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特許7434581極紫外線マスクブランクハードマスク材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】極紫外線マスクブランクハードマスク材料
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/22 20120101AFI20240213BHJP
【FI】
G03F1/22
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022544065
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 US2021015067
(87)【国際公開番号】W WO2021154714
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】62/966,178
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/011,673
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/157,088
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リウ, シューウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ジンダル, ビブー
(72)【発明者】
【氏名】ゼラード, アゼディン
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-273678(JP,A)
【文献】特開2017-062521(JP,A)
【文献】特表2017-525998(JP,A)
【文献】特開2019-035848(JP,A)
【文献】国際公開第2020/235612(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 1/00~1/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極紫外線(EUV)マスクブランクの製造方法であって:
EUV放射を反射する、複数の反射層対を含む多層スタックを基板上に形成することと;
前記多層スタック上にキャッピング層を形成することと;
前記キャッピング層上に、アンチモン含有材料を含む吸収体層を形成することと;
前記吸収体層上に、TaNi、TaRu、及びTaCuからなる群から選択されるハードマスク材料を含むハードマスク層を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ハードマスク材料が、約75.5重量%~約96.5重量%の範囲のTa及び約3.5重量%~約24.5重量%の範囲のNiを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハードマスク材料が、0重量%~約72.9重量%の範囲のTa及び約27.1重量%~約100重量%の範囲のRuを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ハードマスク材料が、約0.2重量%~約72.9重量%の範囲のTa及び約27.1重量%~約99.8重量%の範囲のRuを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ハードマスク材料が、約60.5重量%~約94.2重量%の範囲のTa及び約5.8重量%~約39.5重量%の範囲のCuを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
極紫外線(EUV)マスクブランクの製造方法であって:
EUV放射を反射する、複数の反射層対を含む多層スタックを基板上に形成することと;
前記多層スタック上にキャッピング層を形成することと;
前記キャッピング層上に、アンチモン含有材料を含む吸収体層を形成することと;
前記吸収体層上に、約63.9重量%~約98.4重量%の範囲のCr、約1.6重量%~約33.7重量%の範囲の酸素、及び0重量%~約9.3重量%の範囲の窒素を含む、ハードマスク層を形成することと
を含む、方法。
【請求項7】
前記アンチモン含有材料が、SbN、炭素とアンチモンの合金及びタンタルとアンチモンの合金からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(前記吸収体層のエッチング速度):(前記ハードマスク層のエッチング速度)の比が、5:1~30:1の範囲にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
基板と;
極紫外線(EUV)放射を反射する、複数の反射層対を含む多層スタックと;
反射層の前記多層スタック上のキャッピング層と;
アンチモン含有材料を含む吸収体層と;
前記吸収体層上の、TaNi、TaRu及びTaCuからなる群から選択されるハードマスク材料を含むハードマスク層と
を含む、極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項10】
前記ハードマスク材料が、約75.5重量%~約96.5重量%の範囲のTa及び約3.5重量%~約24.5重量%の範囲のNiを含む、請求項に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項11】
前記ハードマスク材料が、0.1重量%~10重量%の範囲で、酸素及び窒素の少なくとも1つでドープされる、請求項10に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項12】
前記ハードマスク材料が、0重量%~約72.9重量%の範囲のTa及び約27.1重量%~約100重量%の範囲のRuを含む、請求項に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項13】
前記ハードマスク材料が、約0.2重量%~約72.9重量%の範囲のTa及び約27.1重量%~約99.8重量%の範囲のRuを含む、請求項に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項14】
前記ハードマスク材料が、0.1重量%~10重量%の範囲で、酸素及び窒素の少なくとも1つでドープされる、請求項13に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項15】
前記ハードマスク材料が、約60.5重量%~約94.2重量%の範囲のTa及び約5.8重量%~約39.5重量%の範囲のCuを含む、請求項に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項16】
前記ハードマスク材料が、0.1重量%~10重量%の範囲で、酸素及び窒素の少なくとも1つでドープされる、請求項15に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項17】
基板と;
極紫外線(EUV)放射を反射する、複数の反射層対を含む多層スタックと;
反射層の前記多層スタック上のキャッピング層と;
アンチモン含有材料を含む吸収体層と;
前記吸収体層上の、約63.9重量%~約98.4重量%の範囲のCr、約1.6重量%~約33.7重量%の範囲の酸素、及び0重量%~約9.3重量%の範囲の窒素を含む、ハードマスク層と
を含む、極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項18】
前記アンチモン含有材料が、SbN、炭素とアンチモンの合金、及びタンタルとアンチモンの合金からなる群から選択される、請求項9から17のいずれか一項に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項19】
(前記吸収体層のエッチング速度):(前記ハードマスク層のエッチング速度)の比が、5:1~30:1の範囲にある、請求項9から18のいずれか一項に記載の極紫外線(EUV)マスクブランク。
【請求項20】
基板と;
極紫外線(EUV)放射を反射する、モリブデン(Mo)及びケイ素(Si)を含む複数の反射層対を含む多層スタックと;
反射層の前記多層スタック上のキャッピング層と;
SbN、炭素とアンチモンの合金、及びタンタルとアンチモンの合金からなる群から選択されるアンチモン含有材料を含む吸収体層と;
前記吸収体層上の、CrO、CrON、TaNi、TaRu及びTaCuからなる群から選択されるハードマスク材料を含むハードマスク層と
を含み、(前記吸収体層のエッチング速度):(前記ハードマスク層のエッチング速度)の比が、5:1~30:1の範囲にある、極紫外線(EUV)マスクブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、極紫外線リソグラフィに関し、より詳細には、窒化アンチモン吸収体を有する極紫外線マスクブランク及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]軟X線投影リソグラフィとも呼ばれる極紫外線(EUV)リソグラフィは、0.0135ミクロン以下の最小フィーチャサイズの半導体デバイスの製造に使用される。しかしながら、一般に5~100ナノメートルの波長範囲にある極端紫外光は、実質的にすべての物質で強く吸収される。そのため、極紫外線システムは、光の透過ではなく反射によって機能する。一連のミラー又はレンズ要素、及び非反射吸収マスクパターンでコーティングされた反射要素又はマスクブランクを使用することにより、パターン化された化学線がレジストでコーティングされた半導体基板上に反射される。
