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特許7434793情報処理装置、情報処理システム、電子黒板装置、制御方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、電子黒板装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240214BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 H
H04N1/00 127Z
G06F13/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019184258
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2020096348
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2018225445
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】荒木 滋朗
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-054646(JP,A)
【文献】特開2009-267968(JP,A)
【文献】特開2016-171562(JP,A)
【文献】特開平08-214272(JP,A)
【文献】特開2013-074307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の情報処理装置と遠隔接続を行う遠隔接続手段を備え、前記遠隔接続手段によって遠隔接続された前記他の情報処理装置と遠隔共有を行うことが可能な情報処理装置であって、
複数の前記他の情報処理装置の中から、自装置において判断された参加者と同じ参加者が利用している前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された遠隔接続の候補のうち何れの情報処理装置と接続するかを選択させる選択手段と
を備え、
前記表示手段は、
前記複数の他の情報処理装置のうち、自装置が前記遠隔共有に使用するリソースと同じリソースを使用する前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示し、
前記リソースは、スケジュール、ファイル、ファイルの保存先、共有サイトの少なくともいずれか一つである
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記情報処理装置で選択したスケジュールに含まれる参加者であって、前記参加者が前記情報処理装置にログインせず、前記他の情報処理装置にログインした場合は、当該他の情報処理装置を、前記情報処理装置の遠隔接続の候補に含めて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複数の前記他の情報処理装置の各々について、前記遠隔共有の参加者が示されている機器管理情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記表示手段は、
前記複数の他の情報処理装置のうち、自装置において判断された参加者と同じ参加者が示されている前記機器管理情報を有する前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記遠隔接続の候補として決定された前記他の情報処理装置を示す画面を、自装置のユーザに提示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、
前記遠隔接続の候補として決定された前記他の情報処理装置を示す画面を、当該他の情報処理装置を利用している参加者を識別可能に、自装置のユーザに提示する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記遠隔接続手段は、
前記自装置のユーザが、前記表示手段による前記他の情報処理装置を示す画面の提示に対する所定の承認操作を行った場合、当該他の情報処理装置に遠隔接続する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記遠隔接続手段は、
前記遠隔接続の候補として決定された前記他の情報処理装置に自動的に遠隔接続する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数の情報処理装置同士が互いに遠隔接続による遠隔共有を行うことが可能な情報処理システムであって、
前記複数の情報処理装置の少なくともいずれか一つは、
複数の他の情報処理装置の中から、自装置において判断された参加者と同じ参加者が利用している前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された遠隔接続の候補のうち何れの情報処理装置と接続するかを選択させる選択手段と
を備え、
前記表示手段は、
前記複数の他の情報処理装置のうち、自装置が前記遠隔共有に使用するリソースと同じリソースを使用する前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示し、
前記リソースは、スケジュール、ファイル、ファイルの保存先、共有サイトの少なくともいずれか一つである
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
他の電子黒板装置と遠隔接続を行う遠隔接続手段を備え、前記遠隔接続手段によって遠隔接続された前記他の電子黒板装置と遠隔共有を行うことが可能な電子黒板装置であって、
複数の前記他の電子黒板装置の中から、自装置において判断された参加者と同じ参加者が利用している前記他の電子黒板装置を、前記遠隔接続の候補として表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された遠隔接続の候補のうち何れの電子黒板装置と接続するかを選択させる選択手段と
を備え、
前記表示手段は、
前記複数の他の電子黒板装置のうち、自装置が前記遠隔共有に使用するリソースと同じリソースを使用する前記他の電子黒板装置を、前記遠隔接続の候補として表示し、
前記リソースは、スケジュール、ファイル、ファイルの保存先、共有サイトの少なくともいずれか一つである
ことを特徴とする電子黒板装置。
【請求項10】
他の情報処理装置と遠隔接続を行う遠隔接続手段を備え、前記遠隔接続手段によって遠隔接続された前記他の情報処理装置と遠隔共有を行うことが可能な情報処理装置に用いられる制御方法であって、
複数の前記他の情報処理装置の中から、自装置において判断された参加者と同じ参加者が利用している前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示する表示工程と、
前記表示工程で表示された遠隔接続の候補のうち何れの情報処理装置と接続するかを選択させる選択工程と
を含み、
前記表示工程では、
前記複数の他の情報処理装置のうち、自装置が前記遠隔共有に使用するリソースと同じリソースを使用する前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示し、
前記リソースは、スケジュール、ファイル、ファイルの保存先、共有サイトの少なくともいずれか一つである
ことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
他の情報処理装置と遠隔接続を行う遠隔接続手段を備え、前記遠隔接続手段によって遠隔接続された前記他の情報処理装置と遠隔共有を行うことが可能な情報処理装置に用いられるプログラムであって、
コンピュータを、
複数の前記他の情報処理装置の中から、自装置において判断された参加者と同じ参加者が利用している前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示する表示手段、
および、
前記表示手段で表示された遠隔接続の候補のうち何れの情報処理装置と接続するかを選択させる選択手段
として機能させ、
前記表示手段は、
前記複数の他の情報処理装置のうち、自装置が前記遠隔共有に使用するリソースと同じリソースを使用する前記他の情報処理装置を、前記遠隔接続の候補として表示し、
前記リソースは、スケジュール、ファイル、ファイルの保存先、共有サイトの少なくともいずれか一つである
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、電子黒板装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子黒板装置には板書内容やカメラ画像/マイク音声を、別の電子黒板装置やPC等と遠隔共有できるものがあった。
【0003】
例えば複数の拠点間を接続して遠隔での協業作業を実現する遠隔会議システムが知られている。このような遠隔会議システムの一例としてテレビ会議システムがある。テレビ会議システムは、一般に、カメラ、マイクロフォン、モニタ、スピーカなどの画像や音声の入出力装置、画像及び音声の符号化及び復号化装置、各地点を接続する通信装置及び回線で構成される。また、遠隔の会議室間でデータを共有するために、双方に電子黒板を用意して互いに書き込みを行ったり、アプリケーションを共有して操作したりする(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子黒板装置では遠隔接続先の別の電子黒板装置やPC等の情報処理装置の選択を行う際に、直接的に遠隔接続先を連想できない情報処理装置のIPアドレスやID等を利用して選択しなければならず、手間であった。
