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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20240215BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L21/68 N
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018246087
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020107763
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒本 正和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健次
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-302392(JP,A)
【文献】特開2007-027157(JP,A)
【文献】特開2013-251417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0249069(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111604(US,A1)
【文献】特開2002-368288(JP,A)
【文献】特開2018-113349(JP,A)
【文献】特開2016-062986(JP,A)
【文献】特開2004-088083(JP,A)
【文献】特開2002-261325(JP,A)
【文献】特開2018-011039(JP,A)
【文献】特開2002-118124(JP,A)
【文献】国際公開第2010/119506(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01L 21/68
G09F 9/30-9/46
H05B 33/00-33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性フィルムを弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の前記伸縮性フィルムの予め設定された領域に複数の半導体素子を離隔して載置する工程と、
前記伸縮性フィルムの弾性力によって伸張状態を解除する工程と、を含み、
前記半導体素子は、LSI、IC、半導体発光素子の少なくともいずれかであり、
前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とすることと、
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、前記半導体素子は電極を有しており、前記電極が前記伸縮性フィルムに対向するように、前記半導体素子を前記伸縮性フィルムに載置する半導体素子の実装方法を行った後、
前記半導体素子を被覆部材で被覆する工程と、
前記伸縮性フィルムを剥がし、前記電極を露出させる工程と、
前記電極を露出させる工程の前又は後に、前記半導体素子を個片化する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【請求項2】
伸縮性フィルムを弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の前記伸縮性フィルムの予め設定された領域に複数の半導体素子を離隔して載置する工程と、
前記伸縮性フィルムの弾性力によって伸張状態を解除する工程と、を含み、
前記半導体素子は、LSI、IC、半導体発光素子の少なくともいずれかであり、
前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とすることと、
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、前記半導体素子は電極を有しており、前記電極が前記伸縮性フィルムに対向するように、前記半導体素子を前記伸縮性フィルムに載置する半導体素子の実装方法を行った後、
前記電極と反対の面が支持基板に対向するように、前記半導体素子を前記支持基板に載置する工程と、
前記伸縮性フィルムを剥がし、前記電極を露出させる工程と、
前記電極を覆うように、前記半導体素子を被覆部材で被覆する工程と、
前記被覆部材を研磨して、前記電極を露出させる工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記被覆部材を研磨して、前記電極を露出させる工程の後に、
前記支持基板を剥がす工程と、
前記半導体素子を個片化する工程と、を含む請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
伸縮性フィルムを弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の前記伸縮性フィルムの予め設定された領域に複数の半導体素子を離隔して載置する工程と、
前記伸縮性フィルムの弾性力によって伸張状態を解除する工程と、を含み、
前記半導体素子は、LSI、IC、半導体発光素子の少なくともいずれかであり、
前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とすることと、
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、前記半導体素子は電極を有しており、前記電極を有する面とは反対の面が前記伸縮性フィルムに対向するように、前記半導体素子を前記伸縮性フィルムに載置する半導体素子の実装方法を行った後、
前記電極が支持基板に対向するように、前記半導体素子を前記支持基板に載置する工程と、
前記伸縮性フィルムを剥がす工程と、
前記半導体素子を被覆部材で被覆する工程と、
前記半導体素子を個片化する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体素子を被覆部材で被覆する工程の後、
前記支持基板を剥がす工程と、を含む請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
伸縮性フィルムを弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の前記伸縮性フィルムの予め設定された領域に複数の半導体素子を離隔して載置する工程と、
前記伸縮性フィルムの弾性力によって伸張状態を解除する工程と、を含み、
前記半導体素子は、LSI、IC、半導体発光素子の少なくともいずれかであり、
前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とすることと、
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、前記半導体素子は電極を有しており、前記電極を有する面とは反対の面が前記伸縮性フィルムに対向するように、前記半導体素子を前記伸縮性フィルムに載置する半導体素子の実装方法を行った後、
前記電極が支持基板に対向するように、前記半導体素子を前記支持基板に載置する工程と、
前記支持基板と前記伸縮性フィルムとの間に、前記半導体素子の側面を被覆する被覆部材を配置する工程と、
前記伸縮性フィルムを剥がす工程と、
前記半導体素子を個片化する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記被覆部材を配置する工程の後、
前記支持基板を剥がす工程と、を含む請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、
前記伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、前記固定器具で伸張させる請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、
前記伸縮性フィルムを伸張させ、前記伸縮性フィルムを伸張させた伸張状態で固定器具に固定する請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、
前記伸縮性フィルムは、X方向に沿った一方と他方との2方向、又は、前記X方向と直交するY方向に沿った一方と他方との2方向、のいずれかに前記伸縮性フィルムを伸張させる請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、
前記伸縮性フィルムは、X方向に沿った一方と他方との2方向と、前記X方向と直交するY方向に沿った一方と他方との2方向と、の4方向に前記伸縮性フィルムを伸張させる請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程において、
前記伸縮性フィルムの中心から、放射方向に前記伸縮性フィルムを伸張させる請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記半導体発光素子は、LED素子である、請求項1、請求項2、請求項4、請求項6のいずれか一項、又は、請求項1、請求項2、請求項4、請求項6のいずれか一項を引用する請求項3、請求項5、請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程は、前記半導体素子の4つを1組として、各組の前記半導体素子を行列方向に載置し、前記伸張状態を解除する工程は、前記各組の4つの前記半導体素子同士の間隔を狭くして前記半導体素子の実装間隔とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程は、前記半導体素子の3つを1組として、各組の3つの前記半導体素子の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となる位置に前記半導体素子を載置し、前記伸張状態を解除する工程は、前記各組の3つの前記半導体素子同士の間隔を狭くして前記半導体素子の実装間隔とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記各組の3つの半導体素子は、それぞれ、青色光を発光する第1半導体発光素子、緑色光を発光する第2半導体発光素子、赤色光を発光する第3半導体発光素子である請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程は、前記半導体素子同士の間隔が50μm以上500μm以下となるように前記半導体素子を載置し、前記伸縮性フィルムの前記伸張状態を解除する工程は、前記半導体素子同士の実装間隔を0μm以上50μm以下とする請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記半導体素子が矩形であり、隣り合う前記半導体素子の第1の辺を1としたときに直交する辺は0.5以上1.5以下であり、かつ、前記第1の辺は300μm以上2mm以下であり、
