(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】多重パターニングの線角度及び回転を決定する方法
(51)【国際特許分類】
G01B 15/00 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
G01B15/00 K
(21)【出願番号】P 2022542191
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 US2020064858
(87)【国際公開番号】W WO2021141730
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-08-30
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ヨンアン
(72)【発明者】
【氏名】シン, チャン チュアン
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-023248(JP,A)
【文献】特開2019-148898(JP,A)
【文献】特開平08-115959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 15/00-15/08
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ回折格子構造のステッチ品質を決定する方法であって、
回折格子構造の視野を選択すること、
線特徴を特定するために測定ツールを使用すること、
前記線特徴に沿った開始点を選択すること、
一次座標を測定することであって、前記一次座標は第1のx座標及び第1のy座標を含み、前記第1のx座標は前記視野の縁部から前記一次座標までの第1の距離である、一次座標を測定すること、
前記線特徴に沿った少なくとも二次座標の座標を測定することであって、前記二次座標は第2のx座標及び第2のy座標を含み、前記第2のx座標は前記視野の前記縁部から前記二次座標までの第2の距離である、少なくとも二次座標の座標を測定すること、
理論的な線特徴を推定するために、前記一次座標及び前記二次座標を使用すること、並びに
前記理論的な線特徴と基準軸との間で線角度測定値を計算することを含む、方法。
【請求項2】
前記測定ツールは走査型電子顕微鏡である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記線特徴は回折格子構造内の線である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記線特徴は2次元線特徴を含み、前記2次元線特徴は、細長いピラー、円形ピラー、又はコンタクトホールのうちの1以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の距離は、約100nmと約500nmとの間の範囲の所定の距離である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記開始点は、前記視野の第1の縁部から150nmを超えて離隔し、前記視野の前記第1の縁部は前記線特徴と交差する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記理論的な線特徴は、3つ以上の座標点を使用して計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記3つ以上の座標点は、所定の距離だけ離隔している、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の距離は、隣接する点の各対の間で変化する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
リソグラフィ回折格子構造の
ステッチ品質を
決定する方法であって、
第1の線角度を測定することであって、
(a)回折格子構造の視野を選択すること、
(b)線特徴を特定するために測定ツールを使用すること、
(c)前記線特徴に沿った開始点を選択すること、
(d)一次座標を測定することであって、前記一次座標は第1のx座標及び第1のy座標を含み、前記第1のx座標は前記視野の縁部から前記一次座標までの第1の距離である、一次座標を測定すること、
(e)前記線特徴に沿った少なくとも二次座標の座標を測定することであって、前記二次座標は第2のx座標及び第2のy座標を含み、前記第2のx座標は前記視野の前記縁部から前記二次座標までの第2の距離である、少なくとも二次座標の座標を測定すること、
(f)理論的な線特徴を推定するために、前記一次座標及び前記二次座標を使用すること、及び
(g)前記理論的な線特徴と基準軸との間で線角度測定値を計算することを含む、第1の線角度を測定すること、
第2の線角度を測定することであって、動作(a)~(g)を含む、第2の線角度を測定すること、
線角回転を決定するために、前記第1の線角度と前記第2の線角度との差を計算すること、並びに
前記線角回転を設計仕様の線角度測定値と比較することを含む、方法。
【請求項11】
