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特許7437903高さ測定機および高さ測定機を用いた測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】高さ測定機および高さ測定機を用いた測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/02 20060101AFI20240216BHJP
   G01B 5/20 20060101ALI20240216BHJP
   G01B 5/24 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G01B5/02
G01B5/20 Z
G01B5/24
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019180487
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021056135
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】金松 敏裕
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳史
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】鵜戸 章平
(72)【発明者】
【氏名】白井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宣良
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-292146(JP,A)
【文献】実開昭59-015907(JP,U)
【文献】特開平04-110601(JP,A)
【文献】実開昭60-098004(JP,U)
【文献】登録実用新案第3150056(JP,U)
【文献】実開平02-089306(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00ー5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であって、
前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段を備え、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか一方には、鉛直方向に交差する方向に突設された取付軸が設けられ、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか他方には、前記取付軸を受け入れて前記取付軸を保持する取付け孔が設けられ、
前記接触子突出量変更手段は、前記取付軸の前記Zスライダと前記プローブとの間に着脱可能に介装される水平方向の長さが既知のスペーサである
ことを特徴とする高さ測定機。
【請求項2】
基台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であって、
前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段を備え、
前記接触子突出量変更手段として、水平方向の長さの異なる2以上の測定子が設けられ、前記2以上の測定子のそれぞれの先端に前記接触子が設けられ、
水平に平行な回転軸で回転させて前記2以上の測定子の位置を交換することで前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する
ことを特徴とする高さ測定機
【請求項3】
請求項2に記載の高さ測定機において、
前記接触子突出量変更手段は、前記回転軸で回転させて前記2以上の測定子の位置を交換したとき、前記接触子の水平方向の突出し量だけが変化し、高さの変化はないようになっている
ことを特徴とする高さ測定機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の高さ測定機において、
さらに、ワーク設置治具を備え、
前記ワーク設置治具は、
本体プレートと、
二つの基準ロッドと、を有し、
前記二つの基準ロッドは、長さが同じであって、かつ、前記本体プレートのおもて面の同じ高さ位置に突設され、
前記本体プレートは、前記Zスライダの下方において、前記本体プレートのうら面が当該高さ測定機の二つの突当て部に突き当てられるように設置される
ことを特徴とする高さ測定機。
【請求項5】
基台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であって、
前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段と、