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程は、前記半導体素子同士の間隔が前記第1の辺の0.5倍以上2倍以下となるように前記半導体素子を載置し、前記伸縮性フィルムの前記伸張状態を解除する工程は、前記半導体素子同士の実装間隔を解除前の20%以上100%以下の収縮率とする請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記複数の半導体素子を離隔して載置する工程の前において、前記伸縮性フィルム上に配線パターンを形成する工程を含み、
前記配線パターンを形成する工程は、前記半導体素子を載置する領域を有する一対の配線パターンを、前記半導体素子を載置する領域が並列するように等間隔で複数形成する請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程後における前記半導体素子の実装間隔は、前記配線パターンを形成する工程における、前記半導体素子を実装する予定の間隔と略同一である請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置を製造する際、複数の発光素子を基板に実装することが行われている。例えば、特許文献1には、複数の発光素子を基板に配置しておき、別の基板へ一括に接合させる際に、基板同士の線膨張係数が異なる場合でも、発光素子を基板の所望の位置へ接合可能な発光装置の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-195154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、発光素子の高密度化を行うためにさらなる改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示に係る実施形態は、半導体素子の高密度化ができる半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係る半導体素子の実装方法は、伸縮性フィルムを弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の前記伸縮性フィルムの予め設定された領域に複数の半導体素子を離隔して載置する工程と、前記伸縮性フィルムの弾性力によって伸張状態を解除する工程と、を含み、前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とする。
【0007】
本開示の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、前記記載の半導体素子の実装方法を行った後、前記半導体素子を被覆部材で被覆する工程と、前記伸縮性フィルムを剥がし、前記電極を露出させる工程と、を含む。
【0008】
本開示の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、前記記載の半導体素子の実装方法を行った後、前記電極と反対の面が支持基板に対向するように、前記半導体素子を前記支持基板に載置する工程と、前記伸縮性フィルムを剥がし、前記電極を露出させる工程と、を含む。
【0009】
本開示の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、前記記載の半導体素子の実装方法を行った後、前記電極が支持基板に対向するように、前記半導体素子を前記支持基板に載置する工程と、前記伸縮性フィルムを剥がす工程と、前記半導体素子を被覆部材で被覆する工程と、前記半導体素子を個片化する工程と、を含む。
【0010】
本開示の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、前記記載の半導体素子の実装方法を行った後、前記電極が支持基板に対向するように、前記半導体素子を前記支持基板に載置する工程と、前記支持基板と前記伸縮性フィルムとの間に、前記半導体素子の側面を被覆する被覆部材を配置する工程と、前記伸縮性フィルムを剥がす工程と、前記半導体素子を個片化する工程と、を含む。
【0011】
本開示の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、伸縮性フィルム上に配線パターンを形成する工程と、伸縮性フィルムを弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の前記伸縮性フィルムの予め設定された領域に複数の半導体素子を離隔して載置する工程と、前記伸縮性フィルムの弾性力によって伸張状態を解除する工程と、を含み、前記配線パターンを形成する工程は、前記半導体素子を載置する領域を有する一対の配線パターンを、前記半導体素子を載置する領域が並列するように等間隔で複数形成し、前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示の実施形態に係る半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法によれば、半導体素子の高密度化ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】第1実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す平面図である。
図1B】第1実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す断面図であり、図1AのIB-IB線における断面図である。
図2】第1実施形態に係る半導体素子の実装方法の手順を示すフローチャートである。
図3A】第1実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、固定器具で伸縮性フィルムを伸張させた状態を模式的に示す平面図である。
図3B】第1実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。
図3C】第1実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
図4】従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際に半導体素子同士が接触する状態を説明する模式的な平面図である。
図5A】従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際の実装精度について説明する模式的な平面図である。
図5B】従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際のθ回転について説明する模式的な平面図である。
図5C】従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際の必要クリアランスについて説明する模式的な平面図である。
図6】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図7A】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を支持基板に載置する工程及びフィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。
図7B】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。
図7C】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す断面図であり、図7BのVIIC-VIIC線における断面図である。
図7D】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、研磨して電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。
図7E】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、研磨して電極を露出させる工程を模式的に示す断面図であり、図7DのVIIE-VIIE線における断面図である。
図7F】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、支持基板を剥がす工程及び半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
図7G】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、支持基板を剥がす工程及び半導体素子を個片化する工程を模式的に示す断面図であり、図7FのVIIG-VIIG線における断面図である。
図8A】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図8B】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図9】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図10A】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。