前記測定ツールは走査型電子顕微鏡である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記線特徴は回折格子構造内の線である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記線特徴は2次元線特徴を含み、前記2次元線特徴は、細長いピラー、円形ピラー、又はコンタクトホールのうちの1以上を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の距離は、約100nmと約500nmとの間の範囲の所定の距離である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記開始点は、前記視野の第1の縁部から150nmを超えて離隔し、前記視野の前記第1の縁部は前記線特徴と交差する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記理論的な線特徴は、3つ以上の座標点を使用して計算される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記3つ以上の座標点は、所定の距離だけ離隔している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記所定の距離は、隣接する点の各対の間で変化する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記設計仕様の線角度測定値は、約1/500度以下である、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
リソグラフィ回折格子構造の
ステッチ品質を決定する方法であって、
回折格子構造内の第1の画像露光を測定するために測定ツールを配置すること、
第1の線角度を測定することであって、
(a)回折格子構造の視野を選択すること、
(b)線特徴を特定するために前記測定ツールを使用すること、
(c)前記線特徴に沿った開始点を選択すること、
(d)一次座標を測定することであって、前記一次座標は第1のx座標及び第1のy座標を含み、前記第1のx座標は前記視野の縁部から前記一次座標までの第1の距離である、一次座標を測定すること、
(e)前記線特徴に沿った少なくとも二次座標の座標を測定することであって、前記二次座標は第2のx座標及び第2のy座標を含み、前記第2のx座標は前記視野の前記縁部から前記二次座標までの第2の距離である、少なくとも二次座標の座標を測定すること、
(f)理論的な線特徴を推定するために、前記一次座標及び前記二次座標を使用すること、及び
(g)前記理論的な線特徴と基準軸との間で線角度測定値を計算することを含む、第1の線角度を測定すること、
回折格子構造内の第2の画像露光を測定するために測定ツールを配置すること、
第2の線角度を測定することであって、動作(a)~(g)を含む、第2の線角度を測定すること、
線角回転を決定するために、前記第1の線角度と前記第2の線角度との差を計算すること、
前記線角回転を設計仕様の線角度測定値と比較すること、並びに
前記第1の線角度と前記第2の線角度との前記差からステッチ品質を決定することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、光学デバイス製造のための装置及び方法に関する。特に、本開示の実施形態は、導波路内に組み込まれた回折格子構造のステッチ品質を測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 仮想現実は、概して、ユーザが見かけ上の物理的存在を有する、コンピュータが生成したシミュレートされた環境であると考えられている。仮想現実体験は、三次元(3D)で生成されることが可能であり、実際の環境を置換する仮想現実環境を表示するためのレンズとしてニアアイディスプレイパネルを有する、眼鏡又はその他のウエアラブルディスプレイデバイスといったヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて視認され得る。
【0003】
[0003] しかしながら、拡張現実は、ユーザが眼鏡又は他のHMD装置のディスプレイレンズを通して周囲環境を見ることができるが、表示のために生成され、環境の一部として現れる仮想物体の画像も見ることができる体験を可能にする。拡張現実は、音声入力や触覚入力などのような任意の種類の入力、ならびにユーザが体験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィックス、及び動画を含み得る。新たな技術として、拡張現実には多くの課題及び設計上の制約が存在する。
【0004】
[0004] そのような課題の1つは、周囲環境に重ね合わされた仮想画像を表示することである。画像のオーバーレイを支援するために導波路(waveguides)が使用される。生成された光は、光が導波路から出るまで導波路を通って伝播される。導波路から出た光は、周囲環境に重ね合わされる。導波路は不均一な特性を有する傾向があるため、導波路の製造は困難になり得る。導波路を作製する際の共通の問題は、回折格子線のステッチ品質を測定する能力である。ステッチ品質を測定する以前の試みは、高価で時間がかかることが証明されている。したがって、回折格子構造上の回折格子線のステッチ品質を定量化する改良された方法及びシステムが、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一実施形態では、線角度向けの測定方法が提供される。この方法は、回折格子構造の視野を選択すること、線特徴を特定するために測定ツールを使用すること、及び線特徴に沿った開始点を選択することを含む。一次座標が測定され、一次座標は、第1のx座標及び第1のy座標を含み、第1のx座標は、視野の縁部から一次座標までの第1の距離である。二次座標は、線特徴に沿って測定され、二次座標は、第2のx座標及び第2のy座標を含み、第2のx座標は、視野の縁部から二次座標までの第2の距離である。一次座標と二次座標を用いて理論的な線特徴を推定し、理論的な線特徴と基準軸との間で線角度測定値を計算する。
【0006】
