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特許7435647グラフィカルユーザインタフェースにおけるマルチソースの健康に基づく安全情報の集約
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】グラフィカルユーザインタフェースにおけるマルチソースの健康に基づく安全情報の集約
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20240214BHJP
   G16H 50/80 20180101ALI20240214BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H50/80
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022035361
(22)【出願日】2022-03-08
(65)【公開番号】P2022140366
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】17/198136
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤシムハ ヌゲハリィ
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】ヘラルド ラミレス
(72)【発明者】
【氏名】田中俊
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-250998(JP,A)
【文献】特表2020-531945(JP,A)
【文献】特開2016-184196(JP,A)
【文献】特開2013-016110(JP,A)
【文献】特開2019-079136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上の命令シーケンスを記憶する1つ以上のメモリと
を含む計算システムであって、
前記1つ以上の命令シーケンスは、前記1つ以上のプロセッサによって処理されると、
監視物理領域に関連する位置情報システム及びヘルスキオスク情報システムを含む一式の情報ソースからのデータを受信させ、
前記データを受信させることは、前記一式の情報ソースの各情報ソースについて、それぞれの前記情報ソースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してデータを受信させることを含み、前記APIは、前記ヘルスキオスク情報システムからの、前記監視物理領域に関する健康相互作用情報のリアルタイム更新データ及びリアルタイムの入場基準違反データを提供し、
計算デバイスで処理されると、前記一式の情報ソースからの前記受信したデータの表現を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースが表示されるようにするグラフィカルユーザインタフェースデータを生成させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースデータがクライアント計算デバイスに送信されるようにさせ、
前記監視物理領域の入場又は使用のために、ロック機構の制御を含む、健康に基づく入場基準を使用することによって、前記グラフィカルユーザインタフェースを介した前記クライアント計算デバイスを用いて前記監視物理領域へのアクセスを制御させる、計算システム。
【請求項2】
前記受信したデータは、前記監視物理領域内の1人以上のそれぞれの人の1つ以上の位置を含む位置データと、前記1人以上の人のうちそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データとを含み、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記1人以上の人の1つ以上の位置識別子を有する前記監視物理領域のマップ描画を含み、前記監視物理領域の前記マップ描画において、前記1つ以上の位置識別子の位置は、前記位置データに基づいて決定され、
前記1つ以上の位置識別子の各位置識別子は、それぞれの前記位置識別子に関連付けられた人について、前記健康相互作用データの1つ以上の表示健康相互作用値と視覚的に関連付けられる、請求項1に記載の計算システム。
【請求項3】
前記位置データは、リアルタイム位置データであり、
前記1人以上のそれぞれの人の前記1つ以上の位置は、リアルタイム位置であり、
前記監視物理領域の前記マップ描画における前記1つ以上の位置識別子は、前記1人以上の人の前記リアルタイム位置を反映する、請求項2に記載の計算システム。
【請求項4】
前記健康相互作用データは、前記ヘルスキオスク情報システムから受信され、前記位置データは、前記位置情報システムから受信される、請求項2に記載の計算システム。
【請求項5】
前記1つ以上の命令シーケンスは、前記1つ以上のプロセッサによって処理されると、
前記1人以上の人のうちそれぞれの人について、複数の健康相互作用値から、それぞれの前記人の前記健康相互作用データの健康状態インジケータを決定させる命令を更に含み、
前記1つ以上の位置識別子の各位置識別子に視覚的に関連付けられた前記1つ以上の表示健康相互作用値は、それぞれの前記位置識別子に関連付けられた人について決定された前記健康状態インジケータを含む、請求項2に記載の計算システム。
【請求項6】
前記受信したデータは、前記監視物理領域内の複数の人の位置情報と、前記複数の人のうちそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データとを含み、
前記1つ以上の命令シーケンスは、前記1つ以上のプロセッサによって処理されると、
前記複数の人のうち2人以上の人について、前記位置情報が距離基準違反を示すと決定させ、
前記健康相互作用データに従って前記2人以上の人のうち1人以上の人が健康警告基準を満たすと決定したことに基づいて、前記距離基準違反が高リスク距離基準違反であると決定させる命令を更に含み、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記高リスク距離基準違反の警告を含む、請求項1に記載の計算システム。
【請求項7】
前記位置情報は、リアルタイム位置情報である、請求項6に記載の計算システム。
【請求項8】
前記距離基準違反が高リスク距離基準違反であると決定することは、前記2人以上の人のうち特定の人が、(a)前記特定の人及び(b)以前の距離基準違反に関連するタイムスタンプの閾値期間内に発生した疾患診断を有する他の人の双方に関する以前の距離基準違反に基づいて健康警告基準を満たすと決定することに基づき、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記高リスク距離基準違反の前記警告に視覚的に関連付けられた接触追跡警告マーキングを含む、請求項6に記載の計算システム。
【請求項9】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記複数の人の複数の位置識別子を有する前記監視物理領域のマップ描画を更に含み、前記監視物理領域の前記マップ描画における前記複数の位置識別子の位置は、位置データに基づいて決定され、
前記警告は、前記2人以上の人の前記位置識別子に視覚的に関連付けられた前記高リスク距離基準違反の視覚表示を含む、請求項6に記載の計算システム。
【請求項10】
前記距離基準は、人の間で維持されるべき最小距離と、前記距離基準に違反する前に前記最小距離に違反し得る最大期間とを含む、請求項6に記載の計算システム。
【請求項11】
前記1人以上の人のうち特定の人が前記健康警告基準を満たすと決定することは、
前記特定の人の体温が温度閾値を超えること、
前記特定の人の疾患診断、
前記特定の人の報告された注意を促す症状、
前記特定の人に関する複数の以前の距離基準違反、又は
(a) 前記特定の人及び(b)以前の距離基準違反に関連するタイムスタンプの閾値期間内に発生した疾患診断を有する他の人の双方に関する以前の距離基準違反
のうち1つ以上に基づく、請求項6に記載の計算システム。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサによって処理されると、
監視物理領域に関連する位置情報システム及びヘルスキオスク情報システムを含む一式の情報ソースからのデータを受信させ、
前記データを受信させることは、前記一式の情報ソースの各情報ソースについて、それぞれの前記情報ソースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してデータを受信させることを含み、前記APIは、前記ヘルスキオスク情報システムからの、前記監視物理領域に関する健康相互作用情報のリアルタイム更新データ及びリアルタイムの入場基準違反データを提供し、
計算デバイスで処理されると、前記一式の情報ソースからの前記受信したデータの表現を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースが表示されるようにするグラフィカルユーザインタフェースデータを生成させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースデータがクライアント計算デバイスに送信されるようにさせ、
前記監視物理領域の入場又は使用のために、ロック機構の制御を含む、健康に基づく入場基準を使用することによって、前記グラフィカルユーザインタフェースを介した前記クライアント計算デバイスを用いて前記監視物理領域へのアクセスを制御させる
1つ以上の命令シーケンスを記憶した1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項13】
前記受信したデータは、前記監視物理領域内の1人以上のそれぞれの人の1つ以上の位置を含む位置データと、前記1人以上の人のうちそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データとを含み、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記1人以上の人の1つ以上の位置識別子を有する前記監視物理領域のマップ描画を含み、前記監視物理領域の前記マップ描画において、前記1つ以上の位置識別子の位置は、前記位置データに基づいて決定され、
前記1つ以上の位置識別子の各位置識別子は、それぞれの前記位置識別子に関連付けられた人について、前記健康相互作用データの1つ以上の表示健康相互作用値と視覚的に関連付けられる、請求項12に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項14】
前記位置データは、リアルタイム位置データであり、
前記1人以上のそれぞれの人の前記1つ以上の位置は、リアルタイム位置であり、
前記監視物理領域の前記マップ描画における前記1つ以上の位置識別子は、前記1人以上の人の前記リアルタイム位置を反映する、請求項13に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項15】
前記健康相互作用データは、前記ヘルスキオスク情報システムから受信され、前記位置データは、前記位置情報システムから受信される、請求項13に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項16】
前記1つ以上の命令シーケンスは、前記1つ以上のプロセッサによって処理されると、
前記1人以上の人のうちそれぞれの人について、複数の健康相互作用値から、それぞれの前記人の前記健康相互作用データの健康状態インジケータを決定させる命令を更に含み、
