(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】シート積載装置、印刷装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/26 20060101AFI20240214BHJP
B65H 29/04 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B65H31/26
B65H29/04
(21)【出願番号】P 2020029043
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2019052178
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】田村 朋則
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-234654(JP,A)
【文献】特開2008-085527(JP,A)
【文献】特開2000-309083(JP,A)
【文献】特開2011-011844(JP,A)
【文献】特表2012-501931(JP,A)
【文献】特開平08-310708(JP,A)
【文献】特開2008-222439(JP,A)
【文献】特開2002-114432(JP,A)
【文献】特開2005-161758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00- 31/40
B65H 5/08
B65H 29/00- 29/10
B65H 29/26- 29/30
B65H 29/34- 29/51
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12- 29/24
B65H 29/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束が積載される積載部と、
前記積載部へ向けて搬送されるシートの先端部を受けてシート搬送方向において下流側に案内する案内手段と、
前記シートに向けて空気を吹出す吹き出し手段と、を備え、
前記吹き出し手段は、前記積載部の上方であって、かつ、前記案内手段が前記シートの先端部
から離れる位置よりもシート搬送方向において下流側で前記シートに向けて空気を吹出
し、
前記吹き出し手段よりもシート搬送方向上流側に補助吹き出し手段が配置され、
前記補助吹き出し手段は、前記案内手段が前記シートの先端部から離れる位置よりもシート搬送方向において上流側で前記シートに向けて空気を吹出し、
前記補助吹き出し手段の単位時間当たりの吹き出し量は前記吹き出し手段の単位時間当たりの吹き出し量よりも少ない
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記吹き出し手段は、
シート搬送方向に並ぶ複数の吹き出し部を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記吹き出し手段は、前記案内手段が前記シートの先端部から離れるときに前記空気の吹き出しを開始する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記吹き出し手段よりもシート搬送方向上流側に第二の吹き出し手段が配置され、
前記第二の吹き出し手段は、前記案内手段が前記シートの先端部から離れる位置よりもシート搬送方向において上流側であってかつ前記案内手段が前記シートの先端部を受ける位置よりもシート搬送方向において下流側で、前記シートに向けて空気を吹出す
ことを特徴とする請求項
1に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記第二の吹き出し手段の単位時間当たりの吹き出し量は、前記吹き出し手段の単位時間当たりの吹き出し量と同じ又は大きい
ことを特徴とする請求項
4に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記吹き出し手段から吹き出す単位時間当たりの吹き出し量は、前記シートの重量に応じて変更される
ことを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載のシート積載装置。
【請求項7】
前記吹き出し手段は、前記シート搬送方向上流側に、斜め下方に向かって空気を吹出す
ことを特徴とする請求項1ないし
6のいずれかに記載のシート積載装置。
【請求項8】
前記吹き出し手段は、シート搬送方向と交差する方向に配置された複数の吹き出し部を有し、
シート搬送方向と交差する方向において、前記シートの中央部に向けて空気を吹き出す吹き出し部の単位時間当たりの吹き出し量は、前記シートの端部に向けて空気を吹き出す吹き出し部の単位時間当たりの吹き出し量よりも多い
ことを特徴とする請求項1ないし
6のいずれかに記載のシート積載装置。
【請求項9】
前記積載部の側方に、前記シート間の空気を吸引する吸引手段を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし
8のいずれかに記載のシート積載装置。
【請求項10】
前記吸引手段は
、シート搬送方向に
おいて、前記積載部よりも上流側に配置され
ている
ことを特徴とする請求項
9に記載のシート積載装置。
【請求項11】
前記吹き出し手段は、
前記吸引手段の排気側に繋がれており、
前記吸引手段から排気される空気を吹き出す
ことを特徴とする請求項
9又は10に記載のシート積載装置。
【請求項12】
前記吸引手段の排気側を前記吹き出し手段につなぐ経路内にフィルタが設けられている