【0005】
本発明の実施の形態は、遠隔接続先の他の情報処理装置を選択するユーザの手間を軽減できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、他の情報処理装置と遠隔接続を行う遠隔接続手段を備え、遠隔接続手段によって遠隔接続された他の情報処理装置と遠隔共有を行うことが可能な情報処理装置であって、複数の他の情報処理装置の中から、自装置において判断された参加者と同じ参加者が利用している他の情報処理装置を、遠隔接続の候補として表示する表示手段と、表示手段で表示された遠隔接続の候補のうち何れの情報処理装置と接続するかを選択させる選択手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施の形態によれば、遠隔接続先の他の情報処理装置を選択するユーザの手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】電子黒板装置の一例のハードウェア構成図である。
図4】一実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図5】サービスアカウント情報の一例の構成図である。
図6】会議予定情報の一例の構成図である。
図7】ストレージ情報の一例の構成図である。
図8】共有サイト情報の一例の構成図である。
図9】ユーザ情報一覧の一例の構成図である。
図10】サービス情報一覧の一例の構成図である。
図11】機器管理情報の一例の構成図である。
図12】遠隔接続部の詳細な機能構成を示すブロック図である。
図13】一実施形態に係る情報処理システムの処理概要を説明する為の一例の図である。
図14A】一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
図14B】一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
図15】取得した識別情報から特定されたサービス情報の一例の構成図である。
図16】スケジュール選択画面の一例のイメージ図である。
図17】ファイル選択画面の一例のイメージ図である。
図18】保存フォルダ選択画面の一例のイメージ図である。
図19】共有サイト選択画面の一例のイメージ図である。
図20】接続先推奨画面の一例のイメージ図である。
図21】接続先選択画面の一例のイメージ図である。
図22A】一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
図22B】一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
図22C】一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
図22D】一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では「情報処理装置」の一例として遠隔共有を行う電子黒板装置の例を説明するが、電子黒板装置に限定するものではなく、PCなどの情報処理装置であってもよい。
【0010】
(システム構成)
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1の情報処理システム1は、ユーザ情報サーバ装置10と、機器管理サーバ装置11と、複数の外部サービス群システム12と、複数の電子黒板装置14とが、インターネットやLANなどのネットワーク16を介して通信可能に接続されている。ユーザ情報サーバ装置10と機器管理サーバ装置11と電子黒板装置14とは電子黒板システムを構成する。ユーザ情報サーバ装置10と機器管理サーバ装置11と電子黒板装置14とは、電子黒板システム外部の外部サービス群システム12と連携して動作し、電子黒板装置14に関連した機能を提供する。
【0011】
外部サービス群システム12が提供する外部サービス群は、グループウェアとも呼ばれるものであり、同じ外部サービス群に属する各サービスが同じ認証情報(IDとパスワードの組み合わせ、アクセストークン等)で利用できるものである。
【0012】
例えば外部サービス群は、ユーザサービス、ストレージサービス、スケジュールサービス、共有サイトサービス等から構成されるOffice365(登録商標)等の統合サービスを指す。外部サービス群はユーザサービス、ストレージサービス、スケジュールサービス、共有サイトサービス等のサービスを同一のユーザアカウントで利用できる形で提供される。
【0013】
複数の外部サービス群は例えば異なる会社により提供されている。そのため、例えば、一人のユーザがA社の外部サービス群、及びB社の外部サービス群を利用するような場合が想定される。なお、異なる会社というのは一例であって、同じ会社によって複数の外部サービス群が提供されてもよい。外部サービス群システム12は一台以上のコンピュータにより実現される。
【0014】
ユーザ情報サーバ装置10は、後述するユーザ情報一覧などを保存し、電子黒板装置14から利用される。ユーザ情報サーバ装置10は、複数台の電子黒板装置14で共用してもよく、同一ネットワークセグメント上になくてもよい。また、ユーザ情報サーバ装置10は、電子黒板装置14に内蔵されていてもよい。ユーザ情報サーバ装置10は、一台以上のコンピュータにより実現される。機器管理サーバ装置11は、後述する機器管理情報などを保存し、電子黒板装置14から利用される。機器管理サーバ装置11は一台以上のコンピュータにより実現される。なお、図1の構成図ではユーザ情報サーバ装置10と機器管理サーバ装置11とが分かれている例を示したが、ユーザ情報サーバ装置10と機器管理サーバ装置11とを1つのサーバ装置で実現してもよい。
【0015】
電子黒板装置14は例えば電子ペンや手により描画された画像を表示する。また、電子黒板装置14はUSBメモリ、ケーブルを介して接続されるPC、又は、外部サービス群システム12などから読み出した電子ファイルの画像を表示することもできる。電子黒板装置14は、表示している画像の画像データを遠隔接続先の他の電子黒板装置14と遠隔共有する機能を有する。遠隔共有は、電子黒板装置14が、板書内容やカメラ画像/マイク音声等を他の電子黒板装置14と共有するものである。また、電子黒板装置14はICカード認証や顔認証など、ユーザの認証を行う認証機能が設けられている。また、遠隔共有には、離れた場所に設置された複数の電子黒板間で、電子黒板装置上に表示している画面の共有や、画面の共同編集(遠隔での電子黒板機能の実行)を行うことや、電子黒板装置が有するカメラでカメラに映る会議参加者等の利用者の画像及び映像の共有、また、電子黒板装置から取得した、個人や共有ストレージ等にあるファイルなどの共有、共同編集、送受信等を含む。
【0016】
電子黒板装置14は一例であり、例えば遠隔会議システム、ディスプレイ、プロジェクタ等、遠隔共有の機能を持つ情報処理装置であれば、どのような情報処理装置であってもよい。なお、情報処理装置が持つ遠隔共有の機能は、如何なる方法であってもよく、例えば機器同士が直接データの送受信を行ってもよいし、仲介サーバを介してデータの送受信を行ってもよい。このように、図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えばユーザ情報サーバ装置10、機器管理サーバ装置11又は外部サービス群システム12の機能の少なくとも一部は電子黒板装置14に備えるようにしてもよい。
【0017】
また、情報処理システム1はユーザ情報サーバ装置10、機器管理サーバ装置11、外部サービス群システム12又は電子黒板装置14の機能の少なくとも一部を、ユーザ情報サーバ装置10、機器管理サーバ装置11、外部サービス群システム12及び電子黒板装置14以外の他の情報処理装置で実現する構成であってもよい。
【0018】
(コンピュータのハードウェア構成)
図1のユーザ情報サーバ装置10、機器管理サーバ装置11及び外部サービス群システム12は例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0019】
図2に示したコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0020】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0021】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0022】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するもので
あってもよい。
【0023】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ、SIMカードなどがある。
【0024】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0025】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。CPU506は1つのプロセッサ又は複数のプロセッサで実現されていてもよい。
【0026】
ユーザ情報サーバ装置10、機器管理サーバ装置11及び外部サービス群システム12は例えば図2に示すコンピュータ500のハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
【0027】
(電子黒板装置のハードウェア構成)
図3は電子黒板装置の一例のハードウェア構成図である。電子黒板装置14は、CPU601、ROM602、RAM603、SSD604、ネットワークコントローラ605及び外部記憶コントローラ606を備えている。
