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特許7435184通信装置、通信装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20240214BHJP
【FI】
G06F21/62 318
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020068554
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165905
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 龍太郎
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-186160(JP,A)
【文献】特開2013-196263(JP,A)
【文献】国際公開第2010/100765(WO,A1)
【文献】特開2007-293464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0100517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
前記通信装置の外部の第1のウェブブラウザに、所定のファイル操作を受け付ける第1の操作画面を表示する第1のウェブページを提供し、前記通信装置の内部の第2のウェブブラウザに、前記所定のファイル操作を受け付ける第2の操作画面を表示する第2のウェブページを提供するウェブサーバ部と、
前記第2のウェブブラウザに基づく前記第2の操作画面を表示する操作受付部と、
を有し、
前記操作受付部は、前記所定のファイル操作の受け付けに応じて、前記通信装置が管理するディレクトリのうち、所定のディレクトリの範囲内で前記所定のファイル操作を実行し、
前記所定のディレクトリは、前記通信装置内のディレクトリを含まない、通信装置。
【請求項2】
前記所定のディレクトリは、前記通信装置に接続された外部記憶装置内のディレクトリを含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第2の操作画面は、前記所定のファイル操作を受け付ける表示要素を含み、
前記操作受付部は、前記表示要素の選択に応じて、前記所定のディレクトリに含まれる1つ以上のファイルを選択可能に表示するファイル選択画面を表示するファイル処理部を含む、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記ウェブサーバ部は、
前記第2のウェブブラウザのクッキーに所定のアクセス情報を記憶し、
前記第2のウェブブラウザからのアクセス要求に含まれる前記アクセス情報に応じて、前記第2のウェブブラウザに提供するウェブページを変更する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記ウェブサーバ部は、
前記第2のウェブブラウザのローカルストレージに所定のアクセス情報を記憶し、
前記第2のウェブブラウザからのアクセス要求に含まれる前記アクセス情報に応じて、前記第2のウェブブラウザに提供する前記第2のウェブページを変更する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記所定のアクセス情報は、前記第2のウェブブラウザが最後に閲覧していたウェブページのURL情報を含む、請求項又はに記載の通信装置。
【請求項7】
前記ウェブサーバ部は、前記通信装置の状態に応じて、前記第2のウェブブラウザに提供するウェブページを変更する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
通信装置が、
前記通信装置の外部の第1のウェブブラウザに、所定のファイル操作を受け付ける第1の操作画面を表示する第1のウェブページを提供する処理と、
前記通信装置の内部の第2のウェブブラウザに、前記所定のファイル操作を受け付ける第2の操作画面を表示する第2のウェブページを提供する処理と、
前記第2のウェブブラウザで前記第2の操作画面を表示する処理と、
前記第2の操作画面に対する前記所定のファイル操作の受け付けに応じて、前記通信装置が管理するディレクトリのうち、所定のディレクトリの範囲内で前記所定のファイル操作を実行する処理と、
を実行し、
前記所定のディレクトリは、前記通信装置内のディレクトリを含まない、通信装置の制御方法。
【請求項9】
通信装置に、
前記通信装置の外部の第1のウェブブラウザに、所定のファイル操作を受け付ける第1の操作画面を表示する第1のウェブページを提供する処理と、
前記通信装置の内部の第2のウェブブラウザに、前記所定のファイル操作を受け付ける第2の操作画面を表示する第2のウェブページを提供する処理と、
前記第2のウェブブラウザで前記第2の操作画面を表示する処理と、
前記第2の操作画面に対する前記所定のファイル操作の受け付けに応じて、前記通信装置が管理するディレクトリのうち、所定のディレクトリの範囲内で前記所定のファイル操作を実行する処理と、
を実行させ
前記所定のディレクトリは、前記通信装置内のディレクトリを含まない、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブブラウザにウェブページを提供する情報提供サーバにおいて、要求元のウェブブラウザから取得した情報に基づいて、提供するウェブページを切り替える技術が知られている。
【0003】
例えば、複数の代理店からのアクセス要求を代理店共通サイトで受け付けて、アクセス元の代理店に固有のウェブページを作成して表示させるウェブサーバが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、電子黒板等のウェブサーバの機能を有する通信装置において、通信装置が外部の端末装置等に提供している機能設定用のウェブページを利用して、通信装置の内部のウェブブラウザから通信装置の設定操作等を行いたいという要求がある。
【0005】
一方で、電子黒板等の通信装置では、セキュリティ要件を守る必要があるために、ユーザに通信装置の内部のディレクトリやファイル等を公開しないことが求められている。
【0006】
しかし、例えば、特許文献1に開示された技術では、一般的なウェブブラウザからのアクセスされることを想定しているため、要求元に応じて、提供するウェブページの表示内容をカスタマイズするに留まっていた。従って、通信装置の内部のウェブブラウザから、アップロード/ダウンロード等の所定のファイル操作を行うと、ウェブブラウザがOS(Operating System)のファイルシステムを呼び出して、通信装置の内部のディレクトリ構成が公開されてしまうという問題がある。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、通信装置が提供するウェブページを利用して、通信装置の内部のウェブブラウザから所定のファイル操作を行うときに、通信装置の内部のディレクトリ構成がユーザに公開されないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る通信装置は、前記通信装置の外部の第1のウェブブラウザに、所定のファイル操作を受け付ける第1の操作画面を表示する第1のウェブページを提供し、前記通信装置の内部の第2のウェブブラウザに、前記所定のファイル操作を受け付ける第2の操作画面を表示する第2のウェブページを提供するウェブサーバ部と、前記第2のウェブブラウザに基づく前記第2の操作画面を表示する操作受付部と、を有し、前記操作受付部は、前記所定のファイル操作の受け付けに応じて、前記通信装置が管理するディレクトリのうち、所定のディレクトリの範囲内で前記所定のファイル操作を実行し、前記所定のディレクトリは、前記通信装置内のディレクトリを含まない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、通信装置が提供するウェブページを利用して、通信装置の内部のウェブブラウザから所定のファイル操作を行うときに、通信装置の内部のディレクトリ構成がユーザに公開されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係る電子黒板の設定機能の概要について説明するための図である。
図3】一実施形態に係る表示画面の例を示す図(1)である。
図4】一実施形態に係る表示画面の例を示す図(2)である。
図5】一実施形態に係る表示画面の例を示す図(3)である。
図6】一実施形態に係る表示画面の例を示す図(4)である。
