(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240215BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240215BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240215BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240215BHJP
H10B 43/10 20230101ALI20240215BHJP
H10B 43/30 20230101ALI20240215BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H10B43/10
H10B43/30
(21)【出願番号】P 2019177199
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2019-0008763
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】オ ジン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ ス ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン イル ヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン テ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ビン ジン ホ
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0077136(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0047340(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0083027(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0090286(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0069050(US,A1)
【文献】特開2011-249803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
H10B 43/10
H10B 43/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層間絶縁膜及び第1の物質膜が交互に積層された積層構造物を形成するステップと、
前記積層構造物を貫通する少なくとも1つのチャネルホールを形成するステップと、
前記チャネルホールに沿って第2の物質膜を形成するステップと、
前記第2の物質膜の表面をトリミング
して、第1の厚さを有する第1の部分及び前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する第2の部分を含むトリミングされた第2の物質膜を形成するステップと、
前記トリミングされた第2の物質膜の
前記第1の部分の全部が酸化されるまで酸化工程を行うステップであって、前記トリミングされた第2の物質膜の前記第2の部分の全部及び前記第2の部分と接触する前記第1の物質膜の一部が共に酸化され、前記酸化された第1の部分、前記酸化された第2の部分及び前記酸化された前記第1の物質膜の一部が電荷遮断膜を形成するステップと、
前記電荷遮断膜上に電荷保存膜及びトンネル絶縁膜を形成するステップと、
を含む不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の物質膜及び前記第2の物質膜は、各々シリコン含有物質を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の物質膜及び前記第2の物質膜は、各々シリコン窒化物を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の物質膜と前記第2の物質膜とは、互いに同一の物質で形成され、
前記酸化された第1の物質膜の一部
は、前記酸化された
第1の部分及び前記酸化された第2の部分と互いに同一の物質で形成される請求項
1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の物質膜と前記第2の物質膜とは、互いに相違した物質で形成され、
前記酸化された第1の物質膜の一部
は、前記酸化された
第1の部分及び前記酸化された第2の部分と互いに同一の物質で形成される請求項
1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1の物質膜と前記第2の物質膜とは、互いに相違した物質で形成され、
前記酸化された第1の物質膜の一部
は、前記酸化された
第1の部分及び前記酸化された第2の部分と互いに相違した物質で形成される請求項
1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2の物質膜の表面の少なくとも一部は角張り、
前記トリミングは、前記第2の物質膜の表面の前記角張った一部が除去されるように行われる請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項8】
前記トリミングは、ウェットケミカルを利用して行われる請求項
7に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項9】
前記チャネルホールは、所定高さで平面状の角張った部分を有し、
前記第2の物質膜は、前記チャネルホールに沿って形成されて、前記所定高さで前記チャネルホールの前記角張った部分と対応する部分で角張った請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項10】
前記電荷保存膜及び前記トンネル絶縁膜が形成された前記チャネルホール内にチャネルピラーを形成するステップと、
前記積層構造物を選択的にエッチングしてスリットを形成するステップと、
前記スリットによって露出される前記第1の物質膜を除去するステップと、
前記第1の物質膜が除去された空間をゲート電極形成のための導電物質で埋め込むステップと、
を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1の物質膜は、ゲート電極形成のための導電物質を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1の物質膜の酸化物は絶縁特性を有し、
前記第2の物質膜の酸化物は絶縁特性を有する請求項1に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項13】
層間絶縁膜及び第1の物質膜が交互に積層された積層構造物を形成するステップと、
前記積層構造物を貫通する少なくとも1つのチャネルホールを形成するステップと、
前記チャネルホールの内側壁に沿って第2の物質膜を形成するステップと、
前記第2の物質膜の表面をトリミングして
