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特許7439303イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法
(51)【国際特許分類】
   C08C 19/12 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
C08C19/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022570411
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 KR2021012584
(87)【国際公開番号】W WO2022060084
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0120299
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0120663
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペク、チョン-ヨル
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ムン-ゴン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、キョン-シン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン-ヒ
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-226004(JP,A)
【文献】特開昭59-226005(JP,A)
【文献】特開平10-045829(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0008923(US,A1)
【文献】特開平10-053615(JP,A)
【文献】特表2009-516019(JP,A)
【文献】米国特許第03940548(US,A)
【文献】特開昭58-025337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08C 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S1)イソブテン-イソプレン共重合体、有機ヒポクロリット、および炭化水素溶媒を含む混合溶液を準備するステップと、
(S2)前記混合溶液をハロゲン化剤と反応させてイソブテン-イソプレン共重合体をハロゲン化するステップと、
含み、
前記有機ヒポクロリットは、下記化学式1で表される化合物である、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【化8】
前記化学式1中、
Rは、炭素数1~10のアルキル基である。
【請求項2】
前記化学式1中、
Rは、炭素数4~10のアルキル基であり、
化学式1の酸素原子に隣接した炭素は、第3級炭素である、請求項1に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項3】
前記化学式1中、
Rは、tert-ブチル(tert-butyl)、tert-ペンチル(tert-pentyl)、2-メチルペンタン-2-イル(2-methylpentan-2-yl)、2,3-ジメチルブタン-2-イル(2,3-dimethylbutan-2-yl)、2-メチルヘキサン-2-イル(2-methylhexan-2-yl)、2,4-ジメチルペンタン-2-イル(2,4-dimethylpentan-2-yl)、2,3-ジメチルペンタン-2-イル(2,3-dimethylpentan-2-yl)、または2,3,3-トリメチルブタン-2-イル(2,3,3-trimethylbutan-2-yl)である、請求項1または2に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項4】
前記ステップ(S1)は、イソブテン-イソプレン共重合体、有機ヒポクロリット、および炭化水素溶媒を混合して10秒~60分間撹拌するステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項5】
前記混合溶液は、混合溶液の総重量を基準として、水を15重量%以下で含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項6】
前記有機ヒポクロリットは、ハロゲン化剤1当量を基準として0.1~2.0当量である、請求項1~5のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項7】