【0003】
[0003]極紫外線リソグラフィシステムのレンズ要素とマスクブランクは、モリブデン及びケイ素などの材料の反射多層コーティングでコーティングされている。レンズ要素又はマスクブランク当たり約65%の反射値は、例えば、13.5ナノメートルの紫外光に対して12.5~14.5ナノメートルのバンドパスなど、非常に狭い紫外バンドパス内の光を強く反射する多層コーティングでコーティングされた基板を使用することによって得られている。EUVマスクブランクスは、EUV反射マスクを形成するために利用される。
【0004】
[0004]図1は、EUVマスクブランクから形成される従来のEUV反射マスク10を示しており、これは、基板14上の反射多層スタック12を含み、ブラッグ干渉により、マスクされていない部分でEUV放射を反射する。従来のEUV反射マスク10のマスクされた(非反射)領域16は、バッファ層18及び吸収体層20をエッチングすることによって形成される。キャッピング層22は、反射多層スタック12の上に形成され、エッチングプロセス中、反射多層スタック12を保護する。以下でさらに議論されるように、EUVマスクブランクスは、多層、キャッピング層及び吸収体層でコーティングされた低熱膨張材料基板上に作られ、次にエッチングされて、マスクされた(非反射)領域16と反射領域24が提供される。
【0005】
[0005]EUVマスクブランクの製造中、吸収体層の上にハードマスクが形成される。ハードマスク層を含むEUVマスクブランクから、エッチング等によりマスクパターンを有する反射マスクを形成する。吸収体層を形成するために使用される次世代の吸収材料、例えば、アンチモン含有材料は、エッチングプロセス中に、ハードマスク層の吸収体層に対する適切なエッチング選択性を有するという課題を提起する。したがって、アンチモン含有吸収体材料に対して適切なエッチング選択性を有する、EUVマスクブランク用のハードマスク材料を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の1つ又は複数の実施形態は、EUV放射を反射する、複数の反射層対を含む多層スタックを基板上に形成することと;キャッピング層上に、キャッピング層上に吸収体層を形成する吸収体層を形成することと;吸収体層上に、CrO、Cr(以下、CRON又は酸窒化クロムと呼ぶ)、TaNi、TaRu、及びTaCuからなる群から選択される材料を含むハードマスク層を形成することとを含む、極紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法を対象としている。
【0007】
[0007]本開示の追加の実施形態は、EUV放射を反射する、複数の反射層対を含む多層スタックと;反射層の多層スタック上のキャッピング層と;アンチモン含有材料を含む吸収体層と;吸収体層上の、CrO、CrON、TaNi、TaRu、及びTaCuからなる群から選択される材料を含むハードマスクとを含む基板を含むEUVマスクブランクを対象とする。
【0008】
[0008]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより詳細な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]従来の吸収体を使用する背景技術のEUV反射マスクを概略的に示す図である。
図2】[0010]極紫外線リソグラフィシステムの一実施形態を概略的に示す図である。
図3】[0011]極端紫外反射要素製造システムの一実施形態を示す図である。
図4】[0012]EUVマスクブランクなどの極端紫外反射要素の一実施形態を示す図である。
図5】[0013]マルチカソード物理堆積チャンバの一実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0011】
[0015]ここで使用される「水平」という用語は、その向きに関係なく、マスクブランクの平面又は表面に平行な平面として定義される。「垂直」という用語は、定義した水平に対して垂直な方向を指す。「上(above)」、「下(below)」、「底部(bottom)」、「頂部(top)」、「側面」(「側壁」など)、「より高い(higher)」、「より低い(lower)」、「上方(upper)」、「上に(over)」、「下に(under)」などの用語」は、図に示すように、水平面に対して定義される。
【0012】
[0016]「上に(on)」という用語は、要素間に直接接触があることを示す。「直接」という用語は、介在要素なしで要素間に直接接触があることを示す。
【0013】
[0017]当業者は、処理領域を説明するために「第1」及び「第2」などの序数を使用することが、処理チャンバ内の特定の位置、又は処理チャンバ内の露出の順序を意味することではことを理解するであろう。
【0014】
[0018]この明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。文脈が明らかに他のことを示さない限り、基板への言及はまた、基板の一部のみを指すことも当業者によって理解されるであろう。さらに、基板上への堆積への言及は、剥き出しの基板と、その上に堆積又は形成された1つ又は複数のフィルム若しくはフィーチャを有する基板の両方を意味する。
【0015】
[0019]ここで図2を参照すると、極紫外線リソグラフィシステム100の例示的な実施形態が示されている。極端紫外リソグラフィシステム100は、極端紫外光112を生成するための極端紫外光源102、反射要素のセット、及びターゲットウエハ110を含む。反射要素は、コンデンサ104、EUV反射マスク106、光学縮小アセンブリ108、マスクブランク、ミラー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0016】
[0020]極端紫外光源102は、極端紫外光112を生成する。極端紫外光112は、5~50ナノメートル(nm)の範囲の波長を有する電磁放射である。例えば、極紫外線光源102は、レーザ、レーザ生成プラズマ、放電生成プラズマ、自由電子レーザ、シンクロトロン放射、又はそれらの組み合わせを含む。
【0017】
[0021]極端紫外光源102は、様々な特性を有する極端紫外光112を生成する。極端紫外光源102は、ある範囲の波長にわたって広帯域の極端紫外放射を生成する。例えば、極紫外光源102は、5~50nmの範囲の波長を有する極紫外光112を生成する。
【0018】
[0022]1つ又は複数の実施形態では、極端紫外光源102は、狭い帯域幅を有する極端紫外光112を生成する。例えば、極紫外光源102は、13.5nmの極紫外光112を生成する。波長ピークの中心は13.5nmである。
【0019】
[0023]コンデンサ104は、極紫外光112を反射して集光するための光学ユニットである。コンデンサ104は、極端紫外光源102からの極端紫外光112を反射及び集光して、EUV反射マスク106を照明する。
【0020】
コンデンサ104は単一の要素として示されているが、いくつかの実施形態におけるコンデンサ104は、極端紫外光112を反射及び集中させるために、凹面鏡、凸面鏡、平面鏡、又はそれらの組み合わせなどの1つ又は複数の反射要素を含むことは理解される。例えば、いくつかの実施形態におけるコンデンサ104は、単一の凹面鏡、又は凸面、凹面、及び平面の光学要素を有する光学アセンブリである。
【0021】
[0025]EUV反射マスク106は、マスクパターン114を有する極紫外反射要素である。EUV反射マスク106は、リソグラフィパターンを作成して、ターゲットウエハ110上に形成される回路レイアウトを形成する。EUV反射マスク106は、極端紫外光112を反射する。マスクパターン114は、回路レイアウトの一部を画定する。
【0022】
[0026]光学縮小アセンブリ108は、マスクパターン114の像を縮小するための光学ユニットである。EUV反射マスク106からの極端紫外光112の反射は、光学縮小アセンブリ108によって縮小され、ターゲットウエハ110上に反射される。いくつかの実施形態における光学縮小アセンブリ108は、マスクパターン114の画像のサイズを縮小するためにミラー及び他の光学要素を含む。例えば、いくつかの実施形態における光学縮小アセンブリ108は、極端紫外光112を反射及び集束するための凹面鏡を含む。
【0023】
[0027]光学縮小アセンブリ108は、ターゲットウエハ110上のマスクパターン114の画像のサイズを縮小する。例えば、いくつかの実施形態におけるマスクパターン114は、ターゲットウエハ110上に光学縮小アセンブリ108によって4:1の比率で結像され、ターゲットウエハ110上にマスクパターン114によって表される回路を形成する。いくつかの実施形態における極端紫外光112は、ターゲットウエハ110と同期してEUV反射マスク106をスキャンして、ターゲットウエハ110上にマスクパターン114を形成する。
【0024】
[0028]ここで図3を参照すると、極紫外線反射要素製造システム200の実施形態が示されている。極紫外線反射要素は、EUVマスクブランク204、極紫外線ミラー205、又はEUV反射マスク106などの他の反射要素を含む。
【0025】
[0029]いくつかの実施形態における極紫外線反射要素製造システム200は、マスクブランク、ミラー、又は図2の極紫外線112を反射する他の要素を製造する。極紫外線反射要素製造システム200は、ソース基板203に薄いコーティングを適用することによって反射要素を製造する。
【0026】
