(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに酸化物薄膜
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20240214BHJP
C04B 35/495 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C23C14/34 A
C04B35/495
(21)【出願番号】P 2021030722
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2021-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173901
【氏名又は名称】小越 一輝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】小越 勇
(72)【発明者】
【氏名】宗安 慧
(72)【発明者】
【氏名】奈良 淳史
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-190120(JP,A)
【文献】特開2016-017224(JP,A)
【文献】特表2020-536174(JP,A)
【文献】特開2007-092089(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101550535(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00 -14/58
C04B 35/495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及び、酸素(O)からなる酸化物スパッタリングターゲットであって、相対密度が90%以上であり、MoO
2相の(110)面に帰属するXRDピーク強度をI
MoO2とし、バックグランドのXRD平均強度をI
BGとしたとき、I
MoO2/I
BGが3.0以上であり、WO
3相の(202)面に帰属するXRDピーク強度をI
WO3とし、バックグランドのXRD平均強度をI
BGとしたとき、I
WO3/I
BGが3.0以上であることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
【請求項2】
MoO
2であるモリブデン酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の酸化物スパッタリングターゲット。
【請求項3】
WO
3であるタングステン酸化物を含有する請求項1又は2に記載の酸化物スパッタリングターゲット。
【請求項4】
WとMoの含有比率が原子%で0.10≦W/(W+Mo)<1.0を満たす請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化物スパッタリングターゲット。
【請求項5】
体積抵抗率が1Ω・cm以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の酸化物スパッタリングターゲット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法であって、酸化タングステン粉と酸化モリブデン粉とを混合し、その混合粉を800℃以上1000℃以下ホットプレス焼結して製造する酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項7】
前記酸化モリブデン粉として、MoO
2を使用する請求項6に記載の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕事関数の高い酸化物薄膜を成膜するのに適した、酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに酸化物薄膜に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子などの発光素子における透明電極(陽極)としてITO(インジウム・スズ酸化物)が用いられている。陽極に電圧を印加することで注入された正孔は、正孔輸送層を経由して、発光層で電子と結合する。近年、正孔輸送層への電荷注入効率を向上させる目的で、ITOよりも仕事関数が高い酸化物を用いることが研究されている。たとえば、非特許文献1には、有機半導体デバイスにおける酸化物薄膜として、TiO2、MoO2、CuO、NiO、WO3、V2O5、CrO3、Ta2O5、Co3O4などの高い仕事関数のものが報告されている。
【0003】
非特許文献1に示されるように、WO3は比較的高い仕事関数を有する。このWO3膜は酸化タングステン焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いて成膜することができるが(特許文献1、2)、WO3単相では焼結体の高密度化が困難であり、体積抵抗率が高いために、DCスパッタリングが困難であった。そのため、特許文献2には、WO3にWO2を添加することで、焼結体の高密度化を達成し、導電性を高めてDCスパッタリングを可能とすることが開示されている。なお、特許文献3、4には、WとMoの酸化物を含む酸化物スパッタリングターゲットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平3-150357号公報
