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特許7439458プログラム、方法、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】プログラム、方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019196152
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021071758
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】有賀 涼
(72)【発明者】
【氏名】小林 寛
(72)【発明者】
【氏名】手島 史裕
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-170490(JP,A)
【文献】特開平11-085850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票認識により取得された帳票情報に含まれる明細情報の一覧が表示された表示部において、前記一覧から、前記明細情報の選択を受け付けて、
前記選択された明細情報に基づく仕訳情報が入力された入力欄を、前記表示部に表示させ、
前記仕訳情報の入力が完了した場合に、前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致するか否かを判定し、
前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致しない場合に、エラーメッセージを前記表示部に表示させる、処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記仕訳情報の入力欄は、
前記選択された明細情報と対応する仕訳情報の作成の指示を受け付けて、前記選択された明細情報を用いて作成された仕訳情報が入力された状態で表示される、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記仕訳情報の一部は、前記選択された明細情報に含まれる情報である、請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記選択された明細情報毎に、前記選択された明細情報と対応する前記仕訳情報の入力欄を、前記表示部に表示させる、請求項1乃至3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記一覧において、前記選択された明細情報は、選択されていない明細情報とは異なる表示態様で表示される、請求項1乃至4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記明細情報に特定の項目が含まれる場合に、前記特定の項目の値に応じて前記明細情報を分類し、
前記表示部に、分類された前記明細情報毎に、前記明細情報の一覧を表示させる、処理を、前記コンピュータに実行させる、請求項1乃至5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記分類された明細情報毎に、前記明細情報の一覧と共に、前記特定の項目の値が示す情報を表示させる、請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記仕訳情報の再作成の指示を受け付けて、
前記仕訳情報の入力欄に表示された情報を消去する、処理を、前記コンピュータに実行させる、請求項1乃至7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
コンピュータによる方法であって、前記コンピュータが、
帳票認識により取得された帳票情報に含まれる明細情報の一覧が表示された表示部において、前記一覧から、前記明細情報の選択を受け付けて、
前記選択された明細情報に基づく仕訳情報が入力された入力欄を、前記表示部に表示させ、
前記仕訳情報の入力が完了した場合に、前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致するか否かを判定し、
前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致しない場合に、エラーメッセージを前記表示部に表示させる、方法。
【請求項10】
端末装置と、1以上の情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記端末装置は、
前記情報処理装置から、帳票認識によって取得した帳票情報を取得する登録情報取得部と、
前記帳票情報に含まれる明細情報の一覧が表示された前記端末装置の表示部において、前記一覧から、前記明細情報の選択を受け付ける入力受付部と、
前記選択された明細情報に基づく仕訳情報が入力された入力欄を、前記表示部に表示させる、表示制御部と、
前記仕訳情報の入力が完了した場合に、前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致するか否かを判定する金額照合部と、を有し、
前記表示制御部は、
前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致しない場合に、エラーメッセージを前記表示部に表示させる、情報処理システム。
【請求項11】
帳票の画像データを受け付ける受付部と、
前記帳票の画像データから明細情報を含む帳票情報を抽出する帳票認識部と、
抽出された帳票情報に含まれる明細情報の一覧を表示部に表示させる表示制御部と、
前記一覧から、前記明細情報の選択を受け付ける入力受付部と、
選択された明細情報に基づく仕訳情報の入力が完了した場合に、前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致するか否かを判定する金額照合部と、を有し、
前記表示制御部は、
前記選択された明細情報に基づく仕訳情報が入力された入力欄を前記表示部に表示させ、
前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致しない場合に、エラーメッセージを前記表示部に表示させる、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、帳票の画像データから文字認識によって取得された情報と、手入力された情報とを対応付けて、会計システム等に提供する技術が知られている。手入力された情報とは、例えば、仕訳の内容を示す仕訳情報等が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
仕訳情報は、帳票の画像等を参照して、明細の内容等を確認しながら手動で入力される情報であり、入力を行うユーザにとっての負荷が大きい。
【0004】
開示の技術は、仕訳情報の入力の負荷を軽減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の技術は、帳票認識により取得された帳票情報に含まれる明細情報の一覧が表示された表示部において、前記一覧から、前記明細情報の選択を受け付けて、前記選択された明細情報に基づく仕訳情報が入力された入力欄を、前記表示部に表示させ、前記仕訳情報の入力が完了した場合に、前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致するか否かを判定し、前記選択された明細情報に含まれる金額の合計と、前記帳票情報に含まれる金額の合計とが一致しない場合に、エラーメッセージを前記表示部に表示させる、処理を、コンピュータに実行させるプログラムである。

