(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】金属膜の高圧酸化
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20240216BHJP
C23C 14/58 20060101ALI20240216BHJP
C23C 16/56 20060101ALI20240216BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240216BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L21/90 A
C23C14/58 A
C23C16/56
H01L21/88 B
H01L21/88 M
(21)【出願番号】P 2020533601
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 US2018066368
(87)【国際公開番号】W WO2019126254
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-15
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アムリタ
(72)【発明者】
【氏名】マンナ, プラミット
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アビジート
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0358483(US,A1)
【文献】特開平07-135202(JP,A)
【文献】特開平09-275137(JP,A)
【文献】特開2007-052311(JP,A)
【文献】特開2011-109099(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0241037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3215
H01L 21/768
H01L 23/52
H01L 23/522-23/532
H01L 21/28-21/288
H01L 21/44-21/445
H01L 29/40-29/51
C23C 14/58
C23C 16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理の方法であって、
少なくとも1つの特徴が形成された基板表面を有する基板を提供することであって、前記少なくとも1つの特徴は、前記基板表面から前記基板内へある距離だけ延在し、かつ側壁および底部を有する、少なくとも1つの特徴が形成された基板表面を有する基板を提供することと、
前記基板表面上および前記少なくとも1つの特徴内にタングステン含有膜を形成することと、
前記少なくとも1つの特徴以外の前記基板表面から前記タングステン含有膜を除去することと、
前記少なくとも1つの特徴から延在する酸化タングステンピラーを形成するために前記タングステン含有膜を酸化させることであって、前記基板を約2バール以上の圧力でH
2O、O
2、N
2O、O
3、CO
2、CO、またはH
2O
2の1又は複数を含む酸化剤に曝露することを含む、前記タングステン含有膜を酸化させることと
を含
み、前記タングステン含有膜が、0より大きく+6未満の範囲の平均タングステン酸化状態を有する亜酸化タングステンを含む、方法。
【請求項2】
前記タングステン含有膜の上部が前記特徴以外の前記基板表面とほぼ同一平面上になるように、前記タングステン含有膜が除去される、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸化剤が、
95%以上のH
2Oで構成される、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
酸化タングステンピラーがWO
3を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化タングステンピラーが、0より大きく+6未満の範囲の平均タングステン酸化状態を有する亜酸化タングステンを含む、請求項
1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は概して、高圧酸化によって薄膜を堆積させて処理する方法に関する。具体的には、本開示は、2バールを上回る圧力でタングステン膜を酸化させるためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]自己整合金属酸化物ピラー(pillar:柱状物)は、間隙充填された金属膜の酸化を通して形成され得る。金属がALDによって孔またはトレンチの構造上に堆積され、酸化されて、金属酸化物が形成される。酸化中の体積膨張により、ピラーが孔またはトレンチから押し出される。ピラーはボトムアップであり、金属からのみ選択的に成長する。
【0003】