ワーク設置治具と、を備え、
前記ワーク設置治具は、
本体プレートと、
二つの基準ロッドと、を有し、
前記二つの基準ロッドは、長さが同じであって、かつ、前記本体プレートのおもて面の同じ高さ位置に突設され、
前記本体プレートは、前記Zスライダの下方において、前記本体プレートのうら面が当該高さ測定機の二つの突当て部に突き当てられるように設置される
ことを特徴とする高さ測定機。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の高さ測定機において、
前記本体プレートの背面側には、前記高さ測定機の二つの突当て部にそれぞれ突き当てられる位置決めマークが設けられていて、
前記位置決めマークと前記突当て部とを位置合わせした状態で当該ワーク設置治具をセットしたとき、
前記二つの基準ロッドの先端同士の中点と、前記二つの突当て部の中点と、前記接触子と、は同じ平面上にある
ことを特徴とする高さ測定機。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれかに記載の高さ測定機で円柱状測定対象物の曲率を測定する曲率測定方法であって、
円柱状測定対象物の軸が横向きになるように倒し、側面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の側面の高さを測定する
ことを特徴とする曲率測定方法。
【請求項8】
請求項4から請求項6のいずれかに記載の高さ測定機で球状測定対象物の曲率を測定する曲率測定方法であって、
球状測定対象物の表面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の表面の高さを測定する
ことを特徴とする曲率測定方法
【請求項9】
高さ測定機で測定対象物の斜面を測定する測定方法であって、
前記高さ測定機は、
台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと
記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段と、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であり、
当該測定方法は、
前記測定対象物を前記基台部に突き当ててセットし、
前記Zスライダの鉛直方向移動によって前記接触子を前記測定対象物の前記斜面に当接させて第1測定値を得て、
前記測定対象物を移動させないで、前記接触子突出量変更手段によって前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更し、
再度、前記Zスライダの鉛直方向移動によって前記接触子を前記測定対象物の前記斜面に当接させて第2測定値を得て、
前記第1測定値と前記第2測定値との差ΔHと、前記接触子突出量変更手段による前記接触子の水平方向の突出し量の既知の変更量ΔXと、に基づいて、前記測定対象物の前記斜面の測定値を得る
ことを特徴とする高さ測定機で測定対象物の斜面を測定する測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ測定機に関する。具体的には、測定対象物の傾斜面角度を測定する高さ測定機、および、測定対象物の曲率を測定する高さ測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
上下方向へ昇降可能に設けられた測定子を備え、この測定子を測定対象物の測定対象部位に当接させて、測定対象物の寸法、たとえば、高さ、段差、穴、軸などの寸法を測定する測定機として高さ測定機(ハイトゲージ)が知られている(特許文献1、2)。
従来、高さ測定機を用いた傾斜面測定は次のように行なわれていた。
まず、図19の上段(A)に例示のように、通常の使用方法で測定対象となる傾斜面の一点の高さを測定する。次に、図19の下段(B)に例示のように、測定対象物Wと高さ測定機10との間に幅が既知のケージブロック20を設置する。
この状態で測定対象となる傾斜面の高さを測定する。つまり、先ほどとは異なる点で傾斜面の高さを測定する。
この二つの測定値の差(高低差)とゲージブロック20の幅とを用いて、測定対象物Wの傾斜面角度が得られる。
【0003】
また、高さ測定機10を用いて円柱状の測定対象物の曲率(直径や半径)を測定する場合は次のように行なわれていた。
図20を参照されたい。
プローブを測定対象物Wの下側の測定開始位置近く(a)に移動させる。
プローブを上昇させて測定対象物Wの下側の測定開始位置(b)に接触させる。
プローブと測定対象物Wとの接触を保ったまま測定対象物Wまたは高さ測定機10を移動させ、測定対象物Wの下側の倣い測定を行う(b→c)。
これにより、測定対象物Wの下側の最小値を得る。
【0004】
次に、プローブを測定対象物Wの上側の測定開始位置近く(d)に移動後、プローブを下降させ、プローブを測定対象物Wの上側の測定開始位置(e)に接触させる。
