(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】発光装置、発光モジュールおよび発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20240215BHJP
【FI】
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2021210688
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】由宇 広樹
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/115379(WO,A1)
【文献】特開2013-048162(JP,A)
【文献】特開2009-010204(JP,A)
【文献】特開2012-216747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アノード電極と第1カソード電極とを含む第1発光部と、
第2アノード電極と第2カソード電極とを含む第2発光部と、
第3カソード電極と第3アノード電極とを含む第3発光部と、
第4アノード電極と第4カソード電極とを含む第4発光部と、
前記第1発光部、前記第2発光部、前記第3発光部および前記第4発光部を覆う透光性部材と、
前記透光性部材の表面に配置され、前記第1アノード電極、前記第2カソード電極、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極に電気的に接続された第1端子と、
前記透光性部材の表面に配置され、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極に電気的に接続された第2端子と、
を備え、
前記第1発光部および前記第2発光部は、前記第3発光部および前記第4発光部と対向する位置に配置され
、
前記第1発光部は、前記第1アノード電極および前記第1カソード電極が配置された面の反対側に第1光取出面を有し、
前記第2発光部は、前記第2アノード電極および前記第2カソード電極が配置された面の反対側に第2光取出面を有し、
前記第3発光部は、前記第3アノード電極および前記第3カソード電極が配置された面の反対側に第3光取出面を有し、
前記第4発光部は、前記第4アノード電極および前記第4カソード電極が配置された面の反対側に第4光取出面を有し、
前記透光性部材は、
前記第1光取出面および前記第2光取出面に対向する位置に配置された第1面と、前記第1面の反対側であって、前記第3光取出面および前記第4光取出面に対向する位置に配置された第2面と、
前記第1面と前記第2面との間に配置された第1側面と、
前記第1面と前記第2面との間で、前記第1側面の反対側に位置する第2側面と、
を含み、
前記第1端子は、前記第1側面上に配置され、
前記第2端子は、前記第2側面上に配置され、
前記第1面上に配置され、前記第1端子を介して前記第1アノード電極に電気的に接続された第3端子と、
前記第2面上に配置され、前記第2端子を介して前記第1カソード電極に電気的に接続された第4端子と、
をさらに備えた発光装置。
【請求項2】
前記第1アノード電極は、前記第3カソード電極に接続され、
前記第1カソード電極は、前記第3アノード電極に接続され、
前記第2カソード電極は、前記第4アノード電極に接続され、
前記第2アノード電極は、前記第4カソード電極に接続された請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1アノード電極は、前記第4アノード電極に接続され、
前記第1カソード電極は、前記第4カソード電極に接続され、
前記第2カソード電極は、前記第3カソード電極に接続され、
前記第2アノード電極は、前記第3アノード電極に接続された請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
一方の面と前記一方の面の反対側に位置する他方の面とをそれぞれ有する第1導体および第2導体をさらに備え、
前記第1アノード電極および前記第2カソード電極は、前記第1導体の
前記一方の面に接続され、
前記第3カソード電極および前記第4アノード電極は、前記第1導体の
前記他方の面に接続され、
前記第1カソード電極および前記第2アノード電極は、前記第2導体の
前記一方の面に接続され、
前記第3アノード電極および前記第4カソード電極は、前記第2導体の
前記他方の面に接続され、
前記第1端子は、前記第1導体に接続され、
前記第2端子は、前記第2導体に接続された請求項1記載の発光装置。
【請求項5】
平面視で、
前記第1発光部は、前記第3発光部に重なって配置され、
前記第2発光部は、前記第4発光部に重なって配置された請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
平面視で、
前記第1発光部は、前記第4発光部に重なって配置され、
前記第2発光部は、前記第3発光部に重なって配置された請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記透光性部材は、蛍光体を含む請求項1~
6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
第1透光性導電層を含む第1透光性板と、
第2透光性導電層を含む第2透光性板と、
前記第1透光性板と前記第2透光性板との間に配置された請求項
1~7のいずれか1つに記載の発光装置と、
を備え、
前記第1透光性板および前記第2透光性板は、前記第1透光性導電層および前記第2透光性導電層が対向するように配置され、
前記第1端子は、前記第1透光性導電層に電気的に接続され、
前記第2端子は、前記第2透光性導電層に電気的に接続された発光モジュール。
【請求項9】
第1透光性導電層を含む第1透光性板と、
第2透光性導電層を含む第2透光性板と、
前記第1透光性板と前記第2透光性板との間に配置された請求項
1~7のいずれか1つに記載の発光装置と、
を備え、
前記第1透光性板および前記第2透光性板は、前記第1透光性導電層および前記第2透光性導電層が対向するように配置され、
前記第3端子は、前記第1透光性導電層に電気的に接続され、
前記第4端子は、前記第2透光性導電層に電気的に接続された発光モジュール。
【請求項10】
導電性を有する部分を含む支持部材と、
前記支持部材に対向して配置された第3透光性導電層を含む第3透光性板と、
前記支持部材と前記第3透光性板との間に配置された光学部材と、
前記
支持部材と前記第3透光性板との間に配置された請求項
1~7のいずれか1つに記載された発光装置と、
を備え、
前記導電性を有する部分は、前記第1端子に電気的に接続され、
前記第3透光性導電層は、前記第2端子に電気的に接続され、
前記光学部材は、前記光学部材が配置された前記支持部材の面に対して所定の角度をなす傾斜面を含む発光モジュール。
【請求項11】
第1面を有する第1透光性部材であって、前記第1面の反対側から、第1発光部の第1アノード電極および第1カソード電極を露出させ、第2発光部の第2アノード電極および第2カソード電極を露出させた前記第1透光性部材を準備する工程と、
前記第1発光部上に、前記第1発光部の前記第1アノード電極と電気的に接続する第3カソード電極と、前記第1発光部の前記第1カソード電極と電気的に接続する第3アノード電極とを含む第3発光部を載置し、前記第2発光部上に、前記第2発光部の前記第2カソード電極と電気的に接続する第4アノード電極と、前記第2発光部の前記第2アノード電極と電気的に接続する第4カソード電極とを含む第4発光部を載置する工程と、
前記第3発光部および前記第4発光部を覆い、前記第1面に対向する位置に第2面を有する第2透光性部材を形成する工程と、
前記第1アノード電極、前記第2カソード電極、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極に電気的に接続された第1端子を前記第1透光性部材の表面に形成し、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極に電気的に接続された第2端子を前記第2透光性部材の表面に形成する工程と、
を備えた発光装置の製造方法。
【請求項12】
第1面を有する第1透光性部材であって、前記第1面の反対側から、第1発光部の第1アノード電極および第1カソード電極を露出させ、第2発光部の第2アノード電極および第2カソード電極を露出させた前記第1透光性部材を準備する工程と、
前記第1発光部上に、前記第1発光部の前記第1アノード電極と電気的に接続する第4アノード電極と、前記第1発光部の前記第1カソード電極と電気的に接続する第4カソード電極とを含む第4発光部を載置し、前記第2発光部上に、前記第2発光部の前記第2カソード電極と電気的に接続する第3カソード電極と、前記第2発光部の前記第2アノード電極と電気的に接続する第3アノード電極とを含む第3発光部を載置する工程と、
前記第3発光部および前記第4発光部を覆い、前記第1面に対向する位置に第2面を有する第2透光性部材を形成する工程と、
前記第1アノード電極、前記第2カソード電極、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極に電気的に接続された第1端子を前記第1透光性部材の表面に形成し、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極に電気的に接続された第2端子を前記第2透光性部材の表面に形成する工程と、
を備えた発光装置の製造方法。
【請求項13】
前記第3発光部および前記第4発光部を載置する工程の前に、
前記第1アノード電極および前記第2カソード電極と接続する第1導体を形成し、前記第1カソード電極および前記第2アノード電極と接続する第2導体を形成する工程を含み、