前記ハロゲン化剤は、イソブテン-イソプレン共重合体1当量を基準として0.2~0.8当量である、請求項1~6のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項8】
(S3)前記ステップ(S2)以後、塩基性物質と反応させるステップ
をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項9】
前記ステップ(S3)は、10~40℃で3分~30分間行われる、請求項8に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項10】
前記ハロゲン化剤は、臭素分子(Br2)または塩素分子(Cl2)である、請求項1~9のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項11】
前記混合溶液は、アルコールをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項12】
前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、およびtert-ブタノールからなる群から選択された1つ以上である、請求項11に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【請求項13】
前記アルコールは、炭化水素溶媒100重量部を基準として0.1~20重量部である、請求項11または12に記載のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月18日付けの韓国特許出願2020-0120299および2020年9月18日付けの韓国特許出願2020-0120663に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブチルゴム(イソブテン-イソプレンゴム、isobutene-isoprene rubber、IIR)は、イソブテンと約1~6%のイソプレンが含まれているイソブテン-イソプレン共重合体であり、耐化学性、耐湿性、電気絶縁性などに優れるため、粘着組成物、粘着シートなどの用途として用いられる。ブチルゴムの主成分であるイソブテンは、優れた気体遮断性と抗酸化性、熱安定性などを示すが、高分子鎖中に追加の官能基がないため架橋反応に参加できないという短所があり、それを補うために、ブチルゴムには重合後にも不飽和官能基を有する一定含量のイソプレンが含まれる。しかし、ブチルゴムにはイソプレンの含量が少ないため、依然として架橋反応性が足りないという短所がある。
【0003】
これを解決するために、ブチルゴムは、イソプレンの二重結合に追加の臭素化反応を行って臭素化ブチルゴムに転換することで、他のゴムと架橋/コンパウンディングさせて用いている。臭素化ブチルゴムは、気体透過性がないという特徴があるため、タイヤの内部チューブおよび内部ライナーなどの主材料として広く用いられている。
【0004】
前記臭素化反応の場合、臭素化過程で臭化水素(HBr)が発生するため、臭素化反応に用いた臭素分子(Br2)に対して実際にイソブテン-イソプレン共重合体が臭素化される割合には限界がある。また、臭素化反応後に生成された副産物である臭化水素はその後に塩基性物質で中和させなければならず、中和反応により多量のアルカリ金属臭化物が多量で廃棄、浪費されるという問題がある。
【0005】
従来は、ブチルゴムの臭素化反応での臭素化度を向上させるために、臭化水素を再び臭素分子に酸化させ、臭素化反応に再び参加させるための目的で、過酸化水素などの酸化剤を用いた。しかし、それを用いても、臭素分子の投入量に対して実際に臭素化された程度は依然として微々たるレベルであった。したがって、臭素化反応の経済性および効率性をさらに向上させるための方法の開発が依然として求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本公開特許2020-513055
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、イソブテン-イソプレン共重合体をハロゲン化させる反応において、第2級アリルハロゲン官能基が第1級アリルハロゲン官能基に再整列される副反応を抑制することで、末端二重結合を有する第2級アリルハロゲン官能基を高含量で含有するハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、(S1)イソブテン-イソプレン共重合体、有機ヒポクロリット(organic hypochlorite、有機次亜塩素酸塩)、および炭化水素溶媒を含む混合溶液を準備するステップと、(S2)前記混合溶液をハロゲン化剤と反応させてイソブテン-イソプレン共重合体をハロゲン化するステップと、を含む、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法を利用することで、副産物であるハロゲン化水素を速かにハロゲン化剤に再生させて再使用することができる。その結果、ハロゲン化剤が反応に参加する割合を高め、第2級アリルハロゲン官能基の再整列を抑制し、第2級アリルハロゲン官能基の含量が高いハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体を製造することができる。