図7】一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。
図8】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図9】一実施形態に係る電子黒板、及び端末装置の機能構成の例を示す図である。
図10】一実施形態に係る電子黒板制御部の機能構成の例を示す図である。
図11】一実施形態に係る各画像レイヤの構成例を示す図である。
図12】一実施形態に係る設定処理の例を示すシーケンス図(1)である。
図13】一実施形態に係る設定処理の例を示すシーケンス図(2)である。
図14】第1の実施形態に係る決定処理の例を示すフローチャートである。
図15】第2の実施形態に係る決定処理の例を示すフローチャートである。
図16】第3の実施形態に係る決定処理の例を示すフローチャートである。
図17】第3の実施形態に係る表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
<システムの概要>
図1は、一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。通信システム1は、例えば、図1に示されているように、複数の電子黒板2a、2b、複数の電子ペン4a、4b、複数のUSB(Universal Serial Bus)メモリ5a、5b、複数のノートPC(Personal Computer)6a、6b、複数のテレビ(ビデオ)会議端末7a、7b、及び端末装置8等を含む。また、電子黒板2a、2bと、端末装置8は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網等の通信ネットワーク9を介して通信可能に接続されている。さらに、複数の電子黒板2a、2bには、それぞれ、ディスプレイ3a、3bが設けられている。
【0013】
なお、以下の説明において、複数の電子黒板2a、2bのうち、任意の電子黒板を示す場合、「電子黒板2」を用い、複数のディスプレイ3a、3bのうち、任意のディスプレイを示す場合、「ディスプレイ3」を用いる。また、複数の電子ペン4a、4bのうち、任意の電子ペンを示す場合、「電子ペン4」を用い、複数のUSBメモリ5a、5bのうち、任意のUSBメモリを示す場合、「USBメモリ5」を用いる。さらに、複数のノートPC6a、6bのうち、任意のノートPCを示す場合、「ノートPC6」を用い、複数のテレビ会議端末7a、7bのうち、任意のテレビ会議端末を示す場合、「テレビ会議端末7」を用いる。
【0014】
電子黒板(通信装置の一例)2は、例えば、共有用の画像データや、ストロークデータ等のコンテンツデータを相互に通信する通信装置であり、IWB(Interactive White Board)とも呼ばれる。なお、通信システム1は、2つの電子黒板2a、2bに限らず、3つ以上の電子黒板2を有していても良い。
【0015】
電子黒板2は、電子ペン4によって生じたイベント(例えば、ディスプレイ3に電子ペン4のペン先、又は電子ペン4のペン尻のタッチ等)により描画された画像(以下、ストローク画像と呼ぶ)を、ディスプレイ3に表示させることができる。また、電子黒板2は、電子ペン4に限られず、例えば、ユーザの手H等によって生じたイベントにより描画されたストローク画像を、ディスプレイ3に表示させることができる。さらに、電子黒板2は、電子ペン4、ユーザの手H等による、例えば、拡大、縮小、ページめくり等の操作(ジェスチャ等)に基づいて、ディスプレイ3上に表示されているストローク画像を変更させることも可能である。
【0016】
また、電子黒板2には、USBメモリ5等の外部記憶装置を接続可能であり、電子黒板2は、USBメモリ5等からの画像データや文書データ等の電子ファイルの読み出しや、USBメモリ5等への電子ファイルの書き込み等を行うことができる。
【0017】
さらに、電子黒板2aには、例えば、DisplayPort、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)及びVGA(Video Graphics Array)等の規格による通信が可能なケーブル10を介して、ノートPC6を接続することができる。そして、電子黒板2は、ディスプレイ3に対する接触によってイベントを発生させ、このイベントを示すイベント情報を、マウスやキーボード等の入力装置からのイベントと同様に、ノートPC6に送信することができる。
【0018】
また、電子黒板2には、例えば、上記の規格による通信が可能なケーブル11を介して、テレビ会議端末7が接続されている。なお、ノートPC6、及びテレビ会議端末7は、ケーブルに限られず、例えば、Bluetooth(登録商標)等の各種の無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、電子黒板2aと通信可能に接続されているものであっても良い。
【0019】
上記の構成により、電子黒板2a、2bは、通信ネットワーク9を介して、例えば、共有用の資料画像等の画像データを送受信することにより、通信システム1を利用する利用者が、同じ資料画像を共有することができる。資料画像は、電子黒板2のディスプレイ3に表示される画像であり、例えば、会議の資料や、ノートPC6でキャプチャしたキャプチャ画面等の画像が含まれ得る。
【0020】
また、電子黒板2a、2bは、通信ネットワーク9を介して、例えば、共有用のストローク画像のストロークデータを送受信することにより、通信システム1を利用する利用者が、同じストローク画像を共有することができる。例えば、一の拠点で電子黒板2aのディスプレイ3a上に描画されたストローク画像は、他の拠点で電子黒板2bのディスプレイ3b上にも表示される。同様に、他の拠点で電子黒板2bのディスプレイ3b上に描画されたストローク画像は、一の拠点で電子黒板2aのディスプレイ3a上に表示される。このように、通信システム1では、遠隔地において同じ資料画像、ストローク画像等を共有する遠隔共有処理を行うことができるため、遠隔地での会議等に用いると、非常に便利である。
【0021】
なお、電子黒板2は、テレビ会議端末7の機能(例えば、通話用の映像データ及び音データを送受信する機能、カメラ、マイク、スピーカ等)をさらに有していても良い。この場合、電子黒板2には、テレビ会議端末7が接続されていなくても良い。また、ノートPC6は、オプションであり、必須ではない。
【0022】
なお、図1に示した通信システム1のシステム構成は一例である。例えば、電子黒板2は、本実施形態に係る通信装置の一例である。本実施形態に係る通信装置は、電子黒板2に限られず、例えば、電子看板(デジタルサイネージ)、スポーツや天気予報等で利用されるテレストレータ、遠隔画像(映像)診断装置、又はテレビ会議端末7等であっても良い。また、ノートPCは、例えば、デスクトップ型PC、タブレット型PC、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、ゲーム機等の画像フレームを供給可能な様々な機器であっても良い。さらに、USBメモリ5は、本実施形態に係る外部記憶装置の一例である。本実施形態に係る外部記憶装置は、電子黒板2に接続可能な様々な外部記憶装置、例えば、各種のメモリカード、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であっても良い。
【0023】
(設定機能について)
図2は、一実施形態に係る電子黒板の設定機能の概要について説明するための図である。本実施形態に係る電子黒板2は、例えば、図2に示すように、通信ネットワーク9を介して通信可能に接続された端末装置8から、電子黒板2の機能等を設定する機能を有している。例えば、電子黒板2は、電子黒板2の機能等を設定する設定画面(第1の操作画面)を表示するウェブページを、端末装置8に提供するウェブサーバ部201を有している。ウェブサーバ部201は、設定画面で設定された設定情報(例えば、パスワードの設定、ログイン画像の設定、各機能の設定等)を電子黒板2の記憶部202等に記憶して管理する。
【0024】
端末装置8は、一般的なウェブブラウザである第1のウェブブラウザ211を備えた、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン等の情報端末(コンピュータ)である。電子黒板2の管理者(又は利用者)等は、第1のウェブブラウザ211を用いて、電子黒板2のウェブサーバ部201が提供するウェブページにアクセスして、例えば、図3に示すような、電子黒板2の機能等を設定する設定画面300を表示することができる。
【0025】