[0030]EUVマスクブランク204は、図2のEUV反射マスク106を形成するための多層構造である。いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク204は、半導体製造技術を使用して形成される。いくつかの実施形態におけるEUV反射マスク106は、エッチング及び他の処理によってEUVマスクブランク204上に形成された図2のマスクパターン114を有する。
【0027】
[0031]極紫外線ミラー205は、極端紫外光の範囲で反射する多層構造である。いくつかの実施形態における極紫外線ミラー205は、半導体製造技術を使用して形成される。いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク204及び極紫外線ミラー205は、各要素上に形成された層に関して同様の構造であるが、極紫外線ミラー205はマスクパターン114を有していない。
【0028】
[0032]反射要素は、極端紫外光112の効率的な反射体である。一実施形態では、EUVマスクブランク204及び極紫外線ミラー205は、60%を超える極紫外線反射率を有する反射要素は、極端紫外光112の60%超反射する場合に効率的である。
【0029】
[0033]極紫外線反射要素製造システム200は、ソース基板203がロードされ、そこから反射要素がアンロードされるウエハローディング及びキャリアハンドリングシステム202を含む。雰囲気ハンドリングシステム206は、ウエハハンドリング真空チャンバ208へのアクセスを提供する。いくつかの実施形態におけるウエハローディング及びキャリアハンドリングシステム202は、基板輸送ボックス、ロードロック、及びシステム内の雰囲気から真空に基板を移送するための他の構成要素を含む。EUVマスクブランク204は非常に小さいスケールでデバイスを形成するのに使用されるため、ソース基板203及びEUVマスクブランク204は、汚染及び他の欠陥を防止するために真空システムで処理される。
【0030】
[0034]いくつかの実施形態におけるウエハハンドリング真空チャンバ208は、2つの真空チャンバ、第1の真空チャンバ210及び第2の真空チャンバ212を含む。第1の真空チャンバ210は、第1のウエハハンドリングシステム214を含み、第2の真空チャンバ212は、第2のウエハハンドリングシステム216を含む。ウエハハンドリング真空チャンバ208は、2つの真空チャンバで説明されているが、いくつかの実施形態におけるシステムは、任意の数の真空チャンバを有することが理解される。
【0031】
[0035]いくつかの実施形態におけるウエハハンドリング真空チャンバ208は、様々な他のシステムの取り付けのために、その周囲に複数のポートを有する。第1の真空チャンバ210は、脱ガスシステム218、第1の物理蒸気堆積システム220、第2の物理蒸気堆積システム222、及び前洗浄システム224を有する。脱ガスシステム218は、基板から水分を熱的に脱着するためのものである。前洗浄システム224は、ウエハ、マスクブランク、ミラー、又は他の光学部品の表面を洗浄するためのものである。
【0032】
[0036]第1の物理蒸気堆積システム220及び第2の物理蒸気堆積システム222などの物理蒸気堆積システムは、いくつかの実施形態では、ソース基板203上に導電性材料の薄膜を形成するのに使用される。例えば、いくつかの実施形態における物理蒸気堆積システムは、マグネトロンスパッタリングシステム、イオンスパッタリングシステム、パルスレーザ堆積、カソードアーク堆積、又はそれらの組み合わせなどの真空堆積システムを含む。マグネトロンスパッタリングシステムなどの物理蒸気堆積システムは、ソース基板203上に、ケイ素、金属、合金、化合物、又はそれらの組み合わせの層を含む薄層を形成する。
【0033】
[0037]物理蒸気堆積システムは、反射層、キャッピング層、及び吸収体層を形成する。例えば、いくつかの実施形態における物理蒸気堆積システムは、ケイ素、モリブデン、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化ニオブ、ルテニウムタングステン、ルテニウムモリブデン、ルテニウムニオブ、クロム、アンチモン、鉄、銅、ホウ素、ニッケル、ビスマス、テルル、ハフニウム、タンタル、アンチモン、窒化物、化合物、又はそれらの組み合わせの層を形成する。いくつかの化合物は酸化物として説明されているが、いくつかの実施形態における化合物は、酸化物、二酸化物、酸素原子を有する原子混合物、又はそれらの組み合わせを含むことが理解される。
【0034】
[0038]第2の真空チャンバ212は、第1のマルチカソード源226、化学蒸気堆積システム228、硬化チャンバ230、及びそれに接続された超平滑堆積チャンバ232を有する。例えば、いくつかの実施形態における化学蒸気堆積システム228は、流動性化学蒸気堆積システム(FCVD)、プラズマ支援化学蒸気堆積システム(CVD)、エアロゾル支援CVDシステム、ホットフィラメントCVDシステム、又は同様のシステムを含む。別の例では、いくつかの実施形態における化学蒸気堆積システム228、硬化チャンバ230、及び超平滑堆積チャンバ232は、極紫外線反射要素製造システム200とは別のシステム内にある。
【0035】
[0039]いくつかの実施形態における化学蒸気堆積システム228は、ソース基板203上に材料の薄膜を形成する。例えば、いくつかの実施形態における化学蒸気堆積システム228は、ソース基板203上に、単結晶層、多結晶層、非晶質層、エピタキシャル層、又はそれらの組み合わせを含む材料の層を形成するために使用されるいくつかの実施形態では、化学蒸気堆積システム228は、ケイ素、ケイ素酸化物、オキシ炭化ケイ素、タンタル、テルル、アンチモン、ハフニウム、鉄、銅、ホウ素、ニッケル、タングステン、ビスマス、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属、合金、及び化学蒸気体積に適したその他の材料の層を形成する。例えば、いくつかの実施形態における化学蒸気体積システムは、平坦化層を形成する。
【0036】
[0040]第1のウエハハンドリングシステム214は、ソース基板203を雰囲気ハンドリングシステム206と第1の真空チャンバ210の周囲の様々なシステムとの間で連続真空中で移動させることができる。第2のウエハハンドリングシステム216は、ソース基板203を連続真空中に維持しながら、第2の真空チャンバ212の周りでソース基板203を移動させることができる。いくつかの実施形態における極紫外線反射要素製造システム200は、ソース基板203及びEUVマスクブランク204を第1のウエハハンドリングシステム214と第2のウエハハンドリングシステム216との間で連続真空内で移送する。
【0037】
[0041]ここで図4を参照すると、極紫外線反射要素302の実施形態が示されている。1つ又は複数の実施形態では、極紫外線反射要素302は、図3のEUVマスクブランク204又は図3の極紫外線ミラー205である。EUVマスクブランク204及び極紫外線ミラー205は、図2の極端紫外光112を反射するための構造である。いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク204は、図2に示されるEUV反射マスク106を形成するために使用される。
【0038】
[0042]極紫外線反射要素302は、基板304、反射層の多層スタック306、及びキャッピング層308を含む。1つ又は複数の実施形態では、極紫外線ミラー205を使用して、図2のコンデンサ104又は図2の光学縮小アセンブリ108で使用するための反射構造を形成する。
【0039】
[0043]いくつかの実施形態では、EUVマスクブランク204である極紫外線反射要素302は、基板304、反射層の多層スタック306、キャッピング層308、吸収体層310、及びハードマスク層を含む。いくつかの実施形態における極紫外線反射要素302は、EUVマスクブランク204であり、必要な回路のレイアウトで吸収体層310をパターニングすることによって、図2のEUV反射マスク106を形成するために使用される。
【0040】
[0044]以下のセクションでは、EUVマスクブランク204の用語は、簡単にするために極紫外線ミラー205の用語と交換可能に使用される。1つ又は複数の実施形態では、EUVマスクブランク204は、図2のマスクパターン114を形成するために追加された吸収体層310を有する極紫外線ミラー205の構成要素を含む。
【0041】
[0045]EUVマスクブランク204は、マスクパターン114を有するEUV反射マスク106を形成するために使用される光学的に平坦な構造である。1つ又は複数の実施形態では、EUVマスクブランク204の反射面は、図2の極端紫外光112などの入射光を反射するための平坦な焦点面を形成する。
【0042】
[0046]基板304は、極紫外線反射要素302に構造的支持を提供するための要素である。1つ又は複数の実施形態では、基板304は、温度変化中の安定性を提供するために、熱膨張係数(CTE)が低い材料から作られる。1つ又は複数の実施形態では、基板304は、機械的サイクル、熱サイクル、結晶形成、又はそれらの組み合わせに対する安定性などの特性を有する。1つ又は複数の実施形態による基板304は、ケイ素、ガラス、酸化物、セラミック、ガラスセラミック、又はそれらの組み合わせなどの材料から形成される。
【0043】
[0047]多層スタック306は、極端紫外光112を反射する構造である。多層スタック306は、第1の反射層312と第2の反射層314の交互の反射層を含む。
【0044】
[0048]第1の反射層312及び第2の反射層314は、図4の反射対316を形成する。非限定的な実施形態では、多層スタック306は、合計120までの反射層に対して20~60の範囲の反射対316を含む。
【0045】
