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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240215BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20240215BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/60
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020068293
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021097201
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2019227014
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鹿山 聖
(72)【発明者】
【氏名】森 翔平
(72)【発明者】
【氏名】前田 晃伸
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-079723(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0070235(US,A1)
【文献】特開2007-311736(JP,A)
【文献】特開2019-054241(JP,A)
【文献】特開2017-120802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リード及び第2リードを含むリードと、前記リードを保持する樹脂部と、を有し、前記第1リード、前記第2リード及び前記樹脂部の一部を底面とし、前記樹脂部の一部を側壁とする凹部を有する長方形の樹脂パッケージと、
前記凹部の底面において前記第1リードに配置される発光素子と、
前記発光素子と前記第2リードを電気的に接続するワイヤと、を備え、
上面視において、前記側壁は、第1方向に延び互いに対向する第1長側壁及び第2長側壁と、前記第1方向と直交する第2方向に延び互いに対向する第1短側壁及び第2短側壁と、を有し、
前記樹脂部は、前記凹部の底面において前記第1リードと前記第2リードの間に位置する保持樹脂部と、前記保持樹脂部と前記第1リード及び前記第2リードの少なくとも一方の上面の一部を覆う被覆樹脂部と、を有し、
前記保持樹脂部の上面の一部は前記被覆樹脂部から露出し、前記被覆樹脂部から露出する前記保持樹脂部の上面は前記第1リード及び前記第2リードの上面と同一平面上に位置し、
前記第1方向において、前記被覆樹脂部の幅は前記被覆樹脂部から露出する前記保持樹脂部の幅よりも短い発光装置。
【請求項2】
第1リード及び第2リードを含むリードと、前記リードを保持する樹脂部と、を有し、前記第1リード、前記第2リード及び前記樹脂部の一部を底面とし、前記樹脂部の一部を側壁とする凹部を有する長方形の樹脂パッケージと、
前記凹部の底面において前記第1リードに配置される発光素子と、
前記発光素子と前記第2リードを電気的に接続するワイヤと、を備え、
上面視において、前記側壁は、第1方向に延び互いに対向する第1長側壁及び第2長側壁と、前記第1方向と直交する第2方向に延び互いに対向する第1短側壁及び第2短側壁と、を有し、
前記樹脂部は、前記凹部の底面において前記第1リードと前記第2リードの間に位置する保持樹脂部と、前記保持樹脂部と前記第1リード及び前記第2リードの少なくとも一方の上面の一部を覆う被覆樹脂部と、を有し、
前記保持樹脂部の上面の一部は前記被覆樹脂部から露出し、前記被覆樹脂部から露出する前記保持樹脂部の上面は前記第1リード及び前記第2リードの上面と同一平面上に位置し、
前記被覆樹脂部が前記第1長側壁と前記第2長側壁を接続する発光装置。
【請求項3】
第1リード及び第2リードを含むリードと、前記リードを保持する樹脂部と、を有し、前記第1リード、前記第2リード及び前記樹脂部の一部を底面とし、前記樹脂部の一部を側壁とする凹部を有する長方形の樹脂パッケージと、
前記凹部の底面において前記第1リードに配置される発光素子と、
前記発光素子と前記第2リードを電気的に接続するワイヤと、を備え、
上面視において、前記側壁は、第1方向に延び互いに対向する第1長側壁及び第2長側壁と、前記第1方向と直交する第2方向に延び互いに対向する第1短側壁及び第2短側壁と、を有し、
前記樹脂部は、前記凹部の底面において前記第1リードと前記第2リードの間に位置する保持樹脂部と、前記保持樹脂部と前記第1リード及び前記第2リードの少なくとも一方の上面の一部を覆う被覆樹脂部と、を有し、
前記保持樹脂部の上面の一部は前記被覆樹脂部から露出し、前記被覆樹脂部から露出する前記保持樹脂部の上面は前記第1リード及び前記第2リードの上面と同一平面上に位置し、
前記第1リードは上面に前記発光素子を囲む溝部を有し、
上面視において、前記溝部の一部は前記発光素子と重なる発光装置。
【請求項4】
前記凹部内において、前記発光素子と接する第2反射部材を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第2反射部材が前記溝部内に位置する請求項3に従属する請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1リードは上面に前記発光素子を囲む溝部を有し、
上面視において、前記溝部の内縁の少なくとも一部は前記発光素子の外縁から離れる請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1長側壁は、前記第1リード上に配置される第1部と、前記第1リード及び前記第2リード上に配置される第2部と、を有し、
前記第2方向において、前記第2部の下端における幅は前記第1部の下端における幅よりも大きく、
前記凹部の底面において、前記第1部の下端と前記第2部の下端は前記第1方向に延びる請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第2長側壁は、前記第1リード上に配置される第3部と、前記第1リード及び前記第2リード上に配置される第4部と、を有し、
前記第2方向において、前記第4部の下端における幅は前記第3部の下端における幅よりも大きく、
前記凹部の底面において、前記第3部の下端と前記第4部の下端は前記第1方向に延びる請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第2部の下端は前記底面に位置する前記樹脂部上において前記第1方向に延びる請求項7又は8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第2方向において、前記第2部の下端における幅が前記第1部の下端における幅の1.1倍以上3倍以下である請求項7~9のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項11】
内側面に位置する前記第1部の上端と、内側面に位置する前記第2部の上端と、は同一直線上に位置する請求項7~10のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記凹部内において、前記発光素子から離れて前記側壁を覆う第1反射部材を有する請求項1~11のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1方向において、前記第1リード及び前記第2リードの少なくとも一方の上面の一部を覆う部分の被覆樹脂部の幅は、前記保持樹脂部を覆う部分の被覆樹脂部の幅よりも短い請求項1~12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記被覆樹脂部の高さは、前記発光素子の高さよりも低い請求項1~13のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項15】