図3は、電子黒板2のウェブサーバ部201が、端末装置8の第1のウェブブラウザ211に表示させる設定画面(第1の操作画面)300の一例のイメージを示している。図3の例では、設定画面300には、電子黒板2のログイン画面に表示するログイン画像を記憶部213等から読み込むための「読込」ボタン301、及びログイン画像を記憶部213等に書き込むための「書込」ボタン302等が表示されている。また、設定画面300には、電子黒板2の様々な機能等を設定する機能設定画面を呼び出す機能設定ボタン303、電子黒板2のパスワードを設定する設定欄304、及び「設定」ボタン305等が表示されている。なお、図3に示す設定画面300に含まれる、ログイン画像、機能設定、パスワード設定等は、電子黒板2の機能等を設定する設定項目の一例である。
【0026】
この設定画面300は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)、css(Cascading Style Sheets)、JavaScript(登録商標)等の言語によって作成されている。したがって、管理者等は、設定画面300に対して所定の操作を行うことにより、設定操作を行うことができる。
【0027】
例えば、管理者等は、電子黒板2のログイン画像を設定する場合、設定画面300の「読込」ボタン301を選択する。これにより、第1のウェブブラウザ211は、例えば、図4に示すような、ファイル選択画面400を表示する。このファイル選択画面400は、第1のウェブブラウザ211が、例えば、端末装置8のOS(Operating System)の機能等を利用して表示する。このファイル選択画面400により、管理者等は、端末装置8の記憶部213等に記憶した任意の画像を、電子黒板2のログイン画像として選択することができる。
【0028】
なお、このような、電子黒板2の機能等を設定する設定画面300を、電子黒板2のディスプレイ3にも表示したいという要求がある。これにより、例えば、端末装置8から電子黒板2の機能等を設定する仕組みと、電子黒板2のディスプレイ3から電子黒板2の機能等を設定する仕組みとを共通化して、設定機能の開発や管理等に要する手間を削減することができる。
【0029】
そこで、本実施形態に係る電子黒板2は、電子黒板2の範囲内で、ウェブサーバ200が提供するウェブページを表示する第2のウェブブラウザ203を有している。ただし、第2のウェブブラウザ203を用いて、図3に示すような設定画面300を表示してしまうと、例えば、「読込」ボタン301が選択されたときに、図4に示すようなファイル選択画面400に電子黒板2のディレクトリ構成が表示されてしまうという問題がある。なお、ここでは、電子黒板2には、セキュリティ要件として、電子黒板2の内部のディレクトリ構成をユーザに公開しないことが求められているものとする。
【0030】
そこで、本実施形態に係る電子黒板2のウェブサーバ部201は、電子黒板2の内部のウェブブラウザである第2のウェブブラウザ203に対して、図3に示すような設定画面300に代えて、図5に示すような設定画面500を提供する。
【0031】
図5は、電子黒板2のウェブサーバ部201が、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザ203に提供する設定画面(第2の操作画面)500の一例のイメージを示している。図5の例では、設定画面500には、電子黒板2のログイン画面に表示するログイン画像をUSBメモリ5等から読み込む「読込」ボタン501、及びログイン画像をUSBメモリ5等に書き込む「書込」ボタン502等が表示されている。また、設定画面500には、設定画面300と同様に、電子黒板2の様々な機能等を設定する機能設定画面を呼び出す機能設定ボタン303、電子黒板2のパスワードを設定する設定欄304、及び「設定」ボタン305等が表示されている。なお、図5に示した設定画面500において、「読込」ボタン501、及び「書込」ボタン502の外観は、図3に示す設定画面300に含まれる「読込」ボタン301、及び「書込」ボタン302の外観と同じであっても良い。
【0032】
設定画面500は、設定画面300と同様に、例えば、HTML、XML、css、JavaScript等の言語によって作成されているので、管理者等は、設定画面500に対して所定の操作を行うことにより、設定操作を行うことができる。
【0033】
例えば、管理者等は、電子黒板2のログイン画像を設定する場合、設定画面500の「読込」ボタン501を選択する。これにより、例えば、「読込」ボタン501が選択されたことを示すイベントが発行され、このイベントをトリガとして、電子黒板2は、例えば、図6に示すようなファイル選択画面600を表示する。このファイル選択画面600には、例えば、USBメモリ5等の外部記憶装置内に記憶されているファイル601や、ディレクトリ等が選択可能に表示され、電子黒板2の内部のディレクトリ構成は表示されない。
【0034】
このように、本実施形態に係る電子黒板2によれば、ユーザは、電子黒板2が有する第2のウェブブラウザ203を用いて、電子黒板2の内部のディレクトリ構成をユーザに公開することなく、電子黒板2の機能等を設定することができる。
【0035】
<ハードウェア構成>
(電子黒板のハードウェア構成)
図7は、一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、SSD(Solid State Drive)104、ネットワークI/F(Interface)105、及び、外部機器接続I/F106等を備えている。
【0036】
これらのうち、CPU101は、電子黒板2全体の動作を制御する演算装置である。ROM102は、CPU101やIPL(Initial Program Loader)等のCPU101の起動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。SSD104は、電子黒板2用のプログラム等の各種データを記憶する大容量の記憶装置である。なお、SSD104は、図2の記憶部202の一例である。
【0037】
ネットワークI/F105は、電子黒板2を通信ネットワーク9に接続し、通信を行うための通信インタフェースである。外部機器接続I/F106は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。なお、外部機器には、例えば、USBメモリ5等が含まれる。
【0038】
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス111、GPU(Graphics Processing Unit)112、ディスプレイコントローラ113、接触センサ114、センサコントローラ115、及び電子ペンコントローラ116等を備えている。
【0039】
これらのうち、キャプチャデバイス111は、例えば、ノートPC6のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。或いは、キャプチャデバイス111は、ノートPC6のディスプレイ等に表示されている表示画面等を、静止画、又は動画としてキャプチャ(取得)する。GPU112は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップ(プロセッサ)である。ディスプレイコントローラ113は、GPU112からの出力画像をディスプレイ3や、テレビ会議端末7等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ114は、ディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ115は、接触センサ114の処理を制御する。
【0040】
この接触センサ114は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ114は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のID(Identification)をセンサコントローラ115に出力し、センサコントローラ115が、物体の接触位置である座標位置を特定する。なお、以下に示す全ての各IDは、識別情報の一例である。
【0041】
また、接触センサ114としては、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2の抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いても良い。
【0042】
電子ペンコントローラ116は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。なお、電子ペンコントローラ116は、電子ペン4のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしても良い。