[0049]いくつかの実施形態における第1の反射層312及び第2の反射層314は様々な材料から形成される。一実施形態では、第1の反射層312及び第2の反射層314は、それぞれケイ素及びモリブデンから形成される。層は、ケイ素及びモリブデンとして示されているが、いくつかの実施形態における交互層は、他の材料から形成されるか、又は他の内部構造を有することは理解される。
【0046】
[0050]いくつかの実施形態における第1の反射層312及び第2の反射層314は様々な構造を有する。一実施形態では、第1の反射層312及び第2の反射層314の両方が、単層、多層、分割層構造、不均一構造、又はそれらの組み合わせで形成される。
【0047】
[0051]ほとんどの材料は極紫外線波長の光を吸収するため、使用される光学要素は、他のリソグラフィシステムで使用される透過型ではなく反射型である。多層スタック306は、異なる光学特性を有する材料の薄層を交互に有することによって反射構造を形成し、ブラッグリフレクタ又はミラーを作成する。
【0048】
[0052]一実施形態では、交互層のそれぞれは、極端紫外光112に対して異なる光学定数を有する。交互層は、交互層の厚さの周期が極端紫外光112の波長の半分である場合、共鳴反射率を提供する。一実施形態では、波長13nmの極端紫外光112の場合、交互層の厚さは約6.5nmである。提供されるサイズと寸法は、典型的な要素の通常の工学的公差内にあることが理解される。
【0049】
[0053]いくつかの実施形態における多層スタック306は、様々な方法で形成される。一実施形態では、第1反射層312及び第2反射層314は、マグネトロンスパッタリング、イオンスパッタリングシステム、パルスレーザ堆積、カソードアーク堆積、又はそれらの組み合わせで形成される。
【0050】
[0054]例示的な実施形態では、多層スタック306は、マグネトロンスパッタリングなどの物理蒸気堆積技術を使用して形成される。一実施形態では、多層スタック306の第1の反射層312及び第2の反射層314は、マグネトロンスパッタリング技術によって形成されて、正確な厚さ、低い粗さ、及び層間のきれいな界面を含むという特徴を有する。一実施形態では、多層スタック306の第1の反射層312及び第2の反射層314は、物理蒸気堆積によって形成されて、正確な厚さ、低い粗さ、及び層間のきれいな界面を含むという特徴を有する。
【0051】
[0055]いくつかの実施形態では、物理蒸気堆積技術を使用して形成される多層スタック306の層の物理的寸法は、反射率を高めるために正確に制御される。一実施形態では、ケイ素の層などの第1の反射層312は、4.1nmの厚さを有する。モリブデンの層などの第2の反射層314は、2.8nmの厚さを有する。層の厚さは、極紫外線反射要素のピーク反射率波長を決定する。層の厚さが正しくない場合、いくつかの実施形態では、所望の波長13.5nmでの反射率が低下する。
【0052】
[0056]一実施形態では、多層スタック306は、60%を超える反射率を有する。一実施形態では、物理蒸気堆積を使用して形成された多層スタック306は、66%~67%の範囲の反射率を有する。1つ又は複数の実施形態では、より硬い材料で形成された多層スタック306の上にキャッピング層308を形成すると、反射率が向上する。いくつかの実施形態では、70%を超える反射率は、低い粗さの層、層間のきれいな界面、改善された層材料、又はそれらの組み合わせを使用して達成される。
【0053】
[0057]1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は、極端紫外光112の透過を可能にする保護層である。一実施形態では、キャッピング層308は、多層スタック306上に直接形成される。1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は、多層スタック306を汚染物質及び機械的損傷から保護する。一実施形態では、多層スタック306は、酸素、タンタル、ヒドロタンタル、又はそれらの組み合わせによる汚染に敏感である。一実施形態によるキャッピング層308は、汚染物質と相互作用してそれらを中和する。
【0054】
[0058]1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は、極端紫外光112に対して透明である光学的に均一な構造である。極端紫外光112は、キャッピング層308を通過して、多層スタック306から反射する。1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は、1%~2%の総反射率損失を有する。1つ又は複数の実施形態では、異なる材料のそれぞれは、厚さに応じて異なる反射率損失を有するが、それらのすべては1%~2%の範囲にある。
【0055】
[0059]1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は滑らかな表面を有する。例えば、いくつかの実施形態におけるキャッピング層308の表面は、0.2nmRMS(二乗平均平方根)未満の粗さを有する。別の例では、キャッピング層308の表面は、1/100nm~1/1μmの範囲の長さに対して0.08nmRMSの粗さを有する。RMS粗さは、測定範囲によって異なる。100nm~1ミクロンの特定の範囲では、粗さは0.08nm以下である。範囲が広いほどラフネスは高くなる。
【0056】
[0060]いくつかの実施形態におけるキャッピング層308は、様々な方法で形成される。一実施形態では、キャッピング層308は、マグネトロンスパッタリング、イオンスパッタリングシステム、イオンビーム堆積、電子ビーム堆積、高周波(RF)スパッタリング、原子層堆積(ALD)、パルスレーザ堆積、カソードアーク堆積、又はそれらの組み合わせを用いて、多層スタック306上又は直接上に形成される。1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は、マグネトロンスパッタリング技術によって形成されて、正確な厚さ、低い粗さ、及び層間のきれいな界面を含むという物理的特徴を有する。一実施形態では、キャッピング層308は、物理堆積によって形成されて、正確な厚さ、低い粗さ、及び層間のきれいな界面を含むという物理的特性を有する。
【0057】
[0061]1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層308は、洗浄中の侵食に耐えるのに十分な硬度を有する様々な材料から形成される。一実施形態では、ルテニウムは良好なエッチングストップであり、操作条件下で比較的不活性であるため、キャッピング層材料として使用される。しかしながら、いくつかの実施形態では、キャッピング層308を形成するために他の材料が使用されることが理解される。特定の実施形態では、キャッピング層308は、2.5~5.0nmの範囲の厚さを有する。
【0058】
[0062]1つ又は複数の実施形態では、吸収体層310は、極端紫外光112を吸収する層である。一実施形態では、吸収体層310は、極端紫外光112を反射しない領域を提供することによって、EUV反射マスク106上にパターンを形成するために使用される。吸収体層310は、1つ又は複数の実施形態によれば、約13.5nmなどの極端紫外光112の特定の周波数に対して高い吸収係数を有する材料を含む。一実施形態では、吸収体層310は、キャッピング層308上に直接形成され、吸収体層310は、フォトリソグラフィプロセスを使用してエッチングされ、EUV反射マスク106のパターンが形成される。
【0059】
[0063]1つ又は複数の実施形態によれば、極紫外線ミラー205などの極紫外線反射要素302は、基板304、多層スタック306、及びキャッピング層308で形成される。極端紫外ミラー205は、光学的に平坦な表面を有し、いくつかの実施形態では、極端紫外光112を効率的かつ均一に反射する。
【0060】
[0064]1つ又は複数の実施形態によれば、EUVマスクブランク204などの極端紫外反射要素302は、基板304、多層スタック306、キャッピング層308、吸収体層310、及びハードマスク層318により形成される。マスクブランク204は、光学的に平坦な表面を有し、いくつかの実施形態では、極端紫外光112を効率的かつ均一に反射する。一実施形態では、マスクパターン114は、EUVマスクブランク204の吸収体層310で形成される。
【0061】
[0065]1つ又は複数の実施形態によれば、キャッピング層308の上に吸収体層310を形成することは、EUV反射マスク106の信頼性を高める。キャッピング層308は、吸収体層310のエッチング停止層として機能する。図2のマスクパターン114が吸収体層310にエッチングされると、吸収体層310の下のキャッピング層308は、エッチング作用を停止して多層スタック306を保護する。1つ又は複数の実施形態では、吸収体層310は、キャッピング層308に対してエッチング選択的である。いくつかの実施形態では、キャッピング層308はルテニウムを含み、吸収体層310はルテニウムに対してエッチング選択的である。
【0062】
[0066]一実施形態では、吸収体層310はアンチモン含有材料を含む。アンチモン含有吸収体層材料は、吸収体層310に関して、EUV反射要素の製造中にエッチング選択性の問題を提示することが判明した。1つ又は複数の実施形態では、吸収体層310のエッチング速度):(ハードマスク層318のエッチング速度)の比が、3:1~50:1、例えば、4:1~40:1、又は5:1~50:1、又は5:1~40:1、又は5:1~30:1、又は10:1~50:1、又10:1~40:1、又10:1~30:1の範囲である。1つ又は複数の実施形態によれば、すぐ上で提供されたエッチング速度は、Cl及び/又はCFエッチング化学物質に関するものである。1つ又は複数の実施形態では、吸収体層310は20nm~60nmの、例えば、30nm~45nmの範囲の厚さを有する際、ハードマスク層318は、1nm~20nmの、例えば、2nm~9nmの範囲の厚さを有する。
