(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
G03F 1/62 20120101AFI20240216BHJP
【FI】
G03F1/62
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022127298
(22)【出願日】2022-08-09
(62)【分割の表示】P 2021018959の分割
【原出願日】2015-11-16
【審査請求日】2022-09-02
(32)【優先日】2014-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル メーレン,フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,マールテン,マティス,マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】アゼレード リマ,ジョージ,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンス,デルク,ゼルヴァーティウス,ゲートルダ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーイン,マルク
(72)【発明者】
【氏名】デッカーズ,ジェロエン
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】クラメル,ロナルド,ハルム,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】クリュイツィンガ,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ランスバーゲン,ロバート,ガブリエル,マリア
(72)【発明者】
【氏名】リーンダース,マルチヌス,ヘンドリカス,アントニアス
(72)【発明者】
【氏名】ループストラ,エリック,ロエロフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ボッシュ,ゲリット
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ロー,ジュローム,フランソワ,シルヴァン,ヴィルジール
(72)【発明者】
【氏名】フェルブルッヘ,ベアトリス,ルイーズ,マリー-ヨセフ,カトリーン
(72)【発明者】
【氏名】デ クラーク,アンジェロ,シーザー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ディングス,ジャコバス,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,モーリス,レオナルダス,ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】カーズテンズ,ロナルド,ジャコバス,ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】ケスターズ,マルチヌス,ヨーゼフ,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ルース,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ミデル,ヘールツ
(72)【発明者】
【氏名】レイジンデルス,シルベスター,マテウス
(72)【発明者】
【氏名】トイアーゼイト,フランク,ヨハンネス,クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リーヴェンオーゲン,アン,ヨハンネス,ウィルヘルムス
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-202476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/62
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターニングデバイスを保持するように構成された支持構造と、
前記パターニングデバイスから突出するスタッドの遠位ヘッドを受け取って保持するように構成されたスタッドグリッパと、
前記スタッド及びパターニングデバイスに対して前記スタッドグリッパを移動するように構成されたアクチュエータと、
ヒーターと、
を備える、スタッド取り外し装置。
【請求項2】
前記スタッドグリッパは、前記スタッドのネックよりも広く前記スタッドの遠位ヘッドよりも狭いセパレーションを備えるフランジのペアを備える、請求項1に記載のスタッド取り外し装置。
【請求項3】
前記スタッドグリッパに接続され前記スタッドグリッパを下方に引っ張る重りをさらに備える、請求項1に記載のスタッド取り外し装置。
【請求項4】
前記スタッドグリッパに対して一般に水平方向に移動可能なプッシャアームをさらに備え、
前記プッシャアームは、前記スタッドがパターニングデバイスから取り外された後に前記スタッドを前記スタッドグリッパの外へ押し出すように構成される、請求項1に記載のスタッド取り外し装置。
【請求項5】
前記スタッドが前記スタッドグリッパの外へ押し出された後に前記スタッドを誘導するように構成されたシュートをさらに備える、請求項4に記載のスタッド取り外し装置。
【請求項6】
前記シュートの排出口に配置されたスタッドレセプタクルをさらに備える、請求項5に記載のスタッド取り外し装置。
【請求項7】
パターニングデバイスからスタッドを取り外す方法であって、
前記スタッドが前記パターニングデバイスから下方に突出するように前記パターニングデバイスを配向した状態で、支持体を使用して前記パターニングデバイスを支持することと、
前記スタッドに対してスタッドグリッパを移動させ、それによって前記スタッドの遠位ヘッドを受け取って保持することと、
前記スタッドグリッパを加熱し、それによって前記スタッドと前記パターニングデバイスとの間に配置されたグルーを溶かすために前記スタッドを加熱することと、
前記グルーが溶けた時に、前記スタッドが前記パターニングデバイスから離れるように、前記スタッドグリッパを使用して前記スタッドを下方に引っ張ることと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記スタッドグリッパに接続され前記スタッドグリッパを下方に引っ張る重りによって、前記スタッドが下方に引っ張られる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スタッドがパターニングデバイスから取り外された後に、前記スタッドを前記スタッドグリッパの外へ押し出すためにプッシャアームを使用することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記スタッドをスタッドレセプタクルに誘導するためにシュートを使用することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2014年11月17日出願の米国出願第62/080,561号の、及び2015年1月27日出願の米国出願第62/108,348号からの、及び2015年2月2日出願の米国出願第62/110,841号からの、及び2015年2月27日出願の米国出願第62/126.173号からの、及び2015年4月17日出願の米国出願第62/149,176号からの、及び2015年6月23日出願の米国出願第62/183,342号からの優先権を主張し、それらすべての全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は装置に関する。装置は、リソグラフィ装置用のペリクルに関連して使用され得る。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に印加するように構成された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造で使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、基板上に施された放射感応性材料(レジスト)の層上にパターニングデバイス(例えば、マスク)からパターンを投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するためにリソグラフィ装置によって使用される放射の波長は、その基板上に形成され得るフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内の波長を有する電磁放射であるEUV放射を使用するリソグラフィ装置を使用して、従来のリソグラフィ装置(例えば、波長が193nmの電磁放射を使用し得る)よりも小さいフィーチャを基板上に形成することができる。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置内の放射ビームにパターンを付与するために使用されるパターニングデバイス(例えば、マスク)が、マスクアセンブリの一部を形成することができる。マスクアセンブリは、パターニングデバイスを粒子汚染から守るペリクルを含むことができる。ペリクルは、ペリクルフレームによって支持され得る。
【0006】
[0006] 従来技術に関連付けられた1つ以上の問題を未然に防ぐか又は緩和する装置を提供することが、望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明の第1の態様に従い、ペリクルフレームを支持するように構成された支持構造と、ペリクルをペリクルフレーム上に配置するように構成されたペリクルハンドリングシステムと、を備えるペリクル取り付け装置が提供され、装置は、ペリクルがペリクルフレーム上に配置される前に、ペリクルフレームとペリクルとの間に相対的な移動を提供するように構成されたアクチュエータをさらに備える。
【0008】
[0008] アクチュエータは、ペリクルがペリクルフレーム上に配置される前に、ペリクルフレームとペリクルとの間の位置合わせを達成可能にするため、ペリクルフレームに対するペリクルの正確な位置決めを可能にする。
【0009】
[0009] アクチュエータは、支持構造、したがってペリクルフレームを、ペリクルに対して移動するように構成可能である。
【0010】
[00010] ペリクルハンドリングシステムは、ペリクルを保持するように構成された支持アームを備えることができる。
【0011】
[00011] 各支持アームは、そのアームの脚部に真空を送出するように構成されたコンジットを含むことができる。
【0012】
[00012] 脚部は、ペリクルのボーダーの一部を受け取るように寸法決定することができる。
【0013】
[00013] 支持アームは、ペリクルハンドリングシステムのフレームから延在するコネクタアームから、下方に延在することができる。
【0014】
[00014] コネクタアームは、コネクタアームが一般に垂直方向に移動できるようにする1つ以上の板バネを含むことができる。
【0015】
[00015] 調節可能エンドストップは、ペリクルハンドリングシステムフレームから突出可能であり、所定の位置を超えたコネクタアームの下方移動を防止することができる。
【0016】
[00016] ベローズは、支持アームとペリクルハンドリングシステムフレームとの間に延在可能であり、ベローズは、支持アーム内のコンジットをフレーム内のコンジットに接続する。
【0017】
[00017] 支持構造は、ペリクルボーダー縁部及び/又はペリクルフレーム縁部が支持構造の反対側から見えるように位置決めされた、ウィンドウを含むことができる。
【0018】
[00018] 結像センサは、ウィンドウの一方の側に提供することが可能であり、ウィンドウの他方の側にあるペリクルボーダー縁部及び/又はペリクルフレーム縁部を見るためにウィンドウをのぞき見るように構成される。
【0019】
[00019] アライメントマークをウィンドウ上に提供することができる。
【0020】
[00020] ペリクル取り付け装置は、ペリクルフレーム上に配置された後、ペリクルを下方に押し付け、それによって、ペリクルとペリクルフレームとの間のインターフェースでグルーを硬化させる間、ペリクルフレーム上にペリクルを保持するように構成されたアームを、さらに備えることができる。
【0021】
[00021] 各アームは重りを備えることができる。アームによってペリクルに印加される下方圧力は、重りの重さによって決定することができる。
【0022】
[00022] 各アームは、ペリクルを押し付けるように構成された下方延在フィンガを含むことができる。
【0023】
[00023] フィンガは、アームの他の部分に対して横方向に移動可能とすることができる。
【0024】
[00024] 各アームは、支持フレームから延在し、支持フレームに対して一般に垂直方向に移動可能な部分を含むことができる。
【0025】
[00025] 各アームは、そのアームの固定部分に対してそのアームの可動部分の移動を制限する、エンドストップを含むことができる。
【0026】
[00026] 本発明の第2の態様に従い、パターニングデバイスと、ペリクルフレーム及びペリクルを備えるペリクルアセンブリと、を受け取るように構成されたペリクルフレーム取り付け装置が提供され、ペリクル取り付けデバイスは、ペリクルフレーム上に提供されたサブマウントの係合機構を動作するように構成されたマニピュレータを備え、マニピュレータは、被制御環境を受け取るペリクルアセンブリをペリクルフレーム取り付け装置の他の部分から分離するパーティション内に提供された、開口を介して突出するか又は開口から突出する。
【0027】
[00027] パーティションは、ペリクルボーダー縁部、ペリクルフレーム縁部、及び/又はパターニングデバイス上のアライメントマークが、パーティションの反対側から見えるように位置決めされた、ウィンドウを含む。
【0028】
[00028] 結像センサを、ウィンドウの一方の側に提供することができる。結像センサは、ペリクル縁部、ペリクルフレーム縁部、及び/又はパターニングデバイス上のアライメントマークを見るために、ウィンドウをのぞき見るように構成可能である。
【0029】
[00029] アライメントマークを、ウィンドウ上に提供することができる。
【0030】
[00030] マニピュレータは、アクチュエータに接続されたピンを備えることができ、アクチュエータは、ピンを一般に垂直方向に移動するように構成される。
【0031】
[00031] ピンは、フック状アームのペアに対して移動可能であり得る。
【0032】
[00032] フック状アームのペアは、アクチュエータに接続可能である。アクチュエータは、フック状アームを一般に水平方向に移動するように構成可能である。
【0033】
[00033] フック状アームのペアはパーティションに固定可能であり、アクチュエータは、パーティションとフック状アームのペアとを一体として移動するように構成される。
【0034】
[00034] 追加のピンが提供可能であり、追加のピンは、移動可能ピンに対して一般に垂直方向に移動可能である。
【0035】
[00035] 追加のピンは、移動可能ピンに対して弾性的にバイアスをかけることができる。
【0036】
[00036] パーティションは、支持構造に接続するか、又は支持構造の一部を形成することができる。
【0037】
[00037] マニピュレータの端部には、ロバスト材料のコーティングを提供することができる。
【0038】
[00038] ペリクルフレーム取り付け装置は、被制御環境内のガス排出口を含み得、ガス排出口は、パーティションの反対側にかかるガス圧よりも高い圧力でガスを供給するように構成される。
【0039】
[00039] 本発明の第3の態様に従い、パターニングデバイスを保持するように構成された支持構造と、スタッドをパターニングデバイスと接触させるように構成されたスタッドマニピュレータと、を備えるスタッド取り付け装置が提供され、スタッドマニピュレータは、被制御環境を受け取るパターニングデバイスからパーティションによって分離され、パーティションは、パターニングデバイスを接触させるためにスタッドがそれを介して突出可能なホールを含む。
【0040】
[00040] スタッドマニピュレータは複数のスタッドマニピュレータのうちの1つであり得、パーティション内のホールは複数のホールのうちの1つであり得る。
【0041】
[00041] スタッド取り付け装置は、被制御環境内のガス排出口を含むことができ、ガス排出口は、パーティションの反対側にかかるガス圧よりも高い圧力でガスを供給するように構成される。
【0042】
[00042] シールが、スタッドマニピュレータの周囲に提供され得る。シールは、使用中、パターニングデバイスのスタッド受け取り部分をパターニングデバイスの他の部分から隔離するために、パターニングデバイスに対してシールを提供することができる。
【0043】
[00043] 少なくとも1つのガス送出チャネル及び少なくとも1つのガス抽出チャネルを提供することができ、これを介してパターニングデバイスのスタッド受け取り部分との間にガスの流れを提供することができる。
【0044】
[00044] シールは漏れシールとすることができる。
【0045】
[00045] スタッドマニピュレータはヒーターを含むことができる。
【0046】
[00046] パーティションは、パターニングデバイス上のアライメントマークがパーティションの反対側から見えるように位置決めされたウィンドウを含むことができる。
【0047】
[00047] 結像センサは、ウィンドウの一方の側に提供可能であり、パターニングデバイス上のアライメントマークを見るためにウィンドウをのぞき見るように構成される。
【0048】
[00048] キネマティック接続を、スタッドマニピュレータと支持構造との間に提供することができる。
【0049】
[00049] 本発明の第4の態様に従い、パターニングデバイスを保持するように構成された支持構造と、パターニングデバイスから突出するスタッドの遠位ヘッドを受け取って保持するように構成されたスタッドグリッパと、スタッド及びパターニングデバイスに対してスタッドグリッパを移動するように構成されたアクチュエータと、ヒーターと、を備えるスタッド取り外し装置が提供される。