【0043】
さらに、電子黒板2は、上記の各構成要素を、図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含むバスライン120を備えている。
【0044】
なお、電子黒板2用のプログラムは、例えば、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしても良い。
【0045】
<端末装置のハードウェア構成>
端末装置8は、例えば、図8に示すようなコンピュータ800のハードウェア構成を備えている。図8は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ800は、例えば、CPU801、ROM802、RAM803、HD(Hard Disk)804、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ805、ディスプレイ806、外部機器接続I/F807、ネットワークI/F808、キーボード809、ポインティングデバイス810、DVD-RW(Digital Versatile Disk ReWritable)ドライブ812、メディアI/F814、及びバスライン815等を備えている。
【0046】
これらのうち、CPU801は、コンピュータ800の全体の動作を制御する演算装置である。ROM802は、IPL等のCPU801の起動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。HD804は、OSやアプリケーション等のプログラムや、各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置である。HDDコントローラ805は、CPU801の制御にしたがってHD804に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0047】
ディスプレイ806は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F807は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F808は、通信ネットワーク9を利用してデータ通信をするための通信インタフェースである。キーボード809は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス810は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
【0048】
DVD-RWドライブ812は、に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。なお、DVD-RWドライブ812は、DVD-RW811ではなく、他の形式のディスクに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御しても良い。メディアI/F814は、フラッシュメモリ等のメディア813に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン815は、上記の各構成要素を、図7に示されるように電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0049】
<機能構成>
図9は、一実施形態に係る電子黒板、及び端末装置の機能構成の例を示す図である。
【0050】
(端末装置の機能構成)
端末装置8は、例えば、第1のウェブブラウザ211、及び記憶部213等を有する。
【0051】
第1のウェブブラウザ211は、例えば、図8のCPU801が実行する汎用のウェブブラウザ(プログラム)等によって実現される。管理者等は、第1のウェブブラウザ211を用いて、電子黒板2のウェブサーバ部201にアクセスして、電子黒板2の機能等を設定する設定画面(第1の操作画面の一例)を表示するウェブページを表示することができる。
【0052】
記憶部213は、例えば、図8のCPU801で実行されるプログラム、およびHD804、HDDコントローラ805等によって実現され、画像データや、電子黒板2の設定情報等の様々なデータや情報を記憶する。
【0053】
(電子黒板の機能構成)
電子黒板(通信装置の一例)2は、例えば、図7のCPU101で1つ以上のプログラムを実行することにより、ウェブサーバ部201、記憶部202、操作受付部910、及び電子黒板制御部920等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0054】
ウェブサーバ部201は、例えば、図9に示されるように、ウェブページ提供部901、及び設定情報管理部902を含む。
【0055】
ウェブページ提供部901は、電子黒板2の外部の第1のウェブブラウザに、所定のファイル操作(例えば、ファイル一覧の表示操作、ファイルの読込/書込操作等)を受け付ける第1の操作画面を表示する第1のウェブページを提供する。例えば、ウェブページ提供部901は、端末装置8の第1のウェブブラウザ211に、図3で説明した設定画面300(第1の操作画面の一例)を表示する第1のウェブページを提供する。
【0056】
また、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザに、所定のファイル操作を受け付ける第2の操作画面を表示する第2のウェブページを提供する。例えば、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザ203に、図5で説明した設定画面500(第2の操作画面の一例)を表示する第2のウェブページを提供する。
【0057】
なお、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザ203が、ウェブサーバ部201にアクセスするときには、ループバックアドレスと呼ばれる自分自身(電子黒板2)を指すIP(Internet Protocol)アドレスを用いる。このループバックアドレスとしては、例えば、IPv4アドレスの場合、「127.0.0.1」等が用いられる。従って、ウェブページ提供部901は、ウェブブラウザのIPアドレスが、このループバックアドレスであるか否かを確認することにより、第2のウェブブラウザ203であるか否かを判断することができる。ただし、これに限られず、ウェブページ提供部901は、ウェブブラウザから送信されるユーザエージェント等の情報に基づいて、アクセス元のウェブブラウザが、第2のウェブブラウザ203であるか否かを判断するもの等であっても良い。
【0058】
設定情報管理部902は、ウェブページ提供部901が提供する設定画面(設定画面300、又は設定画面500)で設定された設定内容を、記憶部202に記憶した設定情報903に反映する。この設定情報903は、後述する電子黒板制御部920によって用いられる。
【0059】
記憶部202は、例えば、図7のCPU101で実行されるプログラム、及びSSD104等によって実現され、設定情報903や、第1のウェブページ、第2のウェブページ等を作成するためのウェブ情報904等の様々な情報を記憶する。
【0060】
操作受付部910は、例えば、図9に示すように、第2のウェブブラウザ203、及びファイル処理部911を含み、第2のウェブブラウザ203に基づく操作画面(設定画面)を表示する。
【0061】
第2のウェブブラウザ203は、例えば、電子黒板2の範囲内で、ウェブサーバ200が提供する第2のウェブページを表示するウェブブラウザである。例えば、操作受付部910は、管理者等による設定画面の表示操作を受け付けると、第2のウェブブラウザ203を用いて、ウェブサーバ部201から設定画面500を表示する第2のウェブページを取得して、設定画面500をディスプレイ3に表示する。
【0062】
ファイル処理部911は、第2のウェブブラウザが表示する設定画面500に対する所定のファイル操作の受け付けに応じて、電子黒板2が管理するディレクトリのうち、所定のディレクトリの範囲内で所定のファイル操作を実行する。
【0063】
好ましくは、所定のディレクトリには、電子黒板2に接続された、例えば、USBメモリ5等の外部記憶装置内のディレクトリが含まれる。また、所定のディレクトリには、電子黒板2内のディレクトリが含まれない。
【0064】