プローブと測定対象物Wとの接触を保ったまま測定対象物Wまたは高さ測定機10を移動させ、測定対象物Wの上側の倣い測定を行う(e→f)。
これにより、測定対象物Wの上側の最大値を得る。
このようにして取得した最小値と最大値との差より円柱状測定対象物Wの直径が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-123602号公報
【文献】特開2001-99604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、測定対象物と高さ測定機10とを相対移動させるとなると、力仕事である。
高さ測定機10の底面にはエアベアリング等が設けられてはいるものの、高さ測定機10のような比較的大きな測定機を微調整しながら移動させるというのはやはり難しかった。また、図21に例示のように、測定対象物Wの形状によっては測定対象物Wと高さ測定機10とを相対移動させるときに、平行移動だけでなく相対回転が加わってしまうこともあり得る。すると、得られた傾斜面角度は正確さに欠くことになり、精度よく傾斜面角度を測定するのは至難の業であった。
【0007】
本発明の第1目的は、高さ測定機を使って簡便かつ高精度に傾斜面測定ができるようにすることにある。
また、本発明の第2目的は、高さ測定機を使って簡便かつ高精度に曲率測定ができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の高さ測定機は、
基台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であって、
前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段を備える
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態では、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか一方には、鉛直方向に交差する方向に突設された取付軸が設けられ、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか他方には、前記取付軸を受け入れて前記取付軸を保持する取付け孔が設けられ、
前記接触子突出量変更手段は、前記Zスライダと前記プローブとの間に着脱可能に介装される水平方向の長さが既知のスペーサである
ことが好ましい。
【0010】
本発明の一実施形態では、
接触子突出量変更手段として、水平方向の長さの異なる2以上の測定子が設けられ、前記2以上の測定子のそれぞれの先端に前記接触子が設けられ、
水平に平行な回転軸で回転させて前記2以上の測定子の位置を交換することで前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する
ことが好ましい。
【0011】
本発明の一実施形態では、
さらに、ワーク設置治具を備え、
前記ワーク設置治具は、
本体プレートと、
二つの基準ロッドと、を有し、
前記二つの基準ロッドは、長さが同じであって、かつ、前記本体プレートのおもて面の同じ高さ位置に突設され
前記本体プレートは、前記Zスライダの下方において、前記本体プレートのうら面が当該高さ測定機の二つの突当て部に突き当てられるように設置される
ことが好ましい。
【0012】
本発明の一実施形態では、
前記本体プレートの背面側には、前記高さ測定機の二つの突当て部にそれぞれ突き当てられる位置決めマークが設けられていて、
前記位置決めマークと前記突当て部とを位置合わせした状態で当該ワーク設置治具をセットしたとき、
前記二つの基準ロッドの先端同士の中点と、前記二つの基準突当て部の中点と、前記接触子と、は同じ平面上にある
ことが好ましい。
【0013】
本発明の曲率測定方法は、
前記高さ測定機で円柱状測定対象物の曲率を測定する曲率測定方法であって、
円柱状測定対象物の軸が横向きになるように倒し、側面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の側面の高さを測定する
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の曲率測定方法は、
前記高さ測定機で球状測定対象物の曲率を測定する曲率測定方法であって、
球状測定対象物の表面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の表面の高さを測定する
ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】高さ測定機(ハイトゲージ)の全体斜視図である。
図2】高さ測定機の断面図である。
図3】高さ測定機の断面図である。
図4】スペーサを例示する図である。