前記ワイヤは、前記発光素子と接続する第1接続部と、前記第2リードと接続する第2接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部の間に複数の屈曲部と、を有し、
複数の前記屈曲部のそれぞれの高さが、前記被覆樹脂部の高さよりも高い請求項1~14のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項16】
複数の前記屈曲部は、前記第1接続部側から順に、第1屈曲部と、第2屈曲部と、第3屈曲部と、を含み、
前記第3屈曲部の高さが、前記第2屈曲部の高さよりも高い請求項15に記載の発光装置。
【請求項17】
前記第1方向において、前記第3屈曲部は前記被覆樹脂部よりも前記第1接続部に近い請求項16に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の発光素子を用いた発光装置は高い発光効率を容易に得られるため、ディスプレイ等のバックライトおよび照明用灯具を含む多くの機器で用いられている。特許文献1には、正負一対のリードと凹部を有する樹脂パッケージと、樹脂パッケージの凹部の底面に載置される発光素子とを備える発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-125776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LED等の発光素子を用いた発光装置は様々な用途で用いられるので機械的強度向上の要求がある。そこで、本発明に係る実施形態は、強度の向上が可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の発光装置は、第1リード及び第2リードを含むリードと、前記リードを保持する樹脂部と、を有し、前記第1リード、前記第2リード及び前記樹脂部の一部を底面とし、前記樹脂部の一部を側壁とする凹部を有する長方形の樹脂パッケージと、前記凹部の底面において前記第1リードに配置される発光素子と、前記発光素子と前記第2リードを電気的に接続するワイヤと、を備え、上面視において、前記側壁は、第1方向に延び互いに対向する第1長側壁及び第2長側壁と、前記第1方向と直交する第2方向に延び互いに対向する第1短側壁及び第2短側壁と、を有し、前記樹脂部は、前記凹部の底面において前記第1リードと前記第2リードの間に位置する保持樹脂部と、前記保持樹脂部と前記第1リード及び前記第2リードの少なくとも一方の上面の一部を覆う被覆樹脂部と、を有し、前記保持樹脂部の上面の一部は前記被覆樹脂部から露出し、前記被覆樹脂部から露出する前記保持樹脂部の上面は前記第1リード及び前記第2リードの上面と同一平面上に位置する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の発光装置によれば、強度の向上が可能な発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、実施形態1に係る発光装置の概略上面図である。
図1B図1Bは、図1Aの1B-1B線における概略断面図である。
図1C図1Bは、図1Aの1C-1C線における概略断面図である。
図1D図1Bは、図1Aの1D-1D線における概略断面図である。
図2図2は、実施形態1に係る発光装置の概略右側面図である。
図3図3は、実施形態1に係る発光装置の概略下面図である。
図4A図4Aは、実施形態1に係る発光装置の変形例1の概略上面図である。
図4B図4Bは、図4Aの4B-4B線における概略断面図である。
図4C図4Cは、図4Aの4C-4C線における概略断面図である。
図4D図4Dは、図4Aの4D-4D線における概略断面図である。
図5図5は、変形例1の樹脂パッケージの概略上面図である。
図6A図6Aは、変形例2の樹脂パッケージの概略上面図である。
図6B図6Bは、図6Aの6B-6B線における概略断面図である。
図7A図7Aは、変形例3の樹脂パッケージの概略上面図である。
図7B図7Bは、図7Aの7B-7B線における概略断面図である。
図8A図8Aは、実施形態2に係る発光装置の概略上面図である。
図8B図8Bは、図8Aの8B-8B線における概略断面図である。
図9A図9Aは、実施形態2に係る発光装置の変形例4の概略上面図である。
図9B図9Bは、図9Aの9B-9B線における概略断面図である。
図10A図10Aは、実施形態2に係る発光装置の変形例5の概略上面図である。
図10B図10Bは、図10Aの100B-100B線における概略断面図である。
図11A図11Aは、実施形態2に係る発光装置の変形例6の概略上面図である。
図11B図11Bは、図11Aの110B-110B線における概略断面図である。
図11C図11Cは、図11Aの110C-11CB線における概略断面図である。
図11D図11Dは、図11Aの110D-110D線における概略断面図である。
図11E図11Eは、実施形態2に係る発光装置の変形例7の概略断面図である。
図11F図11Fは、実施形態2に係る発光装置の変形例8の概略断面図である。
図12図12は、実施形態2に係る発光装置の変形例9の概略断面図である。
図13図13は、実施形態2に係る発光装置の変形例10の概略断面図である。
図14図14は、実施形態2に係る発光装置から被覆部材、第1反射部材及び第2反射部材を取り除いた概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の発光装置を詳細に説明する。本開示の発光装置は、例示であり、以下で説明する発光装置に限られない。以下の説明では、特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向や位置を、分かり易さのために用いているに過ぎない。また、図面が示す構成要素の大きさや位置関係等は、分かり易さのため、誇張されている場合があり、実際の発光装置における大きさあるいは、実際の発光装置における構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。
【0009】
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係る発光装置1000を図1Aから図7Bに基づいて説明する。内部の構造を示すため、図1A図4Aおいて、被覆部材70は透明な部材として示している。
【0010】
発光装置1000は、樹脂パッケージ10と、発光素子50と、を備える。樹脂パッケージ10は、リード20と、樹脂部30と、を備える。リード20は、第1リード21及び第2リード22を含んでいる。上面視において、樹脂パッケージ10は長方形である。樹脂パッケージ10は、第1リード21、第2リード22及び樹脂部30の一部を底面41とし、樹脂部の一部を側壁42とする凹部40を有する。上面視において、側壁42は、第1方向に延び互いに対向する第1長側壁42A及び第2長側壁42Bと、第1方向と直交する第2方向に延び互いに対向する第1短側壁42C及び第2短側壁42Dと、を有する。第1長側壁42Aは、第1リード21上に配置される第1部42A1と、第1リード及び第2リード上に配置される第2部42A2と、を備える。第2方向において、第2部42A2の下端42K2における幅w2は第1部42A1の下端42K1における幅w1よりも大きい。凹部40の底面41において、第1部42A1の下端42K1と第2部42A2の下端42K2は第1方向に延びる。発光素子50は、凹部40の底面41において第1リード21に配置される。凹部の底面において第1リードと第2リードの間に位置する樹脂部を底面樹脂部41Jと呼ぶことがある。発光素子の数は特に限定されず1つでもよく複数でもよい。尚、本明細書において第1方向に延びるとは、±3°以内の変動は許容されるものとする。また、本明細書において直交とは、90±3°以内の変動は許容されるものとする。本明細書において平行とは、±3°以内の変動は許容されるものとする。また、図1Aにおいて第1方向とはX軸方向であり、第2方向とはY軸方向である。