前記第3発光部および前記第4発光部を載置する工程は、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極が前記第1導体と接続し、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極が前記第2導体と接続する請求項
11または
12に記載の発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1透光性部材は、前記第1面と前記第2面との間に前記第1面に連続した第3側面と、前記第3側面の反対側に位置する第4側面と、を有し、
前記第2透光性部材は、前記第1面と前記第2面との間であって前記第3側面の同じ側に位置し前記第2面に連続した第5側面と、前記第5側面の反対側に位置する第6側面と、を有し、
前記第1端子および前記第2端子を形成する工程は、
前記第3側面の表面に前記第1端子を形成する工程と、
前記第4側面の表面に前記第2端子を形成する工程と、
を含む請求項
11または
12に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、発光装置、発光モジュールおよび発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
両面発光が可能な発光装置がある。このような両面発光の発光装置では、片面発光の発光装置と同様に、カソード端子に印加される電圧よりも高い電圧をアノード端子に印加することにより発光装置に電流が流れて発光する(たとえば、特許文献1等)。
【0003】
このような発光装置を実装する場合には、アノード端子とカソード端子とを識別する必要がある。発光装置の小型化等により、端子の識別が困難になり、そのため発光装置の実装が困難になる場合がある。
【0004】
両面発光する発光装置の端子の識別を不要にして実装を容易にしたいとの要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、その発光装置を用いた発光モジュールおよびその発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る発光装置は、第1アノード電極と第1カソード電極とを含む第1発光部と、第2アノード電極と第2カソード電極とを含む第2発光部と、第3カソード電極と第3アノード電極とを含む第3発光部と、第4アノード電極と第4カソード電極とを含む第4発光部と、前記第1発光部、前記第2発光部、前記第3発光部および前記第4発光部を覆う透光性部材と、前記透光性部材の表面に配置され、前記第1アノード電極、前記第2カソード電極、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極に電気的に接続された第1端子と、前記透光性部材の表面に配置され、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極に電気的に接続された第2端子と、を備える。前記第1発光部および前記第2発光部は、前記第3発光部および前記第4発光部と対向する位置に配置される。
【0008】
実施形態に係る発光装置の製造方法は、第1面を有する第1透光性部材であって、前記第1面の反対側から、第1発光部の第1アノード電極および第1カソード電極を露出させ、第2発光部の第2アノード電極および第2カソード電極を露出させた前記第1透光性部材を準備する工程と、前記第1発光部上に、前記第1発光部の前記第1アノード電極と電気的に接続する第3カソード電極と、前記第1発光部の前記第1カソード電極と電気的に接続する第3アノード電極とを含む第3発光部を載置し、前記第2発光部上に、前記第2発光部の前記第2カソード電極と電気的に接続する第4アノード電極と、前記第2発光部の前記第2アノード電極と電気的に接続する第4カソード電極とを含む第4発光部を載置する工程と、前記第3発光部および前記第4発光部を覆い、前記第1面に対向する位置に第2面を有する第2透光性部材を形成する工程と、前記第1アノード電極、前記第2カソード電極、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極に電気的に接続された第1端子を前記第1透光性部材の表面に形成し、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極に電気的に接続された第2端子を前記第2透光性部材の表面に形成する工程と、を備える。
【0009】
実施形態に係る発光装置の製造方法は、第1面を有する第1透光性部材であって、前記第1面の反対側から、第1発光部の第1アノード電極および第1カソード電極を露出させ、第2発光部の第2アノード電極および第2カソード電極を露出させた前記第1透光性部材を準備する工程と、前記第1発光部上に、前記第1発光部の前記第1アノード電極と電気的に接続する第4アノード電極と、前記第1発光部の前記第1カソード電極と電気的に接続する第4カソード電極とを含む第4発光部を載置し、前記第2発光部上に、前記第2発光部の前記第2カソード電極と電気的に接続する第3カソード電極と、前記第2発光部の前記第2アノード電極と電気的に接続する第3アノード電極とを含む第3発光部を載置する工程と、前記第3発光部および前記第4発光部を覆い、前記第1面に対向する位置に第2面を有する第2透光性部材を形成する工程と、前記第1アノード電極、前記第2カソード電極、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極に電気的に接続された第1端子を前記第1透光性部材の表面に形成し、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極に電気的に接続された第2端子を前記第2透光性部材の表面に形成する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態によれば、端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、その発光装置を用いた発光モジュールおよびその発光装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式的な斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式的な側面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る発光装置を例示する他の側面から見た模式的な側面図である。
【
図4A】第1の実施形態に係る発光装置を例示する上面視による模式的な図である。
【
図4B】第1の実施形態に係る発光装置を例示する下面視による模式的な図である。
【
図5A】
図4AのVA-VA線における模式的な矢視断面図である。
【
図5B】
図4AのVB-VB線における模式的な矢視断面図である。
【
図6A】第1の実施形態の変形例1に係る発光装置の一部を例示する模式的な断面図である。
【
図6B】第1の実施形態の変形例1に係る発光装置の一部を例示する模式的な断面図である。
【
図7A】第1の実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する上面視による模式的な図である。
【
図7B】第1の実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する模式的な側面図である。
【
図7C】第1の実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する上面視による模式的図である。
【
図7D】第1の実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する模式的な側面図である。
【
図8A】第1の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図である。
【
図8B】第1の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図である。
【
図9A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図9B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図9C】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図10A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図10B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図10C】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図11A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図11B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図12A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図12B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図13A】第2の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【
図13B】第2の実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視による模式的な図である。
【
図14A】第3の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【