【0010】
本発明により製造されたハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体は、他のゴムとの架橋反応に効果的に用いることができるため、産業上の利用に容易である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明が容易に理解されるように、本発明をより詳細に説明する。
本発明の説明および請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0012】
本発明のイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化方法は、(S1)イソブテン-イソプレン共重合体、有機ヒポクロリット、および炭化水素溶媒を含む混合溶液を準備するステップと、(S2)前記混合溶液をハロゲン化剤と反応させてイソブテン-イソプレン共重合体をハロゲン化するステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
イソブテン-イソプレン共重合体をハロゲン化剤、例えば臭素化剤と反応させて臭素化反応を行う場合、下記のようにイソプレン繰り返し単位(構造I)の一部に臭素原子が挿入され、一部はイソプレン繰り返し単位のままに存在し、イソプレン繰り返し単位から第2級アリルブロミド(構造II、exo-allylic bromide)および第1級アリルブロミド(構造III、endo-allylic bromide)の繰り返し単位が生成され、副産物としては臭化水素(HBr)が発生する。
【0014】
【化1】
【0015】
臭化水素は、他の物質に転換されない限り、混合溶液中に残留しても臭素化反応に参加できないだけでなく、毒性を示し得る。これを除去するために塩基性物質で中和させる場合、アルカリ金属臭化物が発生して廃棄物が発生するという問題がある。
【0016】
また、臭化水素が溶液中に継続して残存する場合、臭素化が行われたイソブテン-イソプレン共重合体と追加的に反応を起こし得る。この場合、構造IIから構造IIIに構造の再整列が起こる副反応を引き起こし、臭素化されたイソブテン-イソプレン共重合体が所望しない架橋性を有する問題が発生し得る。ハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体の架橋性能を一定に維持するためには、このような構造の再整列を防止することが重要である。
【0017】
【化2】
【0018】
臭化水素が残留することにより発生する副作用および構造の再整列を抑制するために、臭化水素を再び臭素化剤であるBr2に再生させて臭素化反応に用いることが重要である。このためには、臭素化反応系に酸化剤を共に用いることができ、酸化剤は、臭化水素(HBr)をHOBrに酸化させ、その後、HOBrは、他の臭化水素分子と反応することで臭素分子に転換されることができる。このように形成された臭素分子により再び臭素化剤として用いられることができるため、臭素化反応の効率性を高めるのに寄与する。
【0019】
【化3】
【0020】
ただし、既存の用いられてきた酸化剤である過酸化水素などは、有機層への溶解度が非常に低く、混合溶液中で水性層に位置することになり、イソブテン-イソプレン共重合体と臭素分子は、混合溶液中で有機層に位置し、それにより生成された臭化水素も有機層に位置するため、酸化剤が臭化水素と接触して反応するためには、臭化水素が水性層に移動しなければならない。これは、酸化剤と臭化水素の反応性を阻害し、臭化水素が臭素分子に再生されるのを妨害する要因として作用する。
【0021】
本発明者らは、イソブテン-イソプレン共重合体の臭素化効率を高めるために、臭化水素が臭素分子に再生されるのをさらに促進させようと研究し、酸化剤として有機層に容易に溶解される有機ヒポクロリットを用いた。これにより、副産物として生成された臭化水素が同一の有機層中に浮遊する有機ヒポクロリットと容易かつ速く接触することで、臭化水素の再生反応が促進されることができる。これにより、同一量の臭素分子を用いた際に、臭素分子がイソブテン-イソプレン共重合体の臭素化反応に実際に参加して結合される程度を示す、下記の臭素活用度(%)を増進させることができる。
【0022】
-臭素活用度(%)=(イソブテン-イソプレン共重合体に結合された臭素原子数)/(臭素化反応に投入された臭素原子数)×100
【0023】
ステップ(S1)
前記ステップ(S1)は、イソブテン-イソプレン共重合体、有機ヒポクロリット、および炭化水素溶媒を含む混合溶液を準備するステップであり、ハロゲン化反応のための反応物を準備するものである。
