(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】コンテナ情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20240215BHJP
【FI】
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2020215446
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005902
【氏名又は名称】株式会社三井E&S
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2005-0117320(KR,A)
【文献】特表2007-532440(JP,A)
【文献】特開2015-221708(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0100379(US,A1)
【文献】特開2015-106400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上コンテナの情報管理を行うためのシステムであって、
複数のユーザー端末とネットワークを介して接続され、システムへのログイン画面や、入出力情報画面の表示を行うと共に、前記ユーザー端末を介した情報の入力を可能とする通信手段と、
少なくとも、海上コンテナに関連する管理情報について各ユーザーが任意に取り決めた自社コードと、前記海上コンテナに関連する管理情報について国際的に定められた標準コード、各ユーザーのユーザーID、及びパスワードを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された情報と、前記通信手段を介して入力された情報とに基づいて、アクセス許可判定処理や、前記自社コードと前記標準コードの関連付け処理、前記自社コードと前記標準コードとの間における変換処理を行う演算手段と、を有
し、
前記記憶手段にはさらに、登録する情報、及び読み出す情報の項目を定めたフォーマットがユーザー毎に記録され、
前記演算手段は、ユーザーの要求に応じてコンテナ情報を表示する際、ユーザーIDに関連付けられているフォーマットの項目に合わせて情報を並べ替えて出力することを特徴とするコンテナ情報管理システム。
【請求項2】
前記記憶手段には、前記フォーマットを使用するユーザーのグループを登録可能としていることを特徴とする
請求項1に記載のコンテナ情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送コンテナの情報管理を行うためのシステムに係り、特に、国内において輸送される輸出入コンテナおよび空コンテナを管理するのに好適なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国内に点在するコンテナターミナルでは、各々固有のコード体系を使用して運用しており、海外のターミナルとの間でコンテナを輸送する外航船の本船動静やコンテナ情報は、国際標準のデータフォーマットとコード体系に変換してその情報が送受信される。
【0003】
一方で、国内におけるコンテナ輸送に着目すると、例えば内航船やインランドデポで管理されるコンテナ情報、および、本船動静、ブッキング、マニフェスト、空コンテナのピックアップ情報等に関しては、電子データによる通信、及び管理が確立されておらず、船社、海貨業者、コンテナターミナルおよびコンテナデポ等の関係者間でメールやFAX、電話等、アナログ的な手法を含むかたちで情報のやり取りが成されているという実状がある。
【0004】
こうした実状に鑑み、陸運対象とされるコンテナを効率良く運用することができるように、特許文献1に開示されているようなシステムが提案されている。特許文献1に開示されているシステムでは、インランドデポや船社、あるいはコンテナリース会社等が、コンテナに関する返却や移動の情報をコンピュータに入力し、コンテナ輸送を行うトラック会社等が保有する端末に出力できるようにしておく。そして、端末からの利用依頼に対して入力情報に基づくマッチングを行う事で、コンテナの効率的な利用を図ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているようなシステムを利用すれば、陸運対象とされるコンテナに関する情報の共有化が容易になると考えられる。しかし、国内に点在する多くのコンテナターミナルでは、コンテナ情報を管理するシステムとして、独自のターミナルオペレーションシステム(以下、TOSと称す)を使用している。また、コンテナに関連する管理情報についての国際標準とされるコード(標準コード)が直感的に判りづらいことなどの理由から、コンテナターミナル固有の管理情報コード(自社コード)を使用して情報管理が行われている場合も多い。このため、コンテナに関するデータを外部と授受する場合には、逐次管理情報コードの変換と入力を行う事を要しているという実状がある。
