(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】環式カルボニル化合物を用いたレジスト下層膜形成組成物
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20240214BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20240214BHJP
C08L 65/00 20060101ALI20240214BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240214BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/11 502
G03F7/004 501
C08L65/00
H01L21/30 573
H01L21/30 574
H01L21/30 578
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2020521258
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(86)【国際出願番号】 JP2019020145
(87)【国際公開番号】W WO2019225614
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2018100501
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 光
(72)【発明者】
【氏名】緒方 裕斗
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】中島 誠
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/194273(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
G03F 7/004
C08L 65/00
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基との反応生成物、及び溶剤を含み、
前記化合物(A)が、1つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含み、
前記環式カルボニル化合物(B)が、デヒドロコール酸、酢酸コルチゾン、カンファースルホン酸、トリシクロ[5.2.1.0
2,6
]デカン-8-オン、ビシクロヘキサン-4,4’-ジオンモノエチレンケタール、1,4-シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール、シクロヘキサノン、2-シクロペンチルシクロペンタノン、及び2-シクロヘキシルシクロヘキサノンからなる群より選択され、
前記反応生成物は、前記環式カルボニル化合物(B)
が有するカルボニル基の炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)
のそれぞれが含むベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせと連結している、
レジスト下層膜形成組成物。
【請求項2】
上記化合物(A)が、2つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項3】
上記化合物(A)が、ベンゼン、フェノール、フロログルシノール、ナフタレン、ジヒドロキシナフタレン、カルバゾール、ビフェニル、フェニルインドール、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、α,α,α’,α’-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)-p-キシレン、及びフェニルナフチルアミンからなる群より選択される、請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項4】
更に架橋剤を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項5】
更に酸及び/又は酸発生剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項6】
上記溶剤の沸点が、160℃以上である請求項1~5に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物からなる塗布膜の焼成物であることを特徴とするレジスト下層膜。
【請求項8】
半導体基板上に請求項1~6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
【請求項9】
炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基とを反応させる工程を含む、レジスト下層膜形成組成物用重合体の製造方法であって、
前記化合物(A)が、1つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含み、
前記環式カルボニル化合物(B)が、デヒドロコール酸、酢酸コルチゾン、カンファースルホン酸、トリシクロ[5.2.1.0
2,6
]デカン-8-オン、ビシクロヘキサン-4,4’-ジオンモノエチレンケタール、1,4-シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール、シクロヘキサノン、2-シクロペンチルシクロペンタノン、及び2-シクロヘキシルシクロヘキサノンからなる群より選択され、
前記反応生成物は、前記環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基の炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)のそれぞれが含むベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせと連結している、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いエッチング耐性、良好なドライエッチング速度比及び光学定数を示し、いわゆる段差基板に対しても被覆性が良好で、埋め込み後の膜厚差が小さく、平坦な膜を形成し得るレジスト下層膜形成組成物、当該レジスト下層膜形成組成物に好適な重合体の製造方法、当該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジスト下層膜、並びに半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多層レジストプロセス用のレジスト下層膜材料には、特に短波長の露光に対して反射防止膜として機能し、適当な光学定数を有すると共に、基板加工におけるエッチング耐性をも併せ持つことが求められており、ベンゼン環を含む繰返し単位を有する重合体の利用が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レジストパターンの微細化に伴い求められるレジスト層の薄膜化のため、レジスト下層膜を少なくとも2層形成し、該レジスト下層膜をマスク材として使用する、リソグラフィープロセスが知られている。これは、半導体基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層の無機下層膜とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして無機下層膜をパターニングし、該パターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。前記少なくとも2層を形成する材料として、有機樹脂(例えば、アクリル樹脂、ノボラック樹脂)と、無機系材料(ケイ素樹脂(例えば、オルガノポリシロキサン)、無機ケイ素化合物(例えば、SiON、SiO2)等)の組み合わせが挙げられる。さらに近年では、1つのパターンを得るために2回のリソグラフィーと2回のエッチングを行うダブルパターニング技術が広く適用されており、それぞれの工程にて上記の多層プロセスが用いられている。その際、最初のパターンが形成された後に成膜する有機膜には段差を平坦化する特性が必要とされている。
【0005】
しかしながら、被加工基板上に形成されたレジストパターンに高低差や疎密のあるいわゆる段差基板に対して、レジスト下層膜形成用組成物による被覆性が低く、埋め込み後の膜厚差が大きくなり、平坦な膜を形成しにくいという問題もある。
【0006】
本発明は、このような課題解決に基づいてなされたものであり、高いエッチング耐性、良好なドライエッチング速度比及び光学定数を示し、いわゆる段差基板に対しても被覆性が良好で、埋め込み後の膜厚差が小さく、平坦な膜を形成し得るレジスト下層膜形成組成物を提供することを目的とする。また本発明は、当該レジスト下層膜形成組成物に好適な重合体の製造方法、当該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジスト下層膜、並びに半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下を包含する。
[1] 炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基との反応生成物、及び溶剤を含み、
前記環式カルボニル化合物(B)はヘテロ原子を5質量%以上含み、
前記反応生成物は、前記環式カルボニル化合物(B)の1つの炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)を連結している、
レジスト下層膜形成組成物。
[2] 前記環式カルボニル化合物(B)は一分子中に少なくとも4個のヘテロ原子を有する、[1]に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[3] 前記環式カルボニル化合物(B)が、下記式(1):
【化1】
[式中、
XはO、NH、又はCH
2であり、
環Yは、ヒドロキシ基、カルボニル基で置換されていてもよく且つ酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、ヒドロキシ基、オキソ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、炭素原子数1~6のアシル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、炭素原子数1~6のアルコキシカルボニル基、アミノ基、グリシジル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数2~10のアルケニル基、又は炭素原子数2~10のアルキニル基を置換基として有してもよく、ヘテロ原子で中断されていてもよい三乃至八員環、又はこれらの連結環若しくは縮合環である。]
で示される、[1]又は[2]に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[4] 炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基との反応生成物、及び溶媒を含み、
前記環式カルボニル化合物(B)が、下記式(1):
【化2】
[式中、
XはCH
2であり、
環Yは、ヒドロキシ基、カルボニル基で置換されていてもよく且つ酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、ヒドロキシ基、オキソ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、炭素原子数1~6のアシル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、炭素原子数1~6のアルコキシカルボニル基、アミノ基、グリシジル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数2~10のアルケニル基、又は炭素原子数2~10のアルキニル基を置換基として有してもよい三乃至八員環、又はこれらの連結環である。]で示される、
レジスト下層膜形成組成物。
[5] 前記反応生成物は、前記環式カルボニル化合物(B)の1つの炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)を連結している、[4]に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[6] 前記環式カルボニル化合物(B)が脂環式化合物である、[3]~[5]のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[7] 前記環式カルボニル化合物(B)はベンゼン環を含まない、[1]~[6]のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[8] 上記化合物(A)が、1つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含む、[1]~[7]のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[9] 上記化合物(A)が、2つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含む、[1]~[7]のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[10] 更に架橋剤を含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[11] 更に酸及び/又は酸発生剤を含む、[1]~[10]のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[12] 上記溶剤の沸点が、160℃以上である[1]~[11]に記載のレジスト下層膜形成組成物。
[13] [1]~[12]のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物からなる塗布膜の焼成物であることを特徴とするレジスト下層膜。
[14] 半導体基板上に[1]~[12]のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
[15] 炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基とを反応させる工程を含む、レジスト下層膜形成組成物用重合体の製造方法であって、
前記反応生成物は、前記環式カルボニル化合物(B)の1つの炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)を連結している、方法。
[16] 炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基とを反応させる工程を含む、レジスト下層膜形成組成物用重合体の製造方法であって、
前記環式カルボニル化合物(B)はヘテロ原子を5質量%以上含み、
前記反応生成物は、前記環式カルボニル化合物(B)の1つの炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)を連結している、方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、高エッチング耐性、良好なドライエッチング速度比及び光学定数を有するだけでなく、得られるレジスト下層膜は、いわゆる段差基板に対しても被覆性が良好で、埋め込み後の膜厚差が小さく、平坦な膜を形成し、より微細な基板加工が達成される。
特に、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、レジスト膜厚の薄膜化を目的としたレジスト下層膜を少なくとも2層形成し、該レジスト下層膜をエッチングマスクとして使用するリソグラフィープロセスに対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】Iso-denseバイアスを説明する図である。
図1中の(b-a)がIso-denseバイアスである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[レジスト下層膜形成組成物]
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)と、炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基との反応生成物、溶剤、及びその他の成分を含むものである。以下に順に説明する。
【0011】
[炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)]
【0012】
炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)は、
(a)ベンゼン、フェノール、フロログルシノールのような単環化合物であってもよく、
(b)ナフタレン、ジヒドロキシナフタレンのような縮合環化合物であってもよく、
(c)フラン、チオフェン、ピリジン、カルバゾールのような複素環化合物であってもよく、
(d)ビフェニル、フェニルインドール、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、α,α,α’,α’-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)-p-キシレンのように(a)~(c)の芳香族環が単結合で結合された化合物であってもよく、
(e)フェニルナフチルアミンのように-CH-、-(CH2)n-(n=1~20)、-CH=CH-、-CH≡CH-、-N=N-、-NH-、-NHR-、-NHCO-、-NRCO-、-S-、-COO-、-O-、-CO-及び-CH=N-で例示されるスペーサーで(a)~(d)の芳香族環が連結された化合物であってもよい。
【0013】
芳香族化合物としては、ベンゼン、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ナフタレン、アントラセン、キノリン、カルバゾール、キナゾリン、プリン、インドリジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、フェニルインドール、アクリジン等が挙げられる。
【0014】
また、上記芳香族化合物(A)はアミノ基、ヒドロキシル基、又はその両者を含む芳香族化合物とすることができる。また、上記芳香族化合物(A)はアリールアミン化合物、フェノール化合物、又はその両者を含む芳香族化合物とすることができる。
好ましくは、芳香族アミン又はフェノール性ヒドロキシ基含有化合物である。
芳香族アミンとしては、アニリン、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、ヒドロキシジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、N,N’-ジフェニルエチレンジアミン、N,N’-ジフェニル-1,4-フェニレンジアミン等が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基含有化合物としては、フェノール、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、ヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、多核フェノール等が挙げられる。