図14B】第3の実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視による模式的な図である。
【
図15】第4の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
なお、図面は、端面を断面として示す場合がある。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な斜視図である。
図2は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な側面図である。
図3は、本実施形態に係る発光装置を例示する他の側面から見た模式的な側面図である。
図4Aは、本実施形態に係る発光装置を例示する上面視による模式的な図である。
図4Bは、本実施形態に係る発光装置を例示する下面視による模式的な図である。
図1~
図4Bに示すように、本実施形態の発光装置1は、第1発光素子40aと、第2発光素子40bと、透光性部材70と、第1端子51と、第2端子52と、を備える。第1発光素子40aは、第1発光部41と第2発光部42とを含む。第2発光素子40bは、第3発光部43と第4発光部44とを含む。この例では、第1発光部41および第2発光部42は、空間を介して分離されている。第3発光部43および第4発光部44は、空間を介して分離されている。
【0014】
第1発光部41は、第1アノード電極A1と第1カソード電極K1とを含む。第1発光部41は、第1アノード電極A1および第1カソード電極K1が配置された面の反対側に位置する光取出面S41を有する。第2発光部42は、第2アノード電極A2と第2カソード電極K2とを含む。第2発光部42は、第2アノード電極A2および第2カソード電極K2が配置された面の反対側に位置する光取出面S42を有する。第3発光部43は、第3アノード電極A3と第3カソード電極K3とを含む。第3発光部43は、第3アノード電極A3および第3カソード電極K3が配置された面の反対側に位置する光取出面S43を有する。第4発光部44は、第4アノード電極A4と第4カソード電極K4とを含む。第4発光部44は、第4アノード電極A4および第4カソード電極K4が配置された面の反対側に位置する光取出面S44を有する。
【0015】
本実施形態の以下の説明では、3次元の座標を用いることがある。第1アノード電極A1の表面SA1および第2アノード電極の表面SA2は、同一平面内の平面である。また、第1カソード電極の表面SK1および第2カソード電極の表面SK2は、同一平面内の平面である。第1アノード電極A1の表面SA1と第2アノード電極の表面SA2とを含む平面を平面S10とする。平面S10は、XY平面に平行であるものとする。なお、
図2では、図示されない第1アノード電極A1の表面SA1の符号および第1カソード電極K1の表面SK1の符号は、
図2のかっこ内に表記されている。また、
図3では、図示されない第2カソード電極K2の表面SK2の符号および第1アノード電極A1の表面SA1の符号は、
図3のかっこ内に表記されている。
【0016】
この例では、発光装置1の一方の光取出面を構成する第1面S1および他方の光取出面を構成する第2面S2は、XY平面に平行とされている。X軸は、XY平面視で、第1発光部41の第1アノード電極A1の中心と第1カソード電極K1の中心とを結ぶ直線に平行であるものとする。Z軸は、XY平面に垂直であり、第2面S2から第1面S1に向かう方向を正方向であるものとする。なお、本明細書において、「平行」とは、2つの直線、辺、面などが0°から±5°程度の範囲にあることを指す。
【0017】
Z軸の正方向を「上」や「上方」、Z軸の負方向を「下」や「下方」のようにいうことがある。但し、Z軸に沿う方向は、必ずしも重力がかかる方向であるとは限らない。本実施形態の発光装置では、平面S10よりZ軸の正方向に位置する側の構成をいう場合には、Z軸の正方向を「上」や「上方」といい、平面S10よりZ軸の負方向に位置する側の構成をいう場合には、たとえば、「第2面上」のように、Z軸の負方向を「上」や「上方」ということがある。これらも説明の理解を容易にするためのものであって、実際の「上」や「上方」に限定されるものではない。
【0018】
第1発光部41は、XY平面視で、第1アノード電極A1の中心および第1カソード電極K1の中心を結ぶ直線が、X軸に平行になるように配置されている。第2発光部42は、XY平面視で、第2アノード電極A2の中心および第2カソード電極K2の中心を結ぶ直線が、X軸に平行になるように配置されている。第3発光部43は、XY平面視で、第3アノード電極A3の中心および第3カソード電極K3の中心が、X軸に平行になるように配置されている。第4発光部44は、XY平面視で、第4アノード電極A4の中心および第4カソード電極K4の中心が、X軸に平行になるように配置されている。以下、各発光部のアノード電極とカソード電極とを結ぶ直線を各発光部の中心軸ということがある。この例においては、各発光部は、その中心軸同士が平行になるように配置されている。
【0019】
第1発光部41および第2発光部42は、第3発光部43および第4発光部44に対向して配置されている。以下では、発光部が対向して配置されるとは、第1発光部41および第2発光部42が、平面S10よりZ軸の正方向の側に位置し、第3発光部43および第4発光部44が、平面S10よりZ軸の負方向の側に位置することをいう。平面S10よりZ軸の正方向の側を単に平面S10の正側といい、平面S10よりZ軸の負方向の側を単に平面S10の負側ということがある。
【0020】
以下の具体例では、発光部が対向して配置されるの「対向」とは、XY平面視で、平面S10の正側に位置する発光部の外周で囲まれる領域が、平面S10の負側に位置する発光部の外周で囲まれる領域と完全に重なる場合を指すことに加え、平面S10の正側に位置する発光部の外周で囲まれる領域が、平面S10の負側に位置する発光部の外周で囲まれる領域と一部重なる場合、および、平面S10の正側に位置する発光部の外周で囲まれる領域が、平面S10の負側に位置する発光部の外周で囲まれる領域と全く重ならない場合を含む。
図1~
図6Bに示す例では、平面S10の正側に位置する発光部の外周は、平面S10の負側に位置する発光部の外周と同じ大きさであり、平面S10の正側または負側のいずれか一方の側に位置する発光部の外周で囲まれる領域が、平面S10の他方の側に位置する発光部の外周で囲まれる領域に完全に重なる。平面S10の正側に位置する発光部が、平面S10の負側に位置する発光部に重なるように各発光部が配置された場合には、発光部によるXY平面視での占有面積を最小にすることができる。
【0021】
第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44は、上述のアノード電極およびカソード電極のほか、たとえば、半導体成長用基板と半導体積層構造とをそれぞれ含んでいる。半導体積層構造は、半導体成長用基板上に配置されている。第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44では、半導体成長用基板における半導体積層構造側の面と反対側の面が、それぞれ光取出面S41、S42、S43、S44である。半導体積層構造は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)層を含み、たとえば、青色光を発光する。青色光は、ピーク波長が420nm以上490nm以下の範囲内にある光であり、たとえば、467nm程度の光である。
【0022】
透光性部材70は、第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44を覆っている。より詳細には、透光性部材70は、第1透光性部材71と第2透光性部材72とを含む。第1透光性部材71は、第1発光部41および第2発光部42を覆い、第2透光性部材72は、第3発光部43および第4発光部44を覆っている。第1透光性部材71の一部は、第2透光性部材72に接している。
【0023】
より詳細には、第1透光性部材71は、第1発光部41および第2発光部42の光取出面S41、S42と、第1発光部41および第2発光部42のすべての側面を覆っている。第1発光部41の側面は、光取出面S41と電極が配置された面との間に位置する面である。第2発光部42の側面は、光取出面S42と電極が配置された面との間に位置する面である。発光装置1では、第1透光性部材71は、第1発光部41および第2発光部42の各電極が配置された面を覆っていない。但し、これに限らず、第1透光性部材71は、第1発光部41および第2発光部42の各電極が配置された面を電極が露出するように覆ってもよい。
【0024】
第2透光性部材72も同様に、第2透光性部材72は、第3発光部43および第4発光部44の光取出面S43、S44と、第3発光部43および第4発光部44のすべての側面を覆っている。第3発光部43の側面は、光取出面S43と電極が配置された面との間に位置する面である。第4発光部44の側面は、光取出面S44と電極が配置された面との間に位置する面である。発光装置1では、第2透光性部材72は、第3発光部43および第4発光部44の各電極が配置された面を覆っていない。但し、これに限らず、第2透光性部材72は、第3発光部43および第4発光部44の各電極が配置された面を電極が露出するように覆ってもよい。
【0025】
第1透光性部材71および第2透光性部材72は、後述する製造工程の具体例のための構成要素であり、発光装置1の構成の説明においては、特に断らない限り、第1透光性部材71および第2透光性部材72を含む透光性部材70として説明する。
【0026】