【0024】
本発明において、前記イソブテン-イソプレン共重合体は、イソブテン-イソプレン共重合体に対して1~10モル%、1~8モル%、1~5モル%、または1~3モル%のイソプレン由来の単位を含有するものを用いてもよいが、これに制限されず、目的や用途に応じて適切な組成、分子量の共重合体を選択し、いずれも本発明に適用することができる。
【0025】
本発明において、前記ステップ(S1)は、イソブテン-イソプレン共重合体および炭化水素溶媒を混合してイソブテン-イソプレン共重合体溶液(ブチルゴム溶液)を先に製造した後、有機ヒポクロリットを混合することで行われてもよい。ブチルゴム溶液の製造時、イソブテン-イソプレン共重合体および炭化水素溶媒を混合した以後、イソブテン-イソプレン共重合体を十分に溶解させるために撹拌するステップをさらに行ってもよい。
【0026】
また、前記ステップ(S1)は、イソブテン-イソプレン共重合体、有機ヒポクロリット、および炭化水素溶媒を混合し、10秒~60分間撹拌するステップを含んでもよく、前記撹拌時間は、10秒以上、20秒以上、30秒以上、50秒以上、60分以下、30分以下、20分以下、10分以下、3分以下であってもよい。
【0027】
例えば、イソブテン-イソプレン共重合体および炭化水素溶媒を混合したブチルゴム溶液を製造し、有機ヒポクロリットを投入して混合溶液を準備し、10秒~60分間撹拌することでステップ(S1)を行ってもよい。
【0028】
上記のように混合溶液を臭素化剤と反応させる以前に予め撹拌して予備混合(premix)を行うことで、混合溶液中の有機ヒポクロリットの分散性を強化させることができる。これは臭素化反応以後の有機ヒポクロリットと臭化水素の反応がさらに円滑に起こるように助けるため、結局、臭化水素が臭素分子に再生されるのを促進して再生効率を向上させることになる。
【0029】
本発明において、前記有機ヒポクロリットは、下記化学式1で表される化合物であってもよい。
【0030】
【化4】
【0031】
前記化学式1中、
Rは、炭素数1~10のアルキル基である。
【0032】
具体的に、前記Rは、炭素数4~10のアルキル基であってもよく、露光(light exposure)に対する安定性を確保するための面で、化学式1の酸素原子に隣接した炭素は、第3級炭素であることが好ましい。例えば、前記Rは、tert-ブチル(tert-butyl)、tert-ペンチル(tert-pentyl)、2-メチルペンタン-2-イル(2-methylpentan-2-yl)、2,3-ジメチルブタン-2-イル(2,3-dimethylbutan-2-yl)、2-メチルヘキサン-2-イル(2-methylhexan-2-yl)、2,4-ジメチルペンタン-2-イル(2,4-dimethylpentan-2-yl)、2,3-ジメチルペンタン-2-イル(2,3-dimethylpentan-2-yl)、または2,3,3-トリメチルブタン-2-イル(2,3,3-trimethylbutan-2-yl)などであってもよいが、これに制限されない。
【0033】
本発明において、前記有機ヒポクロリットは、ハロゲン化剤1当量を基準として0.1~2.0当量、具体的に、0.1当量以上、0.2当量以上、2.0当量以下、1.0当量以下、0.8当量以下、0.6当量以下、0.5当量未満、0.4当量以下であってもよい。前記ハロゲン化剤は、例えば、臭素化剤であってもよい。
【0034】
前記有機ヒポクロリットが過量である場合、有機ヒポクロリットはHClと反応して塩素分子(Cl2)を生成できるようになり、これは未反応イソブテン-イソプレン共重合体と反応して塩素化を進行させる副反応を招くことになる。
【0035】
【化5】
【0036】
臭素化の代わりに一部が塩素化される場合、塩素-炭素結合は、臭素-炭素結合よりも結合エネルギーが高く、leaving能力が低下するため、架橋速度が低くなり、ゴム製造以後の配合剤の架橋(vulcanization)特性が変わり、商業的に求められる最適の物性確保が難しくなる。これは、定められた時間内に目標としただけの架橋を達成することができず、物性の低下につながる問題が発生する。
【0037】
前記範囲内にて、有機ヒポクロリットが臭化水素を臭素化剤に転換させる酸化剤としての役割を十分に行うことができ、臭素活用度や臭素化イソブテン-イソプレン共重合体の臭素化含量が顕著に向上することができる。
【0038】
本発明において、前記混合溶液は、混合溶液の総重量を基準として、水を15重量%以下、または10重量%以下で含んでもよく、好ましくは、10重量%未満、5重量%以下、3重量%以下、好ましくは、1重量%未満で含んでもよい。
【0039】