前記1つ以上の位置識別子の各位置識別子に視覚的に関連付けられた前記1つ以上の表示健康相互作用値は、それぞれの前記位置識別子に関連付けられた人について決定された前記健康状態インジケータを含む、請求項13に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項17】
前記受信したデータは、前記監視物理領域内の複数の人の位置情報と、前記複数の人のうちそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データとを含み、
前記1つ以上の命令シーケンスは、前記1つ以上のプロセッサによって処理されると、
前記複数の人のうち2人以上の人について、前記位置情報が距離基準違反を示すと決定させ、
前記健康相互作用データに従って前記2人以上の人のうち1人以上の人が健康警告基準を満たすと決定したことに基づいて、前記距離基準違反が高リスク距離基準違反であると決定させる命令を更に含み、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記高リスク距離基準違反の警告を含む、請求項12に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項18】
前記距離基準違反が高リスク距離基準違反であると決定することは、前記2人以上の人のうち特定の人が、(a)前記特定の人及び(b)以前の距離基準違反に関連するタイムスタンプの閾値期間内に発生した疾患診断を有する他の人の双方に関する以前の距離基準違反に基づいて健康警告基準を満たすと決定することに基づき、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記高リスク距離基準違反の前記警告に視覚的に関連付けられた接触追跡警告マーキングを含む、請求項17に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項19】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記複数の人の複数の位置識別子を有する前記監視物理領域のマップ描画を更に含み、前記監視物理領域の前記マップ描画における前記複数の位置識別子の位置は、位置データに基づいて決定され、
前記警告は、前記2人以上の人の前記位置識別子に視覚的に関連付けられた前記高リスク距離基準違反の視覚表示を含む、請求項17に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項20】
コンピュータ実施方法であって、
監視物理領域に関連する位置情報システム及びヘルスキオスク情報システムを含む一式の情報ソースからのデータを受信するステップであって、前記データを受信することは、前記一式の情報ソースの各情報ソースについて、それぞれの前記情報ソースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してデータを受信することを含み、前記APIは、前記ヘルスキオスク情報システムからの、前記監視物理領域に関する健康相互作用情報のリアルタイム更新データ及びリアルタイムの入場基準違反データを提供する、ステップと、
計算デバイスで処理されると、前記一式の情報ソースからの前記受信したデータの表現を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースが表示されるようにするグラフィカルユーザインタフェースデータを生成するステップと、
前記グラフィカルユーザインタフェースデータがクライアント計算デバイスに送信されるようするステップと、
前記監視物理領域の入場又は使用のために、ロック機構の制御を含む、健康に基づく入場基準を使用することによって、前記グラフィカルユーザインタフェースを介した前記クライアント計算デバイスを用いて前記監視物理領域へのアクセスを制御するステップと
を含み、
当該方法は、1つ以上の計算デバイスによって実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願データ]
本出願は、2020年2月28日に出願された「Intelligent Data Analytics」という名称の米国特許出願第16/804,373号(代理人整理番号49986-0962)に関連しており、その内容の全てを、本明細書に完全に記載されているかのように、全ての目的のために参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
実施形態は、グラフィカルユーザインタフェースに関し、より具体的には、グラフィカルユーザインタフェースにおいて複数の情報ソースからの健康に基づく職場安全情報を集約することに関する。
【背景技術】
【0003】
本節に記載の手法は追求可能である手法であるが、必ずしも以前に考案又は追求された手法であるとは限らない。したがって、別段の指示がない限り、本節に記載の手法のいずれかが、単に本節に含まれているという理由のみで従来技術として認められるものとみなされるべきではない。
【0004】
多くの種類の企業にとって、企業活動を行うために、専用のオフィスの位置(職場)に集まることは重要である。しかし、職場にいながら、社会的距離及び他の健康に基づく安全対策を維持することは困難になる可能性がある。管理者及び人事部門が、職場において健康に基づく安全対策を実施することは、更に困難である。
【0005】
職場における健康に基づく安全対策を管理するために、職場慣行及び施設に関する正確な情報を収集して維持することが重要である。ヘルスキオスク、職場位置モニタ及びアクセス管理システムを含み、このような情報を収集するために使用できる様々な情報システムが存在する。しかし、これらの情報システムは、様々な技術及びデータ記憶ソリューションを使用して情報を収集しおり、様々なシステムを介して情報にアクセスすることは煩雑になる可能性がある。例えば、所与の職場に実装された各システムは、システムによって収集された情報を配信するために、それ自身のインタフェースに関連付けられ、システムの間のいずれかの情報集約は、一般的に、職場管理者自身によって実行される。この種類の手作業による集約は、集約方法によっては時間がかかり誤差を生じやすい。
【0006】
職場における健康に基づく安全対策の管理を容易にするために、所与の職場内に実装された複数の異なる情報システムからの情報を自動的に集約することが望ましく、有益である。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態によれば、計算システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上の命令シーケンスを記憶する1つ以上のメモリとを含む。1つ以上のプロセッサによる命令の処理は、位置情報システム及びヘルスキオスク情報システムを含む一式の情報ソースからのデータを受信させ、当該データを受信させることは、一式の情報ソースの各情報ソースについて、それぞれの当該情報ソースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API, application programming interface)を介してデータを受信させることを含む。計算デバイスで処理されると、一式の情報ソースからの受信したデータの表現を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースの表示を引き起こすグラフィカルユーザインタフェースデータが生成される。グラフィカルユーザインタフェースデータは、クライアント計算デバイスに送信される。
【0008】
一実施形態によれば、受信したデータは、監視物理領域内の1人以上のそれぞれの人の1つ以上の位置を含む位置データと、1人以上の人のうちそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データとを含む。さらに、グラフィカルユーザインタフェースは、1人以上の人の1つ以上の位置識別子を有する監視物理領域のマップ描画を含み、監視物理領域のマップ描画において、1つ以上の位置識別子の位置は、位置データに基づいて決定される。この実施形態では、1つ以上の位置識別子の各位置識別子は、それぞれの当該位置識別子に関連付けられた人について、健康相互作用データの1つ以上の表示健康相互作用値と視覚的に関連付けられる。一実施形態によれば、複数の健康相互作用値から、1人以上の人のうちそれぞれの人の健康相互作用データの健康状態インジケータを決定させ、1つ以上の位置識別子の各位置識別子に視覚的に関連付けられた当該1つ以上の表示健康相互作用値は、それぞれの当該位置識別子に関連付けられた人について決定された健康状態インジケータを含む。
【0009】
一実施形態によれば、受信したデータは、監視物理領域内の複数の人の位置情報と、複数の人のうちそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データとを含む。この実施形態では、距離基準違反は、2人以上の人のうち1人以上の人が健康警告基準を満たすと決定したことに基づいて、高リスク距離基準違反であると決定され、グラフィカルユーザインタフェースは、高リスク距離基準違反の警告を含む。一実施形態によれば、受信データは位置データを含み、グラフィカルユーザインタフェースは、複数の人の複数の位置識別子を有する監視物理領域のマップ描画を更に含み、監視物理領域のマップ描画における複数の位置識別子の位置は、位置データに基づいて決定される。この実施形態では、警告は、2人以上の人の位置識別子に視覚的に関連付けられた高リスク距離基準違反の視覚表示を含む。
【0010】
一実施形態によれば、距離基準は、人の間で維持されるべき最小距離と、距離基準に違反する前に最小距離に違反し得る最大期間とを含む。一実施形態によれば、1人以上の人のうち特定の人が健康警告基準を満たすと決定することは、特定の人の体温が温度閾値を超えること、特定の人の疾患診断、特定の人の報告された注意を促す症状、特定の人に関する複数の以前の距離基準違反、又は(a)特定の人及び(b)以前の距離基準違反に関連するタイムスタンプの閾値期間内に発生した疾患診断を有する他の人の双方に関する以前の距離基準違反のうち1つ以上に基づく。この手法は、1つ以上のプロセッサによって処理されると、当該手法を実施させる命令を記憶した1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体によって、或いは1つ以上のコンピュータ実施方法によって実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態が実施され得る例示的なコンピュータシステム構成を示す。
図2】位置システム及びヘルスキオスクシステムを含む複数の情報ソースからのデータをグラフィカルユーザインタフェースにおいて視覚的に集約するためのフローチャートである。
図3A】職場を監視する例示的な位置システムの一部であるセンサで構成された例示的な職場を示す。
図3B】職場を監視する例示的な位置システムの一部であるセンサで構成された例示的な職場を示す。
図4】監視物理領域のマップを含む例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示しており、マップは、監視物理領域内の人の位置インジケータと、人の健康相互作用値とを表示する。