【0011】
第2長側壁42Bは、第1リード21上に配置される第3部42B1と、第1リード及び第2リード上に配置される第4部42B2と、を備えていることが好ましい。第2方向において、第4部42B2の下端における幅w4は第3部42B1の下端における幅w3よりも大きいことが好ましい。凹部40の底面41において、第3部42B1の下端42K3と第4部42B2の下端42K4は第1方向に延びる。
【0012】
下記に第1部42A1について説明するが、第3部42B1についても同様の形状を有してもよい。また、下記に第2部42A2について説明するが、第4部42B2についても同様の形状を有してもよい。つまり、第1長側壁と第2長側壁は上面視において第1短側壁の中心と第2短側壁の中心を結ぶ線に対して線対称であってもよい。
【0013】
第1部42A1の下端42K1が第1方向に延びるとは、凹部40の底面41において、第1部の下端42K1の少なくとも一部が第1方向に対して平行であることを意味する。第1部の下端42K1において第1方向に延びる部分とは第1方向に対して平行な部分のことであり、第1延伸下端42S1と呼ぶことがある。同様に、第2部42A2の下端42K2が第1方向に延びるとは、凹部40の底面41において、第2部42A2の下端42K2の少なくとも一部が第1方向に対して平行であることを意味する。第2部の下端42K2において第1方向に延びる部分とは第1方向に対して平行な部分のことであり、第2延伸下端42S2と呼ぶことがある。第2方向において、第1部の下端42K1における幅w1とは、第1延伸下端42S1から第1部の外側面までの距離を意味する。同様に、第2方向において、第2部の下端42K2における幅w2とは、第2延伸下端42S2から第2部の外側面までの距離を意味する。
【0014】
第1部42A1の下端42K1とは、図1Bに示すように、凹部40の底面41に位置する第1部42A1の内側面の縁を意味する。第2部42A2の下端42K2とは、図1Cに示すように、凹部40の底面41に位置する第2部42A2の内側面の縁を意味する。
【0015】
第1長側壁42Aが第1方向に延びるとは、第1長側壁42Aの外側面の少なくとも一部が第1方向に対して平行であることを意味する。第2長側壁42Bが第1方向に延びるとは、第2長側壁42Bの外側面の少なくとも一部が第1方向に対して平行であることを意味する。第1短側壁42Cが第2方向に延びるとは、第1短側壁42Cの外側面の少なくとも一部が第2方向に対して平行であることを意味する。第2短側壁42Dが第2方向に延びるとは、第2短側壁42Dの外側面の少なくとも一部が第2方向に対して平行であることを意味する。
【0016】
第1リード及び第2リード上に配置される第2部の下端における幅w2が第1部42A1の下端42K1における幅w1よりも大きいことにより、第1リード及び第2リードを覆う第2部42A2を大きくすることができる。これにより、第2部の強度が向上するので、強度の高い発光装置にすることができる。例えば、第1リード及び第2リードを覆う第2部の強度が向上することにより、底面樹脂部41Jにクラックが発生することを抑制できる。また、発光素子が配置される第1リード上に配置される第1部の下端における幅w1が小さいことにより、樹脂部から露出する第1リード21の面積を大きくすることができる。これにより、発光素子のサイズを大きくすることができるので発光装置の光出力を向上させることができる。また、樹脂部から露出する第1リード21の面積が大きくなることにより、発光素子の配置が容易になる。
【0017】
上面視において樹脂パッケージ10は長方形であり、第1長側壁は第1方向に延びている。つまり、第1部の外側面と第2部の外側面は同一面に位置する。このため、第1部の下端が第1方向に延びることにより、第2方向における第1部の下端における幅を一定にしやすくなる。同様に、第1長側壁が第1方向に延びているので、第2部の下端が第1方向に延びることにより、第2方向における第2部の下端における幅を一定にしやすくなる。これにより、樹脂パッケージの強度を考慮した上で、第2方向における第1部の下端の幅及び第2部の下端の幅を狭く設定することができる。第2方向における第1部の下端の幅及び第2部の下端の幅を狭く設定できることで、樹脂部から露出する第1リード21及び第2リード22の面積を大きくすることができる。これにより、発光素子50及び/又はワイヤ60の配置が容易になる。第1リード21及び/又は第2リード22に保護素子80を実装する場合には、保護素子80の配置が容易になる。
【0018】
第1延伸下端42S1と第2延伸下端42S2は、第2方向に対して平行な第2部42A2の下端42K2の一部によって繋がっていてもよく、第2方向に対して傾斜する第2部42A2の下端42K2の一部によって繋がっていてもよい。この第1延伸下端42S1と第2延伸下端42S2を繋ぎ、第2方向に対して傾斜する第2部42A2の下端42K2の一部を第1接続下端42L1と呼ぶ。つまり、第2部42A2は、第1接続下端42L1を有する第1接続部を備えている。第2方向において、第1接続部の幅は、第1部42A1の下端42K1における幅w1よりも大きく、第2部42A2の下端42K2における幅w2よりも小さい。図1Aに示すように、第1接続下端42L1が角部を有さずに第1延伸下端42S1と第2延伸下端42S2とを繋いでいることが好ましい。つまり、第1接続下端42L1が湾曲していることが好ましい。このようにすることで、角部に応力が集中しないので、第2部42A2にクラックが発生することを抑制できる。第1接続下端42L1は第1リード、第2リード及び/又は底面樹脂部上に位置する。例えば、第1接続下端42L1は第1リード、第2リード及び底面樹脂部上に位置していてもよく、第1リード及び底面樹脂部上に位置し、第2リードから離れていてもよい。図1Aに示すように、第1接続下端42L1は第1リード上にのみ位置し、第2リード及び底面樹脂部から離れていることが好ましい。このようにすることで、第1方向における第2延伸下端の長さを延ばすことができるので、第2部42A2の体積を大きくすることができる。これにより、第2部の強度を向上させることができる。
【0019】
第2方向において、発光素子の側面と第1部42A1の内側面が対向し、発光素子の側面と第2部42A2の内側面が対向しないことが好ましい。第1部42A1の下端42K1における幅は第2部42A2の下端42K2における幅よりも小さい。このため、発光素子の側面と第1部の内側面が対向することで、発光素子の側面と第2部42A2の内側面が対向するよりも発光素子の側面から第1長側壁42Aまでの最小距離を広くすることができる。発光素子の側面から第1長側壁42Aまでの距離を広くなることにより発光素子の配置が容易になる。
【0020】
第1部42A1と対向する発光素子の側面は第1方向に対して平行であることが好ましい。このようにすることで、発光素子と側壁との最小距離を広くすることができる。これにより、発光素子の配置が容易になる。
【0021】
第2延伸下端42S2が、第2リード22及び底面樹脂部41J上に位置することが好ましい。これにより、第1部よりも幅の大きい第2部が第2リード22及び底面樹脂部41J上に位置するので、発光装置の強度を向上させることができる。第2延伸下端42S2が、第1リード21、第2リード22及び底面樹脂部41J上に位置することが更に好ましい。このようにすることで、更に発光装置の強度を向上させることができる。
【0022】
第2方向において、第2部の下端42K2における幅w2は第1部の下端42K1における幅w1の1.1倍以上3倍以下であることが好ましい。第2部の下端における幅w2が第1部の下端における幅w1の1.1倍以上であることにより、発光装置の強度を向上させることができる。第2部の下端における幅w2が第1部の下端における幅w1の3倍以下であることにより、樹脂部から露出する第2リードの面積が大きくなるので発光装置の製造が容易になる。例えば、第2リードにワイヤや保護素子等を配置しやすくなる。