【0028】
CPU601は電子黒板装置14全体の動作を制御する。ROM602はCPU601の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM603はCPU601のワークエリアとして使用される。SSD604は電子黒板装置14用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ605はネットワーク16との通信を制御する。外部記憶コントローラ606はUSBメモリ5等の記録媒体との通信を制御する。
【0029】
また、電子黒板装置14は、キャプチャデバイス611、GPU(Graphics Processing Unit)612、ディスプレイコントローラ613、センサコントローラ614、接触センサ615、電子ペンコントローラ616、RFタグリーダ617及びカメラ618を備えている。
【0030】
キャプチャデバイス611はPC6又はカメラ618からの映像情報を静止画又は動画ファイルとして取り込む。GPU612はグラフィクスを専門に扱う。ディスプレイコントローラ613はGPU612からの出力画像をディスプレイ3やテレビ会議端末7へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。センサコントローラ614は接触センサ615の処理を制御する。接触センサ615はディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する。
【0031】
接触センサ615は赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。座標の入力及び座標の検出を行う方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置がディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ615は物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ614に出力する。センサコントローラ614は物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0032】
また、接触センサ615は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。
【0033】
電子ペンコントローラ616は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判定する。なお、電子ペンコントローラ616は電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペン4の部分のタッチの有無を判定するようにしてもよい。
【0034】
RFタグリーダ617はICカード630に埋め込まれたRFタグからICカード630に固有の識別情報を無線通信で読み取る。RFタグリーダ617は電子黒板装置14に内蔵されていても、電子黒板装置14に外付けされていてもよい。なお、ICカード630はスマートフォンなどのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、電子黒板装置14はユーザを識別可能な識別情報を取得できるのであればRFタグリーダ617以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
【0035】
図3の電子黒板装置14は、CPU601、ROM602、RAM603、SSD604、ネットワークコントローラ605、外部記憶コントローラ606、キャプチャデバイス611、GPU612、センサコントローラ614、電子ペンコントローラ616及びRFタグリーダ617を、電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン620を備えている。なお、電子黒板装置14用のプログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
【0036】
(情報処理システム1の機能構成)
一実施形態に係る情報処理システム1は、例えば図4に示す機能構成により実現される。図4は一実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0037】
図4の情報処理システム1は、ユーザ情報サーバ装置10と、機器管理サーバ装置11と、複数の外部サービス群システム12と、複数の電子黒板装置14とを有する構成である。図4の外部サービス群システム12は、ユーザサービス40、スケジュールサービス42、ファイルサービス44及び共有サイトサービス46等から構成されている統合サービスを例示している。
【0038】
外部サービス群システム12のユーザサービス40は例えば図5に示すサービスアカウント情報を保存している。図5はサービスアカウント情報の一例の構成図である。図5のサービスアカウント情報は、外部サービス群システム12を利用するユーザ(外部サービスのユーザ)のユーザID、名前及びメールアドレスを含む。
【0039】
スケジュールサービス42は例えば図6に示す会議予定情報を保存している。図6は会議予定情報の一例の構成図である。例えば図6の会議予定情報は、会議の予定名、所有者ユーザ、開催時刻と期間、予定参加者一覧及び添付ファイルを含む。
【0040】
ファイルサービス44はユーザのファイルを保存・読み出すことができ、例えば図7に示すストレージ情報を保存している。図7はストレージ情報の一例の構成図である。例えば図7のストレージ情報は、ファイルやフォルダの所有者ユーザ、ファイルやフォルダの種別、及び、ファイルやフォルダの名前を含む。このように、ストレージ情報はユーザ毎に所有するファイルやフォルダの種別、ファイルやフォルダの名前を管理している。
【0041】
共有サイトサービス46は共有サイト上のユーザのフォルダ及びファイルの保存・読み出しの他、チャット機能やホワイトボード機能を持つWebページを有していてもよく、例えば図8に示す共有サイト情報を保存している。図8は共有サイト情報の一例の構成図である。図8の共有サイト情報はサイト名、サイトURL、ユーザ、ファイルやフォルダの種別、及び名前を含む。このように、図8の共有サイト情報は共有サイト毎に、ファイルの保存・読み出しの他、チャット機能やホワイトボード機能を持つWebページを利用できるユーザを管理している。
【0042】
ユーザ情報サーバ装置10はユーザ情報部20を有する構成である。ユーザ情報部20は図9に示すようなユーザ情報一覧及び図10に示すようなサービス情報一覧を保存している。図9はユーザ情報一覧の一例の構成図である。図10はサービス情報一覧の一例の構成図である。
【0043】
図9のユーザ情報一覧は、電子黒板システムにおいて管理されるユーザ(電子黒板システムのユーザ)のユーザID、名前、設定情報、サービス情報及び識別情報を含む。図10のサービス情報一覧は電子黒板システムのユーザのユーザIDと外部サービスのユーザのユーザIDとを対応付ける情報であって、サービス情報、電子黒板システムのユーザID、アドレス情報、外部サービスのユーザID及び外部サービスの認証トークンを含む。
【0044】
ユーザ情報一覧のサービス情報は図10のサービス情報一覧からサービス情報を特定するための情報である。識別情報は後述のICカード検出部64から入力されるユーザを識別するための識別情報である。例えば図9の識別情報「ICCARD-123」は、ICカード検出部64から入力されるICカード630に固有の識別情報の一例である。図9のユーザ情報一覧を利用することで、識別情報により識別されたユーザのサービス情報を図10のサービス情報一覧から特定できる。
【0045】
図10のサービス情報一覧は、ユーザが外部サービス群システム12を利用するためのサービス情報の一覧である。サービス情報は、1人のユーザに対して外部サービス群ごとにアカウント(ユーザID、名前、メールアドレス)がある。各ユーザは1以上の外部サービス群のアカウントを所持している。例えば1人のユーザが2つの外部サービス群を利用している場合は、1人のユーザに対して2つのサービス情報が存在することになる。つまり、サービス情報は、いずれの外部サービス群のアカウント情報かを関係なしに、本情報処理システム1を利用するすべてのアカウント情報を一意に識別するための識別子である。なお、アドレス情報、及び、外部サービスのユーザIDは、外部サービス群システム12への接続情報の一例である。外部サービスの認証トークンは外部サービス群システム12の認証情報の一例である。
【0046】
図4の電子黒板装置14は、会議予定設定部50、ファイル読込部52、ファイル送信部54、共有サイト読込部55、参加者管理部56、黒板表示部58、遠隔接続部60、参加者設定部62、ICカード検出部64、カメラ66及びマイク68を有する構成である。
【0047】
ICカード検出部64は、ユーザのICカード630から識別情報を読み取る。参加者管理部56はICカード検出部64が読み取った識別情報をユーザ情報サーバ装置10に送信して、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20から識別情報に対応するユーザのサービス情報を取得する。参加者管理部56はユーザ情報部20から取得したユーザのサービス情報を、会議予定設定部50、ファイル読込部52、ファイル送信部54及び共有サイト読込部55に送信する。
【0048】