図5A】監視物理領域内の人の高リスク距離基準違反を示すグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図5B】監視物理領域内の人の高リスク距離基準違反を示すグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図6A】グラフ/チャートを介して複数の情報ソースからの情報を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図6B】グラフ/チャートを介して複数の情報ソースからの情報を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図7】例示的な職場健康データリポジトリの内容を示す。
図8】実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。 図面のそれぞれは、明確な例を示す目的で特定の実施形態を示しているが、他の実施形態は、図面に示された要素のいずれかを省略、追加、順序変更及び/又は修正してもよい。明確な例を示す目的で、1つ以上の実施形態は、図面のうち1つ以上を参照して記載されることがある。しかし、1つ以上の図面に示す特定の構成を使用することは、実施形態にとって必要ではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、説明の目的で、本開示の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかし、本開示は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよいことは明らかである。他の場合にも、本開示を不必要にあいまいにすることを回避するために、周知の構造及びデバイスはブロック図形式で示されている。「第1」及び「第2」のような修飾子が要素を区別するために使用されることがあるが、修飾子は必ずしも特定の順序を示すとは限らない。
I.概要
II.健康に基づく安全視覚集約システム
A.ヘルスキオスクシステム
B.位置システム
C.ジオフェンシングシステム
D.職場管理システム
E.訪問者追跡システム
F.アクセス管理システム
III.集約された健康に基づく安全情報を有するグラフィカルユーザインタフェース
A.健康相互作用データを表示するマップを有するグラフィカルユーザインタフェース
i.健康警告基準
ii.健康状態インジケータ
B.高リスク距離基準違反データを有するグラフィカルユーザインタフェース
C.接触追跡
D.複合統計を有するグラフィカルユーザインタフェース
IV.職場健康データリポジトリ
A.識別情報
B.位置情報
C.様々なデータセットにおける識別子に基づく集約
V.アーキテクチャ
VI.実装例
[I.概要]
グラフィカルユーザインタフェース(GUI, graphical user interface)は、職場における健康に基づく安全対策の管理を容易にするために、様々な情報ソースシステムからの情報を視覚的に集約する。具体的には、本明細書に記載の方法及びシステムは、GUIにおいて少なくとも位置情報システム及びヘルスキオスク情報システムからの情報を視覚的に集約する。したがって、記載のGUIは、ハイレベル判断のための要約情報を提供すると共に、複数のソースからの情報を組み込むソース間データ分析を提供する。健康に基づく安全情報の自動的な視覚的集約は、職場管理者により実行される必要があるアプリケーションの数を低減し、それによって職場における健康に基づく安全対策を管理するために必要な処理能力を低減する。また、記載のGUIの使用は、職場における健康に基づく安全対策を実施するときに、職場管理者の効率を増加させる。
【0013】
[II.健康に基づく安全視覚集約システム]
図1は、実施形態が実装され得る例示的な計算システム構成100を示す。具体的には、図1の構成100は、視覚集約アプリケーション(VAA, visual aggregator application)112で構成された計算デバイス110を含む。構成100はまた、ネットワーク120を介して通信可能に接続されたクライアントデバイス130、位置システム140及びヘルスキオスクシステム150を含む。VAA112は、位置システム140及びヘルスキオスクシステム150を含む情報ソースからのデータを視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースのためのデータを生成するように構成され、これについて以下に更に詳細に説明する。
【0014】
図2は、複数の情報ソースからのデータを視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースのためのデータを生成するためのフローチャート200である。具体的には、フローチャート200のステップ202において、位置情報システム及びヘルスキオスク情報システムを含む一式の情報ソースからデータが受信され、データを受信することは、一式の情報ソースの各情報ソースについて、それぞれの当該情報ソースのアプリケーションプログラミングインタフェース(API, application programming interface)を介してデータを受信することを含む。
【0015】
例えば、計算デバイス110におけるVAA112は、各システムのAPIを介して、少なくとも位置システム140及びヘルスキオスクシステム150からデータを受信する。APIは、エンティティのための通信プロトコルを定義することによって、異なるエンティティの間の通信を可能にする計算インタフェースである。APIは、情報ソースから情報を要求するために使用されてもよく、また、特定のアクションが情報ソースシステムによって行われることを要求するために使用されてもよい。
【0016】
一実施形態では、VAA112は、ジオフェンシングシステム、職場管理システム、訪問者追跡システム、アクセス管理システム等のような、図1に表されてもよく或いは表されていなくてもよい多数の外部データソースのいずれかに通信可能に接続される。VAA112は、ネットワーク120を介して外部データソースに通信可能に接続されてもよい。外部データソースは、職場の健康関連データであれ他のデータであれ、様々なデータのいずれかへのアクセスをVAA112に提供してもよい。
【0017】
[A.ヘルスキオスクシステム]
ヘルスキオスクは、典型的には、建物/監視物理領域の入り口に設置される物理的なデバイスであり、1つ以上の健康関連サービスを提供する。これらの1つ以上の健康関連サービスは、体温の検出、手指消毒剤の分配、コードのスキャン(例えば、身分証明カードに対するもの)、調査質問の表示、入力検出(例えば、タッチパッド、キーボード、カメラ又はユーザ入力を受け付ける他のセンサ)、顔のスキャン(例えば、人を識別するため、人がマスクを着用しているか否かを判断するため)等を含んでもよい。多くの場合、ヘルスキオスクは、頻繁な消毒の必要性を回避するために、タッチフリーサービスを提供する。
【0018】
ヘルスキオスクシステム150は、1つ以上の計算デバイスと、ネットワーク120を介して計算デバイス110に通信可能に接続された1つ以上のヘルスキオスクとを含む。ヘルスキオスクシステム150の計算デバイスはシステムのヘルスキオスクと異なってもよく、及び/又はシステム150のヘルスキオスクは1つ以上の統合された計算デバイスを有してもよい。
【0019】
ヘルスキオスクシステム150の1つ以上のヘルスキオスクは、監視物理領域(例えば、図3の職場300)に入る人又は監視物理領域を使用する人のための健康相互作用データを収集するように構成される。一実施形態によれば、ヘルスキオスクシステム150は、人との相互作用の間に収集されたデータを示す履歴データを維持し、及び/又は収集された健康相互作用情報を示す情報をVAA112に送信する。ここで使用される健康相互作用データは、ヘルスキオスクシステム150のような情報ソースによって収集されたいずれかの健康又は職場の安全関連データを示す。ヘルスキオスクシステム150によって収集された健康相互作用データは、キオスク相互作用のタイムスタンプ、体温、識別子スキャン結果、1つ以上の調査回答、顔認識結果、音声認識結果、1つ以上の画像、1つ以上の音声記録、マスク検出結果、消毒剤分配結果、自己報告の疾患診断等のうち1つ以上を含む。
【0020】
一実施形態によれば、ヘルスキオスクシステム150は、身元確認要件、最高体温、マスクの着用及び健康調査質問に対する特定の回答のような、人が監視物理領域に入るための健康に基づく入場基準の実施を支援するための情報をVAA112に提供する。この実施形態では、VAA112は、監視物理領域内で特定の人が許可されるべきか否かを判断するために入場基準を使用する。一実施形態によれば、VAA112は、ディスプレイデバイス(例えば、ヘルスキオスクシステム150のヘルスキオスクにおけるもの)を介して、ユーザが監視物理領域に入るためにクリアされている(is cleared)か否かを表示させる。一実施形態によれば、VAA112は、所与の人が監視物理領域に入るためにクリアされているか否かを示すメッセージを他のシステム(例えば、以下に更に詳細に説明するように、監視物理領域へのロックされた入口ドアを制御するキーカード入場システムのようなアクセス管理システム等)又は監視物理領域への入場を可能にするガードに送信する。
【0021】
ヘルスキオスクシステム150は、VAA112がシステム150と通信し得るAPIを含む。例えば、ヘルスキオスクシステムAPIを介して、VAA112は、健康相互作用情報の周期的な更新、健康相互作用情報のリアルタイム更新、検出された入場基準違反のリアルタイム通知、入場基準違反を示す履歴データ等を要求してもよい。ヘルスキオスクシステム150は、リアルタイム又は周期的に、ネットワーク120を介して要求された情報をVAA112に提供する。
【0022】
[B.位置システム]
位置システム140は、監視領域内の人/物の位置情報を提供する。位置システム140によって提供される位置情報は、リアルタイム情報でもよい。本明細書で使用される「人の位置」は、予約位置、職場位置、リアルタイム位置、入口位置等でもよい、人に関連付けられた位置を示す。位置システム140は、ジオフェンシングシステム、訪問者追跡システム、職場管理システム、アクセス管理システム等のうちの1つ以上によって、或いはこのようなシステムのいずれかの組み合わせによって、多くの方法で実装されてもよい。
【0023】
[C.ジオフェンシングシステム]
ジオフェンスは、物理領域の仮想境界である。例示的な位置システム140として少なくとも部分的に本明細書に記載されているジオフェンシングシステムは、職場のような監視物理領域の境界を規定する仮想境界内の人のリアルタイム位置を検出するように構成された1つ以上の計算デバイスを含む。ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の人の位置のリアルタイム追跡を可能にするいずれかの方法で実装されてもよい。
【0024】
一実施形態によれば、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の人によって着用されるか、携帯されるか、或いは取り付けられる位置認識デバイスを少なくとも部分的に使用して実装される。位置認識デバイスは、デバイスの地理的位置を追跡し、位置情報を(リアルタイム又はより長い間隔で)ジオフェンシングシステムに送信するデバイスである。位置認識デバイスの例は、ウェアラブル計算デバイス(例えば、スマートウォッチ、メガネ型計算デバイス、インプラント可能計算デバイス等)及びポータブル計算デバイス(例えば、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレット計算デバイス、ラップトップコンピュータ等)を非限定的に含む。この実施形態では、ジオフェンシングシステムは、位置認識デバイスからの送信データをコンパイルし、監視物理領域内のデバイスの位置(したがって、関連付けられた人の位置)を追跡する。
