(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、機器及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240214BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240214BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G06F3/12 361
B41J29/38 301
G06F3/12 310
G06F3/12 385
G06F3/12 335
H04N1/00 912
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2020041705
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山脇 卓
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139519(JP,A)
【文献】特開2014-067126(JP,A)
【文献】特開2010-272005(JP,A)
【文献】特開2016-136387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と前記情報処理装置にネットワークを介して接続する複数の機器とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記複数の機器のうちのいずれかである第1の機器に対して処理の実行要求を送信する実行要求部と、
前記第1の機器における前記処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を受信する進捗情報受信部と、
前記第1の機器が前記処理を継続できない可能性を検知する検知部と、
前記検知部が前記可能性を検知するまでに前記進捗情報受信部が受信した前記情報に基づいて、前記処理の再開条件を決定する再開条件決定部と、
前記再開条件に基づく前記処理の実行要求を前記複数の機器のうち前記第1の機器とは別の第2の機器へ送信する再開要求部と、
を有し、
前記検知部は、前記可能性のレベルを判定し、
前記再開条件決定部は、設定情報を参照し、代行印刷を行う前記レベルが、致命的なレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルが致命的なレベルのときに前記処理の再開条件を決定し、前記設定情報において代行印刷を行う前記レベルが、すべてのレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルに関わらず前記処理の再開条件を決定し、
前記機器は、
前記実行要求に応じて前記処理を実行する実行部と、
前記実行部が実行する処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を前記情報処理装置へ送信する進捗情報送信部と、
を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記処理は、印刷であり、
前記進捗状況を示す情報は、印刷が完了したページを示す情報であり、
前記再開条件は、印刷を再開するページである、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記再開条件決定部は、前記検知部が前記可能性を検知するまでに前記進捗情報受信部が受信した前記情報に基づいて、印刷が完了していないページが含まれるように前記再開条件を決定する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記再開条件決定部は、前記進捗情報受信部が受信した前記情報が、閾値以下の場合、1ページ目を前記再開条件として決定する、請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記再開条件決定部は、前記進捗情報受信部が受信した前記情報である印刷が完了したページを示す情報よりも1ページ前のページを前記再開条件として決定する、請求項3記載の情報処理システム。
【請求項6】
複数の機器とネットワークを介して接続する情報処理装置であって、
前記複数の機器のうちのいずれかである第1の機器に対して処理の実行要求を送信する実行要求部と、
前記第1の機器における前記処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を受信する進捗情報受信部と、
前記第1の機器が前記処理を継続できない可能性を検知する検知部と、
前記検知部が前記可能性を検知するまでに前記進捗情報受信部が受信した前記情報に基づいて、前記処理の再開条件を決定する再開条件決定部と、
前記再開条件に基づく前記処理の実行要求を前記複数の機器のうち前記第1の機器とは別の第2の機器へ送信する再開要求部と、
を有
し、
前記検知部は、前記可能性のレベルを判定し、