例えば、図5に示すような設定画面500において「読込」ボタン501が選択されると、「読込」ボタン501が選択されたことを示すUIイベントが発行される。ファイル処理部911は、このUIイベントをトリガとして、例えば、USBメモリ5内のファイル601や、ディレクトリ等を表示するファイル選択画面600を、ディスプレイ3に表示する。これにより、電子黒板2は、電子黒板2内のディレクトリがユーザ(管理者等)に表示されてしまうことを防止することができる。
【0065】
電子黒板制御部920は、電子黒板2が提供する電子黒板の機能を制御する制御部である。なお、電子黒板制御部920は、本実施形態に係る通信装置が提供する機能を制御する制御部の一例である。例えば、通信装置がテレビ会議端末7である場合、通信装置は、電子黒板制御部920に代えて、テレビ会議端末の機能を制御するテレビ会議制御部等を有する。ここでは、電子黒板2が備える電子黒板制御部920の概要について説明する。
【0066】
図10は、一実施形態に係る電子黒板制御部の機能構成の例を示す図である。
【0067】
電子黒板2は、最初に遠隔共有処理を開始する「主催装置」となり得ると共に、既に開始されている遠隔共有処理に後から参加する「参加装置」にもなり得る。電子黒板2が主催装置となる場合、この電子黒板2では、クライアント部20とサーバ部90とが実現される。また、電子黒板2が参加装置となる場合、この電子黒板2では、クライアント部20は実現されるが、サーバ部90は実現されない。
【0068】
例えば、図1において、電子黒板2aが主催装置で、電子黒板2bが参加装置となる場合、電子黒板2aのクライアント部20は、同じ電子黒板2a内に実現されたサーバ部90を介して、他の電子黒板2bのクライアント部20と通信を行う。一方、電子黒板2bのクライアント部20は、他の電子黒板2a内に実現されたサーバ部90を介して、他の電子黒板2aのクライアント部と通信を行う。
【0069】
〔クライアント部の機能構成〕
クライアント部20は、図10に示すように、例えば、映像取得部21、座標検知部22、自動調整部23、接触検知部24、イベント振分部25、操作処理部26、ジェスチャ処理部27、映像重畳部28、画像処理部30、及び通信制御部60等を有する。
【0070】
映像取得部21は、ケーブル10に接続された映像出力機器(例えば、ノートPC6等)の出力映像を取得する。例えば、映像取得部21は、映像出力機器から出力される画像信号を解析して、この画像信号によって形成される映像出力機器の表示画像である画像フレームの解像度や、この画像フレームの更新頻度等の画像情報を導出し、画像取得部31に出力する。
【0071】
座標検知部22は、ディスプレイ3上でユーザによって生じたイベント(例えば、ディスプレイ3上にユーザの手Hがタッチされた動作等)の座標位置を検出する。また、座標検知部22は、タッチされた面積も検出する。
【0072】
自動調整部23は、電子黒板2の起動時に起動され、接触センサ114が座標検知部22に適切な値を出力できるように、接触センサ114の光センサ方式におけるセンサーカメラの画像処理のパラメータを調整する。
【0073】
接触検知部24は、ユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上に電子ペン4のペン先又は電子ペン4のペン尻が押下(タッチ)された動作等)を検出する。
【0074】
イベント振分部25は、座標検知部22によって検知されたイベントの座標位置と接触検知部24によって検出された検出結果を、ストローク描画、UI操作、及びジェスチャ操作の各イベントに振り分ける。
【0075】
ここで、「ストローク描画」は、ディスプレイ3上に図11に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザがディスプレイ3上で電子ペン4を押下し、この押下した状態で電子ペン4を移動させ、最終的にディスプレイ3上から電子ペン4を離すまでのイベントである。このストローク描画により、例えば、アルファベット「S」や「T」等がディスプレイ3上に描画される。なお、この「ストローク描画」には、画像を描画するだけでなく、既に描画された画像の削除、描画された画像の編集等のイベントも含まれる。
【0076】
「UI操作」は、ディスプレイ3上に図11に示されている後述のUI画像(A)が表示されている場合に、ユーザが電子ペン4又は手Hによって所定の位置を押下したイベントである。このUI操作により、例えば、電子ペン4により描画される線の色や幅等が設定される。
【0077】
「ジェスチャ操作」は、ディスプレイ3上に図11に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザが手Hでディスプレイ3上をタッチ、又は移動させるイベントである。このジェスチャ操作により、例えば、ユーザがディスプレイ3に手Hをタッチさせた状態で手Hを移動させることで、画像の拡大(若しくは縮小)、表示領域の変更、又は、ページ切り換え等を行うことができる。
【0078】
操作処理部26は、イベント振分部25によってUI操作と判断されたものから、イベントが発生されたUIの要素に従って、各種操作を実行する。このUIの要素としては、例えば、ボタン、リスト、チェックボックス、テキストボックスが挙げられる。
【0079】
ジェスチャ処理部27は、イベント振分部25によってジェスチャ操作と判断されたものに対応した操作を実行する。
【0080】
映像重畳部28は、後述の表示重畳部36で重畳された画像を映像として映像出力機器(例えば、ディスプレイ3等)に対して表示する。また、映像重畳部28は、映像出力機器(例えば、ノートPC6等)からの映像に対して、他の映像出力機器(例えば、テレビ会議端末7等)から送られて来た映像をピクチャ・イン・ピクチャする。更に、映像重畳部28は、ピクチャ・イン・ピクチャされてディスプレイ3の一部に表示された映像を、ディスプレイ3の全体に表示させるための切り替えを行う。
【0081】
画像処理部30は、例えば、図11に示されているような各画像レイヤの重畳処理等を行う。この画像処理部30は、例えば、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33、背景生成部34、レイアウト管理部35、表示重畳部36、ページ処理部37、及びページデータ記憶部50等を含む。
【0082】
このうち、画像取得部31は、映像取得部21で取得された映像から、各フレームを画像として取得する。画像取得部31は、この画像のデータを、ページ処理部37に出力する。この画像は、図11に示されている映像出力機器(ノートPC6等)からの出力画像(C)に相当する。
【0083】
ストローク処理部32は、イベント振分部25によって割り振られたストローク描画に係るイベントに基づいて、画像を描画したり、描画された画像を削除したり、描画された画像を編集する。このストローク描画による画像は、図11に示されているストローク画像(B)に相当する。
【0084】
UI画像生成部33は、電子黒板2に予め設定されているUI(ユーザインターフェース)画像を生成する。このUI画像は、図11に示されているUI画像(A)に相当する。
【0085】
背景生成部34は、ページ処理部37がページデータ記憶部50から読み出したページデータのうちのメディアデータを、ページ処理部37から受信する。背景生成部34は、この受信したメディアデータを表示重畳部36に出力する。また、このメディアデータによる画像は、図11に示されている背景画像(D)に相当する。背景画像(D)のパターンは、例えば、無地、グリッド表示等である。
【0086】
レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、画像取得部31、ストローク処理部32、及びUI画像生成部33(又は背景生成部34)から出力された各画像のレイアウトを示すレイアウト情報を管理している。これにより、レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、出力画像(C)及びストローク画像(B)を、UI画像(A)及び背景画像(D)中のどの位置に表示させるか又は非表示にさせるかを指示することができる。
【0087】
表示重畳部36は、レイアウト管理部35から出力されたレイアウト情報に基づき、画像取得部31、ストローク処理部32、及びUI画像生成部33(背景生成部34)から出力された各画像のレイアウトを行う。
【0088】
ページ処理部37は、ストローク画像(B)のデータと出力画像(C)のデータを、1つのページデータにまとめてページデータ記憶部50に記憶する。
【0089】
通信制御部60は、通信ネットワーク9を介して、他の電子黒板2と行う通信や、サーバ部90における後述の通信制御部70と行う通信を制御する。
【0090】
なお、本実施形態に係る電子黒板2の設定処理ではクライアント部20を用いないため、ここでは、クライアント部20に関する詳細な説明は省略する。