会議予定設定部50は参加者管理部56から受信したユーザのサービス情報を用いてスケジュールサービス42から、そのユーザが予定参加者一覧に含まれる会議予定情報を取得する。また、会議予定設定部50は、取得した会議予定情報のスケジュールをユーザに選択させるユーザインタフェース(UI)を持つ。
【0049】
ユーザによってスケジュールが選択されると、会議予定設定部50はユーザによって選択されたスケジュールの会議予定情報に含まれる添付ファイルの情報を読み出し、ファイル読込部52に送信することで、外部サービス群システム12から添付ファイルを取得できる。なお、ユーザによって選択されたスケジュールに必ずしも添付ファイルがある必要はない。ユーザによってスケジュールが選択されたシーンでは、添付ファイルの情報の読み出し以外に、予定参加者一覧に含まれる参加者の情報を取得するようにしてもよい。会議予定設定部50はユーザによってスケジュールが選択されると、機器管理サーバ装置11に、電子黒板装置14の識別子と、ユーザにより選択されたスケジュールの情報と、を送信する。
【0050】
電子黒板装置14の識別子は電子黒板装置14が識別できる情報であればよく、例えばIPアドレスやMACアドレスなど、様々な情報が利用できる。スケジュールの情報はスケジュール名であってもよいし、スケジュールを指し示すIDであってもよい。
【0051】
ファイル読込部52は外部サービス群システム12のファイルサービス44から電子黒板装置14にファイルを読み込む機能を持つ。また、ファイル読込部52は外部サービス群システム12のファイルサービス44から電子黒板装置14に読み込むファイルをユーザに選択させるUIを持つ。ファイル読込部52は参加者管理部56から受信したユーザのサービス情報を用いてファイルサービス44から電子黒板装置14にファイルを読み込める。
【0052】
また、ファイル読込部52は読み込むファイルとしてファイルサービス44のファイルがユーザにより選択された場合、機器管理サーバ装置11に、電子黒板装置14の識別子とユーザにより選択されたファイルの情報とを送信する。ファイルの情報はファイル名やファイルパスであってもよく、ファイルを指し示すIDであってもよい。
【0053】
共有サイト読込部55は外部サービス群システム12の共有サイトサービス46から電子黒板装置14にファイルを読み込む機能の他、チャット機能やホワイトボード機能を持つWebページを提供する機能を持つ。また、共有サイト読込部55は外部サービス群システム12の共有サイトサービス46から電子黒板装置14に読み込むファイルをユーザに選択させるUIを持つ。共有サイト読込部55は参加者管理部56から受信したユーザのサービス情報を用いて共有サイトサービス46から電子黒板装置14にファイルを読み込める。
【0054】
また、共有サイト読込部55は、共有サイトサービス46がチャット機能やホワイトボード機能を有するWebページの表示機能を有している場合、電子黒板装置14が有するWebブラウザを使って、そのWebページを共有サイトサービス46から読み込める。共有サイト読込部55はファイル読込部52と同様、共有サイトサービス46から読み込んだファイル、フォルダ及びWebページのサイトURLなどを機器管理サーバ装置11に送信する。
【0055】
ファイル送信部54は電子黒板装置14の板書内容を黒板表示部58から取得し、板書内容のファイルを参加者管理部56から受信したユーザのサービス情報を用いてファイルサービス44又は共有サイトサービス46に送信して保存させる。
【0056】
ファイル送信部54は、ファイルの保存先のフォルダ(保存フォルダ)を選択させる画面と、保存フォルダにファイルを保存する画面とを含むUIを持つ。ユーザは、例えば会議の開始時に、保存フォルダを選択しておき、会議が終了するタイミングでファイルの保存を行う。また、ファイル送信部54は保存フォルダが選択されると、機器管理サーバ装置11に、電子黒板装置14の識別子とユーザにより選択された保存フォルダの情報とを送信する。
【0057】
黒板表示部58はファイル読込部52又は共有サイト読込部55がファイルサービス44又は共有サイトサービス46から読み込んだファイルを表示する。また、黒板表示部58はユーザの電子黒板装置14への書き込みを受け付け、その書き込みの板書内容を表示する。また、黒板表示部58はファイル読込部52又は共有サイト読込部55がファイルサービス44又は共有サイトサービス46から読み込んだファイルの内容、及び、ユーザの電子黒板装置14への書き込みの内容、を含んだ板書内容をファイル送信部54に提供する。
【0058】
図4の機器管理サーバ装置11は、機器管理部30及び機器管理情報部32を有する構成である。機器管理部30は会議予定設定部50、ファイル読込部52、ファイル送信部54又は共有サイト読込部55から受信した情報を、図11の機器管理情報に書き込む。機器管理情報部32は図11に示すような機器管理情報を保存している。図11は機器管理情報の一例の構成図である。
【0059】
図11の機器管理情報は、スケジュール名、ファイル名、保存フォルダ、Webページ(URL)、共有サイト情報、および参加者等を、電子黒板装置14が識別できる情報の一例であるIPアドレス(機器IPアドレス)と対応付けて記憶している。スケジュール名、ファイル名、保存フォルダ、共有サイト情報は、「遠隔共有に使用するリソース」の一例である。参加者は、「遠隔共有の参加者」の一例である。機器管理情報の参加者には、スケジュールの参加者の電子黒板システムのユーザIDが設定される。この電子黒板システムのユーザIDは、図6に示す会議予定情報においてスケジュールに登録されている外部サービスのユーザIDを、図10に示すサービス情報一覧に基づいて変換することにより得られる。なお、機器管理情報の参加者には、予め設定されたスケジュールの参加者の電子黒板システムのユーザIDのみならず、電子黒板装置14に対してICカードでログインすることによって認識された参加者の電子黒板システムのユーザID、および、電子黒板装置14に対してICカード以外の認証方法(例えば、顔認識、ログインIDとパスワードの入力等)でログインすることによって認識された参加者の電子黒板システムのユーザIDを含む。すなわち、機器管理情報の参加者には、電子黒板装置14に対する現在ログイン中の参加者の電子黒板システムのユーザIDを含む。また、本実施形態では、「遠隔共有」は、一例として、複数の電子黒板装置14間で行われる会議のための遠隔共有であるから、「遠隔共有の参加者」は、「会議の参加者」、「遠隔会議の参加者」等と呼ばれてもよい。なお、機器管理情報のスケジュール名は、ユーザにより選択されたものであってもよいし、ユーザの認証と時刻とによって自動的に選択されてもよい。機器管理情報のスケジュール名は必ずしもユーザにより選択される必要はなく、ユーザの何らかの操作(スケジュールの例では認証)によって特定されるリソースであれば、必ずしもユーザにより直接的に選択されたリソースでなくてもよい。自動的に選択されるリソースの例としては、スケジュール以外にも、ファイルやサイト等も特定のユーザ初期設定として予め決められたものがユーザの認証時に自動的に読み込まれるものであってもよい。
【0060】
遠隔接続部60は、「遠隔接続手段」の一例である。遠隔接続部60はIPアドレスを利用して他の電子黒板装置14と遠隔接続を行うことにより、電子黒板装置14同士で、板書内容やカメラ画像/マイク音声などの遠隔共有を行う。遠隔接続部60は後述する接続先推奨画面又は接続先選択画面を表示し、ユーザから遠隔接続の要求を受け付けるUIを持つ。
【0061】
図12は、遠隔接続部60の詳細な機能構成を示すブロック図である。図12に示すように、遠隔接続部60は、取得部60A、決定部60B、提示部60C、および接続部60Dを有する。
【0062】
取得部60Aは、「取得手段」の一例であり、機器管理サーバ装置11から機器管理情報を取得する。機器管理情報は、図11に示すように、自装置および複数の他の電子黒板装置14の各々について、遠隔共有に使用するリソース(スケジュール名、ファイル名、保存フォルダ、共有サイト情報)および遠隔共有の参加者が示されている。
【0063】
決定部60Bは、「決定手段」の一例であり、複数の他の電子黒板装置14の中から、遠隔接続の候補を決定する。具体的には、決定部60Bは、複数の他の電子黒板装置14のうち、自装置の機器管理情報に示されている参加者(すなわち、「自装置において判断された参加者」)と同じ参加者が示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14を、遠隔接続の候補として決定する。
【0064】
また、決定部60Bは、複数の他の電子黒板装置14のうち、自装置の機器管理情報に示されているリソース(スケジュール名、ファイル名、保存フォルダ、および共有サイト情報のいずれか)と同じリソースが示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14を、遠隔接続の候補として決定する。
【0065】
提示部60Cは、「表示手段」および「選択手段」の一例であり、決定部60Bによって遠隔接続の候補として決定された他の電子黒板装置14を、自装置のユーザに接続先推奨画面にて提示することにより、提示された遠隔接続の候補のうち何れの電子黒板装置14と接続するかをユーザに選択させる。
【0066】
接続部60Dは、接続先推奨画面においてユーザによって選択された他の電子黒板装置14(すなわち、決定部60Bによって遠隔接続の候補として決定された他の電子黒板装置14)に対する遠隔接続を行う。
【0067】
なお、遠隔接続部60は、決定部60Bによって他の電子黒板装置14が遠隔接続の候補として決定された場合、当該他の電子黒板装置14をユーザに提示せずに、当該他の電子黒板装置14に対する遠隔接続を接続部60Dによって自動的に行うようにしてもよい。
【0068】