従来の酸化剤として用いられてきた物質は、水溶性であって、混合溶液に別に水を添加してエマルジョンを形成しなければならず、水を用いない場合、酸化剤が混合溶液に十分に分散されることができず、臭化水素との反応性が低くなった。それにより、臭化水素を臭素化剤に再生させる過程が円滑に行われず、結局、イソブテン-イソプレン共重合体の臭素化反応での臭素活用度が低くなる問題を招いた。しかし、混合溶液に水を用いる場合、イソブテン-イソプレン共重合体の溶解度が低くなり、析出可能性が高くなる、また他の問題が発生し得るため、臭素活用度の改善およびイソブテン-イソプレン共重合体の析出防止を全て達成するのは難しかった。
【0040】
一方、本発明において、酸化剤として用いる有機ヒポクロリットは、有機層に容易に溶解されるため、それを臭化水素と反応させるために別のエマルジョンを形成する必要がない。したがって、混合溶液中の一部の反応物に不純物として含まれた最小限の水を除いては水が含まれないため、前記混合溶液は、水の含量を最小化することができる。本発明においては、混合溶液に水を用いなくても、有機ヒポクロリットの分散性に問題がないため、臭素活用度は同等レベルに維持しながらも、イソブテン-イソプレン共重合体の析出は防止することができる。
【0041】
本発明において、前記炭化水素溶媒は、脂肪族炭化水素溶媒または芳香族炭化水素溶媒であってもよい。例えば、前記脂肪族炭化水素溶媒は、ブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、およびオクタンからなる群から選択される1種以上であってもよく、前記芳香族炭化水素溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンからなる群から選択される1種以上であってもよく、より好ましくは、前記炭化水素溶媒は、ヘキサンであってもよいが、これに制限されない。
【0042】
本発明において、前記混合溶液は、アルコールをさらに含んでもよい。
上述したように、ハロゲン化水素と有機ヒポクロリットを反応させてハロゲン化剤に再生させて用いても、一部のハロゲン化水素が依然として有機層中に残留し、構造IIの再整列を誘導する可能性を完全に除去することはできない。そこで、混合溶液にアルコールをさらに含むことで、ハロゲン化剤に再生されていないハロゲン化水素を水性層に溶解させ、有機層中のハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体との接触を物理的にも防止することができる。
【0043】
また、水性層の形成のために水ではなくアルコールを用いたが、オキソニウムイオンの固有pKaが小さいため、ハロゲン化水素のイオン化傾向性を共に低くすることができ、その結果、ハロゲン化イオンの数を減少させて構造の再整列を効果的に抑制することができる。
【0044】
上記のように、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化の後、ハロゲン化水素と追加反応が起こる前に、速かにハロゲン化水素を別の水性層に分離することが重要である。したがって、ハロゲン化反応途中に水を別に添加するのではなく、前記ステップ(S1)のようにハロゲン化が開始する前から反応系中にアルコールを投入することが好ましい。
【0045】
本発明において、前記アルコールは、炭化水素溶媒100重量部を基準として0.1~20重量部であってもよく、具体的に、0.1重量部以上、0.5重量部以上、10重量部以上、20重量部以下、15重量部以下であってもよい。
【0046】
前記範囲内にて、アルコールが副産物の抑制効果を十分に実現してイソブテン-イソプレン共重合体の再整列を防止し、経済性が低下せず、ハロゲン化反応終了後の乾燥工程において過度に多いエネルギーが消費されない。
【0047】
本発明において、前記アルコールの種類は、大きく制限されないが、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化反応終了後の乾燥の容易性を考慮すると、炭素数1~4のアルコールであってもよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、またはこれらの混合物を用いてもよい。
【0048】
ステップ(S2)
前記ステップ(S2)は、ステップ(S1)で準備された混合溶液をハロゲン化剤と反応させ、イソブテン-イソプレン共重合体をハロゲン化するステップであり、この際、イソブテン-イソプレン共重合体の水素位置にハロゲン原子が位置することになり、副産物としてハロゲン化水素が生成される。
【0049】
本発明において、前記ハロゲン化剤は、臭素分子(Br2)または塩素分子(Cl2)であってもよく、具体的に、臭素分子(Br2)であってもよい。
本発明において、前記ハロゲン化剤は、イソブテン-イソプレン共重合体1当量を基準として0.2~0.8当量、具体的に、0.2当量以上、0.3当量以上、0.4当量以上、0.8当量以下、0.7当量以下、0.6当量以下、例えば、0.5当量であってもよい。
【0050】