【文献】特開2013-76163号公報
【文献】特開2017-25348号公報
【文献】特開2004-190120号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】Mark T Greiner and Zheng-Hong Lu, "Thin-Film metal oxides in organic semiconductor devices: their electronic structures, work functions and interfaces", NPG Asia Materials (2013) 5,e55, 19 July 2013
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、有機ELなどの有機半導体デバイスを構成する膜として、仕事関数の高い酸化物膜が求められている。WO3、MoO3は、ともに高い仕事関数を有する材料として知られているが、両材料とも単相で高密度なスパッタリングターゲットを製造することが困難であった。このようなことから本発明は、上述課題を解決するために提案されたものであって、仕事関数の高い膜を成膜することができる高密度のスパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、その課題を解決できる本発明の一態様は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及び、酸素(O)からなる酸化物スパッタリングターゲットであって、相対密度が90%以上であることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲットである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、相対密度が高い酸化物スパッタリングターゲットを製造することができ、このような酸化物スパッタリングターゲットを用いて仕事関数の高い酸化物薄膜を製造することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及び、酸素(O)からなる。但し、当該スパッタリングターゲットには、原料や製造過程などから混入する不純物が含まれる場合があり、成膜した薄膜の仕事関数などに特別な影響を及ぼさない量の不純物を含んでいてもよく、不純物の合計含有量が0.1wt%以下であれば、特に問題ないといえる。
【0010】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、相対密度が90%以上であることを特徴とするものである。より好ましくは92%以上、さらに好ましくは94%以上である。このような高密度のスパッタリングターゲットは、スパッタリングの際にクラックや割れ等を防ぐことができ、成膜時のパーティクルを低減することができる。
また、スパッタリングターゲットの相対密度は、体積抵抗率とも関連し、相対密度の値が低くなると、体積抵抗率が高くなる傾向にある。そのため、体積抵抗率を下げるためには、スパッタリングターゲットのWとMoの含有比率の他、スパッタリングターゲットの製造方法や製造条件を厳格に調整して、相対密度を高める必要がある。
【0011】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、モリブデンの酸化物を含有し、前記モリブデン酸化物はMoO2として存在していることが好ましい。モリブデン酸化物には、MoO2とMoO3があるが、MoO2はMoO3に比べて、密度が高く、導電性も高いため、MoO3ではなく、MoO2として存在させることが、高密度、且つ、低抵抗の酸化物スパッタリングターゲットを製造する上で重要である。
好ましい実施形態は、MoO2相の(110)面に帰属するXRDピーク強度をIMoO2とし、バックグランドのXRD平均強度をIBGとしたときに、IMoO2/IBGが3.0以上とすることである。
本願明細書おいて、MoO2相の(110)面に帰属するXRDピーク強度IMoO2、バックグランドのXRD平均強度IBGは以下のように定義される。
IMoO2:25.8°≦2θ≦26.3°の範囲におけるXRDピーク強度
IBG:20.0°≦2θ<22.0°の範囲におけるXRD平均強度
【0012】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、タングステン酸化物を含有し、タングステン酸化物はWO3として存在していることが好ましい。タングステン酸化物は、WO3が安定酸化物であるが、酸素欠損した、WO2、WO2.72~2.75、WO2.9などが存在する。酸素欠損したタングステン酸化物では、ターゲットの相対密度が上がり難く、また、仕事関数が低下する可能性が高いことから、ターゲットの高密度化、かつ、薄膜の高仕事関数を得るためには、WO3として存在していることが望ましい。