【0050】
[00050] スタッドグリッパは、スタッドのネックよりも広く、スタッドの遠位ヘッドよりも狭い、セパレーションを備えるフランジのペアを備えることができる。
【0051】
[00051] スタッド取り外し装置は、スタッドグリッパに接続され、スタッドグリッパを下方に引っ張る、重りをさらに備えることができる。
【0052】
[00052] スタッド取り外し装置は、スタッドグリッパに対して一般に水平方向に移動可能なプッシャアームをさらに備えることができ、プッシャアームは、スタッドがパターニングデバイスから取り外された後にスタッドをスタッドグリッパの外へ押し出すように構成される。
【0053】
[00053] スタッド取り外し装置は、スタッドグリッパから押し出されたスタッドを誘導するように構成されたシュートを、さらに備えることができる。
【0054】
[00054] スタッド取り外し装置は、シュートの排出口に配置されたスタッドレセプタクルを、さらに備えることができる。
【0055】
[00055] 本発明の第5の態様に従い、
パターニングデバイス、ペリクルフレーム、及びペリクルを受け取り、ペリクルフレームがパターニングデバイスに隣接したペリクルを支持するマスクアセンブリを形成するように、ペリクルフレームをパターニングデバイスに取り付けるように構成されたペリクルフレーム取り付け装置と、
ペリクルフレーム取り付け装置からマスクアセンブリを受け取り、マスクアセンブリを支持するように構成され、支持構造、放射ビームを調整し、調整された放射ビームを用いてマスクアセンブリを照明するように構成された照明システムであって、マスクアセンブリのパターニングデバイスは、パターン付与された放射ビームを形成するために調整された放射ビームの断面にパターンを付与するように構成される、照明システム、基板を保持するように構築された基板、及び、パターン付与された放射ビームを基板上に投影するように構成された投影システムを備える、リソグラフィ装置と、
を備える、リソグラフィシステムが提供され、
リソグラフィシステムは、リソグラフィ装置内で使用するためにマスクアセンブリをペリクルフレーム取り付け装置からリソグラフィ装置へ移送するように構成されたマスクアセンブリ移送デバイスをさらに備える。
【0056】
[00056] ペリクルフレーム取り付け装置は、シールされた環境内でペリクルフレームをパターニングデバイスに取り付けるように構成可能である。
【0057】
[00057] ペリクルフレーム取り付け装置は、圧力状況を真空処理するためにペリクルフレーム取り付け装置のシールされた環境をポンピングするように構成された、真空ポンプを備えることができる。
【0058】
[00058] マスクアセンブリ移送デバイスは、シールされた環境内でペリクルフレーム取り付け装置からリソグラフィ装置へとマスクアセンブリを移送するように構成可能である。
【0059】
[00059] マスクアセンブリ移送デバイスは、圧力状況を真空処理するためにマスクアセンブリ取り付け装置のシールされた環境をポンピングするように構成された、真空ポンプを備えることができる。
【0060】
[00060] リソグラフィシステムは、汚染又は欠陥のうちの少なくとも1つについて、ペリクル、ペリクルフレーム、及びパターニングデバイスのうちの1つ以上を検査するように構成された検査装置を、さらに備えることができる。
【0061】
[00061] ペリクルフレーム取り付け装置は、ペリクルフレームに取り付けられたペリクルを受け取り、パターニングデバイスに取り付けられたペリクルを用いてペリクルフレームを取り付けるように、構成可能である。
【0062】
[00062] 照明システムは、EUV放射ビームを調整するように構成可能である。
【0063】
[00063] ペリクルフレーム取り付け装置は、EUV放射に対して実質的に透過的なペリクルを受け取るように構成可能である。
【0064】
[00064] 本発明の第6の態様に従い、ペリクル及びペリクルフレームを受け取り、ペリクルアセンブリを形成するためにペリクルをペリクルフレームに取り付け、シールされたパッケージング内でのペリクルアセンブリの移送に好適なシールされたパッケージング内のペリクルアセンブリをシールするように構成された、ペリクル取り付け装置が提供される。
【0065】
[00065] ペリクル取り付け装置は、シールされた環境内でペリクルをペリクルフレームに取り付けるように構成可能である。
【0066】
[00066] ペリクル取り付け装置は、圧力状況を真空処理するためにシールされた環境をポンピングするように構成された、真空ポンプを備えることができる。
【0067】
[00067] ペリクル取り付け装置は、汚染又は欠陥のうちの少なくとも1つについて、ペリクル及びペリクルフレームのうちの1つ又は両方を検査するように構成された検査装置を、さらに備えることができる。
【0068】
[00068] 本発明の第7の態様に従い、ペリクルをペリクルフレームに取り付ける方法が提供され、方法は、ペリクルフレームを支持構造上に配置するためにペリクルフレームハンドリングシステムを使用すること、ペリクルフレームにグルーを塗布すること、ペリクルハンドリングシステムを使用してペリクルフレームの上でペリクルを保持すること、ペリクルフレームとペリクルとを位置合わせすること、及び、ペリクルをペリクルフレーム上に配置することを含む。
【0069】
[00069] ペリクルフレームとペリクルとの位置合わせは、ペリクルフレームを支持する支持構造を移動することによって達成可能である。
【0070】
[00070] 方法は、アームを使用してペリクルを下方に押し付け、それによって、グルーを硬化させる間、ペリクルフレーム上にペリクルを保持することをさらに含むことができる。
【0071】
[00071] グルーは、間隔を置いた場所に提供可能である。アームは、間隔を置いた場所ごとに、ペリクルを押し付けることができる。
【0072】
[00072] 本発明の第8の態様に従い、ペリクルアセンブリをパターニングデバイスに取り付ける方法が提供され、ペリクルアセンブリはペリクルフレーム及びペリクルを備え、方法は、ペリクルアセンブリを支持構造の第1の部分上に配置すること、パターニングデバイスのスタッドがペリクルアセンブリの方を向いた状態でパターニングデバイスを支持構造の第2の部分上に配置すること、ペリクルアセンブリを支持構造から持ち上げた後、ペリクルアセンブリをパターニングデバイスに対して位置合わせするために移動すること、及び、ペリクルフレーム上に提供されたサブマウントの係合機構を動作させるためにマニピュレータを使用すること、を含み、マニピュレータは、係合機構をパターニングデバイスから突出しているスタッドと係合させる。
【0073】
[00073] マニピュレータは、フック状アームと、スタッドのうちの1つの遠位ヘッドを受け取るための空間を作るために、各係合機構の係合アームを各係合機構の支持アームに対して移動するために使用されるマニピュレータピンと、を備えることができる。
【0074】
[00074] フック状アームは、マニピュレータピンが係合機構の係合アームを上方に押し上げている間、係合機構の支持アームを保持することができる。
【0075】
[00075] ペリクルアセンブリを持ち上げることは、追加のピンを使用して実行可能である。
【0076】
[00076] 本発明の第9の態様に従い、スタッドをパターニングデバイスに取り付ける方法が提供され、方法は、スタッドを支持構造上に提供されたスタッドマニピュレータ内に配置すること、スタッドにグルーを塗布すること、パターン付与された表面を下方に向けた状態でパターニングデバイスをスタッドの上に配置すること、及び、スタッドを移動してパターニングデバイスと接触させるためにスタッドマニピュレータを上方に移動することを含む。
【0077】
[00077] 方法は、グルーを硬化させるために、スタッドマニピュレータ内のヒーターを使用してスタッドを加熱することをさらに含むことができる。
【0078】
[00078] 各スタッドマニピュレータの周囲にシールを提供することが可能であり、スタッドマニピュレータにガスが送出された後、シール付近から汚染物質を取り去るために、スタッドマニピュレータからガスが除去される。
【0079】
[00079] シールは漏れシールとすることができる。
【0080】
[00080] 本発明の第10の態様に従い、パターニングデバイスからスタッドを取り外す方法が提供され、方法は、スタッドがパターニングデバイスから下方に突出するようにパターニングデバイスを配向した状態で、支持体を使用してパターニングデバイスを支持すること、スタッドに対してスタッドグリッパを移動し、それによってスタッドの遠位ヘッドを受け取って保持すること、スタッドグリッパを加熱し、それによってスタッドとパターニングデバイスとの間に配置されたグルーを溶かすためにスタッドを加熱すること、及び、グルーが溶けた時にスタッドがパターニングデバイスから離れるように、スタッドグリッパを使用してスタッドを下方に引っ張ること、を含む。
【0081】
[00081] スタッドグリッパに接続されスタッドグリッパを下方に引っ張る重りによって、スタッドを下方に引っ張ることができる。
【0082】
[00082] 方法は、スタッドがパターニングデバイスから取り外された後に、スタッドをスタッドグリッパの外へ押し出すためにプッシャアームを使用することを、さらに含むことができる。
【0083】
[00083] 方法は、スタッドをスタッドレセプタクルに誘導するためにシュートを使用することを、さらに含むことができる。
【0084】
[00084] 前述又は下記の説明で言及される1つ以上の態様又は特徴は、1つ以上の他の態様又は特徴と組み合わせることができることを理解されよう。
【0085】
[00085] 次に、単なる例として添付の概略図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】[00086]リソグラフィ装置及び放射源を備えるリソグラフィシステムを示す概略図である。
【
図2】[00087]本発明の実施形態に従った、様々な装置及びリソグラフィ装置を示す概略図である。
【
図3】[00088]本発明の実施形態に従った、マスクアセンブリを示す斜視図である。
【
図4】[00089]
図3のマスクアセンブリの一部を示す断面図である。
【
図5A】[00090]
図3のマスクアセンブリの一部を形成する係合機構を示す図である。
【
図5B】[00090]
図3のマスクアセンブリの一部を形成する係合機構を示す図である。
【
図6】[00091]本発明の実施形態に従った、ペリクル取り付け装置を概略的に示す図である。
【
図7】[00092]ペリクル取り付け装置の部分をより詳細に示す図である。
【
図8】[00093]本発明の実施形態に従った、ハンドリングシステムを示す透視図である。
【
図9】[00094]
図8のハンドリングシステムの一部をより詳細に示す図である。
【
図10】[00095]上から見たペリクル取り付け装置の一部を概略的に示す図である。
【
図11】[00096]ペリクル取り付け装置のアームを示す断面図である。
【
図12】[00097]本発明の実施形態に従った、ペリクルフレーム取り付け装置を概略的に示す図である。
【
図13】[00098]ペリクルフレーム取り付け装置の一部を示す斜視図である。
【
図14】[00099]ペリクルフレーム取り付け装置の一部をさらに詳細に示す図である。
【
図15】[000100]ペリクルフレーム取り付け装置の異なる部分間の相互関係を概略的に示す図である。
【
図16】[000101]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作を概略的に示す図である。
【
図17】[000101]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作を概略的に示す図である。
【
図18A】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18B】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18C】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18D】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18E】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18F】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18G】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図18H】[000102]ペリクルフレーム取り付け装置による係合機構の動作をより詳細に示す図である。
【
図19】[000103]本発明の実施形態に従った、スタッド取り付け装置を概略的に示す図である。
【
図20】[000104]スタッド取り付け装置を示す斜視図である。
【
図21】[000105]スタッド取り付け装置の一部を示す断面図である。
【
図22】[000106]上から見たスタッド取り付け装置の一部を示す図である。
【
図23】[000107]パーティションが取り外された、上から見たスタッド取り付け装置を示す図である。
【
図24】[000108]部分的に分解された状態の、スタッド取り付け装置の一部を示す図である。
【
図25】[000109]本発明の実施形態に従った、スタッド取り外し装置の一部を形成するスタッドリムーバを示す斜視図である。
【
図26】[000110]スタッドリムーバの一部をより詳細に示す斜視図である。
【
図27】[000111]スタッドリムーバの一部を示す断面図である。
【
図28】[000111]スタッドリムーバの一部を示す断面図である。
【
図29】[000111]スタッドリムーバの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
[000112]
図1は、本発明の一実施形態に従ったマスクアセンブリを含むリソグラフィシステムを示す。リソグラフィシステムは、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備える。放射源SOは、極端紫外(EUV)放射ビームBを生成するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を含むマスクアセンブリ15を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS、及び基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。照明システムILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にこれを調整するように構成される。投影システムは、放射ビームB(この時点で、パターニングデバイスMAによってパターン付与されている)を基板W上に投影するように構成される。基板Wは、以前に形成されたパターンを含むことができる。その場合、リソグラフィ装置は、パターン付与された放射ビームBとあらかじめ基板W上に形成されたパターンとを位置合わせする。
【0088】
[000113] 放射源SO、照明システムIL、及び投影システムPSは、すべて、外部環境から隔離できるように構築及び配置構成することができる。大気圧よりも低い圧力のガス(例えば、水素)を、放射源SO内に提供することができる。真空を、照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供することができる。大気圧よりもかなり低い圧力の少量のガス(例えば、水素)を、照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供することができる。
【0089】
[000114]
図1に示される放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP)放射源と呼ぶことができるタイプである。レーザ1は、例えばCO2レーザであり得、レーザビーム2を介して燃料エミッタ3から提供されるスズ(Sn)などの燃料内にエネルギーを堆積させるように配置構成される。以下の説明ではスズに言及しているが、任意の好適な燃料が使用可能である。燃料は、例えば液体の形であり得、例えば金属又は合金であり得る。燃料エミッタ3は、例えば小滴の形のスズを軌道に沿ってプラズマ形成領域4に向けて誘導するように構成された、ノズルを備えることができる。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4でスズに入射する。スズ内でのレーザエネルギーの堆積により、プラズマ形成領域4でプラズマ7を作成する。EUV放射を含む放射は、プラズマのイオンの脱励起及び再結合中にプラズマ7から放出される。
【0090】
[000115] EUV放射は、近垂直入射放射コレクタ5(より一般的に、垂直入射放射コレクタと呼ばれることがある)によって、収集及び合焦される。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置構成された多層構造を有することができる。コレクタ5は、2つの楕円焦点ポイントを有する打鍵構成を有することができる。以下で論じるように、第1の焦点ポイントはプラズマ形成領域4とすることができ、第2の焦点ポイントは中間焦点6とすることができる。
【0091】
[000116] レーザ生成プラズマ(LPP)放射源の他の実施形態において、コレクタ5は、かすめ入射角でEUV放射を受け取り、中間焦点でEUV放射を合焦するように構成された、いわゆるかすめ入射コレクタとすることができる。かすめ入射コレクタは、例えば、複数のかすめ入射リフレクタを備えるネストコレクタとすることができる。かすめ入射リフレクタは、光軸Oの周囲に軸方向に対称的に配設可能である。
【0092】