【0023】
図1Aに示すように、内側面に位置する第1部の上端42T1及び内側面に位置する第2部の上端42T2は、第1方向に延びることが好ましい。このようにすることで、樹脂パッケージの開口部を大きくすることができるので発光装置の光取り出し効率が向上する。また、内側面に位置する第1部の上端42T1と内側面に位置する第2部の上端42T2は、上面視において同一直線上に位置することが好ましい。このようにすることで樹脂パッケージの開口部を大きくすることができるので発光装置の光取り出し効率が向上する。内側面に位置する第1部の上端42T1と内側面に位置する第2部の上端42T2が、上面視において同一直線上に位置する場合には、第2方向において第1部の上面の幅と第2部の上面の幅が同じになる。第1部の上端42T1及び第2部の上端42T2は、側壁42の上面に位置する。上面視において、第1部の外側面と第2部の外側面は同一面に位置する。尚、本明細書において同一直線上に位置するとは、±3°以内の変動は許容されるものとする。また、本明細書において幅が同じになるとは、±3%以内の変動は許容されるものとする。
【0024】
凹部の底面41と第1部42A1の内側面とがなす内角は、凹部の底面41と第2部42A2の内側面とがなす内角よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、樹脂部から露出する第1リード21の面積を大きくすることができる。樹脂部から露出する第1リード21の面積が大きくなることにより、第1リード上に発光素子を配置しやすくなる。
【0025】
図1D図2に示すように、第1リード21は発光装置の下面及び側面に開口する第1凹部21Cを備えていてもよい。第1凹部21Cはキャスタレーションとして機能する。例えば発光装置を実装基板に半田接合した際に、第1凹部21Cを備えることにより半田の溶融状態を確認しやすくなる。また、第2リード22は発光装置の下面及び側面に開口する第2凹部22Cを備えていてもよい。
【0026】
図3に示すように、発光装置の下面において第1リード21及び第2リード22が樹脂部30から露出することが好ましい。このようにすることで、発光装置からの熱が第1リード21及び第2リード22から発光装置を実装した実装基板に伝わりやすくなる。このため、発光装置の放熱性を向上させることができる。
【0027】
発光素子50は、凹部の底面において第1リードに配置される。発光素子50は、公知の接合部材によって第1リード21に固定される。発光素子50は、上面に正負電極を有し、一方の電極はワイヤ60により第2リード22と接続され、他方の電極はワイヤ60により第1リード21と接続されている。
【0028】
発光装置1000は、発光素子50を覆う透光性の被覆部材70を備えていてもよい。被覆部材70は、凹部40内に位置し、発光素子の上面および側面を覆っている。
【0029】
被覆部材70は蛍光体を含有してもよい。このようにすることで、発光装置の色調整が容易になる。被覆部材70に含まれる蛍光体は1種類でもよく複数種類でもよい。被覆部材70に含有される蛍光体は分散していてもよく、偏在していてもよい。蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、CASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換部材の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換部材の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換部材の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。蛍光体等の粒子を分散させる母材としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。
【0030】
図4A図4Dに示す発光装置1000Aのように、凹部内において、側壁42を覆う第1反射部材81を備えていてもよい。第1反射部材81は、発光素子50と接していてもよく離れていてもよい。第1反射部材が発光素子と接していることにより、第1反射部材がリードを覆う面積が増加するので、発光素子からの光がリードに吸収されることを抑制することができる。第1反射部材が発光素子と離れていることにより、発光素子の側面からの光を取り出しやすくなる。第1反射部材は発光素子の全周を囲むように配置してもよく、図4Aに示すように2つの第1反射部材81が発光素子を挟むように配置してもよい。2つの第1反射部材81が発光素子50を挟む場合には、第1方向において2つの第1反射部材81が発光素子50を挟むことが好ましい。樹脂パッケージが長方形であるので、第1短側壁及び第2短側壁と発光素子との距離は、第1長側壁及び第2長側壁と発光素子との距離よりも長くなりやすい。このため、第1方向において2つの第1反射部材81が発光素子50を挟む場合には、発光素子と離れる第1反射部材81を形成しやすくなる。第1反射部材が発光素子と離れている場合には、図4B図4D図5に示すように第1リード21は上面に発光素子50を囲む溝部21Gを有することが好ましい。溝部21Gは側壁42よりも内側に形成されて、第1反射部材81が発光素子50の側面まで達することを抑制するための堰き止め部として機能する。溝部21Gは発光素子の少なくとも一部を囲んでいればよいが、発光素子の全周を囲むことが好ましい。このようにすることで、第1反射部材と発光素子が接することを抑制しやすくなる。発光装置が保護素子を備える場合には、図4Cに示すように保護素子の少なくとも一部が第1反射部材に覆われることが好ましい。このようにすることで、発光素子からの光が保護素子に吸収されることを抑制することができる。
【0031】
図4A図4Dに示す発光装置1000Aのように、第1反射部材が発光素子と離れている場合には、凹部内において、発光素子50と接して第1リードの上面を覆う第2反射部材82を備えていることが好ましい。発光装置が、第2反射部材を備えていることにより、第2反射部材82が第1リードの上面を覆うので、発光素子からの光が第1リードに吸収されることを抑制することができる。第2反射部材は第1反射部材の一部を覆うことが好ましい。このようにすることで、第1反射部材及び/又は第2反射部材から露出する第1リードの上面の面積を小さくすることができる。
【0032】
発光装置が第1反射部材と第2反射部材を備えていることにより、第1反射部材と第2反射部材を含む反射部材の厚みの調整が容易になる。例えば、凹部内において、側壁を覆う反射部材は発光素子からの光を反射させやすいようにZ方向において厚く形成したい。また、発光素子と接する反射部材は発光素子の側面から出射される光を反射させないようにZ方向において薄く形成したい。1つの反射部材で厚い部分と薄い部分とを形成することは困難であるが、2つの反射部材で厚い部分と薄い部分を形成することは容易である。凹部内において、発光素子から離れて側壁を覆うので厚く形成したい第1反射部材を形成した後に、発光素子と接して第1リードの上面を覆うので薄く形成したい第2反射部材を形成することで所望の厚みの反射部材を形成することができる。
【0033】
第2反射部材が、樹脂材料と、樹脂材料に含有される光反射性粒子を含む場合には、樹脂材料に含有される光反射性粒子はリード側に偏在していることが好ましい。つまり、第2反射部材は、リード側に位置する下部における光反射性粒子の濃度が、開口部側に位置する上部における光反射性粒子の濃度よりも高いことが好ましい。このようにすることで、第2反射部材の下部は光反射性粒子の濃度が高いので発光素子からの光が第1リードに吸収されることを抑制することができる。第2反射部材の上部は光反射性粒子の濃度が低いので発光素子の側面からの光を取り出しやすくなる。樹脂材料に含有される光反射性粒子はリード側に偏在させる方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、遠心沈降等の強制沈降や、自然沈降により光反射性粒子を偏在させることができる。