前記範囲内にて、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化反応が十分に行われながらも、再生できていないハロゲン化水素が過度に多く残ってイソブテン-イソプレン共重合体の物性がかえって低下するのを抑制することができる。
【0051】
本発明において、前記ハロゲン化剤は、炭化水素溶媒に溶解して組成物の形態で用いてもよく、前記炭化水素溶媒は、脂肪族炭化水素溶媒または芳香族炭化水素溶媒であってもよい。例えば、前記脂肪族炭化水素溶媒は、ブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、およびオクタンからなる群から選択される1種以上であってもよく、前記芳香族炭化水素溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンからなる群から選択される1種以上であってもよく、より好ましくは、ヘキサンを用いてもよいが、これに制限されない。
【0052】
前記ハロゲン化剤を溶解させるための炭化水素溶媒は、ステップ(S1)で混合溶液の準備に用いられる炭化水素溶媒と同一でも異なってもよく、好ましくは、同様にヘキサンを用いてもよい。
【0053】
前記ハロゲン化剤を含む組成物は、組成物に対してハロゲン化剤が10重量%以上、15重量%以上、50重量%以下、30重量%以下、例えば、20重量%で含まれてもよいが、これに制限されない。
【0054】
本発明において、前記ステップ(S2)のハロゲン化は、10~80℃、10℃以上、30℃以上、40℃以上、80℃以下、60℃以下、例えば、40℃で行われてもよい。
【0055】
前記範囲内にて、イソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化反応が容易に行われながらも、ハロゲン化の過反応によりハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体中の構造IIIの含量が増加して物性が低下するのを防止することができる。
【0056】
本発明において、前記ステップ(S2)のハロゲン化は、10秒~60分、具体的に、10秒以上、30秒以上、3分以上、60分以下、30分以下、10分以下、7分以下、例えば、5分間行われてもよい。
【0057】
前記範囲内にて、十分な時間の間ハロゲン化反応が行われることで、高いイソブテン-イソプレン共重合体のハロゲン化度を示し、ハロゲン化の過反応によりハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体中の構造IIIの含量が増加して物性が低下するのを防止することができる。
【0058】
本発明は、(S3)塩基性物質と反応させるステップをさらに含んでもよい。
前述したステップ(S2)を行っても、一部のハロゲン化水素が依然として残留するため、それを塩基性物質と反応させて酸-塩基反応で中和させることができる。
【0059】
本発明において、前記塩基性物質としては、pH10~14のものを用いてもよく、具体的に、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩などであってもよく、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどであってもよいが、これに制限されない。
【0060】
本発明において、前記ステップ(S3)は、10~40℃で行われてもよく、具体的に、10℃以上、15℃以上、18℃以上、40℃以下、30℃以下、25℃以下、例えば、20℃で行われてもよい。また、前記ステップ(S3)は、3分~30分、具体的に、3分以上、5分以上、7分以上、30分以下、20分以下、15分以下、例えば、10分間行われてもよい。
【0061】
前記温度および時間の条件で塩基性物質と反応させることで、残っているハロゲン化水素と未反応ハロゲン化剤を十分に除去して反応を終結させ、高純度のハロゲン化イソブテン-イソプレン共重合体を製造することができる。前記ステップ(S3)の反応時間が3分未満である場合、反応を十分に終結させることができず、未反応ハロゲン化剤が残留して毒性物質として作用する危険がある。
【0062】
一方、本発明においては、有機ヒポクロリットを酸化剤として用いてハロゲン化水素をハロゲン化剤に転換させ、反応に再使用したため、反応後に残っているハロゲン化水素の含量が非常に少ない。したがって、ハロゲン化水素と塩基性物質の反応により発生するアルカリ金属ハロゲン化物も少なく生成され、アルカリ金属ハロゲン化物の廃棄にかかる時間や費用を節減し、毒性問題を解決することができる。
【0063】
実施例
以下、実施例により本発明をより詳細に説明しようとする。ただし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものであって、これらのみに本発明の範囲が限定されるものではない。
【0064】
実施例1
