(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
G02B 3/00 20060101AFI20240215BHJP
G02B 3/08 20060101ALI20240215BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20240215BHJP
B29C 39/12 20060101ALI20240215BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240215BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20240215BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240215BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240215BHJP
【FI】
G02B3/00 Z
G02B3/08
G03B15/02 S
B29C39/12
H01L33/58
F21V5/00 100
F21V5/00 510
F21V5/04 650
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2022209449
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2018162679の分割
【原出願日】2018-08-31
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡久 強志
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】岸本 智久
【審査官】中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/047358(WO,A1)
【文献】特開2011-054829(JP,A)
【文献】特開2006-216887(JP,A)
【文献】特開2010-103404(JP,A)
【文献】特開2010-238837(JP,A)
【文献】特開2007-149712(JP,A)
【文献】特開2009-210996(JP,A)
【文献】中国実用新案第204678257(CN,U)
【文献】特開2014-006488(JP,A)
【文献】中国実用新案第205137343(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/00- 3/14
G02B 5/00
G02B 7/02
G03B15/02
H01L33/48-33/64
F21V 5/04
F21V15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子が載置され、かつ反射材料からなる介在部材が設けられた基板と、
レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の下方
の一部に設けられた鍔部と、を備えるカバー部と、
前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側を覆い、前記カバー部よりも光吸収率又は光反射率が高い遮光部と、を有し、
前記介在部材は、前記鍔部の下面に接合され、
前記レンズ部と前記介在部材とで前記鍔部の内側に凹部を形成し、
前記レンズ部が前記発光素子に対向するように、前記基板と前記介在部材とが接合され、
前記レンズ部は、凸レンズと、前記凸レンズ
の光出射面に複数の突状部を有し、前記発光素子からの光を透過する位置に設けられている発光装置。
【請求項2】
前記複数の突状部は、同心円又は同心楕円状に配列する請求項
1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記発光素子の上面が透光性部材で覆われており、前記凹部の内底面と前記透光性部材の上面との空隙が0.05mm~0.5mmである請求項
1又は請求項
2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光素子と、前記レンズ部及び前記接続部とは
離れている請求項
1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記接続部よりも前記レンズ部の側に前記発光素子が近くなるように前記接続部が形成されている請求項
4に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンズ及び発光装置並びにそれらの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等のフラッシュ光源として、回路基板上に搭載されたLED素子と、LED素子と対向する位置に配置され光学レンズを有するカバーと、カバーと一体的に形成された反射部材とを有する発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の発光装置では、反射部材として金属膜を用い、真空蒸着法等で金属膜を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発光装置では、製造方法が煩雑であるため、均一な金属膜を形成することが困難で、カバー側面からLED素子の光が漏れるおそれがある。
【0005】
そこで、本開示に係る実施形態は、光漏れを低減できるレンズ及び発光装置並びにそれらの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係るレンズは、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記接続部とで凹部を形成し、前記鍔部は前記凹部から外向き方向に設けられており、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成しているカバー部と、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側を覆い、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している遮光部と、を備える。
【0007】
また、本開示の実施形態に係るレンズは、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成し、前記鍔部の厚みが5μm~30μmであるカバー部と、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側を覆い、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している遮光部と、を備える。
【0008】
また、本開示の実施形態に係るレンズは、レンズ部と前記レンズ部を接続する接続部とを有し、前記レンズ部と前記接続部とで凹部を形成し、前記レンズ部と前記接続部とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成しているカバー部と、前記接続部の外側を覆い、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している遮光部と、を備える。
【0009】
本開示の実施形態に係る発光装置は、発光素子と、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記接続部とで前記鍔部の内側に凹部を形成し、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成しているカバー部と、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側を覆い、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している遮光部とを有するレンズと、を備え、前記レンズ部は、前記発光素子からの光を透過する位置に設けられている。