透光性部材70は、第1面S1と第2面S2とを有する直方体状の部材である。第1面S1および第2面S2は、XY平面に平行な面である。第1面S1は、第1発光部41および第2発光部42が配置された平面S10の正側の光取出面である。第2面S2は、第3発光部43および第4発光部44が配置された平面S10の負側の光取出面である。したがって、発光装置1は、両面発光の発光装置である。
【0027】
透光性部材70は、第1面S1と第2面S2との間に第1側面81と、第1側面81の反対側に位置する第2側面82と、を有する。第1側面81および第2側面82は、各発光部の中心軸に直交する面である。後述するように、透光性部材70の表面である第1側面81上には、第1端子51が配置され、透光性部材70の表面である第2側面82上には、第2端子52が配置されている。
図1および
図2に示した例では、第1端子51は、第1側面81の全体に配置されている。但し、これに限らず、第1端子51は、第1導体21に接続されていればよく、第1側面81の一部に配置されてもよい。同様に、第2端子52は、
図1および
図2に示した例では、第2側面の全体に配置されている。これに限らず、第2端子52は、第2導体22に接続されていればよく、第2側面82の一部に配置されていてもよい。
【0028】
透光性部材70は、第1側面81と第2側面82との間に側面91、92を有する。側面91、92は、中心軸に平行な面である。側面92は、側面91の反対側に位置する面である。この例では、側面92、93上には、端子は配置されていない。第1発光部41~第4発光部44は、側方にも光を放射するので、透光性部材70の側面91、側面92、第1側面81および第2側面82からも光が出射される。
【0029】
第1面S1上には、第3端子61-1、61-2が配置され、第3端子61-1、61-2は、第1端子51に接続されている。第2面S2上には、第4端子62-1、62-2が配置され、第2端子52に接続されている。
【0030】
透光性部材70は、第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43、第4発光部44および後述する第1導体21および第2導体22を外部環境の雰囲気から遮断し、塵埃や水分等の侵入から発光装置1を保護する目的で配置される。透光性部材70の材料は、たとえば、樹脂である。透光性部材70は、蛍光体のような波長変換部材を含んでもよいし、含まなくてもよい。蛍光体は、たとえば、KSF系蛍光体、KSAF系蛍光体またはMGF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、窒化物蛍光体、量子ドット蛍光体、YAG蛍光体、βサイアロン蛍光体等とすることができる。
【0031】
第1端子51は、第1側面81上に配置され、第2端子52は、第2側面82上に配置されている。第1端子51は、第1アノード電極A1、第2カソード電極K2、第3カソード電極K3および第4アノード電極A4に電気的に接続されている。第2端子52は、第1カソード電極K1、第2アノード電極A2、第3アノード電極A3および第4カソード電極K4に電気的に接続されている。
【0032】
この例では、発光装置1は、第1導体21と第2導体22とをさらに備えている。第1導体21は、一方の面21aと他方の面21bとを有する。他方の面21bは、一方の面21aの反対側に位置している。第2導体22は、一方の面22aと他方の面22bとを有する。他方の面22bは、一方の面22aの反対側に位置している。一方の面21a、22aは、平面S10の正側に位置する面である。他方の面21b、22bは、平面S10の負側に位置する面である。
【0033】
第1端子51、第2端子52、第1導体21および第2導体22は、たとえば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、あるいは、これらを含む合金でもよいし、インジウムスズ酸化物(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の透光性導電膜でもよい。透光性導電膜を用いることで、第1端子51、第2端子52、第1導体21および第2導体22で遮光される光量を低減することができ、発光装置1の発光効率を高めることが可能になる。
【0034】
第1導体21および第2導体22は、ギャップGを介して配置されている。ギャップGは、第1導体21と第2導体22とを分離する絶縁領域であり、第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44のそれぞれの中心軸に直交する方向に延在している。ギャップGは、発光部の中心軸にほぼ直交する場合に限らず、発光部の中心軸に交差するように設けられてもよい。ギャップGの幅は、各発光部のアノード電極とカソード電極との間の間隔に応じて設定され、アノード電極とカソード電極との間の間隔よりも狭くなるように設定されている。
【0035】
第1アノード電極A1および第2カソード電極K2は、第1導体21の一方の面21aに接続されている。第1カソード電極K1および第2アノード電極A2は、第2導体22の一方の面22aに接続されている。したがって、第1発光部41および第2発光部42は、第1導体21および第2導体22によって逆並列に接続されている。
【0036】
第3カソード電極K3および第4アノード電極A4は、第1導体21の他方の面21bに接続されている。第3アノード電極A3および第4カソード電極K4は、第2導体の他方の面22bに接続されている。したがって、第3発光部43および第4発光部44は、第1導体21および第2導体22によって逆並列に接続されている。
【0037】
この例では、第3カソード電極K3および第1導体21は、導電性接合部材31によって接続されている。第3アノード電極A3および第2導体22は、導電性接合部材32によって接続されている。第4アノード電極A4および第1導体21は、導電性接合部材33によって接続されている。第4カソード電極K4および第2導体22は、導電性接合部材34によって接続されている。導電性接合部材31~34は、たとえば、導電性接着剤や銀(Ag)ペースト、低温はんだ等の接合部材である。
なお、導電性接合部材31~34を用いることなく、第3発光部43および第4発光部44を第1導体21の他方の面21bおよび第2導体22の他方の面22bに直接接続させてもよい。
【0038】
第1導体21は、第1側面81にまで延在し、第1側面81上に配置された第1端子51に接続されている。第2導体22は、第2側面82にまで延在し、第2側面82上に配置された第2端子52に接続されている。したがって、第1アノード電極A1、第2カソード電極K2、第3カソード電極K3および第4アノード電極A4は、第1端子51に電気的に接続される。第1カソード電極K1、第2アノード電極A2、第3アノード電極A3および第4カソード電極K4は、第2端子52に電気的に接続される。
【0039】
換言すると、逆並列接続された第1発光部41および第2発光部42は、第1端子51と第2端子52との間で、逆並列接続された第3発光部43および第4発光部44に並列接続される。そのため、発光装置1は、第1端子51と第2端子52との間に印加される電圧差の正負によらず、両面発光する。
【0040】
本実施形態の発光装置1では、第3端子61-1、61-2と第4端子62-1、62-2とをさらに備える。第3端子61-1、61-2は、第1面S1上に配置されている。第3端子61-1、61-2は、第1端子51に接続されている。第4端子62-1、62-2は、第2面S2上に配置されている。第4端子62-1、62-2は、第2端子52に接続されている。第3端子は、この例のように、第1面S1上に2つ配置されてもよいし、1つまたは3つ以上配置されてもよい。第4端子も同様に、第2面S2上に2つ配置されてもよいし、1つまたは3つ以上配置されてもよい。第3端子61-1、61-2および第4端子62-1、62-2には、たとえば、第1端子51や第2端子52で説明した材料と同様の材料を用いることができる。第3端子61-1、61-2および第4端子62-1、62-2は、第1端子51や第2端子52と同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。
【0041】
第3端子61-1、61-2の上面視の形状は、たとえば、それぞれ矩形状である。第4端子62-1、62-2の下面視の形状は、たとえば、それぞれ矩形状である。第3端子61-1、61-2は、第1面S1上で互いに離間して配置されている。第3端子61-1、61-2は、上面視で、第1発光部41および第2発光部42に重ならない位置に配置されることが好ましい。これにより、第1発光部41および第2発光部42からの光が第3端子61-1、61-2で吸収されることを抑制することができる。この例では、第3端子61-1、61-2は、Y軸方向に離間して配置され、第1発光部41および第2発光部42は、第3端子61-1と第3端子61-2との間に配置されている。第4端子62-1、62-2についても第3端子61-1、61-2と同様に、第2面S2上で互いに離間して配置されている。第4端子62-1、62-2は、下面視で、第3発光部43および第4発光部44に重ならない位置に配置されるのが好ましい。これにより、第3発光部43および第4発光部44からの光が第4端子62-1、62-2で吸収されることを抑制することができる。この例では、第4端子62-1、62-2は、Y軸方向に離間して配置され、第3発光部43および第4発光部44は、第4端子62-1と第4端子62-2との間に配置されている。
【0042】
第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44の配置について説明する。
図5Aは、
図4AのVA-VA線における模式的な矢視断面図である。
図5Bは、
図4AのVB-VB線における模式的な矢視断面図である。
図4A~