【0007】
また、国内におけるコンテナ輸送では、入力データに関する標準的なフォーマット等も無いため、各社間における固有の様式でのデータ授受が行われる。このような実状からも、各コンテナターミナルにおけるTOSへの適用における再度のデータ入力が必要とされている。
【0008】
さらに、殆どのターミナルに対して、独自の仕様で運用されているTOSが導入されている現状においては、データのフォーマットやコンテナに関するコード体系の統一化を図る事は、実質的に困難であるという実状がある。
【0009】
そこで本発明では、既存の情報管理システムによるコンテナ情報の管理を継続しつつ、外部からの関連情報を自社システムに容易に適用する事を可能とするコンテナ情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るコンテナ情報管理システムは、海上コンテナの情報管理を行うためのシステムであって、複数のユーザー端末とネットワークを介して接続され、システムへのログイン画面や、入出力情報画面の表示を行うと共に、前記ユーザー端末を介した情報の入力を可能とする通信手段と、少なくとも、海上コンテナに関連する管理情報について各ユーザーが任意に取り決めた自社コードと、前記海上コンテナに関連する管理情報について国際的に定められた標準コード、各ユーザーのユーザーID、及びパスワードを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された情報と、前記通信手段を介して入力された情報とに基づいて、アクセス許可判定処理や、前記自社コードと前記標準コードの関連付け処理、前記自社コードと前記標準コードとの間における変換処理を行う演算手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記のような特徴を有するコンテナ情報管理システムにおける前記記憶手段には、登録する情報、及び読み出す情報の項目を定めたフォーマットがユーザー毎に記録され、前記演算手段は、ユーザーの要求に応じてコンテナ情報を表示する際、ユーザーIDに関連付けられているフォーマットの項目に合わせて情報を並べ替えて出力する処理が成されるようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、ユーザー側の既存システムに合わせたフォーマットでデータの登録、及び読み出しを行う事が可能となる。
【0012】
さらに、上記のような特徴を有するコンテナ情報管理システムにおける前記記憶手段には、前記フォーマットを使用するユーザーのグループを登録可能とすることができる。このような特徴を有する事によれば、登録されたグループにおいては、関係するユーザー間のみでのデータ共有を図る事が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
上記のような特徴を有するコンテナ情報管理システムによれば、既存の情報管理システムによるコンテナ情報の管理を継続しつつ、外部からの関連情報を自社システムに容易に適用する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るコンテナ情報管理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】ユーザーIDとパスワード、及びユーザー関連情報の登録例を示す図である。
【
図3】ユーザーID毎に記憶される標準コードと自社コードの登録例を示す図である。
【
図4】DBサーバーに記憶する登録項目のフォーマットの例を示す図である。
【
図5】出力項目の選択についての説明を行うための図である。
【
図6】コンテナ情報に関する出力項目のフォーマットの例を示す図である。
【
図7】システムを運用する上での利用者登録の流れを説明するためのフロー図である。
【
図8】システムを運用する上で、管理コンテナの情報を登録するための流れを説明するためのフロー図である。
【
図9】システムを運用する上で、コンテナリストの確認を行うための流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のコンテナ情報管理システムに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施するにあたっての好適な形態の一部であり、その効果を奏する限りにおいて、構成の一部や名称に変更を加えたとしても、本発明の一部とみなすことができる。