【0010】
また、本開示の実施形態に係る発光装置は、発光素子と、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成し、前記鍔部の厚みが5μm~30μmであるカバー部と、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側を覆い、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している遮光部とを有するレンズと、を備え、前記レンズ部は、前記発光素子からの光を透過する位置に設けられている。
【0011】
また、本開示の実施形態に係る発光装置は、発光素子と、レンズ部と前記レンズ部を接続する接続部とを有し、前記レンズ部と前記接続部とで凹部を形成し、前記レンズ部と前記接続部とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成しているカバー部と、前記接続部の外側を覆い、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している遮光部とを有するレンズと、を備え、前記レンズ部は、前記発光素子からの光を透過する位置に設けられている。
【0012】
本開示の実施形態に係るレンズの製造方法は、熱硬化性の第1樹脂を第1金型内に注入し硬化して、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記接続部とで前記鍔部の内側に凹部を形成し、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを連続して形成しているカバー部を複数有するカバーブランクを作製する工程と、前記カバーブランクを作製後、前記第1金型の一部又は全部を取り外す工程と、前記カバーブランクを第2金型内に配置する工程と、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂を前記第2金型内に注入し硬化して、隣り合う前記カバー部の間に遮光部が形成されたレンズブランクを作製する工程と、前記レンズブランクを取り出し、取り出した前記レンズブランクを、隣り合う前記カバー部の間に形成された前記遮光部で切断し、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側が前記遮光部で覆われたレンズを作製する工程と、を行う。
【0013】
また、本開示の実施形態に係るレンズの製造方法は、熱硬化性の第1樹脂を第1金型内に注入し硬化して、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを連続して形成し、前記鍔部の厚みが5μm~30μmであるカバー部を複数有するカバーブランクを作製する工程と、前記カバーブランクを作製後、前記第1金型の一部又は全部を取り外す工程と、前記カバーブランクを第2金型内に配置する工程と、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂を前記第2金型内に注入し硬化して、隣り合う前記カバー部の間に遮光部が形成されたレンズブランクを作製する工程と、前記レンズブランクを取り出し、取り出した前記レンズブランクを、隣り合う前記カバー部の間に形成された前記遮光部で切断し、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側が前記遮光部で覆われたレンズを作製する工程と、を行う。
【0014】
また、本開示の実施形態に係るレンズの製造方法は、熱硬化性の第1樹脂を第1金型内に注入し硬化して、レンズ部と前記レンズ部の外周に設けられた接続部と前記接続部の外周の一部に設けられた鍔部とを有し、前記レンズ部と前記鍔部と前記接続部とを連続して形成しているカバー部を複数有するカバーブランクを作製する工程と、前記カバーブランクを作製後、前記第1金型を取り外す工程と、前記カバーブランクを、隣り合う前記カバー部の間に形成された前記鍔部で切断する工程と、切断された前記カバーブランクを第2金型内に配置する工程と、前記第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂を前記第2金型内に注入し硬化して、隣り合う前記カバー部の間に遮光部が形成されたレンズブランクを作製する工程と、前記レンズブランクを取り出し、取り出した前記レンズブランクを、隣り合う前記カバー部の間に形成された前記遮光部で切断し、前記鍔部の側端面及び上面、及び、前記接続部の外側が前記遮光部で覆われ、かつ、前記鍔部の外側端面も前記遮光部で覆われたレンズを作製する工程と、を行う。
【0015】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法は、前記レンズの製造方法を用いてレンズを準備する工程と、前記レンズ部が発光素子からの光を透過するように前記レンズを配置する工程と、を行う。
【発明の効果】
【0016】
本開示の実施形態に係るレンズ及び発光装置によれば、光漏れを低減できる。また、本開示の実施形態に係るレンズの製造方法及び発光装置の製造方法によれば、光漏れを低減できるレンズ及び発光装置を容易に安価なコストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係るレンズを用いた発光装置の構成を示す模式的に示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るレンズの構成を模式的に示す平面図である。
【
図3】第1実施形態に係るレンズを中央で断面にした構成を模式的に示す断面図であり、
図2のIII-III線における断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る発光装置を中央で断面にした構成を模式的に示す断面図である。
【
図5】第1実施形態に係るレンズの製造方法の手順を示すフローチャートである。
【
図6A】第1実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図6B】第1実施形態に係るレンズの製造方法において、第1金型を取り外す工程を模式的に示す断面図である。
【
図6C】第1実施形態に係るレンズにおけるカバーブランクの構成を模式的に示す平面図である。
【
図6D】第1実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図6E】第1実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図7】第2実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面した構成を模式的に示す断面図である。
【
図8A】第2実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図8B】第2実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図9】第3実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面した構成を模式的に示す断面図である。
【
図10】第3実施形態に係るレンズの製造方法の手順を示すフローチャートである。
【
図11A】第3実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図11B】第3実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを切断する工程を模式的に示す断面図である。
【
図11C】第3実施形態に係るレンズの製造方法において、切断したカバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図11D】第3実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図12】第4実施形態に係るレンズを用いた発光装置の構成を示す模式的に示す斜視図である。