【0015】
上記多核フェノールとしては、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、ヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’-ビフェノール、又は1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
【0016】
上記炭素原子数6~60の芳香族化合物(A)の水素原子は、炭素原子数1~20のアルキル基、縮環基、複素環基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、エーテル基、アルコキシ基、シアノ基、及びカルボキシル基で置換されていてもよい。
【0017】
上記炭素原子数1~20のアルキル基としては、置換基を有しても、有さなくてもよい直鎖または分岐を有するアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、p-tert-ブチルシクロヘキシル基、n-デシル基、n-ドデシルノニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基およびエイコシル基などが挙げられる。好ましくは炭素原子数1~12のアルキル基、より好ましくは炭素原子数1~8のアルキル基、更に好ましくは炭素原子数1~4のアルキル基である。
【0018】
酸素原子、硫黄原子又はアミド結合により中断された炭素原子数1~20のアルキル基としては、例えば、構造単位-CH2-O-、-CH2-S-、-CH2-NHCO-又は-CH2-CONH-を含有するものが挙げられる。-O-、-S-、-NHCO-又は-CONH-は前記アルキル基中に一単位又は二単位以上あってよい。-O-、-S-、-NHCO-又は-CONH-単位により中断された炭素原子数1~20のアルキル基の具体例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基等であり、更には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基又はオクタデシル基であって、その各々がメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基等により置換されたものである。好ましくはメトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
【0019】
縮環基とは、縮合環化合物に由来する置換基であり、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ナフタセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基及びクリセニル基が挙げられるが、これらの中でもフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びピレニル基が好ましい。
【0020】
複素環基とは、複素環式化合物に由来する置換基であり、具体的にはチオフェン基、フラン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピロール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾール基、キノリン基、カルバゾール基、キナゾリン基、プリン基、インドリジン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、インドール基、アクリジン基、イソインドール基、ベンゾイミダゾール基、イソキノリン基、キノキサリン基、シンノリン基、プテリジン基、クロメン基(ベンゾピラン基)、イソクロメン基(ベンゾピラン基)、キサンテン基、チアゾール基、ピラゾール基、イミダゾリン基、アジン基が挙げられるが、これらの中でもチオフェン基、フラン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピロール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾール基、キノリン基、カルバゾール基、キナゾリン基、プリン基、インドリジン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、インドール基及びアクリジン基が好ましく、最も好ましいのはチオフェン基、フラン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピロール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾール基及びカルバゾール基である。
【0021】
なお、以上の芳香族化合物は、単結合又はスペーサーによって連結されていてもよい。
スペーサーの例としては-CH-、-(CH2)n-(n=1~20)、-CH=CH-、-CH≡CH-、-N=N-、-NH-、-NHR-、-NHCO-、-NRCO-、-S-、-COO-、-O-、-CO-及び-CH=N-の一種又は二種以上の組合せが挙げられる。これらのスペーサーは2つ以上連結していてもよい。
【0022】
上記芳香族化合物(A)は、1つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含むことが好ましく、2つ以上のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環又はそれらの組み合わせを含むことがより好ましい。
【0023】
上記芳香族化合物(A)は1種類又は2種類以上でもよいが、好ましくは1種又は2種である。
【0024】
[炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)]
炭素原子数3~60の環式カルボニル化合物(B)は環式カルボニル化合物(B)の1つの炭素原子が、2つの前記芳香族化合物(A)を連結しているものである。
【0025】
上記環式カルボニル化合物(B)は好ましくはヘテロ原子を5質量%以上含み、より好ましくはヘテロ原子を10質量%以上含む。また、上記環式カルボニル化合物(B)はベンゼン環を含まないことが好ましい。
【0026】
ヘテロ原子としては、窒素、酸素、イオウ、リン、ハロゲン等が挙げられる。上記環式カルボニル化合物(B)は好ましくは一分子中に少なくとも1個のヘテロ原子を有する。好ましくは一分子中に少なくとも2個のヘテロ原子を有する。好ましくは一分子中に少なくとも3個のヘテロ原子を有する。好ましくは一分子中に少なくとも4個のヘテロ原子を有する。
【0027】
好ましくは、上記環式カルボニル化合物(B)は、下記式(1):
【化3】
[式中、
XはO、NH、又はCH
2であり、
環Yは、ヒドロキシ基、カルボニル基で置換されていてもよく且つ酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、ヒドロキシ基、オキソ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、炭素原子数1~6のアシル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、炭素原子数1~6のアルコキシカルボニル基、アミノ基、グリシジル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数2~10のアルケニル基、又は炭素原子数2~10のアルキニル基を置換基として有してもよく、ヘテロ原子で中断されていてもよい三乃至八員環、又はこれらの連結環若しくは縮合環である。]
で示される。
【0028】
炭素原子数1~20のアルキル基については上記したとおりである。炭素原子数1~6のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。炭素原子数6~20のアリール基としては、フェニル基、o-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、p-メチルフェニル基、o-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、フルオレン基等が挙げられる。炭素原子数2~10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。炭素原子数2~10のアルキニル基としては、エチニル基等が挙げられる。ヘテロ原子、環化合物、連結環、縮合環については、上記したとおりである。
【0029】
上記環式カルボニル化合物(B)は脂環式化合物であることが好ましい。上記環式カルボニル化合物(B)は1種類又は2種類以上でもよいが、好ましくは1種又は2種である。
【0030】
上記環式カルボニル化合物(B)として特に好ましいものをいくつか挙げると、デヒドロコール酸、酢酸コルチゾン、グルコノラクトン、カンファースルホン酸、アラボアスコルビン酸、イソシアヌル酸及びその誘導体(例えば、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、モノn-ブチルイソシアヌレート)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-オン、ビシクロヘキサン-4,4’-ジオンモノエチレンケタール、1,4-シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール、2-アダマンタノン、シクロヘキサノン、2-シクロペンチルシクロペンタノン、2-シクロヘキシルシクロヘキサノンである。
【0031】
[反応生成物]
上記芳香族化合物(A)と上記環式カルボニル化合物(B)が有するカルボニル基とを反応させることにより、上記環式カルボニル化合物(B)の1つの炭素原子が、2つの上記芳香族化合物(A)を連結した反応生成物(重合体)を得ることができる。
【0032】
反応に用いられる酸触媒としては、例えば硫酸、リン酸、過塩素酸等の鉱酸類、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸一水和物、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、蟻酸、シュウ酸等のカルボン酸類が使用される。酸触媒の使用量は、使用する酸類の種類によって種々選択される。通常、芳香族化合物(A)100質量部に対して、0.001乃至10000質量部、好ましくは、0.01乃至1000質量部、より好ましくは0.1乃至100質量部である。
【0033】
上記の縮合反応と付加反応は無溶媒でも行われるが、通常溶媒を用いて行われる。溶媒としては反応を阻害しないものであれば全て使用することができる。例えば1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。
反応温度は通常40℃乃至200℃である。反応時間は反応温度によって種々選択されるが、通常30分乃至50時間程度である。
以上のようにして得られる重合体の重量平均分子量Mwは、通常500乃至1,000,000、又は600乃至500,000である。
【0034】
本発明において好適に使用される反応生成物については実施例で説明する。
【0035】
[溶剤]
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の溶剤としては、上記反応生成物を溶解できる溶剤であれば、特に制限なく使用することができる。特に、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は均一な溶液状態で用いられるものであるため、その塗布性能を考慮すると、リソグラフィー工程に一般的に使用される溶剤を併用することが推奨される。
【0036】
そのような溶剤としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシ-3-メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシプロピルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルプロピオネート、3-メチル-3-メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、シクロヘキサノン、N、N-ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、4-メチル-2-ペンタノール、及びγ-ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0037】
また、特願2017-140193に記載された下記の化合物を用いることもできる。
【化4】
(式(i)中のR
1、R
2及びR
3は各々水素原子、酸素原子、硫黄原子又はアミド結合で中断されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基を表し、互いに同一であっても異なっても良く、互いに結合して環構造を形成しても良い。)
【0038】
炭素原子数1~20のアルキル基としては、置換基を有しても、有さなくてもよい直鎖または分岐を有するアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、p-tert-ブチルシクロヘキシル基、n-デシル基、n-ドデシルノニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基およびエイコシル基などが挙げられる。好ましくは炭素原子数1~12のアルキル基、より好ましくは炭素原子数1~8のアルキル基、更に好ましくは炭素原子数1~4のアルキル基である。
【0039】
酸素原子、硫黄原子又はアミド結合により中断された炭素原子数1~20のアルキル基としては、例えば、構造単位-CH2-O-、-CH2-S-、-CH2-NHCO-又は-CH2-CONH-を含有するものが挙げられる。-O-、-S-、-NHCO-又は-CONH-は前記アルキル基中に一単位又は二単位以上あってよい。-O-、-S-、-NHCO-又は-CONH-単位により中断された炭素原子数1~20のアルキル基の具体例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基等であり、更には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基又はオクタデシル基であって、その各々がメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基等により置換されたものである。好ましくはメトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
【0040】
これらの溶剤は比較的高沸点であることから、レジスト下層膜形成組成物に高埋め込み性や高平坦化性を付与するためにも有効である。
【0041】
以下に式(i)で表される好ましい化合物の具体例を示す。
【化5】
【0042】
上記の中で、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、及び
下記式:
【化6】
で表される化合物が好ましく、式(i)で表される化合物として特に好ましいのは、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、及びN,N-ジメチルイソブチルアミドである。
【0043】
これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用することができる。これらの溶剤の中で沸点が160℃以上であるものが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、シクロヘキサノン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、2,5-ジメチルヘキサン-1,6-ジイルジアセテート(DAH;cas,89182-68-3)、及び1,6-ジアセトキシヘキサン(cas,6222-17-9)等が好ましい。特にプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルイソブチルアミドが好ましい。
【0044】
[架橋剤成分]
本発明のレジスト下層膜形成組成物は架橋剤成分を含むことができる。その架橋剤としては、メラミン系、置換尿素系、またはそれらのポリマー系等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグワナミン、ブトキシメチル化ベンゾグワナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素等の化合物である。また、これらの化合物の縮合体も使用することができる。
【0045】
また、上記架橋剤としては耐熱性の高い架橋剤を用いることができる。耐熱性の高い架橋剤としては分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を好ましく用いることができる。
【0046】
この化合物は下記式(4)の部分構造を有する化合物や、下記式(5)の繰り返し単位を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられる。
【化7】
上記R
11、R
12、R
13、及びR
14は水素原子又は炭素数1乃至10のアルキル基であり、これらのアルキル基は上述の例示を用いることができる。
【0047】
式(4)及び式(5)の化合物、ポリマー、オリゴマーは以下に例示される。
【化8】
【化9】
【0048】
上記化合物は旭有機材工業(株)、本州化学工業(株)の製品として入手することができる。例えば上記架橋剤の中で式(4-24)の化合物は旭有機材工業(株)、商品名TM-BIP-Aとして入手することができる。
架橋剤の添加量は、使用する塗布溶媒、使用する下地基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全固形分に対して0.001乃至80質量%、好ましくは 0.01乃至50質量%、さらに好ましくは0.05乃至40質量%である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、本発明の上記反応生成物中に架橋性置換基が存在する場合は、それらの架橋性置換基と架橋反応を起こすことができる。
【0049】
[酸及び/又は酸発生剤]
本発明のレジスト下層膜形成組成物は酸及び/又は酸発生剤を含有することができる。
酸としては例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、5-スルホサリチル酸、4-フェノールスルホン酸、カンファースルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。