【0034】
図4B図4Dに示すように、発光装置1000Aが第2反射部材82を備える場合には、第1リードが上面に発光素子を囲む溝部21Gを有し、第2反射部材82が溝部21G内に位置することが好ましい。第2反射部材が溝部内に位置することにより、第2反射部材と第1リードの密着性が向上する。
【0035】
図4B図4D図5に示すように、上面視において、溝部21Gの一部は発光素子50と重なることが好ましい。このようにすることで、例えば、発光素子から離れる第1反射部材を発光素子の近傍にまで形成しやすくなる。また、溝部の一部が発光素子と重なることにより、第2反射部材が発光素子の側面を這い上がりにくくなるので、発光素子の側面からの光を取り出しやすくなる。溝部の一部が発光素子と重なり、第2反射部材が溝部内に位置し、第2反射部材82の光反射性粒子がリード側に偏在していることが好ましい。このようにすることで、第2反射部材は溝部内において光反射性粒子の濃度が高くなり、発光素子の側面に接する第2反射部材の光反射性粒子は溝部内よりも光反射性粒子の濃度が低くなるので、発光素子の側面からの光を取り出しやすくなる。第2反射部材が溝部内において、第2反射部材の光反射性粒子がリード側に偏在する場合には、溝部の底面側に位置する下部における光反射性粒子の濃度が、溝部の開口部側に位置する上部における光反射性粒子の濃度よりも高くなる。
【0036】
図6A図6Bに示す樹脂パッケージ10Bのように、第1リード21及び/又は第2リード22は貫通孔20Tを有し、樹脂部30の一部が貫通孔20T内に配置されてもよい。このようにすることで、第1リード21及び/又は第2リード22と樹脂部30の密着性を向上させることできる。これにより、第1リード及び/又は第2リードと樹脂部の間から水分等が樹脂パッケージ内に侵入することを抑制することができる。上面視において、貫通孔20Tは側壁42と重なることが好ましい。このようにすることで、貫通孔内に樹脂部を充填しやすくなる。貫通孔の数は特に限定されないが、複数あることが好ましい。貫通孔が複数ある場合は、樹脂パッケージの4隅にそれぞれに貫通孔があることが好ましい。このようにすることで、第1リード及び/又は第2リードと樹脂部の密着性を向上させることできる。
【0037】
図7A図7Bに示す樹脂パッケージ10Cのように、凹部内において、樹脂部30が第1リード及び/又は第2リードの上面の一部を覆ってもよい。このようにすることで、第1リード及び/又は第2リードと樹脂部の密着性を向上させることできる。
【0038】
<実施形態2>
本発明の実施形態2に係る発光装置2000A、2000B、2000C、2000A1、2000A2、2000A3、2000B1、2000C1を図8Aから図14に基づいて説明する。内部の構造を示すため、図8A図9A図10A図11Aにおいて、被覆部材70は透明な部材として示している。
【0039】
発光装置2000Aは、樹脂パッケージ10Dと、発光素子50と、ワイヤ60を備える。樹脂パッケージ10Dは、リード20と、樹脂部30と、を備える。リード20は、第1リード21及び第2リード22を含んでいる。上面視において、樹脂パッケージ10Dは長方形である。樹脂パッケージ10Dは、第1リード21、第2リード22及び樹脂部30の一部を底面41とし、樹脂部の一部を側壁42とする凹部40を有する。上面視において、側壁42は、第1方向に延び互いに対向する第1長側壁42A及び第2長側壁42Bと、第1方向と直交する第2方向に延び互いに対向する第1短側壁42C及び第2短側壁42Dと、を有する。樹脂部30は、凹部40の底面41において第1リード21と第2リード22の間に位置する保持樹脂部41Hと、保持樹脂部41Hと第1リード21及び第2リード22の少なくとも一方の上面の一部を覆う被覆樹脂部41Cと、を有する。保持樹脂部41Hの上面の一部は被覆樹脂部41Cから露出し、被覆樹脂部41Cから露出する保持樹脂部41Hの上面は第1リード21及び第2リード22の上面と同一平面上に位置する。発光素子50は、凹部40の底面41において第1リード21に配置される。ワイヤ60は、発光素子50と第2リード22を電気的に接続する。尚、本明細書において同一平面に位置するとは、±10μm以内の変動は許容されるものとする。
【0040】
実施形態2に係る発光装置2000Aは、樹脂部30が凹部40の底面41において第1リード21と第2リード22の間に位置する保持樹脂部41Hと、保持樹脂部41Hと第1リード21及び第2リード22の少なくとも一方の上面の一部を覆う被覆樹脂部41Cと、を有し、保持樹脂部41Hの上面の一部は被覆樹脂部41Cから露出し、被覆樹脂部41Cから露出する保持樹脂部41Hの上面は第1リード21及び第2リード22の上面と同一平面上に位置する点で、実施形態1の発光装置と異なっている。以上のように構成された実施形態2の発光装置は、被覆樹脂部41Cを備えていることにより、被覆樹脂部41Cの厚み分だけ樹脂部30を厚くすることができる。樹脂部が厚くなることにより樹脂部30の強度が向上する。これにより、強度の高い発光装置にすることができる。
【0041】
保持樹脂部41Hとは、凹部40の底面41において第1リード21と第2リード22の間に位置し、第1リード21及び第2リード22の上面から第3方向において下側に位置する樹脂部30のことである。尚、第3方向(Z軸方向)とは、第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)と直交する方向のことである。凹部の底面において第1リード21及び第2リード22の上面と同一平面に位置する樹脂部の一部は保持樹脂部41Hに含まれる。第1リード21の上面とは、第3方向において最上部に位置する第1リードの面を意味する。同様に、第2リード22の上面とは、第3方向において最上部に位置する第2リードの面を意味する。
【0042】
被覆樹脂部41Cとは、保持樹脂部41Hと第1リード21及び第2リード22の少なくとも一方の上面の一部を覆い、且つ、第3方向(Z軸方向)において、第1リード21及び第2リード22の上面より上側に位置する樹脂部30のことである。
【0043】
図8A図8B示す発光装置2000Aのように、被覆樹脂部41Cは保持樹脂部41Hと第2リード22の上面の一部を覆い、第1リード21の上面から離れていてもよい。被覆樹脂部41Cが第1リード21の上面から離れていることにより、樹脂部30から露出する第1リード21の上面の面積を大きくすることができる。樹脂部30から露出する第1リード21の上面の面積が大きくなることにより、発光素子50のサイズを大きくすることができるので発光装置の光出力を向上させることができる。また、樹脂部30から露出する第1リード21の上面の面積が大きくなることにより、発光素子50の配置が容易になる。第2リード22上に配置された保護素子80と第1リード21とを接続するワイヤを有する場合には、樹脂部30から露出する第1リード21の上面の面積が大きくなることにより、第1リード21上にワイヤを配置しやすくなる。尚、第2リード上に配置された発光素子が配置された場合でも同様に、第2リード上に配置された発光素子と第1リードを電気的に接続するワイヤを第1リード上に配置しやすくなる。
【0044】
図9A図9B示す発光装置2000Bのように、被覆樹脂部41Cは保持樹脂部41Hと第1リード21の上面の一部を覆い、第2リード22の上面から離れていてもよい。被覆樹脂部41Cが第2リード21の上面から離れていることにより、樹脂部30から露出する第2リード22の上面の面積を大きくすることができる。樹脂部30から露出する第2リード22の上面の面積が大きくなることにより、発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60を第2リード22上に配置しやすくなる。第2リード22上に保護素子80及び/又は発光素子が配置される場合には、樹脂部から露出する第2リードの上面の面積が大きくなることにより、保護素子80及び/又は発光素子の配置が容易になる。