前記再開条件決定部は、設定情報を参照し、代行印刷を行う前記レベルが、致命的なレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルが致命的なレベルのときに前記処理の再開条件を決定し、前記設定情報において代行印刷を行う前記レベルが、すべてのレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルに関わらず前記処理の再開条件を決定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項
6記載の情報処理装置とネットワークを介して接続する機器であって、
前記実行要求に応じて前記処理を実行する実行部と、
前記実行部が実行する処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を前記情報処理装置へ送信する進捗情報送信部と、
を有する、
ことを特徴とする機器。
【請求項8】
情報処理装置と前記情報処理装置にネットワークを介して接続する複数の機器とが実行する情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記複数の機器のうちのいずれかである第1の機器に対して処理の実行要求を送信する実行要求手順と、
前記第1の機器における前記処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を受信する進捗情報受信手順と、
前記第1の機器が前記処理を継続できない可能性を検知する検知手順と、
前記検知手順が前記可能性を検知するまでに前記進捗情報受信手順において受信した前記情報に基づいて、前記処理の再開条件を決定する再開条件決定手順と、
前記再開条件に基づく前記処理の実行要求を前記複数の機器のうち前記第1の機器とは別の第2の機器へ送信する再開要求手順と、
を実行し、
前記検知手順は、前記可能性のレベルを判定し、
前記再開条件決定手順は、設定情報を参照し、代行印刷を行う前記レベルが、致命的なレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルが致命的なレベルのときに前記処理の再開条件を決定し、前記設定情報において代行印刷を行う前記レベルが、すべてのレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルに関わらず前記処理の再開条件を決定し、
前記機器が、
前記実行要求に応じて前記処理を実行する実行手順と、
前記実行手順において実行される処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を前記情報処理装置へ送信する進捗情報送信手順と、
を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、機器及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の印刷サーバのうちのいずれかの印刷サーバで障害が発生すると、当該印刷サーバに紐づけられているジョブキューにおいて待機中のジョブが稼働中の印刷サーバに通知され、稼働中の印刷サーバがジョブを再生成して当該ジョブをプリンタに実行させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の技術では、復旧可能な処理(ジョブ)はジョブキューに待機中のジョブに限られるため、既にプリンタ等の機器において実行中の処理(ジョブ)に異常が発生した場合に、当該処理を継続することは困難である。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、機器が実行できなくなった処理を継続可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで上記課題を解決するため、情報処理装置と前記情報処理装置にネットワークを介して接続する複数の機器とを含む情報処理システムの前記情報処理装置は、前記複数の機器のうちのいずれかである第1の機器に対して処理の実行要求を送信する実行要求部と、前記第1の機器における前記処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を受信する進捗情報受信部と、前記第1の機器が前記処理を継続できない可能性を検知する検知部と、前記検知部が前記可能性を検知するまでに前記進捗情報受信部が受信した前記情報に基づいて、前記処理の再開条件を決定する再開条件決定部と、前記再開条件に基づく前記処理の実行要求を前記複数の機器のうち前記第1の機器とは別の第2の機器へ送信する再開要求部と、を有し、前記検知部は、前記可能性のレベルを判定し、前記再開条件決定部は、設定情報を参照し、代行印刷を行う前記レベルが、致命的なレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルが致命的なレベルのときに前記処理の再開条件を決定し、前記設定情報において代行印刷を行う前記レベルが、すべてのレベルに設定されていた場合、判定された前記レベルに関わらず前記処理の再開条件を決定し、前記機器は、前記実行要求に応じて前記処理を実行する実行部と、前記実行部が実行する処理の進捗に応じ、前記処理の進捗状況を示す情報を前記情報処理装置へ送信する進捗情報送信部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