【0025】
一実施形態によれば、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の人によって着用/携帯されるか或いは取り付けられた識別デバイスを少なくとも部分的に使用して実装される。識別デバイスは、ジオフェンシングシステムの1つ以上のセンサがデバイスの地理的位置を追跡することを可能にするデバイスである。識別デバイスの例は、無線周波数識別(RFID, radio frequency identification)タグ、識別(ID, identification)カード、赤外線(IR, infrared)ビーコンベースのデバイス等を含む。この実施形態では、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の識別デバイスの位置を識別し、監視物理領域内の関連付けられた人の位置を追跡するために、1つ以上のセンサ(例えば、IR受信機センサ、カメラ等)を使用する。
【0026】
一実施形態によれば、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の人を検出するように構成された1つ以上の計算デバイスに通信可能に接続された1つ以上のセンサを少なくとも部分的に使用して実装される。例えば、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の人を検出及び/又は識別するために、カメラベースのセンサ及び1つ以上のコンピュータビジョンアプリケーションを使用する。他の例では、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内に人の身元を特定及び/又は識別及び/又は確認するために、マイクロホンベースのセンサ及び1つ以上の音響ベースのアプリケーションを使用する。人を識別するために、音声認識が顔/身体認識と組み合わせて使用されてもよい。更に他の例では、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の人の位置を検出するために、全地球測位システム(GPS, Global Positioning System)データを使用する。更なる例では、ジオフェンシングシステムは、監視物理領域内の物及び人を特定するために、近接センサ(例えば、音響ベースのセンサ、光ベースのセンサ、IRベースのセンサ、電磁場ベースのセンサ、タッチセンサ等)を使用する。
【0027】
1つ以上のセンサを含むジオフェンシングシステムの例示的な構成を示すために、図3A~3Bは、職場300を監視するジオフェンシングシステムの一部である例示的なセンサ310A及び310Bで構成された例示的な職場300を示す。職場300の例示的な構成では、3人の人302~306が、以下に更に詳細に説明する距離基準に従って、最小距離を維持するように、互い違いのパーティションに存在する。
【0028】
センサ310A及び310Bは、例示的な職場300の対角に配置されるように示されているが、実施形態はこの例に限定されず、任意の位置における任意の数のセンサに適用可能である。図3Bに示すように、それぞれのセンサ310A及び310Bのセンサカバー領域312A及び312Bは、職場300の大部分をカバーする。一実施形態によれば、ジオフェンシングシステムのセンサのセンサカバー領域は、監視物理領域の一部、大部分又は全部をカバーする。センサ310A及び310Bはカメラとして示されているが、本明細書に記載の実施形態は、上記に詳細に説明したように、これに限定されない。
【0029】
一実施形態によれば、ジオフェンシングシステムは、人の間に維持されるべき最小距離(例えば6フィート)、及び距離基準に違反する前に最小距離に違反し得る最大期間(例えば15分)のような、人の位置についての距離基準を維持する。距離基準の他の例として、最大期間よりも長く、監視物理領域の所与の部屋の最大人数を超えないものとする。4人の収容人数を有する部屋は、5人以上の人が15分よりも長く部屋を使用しているとして(例えば、訪問者追跡システム又は職場管理システムの予約機能を通じて)登録される。部屋における人数の検出は、例えば、入室/退室についてユーザ識別検証を必要とするか或いは実行する、部屋固有のアクセス管理システムに基づいて決定されてもよい。
【0030】
この実施形態では、ジオフェンシングシステムは、収集された位置情報が、いずれかの人が距離基準に違反したことを示すか否かを判断するために、維持された距離基準を使用する。例えば、距離基準で指定されたように、最大期間よりも長く最小距離未満にいると決定された2人の人は、距離基準に違反しているとみなされる。ジオフェンシングシステムは、距離基準の違反を示す履歴データを維持し、及び/又は距離基準の違反を示す情報をVAA112に送信する。
【0031】
ジオフェンシングシステムは、VAA112がネットワーク120を介して計算デバイス110に通信可能に接続されたジオフェンシングシステムの1つ以上の計算デバイスと通信し得るAPIを含む。例えば、位置システムAPIを介して、VAA112は、人の位置の周期的な更新、人の位置のリアルタイム更新、検出された距離基準違反のリアルタイム通知、履歴上の距離基準の違反を示す履歴データ等を要求してもよい。ジオフェンシングシステムは、リアルタイム又は周期的に、ネットワーク120を介して要求された情報をVAA112に提供する。情報のリアルタイム処理及び/又は通信は、処理又は通信されている情報に反映されるイベントの短期間に発生する処理又は通信を意味する。
【0032】
[D.職場管理システム]
職場管理システムは、デスク/職場空間管理、仕事復帰方針/実施、道順案内、サービス要求、部屋管理、モノのインターネット(IoT, Internet of Things)管理、デジタルサイネージ等のうち1つ以上を含む職場の1つ以上の側面を自動的に管理する。職場管理システムは、ネットワーク120を介して計算デバイス110に通信可能に接続された1つ以上の計算デバイスを含んでもよく、或いは、クラウドベースのアプリケーションとして実装されてもよい。
【0033】
一実施形態によれば、位置システム140は、職場管理システムによって少なくとも部分的に実装される。本実施形態では、職場管理システムは、人に割り当てられた作業領域、人に予約された部屋、職場管理システムに登録された計算デバイスにおけるユーザのログイン又はチェックイン、道順案内の要求の目的地又は起点位置等に基づいて、監視物理領域内の人の位置を記録する。さらに、職場管理システムは、VAA112が1つ以上の他の情報システムと視覚的に集約する他の種類の情報を収集してもよい。
【0034】
このような職場管理システムは、VAA112がシステムと通信し得るAPIを含む。例えば、職場管理システムAPIを介して、VAA112は、職場管理システム情報の周期的又はリアルタイム更新を要求してもよい。システムは、リアルタイム又は周期的に、ネットワーク120を介して要求された情報をVAA112に提供する。
【0035】
[E.訪問者追跡システム]
訪問者追跡システムは、監視物理領域への訪問者を自動的に管理する。例えば、訪問者追跡システムを通じて、ホスト(例えば、職場の従業員)は、新たな訪問者を識別する情報を提供し、訪問者追跡システムは、訪問者IDを訪問者に割り当てる。ホストはまた、訪問者の訪問をスケジューリングしてもよく、訪問者のための部屋を予約してもよく、及び/又は招待状を訪問者に(例えば、電子メール、テキスト、電話等を介して)送信してもよい。
【0036】
訪問者が職場に到着すると、訪問者は訪問者追跡システムにチェックインする。例えば、訪問者は識別情報(例えば、訪問者のクイックレスポンス(QR, Quick Response)コード、ユーザ識別の口頭確認、顔認識アプリケーションのための訪問者の顔の画像等)を提供する。訪問者は、いずれかの方式で、例えば、訪問者追跡システムのGUI、ヘルスキオスク、アクセス管理デバイス、アクセス管理GUI等を介してこの情報を提供してもよい。例えば、訪問者はヘルスキオスクを介して情報を提供し、ヘルスキオスクシステム150は受信した情報を訪問者追跡システムに提供する。登録されたホストは、訪問者追跡システムから訪問者がチェックインしたという通知を受信する。
【0037】
一実施形態によれば、訪問者追跡システムは、例えば、訪問者追跡システムのGUIを介して、訪問者に必要な情報を訪問者に更に提供する。この情報は、ゲストWi-Fiサービスのための接続情報、施設内デバイスのゲスト印刷及びスキャンのための情報、1つ以上のインタラクティブホワイトボードのための接続情報等を含む。
【0038】
訪問が終了した後に、訪問者は、いずれかの方法で、例えば、訪問者追跡システムのGUI、アクセス管理システム等を介して訪問者追跡システムからチェックアウトする。チェックアウトすると、訪問者追跡システムによって維持されている訪問者の状態は、「チェックイン」から「チェックアウト」に変更される。
【0039】
一実施形態によれば、位置システム140は、訪問者追跡システムによって少なくとも部分的に実装される。この実施形態では、訪問者追跡システムは、訪問者のチェックイン及びチェックアウトに関連する位置情報(例えば、訪問者のチェックイン又はチェックアウトに使用されるアクセス管理デバイスの位置)、訪問者により使用されるために予約された部屋、監視物理領域内のデバイス(例えば、プリンタ、スキャナ)の訪問者の使用等に基づいて、監視物理領域内の人の位置を記録する。さらに、訪問者追跡システムは、VAA112が1つ以上の他の情報システムからの情報と視覚的に集約する他の種類の情報を収集してもよい。
【0040】
訪問者追跡システムは、ネットワーク120を介して計算デバイス110に通信可能に接続された1つ以上の計算デバイスを含んでもよく、或いは、クラウドベースのアプリケーションとして実装されてもよい。このような訪問者追跡システムは、VAA112がシステムと通信し得るAPIを含む。例えば、訪問者追跡システムAPIを介して、VAA112は、訪問者追跡システムによって収集された情報の周期的又はリアルタイム更新を要求してもよい。システムは、リアルタイム又は周期的に、ネットワーク120を介して要求された情報をVAA112に提供する。
【0041】
[F.アクセス管理システム]
アクセス管理システムは、監視物理領域への入場を自動的に管理する。アクセス管理システムは、ネットワーク120を介して計算デバイス110に通信可能に接続された1つ以上の計算デバイスを含むか、或いは、クラウドベースのアプリケーションとして少なくとも部分的に実装されてもよい。
【0042】
一実施形態によれば、アクセス管理システムは、監視物理領域に入ることを試みる人からの情報を収集する1つ以上のアクセスデバイスを更に含む。例えば、アクセス管理システムは、例えば、バーコード又はQRコード(登録商標)をスキャンすること、カード上の磁気ストリップを読み取ること、人又は識別カードの画像を撮影して画像から情報を抽出するためにコンピュータビジョンを使用すること等によって、従業員及び/又は訪問者の識別情報を読み取るように構成された1つ以上のスキャナを含む。一実施形態によれば、アクセス管理システムは、監視物理領域への申し込まれた入場者から収集された情報が、システムによって維持されている許可アクセスリスト上の情報と一致したとき、システムが自動的に解放するロック機構を更に含む。
【0043】
他の実施形態によれば、アクセス管理システムは、識別情報を検査し、入場を要求している人へのアクセスを許可又は拒否するためにアクセス管理システムを使用する1つ以上の人物ガードによって実行される。この実施形態では、アクセス管理システムは、1つ以上のロックデバイスを介して、許可された入場者へのアクセスを自動的に許可する。
【0044】