[0006] 別の一実施形態では、回折格子構造の線角回転(line angle rotation)を測定する方法が提供される。この方法は、第1の線角度を測定することを含む。第1の線角度を測定することは、回折格子構造の視野を選択すること、線特徴を特定するために測定ツールを使用すること、及び線特徴に沿った開始点を選択することを含む。一次座標が測定され、一次座標は、第1のx座標及び第1のy座標を含み、第1のx座標は、視野の縁部から一次座標までの第1の距離である。二次座標は、線特徴に沿って測定され、二次座標は、第2のx座標及び第2のy座標を含み、第2のx座標は、視野の縁部から二次座標までの第2の距離である。一次座標と二次座標を用いて理論的な線特徴を推定し、理論的な線特徴と基準軸との間で線角度測定値を計算する。第2の線角度は、第1の線角度を測定するために使用されるのと同じ方法を使用して測定される。第1の線角度と第2の線角度との差を計算して線角回転を決定し、線角回転を設計仕様の線角度測定値と比較する。
【0007】
[0007] 更に別一実施形態では、回折格子構造の線角回転を測定する方法が提供される。該方法は、回折格子構造内の第1の画像露光を測定するために、測定ツールを配置することを含む。該方法は、第1の線角度を測定することを更に含む。第1の線角を測定することは、回折格子構造の視野を選択すること、線特徴を特定するために測定ツールを使用すること、及び線特徴に沿った開始点を選択することを含む。一次座標が測定され、一次座標は、第1のx座標及び第1のy座標を含み、第1のx座標は、視野の縁部から一次座標までの第1の距離である。二次座標は、線特徴に沿って測定され、二次座標は、第2のx座標及び第2のy座標を含み、第2のx座標は、視野の縁部から二次座標までの第2の距離である。一次座標と二次座標を用いて理論的な線特徴を推定し、理論的な線特徴と基準軸との間で線角度測定値を計算する。測定ツールは、回折格子構造内の第2の画像露光を測定するように配置される。第2の線角度は、第1の線角度を測定するために使用されるのと同じ方法を使用して測定される。第1の線角度と第2の線角度の差を計算して線角回転を決定し、線角回転を設計仕様の線角度測定値と比較する。ステッチ品質が、第1の線角度と第2の線角度との間の差から決定される。
【0008】
[0008] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 本開示の一実施形態による導波路結合器の平面図を示す。
【
図2】[0010] 本開示の一実施形態による2つの隣接する画像露光によって形成される複数の回折格子の概略平面図を示す。
【
図3】[0011] 本開示の一実施形態による回折格子の概略平面図及び回折格子の測定特性を示す。
【
図4】[0012] 本開示の一実施形態による2つの隣接する線特徴の間の界面境界の概略図を示す。
【
図5】[0013] 本開示の一実施形態による回折格子線の線角度を決定するための方法の動作を示す。
【
図6】[0014] 本開示の一実施形態による回折格子構造のステッチプロセス品質を決定するための方法の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015] 理解し易くするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0011】
[0016] 本開示の態様は、回折格子構造の線角度及びステッチ品質を決定するための装置及び方法に関する。一実施例では、線角度が、線特徴に沿って離散座標を測定することによって決定される。別の一実施例では、複数の隣接する線回折格子セクションの線角度を測定することによって、線角度の回転が決定される。
【0012】
[0017]
図1は、本開示の一実施形態による導波路結合器100の平面図を示している。以下で説明される導波路結合器100は、例示的な導波路結合器であり、異なる設計を有する他の導波路結合器が、本明細書で説明される実施形態から利益を得てよいことを理解されたい。導波路結合器100は、複数の回折格子108によって画定される入力結合領域102、複数の回折格子110によって画定される中間領域104、及び複数の回折格子112によって画定される出力結合領域106を含む。複数の回折格子112の回折格子セクション120は、出力結合領域106内にある。回折格子セクション120は、全体の出力結合領域106の小さな部分を包含しており、以下で詳細に説明される。入力結合領域102は、マイクロディスプレイから強度を有する光(仮想イメージ)の入射ビームを受け取る。
【0013】
[0018] 複数の回折格子108のフィン構造などの各回折格子は、入射ビームを複数のモードに分割し、各ビームは1つのモードを有する。ゼロ次モード(T0)ビームは、導波路結合器100を通って反射して戻るか又は透過し、正の1次モード(T1)ビームは、導波路結合器100を通って中間領域104に結合され、負の1次モード(T-1)ビームは、導波路結合器100内をT1ビームとは反対の方向に伝播する。理想的には、仮想イメージを中間領域104に向けるために、入射ビームが、入射ビームの強度の全てを有するT1ビームに分割される。入射ビームの強度の全てを有するT1ビームに入射ビームを分割するための1つのアプローチは、T-1ビーム及びT0ビームを抑制するために傾斜角を有する格回折子108を含むフィンを利用することである。T1ビームは、T1ビームが中間領域104内の複数の格子110に接触するまで、導波路結合器100を通って内部全反射(TIR)を受ける。入力結合領域102の一部分は、入力結合領域102の隣接部分からの回折格子108の傾斜角とは異なる傾斜角を有する回折格子108を有してよい。
【0014】