機器が実行できなくなった処理を継続可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態における画像形成装置20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態における情報処理装置10及び画像形成装置20のソフトウェアアーキテクチャを説明するための図である。
【
図5】本発明の実施の形態における情報処理装置10及び画像形成装置20の機能構成例を説明するための図である。
【
図6】ジョブの実行処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】ジョブキュー141に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】印刷に関するページごとの状態遷移の一例を示す図である。
【
図9】印刷中にエラーが発生した場合に実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】機器状態記憶部142の構成例を示す図である。
【
図11】画像形成装置20のエラーの分類例を示す図である。
【
図12】代行印刷の実行条件の設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【0009】
図1に示される情報処理システム1において、情報処理装置10は、インターネット等のネットワークを介して複数の画像形成装置20(画像形成装置20-1、画像形成装置20-2、・・・、画像形成装置20-N)、及び1以上のユーザ端末30に接続される。各画像形成装置20及び各ユーザ端末30は、例えば、5G等の高速な無線通信の基地局を介して情報処理装置10に接続されてもよい。
【0010】
ユーザ端末30は、画像形成装置20の利用者(ユーザ)が、画像形成装置20に実行させる処理(例えば、印刷等のジョブ)の実行指示の入力に利用する端末である。例えば、スマートフォン、タブレット端末又はPC等がユーザ端末30として利用されてもよい。なお、ユーザ端末30は、ユーザによって入力されたジョブの実行指示に応じたジョブの実行要求を情報処理装置10へ送信する。
【0011】
情報処理装置10は、ユーザ端末30から受信したジョブの実行要求に応じ、当該ジョブをいずれかの(例えば、当該実行要求において指定された)画像形成装置20に実行させる1以上のコンピュータである。情報処理装置10は、当該ジョブの開始後に、当該ジョブの実行について異常の発生を検知すると、当該ジョブの進捗状況に基づき、他の画像形成装置20に当該ジョブを代行させる。なお、情報処理装置10は、例えば、クラウドシステムの形態で構成されてもよい。
【0012】
各画像形成装置20は、例えば、複合機、プリンタ又はプロッタ等である。本実施の形態において、各画像形成装置20は、情報処理装置10から送信される処理(ジョブ)の実行要求に応じて、当該処理を実行する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態における情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2の情報処理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0014】
情報処理装置10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0015】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って情報処理装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態における画像形成装置20のハードウェア構成例を示す図である。
図3において、画像形成装置20は、コントローラ21、スキャナ22、プリンタ23、モデム24、操作パネル25、ネットワークインタフェース26、及びSDカードスロット27等のハードウェアを有する。
【0017】
コントローラ21は、CPU211、RAM212、ROM213、HDD214、及びNVRAM215等を有する。ROM213には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM212は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU211は、RAM212にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD214には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM215には、各種の設定情報等が記憶される。
【0018】
スキャナ22は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ23は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム24は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル25は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。液晶パネルは、タッチパネル機能を有していてもよい。この場合、当該液晶パネルは、入力手段の機能をも兼ねる。但し、画像形成装置20には専用の操作パネル25が設置されなくてもよい。この場合、PC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等が、操作パネル25として利用されてもよい。