一実施形態によれば、アクセス管理システムは、ユーザ識別子及び監視物理領域に入るための健康に基づく許可を含む、ヘルスキオスクシステム150のヘルスキオスクから、監視物理領域に入ることを要求する人についての入力を受信する。施設に入るための健康に基づく許可に基づいて、アクセス管理システムは、許可アクセスリストに対してユーザ識別情報を検査する。ユーザ識別子が許可アクセスリストにある場合、アクセス管理システムは、例えば、入場者により使用されているヘルスキオスクの近くにあるドアのロック機構を自動的に解除することにより、人の入場を許可する。
【0045】
一実施形態によれば、アクセス管理システムは、施設を離れるときに人を識別する。例えば、ユーザIDカードのスキャン、出口近くの人の撮影画像に基づく顔認識の実行、出口近くの人の録音に基づく音声認識の実行等に基づいて、施設を離れる人を識別する。
【0046】
一実施形態によれば、位置システム140は、アクセス管理システムによって少なくとも部分的に実装される。この実施形態では、アクセス管理システムは、入場要求が受け付けられたか拒否されたかにかかわらず、使用された入場位置、入場要求のタイムスタンプ、入場者の撮影画像に基づいて、監視物理領域内の人の位置を記録する。アクセス管理システムはまた、施設を出る人についてこのような情報を収集してもよい。
【0047】
さらに、アクセス管理システムは、VAA112が1つ以上の他の情報システムと視覚的に集約する情報を収集してもよい。例えば、人の位置情報を反映するマップスタイルのGUIにおいて、VAA112は、人の位置インジケータを、所与の時間枠内にその人に対して拒否された監視物理領域へのアクセスの回数のような、1つ以上のアクセス管理統計のリストに関連付けさせる。一実施形態によれば、VAA112は、特定の人が、先月の間に3回より多くの入場拒否を有することのような、アクセス警告基準を満たすと決定する。この決定に応じて、VAA112は、アクセス管理統計テキストのスタイル又は色、位置インジケータの色、位置インジケータに視覚的に関連付けられたアイコン等のような視覚的警告インジケータに、人の位置インジケータを自動的に関連付ける。
【0048】
このようなアクセス管理システムは、VAA112がシステムと通信し得るAPIを含む。例えば、アクセス管理システムAPIを介して、VAA112は、アクセス管理システム情報の周期的又はリアルタイム更新を要求してもよい。システムは、リアルタイム又は周期的に、ネットワーク120を介して要求された情報をVAA112に提供する。
【0049】
[III.集約された健康に基づく安全情報を有するグラフィカルユーザインタフェース]
フローチャート200のステップ204において、計算デバイスにおいて処理されているグラフィカルユーザインタフェースデータが、一式の情報ソースからの受信データの表現を視覚的に集約するグラフィカルユーザインタフェースを表示させるように、グラフィカルユーザインタフェースデータが生成される。グラフィカルユーザインタフェースデータは、如何なる種類でもよく、或いは、特定の実装に依存して変化し得る如何なる形式でもよい。例えば、グラフィカルユーザインタフェースデータは、アプリケーションデータ又は1つ以上のウェブページでもよい。VAA112は、位置システム140からの人の位置情報の更新及びヘルスキオスクシステム150からの健康相互作用情報の更新を受信し、以下に更に詳細に説明する職場健康データリポジトリに情報を記憶する。VAA112は、位置システム140及びヘルスキオスクシステム150からの視覚的に集約された情報を有するGUIを表示するために、クライアントデバイス130から要求を受信する。要求の受信に応じて、VAA112は、クライアントデバイス130によって処理されると、クライアントデバイス130のディスプレイデバイスにグラフィカルユーザインタフェースを表示させるGUIデータを生成する。本明細書に記載の実施形態によれば、グラフィカルユーザインタフェースは、職場健康データリポジトリ内に記憶された位置システム140及びヘルスキオスクシステム150からの情報を視覚的に集約する。
【0050】
フローチャート200のステップ206において、グラフィカルユーザインタフェースデータは、クライアント計算デバイスに送信される。上記の例を続けて、VAA112は、GUIについて生成された情報をクライアントデバイス130に送信する。GUI情報を受信したことに応じて、クライアントデバイス130はGUI情報を処理し、クライアントデバイス130のディスプレイデバイス上にGUIを表示させる。例示すると、GUI情報は、GUIを表示するクライアントデバイス130上で実行する健康集約クライアントアプリケーションによって処理されるか、或いは、GUIをウェブページとして表示するクライアントデバイス130上で実行するブラウザによって処理される。他の例として、クライアントデバイス130は、VAA112によってサポートされるAPIを実装するクライアントアプリケーションを含んでもよく、クライアントアプリケーションはVAA112に問い合わせる。VAA112は、問い合わせに応じて、グラフィカルユーザインタフェースデータをクライアントデバイス130に提供する。したがって、グラフィカルユーザインタフェースデータは、VAA112によってクライアントデバイス130にプッシュされるか、或いは、クライアントデバイス130によってVAA112からプルされる。
【0051】
[A. 健康相互作用データを表示するマップを有するグラフィカルユーザインタフェース]
図4は、表示された位置インジケータ412A~412Cに関連付けられた、監視物理領域を使用するそれぞれの人の健康相互作用値414A~414Cを表示する監視物理領域のマップ410を含む例示的なGUI 400を示す。一実施形態によれば、マップ410は、リアルタイムの位置及び/又は健康相互作用データに基づいて更新される「リアルタイム」マップである。システム150から取り出されてGUI400に示される例示的な健康相互作用値は、関連する人の最新の体温測定値であるが、実施形態は、体温測定値を示すことに限定されず、さらに或いは代替として、人について記憶された収集された健康相互作用データのいずれかを表示してもよい。
【0052】
一実施形態によれば、VAA112は、位置システム140から、監視物理領域内の1人以上のそれぞれの人の1つ以上の位置を含む位置データを含むデータを受信する。VAA112はまた、ヘルスキオスクシステム150から、1人以上の人のそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データを受信する。
【0053】
VAA112は、グラフィカルユーザインタフェースにおいて、監視物理領域のマップ描画(例えば、GUI400のマップ410)を含む。さらに、位置データに基づいて、VAA112は、グラフィカルユーザインタフェースのマップ描画に、1人以上のそれぞれの人の1つ以上の位置識別子を入力する。例えば、VAA112は、受信した位置データ内の最新の位置値に基づいて位置インジケータ412A~412Cの位置を決定する。一実施形態によれば、VAA112は、人の位置についてのリアルタイムの更新を受信するので、VAA112は、表示されたGUI 400を、人のリアルタイム位置で更新させる。
【0054】
さらに、1つ以上の位置識別子の各位置識別子は、それぞれの当該位置識別子に関連付けられた人について、健康相互作用データの1つ以上の表示された健康相互作用値と視覚的に関連付けられる。位置インジケータがマップ410を移動するにつれて、GUIに表示される関連する健康相互作用値は、位置インジケータと視覚的に関連付けられたままになる(すなわち、健康相互作用値は、位置インジケータと共にマップを移動する)。
【0055】
一実施形態によれば、VAA112は、マップGUI上に表示される1つ以上の健康相互作用値についてのリアルタイム更新を受信する。例えば、1人の人は、監視物理領域を離れ(例えば、昼食又はオフサイト会議のため)、監視物理領域に戻ると、ヘルスキオスクシステム150のヘルスキオスクと相互作用する。相互作用の間に、ヘルスキオスクは人の更新された体温を記録する。ヘルスキオスクシステム150は、データのリアルタイム更新をVAA112に送信し、VAA112は、人の位置インジケータに関連付けられた、表示された健康相互作用値を更新する。
【0056】
[i.健康警告基準]
一実施形態によれば、VAA112は、健康警告基準を維持する。例えば、VAA112は、特定の人の体温が温度閾値を超えること、特定の人の疾患診断、特定の人の報告された注意を促す症状、特定の人に関する複数の以前の距離基準違反、又は(a)特定の人及び(b)以前の距離基準違反に関連するタイムスタンプの閾値期間内に発生した疾患診断を有する他の人の双方に関する以前の距離基準違反のうち1つ以上に基づいて、特定の人が健康警告基準を満たすと決定する。一実施形態によれば、特定の人が維持された健康警告基準を満たすと決定すると、VAA112は、その人が健康警告に関連付けられていることを示すために、グラフィカルユーザインタフェースにおいて、特定の人の位置識別子について視覚ハイライトを含める。
【0057】
例えば、VAA 112は、体温測定値が、監視物理領域に入るための閾値体温(例えば、100.4°F)を下回るが、下限警告閾値体温(例えば、99.0°F)を上回るという体温測定値の健康警告基準を維持する。人C(GUI400の位置インジケータ412Cに関連付けられる)は、システム150のヘルスキオスクと相互作用し、その間に、ヘルスキオスクは、人Cの99.2°Fの体温を測定する。この体温値が健康警告基準を満たすと決定したことに基づいて、VAA112は、人の位置インジケータを、アイコン416のような健康警告視覚ハイライトに関連付ける。視覚ハイライトは、背景色、テキスト色、テキストウェイト、フォント、下線、斜体化、位置標識のアニメーション(例えば点滅)、健康相互作用データ又は位置インジケータの近くのいずれかの場所に配置されたいずれかのスタイルのアイコン、関連する位置インジケータの色、関連する位置インジケータの形状等を含む、位置インジケータに関連付けられたいずれかの種類の視覚ハイライトでもよい。
【0058】
[ii.健康状態インジケータ]
一実施形態によれば、監視物理領域のマップ上に表示される健康相互作用情報は、関連する人についての健康相互作用データの複数の健康相互作用値から決定された健康状態インジケータを含む。健康状態インジケータは複数の健康相互作用値から計算されるので、このインジケータの表示は、GUIのユーザが一度に複数の要因、すなわち、健康状態インジケータの計算に含まれる要因に基づいて、迅速に判断を行う方法を提供する。
【0059】
一実施形態によれば、VAA112は、監視物理領域内の人の健康状態インジケータを計算する際に使用する複数の要因を示す管理者パラメータ情報を維持する。例えば、管理者パラメータ情報に基づいて、VAA112は、人が健康警告基準を満たしているか否かに基づいて、また、ヘルスキオスクにより収集された1つ以上の調査質問(例えば、「以下の症状のいずれかがありますか?」及び「以下の症状を有する誰かと接触したことがありますか?」) に対する回答に基づいて、それぞれの人の健康状態インジケータを決定する。例示すると、健康状態インジケータのこれらの要因のそれぞれは、「望ましい」値と「望ましくない」値とを有する。要因の全てが望ましくない値を有する場合、健康状態インジケータは、高警告レベルにある。2つの要因のみが望ましくない値を有する場合、健康状態インジケータは中警告レベルにある。1つの要因のみが望ましくない値を有する場合、健康状態インジケータは低警告レベルにある。全ての要因が望ましい値を有する場合、健康状態インジケータは警告無しレベルにある。健康状態インジケータのこの例示的な計算は、ブール値に基づいているが、健康状態インジケータの計算はまた、数値に基づいてもよい。