[0019] T1ビームは、複数の回折格子110のうちの1つのフィンと接触する。T1ビームは、導波路結合器100を通って反射して戻るか又は透過するT0ビーム、T1ビームが複数の回折格子110の別のフィンに接触するまで中間領域104内でTIRを受けるT1ビーム、及び導波路結合器100を通して出力結合領域106に結合されるT-1ビームに分割される。中間領域104内でTIRを受けたT1ビームは、導波路結合器100を介して中間領域104に結合されたT1ビームの強度が空乏化するか、又は中間領域104を通って伝播する残りのT1ビームが中間領域104の端部に到達するまで、複数の回折格子110のうちの回折格子に接触し続ける。
【0015】
[0020] 出力結合領域106に結合されたT-1ビームの強度を制御して、マイクロディスプレイから生成された仮想イメージのユーザの視点からの視野を変調し、ユーザが仮想イメージを見ることができる視野角を増大させるために、複数の回折格子110は、導波路結合器100を通して中間領域104に結合されるT1ビームを制御するように調整される。導波路結合器100を介して中間領域104に結合されるT1ビームを制御するための1つのアプローチは、複数の格子110の各フィンの傾斜角を、出力結合領域106に結合されるT-1ビームの強度を制御するように製造することである。中間領域104の一部分は、中間領域104の隣接部分からの回折格子110の傾斜角とは異なる傾斜角を有する回折格子110を有してよい。更に、回折格子110は、回折格子108のフィンの傾斜角とは異なる傾斜角を有するフィンを有してよい。
【0016】
[0021] 導波路結合器100を介して出力結合領域106に結合されたT-1ビームは、T-1ビームが複数の回折格子112のうちの1つの回折格子に接触するまで、導波路結合器100内でTIRを受ける。その場合、T-1ビームは、導波路結合器100を通って反射して戻るか又は透過するT0ビームに分割される。T1ビームが、複数の回折格子112の別のフィン及び導波路結合器100の外に結合されたT-1ビームに接触するまで、T1ビームは、出力結合領域106内でTIRを受ける。出力結合領域106でTIRを受けるT1ビームは、導波路結合器100を通して出力結合領域106に結合されるT-1ビームの強度が空乏化するか、又は出力結合領域106を通って伝播する残りのT1ビームが出力結合領域106の端部に到達するまで、複数の回折格子112の複数のフィンに接触し続ける。複数の回折格子112は、導波路結合器100から外へ結合されるT-1ビームの強度を制御して、マイクロディスプレイから生成された仮想イメージのユーザの視点からの視野を更に変調し、ユーザが仮想イメージを見ることができる視野角を更に増大させるために、導波路結合器100を通して出力結合領域106に結合されるT-1ビームを制御するように調整される。
【0017】
[0022] 導波路結合器100を通して出力結合領域106に結合されるT-1ビームを制御するための1つのアプローチは、複数の回折格子112の各フィンの傾斜角を、視野を更に変調し視野角を増大させるように製造することである。中間領域104の一部分は、中間領域104の隣接部分からの回折格子110の傾斜角とは異なる傾斜角を有する回折格子110を有してよい。更に、回折格子112は、回折格子108及び回折格子110のフィン傾斜角とは異なる傾斜角を有してよい。幾つかの実施形態では、108、110、及び112における構造が、回転した細長いピラー、ビアホール特徴、又は円形ピラーなどのような、2Dパターンである。
【0018】
[0023]
図2は、本開示の一実施形態による2つの画像露光によって形成される複数の回折格子112の概略平面図を示している。
図2は、出力結合領域の一部分を包含する回折格子セクション120として
図1で示されているものである。回折格子セクション120は、x座標、y座標、及びz座標を参照して示されている。複数の回折格子112は、回折格子構造200を含む。回折格子構造200は、第1の画像露光によって形成される第1の組の線特徴204、及び第2の画像露光によって形成される第2の組の線特徴206を含む。第1の組の線特徴204及び第2の組の線特徴206は、接合部202で交差する。接合部202は、二組の線特徴204、206が処理中に共に接合される点と考えられてよい。接合部202は、回折格子構造200を作製するために複数のマスク又は画像露光を使用することから生じる。
【0019】
[0024] 回折格子構造200を作成するために複数のマスクを使用することは、マスク設計及び製造のコストを著しく下げる。出力結合領域106の全体を覆う複数の回折格子112を生成するのに十分な大きさのマスクを生成しようとする試みが幾つかなされているが、単一のマスクを使用することは、極めて高価であることが示されている。複数の回折格子112を製造する現行の方法は、回折格子構造200をパターニングするために、複数のマスクを利用するか又は同じマスクを繰り返し使用する。例えば、回折格子構造200は、第1の部分S1及び第2の部分S2を含むセクションにおいて作製される。第1及び第2のセクションS1、S2は、画像露光として説明されてよい。第1のセクションS1は、第1の組の線特徴204を含み、第2のセクションS2は、第2の組の線特徴206を含む。幾つかの実施形態では、更なるセクションが利用され、更なるセクションは、各セクション間の接合部202を用いてステッチされる。更なるセクションは、出力結合領域106内の複数の回折格子112の全体を構成するように、共にステッチされてよい。複数の回折格子112及び出力結合領域106に関連して上述されたステッチングプロセスは、同様に、複数の回折格子108及び入力結合領域102又は複数の回折格子110及び中間領域104に適用することができる。
【0020】