【0019】
ネットワークインタフェース26は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット27は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置20では、ROM213に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM212にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD-ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット27は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
【0020】
図4は、本発明の実施の形態における情報処理装置10及び画像形成装置20のソフトウェアアーキテクチャを説明するための図である。
図4において、操作部40は、操作パネル25、又は操作パネル25の代わりに利用されるPC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等である。又は、ユーザ端末30が操作部40であってもよい。
【0021】
図4において、情報処理装置10は、コピーアプリ11a、プリントアプリ11b及びスキャンアプリ11c等の1以上の機器アプリ11、並びにプラットフォーム部12等を有する。これらは、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0022】
各機器アプリ11は、画像形成装置20に関するアプリケーションプログラムである。例えば、コピーアプリ11aは、コピーを画像形成装置20に実行させる機器アプリ11である。プリントアプリ11bは、印刷を画像形成装置20に実行させる機器アプリ11である。スキャンアプリ11cは、スキャンを画像形成装置20に実行させるアプリである。
【0023】
プラットフォーム部12は、機器アプリ11のアプリケーションプラットフォームとして機能する。例えば、プラットフォーム部12は、機器アプリ11に対してAPI(Application Program Interface)を提供し、機器アプリ11による当該APIの呼び出しに応じた処理を実行する。また、プラットフォーム部12は、操作部40からのいずれかの機器アプリ11に対する画面の表示要求を受信すると、当該機器アプリ11に対して当該表示要求を通知する。プラットフォーム部12は、当該表示要求に応じて当該機器アプリ11から応答される、当該機器アプリ11の操作画面の画面データ(例えば、Webページ)を当該操作部40へ送信する。当該操作部40は、当該画面データに基づいて当該操作画面を表示する。当該操作画面では、当該機器アプリ11の実行条件(使用できる画像形成装置20本体の一覧、印刷枚数、モノクロ・カラー、読取り条件等)が指定可能である。利用者によって当該操作画面に対して実行条件が入力されると、操作部40は、当該実行条件をプラットフォーム部12へ送信する。プラットフォーム部12は、当該実行条件を当該機器アプリ11へ通知する。プラットフォーム部12は、当該実行条件が指定されたジョブの実行要求を当該機器アプリ11から受け付けると、当該ジョブに関する処理の実行命令を当該ジョブの実行先として指定された画像形成装置20に要求するとともに、画像形成装置20との通信を介して当該ジョブの進捗を管理する。
【0024】
一方、画像形成装置20は、機器制御部221を有する。機器制御部221は、スキャナ22及びプリンタ23等のハードウェアの制御に関するAPIを公開し、情報処理装置10のプラットフォーム部12から送信される実行命令を当該APIを介して受け付ける。機器制御部221は、受け付けた実行命令に応じた処理を実行し、処理の進捗状況を示す情報をプラットフォーム部12へ送信する。
【0025】
なお、
図4からも明らかなように、本実施の形態では、従来であれば、画像形成装置20に実装されていた機器アプリ11及びプラットフォーム部12が、情報処理装置10に実装される。例えば、各機器アプリ11は、Webアプリとして実装されてもよい。そうすることで、各画像形成装置20に対する機器アプリ11又はプラットフォーム部12のバージョンアップ等を情報処理装置10の更新によって実現することができ、画像形成装置20の保守作業の負担を軽減することができる。
【0026】
但し、情報処理装置10は、一元的なサーバ群によって構成されなくてもよい。例えば、オフィッスごとや地域ごとに等に分散された各サーバが、
図4の情報処理装置10と同様の構成を有するエッジコンピューティングが導入されてもよい。そうすることで、画像形成装置20の各機能について高い応答性(リアルタイム性)を確保し易くすることができる。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態における情報処理装置10及び画像形成装置20の機能構成例を説明するための図である。