図10B】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す断面図であり、図10AのXB-XB線における断面図である。
図10C】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。
図10D】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す断面図であり、図10CのXD-XD線における断面図である。
図10E】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
図11】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図12A】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。
図12B】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
図12C】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。
図13】第6実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図14】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法の手順を示すフローチャートである。
図15A】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。
図15B】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
図16】第7実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図17A】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を支持基板に載置する工程及び伸縮性フィルムを剥がす工程を模式的に示す平面図である。
図17B】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。
図17C】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、支持基板を剥がす工程を模式的に示す平面図である。
図17D】第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、支持基板を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
図18】第8実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図19】第8実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
図20A】第9実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図20B】第10実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図21A】第11実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す平面図である。
図21B】第11実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す断面図であり、図1AのXXIB-XXIB線における断面図である。
図22A】第11実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、固定器具で伸縮性フィルムを伸張させた状態を模式的に示す平面図である。
図22B】第11実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。
図22C】第11実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
図23A】第12実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す平面図である。
図23B】第12実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す断面図であり、図23AのXXIIIB-XXIIIB線における断面図である。
図24】第12実施形態に係る半導体素子の実装方法の手順を示すフローチャートである。
図25A】第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、配線パターンを形成する工程を模式的に示す平面図である。
図25B】第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、固定器具で伸縮性フィルムを伸張させた状態を模式的に示す平面図である。
図25C図25BのXXVC-XXVC線における断面図である。
図25D】第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。
図25E】第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための半導体装置、半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0015】
<第1実施形態>
[半導体装置]
はじめに、半導体装置について説明する。
図1Aは、第1実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す平面図である。図1Bは、第1実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す断面図であり、図1AのIB-IB線における断面図である。
半導体装置100は、半導体素子1と、被覆部材2と、波長変換部材3と、を備えている。半導体装置100は、4つの半導体素子1が2×2の行列方向に並べられている。
【0016】
(半導体素子)
半導体素子1は、ICやLSI、LED素子等の半導体発光素子を用いることができ、LED素子が好ましい。半導体素子1は、種々の半導体で構成される素子構造に正負一対の電極11,12が設けられたものであればよい。特に、半導体素子1は、蛍光体を効率良く励起可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)のものが好ましい。この他、半導体素子1は、硫化亜鉛系半導体、セレン化亜鉛系半導体、炭化珪素系半導体のものでもよい。
以下、半導体素子1は、半導体発光素子であるものとして説明する。
【0017】
半導体素子1としては、例えば、一辺の長さが100μm以上2mm以下の正四角形のものが挙げられるが、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形を用いることもでき、これら多角形を種々組み合わせてもよい。複数の半導体素子1が組み合わさった状態を考慮して、半導体素子1の形態を決めることが好ましい。ここでは、正四角形を4個用いて正四角形の集合体を作成するが、正四角形を2×3の6個用い長方形の集合体としたり、1行目に2個、2行目に4個、3行目に4個、4行目に2個の半導体素子1を並べ八角形や円形に近い集合体としたりすることもできる。更に、3個の四角形をL字型に並べ、L字型の内側に三角形を配置することで五角形として、この五角形の半導体素子1と他の四角形の半導体素子1等を複数配置した際に、外周に段差を少なくし、なだらかにすることもできる。
半導体素子1同士の間隔は、0μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上40μm以下が更に好ましい。間隔が0μm以上であれば、半導体装置100を製造し易くなり、5μm以上とすることで隣の半導体素子1に干渉することなく高密度配置することができる。一方、間隔が50μm以下であれば、半導体素子1を更に高密度化することができ、半導体装置100を小型化することができる。ただし、使用する伸縮性フィルム20の伸縮率に応じて、半導体素子1同士の間隔を調整することができ、例えば伸縮性フィルム20の伸縮率が大きい場合は、半導体素子1同士の間隔を50μmより広くしてもよい。
【0018】
(被覆部材)
被覆部材2は、半導体素子1が発光し、横方向又は下方向に進行する光を、半導体装置100の発光領域である波長変換部材3側に反射するための反射部材である。
被覆部材2は、半導体素子1の側面、波長変換部材3の側面、及び、電極11,12の下面を除く半導体素子1の下面(電極11,12側)に設けられている。なお、被覆部材2は、半導体素子1の電極11,12間にも設けられているが、電極11,12の下面は、被覆部材2から露出している。
被覆部材2は、例えば、反射物質を含有する樹脂層である。被覆部材2は、母材あるいはバインダーとなる樹脂に、反射物質の他に、充填剤を含有して構成されてもよい。
【0019】
バインダーは、前記した反射物質や充填剤を、被覆部材2として半導体素子1等に結着させるための樹脂である。バインダーとなる樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。又は、バインダーとなる樹脂としては、例えば、これらの変性樹脂やこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂又はその変性樹脂は、耐熱性や耐光性に優れ、硬化後の体積収縮が少ないため、好ましい。
【0020】
反射物質は、半導体素子1が発光した光を反射する物質である。反射物質としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、窒化硼素等が挙げられる。また、シリコーンパウダー等の樹脂の粉末を用いてもよい。
充填剤は、樹脂層である被覆部材2の強度を上げるため、又は、被覆部材2の熱伝導率を上げるため等の理由から添加されるものである。充填剤としては、例えば、ガラス繊維、ウィスカー、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化硼素、酸化亜鉛、窒化アルミニウム等が挙げられる。