【0091】
〔サーバ部の機能構成〕
サーバ部90は、各電子黒板2に設けられており、いずれの電子黒板2であっても、サーバ部としての役割を果たすことができる。そのため、サーバ部90は、通信制御部70、及びデータ管理部80を有している。
【0092】
通信制御部70は、同じ電子黒板2内のクライアント部20における通信制御部70、及び通信ネットワーク9を介して他の電子黒板2内のクライアント部20における通信制御部70との通信を制御する。データ管理部80は、例えば、操作データや画像データ等の様々なデータを管理する。
【0093】
なお、本実施形態に係る電子黒板の設定処理ではサーバ部90を用いないため、ここでは、サーバ部90に関する詳細な説明は省略する。
【0094】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る通信装置(電子黒板2)の制御方法の処理の流れについて説明する。
【0095】
(設定処理1)
図12は、一実施形態に係る設定処理の例を示すシーケンス図(1)である。この処理は、管理者等が、端末装置8を利用して電子黒板2の機能等を設定する設定処理の例を示している。
【0096】
ステップS1201において、管理者等が、端末装置8の第1のウェブブラウザ211に対して設定画面の表示操作を行うものとする。これに応じて、ステップS1202において、第1のウェブブラウザ211は、設定画面の表示要求を電子黒板2のウェブサーバ部201に送信する。この設定画面の表示要求には、要求元のIPアドレス(例えば、端末装置8のIPアドレス等)が含まれる。
【0097】
ステップS1203において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに提供するウェブページを決定する。ここでは、要求元のウェブブラウザは、電子黒板2の外部の第1のウェブブラウザ211なので、ウェブページ提供部901は、要求元の第1のウェブブラウザ211に対して、設定画面300を表示する第1のウェブページを提供することを決定する。なお、具体的なウェブページの決定方法の例については、後述する第1~3の実施形態で説明する。
【0098】
ステップS1204、S1205において、ウェブページ提供部901は、設定画面300を表示する第1のウェブページを作成し、要求元の第1のウェブブラウザ211に送信する。
【0099】
ステップS1206において、端末装置8の第1のウェブブラウザ211は、ウェブサーバ部201から送信された第1のウェブページを表示することにより、例えば、図3に示すような設定画面300を表示する。
【0100】
ステップS1207において、管理者等は、表示された設定画面300に対して、ファイルの読み込み操作(所定のファイル操作の一例)を行うものとする。例えば、管理者等は、図3に示すような設定画面300において、「読込」ボタン301を選択する。
【0101】
ステップS1208において、端末装置8の第1のウェブブラウザ211は、管理者等による読み込み操作に応じて、例えば、図4に示すようなファイル選択画面400を表示する。例えば、第1のウェブブラウザ211は、端末装置8のOSの機能を利用して、ファイル選択画面400を表示する。
【0102】
ステップS1209において、管理者等は、表示されたファイル選択画面400に対して、ファイル選択操作を行う。例えば、ファイル選択画面400には、端末装置8の記憶部213(HD804等)に記憶されているファイルやディレクトリを表示することができる。従って、管理者等は、ファイル選択画面400により、端末装置8の記憶部213に記憶されている任意のファイルを選択することができる。
【0103】
ステップS1210において、端末装置8の第1のウェブブラウザ211は、例えば、選択されたファイルを一時的に記憶して、ファイル選択画面400を閉じる。
【0104】
ステップS1211において、管理者等は、設定画面300に対して、設定操作を行うものとする。例えば、管理者等は、図3に示す設定画面300において、「設定」ボタン305を選択する。
【0105】
ステップS1212において、端末装置8の第1のウェブブラウザ211は、管理者等によって設定された設定内容を、電子黒板2のウェブサーバ部201に送信する。この設定内容には、例えば、ステップS1209で選択されたファイル等が含まれる。
【0106】
ステップS1213において、ウェブサーバ部201の設定情報管理部902は、端末装置8から送信された設定内容を、一時ファイル等に記憶する。
【0107】
ステップS1214において、管理者等が、設定画面300の終了操作を行うものとする。例えば、管理者等は、第1のウェブブラウザ211に表示されている設定画面300を閉じる。
【0108】
ステップS1215、S1216において、設定画面300の表示が終了すると、ウェブサーバ部201の設定情報管理部902は、一時ファイル等に記憶した設定内容を、電子黒板2の記憶部202に記憶されている設定情報903に反映する。
【0109】
上記の処理により、管理者等は、端末装置8を用いて、電子黒板2の機能等を設定することができる。
【0110】
(設定処理2)
図13は、一実施形態に係る設定処理の例を示すシーケンス図(2)である。この処理は、管理者等が、電子黒板2のディスプレイ3に表示される設定画面500を利用して、電子黒板2の機能等を設定する設定処理の例を示している。
【0111】
ステップS1301において、管理者等が、電子黒板2に対して設定画面の表示操作を行うと、ステップS1302において、操作受付部910は、第2のウェブブラウザ203を用いて、設定画面の表示要求をウェブサーバ部201に送信する。この設定画面の表示要求には、例えば、前述したループバックアドレス等が含まれる。
【0112】
ステップS1303において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに提供するウェブページを決定する。ここでは、要求元のウェブブラウザは、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザ203なので、ウェブページ提供部901は、要求元の第2のウェブブラウザ203に対して、設定画面500を表示する第2のウェブページを提供すると決定する。なお、具体的なウェブページの決定方法の例については、後述する第1~3の実施形態で説明する。
【0113】
ステップS1304、S1305において、ウェブページ提供部901は、設定画面500を表示する第2のウェブページを作成し、要求元の第2のウェブブラウザ203に送信する。
【0114】
ステップS1306において、操作受付部910の第2のウェブブラウザ203は、ウェブサーバ部201から送信された第2のウェブページを表示することにより、例えば、図5に示すような設定画面500を、ディスプレイ3に表示する。
【0115】
ステップS1307において、管理者等は、表示された設定画面500に対して、ファイルの読み込み操作(所定のファイル操作の一例)を行うものとする。例えば、管理者等は、図5に示す設定画面500において、「読込」ボタン501を選択する。
【0116】
ステップS1308において、操作受付部910の第2のウェブブラウザ203は、「読込」ボタン501が選択されたことを示すUIイベントをファイル処理部911に通知する。なお、設定画面500の「読込」ボタン501(表示要素の一例)は、選択されると、「読込」ボタン501が選択されたことを示すUIイベントをファイル処理部911に通知するHTML要素等によって構成されている。
【0117】
ステップS1309において、操作受付部910のファイル処理部911は、第2のウェブブラウザ203から通知されたUIイベントをトリガとして、例えば、図6に示すようなファイル選択画面600を、ディスプレイ3に表示する。好ましくは、このファイル選択画面600には、例えば、USBメモリ5等の外部記憶装置内のファイルやディレクトリが表示される。また、このファイル選択画面600には、電子黒板2内のファイルやディレクトリは表示されない。
【0118】
ステップS1310において、管理者等は、表示されたファイル選択画面600に対して、ファイル選択操作を行う。
【0119】
ステップS1311において、操作受付部910のファイル処理部911は、例えば、選択されたファイルを一時的に記憶して、ファイル選択画面600を閉じる。
【0120】
ステップS1312において、管理者等は、設定画面500に対して、設定操作を行うものとする。例えば、管理者等は、図5に示す設定画面500において、「設定」ボタン305を選択する。
【0121】