好ましい実施形態は、WO3相の(202)面に帰属するXRDピーク強度をIWO3とし、バックグランドのXRD平均強度をIBGとしたときに、IwO3/IBGが3.0以上である。本願明細書において、WO3相の(202)面に帰属するXRDピーク強度IWO3、バックグランドのXRD平均強度IBGは以下のように定義される。
IWO3:33.5°≦2θ≦34.5°の範囲におけるXRDピーク強度
IBG:20.0°≦2θ<22.0°の範囲におけるXRD平均強度
【0013】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、WとMoの含有比率が原子%で0.10≦W/(W+Mo)<1.0を満たすことが好ましい。WとMoの含有比率が原子%でW/(W+Mo)が0.10未満であると、本実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットを用いて形成した酸化物膜において、所望の仕事関数が得られないことがある。一方、W/(W+Mo)=1.0(WO3単相)であると、高密度の酸化物スパッタリングターゲットが得ることが困難となる。より好ましくは、WとMoの含有比率が原子%で0.15≦W/(W+Mo)≦0.85である
【0014】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、体積抵抗率が1Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5Ω・cm以下、さらに好ましくは0.1Ω・cm以下である。これにより、高速成膜が可能なDCスパッタリングを安定して実施することができる。上述の通り、本実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲット中、酸化モリブデンはMoO2となっており、MoO2はMoO3に比べて酸素欠損しているため体積抵抗率を低くすることができる。なお、Moの含有比率によって、体積抵抗率は変動し、Moの含有比率が増えると、体積抵抗率が低くなる傾向にある。
【0015】
本発明の別の実施形態に係る酸化物薄膜は、上記酸化物スパッタリングターゲットを用いて成膜される薄膜であって、仕事関数が4.5eV以上であることを特徴とする。このような仕事関数が高い膜は、例えば、有機EL、有機太陽電池などの有機半導体デバイスにおいて正孔輸送層への電荷注入効率を向上させることができ、発光効率あるいは変換効率などの向上が期待できる。
【0016】
(酸化物スパッタリングターゲットの製造方法)
以下に、本実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットの製造方法を示す。但し、以下の製造条件等は開示した範囲に限定するものではなく、いくらかの省略や変更を行ってもよいことは明らかである。
【0017】
原料粉末として、酸化タングステン(WO3)粉末、酸化モリブデン(MoO2)粉末を準備し、これらの原料粉末を所望の組成比となるように秤量する。このとき、酸化モリブデンはMoO3ではなく、MoO2を使用すること好ましい。次に、ボール径が0.5~3.0mmのジルコニアビーズを用いて、湿式粉砕を行う。そして、粒径の中央値が0.1~5.0μmとなるまで粉砕を行い、その後、造粒を行う。
【0018】
次に、得られた造粒混合粉を真空又は不活性ガス(Arなど)雰囲気、800℃以上1000℃以下でホットプレス焼結を行う。焼結温度が800℃未満であると、高密度の焼結体が得られず、一方、1000℃超であると、粒が粗大化し、クラックが発生するため好ましくない。また、焼結時間は、1~10時間とすることが好ましい。その後、得られた焼結体をターゲット形状に切削、研磨などして、スパッタリングターゲットを作製することができる。
【0019】
本願明細書において、スパッタリングターゲット及び薄膜の各種物性の分析方法等を以下に示す。
(スパッタリングターゲットの成分組成)
スパッタリングターゲットの成分組成の分析は、以下の装置を用いることができる。
装置:SII社製SPS3500DD
方法:ICP-OES(高周波誘導結合プラズマ発光分析法)
なお、スパッタリングターゲットの成分組成は、原料の組成比率と同じとみなすことができる。本実施形態に係るスパッタリングターゲットの製造プロセスにおいて、特定の酸化物のみをロスするような工程はなく、組成比率の変化が少ないと考えられるためである。
【0020】
(スパッタリングターゲットのX線回折分析について)
スパッタリングターゲットのX線回折分析(XRD)は、以下の方法により行う。
装置:リガク社製SmartLab
管球:Cu-Kα線
管電圧:40kV
電流:30mA
測定方法:2θ-θ反射法
スキャン速度:20.0°/min
サンプリング間隔:0.01°
【0021】
(スパッタリングターゲットの体積抵抗率)
スパッタリングターゲットの体積抵抗率は、スパッタリングターゲットの表面を5点(中心1点、半径の1/2の箇所を90度間隔で4点)測定し、それらの平均値とした。測定には、以下の装置を使用する。
装置:NPS社製 抵抗率測定器 Σ-5+
方式:定電流印加方式
方法:直流4探針法
【0022】
(スパッタリングターゲットの相対密度について)
相対密度(%)=アルキメデス密度/真密度×100
アルキメデス密度:スパッタリングターゲットターゲットから小片を切り出して、その小片からアルキメデス法を用いて密度を算出する。