【
図13】第4実施形態に係るレンズの構成を模式的に示す平面図である。
【
図14】第4実施形態に係るレンズを中央で断面にした構成を模式的に示す断面図であり、
図13のXIV-XIV線における断面図である。
【
図15】第5実施形態に係るレンズを用いた発光装置の構成を示す模式的に示す斜視図である。
【
図16】第5実施形態に係るレンズの構成を模式的に示す平面図である。
【
図17】第5実施形態に係るレンズを中央で断面にした構成を模式的に示す断面図であり、
図16のXVII-XVII線における断面図である。
【
図18A】第5実施形態に係るレンズにおけるカバーブランクの構成を模式的に示す平面図である。
【
図18B】第5実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図18C】第5実施形態に係るレンズの製造方法において、切断したカバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図18D】第5実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図19】第6実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面した構成を模式的に示す断面図である。
【
図20】第6実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【
図21】第7実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面にした構成を模式的示す断面図である。
【
図22】第8実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面にした構成を模式的示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するためのレンズ、発光装置及びそれらの製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るレンズを用いた発光装置の構成を示す模式的に示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係るレンズの構成を模式的に示す平面図である。
図3は、第1実施形態に係るレンズを中央で断面にした構成を模式的に示す断面図であり、
図2のIII-III線における断面図である。
図4は、第1実施形態に係る発光装置を中央で断面にした構成を模式的に示す断面図である。
発光装置100は、発光素子51と、レンズ1と、を備える。また、発光装置100は、さらに、発光素子51が載置される基板52を備える。
【0020】
[レンズ]
はじめに、レンズ1について説明する。
レンズ1は、カバー部2と、遮光部3と、を備えている。
レンズ1のカバー部2は、レンズ部21と、レンズ部21の外周に設けられた接続部22と、接続部22の外周の一部に設けられた鍔部23と、を有し、レンズ部21と接続部22と鍔部23とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成している。また、レンズ1の遮光部3は、鍔部23の側端面23c及び上面23a、及び、接続部22の外側を覆い、第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している。このレンズ1は、一例として携帯電話等のフラッシュレンズに使用されている。
【0021】
(カバー部)
カバー部2は、後記する発光素子51を覆うように形成されている。このカバー部2は、レンズ部21と鍔部23と接続部22とを熱硬化性の第1樹脂で連続して形成している。また、カバー部2は、レンズ部21と接続部22とで凹部4を形成し、鍔部23は凹部4から外向き方向に設けられている。
【0022】
レンズ部21は、発光素子51からの光を外部に平行光や集光、拡散光として出射する部材である。このレンズ部21は、発光素子51から出射される光が入射される光入射面21aと、入射された光が光入射面21aと反対側から屈折して外部に射出される光出射面21bとを有する。
レンズ部21自体の平面視における外形は、特に限定されるものではなく、四角形、六角形、八角形等の多角形でもよいし、円形又は楕円形でもよい。レンズ部21は、中央のレンズとして機能する部分が円形又は楕円形であるものが好ましく、円形がより好ましい。レンズ部21の最大厚みは、例えば、0.1mm~10mmが挙げられ、0.5mm~5mmが好ましい。
【0023】
レンズ部21には、フレネルレンズ、TIR(Total Internal Reflection:内部全反射 )レンズ等が用いられ、フレネルレンズが好ましい。フレネルレンズ21は、レンズ中心が1個に特定されず、複数個であってもよい。複数個のフレネルレンズ21は、発光素子51の配置に対応して、奇数個の場合には千鳥状に、偶数個の場合には行列状に配置されることが好ましい。
【0024】
フレネルレンズ21は、光入射面21a及び光出射面21bの両面に、複数の突状部21cを同心円となるように有する。複数の突状部21cは、断面が凸レンズのレンズ曲面となる断面形状に形成されている。また、複数の突状部21cは、フレネルレンズ21の半径方向に同心円又は同心楕円に沿って配置されていることが好ましい。さらに、フレネルレンズ21において、複数の突状部21cが形成される面のベース形状は、平坦でもよいし、凹レンズ又は凸レンズを構成する形状であってもよい。
【0025】
突状部21cの断面形状は、中心側の直線と、外周側のレンズ曲面で形成されている。突状部21cの断面形状は、出射される光の方向に合うように、内側に凹又は凸の曲線のいずれで構成されていてもよい。突状部21cの頂点部における角度(フレネル角)は、発光素子51の光が外部に平行光として出射されるように、適宜調整される。
【0026】
接続部22は、レンズ部21の周縁から下方に屈曲するように連続して形成され、レンズ部21の外周に接続する部材である。この接続部22は、外周縁に鍔部23を一例として直交方向に接続し、レンズ部21とで鍔部23の内側に発光素子51を収納する凹部4を形成する。凹部4の断面形状は、矩形が好ましいが、半円、半楕円であってもよい。接続部22は、レンズ部21の平面における外周形状が矩形であるため、各辺にそれぞれ形成され、対向するもの同士が平行に形成されている。接続部22の厚みは、例えば50μm~200μmが挙げられ、50μm~100μmが好ましい。なお、凹部4の内底面の中央にレンズ部21が位置するように形成されていることが好ましい。
【0027】
鍔部23は、接続部22の下端部から直交して外側に張り出すように連続して形成され、接続部22の外周の一部に設けられている。この鍔部23は、板状の部材で、発光素子51が載置されている基板52との接合や固定に用いられる。
鍔部23が接続部22の外周の一部に設けられている構成とすることで、鍔部23を少なくすることができ、鍔部23の面積を小さくすることができる。これにより、レンズ1として使用時に、レンズ1の側方への、特に鍔部23からの光漏れがより低減できる。
【0028】
鍔部23は、レンズ部21の中心に対して、対向する位置に配置されている。これにより、基板52との接合や固定を安定して行うことができる。鍔部23は、接続部22の1つの側面に1つ配置されており、接続部22の外周に4つ配置されている。鍔部23は、それぞれ、側面の中央の位置に配置されている。これにより、接続部22の対向する側面にそれぞれ形成された鍔部23が、レンズ部21の中心に対して、対向する位置に配置されている。
【0029】
鍔部23の厚みは、5μm~30μmであることが好ましい。鍔部23は、5μm~30μmであるような薄肉化されているので、レンズ1として使用時に、レンズ1の側方への、特に鍔部23からの光漏れが低減できる。鍔部23の厚みは20μm以下であることがより好ましい。