イソブテン-イソプレン共重合体0.5g(イソプレンの含量=1.8mol%)、ヘキサン(n-Hexane)2.8gをShakerに投入し、12時間以上溶解させた後、反応温度である40℃に合わせられた加熱マントル(heating mantle)にて30分間撹拌し、ブチルゴム溶液を準備した。次いで、前記ブチルゴム溶液に酸化剤として有機ヒポクロリットであるt-BuOCl 2.2mg(臭素化剤1当量を基準として0.25当量)を投入し、混合溶液を製造した。その後、1分間撹拌して予備混合(premix)を行った。
【0065】
予備混合の完了後、臭素化剤であるBr2を13.0mg(イソブテン-イソプレン共重合体1当量を基準として0.5当量)含む臭素溶液(ヘキサン中の20重量%溶液)0.08mLを混合溶液に投入し、臭素化反応を40℃で5分間行った。
【0066】
その後、0.16mLのNaOH水溶液(1M)を投入し、20℃で10分間中和させ、真空オーブンで乾燥し、臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0067】
実施例2
予備混合を行っていないことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0068】
実施例3
混合溶液に水0.28g(ヘキサン100重量部を基準として10重量部)をさらに含むことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0069】
実施例4
混合溶液に水0.28g(ヘキサン100重量部を基準として10重量部)をさらに含み、予備混合を行っていないことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0070】
実施例5
酸化剤として有機ヒポクロリットであるt-BuOClを4.4mg(臭素化剤1当量を基準として0.50当量)用いたことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0071】
実施例6
混合溶液に水0.28g(ヘキサン100重量部を基準として10重量部)をさらに含み、酸化剤として有機ヒポクロリットであるt-BuOClを4.4mg(臭素化剤1当量を基準として0.50当量)用いたことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0072】
実施例7
混合溶液にメタノール0.28g(ヘキサン100重量部を基準として10重量部)をさらに投入したことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0073】
実施例8
混合溶液にエタノール0.28g(ヘキサン100重量部を基準として10重量部)をさらに投入したことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0074】
実施例9
混合溶液にイソプロピルアルコール0.28g(ヘキサン100重量部を基準として10重量部)をさらに投入したことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0075】
実施例10
混合溶液にメタノール0.14g(ヘキサン100重量部を基準として5重量部)をさらに投入したことを除いては、実施例1と同様に臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0076】
比較例1~10
反応条件を下記表1のように変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造した。
【0077】
【表1】
【0078】
実験例1
下記式により、投入された臭素分子が臭素化反応に実際に用いられた臭素活用度(%)を計算した。
-臭素活用度(%)=(イソブテン-イソプレン共重合体に結合された臭素原子数)/(臭素化反応に投入された臭素原子数)×100
【0079】
【表2】
【0080】
前記臭素活用度は、臭素化剤として用いた化合物中の実際にイソブテン-イソプレン共重合体に挿入されて臭素化を起こした化合物の程度を示したものであって、臭素活用度が高いほど、同一量の臭素化剤を用いた際に、イソブテン-イソプレン共重合体を高いレベルで臭素化できることを意味する。本発明が提示する方法によりイソブテン-イソプレン共重合体を臭素化させた実施例1~10の場合、酸化剤を用いていない比較例1および2、酸化剤として過酸化水素を用いた比較例3~5、金属ヒポクロリットを用いた比較例6~10に比べて、さらに高い臭素活用度を示すことを確認した。
【0081】
特に、酸化剤として金属ヒポクロリットを用いた際に、比較例8~10は、実施例4に比べて酸化剤を2倍以上の当量で用いたが、臭素が実際に挿入された程度はそれに達することができず、さらに低い臭素活用度を示すことが分かった。
また、有機ヒポクロリットを投入し予備混合を経た実施例1および3は、有機ヒポクロリットと臭化水素の反応がさらに活発に行われて再生効率が増加することで、予備混合を省略した実施例2および4に比べてそれぞれ臭素活用度が向上した。