真密度:原料の組成比率から計算したW、Moの原子比を、スパッタリングターゲットのW、Moの原子比とみなし、その原子比から、WのWO3換算重量をa(wt%)、MoのMoO2換算重量をb(wt%)を求め、WO3、MoO2の理論密度をそれぞれdWO3、dMoO2として、真密度(g/cm3)=100/(a/dWO3+b/dMoO2)を計算する。なお、WO3の理論密度をdWO3=7.16g/cm3、MoO2の理論密度dMoO2=6.47g/cm3、とする。
【0023】
(酸化物薄膜の仕事関数について)
酸化物薄膜の仕事関数の測定は、ガラス基板もしくはSi基板上に成膜した20×20mmのサンプルを作製し、以下の条件で測定を実施した。なお、仕事関数の測定結果は、通常、サンプルのサイズに依存しない。
方式:大気中光電子分光法
装置:理研計器製 AC-5装置
条件:測定可能な仕事関数の範囲:3.4eV~6.2eV
光源パワー:2000W
【実施例】
【0024】
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
【0025】
(実施例1)
WO3粉とMoO2粉とを準備し、これらの粉末をWO3:MoO2=85:15(mol%)で秤量した。次に、0.5mmのジルコニアビーズを用いて3時間湿式ビーズミル混合粉砕を実施し、メジアン径0.8μm以下の混合粉末を得た。次に、この混合粉末を焼結温度:825℃、最高圧力:250kgf/cm2、保持時間:6時間、雰囲気:アルゴン、の条件でホットプレス焼結を行い、焼結体を作製した。その後、この焼結体を機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。
実施例1で得られたスパッタリングターゲットについて評価した結果、相対密度は、94.4%であり、体積抵抗率は75.5mΩ・cmであった。また、スパッタリングターゲットについてX線回折分析(XRD)を行った結果、IMoO2/IBGは7.1であった。以上の結果を表1に示す。なお、スパッタリングターゲットの成分組成は、原料の組成比率と同じとみなして計算した。
【0026】
【0027】
(実施例2~4)
WO3粉とMoO2粉とを準備し、これらの粉末を表1に記載するモル比となるように秤量した。次に、0.5mmのジルコニアビーズを用いて3時間湿式ビーズミル混合粉砕し、メジアン径0.8μm以下の混合粉末を得た。次に、この混合粉末を焼結温度:850℃~875℃、最高圧力:250kgf/cm2、保持時間:6時間、雰囲気:アルゴンの条件でホットプレス焼結を行い、焼結体を作製した。その後、この焼結体を機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。
実施例2~4のスパッタリングターゲットは、いずれも相対密度が94%以上であり、体積抵抗率は1.0Ω・cm以下であった。また、スパッタリングターゲットについてX線回折分析(XRD)を行った結果、IMoO2/IBGは3.0以上であった。なお、スパッタリングターゲットの成分組成は、原料の組成比率と同じとみなして計算した。
【0028】
(比較例1)
比較例1では、WO3粉のみとした。WO3粉を0.5mmのジルコニアビーズを用いて3時間湿式ビーズミル混合粉砕し、メジアン径0.8μm以下の混合粉末を得た。次に、この混合粉末を焼結温度:940℃、最高圧力:250kgf/cm2、保持時間:10時間、雰囲気:酸素の条件で、常圧焼結を行い、焼結体を作製した。その後、この焼結体を機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。
比較例1のスパッタリングターゲットは、相対密度が94%であり、体積抵抗率は1.6×104Ω・cmであった。また、スパッタリングターゲットについてX線回折分析(XRD)を行った結果、IMoO2/IBGは1.9であった。なお、スパッタリングターゲットの成分組成は、原料の組成比率と同じとみなして計算した。
【0029】
次に、実施例1~4のスパッタリングターゲットを用いて、スパッタ成膜を行った。なお、成膜条件は以下の通りとした。得られたスパッタ膜について、仕事関数を測定した結果、Arガス下では4.62~4.76eVであり、Arガス+2%O2下では4.71~4.76eVであり、Arガス+6%O2下では4.74~4.77eVであり、所望の高い仕事関数が得られた。以上の結果を表1に示す。なお、スパッタ膜の成分組成は、原料比率と同じとみなして計算した。
(成膜条件)
装置:キャノンアネルバ製 SPL-500スパッタ装置
基板:シリコン基板
成膜パワー密度:2.74W/cm2
成膜雰囲気:Ar、Ar+2%O2、Ar+6%O2
ガス圧:0.5Pa
膜厚:50nm
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の実施形態に係る酸化物スパッタリングターゲットは、相対密度が高く、成膜時にターゲットに割れやクラックが発生することがなく、実用的、商業的レベルで使用することができる。さらに、体積抵抗率が低く、DCスパッタリングが可能である。本発明は、特に有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子における透明電極を形成するために有用である。