[000117] 放射源SOは、1つ以上の汚染トラップ(図示せず)を含むことができる。例えば、汚染トラップは、プラズマ形成領域4と放射コレクタ5との間に配置可能である。汚染トラップは、例えば回転ホイルトラップとするか、又は任意の他の好適な形の汚染トラップとすることができる。
【0093】
[000118] レーザ1は、放射源SOから分離することができる。その場合、レーザビーム2は、例えば好適な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダ、及び/又は他の光学機器を備える、ビーム送達システム(図示せず)の助けを借りて、レーザ1から放射源SOへと渡すことができる。レーザ1及び放射源SOは、共に放射システムと見なすことができる。
【0094】
[000119] コレクタ5によって反射される放射は、放射ビームBを形成する。放射ビームBは、プラズマ形成領域4の像を形成するためにポイント6で合焦され、照明システムILに対して仮想放射源として働く。放射ビームBが合焦するポイント6は、中間焦点と呼ぶことができる。放射源SOは、中間焦点6が放射源の封入構造9内の開口8に、又は開口8付近に配置されるように、配置構成される。
【0095】
[000120] 放射ビームBは、放射源SOから、放射ビームを調整するように構成された照明システムIL内へとわたる。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を含むことができる。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、望ましい断面形状及び望ましい角度分布を伴う放射ビームBを提供する。放射ビームBは、照明システムILから渡され、支持構造MTによって保持されるマスクアセンブリ15上に入射する。マスクアセンブリ15は、パターニングデバイスMAと、ペリクルフレーム17によって定位置に保持されるペリクル19とを含む。パターニングデバイスMAは、放射ビームBを反射し、パターン付与する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、又はそれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを含むことができる。
【0096】
[000121] パターニングデバイスMAからの反射に続き、パターン付与された放射ビームBは投影システムPSに入る。投影システムは、基板テーブルWTによって保持される基板W上に放射ビームBを投影するように構成された、複数のミラーを備える。投影システムPSは放射ビームに減少係数を適用し、パターニングデバイスMA上の対応フィーチャよりも小さいフィーチャを伴う像を形成することができる。例えば、減少係数4を適用することができる。
図1では投影システムPSは2枚のミラーを有しているが、投影システムは任意数のミラー(例えば、6枚のミラー)を含むことができる。
【0097】
[000122] リソグラフィ装置は、例えばスキャンモードで使用することが可能であり、放射ビームに付与されたパターンが基板W上に投影される間に、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTが同期的にスキャンされる(すなわち、動的露光)。支持構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの縮小及び像反転特徴によって決定可能である。基板W上に入射するパターン付与された放射ビームは、放射のバンドを備えることができる。放射のバンドは、露光スリットと呼ぶことができる。スキャニング露光の間、基板テーブルWT及び支持構造MTは、露光スリットが基板Wの露光フィールドの上を進行するように移動することができる。
【0098】
[000123]
図1に示される放射源SO及び/又はリソグラフィ装置は、図示されていないコンポーネントを含むことができる。例えば、スペクトルフィルタを放射源SO内に提供することができる。スペクトルフィルタは、EUV放射については実質的に透過するが、赤外線放射などの他の波長の放射については実質的に遮断することができる。
【0099】
[000124] リソグラフィ装置の他の実施形態において、放射源SOは他の形を取ることができる。例えば、代替実施形態において、放射源SOは1つ以上の自由電子レーザを含むことができる。1つ以上の自由電子レーザは、1つ以上のリソグラフィ装置に提供可能なEUV放射を放出するように構成可能である。
【0100】
[000125] 上記で簡単に説明したように、マスクアセンブリ15は、パターニングデバイスMAに隣接して提供されるペリクル19を含む。放射ビームBが、照明システムILからパターニングデバイスMAに接近する場合、及びパターニングデバイスMAによって投影システムPS方向に反射される場合の双方で、ペリクル19を通過するように、ペリクル19は放射ビームBの経路内に提供される。ペリクル19は、EUV放射に対して実質的に透過な(但し、少量のEUV放射を吸収することになる)薄膜を備える。本明細書において、EUV透過ペリクル又は膜により、EUV放射に対して実質的に透過であることは、ペリクル19がEUV放射の少なくとも65%、好ましくはEUV放射の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%を透過することを意味する。ペリクル19は、パターニングデバイスMAを粒子汚染から保護する働きをする。
【0101】
[000126] リソグラフィ装置LA内部のクリーン環境を維持するために努力することができる一方で、リソグラフィ装置LA内部には依然として粒子が存在し得る。ペリクル19が存在しない場合、パターニングデバイスMA上に粒子が堆積する可能性がある。パターニングデバイスMA上の粒子は、放射ビームBに付与されるパターン及び基板Wに転写されるパターンに不利な影響を与える可能性がある。ペリクル19は、パターニングデバイスMA上に粒子が堆積されないようにするために、パターニングデバイスMAとリソグラフィ装置LA内の環境との間に有利に障壁を提供する。
【0102】
[000127] ペリクル19の表面に入射するいずれの粒子も放射ビームBの焦点平面内にないように、ペリクル19はパターニングデバイスMAから十分な距離に位置決めされる。ペリクル19とパターニングデバイスMAとの間のこの分離は、ペリクル19の表面上のいずれかの粒子が放射ビームBにパターンを付与する範囲を減らす働きをする。粒子が放射ビームB内に存在するが、放射ビームBの焦点平面内の位置ではない(すなわち、パターニングデバイスMAの表面ではない)場合、粒子のいかなる像も基板Wの表面に焦点が合わないことを理解されよう。他の考慮事項がない場合、ペリクル19をパターニングデバイスMAからかなり離れた距離に位置決めすることが望ましい場合がある。しかしながら、実際には、ペリクルを収容するためにリソグラフィ装置LA内で使用可能な空間は、他のコンポーネントの存在に起因して制限される。いくつかの実施形態において、ペリクル19とパターニングデバイスMAとの間の分離は、例えばおよそ1mmから10mmの間、例えば1mmから5mmの間、より好ましくは2mmから2.5mmの間とすることができる。
【0103】
[000128] マスクアセンブリは、ペリクルをペリクルフレームに取り付けることによって、及びペリクルフレームをパターニングデバイスに取り付けることによって、リソグラフィ装置内で使用するように準備することができる。パターニングデバイスMAと、ペリクルフレームによってパターニングデバイスに隣接して支持されるペリクルとを備える、マスクアセンブリは、リソグラフィ装置LAからリモートに準備することができ、マスクアセンブリは、リソグラフィ装置LA内で使用するためにリソグラフィ装置LAに移送することができる。例えば、パターンがパターニングデバイス上に付与される場所でマスクアセンブリを形成するように、ペリクルを支持しているペリクルフレームをパターニングデバイスに取り付けることができる。次いで、マスクアセンブリをリソグラフィ装置LAが位置する別の場所に移送することができ、マスクアセンブリを、リソグラフィ装置LAで使用するためにリソグラフィ装置LAに提供することができる。
【0104】
[000129] ペリクルがペリクルフレームによって定位置に保持されるマスクアセンブリは精密であり、マスクアセンブリの移送はペリクルに損傷を与えるリスクがあり得る。加えて、リソグラフィ装置LAとは別の環境でマスクアセンブリを組み立てることは、結果としてマスクアセンブリを様々な圧力状況にさらすことになる。例えばマスクアセンブリは、大気圧状況の下でリソグラフィ装置に移送することができる。次いでマスクアセンブリは、圧力状況を真空処理するためにポンピングされるロードロックを介して、リソグラフィ装置LA内にロードすることができる。マスクアセンブリがさらされる圧力状況の変化により、ペリクルを湾曲させ、ペリクルに損傷を与えるリスクが生じ得る圧力差を、ペリクル全体にわたって生じさせる可能性がある。実施形態において、リソグラフィシステムは、ペリクルフレーム取り付け装置に接続されたリソグラフィ装置LAを備えることができる。その場合、マスク及びペリクルを備えるマスクアセンブリは、被制御環境内にとどまりながら、ペリクルフレーム取り付け装置からリソグラフィ装置に直接搬送されることが可能である。
【0105】
[000130]
図2は、マスクアセンブリ15を組み立てるため及びマスクアセンブリをリソグラフィ装置LAに搬送するために好適な、装置の概略図である。
図2は、ペリクル19をペリクルフレーム17に取り付けるために使用可能なペリクル取り付け装置855、及び、ペリクルアセンブリを移送するために使用可能なペリクルアセンブリ移送デバイス881を示す。加えて、スタッド51をパターニングデバイスMAに取り付けるために使用可能な、スタッド取り付け装置840が示される。スタッド51は、パターニングデバイスMAへのペリクルフレーム17(及びペリクル19)の解除可能な取り付けを可能にする。取り付けられたスタッドと共にマスクを移送するために使用可能なマスク移送デバイス880も示されている。ペリクルフレーム17(及びペリクル19)をパターニングデバイスMAに取り付け、それによってマスクアセンブリ15を形成するために使用可能な、ペリクルフレーム取り付け装置857も示されている。マスクアセンブリ15をペリクルフレーム取り付け装置857からリソグラフィ装置LAに移送するために使用可能な、マスクアセンブリ移送デバイス853も示されている。
【0106】
[000131] ペリクル取り付け装置855は、リソグラフィ装置が位置する場所とは異なる場所に位置することができる。スタッド取り付け装置840は、リソグラフィ装置LAが位置する場所とは異なる場所に位置することができる。代替として、ペリクル取り付け装置855及びスタッド取り付け装置840のうちのいずれか又は両方を、リソグラフィ装置LAが位置する場所と同じ場所(例えばリソグラフィ製造所)に配置することができる。
【0107】
[000132] ペリクル取り付け装置855は、ペリクル19、ペリクルフレーム17、及び係合機構(図示せず)を受け取る。ペリクル19及びペリクルフレーム17は、ペリクル取り付け装置855内に手動で配置することができる。グルーは、ペリクルフレーム17内の係合機構受け取り開口(例えば、以下でさらに説明する場所)で配量される。グルーの配量は、手動又は自動(又は部分的に自動)とすることができる。係合機構及びペリクルフレーム17は、(例えば、光学位置合わせ装置を使用して)互いに対して位置合わせされた後、係合機構はペリクルフレーム内の開口に挿入される。
【0108】
[000133] グルーは、ペリクルフレーム17上(例えば、ペリクルフレーム17周辺の間隔を置いた場所)にも配量される。グルーの配量は、手動又は自動(又は部分的に自動)とすることができる。ペリクルフレーム17に対してペリクル19を位置合わせするために光学位置合わせシステムが使用された後、ペリクルは再度ペリクルフレームに押し付けられる。
【0109】
[000134] ペリクル19は、グルーを硬化させるのに十分な期間、室温でペリクルフレーム17に対して押し付けられた状態で保持され、それによってペリクルがペリクルフレームに固定される。その後、ペリクル19にかかる圧力は除去される。次いで、硬化オーブン(ペリクル取り付け装置の一部を形成することができる)を使用して、高温でのグルーの追加硬化が実行される。これにより、係合機構をペリクルフレーム17に取り付けるグルーも硬化することになる。代替手法において、ペリクル19がペリクルフレームに押し付けられている時にグルーを硬化させるために、(室温で硬化を進行させる代わりに)何らかの加熱を適用することができる。
【0110】
[000135] ペリクル19をペリクルフレーム17に取り付けるためのグルーの使用を上記で説明したが、ペリクルは任意の好適なタイプの接着(グルーを使用しないことを含む)を使用してペリクルフレームに取り付けることができる。
【0111】
[000136] 結果として生じるペリクルアセンブリ16は、粒子検査ツールを使用して検査される。粒子検査ツールは、ペリクル取り付け装置855の一部を形成することができる(又は、別のツールとすることができる)。粒子検査ツールは、ペリクル19及び/又はペリクルフレーム17上に配設された粒子を検査するように構成可能である。粒子検査ツールは、例えば、所与の粒子閾値よりも多数の粒子を有するペリクルアセンブリを拒絶することができる。粒子検査ツールは、ペリクル及びペリクルフレームが共に接着される前に、ペリクル19及び/又はペリクルフレーム17を検査するためにも使用可能である。
【0112】
[000137] ペリクル取り付け装置855は、検査の後、ペリクルアセンブリ16をペリクルアセンブリ移送デバイス881(シール済みボックス)内にシールするように構成可能である。図に示されるように、ペリクルアセンブリ移送デバイス881は、ペリクル19がペリクルフレーム17の下になる配向でペリクルアセンブリを保持するように、配置構成可能である。移送デバイス881がシールされるため、ペリクルアセンブリ16が汚染されることなくペリクルアセンブリを移送することができる。ペリクルアセンブリ16は、移送デバイス881内でペリクルフレーム取り付け装置857に移送することができる。
【0113】
[000138] ペリクル取り付け装置855は、シールされた環境内部の粒子の数を減らすようにクリーン環境を含むことが可能であり、それによってペリクル19上に堆積され得る粒子の数が削減される。ペリクル取り付け装置855は、例えばペリクルが製造される場所に位置することができる。いくつかの実施形態において、ペリクル19は、ペリクル19が製造されるペリクル製造ツール(図示せず)から直接、ペリクル取り付け装置855に提供することができる。ペリクル19は、例えば、ペリクル19をクリーン環境内部に維持しながら、ペリクル製造ツールからペリクル取り付け装置855に提供することができる。これにより、ペリクル19がペリクル取り付け装置855に提供される前に、汚染されるか又は損傷が与えられる機会を減らすことができる。クリーン環境は、例えば、シールされた環境である(すなわち、外部環境から完全に隔離される)ことが可能である。シールされた環境は、シールされた環境内の真空を維持するようにポンピングすることができる。
【0114】
[000139] ペリクルフレーム17へのペリクル19の取り付けは、ペリクル19内の望ましい張力を達成するように制御可能である。例えば、ペリクル19内の張力は、ペリクルフレーム17へのペリクル19の取り付け中又は取り付け後に測定することが可能であり、ペリクル19内の望ましい張力を達成するために、測定に応答して張力を調節することができる。ペリクル19内の張力は、例えば、ペリクル19を伸張するようにペリクルフレーム17のコンポーネントに外向きの力を印加することによって、維持することができる。ペリクル19内の張力は、例えば、ペリクルフレームとペリクルと間の熱膨張係数の差異を使用することによって、維持することができる。
【0115】
[000140] 実施形態において、パターニングデバイス(マスクと呼ぶことができる)MAに、(例えば、以下でさらに説明するような)係合機構によって受け取られる突起を提供することができる。パターニングデバイスは、例えば4つの突起(本明細書ではスタッドと呼ばれる)を受け取ることができる。
図2に示されるように、スタッド取り付け装置840は、スタッド51をパターニングデバイスMAに取り付けるために使用可能である。
【0116】
[000141] スタッド51及びパターニングデバイスMAは、スタッド取り付け装置840内に手動で配置することができる。パターニングデバイスMAは、スタッド取り付け装置840の残りの部分から分離された被制御環境内841に保持することができる。分離は、開口を備えるパーティション842によって提供可能であり、パターニングデバイスMAを接触させるためにこの開口を介してスタッド51が突出可能である。被制御環境841は、(例えば、被制御環境内で排出口を介してガスを送出することによって)スタッド取り付け装置840の他の部分よりも高い圧力で保持することができる。これにより、汚染粒子がスタッド取り付け装置の他の部分から被制御環境841内に通過するのを抑制又は防止することになる。
【0117】
[000142] スタッド取り付け装置840は、スタッドを正確に配置するためのロボット又はアクチュエータなどの、スタッドマニピュレータ(図示せず)を含むことができる。スタッドをパターニングデバイス上に配置するのに好適なアクチュエータの例が、ローレンツアクチュエータ(図示せず)である。スタッド取り付け装置840は、パターニングデバイスMAに取り付けられることになるスタッド表面に、所与の量のグルー又は接着剤を自動的に提供するためのデバイスを含むこともできる(但し、グルー又は接着剤の塗布は、あらかじめ手動で行うこともできる)。グルー又は接着剤からの汚染物質によるマスクMAの汚染は、パーティション842の上の被制御環境からパーティションの下への空気の流れによって防止又は減少される(空気の流れは、パーティションの上の圧力がパーティションの下の圧力よりも高いことによって生じる)。
【0118】
