(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】光ファイバ保持部材、融着機における光ファイバ保持部材の設置構造
(51)【国際特許分類】
G02B 6/255 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
G02B6/255
(21)【出願番号】P 2020041638
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 裕之
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝
【審査官】萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-023879(JP,A)
【文献】特開2005-024921(JP,A)
【文献】特開2004-363361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0323740(US,A1)
【文献】特開2010-266567(JP,A)
【文献】特開2006-215268(JP,A)
【文献】特開2014-119513(JP,A)
【文献】特開2008-102441(JP,A)
【文献】実開平03-105396(JP,U)
【文献】登録実用新案第3190049(JP,U)
【文献】特開2012-083898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36 - 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ心線が配置される本体部と、
前記本体部に対して開閉可能な蓋部と、
を具備し、
前記本体部は、
前記蓋部の回転軸と、
前記蓋部が開いた状態を保持することが可能な蓋部保持機構を有
し、
前記蓋部保持機構は、前記回転軸の下部において、前記本体部の上面に対して斜めに向けて配置された磁石であり、
前記蓋部を開いた状態において、前記蓋部の回転軸近傍の平坦面と前記磁石とが、互いに略平行となることを特徴とする光ファイバ保持部材。
【請求項2】
前記蓋部を、前記本体部の上面に対して鈍角をなすように開いた状態で、前記蓋部の前記平坦面と対向する前記磁石とが略平行となることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ保持部材。
【請求項3】
前記蓋部の前記平坦面は、前記蓋部を閉じた状態において、前記本体部の上面と略直交し、光ファイバ保持部材の側面の一部を構成する部位であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ保持部材。
【請求項4】
光ファイバ心線同士を接続する融着機
における光ファイバ保持部材の設置構造であって、
融着
機は、
光ファイバ保持部材を設置するための光ファイバ保持部材設置部と、
前記光ファイバ保持部材設置部の近傍に配置される蓋部保持機構と、
を具備し、
前記光ファイバ保持部材設置部に配置された光ファイバ保持部材は、光ファイバ心線を配置するための本体部と、前記本体部に対して開閉可能な蓋部と、
を具備し、
前記蓋部保持機構は、前記光ファイバ保持部材の前記蓋部を開いた状態で、前記蓋部の平坦面と対向する部位であって、前記蓋部と近接する部位に配置された磁石であり、
前記光ファイバ保持部材設置部に前記光ファイバ保持部材を設置して、前記光ファイバ保持部材の
前記蓋部を開いた状態において、前記蓋部保持機構は、開いた状態の前記蓋部を保持することが可能であることを特徴とする融着機
における光ファイバ保持部材の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ心線を保持することが可能な光ファイバ保持部材等に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ心線の切断や接続等を行う際には、光ファイバ心線を保持するための光ファイバ保持部材が使用される。一般的な光ファイバ保持部材は、蓋部と本体部とからなり、本体部に光ファイバ心線を設置した状態で蓋部を閉じることで、光ファイバ心線を適度に押圧して保持することができる。このようにして、光ファイバ心線が保持された光ファイバ保持部材を、光ファイバ切断機や融着機にセットすることで、光ファイバ心線の切断や接続作業を行うことができる。
【0003】
このような光ファイバ保持部材としては、本体と、本体に対して開閉可能な蓋を有し、本体の上面に磁石が配置され、蓋を閉じると、蓋が磁石で吸引されて、光ファイバ心線を保持することが可能な光ファイバ保持部材がある(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-98377号公報
【文献】特開2007-57698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6(a)、
図6(b)は、従来の光ファイバ保持部材110を示す断面図であり、
図6(a)は蓋部115を閉じた状態を示す図、