[0025] 線特徴204、206の各々は、それぞれ線角度θ1、θ2を含む。第1の線角度θ1は、第1の組の線特徴204内の複数の回折格子112とx軸との間の角度として規定される。第2の線角度θ2は、第2の組の線特徴204内の複数の回折格子112とx軸との間の角度として規定される。代表的な線角度θ1及びθ2が、セクションS1及びセクションS2の各々の下部回折格子上で示されている。しかし、線角度θ1、θ2は、セクションS1及びセクションS2において複数の回折格子112のいずれか1つから見出される。幾つかの実施形態では、個々の線角度θ1、θ2は、第1及び第2のセクションS1、S2内の複数の回折格子112のそれぞれについて見出される。したがって、線角度測定値は、各回折格子についてx軸に対して得られてよい。セクションS1内の線角度測定値は、第1の平均線角度を見つけるために平均化される。セクションS2内の線角度測定値も、第2の平均線角度を見つけるために平均化される。
【0021】
[0026] 代替的な実施形態では、線角度θ1、θ2が、y軸に対して計算される。線角度は、軸が線角度測定値の全てについて一貫して使用される限り、線角度の同じ平面内の任意の線又は軸に対して見つけられてよい。線又は軸を基準線として一貫して利用することは、共通の基準点を提供し、線角度測定値の間の比較を可能にする目的で行われる。
【0022】
[0027]
図3は、本開示の一実施形態による回折格子の概略平面図及び回折格子の測定特性を示している。
図3は、測定ツールの視野300を更に示している。幾つかの実施形態では、測定ツールが走査電子顕微鏡を含む。視野300は、回折格子構造を含む。回折格子構造は、
図2で示されているような回折格子構造200と同様であってよい。測定ツールの視野300内に、線特徴302がある。測定ツールは、1以上の線特徴302を特定することができる。
図3の線特徴302は、
図1及び
図2に関連して説明された複数の回折格子112のうちのいずれか1つと同様であってよい。1つだけの線特徴302が
図3で示されているが、一般的に、複数の線特徴302が、所与の時間において測定ツールの視野300内にあり得ることが理解される。測定ツールは、各線特徴302の間を区別することができる測定ツールアセンブリの部分である。それによって、測定ツールは、複数の線特徴302が視野300内にあるときに、1つの線特徴302に焦点を合わせることができる。測定ツールアセンブリは、線追跡プログラムを使用して各線特徴の間を区別する。線追跡プログラムは、測定ツールからのデータを測定するコントローラ又はコンピュータの一部であり得る。
図3に関連して説明される線特徴302は、
図2の線特徴204及び206などのような、線特徴302のセクションの部分である。
図3には、1つだけの線特徴302が示されている。別の一実施形態(ここでは図示されない)では、線特徴が、細長いバー形状、円形のピラー、またはビアホール形状である。
【0023】
[0028] 線特徴302は、線特徴302の長さを通って移動する中心軸に沿った離散座標点測定値を使用して測定されてもよい。例えば、離散座標点測定値は、一次座標320、二次座標330、三次座標340、及びn次座標350を含む。n次座標は、三次座標340を過ぎた一連の座標における任意の座標を表している。幾つかの実施形態では、n次座標が、四次座標、五次座標、六次座標、又はそれより上である。
図3には示されていない離散座標点が存在してよい。座標320、330、340、350は、測定領域の中心において見られる。一次座標320は、第1の測定領域304の中心に配置される。二次座標330は、第2の測定領域306の中心に配置される。三次座標340は、第3の測定領域308の中心に配置される。n次座標350は、第nの測定領域310の中心に配置される。線特徴302に沿った開始点は、一次座標320、又は線特徴302と一次座標320に最も近い視野300の縁部との交点であってもよい。代替的に、開始点は、一次座標320と、線特徴302と一次座標320に最も近い視野300の縁部との交点と、の間の点であってもよい。線特徴302と交差する視野300の縁部から一次座標320までの距離は、約500nm未満、例えば400nm未満、例えば300nm未満である。幾つかの実施形態では、線特徴302と交差する視野300の縁部から一次座標320までの距離が、約350nmなどの、約300nmと約400nmとの間である。幾つかの実施形態では、線特徴302と交差する視野300の縁部から開始点までの距離が、約400nm未満、例えば約350nm未満、例えば約250nm未満、又は例えば150nm未満である。
【0024】
[0029] 幾つかの実施形態では、一次座標320、二次座標330、三次座標340、及びn次座標350は全て、x軸及びy軸に対して測定され得る。x軸及びy軸は、ユーザによって選択された任意のx‐y基準軸であってもよい。この実施形態では、一次座標320が、第1のx座標及び第1のy座標を含み、第1のx座標は、視野300の縁部から一次座標320までの第1の距離である。この実施形態では、y軸、及びx軸のゼロ点が、視野300の縁部である。y軸を含む視野300の縁部は、線特徴302に平行な縁部である。y軸は、z軸と同じ平面内にあってよい。一次座標のy座標は、y軸に沿った任意のy座標である。
【0025】
[0030] 二次座標330は、第2のx座標及び第2のy座標を含み、第2のx座標は、視野300の縁部から二次座標330までの第2の距離である。第2のx座標及び第2のy座標は、第1のx座標及び第1のy座標を見つけるために使用されるのと同じx軸及びy軸を使用して見つけられる。
【0026】
[0031] 三次座標340は、第3のx座標及び第3のy座標を含み、第3のx座標は、視野300の縁部から三次座標340までの第3の距離である。第3のx座標及び第3のy座標は、第1のx座標及び第1のy座標を見つけるために使用されるのと同じx軸及びy軸を使用して見つけられる。
【0027】