[000143] スタッド取り付け装置840は、スタッドを正確に位置決めするためにレチクル上に存在するアライメントマーカに関してスタッドを位置合わせする、光学位置合わせシステムをさらに含むことができる。例えば、従来はパターニングデバイスMA上に提供され、パターンの位置合わせに使用されるアライメントマーカを、スタッドの位置合わせに使用することもできる。
【0119】
[000144] スタッド取り付け装置は、パターニングデバイスMAの位置を調節するための、X-Y-Z及びRz方向に移動可能な支持構造を含むことができる。パターニングデバイスMAを保持している支持構造の位置は、粗動及び微動の機械調節デバイスを用いて手動で、或いは、自動化(又は半自動化)アクチュエータ、又はパターニングデバイステーブルに結合された位置合わせ及び位置決めに好適な任意の他のタイプのデバイスを使用して、調節可能である。
【0120】
[000145] スタッド51及びパターニングデバイスMAが位置合わせされた後、スタッドはパターニングデバイスMAに押し付けられる。スタッド51は、グルーを硬化させるのに十分な期間、室温でパターニングデバイスMAに押し付けた状態で保持することが可能であり、それによって、スタッドがマスクに固定される。代替として、グルーの硬化を加速させるために、スタッド51を加熱することができる。次いで、(スタッド取り付け装置840の一部を形成可能な)硬化オーブンを使用して、高温でのグルーの追加の硬化を実行することができる。
【0121】
[000146] パターニングデバイスMA及びスタッド51は、(スタッド取り付け装置840の一部を形成可能な)粒子検査ツールを使用して検査可能である。
【0122】
[000147] スタッド取り付け装置840は、パターニングデバイスMA移送デバイス880(シール済みボックス)内にパターニングデバイスMA及びスタッド51をシールする。マスク移送デバイス880がシールされるため、マスクが汚染されることなくパターニングデバイスMA及びスタッド51を移送することができる。パターニングデバイスMA及びスタッドは、移送デバイス880内でペリクルフレーム取り付け装置857に移送することができる。
【0123】
[000148] 実施形態において、(汚染のリスクを低減させるために)シール済みボックス内のスタッド取り付け装置840にマスクが提供される。ボックスは、スタッド51がパターニングデバイスMAに取り付けられる直前まで、シールされた状態を維持することが可能であり、それによって、汚染がマスクに進行する可能性のある時間を最小限にする。
【0124】
[000149] スタッド取り付け装置840の被制御環境841は、パターニングデバイスMA移送デバイス880(シール済みボックス)の一部をその後形成するハウジングによって、部分的に提供可能である。ハウジングは、移送デバイス880の壁及び屋根を形成することが可能であり、移送デバイスの床は、スタッド51が取り付けられた後(例えば、直後)にはめられるプレートによって形成される。このようにハウジングを使用することによって、汚染がパターニングデバイスMA上に入射するのを防止することを支援できる。ハウジングはポッドのカバーを備えることができる。スタッド取り付け装置840のマスクテーブルは、ハウジングを受け取るように構成可能である。
【0125】
[000150] 同様に、ペリクル取り付け装置855は、ペリクルアセンブリ移送デバイス881の一部をその後形成するハウジングによって、部分的に形成することも可能である。
【0126】
[000151] 移送デバイス881内のペリクルアセンブリ16及び移送デバイス880内のパターニングデバイスMA(及びスタッド51)は、どちらも、ペリクルフレーム取り付け装置857に移送される。ペリクルフレーム取り付け装置857は、1つ以上のリソグラフィ装置も提供される製造所内に提供可能である。
【0127】
[000152] ペリクルフレーム取り付け装置857は、マスクアセンブリ15を形成するように、ペリクルアセンブリ16のペリクルフレーム17をパターニングデバイスMA上のスタッド51に取り付けるように構成される。ペリクルフレーム取り付け装置857は、ペリクルフレーム取り付け装置の残りの部分から分離された被制御環境860を含むことができる。分離は、マニピュレータがそれを介して延在する(
図2には図示せず)開口を備える、パーティション862によって提供可能である。マニピュレータは、制御システム870によって動作可能である(以下でさらに説明する)。被制御環境860は、被制御環境内部の粒子の数を減らすようにクリーン環境として維持することが可能であり、それによって、マスクアセンブリ15上に堆積され得る粒子の数が削減される。被制御環境860は、(例えば、被制御環境内で排出口を介してガスを送出することによって)ペリクルフレーム取り付け装置857の他の部分より高い圧力で保持することができる。これにより、汚染粒子がペリクルフレーム取り付け装置857の他の部分から被制御環境860内に通過するのを抑制又は防止することになる。
【0128】
[000153] ペリクルフレーム取り付け装置857によって組み立てられるマスクアセンブリ15は、ペリクルフレーム取り付け装置からマスクアセンブリ移送デバイス853内のリソグラフィ装置LAに移送される。マスクアセンブリ移送デバイス853は、内部でマスクアセンブリ15が移送されるシール済み及びクリーン環境を備えることができる。これにより、マスクアセンブリの移送中にマスクアセンブリ15が汚染されるか又は損傷を受ける機会が低減される。シール済み及びクリーン環境は、例えば真空にポンピングすることができる。
【0129】
[000154] ペリクルフレーム取り付け装置857は、パターニングデバイスとの間でペリクルアセンブリ16を装着、取り外し、又は再装着するために使用可能である。ペリクルフレーム取り付け装置857は、(以下でさらに説明するように)ペリクルフレームの係合機構を操作するように配置構成されたマニピュレータを備えることができる。
【0130】
[000155] パターニングデバイスMAには、例えばアライメントマークを提供することができる。ペリクルフレーム17は、パターニングデバイス上のアライメントマークに対して位置決めすることができる。パターニングデバイス上のアライメントマークに対してペリクルフレーム17を位置合わせすることで、有利なことに、ペリクルフレーム17をパターニングデバイスMAに取り付ける間、ペリクルフレーム17をパターニングデバイスMA上で位置決めする際の精度を向上させることができる。
【0131】
[000156] いくつかの実施形態において、例えばパターニングデバイスMAから粒子を除去するために、パターニングデバイスMAをペリクルフレーム取り付け装置857内でクリーニングすることができる。他の実施形態において、パターニングデバイスMAのクリーニングは、専用のクリーニングツール内で実行することができる。
【0132】
[000157] 図示された実施形態は、ペリクルフレームをマスクの前部に取り付けるように示しているが、他の実施形態では、ペリクルフレームをマスクの他の部分に取り付けることができる。例えば、ペリクルフレームはマスクの側面に取り付けることができる。これは、例えば、ペリクルフレームとマスクの側面との間に解除可能な係合可能取り付けを提供する、サブマウントを使用して達成可能である。代替の配置構成では、マスク側部の何らかの取り付け場所と、マスク前部の何らかの取り付け場所との組み合わせを介して、ペリクルフレームをマスクに取り付けることができる。取り付けは、例えば、ペリクルフレーム及びマスクを解除可能に係合する、サブマウントによって提供可能である。
【0133】
[000158] いくつかの実施形態において、ペリクルフレーム取り付け装置857は、粒子検査ツール(図示せず)を含むことができる。粒子検査ツールは、マスクアセンブリ15上に配設された粒子について、マスクアセンブリ15を検査するように構成可能である。粒子検査ツールは、例えば、所与の粒子閾値よりも多数の粒子が配設されたマスクアセンブリ15を拒絶することができる。
【0134】
[000159] いくつかの実施形態において、ペリクルフレーム取り付け装置857は、任意の欠陥についてパターニングデバイス上のパターンを検査する、パターン検査システムを含むことができる。パターン検査システムは、ペリクルフレーム17がパターニングデバイスMAに取り付けられる前及び/又は後に、パターニングデバイス上のパターンを検査することができる。
【0135】
[000160] パターニングデバイスMAへのペリクルフレーム17の取り付けは、ペリクル19内の望ましい張力を達成するように制御可能である。例えば、ペリクル19内の張力は、パターニングデバイスMAへのペリクルフレーム17の取り付け中に測定することが可能であり、ペリクル19内の望ましい張力を達成するために、測定に応答して張力を調節することができる。
【0136】
[000161] リソグラフィ装置LAは、例えば、
図1に示されたリソグラフィ装置LAに対応することができる。リソグラフィ装置LAは、マスクアセンブリ移送デバイス853からマスクアセンブリ15を受け取り、リソグラフィ装置LAの支持構造MT上にマスクアセンブリ15をロードするように構成された、コンポーネントを含むことができる。マスクアセンブリ15は、照明システムILによって提供される調整された放射ビームBで照明することができる。マスクアセンブリ15のパターニングデバイスMAは、パターン付与された放射ビームを形成するために、調整された放射ビームの断面にパターンを付与することができる。パターン付与された放射ビームは、投影システムPSによって、基板テーブルWTによって保持される基板W上に投影することができる。調整された放射ビームは、例えば、EUV放射を含むことができる。調整された放射ビームがEUV放射を含む実施形態において、マスクアセンブリ15のペリクル19は実質的にEUV放射に対して透過であり得る。
【0137】
[000162] いくつかの実施形態において、ペリクルフレーム取り付け装置857内の真空状況の下でマスクアセンブリ15を形成するように、ペリクルアセンブリ16をパターニングデバイスMAに取り付けることができる。続いて、マスクアセンブリ移送デバイス853により、真空状況の下でマスクアセンブリ15をリソグラフィ装置LAに移送し、リソグラフィ装置LA内に真空状況の下で保持することができる。したがって、マスクアセンブリ15を、ペリクルフレーム取り付け装置857内でのその組み立て全体を通じて、ほぼ同じ圧力状況にさらし、リソグラフィ装置LA内で使用することが可能である。これによって有利なことに、マスクアセンブリ15がさらされるいかなる圧力変化も低減され、したがって、ペリクル19全体に生じる可能性のあるいかなる圧力差も低減される。
【0138】
[000163] いくつかの実施形態において、パターニングデバイスMA及び/又はペリクル19は、コンポーネントが真空で保持されている間に、ペリクルフレーム取り付け装置857内の粒子及び/又は欠陥について検査することができる。したがってパターニングデバイスMA及び/又はペリクル19は、有利なことに、リソグラフィ装置LA内での使用中にさらされるのと同様の圧力状況の下で検査される。これにより、真空状況までのポンピング中に、パターニングデバイスMA及び/又はペリクル上に堆積する可能性のあるいずれの粒子も、ペリクルフレーム取り付け装置857内で検出可能であるため、有利である。
【0139】
[000164] いくつかの実施形態において、リソグラフィシステムLSは、粒子及び/又は欠陥についてマスクアセンブリ15の1つ以上のコンポーネントを検査するように構成された、分離検査装置(図示せず)をさらに備えることができる。マスクアセンブリ15は、例えば、ペリクルフレーム取り付け装置857内で組み立てられた後、及びマスクアセンブリ15をリソグラフィ装置LAに移送する前に、(例えば、マスクアセンブリ移送デバイス853によって)検査装置に移送することができる。
【0140】
[000165] 前述のような本発明の実施形態は、有利なことに、マスクアセンブリ15を組み立て、自動(又は半自動)プロセスでリソグラフィ装置LAに渡すことができる。マスクアセンブリ15の組み立て及び移送はすべて、例えば真空圧力状況までポンピング可能なシール済みクリーン環境内で実施することができる。これにより、マスクアセンブリ15のコンポーネントが、リソグラフィ装置LA内でマスクアセンブリ15を使用する前に、汚染されるか又は損傷を受ける機会を減らすことができる。
【0141】
[000166] 一般に、ペリクル19の耐用年数はパターニングデバイスMAの耐用年数よりも短い可能性がある。したがって、パターニングデバイスMAを継続して使用できるように、ペリクルアセンブリ16をパターニングデバイスMAから取り外して、ペリクルアセンブリを新しいペリクルアセンブリに交換することが望ましい場合がある。ペリクルアセンブリ16の交換は、例えば、ペリクルフレーム取り付け装置857内で実施することができる。例えば、マスクアセンブリ15は、リソグラフィ装置LA内での使用後、ペリクルフレーム取り付け装置857内でのペリクルアセンブリの交換のために、マスクアセンブリ移送デバイス853を使用してペリクルフレーム取り付け装置857に戻すことができる。パターニングデバイスMAには、ペリクルアセンブリ16が取り外された後、パターニングデバイスMAから汚染物質を除去するように、クリーニングプロセスを施すことができる。パターニングデバイスにクリーニングプロセスを施す前に、スタッド51をパターニングデバイスMAから取り外すことができる。
【0142】
[000167] パターニングデバイスMAのパターン付与された側面は、
図2に示される様々な動作中、下方に向けられていることに留意されたい。パターニングデバイスMAのパターン付与された側面を下方に向けて維持することは、パターン上に汚染粒子が入射する確率を低減させるため、有利である。より大きな汚染粒子は重力によって下方に落ちる傾向があるため、マスクの反対側に入射することになる。より小さな汚染粒子は重力の影響をそれほど受けないが、代わりに他の移送物理特性による影響を受ける可能性がある。本発明の実施形態の装置は、これに対処することが意図されたデバイスを含むことができる。例えば装置は、静電荷を除去するためのイオン化装置を含み得、それによって、静電気が粒子をペリクルに付着させるリスクを低減することができる。
【0143】
[000168] 本発明の実施形態に従ったマスクアセンブリが、
図3~
図5に示されている。この実施形態において、ペリクルフレーム及びペリクルは、パターニングデバイス(例えば、マスク)に対して懸架される。ペリクルフレームは、パターニングデバイスと解除可能に係合することができる。解除可能な係合は、複数のサブマウント(例えば、2、3、4、或いはそれ以上のサブマウント)を備えるマウントによって提供される。マウントは、ペリクルフレーム(及びペリクル)をパターニングデバイスから容易かつ便利な様式で取り外せるようにするものである。ペリクルフレーム及びペリクルのパターニングデバイスからの取り外しはクリーンであり、すなわち実質的に汚染粒子を生成しないことが可能である。ペリクルフレームがパターニングデバイスから取り外されると、パターニングデバイスは検査ツールを使用して検査すること(及び、必要であればクリーニングすること)ができる。ペリクルフレーム及びペリクルは、実質的にパターニングデバイスに容易に再取り付けするか、又は新しいペリクルフレーム及びペリクルと交換することができる。
【0144】
[000169] 第1に
図3を参照すると、ペリクル19がペリクルフレーム17に取り付けられている。ペリクル19は、例えばペリクルフレーム17に接着することができる。ペリクルフレーム17には、4つの係合機構50A~Dが提供される。各係合機構50A~Dは、(
図4に関して以下で説明するように)パターニングデバイスから延在する突起(例えば、スタッドと呼ぶことができる)を受け取るように構成される。2つの係合機構50A、Bはペリクルフレーム17の一方の側に提供され、2つの係合機構50C、Dはペリクルフレームの反対側に提供される。フレームの4辺各々に係合機構が提供されるなど、他の組み合わせも可能である。係合機構は、リソグラフィ装置内での使用中、スキャニング方向に配向されることになるペリクルフレーム17の側面上に提供される(
図3では、従来の表記に従ってy方向として示される)。しかしながら、係合機構は、リソグラフィ装置内での使用中、スキャニング方向に対して垂直に配向されることになるペリクルフレーム17の側面上にも提供することができる(
図3では、従来の表記に従ってx方向として示される)。
【0145】
[000170] 係合機構50A~Dによって受け取られる突起は、パターニングデバイスの前部表面上に配置することができる。追加又は代替として、突起はパターニングデバイスの側面上に配置することができる。突起はパターニングデバイスの側面から上方に延在可能である。こうした配置構成において、パターニングデバイスの側面への確実な接着を容易にするために、突起の各々が扁平な外側面を有することができる。
【0146】
[000171]
図3は、ペリクルフレーム17に固定された4つの係合機構50A~Dを示す。2つのサブマウント50A、Dは、y方向の移動を可能にするように構成される(すなわち、y方向の柔軟性又はコンプライアンスを提供する)。2つのサブマウント50B、Cは、x方向の移動を可能にするように構成される(すなわち、x方向の柔軟性又はコンプライアンスを提供する)。しかしながら、4つのサブマウント50A~Dのすべてが、y方向の移動を介してサブマウントと突起(図示せず)との間に係合を達成できるように構成されるため、図を見るとわかるように、4つのサブマウントすべてがy方向に延在する係合アーム80を含む。この構成の考えられる欠点は、y方向のスキャニング移動中の突然の減速で、突起に取り付けられた係合機構50A~Dが(ペリクルフレーム17の慣性に起因して)スライドして外れる可能性があることである。これは、例えばマスク支持構造MT(
図1を参照)の「クラッシュ」が存在する場合に発生する可能性がある。代替の配置構成において、4つのサブマウントすべてが、x方向(すなわち、非スキャニング方向)に延在する係合アームを含むことができる。すべてが非スキャニング方向に延在する係合アームを有することは、これによって、突然のy方向の減速が係合機構の分離を発生させる可能性が回避されるため、有利である。一般に、各サブマウントの係合アームは、すべて実質的に同じ方向に延在可能である。