第1の厚さを有する第1の部分及び前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する第2の部分を含むトリミングされた第2の物質膜を形成するステップと、
前記トリミングされた第2の物質膜
の前記第1の部分の全部が酸化されるまで酸化工程を行うステップであって、前記トリミングされた第2の物質膜の前記第2の部分の全部及び前記第2の部分と接触する前記第1の物質膜の一部が共に酸化され、前記酸化された第1の部分、前記酸化された第2の部分及び前記酸化された前記第1の物質膜の一部が電荷遮断膜を形成するステップと、
を
含む不揮発性メモリ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文献は、不揮発性メモリ装置に関し、より詳細には、基板から垂直方向に延びるチャネルに沿って複数のメモリセルが積層された構造を有する不揮発性メモリ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データを格納することができ、電源供給が遮断されても、格納されたデータがそのまま維持される不揮発性メモリ装置であって、例えば、NAND型フラッシュなどが開発されてきた。
近年、半導体基板上に断層でメモリセルを形成する2次元メモリ装置の集積度向上が限界に至るようになり、半導体基板上に多層でメモリセルを積層する3次元構造の不揮発性メモリ装置が様々に提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、メモリセル特性を改善し、均一性を確保でき、集積度増加が可能な不揮発性メモリ装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法は、基板上に層間絶縁膜及び酸化時に絶縁特性を有する第1の物質膜が交互に積層された積層構造物を形成するステップと、前記積層構造物を選択的にエッチングして前記基板の一部を露出させるチャネルホールを形成するステップと、前記チャネルホールに沿って酸化時に絶縁特性を有する第2の物質膜を形成するステップと、前記第2の物質膜の表面をトリミングして前記第2の物質膜の厚さを減少させるステップと、前記トリミングされた第2の物質膜の全部が酸化されるまで酸化工程を行い、少なくとも前記酸化された第2の物質膜を含む電荷遮断膜を形成するステップと、前記電荷遮断膜上に電荷保存膜及びトンネル絶縁膜を形成するステップと、前記電荷保存膜及び前記トンネル絶縁膜が形成された前記チャネルホールを埋め込むチャネルピラーを形成するステップとを含むことができる。
【0005】
上記の製造方法において、前記トリミングされた前記第2の物質膜は、相対的に厚さが厚い第1の部分及び相対的に厚さが薄い第2の部分を含み、前記酸化工程時、前記第1の部分の全部が酸化される間、前記第2の部分と接する前記第1の物質膜の一部が酸化され、前記酸化された前記第1の物質膜の一部が前記酸化された第2の物質膜とともに前記電荷遮断膜を形成できる。前記第1の物質膜及び前記第2の物質膜は、各々シリコン含有物質を含むことができる。前記第1の物質膜及び前記第2の物質膜は、各々シリコン窒化物を含むことができる。前記第1の物質膜と前記第2の物質膜とは、互いに同一の物質で形成され、前記酸化された前記第1の物質膜の一部と前記酸化された第2の物質膜とは、互いに同一の物質で形成されることができる。前記第1の物質膜と前記第2の物質膜とは、互いに相違した物質で形成され、前記酸化された前記第1の物質膜の一部と前記酸化された第2の物質膜とは、互いに同一の物質で形成されることができる。前記第1の物質膜と前記第2の物質膜とは、互いに相違した物質で形成され、前記酸化された前記第1の物質膜の一部と前記酸化された第2の物質膜とは、互いに相違した物質で形成されることができる。前記第2の物質膜の表面の少なくとも一部は角張り、前記トリミングは、前記第2の物質膜の表面の前記角張った一部が除去されるように行われることができる。前記トリミングは、ウェットケミカルを利用して行われることができる。前記チャネルホールは、所定高さで平面状の角張った部分を有し、前記第2の物質膜は、前記チャネルホールに沿って形成されて、前記所定高さで前記チャネルホールの前記角張った部分と対応する部分で角張ることができる。前記チャネルピラー形成ステップ後に、前記積層構造物を選択的にエッチングしてスリットを形成するステップと、前記スリットによって露出される前記第1の物質膜を除去するステップと、前記第1の物質膜が除去された空間をゲート電極形成のための導電物質で埋め込むステップとを含むことができる。前記第1の物質膜は、ゲート電極形成のための導電物質を含むことができる。
【0006】
また、前記課題を解決するための本発明の他の実施形態に係る不揮発性メモリ装置は、基板上に形成され、層間絶縁膜及びゲート電極膜が交互に積層された積層構造物と、前記積層構造物を貫通するチャネルピラーと、前記チャネルピラーと前記積層構造物との間に介在され、前記チャネルピラーと近い側から配列されるトンネル絶縁膜、電荷保存膜、及び第1の電荷遮断膜(ここで、前記第1の電荷遮断膜は、相対的に厚さが厚い第1の部分及び相対的に厚さが薄い第2の部分を含む。)と、前記第2の部分と隣接して、前記第1の電荷遮断膜と前記ゲート電極膜との間に介在される第2の電荷遮断膜とを備えることができる。
【0007】
上記の装置において、前記第1の部分と前記ゲート電極膜との間には、前記第2の電荷遮断膜が存在しないことがある。前記第1の電荷遮断膜は、前記積層構造物と対向する外側壁及び前記外側壁と反対側に位置する内側壁を備え、前記外側壁は、角張った部分を含み、前記内側壁は、角張った部分を含まないことがある。前記第1の電荷遮断膜と前記第2の電荷遮断膜との厚さの合計は一定でありうる。前記第1の電荷遮断膜と前記第2の電荷遮断膜とは、各々絶縁性の酸化物を含むことができる。前記第1の電荷遮断膜と前記第2の電荷遮断膜とは、互いに同一の物質を含むことができる。前記第1の電荷遮断膜と前記第2の電荷遮断膜とは、互いに相違した物質を含むことができる。
【0008】
また、前記課題を解決するための本発明の他の実施形態に係るシステムは、データを格納するメモリ装置と、前記メモリ装置に格納されたデータにアクセスするホストと、前記ホストと前記メモリ装置との間で前記ホストの要請に応答して前記メモリ装置を制御するコントローラとを備え、前記メモリ装置は、基板上に形成され、層間絶縁膜及びゲート電極膜が交互に積層された積層構造物と、前記積層構造物を貫通するチャネルピラーと、前記チャネルピラーと前記積層構造物との間に介在され、前記チャネルピラーと近い側から配列されるトンネル絶縁膜、電荷保存膜、及び第1の電荷遮断膜(ここで、前記第1の電荷遮断膜は、相対的に厚さが厚い第1の部分及び相対的に厚さが薄い第2の部分を含む。)と、前記第2の部分と隣接して、前記第1の電荷遮断膜と前記ゲート電極膜との間に介在される第2の電荷遮断膜とを備えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態の不揮発性メモリ装置及びその製造方法によれば、メモリセル特性を改善し、均一性を確保でき、集積度増加が可能でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置を示す回路図である。
【