【0060】
例えば、位置インジケータ412Aに関連付けられた人Aは、健康警告基準を満たさない体温(望ましい値)を有し、「以下の症状のいずれかがありますか?」に対してNO(望ましい値)を回答しているが、「以下の症状を有する誰かと接触したことがありますか?」に対してYES(望ましくない値)を回答している。望ましくない値を有する要因が1つのみ存在することに基づいて、人Aの健康状態インジケータは、低警告レベルにある。
【0061】
他の例として、位置インジケータ412Bに関連付けられた人Bは、健康警告基準を満たさない体温(望ましい値)を有しており、「以下の症状のいずれかがありますか?」及び「以下の症状を有する誰かと接触したことがありますか?」の双方に対してNO(望ましい値)を回答している。望ましい値を有する要因のみ有することに基づいて、人Bの健康状態インジケータは、警告無しレベルにある。
【0062】
人について生成された健康状態インジケータは、ラベル、シンボル、人の位置インジケータの色等として、何らかの方法で人の位置識別子に視覚的に関連付けて表示されてもよい。例えば、以下の健康状態インジケータレベルに関連付けられた人の位置インジケータは、関連付けられた色を有し、警告無しレベルが緑であり、低警告レベルが黄であり、中警告レベルがオレンジであり、高警告レベルが赤である。
【0063】
[B.高リスク距離基準違反データを有するグラフィカルユーザインタフェース]
一実施形態によれば、VAA 12は、監視物理領域における高リスク距離基準違反の1つ以上の警告を含むグラフィカルユーザインタフェースデータを生成する。高リスク距離基準違反は、監視物理領域内の2人以上の人の間での距離基準違反の事例であり、1人以上の人が健康警告と関連付けられている。
【0064】
例えば、VAA112は、位置システム140から、監視物理領域内の複数の人の位置情報を含むデータを受信する。VAA112はまた、ヘルスキオスクシステム150から、複数の人のそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データを受信する。VAA112は、複数の人のうちの2人以上の人の位置情報が距離基準の違反を示すと決定する。例えば、VAA112によって適用される距離基準は、人の間に維持されるべき最小距離(例えば6フィート)と、距離基準に違反する前に最小距離に違反し得る最大期間(例えば15分)とを含む。VAA112は、2人以上の人のうちの1人以上が健康警告基準を満たすと決定したことに基づいて、距離基準違反が高リスク距離基準違反であると更に決定する。したがって、VAA112は、高リスク距離基準違反の警告をグラフィカルユーザインタフェースに含めさせる。
【0065】
例えば、図5Aは、監視物理領域内で発生した高リスク距離基準違反のリストを含む警告ウィンドウ514を有する例示的なGUI 500を示す。例示的な警告ウィンドウ514は、図4に関して説明した実施形態に従って、位置インジケータ512A~512Cを含む(すなわち、リアルタイム位置インジケータを有する健康相互作用値を表示する)マップ510上に重ね合わせられて表示される。しかし、実施形態は、マップと共に表示されることに限定されない。
【0066】
一実施形態によれば、VAA112は、監視物理領域のマップ描画に、高リスク距離基準違反を表示させる。例示すると、VAA112によって受信されたデータは、例えば位置システム140からの位置データの一部として、位置データを含む。位置データに基づいて、VAA112は、複数の人の複数の位置識別子を、グラフィカルユーザインタフェースのマップ描画に入力する。例えば、図5Bは、監視物理領域のマップ520を含む例示的なGUI 530を示しており、これは、高リスクを伴う距離基準違反についての警告を表示する。例示的なGUI530において、マップ520は、監視物理領域内の5人のそれぞれの人の位置を示す5つの位置インジケータ522A~Eを含む。
【0067】
VAA112は、高リスク距離基準違反の視覚表示を、違反に関与した2人以上の人の位置識別子に視覚的に関連付ける。GUI530のコンテキストにおいて例示すると、位置インジケータ522Aに関連付けられた人A及び位置インジケータ522Dに関連付けられた人Dは、互いに6フィート以内にある。しかし、人Dは、人Aのパーティションを通過するに過ぎず、最大で15分よりも長く人Aの6フィート以内にはいない。対照的に、位置インジケータ522Cに関連付けられた人C及び位置インジケータ522Bに関連付けられた人Bは、閾値の15分よりも長く互いに6フィート以内にあったことがある(人Bのパーティションで話している)。人Cの健康相互作用データが健康警告基準を満たすので(例えば、人Cが99.0°Fを超える体温を有するので)、人Cは健康警告に関連付けられる。したがって、VAA112は、人B及び人Cが高リスク距離基準違反に関与していると決定する。
【0068】
マップ520に示すように、人Bと人Cとの間の高リスク距離基準違反の検出に基づいて、VAA112は、グラフィカルユーザインタフェースに、位置インジケータ522B及び位置インジケータ522Cに視覚的に関連付けられた高リスク距離基準違反インジケータ524を含めさせる。
【0069】
一実施形態によれば、VAA112は、人の位置についてのリアルタイム更新を受信するので、VAA112は、GUI530を、人のリアルタイム位置で更新させる。位置インジケータがマップ520を移動するにつれて、VAA112は、上記のように、距離基準違反を識別するために位置情報を監視する。一実施形態によれば、高リスク距離基準違反に関与する人が移動し、それによって距離基準を満たすと、違反についての警告がGUIから除去される。
【0070】
[C.接触追跡]
一実施形態によれば、以前の距離基準違反に基づく健康警告を伴う複数の人の間の高リスク距離基準違反は、本明細書では「接触追跡」距離違反と呼ばれる。一実施形態によれば、以前の距離基準違反に基づく健康警告は、(a)現在の距離違反からの特定の人、及び(b)以前の距離基準違反に関連付けられたタイムスタンプの閾値期間内に発生した疾患診断を有する他の人の双方を含む以前の距離基準違反である。
【0071】
一実施形態によれば、特定の接触追跡警告マーキングを使用して、接触追跡距離違反がGUIにおいて識別される。例えば、接触追跡距離違反は、「接触追跡」シンボルで、例えば、疾患診断を有する他の人と接触した個人の位置マーカ上にマーキングされてもよい。
【0072】
一実施形態によれば、VAA112は、職場健康データリポジトリ内に履歴距離基準違反データを維持する。例えば、VAA112は、関連する健康警告の詳細と共に、距離基準違反を記録する。他の例として、VAA112は、関連する疾患診断がシステムに通知されると、高リスクとして距離違反を遡及的にマーキングする。例えば、疾患診断は、監視物理領域の管理者(例えば、会社の人事部門、又は診断された人の上司)に報告されてもよく、ヘルスキオスクシステム150のヘルスキオスクを介して自己報告されてもよい。
【0073】
健康状態、健康警告、距離基準違反等の視覚表示をグラフィカルユーザインタフェースに提供することに加えて、VAA112は、この情報を指定するために1つ以上のメッセージを生成して送信してもよい。例えば、VAA112は、健康状態、健康警告、距離基準違反等を指定して遠隔通知を提供するために、1つ以上のメッセージを生成し、管理者ユーザ、健康管理者、セキュリティ担当者等に送信する。
【0074】
[D.複合統計を有するグラフィカルユーザインタフェース]
一実施形態によれば、VAA112は、位置システム140及びヘルスキオスクシステム150からの情報との複合統計を含むグラフィカルユーザインタフェースデータを生成する。例えば、VAA112は、一人当たりの高リスク距離違反の数、監視物理領域の一部又は全部の中の人の記録された体温の統計等を表す、監視物理領域の一部又は全部(例えば、監視物理領域の部屋、監視物理領域のフロア等)の中に位置するマスクを着用していない人の割合を表すチャート又はグラフ(例えば、折れ線グラフ、円グラフ、棒グラフ、モザイクチャート、熱マップ等)を含むGUIデータを生成する。
【0075】
例えば、VAA112は、位置システム140から、監視物理領域内の複数の人の位置情報を含むデータを受信する。VAA112はまた、ヘルスキオスクシステム150から、複数の人のそれぞれの人の1つ以上の健康相互作用値を含む健康相互作用データを受信する。VAA112は、位置システム140及びヘルスキオスクシステム150から受信した情報において複合統計を表すために、1つ以上のチャート又はグラフを自動的に生成する。
【0076】
一例では、監視作業領域は4つのフロアを有しており、12~18人が各フロアを使用している。位置システム140からの位置情報は、それぞれの人が現在どのフロアを使用しているかを含む、監視物理領域内の人の位置を含む。ヘルスキオスクシステム150からの健康相互作用データは、マスクがそれぞれの人の顔に検出されたか否かを含み、その結果は、コンピュータビジョンアプリケーションがマスク判断を行うことができなかった場合(例えば、ヘルスキオスク相互作用の間に人の顔がカメラのセンサの範囲外にあった場合)、「未知」でもよい。図6Aは、各フロアにおいてマスクを着用している人数、マスクを着用していない人数、及び「未知」の人数を示す棒グラフ610を有するGUI600を示す。
【0077】
他の例では、位置システム140からの位置情報は、どの人がいずれかの所与の時点で監視物理領域内(すなわち、「施設内」)にいるかを含む、監視物理領域内の人の位置を含む。ヘルスキオスクシステム150からの健康相互作用データは、監視物理領域内のそれぞれの人の検出された体温を含む。図6Bは、現在施設内で、98.5°F未満の体温、98.5°F~98.9°Fの体温、99.0°F~100.4°Fの体温、及び100.4°Fを超える体温を有する人の割合を示す円グラフ630を有するGUI620を示す(例えば、監視物理領域に入るために、上位管理者が要件を100.4°F未満になるように上書きできる)。
【0078】
[IV.職場健康データリポジトリ]
図7は、VAA112によって維持される職場健康データリポジトリ700の例示的な内容を示す。具体的には、例示的なリポジトリ700は、以下の例示的なデータベースオブジェクトを含み、例えば、識別情報710、位置情報720及び健康相互作用情報730の各行が特定の人(従業員又は訪問者)に対応するテーブルを含む。
【0079】
識別情報710、位置情報720及び健康相互作用情報730は、それぞれ5つのエントリを有するものとして示されているが、実施形態は、この例に限定されず、任意の量のデータを含んでもよい。さらに、識別情報710、位置情報720及び健康相互作用情報730は、特定の実装に依存して変化し得る様々な方法で、リポジトリ700内でソート及び/又はインデックス付けされてもよい。
【0080】
[A.識別情報]
識別情報710は、特定の実装に依存して変化し得るいくつかの異なる方法で作成されて維持されてもよい。例えば、識別情報は、雇用過程又は新入社員オリエンテーションの間に、人事担当者のような組織の管理者によって手動で作成されて維持されてもよい。
【0081】
例示的なリポジトリ700では、識別情報710は、ユーザID、ファーストネーム、姓、音声データ、画像データ及びデバイスIDを含む。識別情報710は、図7の例示的な情報に限定されず、職業、教育歴、職歴、実績及び業績、個人的興味、身体的属性(例えば、目の色、髪の色、皮膚の色、識別マーク、体重、サイズ)等のように、人に関するいずれかの種類の情報を含んでもよい。
【0082】
ユーザIDは、従業員識別子、訪問者識別子等のような人を一意に識別するいずれかのデータ(例えば英数字文字列)でもよい。