【0021】
(波長変換部材)
波長変換部材3は、半導体素子1が発光する波長の光の一部を吸収し、異なる波長の光に変換して発光する波長変換物質を含有する部材である。波長変換部材3で用いられる波長変換物質は、例えば蛍光体である。波長変換部材3は、半導体素子1の発光面上に設けられている。
波長変換部材3の母材あるいはバインダーは、透光性の樹脂によって形成されていることが好ましい。ここでの樹脂としては、例えば、前記した被覆部材2の母材あるいはバインダーとなる樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂又はその変性樹脂は、耐熱性や耐光性に優れ、硬化後の体積収縮が少ないため、好ましい。また、波長変換部材3の母材あるいはバインダーは、樹脂の他、ガラスによって形成されてもよい。
【0022】
波長変換部材3に含有される蛍光体としては、例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたテルビウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウム及びクロムのうちのいずれか1つ又は2つで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウム、ユウロピウムで賦活された窒化物蛍光体等が挙げられる。
【0023】
[半導体素子の実装方法]
次に、半導体素子の実装方法の一例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法の手順を示すフローチャートである。図3Aは、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、固定器具で伸縮性フィルムを伸張させた状態を模式的に示す平面図である。図3Bは、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。図3Cは、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。図4は、従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際に半導体素子同士が接触する状態を説明する模式的な平面図である。図5Aは、従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際の実装精度について説明する模式的な平面図である。図5Bは、従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際のθ回転について説明する模式的な平面図である。図5Cは、従来技術における、半導体素子を支持基板に実装する際の必要クリアランスについて説明する模式的な平面図である。
【0024】
半導体素子の実装方法は、伸縮性フィルム20を弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の伸縮性フィルム20の予め設定された領域に複数の半導体素子1を離隔して載置する、半導体素子を載置する工程S101と、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する、伸張状態を解除する工程S102と、を含み、この順に行う。そして、半導体素子の実装方法は、半導体素子1を載置した直後の半導体素子1同士の間隔(d1)より、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した後の半導体素子1同士の間隔(d2)の方を狭くして、半導体素子1同士の間隔(d2)を実装間隔とする。
以下、各工程について説明する。なお、各部材の材質や配置等については、前記した半導体装置100の説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0025】
(半導体素子を載置する工程)
半導体素子を載置する工程S101は、伸縮性フィルム20を弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の伸縮性フィルム20の予め設定された領域に複数の半導体素子1を離隔して載置する工程である。
この工程S101では、伸縮性フィルム20を固定器具30に取り付け、固定器具30で伸縮性フィルム20を伸張させる。又は、伸縮性フィルム20を伸張させ、伸縮性フィルム20を伸張させた伸張状態で固定器具30に固定する。ここでは、固定器具30で伸縮性フィルム20を伸張させた状態であるものとする。
また、この工程S101では、X方向に沿った一方(Xプラス方向)と他方(Xマイナス方向)との2方向と、X方向と直交するY方向に沿った一方(Yプラス方向)と他方(Yマイナス方向)との2方向と、の4方向に伸縮性フィルム20を伸張させる。
【0026】
伸縮性フィルム20の伸張は、4方向の全てで同じ伸び率となるように行うことが好ましい。全て同じ伸び率とすることで、伸張状態での半導体素子1の実装間隔や、伸張状態を解除した後の半導体素子1の実装間隔を調整し易くなり、半導体素子1を実装し易くなる。伸び率は、伸張状態での半導体素子1の実装間隔や、伸張状態を解除した後の半導体素子1の実装間隔等を考慮して適宜設定すればよい。
また、半導体装置100における半導体素子1同士の間隔が200μm以下である場合、伸縮性フィルム20を伸張させた際の相対する2方向の伸張幅は、50μm以上500μm以下が好ましい。伸張幅が50μm以上であれば、伸縮性フィルム20に半導体素子1を載置し易くなる。一方、伸張幅が500μm以下であれば、半導体素子1の実装部に歪みが生じることを抑制することができる。伸張幅は、より好ましくは、50μm以上200μm以下である。
【0027】
伸縮性フィルム20としては、所望のクリアランス(半導体素子1同士の間隔)を確保できるだけの伸び率があり、半導体素子1を問題なく実装できるものであればよい。伸縮性フィルム20の材料としては、例えば、UVテープ、各種プラスチック、ゴム等が挙げられる。伸縮性フィルム20の厚さは、例えば、10μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下であることが更に好ましい。伸縮性フィルム20の伸び率は700%以下が好ましく、500%以下が更に好ましく、300%以下が特に好ましい。伸縮性フィルム20の伸び率が500%を超えるものを用いることにより、半導体素子1を高密度に配置することができる。また、伸縮性フィルム20の伸び率を300%以下に抑えることにより、伸縮性フィルム20を配線等に使用することができたり、伸縮性フィルム20の破断を抑制したりすることができる。
固定器具30としては、従来公知の固定器具30を使用することができる。
【0028】
この工程S101では、半導体素子1の4つを1組として、各組の半導体素子1を行列方向に載置する。そして、4つの半導体素子1を含む各組を一列として、行列方向に、4行×4列で配置する。ここでは、16組が行列方向に配置され、64個の半導体素子1が載置されている。
また、この工程S101では、例えば、各組の半導体素子1同士の間隔が50μm以上500μm以下となるように半導体素子1を載置する。
ここでは、半導体素子1を電極11,12が伸縮性フィルム20に対向するように、半導体素子1を伸縮性フィルム20に載置する。
【0029】
(伸張状態を解除する工程)
伸張状態を解除する工程S102は、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する工程である。この工程S102では、伸縮性フィルム20を伸張状態としている固定器具30から外し、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する。
この工程S102では、半導体素子1を載置した直後の半導体素子1同士の間隔(d1)より、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した後の半導体素子1同士の間隔(d2)の方を狭くして、半導体素子1同士の間隔(d2)を実装間隔とする。ここでは、各組の4つの半導体素子1同士の間隔を狭くして半導体素子1の実装間隔とする。また、伸張状態を保持している状態において、4つの半導体素子1を1組として、1組内の隣り合う半導体素子1の間隔より、1組の半導体素子1が隣り合う組の半導体素子1の間隔の方を広くすることにより、伸張状態を解除した際に、4つの半導体素子1を1組とすることもできる。
また、この工程S102では、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した後の各組の半導体素子1の実装間隔を0μm以上50μm以下とする。
【0030】
以上のように、本実施形態の半導体素子1の実装方法によれば、半導体素子1の高密度化ができる。ここで、従来技術の場合、複数の半導体素子1(チップ)を基板に実装する際に、クリアランスがないと半導体素子1がθ回転すること等で、半導体素子1同士が縦方向で接触してしまい、半導体素子1を実装できない場合がある(図4参照)。そこで、従来技術では、半導体素子1を実装する場合、「実装精度+θ回転分のクリアランス」が必要となり、例えば、以下の条件の場合、必要クリアランスは、66μm以上160μm以下となる(図5A図5C参照)。
【0031】
「条件」
・想定チップサイズ:一辺の長さが100μm以上2mm以下の正四角形
・(一般的な)実装精度(t1):±30μm 計60μm
・(一般的な)θ回転:±3°
・2mmチップが3°回転した場合の回転によるズレ量(t2):約50μm
・100μmチップが3°回転した場合の回転によるズレ量(t2):約3μm
・2mmチップの場合の必要クリアランス(T):30×2+50×2=160μm
・100μmチップの場合の必要クリアランス(T):30×2+3×2=66μm
【0032】