図5Bに示すように、本実施形態の発光装置1では、第1発光部41は、第3発光部43に重なるように配置され、第2発光部42は、第4発光部44に重なるように配置されている。第1発光部41は、光取出面S41から外部に取り出される光は、光取出面S41から取り出されることに限らず、第1アノード電極A1および第1カソード電極K1が配置される側の面と光取出面S41との間に位置する側面からも取り出される。第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44についても同様であり、説明を省略する。
【0043】
平面S10の正側では、第1導体21の一方の面21a上および第2導体22の一方の面22a上に配置された第1発光部41と第2発光部42とを逆並列に接続して、逆並列回路を構成する。また、平面S10の負側では、第1導体21の他方の面21b上および第2導体22の他方の面22b上に配置された第3発光部43と第4発光部44とを逆並列に接続して、逆並列回路を構成する。そして、逆並列回路の一方のノードに相当する第1導体21は、第1側面81に配置された第1端子51に接続され、逆並列回路の他方のノードに相当する第2導体22は、第2側面82に配置された第2端子52に接続されている。そのため、2つの逆並列回路は、第1端子51と第2端子52との間で並列に接続されている。したがって、第1端子51に、第2端子52に印加される電圧よりも高い電圧を印加することによって、平面S10の正側では、第1発光部41が発光し、平面S10の負側では、第4発光部44に電流が流れ第4発光部44が発光する。このように、この例では、平面S10を介して外周が重なっている同士の発光部の一方は発光し、他方は発光しない。
【0044】
発光部は、電流が流れることにより発光するので、流れる電流の大きさに応じて、発熱する。発光部の発熱は、第1導体21および第2導体22を経由して放熱される。
図5Aおよび
図5Bに示した発光装置1の場合には、第1導体21および第2導体22において、一方の面21a、22a側での発熱箇所が、他方の面21b、22b側での発熱箇所と異なる結果、発熱箇所が分散することとなるので、発光部の発熱は、より効率よく放熱される。
【0045】
上述した例では、対向して配置される発光部は、平面S10の正側に位置する発光部における電極が配置された側の面と、平面S10の負側に位置する発光部における電極が配置された側の面とが向かい合っている。但し、この例に限らず、対向して配置される発光部は、平面S10の正側に位置する発光部における光取出面と、平面S10の負側に位置する発光部における光取出面とが向かい合っていてもよい。
【0046】
(変形例1)
図6Aおよび
図6Bは、本実施形態の変形例1に係る発光装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図6Aおよび
図6Bに示すように、第1発光部41は、第4発光部44に重なるように配置され、第2発光部42は、第3発光部43に重なるように配置されている。つまり、本変形例1の発光装置101では、第3発光部43および第4発光部44の配置が
図5Aおよび
図5Bに関連して説明した場合の例と相違する。
【0047】
図6Aは、第3発光部43および第4発光部44の配置を上述のとおりとした場合に、
図4AのVA-VA線における模式的な矢視断面図である。
図6Bは、第3発光部43および第4発光部44の配置を上述のとおりとした場合に、
図4AのVB-VB線における模式的な矢視断面図である。
【0048】
本変形例1では、発光部43および発光部44の配置が、
図5Aおよび
図5Bに関連して説明した場合と異なっている。但し、第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44の電気的な接続は、
図5Aおよび
図5Bに関連して説明した場合と同じである。したがって、第1端子51に、第2端子52に印加される電圧よりも高い電圧を印加することによって、平面S10の正側では、第1発光部41が発光し、平面S10の負側では、第4発光部44が発光する。第2端子52に、第1端子51に印加される電圧よりも高い電圧を印加することによって、平面S10の正側では、第2発光部42に電流が流れて第2発光部42が発光し、平面S10の負側では、第3発光部43に電流が流れて第3発光部43が発光する。
【0049】
変形例1の発光装置101では、XY平面視で、重なっている同士の発光部が発光するため、XY平面視で、発光装置101は、1点で発光しているように見える。そのため、平面S10の正側の光取出面である第1面S1および平面S10の負側の光取出面である第2面S2から出射されるそれぞれの光量に他方の面のための光量の一部が加わり、発光装置101の発光効率を高めることが可能である。
【0050】
(変形例2)
図7Aは、本実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する上面視による模式的な図である。
図7Bは、本実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する模式的な側面図である。
変形例2では、発光素子120が第1発光部41と第2発光部42とが基板121を介して繋がった構成である。
【0051】
図7Aおよび
図7Bに示すように、第1発光部41は、光取出面S41と第1アノード電極A1と第1カソード電極K1とを含む。第1アノード電極A1および第1カソード電極K1は、光取出面S41の反対側に位置する面側に配置されている。第2発光部42は、光取出面S42と第2アノード電極A2と第2カソード電極K2とを含む。第2アノード電極A2および第2カソード電極K2は、光取出面S42の反対側に位置する面側に配置されている。
【0052】
基板121は、光取出面S121と発光部設置面R121とを有する。発光部設置面R121は、光取出面S121の反対側に位置する面である。基板121の発光部設置面R121上に第1発光部41および第2発光部42が配置される。基板121は、たとえばシリコン(Si)やサファイヤ、ガラスである。基板121は、光取出面S121から光を取り出すために、透光性を有している。
【0053】
第1発光部41および第2発光部42は、平行に配置されている。第1発光部41および第2発光部42は、
図3A等に示したように、電極同士が、第1導体21および第2導体22を介して電気的に接続されるように配置されている。第1発光部41は、発光部設置面R121に光取出面S41を対向するように発光部設置面R121上に配置されている。第2発光部42は、発光部設置面R121に光取出面S42を対向するように発光部設置面R121上に配置されている。
【0054】
2つの発光部が繋がった発光素子120を用いることによって、発光装置1の製造工程が短縮され、簡素化される。
【0055】
図7Aおよび
図7Bに示す発光素子120は、第1発光部41と第2発光部42とが第1基板121を介して繋がっている。但し、これに限定されず、発光素子は、半導体成長用基板上に半導体積層構造を積層し、半導体成長用基板を分断させないように半導体積層構造を分断することで形成されたものでもよい。この構成では、成長用基板上に2つの半導体積層構造を有し、2つの半導体積層構造のそれぞれから光が出射される。
【0056】
(変形例3)
図7Cは、本実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する上面視による模式的な図である。
図7Dは、本実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する模式的な右側面図である。
変形例3では、発光素子120aにおいて、第1発光部41と第2発光部42とが基板122を介して繋がった構成である点で、変形例2の場合と同様である。変形例3では、基板122と発光部とが接続する箇所が変形例2と異なる。すなわち、変形例2では、第1発光部41の光取出面S41および第2発光部42の光取出面S42が基板121と接続される。これに対して、変形例3では、第1発光部41の光取出面と直交する面および第2発光部42の光取出面S42と直交する面が基板122と接続される。第3発光部43および第4発光部44についても同様である。
【0057】
図7Cおよび
図7Dに示すように、発光素子120aは、第1発光部41と第2発光部42と基板122とを含む。基板122は、第1発光部41と第2発光部42との間に配置されている。基板122は、第1発光部41を第2発光部42に接続して1つの発光素子120aとするために配置されている。基板122は、個片化された発光部同士を接続する接着剤等である。
【0058】
変形例3によれば、発光装置1の製造工程を簡素化するとともに、変形例2の場合の基板121がないので、発光装置1の薄型化を可能にする。
【0059】
本実施形態の発光装置1の動作について説明する。
図8Aおよび
図8Bは、本実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図である。
図8Aは、
図4AのVA-VA線における発光装置1の矢視断面図に電流供給のための電源I0を接続したことを示す模式図である。
図8Bは、
図4AのVB-VB線における発光装置1の矢視断面図に電流供給のための電源I0を接続したことを示す模式図である。
この例では、電源I0は、第3端子61-1に、第4端子62-1に印加される電圧よりも高い電圧を印加して第3端子61-1に電流を流入させ、第4端子62-1から電流を流出させるように接続されている。電源I0を接続する端子は、第3端子61-1に代えて第1端子51とし、第4端子62-1に代えて第2端子52としてもよい。
【0060】
図8Aの矢印で示すように、第3端子61-1から流入した電流は、第1端子51を介して、第1導体21に流入する。第1導体21に流入した電流は、第1発光部41の第1アノード電極A1に達する。電流は、第1アノード電極A1に流れ込み、第1カソード電極K1から流出する。第1カソード電極K1から流出した電流は、第2導体22を流れ、第2端子52を介して、第4端子62-1に到達する。このようにして、第1面S1側では、第1発光部41に電流が流れて第1発光部41が発光する。