図5において、情報処理装置10のプラットフォーム部12は、ジョブ受付部121、ジョブ実行管理部122及び機器監視部123等を含む。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。情報処理装置10は、また、ジョブキュー141、機器状態記憶部142及び機器一覧記憶部143等の記憶部を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又は情報処理装置10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0028】
ジョブ受付部121は、画像形成装置20に実行させる処理の実行要求をユーザ端末30から受信する。本実施の形態では、印刷ジョブ(以下、単に「ジョブ」という。)を画像形成装置20に実行させる処理の一例として説明する。ユーザ端末30からのジョブの実行要求には、印刷対象のデータ(以下、「印刷対象データ」という。)や印刷先の画像形成装置20(以下、「対象画像形成装置20」という。)を示す情報等が含まれている。ジョブ受付部121は、印刷対象データや印刷先を示す情報等を含む、印刷ジョブに関する情報(以下、「ジョブ情報」という。)をジョブキュー141に記録する。
【0029】
ジョブキュー141は、ジョブ情報をキューイングするための記憶部である。各ジョブの優先度やステータス(待機中/中断中/実行中)等がジョブキュー141に記憶されてもよい。実行が完了したジョブのジョブ情報は、ジョブキュー141から削除される。
【0030】
ジョブ実行管理部122は、ジョブキュー141において実行の順番がまわってきたジョブ情報(以下、「対象ジョブ情報」という。)に係るジョブについて、対象画像形成装置20に実行させるための処理を制御する。
図5において、ジョブ実行管理部122は、実行要求部131、進捗情報受信部132、検知部133、再開条件決定部134及び再開要求部135等を含む。
【0031】
実行要求部131は、対象ジョブ情報に係るジョブ(以下、「対象ジョブ」という。)の内容を画像形成装置20が解釈実行できるレベルの命令群に分解し、当該命令群(ジョブ(処理)の実行要求)を対象画像形成装置20へ送信することで対象画像形成装置20を制御する。
【0032】
進捗情報受信部132は、対象ジョブの実行要求を受信した対象画像形成装置20における対象ジョブの進捗に応じて対象画像形成装置20から送信される、対象ジョブの進捗状況を示す情報(以下、「進捗情報」という。)を受信する。進捗情報は、対象ジョブの一部が進捗するたび(実行されるたび)に逐次的に送信される。
【0033】
検知部133は、対象画像形成装置20が対象ジョブを継続できない可能性(例えば、画像形成装置20においてジョブの継続が不可能となる異常が発生した可能性やネットワークに異常が発生した可能性等)を検知する。以下、検知部133による斯かる可能性の検知を、単に、「エラーの検知」という。
【0034】
再開条件決定部134は、検知部133がエラーを検知するまでに進捗情報受信部132が受信した進捗情報に基づいて(すなわち、対象ジョブの進捗状況に基づいて)、対象ジョブの再開の条件(以下、「再開条件」という。)を決定する。再開条件とは、例えば、対象ジョブにおいて印刷対象とされるページ群のうち、何ページ目を再開の開始ページとするかを示す情報である。
【0035】
再開要求部135は、対象画像形成装置20とは別の画像形成装置20に対し、再開条件に基づく対象ジョブの再開要求を送信する。すなわち、再開要求部135は、対象画像形成装置20とは別の画像形成装置20に対象ジョブを代行させる。対象ジョブにおいて代行対象となる範囲は、例えば、対象画像形成装置20によって印刷が完了していないページ群、又は対象ジョブの全部のページ群である。
【0036】
機器監視部123は、例えば、定期的に各画像形成装置20の状態を監視し、監視結果(各画像形成装置20の状態を示す情報)を機器状態記憶部142に記録する。機器一覧記憶部143には、機器監視部123が監視対象とする画像形成装置20の一覧情報(例えば、各画像形成装置20のIPアドレス等)が記憶されている。
【0037】
一方、画像形成装置20の機器制御部221は、実行部231及び進捗情報送信部232等を有する。これら各部は、画像形成装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU211に実行させる処理により実現される。
【0038】
実行部231は、情報処理装置10から要求された処理(ジョブ)を実行する。進捗情報送信部232は、実行部231によるジョブの実行の進捗に応じ、当該ジョブの進捗状況を示す進捗情報を情報処理装置10へ送信する。
【0039】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図6は、ジョブの実行処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0040】