また、鍔部23は、接続部22の下端部から外側に張り出した長さが200~3000μmであることが好ましい。これにより、鍔部23と基板52との接合や固定が安定する。また、鍔部23に接着剤を塗布して、基板52と接合することが容易にできる。
また、鍔部23は、接続した接続部22の側面と平行な方向での幅が50μm~1000μmであることが好ましく、50μm~500μmが好ましく、100μm~300μmがより好ましい。これにより、レンズ1として使用時に、レンズ1の側方への、特に鍔部23からの光漏れがより低減できる。また、これにより、接着剤を用いて基板52に接合する際に、鍔部23に接着剤を塗布し易くなり、基板52との接合や固定をより安定して行うことができる。
【0030】
カバー部2を形成している第1樹脂は、透光性の熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられ、シリコーン樹脂が好ましい。このように、従来使用されていたポリカーボネイト等の熱可塑性樹脂に比べて、光や熱に強い熱硬化性樹脂を用いることによって、カバー部2の劣化を抑制でき、さらには、劣化によって褐色化した部分に光や熱が集中して加速度的に黒色化が進行する経時劣化を抑制できる。また、シリコーン樹脂は、熱流動性が高いため、薄肉の鍔部23の成形が可能となる。
【0031】
(遮光部)
遮光部3は、接続部22の外側面22a及び鍔部23の上面23aを覆う部材で、第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂で形成している。
遮光部3は、接続部22及び鍔部23の形状に沿って、均一な厚みで形成された部材である。具体的には、遮光部3は、その断面形状が接続部22の外側面22aの形状に沿った形状、又は、鍔部23が存在する部分では、断面形状が接続部22の外側面22a及び鍔部23の上面23aの形状に沿った形状であり、鍔部23が存在する部分では、一例としてL字状に屈曲した形状となる。また、遮光部3は、遮光部3の厚み、すなわち、接続部22と直交する方向、又は、鍔部23と直交する方向での厚みは、200μm~3000μmであることが好ましい。これにより、接続部22の外側面22a、及び、鍔部23の側端面23c及び上面23aが、光を透過することなく確実に遮光部3で覆われる。遮光部3は、接着材を用いることなく、接続部22の外側面22a及び鍔部23の上面23aに設けられている。接着材を用いていないため、接着材の劣化や剥離、光吸収が生じない。なお、鍔部23の側端面23cとは、鍔部23の長さ方向と厚み方向とがなす側面のことである。
【0032】
遮光部3は、鍔部23の側端面23c及び上面23a、及び、接続部22の外側を覆う。鍔部23の側端面23cは、少なくとも一部が遮光部3で覆われていればよい。例えば、鍔部23は、片側の側端面23cのみが遮光部3で覆われていてもよいし、両側の側端面23cが、部分的に遮光部3で覆われていてもよい。さらに、鍔部23の側端面23cの全部が遮光部3で覆われていることが好ましい。鍔部23の側端面23cの全部が遮光部3で覆われていることで、レンズ1として使用時に、レンズ1の側方への、特に鍔部23からの光漏れがより低減できる。
【0033】
遮光部3を形成している第2樹脂は、透光性の第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性樹脂である。第2樹脂としては、第1樹脂と同様な透光性の熱硬化性樹脂、好ましくはシリコーン樹脂に、光吸収率が高いカーボン等の黒色物質、又は、光反射率の高い酸化チタン等の白色物質を含有させた黒色樹脂又は白色樹脂を用いる。これにより、透光性の第1樹脂で形成された接続部22が光吸収率又は光吸収率が高い第2樹脂で形成された遮光部3で覆われるため、レンズ1として使用時に、発光素子51からの光が遮光部3で吸収又は反射されるため、レンズ1の側方への、特に接続部22からの光漏れが低減できる。
【0034】
[発光装置]
次に、発光装置100について説明する。
発光装置100は、発光素子51と、レンズ1と、好ましくは基板52と、を備え、レンズ1のレンズ部21は、発光素子51からの光を透過する位置に設けられている。また、発光装置100は、さらに透光性部材53を備えてもよい。発光装置100は、遮光部3で覆われたレンズ1を備えることよって、遮光部3で発光素子51からの光が吸収又は反射されるため、レンズ1の側方への光漏れが低減できる。なお、レンズ1については、前記と同様であるので、説明を省略する。
【0035】
(発光素子)
発光素子51は、少なくとも窒化物半導体積層体を備えることが好ましい。窒化物半導体積層体は、第1半導体層(例えば、n型半導体層)、発光層、第2半導体層(例えば、p型半導体層)がこの順に積層されており、発光に寄与する積層体である。窒化物半導体積層体の厚みは、30μm程度以下が好ましい。
第1半導体層、発光層及び第2半導体層の種類、材料は特に限定されるものではなく、例えば、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等、種々の半導体が挙げられる。具体的には、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料が挙げられ、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等を用いることができる。各層の膜厚及び層構造は、当該分野で公知のものを利用することができる。発光素子51の形状は、通常四角形であるが、円形、楕円形、三角形、六角形等の多角形であってもよい。
【0036】
(透光性部材)
発光素子51は、その上面がスプレー法等によって形成された透光性部材53で覆われていることが好ましい。透光性部材53は、発光素子51を、外力、埃、水分等から保護すると共に、発光素子51の耐熱性、耐候性、耐光性を良好なものとするために設けられている。透光性部材53は、発光層から出射される光の60%以上を透過するものが好ましい。このような部材は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等などによって形成することができる。具体的には、エポキシ、変性エポキシ樹脂、シリコーン、変性シリコーン、ハイブリッドシリコーン樹脂等が挙げられる。
【0037】
透光性部材53には、出射光の色調整のために、発光素子51からの光を波長変換する蛍光体を含有するものが好ましい。蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体等が挙げられる。
透光性部材53は、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ガラス、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合材との焼結体等が挙げられる。
【0038】
(基板)
基板52は、発光素子51が載置されるもので、従来公知のサファイア、スピネル、SiC等からなる基材に配線パターンが形成されたものが用いられる。
また、発光素子51は、基板52にフリップチップ実装されているものが好ましい。発光素子51は、基板52上に1つのみ載置してもよいし、複数でもよい。複数の発光素子51が載置される場合、その配置は不規則でもよく、行列など規則的又は周期的に配置されてもよい。複数の発光素子51は、直列、並列、直並列又は並直列のいずれの接続形態でもよい。
【0039】
(発光素子とレンズとの配置)
レンズ1は、レンズ部21が発光素子51からの光を透過する位置に設けられている。レンズ1は、レンズ部21が発光素子51と対向して、鍔部23により基板52に設置される。これにより、基板52上で発光素子51にレンズ部21が対向してレンズ1が配置され、発光素子51からの光が鍔部23を介してレンズ1の側方へ漏れるのを低減できる。
【0040】
発光素子51は、レンズ部21及び接続部22と離間して配置されている。具体的には、レンズ部21と接続部22とで形成される凹部4の高さは0.4mm~1.5mm程度である。そのため、凹部4の内底面と発光素子51の上面との空隙は0.05mm~0.5mm程度である。これにより、発光素子51からの熱がレンズ部21に直接伝わることがなく、レンズ部21の熱劣化が抑制される。