ことを特徴とする請求項
11に記載のシート積載装置。
【請求項13】
請求項1ないし
12のいずれかに記載のシート積載装置を備えている
ことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート積載装置、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、例えば、印刷が終了したシートを積載しながら排紙するとき、シートに向けて送風することでシート間の空気を除去するようにした排紙装置を備えるものがある。
【0003】
例えば、画像形成装置に備えられ、画像形成済みのシートを排紙トレイ上に載置するための排紙装置において、上記排紙トレイに接するように設けられ、シート端部を揃えるための第1の整合面と、上記画像形成装置の内部に設けられ、排紙トレイ上から第1の整合面に向かう気流を生成する送風部と、排紙トレイの入口側の上方からシートに対して排紙トレイに押し付けるような向きの気流を発生する第1の補助送風部とを備えた排紙装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シートの先端部を可動式の案内部材で案内しながらシートを搬送する構成としたとき、特許文献1に開示の構成では、排紙トレイの入口側上方から送風しているために、案内部材からシートが脱落するという課題が生じる。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、シートを所定位置まで確実に案内できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るシート積載装置は、
シート束が積載される積載部と、
前記積載部へ向けて搬送されるシートの先端部を受けてシート搬送方向において下流側に案内する案内手段と、
前記シートに向けて空気を吹出す吹き出し手段と、を備え、
前記吹き出し手段は、前記積載部の上方であって、かつ、前記案内手段が前記シートの先端部から離れる位置よりもシート搬送方向において下流側で前記シートに向けて空気を吹出し、
前記吹き出し手段よりもシート搬送方向上流側に補助吹き出し手段が配置され、
前記補助吹き出し手段は、前記案内手段が前記シートの先端部から離れる位置よりもシート搬送方向において上流側で前記シートに向けて空気を吹出し、
前記補助吹き出し手段の単位時間当たりの吹き出し量は前記吹き出し手段の単位時間当たりの吹き出し量よりも少ない
構成とした。
【0008】
本発明によれば、シートを所定位置まで確実に案内できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置の概略説明図である。
【
図2】同印刷装置の吐出ユニットの平面説明図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図4】同じく吹き出し手段の配置位置の説明に供する説明図である。
【
図5】同実施形態の作用説明に供する説明図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図9】本発明の第4実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図10】本発明の第5実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図11】本発明の第6実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図12】本発明の第7実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【
図13】本発明の第8実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る印刷装置の一例について
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は同印刷装置の概略説明図、
図2は同印刷装置の吐出ユニットの一例の平面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、搬入部10と、印刷部20と、乾燥部30と、本発明に係るシート積載装置である搬出部40とを備えている。印刷装置1は、搬入部10から搬入されるシートPに対し、印刷部20で液体を付与して所要の印刷を行い、乾燥部30でシートPに付着した液体を乾燥させた後、シートPを搬出部40に排出する。
【0012】
搬入部10は、複数のシートPが積載される搬入トレイ11と、搬入トレイ11からシートPを1枚ずつ分離して送り出す給送装置12と、シートPを印刷部20へ送り込むレジストローラ対13とを備えている。
【0013】
給送装置12には、ローラやコロを用いた装置や、エアー吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置12により搬入トレイ11から送り出されたシートPは、その先端がレジストローラ対13に到達した後、レジストローラ対13が所定のタイミングで駆動することにより、印刷部20へ送り出される。
【0014】
印刷部20は、シートPを搬送するシート搬送装置21を備えている。シート搬送装置21は、シートPを周面に担持して回転する担持部材(回転部材)であるドラム51及びドラム51の周面に吸引力を生じさせる吸引手段である吸引装置52などを有している。また、印刷部20は、シート搬送装置21のドラム51に担持されたシートPに向けて液体を吐出する液体吐出部22を備えている。
【0015】