また、提示部60Cは、決定部60Bによって遠隔接続の候補が決定されなかった場合(すなわち、自装置の機器管理情報と同じ参加者が示されている機器管理情報、および、自装置の機器管理情報と同じリソースが示されている機器管理情報のいずれも存在しない場合)、接続可能な全ての他の電子黒板装置14を遠隔接続先として含む接続先選択画面を表示してもよい。
【0069】
なお、決定部60Bの機能は、電子黒板装置14の外部で行ってもよく、例えば機器管理サーバ装置11で行ってもよい。この場合、遠隔接続部60は機器管理サーバ装置11から遠隔接続の候補に関する情報を取得する。
【0070】
(情報処理システムの処理概要)
図13は一実施形態に係る情報処理システムの処理概要を説明する為の一例の図である。図13は「A会議室」に設置されている電子黒板装置14Aと「B会議室」に設置されている電子黒板装置14Bとで遠隔共有を行う例を示している。電子黒板装置14A及び14Bは、電子黒板装置14同士で板書内容やカメラ画像/マイク音声などの遠隔共有を行う機能を有している。なお、遠隔共有を行う機能は遠隔接続先の電子黒板装置14のIPアドレスがあれば可能であるとする。
【0071】
一実施形態に係る情報処理システム1は、遠隔共有を行う電子黒板装置14が外部サービス群システム12のスケジュールサービス42やファイルサービス44などを利用することを前提としている。
【0072】
例えば遠隔共有を行う複数の電子黒板装置14は、スケジュールサービス42が管理する会議予定情報を選択させて、その会議予定情報の添付ファイルを読み込む機能を有している。また、遠隔共有を行う複数の電子黒板装置14はファイルサービス44や共有サイトサービス46から読み込むファイルを選択させて、そのファイルを読み込む機能を有している。また、遠隔共有を行う複数の電子黒板装置14は共有サイトサービス46が提供するチャット機能やホワイトボード機能などを有するWebページを選択させて、そのWebページを読み込む機能を有している。また、遠隔共有を行う複数の電子黒板装置14は板書内容のファイルを保存するファイルサービス44や共有サイトサービス46の保存フォルダを選択させて、その保存フォルダに板書内容のファイルを保存する機能を有している。
【0073】
このように、電子黒板装置14でユーザに選択させた会議予定情報、ファイル、保存フォルダ、Webページ(URL)、共有サイト情報等の情報(外部サービスのリソースに関する情報)は電子黒板装置14の識別子と対応付けて機器管理サーバ装置11が機器管理情報として管理している。
【0074】
電子黒板装置14は、他の電子黒板装置14と遠隔共有を行う際、機器管理サーバ装置11が管理する機器管理情報を参照し、自装置の機器管理情報に示されている参加者と同じ参加者が示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14と、自装置の機器管理情報に示されているリソースと同じリソースが示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14とを、遠隔接続の候補として検索する。そして、電子黒板装置14は、遠隔接続の候補として検索された他の電子黒板装置14を、自装置のユーザに提示する。または、電子黒板装置14は、遠隔接続の候補として検索された他の電子黒板装置14に対し、自動的に遠隔接続する。
【0075】
ここでは、図13の電子黒板装置14Aが先に会議予定情報、ファイル、保存フォルダ、及び共有サイトを選択し、その後で電子黒板装置14Bが会議予定情報を選択する例について説明する。電子黒板装置14Aはユーザにより会議予定情報、ファイル、保存フォルダ、及び共有サイトが選択された後、利用が開始される。また、電子黒板装置14Aはユーザにより選択された会議予定情報、ファイル、保存フォルダ、及び共有サイトを自装置のIPアドレスと対応付けて機器管理サーバ装置11に管理させる。ここでは、電子黒板装置14Aと同じリソースを選択している他の電子黒板装置14が無かったものとする。
【0076】
電子黒板装置14Aの利用が開始された後、電子黒板装置14Bはユーザにより会議予定情報が選択される。電子黒板装置14Bはユーザにより選択された会議予定情報を自装置のIPアドレスと対応付けて機器管理サーバ装置11に管理させる。また、電子黒板装置14は機器管理サーバ装置11から機器管理情報を取得する。
【0077】
電子黒板装置14Bは、自装置の機器管理情報に示されている参加者「user001,user002,user003」と、電子黒板装置14Aの機器管理情報に示されている参加者「user001,user002,user003」とが同じであることから、電子黒板装置14Aを推奨する遠隔接続先としてユーザに提示する(または、電子黒板装置14Aに自動的に遠隔接続する)。
【0078】
また、電子黒板装置14Bは、自装置の機器管理情報に示されているスケジュール名「Meeting01」と、電子黒板装置14Aの機器管理情報に示されているスケジュール名「Meeting01」とが同じであることからも、電子黒板装置14Aを推奨する遠隔接続先としてユーザに提示する(または、電子黒板装置14Aに自動的に遠隔接続する)。
【0079】
なお、図13示す例では、機器IPアドレス「192.168.0.5」を有する第3の電子黒板装置14の機器管理情報に、参加者「user004」が示されている。このため、第3の電子黒板装置14は、自装置の機器管理情報に示されている参加者「user004」が、電子黒板装置14Aの機器管理情報も示されていることから、電子黒板装置14Aを推奨する遠隔接続先としてユーザに提示する(または、電子黒板装置14Aに自動的に遠隔接続する)。なお、例えば電子黒板装置14Aの提示部60Cは、当該電子黒板装置14Aで選択したスケジュールに含まれる参加者(例えば、「user004」)が、当該電子黒板装置14Aにログインせず、他の電子黒板装置14にログインした場合は、当該他の電子黒板装置14を、当該電子黒板装置14Aによる遠隔接続の候補に含めてユーザに提示してもよい。これにより会議の参加者は、他の電子黒板装置14でスケジュール選択をしなくても、他の電子黒板装置14にログインすれば電子黒板装置14Aの接続先の候補に挙がるため、装置の接続操作が容易になる。
【0080】
さらに、ユーザの個人PC等の端末装置のアプリケーションを用いて、IDとパスワード等を用いてログインし、1以上の電子黒板装置14と端末装置とで遠隔共有を行う場合にも、端末装置を電子黒板装置14Aで表示する遠隔接続候補に含めることが可能である。
【0081】
また、電子黒板装置14Aで選択したスケジュールに含まれる参加者に加えて、スケジュールに含まれないが電子黒板装置14AにICカードで認証し追加された参加者であっても、全ての参加者のうちの何れかが他の電子黒板装置14やユーザの端末装置などからログインした場合も、電子黒板装置14Aで遠隔接続先候補となる。
【0082】
また、会議の終了時に、会議終了の操作に基づいて、接続していた全ての電子黒板装置14や端末装置についての機器管理サーバ装置11内の機器管理情報と、自装置の機器管理情報は、リセットあるいは消去される。これによってスケジュールや参加者に紐づいた装置のみを接続先候補とするとともに、スケジュールと無関係の装置を接続先候補から外すことができる。
【0083】
なお、スケジュールに紐づいた参加者に加えて、リソース情報(スケジュールと紐づいた利用機器の情報や会議室等の場所の情報)を用いて、電子黒板装置14Aで選択したスケジュールに含まれるリソースと一致する他の電子黒板装置14等を接続先候補として電子黒板装置14Aに表示してもよい。例えば、複数の電子黒板装置14がスケジュールに含まれて予約されているような場合には、遠隔接続先の他の電子黒板装置14でログインしたユーザが、もしスケジュールに含まれなくても、遠隔地の他の電子黒板装置14がスケジュールに紐づいたリソースとして追加されているので、他の電子黒板装置14を接続先候補として電子黒板装置14Aでのスケジュール選択時に表示することができる。
【0084】
このように、一実施形態に係る情報処理システム1では、自装置と同じ参加者が示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14、および、自装置と同じ参加者が示されているリソースを有する他の電子黒板装置14を、推奨する遠隔接続先としてユーザに提示するか、または、自動的に遠隔接続する遠隔接続先として選択することができるため、ユーザの手間を軽減できる。
【0085】
なお、推奨する遠隔接続先のユーザへの提示や自動的に遠隔接続する遠隔接続先の選択はユーザから遠隔共有を行う指示を受け付けたあとで表示するようにしてもよいし、遠隔共有を行う指示を受け付ける前に表示するようにしてもよい。
【0086】
(情報処理システム1による遠隔共有処理のフロー)
次に、情報処理システム1による遠隔共有の開始から終了までの処理を説明する。図14A及び図14Bは一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。まず、ユーザが、ICカード630をICカード検出部64にかざす(ステップS11)。このとき、ICカード検出部64が、ユーザのICカード630から識別情報を読み取る。
【0087】
次に、参加者管理部56が、ICカード検出部64が読み取った識別情報をユーザ情報サーバ装置10に送信して、当該識別情報に対応するユーザのサービス情報をユーザ情報サーバ装置10から取得する(ステップS12)。
【0088】