図2】不揮発性メモリ装置の製造の際に発生できる問題点を説明するための図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図3C】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図9A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図9B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図10A】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図10B】本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るメモリ装置を実現するデータ処理システムの構成図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の最も好ましい実施形態が説明される。図面において、厚さと間隔は、説明の便宜のために表現されたものであり、実際、物理的厚さに比べて誇張されて図示されることができる。本発明を説明するにあたって、本発明の要旨と関係ない公知の構成は省略されることができる。各図面の構成要素に参照番号を付加するにあたって、同じ構成要素に限っては、例え、他の図面上に表示されてもなるべく同じ番号を有するようにしていることに留意すべきである。
【0012】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置を示す回路図であり、
図1Bは、
図1Aの不揮発性メモリ装置を示す斜視図であり、
図1Cは、
図1BのA部分を拡大した図である。
【0013】
図1Aに示すように、本実施形態の不揮発性メモリ装置は、複数のストリングST、複数のビットラインBL、複数のワードラインWL、複数のドレイン選択ラインDSL、複数のソース選択ラインSSL及び共通ソースラインCSLを備えることができる。ここで、ストリングSTの個数、ビットラインBLの個数、ワードラインWLの個数、ドレイン選択ラインDSLの個数、及びソース選択ラインSSLの個数は、図示されたものに限定されず、必要に応じて様々に変形されることができる。
【0014】
ストリングSTは、ビットラインBLと共通ソースラインCSLとの間に連結されることができる。本実施形態では、ビットラインBLの各々に3個のストリングSTが連結される場合が図示されているが、ビットラインBLの各々に連結されるストリングSTの個数は、様々に変形されることができる。ストリングSTの各々は、直列に連結されるソース選択トランジスタSST、複数のメモリセルMC及びドレイン選択トランジスタDSTを備えることができる。本実施形態では、1つのソース選択トランジスタSSTと1つのドレイン選択トランジスタDSTとの間に8個のメモリセルMCが直列連結された場合が図示されているが、ソース選択トランジスタSSTの個数、ドレイン選択トランジスタDSTの個数及びこれらの間に連結されるメモリセルMCの個数は、様々に変形されることができる。本実施形態において、メモリセルMC及びストリングSTは、ナンド(NAND)フラッシュメモリセル及びナンドストリングでありうる。
【0015】
ソース選択トランジスタSSTの両接合は、共通ソースラインCSL及び隣接したメモリセルMCの一接合に各々連結され、ゲートは、対応するソース選択ラインSSLに連結されることができる。メモリセルMCの両接合は、隣接したメモリセルMC、隣接したソース選択トランジスタSSTまたは隣接したドレイン選択トランジスタDSTの一接合に各々連結され、ゲートは、対応するワードラインWLに連結されることができる。ドレイン選択トランジスタDSTの両接合は、対応するビットラインBL及び隣接したメモリセルMCの一接合に各々連結され、ゲートは、対応するドレイン選択ラインDSLに連結されることができる。
【0016】
以上で説明した不揮発性メモリ装置において、選択されたメモリセルMCに連結されるワードラインWL、選択されたメモリセルMCが含まれたストリングSTのソース選択トランジスタSST、及びドレイン選択トランジスタDSTに各々連結されたソース選択ラインSSL及びドレイン選択ラインDSL、及び選択されたメモリセルMCが含まれたストリングSTに連結されたビットラインBLに印加されるバイアスを調節することにより、選択されたメモリセルMCに対する書き込み、読み出しなどの動作を行うことができる。メモリセルMCの各々は、1つまたはそれ以上のビットを格納することができる。例えば、メモリセルMCの各々は、シングルレベルセル(Single Level Cell、SLC)、マルチレベルセル(Multi Level Cell、MLC)、またはトリプルレベルセル(Triple Level Cell)として用いられることができる。
【0017】
図1Bに示すように、
図1Aの不揮発性メモリ装置は、基板SUBに対して垂直方向にメモリセルMCが配列及び/又は積層される3次元構造のメモリ装置でありうる。
基板SUBは、所定の導電型、例えば、pタイプの不純物を含有するシリコンなどの半導体物質を含むことができる。基板SUB内には、基板SUBと相違した導電型、例えば、nタイプの不純物がドーピングされた共通ソースラインCSLが提供され得る。共通ソースラインCSLは、X方向に延びることができ、Y方向に互いに離間して配列されることができる。
【0018】
基板SUB上には、隣接した共通ソースラインCSL間に位置しつつ、X方向に沿って延び、複数のゲート電極膜GEと複数の層間絶縁膜ILDが交互に積層された積層構造物が提供され得る。この積層構造物は、Y方向に沿って互いに離間して配列されることができる。複数のゲート電極膜GEは、ソース選択ラインSSL、ワードラインWLまたはドレイン選択ラインDSLとして機能することができる。例えば、本実施形態において最も下に位置するゲート電極膜GEは、ソース選択ラインSSLとして機能し、最も上に位置するゲート電極膜GEは、ドレイン選択ラインDSLとして機能し、残りのゲート電極膜GEは、ワードラインWLとして機能することができる。
【0019】
また、基板SUB上には、ゲート電極膜GE及び層間絶縁膜ILDの交代積層構造物を貫通して基板SUBと接続するチャネルピラーCPが提供され得る。チャネルピラーCPは、隣接した共通ソースラインCSL間に位置しつつ、X方向及びY方向に沿ってマトリックス形態で配列されることができる。チャネルピラーCPの各々は、Z方向に沿って延びる柱状を有することができ、シリコンなどのような半導体物質を含むことができる。
【0020】
チャネルピラーCPと、ゲート電極膜GE及び層間絶縁膜ILDの交代積層構造物間には、メモリ膜MLが提供され得る。メモリ膜MLは、チャネルピラーCPから順次配列されるトンネル絶縁膜Tox、電荷保存膜CTN及び電荷遮断膜Boxの三重膜を含むことができる(
図1C参照)。本実施形態では、メモリ膜MLがチャネルピラーCPの側面を囲みながらZ方向に延びる円筒状を有するか、図示されたものに限定されず、メモリ膜MLがワードラインWLとして機能するゲート電極膜GEとチャネルピラーCPとの間に位置すると、その形状は様々に変形されることができる。ドレイン選択ラインDSLとして機能するゲート電極膜GEとチャネルピラーCPとの間及び/又はソース選択ラインSSLとして機能するゲート電極膜GEとチャネルピラーCPとの間には、メモリ膜MLと相違したゲート絶縁膜が形成されることもできる。
【0021】