【0082】
また、酸化剤として有機ヒポクロリットを用いる場合、水の含量を最小化することができるため、実施例1と3、実施例2と4の臭素活用度がほぼ同一であった。これに対し、比較例4と5、比較例6と7を比較してみると、水を<1%と少なく含有した比較例4および6においては、比較例5および7に比べて、それぞれ臭素活用度が低下することが分かった。
【0083】
実験例2
前記実施例および比較例の臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を対象とし、1H NMR(CDCl3)分析により内部構造の割合を計算した。
【0084】
【化6】
【0085】
(1)構造I(イソプレン繰り返し単位)の含量(mol%)
-構造Iの含量(mol%)=[(構造Iのモル数)/(構造Aのモル数+構造Iのモル数+構造IIのモル数+構造IIIのモル数)]×100
【0086】
前記構造Iの含量(mol%)は、イソブテン-イソプレン共重合体鎖の1本における、臭素が挿入されず、そのままのイソプレン繰り返し単位の割合を示すものである。
【0087】
(2)臭素化含量(mol%)
-臭素化含量(mol%)=[(構造IIのモル数+構造IIIのモル数)/(構造Aのモル数+構造Iのモル数+構造IIのモル数+構造IIIのモル数)]×100
【0088】
前記臭素化含量(mol%)は、イソブテン-イソプレン共重合体鎖の1本のおける、臭素が挿入された繰り返し単位の割合を示すものであって、イソブテン-イソプレン共重合体に臭素化反応がどれほど行われたかを示す指標である。
【0089】
(3)塩素化含量(mol%)
【化7】
【0090】
-塩素化含量(mol%)=[(構造IVのモル数+構造Vのモル数)/(構造Aのモル数+構造Iのモル数+構造IIのモル数+構造IIIのモル数)]×100
【0091】
前記塩素化含量(mol%)は、イソブテン-イソプレン共重合体鎖の1本における、塩素が挿入された繰り返し単位の割合を示すものである。
【0092】
(4)構造IIの割合(%)
-構造IIの割合(%)=[(構造IIのモル数)/(構造IIのモル数+構造IIIのモル数)]×100
【0093】
前記構造IIの割合(%)は、臭素化された繰り返し単位(構造IIおよび構造III)中の構造IIの割合を示すものである。
【0094】
【表3】
【0095】
実施例1~10においては、比較例に比べて高い臭素化含量を有するイソブテン-イソプレン共重合体を製造することができ、これは、酸化剤として有機ヒポクロリットを用いることで、優れた架橋性能を有する臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造できることを示す。
【0096】
具体的に、酸化剤としてt-BuOClを用いた実施例4は、同一当量の酸化剤として過酸化水素を用いた比較例3に比べて高い臭素化含量を示した。また、酸化剤としてt-BuOClを用いた実施例2および4は、それぞれ同一当量の酸化剤としてNaOClを用いた比較例6および7に比べて臭素化含量が高いことを確認した。
【0097】
また、実施例の中でも、予備混合を行った実施例1および3においては、それを省略した実施例2および4に比べて、それぞれ高い臭素化含量を示した。一方、実施例5および6においては、酸化剤の当量が最も高く、最も大きい臭素化含量を示した。ただし、それとともに、過量の酸化剤による一部の塩素化反応が行われ、塩素化含量が増加したことが分かった。
【0098】
実施例で用いられたt-BuOClは、エマルジョン化しなくても混合溶液によく分散されるため、水の含量を異にした実施例1と3、実施例2と4を比較しても、臭素化含量がいずれも類似レベルとして優れ、水の含量が1%未満である実施例1および2においては、イソブテン-イソプレン共重合体の析出も発生しないことを観察した。これに対し、比較例の酸化剤は、水を別に用いなければ混合溶液に分散され難いため、過酸化水素を用い、かつ、水の含量が1%未満である比較例4は、比較例5に比べて低い臭素化含量を示し、NaOClを用い、かつ、水の含量が1%未満である比較例6は、比較例7に比べて低い臭素化含量を示した。一方、比較例5および比較例7は、水の添加により臭素活用度は多少増加したが、イソブテン-イソプレン共重合体の析出物が発生したことを肉眼で観察した。
【0099】
一方、実施例6~10の場合、酸化剤としてt-BuOClを用いるとともにアルコールも混合溶液に投入したため、構造IIの再整列を抑制する効果にさらに優れ、構造IIの割合が非常に高い臭素化イソブテン-イソプレン共重合体が製造された。
【0100】
上記の結果から、本発明の製造方法により有機ヒポクロリットを酸化剤として用いて高い臭素化含量を有する臭素化イソブテン-イソプレン共重合体を製造することができ、反応条件を調整して最適の臭素化反応を行うことができることを確認した。