【0147】
[000172] x方向の移動/柔軟性を可能にするために、2つのサブマウント50B、Cのロック部材を支持するアーム62はy方向に延在する。これらのアームはx方向に弾性的に柔軟であるため、x方向の移動/柔軟性を提供する。したがって、2つのサブマウント50B、Cの係合アーム80は、一般に、そのサブマントのアーム62に平行に延在する。y方向の移動/柔軟性を可能にするために、他の2つのサブマウント50A、Dのロック部材を支持するアーム62はx方向に延在する。これらのアームはy方向に弾性的に柔軟であるため、y方向の移動/柔軟性を提供する。したがって、2つのサブマウント50A、Dの係合アーム80は、一般に、そのサブマントのアーム62に対して垂直に延在する。サブマウント50A~Dによって提供される移動/柔軟性は、温度変化が生じた時、必要に応じてパターニングデバイスMAに対してペリクルフレーム17の屈曲を可能にする。これによって、ペリクルフレーム17内に生じる潜在的に損傷を与える熱応力が回避されるため、有利である。
【0148】
[000173] サブマウント50A~Dは、
図5に示されるタブ56とは異なる構成を有するタブ56を備えるものと示されている。しかしながら、タブは、サブマウント50A~Dとペリクルフレーム17との間の係合を容易にする同じ機能を提供する。タブの任意の好適な構成が使用可能である。
【0149】
[000174]
図4は、パターニングデバイスMAから突出する突起51と併せて、1つの係合機構50Bの断面を示す。スタッドとも呼ばれる突起51は、例えばパターニングデバイスMAにグルー接着されるか、又は他の接着手段(光学的接触、磁気、又はファンデルワールス力など)によって取り付けることが可能である。係合機構50B及び突起51は、共にサブマウント10を形成する。突起51は、ベース57から延在するシャフト55上に配置された遠位ヘッド53を備える。ベース57は、例えばグルーを使用することでパターニングデバイスMAに固定される。シャフト55及び遠位ヘッド53は円柱状であるか、又は任意の他の好適な断面形状を有することができる。
【0150】
[000175] サブマウント10は、ペリクルフレームとパターニングデバイスとの間にギャップG(スリットであると見なすことができる)が存在するように、パターニングデバイスMAに対してペリクルフレーム17を懸架する。ギャップGは、係合機構50Bのキャップ66と突起51の遠位ヘッド53との間の係合によって(又は、何らかの他の運動制限コンポーネントによって)維持することができる。ギャップGは、外部環境と、ペリクルからパターニングデバイスまでの間の空間との間の、圧力の均等化を可能にするのに十分に広いものとすることができる。ギャップGは、外部環境からペリクルとパターニングデバイスとの間の空間までの汚染粒子の潜在的なルートに、望ましい制約を与えるのに十分に狭いものとすることもできる。ギャップGは、例えば、外部環境と、ペリクルからパターニングデバイスまでの間の空間との間の、圧力の均等化を可能にするために、少なくとも100ミクロンとすることができる。ギャップGは、例えば500ミクロン未満、より好ましくは300ミクロン未満とすることができる。ギャップGは、例えば200ミクロンから300ミクロンまでの間とすることができる。
【0151】
[000176]
図5は、
図4のサブマウント10をより詳細に示す。係合機構50Bに取り付けられたペリクルフレームは、
図5には示されていない。同様に、突起51が突出しているパターニングデバイスも、
図5には示されていない。
図5Aは下から見たサブマウント10を示し、
図5Bは下から見たサブマウントの斜視図を示す。
【0152】
[000177] 係合機構50Bは、ペリクルフレームの開口(
図3を参照)内に受け取られる矩形の外壁60を備える。アーム62のペアが、外壁60によって画定される空間を横切ってy方向に延在する。接続部材63がアーム62の遠位端間に延在する。アーム62は弾性部材の例である。他の弾性部材が使用可能である。アーム62及び接続部材63は共に、一般的にU型の支持体を形成する。ロック部材70が、一般的にU型の支持体の遠位端に接続される。ロック部材70は突起51(スタッドと呼ばれることがある)と係合し、それによってペリクルフレームをパターニングデバイスに固定する。
【0153】
[000178] ロック部材70は、係合タブ81が提供された係合アーム80のペアを備え、さらにキャップ66を備える。
図5Bを見ると最も良くわかるように、ロック部材70が突起51と係合している時、係合タブ81は突起の遠位ヘッド53の下面を押し付け、キャップ66は遠位ヘッド53の外面を押し付ける。係合タブ81及びキャップ66が突起51の遠位ヘッド53を押し付けることで、確実なサブマウント10を提供するために、係合機構50Bが突起に固定される。これによって、ペリクルフレームとパターニングデバイスとの間に確実な接続が提供される。
【0154】
[000179] キャップ66及び係合アーム80は、中間アーム82a、bから延在する。中間アーム82a、bは接続部材63から延在し、一般に外壁60によって画定される空間を横切ってy方向に逆に延在する。接続部材83は中間アーム82a、bの間に延在する。中間アーム82a、b及び接続部材83は共に、一般的にU型の支持体を形成する。
【0155】
[000180] したがって、アーム62及び接続部材63によって形成される第1の一般的にU型の支持体は、外壁60によって一般的に画定される空間を横切ってy方向に延在し、支持アーム82a、b及び接続部材83によって形成される第2の一般的にU型の支持体は、その空間を横切って逆に延在する。
【0156】
[000181] 第1の一般的にU型の支持体を形成するアーム62は、x方向にある程度の柔軟性を有し、これによってロック部材70のx方向のある程度の移動を可能にする。したがって、サブマウント10は、そのサブマウントの場所でパターニングデバイスに対するペリクルフレームのx方向のある程度の移動を可能にする。アーム62は弾性材料から形成されるため、それらの元の配向に戻る傾向がある。サブマウント10は、キネマティックサブマウントであると見なすことができる。アーム62は、(
図5Bを見ると最も良くわかるように)x方向よりもz方向に大幅に厚く、結果として、x方向のアームの屈曲に比べてz方向に大幅に少ないアームの屈曲が可能である。アームはy方向に延在するため、y方向には大幅な移動を提供しない。したがってアーム62は、x方向のある程度の移動を可能にする一方で、y及びz方向のペリクルフレームの局所的移動は防止するか、又はほぼ防止することができる。
【0157】
[000182] キャップ66は第1の支持アーム82aから延在し、係合アーム80は第2の支持アーム82bから延在する。第1の支持アーム82aはアーム62よりもx方向に大幅に厚いため、アーム62に対してx方向に大幅な移動を可能にする。第2の支持アーム82bはx方向にアーム62と同様の厚みを有するが、中間アーム82a、b間に延在する接続部材83は、こうした移動が第1の支持アーム82aも動く場合のみ発生可能であるため、第2の支持アーム82bのx方向の移動を抑制する。
【0158】
[000183] 係合アーム80は、第2の支持アーム82bからキャップ66の一般的な方向に延在する。係合アーム80の近位端は、第2の支持アーム82bの大部分に沿って延在する(したがって、一般にパターニングデバイスのパターン付与面に平行な方向の、係合アーム80の屈曲を大幅に防止する)。係合アーム80は、キャップ66の一般的な方向に延在するにつれて先細になる。係合タブ81は、突起51の遠位ヘッド53の下面と係合するために、係合アーム80の遠位端から内向きに延在する。係合タブ81の上にブロック54が提供され、以下でさらに説明するように、アクチュエータ受け取り面を提供する。係合アーム80は、z方向に弾性に変形可能である。係合アーム80は、z方向に曲がるように十分に薄くてよい。追加又は代替として、係合アーム80のz方向のある程度の屈曲は、係合アーム80が支持アーム82bに接続するポイントでy方向に延在する溝59によって容易となり得る。
【0159】
[000184] タブ56は外壁60から外向きに延在する。タブは、係合機構50Bをペリクルフレームに固定するために使用可能である。これは
図3では、異なるタブ構成で示されている。
【0160】
[000185]
図6は、ペリクル19をペリクルフレーム17に取り付けるために使用可能なペリクル取り付け装置855の断面を概略的に示す。ペリクル取り付け装置855は、
図2に示されたペリクル取り付け装置に対応することができる。ペリクルフレーム17は、支持構造101によって支持される。支持構造101は、その上にペリクルフレーム17が置かれる隆起部分102を含む。ペリクル19は、フレーム(図示せず)から下方に突出する支持アーム103によって保持される。支持構造101の下に結像センサ105(例えば、カメラ)が提供され、支持構造の上面に提供されたウィンドウ107をのぞき見る。アライメントマーク109がウィンドウ上に提供される。アライメントマーク109は、(
図7に関して以下で考察するように)結像センサ105がフレーム17及びペリクル19の両方の位置を決定できるようにする。アクチュエータ111は支持構造101に接続され、ベース(図示せず)に対して支持構造101を移動するように動作可能である。アクチュエータ111は、x、y、及びz方向に支持構造101を移動するように構成される(本書では、x及びyは2つの直交水平方向を示し、zは垂直方向を示すことができる)。アクチュエータは、支持構造101がz軸の周りを回転するようにも構成される。アクチュエータ111は、ペリクルがフレームに取り付けられる前に、ペリクル19に対してフレーム17を位置決めするために、支持構造101を移動させることができる。
【0161】
[000186]
図7は、ペリクル19及びペリクルフレーム17を含む、
図6のペリクル取り付け装置の一部をより詳細に、概略的に示す。
図7では、結像センサ105、ウィンドウ107、ペリクルフレーム17、及びペリクル19の相対的位置を見ることができる。ペリクルフレーム17は、ウィンドウ107の上に部分的に突出し、結果として結像センサ105は、フレーム17の縁部が見える。これによって、ウィンドウ107上に提供されたアライメントマーク109に対するフレーム17の位置を、正確に決定することができる。ペリクル19は、その外周付近に、ペリクル19の主部分よりも大幅に厚いボーダー20を有する。これが、ペリクルフレーム17に取り付けられるボーダー20である。加えて、これが、支持アーム103(
図6に図示)によって取り扱われるボーダー20である。
図7を見ればわかるように、ボーダー20はフレーム17の内縁部を越えて突出するため、結像センサ105はボーダーの内縁部が見える。これにより、ボーダー20(したがって一般にペリクル19)を、ウィンドウ107内のアライメントマーク109に対して正確に位置決めすることができる。次に、これにより、(ウィンドウ107内のアライメントマーク109に対してフレームが正確に位置決めされるため)フレーム17に対してボーダー20(及びペリクル)を正確に位置決めすることができる。
【0162】
[000187] 結像センサ105及びウィンドウ107は、支持構造101内のコーナー位置、すなわち、使用中にフレーム17のコーナーが配置される位置に、配置することができる。結像センサ105は、反対のコーナー位置に配置することができる。フレーム17の反対のコーナーを見ることで、結像センサ105はフレームの位置を正確に決定することができる。
【0163】
[000188]
図8は、ペリクル19を取り扱うために使用可能なハンドリングシステム113の透視図である。ペリクルフレーム17を取り扱うために、同じ構成を伴うハンドリングシステムを使用することもできる。
【0164】
[000189] ハンドリングシステム113の支持アーム103は、ペリクル19のボーダー20を保持する。支持アームはコネクタアーム115によってハンドリングシステムフレーム117に接続される。ハンドリングシステムフレーム117は、x及びy方向には固定されるが、z方向には移動可能である。真空源(図示せず)は、ポート120を介してハンドリングシステムフレームのコンジット119に接続される。コンジット119は2つに分割し、ハンドリングシステムフレーム117の各アームに沿って進行する。各支持アーム103は、その支持アーム底部の脚部104に提供された開口で終端するコンジット(図示せず)を含む。各コンジットは、ベローズ121を介して、ハンドリングシステムフレーム117内のコンジット119に接続される。このように、ポート120で印加される真空は、コンジット119及びベローズ121を介して、支持アーム103の脚部104内の開口に接続される。真空が印加されると、各支持アーム103の脚部104に向けてペリクル19のボーダー20を吸引するため、ボーダー20を支持アームに固定する。各脚部104は、ペリクル19のボーダー20を受け取るように寸法が決められる(例えば、ボーダーの幅に対応する幅を有する)。真空が除去されると、ボーダー20はもはや支持アーム103の脚部104に向けて吸引されず、その代わりに支持アームから解除される。
【0165】
[000190]
図9は、ハンドリングシステム113の一部をより詳細に示す斜視図であるが、
図8に示された構成に比べて修正された構成を有するコネクタアーム115を備える。各コネクタアーム115は板バネ123のペアを備え、板バネはハンドリングシステムフレーム117から支持アーム103へと延在する。板バネ123はz方向(すなわち、垂直)に柔軟性を提供するが、x及びy方向に提供する柔軟性はわずかであるか又はまったく提供しない。これは、x及びy方向よりもz方向に大幅に薄い板バネによって達成される。真空を支持アーム103に送るために使用されるベローズ121は柔軟であるため、ハンドリングシステムフレーム117に対する支持アーム103の相対運動を許可する。
【0166】
[000191] 運動制限アーム125は、支持アーム103からハンドリングシステムフレーム117に向けて突出する。調節可能エンドストップ127(例えば、ねじ穴内に保持されたボルト)がハンドリングシステムフレーム117に固定される。調節可能エンドストップ127は、運動制限アーム125の下方への動き(すなわち、マイナスz方向の動き)を制限する。したがって、調節可能エンドストップ127は、所定の位置を超えるペリクル19の下方への移動を防止する。
【0167】
[000192] ペリクルがペリクルフレームに取り付けられる時、第1のステップで、ハンドリングシステムを使用してフレームをピックアップする。ハンドリングシステム(図示せず)は、
図8及び
図9に関して上記で説明したハンドリングシステムと一般的に同じであり得る。各支持アームの底部の脚部は、脚部と接触することになるフレームの部分に対応するサイズ及び形状を有することができる。
【0168】
[000193] ペリクルフレーム17がハンドリングシステムによって持ち上げられると、支持構造101はペリクルフレームの下に位置決めされる。ペリクルフレーム17は、支持構造101の上方、数ミリメートルまで下げられる。
図6及び
図7を再度参照すると、その後、支持構造101はアクチュエータ111を使用して、(結像検出器105を使用して決定されるように)ペリクルフレーム17に対して正確に位置決めされるまで移動される。その後、ペリクルフレーム17は支持構造101上に下げられる。その後、ハンドリングシステムに対してペリクルフレーム17を保持している真空が解除され、ハンドリングシステムはペリクルフレーム17から離される。その後、ペリクルフレーム17上にグルーが提供される。グルーは(フレーム周囲に一列に延在するように提供するのではなく)フレーム周囲の間隔を置いた場所に提供することができる。
【0169】
[000194] ペリクル19は、前述のようにハンドリングシステム113によって持ち上げられる。次いで支持構造101は、(フレーム17と共に)ペリクル19の下に位置決めされる。ペリクル19は、支持構造101の上方、数ミリメートルまで、ハンドリングシステム113を使用して下げられる。次いで支持構造101は、ペリクルボーダー20に対して正確に位置決めされるまで、アクチュエータ111を使用して移動される。次いでペリクルは、ペリクルフレームまで下げられる。ペリクル19がフレーム17上に配置されると、支持アーム103から真空が解除され、支持アーム103はペリクル19から離される。
【0170】
[000195]
図10は、支持構造101上に保持されたペリクルフレーム17上の定位置にあるペリクル19を、上から概略的に示す。
図10は、ペリクルボーダー20に対して下方に圧力を印加し、それによって、ペリクルをペリクルフレーム17に取り付けるグルーの硬化が実施される間、ペリクルをフレーム17上の定位置で保持するアーム130を、概略的に示す。グルーはペリクルフレーム17上の間隔を置いた場所に提供可能であり、アーム130は、グルーが提供された場所に圧力を印加するように位置決めすることができる。
【0171】
[000196]
図11は、アーム130のうちの1つの断面を示す。アーム130は、支持フレーム136から延在する支持部134に接続された重み付け部132を備える。重み付け部132は、垂直ボア140が提供された凸部138を含む。凸部138は、支持部134の開口142内に突出する。ピン144が、開口142の上から下へと延在し、ボア140を通過する。ピン144及びボア140はどちらも垂直方向(z方向)に配向されるため、ピン及びボアの配置構成によって、アーム130の支持部134に対する重み付け部132のある程度の垂直移動が可能となる。支持部134に対する重み付け部132の垂直移動の範囲は、開口142の口部に提供されるエンドストップ146によって制限される。エンドストップは、凸部138と接触するように配置構成され、それによって重み付け部132のさらなる垂直移動を防止する。
【0172】