酸は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。配合量は全固形分に対して、通常0.0001乃至20質量%、好ましくは0.0005乃至10質量%、さらに好ましくは0.01乃至3質量%である。
【0050】
酸発生剤としては、熱酸発生剤や光酸発生剤が挙げられる。
熱酸発生剤としては、2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他有機スルホン酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0051】
光酸発生剤は、レジストの露光時に酸を生ずる。そのため、下層膜の酸性度の調整ができる。これは、下層膜の酸性度を上層のレジストとの酸性度に合わせるための一方法である。また、下層膜の酸性度の調整によって、上層に形成されるレジストのパターン形状の調整ができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物に含まれる光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
【0052】
オニウム塩化合物としてはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
【0053】
スルホンイミド化合物としては、例えばN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
【0054】
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル-p-トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
【0055】
酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤が使用される場合、その割合としては、レジスト下層膜形成組成物の固形分100質量部に対して、0.01乃至5質量部、または0.1乃至3質量部、または0.5乃至1質量部である。
【0056】
[その他の成分]
本発明のレジスト下膜形成組成物には、ピンホールやストレーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製、商品名)、メガファックF171、F173、R-40、R-40N、R-40LM(DIC(株)製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製、商品名)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製、商品名)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、レジスト下層膜材料の全固形分に対して通常2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、レジスト下層膜形成組成物の固形分100質量部に対して0.0001乃至5質量部、または0.001乃至1質量部、または0.01乃至0.5質量部である。
【0057】
本発明のレジスト下膜形成組成物には、吸光剤、レオロジー調整剤、接着補助剤などを添加することができる。レオロジー調整剤は、下層膜形成組成物の流動性を向上させるのに有効である。接着補助剤は、半導体基板またはレジストと下層膜の密着性を向上させるのに有効である。
【0058】
吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や「染料便覧」(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Disperse Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124;C.I.Disperse Orange1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73;C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210;C.I.Disperse Violet 43;C.I.Disperse Blue 96;C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163;C.I.Solvent Orange2及び45;C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49;C.I.Pigment Green 10;C.I.Pigment Brown 2等を好適に用いることができる。上記吸光剤は通常、レジスト下膜形成組成物の全固形分に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下の割合で配合される。
【0059】
レオロジー調整剤は、主にレジスト下層膜形成組成物の流動性を向上させ、特にベーキング工程において、レジスト下層膜の膜厚均一性の向上やホール内部へのレジスト下層膜形成組成物の充填性を高める目的で添加される。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸誘導体、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸誘導体、またはノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸誘導体を挙げることができる。これらのレオロジー調整剤は、レジスト下膜形成組成物の全固形分に対して通常30質量%未満の割合で配合される。
【0060】
接着補助剤は、主に基板あるいはレジストとレジスト下層膜形成組成物の密着性を向上させ、特に現像においてレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルメチロールクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメチロールエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’-ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、メチロールトリクロロシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環式化合物や、1,1-ジメチルウレア、1,3-ジメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。これらの接着補助剤は、レジスト下膜形成組成物の全固形分に対して通常5質量%未満、好ましくは2質量%未満の割合で配合される。
【0061】
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の固形分は通常0.1乃至70質量%、好ましくは0.1乃至60質量%とする。固形分はレジスト下層膜形成組成物から溶剤を除いた全成分の含有割合である。固形分中における上記反応生成物の割合は、1乃至100質量%、1乃至99.9質量%、50乃至99.9質量%、50乃至95質量%、50乃至90質量%の順で好ましい。
【0062】
レジスト下層膜形成組成物が均一な溶液状態であるかどうかを評価する尺度の一つは、特定のマイクロフィルターの通過性を観察することであるが、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、孔径0.1μmのマイクロフィルターを通過し、均一な溶液状態を呈する。
【0063】
上記マイクロフィルター材質としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などのフッ素系樹脂、PE(ポリエチレン)、UPE(超高分子量ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PSF(ポリスルフォン)、PES(ポリエーテルスルホン)、ナイロンが挙げられるが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製であることが好ましい。
【0064】
[レジスト下層膜及び半導体装置の製造方法]
以下、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物を用いたレジスト下層膜及び半導体装置の製造方法について説明する。
【0065】
半導体装置の製造に使用される基板(例えば、シリコンウエハー基板、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板、及び低誘電率材料(low-k材料)被覆基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することによりレジスト下層膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃乃至250℃、焼成時間0.3乃至60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度150℃乃至250℃、焼成時間0.5乃至2分間である。ここで、形成される下層膜の膜厚としては、例えば、10乃至1000nmであり、または20乃至500nmであり、または30乃至300nmであり、または50乃至200nmである。
【0066】
また、本発明に係る有機レジスト下層膜上に無機レジスト下層膜(ハードマスク)を形成することもできる。例えば、WO2009/104552A1に記載のシリコン含有レジスト下層膜(無機レジスト下層膜)形成組成物をスピンコートで形成する方法の他、Si系の無機材料膜をCVD法などで形成することができる。
【0067】
また、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物を、段差を有する部分と段差を有しない部分とを有する半導体基板(いわゆる段差基板)上に塗布し、焼成することにより、当該段差を有する部分と段差を有しない部分との段差が3~50nmの範囲内である、レジスト下層膜を形成することができる。
【0068】
次いでそのレジスト下層膜の上にレジスト膜、例えばフォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト組成物溶液の下層膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。フォトレジストの膜厚としては例えば50乃至10000nmであり、または100乃至2000nmであり、または200乃至1000nmである。
【0069】
レジスト下層膜の上に形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2-ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがある。例えば、シプレー社製商品名APEX-E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、及び信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330-334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357-364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365-374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
【0070】
次に、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する。まず、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、近紫外線、遠紫外線、又は極端紫外線(例えば、EUV(波長13.5nm))等が用いられる。具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。これらの中でも、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びEUV(波長13.5nm)が好ましい。露光後、必要に応じて露光後加熱(post exposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃乃至150℃、加熱時間0.3乃至10分間から適宜、選択された条件で行われる。
【0071】
また、本発明ではレジストとしてフォトレジストに変えて電子線リソグラフィー用レジストを用いることができる。電子線レジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用できる。酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーからなる化学増幅型レジスト、アルカリ可溶性バインダーと酸発生剤と酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を変化させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーと酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を変化させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、電子線によって分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーからなる非化学増幅型レジスト、電子線によって切断されアルカリ溶解速度を変化させる部位を有するバインダーからなる非化学増幅型レジストなどがある。これらの電子線レジストを用いた場合も照射源を電子線としてフォトレジストを用いた場合と同様にレジストパターンを形成することができる。
【0072】
次いで、現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5乃至50℃、時間10乃至600秒から適宜選択される。
【0073】
そして、このようにして形成されたフォトレジスト(上層)のパターンを保護膜として無機下層膜(中間層)の除去が行われ、次いでパターン化されたフォトレジスト及び無機下層膜(中間層)からなる膜を保護膜として、有機下層膜(下層)の除去が行われる。最後に、パターン化された無機下層膜(中間層)及び有機下層膜(下層)を保護膜として、半導体基板の加工が行なわれる。
【0074】
まず、フォトレジストが除去された部分の無機下層膜(中間層)をドライエッチングによって取り除き、半導体基板を露出させる。無機下層膜のドライエッチングにはテトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C4F8)、パーフルオロプロパン(C3F8)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素、塩素、トリクロロボラン及びジクロロボラン等のガスを使用することができる。無機下層膜のドライエッチングにはハロゲン系ガスを使用することが好ましく、フッ素系ガスによることがより好ましい。フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C4F8)、パーフルオロプロパン(C3F8)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH2F2)等が挙げられる。
【0075】
その後、パターン化されたフォトレジスト及び無機下層膜からなる膜を保護膜として有機下層膜の除去が行われる。有機下層膜(下層)は酸素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。シリコン原子を多く含む無機下層膜は、酸素系ガスによるドライエッチングでは除去されにくいからである。
【0076】
最後に、半導体基板の加工が行なわれる。半導体基板の加工はフッ素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。
フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C4F8)、パーフルオロプロパン(C3F8)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH2F2)等が挙げられる。
【0077】
また、レジスト下層膜の上層には、フォトレジストの形成前に有機系の反射防止膜を形成することができる。そこで使用される反射防止膜組成物としては特に制限はなく、これまでリソグラフィープロセスにおいて慣用されているものの中から任意に選択して使用することができ、また、慣用されている方法、例えば、スピナー、コーターによる塗布及び焼成によって反射防止膜の形成を行なうことができる。
【0078】
本発明では基板上に有機下層膜を成膜した後、その上に無機下層膜を成膜し、更にその上にフォトレジストを被覆することができる。これによりフォトレジストのパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐためにフォトレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することにより基板の加工が可能になる。例えば、フォトレジストに対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとしてレジスト下層膜に加工が可能であり、また無機下層膜に対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして基板の加工が可能であり、更に有機下層膜に対して十分に早いエッチング速度となる酸素系ガスをエッチングガスとして基板の加工を行うことができる。
【0079】
レジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、また、リソグラフィープロセスにおいて使用される光の波長によっては、その光に対する吸収を有することがある。そして、そのような場合には、基板からの反射光を防止する効果を有する反射防止膜として機能することができる。さらに、本発明のレジスト下層膜形成組成物で形成された下層膜はハードマスクとしても機能し得るものである。本発明の下層膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
【0080】
また、レジスト下層膜形成組成物より形成される下層膜は、デュアルダマシンプロセスで用いられるビアホールが形成された基板に適用され、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み材として使用できる。また、凹凸のある半導体基板の表面を平坦化するための平坦化材として使用することもできる。
【実施例】
【0081】
以下に実施例等を参照して本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例等によってなんら制限を受けるものではない。
下記合成例で得られたポリマーの重量平均分子量の測定に用いた装置等を示す。
装置:東ソー株式会社製HLC-8320GPC