【0016】
[構成]
まず、
図1を参照して、本実施形態に係るコンテナ情報管理システム10の構成について説明する。本実施形態に係るコンテナ情報管理システム10は、通信手段と、記憶手段、及び演算手段を基本として構成されている。なお、各手段は、1つのコンピュータにおける内部要素としてシステムを構成するものであっても良いし、各々個別の要素の集合体によりシステムを構成するものであっても良い。本実施形態では、各手段を個別の要素として構成しているため、以下の説明では、通信手段をWEBサーバー12、記憶手段をデータベースサーバー(以下、DBサーバー14と称す)、演算手段をアプリケーションサーバー(以下、APサーバー16と称す)として説明する。
【0017】
WEBサーバー12は、詳細を後述するユーザー端末30等の外部端末との通信や、外部端末からの情報の入力、及び外部端末への情報の出力を担う要素である。WEBサーバー12には、コンテナ情報管理システム10へのログインに必要なユーザーIDとパスワードの入力画面や、海上コンテナに関連する管理情報についての入出力画面等(いずれも不図示)の表示機能を持たせるようにすれば良い。なお、実際の表示画面は、WEBサーバー12を介してコンテナ情報管理システム10へアクセスした外部端末(ユーザー端末30)の表示手段32に表示されることとなる。
【0018】
DBサーバー14は、ユーザーIDとパスワード、自社コード、標準コード、データフォーマット、及びユーザー間で実際に送受信されるデータの管理情報またはデータなどを記憶するための要素である。ユーザーIDとパスワードは、本実施形態に係るコンテナ情報管理システム10を利用するユーザーが、当該システムにアクセスするために必要とされる情報である。各ユーザー固有のユーザーIDとパスワードを関連付けて記憶することで、詳細を後述するAPサーバー16によるアクセス許可(ログイン許可)の判定を行うことができるようになる。
【0019】
自社コードは、海上コンテナ(以下、単にコンテナと称す)に関連する管理情報について、各ユーザーが任意に取り決めたコードであり、コンテナのサイズ(長さ)やタイプ(形式)、及び高さなどを示す表示形式である。また、標準コードは、コンテナに関連する管理情報について、国際的に定められたコードであり、コンテナのサイズ(長さ)やタイプ(種類)、及び高さなどを示す表示形式である。
【0020】
各ユーザーIDと自社コード、及び標準コードを関連付けて記録することで、APサーバー16により、ユーザーIDに対応した自社コードと標準コードとの間での相互変換を行う事が可能となる。なお、データフォーマットは、コンテナの情報管理に必要なデータ項目やその配列順序を定めるための要素を含む項目欄である。なお、上述したデータの管理情報とは、データフォーマットを含む管理情報であり、データフォーマットの他、送信日時や送信元、送信先、送信データ明(タイトル)などの情報である。また、データとは、実際に送受信される実データの事をいう。
【0021】
APサーバー16は、DBサーバー14に記憶された情報と、WEBサーバー12を介して入力された情報とに基づいて、各種処理を行うためのアプリケーションソフト等のプログラムを備える要素である。APサーバー16で実施する処理としては主に、アクセス許可判定処理や、関連付け処理、変換処理、及び表示データの生成等を挙げることができる。
【0022】
アクセス許可判定処理は、ユーザーがコンテナ情報管理システム10にログイン可能か否かを判定するためのプログラムを介して成される処理である。具体的には、WEBサーバー12を介して入力されたユーザーIDとパスワードがDBサーバー14に記憶されているユーザーIDとパスワードに一致するか否かを判定する処理を行う。判定により、入力されたユーザーIDとパスワードが、DBサーバー14に記憶されたユーザーIDとパスワードと一致した場合には、認証許可の判定が成され、コンテナ情報管理システム10へのログインが許可される。一方、ユーザーIDとパスワードが一致しない場合には、認証不可の判定が成され、コンテナ情報管理システムへのログインが認められない。
【0023】
ここで、各ユーザーのユーザーIDとパスワードは、
図2に示すように、必要情報がユーザーIDに関連付けて、予めDBサーバー14に記憶(入力)されている。なお、DBサーバー14へのユーザー情報の初期入力や、APサーバー16への各種アプリケーションソフトの入力、管理等は、コンテナ情報管理システム10に付帯される入力端末18を介してシステム管理者が行うようにすれば良い。
【0024】