[000197] フィンガ148が、アーム130の重み付け部132から下方に延在する。フィンガ148の下端にキャップ150が提供される。キャップ150は、ペリクルフレーム17上に提供されるグルーの面積と一般にサイズが対応する(又はそれよりも大きい)最下部面を有することができる。フィンガ148は、最上端でアーム130の重み付け部132に固定される垂直ロッド152を備える。垂直ロッド152は下方に延在し、重み付け部132内に提供される開口154を通過する。開口154はロッド152よりも実質的に幅広いため、ロッドの下端のある程度の側方運動(したがって、フィンガの端部の側方運動)を実施可能にする。これによって、(ロッド152がアーム130の重み付け部132に対して横方向に自由に移動できない場合は発生する可能性がある)大幅な横力をペリクルに印加することなく、キャップ150がペリクル19のボーダー20上に載ることができるため、有利である。
【0173】
[000198] 使用中、支持フレーム136は、アームが必要となるまでアーム130をペリクル19から離して保持する。その後、支持フレーム136は、アームの下方に突出したフィンガ148がペリクル19のボーダー20と接触するまで、アーム130を下方に移動する。支持フレーム136の下方への動きは、重み付け部132の凸部138が支持部134の上部エンドストップ146と接触する前に停止する。したがって、重み付け部132はボーダー20上に載り、フィンガ146を介してボーダー20を押し付け、支持フレーム136によって支持されない。
【0174】
[000199] 重み付け部132によってボーダー20上に及ぼされる下方圧力は、重み付け部の重りによって決定される。したがって重み付け部132は、望ましい圧力をボーダー20に印加するために望ましい重りを有するように構成することができる。重み付け部132は、内部に重りを配置することが可能な重り受け取り凹部149を含むことができる。重み付け部132は任意の好適な重り受け取りレセプタクル又は凸部を含むことができる。
【0175】
[000200] 再度
図10を参照すると、ペリクル19のボーダー20周囲の望ましい場所に圧力を印加するために、アーム130が使用される。アームの重み付け部132は、フレーム17とボーダー20との間でグルーのある程度の硬化を実施できるだけの十分な期間、定位置に残される。その後、支持フレーム136は、重み付けアーム132をボーダー20から取り外すために上方に移動される。フレーム17及びペリクル19(まとめて、ペリクルアセンブリ16と呼ぶことができる)は、その後、さらなるグルーの硬化のために、オーブンに搬送することができる。
【0176】
[000201] ペリクルフレーム取り付け装置857の実施形態が、
図12~
図15に示されている。ペリクルフレーム取り付け装置857は、
図2に示されるペリクルフレーム取り付け装置に対応可能である。
図12は、ペリクルフレーム取り付け装置857の断面を概略的に示す。
図13は、上から見たペリクルフレーム取り付け装置857のパーティション862を示す。
図14は、ペリクルフレーム取り付け装置のピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092の斜視図であり、これらはまとめてマニピュレータと呼ぶことができる。マニピュレータは、パーティション862内のホール895を介して突出する。
図15は、ピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092が互いに関連して移動可能な様式を概略的に示す。
【0177】
[000202] 第1に
図12を参照すると、ペリクルアセンブリ16は、ペリクルフレーム17及びペリクル(図示せず)が提供されたパターニングデバイスMAを備える。フレーム17には、
図3から
図5に関して上記でさらに説明した係合機構に対応する、4つの係合機構50が提供される。ペリクルフレーム取り付け装置857のピン1090は、パーティション862内のホール895を介して突出する。パーティション862は、支持構造101に対応するか、又は支持構造101の上部に配置することができる。支持構造101は、ペリクル取り付け装置の一部を形成する支持構造101(
図6を参照)と同じとすることができる。代替として支持構造101は、ペリクル取り付け装置の一部を形成する支持構造101とは異なるが、任意選択として共通の特徴を有することができる。ウィンドウ893、894が支持構造101内に配置され、結像センサ105、106がウィンドウの下に配置される。アライメントマーク109がウィンドウ893、894上に提供される。
【0178】
[000203] 追加の支持構造97が、ペリクルフレーム取り付け装置857の外周に提供される。追加の支持構造は(図に示されるような)固定位置を有し得、本明細書では固定支持構造97と呼ばれる。中間支持構造98が固定支持構造97の上部に提供される。中間支持構造98は、図に示されるように固定支持構造97から内側に延在する。中間支持構造98は、パターニングデバイスへのペリクルフレームの取り付けに先立って、ペリクルフレーム17及びパターニングデバイスMAの両方を支持する。中間支持構造98と他のエンティティとの間の接点99は、例えばキネマティック接続とすることができる。接点99にはPEEKのコーティングが提供され得る。
【0179】
[000204] ペリクルフレーム取り付け装置857は、ペリクルアセンブリ16の位置をx、y、及びz方向に調節するため、及び、z方向を中心としてペリクルアセンブリを回転させるために使用可能な、アクチュエータ111を含む。2つの結像センサ105(例えば、カメラ)が、ペリクルの部分(例えば、ペリクルのボーダーのコーナー)を見るように位置決めされる。2つの他の結像センサ106(
図12では、そのうちの1つのみが図示されている)が、パターニングデバイスMA(パターニングデバイスMAとすることができる)上に提供されたアライメントマークを見るように位置決めされる。アライメントマークを使用する2つのエンティティの位置合わせは当分野でよく知られているため、本明細書ではこれ以上説明しない。アクチュエータ111及び結像センサ105、106は、まとめて制御システム870と呼ぶことができる。
【0180】
[000205] ガス排出口(図示せず)が、パーティション862のペリクルフレーム17側でガスを供給するように構成可能である。ガスは、パーティションの反対側のガス圧よりも高い圧力で送出可能である。
【0181】
[000206]
図13は、パーティション862をより詳細に示す。図を見るとわかるように、パーティション862には4つのウィンドウが提供される。ウィンドウのうちの2つ893は、結像センサ106がパターニングデバイスMA上に提供されたアライメントマークを見ることができるように位置決めされる。他の2つのウィンドウ894は、結像センサ105がペリクルフレーム17を見ること(例えば、ペリクルフレームのコーナーを見ること)ができるように位置決めされる。ウィンドウ893、894は、例えば水晶から形成することができる。
【0182】
[000207] パーティション862にはさらにホール895が提供され、ホールは、ペリクルアセンブリ16の係合機構50の位置に対応するように位置決めされる。ホール895のうちの1つが、
図14により詳細に示されている。ホール895は、ピン1090及びマニピュレータピン1092がホールを介して突出できるように寸法が決定される。フック状部材1091は、ホールの側面から突出する。言い換えれば、フック状部材1091はパーティション862に固定され、パーティションから突出する。ピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092は、
図12、
図13、及び
図15にも示されている。
【0183】
[000208] 使用中、ペリクルアセンブリ16はペリクルフレーム取り付け装置857上にロードされる。これを、汚染物質にさらすことなく、ペリクルフレーム取り付け装置857に搬送することができる。例えば、ペリクルアセンブリ移送デバイス881を、ペリクルフレーム取り付け装置857内のロードロック(図示せず)内に受け取ることが可能であり、ペリクルアセンブリ16をロードロック内の移送デバイスから取り外すことが可能である。ペリクルアセンブリ16は、その後、パーティション862の上の被制御環境857に搬送することができる。
【0184】
[000209] 実施形態において、ペリクルアセンブリ16は、例えば
図8に示されたハンドリングシステムを使用して、ペリクルフレーム取り付け装置857に対して手動で位置決めすることができる。次いで、ペリクルアセンブリ16は、中間支持構造98上に配置される。パターニングデバイスMAは(スタッド51と共に)、汚染物質にさらすことなく、ペリクルフレーム取り付け装置857に搬送することができる。例えば、マスク移送デバイス881をペリクルフレーム取り付け装置857内のロードロック(図示せず)内に受け取ることが可能であり、パターニングデバイスMAをロードロック内の移送デバイスから取り外すことができる。パターニングデバイスMAは、その後、パーティション862の上の被制御環境857に搬送することができる。実施形態において、パターニングデバイスMAは、例えば一般に
図8に示されたハンドリングシステムを使用して、ペリクルフレーム取り付け装置857に対して手動で位置決めすることができる。その後、パターニングデバイスは中間支持構造98上に配置される。
【0185】
[000210] さらに上述のように、パーティション862の上の被制御環境859は、(例えば、パーティションの上にガスを送出することによって)パーティションの下の圧力よりも高い圧力で保持することができる。
図12から
図15から理解されるように、パーティション862内の開口895は相対的に小さいため、汚染物質が開口を通過して被制御環境内に入る可能性が制限される。この可能性は、フィードパーティション862内の環境に関して、被制御環境859のより高い圧力によってさらに低減される。より高い圧力は、空気がホール895を介して下方に流れることを保証し、それによってペリクル19から汚染物質を運び去る。
【0186】
[000211] ペリクルアセンブリ16をパターニングデバイスMAに固定する場合、パターニングデバイスMAに対するペリクルアセンブリの位置を監視するために結像センサ105、106が使用される。これは、ペリクルフレーム17がピン1090によって中間支持構造98から持ち上げられた後に発生する。ペリクルフレーム17の位置は、アクチュエータ111を使用して調節される。これによって支持構造101が移動され、したがってパターニングデバイスMAに対してペリクルフレーム17が移動される。アクチュエータ111の動作は手動であるか、又は自動コントローラによって制御することができる。支持構造101の移動は、ペリクルフレーム17がパターニングデバイスMAに対して位置合わせされるまで続行可能である。
【0187】
[000212] パターニングデバイスMAに対してペリクルフレーム17が正しく位置決めされると、パターニングデバイスMAから突出するスタッド51に係合機構50を係合させるために、ピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092が使用される。
【0188】
[000213] ピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092が互いに関連して移動できる様式が、
図15に概略的に示されている。前述のように、フック状部材は支持構造101から延在するため、支持構造に対して移動することはできない。支持構造101自体は、上記で説明したように移動可能であり、一般に垂直方向(z方向)の移動を含む。マニピュレータピン1092は、アクチュエータ320によって一般に垂直方向(z方向)に移動可能である。マニピュレータピン1092はどちらもアクチュエータ320に固定されるため、どちらも一緒に移動する。ペリクルフレーム17を支持するピン1090は、マニピュレータピン1092に対してアクティブに移動できない。ピン1090はバネ322を介してアクチュエータ320に接続される。結果として、ピンがペリクルフレーム17に接触していない限り、アクチュエータ320の上方及び下方の移動によって、対応するピン1090の移動を生じさせることになる。ピン1090がペリクルフレーム17に接触している場合、さらなるアクチュエータ320の移動がピンのさらなる上方移動を生じさせることはないが、代わりにバネ322の圧縮を生じさせることになる。バネ322が圧縮されると、バネ322が緩和構成に拡張されるまで、アクチュエータ320の下方移動がピン1090の下方移動を生じさせることはない。
【0189】
[000214]
図16及び
図17は、係合機構50が突起51(スタッドと呼ばれることもある)と係合状態になる様式を概略的に示す。どちらの図も、係合機構及び突起の断面を一方の側から見た図と下から見た図とを示す。第1に
図16を参照すると、係合アームの遠位端を押すマニピュレータピン(図示せず)を使用して、係合アーム80はキャップ66から押しやられる。
図16を見るとわかるように、この時点で係合機構50と突起51とは接触していない。
【0190】
[000215] 係合機構は、突起51の遠位ヘッド53が係合アーム80から突出する係合タブ81の上に配置されるまで、x方向に移動される。この移動は、係合機構50が固定され、したがってすべての係合機構を一体として移動させる、ペリクルフレームを移動することによって達成される。
【0191】
[000216] 係合機構50が定位置になると、係合アーム80を突起51の遠位ヘッド53から遠くへ押しやっていたマニピュレータピンが取り外される。係合アーム80は弾性であるため、下方に移動し、遠位ヘッド53の内側面を押す。したがって係合タブ81は遠位ヘッド53をキャップ66に押し付け、それによって係合機構50を突起51に固定する。これが
図17に示されている。
【0192】
[000217] ペリクルアセンブリ16をパターニングデバイスMAから取り外すことが望ましい場合がある(例えば、ペリクル上に汚染物質が検出された場合)。この取り外しは、ペリクルフレーム取り付け装置857によって実行可能である。突起51から係合機構50を切断するためには、上記が逆順で行われる。
【0193】
[000218] ピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092の動作は、手動、自動、又は半自動とすることができる。
【0194】
[000219] ピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092は、例えばスチールで形成することができる。係合機構50と接するピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092の表面には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの材料又は何らかの他のロバスト材料のコーティングを提供することができる。代替として、接触面は、単にピン1090、フック状部材1091、及びマニピュレータピン1092の研磨面とすることができる。
【0195】
[000220] マスクアセンブリ15を形成するためにペリクルアセンブリ16及びパターニングデバイスMAが共に接続されると、マスクアセンブリは、リソグラフィ装置LAに移送するために、マスクアセンブリ移送デバイス853内に配置することができる(
図2を参照)。
【0196】
[000221]
図18A~
図18Hは、係合機構50が突起51と係合され得る1つの様式を、より詳細に示す。
図18Aを参照すると、ピン1090が、係合機構50のキャップ66に触れるまでz方向に移動される。ピン1090は、係合機構50を持ち上げるように、z方向にさらに移動される。係合機構はフレーム17に固定されるため(
図3を参照)、これがペリクルアセンブリ16全体を持ち上げる。ピン1090は4本のピンのうちの1本であり(
図12及び
図13を参照)、ピンは一体として移動される。したがってペリクルアセンブリ16は4本のピン1090によって持ち上げられ、それらのピンによって支持される。次いで、ペリクルアセンブリ16の位置は、ペリクルアセンブリがパターニングデバイスMAに対して位置合わせされるまで、アクチュエータ111(
図12を参照)を使用して調節される。
【0197】
[000222]
図18Bを参照すると、その後、2つのフック状部材は、それらの遠位端が第1の支持アーム82aの最上面を超えるまでz方向に移動される。次いで、フック状部材1091は、フック状部材の遠位端が支持アーム82aのコーナープレート1089より上になるまで、x方向に移動される。
【0198】
[000223]
図18Cに示されるように、その後、フック状部材1091は、支持アーム82aのコーナープレート1089と接触するまで、下方に移動される。ピン1090及びフック状部材1091は共に、係合機構の後続の動作を可能にするために係合機構50をグリップする。
【0199】
[000224]
図18Dを参照すると、マニピュレータピン1092は一般に垂直方向に移動され、係合アーム80の遠位端に提供されるブロック54を押し付ける。マニピュレータピン1092は係合アーム80を上方に押すため、これによって係合タブ81とキャップ66との間の空間が拡大される。
図18Dでは、図を生成するために使用されるソフトウェアの制限に起因して、係合アーム80は上向きに曲がっていない。
【0200】
[000225]
図18E及び
図18Fを参照すると、その後、係合機構50は、突起51の遠位端53がキャップ66の上に配置され、係合タブ81の下に配置されるまで、x方向に移動される。
【0201】
[000226] 上記でさらに述べたように、すべての係合機構50A~Dは、ピン1090の移動を介して一体として移動される(
図3を参照)。代替の配置構成において、ペリクルフレームを移動する代わりに、パターニングデバイス及び突起51をすべて移動することができる。一般に、突起と係合機構との間の相対的な側方運動は、すべて必要なものである。側方運動の方向は、係合アーム80の配向に依存する(また、例えばx方向ではなくy方向とすることができる)。
【0202】
[000227]