図6(b)は蓋部115を開いた状態を示す図である。光ファイバ保持部材110は、主に、本体部113と蓋部115とからなる。本体部113の上面には、長手方向にV溝117が形成される。なお、V溝117は、保持対象となる光ファイバ心線の心数に応じて複数併設されてもよい。
【0006】
本体部113には、回転軸123によって開閉自在である蓋部115が設けられる。蓋部115の内面側(本体部113との対向面)には、押さえ部材119が設けられる。押さえ部材119は、例えば樹脂製である。蓋部115を閉じた際に、押さえ部材119は、V溝117を覆う位置に配置される。
【0007】
蓋部115は例えば鉄製である。蓋部115を閉じた際に、蓋部115と対向する部位の本体部113には、磁石121が配置される。このため、蓋部115を閉じると、磁石によって蓋部115が吸着され、蓋部115が閉じた状態を維持することができる。この際、蓋部115が本体部113に吸引されることで、押さえ部材119は、本体部113に対して押し付けられる。このため、V溝117に配置された光ファイバ心線を、押さえ部材119によって押圧して、保持することができる。
【0008】
このようにして、光ファイバ心線が保持された光ファイバ保持部材110を切断機等にセットして、光ファイバ保持部材110から突出する光ファイバ心線の先端の切断や樹脂の剥離が行われる。その後、光ファイバ心線が保持された光ファイバ保持部材110を融着機にセットし、光ファイバ心線の接続が行われる。
【0009】
ところで、例えば融着機を用いて光ファイバ心線の接続作業を行う際に、必ずしも融着機が水平に設置されるわけではない。
図7は、融着機100を立てて使用する状態を示す図であり、
図8は、光ファイバ保持部材110がセットされた状態の融着機100の平面図である。
【0010】
融着機100は、主に、融着部101、加熱部103等からなる。
図8に示すように、作業者は、まず融着部101に光ファイバ心線125が保持された光ファイバ保持部材110をセットする。この状態で融着作業が行われる。この際、
図7に示すように、融着機100を斜めに立てて使用することで、例えば狭い作業エリアでの作業時や、作業者が作業部分を融着機100の上面から見たい場合等(図中矢印X)において、作業が行いやすくなる。
【0011】
次に、作業者は、光ファイバ保持部材110の蓋部115を開き、光ファイバ心線125を取り出し、加熱部103にセットする。図示を省略する補強部材を光ファイバ心線125の接続部に移動させて加熱部103で加熱することで、光ファイバ心線125の接続部が補強され、接続作業が完了する。
【0012】
図9は、この際、光ファイバ保持部材110の蓋部115を開いて光ファイバ心線125を取り出す際の断面図である。このように、蓋部115を開いて、光ファイバ心線125を取り出そうとすると(図中矢印Y)、蓋部115が自重で閉じてしまう場合がある(図中矢印Z)。このように、意図せずに蓋部115が閉じてしまうと、蓋部115の衝撃で光ファイバ心線125が損傷を受ける恐れがある。
【0013】
このような問題は、融着機100以外でも、光ファイバ心線125を光ファイバ保持部材110にセットする際に、光ファイバ心線125をV溝117に完全に配置する前に誤って蓋部115が閉じてしまうような場合にも起こりうる。このように光ファイバ心線125が損傷を受けると、作業を再度やり直す必要がある。
【0014】
なお、蓋部5と本体部3とを連結する回転軸123と、蓋部5又は本体部3とのクリアランスを小さくして、蓋部5の回転抵抗を大きくすることで、蓋部5の自由な開閉動作を抑制する方法が考えられる。しかし、回転軸123との摺動部分をきつくすると、金属部品同士が強く擦れあうことで、金属粉末の発生の要因となる。このような微小な金属粉末が光ファイバ心線の接続部に混入すると、伝送不良の要因となる。したがって、従来のように、蓋部5の開閉動作はスムーズにしたまま、上記の作業性の向上が望まれる。
【0015】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、光ファイバ心線の脱着作業性に優れた光ファイバ保持部材等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、光ファイバ心線が配置される本体部と、前記本体部に対して開閉可能な蓋部と、を具備し、前記本体部は、前記蓋部の回転軸と、前記蓋部が開いた状態を保持することが可能な蓋部保持機構を有し、前記蓋部保持機構は、前記回転軸の下部において、前記本体部の上面に対して斜めに向けて配置された磁石であり、前記蓋部を開いた状態において、前記蓋部の回転軸近傍の平坦面と前記磁石とが、互いに略平行となることを特徴とする光ファイバ保持部材である。
【0017】
前記蓋部を、前記本体部の上面に対して鈍角をなすように開いた状態で、前記蓋部の前記平坦面と対向する前記磁石とが略平行となるが望ましい。
【0018】
前記蓋部の前記平坦面は、前記蓋部を閉じた状態において、前記本体部の上面と略直交し、光ファイバ保持部材の側面の一部を構成する部位であることが望ましい。
【0019】
第1の発明によれば、蓋部が開いた状態を保持する蓋部保持機構を有するため、蓋部が意図せず閉じてしまうことを抑制することができる。このため、光ファイバ心線の脱着作業が容易となる。
【0020】
また、この蓋部保持機構が磁石であれば、簡易な構造で蓋部を保持することが可能である。