GPCカラム:Shodex〔登録商標〕・Asahipak〔登録商標〕(昭和電工(株))
カラム温度:40℃
流量:0.6mL/分
溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)
標準試料:ポリスチレン(東ソー株式会社)
【0082】
<合成例1>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)5.94g、TEP-TPA(α, α, α', α'-tetrakis(4-hydroxyphenyl)-p-xylene、旭有機材株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル15.07g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.13g、3-メルカプトプロピオン酸1.18gを入れた。その後140℃まで加熱し、約16時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-1)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは96,600であった。
【化10】
【0083】
<合成例2>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)9.57g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)3.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.00g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)3.43g、3-メルカプトプロピオン酸1.89gを入れた。その後140℃まで加熱し、約36時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-2)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,300であった。
【化11】
【0084】
<合成例3>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)10.42g、2-フェニルインドール(東京化成工業株式会社製)5.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル19.14g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)3.73g、3-メルカプトプロピオン酸2.06gを入れた。その後140℃まで加熱し、約15時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-3)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,250であった。
【化12】
【0085】
<合成例4>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)12.84g、N-フェニル-1-ナフチルアミン(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.44g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.60g、3-メルカプトプロピオン酸2.54gを入れた。その後140℃まで加熱し、約15時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-4)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,260であった。
【化13】
【0086】
<合成例5>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)8.04g、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル17.92g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.88g、3-メルカプトプロピオン酸1.59gを入れた。その後140℃まで加熱し、約26時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-5)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,000であった。
【化14】
【0087】
<合成例6>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)12.57g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)5.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル22.07g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.50g、3-メルカプトプロピオン酸2.49gを入れた。その後140℃まで加熱し、約15時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-6)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,690であった。
【化15】
【0088】
<合成例7>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)12.04g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)5.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.35g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.31g、3-メルカプトプロピオン酸2.38gを入れた。その後140℃まで加熱し、約15時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-7)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,000であった。
【化16】
【0089】
<合成例8>
100mL二口フラスコに酢酸コルチゾン(東京化成工業株式会社製)5.09g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)6.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル12.31g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.22g、3-メルカプトプロピオン酸0.67gを入れた。その後140℃まで加熱し、約16時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-8)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,000であった。
【化17】
【0090】
<合成例9>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)2.25g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)6.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.47g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.22g、3-メルカプトプロピオン酸0.67gを入れた。その後140℃まで加熱し、約16時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-9)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは347,200であった。
【化18】
【0091】
<合成例10>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)8.47g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)6.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.00g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.57g、3-メルカプトプロピオン酸2.52gを入れた。その後140℃まで加熱し、約36時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-10)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,300であった。
【化19】
【0092】
<合成例11>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)8.29g、2-フェニルインドール(東京化成工業株式会社製)9.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.77g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.48g、3-メルカプトプロピオン酸2.47gを入れた。その後150℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-11)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,600であった。
【化20】
【0093】
<合成例12>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)7.31g、N-フェニル-1-ナフチルアミン(東京化成工業株式会社製)9.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル20.25g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)3.94g、3-メルカプトプロピオン酸2.18gを入れた。その後140℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-12)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,100であった。
【化21】
【0094】
<合成例13>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)4.57g、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)9.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.04g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.47g、3-メルカプトプロピオン酸1.36gを入れた。その後140℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-13)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,000であった。
【化22】
【0095】
<合成例14>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)7.78g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル18.98g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.20g、3-メルカプトプロピオン酸2.32gを入れた。その後140℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-14)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,050であった。
【化23】
【0096】
<合成例15>
100mL二口フラスコにD-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)8.53g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)8.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.13g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.60g、3-メルカプトプロピオン酸2.54gを入れた。その後140℃まで加熱し、約10時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-15)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,300であった。
【化24】
【0097】
<合成例16>
100mL二口フラスコに(+)-10-カンファースルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.89g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.92g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.03g、3-メルカプトプロピオン酸1.12gを入れた。その後150℃まで加熱し、約15時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-16)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは18,700であった。
【化25】
【0098】
<合成例17>
100mL二口フラスコに(+)-10-カンファースルホン酸(東京化成工業株式会社製)9.20g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)5.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル18.01g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)3.81g、3-メルカプトプロピオン酸2.10gを入れた。その後140℃まで加熱し、約10時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-17)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,400であった。
【化26】
【0099】
<合成例18>
100mL二口フラスコにD-グルクロノ-6,3-ラクトン(東京化成工業株式会社製)4.08g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)11.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル17.31g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.23g、3-メルカプトプロピオン酸1.23gを入れた。その後140℃まで加熱し、約10時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-18)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,700であった。
【化27】
【0100】
<合成例19>
100mL二口フラスコにD-アラボアスコルビン酸(東京化成工業株式会社製)4.08g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)11.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル17.31g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.23g、3-メルカプトプロピオン酸1.23gを入れた。その後140℃まで加熱し、約16時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-19)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは12,600であった。
【化28】
【0101】
<合成例20>
100mL二口フラスコにD-アラボアスコルビン酸(東京化成工業株式会社製)9.07g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)6.50g、プロピレングリコールモノメチルエーテル20.53g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.95g、3-メルカプトプロピオン酸2.74gを入れた。その後140℃まで加熱し、約0.5時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-20)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,740であった。
【化29】
【0102】
<合成例21>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)5.29g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)12.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.75g、N-メチルピロリドン4.19g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)3.65g、3-メルカプトプロピオン酸2.01gを入れた。その後140℃まで加熱し、約43時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-21)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは9,050であった。
【化30】
【0103】
<合成例22>