1つのチャネルピラーCPを囲む1つのワードラインWL及びこれらの間のメモリ膜MLが1つのメモリセルMCを形成でき、1つのチャネルピラーCPを囲む1つのソース選択ラインSSL及びこれらの間のメモリ膜ML(あるいは、図示されていないゲート絶縁膜)が1つのソース選択トランジスタSSTを形成でき、1つのチャネルピラーCPを囲む一層のドレイン選択ラインDSL及びこれらの間のメモリ膜ML(あるいは、図示されていないゲート絶縁膜)が1つのドレイン選択トランジスタDSTを形成できる。また、1つのチャネルピラーCPに沿って積層されたソース選択トランジスタSST、メモリセルMC及びドレイン選択トランジスタDSTがストリングSTを形成できる。
【0022】
チャネルピラーCPのそれぞれの上部には、ドレインコンタクトDCが提供され得る。ドレインコンタクトDCは、所定の導電型、例えば、nタイプの不純物がドーピングされたシリコンなどの半導体物質を含むことができる。
【0023】
ドレインコンタクトDC上には、Y方向に延びながらX方向に沿って互いに離間して配列されるビットラインBLが提供され得る。
これにより、
図1Aの不揮発性メモリ装置が
図1Bに図示されたように、基板SUB上に3次元で実現されることができる。
【0024】
一方、最近、半導体メモリ装置の集積度が増加するにつれて、上記のような不揮発性メモリ装置においてZ方向に積層されるメモリセルMCの個数が増加し、様々な工程不良が発生することがある。一例として、チャネルピラーCPの形成のために、ゲート電極膜GEと層間絶縁膜ILDとの交代積層構造物(または、ゲート電極膜GEの代わりに、ゲート電極膜GEが形成される空間を提供する犠牲膜(図示せず)と層間絶縁膜ILDとの交代積層構造物)を基板SUBが露出される深さでエッチングしてチャネルホールCHを形成する工程が必要であるが、このような積層構造物の高さの増加のため、エッチングの負担が非常に大きくなりつつ、正常なエッチングがなされ難いという問題が生じる可能性がある。特に、チャネルホールCHの平面形状が円形でない角張った形状で形成されて、それによる問題が生じる可能性がある。これについては、
図2を参照してより詳細に説明する。
【0025】
図2は、不揮発性メモリ装置の製造の際に発生できる問題点を説明するための図である。
図2に示すように、チャネルホールCH形成のために、平面状の円形の開口部を有するマスクを用いて積層構造物をエッチングしても、チャネルホールCHの少なくとも一部は、複数の角張った部分(E参照)を有する多角形(polygonal)の平面形状を有することができる。それにより、チャネルホールCH内にメモリ膜ML、例えば、電荷遮断膜Box、電荷保存膜CTN及びトンネル絶縁膜Toxを順次蒸着する場合、このメモリ膜MLがチャネルホールCHに沿って蒸着されて、チャネルホールCHと同一または類似した平面形状を有することができる。すなわち、電荷遮断膜Box、電荷保存膜CTN、及びトンネル絶縁膜Toxの外側面及び内側面にも角張った部分が発生し得る。このような場合、メモリセルMCの動作のためのバイアス印加時、このような角張った部分に電界が集中するため、メモリセルMCの特性が劣化されるという問題が生じ得る。
【0026】
さらに、高さによってチャネルホールCHの角張った程度にも差異が発生し得る。すなわち、ある高さでは、チャネルホールCHに角張った部分が多数発生するが、他の高さでは、チャネルホールCHに角張った部分が少なく発生したり、または発生しないこともある。それにより、メモリセルMCの特性劣化にも差異が発生し、メモリセルMCの特性の均一性が低下し得る。
【0027】
本特許文献では、このような問題を解決できる不揮発性メモリ装置の製造方法及びそれにより製造された不揮発性メモリ装置を提案しようとする。参考として、説明の便宜のために、上記の
図2では、チャネルホールCHが所定高さで平面状の六角形状を有する場合を図示したが、チャネルホールCHが所定高さで角張った部分を有しさえすれば、例えば、六角形の他に、多角形状を有するか、星状と類似した形状を有するなど、様々な場合に、本特許文献において提案する実施形態が適用され得る。
【0028】
図3Aから
図10Bは、本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の製造方法を説明するための図であって、各A図は各B図のB-B’線に沿う断面図であり、各B図は、各A図のA-A’線に沿う平面図である。
【0029】
図3A及び
図3Bに示すように、基板100を提供できる。基板100は、シリコンなどの半導体物質を含むことができる。また、基板100内には、要求される所定の下部構造物(図示せず)が形成され得る。一例として、基板100は、ソース領域(図示せず)を備えることができる。または、一例として、基板100は、隣接する一対のチャネルピラーと接続して、これらを互いに連結させることができる連結部材(図示せず)を備えることができる。
【0030】
次いで、基板100上に複数の層間絶縁膜110及び複数の犠牲膜120が交互に積層された積層構造物SSを形成できる。犠牲膜120は、後続工程においてメモリセルのゲート電極に代替される膜であって、層間絶縁膜110と相違したエッチング率を有する物質で形成されることができる。これは、後続犠牲膜120の除去工程の際、層間絶縁膜110が損失されることを防止するためである。なお、犠牲膜120は、酸化の際、絶縁特性を有する物質で形成されることができる。これは、後続の電荷遮断膜形成のための酸化工程の際、犠牲膜120の一部が共に酸化される場合に、酸化された犠牲膜120の一部を電荷遮断膜として機能させるためである。一例として、犠牲膜120は、シリコン窒化物、シリコンゲルマニウム、ポリシリコンなどのシリコン含有物質を含むことができる。層間絶縁膜110は、高さ方向で隣接したメモリセルのゲート電極を互いに絶縁させるためのものであって、絶縁物質、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0031】
次いで、積層構造物SSを選択的にエッチングして、積層構造物SSを貫通して基板100の一部を露出させるチャネルホール130を形成できる。チャネルホール130は、チャネルピラーが形成される空間を提供するためのものであって、様々な形態、例えば、図示されたように、B-B’線と平行な第1の方向及びこれと交差する第2の方向に沿ってマトリックス形態で配列されることができる。ここで、積層構造物SSの選択的エッチングは、チャネルホール130が形成される領域を露出させる開口部0を有するマスクパターンMを用いて行われることができ、開口部0は、円形状を有することができる(
図3C参照)。マスクパターンMの開口部0が円形状を有しても、エッチング過程で高さによってチャネルホール130の平面形状が変形され得る。一例として、図示されたように、
図3AのA-A’線の高さでのチャネルホール130は、平面状の六角形状を有することができる。しかし、本実施形態がこれに限定されるものではなく、チャネルホール130は、所定高さで平面状の角張った部分が存在する様々な形状を有することができる。
【0032】
図4A及び
図4Bに示すように、チャネルホール130が形成された積層構造物SSの表面に沿って第1の初期電荷遮断膜142を形成できる。第1の初期電荷遮断膜142は、後続の
図5A及び
図5Bのトリミング工程及び
図6A及び