ステップS101において、実行要求部131は、ジョブキュー141から1つのジョブ情報(以下、「対象ジョブ情報」という。)を取得する。例えば、ジョブキュー141に含まれているジョブ情報の中で、優先度が最も高いジョブ情報、又は実行要求が受信されたタイミングが最も早いジョブ情報が取得される。この際、対象ジョブ情報に係るジョブについてジョブキュー141において記憶されているステータスが、「待機中」から「実行中」へ更新される。
【0041】
図7は、ジョブキュー141に記憶される情報の一例を示す図である。
図7には、ジョブごとにステータスが記憶されている例が示されている。
図7の例では、「ジョブ1」のステータスが「実行中」である。したがって、
図7の例は、「ジョブ1」のジョブ情報が取得された例を示す。
【0042】
続いて、実行要求部131は、対象ジョブ情報に基づいて、画像形成装置20が理解可能な命令群を生成する(S102)。続くステップS103以降では、当該命令群を構成する各命令が画像形成装置20へ送信される。
【0043】
ステップS103において、実行要求部131は、1ページ目の印刷要求を対象画像形成装置20へ送信する。当該印刷要求は、印刷の開始の宣言に相当する。続いて、実行要求部131は、1ページ目の印刷対象の画像データを対象画像形成装置20へ送信する(S104)。
【0044】
対象画像形成装置20の実行部231は、当該画像データを受信すると、1ページ目に対する当該画像データの印刷を開始する(S105)。実行部231による印刷の開始に応じ、進捗情報送信部232は、1ページ目の印刷の開始を示す進捗情報を情報処理装置10へ送信する(S106)。情報処理装置10の進捗情報受信部132は、当該進捗情報を受信すると、例えば、メモリ装置103又は補助記憶装置102等へ当該進捗情報を記録する。
【0045】
続いて、2ページ目について、ステップS103~S106と同様の処理が実行される(S107~S110)。2ページ目の印刷の開始時又は開始後に、1ページの印刷が完了すると、進捗情報送信部232は、1ページ目の印刷の完了を示す進捗情報を情報処理装置10へ送信する(S111)。情報処理装置10の進捗情報受信部132は、当該進捗情報を受信すると、例えば、メモリ装置103又は補助記憶装置102等へ当該進捗情報を記録する。
【0046】
続いて、3ページ目について、ステップS103~S106と同様の処理が実行される(S112~S115)。3ページ目の印刷の開始時又は開始後に、2ページの印刷が完了すると、進捗情報送信部232は、2ページ目の印刷の完了を示す進捗情報を情報処理装置10へ送信する(S116)。続いて、3ページの印刷が完了すると、進捗情報送信部232は、3ページ目の印刷の完了を示す進捗情報を情報処理装置10へ送信する(S117)。
【0047】
対象ジョブ情報に係るジョブ(対象ジョブ)の印刷対象データのページ数が3である場合、実行要求部131は、ステップS117において受信された進捗情報に基づいて対象ジョブの完了を検知する。そこで、実行要求部131は、ジョブキュー141から対象ジョブ情報を削除する(S118)。
【0048】
このように、情報処理装置10は、1ページごとにジョブの進捗をリアルタイムに把握することができる。具体的には、情報処理装置10は、印刷について1ページごとに
図8に示されるような状態遷移をリアルタイムで把握することができる。
【0049】
図8は、印刷に関するページごとの状態遷移の一例を示す図である。
図8では、初期状態が待機状態であり、情報処理装置10から対象画像形成装置20への印刷対象のページ(以下、「対象ページ」という。)の印刷要求に応じて印刷中へ遷移し、対象ページの印刷完了に応じて、対象ページの印刷が終了する。一方、印刷中において、エラーが発生すると、対象ページの印刷は中断中へ遷移する。中断中となったページは、対象画像形成装置20とは別の画像形成装置20に対する対象ページに印刷要求に応じて印刷中に戻る。なお、エラーとは、対象画像形成装置20によってジョブの継続ができないことをいい、画像形成装置20における異常(故障等)、通信異常等が発生した状態をいう。エラーは、例えば、画像形成装置20からの通知、画像形成装置20との通信不能、画像形成装置20からの応答のタイムアウト等によって検知される。
【0050】
情報処理装置10は、上記の状態遷移において、印刷が終了していないページを把握することで、対象ジョブの何ページ目までの印刷が完了したのか(換言すれば、何ページ以降の印刷が完了していないのか)を把握することができる。
【0051】
ここで、中断中への遷移に関する処理手順(すなわち、エラーが発生した場合の処理手順)ついては、
図6には示されていない。そこで、次に、エラーが発生した場合に実行される処理手順について説明する。
【0052】
図9は、印刷中にエラーが発生した場合に実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図9中、
図6と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
【0053】