[0032] n次座標350は、第nのx座標及び第nのy座標を含み、第nのx座標は、視野300の縁部からn次座標350までの第nの距離である。第nのx座標及び第nのy座標は、第1のx座標及び第1のy座標を見つけるために使用されるのと同じx軸及びy軸を使用して見つけられる。
【0028】
[0033] 一次座標、二次座標、三次座標、及びn次座標の各々は、互いに対して、同じx軸及び同じy軸を使用して見つけられる。代替的な方法は、x‐y軸の他に、極座標系などの座標系を利用してもよい。
【0029】
[0034] 第1の間隔距離312は、第1の測定領域304と第2の測定領域306との間の距離である。第2の間隔距離314は、第2の測定領域306と第3の測定領域308との間の距離である。幾つかの実施形態では、第1の間隔距離312と第2の間隔距離314とが、同じ距離である。代替的に、第1の間隔距離312と第2の間隔距離314とは、異なる距離である。それによって、第1の間隔距離312は、第2の間隔距離314よりも短い。別の一実施形態では、第1の間隔距離312が、第2の間隔距離314よりも長い。
【0030】
[0035] 第nの測定領域310までの各測定領域の間には、引き続いて間隔距離が存在してよい。この実施形態では、各測定距離の間の間隔距離312、314などが、同じ距離であるか又は異なる距離であるかのいずれかであり得る。幾つかの実施形態では、各測定領域の間の距離が、第1の間隔距離312と第2の間隔距離314との間で交互になる。幾つかの実施形態では、各測定領域304、306、308、及び310の間の間隔距離312、314が、約200nmと約2000nmとの間である。例えば、各測定領域304、306、308、及び310の間の間隔距離312、314は、約750nmと約1250nmとの間などの、約500nmと約1500nmとの間である。幾つかの実施形態では、各測定領域304、306、308、及び310が、関心領域と見なされる。
図3で示されている一実施形態では、測定領域304、306、308、及び310が、測定ボックスであり、測定ボックスは、閉じた平行四辺形を形成する二組の平行線を有する。
【0031】
[0036] 利用される別の測定値は、内側領域長318である。内側領域長318は、座標320、330、340、及び350から、線特徴302に垂直な測定領域304、306、308、及び310の縁部までの距離である。例えば、内側領域長318は、一次座標320から、線特徴302に垂直な第1の測定領域304の縁部までの距離である。この内側領域長318は、線特徴302に垂直な2つの辺のいずれかから取られ得る。内側領域長318は、第1の測定領域304のいずれの縁部から取られても同じになる。というのも、一次座標320は、測定領域304の中心にあるからである。縁部が線特徴302に垂直であるときに、内側領域長318の2倍が、第1の測定領域304の一方の縁部から測定領域304の他方の縁部までの距離である。他の測定領域306、308、310の中のいずれかの内側領域長318を測定するために、同じアプローチが取られ得る。幾つかの実施形態では、内側領域長318が、全ての測定領域304、306、308、310及び座標320、330、340、350について同じである。
【0032】
[0037] 内側領域長及び間隔距離312及び314は、1つの座標点と別の座標点との間の総距離を表すために、種々の組み合わせで共に加算することができる。一実施形態では、一次座標320と二次座標330との間の総距離が、第1の間隔距離312と内部領域長318の2倍との合計である。二次座標330と三次座標340との間の総距離は、第2の間隔距離314と内側領域長318の2倍との合計である。この関係は、座標点の間の全ての後続の距離について同じである。
【0033】
[0038] 幾つかの実施形態では、各組の隣接する座標点の間の総距離が同じである。各組の隣接する座標点の間の総距離は、予め設定されてよく、又は測定距離を決定するようにプログラムされたコントローラによって自動的に決定されてもよい。各実施例では、内側領域長318ついて予め設定された距離が存在し得る。幾つかの実施形態では、内側領域長318が予め設定され、間隔距離312及び314が変化する。間隔距離312及び314は、ノイズを低減させるように自動的に変化してよく、又は予め設定された変化パターンを有してよい。幾つかの実施形態では、全体の線特徴302に対する測定値の位置を最適化するために、間隔距離312及び314が、各測定領域の間で変化する。したがって、測定値は、線特徴302上の特定の範囲内で取られ得る。例えば、測定値は、線特徴302の縁部の近くでは望ましくない場合がある。ユーザは、各組の線特徴302の縁部から設定された距離でデータを取得することを望む場合がある。
【0034】
[0039] 幾つかの実施形態では、一組の隣接する座標の間の総距離が、約200nm~約2000nmである。例えば、約750nmと約1250nmとの間などの、約500nmと約1500nmとの間である。幾つかの実施形態では、一組の隣接する点の間の総距離が、約1000nmである。
【0035】
[0040] 可変距離316もまた、決定されてよい。可変距離316は、基準軸から、線特徴302に沿った任意の所与の点における線特徴302までの距離である。幾つかの実施形態では、可変距離316が、線特徴302に沿った点のx座標として説明される。基準軸は、線特徴302と平行であり且つ同一平面内にある任意の軸である。幾つかの実施形態では、基準軸が、線特徴302に平行な視野300の縁部である。更に別の一実施形態では、線特徴302のセクションに沿った全ての点を測定するときに同じ軸が使用される限り、基準軸が、線特徴302に平行な任意の軸であってよい。幾つかの実施形態では、線特徴302の別のセクションと同じ基準軸が、線特徴302の1つのセクションについて使用されてよい。この実施形態では、
図2のセクションS1についての基準軸が、