図6Bの酸化工程を介して最終的に電荷遮断膜またはその一部として用いられることができる。第1の初期電荷遮断膜142は、酸化時に絶縁特性を有する物質で形成されることができる。一例として、第1の初期電荷遮断膜142は、酸化時にシリコン酸化物に変形され得る物質、例えば、シリコン窒化物、シリコンゲルマニウム、ポリシリコンなどのシリコン含有物質を含むことができる。一例として、第1の初期電荷遮断膜142と犠牲膜120とは、互いに同一の物質、例えば、シリコン窒化物で形成されることができる。しかし、本実施形態がこれに限定されるものではなく、第1の初期電荷遮断膜142と犠牲膜120とは、互いに相違した物質で形成されることもできる。
【0033】
ここで、第1の初期電荷遮断膜142は、チャネルホール130の表面に沿って形成されるので、チャネルホール130の形状が第1の初期電荷遮断膜142に反映されることができる。それにより、一例として、図示されたように、第1の初期電荷遮断膜142の外側壁及び内側壁は、平面状の六角形状を有することができる。参考として、外側壁は、積層構造物SSと接する側壁を意味し、内側壁は、その反対側の側壁を意味することができる。チャネルホール130が角張った部分を有する他の形状を有する場合にも、第1の初期電荷遮断膜142の外側壁及び内側壁は、この他の形状と同一または類似した平面形状、すなわち、チャネルホール130の角張った部分と対応する部分で角張った平面形状を有することができる。
【0034】
図5A及び
図5Bに示すように、第1の初期電荷遮断膜142に対してトリミング(trimming)工程を行うことができる。トリミング工程は、ウェットケミカル(wet chemical)を利用して行われることができる。本トリミング工程により、第1の初期電荷遮断膜142の厚さが減少しつつ、平面状の第1の初期電荷遮断膜142の内側壁で角張った部分が除去され得る。トリミングされた第1の初期電荷遮断膜142を以下において第1の中期電荷遮断膜142’ということにする。
【0035】
第1の中期電荷遮断膜142’の内側壁は、角張った部分が除去されて円形状またはこれと類似した丸い形状を有することができる。それに対し、第1の中期電荷遮断膜142’の外側壁は、トリミング工程前と同じ形状、例えば、六角形状を有することができる。それにより、第1の中期電荷遮断膜142’は、相対的に薄い厚さを有する部分(t1参照)と相対的に厚い厚さを有する部分(t2参照)とを含むことができる。すなわち、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さは、一定でないことがある。しかし、このような厚さの差異は、後続の
図6A及び
図6Bの酸化工程で補償されることができる。
【0036】
図6A及び
図6Bに示すように、
図5A及び
図5Bの工程結果に対して酸化工程を行うことができる。酸化工程は、少なくとも第1の中期電荷遮断膜142’の全部が酸化されるまで行われることができる。このとき、第1の中期電荷遮断膜142’は、内側壁と外側壁の形状差によって互いに異なる厚さを有するので、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが厚い部分t2を基準に酸化が行われてはじめて、第1の中期電荷遮断膜142’の全部が酸化され得る。酸化工程の際、第1の中期電荷遮断膜142’の内側壁から酸化が進行される速度は相対的に一定なので、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが薄い部分t1が全部酸化される時点で厚さが厚い部分t2の一部は酸化されずに残留することができる。第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが厚い部分t2の上の残留部分が酸化される間、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが薄い部分t1と隣接した犠牲膜120がさらに酸化されることができる。酸化された第1の中期電荷遮断膜142’を以下において第1の電荷遮断膜142”といい、犠牲膜120のうち、酸化された部分も第1の電荷遮断膜142”とともに電荷遮断膜の役割を果たすので、以下、第2の電荷遮断膜120”ということにする。第1の電荷遮断膜142”及び第2の電荷遮断膜120”を以下において電荷遮断膜CBLということにする。電荷遮断膜CBLは、後述するゲート電極と電荷保存膜との間の電荷移動を遮断する機能を果たすことができる。
【0037】
第1の初期電荷遮断膜142が酸化時に絶縁特性を有する物質を含むので、第1の電荷遮断膜142”は、絶縁性酸化物を含むことができる。一例として、第1の初期電荷遮断膜142がシリコン含有物質を含む場合、第1の電荷遮断膜142”は、シリコン酸化物を含むことができる。場合によって、第1の電荷遮断膜142”は、窒素またはゲルマニウムをさらに含むシリコン酸化物を含むこともできる。犠牲膜120も酸化時に絶縁特性を有する物質を含むので、第2の電荷遮断膜120”は、絶縁性酸化物を含むことができる。一例として、犠牲膜120がシリコン含有物質を含む場合、第2の電荷遮断膜120”は、シリコン酸化物を含むことができる。場合によって、第2の電荷遮断膜120”は、窒素またはゲルマニウムをさらに含むシリコン酸化物を含むこともできる。一例として、第1の電荷遮断膜142”と第2の電荷遮断膜120”とは、同じ物質、例えば、シリコン酸化物または窒素、ゲルマニウムなどをさらに含むシリコン酸化物で形成されることができる。それに対し、他の一例として、第1の電荷遮断膜142”と第2の電荷遮断膜120”とは、相違した物質で形成されることができる。例えば、第1の電荷遮断膜142”が窒素またはゲルマニウムをさらに含むシリコン酸化物で形成され、第2の電荷遮断膜120”がシリコン酸化物で形成されるか、またはその反対でありうる。
【0038】
犠牲膜120のうち、酸化されずに残留する部分は、犠牲膜パターン120’ということにする。犠牲膜パターン120’と層間絶縁膜110との交代積層構造物は、図面符号SS’と表示した。
【0039】
一方、本酸化工程において、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが厚い部分t2の残りが酸化される間、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが薄い部分t1と隣接した層間絶縁膜110も酸化されることができる。しかし、層間絶縁膜110が酸化物である場合、酸化工程によって物質が変わることではなく、例え、層間絶縁膜110が酸化物でなく、物質が変わっても、層間絶縁膜110の酸化部分は、元々の機能、すなわち、層間絶縁膜110の機能を維持するので、これについての詳細な説明及び図面の図示は省略する。
【0040】
図7A及び
図7Bに示すように、電荷遮断膜CBLの表面に沿って電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146を順次形成できる。電荷保存膜144は、電荷を保存できる層であって、シリコン窒化物などで形成されることができる。トンネル絶縁膜146は、後述するチャネルピラーと電荷保存膜144との間の電荷のトンネリングを可能なようにする層であって、シリコン酸化物などで形成されることができる。電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146は、チャネルホール130を埋め込まない薄い厚さで形成されることができる。
【0041】