図5】プローブホルダと測定子支持体との間にスペーサを取り付ける様子を示す図である。
図6】測定対象物の傾斜面の角度を測定する様子を例示する図である。
図7】第2実施形態において、異なる長さの測定子を有するプローブを例示する図である。
図8】測定対象物の傾斜面の角度を測定する様子を例示する図である。
図9】ロング測定子とショート測定子との高さ補正値(Δh)を求める様子を例示する図である。
図10】第3実施形態を例示する図である。
図11】第4実施形態において、ワーク設置治具の斜視図である。
図12】ワーク設置治具のうら面を表わす図である。
図13】ワーク設置治具を用いて円柱状測定対象物をセットした様子を例示する図である。
図14】ワーク設置治具を用いて球状測定対象物をセットした様子を例示する図である。
図15】第4実施形態の側面図である。
図16】120度間隔で3本のアームを有するプローブホルダを例示した図である。
図17】プローブホルダを120度ずつ回転させることで3つの測定子の位置を交換する様子を例示する図である。
図18】測定子支持体をL字型とし、測定子をマイクロメータヘッドとした実施形態を例示する図である。
図19】背景技術として、測定対象の傾斜面角度を測定する手順を説明するための図である。
図20】背景技術として、円柱状測定対象物の径を測定する手順を説明するための図である。
図21】背景技術として、測定対象の傾斜面角度を測定する様子を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
高さ測定機(ハイトゲージ)自体の構成は既知であるが、図1図3を参照して基本的な構成を概略説明しておく。
図1は、高さ測定機(ハイトゲージ)100の全体斜視図である。
【0017】
高さ測定機100は、概略、ベース(基台部)110と、ベース110に立設されたZコラム121と、Zコラム121に沿って上下方向に昇降する測定子210と、を備えている。
【0018】
ベース110の前端面には、二つの突当て部112が突起するように設けられている。
なお、測定子210が設けられている側を高さ測定機100の前側とする。
突当て部112は、測定対象物(ワーク)Wを測定位置にセットするときの位置決め基準となる。例えば、測定対象物Wの一側面を二つの突当て部112に突き当てることで高さ測定機100と測定対象物Wとを平行にセットすることができる。
また、ベース110の底面にはエアベアリング115が配設されている(例えば図3参照)。エアベアリング115は、例えば高さ測定機100を移動させたい場合など、必要に応じて高さ測定機100を浮上させるか、あるいは、床との摩擦を少し低減(半浮上)させるのに用いられる。
【0019】
Zコラム121は、外カバー101を有し、外カバー101によってベース110に立設された支柱120(図2図3参照)を覆っている。
【0020】
図2図3は、高さ測定機の断面図である。
図2図3を参照しながら、高さ測定機100の内部構造を説明する。
【0021】
高さ測定機100の内部構造として、高さ測定機100は、キャリッジ(Zスライダ)130と、駆動機構180と、変位検出手段190と、を備える。
【0022】
キャリッジ130は、支柱120に昇降可能に設けられ、かつ、プローブ200を支持している。キャリッジ130は、支柱120の4面を囲んで支柱120を受け入れるように設けられている。キャリッジ130は、複数のローラ132を有し、これらローラ132を支柱120の前後左右の側面に当接させることで、支柱120に沿って上下方向へ摺動自在になっている。
【0023】
キャリッジ130には、プローブホルダ135が付設されており、プローブホルダ135は外カバー101のスリットを通って外カバー101の外に露出するようになっている。プローブホルダ135は、プローブ200を支持する。プローブホルダ135は、プローブ取付軸230を受け入れて固定する筒孔(取付け孔)としてのコレットチャック136を有する(例えば図5参照)。
【0024】
プローブ200は、測定子210と、測定子支持体220と、取付軸230(例えば図5参照)と、を有する。
【0025】
測定子210は、スタイラス211と、スタイラス211の先端に設けられた接触子212と、を有する。
【0026】
測定子支持体220は、全体に棒状であって、棒のいずれかの端面寄りの側面において取付軸230が略垂直に取り付けられている。また、測定子支持体220において取付軸230の取り付け位置とは反対の端面寄りの側面には略垂直に測定子210が取り付けられている。必ずしも必須というわけではないが、本例では、取付軸230の軸線(の仮想延長線)と測定子210の軸線(の仮想延長線)とは互いに平行となっている。
【0027】
取付軸230は、プローブホルダ135のコレットチャック136に挿通されて固定される。
【0028】