関連付け処理は、予め定められた項目に従って入力された情報同士を関連付けて、DBサーバー14に記憶させる処理を行うプログラムにより実行される。具体的には、入力端末18や、ユーザー端末30から入力されたユーザーIDとパスワードや、ユーザーIDと自社コード、及び標準コード等を関連付けてDBサーバー14に記憶させる処理を行う。情報を関連付けて記憶させる事により、所定の情報を検索する事で、検索情報に関連付けられた他の情報を取得する事が可能となる。
【0025】
各種情報の関連付け処理は、ユーザーID毎に行い、例えば
図3に示すように、ユーザーID毎にコンテナに関する標準コードと自社コードが対比できるように記憶されていれば良い。
【0026】
変換処理は、WEBサーバー12を介して入力された自社コードや標準コードをDBサーバー14に記憶された自社コードや標準コードと照合し(
図3参照)、自社コードを標準コードに変換する処理や、標準コードを自社コードに変換する処理を行うプログラムにより実行される。自社コードから標準コードへの変換は、例えば、DBサーバー14に記憶されている自社コードの検索を行い、記憶されている自社コードに関連付けられている標準コードを読み出すという処理であれば良い。
【0027】
表示処理は、APサーバー16によって実行された各種処理の結果をWEBサーバー12を介して表示させる処理を行うプログラムにより実行される。なお、コンテナに関する情報の表示は、予め定められたデータフォーマットに従って成されるようにすれば良い。
【0028】
データフォーマットとしては、例えば
図4に示すような登録項目が示された登録用フォーマットや、
図5に示すような、データ出力時における出力項目の選択フォーマット、及び
図6に示すようなデータ出力時の表示項目を示した出力用フォーマットなどを予め定めておき、このフォーマットに従って、データの登録、及び出力が成されるようにすれば良い。
【0029】
なお、ネットワーク50を介してWEBサーバー12にアクセスするためのユーザー端末30は、外航船社や、内航船社、コンテナターミナル、インランドデポ、海貨・陸運業者、及びバージ船保有業者等が所有するコンピュータ等のシステムであれば良い。よって、各ユーザー端末30、あるいはユーザー端末30に連結されたシステムには、各々個別の情報管理システムが構築されている場合が多い。
【0030】
[作用]
上記のような基本構成を有するコンテナ情報管理システム10では、最初に利用者登録を行った上で運用(システムの利用)が成される。よって、
図7に示す利用者登録フローを参照して利用者登録の流れを説明し、
図8、
図9に示す利用フローを参照してシステムの利用の流れを説明する。
【0031】
[利用者登録]
利用者登録ではまず、利用者(ユーザー)がユーザー端末30を介してWEBサーバー12へアクセスする(S110)。WEBサーバー12へのアクセスが認められると、WEBサーバー12は、ログイン認証画面(不図示)を表示する処理を行う。この処理により、ユーザーは、ユーザー端末30の表示手段32を介してログイン認証画面を視認することが可能となる。なお、ログイン認証画面には、少なくともユーザーIDとパスワードを入力するための項目が設けられている(SS120)。
【0032】
ログイン認証画面が表示されるとユーザーは、ユーザー端末30を介してユーザーIDとパスワードを入力する。ユーザーIDとパスワードが入力されると、APサーバー16がアクセス許可判定処理を実行する。アクセス許可判定処理の結果、認証許可の判定が成された場合には、コンテナ情報管理システム10へのログインが認められる。一方、アクセス許可判定処理の結果、認証不可の判定が成された場合には、コンテナ情報管理システム10へのログインが認められず、再びIDとパスワードの入力画面が表示される。なお、アクセス許可判定処理においては、予め定められた回数(例えば3回)連続して認証不可の判定が成された場合、画面をロックする等の処理を行うようにして、セキュリティー性の向上を図るようにしても良い(S130)。
【0033】
アクセス許可判定処理において認証許可の判定が成された場合、ユーザー端末30を介して自社コードと標準コードを関連付ける登録を行う。自社コードと標準コードの関連付けの登録は、WEBサーバー12を介した入力と、APサーバー16による関連付け処理、及びDBサーバー14への記憶により成される(S140)。自社コードと標準コードの関連付け登録後、ユーザーは入出力項目やデータの並び順などのフォーマット(様式:データフォーマット)の定義付け(登録)を行う。定義付けは、WEBサーバー12を介して入力されたフォーマット(例えば
図4参照)をAPサーバー16が、DBサーバー14に記憶されているデータの並び順(例えば