これに対し、本実施形態では、伸張状態の伸縮性フィルム20の予め設定された領域に複数の半導体素子1を離隔して載置するため、半導体素子1の実装時に半導体素子1同士が接触することがない。また、仮に、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した際に半導体素子1同士が接触したとしても、伸縮性フィルム20の伸縮が応力を吸収し、半導体素子1の損傷が防止される。そのため、従来よりも、狭い実装間隔を設定することができる。なお、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した際、多少、伸縮性フィルム20によれが生じた場合でも、後述するように、半導体装置100の製造方法の工程で伸縮性フィルム20を剥がすので問題は生じない。
【0033】
[半導体装置の製造方法]
次に、半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図6は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。図7Aは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を支持基板に載置する工程及びフィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。図7Bは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。図7Cは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す断面図であり、図7BのVIIC-VIIC線における断面図である。図7Dは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、研磨して電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。図7Eは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、研磨して電極を露出させる工程を模式的に示す断面図であり、図7DのVIIE-VIIE線における断面図である。図7Fは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、支持基板を剥がす工程及び半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。図7Gは、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、支持基板を剥がす工程及び半導体素子を個片化する工程を模式的に示す断面図であり、図7FのVIIG-VIIG線における断面図である。
【0034】
半導体装置の製造方法は、前記記載の半導体素子の実装方法を行った後、電極11,12と反対の面が支持基板21に対向するように、半導体素子1を支持基板21に載置する、支持基板に載置する工程S201と、伸縮性フィルム20を剥がし、電極11,12を露出させる、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S202と、電極11,12を覆うように、半導体素子1を被覆部材2で被覆する、被覆部材で被覆する工程S203と、被覆部材2を研磨して、電極11,12を露出させる、研磨して電極を露出させる工程S204と、支持基板を剥がす工程S205と、半導体素子1を個片化する、個片化する工程S206と、を含み、この順に行う。
以下、各工程について説明する。なお、各部材の材質や配置等については、前記した半導体装置100の説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0035】
(支持基板に載置する工程)
支持基板に載置する工程S201は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法で実装された半導体素子1を、電極11,12と反対の面が支持基板21に対向するように、半導体素子1を支持基板21に載置する工程である。
この工程S201では、まず、伸縮性フィルム20に半導体素子1が載置された状態で、半導体素子1の波長変換部材3が支持基板21に接着するように、半導体素子1を支持基板21に載置する。
支持基板21としては、例えば、ポリイミドフィルム、PETフィルム等が挙げられる。
支持基板21の厚さは、例えば、5μm以上300μm以下が好ましく、10μm以上150μm以下が更に好ましい。
【0036】
(フィルムを剥がして電極を露出させる工程)
フィルムを剥がして電極を露出させる工程S202は、伸縮性フィルム20を剥がし、電極11,12の下面を露出させる工程である。
【0037】
(被覆部材で被覆する工程)
被覆部材で被覆する工程S203は、電極11,12を覆うように、半導体素子1を被覆部材2で被覆する工程である。
この工程S203では、電極11,12を含めた半導体素子1の全部を被覆部材2で被覆する。ここでは、被覆部材2は、電極11,12の上面が被覆されるように設けられている。
半導体素子1の被覆は、例えば、固定された支持基板21の上側において、支持基板21に対して上下方向あるいは水平方向等に移動(可動)させることができる吐出装置(ディスペンサー)を用いて行うことができる。半導体素子1の被覆は、吐出装置を用いて、被覆部材2を構成する樹脂等を支持基板21上に充填することにより行うことができる。
また、圧縮成形法、トランスファー成形法等によって被覆することも可能である。
【0038】
(研磨して電極を露出させる工程)
研磨して電極を露出させる工程S204は、被覆部材2を研磨して、電極11,12を露出させる工程である。
この工程S204では、電極11,12側から、被覆部材2の表面を電極11,12が露出するまで研磨する。
【0039】
(支持基板を剥がす工程)
支持基板を剥がす工程S205は、被覆部材2を研磨して電極11,12を露出させた後、支持基板21を剥がす工程である。
【0040】
(個片化する工程)
個片化する工程S206は、半導体素子1を個片化する工程である。
この工程S206では、個々の半導体装置100となるように、切断線15に沿って所定の領域で電極11,12を露出させた成型体を切断する。切断は、例えば、ブレードで切断するダイシング方法等、従来公知の方法により行うことができる。
これにより、4つの半導体素子1を備える半導体装置100が得られる。
【0041】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第2実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図8Aは、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法で説明した、支持基板に載置する工程S201と、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S202と、被覆部材で被覆する工程S203と、研磨して電極を露出させる工程S204と、を含み、この順に行うものである。すなわち、図7Cに示すように、支持基板22を有し、個片化していないものを半導体装置としたものである。
【0042】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第3実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図8Bは、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
第3実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法で説明した、支持基板に載置する工程S201と、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S202と、を含み、この順に行うものである。すなわち、図7Aに示すように、支持基板21を有し、被覆部材2を有さず、個片化していないものを半導体装置としたものである。
【0043】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第4実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図9は、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。図10Aは、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。図10Bは、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す断面図であり、図10AのXB-XB線における断面図である。図10Cは、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。図10Dは、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す断面図であり、図10CのXD-XD線における断面図である。図10Eは、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
【0044】
第4実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法を行った後、半導体素子1を被覆部材2で被覆する、被覆部材で被覆する工程S301と、伸縮性フィルム20を剥がし、電極11,12を露出させる、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S302と、半導体素子1を個片化する、個片化する工程S303と、を含み、この順に行う。
以下、各工程について説明する。なお、各部材の材質や配置等については、前記した半導体装置100の説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0045】
(被覆部材で被覆する工程)
被覆部材で被覆する工程S301は、半導体素子1を被覆部材2で被覆する工程である。