ステップS1313において、操作受付部910の第2のウェブブラウザ203は、管理者等によって設定された設定内容をウェブサーバ部201に送信する。この設定内容には、例えば、ステップS1310で選択されたファイル等が含まれる。
【0122】
ステップS1314において、ウェブサーバ部201の設定情報管理部902は、操作受付部910から送信された設定内容を、一時ファイル等に記憶する。
【0123】
ステップS1315において、管理者等が、設定画面500の終了操作を行うものとする。ステップS1316、S1317において、設定画面500の表示が終了すると、ウェブサーバ部201の設定情報管理部902は、一時ファイル等に記憶した設定内容を、電子黒板2の記憶部202に記憶されている設定情報903に反映する。
【0124】
上記の処理により、電子黒板2は、電子黒板2の内部のディレクトリ構成をユーザ(管理者等)に公開することなく、ユーザによる電子黒板2の機能等の設定を受け付けることができるようになる。
【0125】
(ウェブページの決定処理)
続いて、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901が実行するウェブページの決定処理の例について、複数の実施形態を例示して説明する。
【0126】
[第1の実施形態]
図14は、第1の実施形態に係る決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図12のステップS1203、及び図13のS1303において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901が実行する、要求元のウェブブラウザに提供するウェブページを決定する処理の一例を示している。
【0127】
ステップS1401において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901が、第1のウェブブラウザ211、又は第2のウェブブラウザ203から、設定画面の表示要求を受信すると、ステップS1402以降の処理が実行される。
【0128】
ステップS1402において、ウェブページ提供部901は、設定画面の表示要求に含まれる要求元のIPアドレスを確認する。
【0129】
ステップS1403において、ウェブページ提供部901は、要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレス(例えば、ループバックアドレス)であるか否かを判断する。要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレスでない場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1404に移行させる。一方、要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレスである場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1405に移行させる。
【0130】
ステップS1404に移行すると、ウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに、例えば、図3に示すような設定画面300(第1の操作画面の一例)を表示する第1のウェブページを提供することを決定する。
【0131】
一方、ステップS1405に移行すると、ウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに、例えば、図5に示すような設定画面500(第2の操作画面の一例)を表示する第2のウェブページを提供することを決定する。
【0132】
上記の処理により、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の外部の第1のウェブブラウザ211に対して第1のウェブページを提供し、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザ203に対して第2のウェブページを提供することができる。
【0133】
[第2の実施形態]
図15は、第2の実施形態に係る決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図12のステップS1203、及び図13のS1303において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901が実行する、要求元のウェブブラウザに提供するウェブページを決定する処理の別の一例を示している。なお、図15に示す処理のうち、ステップS1401~S1404の処理は、図14で説明した第1の実施形態の処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行う。
【0134】
ステップS1403において、要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレスであると判断された場合、ステップS1501以降の処理が実行される。
【0135】
ステップS1501において、ウェブページ提供部901は、設定画面の表示要求(アクセス要求の一例)に含まれるクッキー(cookie)情報を確認する。クッキーは、ウェブサーバ側からウェブブラウザ側の記憶領域(クッキー)に情報を保存する機能であり、ウェブブラウザ側は、メッセージを送信するときにクッキーに記憶されている情報(クッキー情報)を自動的にウェブサーバ側に送信する。
【0136】
このクッキーを用いて、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901は、ウェブブラウザに、例えば、一度設定した情報、選択肢の選択履歴、訪問回数、最後に閲覧していた設定ページ等の所定のアクセス情報を記憶しておくことができる。
【0137】
ステップS1502において、ウェブページ提供部901は、クッキーに所定のアクセス情報が含まれているか否かを判断する。例えば、所定のアクセス情報が、「最後に閲覧した設定ページ」である場合、ウェブページ提供部901は、受信した設定画面の表示要求に含まれるクッキー情報に、「最後に閲覧した設定ページ」が含まれるか否かを判断する。
【0138】
クッキーに所定のアクセス情報が含まれていない場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1503に移行させる。一方、クッキーに所定のアクセス情報が含まれている場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1504に移行させる。
【0139】
ステップS1503に移行すると、ウェブページ提供部901は、第2のウェブページのトップページを、要求元のウェブブラウザに提供することを決定する。例えば、ウェブページ提供部901は、ウェブページ提供部901が提供する複数の第2のウェブページのうち、既定の第2のウェブページを、要求元のウェブブラウザ(第2のウェブブラウザ)に提供することを決定する。
【0140】
一方、ステップS1504に移行すると、ウェブページ提供部901は、クッキー情報に含まれる所定の情報に応じた第2のウェブページを、要求元のウェブブラウザに提供することを決定する。例えば、所定の情報が「最後に閲覧した設定ページ」である場合、ウェブページ提供部901は、「最後に閲覧した設定ページ(第2のウェブページ)」を、要求元のウェブブラウザに提供することを決定しても良い。
【0141】
上記の処理により、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の内部の第2のウェブブラウザ203に対して、クッキー情報に応じて異なるウェブページを提供することができる。
【0142】
なお、図15に示す処理は一例である。例えば、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の外部の第1のウェブブラウザ211に対しても、クッキー情報に応じて異なるウェブページを提供しても良い。
【0143】
また、ウェブページ提供部901は、クッキーに代えて、ローカルストレージ(LocalStorage)に記憶された情報(ローカルストレージ情報)に応じて、異なるウェブページを要求元のウェブブラウザに提供するものであっても良い。ローカルストレージは、クッキーと同様に、ウェブサーバ側からウェブブラウザ側に情報を記憶する機能である。ウェブブラウザ側は、メッセージを送信するとき等に、必要に応じて、ローカルストレージに記憶されている情報(ローカルストレージ情報)をウェブサーバ側に送信することができる。