【0045】
図10A図10B示す発光装置2000Cのように、被覆樹脂部41Cが第1被覆樹脂部41C1と第2被覆樹脂部41C2とを備えていてもよい。第1被覆樹脂部41C1は、保持樹脂部41Hと第1リード21の上面の一部を覆う。第2被覆樹脂部41C2は、保持樹脂部41Hと第2リード22の上面の一部を覆う。第1被覆樹脂部41C1と第2被覆樹脂部41C2の間には被覆樹脂部41Cから露出する保持樹脂部41Hが位置し、保持樹脂部41Hの上面は第1リード21及び第2リード22の上面と同一平面上に位置する。発光装置2000Cが第1被覆樹脂部41C1と第2第1被覆樹脂部41C2とを備えることにより、第1被覆樹脂部41C1と第2第1被覆樹脂部41C2の厚み分だけ樹脂部30を厚くすることができる。樹脂部が厚くなることにより樹脂部30の強度が向上する。これにより、強度の高い発光装置にすることができる。また、保持樹脂部の上面は第1リード及び第2リードの上面と同一平面上に位置することで、保持樹脂部の上面が第1リード及び第2リードの上面よりも下側に位置する場合よりも樹脂部の強度が低下することを抑制できる。また、被覆樹脂部41Cが第1被覆樹脂部41C1と第2被覆樹脂部41C2を備えることにより、被覆部材70と樹脂部30が接する面積が増加するので被覆部材70と樹脂部30の密着性を向上させることができる。また、発光装置が第1被覆樹脂部及び/又は第2被覆樹脂部と接する第1反射部材を備える場合には、第1反射部材と樹脂部が接する面積が増加するので第1反射部材と樹脂部の密着性を向上させることができる。
【0046】
図8B図9Bに示すように第1方向において、第1リード21及び第2リード22の少なくとも一方の上面の一部を覆う部分の被覆樹脂部41Cの幅w5は、保持樹脂部41Hを覆う部分の被覆樹脂部41Cの幅w6よりも短いことが好ましい。第1リード21及び第2リード22の少なくとも一方の上面の一部を覆う部分の被覆樹脂部41Cの幅w5が短いことにより、樹脂部から露出する第1リード21及び/又は第2リード22の上面の面積を大きくすることができる。また、保持樹脂部を覆う部分の被覆樹脂部の幅w6が長いことにより、被覆樹脂部に覆われることにより厚くなる樹脂部30の面積を大きくすることができる。これにより、樹脂部30の強度を向上させることができる。また、図10Bに示すように、被覆樹脂部41Cが第1リード21の上面の一部を覆う第1被覆樹脂部41C1と第2リード22の上面の一部を覆う第2被覆樹脂部41C2とを備える場合には、第1方向において、第1リード21上面の一部を覆う部分の第1被覆樹脂部41C1の幅w51が、保持樹脂部41Hを覆う部分の第1被覆樹脂部の幅w61よりも短いことが好ましい。同様に、第2リード22上面の一部を覆う部分の第2被覆樹脂部41C2の幅w52が、保持樹脂部41Hを覆う部分の第2被覆樹脂部の幅w62よりも短いことが好ましい。このようにすることで、樹脂部30から露出する第1リード21及び/又は第2リード22の上面の面積を大きくしながら、第1被覆樹脂部及び第2被覆樹脂部に覆われることにより厚くなる樹脂部30の面積を大きくすることができる。
【0047】
図8B図9Bに示すように、第1方向において被覆樹脂部41Cの幅w7は被覆樹脂部41Cから露出する保持樹脂部41Hの幅w8よりも短いことが好ましい。被覆樹脂部41Cの幅w7が短いことにより、被覆樹脂部41Cから離れて被覆樹脂部41Cを跨ぐワイヤのループ形状の自由度を広げることができる。つまり、被覆樹脂部41Cの幅w7が短いことにより、被覆樹脂部41Cを跨ぐワイヤが被覆樹脂部に接することを抑制できる。これにより、ワイヤの断線を抑制することができる。また、図10Bに示すように、被覆樹脂部41Cが第1リード21の上面の一部を覆う第1被覆樹脂部41C1と第2リード22の上面の一部を覆う第2被覆樹脂部41C2とを備える場合には、第1方向において、第1被覆樹脂部41C1の幅w71は被覆樹脂部41Cから露出する保持樹脂部41Hの幅w8よりも短いことが好ましい。第1被覆樹脂部41C1の幅w71が短いことにより、第1被覆樹脂部41C1から離れて第1被覆樹脂部41C1を跨ぐワイヤのループ形状の自由度を広げることができる。同様に、第1方向において、第2被覆樹脂部41C2の幅w72は被覆樹脂部41Cから露出する保持樹脂部41Hの幅w8よりも短いことが好ましい。
【0048】
図8Aに示すように、被覆樹脂部41Cは第1長側壁42A及び第2長側壁42Bを接続することが好ましい。これにより、第1長側壁と第2長側壁の間の樹脂部30の強度を向上させることができる。
【0049】
図8Bに示すように、被覆樹脂部41Cの高さは、発光素子50の高さよりも低いことが好ましい。これにより、発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60が被覆樹脂部41Cを跨いで形成されてもワイヤ60と被覆樹脂部41Cが接することを抑制できる。尚、被覆樹脂部41Cの高さとは、第3方向(Z軸方向)において、第1リードの上面から被覆樹脂部の上面までの最大の距離を指す。また、発光素子の高さとは、第3方向(Z軸方向)において、第1リードの上面から発光素子の上面までの最大の距離を指す。
【0050】
実施形態1の発光装置と同様に、実施形態2の発光装置2000Aも、第1長側壁42Aが、第1リード21上に配置される第1部42A1と、第1リード及び第2リード上に配置される第2部42A2と、を備え、第2方向において、第2部42A2の下端42K2における幅w2は第1部42A1の下端42K1における幅w1よりも大きく、凹部40の底面41において、第1部42A1の下端42K1と第2部42A2の下端42K2は第1方向に延びていることが好ましい。このようにすることで、第2部の強度が向上するので、強度の高い発光装置にすることができる。ただし、実施形態2の発光装置2000Aは、第2方向において、第2部42A2の下端42K2における幅w2は第1部42A1の下端42K1における幅w1よりも大きくなくてもよく、凹部40の底面41において、第1部42A1の下端42K1と第2部42A2の下端42K2は第1方向に延びていなくてもよい。
【0051】
実施形態2の発光装置は、実施形態1の発光装置の種々の特徴を備えていてもよい。例えば、図11A図11B図11C図12図13に示すように、発光装置2000A1、2000B1、2000C1は、第1反射部材81、第2反射部材82及び/又は溝部21Gを備えていてもよい。発光装置2000A1の樹脂パッケージ10Dは、発光装置2000Aの樹脂パッケージ10Dと同様の形状である。発光装置2000B1の樹脂パッケージ10Eは、発光装置2000Bの樹脂パッケージ10Eと同様の形状である。発光装置2000C1の樹脂パッケージ10Fは、発光装置2000Cの樹脂パッケージ10Fと同様の形状である。
【0052】
上面視において、溝部の一部は発光素子と重なっていてもよく、溝部の一部は発光素子から離れていてもよい。図14に示すように、上面視において、溝部21G(網掛けのハッチングで示す)の内縁の少なくとも一部は発光素子50の外縁から離れてもよい。このようにすることで、上面視において、発光素子50と重なる溝部21Gの面積を小さくすることができる。発光素子50と重なる溝部21Gの面積を小さくすることで、第1リード21上に溝部21Gが形成しても発光素子50の下側に位置する第1リード21の体積が小さくなることを抑制できる。これより、発光装置の放熱性が低下することを抑制できる。また、上面視において、溝部21Gと発光素子50が重なる部分を有していなくてもよい。換言すると、上面視において、発光素子50の全て外縁が、溝部21Gの全ての内縁と離れていてもよい。このようにすることで、更に発光装置の放熱性が低下することを抑制できる。
【0053】