図2のセクションS2についての同じ基準軸であり得る。幾つかの実施形態では、基準軸が、セクションS2について使用される基準軸とは異なる、セクションS1についての基準軸であり得る。しかし、両方の基準軸は互いに平行である。
【0036】
[0041] 可変距離316は、線特徴302に沿った各座標点について見出される。それによって、第1の可変距離が、基準軸と一次座標との間で見出され、第2の可変距離が、基準軸と二次座標との間で見出され、第3の可変距離が、基準軸と三次座標との間で見出され、第nの可変距離が、基準軸とn次座標との間で見出される。
【0037】
[0042]
図3で示されているように線特徴302は、2D線特徴360である。2D線特徴360は、回転した細長いピラー、円形ピラー、ビアホール特徴、又は任意の他の適切な2Dパターンであり得る。この実施形態では、
図3で示されている線特徴302が、2D線特徴360の中心軸である。2D線特徴360は、
図3において長方形として示されているが、一般的に、2D線特徴360は、任意の2次元形状であることが理解される。2次元形状は、回転した細長いピラー、円形ピラー、及びビアホール特徴を含む。線特徴302が、2D線特徴360である実施形態では、測定される線特徴302が、2D線特徴の中心軸である。中心軸は、2D線特徴360の長さ370に平行である。2D線特徴360の長さ370は、2D線特徴360の長辺として更に規定される。
【0038】
[0043]
図4は、本開示の一実施形態による2つの隣接する線特徴302の間の界面境界の概略図を示している。界面境界400は、2つの隣接する組の線特徴302、及び2つの隣接する組の線特徴302の間の界面点410を含む。2つの隣接する組の線特徴302は、
図2の第1の組の線特徴204と第2の組の線特徴206と同様であってよい。
図2と同様に、第1及び第2の組の線特徴204及び206は、
図2で示されているように、セクション1 S1及びセクション2 S2へとグループ分けされる。
【0039】
[0044] 例示的な界面境界400は、第1のセクション長406を有する第1のセクションと、第2のセクション長408を有する第2のセクションとを有する。第1のセクション長406と第2のセクション長408とは、一組の線特徴302の第1の端部420上の一方の界面点から、同じ組の線特徴302の第2の他の端部422上の他方の界面点(図示せず)までの距離が、近似しているか又は等しい。界面点410は、2つの隣接する組の線特徴302が出会う点である。各組の線特徴302は、一組の測定点402及び404を有する。セクションS1は測定点402を含み、セクションS2は測定点404を含む。測定点402及び404は、一次座標320、二次座標330、三次座標340、及びn次座標350のいずれか1つ、ならびにそれらの間の点である。測定点402及び404の各々は、
図4で示されている基準矢印セット416及び418を有し、測定点402及び404の各々が、水平軸上のどこにあるかを示している。第1の基準矢印セット416は、セクションS1内で示され、第2の基準矢印セット418は、セクションS2内で示されている。基準矢印416及び418は、線特徴302に対して垂直に向けられる。
【0040】
[0045] 第1の縁部距離412は、界面点410と第1の組の測定点402のうちの第1の点との間を取ることによって計算される。第1の組の測定点402のうちの第1の点は、第1の組の測定点402のうちの界面点410に最も近い点として規定され得る。第2の縁部距離414は、界面点410と第2の組の測定点404のうちの第1の点との間を取ることによって計算される。第2の組の測定点404のうちの第1の点は、第2の組の測定点404のうちの界面点410に最も近い点として規定され得る。これは、界面点410並びに基準矢印セット416及び418を見ることによって、より容易に見られ得る。測定点402、404と基準矢印セット416、418との間の交点である第1の点は、第1及び第2の縁部距離412、414として測定され得る。
【0041】
[0046] 第1の縁部距離412及び第2の縁部距離414は、約200nmと約400nmとの間などの、約100nmと約500nmとの間の範囲であってよい。一実施形態では、第1の縁部距離412又は第2の縁部距離414のいずれかが、約350nmである。測定は、一般的に、界面点410から第1の縁部距離412又は界面点410から第2の縁部距離414の範囲内では行われない。これは、界面境界400のこの範囲内の点が、大量のノイズ及びばらつき(variance)を含むからである。このようなノイズは、測定点402及び404から収集されたデータを大幅に歪める(skew)可能性がある。第1の縁部距離412及び第2の縁部距離414は、未だ正確な測定を維持しながら、ノイズを低減させるように選択される。
【0042】
[0047]
図4では18個の測定点402、404が示されているが、他の数の測定点402、404を利用してもよいことに留意されたい。使用することができる測定点402、404の最小数は、2つの測定点402、404である。測定点402、404の数は、約2つの測定点402、404と約50個の測定点402、404との間である。測定点402、404の数は、一般的に、複数の測定点402、404として説明されてよい。一実施例では、測定点402、404の数が、より多い量のデータを得るために増加される。
【0043】
[0048]
図5は、本開示の一実施形態による回折格子線の線角度を決定するための方法500の動作を示している。動作510は、線特徴を追跡するための測定ツールの利用を含む。測定ツールは、走査型電子顕微鏡であってよい。線特徴は、上述され、
図1及び