【0144】
[第3の実施形態]
図16は、第3の実施形態に係る決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図12のステップS1203、及び図13のS1303において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901が実行する、要求元のウェブブラウザに提供するウェブページを決定する処理の別の一例を示している。
【0145】
ステップS1601において、ウェブサーバ部201のウェブページ提供部901が、第1のウェブブラウザ211、又は第2のウェブブラウザ203から、設定画面の表示要求を受信すると、ステップS1602以降の処理が実行される。
【0146】
ステップS1602において、ウェブページ提供部901は、設定画面の表示要求に含まれる要求元のIPアドレスを確認する。
【0147】
ステップS1603において、ウェブページ提供部901は、電子黒板制御部920の状態(例えば、待機中、共有動作中、単独動作中等)を取得する。なお、ステップS1603の処理は、ステップS1604の後に実行しても良い。
【0148】
ステップS1604において、ウェブページ提供部901は、要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレス(例えば、ループバックアドレス)であるか否かを判断する。要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレスでない場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1605に移行させる。一方、要求元のIPアドレスが、電子黒板2の内部のIPアドレスである場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1608に移行させる。
【0149】
ステップS1605に移行すると、ウェブページ提供部901は、電子黒板機能を使用中であるか否かを判断する。例えば、ウェブページ提供部901は、電子黒板制御部920の状態が「待機中」である場合、電子黒板機能を使用中でないと判断する。一方、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の状態が「待機中」以外の状態である場合、電子黒板機能を使用中である判断する。
【0150】
電子黒板機能を使用中でない場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1606に移行させる。一方、電子黒板機能を使用中である場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1607に移行させる。
【0151】
ステップS1606に移行すると、ウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに、設定画面300を表示する第1のウェブページを提供することを決定する。この場合、ウェブページ提供部901は、例えば、図12のステップS1204において、図3に示すような設定画面300を表示する第1のウェブページを作成する。
【0152】
一方、ステップS1607に移行すると、ウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに、設定画面300から、電子黒板機能を使用中に設定できない項目を除外した設定画面を表示する第1のウェブページを提供することを決定する。この場合、ウェブページ提供部901は、例えば、図12のステップS1204において、図3に示すような設定画面300から、電子黒板機能を使用中に設定できない項目を削除した設定画面を表示する第1のウェブページを作成する。
【0153】
ステップS1604からステップS1608に移行すると、ウェブページ提供部901は、電子黒板機能を使用中であるか否かを判断する。電子黒板機能を使用中でない場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1609に移行させる。一方、電子黒板機能を使用中である場合、ウェブページ提供部901は、処理をステップS1610に移行させる。
【0154】
ステップS1609に移行すると、ウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに、例えば、設定画面500を表示する第2のウェブページを提供することを決定する。この場合、ウェブページ提供部901は、例えば、図12のステップS1304において、図5に示すような設定画面500を表示する第2のウェブページを作成する。
【0155】
一方、ステップS1610に移行すると、ウェブページ提供部901は、要求元のウェブブラウザに、設定画面500から、電子黒板機能を使用中に設定できない項目を除外した設定画面を表示する第2のウェブページを提供することを決定する。この場合、ウェブページ提供部901は、例えば、図13のステップS1304において、例えば、図17に示すような設定画面1700を表示する第2のウェブページを作成する。
【0156】
図17は、第3の実施形態に係る表示画面の例を示す図である。この図は、ウェブページ提供部901が作成する設定画面1700の一例のイメージを示している。図17の例では、設定画面1700には、設定画面500に含まれる複数の設定項目、「ログイン画像」、「機能設定」、及び「パスワード設定」のうち、「機能設定」(電子黒板機能を使用中に設定できない項目の一例)を除外した設定項目のみが表示されている。
【0157】
上記の処理により、ウェブページ提供部901は、電子黒板2の状態に応じて、要求元のウェブブラウザに異なるウェブページを提供することができる。
【0158】
なお、図16に示す処理は、電子黒板2の状態に応じて、要求元のウェブブラウザに異なるウェブページを提供する処理の一例である。例えば、ウェブページ提供部901は、電子黒板2のパフォーマンスや負荷等の状態に応じて、要求元のウェブブラウザに異なるウェブページを提供するもの等であっても良い。
【0159】
なお、上記の各実施形態では、通信装置が電子黒板2であるものとして説明したが、電子黒板2は、本実施形態に係る通信装置の一例である。本実施形態に係る通信装置は、所定のファイル操作を受け付ける操作画面を表示するウェブページを提供する様々な通信装置であって良い。
【0160】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、通信装置が提供するウェブページを利用して、通信装置の内部のウェブブラウザから所定のファイル操作を行うときに、通信装置の内部のディレクトリ構成がユーザに公開されないようにすることができる。
【0161】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【0162】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。
【0163】
ある実施形態では、通信装置(電子黒板2)は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、端末装置8は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0164】
さらに、通信装置および端末装置8は、開示された処理ステップ、例えば図12~16を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、通信装置によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、端末装置8によって実行することができる。また、通信装置と端末装置8の各要素は、1つの装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【符号の説明】
【0165】
2 電子黒板(通信装置の一例)
5 USBメモリ(外部記憶装置の一例)
201 ウェブサーバ部
203 第2のウェブブラウザ
211 第1のウェブブラウザ
300 設定画面(第1の操作画面の一例)
500 設定画面(第2の操作画面の一例)
501 「読込」ボタン(表示要素の一例)
600 ファイル選択画面
910 操作受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0166】
【文献】特開2004-133690号公報
図1
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