【0063】
[0067]いくつかの実施形態では、吸収体層は、SbN、炭素とアンチモンの合金、及びタンタルとアンチモンの合金からなる群から選択される材料を含む。特定の実施形態では、アンチモン含有吸収体層310は、アンチモンと窒素の化合物、例えば、SbNを含む。いくつかの実施形態では、吸収体層310は、約65nm未満、約55nm未満、又は約45nm未満を含む、約75nm未満の厚さを有する。他の実施形態では、吸収体層310は、約20nm~約65nm、及び30nm~約45nmの範囲を含む、約10nm~約75nmの範囲の厚さを有する。
【0064】
[0068]一実施形態では、吸収体層310は、アンチモンと窒素の化合物から作られる。1つ又は複数の実施形態では、アンチモンと窒素の化合物は、化合物の総重量に基づいて、アンチモンと窒素の化合物は、約78.8重量%~約99.8重量%のアンチモン及び約0.2重量%~約21.2重量%の窒素を含む。1つ又は複数の実施形態では、アンチモンと窒素の化合物は、化合物の総重量に基づいて、アンチモンと窒素の化合物は、約83.8重量%~約94.8重量%のアンチモン及び約5.2重量%~約16.2重量%の窒素を含む。1つ又は複数の実施形態では、アンチモンと窒素の化合物は、化合物の総重量に基づいて、アンチモンと窒素の化合物は、約86.8重量%~約91.8重量%のアンチモン及び約8.2重量%~約13.2重量%の窒素を含む。1つ又は複数の実施形態では、アンチモンと窒素の化合物はアモルファスである。1つ又は複数の実施形態では、化合物は単相化合物である。
【0065】
[0069]1つ又は複数の実施形態では、アンチモンと窒素の化合物はドーパントを含む。一実施形態では、ドーパントは酸素を含む。一実施形態では、ドーパントは、化合物の重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の範囲の量で化合物中に存在する。他の実施形態では、ドーパントは、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%。1.8重量%、1.9重量%%、2.0重量%2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%。2.8重量%、2.9重量%%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%%、4.0重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、又は5.0重量%の量で化合物中に存在する。
【0066】
[0070]1つ又は複数の実施形態では、吸収体層の化合物は、物理堆積チャンバ内で形成されたスパッタリングされた化合物吸収体材料である。1つ又は複数の実施形態において、いくつかの実施形態における吸収体層の化合物は、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)のうちの1つ又は複数から選択されるガスによってスパッタリングされる。一実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の化合物は、アルゴンガスと酸素ガスの混合物(Ar+O)によってスパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素の混合物によるスパッタリングは、アンチモンの酸化物及び/又は窒素の酸化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと酸素の混合物によるスパッタリングは、アンチモン又は窒素の酸化物を形成しない。一実施形態では、一部の実施形態における吸収体層の化合物は、アルゴンガスと窒素ガスの混合物(Ar+N)によってスパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素の混合物によるスパッタリングは、アンチモンの窒化物及び/又は窒素の窒化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと窒素の混合物によるスパッタリングは、アンチモン又は窒素の窒化物を形成しない。一実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の化合物は、アルゴンと酸素と窒素ガスの混合物(Ar+O+N)によってスパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素の混合物によるスパッタリングは、窒素の酸化物及び/又は窒化物及び/又はテルルの酸化物及び/又は窒化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物によるスパッタリングは、アンチモン又は窒素の酸化物又は窒化物を形成しない。一実施形態では、一部の実施形態における吸収体層のエッチング特性及び/又は他の特性は、上述のように、化合物の割合を制御することによって仕様に合わせて調整される。一実施形態では、いくつかの実施形態における化合物の割合は、物理蒸気堆積チャンバの電圧、圧力、流量などのパラメータを操作することによって正確に制御される。一実施形態では、材料特性をさらに変更するためにプロセスガスが使用され、例えば、アンチモン及び窒素の窒化物を形成するためにNガスが使用される。
【0067】
[0071]他の実施形態では、いくつかの実施形態におけるアンチモンと窒素の化合物は、スパッタリングによってアンチモンの層を形成することにより、アンチモンと窒素の層のラミネートとして層ごとに堆積される。アンチモン層の堆積後、PVDチャンバの電源を切り、1サイクルにつき1~10秒(例えば、5秒)の範囲の期間、1~10mT(例えば、2mT)の圧力で窒素ガス又は窒素と酸素のガスの流れを供給する。このプロセスは、アンチモンの気相窒化と呼ばれる。スパッタリングによるアンチモン堆積とそれに続く窒素層形成のサイクルは、所望のSbNの厚さが達成されるまで繰り返される。
【0068】
[0072]一実施形態では、吸収体層310は、炭素とアンチモンの合金から作られる。1つ又は複数の実施形態では、炭素とアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約0.3重量%~約3.6重量%の炭素、及び約96.4重量%~約99.7重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約1.3重量%~約2.3重量%の炭素、及び約97.7重量%~約98.7重量%のアンチモンを含む。1つ又は複数の実施形態では、炭素とアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約5.0重量%~約10.8重量%の炭素、及び約89.2重量%~約95.0重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約6.5重量%~約9.3重量%の炭素、及び約90.7重量%~約93.5重量%のアンチモンを含む。1つ又は複数の実施形態では、炭素とアンチモンの合金はアモルファスである。
【0069】
[0073]特定の実施形態では、炭素とアンチモンの合金はアンチモンに富んだ合金である。ここで使用する「アンチモンに富んだ」という用語は、合金中に炭素よりもかなり多くのアンチモンが存在することを意味する。例えば、特定の実施形態では、合金の総重量に基づいて、約0.3重量%~約3.6重量%の炭素及び約96.4重量%~約99.7重量%のアンチモンを含む、炭素とアンチモンの合金は合金である。別の特定の実施形態では、合金の総重量に基づいて、1.3重量%~約2.3重量%の炭素及び約97.7重量%~約98.7重量%のアンチモンを含む、炭素とアンチモンの合金は合金である。1つ又は複数の実施形態では、炭素とアンチモンの合金はアモルファスである。
【0070】
[0074]1つ又は複数の実施形態では、炭素及びアンチモンの合金はドーパントを含む。ドーパントは、窒素又は酸素の1つ又は複数から選択することができる。一実施形態では、ドーパントは酸素を含む。別の実施形態では、ドーパントは窒素を含む。一実施形態では、ドーパントは、合金の重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で合金中に存在する。他の実施形態では、ドーパントは、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%%、2.0重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%%、4.0重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、又は5.0重量%の量で合金中に存在する。
【0071】