駆動機構180は、キャリッジ130を上下に引き上げまたは引き下げる(図3参照)。駆動機構180は、2つのプーリ181A、181Bと、ベルト182と、モータ183と、を備える。
2つのプーリ181A、181Bは、支柱120の上下端に回転可能に設けられている。ベルト182は、これらプーリ181A、181Bの回転方向に沿って掛け回されている。ここでは、支柱120が高さ方向に孔を有しており、ベルト182は、支柱120の前面側と支柱120の孔内部とを通って架け渡されている。ベルト182の一端はキャリッジ130の上端に接続され、ベルト182の他端はキャリッジ130の下端に接続されている。モータ183は、オペレータの指示に応じて、プーリ181Bを回転駆動させる。
【0029】
なお、ベルト182には、プローブホルダ135と釣り合うカウンタバランス141が取り付けられている。
【0030】
変位検出手段190は、プローブ200(接触子212)がワークに接触したことをトリガーとしてキャリッジ130の高さ位置を検出する。変位検出手段190は、スケール191と、検出ヘッド192と、を有する(図2参照)。
スケール191は、支柱120に沿って設けられている。検出ヘッド192は、スケール191に対向した状態でキャリッジ130に配設されている。検出ヘッド192は、プローブ200(接触子212)が測定対象物(ワーク)に接触したことをトリガーとして、スケール191に対する相対位置を検出して出力する。すなわち、キャリッジ130の高さ位置が出力される。
【0031】
測定にあたっては、測定子210を昇降させるため、プローブホルダ135を手動で昇降させてもよいし、モータ183を駆動してもよい。モータ183を駆動すると、ベルト182を介して力が伝達され、ベルト182に繋がったキャリッジ130が支柱120に沿って引き上げまたは引き下げられる。そして、測定子210が測定対象物に当接する。プローブ200(接触子212)が測定対象物(ワーク)に接触したことをトリガーとして、変位検出手段190から検出値が出力される。つまり、測定子210が測定対象物に当接したときのキャリッジ130の高さ位置が検出される。
【0032】
詳細な説明は割愛するが、駆動機構180には、測定力を一定に保つようにプローブ200の位置(高さ)を自動調整する機能を付けることもできる。このような測定力一定追従機構(定圧追従機構)により、測定対象物と高さ測定機100(ハイトゲージ)とをゆっくり相対移動させながら、測定対象物の表面の高さを倣い測定させることもできる。
【0033】
さて、第1実施形態に係る高さ測定機100は、測定対象物Wと高さ測定機100とを相対移動させなくても測定対象物Wの傾斜面の角度を測定できるものである。すなわち、接触子212の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段を備えるものである。
第1実施形態において、接触子突出量変更手段は、キャリッジ130のプローブホルダ135とプローブ200の測定子支持体220との間に介装されるスペーサ310である。
【0034】
スペーサ310を図4に例示する。
スペーサ310は、円筒を半割りにしたようなアーチ型であって、軸線方向の長さLs1が既知の長さである。スペーサ310のアーチの内径は、プローブ取付軸230の外径にほぼ一致しており、プローブ取付軸230に跨がるようにしてスペーサ310はプローブ取付軸230に取り付け可能となっている。
スペーサ310の両端面には回り止めとなるノッチ311とボス312とがそれぞれ設けられている。
また、プローブホルダ135の端面、および、測定子支持体220の端面には、スペーサ310の回り止め(ノッチ311とボス312)と対になる回り止め(ノッチとボス)が設けられている。
ここでは、測定子支持体220の端面に、スペーサ310のノッチ311に嵌まるボス321が設けられ、また、プローブホルダ135の端面に、スペーサ310のボス312を受け入れるノッチ322が設けられている(図5中の中段(B)参照)。
【0035】
図5は、プローブホルダ135と測定子支持体220との間にスペーサ310を取り付ける様子を示す図である。
図5上段(A)ではプローブホルダ135にプローブ200が取り付けられている。
この状態から図5中段(B)に例示のように、プローブ200をプローブホルダ135から少し引き出す。このとき、プローブ200を交換するわけではないので、プローブ取付軸230を抜ききってしまう必要はなく、スペーサ310が入る程度の長さ分だけプローブ取付軸230を引き出せばよい。
【0036】
そして、プローブ取付軸230にスペーサ310を乗せた後、図5下段(C)に例示のように、プローブ取付軸230をプローブホルダ135のコレットチャック136に押し込む。