電荷遮断膜CBL、電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146を以下においてメモリ膜140ということにする。本メモリ装置では、後述するゲート電極とチャネルピラーとの間でゲート電極に印加されるバイアスによって電荷保存膜144内の電荷をチャネルピラーに放出したり、チャネルピラーから流入した電荷を電荷保存膜144内に保存する方式でデータを記録できる。
【0042】
図8A及び
図8Bに示すように、チャネルホール130底面の基板100を露出させるために、メモリ膜140に対して全面エッチングを行うことができる。その結果、メモリ膜140のうち、チャネルホール130底面及び積層構造物SS’の上面上にある部分は除去され、チャネルホール130側壁上にある部分は残留することができる。チャネルホール130側壁のメモリ膜140を以下においてメモリ膜パターン140’という。メモリ膜パターン140’は、電荷遮断膜パターンCBL’、電荷保存膜パターン144’、及びトンネル絶縁膜パターン146’を含むことができる。電荷遮断膜パターンCBL’は、第1の電荷遮断膜パターン142’’’及び第2の電荷遮断膜パターン120’’’を含むことができる。
【0043】
一方、本実施形態では、電荷遮断膜CBL、電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146を全て形成した後、これらを一括的に全面エッチングしてチャネルホール130底面の基板100を露出させたが、他の実施形態も可能でありうる。例えば、電荷遮断膜CBL、電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146の各々を形成した後に、これらの各々に対して全面エッチングを行うこともできる。具体的に、
図4A及び
図4Bの工程後に、第1の初期電荷遮断膜142に対して全面エッチングを行い、チャネルホール130の側壁にのみ残留させた後、後続工程を行うことができる。または、
図5A及び
図5Bの工程後に、第1の中期電荷遮断膜142’に対して全面エッチングを行い、チャネルホール130の側壁にのみ残留させることもできる。または、
図6A及び
図6Bの工程後に、第1の電荷遮断膜142”に対して全面エッチングを行い、チャネルホール130の側壁にのみ残留させることができる。これに加えて、電荷保存膜144の形成直後に、電荷保存膜144に対して全面エッチングを行うか、トンネル絶縁膜146の形成直後に、トンネル絶縁膜146に対して全面エッチングを行うか、または電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146の形成直後に、これらの電荷保存膜144及びトンネル絶縁膜146に対して全面エッチングを行うこともできる。
【0044】
次いで、メモリ膜パターン140’が形成されたチャネルホール130を埋め込むチャネルピラー150を形成できる。チャネルピラー150は、基板100に対して垂直方向に延びる柱状を有することができる。チャネルピラー150の形成は、メモリ膜パターン140’が形成されたチャネルホール130を十分に埋め込む厚さでシリコンなどの半導体物質を形成した後、積層構造物SS’の上面が露出するまで平坦化工程、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を行う方式によることができる。
【0045】
図9A及び
図9Bに示すように、B-B’線と交差する第2の方向に配列されるチャネルピラーCPの列と隣接したチャネルピラーCPの列間に第2の方向に延びるスリットS1を形成できる。スリットS1の形成は、スリットS1が形成される領域を露出させ、残りを覆うマスクパターン(図示せず)を形成し、このマスクパターンをエッチングバリアで犠牲膜パターン120’及び層間絶縁膜110の積層構造物SS’をエッチングする方式によることができる。スリットS1は、積層構造物SS’を貫通する深さで形成されることができる。1つのスリットS1によってB-B’線と平行な第1の方向で積層構造物SS’が2つの部分に互いに分離されることができる。
【0046】
次いで、スリットS1により露出される犠牲膜パターン120’を除去できる。犠牲膜パターン120’の除去は、ウェットエッチングなどのような等方性エッチング方式で行われることができる。犠牲膜パターン120’の除去により形成される空間を以下において溝Gということにする。溝Gは、垂直方向で上下に隣接した層間絶縁膜110間に位置しつつ、チャネルピラー150を囲むように形成されることができる。
【0047】
図10A及び10Bに示すように、溝G内に埋め込まれるゲート電極膜160を形成できる。ゲート電極膜160は、
図9A及び
図9Bの工程結果物に沿って溝Gを十分に埋め込む厚さで導電物質を蒸着した後、導電物質が溝G内にのみ存在し、層間絶縁膜110の上下で互いに分離されるように導電物質を全面エッチングする方式で形成されることができる。ゲート電極膜160は、金属、導電性の金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0048】
次いで、図示してはいないが、公知の後続工程、例えば、ドレインコンタクト形成工程、ビットライン形成工程などを行うことができる。
以上で説明した工程により
図10A及び
図10Bのような不揮発性メモリ装置が製造され得る。
【0049】
図10A及び
図10Bを再度参照すれば、本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置は、基板100上に交互に積層される層間絶縁膜110及びゲート電極膜160の積層構造物SS”と、積層構造物SS”を貫通して基板100に対して垂直方向に延びるチャネルピラー150、及びチャネルピラー150と積層構造物SS”との間に介在されるメモリ膜パターン140’を含むことができる。積層構造物SS”は、第1の方向でスリットS1により分離され、第2の方向に延びることができる。
【0050】
ここで、メモリ膜パターン140’は、積層構造物SS”側から順次配列される電荷遮断膜パターンCBL’、電荷保存膜パターン144’及びトンネル絶縁膜パターン146’を含むことができる。特に、電荷遮断膜パターンCBL’は、厚さが均一でない、例えば、相対的に厚さが厚い部分と相対的に厚さが薄い部分とを有する第1の電荷遮断膜パターン142’’’と、第1の電荷遮断膜パターン142’’’の厚さが薄い部分と隣接して第1の電荷遮断膜パターン142’’’とゲート電極膜160との間に介在される第2の電荷遮断膜パターン120’’’とを含むことができる。第1の電荷遮断膜パターン142’’’の厚さが厚い部分とゲート電極膜160との間には、第2の電荷遮断膜パターン120’’’が存在しないことがある。このような電荷遮断膜パターンCBL’が取得されることは、下記のような理由のためである。
【0051】