この工程S301では、伸縮性フィルム20上に、半導体素子1の側面を被覆するように、被覆部材2を配置する。半導体素子1の被覆は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に準じて行えばよい。なお、波長変換部材3の上面が被覆部材2で被覆された場合は、研磨等により被覆部材2を除去して、波長変換部材3の上面を露出させればよい。
【0046】
(フィルムを剥がして電極を露出させる工程)
フィルムを剥がして電極を露出させる工程S302は、伸縮性フィルム20を剥がし、電極11,12の下面を露出させる工程である。なお、図10C図10Dでは、電極11,12側を上面としている。
【0047】
(個片化する工程)
個片化する工程S303は、半導体素子1を個片化する工程である。半導体素子1を個片化は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に準じて行えばよい。
これにより、4つの半導体素子1を備える半導体装置100が得られる。
【0048】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第5実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図11は、第5実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。図12Aは、第5実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。図12Bは、第5実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。図12Cは、第5実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程を模式的に示す平面図である。
【0049】
第5実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法を行った後、半導体素子1を被覆部材2で被覆する、被覆部材で被覆する工程S301aと、半導体素子1を個片化する、個片化する工程S302aと、伸縮性フィルム20を剥がし、電極11,12を露出させる、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S303aと、を含み、この順に行う。
第5実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法において、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S302の前に、個片化する工程S303を行うものである。その他については、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。
なお、個片化する工程S302aでは、伸縮性フィルム20は切断されてもよく、切断されなくてもよい。
【0050】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第6実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図13は、第6実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
第6実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第4実施形態に係る半導体装置の製造方法で説明した、半導体素子1を被覆部材2で被覆する、被覆部材で被覆する工程S301と、伸縮性フィルム20を剥がし、電極11,12を露出させる、フィルムを剥がして電極を露出させる工程S302と、を含み、この順に行うものである。すなわち、図10Bに示すように、個片化していないものを半導体装置としたものである。
【0051】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法の一例について説明する。
[半導体素子の実装方法]
図14は、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法の手順を示すフローチャートである。図15Aは、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。図15Bは、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
【0052】
第7実施形態に係る半導体素子の実装方法は、電極11,12を有する面とは反対の面が伸縮性フィルム20に対向するように、半導体素子1を伸縮性フィルム20に載置する、半導体素子を載置する工程S101aと、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する、伸張状態を解除する工程S102aと、を含み、この順に行う。
第7実施形態に係る半導体素子の実装方法では、半導体素子1の波長変換部材3が伸縮性フィルム20に接着するように、半導体素子1を伸縮性フィルム20に載置する。それ以外の事項については、第1実施形態の半導体素子の実装方法と同様である。
【0053】
[半導体装置の製造方法]
図16は、第7実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。図17Aは、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を支持基板に載置する工程及び伸縮性フィルムを剥がす工程を模式的に示す平面図である。図17Bは、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を被覆部材で被覆する工程を模式的に示す平面図である。図17Cは、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、支持基板を剥がす工程を模式的に示す平面図である。図17Dは、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法において、支持基板を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
【0054】
半導体装置の製造方法は、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法を行った後、電極11,12が支持基板21に対向するように、半導体素子1を支持基板21に載置する、支持基板に載置する工程S401と、伸縮性フィルムを剥がす工程S402と、半導体素子1を被覆部材2で被覆する、被覆部材で被覆する工程S403と、支持基板を剥がす工程S404と、半導体素子1を個片化する、個片化する工程S405と、を含み、この順に行う。
【0055】
半導体装置の製造方法は、支持基板に載置する工程S401において、電極11,12が下面となるように半導体素子1を支持基板21に載置する。すなわち、波長変換部材3が上面となるように半導体素子1を支持基板21に載置する。次に、伸縮性フィルムを剥がす工程S402において、伸縮性フィルム20を剥がして波長変換部材3を露出させる。次に、被覆部材で被覆する工程S403において、支持基板21上に、半導体素子1の側面を被覆するように、被覆部材2を配置する。なお、波長変換部材3の上面が被覆部材2で被覆された場合は、研磨等により被覆部材2を除去して、波長変換部材3の上面を露出させればよい。次に、支持基板を剥がす工程S404において、波長変換部材3を露出させた成型体を支持基板21から剥がす。次に、個片化する工程S405において、個々の半導体装置100となるように、切断線15に沿って所定の領域で成型体を切断する。それ以外の事項については、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。
これにより、4つの半導体素子1を備える半導体装置100が得られる。
【0056】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第8実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図18は、第8実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。図19は、第8実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を個片化する工程を模式的に示す平面図である。
【0057】
第8実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第7実施形態に係る半導体装置の製造方法で説明した、電極11,12が支持基板21に対向するように、半導体素子1を支持基板21に載置する、支持基板に載置する工程S401と、伸縮性フィルムを剥がす工程S402と、半導体素子1を被覆部材2で被覆する、被覆部材で被覆する工程S403と、半導体素子を個片化する、個片化する工程S405と、を含み、この順に行うものである。
【0058】
第8実施形態に係る半導体装置の製造方法は、支持基板を剥がす工程S404を行わず、支持基板21上で半導体素子1を個片化する。なお、個片化する工程S405では、支持基板21は切断されてもよく、切断されなくてもよい。また、個片化する工程S405の後に、支持基板21を剥がしてもよい。
【0059】
<第9実施形態>
次に、第9実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第9実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図20Aは、第9実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
半導体装置の製造方法は、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法を行った後、電極11,12が支持基板21に対向するように、半導体素子1を支持基板21に載置する、支持基板に載置する工程S501と、支持基板21と伸縮性フィルム20との間に、半導体素子1の側面を被覆する被覆部材2を配置する、被覆部材を配置する工程S502と、支持基板を剥がす工程S503と、伸縮性フィルムを剥がす工程S504と、半導体素子1を個片化する、個片化する工程S505と、を含み、この順に行う。