図9では、ステップS111まで実行された後のステップS201のタイミングにおいて、検知部133がエラー(対象画像形成装置20においてジョブの継続ができない可能性)を検知している。このタイミングにおいて、進捗情報受信部132は、1ページ目の印刷完了を示す進捗情報を受信しているが、2ページ目については印刷要求が行われているものの、印刷完了を示す進捗情報は受信していない。したがって、進捗情報受信部132は、2ページ目の印刷の状態について、中断中であると判断し、2ページ目で対象ジョブが中断したことを再開条件決定部134へ通知する。
【0054】
なお、画像形成装置20における実際の印刷ジョブの実行は、1ページずつ(1枚印刷完了→2枚目印刷要求→2枚目印刷完了→3枚目印刷要求…)ではなく、生産性を考慮して複数ページが同時に印刷中となる。この場合、進捗情報受信部132は、複数ページについて中断中であると判断することになるが、進捗情報受信部132は、当該複数ページのそれぞれのページ番号を再開条件決定部134へ通知すればよい。
【0055】
進捗情報受信部132から通知に応じ、再開条件決定部134は、再開条件を決定する(S202)。例えば、再開条件決定部134は、中断中である(未印刷である)2ページ目を再開ページとして決定してもよい。又は、再開条件決定部134は、中断中のページ番号が閾値以下であれば(すなわち、印刷済みのページ数が少なければ)、1ページ目を再開ページとして決定してもよい。又は、再開条件決定部134は、中断中のページの1ページ前のページを再開ページとして決定してもよい。又は、複数ページが中断中のページとして通知された場合には、再開条件決定部134は、当該複数ページの中で先頭のページを再開ページとして決定してもよい。いずれの場合であっても、印刷が完了していないページについてジョブが実行される。換言すれば、印刷が完了していないページが再開後のジョブの対象とされるのであれば、上記以外の規則に基づいて再開ページが決定されてもよい。ここでは、
図9において、中断中のページである2ページ目が再開ページとして決定されたこととする。
【0056】
再開条件決定部134は、また、対象ジョブを対象画像形成装置20とは別の画像形成装置20に実行させるため、対象ジョブを代行させる画像形成装置20(以下、「代行画像形成装置20」という。)を決定する。代行画像形成装置20の決定に際し、機器状態記憶部142が参照されてもよい。
【0057】
図10は、機器状態記憶部142の構成例を示す図である。
図10に示されるように、機器状態記憶部142には、画像形成装置20ごとに、機器ID、機器名及び状態が記憶されている。
【0058】
機器IDは、各画像形成装置20の識別情報である。機器名は、各画像形成装置20に対して付与(設定)された名称である。状態は、各画像形成装置20の稼働状態である。状態の値は、例えば、定期的に機器監視部123によって更新される。
【0059】
例えば、再開条件決定部134は、状態が「正常(レディ)」である画像形成装置20の中から代行画像形成装置20を選択してもよい。更に、対象ジョブに対応した機能を備える画像形成装置20が代行画像形成装置20の候補に絞りこまれてもよい。本実施の形態では、印刷ジョブが対象ジョブであるため、印刷機能を有する画像形成装置20が代行画像形成装置20として選択されるのがよい。本実施の形態において、印刷機能を有するか否かは、機器名に「画像形成装置20」又は「プリンタ」という文字列が含まれているか否かに基づいて判定可能である。
【0060】
以上によれば、本実施の形態では、機器名が「プリンタ1」又は「プリンタ3」である画像形成装置20が、代行画像形成装置20の選択候補となる。再開条件決定部134は、ランダムに、又は所定の規則に基づいて1つの代行画像形成装置20を選択する。
【0061】
続いて、再開要求部135は、代行画像形成装置20に対して、再開条件決定部134によって決定された再開ページ(2ページ目)の印刷要求(すなわち、印刷の再開要求)を代行画像形成装置20へ送信する(S203)。続いて、再開要求部135は、2ページ目の印刷対象の画像データを対象画像形成装置20へ送信する(S204)。
【0062】
代行画像形成装置20の実行部231は、当該画像データを受信すると、2ページ目に対する当該画像データの印刷を開始する(S205)。実行部231による印刷の開始に応じ、代行画像形成装置20の進捗情報送信部232は、2ページ目の印刷の開始を示す進捗情報を情報処理装置10へ送信する(S206)。情報処理装置10の進捗情報受信部132は、当該進捗情報を受信すると、例えば、メモリ装置103又は補助記憶装置102等へ当該進捗情報を記録する。その後、
図6のステップS112以降と同様の処理手順が、情報処理装置10と代行画像形成装置20との間で実行される。
【0063】
なお、
図6及び
図9では、1ページ分ずつ(1画像ずつ)送信及び印刷が行われる例を示したが、情報処理装置10から画像形成装置20へ、複数ページ又は全ページの画像が1度に送信され、ページごとの進捗情報が画像形成装置20から情報処理装置10へ送信されるようにしてもよい。
【0064】
また、上記では、エラーが発生した場合に常に処理(印刷ジョブ)の代行が行われる例について示したが、エラーのレベルに応じて代行させるか否かについて、ユーザによる設定が可能とされてもよい。
【0065】
例えば、
図11は、画像形成装置20のエラーの分類例を示す図である。
図11では、画像形成装置20にいて発生する各種のエラー(異常)に対して、致命的エラーであるか通常エラーであるかのレベル分けが行われ、レベル分けの結果を示すエラーレベルが付与された例が示されている。