【発明の効果】
【0006】
仕訳情報の入力の負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一の実施形態の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第一の実施形態の情報処理システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
図5A】第一の実施形態の情報処理システムの動作の概要を説明する第一の図である。
図5B】第一の実施形態の情報処理システムの動作の概要を説明する第二の図である。
図6】帳票処理部について説明する図である。
図7】明細情報の一例を示す図である。
図8】仕訳情報の一例を示す図である。
図9】第一の実施形態の仕訳補助部の機能を説明する図である。
図10】第一の実施形態の端末装置の動作を説明するフローチャートである。
図11】第一の実施形態の表示例を示す図である。
図12】第二の実施形態の仕訳補助部の機能を説明する図である。
図13】第二の実施形態の端末装置の動作を説明するフローチャートである。
図14】第二の実施形態の表示例を示す図である。
図15】第三の実施形態の情報処理システムの各装置の機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0009】
本実施形態の情報処理システム100は、情報処理装置200と、端末装置300とを含む。情報処理装置200と、端末装置300とは、ネットワーク等を介して接続される。尚、図1の例では、情報処理システム100に含まれる端末装置300は1台としたが、これに限定されない。情報処理システム100に含まれる端末装置300の台数は任意であって良い。
【0010】
また、図1の例では、情報処理システム100に含まれる情報処理装置200は1台としたが、これに限定されない。本実施形態の情報処理装置200が有する機能は、複数の情報処理装置によって実現されても良い。
【0011】
本実施形態の情報処理装置200は、例えば、スキャナ等によって帳票を読み取った帳票画像データが格納されており、帳票画像データを用いた各種の処理が行われる。
【0012】
本実施形態の端末装置300は、情報処理装置200による処理の結果の表示や、情報処理装置200に対する入力等が行われる。
【0013】
以下に、図2図3を参照して、情報処理システム100の有する各装置のハードウェア構成について説明する。
【0014】
図2は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0015】
本実施形態の情報処理装置200は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、データバス210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0016】
これらのうち、CPU201は、情報処理装置200全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する表示部である。
【0017】
外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス210は、図3に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0018】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。尚、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア215に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0019】
本実施形態の情報処理装置200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC等であっても良い。
【0020】
図3は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の端末装置300は、例えば、スマートフォンやタブレット端末であっても良い。
【0021】
本実施形態の端末装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、CMOSセンサ305、撮像素子I/F306、加速度・方位センサ307、メディアI/F309、GPS受信部311を備えている。
【0022】
これらのうち、CPU301は、端末装置300全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301やIPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。EEPROM304は、CPU301の制御にしたがって、端末装置用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ305は、CPU301の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F306は、CMOSセンサ305の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ307は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F309は、フラッシュメモリ等の記録メディア308に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部311は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0023】
また、端末装置300は、遠距離通信回路312、CMOSセンサ313、撮像素子I/F314、マイク315、スピーカ316、音入出力I/F317、ディスプレイ318、外部機器接続I/F(Interface)319、近距離通信回路320、近距離通信回路320のアンテナ320a、及びタッチパネル321を備えている。
【0024】
これらのうち、遠距離通信回路312は、通信ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ313は、CPU301の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F314は、CMOSセンサ313の駆動を制御する回路である。マイク315は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。
【0025】
スピーカ316は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F317は、CPU301の制御に従ってマイク315及びスピーカ316との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ318は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。
【0026】
外部機器接続I/F319は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ318を押下することで、端末装置300を操作する入力手段の一種である。