チャネルホール130は、所定高さで平面状の角張った部分を有する形状、例えば、図示されたような六角形状を有することができる。しかし、チャネルホール130に最も先に形成される電荷遮断膜パターンCBL’の外側壁及び内側壁は、角張った部分を含まずに実質的に均一な厚さを有することができる。言い替えれば、第1の電荷遮断膜パターン142’’’と第2の電荷遮断膜パターン120’’’との厚さの合計が実質的に一定でありうる。具体的に、第1の電荷遮断膜パターン142’’’は、トリミングによって内側壁が相対的に丸いながら、外側壁はチャネルホール130に沿って角張った部分を有する第1の中期電荷遮断膜142’の酸化によって取得されるので、角張った外側壁及び角張っていない内側壁を有することができる。それに対し、第2の電荷遮断膜パターン120’’’は、第1の中期電荷遮断膜142’の酸化時、第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが薄い部分と隣接した犠牲膜120の酸化によって取得されるので、第1の電荷遮断膜パターン142’’’の角張った外側壁を補完できる。電荷保存膜パターン144’及びトンネル絶縁膜パターン146’は、電荷遮断膜パターンCBL’の内側壁に沿って形成されるので、角張った部分を含まずに実質的に均一な厚さを有することができる。
第1の電荷遮断膜パターン142’’’と第2の電荷遮断膜パターン120’’’とは、互いに同一の絶縁性の酸化物、例えば、シリコン酸化物を含むことができる。しかし、第1の電荷遮断膜パターン142’’’と第2の電荷遮断膜パターン120’’’とが絶縁性の酸化物であるなら、互いに異なる物質を含むこともできる。
【0052】
1つのチャネルピラー150、これを囲む1つのゲート電極膜160、及びこれらの間に介在されるメモリ膜パターン140’が1つのメモリセルを形成できる。ゲート電極膜160に印加されるバイアスによってチャネルピラー150から電荷保存膜パターン144’に電荷が流入したり、または電荷保存膜144’の電荷がチャネルピラー150に放出されることができ、それにより、メモリセルには、互いに異なるデータが格納され得る。
【0053】
以上で説明した不揮発性メモリ装置及びその製造方法によれば、次のような長所が取得され得る。
まず、チャネルホール130が平面状の角張った部分を有しても、その内壁に沿って形成される電荷遮断膜パターンCBL’、電荷保存膜パターン144’及びトンネル絶縁膜パターン146’には、角張った部分が存在しないことがあり、これらのそれぞれの厚さが均一でありうる。したがって、メモリセルの動作特性が向上し得る。
【0054】
また、高さによってチャネルホール130の平面形状が可変されて、第1の初期電荷遮断膜142及び第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが高さによって変わることができるが、後続の酸化工程の際にこのような差異は補償されることができる。第1の中期電荷遮断膜142’の厚さが厚い部分が酸化される間、厚さが薄い部分と隣接した犠牲膜120が酸化されて、酸化される第1の中期電荷遮断膜142’とともに電荷遮断膜の機能を果たすことができるためである。したがって、メモリセルの特性の均一性が確保され得る。
【0055】
さらに、チャネルホール130の形状がメモリ膜パターン140’に影響を与えないことができるので、チャネルホール130形成のためのエッチング深さが深くなっても構わない。言い替えれば、基板100上に垂直に積層されるメモリセルの個数を増加させることができる。結果として、工程制約なしに不揮発性メモリ装置の集積度を増加させることができる。
【0056】
最後に、トリミング工程及び酸化工程という容易な工程により、上記のような効果を達成できるので、工程難易度が増加しないことができる。
一方、前述した実施形態の不揮発性メモリ装置及びその製造方法は、様々に変形されることができる。
【0057】
例えば、
図3A及び
図3Bの積層構造物SS形成工程において犠牲膜120の代わりにゲート電極膜160が直ちに蒸着されることができる。このような場合、ゲート電極膜160は、酸化時に絶縁特性を有するように変形される導電物質を含むことができる。一例として、ゲート電極膜160が金属を含む場合、この金属の酸化物は絶縁特性を有することができる。それにより、後続の
図6A及び
図6Bの工程で形成される第2の電荷遮断膜120”は、ゲート電極膜160の酸化物でありうる。後続工程は、
図9A及び
図9Bの工程で溝G形成を省略するということを除いては、前述した実施形態と実質的に同様でありうる。
【0058】
前述した実施形態のメモリ回路または半導体装置は、様々な装置またはシステムに利用されることができる。
図11は、前述した実施形態のメモリ回路または半導体装置を実現できる装置またはシステムの一例を示す。
【0059】
図11は、本発明の一実施形態に係るメモリ装置を実現するデータ処理システムの構成図の一例である。
図11に示すように、データ処理システム1000は、ホスト(Host)1200及びメモリシステム1100を備えることができる。
【0060】
ホスト1200は、有無線電子装置、例えば、携帯電話、MP3プレーヤ、ラップトップコンピュータなどのような携帯用電子装置、またはデスクトップコンピュータ、ゲーム機、TV、プロジェクタなどのような電子装置を含むことができる。
【0061】
また、ホスト1200は、少なくとも1つのオペレーティングシステム(OS:operating system)を含むことができる。オペレーティングシステムは、ホスト1200の機能及び動作を全般的に管理及び制御し、データ処理システム1000またはメモリシステム1100を使用するユーザとホスト1200との間に相互動作を提供できる。ここで、オペレーティングシステムは、ユーザの使用目的及び用途に相応した機能及び動作を支援し、例えば、ホスト1200の移動性(mobility)によって一般オペレーティングシステムとモバイルオペレーティングシステムとに区分することができる。一般オペレーティングシステムは、ユーザの使用環境に応じて個人用オペレーティングシステムと企業用オペレーティングシステムとに区分することができ、個人用オペレーティングシステムは、一般ユーザのためのサービス提供機能を支援するように特性化されたシステムであり、例えば、ウィンドウズ(登録商標)(windows)、クロム(登録商標)(chrome)などを含み、企業用オペレーティングシステムは、高性能を確保及び支援するように特性化されたシステムであり、例えば、ウィンドウズサーバ(windows server)、リナックス(登録商標)(linux)、ユニックス(登録商標)(unix)などを含むことができる。モバイルオペレーティングシステムは、ユーザらに移動性サービス提供機能及びシステムの節電機能を支援するように特性化されたシステムであり、例えば、アンドロイド(登録商標)(android)、iOS、ウィンドウズモバイル(windows mobile)などを含むことができる。ホスト1200は、複数のオペレーティングシステムを含むことができ、ユーザの要請に相応したメモリシステム1100との動作実行のために、これらのオペレーティングシステムを実行することができる。
【0062】
メモリシステム1100は、ホスト1200の要請に応答して動作し、特に、ホスト1200によりアクセスされるデータを格納することができる。言い替えれば、メモリシステム1100は、ホスト1200の主記憶装置または補助記憶装置として使用されることができる。ここで、メモリシステム1100は、ホスト1200と連結されるホストインターフェースプロトコルによって、様々な種類の格納装置のうち、いずれか1つで実現されることができる。例えば、メモリシステム1100は、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、MMC、eMMC(embedded MMC)、RS-MMC(Reduced Size MMC)、micro-MMC形態のマルチメディアカード(MMC:MultiMedia Card)、SD、mini-SD、micro-SD形態のセキュアデジタル(SD:Secure Digital)カード、USB(Universal Storage Bus)格納装置、UFS(Universal Flash Storage)装置、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、スマートメディア(Smart Media(登録商標))カード、メモリースティック(Memory Stick)(登録商標)などのような様々な種類の格納装置のうち、いずれか1つで実現されることができる。