100mL二口フラスコにMA-ICA(モノアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)4.28g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)12.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル14.97g、N-メチルピロリドン3.74g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)2.43g、3-メルカプトプロピオン酸1.34gを入れた。その後140℃まで加熱し、約43時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-22)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,500であった。
【化31】
【0104】
<合成例23>
100mL二口フラスコにMB-ICA(モノn-ブチルイソシアヌレート、神戸天然物化学株式会社製)4.68g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)12.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.27g、N-メチルピロリドン4.07g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)3.65g、3-メルカプトプロピオン酸2.01gを入れた。その後140℃まで加熱し、約43時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-23)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは22,100であった。
【化32】
【0105】
<合成例24>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)11.61g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.29g、N-メチルピロリドン5.32g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)4.19g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)8.00g、3-メルカプトプロピオン酸4.42gを入れた。その後140℃まで加熱し、約100時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-24)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,090であった。
【化33】
【0106】
<合成例25>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)8.66g、2-フェニルインドール(東京化成工業株式会社製)8.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル18.10g、N-メチルピロリドン4.53g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)5.97g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)3.30g、3-メルカプトプロピオン酸2.06gを入れた。その後140℃まで加熱し、約59時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-25)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,000であった。
【化34】
【0107】
<合成例26>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)8.59g、N-フェニル-1-ナフチルアミン(東京化成工業株式会社製)9.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル18.80g、N-メチルピロリドン4.70g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)4.19g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)5.97g、3-メルカプトプロピオン酸3.27gを入れた。その後140℃まで加熱し、約59時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-26)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは770であった。
【化35】
【0108】
<合成例27>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)5.97g、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.07g、N-メチルピロリドン4.02g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)4.11g、3-メルカプトプロピオン酸2.27gを入れた。その後140℃まで加熱し、約59時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-27)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,780であった。
【化36】
【0109】
<合成例28>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)10.45g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)8.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル20.52g、N-メチルピロリドン5.13g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)7.20g、3-メルカプトプロピオン酸3.98gを入れた。その後140℃まで加熱し、約59時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-28)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,300であった。
【化37】
【0110】
<合成例29>
100mL二口フラスコにDA-ICA(ジアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)8.76g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル17.44g、N-メチルピロリドン4.36g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)6.04g、3-メルカプトプロピオン酸3.34gを入れた。その後150℃まで加熱し、約44時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-29)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,700であった。
【化38】
【0111】
<合成例30>
100mL二口フラスコにMA-ICA(モノアリルイソシアヌレート、四国化成工業株式会社製)8.09g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)8.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.55g、N-メチルピロリドン4.14g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)4.60g、3-メルカプトプロピオン酸2.54gを入れた。その後140℃まで加熱し、約44時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-30)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,100であった。
【化39】
【0112】
<合成例31>
100mL二口フラスコにMB-ICA(モノn-ブチルイソシアヌレート、神戸天然物化学株式会社製)8.85g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)8.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル19.00g、N-メチルピロリドン4.75g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)6.90g、3-メルカプトプロピオン酸3.81gを入れた。その後140℃まで加熱し、約44時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-31)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,900であった。
【化40】
【0113】
<合成例32>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)12.00g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)2.49g、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)5.22g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.47g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)0.86g、3-メルカプトプロピオン酸1.90gを入れた。その後150℃まで加熱し、約12時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-32)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,200であった。
【化41】
【0114】
<合成例33>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)8.42g、DA-ICA(四国化成工業株式会社製)4.38g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.39g、N-メチルピロリドン6.10g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)4.02g、3-メルカプトプロピオン酸6.67gを入れた。その後150℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-33)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,000であった。
【化42】
【0115】
<合成例34>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)9.02g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.50g、D-(+)-グルコノ-1,5-ラクトン(東京化成工業株式会社製)4.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.67g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)1.29g、3-メルカプトプロピオン酸2.86gを入れた。その後150℃まで加熱し、約12時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-34)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,200であった。
【化43】
【0116】
<合成例35>
100mL二口フラスコにデヒドロコール酸(東京化成工業株式会社製)9.58g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)6.00g、1-ナフトアルデヒド(東京化成工業株式会社製)3.72g、プロピレングリコールモノメチルエーテル23.69g、メタンスルホン酸(関東化学株式会社製)1.37g、3-メルカプトプロピオン酸3.03gを入れた。その後150℃まで加熱し、約16時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。そして、得られたポリマーは式(2-35)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,300であった。
【化44】
【0117】
<比較合成例1>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)4.48g、TEP-TPA(旭有機材株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル35.67g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.91gを入れた。その後150℃まで加熱し、約4時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-1)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは195,900であった。
【化45】
【0118】
<比較合成例2>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)8.41g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル43.86g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.38gを入れた。その後150℃まで加熱し、約4時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-2)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは8,100であった。
【化46】
【0119】
<比較合成例3>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)5.49g、2-フェニルインドール(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.49g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.99gを入れた。その後150℃まで加熱し、約5時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-3)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,600であった。
【化47】
【0120】
<比較合成例4>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)4.84g、N-フェニル-1-ナフチルアミン(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.67g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.88gを入れた。その後150℃まで加熱し、約15分間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-4)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは5,900であった。
【化48】
【0121】
<比較合成例5>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)3.03g、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32.68g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.55gを入れた。その後150℃まで加熱し、約17.5時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-5)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは910,300であった。
【化49】
【0122】
<比較合成例6>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)6.62g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート41.58g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.20gを入れた。その後150℃まで加熱し、約1.5時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-6)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは5,300であった。
【化50】
【0123】
<比較合成例7>
100mL二口フラスコにベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)6.35g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40.84g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.15gを入れた。その後150℃まで加熱し、約30分間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-7)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは52,300であった。
【化51】
【0124】
<実施例1>
合成例1で得た樹脂(即ちポリマー、以下同様)をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.86質量%)を得た。この樹脂溶液3.45gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.69gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0125】
<実施例2>
合成例2で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.80質量%)を得た。この樹脂溶液3.28gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.85gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0126】