[0003]しかしながら、金属酸化物柱を形成するためには比較的高い温度と長い曝露時間が必要なため、このプロセスを使用するには幾つかの課題が存在する。形成されるデバイスの熱収支に起因して、前のプロセスによって基板上にすでに形成されている半導体素子が、高温により損傷を受ける可能性がある。さらに、曝露時間が長くなると、基板処理のスループットが低下する。これらの要因と他の要因の組み合わせにより、基板の損傷が悪化し、多くのデバイス故障が発生するため、好結果の処理スループット率が低下する。
【0004】
[0004]したがって、当技術分野において、自己整合柱及び構造を作製する代替的な方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の1又は複数の実施形態は、金属を含む第1の材料を含む少なくとも1つの基板表面を有する基板を提供することを含む基板処理方法を対象とする。膨張した第1の材料を形成するために、第1の材料を酸化させる。第1の材料は、第1の材料を約2バール以上の圧力で酸化剤に曝露することによって酸化させる。
【0006】
[0006]本開示の追加の実施形態は、基板処理方法を対象とする。基板には、タングステンを含む第1の材料を含む少なくとも1つの基板表面が設けられている。第1の材料を第1の表面から真っ直ぐ上に膨張させて膨張した第1の材料を形成するために、第1の材料を酸化させる。第1の材料は、第1の材料を約2バール以上の圧力でH2O、O2、N2O、O3、CO2、CO、またはH2O2の1または複数を含む酸化剤に曝露することによって酸化させる。
【0007】
[0007]本開示の更なる実施形態は、基板処理の方法を対象とする。基板には、少なくとも1つの特徴が形成された基板表面が設けられている。少なくとも1つの特徴は、基板表面から基板内へある距離だけ延在し、かつ側壁および底部を有する。タングステン膜は、基板表面上および少なくとも1つの特徴内に形成される。タングステン膜は、少なくとも1つの特徴以外の基板表面から除去される。少なくとも1つの基板特徴から延在する酸化タングステンピラーを形成するために、タングステン膜を酸化させる。タングステン膜は、基板を約2バール以上の圧力でH2O、O2、N2O、O3、CO2、CO、またはH2O2の1又は複数を含む酸化剤に曝露することによって酸化させる。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、本書に要約した本開示を、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、より具体的に説明する。ただし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1又は複数の実施形態に係る基板の特徴を示す断面図である。
【
図2A】本開示の1又は複数の実施形態に係る自己整合構造形成プロセスを示す概略断面図である。
【
図2B】本開示の1又は複数の実施形態に係る自己整合構造形成プロセスを示す概略断面図である。
【
図2C】本開示の1又は複数の実施形態に係る自己整合構造形成プロセスを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0011]添付の図面では、類似の部品及び/又は特徴は、同じ参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々な部品は、参照符号の後にダッシュを付けること、及び、類似の部品同士を区別する第2の符号によって区別され得る。本明細書で第1の参照符号のみが使用される場合、その説明は、第2の参照符号に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の部品のうちの任意の1つに適用可能である。
【0011】
[0012]本開示の幾つかの例示的な実施形態が説明される前に理解するべきことは、本開示が以下の説明で提示される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないということである。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0012】
[0013]この明細書全体を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1又は複数の実施形態」、又は「実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、この明細書全体の様々な箇所での「1又は複数の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1又は複数の実施形態において任意の適切な様態で組み合わせることができる。
【0013】