また、印刷部20は、送り込まれたシートPを受け取ってドラム51との間でシートPを渡す渡し胴24と、ドラム51によって搬送されたシートPを乾燥部30へ受け渡す受け渡し胴25を備えている。
【0016】
搬入部10から印刷部20へ搬送されてきたシートPは、渡し胴24に設けられた把持手段(シートグリッパ)によって先端が把持され、渡し胴24の回転に伴って搬送される。渡し胴24により搬送されたシートPは、ドラム51との対向位置でドラム51へ受け渡される。
【0017】
ドラム51の表面にも把持手段(シートグリッパ)が設けられており、シートPの先端が把持手段(シートグリッパ)によって把持される。ドラム51の表面には、複数の吸引穴が分散して形成されている。吸引手段である吸引装置52によってドラム51の所要の吸引穴から内側へ向かう吸い込み気流を発生させる。
【0018】
そして、渡し胴24からドラム51へ受け渡されたシートPは、シートグリッパ106によって先端が把持されるとともに、吸引装置52による吸い込み気流によってドラム51上に吸着担持され、ドラム51の回転に伴って搬送される。
【0019】
液体吐出部22は、液体吐出手段である吐出ユニット23(23A~23F)を備えている。例えば、吐出ユニット23Aはシアン(C)の液体を、吐出ユニット23Bはマゼンタ(M)の液体を、吐出ユニット23Cはイエロー(Y)の液体を、吐出ユニット23Dはブラック(K)の液体を、それぞれ吐出する。また、吐出ユニット23F,23Fは、YMCKのいずれか、或いは、白色、金色(銀色)などの特殊な液体の吐出に使用する。さらに、表面コート液などの処理液を吐出する吐出ユニットを設けることもできる。
【0020】
吐出ユニット23は、例えば、
図2に示すように、複数のノズルを配列したノズル列126を有する複数の液体吐出ヘッド125をベース部材127に配置したフルライン型ヘッドである。
【0021】
液体吐出部22の各吐出ユニット23は、印刷情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。ドラムに担持されたシートPが液体吐出部22との対向領域を通過するときに、吐出ユニット23から各色の液体が吐出され、当該印刷情報に応じた画像が印刷される。
【0022】
乾燥部30は、印刷部20でシートP上に付着した液体を乾燥させるための乾燥機構部31と、印刷部20から搬送されてくるシートPを吸引した状態で搬送する(吸引搬送する)吸引搬送機構部32とを備えている。
【0023】
印刷部20から搬送されてきたシートPは、吸引搬送機構部32に受け取られた後、乾燥機構部31を通過するように搬送され、搬出部40へ受け渡される。
【0024】
乾燥機構部31を通過するとき、シートP上の液体には乾燥処理が施される。これにより液体中の水分等の液分が蒸発し、シートP上に液体中に含まれる着色剤が定着し、また、シートPのカールが抑制される。
【0025】
搬出部40は、シート束PBが積載される積載部であるスタック部401を備えている。乾燥部30から搬送されてくるシートPは、スタック部401上に順次積み重ねられて保持される。
【0026】
なお、印刷装置1には、例えば、シートPに対して前処理を行う前処理部を印刷部20の上流側に配置したり、液体が付着したシートPに対して後処理を行う後処理部を乾燥部30と搬出部40との間に配置したりすることもできる。
【0027】
前処理部としては、例えば、液体と反応して滲みを抑制するための処理液をシートPに塗布する先塗り処理を行うものが挙げられる。また、後処理部としては、例えば、印刷部20で印刷されたシートを反転させて再び印刷部20へ送ってシートPの両面に印刷するためのシート反転搬送処理や、複数枚のシートを綴じる処理などを行うものが挙げられる。
【0028】
また、印刷部として液体吐出手段を備える例で説明しているが、液体吐出以外の手段で印刷を行うこともできる。
【0029】
次に、本発明の第1実施形態について
図3及び
図4を参照して説明する。
図3は同実施形態に係るシート積載装置の説明図、
図4は同じく吹き出し手段の配置位置の説明に供する説明図である。
【0030】
シート積載装置400は、シート束PBが積載される積載部であるスタック部401と、シートPをスタック部401に向けて搬送する搬送コロ402とを備えている。
【0031】
そして、搬送コロ402から送り出されてスタック部401に向けて搬送されるシートPの先端部を受けてシート搬送方向において下流側に案内する案内手段403を備えている。
【0032】
スタック部401は、シート束PBが積載されるテーブル411と、先端フェンス(ジョガー)412と、後端フェンス413と、両サイドのフェンスなどを有している。
【0033】
搬送コロ402のシート搬送方向上流側には、乾燥部30から送り込まれるシートPを搬送する搬送コロ404も配置されている。
【0034】
案内手段403は、駆動ローラ431と従動ローラ432との間に掛け回された無端ベルト433と、無端ベルト433に取り付けたガイド部材434とを備えている。
【0035】
案内手段403は、搬送コロ402の上流側でシートPが検知されると、一定時間経過後に無端ベルト433が周回移動し、ガイド部材434の線速と搬送コロ402の線速の差によって、ガイド部材434にシートPの先端部が挿し込まれる。ガイド部材434は、
図3に示す位置(案内開始位置S)でシートPの先端部を受け取り、シートPの案内を開始する。そして、無端ベルト433が周回移動することで、ガイド部材434がシートPの先端部を保持したままシート搬送方向下流側に移動して案内する。
【0036】