<実施例3>
合成例3で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.33質量%)を得た。この樹脂溶液3.24gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.34g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.48gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0127】
<実施例4>
合成例4で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.84質量%)を得た。この樹脂溶液3.00gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.34g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.73gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0128】
<実施例5>
合成例5で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.64質量%)を得た。この樹脂溶液3.49gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.65gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0129】
<実施例6>
合成例6で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は17.66質量%)を得た。この樹脂溶液3.57gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.34g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.36gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0130】
<実施例7>
合成例7で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は24.32質量%)を得た。この樹脂溶液2.67gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.46gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0131】
<実施例8>
合成例8で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.86質量%)を得た。この樹脂溶液3.45gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.69gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0132】
<実施例9>
合成例9で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は14.20質量%)を得た。この樹脂溶液4.58gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.56gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0133】
<実施例10>
合成例10で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は15.92質量%)を得た。この樹脂溶液4.08gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.05gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0134】
<実施例11>
合成例11で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.67質量%)を得た。この樹脂溶液2.98gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.17g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル2.18g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.93gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0135】
<実施例12>
合成例12で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は12.29質量%)を得た。この樹脂溶液5.29gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.85gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0136】
<実施例13>
合成例13で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.35質量%)を得た。この樹脂溶液3.36gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.78gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0137】
<実施例14>
合成例14で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.26質量%)を得た。この樹脂溶液3.56gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.58gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0138】
<実施例15>
合成例15で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.34質量%)を得た。この樹脂溶液3.54gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.59gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0139】
<実施例16>
合成例16で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.26質量%)を得た。この樹脂溶液3.56gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.58gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0140】
<実施例17>
合成例17で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は15.77質量%)を得た。この樹脂溶液3.94gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PGME-BIP-A(ファインケム(株)製)0.26g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.16g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.98gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0141】
<実施例18>
合成例18で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.26質量%)を得た。この樹脂溶液3.56gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.16g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.58gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0142】
<実施例19>
合成例19で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.43質量%)を得た。この樹脂溶液3.53gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.61gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0143】
<実施例20>
合成例20で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は13.21質量%)を得た。この樹脂溶液4.92gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.21gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0144】
<実施例21>
合成例21で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は13.71質量%)を得た。この樹脂溶液4.74gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.39gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0145】
<実施例22>
合成例22で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は16.47質量%)を得た。この樹脂溶液3.95gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.19gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0146】
<実施例23>
合成例23で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は15.50質量%)を得た。この樹脂溶液4.19gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.94gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0147】
<実施例24>
合成例24で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は16.99質量%)を得た。この樹脂溶液3.50gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.34g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.25gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0148】
<実施例25>
合成例25で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は13.71質量%)を得た。この樹脂溶液4.74gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.39gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0149】
<実施例26>
合成例26で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は14.29質量%)を得た。この樹脂溶液4.55gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.59gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0150】
<実施例27>
合成例27で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は16.73質量%)を得た。この樹脂溶液3.85gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.25gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0151】
<実施例28>
合成例28で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は17.06質量%)を得た。この樹脂溶液3.81gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.33gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0152】
<実施例29>
合成例29で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.46質量%)を得た。この樹脂溶液3.52gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.61gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0153】
<実施例30>
合成例30で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は16.49質量%)を得た。この樹脂溶液3.94gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.19gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0154】
<実施例31>
合成例31で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は21.90質量%)を得た。この樹脂溶液2.97gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.17gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0155】
<実施例32>
合成例31で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は21.90質量%)を得た。この樹脂溶液2.97gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.78g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.25g、N,N-ジメチルイソブチルアミド1.84gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0156】
<実施例33>
合成例32で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は23.28質量%)を得た。この樹脂溶液2.79gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.55g、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.48gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0157】
<実施例34>
合成例33で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.84質量%)を得た。この樹脂溶液3.28gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.86gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0158】
<実施例35>
合成例34で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は21.71質量%)を得た。この樹脂溶液2.99gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.35g、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.48gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0159】
<実施例36>
合成例35で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は20.10質量%)を得た。この樹脂溶液3.23gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.11g、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.48gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0160】
<比較例1>
比較合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は15.22質量%)を得た。この樹脂溶液4.27gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.86gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0161】
<比較例2>
比較合成例2で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は16.80質量%)を得た。この樹脂溶液3.87gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.27gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0162】
<比較例3>
比較合成例3で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は22.51質量%)を得た。この樹脂溶液2.89gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.80gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0163】
<比較例4>
比較合成例4で得た樹脂をシクロヘキサノンに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は17.72質量%)を得た。この樹脂溶液3.67gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.86g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0164】