測定子支持体220、スペーサ310およびプローブホルダ135の間に隙間がないように測定子支持体220とプローブホルダ135との間にスペーサ310を挟み込んだ状態でコレットチャック136を締める。すると、スペーサ310の長さLs1の分だけ測定子210の接触子212が水平方向に余計に突き出すようになる。これにより、スペーサ310が無いときとスペーサ310が有るときとで、接触子212の水平方向の位置が既知の長さLs1だけ異なるという二つの状態を得ることができる。
いま、スペーサ310が無いときとスペーサ310が有るときとで、接触子212の水平方向の位置の差をΔXで表わすとする。(ΔXはLs1に等しい。)なお、スペーサ310を介装しただけであるから、測定子210の高さ方向の位置はスペーサ310の取り付けの前後で変化はない。
【0037】
測定対象物Wの斜面の傾斜角を測定するにあたり、次のようにする。
図6中の上段(A)を参照されたい。
まず、通常の高さ測定と同じように、測定対象物をベース110の突当て部112に突き当てて、測定対象物Wの位置を高さ測定機100に対して正しく(平行あるいは垂直など)セットする。そして、徐々にZスライダ(キャリッジ)130を下ろしていって、接触子212が測定対象物Wの斜面に当てる。第1測定値として、接触子212が測定対象物Wの斜面に当たったところで測定値をサンプリングする。
【0038】
次に、一旦Zスライダを上昇させて測定子210と測定対象物Wとを十分に離間させてから、測定子支持体220とプローブホルダ135との間にスペーサ310を介装する(図5)。
なお、測定対象物Wも高さ測定機100も動かす必要はなく、ただ、測定子支持体220とプローブホルダ135との間にスペーサ310を介装すればよい。これにより、接触子212の水平方向の位置が既知の長さLS1だけ変化したことになる。そして、図6下段(B)に例示のように、徐々にZスライダ(キャリッジ)130を下ろしていって、接触子212を測定対象物の斜面に接触させる。このとき、接触子212と測定対象物Wとが接触する位置は、第1測定値と比べると、水平方向で既知の量だけ違うのはもちろんである。第2測定値として、接触子212が測定対象物の斜面に当たったところで測定値をサンプリングする。
【0039】
第1測定値と第2測定値との差としてΔHが得られたとする。すると、測定対象物の斜面の角度θは次のようになる。
tanθ=ΔH/ΔX
【0040】
本第1実施形態によれば、傾斜測定をするに当たって、測定対象物Wあるいは高さ測定機100を動かす必要がなくなる。したがって、一点目と二点目の測定データ取得時で測定対象物Wと高さ測定機100との相対位置がずれたりしない。すなわち、平行方向にずれないのはもちろん、相対回転もない。また、測定対象物と高さ測定機100とを相対的に移動させることに比べて、スペーサ310を介装する作業は簡単である。このように本第1実施形態によれば、高さ測定機100を使って簡便かつ高精度に傾斜測定ができるようになる。
【0041】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7を参照して説明する。
第2実施形態において、接触子突出量変更手段は、長さの異なる2つの測定子210である。
図7において、取付軸230は、測定子支持体220の長さ方向のほぼ中心に位置している。
【0042】
測定子210として、スタイラス211の長さが異なる二つの測定子210がある。ここでは、スタイラス211が長い方の測定子210をロング測定子210Lと称し、スタイラス211が短い方の測定子210をショート測定子210Sと称することにする。一方の測定子210(例えばロング測定子210L)は測定子支持体220の一方の端部側に取り付けられており、他方の測定子210(例えばショート測定子210S)は測定子支持体220の他方の端部寄りに取り付けられている。もちろん、ロング測定子210Lおよびショート測定子210Sのそれぞれの長さは既知であり、両者の接触子212の水平方向の位置の差をΔXで表わすとする。
【0043】
図8の上段(A)と下段(B)とに例示のように、取付軸230を回転中心として測定子支持体220を180度回転させると、ロング測定子210Lとショート測定子210Sとの位置が交換される。そして、180度回転させて二つの測定子210S、210Lの位置を交換したときに、それぞれの接触子212が測定対象物の同じ面に当たるようになっている。
【0044】
第2実施形態において、測定対象物Wの傾斜角を測定する手順を説明する。まず、通常の高さ測定と同じように、測定対象物Wをベース110の突当て部112に突き当てて、測定対象物Wの位置を高さ測定機100に対して正しくセットする。最初にロング測定子210Lで測定して、次にショート測定子210Sで測定するとする。そこで、まず、ロング測定子210Lが下に、ショート測定子210Sが上にくるように測定子支持体220を回転させて、ロング測定子210Lが下にきたところでコレットチャック136をロックする。そして、徐々にZスライダ(キャリッジ)130を下ろしていって、ロング測定子210Lの接触子212を測定対象物Wの斜面に当てる。第1測定値として、接触子212が測定対象物の斜面に当たったところで測定値をサンプリングする。