[0014]本明細書で使用する「基板」とは、製造プロセス中に膜処理が実施される任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実施され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料などの他の任意の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、それに限定されるわけではない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、且つ/又はベークするために、基板を前処理プロセスに曝露することができる。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示された任意の膜処理ステップは、以下でより詳細に開示される基板上に形成された下層にも実施され得る。「基板表面」という用語は、文脈が示すように、このような下層を含むことが意図されている。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0014】
[0015]本開示の1又は複数の実施形態は、高圧で金属膜を酸化させる方法を対象とする。本開示のいくつかの実施形態は、より低い温度を利用する、高圧で金属膜を酸化させる方法を有利に提供する。本開示のいくつかの実施形態は、より短い時間で実施可能な、金属膜を酸化させる方法を有利に提供する。本開示のいくつかの実施形態は、全体的なスループットを増加させ、デバイスの熱収支に負担をかけない、ピラー型膜成長のための方法を有利に提供する。
【0015】
[0016]本開示の1又は複数の実施形態は、材料膜(例えば、金属膜)を高圧(例えば、約2バール以上)で酸化させる基板処理のための方法を提供する。理論に縛られることなく、より高い圧力は、膜体積の完全な酸化を達成しながら、酸化された膜の構造形状を犠牲にすることなく、より低い処理温度とより速い処理時間を可能にする。
【0016】
[0017]
図1に、特徴110を有する基板100の部分断面図を示す。図面は、例示を目的として単一の特徴を有する基板を示すが、当業者であれば、特徴がない場合がある、又は特徴が2つ以上あり得ることを理解するであろう。特徴110の形状は、非限定的に、トレンチ及び円筒形のビアを含む、いずれかの好適な形状であってよい。特定の実施形態では、特徴110はトレンチである。この点で使用する用語「特徴(feature)」は、任意の意図的な表面上の不規則性を意味する。特徴の適切な例には、非限定的に、上部、2つの側壁、及び底部を有するトレンチ、上部と、表面から上向きに延在する2つの側壁とを有する先端部、及び表面から下向きに延在し、空いた底部を有する連続的な側壁を有するビアとが含まれる。特徴又はトレンチは、任意の好適なアスペクト比(特徴の深さと特徴の幅との比率)を有しうる。いくつかの実施形態では、アスペクト比は、約5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1又は40:1以上である。
【0017】
[0018]基板100は、上面120を有する。少なくとも1つの特徴110は、上面120において開口部を形成する。特徴110は、上面120から、深さDへと、底面112まで延在する。特徴110は、特徴110の幅Wを画定する第1の側壁114及び第2の側壁116を有する。側壁及び底部によって形成される開口領域は、間隙とも称される。
【0018】
[0019]いくつかの実施形態では、基板は、少なくとも1つの表面を形成する第1の材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の材料は金属を含む。この点で使用される金属は、元素の周期表にある任意の金属または半金属である。いくつかの実施形態では、第1の材料の金属は、2つ以上の金属元素を含む。いくつかの実施形態では、金属は、W、Ru、Ta、Ir、Co、Mo、Ti、Rh、Cu、Fe、Mn、V、Nb、Hf、Zr、Y、Al、Sn、Cr、La及びそれらの組み合わせで構成される群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、W、Ru、Ta、Ir及びそれらの組み合わせで構成される群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は主にタングステンで構成される。いくつかの実施形態では、第1の材料は主にタングステン(例えば、タングステン金属)で構成される。これに関して使用する「主に~で構成される」とは、対象の材料の組成が、指定された材料の約95%、98%、99%、または99.5%以上であることを意味する。
【0019】
[0020]第1の材料を酸化させると、膨張した第1の材料ができる。本開示で使用する場合、酸化、酸化させる(oxidation、oxidizing)等は、酸化される材料の平均酸化状態の増加を指す。酸化は、酸素原子が材料に添加される必要があると解釈されるべきではない。
【0020】
[0021]
図2Aから
図2Cを参照しながら、本開示の例示的な実施形態を説明する。基板200が処理のために提供される。基板200は、
図1に示す基板100と同様のものである。これに関連して使用する「提供される(provided)」という用語は、更なる処理のために、基板がある位置又は環境に置かれることを意味する。
図2Aに示す基板200は、第1の表面材料250と第2の表面材料260とを有する。複数の表面材料の存在は例示であり、必須のものではない。第1の表面材料250と第2の表面材料260は、基板200上の同じ又は異なる表面材料であってよい。例示的な実施形態では、特徴210は、第1の表面250である底部212と、第2の表面材料260である側壁214、216及び上面220とで形成される。