<比較例5>
比較合成例5で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は15.86質量%)を得た。この樹脂溶液4.10gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.80gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0165】
<比較例6>
比較合成例6で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.21質量%)を得た。この樹脂溶液3.57gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.70g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.57gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0166】
<比較例7>
比較合成例7で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.38質量%)を得た。この樹脂溶液3.54gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.49g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.80gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0167】
[レジスト溶剤への溶出試験]
比較例1~7及び実施例1~36で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上で250℃60秒間焼成し、レジスト下層膜(膜厚0.20μm)を形成した。これらレジスト下層膜をレジストに使用する溶剤である、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びシクロヘキサノンに浸漬した。これらレジスト下層膜はこれら溶剤に不溶であった。
【0168】
[光学定数測定]
比較例1~7及び実施例1~36で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で250℃60秒間焼成し、レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。これらのレジスト下層膜を、分光エリプソメーターを用いて波長193nmでの屈折率(n値)及び光学吸光係数(k値、減衰係数とも呼ぶ)を測定した。結果を表1に示した。
【0169】
【0170】
[ドライエッチング速度の測定]
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用
いた。
RIE-10NR(サムコ製):CF4
比較例1-7及び実施例1-36で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で250℃60秒間焼成してレジスト下層膜(膜厚0.20μm)を形成した。エッチングガスとしてCF4ガスを使用してドライエッチング速度を測定し、比較例1-7及び実施例1-36とレジスト下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。結果を表2に示した。ドライエッチング速度比は(レジスト下層膜)/(KrFフォトレジスト)のドライエッチング速度比である。
【0171】
【0172】
[埋め込み性評価]
200nm膜厚のSiO2基板、トレンチ幅50nm、ピッチ100nmのデンスパターンエリアにて埋め込み性を確認した。比較例1-3、6、7及び実施例1-36で調製されたレジスト下層膜形成組成物を上記基板上に塗布後、250℃で60秒間焼成して約200nmのレジスト下層膜を形成した。この基板の平坦化性を日立ハイテクノロジーズ(株)製走査型電子顕微鏡(S-4800)を用いて観察し、パターン内部へのレジスト下層膜形成組成物の充填の有無を確認した(表3)。○は良好を、×は不良を表す。
【0173】
【0174】
<合成例51>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)15.96g、フェノール(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.76g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)10.92g、3-メルカプトプロピオン酸16.93gを入れた。その後140℃まで加熱し、約23時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-51)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,000であった。
【化52】
【0175】
<合成例52>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)6.29g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート28.25g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.21g、3-メルカプトプロピオン酸0.67gを入れた。その後150℃まで加熱し、約17時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-52)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,400であった。
【化53】
【0176】
<合成例53>
100mL二口フラスコにビシクロヘキサン-4,4’-ジオンモノエチレンケタール(東京化成工業株式会社製)7.13g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)5.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.20g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.86g、3-メルカプトプロピオン酸0.48gを入れた。その後150℃まで加熱し、約2時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-53)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,300であった。
【化54】
【0177】
<合成例54>
100mL二口フラスコに1,4-シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(東京化成工業株式会社製)6.54g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23.12g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.21g、3-メルカプトプロピオン酸0.67gを入れた。その後150℃まで加熱し、約17時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-54)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,200であった。
【化55】
【0178】
<合成例55>
100mL二口フラスコに2-アダマンタノン(東京化成工業株式会社製)6.29g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.75g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.21g、3-メルカプトプロピオン酸0.67gを入れた。その後150℃まで加熱し、約17時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-55)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,700であった。
【化56】
【0179】
<合成例56>
100mL二口フラスコにシクロヘキサノン(東京化成工業株式会社製)6.46g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)11.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47.61g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.90g、3-メルカプトプロピオン酸1.05gを入れた。その後150℃まで加熱し、約40時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-56)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,800であった。
【化57】
【0180】
<合成例57>
100mL二口フラスコに2-シクロペンチルシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)6.37g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)7.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.87g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.21g、3-メルカプトプロピオン酸0.67gを入れた。その後150℃まで加熱し、約40時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-57)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,900であった。
【化58】
【0181】
<合成例58>
100mL二口フラスコに2-シクロヘキシルシクロヘキサノン(東京化成工業株式会社製)6.47g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)6.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.12g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.04g、3-メルカプトプロピオン酸0.57gを入れた。その後150℃まで加熱し、約40時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-58)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,200であった。
【化59】
【0182】
<合成例59>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)4.49g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)10.00g、1-ナフトアルデヒド(東京化成工業株式会社製)4.67g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.69g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)1.72g、3-メルカプトプロピオン酸3.81gを入れた。その後150℃まで加熱し、約2.5時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-59)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,900であった。
【化60】
【0183】
<合成例60>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)3.80g、TEP-TPA(東京化成工業株式会社製)12.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル22.55g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)2.43g、3-メルカプトプロピオン酸4.03gを入れた。その後140℃まで加熱し、約12時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-60)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,500であった。
【化61】
【0184】
<合成例61>
100mL二口フラスコに2-シクロペンチルシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)12.08g、フロログルシノール(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル42.34g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)7.63g、3-メルカプトプロピオン酸12.63gを入れた。その後140℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-61)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは600であった。
【化62】
【0185】
<合成例62>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)6.99g、2-フェニルインドール(東京化成工業株式会社製)9.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27.88g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.48g、3-メルカプトプロピオン酸7.42gを入れた。その後150℃まで加熱し、約12時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-62)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは600であった。
【化63】
【0186】
<合成例63>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)6.16g、N-フェニル-1-ナフチルアミン(東京化成工業株式会社製)9.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.44g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)3.94g、3-メルカプトプロピオン酸6.54gを入れた。その後150℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-63)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,400であった。
【化64】
【0187】
<合成例64>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)6.14g、9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)12.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.22g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.99g、3-メルカプトプロピオン酸1.09gを入れた。その後150℃まで加熱し、約16時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-64)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,400であった。
【化65】
【0188】
<合成例65>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)6.14g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)8.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート28.25g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.80g、3-メルカプトプロピオン酸7.95gを入れた。その後150℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール/水溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-65)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,400であった。
【化66】
【0189】
<合成例66>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)4.69g、2-シクロペンチルシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)4.75g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)10.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35.38g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)6.00g、3-メルカプトプロピオン酸9.94gを入れた。その後150℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-66)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,000であった。
【化67】
【0190】
<合成例67>
100mL二口フラスコにトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン-8-オン(東京化成工業株式会社製)7.00g、1,5-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社製)3.73g、9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)8.17g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30.81g、メタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)4.48g、3-メルカプトプロピオン酸7.42gを入れた。その後150℃まで加熱し、約21時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール溶液中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(2-67)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,700であった。