【0063】
メモリシステム1100は、ホスト1200によってアクセスされるデータを格納する部分であるメモリ装置1400、及びメモリ装置1400へのデータ格納を制御するコントローラ1300を備えることができる。
【0064】
ここで、コントローラ1300及びメモリ装置1400は、1つの半導体装置に集積されることができる。例えば、コントローラ1300及びメモリ装置1400は、1つの半導体装置に集積されてSSDを構成できる。メモリシステム1100がSSDとして利用される場合、メモリシステム1100に連結されるホスト1200の動作速度は、より改善されることができる。または、例えば、コントローラ1300及びメモリ装置1400は、1つの半導体装置に集積されて、メモリカード、例えば、PCカード(PCMCIA:Personal Computer Memory Card International Association)、コンパクトフラッシュカード(CF)、スマートメディアカード(SM、SMC)、メモリースティック、マルチメディアカード(MMC、RS-MMC、MMCmicro)、SDカード(SD、miniSD、microSD、SDHC)、ユニバーザルフラッシュ記憶装置(UFS)などを構成できる。または、例えば、メモリシステム1100は、コンピュータ、UMPC(Ultra Mobile PC)、ワークステーション、ネットブック(net-book)、PDA(Personal Digital Assistants)、ポータブル(portable)コンピュータ、ウェブタブレット(web tablet)、タブレットコンピュータ(tablet computer)、無線電話機(wireless phone)、モバイルフォン(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、e-ブック(e-book)、PMP(portable multimediaplayer)、携帯用ゲーム機、ナビゲーション(navigation)装置、ブラックボックス(black box)、デジタルカメラ(digital camera)、DMB(Digital MultimediaBroadcasting)再生機、3次元TV(3-dimensional television)、スマートTV(smart television)、デジタル音声録音機(digital audiorecorder)、デジタル音声再生機(digital audioplayer)、デジタル映像録画機(digital picture recorder)、デジタル映像再生機(digital picture player)、デジタル動画録画機(digital video recorder)、デジタル動画再生機(digital video player)、データセンタを構成するストレージ、情報を無線環境で送受信できる装置、ホームネットワークを構成する様々な電子装置のうちの1つ、コンピュータネットワークを構成する様々な電子装置のうちの1つ、テレマティクスネットワークを構成する様々な電子装置のうちの1つ、RFID(radio frequency identification)装置、またはコンピューティングシステムを構成する様々な構成要素のうちの1つなどを構成できる。
【0065】
メモリシステム1100におけるメモリ装置1400は、電源が供給されなくても格納されたデータを維持でき、特に、書き込み(write)動作を介してホスト1200から提供されたデータを格納し、読み出し(read)動作を介して格納されたデータをホスト1200に提供することができる。ここで、メモリ装置1400は、複数のメモリ1420、1440、1460を備えることができる。ここで、複数のメモリ1420、1440、1460の各々は、前述した実施形態の3次元不揮発性メモリ装置を含むことができる。例えば、複数のメモリ1420、1440、1460の各々は、層間絶縁膜及び第1の物質膜が交互に積層された積層構造物を形成するステップと、前記積層構造物を貫通する少なくとも1つのチャネルホールを形成するステップと、前記チャネルホールに沿って第2の物質膜を形成するステップと、前記第2の物質膜の表面をトリミングするステップと、前記トリミングされた第2の物質膜の全部を酸化させて電荷遮断膜の少なくとも一部を形成するステップと、前記電荷遮断膜上に電荷保存膜及びトンネル絶縁膜を形成するステップとを含むことを特徴とする。これにより、メモリ装置1400の集積度が増加しながら、メモリセル特性が改善され、均一になることができる。それにより、メモリシステム1100のデータ格納容量が増加し、動作特性が向上し得る。結果として、データ処理システム1000のデータ処理特性が向上し得る。
【0066】
メモリシステム1100におけるコントローラ1300は、ホスト1200からの要請に応答してメモリ装置1400を制御できる。例えば、コントローラ1300は、メモリ装置1400から読み出されたデータをホスト1200に提供し、ホスト1200から提供されたデータをメモリ装置1400に格納し、このために、コントローラ1300は、メモリ装置1400の読み出し、書き込み、プログラム(program)、イレース(erase)などの動作を制御できる。
【0067】
上記のような動作のために、コントローラ1300は、ホスト1200との通信のためのインタフェースユニット、メモリ装置1400との通信のためのインタフェースユニット、コントローラ1300及び/又はメモリシステム1100の動作のためのデータを格納する動作メモリ、コントローラ1300及び/又はメモリシステム1100の全般的な動作を制御し、このために、フラッシュ変換階層(FTL:Flash Translation Layer)などのようなファームウェア(firmware)を含み、マイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)などで実現されるプロセッサなどを備えることができる。
【0068】
しかし、前述した実施形態のメモリ回路または半導体装置が利用され得るシステムが
図11のシステムに限定されるものではなく、不揮発性メモリ装置を必要とする様々なシステムに前述した実施形態のメモリ回路または半導体装置が利用され得る。
【0069】
本発明の技術思想は、上記望ましい実施形態によって具体的に記録されたが、上記した実施形態は、その説明のためのものであり、その制限のためのものでないことに注意すべきである。また、本発明の技術分野の通常の専門家であれば、本発明の技術思想の範囲内で様々な実施形態が可能であることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0070】
100 基板
110 層間絶縁膜
120 犠牲膜
140 メモリ膜
150 チャネルピラー
160 ゲート電極膜