【0041】
レンズ1は、接続部22よりもレンズ部(フレネルレンズ)21の側に発光素子51が近くなるように、接続部22を形成している。レンズ1は、レンズ部(フレネルレンズ)21と接続部22とで凹部4を形成し、発光素子51からの距離が接続部22よりもレンズ部21までの方が近くなるようにしている。具体的には、発光素子51の中心(又は重心)が、フレネルレンズ21の中心(又は重心)に対向するように配置されている。つまり、レンズ1は、同心円又は同心楕円状に配列する各突状部21cの中心と発光素子51の中心とが一致するように配置されている。なお、レンズ部21を複数備えるレンズ(複眼レンズ)の場合は、発光素子51の中心がレンズ全体の中心に近づくようにずらして配置してもよい。このような発光素子51の配置によって、発光素子51と接続部22及び鍔部23との間の空間が狭くなりすぎることがないため、鍔部23を通過する発光素子51の光を低減できる。
【0042】
[レンズの製造方法]
次に、レンズの製造方法について説明する。
図5は、第1実施形態に係るレンズの製造方法の手順を示すフローチャートである。
図6Aは、第1実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図6Bは、第1実施形態に係るレンズの製造方法において、第1金型を取り外す工程を模式的に示す断面図である。
図6Cは、第1実施形態に係るレンズにおけるカバーブランクの構成を模式的に示す平面図である。
図6Dは、第1実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図6Eは、第1実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
なお、
図6A、
図6B、
図6D、
図6Eでは、複数のレンズを一度に製造するものであるが、1つのレンズの部分を説明し、隣り合う他のレンズの部分は説明を省略している。
【0043】
レンズ1の製造方法は、カバーブランクを作製する工程S1と、第1金型を取り外す工程S2と、カバーブランクを第2金型内に配置する工程S3と、レンズブランクを作製する工程S4と、レンズを作製する工程S5と、を有し、この順に行う。このような製造方法により、光漏れが低減できるレンズ1を作製できる。
なお、各部材の材質や配置等については、前記したレンズ1の説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0044】
(カバーブランクを作製する工程)
カバーブランクを作製する工程S1は、熱硬化性の第1樹脂を第1金型内に注入し硬化して、レンズ部21とレンズ部21の外周に設けられた接続部22と接続部22の外周の一部に設けられた鍔部23とを有し、レンズ部21と鍔部23と接続部22とを連続して形成しているカバー部2を複数有するカバーブランク20を作製する工程である。
【0045】
この工程S1では、第1金型として、トランスファー成形で用いられる上型61及び下型62が用いられる。そして、上型61と下型62とを閉じた状態で、上型61に形成された樹脂注入口61aから加熱軟化した第1樹脂が加圧下で注入される。加熱された金型内で第1樹脂が硬化することで、複数のカバー部2が鍔部23で接続したカバーブランク20が成形される。
【0046】
この工程S1では、作製されたカバーブランク20が、レンズ部21と接続部22とで鍔部23の内側に凹部4が形成されたカバー部2を複数有するように、予め設計された上型61及び下型62を用いる。また、この工程で作製されたカバーブランク20のレンズ部21は、両面に複数の突状部21cを有する。この工程では、作製されたカバーブランク20が、一例として鍔部23の厚みが5μm~30μmであるカバー部2を複数有するように、予め設計された上型61及び下型62を用いる。
【0047】
(第1金型を取り外す工程)
第1金型を取り外す工程S2は、カバーブランク20を作製後、第1金型の一部又は全部を取り外す工程である。ここでは、第1金型の一部である上型61を取り外し、作製したカバーブランク20を下型62で保持することとする。
【0048】
(カバーブランクを第2金型内に配置する工程)
カバーブランクを第2金型内に配置する工程S3は、カバーブランク20を保持した下型62の上に、第1金型と同様にトランスファー成形で用いられる別の上型71を配置する工程である。ここでは、第2金型として、上型71及び下型62が用いられる。
【0049】
(レンズブランクを作製する工程)
レンズブランクを作製する工程S4は、第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂を第2金型内に注入し硬化して、隣り合うカバー部2の間に遮光部3が形成されたレンズブランク10を作製する工程である。
【0050】
この工程S4では、上型71と下型62とを閉じた状態で、上型71に形成された樹脂注入口71aから加熱軟化した第2樹脂が加圧下で注入される。加熱された金型内で第2樹脂が硬化することで、隣り合うカバー部2の間に、接続部22の外側面22a、及び、鍔部23上面23aの外形状に沿った屈曲した形状の遮光部3が形成されたレンズブランク10が成形される。この工程S4では、鍔部23の側端面23cにも遮光部3が形成される。鍔部23の側端面23cは、少なくとも一部が遮光部3で覆われていればよいが、鍔部23の側端面23cの全部が遮光部3で覆われていることが好ましい。
【0051】
(レンズを作製する工程)
レンズを作製する工程S5は、レンズブランク10を個片化してレンズ1を作製する工程である。すなわち、この工程S5は、第2金型の全部を取り外してレンズブランク10を取り出し、取り出したレンズブランク10を、隣り合うカバー部2の間に形成された遮光部3の中央で切断する。そして、遮光部3で個片化し切断することで、レンズブランク10が個片化して、鍔部23の側端面23c及び上面23a、及び、接続部22の外側が遮光部3で覆われたレンズ1を作製する工程である。
【0052】
この工程S5では、レンズブランク10の鍔部23の側端面23c及び上面23aに形成された遮光部3の部分のみを鍔部23と共に中央で切断して、接続部22の外側面22a及び、鍔部23の側端面23c及び上面23aが遮光部3で覆われたレンズ1を作製する。ここで、作製されたレンズ1の遮光部3は、その断面形状が、接続部22の外側面22aの形状に沿った形状、又は、鍔部23が存在する部分では、断面形状が接続部22の外側面22a、及び、鍔部23の上面23aの外形状に沿った屈曲した形状となる。遮光部3の切断には、従来公知のブレード等の切断工具91を用いて行う。そして、作製されるレンズ1の鍔部23の長さが200μm~3000μmとなるように、切断工具91の切断幅を適宜調整することが好ましい。
【0053】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100の製造方法について説明する。発光装置100の製造方法については図示しないが、発光装置100の構成を示す
図1及び
図4を参照して説明する。
発光装置100の製造方法は、レンズを準備する工程と、設置した発光素子にレンズを配置する工程と、を有する。
なお、レンズを準備する工程については、前記のレンズの製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
(レンズを配置する工程)
レンズを配置する工程は、レンズ部21が発光素子51からの光を透過するようにレンズ1を配置する工程である。この工程では、レンズ部21と接続部22とで鍔部23の内側に形成した凹部4の内部に、好ましくは基板52に載置された発光素子51が位置するようにレンズ1を配置する。ここで、発光素子51は、透光性部材53で覆われたものであってもよい。
【0055】