例えば、図9のユーザ情報一覧と図10のサービス情報一覧とに基づく場合、ICカード630から取得した識別情報が「ICCARD-123」であれば図9のユーザ情報一覧からユーザID「user001」が特定され、図10のサービス情報一覧から、図15に示すサービス情報が特定される。図15は取得した識別情報から特定されたサービス情報の一例の構成図である。
【0089】
次に、参加者管理部56が、ステップS12で特定されたユーザIDを機器管理サーバ装置11へ送信する。これに応じて、機器管理サーバ装置11は、当該ユーザIDを、当該ユーザIDの送信元の電子黒板装置14の機器管理情報に登録する(ステップS13)。
【0090】
次に、ステップS12で取得したサービス情報にスケジュールサービス42の認証トークンが含まれている場合(ステップS14:Y)、情報処理システム1は、ステップS15~S17の処理を行う。一方、ステップS12で取得したサービス情報にスケジュールサービス42の認証トークンが含まれていない場合(ステップS14:N)、情報処理システム1は、ステップS15~S17の処理をスキップする。
【0091】
ステップS15では、会議予定設定部50が、例えば図16に示すスケジュール選択画面1000を表示する。図16はスケジュール選択画面の一例のイメージ図である。図16に示すスケジュール選択画面1000は参加者管理部56により特定されたユーザのスケジュールを選択する画面である。なお、スケジュールは「予定」を含むため、現在の時刻から自動で選択されるようにしてもよい。
【0092】
次に、会議予定設定部50が、スケジュール情報に示されている各参加者の外部サービスのユーザIDを、ユーザ情報部20に送信することにより、各参加者の外部サービスのユーザIDに対応する、各参加者の電子黒板システムのユーザIDを、ユーザ情報部20から取得する(ステップS16)。
【0093】
そして、会議予定設定部50が、ユーザが図16のスケジュール選択画面から選択したスケジュールの情報(スケジュール名など)もしくは時刻とユーザの認証情報から自動的に設定されるスケジュールの情報と、自装置のIPアドレスと、ステップS16で取得された各参加者の電子黒板システムのユーザIDとを機器管理サーバ装置11に送信し、例えば図11の機器管理情報を更新させる(ステップS17)。
【0094】
次に、ステップS12で取得したサービス情報にファイルサービス44の認証トークンが含まれている場合(ステップS18:Y)、情報処理システム1は、ステップS19~S23の処理を行う。一方、ステップS12で取得したサービス情報にファイルサービス44の認証トークンが含まれていない場合(ステップS18:N)、情報処理システム1は、ステップS19~S23の処理をスキップする。
【0095】
ステップS19では、ファイル読込部52が、例えば図17に示すファイル選択画面1100を表示する。図17はファイル選択画面の一例のイメージ図である。図17に示すファイル選択画面1100は参加者管理部56により特定されたユーザが所有者ユーザのファイルを選択する画面である。
【0096】
次に、ファイル読込部52が、ユーザが図17のファイル選択画面から選択したファイルをファイルサービス44から取得し、黒板表示部58に表示させる(ステップS20)。そして、ファイル読込部52が、ファイルの情報(ファイル名など)と、自装置のIPアドレスとを機器管理サーバ装置11に送信し、例えば図11の機器管理情報を更新させる(ステップS21)。
【0097】
次に、ファイル送信部54が、例えば図18に示す保存フォルダ選択画面1200を表示する(ステップS22)。図18は保存フォルダ選択画面の一例のイメージ図である。図18に示す保存フォルダ選択画面1200は参加者管理部56により特定されたユーザが所有者ユーザのフォルダを選択する画面である。
【0098】
次に、ファイル読込部52が、ユーザが図18の保存フォルダ選択画面1200から選択したフォルダの情報(フォルダパスなど)と、自装置のIPアドレスとを機器管理サーバ装置11に送信し、例えば図11の機器管理情報を更新させる(ステップS23)。
【0099】
次に、ステップS12で取得したサービス情報に共有サイトサービス46の認証トークンが含まれている場合(ステップS24:Y)、情報処理システム1は、ステップS25~S29の処理を行う。一方、ステップS12で取得したサービス情報に共有サイトサービス46の認証トークンが含まれていない場合(ステップS24:N)、情報処理システム1は、ステップS25~S29の処理をスキップする。
【0100】
ステップS25では、共有サイト読込部55が、例えば図19に示す共有サイト選択画面1300を表示する。図19は共有サイト選択画面の一例のイメージ図である。図19に示す共有サイト選択画面1300は参加者管理部56により特定されたユーザが利用できる共有サイトを選択する画面である。
【0101】
次に、共有サイト読込部55が、ユーザが図19の共有サイト選択画面から選択した共有サイトの情報(サイト名など)と自装置のIPアドレスとを機器管理サーバ装置11に送信し、例えば図11の機器管理情報を更新させる(ステップS26)。
【0102】
次に、共有サイト読込部55が、例えば図17に示すファイル選択画面1100を表示する(ステップS27)。ここで表示されるファイル選択画面1100は参加者管理部56により特定されたユーザが利用できる共有サイトのファイルを選択する画面である。
【0103】
次に、共有サイト読込部55が、ユーザが図17のファイル選択画面から選択したファイルを共有サイトサービス46から取得する(ステップS28)。共有サイト読込部55は共有サイトサービス46から取得したファイルを黒板表示部58に表示させる。そして、共有サイト読込部55が、ファイルの情報(ファイル名など)と、自装置のIPアドレスとを機器管理サーバ装置11に送信し、例えば図11の機器管理情報を更新させる(ステップS29)。
【0104】
次に、遠隔接続部60が、機器管理サーバ装置11の機器管理部30から図11の機器管理情報を取得する(ステップS30)。そして、遠隔接続部60が、自装置の機器管理情報の外部リソースおよび参加者と、他の電子黒板装置14の機器管理情報の外部リソースおよび参加者とを比較し、外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14があるか判定する(ステップS31)。
【0105】
ステップS31において、「外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14がある」と判定された場合(ステップS31:Y)、提示部60Cが、図20に例示する接続先推奨画面1400を表示する(ステップS32)。
【0106】
図20は接続先推奨画面の一例のイメージ図である。図20に示す接続先推奨画面1400は、外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14を推奨する遠隔接続先としてユーザへ提示する画面である。
【0107】
図20では、IPアドレス「192.168.0.2」を有する電子黒板装置14にて表示された接続先推奨画面1400を例示している。この接続先推奨画面1400では、IPアドレス「192.168.0.4」を有する他の電子黒板装置14と、IPアドレス「192.168.0.5」を有する他の電子黒板装置14とが、遠隔接続先として推奨されている。
【0108】
IPアドレス「192.168.0.4」を有する他の電子黒板装置14は、IPアドレス「192.168.0.2」を有する電子黒板装置14と同じ参加者「User001,User002,User004」が、ログインしたユーザに含まれていることから、遠隔接続先として推奨されている。
【0109】
また、IPアドレス「192.168.0.4」を有する他の電子黒板装置14は、IPアドレス「192.168.0.2」を有する電子黒板装置14と同じスケジュール名「Meeting01」が、遠隔共有に使用するリソースとして選択されていることからも、遠隔接続先として推奨されている。
【0110】
また、IPアドレス「192.168.0.5」を有する他の電子黒板装置14は、IPアドレス「192.168.0.2」を有する電子黒板装置14と同じ参加者「User004」が、ログインしたユーザに含まれていることから、遠隔接続先として推奨されている。
【0111】
接続先推奨画面1400において、「OK」が選択された場合(ステップS33:OK)、接続部60Dが、接続先推奨画面1400にて推奨されている他の電子黒板装置14に遠隔接続し、自装置は、他の電子黒板装置14と遠隔共有を開始する(ステップS35)。これにより、自装置の参加者と、他の電子黒板装置14の参加者とによる、打ち合わせが開始される(ステップS36)。この打ち合わせでは、板書内容、カメラ画像、マイク音声等が遠隔共有される。その後、情報処理システム1は、ステップS37へ処理を進める。
【0112】
一方、ステップS31において、「外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14がない」と判定された場合(ステップS31:N)、および、接続先推奨画面1400において、「キャンセル」が選択された場合(ステップS33:キャンセル)、提示部60Cが、図21に例示する接続先選択画面1500を表示する(ステップS32)。
【0113】
図21は接続先選択画面の一例のイメージ図である。図21に示す接続先選択画面1500は、複数の他の電子黒板装置14の中から、任意の他の電子黒板装置14をユーザに選択させる画面である。
【0114】
接続先選択画面1500において、任意の他の電子黒板装置14が選択された状態で、「OK」が選択された場合、接続部60Dが、接続先選択画面1500にて選択された他の電子黒板装置14に遠隔接続し、自装置は、他の電子黒板装置14と遠隔共有を開始する(ステップS35)。これにより、自装置の参加者と、他の電子黒板装置14の参加者とによる、打ち合わせが開始される(ステップS36)。この打ち合わせでは、板書内容、カメラ画像、マイク音声等が遠隔共有される。その後、情報処理システム1は、ステップS37へ処理を進める。