【0060】
被覆部材を配置する工程S502では、支持基板21と伸縮性フィルム20との間に、半導体素子1の側面を被覆するように、被覆部材2を配置する。半導体素子1の被覆は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に準じて行えばよく、この際、被覆部材2は、支持基板21と伸縮性フィルム20との間に充填すればよい。それ以外の事項については、第7実施形態に係る半導体装置の製造方法と工程順序が異なるだけで、第7実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。
これにより、4つの半導体素子1を備える半導体装置100が得られる。
【0061】
<第10実施形態>
次に、第10実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。なお、第10実施形態に係る半導体素子の実装方法は、第7実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様であるので、説明を省略する。
図20Bは、第10実施形態に係る半導体装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
第10実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第9実施形態に係る半導体装置の製造方法で説明した、電極11,12が支持基板21に対向するように、半導体素子1を支持基板21に載置する、支持基板に載置する工程S501と、支持基板21と伸縮性フィルム20との間に、半導体素子1の側面を被覆する被覆部材2を配置する、被覆部材を配置する工程S502と、伸縮性フィルムを剥がす工程S504と、半導体素子1を個片化する、個片化する工程S505と、を含み、この順に行うものである。
【0062】
第10実施形態に係る半導体装置の製造方法は、支持基板を剥がす工程S503を行わず、支持基板21上で半導体素子1を個片化する。なお、個片化する工程S505では、支持基板21は切断されてもよく、切断されなくてもよい。また、個片化する工程S505の後に、支持基板21を剥がしてもよい。
【0063】
<第11実施形態>
[半導体装置]
はじめに、半導体装置について説明する。
図21Aは、第11実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す平面図である。図21Bは、第11実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す断面図であり、図1AのXXIB-XXIB線における断面図である。
半導体装置100Aは、半導体素子1と、被覆部材2と、波長変換部材3と、を備えている。
【0064】
半導体装置100Aは、3つの半導体素子1が、3つの半導体素子1の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となるように並べられている。すなわち、半導体装置100は、3つの半導体素子1のち、2つが並列で載置され、残りの1つが、2つの半導体素子1のそれぞれの横側に位置するように載置される。
3つの半導体素子1は、それぞれ、赤色光を発光する第1半導体素子、青色光を発光する第2半導体素子、緑色光を発光する第3半導体素子である。
このような半導体装置100Aによれば、RBGによるフルカラー表示が可能となる。
【0065】
青色(波長430~490nmの光)、緑色(波長495~565nmの光)の半導体素子1としては、窒化物系半導体(InAlGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaP等を用いたものを使用することができる。赤色(波長610~700nmの光)の半導体素子1としては、窒化物系半導体素子の他にもGaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。
その他の事項については、第1実施形態に係る半導体装置100と同様である。
【0066】
[半導体素子の実装方法]
次に、半導体素子の実装方法の一例について説明する。
図22Aは、第11実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、固定器具で伸縮性フィルムを伸張させた状態を模式的に示す平面図である。図22Bは、第11実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。図22Cは、第11実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
【0067】
半導体素子の実装方法は、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様に、半導体素子を載置する工程S101と、伸張状態を解除する工程S102と、を含み、この順に行う。なお、各部材の材質や配置等については、前記した半導体装置100Aの説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0068】
半導体素子の実装方法は、半導体素子を載置する工程S101において、3つの半導体素子1が伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した後に所望の位置になるように、伸縮性フィルム20を伸張させる4方向を調整する。また、半導体素子の実装方法は、半導体素子を載置する工程S101において、半導体素子1の3つを1組として、各組の3つの半導体素子1の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となる位置に半導体素子1を載置する。また、半導体素子の実装方法は、伸張状態を解除する工程S102において、各組の3つの半導体素子1同士の間隔を狭くして半導体素子1の実装間隔とする。それ以外の事項については、第1実施形態に係る半導体素子の実装方法と同様である。
【0069】
[半導体装置の製造方法]
第11実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体素子1の3つを1組とすること以外は、第1~第10実施形態に係る半導体装置の製造方法に準じて行うことができる。
これにより、3つの半導体素子1を備える半導体装置100Aが得られる。
【0070】
<第12実施形態>
[半導体装置]
はじめに、半導体装置について説明する。
図23Aは、第12実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す平面図である。図23Bは、第12実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的に示す断面図であり、図23AのXXIIIB-XXIIIB線における断面図である。
半導体装置100Bは、伸縮性フィルム20と、配線パターン40と、半導体素子1と、波長変換部材3と、を備えている。
伸縮性フィルム20は、第1実施形態の半導体素子の実装方法で説明した伸縮性フィルム20と同様のものを用いることができる。半導体素子1及び波長変換部材3と、は、第1実施形態の半導体装置100で説明した半導体素子1及び波長変換部材3と同様のものを用いることができる。
【0071】
半導体素子1同士の間隔は、0μm以上50μm以下が好ましい。間隔が0μm以上であれば、半導体装置100Bを製造し易くなる。一方、間隔が50μm以下であれば、半導体素子1を更に高密度化することができ、半導体装置100Bを小型化することができる。
【0072】
(配線パターン)
配線パターン40は、一対の配線パターン41を、半導体素子1を載置する領域が並列するように等間隔で並行に複数形成したものである。
一対の配線パターン41は、2つの直線状の配線42,43が、端部が相対するように所定の間隔を空けて伸縮性フィルム20上に配置されている。配線パターン40は、一対の配線パターン41が並列して4つ設けられている。一対の配線パターン41は、一方の端部に半導体素子1の一方の電極11が接合され、他方の端部に半導体素子1の他方の電極12(図1B参照)が接合されている。これにより、半導体素子1は、一対の配線パターン41上に跨るように、かつ、並列に載置されている。
配線パターン40の材料としては、銅等の金属性の材料、導電性ペースト、ストレッチャブルペースト等を用いることができる。
【0073】
[半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法]
次に、半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図24は、第12実施形態に係る半導体素子の実装方法の手順を示すフローチャートである。図25Aは、第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、配線パターンを形成する工程を模式的に示す平面図である。図25Bは、第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムを固定器具に取り付け、固定器具で伸縮性フィルムを伸張させた状態を模式的に示す平面図である。図25Cは、図25BのXXVC-XXVC線における断面図である。図25Dは、第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、半導体素子を載置する工程で、伸縮性フィルムに半導体素子を載置した状態を模式的に示す平面図である。図25Eは、第12実施形態に係る半導体素子の実装方法において、伸縮性フィルムの伸張状態を解除する工程を模式的に示す平面図である。
【0074】
第12実施形態では、半導体素子の実装方法により半導体素子が実装された伸縮性フィルムが半導体装置となるため、半導体素子の実装方法と半導体装置の製造方法は同じ工程を経る。以下、代表して半導体素子の実装方法について説明する。