図18Fを参照すると、キャップ66が遠位ヘッド53の下に位置決めされ、係合タブ81が遠位ヘッド53の上にあると、マニピュレータピン1092は引っ込められる。弾性によって係合アーム80は元の位置に戻るため、係合タブ81を遠位ヘッド53に押し付ける。係合タブ81は遠位ヘッド53をキャップ66に押し付ける。これによって、係合機構50が突起51に固定される。
【0203】
[000228]
図18Gを参照すると、フック状部材1091は、上方に移動された後、支持アーム82aのコーナープレート1089から離れて配置されるまで、x方向に移動される。その後、フック状部材1091は引っ込められる。
【0204】
[000229]
図18Hを参照すると、最終ステップでピン1090は格納される。
図12を参照すると、ピン1090が引っ込められた場合、ペリクルフレーム17はもはやピンによって支持されないが、代わりに、パターニングデバイスMAから突出する突起51へのその接続によって支持される。言い換えれば、ペリクルフレーム17はパターニングデバイスMAに取り付けられ、これによって支持される。
【0205】
[000230] 係合機構50は突起51に固定されるため、ペリクルフレームに確実なサブマウント10を提供する(
図3を参照)。したがってペリクルフレームは、パターニングデバイスに確実に取り付けられる。ペリクル、ペリクルフレーム、及びパターニングデバイス(これらはまとめてマスクアセンブリと呼ぶことができる)は、その後、リソグラフィ装置LAへの移送のために移送デバイス853内に配置することができる(
図2を参照)。
【0206】
[000231]
図18A~
図18Hに示されたステップは、突起51から係合機構50を取り外すためには逆に実行し、それによって、パターニングデバイスからペリクルフレームが取り外される。
【0207】
[000232] 係合機構50が突起51に固定される際に使用するステップのいずれも、コンポーネント間でのいかなるスライド運動も必要としない。言い換えれば、スライド運動において相互に表面がこすれ合わされる必要がない。こうしたこすれは望ましくない粒子状汚染物質を発生させる恐れがあるため、必要がないことは有利である。
【0208】
[000233] ステップの代替のシーケンス(図示せず)を使用して、係合機構50を突起51に取り付けることができる。この代替シーケンスにおいて、フック状部材1091は、ピンを使用してペリクルフレームを上昇させる前に、係合タブ1089の上の位置に移動される。フック状部材1091が定位置に置かれた後、ピン1090は係合機構を押し付けるように上方に移動される。したがって係合機構は、フック状部材1091及びピン1090によってグリップされる。その後、フック状部材1091及びピン1090を上方に移動することによって、係合機構50が持ち上げられる。他の係合機構についても同じ動作が実行されるため、ペリクルアセンブリが持ち上げられる。その後、ペリクルアセンブリは、アクチュエータ101及び結像センサ105、106(
図12を参照)を使用して、パターニングデバイスに対して位置合わせされる。残りのステップは、
図18A~
図18Hを参照しながら上記で説明した通りとすることができる。
【0209】
[000234] 次に、
図19~
図27に関して、スタッド取り付け及びスタッド取り外し装置の実施形態を説明する。
【0210】
[000235]
図19は、本発明の実施形態に従った、スタッド取り付け装置840の断面を概略的に示す。スタッド取り付け装置840は、
図6に示されたペリクル取り付け装置855及び
図12に示されたペリクルフレーム取り付け装置857との類似性を有する。スタッド取り付け装置840の各部は、他の装置のそれらの部分に対応し得る。
【0211】
[000236] スタッド取り付け装置840は、支持構造101と、パターニングデバイスと接触するように突起51(スタッドと呼ばれることもある)を垂直に移動するように構成されたスタッドマニピュレータ1100と、を備える。ウィンドウ107、108が支持構造101内に提供され、結像センサ105、106(例えば、カメラ)が、パターニングデバイスMAに向かってウィンドウをのぞき見るように位置決めされる。アライメントマーク109がウィンドウ上に提供され、パターニングデバイスMAに対して支持構造101を位置合わせするために使用可能である。アクチュエータ111が支持構造101を移動するために提供され、したがって、支持構造101によって保持されているスタッド51を移動する。アクチュエータ111は、x、y、及びz方向に支持構造を移動することが可能であり、z方向を軸として支持構造を回転させることも可能である。アクチュエータ111は、自動、手動、又は半自動(すなわち、部分的に自動かつ部分的に手動)とすることができる。スタッド取り付け装置840は、パターニングデバイスMAを支持するように構成された追加の支持構造97をさらに備える。この追加の支持構造は固定可能であり、本明細書では固定支持構造97と呼ばれる。
【0212】
[000237] 使用中、スタッドが支持構造によって保持されている間、各スタッド51のベースにグルーが提供される。その後、パターニングデバイスMAは、パターニングデバイスMAが支持構造101の上方、数ミリメートルに位置決めされるように、固定支持構造97上に配置される。アクチュエータ111は、ウィンドウ107、108内に提供されたアライメントマーク109が、パターニングデバイスMA上に提供されたアライメントマークと位置合わせされるまで、支持構造101を移動するために使用される。スタッド51はスタッドマニピュレータ1100によって保持され、支持構造101に対してx及びy方向に固定位置を有する。スタッド51(実際には4つ存在し得る)間の分離は、固定された所定の分離である。スタッド51間の分離は、パターニングデバイスMAに取り付けられることになるペリクルフレーム17(
図3を参照)上に提供される係合部材50A~D間の分離に対応する。
【0213】
[000238] 支持構造101がパターニングデバイスMAに対して正しく位置決めされると、支持構造は上方に向かってパターニングデバイスの近くに移動される。その後、スタッドマニピュレータ1100を使用して、スタッドのベースがパターニングデバイスMAに接触していない位置から、スタッドのベースがパターニングデバイスを押し付ける位置まで、スタッド51を上方へと移動させる。その後、ヒーターを使用して、スタッド51のベースとパターニングデバイスMAとの間のインターフェースでのグルーの硬化を促進させるために、スタッド51を加熱する。
【0214】
[000239]
図20は、部分的に透過な斜視図におけるスタッド取り付け装置840を示す。アクチュエータ(見えない)と、パターニングデバイスが提供されている被制御環境とを分離する、パーティション842が示されている。アクチュエータは、パーティション842の下に配置されたボックス843内に提供される。スタッドとパターニングデバイスとを位置合わせするための位置合わせ測定システム844の一部を形成する、結像センサ105、106も、(位置合わせシステムの他の部分と同様に)パーティション842の下に提供される。
【0215】
[000240]
図20には、固定支持体97(
図19を参照)上にパターニングデバイスを置くために使用されるマスク支持体を上昇及び下降させるために使用可能な、リフトユニット845も示されている。マスク支持体は、マスク移送デバイス880(
図2に関して上記でさらに説明される)の一部を形成することになるハウジング879を備えることができる。パターニングデバイス(見えない)及びハウジング879は、リフトユニット845と共に、被制御環境(その壁は示されていない)内に提供することができる。被制御環境は、汚染物質がパーティション内の開口を介して被制御環境内に流れ込むのが抑制されるように、パーティション842の反対側の圧力よりも高い圧力で保持することが可能である。被制御環境に注入口からのガスの流れを提供することが可能であり、それを介してガスが流れ得る排出口を含むことが可能である(流れは、被制御環境内の圧力が、パーティション842の下の圧力よりも高いレベルで保持できるように十分に制約されている)。このガスの流れは、被制御環境から汚染物質を除去するのを助けることができる。汚染物質を収集するフィルタは、汚染物質が被制御環境に入るのを防止又は抑制するために、ガス注入口に提供することができる。
【0216】
[000241] マスクがスタッド取り付け装置840と接触するポイントには、PEEK又は何らかの他のロバスト材料のコーティングを提供することができる。同様に、マスクがハウジング879と接触するポイントにも、PEEK又は何らかの他のロバスト材料のコーティングを提供することができる。
【0217】
[000242] スタッド取り付け装置840の一部が
図21でより詳細に示される。スタッドマニピュレータ1100が、スタッド51及びパターニングデバイスMA(例えば、マスク)と共に示される。パターニングデバイスが提供される環境を、スタッドマニピュレータ1100が提供される環境から分離する、パーティション842も示される。スタッドマニピュレータ1100は、スタッド51の底面がカップから外側を向くように、スタッド51(突起と呼ばれることもある)を受け取るように寸法が決められたカップ1102を備える。カップ1102は、例えばPEEK又は何らかの他のロバスト材料から形成することができる。カップ1102はマニピュレータヘッド1104内に保持され、マニピュレータヘッドはマニピュレータ本体1106上に支持される。バネ1108がマニピュレータ本体上に提供されたフランジ1109に対して受け取られ、マニピュレータヘッド1104及びスタッド51に上方のバイアスをかける。マスクに対するスタッド51の位置合わせは、
図19に示された結像センサ105、106及びアクチュエータ111を使用して達成される。アクチュエータがパターニングデバイスMAに対してスタッド51を位置合わせすると、スタッドマニピュレータ1100は、パターニングデバイスにスタッドを押し付けるように上方に移動される。スタッドマニピュレータ1100は、4つすべてのスタッドマニピュレータを同時に上方に移動するアクチュエータ(図示せず)によって、上方に移動される。スタッドマニピュレータ1100がパターニングデバイスMAにスタッド51を押し付けた時に、バネ1108が圧縮される。バネ1108は、スタッド51がパターニングデバイスMAに押し付けられる力を部分的に決定する。バネが弱いほど、スタッドがパターニングデバイスに押し付けられる力は減少し、バネが強いほど、スタッドがパターニングデバイスに押し付けられる力は増加する。したがって、スタッド51がパターニングデバイスMAに押し付けられる力は、望ましい力を伴うバネ1108を選ぶことによって(少なくとも部分的に)選択可能である。バネ1108は、例えば、スタッドマニピュレータ1100及びスタッド51を上方に押す力を事前ロードされ得る。事前ロードの力は、例えば5N未満とすることができる。
【0218】
[000243] スタッドマニピュレータ1100はスタッド51をパターニングデバイスMAに押し付け、それによってスタッドをマスクに固定することができる。前述のように、スタッドにはそのベースにグルー又は接着剤を提供することが可能であり、スタッドマニピュレータ1100は、グルー又は接着剤が固まるまで、スタッド51をパターニングデバイスMAに押し付けることができる。これが実施されると、スタッドマニピュレータ1100をパターニングデバイスMAから離すことができる(及び/又は、パターニングデバイスをスタッドマニピュレータ1100から離すことができる)。
【0219】
[000244] 実施形態において、スタッドマニピュレータ1100は、スタッド51を加熱するように構成されたヒーター1111を含むことができる。ヒーター1111は電気ヒーター(例えば、抵抗電気ヒーター)の形とすることができる。スタッド51がパターニングデバイスMAに対して保持されている時に、ヒーター1111を使用してスタッドが加熱される。ヒーター1111によって提供されるスタッド51の局部加熱は、グルー又は接着剤の硬化を加速するため、有利である。これにより、スタッド取り付け装置840のスループットが向上する。スタッド51の加熱によって提供される硬化は、予備硬化又は完全硬化とすることができる。予備硬化が使用される場合、パターニングデバイスMA及びスタッド51は硬化のためにオーブンに搬送することができる。スタッド51の加熱が完全硬化を提供する場合、マスク及びスタッドをオーブンに搬送する必要はない。これは、オーブンが汚染粒子源の可能性があるため、有利である。
【0220】
[000245] 実施形態において、スタッドマニピュレータ1100は(バネ1108に加えて、又はその代わりに)、スタッド51をパターニングデバイスMAに押し付けるように動作可能なアクチュエータ(図示せず)を含むことができる。アクチュエータは、加えて、スタッドがパターニングデバイスMAに固定されると、カップ1102をスタッド51から離すことができる。
【0221】
[000246] シール1112は、マニピュレータヘッド1104の外周周辺に延在する。シール1112は
図22で最も明瞭に見られ、この図では上から見た(例示し易いように、
図22では全体的に透明なパターニングデバイスMAをのぞき見た)スタッドマニピュレータ1100の一部を示している。
図22を見るとわかるように、例示された実施形態では、シール1112は環状である。しかしながらシールは、任意の好適な形状であってよい。
【0222】
[000247] 再度
図21を参照すると、シール1112は弾性材料(例えば、PEEK)から形成され、パーティション842の上及びスタッド51の上に突出する。したがって、スタッドがパターニングデバイスMAに押し付けられた時、シール1112は下方に押される。シール1112の弾性とは、シールがパターニングデバイスMAに押し付けられることによって、パターニングデバイスに対してシールを形成することを意味する。これにより、シール1112の外周内にあるパターニングデバイスMAの部分をシールし、シールの外周外にあるパターニングデバイスMAの部分から隔離する。
【0223】
[000248] ガス抽出チャネル1114がマニピュレータヘッド1104内に提供され、ガス抽出チャネルはマニピュレータヘッドの外面から外へ延在する。追加のガス抽出ルートが、マニピュレータヘッド1104周囲の環状空間1115によって提供される。ガス送出チャネル1118がシール1112の片側に提供され、シール内部に配置されたパターニングデバイスMAの領域にガスを送出することができる。これは、
図21で矢印によって概略的に示されている。ガスは、マニピュレータヘッド内のガス抽出チャネル1114及びマニピュレータヘッド周囲の環状空間1115を介して抽出される。ガス抽出チャネル1114は、
図22で最も良く見られるように、マニピュレータヘッド1104周囲に分布される。ガス抽出チャネル1114及び環状空間1115の外に汚染物質を移送することになるガスの流れが提供され、これによってそれらの汚染物質がパターニングデバイスMAの表面に付着するのを防止する。汚染物質は、例えばスタッド51上に提供されるグルーから導出される粒子、又はグルーからの薬品蒸気であり得る。薬品蒸気は、特に、グルーが硬化のために加熱される時に生成され得る。ガス流れを使用して汚染物質を除去することは、他の箇所で説明するように、パターニングデバイスMAの表面上の粒子又は他の汚染物質がリソグラフィ装置によって基板上に投影されるパターンに誤りを生じさせる可能性があるため、有利である。ガスは、例えば空気であってよい。
【0224】
[000249] 実施形態において、シール1112は完全シールであり得、すなわちガスがシールを通り越えて流れることはない。代替実施形態において、何らかのガスがシールとマスクとの間を流れることができるように、シール1112はパターニングデバイスMAに対して不完全なシールを形成する場合がある。これは、漏れシールと呼ぶことができる(すなわち、シール1112は漏れシールである)。シールとパターニングデバイスとの間にギャップが存在するように、シール1112は、例えばパターニングデバイスと接触しないことができる。シール内部のガス圧はシール外部のガス圧より低い場合があり、結果としてガスは、シール外部からシール内部へと流れた後、ガス抽出チャネル1114及び環状空間1115を介して外へ流れることになる。これは、シール1112の外部にあるパターニングデバイスMAの領域から、シールを通過し、抽出チャネル1114の外へと流れるガスによって、汚染粒子が移送されることになるため、有利である。漏れシール構成のさらなる利点は、シール1112とパターニングデバイスMAとの間の接触を避けることで、汚染物質がシールからパターニングデバイスへと搬送されるのを防止することである。
【0225】
[000250]
図23は、支持構造101上に提供された4つのスタッド51の斜視図であり、各スタッドはシール1112によって囲まれている。各シール1112は、支持構造101に固定されたシール支持プレート1113上に保持される。
図23には2つのウィンドウ108も示されており、これを介して結像センサ106(
図19を参照)はパターニングデバイスMA(図示せず)を見ることができる。
【0226】
[000251] 各シール支持プレート1113は、(例えば、摩耗したシールを交換できるように)関連付けられたシール1112と共に支持構造101から取り外すことができる。
図24は、支持構造101から取り外された、1つのシール支持プレート1113及びシール1112を示す。図に見られるように、位置決めピン1120が支持構造101から上方に延在する。これらの位置決めピン1120は、シール支持プレート1113内のホール(
図21では、そのうちの1つが見える)内に受け取られ、それによって、シール支持プレートが支持構造101上で正しく位置決めされることが保証される。
【0227】
[000252] 保持アーム1122がブロック1124から延在する。保持アーム1122は、シール支持プレート1113の上に配置され、支持構造101から上方に延在するピン1126を押し付ける。保持アーム1122はピン1126に対して弾性的にバイアスがかけられ、ピン1126を押し付けるため、それによってシール支持プレート1113を支持構造上の定位置に確実に保持する。弾性保持アーム1122は、向き合うアームを互いに向かって移動させることによってピン1126から手動で解放することが可能であり、それによってシール支持プレート1113(及びシール1112)を取り外すことができる。