【0083】
音声データは、人に対応するいずれかの種類のオーディオデータでもよく、例示的なリポジトリ700では、音声ファイルへの参照として表されている。オーディオデータは、人を識別するのに役立てるために使用されてもよい。例えば、音声データは、名前又は特定のフレーズのような、人によって話される1つ以上の単語を表してもよい。音声データは、特定の実装に依存して変化し得るいずれかのフォーマットでもよく、実施形態は、音声データのいずれかの特定のフォーマットに限定されない。音声データの例示的なフォーマットは、WMA、WAV、Real Audio (.ra、.ram、.rm)、MIDI、Ogg等を非限定的に含む。音声データは、話者を識別するために、単独で或いは画像データと組み合わせて使用されてもよい。
【0084】
画像データは、人に対応するいずれかの種類の画像データでもよく、人を識別するのに役立てるために使用されてもよい。画像データは、例示的なリポジトリ700では、画像ファイルへの参照として表されている。例えば、画像ファイルは、1つ以上の顔画像を含んでもよい。画像データはまた、1つ以上の画像を処理した結果を表す他のデータを含んでもよい。この種類の情報は、1つ以上の収集又は受信された画像を識別情報710からの画像データと照合することを試みるときに役立ち得る。例えば、画像データは、画像署名、1つ以上のアルゴリズムで1つ以上の画像を処理した結果、ハッシュ関数等を含んでもよい。画像データは、特定の実装に依存して変化し得るいずれかのフォーマットでもよく、実施形態は、画像データのいずれかの特定のフォーマットに限定されない。画像データの例示的なフォーマットは、JPG、TIF、GIF、PNG、RAW等を非限定的に含む。
【0085】
デバイスIDは、シリアル番号、MACアドレス、又は人により携帯されるデバイスの他の識別情報、人により携帯されるチップの識別子等のような、人により使用されるデバイスを一意に識別するいずれかのデータでもよい。一実施形態によれば、識別されたデバイスは、位置システム140によって人の位置を決定するために使用される位置認識デバイス又は識別デバイスである。
【0086】
[B.位置情報]
一実施形態によれば、VAA112は、位置システム140からAPIを介して、監視物理領域内の人の位置情報720を取得する。例示的なリポジトリ700では、位置情報720は、デバイスID、X位置成分、Y位置成分、フロア位置成分、日付/タイムスタンプ、ユーザが距離基準違反に現在関与しているか否かのブール表示、及び違反に関与している他のデバイスID(該当する場合)の表示を含む。位置情報720は、図7の例示的な情報に限定されず、人のユーザIDを含む、人の位置に関するいずれかの種類の情報を含んでもよい。
【0087】
デバイスIDは、シリアル番号、MACアドレス、又は人により携帯されるデバイスの他の識別情報のような、人の位置を追跡するために使用されるデバイスを一意に識別するいずれかのデータでもよい。一実施形態によれば、位置情報720のデバイスIDは、識別情報710のデバイスIDに対応する。
【0088】
位置情報720におけるX、Y及びフロア(又はZ)位置成分は、監視物理領域内の人の正確な位置を識別する。日付/タイムスタンプは、データが更新された最新のタイムスタンプを示す。違反情報は、位置システム140が維持された距離基準の違反を検出したか否かを示し、関与するデバイスの列は、いずれかの示された距離基準違反にも関与するいずれかのデバイス識別子を示す。
【0089】
[C.健康相互作用情報]
一実施形態によれば、VAA112は、ヘルスキオスクシステム150からAPIを介して、監視物理領域内の人の健康相互作用情報730を取得する。例示的なリポジトリ700では、健康相互作用情報730は、ユーザID、体温値、5つの調査質問に対するブール式の回答、マスクが検出されたか否かを示すブール値、及び手指消毒剤が人に分配されたか否かを示すブール値を含む。
【0090】
ユーザIDは、人を一意に識別するデータであり、識別情報710内のユーザIDに対応する。例えば、ヘルスキオスクに提示されたユーザ識別カードをスキャンすることによって、ユーザIDがヘルスキオスクで読み取られる。体温値は、例えば、自動タッチレス温度技術を使用して、ヘルスキオスクによって検出される。ヘルスキオスクは、例えば、ユーザがキオスクのディスプレイデバイスにおける各調査質問の提示に応じて頭を振るか或いはうなずくかを検出するためにコンピュータビジョンを使用すること、コンピュータの音声認識を使用して可聴の回答を検出すること等によって、調査質問に対する回答を収集する。マスクの検出は、ユーザの画像を撮影し、マスクの有無を検出するためにコンピュータビジョンを使用することによって、ヘルスキオスクで実行されてもよい。さらに、タッチレス技術が、ユーザに対する手指消毒剤を分配するために使用され、これがヘルスキオスクによって記録される。
【0091】
[V.アーキテクチャ]
一実施形態では、図1の構成100は、コンピュータ、すなわち、計算デバイス110、クライアントデバイス130、位置システム140及びヘルスキオスクシステム150を含む。「コンピュータ」は、1つ以上の物理コンピュータ、仮想コンピュータ及び/又は計算デバイスでもよい。コンピュータは、クライアント及び/又はサーバでもよい。本明細書において「コンピュータ」への言及は、明示的に指定のない限り、1つ以上のコンピュータを意味してもよい。図面のいずれかに図示されるか或いは本明細書に記載された論理ユニット及び/又は機能ユニットのそれぞれは、図8に関して本明細書に更に記載される技術のいずれかを使用して実装されてもよい。1つ以上の計算デバイスは、特殊目的の計算デバイス又は汎用計算デバイスでもよく、コンピュータハードウェア、コンピュータソフトウェア及び/又はコンピュータファームウェアのいずれかの組み合わせを使用して実装されてもよい。VAA112は、いずれかの時点において少なくとも1つの計算デバイスがミーティングインテリジェンスサービスを提供することができるように、複数の計算デバイス上で複製されてもよい。
【0092】
説明の目的で、VAA112は、計算デバイス110上で実行するものとして示されている。しかし、本明細書でVAA112、位置システム140、ヘルスキオスクシステム150又は本明細書に記載の他の情報ソースシステムに起因する機能を実装する1つ以上のアプリケーションは、1つ以上の計算デバイスに実装されてもよく、或いは、1つ以上のクラウドベースのアプリケーションとして実装されてもよい。
【0093】
ネットワーク120は、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN, local area network)、広域ネットワーク(WAN, wide area network)、インターネット等のような1つ以上の有線又は無線ネットワークによって実装されてもよい。構成100における要素はまた、直接接続を有してもよく、実施形態は、構成100に示される例示的な要素に限定されず、特定の実装に依存して、より少ない要素又は更なる要素が使用されてもよい。
【0094】
クライアントデバイス130は、本明細書に詳細に記載のように、GUIを表示することができるいずれかの種類のデバイスでもよい。クライアントデバイス130の例は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット計算デバイス、移動通信デバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ)等を非限定的に含む。クライアントデバイス130は、GUIの表示をサポートするために使用される様々なプロセスを含んでもよい。例えば、クライアントデバイス130は、GUIをクライアントデバイス130のユーザに表示する職場健康安全クライアントを含んでもよい。他の例として、クライアントデバイス130は、GUIを表示するウェブブラウザを含んでもよい。
【0095】
一実施形態では、VAA112は、職場健康データリポジトリ700(図1に図示せず)に通信可能に接続される。職場健康データリポジトリ700は、データベース、データ構造、構成ファイル、及び/又はVAA112によって収集又は生成されたデータを記憶するいずれかの他のシステムとして実装されてもよい。
【0096】
[V.実装例]
本出願のフロー図は、特定の順序で特定のセットのステップを示しているが、他の実装は、図面に示すものより少ないステップ又は多いステップを、同じ順序又は異なる順序で使用してもよい。
【0097】
一実施形態によれば、本明細書に記載の技術は、1つ以上の専用目的の計算デバイスによって実装される。専用目的の計算デバイスは、技術を実行するために配線接続されてもよく、或いは、技術を実行するように永続的にプログラムされた1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC, application-specific integrated circuit)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA, field programmable gate array)のようなデジタル電子デバイスを含んでもよく、或いは、ファームウェア、メモリ、他のストレージ又はこれらの組み合わせにおけるプログラム命令に従って技術を実行するようにプログラムされた1つ以上の汎用ハードウェアプロセッサを含んでもよい。このような特殊目的の計算デバイスはまた、技術を達成するために、カスタム配線ロジック、ASIC又はFPGAをカスタムプログラミングと組み合わせてもよい。特殊目的の計算デバイスは、デスクトップコンピュータシステム、ポータブルコンピュータシステム、ハンドヘルドデバイス、ネットワーキングデバイス、又はこの技術を実装するための配線及び/又はプログラムロジックを組み込んだ他のいずれかのデバイスでもよい。
【0098】
例えば、図8は、本発明の一実施形態が実装され得るコンピュータシステム800を示すブロック図である。コンピュータシステム800は、情報を通信するためのバス802又は他の通信メカニズムと、情報を処理するためのバス802と接続されたハードウェアプロセッサ804とを含む。ハードウェアプロセッサ804は、例えば、汎用マイクロプロセッサでもよい。
【0099】
コンピュータシステム800はまた、プロセッサ804によって実行される情報及び命令を記憶するためにバス802に接続された、ランダムアクセスメモリ(RAM, random access memory)又は他の動的記憶デバイスのようなメインメモリ806を含む。メインメモリ806はまた、プロセッサ804によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。このような命令は、プロセッサ804にアクセス可能な非一時的な記憶媒体に記憶されると、コンピュータシステム800を、命令において指定された動作を実行するようにカスタマイズされた専用マシンにする。
【0100】
コンピュータシステム800は、プロセッサ804のための静的な情報及び命令を記憶するためにバス802に接続された読み取り専用メモリ(ROM, read only memory)808又は他の静的記憶デバイスを更に含む。磁気ディスク、光ディスク又はソリッドステートドライブのような記憶デバイス810が提供され、情報及び命令を記憶するためにバス802に接続される。
【0101】