【化68】
【0191】
<比較合成例51>
100mL二口フラスコにフェノール(東京化成工業株式会社製)18.8g、トリフルオロメタンスルホン酸0.01gを加え、50℃で攪拌しながらジシクロペンタジエン(東京化成工業株式会社製)8.00gを滴下した。同温度で1時間攪拌後、150℃にまで昇温、2時間攪拌し、反応を終了させた。未反応物を再沈殿により除去した。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-51)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,000であった。
【化69】
【0192】
<比較合成例52>
100mL二口フラスコにジシクロペンタジエン(東京化成工業株式会社製)7.91g、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)10.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.00g、トリフルオロメタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)0.09gを入れた。その後150℃まで加熱し、約12時間還流撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過し、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーは式(1-52)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,000であった。
【化70】
【0193】
<実施例51>
合成例51で得た樹脂(即ちポリマー、以下同様)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は21.57質量%)を得た。この樹脂溶液3.27gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.01g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0194】
<実施例52>
合成例52で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.86質量%)を得た。この樹脂溶液2.53gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.63g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.69g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.31g、シクロヘキサノン3.68gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0195】
<実施例53>
合成例53で得た樹脂をシクロヘキサノンに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.45質量%)を得た。この樹脂溶液3.51gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.58g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.08g、シクロヘキサノン1.74gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0196】
<実施例54>
合成例54で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は23.34質量%)を得た。この樹脂溶液3.02gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.57g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0197】
<実施例55>
合成例55で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は21.53質量%)を得た。この樹脂溶液2.62gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.14g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.71g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.80g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.04g、シクロヘキサノン3.64gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0198】
<実施例56>
合成例56で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は17.65質量%)を得た。この樹脂溶液3.20gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.14g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.71g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.04g、シクロヘキサノン3.64gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0199】
<実施例57>
合成例57で得た樹脂をシクロヘキサノンに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.19質量%)を得た。この樹脂溶液3.10gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.14g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.71g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.67g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.22g、シクロヘキサノン1.10gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0200】
<実施例58>
合成例58で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.05質量%)を得た。この樹脂溶液3.13gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.14g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.71g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.29g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.04g、シクロヘキサノン3.64gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0201】
<実施例59>
合成例59で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は22.47質量%)を得た。この樹脂溶液3.14gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0202】
<実施例60>
合成例60で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は21.31質量%)を得た。この樹脂溶液3.31gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.57g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0203】
<実施例61>
合成例61で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.80質量%)を得た。この樹脂溶液3.56gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.71g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0204】
<実施例62>
合成例62で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.52質量%)を得た。この樹脂溶液3.61gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.57g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0205】
<実施例63>
合成例63で得た樹脂をシクロヘキサノンに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.98質量%)を得た。この樹脂溶液3.30gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.16g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.78g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.86g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.15g、シクロヘキサノン4.68gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0206】
<実施例64>
合成例64で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は19.00質量%)を得た。この樹脂溶液3.46gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.16g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.82g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.79g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.11g、シクロヘキサノン4.58gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0207】
<実施例65>
合成例65で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は20.75質量%)を得た。この樹脂溶液3.40gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.57g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0208】
<実施例66>
合成例66で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は23.14質量%)を得た。この樹脂溶液3.05gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.57g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0209】
<実施例67>
合成例67で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は20.43質量%)を得た。この樹脂溶液3.45gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.82g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0210】
<比較例51>
比較合成例51で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は23.68質量%)を得た。この樹脂溶液2.98gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.88g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.05g、シクロヘキサノン4.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0211】
<比較例52>
比較合成例52で得た樹脂をシクロヘキサノンに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は34.12質量%)を得た。この樹脂溶液1.65gに1%界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.06g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.14g、2質量%ピリジニウムベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.71g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.67g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.22g、シクロヘキサノン2.55gを加えて溶解させ、口径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
【0212】
[レジスト溶剤への溶出試験]
比較例51、52及び実施例51~67で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上で250℃60秒間または350℃で60秒間焼成し、レジスト下層膜(膜厚0.20μm)を形成した。これらレジスト下層膜をレジストに使用する溶剤である、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びシクロヘキサノンに浸漬した。これらレジスト下層膜はこれら溶剤に不溶であった。
【0213】
[光学定数測定]
比較例51、52及び実施例51~67で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で250℃60秒間または350℃で60秒間焼成し、レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。これらのレジスト下層膜を、分光エリプソメーターを用いて波長193nmでの屈折率(n値)及び光学吸光係数(k値、減衰係数とも呼ぶ)を測定した。結果を表4に示した。
【表4】
【0214】
[ドライエッチング速度の測定]
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用
いた。
RIE-10NR(サムコ製):CF4
比較例51-52及び実施例51-67で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で250℃60秒間または350℃で60秒間焼成してレジスト下層膜(膜厚0.20μm)を形成した。エッチングガスとしてCF4ガスを使用してドライエッチング速度を測定し、比較例51-52及び実施例51-67とレジスト下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。結果を表5に示した。ドライエッチング速度比は(レジスト下層膜)/(KrFフォトレジスト)のドライエッチング速度比である。
【0215】
【0216】
[埋め込み性評価]
150nm膜厚のSiO2基板、トレンチ幅50nm、ピッチ100nmのデンスパターンエリアにて埋め込み性を確認した。比較例51、52及び実施例51~67で調製されたレジスト下層膜形成組成物を上記基板上に塗布後、250℃で60秒間または350℃で60秒間焼成して約200nmのレジスト下層膜を形成した。この基板の平坦化性を日立ハイテクノロジーズ(株)製走査型電子顕微鏡(S-4800)を用いて観察し、パターン内部へのレジスト下層膜形成組成物の充填の有無を確認した(表6)。○は良好を、×は不良を表す。
【0217】
【0218】
[段差基板への被覆試験]
段差基板への被覆試験として、200nm膜厚のSiO
2基板で、パターンが形成されていないオープンエリア(OPEN)とトレンチ幅50nm、ピッチ100nmのデンスパターンエリア(DENSE)にて被覆膜厚の比較を行った。比較例51、52及び実施例51-~67で調製されたレジスト下層膜形成組成物を上記基板に塗布後、250℃で60秒間または350℃で60秒間焼成して約150nmのレジスト下層膜を形成した。この基板の平坦化性を日立ハイテクノロジーズ(株)製走査型電子顕微鏡(S-4800)を用いて観察し、段差基板のトレンチエリア(パターン部)とオープンエリア(パターンなし部)との膜厚差(トレンチエリアとオープンエリアとの塗布段差でありバイアスと呼ぶ)を測定することで平坦化性を評価した。ここで、平坦化性とは、パターンが存在する部分(トレンチエリア(パターン部))と、パターンが存在しない部分(オープンエリア(パターンなし部))とで、その上部に存在する塗布された被覆物の膜厚差(Iso-denseバイアス)が小さいことを意味する(表7)。具体的には、
図1で表される(b-a)がIso-denseバイアスである。図中、aは密のスペース部の中心での被覆膜の凹み深さであり、bはオープンエリア部の中心での被覆膜の凹み深さであり、cは使用した段差基板における当初のスペースの深さであり、dは被覆膜であり、eは段差基板である。
【0219】
【産業上の利用可能性】
【0220】
本発明によれば、高いエッチング耐性、良好なドライエッチング速度比及び光学定数を示し、いわゆる段差基板に対しても被覆性が良好で、埋め込み後の膜厚差が小さく、平坦な膜を形成し得るレジスト下層膜形成組成物が提供される。また本発明によれば、当該レジスト下層膜形成組成物に好適な重合体の製造方法、当該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジスト下層膜、並びに半導体装置の製造方法が提供される。