ここで、ガイド部材434は、シートPの厚みより大きい隙間を有し、シートPの先端部が挿し込まれるだけで、シートPを把持するなどの把持力を有していない。ガイド部材434は、シートPの先端部をガイドする役割を有し、シートPの先端部から中腹部までのばたつきを抑える機能を有している。
【0037】
ガイド部材434が
図4の案内終了位置Eに到達したときには、ガイド部材434の線速を搬送コロ402の線速よりも高くする。これにより、シートPの先端部はガイド部材434から離脱する。
【0038】
そして、シートPに向けて空気を吹出す吹き出し手段405を備えている。吹き出し手段405は、積載部であるスタック部401の上方であって、かつ、案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部を受ける位置よりもシート搬送方向において下流側でシートPに向けて空気を吹出す。
【0039】
ここでは、吹き出し手段405は、案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部から離れる位置(案内終了位置)よりもシート搬送方向において下流側でシートPに向けて空気を吹出す。
【0040】
なお、ガイド部材434に替えて、シートPを把持する把持力を有するクリップを用いてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、吹き出し手段405は、シート搬送方向に並ぶ2つの吹き出し部を構成する2つの送風ファン451、451によって構成している。
【0042】
次に、本実施形態の作用について
図5及び
図6も参照して説明する。
図5及び
図6は同説明に供する説明図である。
【0043】
搬送コロ402で搬送されるシートPは、先端部が案内手段403のガイド部材434にて保持され、
図5に示すように、案内手段403による案内終了位置までガイド部材434で案内される。前述したように、このガイド部材434による案内終了位置よりもシート搬送方向下流側、本実施形態では、スタック部401のシート搬送方向の長さの半分よりも下流側に、吹き出し手段405を配置している。
【0044】
一方、吹き出し手段405は、上方からスタック部401に向けて空気500を吹き出す。この吹き出された空気500による気流501は、スタック部401に当たった後、前後左右方向に逃げる。これにより、シートP間に溜まった空気が押し出されてシートP間から抜かれる。
【0045】
このとき、シート搬送方向上流側に向かう気流501aは、搬送されているシートPの下方を通り、後端フェンス413側に抜けるので、シートPに対してガイド部材434から抜け落ちる方向に力が作用しない。
【0046】
これにより、シートPを所定位置まで案内手段403のガイド部材434で案内することができる。
【0047】
そして、案内手段403のガイド部材434が案内終了位置まで来た後、
図6に示すように、ガイド部材434の移動速度が加速され、後端部が搬送コロ402で挟み持たれているシートPは、先端部がガイド部材434から離脱する。
【0048】
ガイド部材434から先端部が離脱したシートPは、搬送コロ402の搬送力によってシート搬送方向に移動しつつ、吹き出し手段405によって上方から空気500を吹き付けられる。
【0049】
これにより、シートPと積載済みのシート束PBとの間の空気が抜かれながら、シート束PBの上面に落下して、シートPの積載が完了する。
【0050】
このとき、吹き出し手段405による空気500の吹き出しは、ガイド部材434が加速し始めてから、つまり、案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部から離れるときに吹き出しを開始する。
【0051】
これにより、ガイド部材434によるガイドを行いつつ、シートPを上方から確実に押さえつけてシートP間の空気を抜くことができる。
【0052】
また、シートPの重量が重いほど吹き出し手段405から吹き出される空気500による気流501の影響を受けにくいので、シートPの重量に応じて吹き出し手段405からの単位時間当たりの吹き出し量(風量)を調整することが好ましい。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態について
図7を参照して説明する。
図7は同実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【0054】
本実施形態では、吹き出し手段405よりもシート搬送方向上流側に補助吹き出し手段406を配置している。補助吹き出し手段406は、案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部から離れる位置よりもシート搬送方向において上流側でシートPに向けて空気を吹出す。
【0055】
この補助吹き出し手段406は、2つの送風ファン461、461で構成し、ガイド部材434に保持されているシートPがガイド部材434から抜け落ちない程度の弱い吹き出し量(風量)で空気500を吹き出す。
【0056】
したがって、補助吹き出し手段406の単位時間当たりの吹き出し量は、吹き出し手段405の単位時間当たりの吹き出し量よりも少ない。
【0057】
次に、本発明の第3実施形態について
図8を参照して説明する。
図8は同実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【0058】
本実施形態では、吹き出し手段405は、シート搬送方向上流側に、斜め下方に向けて空気500を拭き出す配置としている。
【0059】
これにより、シートPの案内手段403のガイド部材434のからの脱落は抑えつつ、シートP間の空気を抜くエリアを大きくとることができる。
【0060】