【0021】
この場合、磁石を回転軸の下部に配置することで、磁石が他の構造の邪魔になることがなく、本体部の上面側の構造を従来と同じ構造とすることができる。
【0022】
第2の発明は、光ファイバ心線同士を接続する融着機における光ファイバ保持部材の設置構造であって、融着機は、光ファイバ保持部材を設置するための光ファイバ保持部材設置部と、前記光ファイバ保持部材設置部の近傍に配置される蓋部保持機構と、を具備し、前記光ファイバ保持部材設置部に配置された光ファイバ保持部材は、光ファイバ心線を配置するための本体部と、前記本体部に対して開閉可能な蓋部と、を具備し、前記蓋部保持機構は、前記光ファイバ保持部材の前記蓋部を開いた状態で、前記蓋部の平坦面と対向する部位であって、前記蓋部と近接する部位に配置された磁石であり、前記光ファイバ保持部材設置部に前記光ファイバ保持部材を設置して、前記光ファイバ保持部材の前記蓋部を開いた状態において、前記蓋部保持機構は、開いた状態の前記蓋部を保持することが可能であることを特徴とする融着機における光ファイバ保持部材の設置構造である。
【0023】
第2の発明によれば、光ファイバ保持部材設置部の近傍に蓋部保持機構を配置することで、光ファイバ保持部材を設置し、蓋部を開いた際に、蓋部が開いた状態を保持することができる。このため、蓋部が意図せず閉じてしまうことを抑制し、光ファイバの脱着作業が容易となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、光ファイバ心線の脱着作業性に優れた光ファイバ保持部材等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】(a)は、蓋部5を閉じた状態の光ファイバ保持部材1を示す図、(b)は蓋部5を開いた状態の光ファイバ保持部材1を示す図。
【
図2】(a)は、
図1(a)のA-A線断面図、(b)は
図1(b)のB-B線断面図。
【
図4】光ファイバ保持部材110をセットした状態の融着機20を示す平面図。
【
図6】(a)は、蓋部115を閉じた状態の光ファイバ保持部材110を示す図、(b)は蓋部115を開いた状態の光ファイバ保持部材110を示す図。
【
図7】融着機100を立てかけて使用する状態を示す図。
【
図8】光ファイバ保持部材110をセットした状態の融着機100を示す平面図。
【
図9】光ファイバ保持部材110の蓋部115を開いた状態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態にかかる光ファイバ保持部材1について説明する。
図1(a)は、蓋部5を閉じた状態の光ファイバ保持部材1を示す図であり、
図1(b)は、蓋部5を開いた状態の光ファイバ保持部材1を示す図である。また、
図2(a)は、
図1(a)のA-A線断面図であり、
図2(b)は、
図1(b)のB-B線断面図である。光ファイバ保持部材1は、主に本体部3、蓋部5、押さえ部材9等から構成される。
【0027】
本体部3は、光ファイバ心線が配置される部位であり、略直方体の部材である。本体部3の幅方向の一方の側方には、回転軸13が固定される。蓋部5は、本体部3に対して、回転軸13(
図2(a)、
図2(b))により開閉可能に設けられる。
【0028】
本体部3の上面(蓋部5との対向面)には、光ファイバ心線が配置されるV溝7が形成される。なお、前述したように、光ファイバテープ心線を保持する場合には、複数のV溝7が併設される。
【0029】
蓋部5の内面(本体部3との対向面)には、押さえ部材9が長手方向にわたって形成される。押さえ部材9は、蓋部5の内面から所定の量だけ突出する。押さえ部材9は、本体部3のV溝7に配置される光ファイバ心線を押圧して保持する部材である。なお、押さえ部材9は、例えば樹脂製等であり、光ファイバを傷つけない部材で構成される。
【0030】
本体部3、蓋部5は例えば金属製である。
図2(a)に示すように、蓋部5を閉じた状態において、本体部3の蓋部5との対向面には磁石11aが配置される。磁石11aは、本体部3の上面に露出し、蓋部5との対向面に配置される。蓋部5を閉じると、蓋部5が磁石11aによって吸着され、蓋部5が本体部3に対して閉じた状態を維持することができる。なお、蓋部5は、閉じた状態で蓋部5の裏面と本体部3の上面とが略平行となるように調整される。
【0031】
本実施形態にかかる光ファイバ保持部材1は、さらに、蓋部5が開いた状態を保持することが可能な蓋部保持機構を有する。本実施形態では、
図2(b)に示すように、蓋部保持機構は、蓋部5が開いた状態において、蓋部5と本体部3との近接部近傍に配置された磁石11bである。
【0032】
より詳細には、本体部3には、蓋部5との回転軸13が配置される。また、蓋部5を開いた際に、所定以上の蓋部5の回転を規制するストッパが設けられる。したがって、蓋部5は、ストッパによって回転が規制されるまで回転させることができる。また、回転軸13の下部には磁石11bが配置される。蓋部5を開いた際に、磁石11bは、蓋部5の回転軸13近傍の平坦面に対向する位置であって、互いに略平行となる向きに配置される。
【0033】