【0115】
ステップS37では、ファイル送信部54が、図18の保存フォルダ選択画面1200にて選択された保存フォルダに板書内容のファイルを保存する。そして、例えば、ユーザが会議終了ボタンを押すと、情報処理システム1による遠隔共有が終了する(ステップS38)。このとき、参加者管理部56が、機器管理サーバ装置11に更新命令を行うことにより、自装置の機器管理情報をリセットさせる。機器管理情報のリセットは、例えば機器管理情報のスケジュール名、ファイル名、保存フォルダ、及び共有サイト情報を空白にする処理である。また、参加者管理部56は、黒板表示部58に対し、表示内容の消去を命令する。また、電子黒板装置14は、ICカード630でログインしたユーザのログオフ処理を行う。なお、電子黒板装置14は、さらに、自装置をスリープ状態や電源オフ状態に切り替えるようにしてもよい。
【0116】
なお、遠隔接続先の推奨方法は、図20に示す接続先推奨画面1400によるものに限らない。例えば、図21に示す接続先選択画面1500に、推奨される遠隔接続先を明示するようにしてもよい。この場合、図21に例示するように、推奨される遠隔接続先を選択されている状態で表示したり、推奨される遠隔接続先の表示順を上位にするなど、推奨される遠隔接続先を優先的に表示するようにしてもよい。
【0117】
(情報処理システム1による遠隔共有処理のシーケンス)
次に、情報処理システム1による遠隔共有の開始から終了までの処理をシーケンス図を用いて説明する。図22A図22Dは、一実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
【0118】
<ステップS101~S106>
まず、ユーザが、ICカード630をICカード検出部64にかざす(ステップS101)。このとき、ICカード検出部64が、ICカード630から識別情報を読み取る(ステップS102)。
【0119】
次に、ICカード検出部64が、ICカード630から読み取られた識別情報を、参加者管理部56へ通知する(ステップS103)。参加者管理部56は、通知された識別情報をユーザ情報サーバ装置10に送信することにより、ユーザ情報サーバ装置10にサービス情報を要求する(ステップS104)。その結果、参加者管理部56は、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20から、通知された識別情報に対応するユーザのサービス情報を取得する(ステップS105)。
【0120】
また、参加者管理部56は、通知された識別情報に対応するユーザのユーザIDと、自装置のIPアドレスなどの機器の識別子とを、機器管理サーバ装置11の機器管理部30へ送信することにより、当該ユーザIDを当該識別子と対応付けて、機器管理情報に登録する(ステップS106)。
【0121】
<ステップS107~S116>
ステップS105で取得されたサービス情報に、スケジュールサービス42の認証トークンが含まれている場合、情報処理システム1は、ステップS107~S116の処理を実行する。一方、ステップS105で取得されたサービス情報に、スケジュールサービス42の認証トークンが含まれていない場合、情報処理システム1は、ステップS107~S116の処理をスキップする。
【0122】
ステップS107では、参加者管理部56が、ステップS105で取得されたサービス情報を会議予定設定部50に送信して、スケジュール選択画面の表示を会議予定設定部50に要求する。会議予定設定部50は、受信したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを利用して、スケジュール一覧の取得をスケジュールサービス42に要求する(ステップS108)。その結果、会議予定設定部50は、スケジュールサービス42から送信されてくるスケジュール一覧(すなわち、ICカード630をかざしたユーザのスケジュール一覧)を取得する(ステップS109)。そして、会議予定設定部50は、ステップS109で取得したスケジュール一覧の内容を含む、スケジュール選択画面1000(図16参照)を表示する(ステップS110)。
【0123】
その後、ユーザが、スケジュール選択画面1000の中から任意のスケジュールを選択すると(ステップS111)、会議予定設定部50は、ステップS105で取得されたサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンと、ステップS111で選択されたスケジュールのスケジュール名とを利用して、スケジュール情報(会議予定情報)の取得をスケジュールサービス42に要求する(ステップS112)。その結果、会議予定設定部50は、スケジュールサービス42から送信されてくるスケジュール情報(すなわち、ICカード630をかざしたユーザのスケジュール情報)を取得する(ステップS113)。
【0124】
続いて、会議予定設定部50が、ステップS113で取得されたスケジュール情報に示されている各参加者の外部サービスのユーザIDを、ユーザ情報部20に送信する(ステップS114)。その結果、会議予定設定部50は、ユーザ情報部20から送信されてくるユーザIDのリスト(すなわち、各参加者の電子黒板システムのユーザID)を取得する(ステップS115)。
【0125】
そして、会議予定設定部50が、自装置の識別子と、ステップS113で取得されたスケジュール情報と、ステップS115で取得されたユーザIDのリストとを、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に送信することにより、これらの情報を用いた機器管理情報の更新処理を、機器管理部30に行わせる(ステップS116)。
【0126】
<ステップS117~S129>
ステップS105で取得されたサービス情報に、ファイルサービス44の認証トークンが含まれている場合、情報処理システム1は、ステップS117~S129の処理を実行する。一方、ステップS105で取得されたサービス情報に、ファイルサービス44の認証トークンが含まれていない場合、情報処理システム1は、ステップS117~S129の処理をスキップする。
【0127】
ステップS117では、参加者管理部56が、ステップS105で取得されたサービス情報をファイル読込部52に送信して、ファイル選択画面1100の表示をファイル読込部52に要求する。ファイル読込部52は、受信したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを利用して、フォルダとファイル一覧の取得をファイルサービス44に要求する(ステップS118)。その結果、ファイル読込部52は、ファイルサービス44から送信されてくる、ユーザのフォルダとファイル一覧を取得する(ステップS119)。そして、ファイル読込部52は、ステップS119で取得したユーザのフォルダとファイル一覧を含む、ファイル選択画面1100(図17参照)を表示する(ステップS120)。
【0128】
その後、ユーザが、ファイル選択画面1100の中から任意のファイルを選択すると(ステップS121)、ファイル読込部52は、ステップS105で取得されたサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンと、ステップS121で選択されたファイルのフォルダパス及びファイル名とを利用して、ファイルの取得をファイルサービス44に要求する(ステップS122)。その結果、ファイル読込部52は、ファイルサービス44から送信されてくるファイルを取得する(ステップS123)。そして、ファイル読込部52は、ステップS123で取得したファイルを、黒板表示部58に表示させる(ステップS124)。
【0129】
続いて、ファイル読込部52が、自装置の識別子と、ステップS123で取得したファイルのファイル名とを、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に送信することにより、これらの情報を用いた機器管理情報の更新処理を、機器管理部30に行わせる(ステップS125)。
【0130】
続いて、ファイル読込部52が、ステップS119で取得したユーザのフォルダとファイル一覧を、ファイル送信部54に通知する(ステップS126)。ファイル送信部54は、受信したユーザのフォルダとファイル一覧を含む、保存フォルダ選択画面1200(図18参照)を表示する(ステップS127)。
【0131】
その後、ユーザが、保存フォルダ選択画面1200の中から任意のフォルダを選択すると(ステップS128)、ファイル送信部54が、自装置の識別子と、ステップS128で選択されたフォルダのフォルダ名とを、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に送信することにより、これらの情報を用いた機器管理情報の更新処理を、機器管理部30に行わせる(ステップS129)。
【0132】
<ステップS130~S143>
ステップS105で取得されたサービス情報に、共有サイトサービス46の認証トークンが含まれている場合、情報処理システム1は、ステップS130~S143の処理を実行する。一方、ステップS105で取得されたサービス情報に、共有サイトサービス46の認証トークンが含まれていない場合、情報処理システム1は、ステップS130~S143の処理をスキップする。
【0133】
