設けられている。
【0061】
マイクロヒータが位相調整部16を加熱することにより、当該位相調整部16の屈折率が変化し、これにより、レーザ共振器の光学長を調整することができる。レーザ共振器の光学長を調整することにより、共振器モード(キャビティモード)の周波数を微調整しながら周波数軸方向にシフトすることができる。共振器モードの微調整によって、レーザ発振における共振器モードの選択が可能になるとともに、僅かな範囲での周波数の変化が可能となる。なお、このような位相調整部16は、上記実施形態や、第1変形例、第2変形例にも適用することができる。
【0062】
端部10cは、レーザ装置10D(半導体積層基板20)のY方向(短手方向、幅方向)の端部に位置されている。導波路20b2の湾曲部20b21において、第二光の進行方向は、略90°変化する。また、本変形例では、端部10cは、分配器15からX方向とは異なるD2方向(第二方向)に離れて位置されている。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態では、第二DBR部12B(DBR型ミラー、ミラー)が、第二反射部の一例である。
【0064】
このような構成によっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、例えば、装置構成をより簡素化することが可能となるという利点も得られる。
【0065】
なお、図4の構成において、第二DBR部12Bに替えて、リング共振器フィルタ12Aが設けられてもよいし、図1~3のいずれかの構成において、リング共振器フィルタ12Aに替えて第二DBR部12Bが設けられてもよい。
【0066】
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0067】
10A~10D…レーザ装置
10a…端部(第一端部)
10b…端部(第二端部)
10c…端部(第二端部)
11…第一DBR部(第一反射部)
12A…リング共振器フィルタ(第二反射部)
12B…第二DBR部(第二反射部、DBR型ミラー、ミラー)
12a…リング状導波路
12b1,12b2…光カプラ導波路
12c…導波路
13…利得部
14…光増幅器
15…分配器
16…位相調整部
20…半導体積層基板
20a…導波路
20b1…導波路
20b2…導波路
20b21…湾曲部
X…方向(第一方向、長手方向)
Y…方向(短手方向)
D1…方向(第二方向)
D2…方向(第二方向)
図1
図2
図3
図4