【0061】
図8Bの矢印で示すように、第3端子61-1から流入した電流は、第1端子51を介して、第1導体21に流入する。第1導体21に流入した電流は、分流して、第4発光部44の第4アノード電極A4に達する。この電流は、第4アノード電極A4に流れ込み、第4カソード電極K4から流出する。第4カソード電極から流出した電流は、第2導体22を流れ、第2端子52を介して、第4端子62-1に到達する。このようにして、第2面S2側では、第4発光部44に電流が流れ第4発光部44が発光する。
【0062】
第4端子62-1に、第3端子61-1に印加される電圧よりも高い電圧を印加し、第4端子62-1に電流を流入させ、第3端子61-1から電流を流出させるように電源I0を接続した場合の動作についても同様に説明される。すなわち、第4端子62-1から流入した電流は、第2端子52および第2導体22を介して、第2発光部42の第2アノード電極A2に達する。電流は、第2アノード電極A2に流れ込み、第2カソード電極K2から流出する。流出した電流は、第1導体21および第1端子51を介して、第3端子61-1に到達する。このようにして、第1面S1側では、第2発光部42に電流が流れて第2発光部42が発光する。
【0063】
第4端子62-1から流入した電流は、第2端子52および第2導体22を介して、第3発光部43の第3アノード電極A3に達する。第3アノード電極A3に流入した電流は、第3カソード電極K3から流出し、第1導体21および第1端子51を介して、第3端子61-1に至る。このようにして、第2面S2側では、第3発光部43に電流が流れて第3発光部43が発光する。
【0064】
本実施形態の発光装置1の製造方法について説明する。
図9A~
図12Bは、本実施形態に係る発光装置1の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図9Aに示すように、第1発光部41および第2発光部42のそれぞれの電極が露出された第1透光性部材1071を有する中間部材1000を準備する。中間部材1000は、以下のように形成される。第1発光部41および第2発光部42を、それぞれの中心軸が平行になるように、未硬化の透光性樹脂上に配置させる。このとき、第1発光部41の光取出面S41および第2発光部42の光取出面S42が透光性樹脂と接する。第1発光部41および第2発光部42を、未硬化の透光性樹脂中に埋設させる。この例では、第1発光部41および第2発光部42を1組として、複数組を行列状に配置して、透光性樹脂に埋設させる。第1発光部41および第2発光部42を透光性樹脂に埋設した後、未硬化の透光性樹脂を硬化させる。これにより、中間部材1000が形成される。第1透光性部材1071は、第1発光部41および第2発光部42の電極が位置する側の面の反対側に第1面1071aを有する。
【0065】
第1発光部41および第2発光部42を透光性樹脂に埋設させる工程では、第1発光部41および第2発光部42に圧力を加えて埋設させてもよいし、第1発光部41および第2発光部42に圧力を加えない(すなわち、第1発光部41および第2発光部42の自重)で埋設させてもよい。
【0066】
中間部材1000を形成する工程は、上述に限らない。たとえば、第1発光部41および第2発光部42を収納可能な凹部を有する第1透光性部材1071を準備し、この凹部内に第1発光部41および第2発光部42を配置することができる。このとき、第1発光部41および第2発光部42は、光取出面が第1面1071a側を向くように凹部内に配置され、各電極は、凹部から露出されている。第1発光部41および第2発光部42は、たとえば接着剤によって、第1透光性部材1071に固定される。
【0067】
図9Bに示すように、中間部材1000の第1透光性部材1071は、ブレードBLDによって分断された第1透光性部材1171を有する中間部材1000aが形成される。中間部材1000aは、第1発光部41および第2発光部42が配置された側の反対側に位置する面が第1面1171aである。第1面1171aは、中間部材1000における第1透光性部材1071の第1面1071aが分断されて形成された面である。
図9Aに示した中間部材1000では、第1透光性部材1071に、第1発光部41および第2発光部42の組がY軸方向に4組配列されたものがX軸方向に2列配置されている。中間部材1000aでは、第1透光性部材1171に、第1発光部41および第2発光部42の組がX軸方向に1列ずつ配列されている。
【0068】
図9Cに示すように、
図9Bに示した中間部材1000aに導電層1120が形成される。導電層1120は、第1透光性部材1171おける、第1アノード電極A1、第1カソード電極K1、第2カソード電極K2および第2アノード電極A2が第1透光性部材1171から露出された面上を全面にわたって形成される。これにより、導電層1120は、第1アノード電極A1、第1カソード電極K1、第2カソード電極K2および第2アノード電極A2に接続される。
【0069】
図9Cの例では、第1透光性部材1171の第3側面1083上および第4側面1084上にも導電層1120が形成される。第3側面1083および第4側面1084は、第1発光部41および第2発光部42の各中心軸に直交する面である。また、第3側面1083は第1面1071aから連続している。第4側面1084は、第1面と第2面と間に、第1面1071aから連続している。第3側面1083上および第4側面1084上に導電層1120を形成することによって、後述する導電層1150との電気的な接続を確実にとることができる。導電層1120の形成には、たとえばスパッタ技術が用いられる。
【0070】
図10Aに示すように、
図9Cに示した導電層1120をギャップGによって分断し、第1導体1121および第2導体1122を形成する。これにより、中間部材1100aが形成される。ギャップGは、中間部材1100aのX軸方向のほぼ中央をY軸方向に沿って設けられる。ギャップGの形成には、たとえば導電層1120を形成する金属膜の除去に適した波長を有するレーザが用いられる。
【0071】
図10Bに示すように、接合部材1031~1034が配置されて中間部材1100bが形成される。具体的には、第1導体1121を介して第1アノード電極A1上に接合部材1031が配置される。第2導体1122を介して第1カソード電極K1上に接合部材1032が配置される。第1導体1121を介して第2カソード電極K2上に接合部材1033が配置される。第2導体1122を介して第2アノード電極A2上に接合部材1034が配置される。接合部材1031~1034は、たとえば、導電性接着剤、低温はんだ、または、低温で接合が可能なAgペーストが用いられる。接合部材1031~1034は、たとえばスクリーン印刷技術を用いて形成される。
【0072】
図10Cに示すように、第3発光部43および第4発光部44が配置されて中間部材1100cが形成される。具体的には、第1発光部41上に第3発光部43を載置させる。この例では、第3カソード電極K3が接合部材1031を介して第1導体1121に接続され、第3アノード電極A3が接合部材1032を介して第2導体1122に接続される。第2発光部42上に第4発光部44を載置させる。この例では、第4アノード電極A4が接合部材1033を介して第1導体1121に接続され、第4カソード電極K4が接合部材1034を介して第2導体1122に接続される。第3発光部43および第4発光部44は同時に載置してもよいし、順に載置してもよい。
【0073】
図11Aに示すように、中間部材1100cの第3発光部43、第4発光部44、第1導体1121および第2導体1122が第2透光性部材1172で覆われた中間部材1100dが形成される。中間部材1100は、中間部材1100cの第3発光部43、第4発光部44、第1導体1121および第2導体1122を未硬化の透光性樹脂で覆い、未硬化の透光性樹脂を硬化することで形成される。
【0074】
なお、第2透光性部材1172の、第3側面1083側の側面は、第5側面1085であり、第4側面1084側の側面は、第6側面1086である。第3側面1083および第5側面1085は、発光装置1の第1側面81に対応する側面であり、第3側面1083および第5側面1085をまとめて、第1側面1081と呼ぶ場合がある。同様に、第4側面1084および第6側面1086も発光装置1の第2側面82に対応する側面であり、第4側面1084および第6側面1086をまとめて第2側面1082と呼ぶ場合がある。
【0075】
図11Bに示すように、中間部材1100dの6面それぞれの全面にわたって導電層1150が形成されることで、中間部材1100eが形成される。導電層1150の形成には、
図9Cに関連して説明した場合と同様に、たとえばスパッタ技術が用いられる。
【0076】
図12Aに示すように、導電層1150の一部が除去された中間部材1100fが形成される。具体的には、第1透光性部材1171の第1面1171a上の導電層1150の一部は、第1面1171aの一部が露出するように除去される。この例では、XY平面視で、第1発光部41および第2発光部42と重なっている導電層1150が除去される。
導電層1150が除去されない箇所は、この例では、第1面1171a上の第3端子とされる部分1061上、第2面1172a上の第4端子とされる部分上、第1側面1081上および第2側面1082上である。
【0077】
第1面1171aは、後述する中間部材を発光装置1に個片化する工程後に発光装置1の一方の光取出面である第1面S1となる面である。第2面1172aは、後述する中間部材を発光装置1に個片化する工程後に、発光装置1の他方の光取出面である第2面S2となる面である。第1側面1081は、後述する中間部材を発光装置1に個片化する工程後に第1側面81となる面である。第2側面1082は、後述する中間部材を発光装置1に個片化する工程の実行後に第2側面82となる面である。