[0075]1つ又は複数の実施形態では、吸収体層の合金は、物理堆積チャンバ内で形成された同時スパッタリングされた合金吸収体材料である。1つ又は複数の実施形態において、いくつかの実施形態における吸収体層の合金は、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)のうちの1つ又は複数から選択されるガスによってスパッタリングされる。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンガスと酸素ガスの混合物(Ar+O)によって同時スパッタリングすることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素の混合物による同時スパッタリングは、炭素の酸化物及び/又はアンチモンの酸化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと酸素の混合物による同時スパッタリングは、炭素又はアンチモンの酸化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンガスと窒素ガス(Ar+N)の混合物によって同時スパッタリングすることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素の混合物による同時スパッタリングは、炭素の窒化物及び/又はアンチモンの窒化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと窒素の混合物による同時スパッタリングは、炭素又はアンチモンの窒化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンと酸素と窒素ガス(Ar+O+N)との混合物によって同時スパッタリングすることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素の混合物による同時スパッタリングは、炭素の酸化物及び/又は窒化物及び/又はアンチモンの酸化物及び/又は窒化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物による同時スパッタリングは、炭素又はアンチモンの酸化物又は窒化物を形成しない。一実施形態では、上述のように、吸収体層のエッチング特性及び/又は他の特性を、合金の割合を制御することによって仕様に合わせて調整することができる。一実施形態では、物理体積チャンバの電圧、圧力、流量などのパラメータを操作することによって、合金の割合を正確に制御することができる。一実施形態では、材料特性をさらに変更するためにプロセスガスが使用され、例えば、炭素及びアンチモンの窒化物を形成するためにNガスが使用される。
【0072】
[0076]1つ又は複数の実施形態では、ここで使用する「同時スパッタリング」は、炭素を含む1つのターゲットとアンチモンを含む第2のターゲットの2つのターゲットが、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)から選択される1つ又は複数のガスを使用して同時にスパッタされて、炭素とアンチモンの合金を含む吸収体層を堆積/形成することを意味する。
【0073】
[0077]他の実施形態では、炭素とアンチモンの合金は、炭素とアンチモンの層のラミネートとして、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)のうちの1つ又は複数から選択されたガスを使用して、層ごとに堆積させることができる。一実施形態では、吸収体層の合金は、炭素層とアンチモン層のラミネートとして、アルゴンガスと酸素ガスの混合物(Ar+O)を使用して、層ごとに堆積させることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素の混合物を使用した層ごとの堆積により、炭素の酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素の混合物を使用した層ごとの堆積は、炭素又はアンチモンの酸化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、炭素層とアンチモン層のラミネートとして、アルゴンガスと窒素ガスの混合物(Ar+N)を使用して、層ごとに堆積させることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素の混合物を使用した層ごとの堆積により、炭素の窒化物及び/又はアンチモンの窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと窒素の混合物を使用した層ごとの堆積は、炭素又はアンチモンの窒化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、炭素層とアンチモン層のラミネートとして、アルゴンと酸素と窒素ガスの混合物(Ar+O+N)を使用して、層ごとに堆積することができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素の混合物を使用した層ごとの堆積により、炭素の酸化物かつ/若しくは窒化物、及び/又はアンチモンの酸化物かつ/若しくは窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物を使用した層ごとの堆積は、炭素又はアンチモンの酸化物又は窒化物を形成しない。
【0074】
[0078]一実施形態では、吸収体層310は、タンタルとアンチモンの合金から作られる。1つ又は複数の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約33.7重量%~約57.8重量%のタンタル、及び約42.2重量%~約63.3重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約45重量%~約55重量%のタンタル、及び約45重量%~約55重量%のアンチモンを含む。1つ又は複数の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約57.8重量%~約78.2重量%のタンタル、及び約21.8重量%~約42.2重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約65重量%~約75重量%のタンタル、及び約25重量%~約35重量%のアンチモンを含む。1つ又は複数の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約21.9重量%~約33.7重量%のタンタル、及び約66.3重量%~約78.1重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約22重量%~約30重量%のタンタル、及び約70重量%~約78重量%のアンチモンを含む。1つ又は複数の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金はアモルファスである。
【0075】
[0079]特定の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金はアンチモンに富んだ合金である。ここで使用する「アンチモンに富んだ」という用語は、合金中にタンタルよりも有意に多くのアンチモンが存在することを意味する。例えば、特定の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約21.9重量%~約33.7重量%のタンタルと約66.3重量%~約78.1重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約22重量%~約30重量%のタンタルと約70重量%~約80重量%のアンチモンを含む合金である。1つ又は複数の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金はアモルファスである。
【0076】
[0080]ここで使用する「タンタルに富んだ」という用語は、合金中にアンチモンよりも著しく多くのタンタルが存在することを意味する。例えば、特定の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約57.8重量%~約78.2重量%のタンタルと約21.8重量%~約42.2重量%のアンチモン、例えば、合金の総重量に基づいて、約65重量%~約75重量%のタンタルと約25重量%~約35重量%のアンチモンを含む合金である。
【0077】
[0081]1つ又は複数の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金はドーパントを含む。ドーパントは、窒素又は酸素の1つ又は複数から選択することができる。一実施形態では、ドーパントは酸素を含む。別の実施形態では、ドーパントは窒素を含む。一実施形態では、ドーパントは、合金の重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で合金中に存在する。他の実施形態では、ドーパントは、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%%、2.0重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、4.0重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、又は5.0重量%の量で合金中に存在する。
【0078】