【0045】
次に、一旦Zスライダ(キャリッジ)130を上昇させて測定子210S、210Lと測定対象物Wとを十分に離間させてから、測定子支持体220を180度回転させ、ショート測定子210Sが下にくるようにしてプローブホルダ135のコレットチャック136を締める。このとき、測定対象物Wも高さ測定機100も動かす必要はなく、ただ、測定子支持体220を回転させればよい。これにより、接触子212の水平方向の位置が既知の長さ(ΔX)だけ変化したことになる。そして、図8下段(B)に例示のように、徐々にZスライダ(キャリッジ)130を下ろしていって、ショート測定子210Sの接触子212を測定対象物Wの斜面に接触させる。このとき、接触子212と測定対象物Wとが接触する位置は、第1測定値と比べると、水平方向で既知の量だけ違う。第2測定値として、接触子212が測定対象物Wの斜面に当たったところで測定値をサンプリングする。
【0046】
第1測定値と第2測定値との差としてΔHが得られたとする。すると、測定対象物の斜面の角度θは次のようになる。
tanθ=ΔH/ΔX
【0047】
第2実施形態のように高さ測定機100にリボルバー式のプローブ200を用いることで測定対象物Wの傾斜測定が簡便にできるようになる。できれば、180回転してロング測定子210Lとショート測定子210Sとを交換したときに、水平方向の突出量だけが異なり、高さは変化しないようにしておくのが望ましい。このためには、高さ方向でみたときに、回転軸(取付軸230)がロング測定子210Lの接触子212とショート測定子210Sの接触子212との間のちょうど真ん中にあることが必要となる。そこで、ロング測定子210L、ショート測定子210Sおよび取付軸230のいずれか一つの取り付け部を少し長孔にしておいて、高さ位置を調整(校正)できるようにしておいてもよいだろう。
【0048】
あるいは、図9の右図(A)と左図(B)とに示すように、同じ水平の平坦面(ゲージブロック)をロング測定子210Lとショート測定子210Sとでそれぞれ測定し、高さ補正値(Δh)を求めておいてもよい。そして、この高さ補正値(Δh)を加味して測定対象物Wの傾斜面角度を求める。
tanθ=(ΔH-Δh)/ΔX
【0049】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図10を参照して説明する。
第3実施形態においては、測定子支持体220に対して測定子210が進退できるようにしておく。例えば、測定子支持体220がコレットチャックになっていて、コレットを開閉して測定子210の進退量を調整できるようにしておく。測定子210には軸方向に目盛213を刻んでおいて、測定子210の進退量を目盛213で読み取れるようにしておく。なお、測定子210を動かす前と後とで測定子210が軸回りに回転すると、測定値の誤差に繋がる恐れがある。そこで、測定子支持体220の方に基線221を設けておき、測定子210の目盛213を基線221上で読むようにする。第3実施形態によれば、接触子212を既知の量だけ水平方向に変位させることができ、これにより高さ測定機100で測定対象物Wの傾斜測定ができる。
【0050】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図11から図15を参照して説明する。
第4実施形態では、高さ測定機100で円柱状や球状の測定対象物の曲率を簡便かつ高精度に測定する。円柱状あるいは球状の測定対象物Wの曲率を測定するにあたり、本実施形態で特徴とするのは、ワーク設置治具400と、このワーク設置治具400を用いたワークの曲率または径の測定方法である。
【0051】
ワーク設置治具400を図11図12に例示する。
ワーク設置治具400は、本体プレート410と、本体プレート410に突設された基準ロッド421,422と、を有する。
本体プレート410は、細幅で長尺のプレートである。
ワーク設置治具400を床(設置面)に載置したときに、ワーク設置治具400が短手方向の端面を下にして自立するように本体プレート410の側端面に脚部411が設けられている。
【0052】
図12は、ワーク設置治具400のうら面を表わす図である。本体プレート410のうら面には、ベース110の基準突当て部112を突き当てる位置決めマーク431,432となる窪み(ディンプル)が二つ設けられている。(位置決めマークは、凹んでいなくてもよく、出っ張っていてもよいし、ただ色が付いているだけでもよい。)そして、本体プレート410のおもて面には、二つの基準ロッド421,422が突き出すように設けられている。
【0053】