【0078】
図12Bに示すように、導電層1150が部分的に除去された中間部材1100fは、ブレードBLDで分断され、個片化されて発光装置1が形成される。中間部材1100fを分断する位置は、第3端子61-1、61-2とされる部分1061のY軸方向のほぼ中央をX軸に沿った位置とされる。
【0079】
このようにして、発光装置1が製造される。
【0080】
上述では、第1発光部41および第2発光部42の組が行列状に配置された中間部材1000をX軸方向に分断し、さらにY軸方向に個片化するようにして発光装置1を製造する手順について説明した。但し、これに限るものではない。たとえば、行列状ではなく、第1発光部41および第2発光部42の組が1列に配列された中間部材を加工し、個片化するようにしてもよいし、第1発光部41および第2発光部42の組を1組ずつ発光装置1として形成するようにしてもよい。
【0081】
本実施形態の発光装置1の効果について説明する。
本実施形態の発光装置1は、第1発光部41および第2発光部42が逆並列に接続された第1逆並列回路と、第3発光部43および第4発光部44が逆並列に接続された第2逆並列回路と、を備える。さらに、発光装置1は、第1逆並列回路と第2逆並列回路とを並列に接続に並列回路を備える。この並列回路は、両端が第1端子51および第2端子に接続されている。第1発光部41および第2発光部42は、第3発光部43および第4発光部44に対向して配置されている。これらの構成により、第1端子51と第2端子52との間の電圧差の正負にかかわらず、第1発光部41および第2発光部42が配置された側で、第1発光部41または第2発光部42のいずれか一方が発光し、第3発光部43および第4発光部44が配置された側でも、第3発光部43または第4発光部44のいずれか一方が発光する。換言すると、発光装置1は、端子間の電圧の極性にかかわらず、両面発光が可能である。したがって、端子を識別して実装する必要がなくなり、発光装置1の実装が容易になる。
【0082】
第1発光部41および第2発光部42は、第3発光部43および第4発光部44に対向して配置され、相互の電気的な接続は、直接、あるいは、第1導体21および第2導体22によって実現されるので、薄型化された両面発光の発光装置を実現することができる。
【0083】
本実施形態の発光装置1は、光取出面である第1面S1と第2面S2との間に、第1側面81と第2側面82とを有する。第2側面82は、第1側面81の反対側に位置する面である。並列回路の一方の端部は、第1端子51に接続され、並列回路の他方の端部は、第2端子52に接続されている。第1端子51は、第1側面81上に配置され、第2端子52は、第2側面82上に配置されているので、発光装置1の光出射面と交差する面で外部電源と電気的に接続されることができる。
本実施形態の発光装置1は、第1面S1上に第3端子61-1、61-2を配置し、第2面S2上に第4端子62-1、62-2を配置することができる。この場合、発光装置1の2つの光取出面側でも外部電源と電気的に接続されることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
以下の各実施形態では、上述した発光装置1を搭載した発光モジュールについて説明される。
図13Aは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
図13Bは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視での模式的な図である。
図13Aおよび
図13Bに示すように、本実施形態の発光モジュール201は、発光装置1と、第1透光性板210と、第2透光性板220と、を備える。
【0085】
第1透光性板210は、透光性基材211と第1透光性導電層212とを含む。第1透光性導電層212は、透光性基材211の一方の面211a上に配置されている。面211aは、第2透光性板220側の面である。第2透光性板220は、透光性基材221と第2透光性導電層222とを含む。第2透光性導電層222は、透光性基材221の一方の面221a上に配置されている。面221aは、第1透光性板210側の面である。
【0086】
以下の説明では、第1の実施形態の発光装置1の場合の3次元座標とは異なる3次元座標を用いる。本実施形態の3次元座標では、第1透光性基材211の一方の面211aが、XY平面に平行な平面である。第2透光性板220は、第1透光性基材211の面211aに平行な面221aを有するものとするので、第1透光性板の面211aおよび第2透光性板220の面221aはXY平面に平行な面である。この例では、複数の発光装置1が配置される。複数の発光装置1が行列状に配置される場合には、たとえば、複数の発光装置1は、XY平面上をX軸方向に沿って配置され、Y軸方向に沿って配置される。Z軸は、XY平面に直交し、第2透光性基材221の面221aから第1透光性基材211の面211aに向かう方向を正とする。なお、Z軸の正負の方向について「上」や「下」という場合であっても、Z軸に沿った方向は重力方向に限定されないのは、上述の他の実施形態の場合と同様である。
【0087】
発光モジュール201において、第1透光性板210の第1透光性導電層212は、第2透光性板220の第2透光性導電層222と向かい合う。発光装置1は、第1透光性板210と第2透光性板220との間に配置される。
【0088】
発光装置1は、光取出面である第1面S1および第2面S2を有している。第2面S2は、第1面S1の反対側に位置する面である。発光装置1では、第1面S1上に第3端子61-1、61-2を有しており、第2面S2上に第4端子62-1、62-2を有している。2つの第3端子61-1、61-2は、十分に低抵抗で第1端子51に接続され電気的に等価であり、2つの第4端子62-1、62-2も十分に低抵抗で第2端子52に接続され電気的に等価である。以下の説明では、図示および表記の煩雑さを避けるため、第3端子の符号を61と表記し、第4端子の符号を62と表記するものとする。
【0089】
本実施形態の発光モジュール201では、発光装置1の2つの側面に配置された第1端子51および第2端子52が、第1透光性導電層212および第2透光性導電層222に電気的に接続する。
【0090】
第1透光性導電層212は、第1端子51または第2端子52に対向して配置される。第1透光性導電層212が第1端子51に対向する場合には、第1透光性導電層212は、第1端子51に電気的に接続され、第2透光性導電層222は、第2端子52に電気的に接続される。第1透光性導電層212が第2端子52に対向する場合には、第1透光性導電層212は、第2端子52に電気的に接続され、第2透光性導電層222は、第1端子51に電気的に接続される。
【0091】
本実施形態の発光モジュール201では、発光装置1は、光取出面である第1面S1および第2面S2が、XY平面に直交または交差するように配置される。
【0092】
複数の発光装置1が配置される場合には、上述したように、第1透光性導電層212に、第1端子51が接続された発光装置1と、第2端子52が接続された発光装置1とが存在してもよい。但し、これに限らず、第1透光性導電層212に、すべての発光装置1の第1端子51が接続されてもよいし、すべての発光装置1の第2端子52が接続されてもよい。
【0093】
第1透光性導電層212は、
図13Aおよび
図13Bの例では、第1透光性基材211の第2透光性板220側の面全体に配置されている。これにより、第1透光性基材211の第2透光性板220側の面のいずれの箇所に発光装置1が配置されても、発光装置1と第1透光性板210との電気的接続を確保することができる。また、第1透光性導電層212における発光装置1を配置するためのパターンを必要としないため、第1透光性板210に第1透光性導電層212を形成する工程を単純化することができる。なお、第2透光性導電層222についても同様である。
【0094】
図13Aの例で示すように、1つの第1透光性導電層212に、複数の発光装置1を接続させることができる。また、1つの第2透光性導電層222に、複数の発光装置1を接続させることができる。これにより、透光性導電層から複数の発光装置1に電流を供給することができ、複数の発光装置1を同時に点灯させることができる。後述する第3の実施形態および第4の実施形態も同様である。
【0095】
透光性基材211、221は、たとえば、板状である。この例では、XY平面に平行な面を両面に有する板状の部材である。透光性基材211、221の材料として、たとえばガラスや樹脂が挙げられる。第1透光性導電層212および第2透光性導電層222は、たとえばITOやZnOである。
【0096】
発光モジュール201は、1つの発光装置1を備えてもよいし、複数の発光装置1を備えていてもよい。発光モジュール201は、複数の発光装置1を備えることで、面状の光源とすることができる。複数の発光装置1は、
図13Bの例で示すように、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ等間隔で配置されている。複数の発光装置1を配置する場合には、
図13Bに示したようにすべての発光装置1が規則的に配置されることに限らず、不規則に配置されてもよい。複数の発光装置1を配置する場合には、すべての発光装置1の第1面S1および第2面S2の向く方向をこの例のようにX軸方向にそろえてもよいし、X軸方向にそろえなくてもよい。
【0097】