【0075】
半導体素子の実装方法は、伸縮性フィルム20上に配線パターン40を形成する、配線パターンを形成する工程S601と、伸縮性フィルム20を弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の伸縮性フィルム20の予め設定された領域に複数の半導体素子1離隔して載置する、半導体素子を載置する工程S602と、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する、伸張状態を解除する工程S603と、を含み、この順に行う。配線パターンを形成する工程S601は、半導体素子1を載置する領域を有する一対の配線パターン41を、半導体素子1を載置する領域が並列するように等間隔で複数形成する。
そして、半導体素子の実装方法は、前記半導体素子を載置した直後の前記半導体素子同士の間隔(d1)より、前記伸縮性フィルムの伸張状態を解除した後の前記半導体素子同士の間隔(d2)の方を狭くして、前記半導体素子同士の間隔(d2)を実装間隔とする。
以下、各工程について説明する。なお、各部材の材質や配置等については、前記した半導体装置100Bの説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0076】
(配線パターンを形成する工程)
配線パターンを形成する工程S601は、伸縮性フィルム20上に配線パターン40を形成する工程である。
この工程S601では、半導体素子1を載置する領域を有する一対の配線パターン41を、半導体素子1を載置する領域が並列するように等間隔で複数形成する。
具体的には、2つの直線状の配線42,43を、端部が相対するように所定の間隔を空けて伸縮性フィルム20上に配置し、一対の配線パターン41を4つ形成する。
配線パターン40は、例えば、伸縮性フィルム20の表面に銅箔を接合し、エッチングを行うことで形成することができる。又は、伸縮性フィルム20の表面に導電性ペーストやストレッチャブルペーストを塗布することで形成することができる。
【0077】
一対の配線パターン41の幅(ライン)、すなわち1つの配線パターン40の幅は、20μm以上500μm以下が好ましい。一対の配線パターン41の幅が20μm以上であれば、一対の配線パターン41上に半導体素子1を載置し易くなる。一方、一対の配線パターン41の幅が500μm以下であれば、伸張状態を解除した後の半導体素子1の実装間隔を調整し易くなる。一対の配線パターン41の幅は、より好ましくは、50μm以上200μm以下である。
一対の配線パターン41同士のパターン幅(スペース)は、20μm以上500μm以下が好ましい。パターン幅がこの範囲であれば、伸張状態を解除した後の半導体素子1の実装間隔を調整し易くなる。パターン幅は、より好ましくは、50μm以上200μm以下である。
【0078】
(半導体素子を載置する工程)
半導体素子を載置する工程S602は、伸縮性フィルム20を弾性力に抗して伸張させ、伸張状態の伸縮性フィルム20の予め設定された領域に複数の半導体素子1離隔して載置する工程である。
【0079】
この工程S602では、伸縮性フィルム20の所定の領域に固定器具31を取付け、弾性力に抗して固定器具31で伸縮性フィルム20を伸張させ、伸縮性フィルム20を伸張させた伸張状態で固定器具31に固定する。
具体的には、隣り合う一対の配線パターン41の間隔が広がるように、相対する2方向に伸縮性フィル20ムを伸張させた伸張状態で固定器具31に固定する。
伸縮性フィルム20の伸張状態での固定は、伸縮性フィルム20の裏側から固定器具31の突き上げ部材31aにより伸縮性フィルムを突き上げた後、突き上げた部位を、伸縮性フィルム20の表側から固定器具31の固定部材31bで固定することで行うことができる。
ここでは、配線パターン40の左右の両側の部位を突き上げることで、左右の2方向に伸縮性フィルム20を伸張させる。
【0080】
隣り合う一対の配線パターン41の間隔は、半導体素子を載置する工程S602において、半導体素子1同士の間隔が所望の範囲となるように調整する。隣り合う一対の配線パターン41の間隔は、伸縮性フィルム20の伸張の量により調整することができ、伸縮性フィルム20の伸張の量は、突き上げ部材31aによる突き上げの高さにより調整することができる。
また、半導体装置100Bにおける半導体素子1同士の間隔が200μm以下である場合、伸縮性フィルム20を伸張させた際の相対する2方向の伸張幅は、50μm以上500μm以下が好ましい。伸張幅が50μm以上であれば、伸縮性フィルム20に半導体素子1を載置し易くなる。一方、伸張幅が500μm以下であれば、半導体素子1の実装部に歪みが生じることを抑制することができる。伸張幅は、より好ましくは、50μm以上200μm以下である。
【0081】
工程S602では、一対の配線パターン41上に跨るように、かつ、並列に半導体素子1を載置する。ここでは、4つの半導体素子1が並列に載置されている。この工程S602では、例えば、半導体素子1同士の間隔が50μm以上500μm以下となるように半導体素子1を載置する。
【0082】
(伸張状態を解除する工程)
伸張状態を解除する工程S603は、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する工程である。この工程S603では、伸縮性フィルム20を伸張状態としている固定器具31から外し、伸縮性フィルム20の弾性力によって伸張状態を解除する。具体的には、伸縮性フィルム20の伸張状態の解除は、固定器具31の固定部材31bを外し、突き上げ部材31aの突き上げを元に戻すことで行う。
この工程S603では、半導体素子1を載置した直後の半導体素子1同士の間隔(d1)より、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した後の半導体素子1同士の間隔(d2)の方を狭くして、半導体素子1同士の間隔(d2)を実装間隔とする。
また、この工程S603では、伸縮性フィルム20の伸張状態を解除した後の実装間隔を0μm以上50μm以下とする。
これにより、4つの半導体素子1を備える半導体装置100Bが得られる。
【0083】
なお、この工程S603後における半導体素子1の実装間隔は、配線パターンを形成する工程S601における、半導体素子1を実装する予定の間隔と略同一であることが好ましい。すなわち、予め設定した半導体素子1を実装する予定の間隔と、実際の実装間隔とが略同一であることが好ましい。このような構成によれば、所望の実装間隔の半導体装置100Bが得られやすくなる。
【0084】
以上、本実施形態に係る半導体装置、半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれる。
【0085】
例えば、半導体素子の実装方法は、一例として、半導体素子1の4つを1組として、各組の半導体素子1を行列方向に載置したり、半導体素子1の3つを1組として、各組の3つの半導体素子1の中心を仮想的に結んだ直線が三角形となる位置に半導体素子1を載置したりした。しかしながら、他の数を1組として半導体素子1を伸縮性フィルム20上に載置してもよく、組とせずに、全ての半導体素子1を均等な間隔で伸縮性フィルム20上に載置してもよい。その場合も、半導体素子を載置する工程S101において、半導体素子1同士の間隔が50μm以上500μm以下となるように半導体素子1を載置し、伸張状態を解除する工程S102において、半導体素子1同士の実装間隔を0μm以上50μm以下とすることができる。
【0086】
また、半導体素子1は正四角形のものとしたが、半導体素子1は矩形であってもよい。この場合、例えば、隣り合う半導体素子1の第1の辺を1としたときに、直交する辺は0.5以上1.5以下であり、かつ、前記第1の辺は300μm以上2mm以下であるものを用いることができる。
また、この場合、半導体素子を載置する工程S101において、半導体素子同士の間隔が前記1の辺の0.5倍以上2倍以下となるように半導体素子1を載置し、伸張状態を解除する工程S102において、半導体素子1同士の実装間隔を解除前の20%以上100%以下の収縮率とすることができる。ここでの収縮率とは、伸縮性フィルム20の伸張状態の解除前後で、半導体素子1同士の実装間隔がどれだけ短くなったかを示す率である。収縮率が20%とは、半導体素子1同士の実装間隔が5分の1となった状態であり、100%とは、半導体素子1同士がくっついた状態である。
なお、前記したように、半導体素子1の各組の数によらず、また、組としない場合も同様とすることができる。
また、半導体素子1は、三角形、台形、菱形、円形等、その他の形状であってもよい。
【0087】
また、例えば、半導体素子を載置する工程S101では、X方向に沿った一方と他方との2方向、又は、X方向と直交するY方向に沿った一方と他方との2方向、のいずれかに伸縮性フィルム20を伸張させるものであってもよい。
また、半導体素子を載置する工程S101では、伸縮性フィルム20の中心から、放射方向に伸縮性フィルム20を伸張させるものであってもよい。
また、例えば、研磨して電極を露出させる工程S204では、支持基板21を剥がして、被覆部材2で被覆した成型体を、別の支持基板に載置してから研磨してもよい。
【0088】
また、半導体素子の実装方法及び半導体装置の製造方法は、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間、あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程等を含めてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 半導体素子
2 被覆部材
3 波長変換部材
11 電極
12 電極
15 切断線
20 伸縮性フィルム
21 支持基板
30 固定器具
31 固定器具
31a 突き上げ部材
31b 固定部材
40 配線パターン
41 一対の配線パターン
42 配線
43 配線
100、100A、100B 半導体装置
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
図25E