コンピュータシステム800は、情報をコンピュータユーザに表示するために、バス802を介して、陰極線管(CRT, cathode ray tube)のようなディスプレイ812に接続されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力デバイス814は、情報及びコマンド選択をプロセッサ804に通信するためにバス802に接続される。他の種類のユーザ入力デバイスは、方向情報及びコマンド選択をプロセッサ804に通信し、ディスプレイ812上のカーソルの動きを制御するためのマウス、トラックボール又はカーソル方向キーのようなカーソルコントロール816である。この入力デバイスは、典型的には、デバイスが平面内の位置を指定することを可能にする、第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y)の2つの軸における2つの自由度を有する。
【0102】
コンピュータシステム800は、カスタマイズされた配線ロジック、1つ以上のASIC又はFPGA、ファームウェア及び/又はプログラムロジックを使用して、本明細書に記載の技術を実装してもよく、これらは、コンピュータシステムと組み合わせて、コンピュータシステム800を専用マシンにするか或いは専用マシンになるようにプログラミングする。一実施形態によれば、本明細書の技術は、メインメモリ806に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ804に応じて、コンピュータシステム800によって実行される。このような命令は、記憶デバイス810のような他の記憶媒体からメインメモリ806に読み込まれてもよい。メインメモリ806に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ804に、本明細書に記載のプロセスステップを実行させる。他の実施形態では、配線回路が、ソフトウェア命令の代わりに或いはソフトウェア命令と組み合わせて使用されてもよい。
【0103】
本明細書で使用される「記憶媒体」という用語は、機械を特定の様式で動作させるデータ及び/又は命令を記憶するいずれかの非一時的な媒体を示す。このような記憶媒体は、不揮発性媒体及び/又は揮発性媒体を含んでもよい。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス810のような光ディスク、磁気ディスク又はソリッドステートドライブを含む。揮発性媒体は、メインメモリ806のようなダイナミックメモリを含む。記憶媒体の一般的な形式は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は他のいずれかの磁気データ記憶媒体、CD-ROM、いずれかの他の光データ記憶媒体、穴のパターンを有するいずれかの物理媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、NVRAM、いずれかの他のメモリチップ又はカートリッジを含む。
【0104】
記憶媒体は、伝送媒体と区別されるが、伝送媒体と共に使用されてもよい。伝送媒体は、記憶媒体の間の情報の転送に関与する。例えば、伝送媒体は、バス802を構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。伝送媒体はまた、無線波及び赤外線データ通信の間に生成されるような音波又は光波の形式をとることができる。
【0105】
様々な形式の媒体が、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサ804に搬送することに関与してもよい。例えば、命令は、最初に遠隔コンピュータの磁気ディスク又はソリッドステートドライブに搬送されてもよい。遠隔コンピュータは、命令をそのダイナミックメモリにロードし、モデムを使用して電話回線で命令を送信することができる。コンピュータシステム800のローカルのモデムは電話回線でデータを受信し、データを赤外線信号に変換するために赤外線トランスミッタを使用することができる。赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されたデータを受信することができ、適切な回路は、バス802上にデータを配置することができる。バス802は、データをメインメモリ806に搬送し、そこからプロセッサ804が命令を取得して実行する。メインメモリ806によって受信された命令は、任意選択で、プロセッサ804による実行の前又は後のいずれかに、記憶デバイス810に記憶されてもよい。
【0106】
コンピュータシステム800はまた、バス802に接続された通信インタフェース818を含む。通信インタフェース818は、ローカルネットワーク822に接続されたネットワークリンク820に対して双方向データ通信接続を提供する。例えば、通信インタフェース818は、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN, integrated services digital network)カード、ケーブルモデム、衛星モデム、又は対応する種類の電話回線へのデータ通信接続を提供するモデムでもよい。他の例として、通信インタフェース818は、データ通信接続を互換性のあるLANに提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。無線リンクも実装されてもよい。いずれかのこのような実装では、通信インタフェース818は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号又は光信号を送信及び受信する。
【0107】
ネットワークリンク820は、典型的には、1つ以上のネットワークを通じて他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク820は、ローカルネットワーク822を通じてホストコンピュータ824又はインターネットサービスプロバイダ(ISP, Internet Service Provider)826によって運営されるデータ機器への接続を提供してもよい。次に、ISP826は、現在では一般的に「インターネット」828と呼ばれる世界規模のパケットデータ通信ネットワークを通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク822及びインターネット828は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号又は光信号を使用する。コンピュータシステム800との間でデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通じた信号、並びにネットワークリンク820上の信号及び通信インタフェース818を通じた信号は、伝送媒体の例示的な形式である。
【0108】
コンピュータシステム800は、ネットワーク、ネットワークリンク820及び通信インタフェース818を通じて、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ830は、インターネット828、ISP826、ローカルネットワーク822及び通信インタフェース818を通じて、アプリケーションプログラムのための要求コードを送信してもよい。
【0109】
受信されたコードは、受信されたときにプロセッサ804によって実行されてもよく、及び/又は後の実行のために記憶デバイス810又は他の不揮発性記憶デバイスに記憶されてもよい。
【0110】
[クラウドコンピューティング]
「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書において、コンピュータネットワーク、サーバ、ソフトウェアアプリケーション及びサービスのような、計算リソースの共有プールへのオンデマンドのアクセスを可能にし、最小限の管理努力又はサービスプロバイダの相互作用でリソースの迅速な提供及び解放を可能にする計算モデルを記述するために一般的に使用される。
【0111】
クラウドコンピューティング環境(場合によってはクラウド環境又はクラウドと呼ばれる)は、異なる要件に最適に適合するように様々な異なる方法で実装できる。例えば、パブリッククラウド環境では、基礎となるコンピューティングインフラストラクチャは、クラウドサービスを他の組織又は一般の人々に利用可能にする組織によって所有される。対照的に、プライベートクラウド環境は、一般的には、単一の組織による使用又は組織内での使用のみを意図している。コミュニティクラウドは、コミュニティ内のいくつかの組織によって共有されることを意図している。一方、ハイブリッドクラウドは、データ及びアプリケーションのポータビリティによって繋がれる2つ以上の種類のクラウド(例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド)を含む。
【0112】
一般的に、クラウドコンピューティングモデルは、組織自体の情報技術部門によって以前に提供されていた可能性のある責任の一部が、利用者(クラウドのパブリック/プライベートの性質に従って組織内外のいずれか)による使用のために、クラウド環境内のサービスレイヤとして代わりに配信されることを可能にする。特定の実装に依存して、各クラウドサービスレイヤによって或いは各クラウドサービスレイヤ内で提供されるコンポーネント又は機能の正確な定義は変化する可能性があるが、一般的な例は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS, Software as a Service)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS, Platform as a Service)、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS, Infrastructure as a Service)及びサービスとしてのデータベース(DBaaS, Database as a Service)を含む。SaaSでは、利用者はクラウドインフラストラクチャ上で動作しているソフトウェアアプリケーションを使用し、一方、SaaSプロバイダは、基礎となるクラウドインフラストラクチャ及びアプリケーションを管理又は制御する。PaaSでは、利用者は自らのアプリケーションを開発、展開及びその他の方法で制御するために、PaaSプロバイダによってサポートされるソフトウェアプログラミング言語及び開発ツールを使用することができ、一方、PaaSプロバイダは、クラウド環境の他の側面(すなわち、ランタイム実行環境の下の全て)を管理又は制御する。IaaSでは、利用者は任意のソフトウェアアプリケーションを展開及び実行することができ、及び/又は処理、ストレージ、ネットワーク及び他の基本的な計算リソースを処理することができ、一方、IaaSプロバイダは、基礎となる物理クラウドインフラストラクチャ(すなわち、オペレーティングシステムレイヤの下の全て)を管理又は制御する。DBaaSでは、利用者はクラウドインフラストラクチャ上で動作しているデータベースサーバ又はデータベース管理システムを使用し、一方、DBaaSプロバイダは、基礎となるクラウドインフラストラクチャ、アプリケーション、及び1つ以上のデータベースサーバを含むサーバを管理又は制御する。
【0113】
上記の明細書において、実装によって変化し得る多数の具体的な詳細を参照して、本発明の実施形態について説明した。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的に考えられるべきである。本発明の範囲の唯一且つ排他的な指標、及び出願人によって発明の範囲とすることを意図しているものは、この出願から発行された特許請求の範囲の、いずれかのその後の訂正を含むこのような特許請求の範囲が発行された特定の形式の、文言上且つ等価な範囲である。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8