[0082]1つ又は複数の実施形態では、吸収体層の合金は、物理堆積チャンバ内で形成された同時スパッタリングされた合金吸収体材料である。1つ又は複数の実施形態において、いくつかの実施形態における吸収体層の合金は、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)のうちの1つ又は複数から選択されるガスによってスパッタリングされる。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンガスと酸素ガスの混合物(Ar+O)によって同時スパッタリングすることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素の混合物による同時スパッタリングは、タンタルの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと酸素の混合物による同時スパッタリングは、タンタル又はアンチモンの酸化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンガスと窒素ガス(Ar+N)の混合物によって同時スパッタリングすることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素の混合物による共スパッタリングは、タンタルの窒化物及び/又はアンチモンの窒化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと窒素の混合物による同時スパッタリングは、タンタル又はアンチモンの窒化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンと酸素と窒素ガス(Ar+O+N)との混合物によって同時スパッタリングすることができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素の混合物による同時スパッタリングは、タンタルの酸化物かつ/若しくは窒化物、及び/又はアンチモンの酸化物かつ/若しくは窒化物を形成する。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物による同時スパッタリングは、タンタル又はアンチモンの酸化物又は窒化物を形成しない。一実施形態では、上述のように、吸収体層のエッチング特性及び/又は他の特性を、合金の割合を制御することによって仕様に合わせて調整することができる。一実施形態では、物理体積チャンバの電圧、圧力、流量などのパラメータを操作することによって、合金の割合を正確に制御することができる。一実施形態では、材料特性をさらに変更するためにプロセスガスが使用され、例えば、タンタル及びアンチモンの窒化物を形成するためにNガスが使用される。
【0079】
[0083]1つ又は複数の実施形態において、ここで使用される「同時スパッタリング」は、タンタルを含む1つのターゲットとアンチモンを含む第2のターゲットの2つのターゲットを、タンタル及びアンチモンの合金を含む吸収体層を堆積/形成するために、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)から選択される1つ又は複数のガスを使用して同時にスパッタリングすることを意味する。
【0080】
[0084]他の実施形態では、タンタルとアンチモンの合金は、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)のうちの1つ又は複数から選択されるガスを使用して、タンタル層とアンチモン層のラミネートとして層ごとに堆積することができる。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンガスと酸素ガスの混合物(Ar+O)を使用して、タンタル層とアンチモン層のラミネートとして層ごとに堆積することができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素の混合物を使用した層ごとの堆積により、タンタルの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素の混合物を使用した層ごとの堆積は、タンタル又はアンチモンの酸化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンガスと窒素ガスの混合物(Ar+N)を使用して、タンタル層とアンチモン層のラミネートとして層ごとに堆積することができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素の混合物を使用した層ごとの堆積により、タンタルの窒化物及び/又はアンチモンの窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと窒素の混合物を使用した層ごとの堆積は、タンタル又はアンチモンの窒化物を形成しない。一実施形態では、吸収体層の合金は、アルゴンと酸素と窒素ガスの混合物(Ar+O+N)を使用して、タンタル層とアンチモン層のラミネートとして層ごとに堆積することができる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素の混合物を使用した層ごとの堆積により、タンタルの酸化物かつ/若しくは窒化物、及び/又はアンチモンの酸化物かつ/若しくは窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物を使用した層ごとの堆積は、タンタル又はアンチモンの酸化物あるいは窒化物を形成しない。
【0081】
[0085]1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク層318は、CrO、CrON、TaNi、TaRu、及びTaCuからなる群から選択されるハードマスク材料を含む。
【0082】
[0086]いくつかの実施形態では、吸収体層310のアンチモン含有材料は、SbN、炭素とアンチモンの合金、及びタンタルとアンチモンの合金からなる群から選択される。
【0083】
[0087]いくつかの実施形態では、ハードマスク材料は、約63.9重量%~約98.4重量%の範囲のCr、約1.6重量%~約33.7重量%の範囲の酸素、及び0重量%~約9.3重量%の範囲の窒素を含む。
【0084】
[0088]いくつかの実施形態では、ハードマスク材料は、約75.5重量%~約96.5重量%の範囲のTa、及び約3.5重量%~約24.5重量%の範囲のNiを含む。ハードマスク材料がTaとNiを含む1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク材料は、0.1重量%~10重量%の範囲で、酸素及び窒素の少なくとも1つでドープされる。
【0085】
[0089]いくつかの実施形態では、ハードマスク材料は、0重量%~72.9重量%の範囲のTa及び0重量%~27.1重量%の範囲のRu、例えば、約0.2重量%~約72.9重量%の範囲のTa及び約27.1重量%~約99.8重量%の範囲のRuを含む。いくつかの実施形態のTa及びRuを含むハードマスク材料は、0.1重量%~10重量%の範囲で、酸素及び窒素の少なくとも1つでドープされる。
【0086】
[0090]1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク材料は、約60.5重量%~約94.2重量%の範囲のTa及び約5.8重量%~約39.5重量%の範囲のCuを含む。ハードマスク材料がTa及びCuを含む1つ又は複数の実施形態では、ハードマスク材料は、0.1重量%~10重量%の範囲で、酸素及び窒素の少なくとも1つでドープされる。
【0087】
[0091]特定の実施形態は、基板304;EUV放射を反射する多層スタック306であって、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)含む複数の反射層対316を含む多層スタック306;反射層の多層スタック上のキャッピング層308;SbN、炭素とアンチモンの合金、及びタンタルとアンチモンの合金からなる群から選択されるアンチモン含有材料を含む吸収体層310;CrO、CrON、TaNi、TaRu及びTaCuからなる群から選択されるハードマスク材料を含む、吸収体層上のハードマスク層318であって、吸収体層310のエッチング速度):(ハードマスク層318のエッチング速度)の比が5:1~30:1の範囲にあるようなハードマスク層318を含む、極紫外線(EUV)マスクブランク302に関する。
【0088】
[0092]ここで、吸収体層310とハードマスク層318との様々な組み合わせの特定の非限定的な例について説明する。本開示の1つ又は複数の例示的な実施形態では、ハードマスク層に対する吸収体層のClエッチング化学を使用した相対エッチング速度が、吸収体層の厚さが30nmから45nmの範囲であり、ハードマスク層の厚さが2nm~9nmの範囲である系で比較された。上述の範囲を有するCrON又はCrOハードマスク層及びTaSb吸収体層について、エッチング速度が決定された。CrO材料の場合、エッチング速度は5nm/分~20nm/分の範囲であった。例えば、O含有量が1.6~33.7重量%の範囲の上限にあるCrO材料の場合、エッチング速度は約20nm/分であった。Oの含有量が範囲の下限まで低下したとき、エッチング速度は約5nm/分~約10nm/分の範囲であった。上述の範囲を有するCrON材料の場合、エッチング速度は20nm/分~約40nm/分の範囲であった。窒素含有量が0~9.3重量%の範囲の上限にあるとき、エッチング速度は20nm/分~約40nm/分の範囲の上限付近まで上昇した。TaSb吸収体層は、約100nm/分~約140nm/分の範囲のエッチング速度を有した。ハードマスク層のエッチング速度):(吸収体層のエッチング速度):の比は、3:30の範囲、例えば5:30であった。
【0089】
[0093]本開示の1つ又は複数の例示的な実施形態では、ハードマスク層に対する吸収体層のClエッチング化学を使用した相対エッチング速度を、吸収体層の厚さが30nm~45nmの範囲であり、ハードマスク層の厚さは2nm~9nmの範囲である系で比較した。上述の範囲を有するTaNiハードマスク層及びTaSb吸収体層について、エッチング速度を決定した。TaNi材料の場合、エッチング速度は20nm/分~80nm/分の範囲であった。例えば、Ni含有量が3.5~24.5重量%の範囲の下端にあるTaNi材料の場合、エッチング速度は、約25nm/分のエッチング速度を有する多量のNiを有するTaNi材料と比較して、約75nm/分であった。TaSb吸収体層は、約120nm/分~約140nm/分の範囲のエッチング速度を有していた。ハードマスク層のエッチング速度):(吸収体層のエッチング速度):の比は、1.5:30の範囲、例えば5:30であった。