図5参照)に関連付け処理し、DBサーバー14に記憶させることにより成される(S150)。さらにユーザーは、必要に応じて定義付けしたフォーマットを使用するグループ(ユーザーの範囲)を定める。グループの登録は、WEBサーバー12を介して表示される入力画面(不図示)に対して、ユーザー名やユーザーID等を入力すれば良い。入力されたユーザー名やユーザーIDは、APサーバー16による関連付け処理が成され、DBサーバー14に記憶される。なお、ここで言うグループとは、送信側ユーザー(コンテナを登録し、情報を送信するユーザー)が、取引を行う相手であり、送信データを閲覧可能な範囲を定めるものである。よって、グループに関しては、1つに限らず、必要に応じて複数のグループを登録するようにしても良い(S160)。各種登録処理が終了した後、WEBサーバー12を介して表示されるログアウトボタン(不図示)の選択や、表示画面を閉じるなどの処理を行う事で、コンテナ情報管理システム10からのログアウトが成される(S170)。
【0034】
[システム利用:送信]
次に、
図8を参照して、管理コンテナを登録する際のシステムの利用について説明する。ユーザー端末30を介してWEBサーバー12へアクセスし、ユーザーID、及びパスワードの入力を行い、ログインの可否に関する認証を行うまでの工程は上述した利用者登録と同様である(S210~S230)。
【0035】
コンテナ情報管理システム10へのログイン後は、WEBサーバー12を介して管理コンテナに関する情報のリスト(以下、コンテナリストと称す)を登録する。なお、コンテナリストの登録方法については、特に限定するものでは無い。すなわち、WEBサーバー12を介して表示画面上に示される項目毎にリスト内容をコピー&ペーストした上で送信処理を行うようにしても良いし、自社システム内で予めまとめられたリストのファイルをアップロードするといった方法でも良い。すなわち、コンテナ情報管理システム10側における対応幅に応じた方法を採ることができる。
【0036】
なお、利用者登録において、フォーマットに合わせて記録されているファイルをアップロードするといった処理の方が、手間や間違いが少なくて済む。また、自社で所有しているTOSとネットワークで接続して、TOSにデータを送信可能な機能を持たせることにより、自動的にデータを送信しても良い。このような方法を採用した場合には、ユーザーがアクションを起こす必要が無くなる。
【0037】
ここで、登録したコンテナリストの閲覧範囲を定める場合には、利用者登録時に設定したグループの中から、任意のグループを選択する事ができる。なお、登録されているグループが1つだけの場合には、自動でグループの選択が成されるようにしても良い(S240)。
【0038】
WEBサーバー12を介してコンテナリストが受信されると、APサーバー16では、受信データの妥当性チェックや、変換処理が成される。ここで、妥当性チェックとは、受信したコンテナリストに記録されているデータに項目漏れや、登録されていない項目に関するデータが無いかといった点や、指定されたフォームに合わせて対応するデータと認められるデータが記録されているか否かといった点がチェックされる。チェックの結果、予め登録されていない項目が記録されていたり、サイズとタイプのデータの記録項目が逆であるというように、フォームに従った記録が成されていない事が明らかな場合には、WEBサーバー12を介してユーザー端末30にエラー表示を出力するようにすると良い(S250)。
【0039】
妥当性チェックの結果、受信したコンテナリストに記録されているデータが妥当なものであると認められた場合、APサーバー16は、コードの変換処理を行う。コードの変換処理は、ユーザーID毎にDBサーバー14に記録されている自社コードと標準コードとの対応に応じて行う(S260)。コードの変換処理を終えたAPサーバー16は、標準コードへの変換処理が完了したコンテナリストをDBサーバー14へ登録する。なお、各データは、データの管理情報に基づいて検索、利用可能であれば、その管理形式を問うものでは無い。すなわち、1つのファイルとしての保存に限る事は無く、各々別のファイルにより管理するようにしても良い(S270)。
【0040】
DBサーバー14への登録処理後、APサーバー16は、コンテナリストの変換処理、及びDBサーバー14への登録を適切に実行した旨をWEBサーバー12を介してユーザー端末30に表示する旨の出力を行う。これにより、ユーザーは、コンテナリストがコンテナ情報管理システム10に登録された事を確認する事ができるからである。ユーザーは、WEBサーバー12を介した登録実行完了のメッセージを受けた後、ログアウトする。なお、ユーザーのログアウトのタイミングは限定されるものでは無く、コンテナリストの登録を行った後(S240終了後)、ただちにログアウトする事も可能である。コンテナリストが妥当なものであれば、後の処理はコンテナ情報管理システム10側で対応する事ができるからである(S280)。