図13図14)にはワーク設置治具400の上面図が表れており、図15にはワーク設置治具400の側面図が表れている。いま、ワーク設置治具400の位置決めマーク431,432と高さ測定機100の基準突当て部112とを位置合わせした状態でワーク設置治具400をセットしたとする。このとき、図13の上面図に表れるように、二つの基準ロッド421,422の先端同士の中点M2と、二つの基準突当て部112の中点M1と、接触子212と、は同じ平面上(XZ平面上)に位置している。あるいは、高さ測定機100の測定軸と接触子212とを含む平面(XZ平面)に関し、二つの基準ロッド421,422は面対称であり、二つの突当て部112も面対称である。この配置関係は、球状の測定対象物を正しくセットするために必要な構成である。
【0054】
また、図13図15に表れるように、二つの基準ロッド421,422の高さは等しい。
【0055】
円柱状測定対象物Wの曲率を測定するにあたっては、円柱部分を横に倒し、側面が二つの基準ロッド421,422に突き当たるようにして測定対象物をセットする(図13図15)。この状態で、円柱軸に垂直な方向から測定子210の接触子212が測定対象物の測定対象面(曲率がある側面)に接触するようになる。
【0056】
また、球状測定対象物Wの径(直径、半径)を測定するにあたっては、球状測定対象物Wが二つの基準ロッド421,422に突き当たるようにして測定対象物Wをセットする(図14図15)。この状態で、球状測定対象物の球の中心は、高さ測定機100の測定軸および接触子212を含む平面と同じ平面上に位置するようになる。
【0057】
この状態で、円柱状測定対象物Wの側面の高さを3点測定できれば、円柱状測定対象物Wの曲率(あるいは直径、半径)を得ることができる。同じく、球状測定対象物Wの表面上の高さを3点測定できれば、球状測定対象物Wの径を得ることができる。
【0058】
3つの測定値を得る方法としては、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態を応用すればよい。例えば、第1実施形態では、スペーサ310が一つであったが、もう一つ長さの違うスペーサ310を用いる。すると、図15に例示のように、接触子212の突出量を変更しながら、3点の高さ測定を行なうことができる。この3点の測定データを用いて円の式にあてはめれば、測定対象物Wの曲率が得られる。
【0059】
第2実施形態を応用して、長さの異なる3タイプの測定子210を用いるようにしてもよい(図16)。
図16では、プローブホルダ135が120度間隔で3本のアームを有しており、それぞれのアームの端部でプローブ200を保持している。プローブホルダ135は、キャリッジ本体に対して回転できるようになっている。3つのプローブ200には長さが異なる測定子210L、210M、210Sが取り付けられている。3つの測定子210としては、ロング測定子210L、ミディアム測定子210M、ショート測定子210Sを用意し、図17に例示のように、プローブホルダ135を120度ずつ回転させることで3つの測定子210の位置を交換すればよい。
【0060】
あるいは、第3実施形態を応用して、測定子210の進退量を3段階にするようにしてもよい。第3実施形態の変形例として、例えば図18に例示のように、測定子支持体220をL字型とし、測定子自体をマイクロメータヘッド250としてL字の測定子支持体220に取り付けるようにしてもよい。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記実施形態では、測定対象物の測定対象面が接触子212よりも下にあって、接触子212が測定対象面の上から接触する例を示した。
もちろん、測定対象物の測定対象面が接触子212よりも上にあって、接触子212が測定対象面の下から接触して、測定対象物の下側面の傾斜角や曲率を測定してもよい。
【符号の説明】
【0062】
10…高さ測定機、
20…ケージブロック、
100…高さ測定機、
101…外カバー、110…ベース、112…突当て部、115…エアベアリング、
120…支柱、121…Zコラム、130…キャリッジ、132…ローラ、
135…プローブホルダ、136…コレットチャック、
180…駆動機構、181A…プーリ、181B…プーリ、182…ベルト、190…変位検出手段、191…スケール、192…検出ヘッド、
200…プローブ、210…測定子、210L…ロング測定子、210M…ミディアム測定子、210S…ショート測定子、211…スタイラス、212…接触子、213…目盛、220…測定子支持体、221…基線、230…取付軸、250…マイクロメータヘッド、
310…スペーサ、311…ノッチ、312…ボス、
400…ワーク設置治具、
410…本体プレート、411…脚部、421,422…基準ロッド、431,432…位置決めマーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
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図21