次に、本発明の第4実施形態について
図9を参照して説明する。
図9は同実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【0061】
本実施形態では、吹き出し手段405は、シート搬送方向と交差する方向に配置した複数の送風ファン451A、451Bで構成されている。そして、シート搬送方向と交差する方向において、シートPの中央部に向けて空気500Aを吹き出す送風ファン451Aの単位時間当たりの吹き出し量は、シートPの端部に向けて空気500Bを吹き出す送風ファン451Bの単位時間当たりの吹き出し量よりも多くしている。
【0062】
これによって、シートPの中央部が先に着地し、気流503で示すように、シートP間の中央部の空気は端部側に移動しやすくなり、シートP間の空気を中央部に残すことなく確実に抜くことができる。
【0063】
次に、本発明の第5実施形態について
図10を参照して説明する。
図10は同実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【0064】
本実施形態では、スタック部401の側方からシートP間の空気を吸引する吸引手段である吸引ファン407を配置している。吸引ファン407は、スタック部401のシート搬送方向における上流側、ここでは、上流側のフェンス413の外側に配置している。
【0065】
これにより、下流側に配置した吹き出し手段405だけでは抜きにくい、上流側の空気を確実に抜くことができるようになる。
【0066】
次に、本発明の第6実施形態について
図11を参照して説明する。
図11は同実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【0067】
本実施形態では、前記第5実施形態の吸引ファン407の排気側に接続したダクト408の出口側を吹き出し手段405として配置し、吸引ファン407から排気される空気を吹き出すようにしている。つまり、吹き出し手段405は、それ自体が送風手段を含む必要はなく、単に空気の吹き出し口で構成する場合も含まれる。
【0068】
これにより、構成が簡単になる。
【0069】
次に、本発明の第7実施形態について
図12を参照して説明する。
図12は同実施形態に係るシート積載装置の説明図である。
【0070】
本実施形態は、前記第6実施形態において、吸引ファン407と吹き出し手段405とをつなぐ経路であるダクト408内にフィルタ409を配置している。
【0071】
これにより、装置内の紙粉やごみなどの異物を回収し、ギヤやチェーンなどの機構部への異物の堆積を低減することができる。
【0072】
次に、本発明の第8実施形態について
図13を参照して説明する。
図13は同実施形態
に係るシート積載装置の説明図である。
【0073】
本実施形態では、吹き出し手段405よりもシート搬送方向上流側に第二の吹き出し手段419を配置している。第二の吹き出し手段419は、案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部から離れる位置(案内終了位置)よりもシート搬送方向において上流側であってかつ案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部の案内を開始する位置(案内開始位置)よりも下流側で、シートPに向けて空気を吹出す。
【0074】
この第二の吹き出し手段419は、2つの送風ファン491、491で構成し、ガイド部材434に保持されているシートPがガイド部材434から抜け落ちない程度の吹き出し量(風量)であって、2つの送風ファン451、451と同じ吹き出し量で空気500を吹き出す。
【0075】
したがって、第二の吹き出し手段419の単位時間当たりの吹き出し量は、吹き出し手段405の単位時間当たりの吹き出し量と同じである。
【0076】
なお、第二の吹き出し手段419の2つの送風ファン491、491の単位時間当たりの吹き出し量は、ガイド部材434に保持されているシートPがガイド部材434から抜け落ちない範囲であれば、吹き出し手段405の単位時間当たりの吹き出し量よりも大きくしてもよい。
【0077】
以上の第1実施形態から第8実施形態の各実施形態において、吹き出し手段405、補助吹き出し手段406及び第二の吹き出し手段419は、案内手段403のガイド部材434がシートPの先端部を受ける位置(案内開始位置)よりもシート搬送方向において下流側でシートPに向けて空気を吹出す。
【0078】
これにより、搬送コロ402によるシートPの挟持位置と案内手段403による案内開始位置との間では、空気の吹き出しの影響を受けてシートPの先端部がバタつくことが抑えられる。したがって、搬送コロ402から搬送されるシートPの先端部を案内手段403のガイド部材434に確実に挿入することができ、案内手段403はシートPを確実に案内できる。
【0079】
なお、上記各実施形態において、印刷装置1の印刷部20は、インクなど液体を付与してシートPに所要の印刷を行う構成に替えて、トナーを用いてシートPに所要の印刷を行う構成としてもよい。
【0080】
また、搬送対象のシートPの材質は紙に限られず、プラスチックフィルム、布、金属シートなどを搬送する装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 印刷装置
10 搬入部
20 印刷部
21 シート搬送装置
22 液体吐出部
23 吐出ユニット
40 搬出部
400 シート積載装置
401 スタック部(積載部)
401 搬送コロ
403 案内手段
405 吹き出し手段
407 吸引ファン(吸引手段)
434 ガイド部材
419 第二の吹き出し手段