【0041】
[システム利用:受信]
次に、
図9を参照して、コンテナ情報管理システム10に登録されているコンテナリストの確認(受信データの利用)について説明する。ユーザー端末30を介してWEBサーバー12へアクセスし、ユーザーID、及びパスワードの入力を行い、ログインの可否に関する認証を行うまでの工程は上述した利用者登録と同様である(S310~S330)。
【0042】
コンテナ情報管理システム10へログインした後、ユーザー端末30には、ユーザーIDに応じて利用可能なコンテナリストがWEBサーバー12を介して表示されることとなる。なお、ユーザーがコンテナ情報管理システム10へログインするタイミングについては、管理情報の送信元から送信先(グループとして登録された相手)へ通知を出し、これをもとにログインするようにしても良いし、受信側(送信先)において定型業務として日常的にログインを行い、利用可能なリストの確認を行うようなものであっても良い。ここで、送信元から送信先への通知としては、メール(電子メール)の他、電話やFAXなどの手段であっても良い。通知手段としてメールを利用する場合、APサーバー16によるデータリストの作成(関連付け処理)や、DBサーバー14への記憶が完了した際に、グループとして登録されている相手(送信先)に自動送信されるようにしても良い
(S340)。
【0043】
表示された項目(コンテナリスト)の中からユーザーが利用したいコンテナリストが選択されると、APサーバー16は、DBサーバー14を参照して該当するコンテナリストを読み出す。ここで、APサーバー16により読み出されたコンテナリストは、標準コードにより記録されているため、APサーバー16は、ログインしているユーザーIDに関連付けられている情報を読み出し、標準コードをユーザーIDに対応した自社コードに変換する処理を行う。コンテナリストに記録されたデータのコード変換処理を終えた後、APサーバー16は、DBサーバー14に記憶されているログインユーザーに対応したフォーマットに一致するように、データの表示形式を入れ替える変換処理を行う(S350)。
【0044】
各種変換処理が行われたコンテナリストは、WEBサーバー12を介してユーザー端末30に表示される(S360)。ユーザーは、WEBサーバー12を介して表示されたコンテナリストを読み込んだ後、ログアウトする。なお、コンテナリストの読み込みは、コンテナリストの登録と同様に、種々の手法によれば良い。すなわち、画面に表示されたデータをコピー&ペーストにより、自社システムの入力フォーマットに貼り付けても良いし、表示されたデータをファイルとしてダウンロードし、これをそのまま自社システムで利用するようにしても良い。また、自社で所有しているTOSとネットワークで接続して、TOSにデータを受信可能な機能を持たせることにより、自動的にデータを受信しても良い(S370)。
【0045】
[効果]
上記のようなコンテナ情報管理システム10を利用する事によれば、ユーザーが保有する既存のデータ管理システム(TOSを含む)によるコンテナ情報の管理を継続しつつ、外部からの関連情報を自社システムに容易に適用する事が可能となる。よって、データの授受毎に既存システムへの入力処理等を行う事が不要となり、労力の軽減と、人手を介する事による入力ミス等を防ぐ事が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上記実施形態では、コンテナ情報管理システム10は、複数のサーバーや端末により構成されるように示し、その旨説明した。しかしながら、各要素の機能を備える事ができれば、本システムを単一の機器やコンピュータによって構成しても良い。例えば、記憶手段は、メモリやハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートディスク(SSD)などとする事ができる。また、演算手段は、ICやCPUの協働により、記憶手段に記憶されたプログラムを実行することで、各種処理を行うようにすれば良い。また、通信手段は、インターフェースを介して入出力される情報を、ICやCPUを介して処理し、ユーザー端末30に、各種情報を表示するようにすれば良い。
【0047】
また、上記実施形態では、コンテナに関する情報のみを扱うように示したが、DBサーバー14に項目を事前登録することにより、コンテナに関連する情報以外の情報を管理することも可能となる。
【符号の説明】
【0048】
10………コンテナ情報管理システム、12………WEBサーバー、14………DBサーバー、16………APサーバー、18………入力端末、30………ユーザー端末、32………表示手段、50………ネットワーク。