【0021】
[0022]膜230は、上面220と、特徴210の側壁214、216及び底部212に形成される。膜230は、限定しないが、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、原子層堆積、プラズマ原子層堆積、及び/又は物理的気相堆積を含む任意の適切なプロセスによって形成された任意の適切な膜であり得る。いくつかの実施形態では、膜230は、原子層堆積又はプラズマ原子層堆積によって形成される。いくつかの実施形態では、基板には、基板200上に既に形成された膜230が設けられている。幾つかの実施形態では、膜230は第1の材料とも称され得る。
【0022】
[0023]膜230は、酸化され得る任意の適切な材料であり得る。酸化可能な材料には、ゼロ価金属と部分酸化物(亜酸化物)が含まれる。いくつかの実施形態では、膜230は、金属亜酸化膜である。本書で使用する亜酸化物とは、金属の酸化状態が0よりも高く、完全に酸化した形態(すなわち、最も高い酸化状態)の金属の酸化状態よりも低いいずれかの金属錯体である。例えば、酸化タングステンは、幾つかの形態、すなわち、W2O3、WO2又はWO3で存在しうる。この場合、W2O3及びWO2はいずれもそれぞれ+3と+4の酸化状態に対応しているので亜酸化物と考えられ、WO3は+6の酸化状態を有する。当業者は、亜酸化物に酸素が含まれている必要がないことを認識するだろう。いくつかの実施形態では、好適な亜酸化物は、酸素、ホウ素、窒素、炭素、ゲルマニウム又はシリコンの1又は複数を含有しうる。つまり、いくつかの実施形態では、好適な金属亜酸化物は、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属ゲルマニウム化物、金属ケイ化物、又はそれらの組み合わせ(すなわち、金属酸素窒化物)を含みうる。
【0023】
[0024]当業者は、金属亜酸化膜は、不定比量の原子を有し得ることを理解するだろう。例えば、WNと記号表示された膜は、異なる量のタングステン及び窒素を有しうる。WN膜は例えば、90原子%のタングステンであってよい。窒化タングステン膜を表すのにWNを使用するのは、膜がタングステンと窒素原子を含み、膜が特定の組成物に限定されると見なすべきでないことを意味する。いくつかの実施形態では、膜は、主に記号表示された原子で構成される。例えば、主にWNで構成される膜とは、膜の組成物が約95%、98%、又は99.5%以上のタングステン及び窒素原子であることを意味する。ある実施形態では、膜230はタングステンを含む。1又は複数の実施形態では、膜230はチタンを含む。
【0024】
[0025]
図2Bでは、膜230は、膜230が全体的に特徴210内に含まれるように、上面220から除去されている。膜230は、任意の好適なプロセスによって除去され得る。いくつかの実施形態では、膜230は、化学機械的平坦化(CMP)プロセスによって除去される。
【0025】
[0026]いくつかの実施形態では、実質的に全ての膜230が特徴210内に形成される。これに関して使用する「実質的に全て」という用語は、重量基準で膜の約95%、98%、又は99%以上が特徴210内に形成されることを意味する。
【0026】
[0027]いくつかの実施形態では、膜230は特徴210内に選択的に堆積され、基板の上面220には堆積されない。これらの実施形態では、基板200は、
図2Aのような外観にはならず、流れが
図1から
図2Bへとなるように処理される。第1の表面材料250と第2の表面材料260の組成は、膜230が他に対して1つの表面に選択的に堆積されることが可能になるように選択され得る。
【0027】
[0028]いくつかの実施形態では、方法は、膜230をトレンチ内に特徴210の深さ以下の高さHまで選択的に堆積させることを含む。一実施形態では、膜230は、トレンチ体積の少なくとも10%を充填する。他の実施形態では、膜130は、トレンチ体積の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%を充填する。いくつかの実施形態では、特徴210に堆積された膜230は、特徴210の深さの約98%、95%、90%、80%、70%、60%又は50%以下の高さHを有する。
【0028】
[0029]
図2Cに示すように、処理方法は更に、膜の材料体積を膨張させて膨張した膜240を得るために、膜230を酸化させることを含む。いくつかの実施形態では、膨張した膜240は、膨張した第1の材料と称される。いくつかの実施形態では、膨張した膜240は、基板の上面220を越えて延在する。いくつかの実施形態では、膨張した膜240は金属酸化物を含む。膨張した膜240は自己整合構造を形成する。膨張中、特徴の形状の忠実度が特徴の上部で維持されることにより、膜230が特徴210からまっすぐ上に成長する。これに関して使用する「まっすぐ上」とは、膨張した膜240の側面が、特徴210の側壁214、216と実質的に同一平面であることを意味する。表面は、側壁214と同一平面にあり、側壁214と表面との接合点で形成される角度は、±10°である。これに関し、特徴から「まっすぐ上」に延在する膨張した膜は、側壁が上面に垂直である場合に、基板の上面に直交しているということができる。