図2で示されているように、回折格子112であってよい。線特徴はまた、一組の線特徴204及び206であってもよい。この実施形態では、複数の線特徴が、任意の所与の瞬間に追跡されてよい。線特徴はまた、上述され、
図3及び
図4で説明された線特徴302であってもよい。
【0044】
[0049] 動作520では、各関心領域の間の距離が設定される。本実施形態では、関心領域が、
図3を参照しながら説明された測定領域304、306、308、及び310であってよい。各関心領域の間の距離は、第1の間隔距離312又は第2の間隔距離314のいずれであってもよい。各関心領域の間の設定距離は、所定のものである。それによって、正確な測定結果を保証するために、十分な量の測定が行われる。
【0045】
[0050] 動作530では、Cx及びCyの値が、線特徴に沿って見つけられる。Cx及びCyの値は、各座標点のx座標及びy座標と同等又は実質的に同等である。これは、一次座標、二次座標、三次座標、及びn次座標を含む。それによって、少なくとも3つ以上の座標点が測定される。Cx及びCyの値は、軸がその線特徴についての全ての座標測定にわたり一貫して使用される限り、任意のx‐y軸に対して見つけることができる。
【0046】
[0051] 動作540では、線特徴の傾斜及び線角度が、動作530で見出された一組の座標点を使用して見つけられる。一組の座標点は、コンピュータ又はコントローラ内の理論的な線特徴をグラフ化するために使用される。理論的な線特徴の傾斜は、コンピュータ又はコントローラデバイス内の数式若しくはプログラムを使用して計算される。幾つかの実施形態では、複数の理論的な線特徴をグラフ化した後で、単一セクション内の複数の線特徴の傾斜が計算される。複数の理論的な線特徴の傾斜が計算される場合、複数の理論的な線特徴の傾斜の平均が計算されて、理論的な線特徴の傾斜の平均値が生成される。
【0047】
[0052] 各理論的な線特徴の線角度は、同様に傾斜を使用して計算され得る。各理論的な線特徴の線角度は、コンピュータ又はコントローラ内の数式及びプログラムを使用して計算される。
【0048】
[0053] 上述したように、単一の線特徴又は一群の線特徴からの測定値を利用することが可能である。単一の線特徴からの測定値を利用する1つの利点は、単一の線特徴からの測定が、より効率的であり、測定を完了するためにより少ない処理能力を利用することである。一群の線特徴からの測定値を利用する1つの利点は、測定値が平均され、それが、より正確で信頼性のある測定値を提供し得ることである。
【0049】
[0054]
図6は、本開示の一実施形態による回折格子構造のステッチプロセス品質を決定するための方法600の動作を示している。動作610は、2つの別個の線特徴について線角度を決定することを含み、動作620は、線角回転を見つけるために、第1及び第2の線特徴の間の線角度における差を計算することを含み、動作630は、線角回転を設計仕様と比較することを含み、動作640は、ステッチプロセス品質を決定することを含む。
【0050】
[0055] 動作610では、複数の線特徴について線角度が計算される。線角度の計算は、2つの線特徴について、ならびに、セクション内の平均線特徴傾斜を取得する場合に、複数の更なる線特徴について線角度を見つけることを含む。線角度は、方法500で説明された方法を使用して決定される。動作610は、次の点で方法500とは異なっている。すなわち、複数の隣接するセクション内の線特徴について傾斜及び線角度が測定され計算される。方法500で説明されたステップは、別個であるが隣接するセクションの線特徴のうちの第2の線特徴から見出される第2の組の3つ以上の座標について2回目で完了されなければならない。
【0051】
[0056] 動作620では、第1のセクションの線特徴の第1の線角度と第2のセクションの線特徴の第2の線角度との間の差が計算される。動作620では、第1の又は第2の線角度の一方から他方を減算することによって、差が得られる。第1及び第2の線角度の間の差の結果が、線角回転として規定される。
【0052】
[0057] 動作630では、動作620で見出された線角回転が、設計仕様と比較される。設計仕様は、回折格子で許容される最大線角回転であり得る。幾つかの実施形態では、設計仕様が、1/250度以下、1/500度以下、又は1/1000以下などの、1/100度以下の小ささであり得る。計算された線角回転が、設計仕様よりも小さいか、仕様よりも大きいか、又は仕様にほぼ等しいかを判定することによって、線角回転と設計仕様とが比較される。
【0053】
[0058] 動作640では、ステッチングプロセスの品質が決定される。設計仕様と比較された線角回転の度合いが、ステッチングプロセス品質を決定する。ステッチングプロセス品質は、任意の指定されたスケールで決定され得る。幾つかの実施例では、ステッチングプロセス品質が、合否判定され得る。それによって、線角回転が設計仕様よりも小さい場合、ステッチングプロセス品質は、合格するのに十分であると考えられる。線角回転が、設計仕様よりも大きい場合、ステッチングプロセス品質は、不合格であると考えられる。動作640は、コンピュータで計算することによって完了され得、デジタルインターフェース上に表示することができ、又はステッチングプロセスが所望の設計仕様内に入るかどうかを手動で再確認することによって完了され得る。ステッチングプロセス品質を1~100%又は1~10のスケールで格付けするなど、ステッチングプロセス品質を決定する他の方法も考慮される。
【0054】
[0059] 一般的に、上記の説明で参照された線特徴は、特定の実施形態では2次元線特徴であってよいことが理解される。例えば、線特徴204、206、302、及び360は、2D線特徴であってよい。
【0055】
[0060] 以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。