この工程では、発光素子51を基板52に載置することが好ましく、半田付け等で発光素子51を基板52にフリップチップ実装することが好ましい。そして、基板52に発光素子51を載置した後に鍔部23を基板52に接続することが好ましい。また、この工程では、発光素子51からレンズ1の接続部22及びレンズ部21が離間するようにレンズ1を配置している。具体的には、凹部4の内底面と、発光素子51又は透光性部材53の上面との空隙が0.05mm~0.5mmであることが好ましい。さらに、この工程では、接続部22よりもレンズ部21の側に発光素子51が近くなるように接続部22(凹部4)を形成することが好ましい。具体的には、発光素子51の中心(又は重心)が、レンズ部(フレネルレンズ)21の中心(又は重心)、つまり、同心円又は同心楕円状に配列する各突状部21cの中心と一致するように配置されていることが好ましい。
【0056】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について
図7を参照して説明する。
図7は、第2実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面した構成を模式的に示す断面図である。なお、すでに説明した構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
[レンズ及び発光装置]
レンズ1A及び発光装置100Aについて説明する。
【0057】
第2実施形態に係るレンズ1A及び発光装置100Aは、遮光部3Aが、第1実施形態の遮光部3と比べて肉厚の部材からなり、その断面形状が、鍔部23が存在する部分において、接続部22の外側面22a、及び、鍔部23の上面23aの形状に沿った屈曲した形状ではなく、接続部22の外側面22aの形状に沿った長方形の形状となる。それ以外の事項については、第1実施形態に係るレンズ1及び発光装置100と同様である。
第2実施形態に係るレンズ1A及び発光装置100Aは、このような肉厚の遮光部3Aを有することによって、光漏れをさらに低減できる。
【0058】
[レンズの製造方法]
次に、レンズ1Aの製造方法について説明する。
図8Aは、第2実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図8Bは、第2実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【0059】
レンズ1Aの製造方法は、第1実施形態に係るレンズの製造方法と同様に、カバーブランクを作製する工程S1と、第1金型を取り外す工程S2と、カバーブランクを第2金型内に配置する工程S3と、レンズブランクを作製する工程S4と、レンズを作製する工程S5と、を有し、この順に行う。
【0060】
レンズ1Aの製造方法は、すでに説明した製造方法において、カバーブランク20を第2金型内に配置する工程S3において、前記した第2金型(上型71及び下型62)と異なる第2金型(上型81及び下型62)内にカバーブランク20を配置する。そして、レンズブランク10Aを作製する工程S4では、第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂を第2金型内に注入し硬化して、隣り合うカバー部2の間に、接続部22の外側面22aの形状に沿った長方形の形状の遮光部3Aが形成されたレンズブランク10Aが成形される。また、レンズ1Aを作製する工程S5では、レンズブランク10Aの接続部22の外側面22aの間に形成された遮光部3Aの中央を、鍔部23と共に切断して、接続部22の外側面22a及び、鍔部23の側端面23c及び上面23aが遮光部3で覆われたレンズ1Aを作製する。ここで、作製されたレンズ1Aの遮光部3Aは、その断面形状が、接続部22の外側面22aの形状に沿った長方形の形状となる。それ以外の事項については、第1実施形態のレンズ1の製造方法と同様である。
【0061】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100Aの製造方法について説明する。
発光装置100Aの製造方法は、レンズを準備する工程と、設置した発光素子にレンズを配置する工程と、を有し、この順で行う。レンズ1Aを用いる以外の事項については、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法と同様である。
【0062】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について、
図9を参照して説明する。
図9は、第3実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面した構成を模式的に示す断面図である。なお、すでに説明した構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
[レンズ及び発光装置]
レンズ1B及び発光装置100Bについて説明する。
【0063】
第3実施形態に係るレンズ1B及び発光装置100Bは、遮光部3Bの形態を、第2実施形態の遮光部3Aよりもさらに肉厚とし、鍔部23の外側端面23bを覆う形態とした。それ以外の事項については、第2実施形態に係るレンズ1A及び発光装置100Aと同様である。
第3実施形態に係るレンズ1B及び発光装置100Bは、このような肉厚の外側端面23bを覆う遮光部3Bを有することによって、遮光部3Bでの光漏れをさらに低減できる。
【0064】
[レンズの製造方法]
次に、レンズ1Bの製造方法について説明する。
図10は、第3実施形態に係るレンズの製造方法の手順を示すフローチャートである。
図11Aは、第3実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図11Bは、第3実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを切断する工程を模式的に示す断面図である。
図11Cは、第3実施形態に係るレンズの製造方法において、切断したカバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図11Dは、第3実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【0065】
レンズ1Bの製造方法は、カバーブランクを作製する工程S11と、第1金型を取り外す工程S12と、カバーブランクを切断する工程S13と、カバーブランクを第2金型内に配置する工程S14と、レンズブランクを作製する工程S15と、レンズを作製する工程S16と、を有し、この順に行う。このような製造方法により、光漏れが低減できるレンズ1Bを作製できる。
なお、各部材の材質や配置等については、前記したレンズ1Bの説明で述べた通りであるので、ここでは、適宜、説明を省略する。
【0066】
(カバーブランクを作製する工程)
カバーブランクを作製する工程S11は、熱硬化性の第1樹脂を第1金型内に注入し硬化して、レンズ部21とレンズ部21の外周に設けられた接続部22と接続部22の外周の一部に設けられた鍔部23とを有し、レンズ部21と鍔部23と接続部22とを連続して形成しているカバー部2を複数有するカバーブランク20を作製する工程である。
【0067】
この工程S11では、第1金型として、トランスファー成形で用いられる上型61及び下型62が用いられる。そして、上型61と下型62とを閉じた状態で、上型61に形成された樹脂注入口61aから加熱軟化した第1樹脂が加圧下で注入される。加熱された金型内で第1樹脂が硬化することで、複数のカバー部2が鍔部23で接続したカバーブランク20が成形される。
【0068】
この工程S11では、作製されたカバーブランク20が、レンズ部21と接続部22とで鍔部23の内側に凹部4が形成されたカバー部2を複数有するように、予め設計された上型61及び下型62を用いる。また、この工程で作製されたカバーブランク20のレンズ部21は、両面に複数の突状部21cを有する。この工程では、作製されたカバーブランク20が、一例として鍔部23の厚みが5μm~30μmであるカバー部2を複数有するように、予め設計された上型61及び下型62を用いる。
【0069】
(第1金型を取り外す工程)