このように、光ファイバ保持部材1は、蓋部5が閉じた状態を保持する保持機構である磁石11aと、蓋部5が開いた状態を保持する保持機構である磁石11bとが、互いに離れた位置に別体で配置される。このため、蓋部5が意図せずに開いたり閉じたりすることを抑制することができる。
【0034】
なお、図示した例では、蓋部保持機構が、蓋部5が開いた状態において、蓋部5と本体部3との近接部近傍に配置された磁石11bである例を示したが、磁力以外の力で蓋部5が開いた状態を保持してもよい。例えば、蓋部保持機構として、蓋部5と本体部3との間に、バネ(板バネ又はコイルバネ)等の弾性部材を配置し、弾性部材によって、蓋部5に、開く方向の力を付与してよい。この場合、磁石11aは、この弾性部材による開く力に対抗して蓋部5を閉じるだけの力が必要となる。
【0035】
また、蓋部保持機構として、ピンや、その他の嵌合構造などを本体部3に配置して、蓋部5を開いた際に、本体部3と蓋部5とを嵌合構造によって固定し、開いた状態を保持してもよい。このように、蓋部5を開いた状態で保持することが可能であれば、いずれの蓋部保持機構であっても適用可能である。
【0036】
以上、本実施の形態によれば、蓋部保持機構によって蓋部5が開いた状態で保持されるため、蓋部5が閉じてしまうことを抑制することができる。このため、例えば融着機で融着作業を終えた後、蓋部5を開いて光ファイバ心線を取り出して、加熱部へ移動させる際に、蓋部5が意図せずに閉じてしまい、光ファイバ心線が損傷を受けることを抑制することができる。このため、作業性が良好である。
【0037】
また、蓋部保持機構が磁石11bであれば、構造が簡易である。特に、磁石11bが、本体部3の回転軸13の下部に配置されれば、磁石11bが他の構造の妨げになることがなく、従来の光ファイバ保持部材110と同様に取り扱うことができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態にかかる融着機20を示す平面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については、
図1~
図2等と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0039】
融着機20は、光ファイバ同士を接続するものであり、主に、融着部21と加熱部23を有する。なお、
図3は、融着部21の蓋部29が開いた状態を示す図である。融着部21には、光ファイバ保持部材が設置される光ファイバ保持部材設置部25が一対配置される。
【0040】
融着部21において、それぞれの光ファイバ保持部材設置部25の近傍には、磁石27が配置される。磁石27は、蓋部保持機構として機能する。
【0041】
まず、光ファイバ保持部材設置部25に、光ファイバ心線が保持された光ファイバ保持部材を設置し、蓋部29を閉じて光ファイバ心線同士の融着を行うことができる。光ファイバ心線同士の融着が完了すると、光ファイバ保持部材の蓋部を開き、光ファイバ心線が取り出される。
【0042】
図4は、光ファイバ保持部材設置部25に従来の光ファイバ保持部材110(
図6参照)が配置された状態を示す図であり、
図5は、
図4のC部における拡大断面図である。
図4、
図5においては、光ファイバ保持部材110の蓋部115が開いた状態である。
【0043】
磁石27は、光ファイバ保持部材110の蓋部115を開いた状態で、蓋部115と対向する部位であって、蓋部115と近接する部位に配置される。このため、蓋部115を磁石27によって吸着することができる。このように、光ファイバ保持部材設置部25に光ファイバ保持部材110を設置して、光ファイバ保持部材110の蓋部115を開いた状態において、磁石27は、開いた状態の蓋部115を保持することが可能である。すなわち、磁石27は、蓋部保持機構として機能する。
【0044】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、融着機20において、作業中に意図せず蓋部115が閉じてしまい、光ファイバ心線が損傷することを抑制することができる。この際、特殊な光ファイバ保持部材を使用する必要がなく、従来の光ファイバ保持部材110を使用することができる。
【0045】
なお、第1の実施形態と同様に、融着機20に配置される蓋部保持機構は、磁石でなくてもよい。例えば、弾性部材や嵌合構造などによって、蓋部115が開いた状態を保持できれば、他の構成であってもよい。また、磁石27を融着機20の本体部側に配置するのではなく、光ファイバ保持部材110の蓋部115の上面に配置してもよい。また、蓋部保持機構を融着機20と光ファイバ保持部材110の両方に配置してもよい。
【0046】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0047】
1………光ファイバ保持部材
3………本体部
5………蓋部
7………V溝
9………押さえ部材
11a、11b………磁石
13………回転軸
20………融着機
21………融着部
23………加熱部
25………光ファイバ保持部材設置部
27………磁石
29………蓋部
100………融着機
101………融着部
103………加熱部
110………光ファイバ保持部材
113………本体部
115………蓋部
117………V溝
119………押さえ部材
121………磁石
123………回転軸
125………光ファイバ心線