【0090】
[0094]本開示の1つ又は複数の例示的な実施形態では、ハードマスク層に対する吸収体層のCFエッチング化学を使用した相対的なエッチング速度を、吸収体層の厚さが30nm~45nmの範囲であり、ハードマスク層の厚さが2nm~9nmの範囲である系で比較した。上述の範囲を有するTaNiハードマスク層及びTaSb吸収体層について、エッチング速度を決定した。TaNi材料の場合、エッチング速度は5nm/分~250nm/分の範囲であった。例えば、Ni含有量が3.5~24.5重量%の範囲の下端にあるTaNi材料の場合、エッチング速度は、約10nm/分のエッチング速度を有する範囲の上端にあるNi含有量を有するTaNi材料と比較して、約40nm/分であった。TaSb吸収体層は、約140nm/分~約160nm/分の範囲のエッチング速度を有していた。ハードマスク層のエッチング速度):(吸収体層のエッチング速度):の比は、3:30の範囲、例えば5:30であった。
【0091】
[0095]本開示の1つ又は複数の例示的な実施形態では、ハードマスク層に対する吸収体層のClエッチング化学を使用した相対エッチング速度を、吸収体層の厚さが30nm~45nmの範囲であり、ハードマスク層の厚さは2nm~9nmの範囲である系で比較した。上述の範囲を有するTaRuハードマスク層及びTaSb吸収体層について、エッチング速度を決定した。TaRu材料の場合、エッチング速度は5nm/分~20nm/分の範囲であった。例えば、Ru含有量が27.1~100重量%の範囲の上限にあるTaRu材料の場合、エッチング速度は約5nm/分であった。Ruの含有量が27.1~100重量%の範囲の下端まで低下したとき、エッチング速度は約15nm/分であった。TaSb吸収体層は、約140nm/分~約160nm/分の範囲のエッチング速度を有していた。ハードマスク層のエッチング速度):(吸収体層のエッチング速度):の比は、3:30の範囲、例えば5:30であった。
【0092】
[0096]本開示の例示的な実施形態では、ハードマスク層に対する吸収体層のClエッチング化学物質を使用する相対エッチング速度を、吸収体層の厚さが30nm~45nmの範囲であり、ハードマスク層の厚さが2nm~9nmの範囲である系で比較した。上述の範囲を有するTaCuハードマスク層及びTaSb吸収体層について、エッチング速度を決定した。TaCu材料の場合、エッチング速度は1nm/分~10nm/分の範囲であった。たとえば、5.8~39.5重量%の範囲の下端にあるCu含有量のTaCu材料の場合、エッチング速度は、約2nm/分のエッチング速度を有する範囲の上端にあるCu含有量を有するTaCu材料と比較して、5nm/分~10nm/分の範囲であった。TaSb吸収体層は、約100nm/分~約140nm/分の範囲のエッチング速度を有した。ハードマスク層のエッチング速度):(吸収体層のエッチング速度):の比は、1:25~1:30の範囲であった。
【0093】
[0097]いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランクは、第1の吸収体材料を含む第1のカソードと、第2の吸収体材料を含む第2のカソードと、第3の吸収体材料を含む第3のカソードと、第4の吸収体材料を含む第4のカソードと、第5の吸収体材料を含む第5のカソードとを有する物理堆積チャンバに作製され、第1の吸収体材料、第2の吸収体材料、第3の吸収体材料、第4の吸収体材料、及び第5の吸収体材料は互いに異なり、各吸収体材料は他の材料とは異なる消衰係数を有し、各吸収体材料は他の吸収体材料とは異なる屈折率を有する。
【0094】
[0098]本開示の別の態様は、極紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法に関し、EUV放射を反射する多層スタック306を基板304上に形成することを含み、多層スタック306は、複数の反射層対316を含む。本方法は、多層スタック306上にキャッピング層308を形成すること、及びキャッピング層308上に吸収体層310を形成することをさらに含み、吸収体層310は、アンチモン含有材料を含む。本方法は、吸収体層310上にハードマスク層318を形成することをさらに含み、ハードマスク層318は、CrO、CrON、TaNi、TaRu、及びTaCuからなる群から選択されるハードマスク材料を含む。
【0095】
[0099]1つ又は複数の実施形態では、本方法は、ハードマスク層318及び吸収体層310を、ここに開示されるそれぞれのエッチング速度でエッチングすることをさらに含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態におけるハードマスク層318は、(吸収体層310のエッチング速度):(ハードマスク層318のエッチング速度)の比が3:1~50:1、例えば5:1~30:1の範囲にあるような層とされる。1つ又は複数の実施形態では、吸収体層の厚さが30nm~45nmの範囲にあり、ハードマスク層318の厚さが2nm~9nmの範囲にあるとき、ハードマスク層318は、吸収体層310よりも低いエッチング速度を有し、吸収体層310のエッチング速度):(ハードマスク層318のエッチング速度)の比は、3:1~50:1、例えば、5:1~30:1の範囲にある。
【0096】
[00100]いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランクは、図4に関して上記で説明された実施形態の特徴のいずれかを有し、いくつかの実施形態における方法は、図3に関して説明されたシステムで実行される。
【0097】
[00101]別の特定の方法の実施形態では、異なる吸収体層は、第1の吸収体材料を含む第1のカソードと、第2の吸収体材料を含む第2のカソードとを有する物理堆積チャンバ内で形成される。ここで図5を参照すると、一実施形態によるマルチカソードチャンバ500の上部が示されている。マルチカソードチャンバ500は、頂部アダプタ504によって覆われた円筒形本体部分502を有するベース構造501を含む。頂部アダプタ504は、頂部アダプタ504の周りに配置されたカソード源506、508、510、512、及び514などのいくつかのカソード源のための設備を有する。
【0098】
[00102]1つ又は複数の実施形態では、本方法は、5nm~60nmの範囲の厚さを有する吸収体層を形成する。1つ又は複数の実施形態では、吸収体層を形成するために使用される材料は、吸収体層のエッチング特性をもたらすように選択される。1つ又は複数の実施形態では、吸収体層の化合物は、物理的堆積チャンバ内で形成された複合吸収体材料をスパッタリングすることによって形成され、いくつかの実施形態では、はるかに薄い吸収体層の厚さ(45nm未満又は30nm未満)を提供し、2%未満の反射率及び所望のエッチング特性を達成する。一実施形態では、一部の実施形態における吸収体層のエッチング特性及び他の所望の特性は、各吸収体材料の化合物の割合を制御することによって仕様に合わせて調整される。一実施形態では、いくつかの実施形態における化合物の割合は、物理蒸気堆積チャンバの電圧、圧力、流量などのパラメータを操作することによって正確に制御される。
【0099】
[00103]いくつかの実施形態におけるマルチカソード源チャンバ500は、図3に示されるシステムの一部である。一実施形態では、極紫外線(EUV)マスクブランク製造システムは、真空を生成するための基板処理真空チャンバと、基板ハンドリング真空チャンバ内にロードされた基板を搬送するための、真空中の基板ハンドリングプラットフォームと、EUVマスクブランクを形成するための、基板ハンドリングプラットフォームによってアクセスされる複数のサブチャンバと、基板上の反射層の多層スタックを含み、多層スタックは、複数の反射層対、反射層の多層スタック上のキャッピング層、及びキャッピング層上の、アンチモンと窒素の化合物から作製された吸収体層を備える。いくつかの実施形態におけるシステムは、図4に関して示されるEUVマスクブランクを作製するために使用され、上記の図4に関して説明されたEUVマスクブランクに関して説明された特性のいずれかを有する。
【0100】
[00104]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてメモリに格納することができる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから離れて配置された第2のプロセッサ(図示せず)によって格納及び/又は実行され得る。本開示の方法のいくつか又はすべては、ハードウェアで実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装などのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に汎用コンピュータを変換する。
【0101】
[00105]この細書全体での「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体の様々な場所での「1つ又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」又は「実施形態において」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0102】
[00106]ここでの開示は、特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正並びに変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5