図11B図14に示すように、上面視において、発光素子50の外縁の少なくとも一部が溝部21Gの内縁の少なくとも一部と同一平面上に位置することが好ましい。このようにすることで、発光装置の放熱性の低下を抑制しながら発光素子の近傍に溝部を形成することができる。発光素子の近傍に溝部を形成することで第1反射部材を発光素子の近傍に設けることができる。これにより、第1反射部材によって発光素子からの光を取り出しやすくなるので発光装置の光取り出し効率が向上する。
【0054】
発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60は、図11Dに示すように屈曲部63を複数有してもよく、図11Eに示すように屈曲部63を1つだけ有していてもよい。特に、発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60は、屈曲部63を複数有していていることが好ましい。つまり、発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60は、発光素子50と接続する第1接続部61と、第2リード22と接続する第2接続部62と、第1接続部61と第2接続部62の間に複数の屈曲部63と、を有していることが好ましい。発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60が、複数の屈曲部63を有していることにより複数の屈曲部63の位置を適宜設定することができる。これにより、ワイヤのループ形状の自由度が広がり、ワイヤ60と被覆樹脂部41Cが接することを抑制しやすくなる。複数の屈曲部63のそれぞれの高さは、被覆樹脂部41Cの高さよりも高いことが好ましい。このようにすることで、更にワイヤ60と被覆樹脂部41Cが接することを抑制することができる。尚、本明細書において、屈曲部とは第1接続部61と第2接続部62との間に位置し、ワイヤが延びる方向が±10°以上変化する部分を指す。また、本明細書において、屈曲部63Cの高さとは、第3方向(Z軸方向)において、第1リードの上面から屈曲部の上面までの最大の距離を指す。
【0055】
図11Dに示すように、複数の屈曲部63のそれぞれの高さが発光素子の高さよりも高くてもよく、図11Fに示すように、複数の屈曲部63の少なくとも1つの屈曲部63の高さが発光素子の高さよりも低くてもよい。複数の屈曲部63のそれぞれの高さが発光素子の高さよりも高いとは、複数の屈曲部63の全ての高さが発光素子の高さよりも高いことを指す。このようにすることで、ワイヤ60が発光素子50の外面及び被覆樹脂部41Cと接することを抑制することができる。本明細書において、発光素子50の外面とは、正負電極を含まない発光素子の上面及び発光素子の側面を意味する。また、複数の屈曲部63の少なくとも1つの屈曲部の高さが発光素子の高さよりも低い場合には、ワイヤ60の下方向に位置する被覆部材70の体積を減少させることができる。このため、被覆部材70が膨張又は収縮しても被覆部材70からの力がワイヤにかかることを抑制することができる。これにより、ワイヤの変形を抑制できる。
【0056】
複数の屈曲部63は、第1屈曲部63Aと、第2屈曲部63Bと、第3屈曲部63Cとを含んでいてもよい。発光素子50と第2リード22を電気的に接続するワイヤ60が、第1接続部61から第1屈曲部63Aと、第2屈曲部63Bと、第3屈曲部63Cとをこの順に有している場合には、第3屈曲部63Cの高さh3が第2屈曲部63Bの高さh3よりも高いことが好ましい。第3屈曲部63Cの高さh3が高いことにより、第3屈曲部63Cと第2接続部62の間に位置するワイヤ60の傾斜角度を大きくすることができる。これにより、ワイヤ60と被覆樹脂部41Cが接することを抑制することができる。本明細書において、傾斜角度とは第1方向(X軸方向)と第2方向(Y軸方向)により設定される平面に対する角度のうち90°以下の角度を指す。第2屈曲部63Bの高さh2及び第3屈曲部63Cの高さh3が、第1屈曲部63Aの高さh1よりも低いことが好ましい。このようにすることで、ワイヤ60の長さを短くできるのでワイヤのループ形状のバラつきを抑制しやすくなる。また、第1屈曲部63Aの高さh1が第2屈曲部63Bの高さh2及び第3屈曲部63Cの高さh3よりも高いことにより、第1屈曲部63Aと第2屈曲部63Bの間に位置するワイヤ60の傾斜角度を大きくすることができる。これにより、ワイヤ60と発光素子50の外面が接することを抑制することができる。
【0057】
図11Dに示すように、第2屈曲部63Bの高さh2が、第1屈曲部63Aの高さh1及び第3屈曲部63Cの高さh2よりも低い場合には、上面視において第2屈曲部63Bと被覆樹脂部41Cが重ならないことが好ましい。このようにすることで、ワイヤ60と被覆樹脂部41Cが接することを抑制しやすくなる。また、第2屈曲部63Bの高さh2が、第1屈曲部63Aの高さh1及び第3屈曲部63Cの高さh2よりも低い場合には、上面視において第2屈曲部63Bと発光素子50が重ならないことが好ましい。このようにすることで、ワイヤ60と発光素子50が接することを抑制しやすくなる。
【0058】
第1方向(X軸方向)において、第3屈曲部63Cは被覆樹脂部41Cよりも第1接続部61から近い位置に配置されてもよく、第1接続部61から遠い位置に配置されてもよい。特に、第1方向において、第3屈曲部63Cは被覆樹脂部41Cよりも第1接続部61から近い位置に配置されることが好ましい。本明細書において、第1方向において、第3屈曲部63Cは被覆樹脂部41Cよりも第1接続部61から近い位置に配置されるとは、第1方向における第3屈曲部63Cから第1接続部61までの最短距離が、第1方向における被覆樹脂部41Cから第1接続部61までの最短距離よりも短いことを意味する。第1方向における第3屈曲部63Cから第1接続部61までの最短距離が短いことにより、第1接続部61から第3屈曲部63Cまでのワイヤのループ形状のバラつきを抑制しやすくなる。これにより、第1屈曲部63A、第2屈曲部63B及び第3屈曲部63Cの位置のバラつきが抑制されるので、ワイヤ60と被覆樹脂部41Cが接することを抑制しやすくなる。
【0059】
以下、本発明の実施形態に係る発光装置における各構成要素について説明する。
【0060】
(樹脂パッケージ10)
樹脂パッケージ10は、発光素子を載置する部材である。樹脂パッケージ10は、少なくともリード20と、樹脂部30と、を備える。
【0061】
(リード20)
リード20は、導電性を有し、発光素子に給電するための部材である。リード20の母材としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅などの金属を用いることができる。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。特に、母材には安価で放熱性が高い銅を用いることが好ましい。また、リード20は、母材の表面に金属層を有していてもよい。金属層は、例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、銅、又はこれらの合金などを含む。なお、金属層は、リード20の全面に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。また、金属層は、リードの上面に形成される領域と、リードの下面に形成される領域とで異なる層にすることができる。例えば、リードの上面に形成される金属層は、ニッケルおよび銀の金属層を含む複数層からなる金属層であり、リードの下面に形成される金属層は、ニッケルの金属層を含まない金属層である。また、例えば、リードの上面に形成される銀等の金属層は、リードの下面に形成される銀等の金属層よりも厚くすることができる。
【0062】
リード20の最表面に銀を含む金属層が形成される場合は、銀を含む金属層の表面に酸化ケイ素等の保護層を設けることが好ましい。これにより、銀を含む金属層が大気中の硫黄成分等によって変色することを抑制することができる。保護層の成膜方法は、例えばスパッタ等の真空プロセスによって成膜することができるが、その他の既知の方法を用いてもよい。
【0063】