【0066】
このような場合において、例えば、画像形成装置20の操作パネル25、操作部40、又はユーザ端末30等(以下、これらを総称して「クライアント」という。)から代行印刷の実行条件の設定が可能とされてもよい。この場合、クライアントには、例えば、
図12に示されるような設定画面510が表示されてもよい。設定画面510は、情報処理装置10から提供されるWebページであってもよいし、クライアントにインストールされるアプリケーションによって表示される画面であってもよい。
【0067】
図12において、設定画面510は、ラジオボタン511及びラジオボタン512を含む。ラジオボタン511は、代行印刷をするか否かを選択させるためのラジオボタンである。ラジオボタン512は、ラジオボタン511において「代行印刷する」が選択された場合に操作可能となり、代行印刷の実行条件(エラーレベル)を選択させるためのラジオボタンである。
図12では、致命的なエラーの場合にのみ代行印刷を行うという選択肢が選択された例が示されている。なお、エラーレベルを細分化して選択肢を増やし、より細かな設定が可能とされてもよい。
【0068】
設定画面510への設定内容を示す情報(以下、単に「設定情報」という。)は、情報処理装置10に送信され、例えば、情報処理装置10の補助記憶装置102等に記録される。
【0069】
再開条件決定部134は、検知部133によってエラーが検知された場合に、当該設定情報を参照して、代行印刷を実行するか否かを判定する。例えば、ラジオボタン511において「代行印刷しない」が選択された場合、再開条件決定部134は、エラーの種別に関わらず代行印刷をしないと判定する。この場合、再開ページ及び代行画像形成装置20の決定は行われない。一方、ラジオボタン511において「代行印刷する」が選択された場合、再開条件決定部134は、ラジオボタン512における選択結果に基づいて、代行印刷をするか否かを判定する。すなわち、ラジオボタン512において「致命的なエラー」が選択された場合、再開条件決定部134は、検知部133によって検知されたエラーのエラーレベルが「致命的なエラー」であれば、代行印刷をすると判定し、そうでなければ代行印刷をしないと判定する。また、ラジオボタン512において「すべてのエラー」が選択された場合、再開条件決定部134は、検知部133によって検知されたエラーがどのような内容であっても代行印刷をすると判定する。再開条件決定部134は、代行印刷をすると判定した場合に限って、再開ページ及び代行画像形成装置20を決定する。なお、検知部133は、例えば、画像形成装置20からの通知に基づいてエラーレベルを判定すればよい。
【0070】
上述したように、本実施の形態によれば、画像形成装置20におけるジョブの進捗状況が情報処理装置10によってリアルタイムに把握される。その結果、実行中のジョブが継続できなくなったことを情報処理装置10が即時的に把握することができ、他の画像形成装置20に当該ジョブを継続させることができる。したがって、画像形成装置20(機器)が実行できなくなった処理を継続可能とすることができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、画像形成装置20を機器の一例として説明したが、ネットワークを介して制御可能(処理を実行させることが可能)な機器であれば、他の機器(例えば、プロジェクタ、テレビ会議システム、電子黒板等)について本実施の形態が適用されてもよい。
【0072】
また、本実施の形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、画像形成装置20は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0073】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0074】
なお、本実施の形態において、対象画像形成装置20は、第1の機器の一例である。代行画像形成装置20は、第2の機器の一例である。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11a コピーアプリ
11b プリントアプリ
11c スキャンアプリ
11 機器アプリ
12 プラットフォーム部
20 画像形成装置
21 コントローラ
22 スキャナ
23 プリンタ
24 モデム
25 操作パネル
26 ネットワークインタフェース
27 SDカードスロット
30 ユーザ端末
40 操作部
80 SDカード
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
121 ジョブ受付部
122 ジョブ実行管理部
123 機器監視部
131 実行要求部
132 進捗情報受信部
133 検知部
134 再開条件決定部
135 再開要求部
141 ジョブキュー
142 機器状態記憶部
143 機器一覧記憶部
211 CPU
212 RAM
213 ROM
214 HDD
215 NVRAM
221 機器制御部
231 実行部
232 進捗情報送信部
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】