【0029】
[0030]膜230は、0から膨張した膜240の平均金属酸化状態未満の範囲の平均金属酸化状態を有する。いくつかの実施形態では、膜230は、膨張した膜240の金属対酸化物比の約80%以下の金属対酸化物比を有する。いくつかの実施形態では、膨張した膜240は、基板の上面220に対して実質的に垂直である。
【0030】
[0031]金属または金属亜酸化膜での使用に適した金属には、2を上回る、2.25を上回る、または2.5を上回るピリングベドワース比を有する金属が含まれるが、これらに限定されない。ピリングベドワース比は、金属酸化物の基本セルの体積と、酸化物が形成される対応する金属の基本セルの体積との比を指す。ピリングベドワース比は、Voxide/Vmetalとして定義され、Vは体積である。金属酸化物のピリングベドワース比の決定において、Voxideは金属酸化物の分子量に金属の密度を掛けたものに等しく、Vmetalは酸化物の1分子あたりの金属の原子数と金属の原子量との積に酸化物の密度を掛けたものに等しい。上記膜の例には、Co、Mo、W、Ta、Ti、Ru、Rh、Cu、Fe、Mn、V、Nb、Hf、Zr、Y、Al、Sn、Cr、Os、U及び/又はLaの1または複数が含まれる。
【0031】
[0032]いくつかの実施形態では、金属膜はタングステンを含み、膨張した金属膜はWO3またはその亜酸化物を含む。
【0032】
[0033]一実施形態では、膜230を酸化させることは、膜を酸化剤に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、膜230を酸化させることは、膜をO2、O3、N2O、H2O、H2O2、CO、CO2、NH3、N2、N2/Ar、N2/He、N2/Ar/He、アルコール、ハロゲン及び過酸のうちの1又は複数を含む酸化剤に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、酸化剤は主にH2Oで構成される。
【0033】
[0034]いくつかの実施形態では、膜を酸化させることは熱酸化プロセスを含む。この点で使用される熱酸化プロセスは、プラズマを含まない。いくつかの実施形態では、膜を酸化させることはプラズマ酸化プロセスを含む。いくつかの実施形態では、膜を酸化させることは、遠隔プラズマ、マイクロ波および/または高周波(例えば、ICP、CCP)によって生成されるプラズマを含む。
【0034】
[0035]いくつかの実施形態では、膜230はケイ化剤に曝露され、膜がケイ素化合物膜に変換される。ケイ化剤は、非限定的に、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、トリメチルシラン、トリメチルシリル置換基を有する化合物及びそれらの組合せを含むいずれかの好適なケイ化剤であってよい。当業者は、膜からケイ素化合物膜への変換もまた、膨張した膜をもたらし得ることを認識するであろう。
【0035】
[0036]いくつかの実施形態では、膜230はゲルマニウム剤に曝露され、膜がゲルマニサイド膜に変換される。ゲルマニサイド化剤は、非限定的に、ゲルマン、ジゲルマン、トリゲルマン、テトラゲルマン、ペンタゲルマン、ヘキサゲルマン、トリメチルゲルマニウム、トリメチルゲルマニル置換基を有する化合物及びそれらの組合せを含むいずれかの好適なゲルマニサイド化剤であってよい。当業者は、膜からゲルマニサイド膜への変換もまた、膨張した膜をもたらし得ることを認識するであろう。
【0036】
[0037]膜230を酸化させることは、例えば膜の組成及び酸化剤に応じて、いずれかの好適な温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、膜の膨張は、約25℃から約1100℃の範囲の温度で行われる。
【0037】
[0038]いくつかの実施形態では、膜230の処理は、約450℃以下、または約425℃以下、または約400℃以下、または約350℃以下、または約300℃以下、または約250℃以下の温度で行われる。いくつかの実施形態では、膜230はタングステンを含み、約425℃以下の温度で処理される。
【0038】
[0039]膜230の処理は、例えば膜の組成及び酸化剤に応じて、いずれかの好適な高圧で行われ得る。いくつかの実施形態では、膜の膨張は、約2バールから約15バールの範囲の圧力で行われる。
【0039】
[0040]いくつかの実施形態では、膜230の処理は、約2バール以上、または約5バール以上、または約10バール以上または約15バール以上の圧力で行われる。いくつかの実施形態では、膜230はタングステンを含み、約5バール以上の圧力で処理される。
【0040】
[0041]本明細書の開示内容を特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。ゆえに、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内である改変例及び変形例を含むことが意図されている。