リード20は、少なくとも第1リード21と第2リード22を備える。リード20が備えるリードの数は2つ以上であればよく3つでも4つでもよい。第1リード21には発光素子50が載置される。
【0064】
(樹脂部30)
樹脂部30は、第1リード21と第2リード22を保持する部材である。樹脂部30は、母材となる樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物等の硬化体、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂を用いることができる。特に、エポキシ樹脂組成物や変性シリコーン樹脂組成物の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0065】
樹脂部30は、上記の母材となる樹脂材料に、光反射性物質を含有することが好ましい。光反射性物質としては、発光素子からの光を吸収しにくく、且つ、母材となる樹脂材料に対して屈折率差の大きい部材を用いることが好ましい。このような光反射性物質は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等である。
【0066】
樹脂部30は、発光装置のコントラストを向上させるために、発光装置の外光(多くの場合、太陽光)に対して光反射率が低い充填剤を含有してもよい。この場合、樹脂部30は、例えば、黒色ないしそれに近似した色である。充填剤としては、アセチレンブラック、活性炭、黒鉛などのカーボンや、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、もしくは有色有機顔料などを目的に応じて利用することができる。
【0067】
(発光素子50)
発光素子は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、窒化物半導体等から構成される既知の半導体素子を適用できる。発光素子としては、例えばLEDチップが挙げられる。発光素子は、少なくとも半導体層を備え、多くの場合に素子基板をさらに備える。上面視において、発光素子は矩形、特に、正方形状又は第1方向に長い長方形状であることが好ましいが、その他の六角形形状等の多角形形状であってもよい。発光素子は、上面に正負電極を有する。正負電極は、金、銀、錫、白金、ロジウム、チタン、アルミニウム、タングステン、パラジウム、ニッケル又はこれらの合金で構成することができる。半導体材料としては、窒化物半導体を用いることが好ましい。窒化物半導体は、主として一般式InAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される。このほか、InAlGaAs系半導体、InAlGaP系半導体、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、炭化珪素などを用いることもできる。発光素子の素子基板は、主として半導体積層体を構成する半導体の結晶を成長可能な結晶成長用基板であるが、結晶成長用基板から分離した半導体素子構造に接合させる接合用基板であってもよい。素子基板の母材としては、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化珪素、ガリウム砒素、ガリウム燐、インジウム燐、硫化亜鉛、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、ダイヤモンドなどが挙げられる。なかでも、サファイアが好ましい。素子基板の厚さは、適宜選択でき、例えば0.02mm以上1mm以下であり、素子基板の強度及び/若しくは発光装置の厚さの観点において、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0068】
(ワイヤ60)
ワイヤ60は、発光素子とリードを電気的に接続するための部材である。ワイヤ60としては、例えば、金、銅、銀、白金、アルミニウム、パラジウム等の金属またはこれらの1種以上を含む合金のワイヤを用いることができる。ワイヤ60の材料が金を含んでいると、熱抵抗等に優れ、被覆部材70からの応力による破断が生じにくいワイヤが得られ、ワイヤ60の材料が銀を含んでいると、高い光反射率を示すワイヤが得られるので有利である。特に、金および銀の双方を含むワイヤを用いると有益である。ワイヤ60が金および銀の双方を含むワイヤである場合、銀の含有比率を例えば15%以上20%以下、45%以上55%以下、70%以上90%以下または95%%以上99%以下の範囲とすることができる。特に、銀の含有比率が45%以上55%以下である場合、高い光反射率を得ながら、硫化の可能性を低減し得る。ワイヤの線径は、適宜選択でき、例えば5μm以上50μm以下とすることができる。ワイヤの線径は、10μm以上40μm以下であるとより好ましく、15μm以上30μm以下であるとよりいっそう好ましい。
【0069】
(被覆部材70)
被覆部材70は、発光素子を外部応力から保護する部材である。被覆部材70としては、公知の樹脂材料を用いることができる。被覆部材70の材料としては例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れるので好ましい。
【0070】
被覆部材70は、公知の蛍光体を含有してもよい。また、被覆部材70は、拡散粒子を含有していてもよい。拡散粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などが挙げられる。拡散粒子は、これらのうちの1種を含有してもよく、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、熱膨張係数の小さい酸化珪素が好ましい。また、拡散粒子として、ナノ粒子を用いることで、発光素子が発する光の散乱を増大させ、蛍光体の使用量を低減することもできる。なお、ナノ粒子とは、粒径が1nm以上100nm以下の粒子とする。また、本明細書における「粒径」は、例えば、D50で定義される。
【0071】
(保護素子80)
保護素子80は、静電耐圧を向上させるため部材である。保護素子には、一般的な発光装置に搭載される種々の保護素子を用いることができる。例えば、保護素子としてツェナーダイオードを用いることができる。発光装置において、保護素子および発光素子は、並列に接続される。
【0072】
(第1反射部材81)
第1反射部材81は凹部内に配置される部材である。第1反射部材は樹脂部と同様に母材となる樹脂材料に、光反射性物質を含有することが好ましい。第1反射部材の材料としては樹脂部と同様の材料を用いることができる。
【0073】
(第2反射部材82)
第2反射部材82は凹部内に配置される部材である。第2反射部材は樹脂部と同様に母材となる樹脂材料に、光反射性物質を含有することが好ましい。第2反射部材の材料としては樹脂部と同様の材料を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト装置、各種照明器具、大型ディスプレイ、広告や行き先案内等の各種表示装置、プロジェクタ装置、さらには、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1000、1000A、2000A、2000B、2000C、2000A1、2000A2、2000A3、2000B1、2000C1 発光装置
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F 樹脂パッケージ
20 リード
21 第1リード
22 第2リード
30 樹脂部
42A 第1長側壁
42A1 第1部
42A2 第2部
42B 第2長側壁
42B1 第3部
42B2 第4部
42C 第1短側壁
42D 第2短側壁
50 発光素子
60 ワイヤ
70 被覆部材
80 保護素子
81 第1反射部材
82 第2反射部材
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
図13
図14