第1金型を取り外す工程S12は、カバーブランク20を作製後、第1金型を取り外す工程である。ここでは、第1金型の全部(上型61及び下型62)を取り外す。
【0070】
(カバーブランクを切断する工程)
カバーブランクを切断する工程S13は、カバーブランク20を隣り合うカバー部2の間に形成された鍔部23で切断して、個片化したカバーブランク20Aを作製する。カバーブランク20の切断には、従来公知のブレード等の切断工具91を用いて行う。そして、作製されるカバーブランク20Aの鍔部23の長さが200μm~3000μmとなるように、切断工具91の切断幅を適宜調整することが好ましい。
【0071】
(カバーブランクを第2金型内に配置する工程)
カバーブランクを第2金型内に配置する工程S14は、切断されたカバーブランク20(個片化したカバーブランク20A)を第1金型と同様にトランスファー成形で用いられる別の上型81A及び下型82Aに配置する工程である。
【0072】
(レンズブランクを作製する工程)
レンズブランクを作製する工程S15は、第1樹脂よりも光吸収率又は光反射率が高い熱硬化性の第2樹脂を第2金型内に注入し硬化して、隣り合うカバー部2の間に遮光部3が形成されたレンズブランク10Bを作製する工程である。
【0073】
この工程S15では、上型81Aと下型82Aとを閉じた状態で、上型81Aに形成された樹脂注入口81Aaから加熱軟化した第2樹脂が加圧下で注入される。加熱された金型内で第2樹脂が硬化することで、隣り合うカバー部2の間に、接続部22の外側面22aの形状に沿った長方形の形状で、鍔部23の側端面23c及び外側端面23bを覆う遮光部3Bが形成されたレンズブランク10Bが成形される。鍔部23の側端面23cは、少なくとも一部が遮光部3で覆われていればよいが、鍔部23の側端面23cの全部が遮光部3で覆われていることが好ましい。
【0074】
(レンズを作製する工程)
レンズを作製する工程S16は、レンズブランク10Bを個片化してレンズ1Bを作製する工程である。すなわち、この工程S16は、第2金型の全部を取り外してレンズブランク10Bを取り出し、取り出したレンズブランク10Bを、隣り合うカバー部2の間に形成された遮光部3Bの中央で切断する。そして、遮光部3Bで個片化し切断することで、鍔部23の側端面23c及び上面23a、及び、接続部22の外側が遮光部3Bで覆われ、かつ、鍔部23の外側端面23bも遮光部3で覆われたレンズ1Bを作製する工程である。
【0075】
この工程S16では、レンズブランク10Bの接続部22の外側面22aの間、鍔部23の外側端面23bの間に形成された遮光部3Bを中央で切断して、接続部22の外側面22a、鍔部23の側端面23c及び上面23a、及び、鍔部23の外側端面23bが遮光部3で覆われたレンズ1Bを作製する。ここで、作製されたレンズ1Bの遮光部3Bは、その断面形状が、接続部22の外側面22aの形状に沿った形状であり、鍔部23の外側端面23bを覆う長方形の形状となる。遮光部3Bの切断には、従来公知のブレード等の切断工具91を用いて行われる。
【0076】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100Bの製造方法について説明する。
発光装置100Bの製造方法は、レンズを準備する工程と、設置した発光素子にレンズを配置する工程と、を有し、この順で行う。レンズ1Bを用いる以外の事項については、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法と同様である。
【0077】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について
図12~14を参照して説明する。
図12は、第4実施形態に係るレンズを用いた発光装置の構成を示す模式的に示す斜視図である。
図13は、第4実施形態に係るレンズの構成を模式的に示す平面図である。
図14は、第4実施形態に係るレンズを中央で断面にした構成を模式的に示す断面図であり、
図13のXIV-XIV線における断面図である。なお、すでに説明した構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
[レンズ及び発光装置]
レンズ1C及び発光装置100Cについて説明する。
【0078】
第4実施形態に係るレンズ1C及び発光装置100Cは、鍔部23が、接続部22の1つの側面に2つ配置され、接続部22の外周に8つ配置されている形態とした。1つの側面に設けられた鍔部23は、それぞれ離間して配置されている。それ以外の事項については、第1実施形態に係るレンズ1及び発光装置100と同様である。
第4実施形態に係るレンズ1C及び発光装置100Cは、このような構成を有することによって、基板52との接合や固定をより安定して行うことができる。
【0079】
[レンズの製造方法]
次に、レンズ1Cの製造方法について説明する。
レンズ1Cの製造方法は、第1実施形態に係るレンズの製造方法と同様に、カバーブランクを作製する工程S1と、第1金型を取り外す工程S2と、カバーブランクを第2金型内に配置する工程S3と、レンズブランクを作製する工程S4と、レンズを作製する工程S5と、を有し、この順に行う。
【0080】
レンズ1Cの製造方法は、すでに説明した製造方法において、第1実施形態に係るレンズの製造方法におけるカバーブランクを作製する工程において、接続部22の1つの側面に2つ設けられた鍔部23を有するカバー部2を複数有するカバーブランク20を作製することにより行えばよい。それ以外の事項については、第1実施形態に係るレンズ1の製造方法と同様である。
【0081】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100Cの製造方法について説明する。
発光装置100Cの製造方法は、レンズを準備する工程と、設置した発光素子にレンズを配置する工程と、を有し、この順で行う。レンズ1Aを用いる以外の事項については、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法と同様である。
【0082】
なお、レンズ1C及び発光装置100Cは、第2実施形態に係るレンズ1A及び発光装置100Aの製造方法を適宜適用して、肉厚の遮光部3Aを有する形態としてもよい。
また、レンズ1C及び発光装置100Cは、第3実施形態に係るレンズ1B及び発光装置100Bの製造方法を適宜適用して、鍔部23の外側端面23bが遮光部3Bで覆われている形態としてもよい。
なお、鍔部23は、接続部22の1つの側面に2つ配置されている形態としたが、鍔部23は、接続部22の1つの側面に3つ以上配置されている形態としてもよい。
【0083】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について
図15~17を参照して説明する。
図15は、第5実施形態に係るレンズを用いた発光装置の構成を示す模式的に示す斜視図である。
図16は、第5実施形態に係るレンズの構成を模式的に示す平面図である。
図17は、第5実施形態に係るレンズを中央で断面にした構成を模式的に示す断面図であり、
図16のXVII-XVII線における断面図である。なお、すでに説明した構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
[レンズ及び発光装置]
レンズ1D及び発光装置100Dについて説明する。
【0084】
第5実施形態に係るレンズ1D及び発光装置100Dは、鍔部を有さない形態とした。それ以外の事項については、第1実施形態に係るレンズ1及び発光装置100と同様である。なお、発光装置100Dは、基板52を備える場合、レンズ1Dは接続部22により基板52に設置される。
第5実施形態に係るレンズ1D及び発光装置100Dは、鍔部を有さない構成とすることによって、光漏れをさらに低減できる。
【0085】
[レンズの製造方法]
次に、レンズ1Dの製造方法について説明する。
図18Aは、第5実施形態に係るレンズにおけるカバーブランクの構成を模式的に示す平面図である。