【0228】
[000253] スタッド51のみ(及び、漏れシールが使用されていない場合はシール1112)が、パターニングデバイスと接触している。スタッド51がパターニングデバイスMAに押し付けられている時に、スタッドマニピュレータが支持構造に対して移動できるようにするために、スタッドマニピュレータ1100は支持構造101に柔軟に接続される。この柔軟な接続は、バネ1108を介して提供される。結果として、スタッド51がパターニングデバイスMAに押し付けられる時、スタッドマニピュレータ1100は支持構造101に対して移動可能である。これは、スタッド51とパターニングデバイスMAとの間のインターフェースに大きな横力が印加されるのを回避し、それによって例えばパターニングデバイスの表面全体にわたるスタッドのスライド運動(こうした運動は、汚染を生成することがあり、望ましくない)を回避するため、有利である。
【0229】
[000254] キネマティック接続が、スタッドマニピュレータ1100と支持構造101との間に提供される。キネマティック接続は、スタッド51がパターニングデバイスに接触していない時に、スタッドマニピュレータ1100が支持構造を押し付けることができるが、スタッド51がパターニングデバイスに接触している時は、スタッドマニピュレータを支持構造101から容易に切り離すことができるものである。再度
図24を参照すると、丸いヘッドを備える3本の突起1130がスタッドマニピュレータ1100から突出しており、スタッドマニピュレータの周囲に分布されている。
図21では、3本の突起1130のうちの1本が見える。突起1130は、シール支持プレート1113の傾斜内面1132と係合する。傾斜内面1132は一般に平坦であるが、前述のように、突起1130は丸い上面を有する。この表面の組み合わせは、突起1130と傾斜内面1132との間に非常に小さい接触域を提供するため、有利である。他の2本の突起も同様に、シール支持プレートの傾斜内面と接触する。
【0230】
[000255] 使用中、スタッド51がパターニングデバイスMAと接触していない場合、バネ1108はシール支持プレート1113の傾斜内面1132に突起1130を押し付ける。これにより、スタッドマニピュレータ1100と支持構造101との間に接続を提供する。接続はキネマティック接続とすることができる。スタッド51がパターニングデバイスMAに押し付けられている時、バネ1108は圧縮され、それによって突起1130をシール支持構造101の傾斜内面1132から離す。3本の突起1130は、例えばパターニングデバイスMAと支持構造101との間に相対的な傾斜が存在する場合、傾斜内面1132からすべて同時に離れる訳ではない。代わりに、1本が離れた後、2番目が続き、その後3番目が離れることになる。キネマティック接続は、この順次分離を実行可能にし、スタッド51がパターニングデバイスMAに対してほぼ垂直を維持できるようにする。言い換えれば、キネマティック接続は、スタッド51が支持構造101によって決定される配向を有するのを回避させ、代わりにスタッドが、パターニングデバイスMAによって決定される配向を有することができるようにする。
【0231】
[000256] スタッド51をパターニングデバイスMAから取り外すことが望ましい場合がある。この取り外しは、スタッド取り外し装置によって実行可能である。スタッド取り外し装置は、一般に(例えば、
図19で概略的に示したような)スタッド取り付け装置840に対応する形を有することができる。例えば、スタッド取り外し装置は、スタッド取り外し中にパターニングデバイスMAが保持される被制御環境を、スタッドリムーバ及び他のコンポーネントから分離する、パーティションを含むことができる。スタッド取り外しツールは、例えば、
図19に示された構成に対応する構成のスタッドリムーバを備えることができる。取り外しを達成するために、スタッド51に対して相対的に粗いスタッドリムーバの位置合わせで十分であるため、実施形態では、結像センサ105、106及びウィンドウ107、108がスタッド取り外し装置になくてもよい。スタッドに対するヒーター及びアクチュエータの位置合わせは、手動、半自動、又は自動システムを使用して実行可能である。
【0232】
[000257]
図25は、本発明の実施形態に従った、スタッド取り外し装置の一部を形成するスタッドリムーバ1149の斜視図である。スタッドリムーバ1149は、支持プレート1155に接続されたスタッドグリッパ1154を備える。重り1157がスタッドグリッパ1154から下方に延在する。板バネのペア1159が支持プレート1155から下方に延在し、x方向のスタッドグリッパ1154の移動を可能にするように構成される(板バネは一般に垂直方向に移動可能である)。
【0233】
[000258] アクチュエータ1161が、支持プレート1155から下方に突出したフランジ1163に接続される。アクチュエータは、板バネ1159のうちの1つの開口を通過し、重り1157と接触しているフック状部材1165に対して接続する、アーム1164を含む。重りがフック状部材に対して垂直に移動できるようにするが、フック状部材及び重りのx及びy方向の相対的な移動は防止する、隆起及び溝接続1175が、フック状部材1165と重り1157との間に提供される。したがって、アクチュエータ1161を使用してアーム1163をx方向に移動させることで、フック状部材1165及び重り1157がx方向に移動することになる。
【0234】
[000259] 板バネの第2のペア1167(
図25ではそのうちの1つのみが見える)が、スタッドグリッパ1154のy方向の移動を可能にする。y方向のアクチュエータは提供されていない。代わりに、(以下で説明するように)スタッドがスタッドグリッパ1154内へ移動する際に、y方向のある程度の受動運動が発生可能である。
【0235】
[000260] アクチュエータ1169は、隆起及び溝接続1175を介して重り1157に接続されたフック状部材1165の下に配置される(重りはスタッドグリッパ1154に接続されている)。アクチュエータ1169は、スタッドグリッパ1154を垂直方向(この場合、z方向として示される)に移動させるように動作可能である。
【0236】
[000261] このように、スタッドグリッパ1154のx、y、及びz方向の移動は、スタッドリムーバ1149によって提供される。
【0237】
[000262] 重り1157は、例えば少なくとも1kgとすることができる。重りは例えば約3kgとすることができる。
【0238】
[000263] レセプタクル1173がz方向アクチュエータ1169に隣接して提供され、パターニングデバイスから取り外されたスタッドを受け取るように構成される。
【0239】
[000264]
図26及び
図27は、スタッドリムーバ1149の一部をより詳細に示す斜視図及び断面図である。
図27は、スタッド51及びパターニングデバイスMA(例えば、マスク)も含む。スタッドグリッパ1154は、スタッド51のネックよりも広いがスタッドの遠位ヘッド853よりも狭いギャップを確立するために互いに向かって延在する、向かい合うフランジのペア1156を備える。向かい合うフランジ1156の下に、スタッド51の遠位ヘッドよりも広いため、スタッドの遠位ヘッドを受け取ることが可能な、凹部1158が提供される。スタッド51の遠位ヘッドは、ヘッドが図の面の内外に延在するため、
図26及び
図27では明瞭に見ることができない。凹部1158及び向かい合うフランジ1156は、スタッドグリッパ1154の一方の端で外側に広がる。
【0240】
[000265] スタッドリムーバ1149は、スタッドグリッパ1154の下に配置されたヒーター1188を含む。ヒーターは電気ヒーター、例えば抵抗ヒーターであり、スタッドグリッパ1154に局部的に熱を印加するように構成される。スタッドリムーバは、アクチュエータ1202に接続されたプッシャアーム1200をさらに備える。プッシャアーム1200は、スタッド51を押し、パターニングデバイスMAから取り外されると、シュート1204に入るように構成される。シュート1204はレセプタクル1173(
図25を参照)につながる。
【0241】
[000266] ワイヤ1206がヒーター1188から下方に延在し、重り1157(
図25を参照)に接続される。
【0242】
[000267] 使用中、アクチュエータスタッドグリッパ1154は、初期にはスタッドの左側に位置し、装置のパーティション1142の上に突出していない。その後、スタッドグリッパ1154は垂直アクチュエータ1169(
図25を参照)を使用して、
図27に示される位置まで上方に移動される。したがってスタッドグリッパは、パターニングデバイスMAに隣接するが接していない。次いで、x方向アクチュエータ1161(
図25を参照)は、スタッド51の遠位ヘッド853がそのフレアエンドを介してスタッドグリッパに入り、その後、(
図28に示されるように)非フレア部分内に配置されるように、スタッドグリッパ1154をx方向に移動する。これは、スタッドグリッパ1154のy方向のある程度の受動運動を含み得る。その後、支持プレート1155はもはやスタッドグリッパ1154を支持しておらず、代わりにスタッドグリッパが重り1157によって下に引っ張られるように、垂直アクチュエータ1169は下方に移動される。スタッドをパターニングデバイスMAに固定しているグルー又は接着剤を溶かすために、スタッドグリッパ1154を介してヒーター1188からスタッド51に熱が送られる。グルー又は接着剤が溶けると、スタッド51はパターニングデバイスMAから引き離される。スタッド51は、下方に引っ張る重りによって下方に移動する。
【0243】
[000268] その後、プッシャアーム1200は
図29に示されるようにx方向に移動される。これが、スタッド51をスタッドグリッパ1154からシュート1204内に押し込む。その後、スタッドはレセプタクル1173内に落ちる。
図29では、スタッド51は、スタッドの動きを示すために3カ所に示されている。
【0244】
[000269] 上記プロセスは、パターニングデバイスMA上の各スタッド51について実行される。スタッドは連続して、すなわち次々に取り外すことができる。代替として、スタッドはすべて一緒に取り外すことができる。スタッドを連続して取り外すことの利点は、パターニングデバイスに印加される力が、1つのスタッドを取り外すために必要な力に制限されることである。これが次に、パターニングデバイスを支持する支持体に印加される力を制限し、それによってそれらの支持体に損傷を与えるリスクを最小限にする(また、パターニングデバイスに損傷を与えるリスクも最小限にする)。
【0245】
[000270] 前述のように、パーティション1142は、パターニングデバイスMAが提供される被制御環境から、スタッド取り外し装置の大部分を分離する。しかしながら、スタッド51が提供されるパターニングデバイスMAの領域周辺にはシールが延在しない。スタッド51が取り外された後、パターニングデバイスMAはクリーニングされ、スタッドの取り外し中のパターニングデバイスへの汚染物質の追加は重大な問題を引き起こさないため、シールはほとんど利益をもたらさすことがない。所望であればシールを提供することができる(例えば、漏れシール)。
【0246】
[000271] スタッド取り外し装置は、追加のスタッドグリッパ1154及び関連付けられた要素をさらに備えることができる。例えば、パターニングデバイスMA上の各スタッドについて1つ、4つのスタッドグリッパ及び他の要素が提供可能である。スタッド取り外し装置は、一般に、
図21に示されたスタッド取り付け装置840に対応する形とすることができる。例えば、アクチュエータを使用して、スタッドグリッパの位置をx、y、Z、及びRz方向に調節することができる。アクチュエータは、自動、手動、又は半自動(すなわち、部分的に自動及び部分的に手動)とすることができる。パーティション1142は、マスクが提供される被制御環境からアクチュエータを分離することができる。アクチュエータは、パーティション1142の下に配置されたボックス内に提供することができる。位置合わせ測定システムも、パーティション842の下に提供することができる。位置合わせ測定システムは、例えば、スタッドグリッパ1154がスタッド51と係合する前に、正しい場所に位置決めされることを保証するために使用される、結像システムを備えることができる。
【0247】
[000272] マスクがスタッド取り付け装置1150と接触するポイントには、PEEK又は何らかの他のロバスト材料のコーティングを提供することができる。同様に、マスクがハウジングと接触するポイントにも、PEEK又は何らかの他のロバスト材料のコーティングを提供することができる。
【0248】
[000273] スタッド取り付け装置840及びスタッド取り外し装置1150は、単一の装置として提供するか、又は別々の装置として提供することができる。
【0249】
[000274] リフトユニット845及びハウジングは
図20にのみ示されており、スタッド取り付け装置840の一部として示されている。しかしながら、リフトユニットは同様に、ペリクルフレーム取り付け及び/又は取り外し装置の一部として提供可能であり、且つ/又は、同様にスタッド取り外し装置の一部としても提供可能である。リフトユニットは、マスク移送デバイスの一部を形成し得るハウジングを上昇及び下降するように構成可能である。パターニングデバイス(例えば、マスク)をハウジングによって保持することができる。マスク、ハウジング、及びリフトユニットは、被制御環境内に提供可能である。
【0250】
[000275] 実施形態において、パターニングデバイスMAからスタッド51を取り外すために重りを使用する代わりに、アクチュエータを使用してスタッドに下向きの力を印加することができる。アクチュエータは、例えばローレンツアクチュエータとすることができる。ローレンツアクチュエータは、スタッドをz方向にのみ引っ張るように構成可能である。
【0251】
[000276] 実施形態において、スタッド51を加熱する代わりに、(例えば、パターニングデバイスの上に配置されたヒーターを使用して)パターニングデバイスMAを加熱することができる。この手法の利点は、パターニングデバイスとのインターフェースでグルーが割れる傾向があり、それによって、スタッドが取り外された時にパターニングデバイス上にグルーがほとんど残らないことである。
【0252】
[000277] 実施形態において、グルーを溶かすために加熱する代わりに、好適な溶液を塗布してグルーを溶解させることができる。
【0253】
[000278] グルーは、クリーニング装置を使用してパターニングデバイスMAからクリーニングすることができる。クリーニング装置は、スタッド取り外し装置の一部を形成するか、又は別の装置として提供することができる。パターニングデバイスMAは、クリーニング装置への移送のためにシール済みボックス内に配置することができる。クリーニング装置は、マスクから汚染物質を除去するように構成可能である(マスクからのグルーの除去を含むことができる)。
【0254】
[000279] 本発明のいくつかの実施形態をスタッドに関連して説明しているが、状況が許せば、本発明の実施形態は任意の形の突起を使用することができる。
【0255】
[000280] 説明した実施形態では、フレーム17及びマウンティング50は、ペリクル19がフレームに取り付けられる前に互いに取り付けられ、これらの要素の取り付けは、任意の好適な順序で実行可能である。例えばフレーム17及びペリクル19を共に固定し、その後、マウンティング50をフレームに取り付けることができる。マウンティング50は、一般にペリクル取り付け装置855に対応する取り付け装置を使用して、フレーム17に取り付けることができる。
【0256】
[000281] 本書におけるマスクへの言及は、パターニングデバイスへの言及と解釈することができる(マスクは、パターニングデバイスの一例である)。
【0257】
[000282] 本書におけるグルーへの言及は、一般的な接着剤への言及と解釈することができる。
【0258】
[000283] 本テキストではリソグラフィ装置との関連における本発明の実施形態について特に言及しているが、本発明の実施形態は他の装置で使用することができる。発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジー装置、或いは、ウェーハ(又は他の基板)又はマスク(又は他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成することができる。これらの装置は一般に、リソグラフィツールと呼ぶことができる。こうしたリソグラフィツールは、真空状況又は大気(非真空)状況を使用することができる。
【0259】
[000284] 「EUV放射」という用語は、4~20nmの範囲内、例えば13~14nmの範囲内の波長を有する電磁放射を包含するものと見なすことができる。EUV放射は、10nm未満、例えば、6.7nm又は6.8nmなどの4~10nmの範囲内の波長を有することができる。
【0260】
[000285] 本テキストではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置は他の適用例を有し得ることを理解されたい。可能な他の適用例は、集積光学システムの製造、磁気ドメインメモリに関するガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0261】
[000286] 本発明の特定の実施形態について上記で説明してきたが、本発明は説明された以外でも実施可能であることを理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的でないことが意図される。したがって当業者であれば、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に対して修正が実行可能であることを理解されよう。