ステップS130では、参加者管理部56が、ステップS105で取得されたサービス情報を共有サイト読込部55に送信して、共有サイト選択画面1300の表示を共有サイト読込部55に要求する。共有サイト読込部55は、受信したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを利用して、共有サイト一覧の取得を共有サイトサービス46に要求する(ステップS131)。その結果、共有サイト読込部55は、共有サイトサービス46から送信されてくる共有サイト一覧を取得する(ステップS132)。そして、共有サイト読込部55は、ステップS132で取得した共有サイト一覧を含む、共有サイト選択画面1300(図19参照)を表示する(ステップS133)。
【0134】
その後、ユーザが、共有サイト選択画面1300の中から任意の共有サイトを選択すると(ステップS134)、共有サイト読込部55は、自装置の識別子と、ステップS134で選択された共有サイトの共有サイト名とを、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に送信することにより、これらの情報を用いた機器管理情報の更新処理を、機器管理部30に行わせる(ステップS135)。
【0135】
また、共有サイト読込部55は、受信したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンと、ステップS134で選択された共有サイトの共有サイト名とを利用して、フォルダとファイル一覧の取得を共有サイトサービス46に要求する(ステップS136)。その結果、共有サイト読込部55は、共有サイトサービス46から送信されてくるフォルダとファイル一覧を取得する(ステップS137)。そして、共有サイト読込部55は、ステップS137で取得したフォルダとファイル一覧を含む、ファイル選択画面1100(図17参照)を表示する(ステップS138)。
【0136】
その後、ユーザが、ファイル選択画面1100の中から任意のファイルを選択すると(ステップS139)、共有サイト読込部55は、受信したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンと、ステップS139で選択されたファイルのフォルダパス及びファイル名とを利用して、ファイルの取得を共有サイトサービス46に要求する(ステップS140)。その結果、共有サイト読込部55は、共有サイトサービス46から送信されてくるファイルを取得する(ステップS141)。そして、共有サイト読込部55は、ステップS141で取得したファイルを、黒板表示部58に表示させる(ステップS142)。
【0137】
その後、共有サイト読込部55が、自装置の識別子と、ステップS141で取得したファイルのファイル名とを、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に送信することにより、これらの情報を用いた機器管理情報の更新処理を、機器管理部30に行わせる(ステップS143)。
【0138】
<ステップS144~S146>
次に、ファイル読込部52が、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に機器管理情報の取得を要求する(ステップS144)。その結果、ファイル読込部52は、機器管理部30から送信されてくる遠隔管理情報を取得する(ステップS145)。そして、ファイル読込部52は、ステップS145で取得した遠隔管理情報を、遠隔接続部60に通知する(ステップS146)。
【0139】
そして、遠隔接続部60は、自装置の機器管理情報の外部リソースおよび参加者と、他の電子黒板装置14の機器管理情報の外部リソースおよび参加者とを比較し、外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14があるか判定する。
【0140】
<ステップS147~S148>
「外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14がある」と判定された場合、遠隔接続部60は、接続先推奨画面1400を表示する(ステップS147)。そして、遠隔接続部60は、接続先推奨画面1400に対するユーザからのOKまたはキャンセルの選択を受け付ける(ステップS148)。
【0141】
<ステップS149~S150>
一方、「外部リソースおよび参加者のうちの少なくとも1つが一致する他の電子黒板装置14がない」と判定された場合、および、接続先推奨画面1400において「キャンセル」が選択された場合、遠隔接続部60は、接続先選択画面1500を表示する(ステップS149)。そして、遠隔接続部60は、接続先選択画面1500に対するユーザからの遠隔接続先の選択を受け付ける(ステップS150)。
【0142】
<ステップS151~S159>
続いて、遠隔接続部60が、接続先推奨画面1400にて推奨された遠隔接続先、または、接続先選択画面1500にて選択された遠隔接続先に、遠隔接続することにより、当該遠隔接続先との遠隔共有を開始する(ステップS151)。
【0143】
ステップS151で遠隔共有が開始されると、黒板表示部58が、ユーザからの書き込み入力を受け付ける(ステップS152)。そして、ファイル送信部54が、ユーザからの板書内容の保存の要求を受け付けると(ステップS153)、ファイル送信部54が、板書内容の取得を黒板表示部58に要求する(ステップS154)。その結果、ファイル送信部54は、板書内容のファイルを黒板表示部58から取得する(ステップS155)。そして、ファイル送信部54は、ステップS155で取得したファイルを、ファイルサービス44の保存フォルダ(保存フォルダ選択画面1200で選択された保存フォルダ)へ保存する(ステップS156)。
【0144】
その後、ユーザが会議を終了させると(ステップS157)、参加者管理部56は、機器管理サーバ装置11の機器管理部30に機器管理情報のリセットを要求し、自身の機器管理情報のリセットを機器管理部30に行わせる(ステップS158)。また、参加者管理部56は、黒板表示部58に対し、表示内容の破棄を命令する(ステップS159)。
【0145】
以上、本実施形態の情報処理システム1によれば、自装置と同じ参加者が示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14、および、自装置と同じリソースが示されている機器管理情報を有する他の電子黒板装置14を、推奨する遠隔接続先としてユーザに提示するか、または、自動的に遠隔接続する遠隔接続先として選択することができるため、ユーザの手間を軽減できる。
【0146】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、本実施形態で説明した情報処理システム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。
【0147】
なお、本発明の「情報処理装置」は、遠隔共有可能な装置であれば、電子黒板装置に限られない。本発明の「情報処理装置」は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0148】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0149】
また、上記実施形態では、外部サービス群システム12からスケジュールサービス42等のサービス群が提供されるようにしているが、これに限らない。例えば、ユーザ情報サーバ装置10、機器管理サーバ装置11、および電子黒板装置14とともに、内部サービス群システムが、同一の会社によって提供され、当該内部サービス群システムから、スケジュールサービス42等のサービス群が提供されるようにしてもよい。この場合、スケジュールサービス42等のサービス群と、ユーザ情報サーバ装置10で使用されるユーザ識別情報(ユーザID)とを分ける必要はなく、同一のユーザIDでスケジュールサービス42を含む電子黒板システム全体が管理されても良い。また、この場合、サービス群に含まれる各サービスと、ユーザ情報サーバ装置10の機能とが、一台の装置によって実現されてもよく、2以上の複数の装置によって実現されても良い。
【符号の説明】
【0150】
1 情報処理システム
10 ユーザ情報サーバ装置
11 機器管理サーバ装置
12 外部サービス群システム
14、14A、14B 電子黒板装置
16 ネットワーク
20 ユーザ情報部
30 機器管理部
32 機器管理情報部
40 ユーザサービス
42 スケジュールサービス
44 ファイルサービス
46 共有サイトサービス
50 会議予定設定部
52 ファイル読込部
54 ファイル送信部
55 共有サイト読込部
56 参加者管理部
58 黒板表示部
60 遠隔接続部
60A 取得部
60B 決定部
60C 提示部(表示手段,選択手段)
60D 接続部
62 参加者設定部
64 ICカード検出部
66 カメラ
68 マイク
1000 スケジュール選択画面
1100 ファイル選択画面
1200 保存フォルダ選択画面
1300 共有サイト選択画面
1400 接続先推奨画面
1500 接続先選択画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【文献】特開2006-5590号公報
図1
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図3
図4
図5
図6
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図14A
図14B
図15
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図21
図22A
図22B
図22C
図22D