本実施形態の発光モジュール201の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール201は、発光装置1を備えている。発光装置1は、第1端子51に、第2端子52に印加される電圧よりも高い電圧を印加した場合であっても、第2端子52に印加される電圧よりも低い電圧を印加した場合であっても、両面発光する。そのため、発光モジュール201において、第1端子51および第2端子52の極性を識別することを要さずに、発光装置1を実装することができ、発光モジュール201の製造を簡素化し、生産性を向上させることができる。
【0098】
発光モジュール201では、発光装置1は、その2つの光取出面である第1面S1および第2面S2が、XY平面に平行ではなく、XY平面に直交するように配置されている。XY平面は、第1透光性板210および第2透光性板220がそれぞれ有する面211a、221aに平行であるため、発光装置1は、X軸に沿う方向にもっとも輝度の高い光を放射する。そのため、光の届きにくい発光モジュール201の周縁部の光量を確保することが可能になる。そのため、発光モジュール201全体として見たときに、より均一な光量を有する発光モジュール201を実現することができる。
【0099】
(第3の実施形態)
図14Aは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
図14Bは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視による模式的な図である。
図14Aおよび
図14Bに示すように、本実施形態の発光モジュール301は、発光装置1と、第1透光性板210と、第2透光性板220と、を備える。発光装置1は、第1の実施形態の場合と同じであり、第1透光性板210および第2透光性板220は、第2の実施形態の場合と同じである。同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
第3の実施形態は、第2の実施形態で説明したものと同じ3次元座標を用いて説明する。
【0100】
第1透光性導電層212は、発光装置1の第1面S1または第2面S2のいずれかに対向して配置され、対向配置された第1面S1または第2面S2に配置された端子に接続されるように配置される。第1面S1が第1透光性導電層212に対向配置された場合には、第1透光性導電層212は、第1面S1上の第3端子61に接続される。第2透光性導電層222は、第2面S2上の第4端子62に接続される。
【0101】
第2面S2が第1透光性導電層212に対向配置された場合には、第1透光性導電層212は、第2面S2上の第4端子62に接続される。第2透光性導電層222は、第1面S1上の第3端子61に接続される。
【0102】
複数の発光装置1が配置される場合に、発光装置1ごとに、光取出し面と透光性導電層との対向関係を異ならせてもよいことは、第2の実施形態の場合と同様である。
【0103】
発光モジュール301は、1つの発光装置1を備えることとしてもよいし、複数の発光装置1を備えるようにしてもよいのは、第2の実施形態の場合と同様である。複数の発光装置1を配置する場合には、この例のようにすべての発光装置1の端子の位置をX軸方向およびY軸方向でそろえてもよいし、そろえなくてもよい。たとえば、複数の発光装置1の発光部のそれぞれの位置が行列状配置になる限度で、発光装置1のX軸およびY軸から傾いた状態での配置となってもよい。
【0104】
本実施形態の発光モジュール301の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール301では、発光装置1の光取出面である第1面S1と第2面S2とを2枚の透光性導電層を有する透光性板で挟んで電気的な接続をとることができるので、より薄型化された両面発光の発光モジュール301を実現することができる。
【0105】
本実施形態の発光モジュール301では、発光装置1は、第3端子61と第4端子62との間に印加される電圧差の極性にかかわらず両面発光が可能なので、透光性導電層上に配置する際に、端子の極性を識別する必要がない。そのため、発光モジュール301の製造のスループットを向上させ、生産性の向上に寄与することができる。
【0106】
(第4の実施形態)
図15は、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な正面図である。
図15に示すように、本実施形態の発光モジュール401は、発光装置1と、第3透光性板310と、支持部材410と、光学部材420と、を備える。
図15では、1つの発光装置1を備えた発光モジュール401が示されているが、発光装置1は1つに限らず、複数あってもよい。
発光装置1は、第1の実施形態で説明した発光装置である。第3透光性板310は、第2、第3の実施形態で説明した第1透光性板と同様に構成されている。すなわち、第3透光性板310は、一方の面に第3透光性導電層312を配置した透光性基材311を含んでいる。第3透光性導電層312および透光性基材311は、第1透光性導電層212および透光性基材211と同様の材料でそれぞれ形成されている。同一の構成要素は、詳細な説明を省略する場合がある。
【0107】
本実施形態の3次元座標では、支持部材410の一方の面410aは、XY平面に平行な面である。X軸およびY軸は、任意の方向にとることができる。この例では、発光装置1および光学部材420がX軸方向に沿って配置されている。Z軸の方向および正負に関する事項は、第2の実施形態と同じである。
【0108】
第3透光性板310は、支持部材410に対向して配置される。
【0109】
支持部材410は、面410aを有する板状の部材であり、発光装置1および光学部材420を支持する。支持部材410の一方の面410aには、導電層(導電性を有する部分)412が配置されている。導電層412は、支持部材410の面410aの全体に配置されてもよいし、一部に配置されてもよい。支持部材410および導電層412は、透光性を有していなくてもよいし、透光性を有してもよい。
【0110】
光学部材420は、支持部材410の面410a上に配置される。光学部材420は、面410a上に載置され、発光装置1から出射される光の光路内に配置される。この例では、光学部材420は、面410aからの角度θの傾斜面421を有する反射体である。角度θは、光学部材420に入射する光が反射する方向に応じて設定される。傾斜面421に入射する光は、傾斜面421ですべて反射されてもよいし、一部の光が反射され他の光が透過されてもよい。傾斜面421は平面でもよいし、凸面や凹面を有する面でもよい。また、発光モジュール401の用途によっては、発光装置1からの光を効率よく取り出すために、プリズムやフィルタ等の他の光学部材としてもよい。
【0111】
発光装置1は、第3透光性板310と支持部材410との間に配置される。発光装置1は、第1端子51または第2端子52が、導電層412に対向するように配置される。この例では、発光装置1は、第1端子51が導電層412に対向して配置され、第1端子51は、導電層412に接続される。発光装置1は、第2端子52が第3透光性導電層312に対向して配置され、第2端子52は、第3透光性導電層312接続される。発光装置1は、第2端子52が導電層412に対向配置され、導電層412に接続され、第1端子51が第3透光性導電層312に対向配置され、第3透光性導電層312に接続されてもよい。
【0112】
光学部材420は、第3透光性板310と支持部材410との間に配置される。この例では、光学部材420は、傾斜面421が発光装置1の光取出面である第2面S2に対向するように配置される。この例では、発光装置1は、第2面S2が傾斜面421と向かい合うように、発光装置1および光学部材420が配置される。発光装置1は、第1面S1が傾斜面421に対向するように配置されてもよい。
【0113】
本実施形態の発光モジュール401の動作について説明する。
本実施形態の発光モジュール401では、第1面S1および第2面S2の両面からの出射光の光路を異ならせることができる。この例では、第1面S1からの光は、
図15の太い直線矢印で示すように、第1透光性板210と支持部材410との間の間隙に沿って出射される。第2面S2からの光は、
図15の屈曲された太い矢印で示すように、光学部材420の傾斜面421により反射され、第1透光性板210を介して出射される。
【0114】
本実施形態の発光モジュール401の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール401では、第3透光性板310と支持部材410との間に配置された光学部材420を含んでいるため、発光装置1の光取出面からの光の光路を変更したり、出射光に処理を加えたりすることができ、さまざまな光学的演出が可能になる。
【0115】
以上説明した実施形態によれば、端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、その発光装置を用いた発光モジュールおよびその発光装置の製造方法を実現することができる。
【0116】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0117】
1、101…発光装置、21、1121…第1導体、22、1122…第2導体、40a…第1発光素子、40b…第2発光素子、41…第1発光部、42…第2発光部、43…第3発光部、44…第4発光部、51、251…第1端子、52、252…第2端子、61、61-1、61-2…第3端子、62、62-1、62-2…第4端子、70…透光性部材、71、1071…第1透光性部材、72、1072…第2透光性部材、81、1081…第1側面、82、1082…第2側面、120、120a…発光素子、201、301、401…発光モジュール、210…第1透光性板、211、221、311…透光性基材、212…第1透光性導電層、220…第2透光性板、222…第2透光性導電層、310…第3透光性板、312…第3透光性導電層、410…支持部材、412…導電層、420…光学部材、1120、1150…導電層