図18Bは、第5実施形態に係るレンズの製造方法において、カバーブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図18Cは、第5実施形態に係るレンズの製造方法において、切断したカバーブランクを第2金型内に配置してレンズブランクを作製する工程を模式的に示す断面図である。
図18Dは、第5実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【0086】
レンズ1Dの製造方法は、第3実施形態に係るレンズの製造方法と同様に、カバーブランクを作製する工程S11と、第1金型を取り外す工程S12と、カバーブランクを切断する工程S13と、カバーブランクを第2金型内に配置する工程S14と、レンズブランクを作製する工程S15と、レンズを作製する工程S16と、を有し、この順に行う。このような製造方法により、光漏れが低減できるレンズ1Dを作製できる。
【0087】
レンズ1Dの製造方法は、すでに説明した製造方法において、カバーブランクを作製する工程S11では、上面視で、例えば菱形のような、接続部22側の幅が小さい鍔部23が形成されたカバーブランク20Bが成形される。また、カバーブランクを切断する工程S13では、カバーブランク20Bを隣り合うカバー部2の間に形成された鍔部23を、鍔部23が除去されるように切断して、個片化したカバーブランク20Cを作製する。また、レンズを作製する工程S16では、レンズブランク10Cの接続部22の外側面22aの間に形成された遮光部3Dを、遮光部3Dが所定の厚みとなるように切断して、鍔部23を有さず、接続部22の外側面22aが遮光部3Dで覆われたレンズ1Dを作製する。それ以外の事項については、第3実施形態のレンズ1Bの製造方法と同様である。
【0088】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100Dの製造方法について説明する。
発光装置100Dの製造方法は、レンズを準備する工程と、設置した発光素子にレンズを配置する工程と、を有し、この順で行う。レンズ1Dを用いる以外の事項については、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法と同様である。なお、発光装置100Dは、基板52を備える場合、レンズ1Dは、接続部22により基板52に設置される。
【0089】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について
図19を参照して説明する。
図19は、第6実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面した構成を模式的に示す断面図である。なお、すでに説明した構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
[レンズ及び発光装置]
レンズ1E及び発光装置100Eについて説明する。
【0090】
第6実施形態に係るレンズ1E及び発光装置100Eは、遮光部3Eが、第1実施形態の遮光部3と比べて肉厚の枠状の部材からなる。それ以外の事項については、第5実施形態に係るレンズ1D及び発光装置100Dと同様である。
第6実施形態に係るレンズ1E及び発光装置100Eは、このような肉厚の遮光部3Eを有することによって、光漏れをさらに低減できる。
【0091】
[レンズの製造方法]
次に、レンズ1Eの製造方法について説明する。
図20は、第6実施形態に係るレンズの製造方法において、レンズブランクを切断してレンズを作製する工程を模式的に示す断面図である。
【0092】
レンズ1Eの製造方法は、第5実施形態に係るレンズの製造方法と同様に、カバーブランクを作製する工程S11と、第1金型を取り外す工程S12と、カバーブランクを切断する工程S13と、カバーブランクを第2金型内に配置する工程S14と、レンズブランクを作製する工程S15と、レンズを作製する工程S16と、を有し、この順に行う。このような製造方法により、光漏れが低減できるレンズ1Eを作製できる。
【0093】
レンズ1Eの製造方法は、すでに説明した製造方法において、レンズを作製する工程S16では、レンズブランク10Dの接続部22の外側面22aの間に形成された遮光部3Eを中央で切断して、鍔部23を有さず、接続部22の外側面22aが遮光部3Eで覆われたレンズ1Eを作製する。それ以外の事項については、第5実施形態のレンズ1Dの製造方法と同様である。
【0094】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100Eの製造方法について説明する。
発光装置100Eの製造方法は、レンズを準備する工程と、設置した発光素子にレンズを配置する工程と、を有し、この順で行う。レンズ1Eを用いる以外の事項については、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法と同様である。
【0095】
<第7実施形態>
図21に示すように、レンズ1F及び発光装置100Fは、レンズ部21の構成として、外側或いは内側の片面(図面では光入射面21a)のみに複数の突状部21cを有する片凸レンズのフレネルレンズであっても構わない。レンズ部21は、光入射面21aが複数の突状部21cを有し、光出射面21bが発光素子51の発光面に対して水平に配置できるように、平坦又は略平坦であることが好ましい。なお、光出射面21bは、シボ加工、マット加工等によって突状部21cの高さよりも低い微細な凹凸を有する面であってもよい。これにより、出射する光を均一に拡散することができる。
図21は、第7実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面にした構成を模式的示す断面図である。もちろん、複眼レンズであっても、レンズ部21の外側或いは内側の片面のみに複数の突状部21cを有する構成としてもよい。レンズ1F及び発光装置100Fのようにレンズ部21の片面のみに複数の突状部21cを有する構成とすることで、外側面に凹凸部がない分、高さ方向を小さくすることができる。
【0096】
<第8実施形態>
図22に示すように、レンズ1Gは、接続部22がレンズ部21の水平面側に形成され、その接続部22の下方に鍔部23が形成される構成としてもよい。また、発光装置100Gは、レンズ1Gと、発光素子51が載置された基板52とが、予め基板52に設けられた反射材料等からなる介在部材54を介して接合されている構成としてもよい。
図22は、第8実施形態に係るレンズを用いた発光装置を中央で断面にした構成を模式的示す断面図である。
レンズ1Gでは、接続部22の外側と鍔部23の上面を遮光部3で覆っている。そして、レンズ1G及び発光装置100Gでは、レンズ部21と接続部22とで凹部を形成せず、介在部材54により凹部4aを形成している。
レンズ1Gでは、鍔部23の下面を基板52に介在部材54を介して接合することで、基板52に載置した発光素子51にレンズ部21が対面するように配置される。
発光装置100Gでは、介在部材54の高さにより、基板52に載置した発光素子51がレンズ1Gのレンズ部21から離間するように形成されている。
レンズ1G及び発光装置100Gでは、鍔部23の外側及び介在部材54の外側を遮光部3で覆うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G レンズ
2、2A、2B カバー部
3、3A、3B、3C、3D、3E 遮光部
4、4a 凹部
10、10A、10B、10C、10D レンズブランク
20、20A、20B、20C カバーブランク
21 レンズ部
21a 光入射面
21b 光出射面
21c 突状部
22 接続部
22a 外側面
23 鍔部
23a 上面
23b 外側端面
23c 側端面
51 発光素子
52 基板
53 透光性部材
54 介在部材
61、71、81、81A 上型
62、82A 下型
91 切断工具
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G 発光装置