【0027】
また、端末装置300は、バスライン310を備えている。バスライン310は、図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0028】
次に、図4を参照して、本実施形態の情報処理システム100の有する各装置の機能構成について説明する。図4は、第一の実施形態の情報処理システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
【0029】
本実施形態の情報処理装置200は、受付部220、帳票画像記憶部230、登録情報記憶部240、OCR(Optical Character Recognition)処理部250、帳票認識部260を有する。
【0030】
本実施形態の受付部220、OCR処理部250、帳票処理部260は、CPU201がROM202等に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。また、本実施形態の帳票画像記憶部230、登録情報記憶部240は、例えば、HD204等によって実現される。
【0031】
受付部220は、例えば、帳票をスキャナ等によって読み取った画像形成装置等から、帳票画像データの入力を受け付け、帳票画像データを取得する。具体的には、情報処理装置200は、スキャナ機能を有する画像形成装置等と通信を行って、画像形成装置から受信した帳票画像データを受付部220により受け付け、帳票画像記憶部230に格納しても良い。また、情報処理装置200は、その他の方法によって帳票画像データを取得して帳票画像記憶部230に格納しても良い。
【0032】
帳票画像記憶部230は、例えば、請求書等の帳票の画像を示す画像データが格納される。以下の説明では、帳票の画像を帳票画像と呼び、帳票の画像を示す画像データは、帳票画像データと呼ぶ場合がある。
【0033】
登録情報記憶部240は、登録情報255が格納される。登録情報255は、請求書情報241、仕訳情報242、ステータス情報243を含む。本実施形態において、請求書情報241、仕訳情報242、ステータス情報243は、請求元毎に対応付けられている。
【0034】
本実施形態の請求書情報241は、帳票(請求書)に記載された各種の情報が含まれる。
【0035】
より具体的には、請求書情報241は、OCR処理部250による文字認識処理によって、帳票画像データからテキストデータを取得し、帳票認識部260によって、このテキストデータから、帳票画像に含まれる項目と項目の値とを抽出し、項目と項目の値とを対応付けることで生成される。帳票画像に含まれる項目とは、例えば、請求元、請求日、商品名、単価、金額等である。
【0036】
したがって、本実施形態の請求書情報241には、帳票画像データが示す請求書の請求元に関する情報に加え、請求金額の内訳等を示す明細情報244が含まれる。言い換えれば、本実施形態の明細情報244は、請求書情報241に含まれる情報であって、取引の内訳(明細)を示す情報である。
【0037】
以下の説明では、帳票画像に含まれる項目と、この項目の値とを抽出し、項目と項目の値とをテキストデータに変換して対応付けることを、帳票認識と呼ぶ。つまり、請求書情報241は、帳票認識によって、帳票画像データから取得される情報である。
【0038】
尚、本実施形態では、請求書を帳票の一例とし、請求書情報241を帳票認識によって帳票画像データから取得される帳票情報の一例として説明するが、帳票は、請求書に限定されない。本実施形態の帳票は、例えば、明細情報に基づく仕訳情報の入力が求められる帳票であれば、どのようなものであっても良い。具体的には、例えば、本実施形態の帳票は、納品書や領収書等であっても良い。この場合、帳票情報は、納品書情報や領収書情報となる。
【0039】
仕訳情報242は、例えば、情報処理システム100のユーザ等によって、端末装置300から入力される情報である。
【0040】
ステータス情報243は、登録情報255の状態を示す情報であり、請求書情報241と対応する各種の情報の入力状態等に応じて、帳票認識部260によって生成される。ステータス情報243が示す登録情報255の状態は、複数存在する。具体的には、ステータス情報243が示す登録情報255の状態には、例えば、以下の4つが存在する。
【0041】
・未処理状態(状態1) 帳票認識によって請求書情報241が取得された直後であり、仕訳情報242が未入力である状態。
【0042】
・下書き保存状態(状態2) 請求書情報241の確認や仕訳情報242の入力等の作業の途中等であり、登録情報255が確定される前の状態。
【0043】
・確定済み状態(状態3) 請求書情報241の確認や仕訳情報242の入力等の作業が完了し、確定された情報として外部へ出力できる状態。
・外部出力済み状態(状態4) 情報処理システム100と連携する会計システム等への登録情報255の出力が完了した状態。
【0044】
本実施形態のステータス情報243は、登録情報255の状態が、上述した状態1~4のうち、どの状態であるかを示す情報である。
【0045】
尚、図4の例では、帳票画像記憶部230と登録情報記憶部240は、情報処理装置200が有する構成としたが、これに限定されない。帳票画像記憶部230と登録情報記憶部240は、一部又は全部が、情報処理装置200と通信可能な、情報処理装置200以外の装置に設けられていても良い。
【0046】
本実施形態のOCR処理部250は、帳票画像記憶部230から読み出した帳票画像データに対して文字認識処理を行う。尚、図4では、OCR処理部250は、情報処理装置200が有する機能としたが、これに限定されない。帳票画像データに対するOCR処理は、例えば、情報処理装置200以外の装置で行われても良い。
【0047】
帳票認識部260は、OCR処理部250が取得したテキストデータから、帳票画像に含まれる項目と項目の値とを抽出し、項目と項目の値とを対応付ける帳票認識を行う。尚、本実施形態では、OCR処理部250は、帳票認識部260とは別に設けられるものとしたが、これに限定されない。情報処理装置200には、OCR処理部250と帳票認識部260とを含む1つの機能部によって、帳票認識が行われても良い。その場合には、帳票認識部260に、OCR処理部250が含まれるようにしても良い。
【0048】
また、帳票認識部260は、登録情報記憶部240への仕訳情報242の登録(格納)や、登録情報255の出力等を行う。帳票処理部260によって抽出された明細情報244と、登録された仕訳情報242の詳細は後述する。
【0049】
本実施形態の端末装置300は、例えば、ネットワークを介して、本実施形態の情報処理システム100と連携する基幹システムと接続される。基幹システムとは、例えば、情報処理システム100から出力される登録情報255に対して、特定の処理を行うシステムである。具体的には、例えば、基幹システムは、会計システム等の請求書を取り扱うシステムである。
【0050】
本実施形態の端末装置300は、情報処理システム100から登録情報255を取得し、請求書情報241に含まれる明細情報244を用いて、請求書情報241と対応する仕訳情報の入力画面を表示させることで、入力の負荷を軽減する。
【0051】
具体的には、端末装置300は、仕訳補助部330を有する。本実施形態の仕訳補助部330は、情報処理装置200から登録情報255を取得すると、登録情報255に含まれる明細情報244の一覧を表示させる。そして、仕訳補助部330は、明細情報244の選択を受け付け、選択された明細情報244に対する対応する仕訳情報242の作成指示を受け付けると、選択された明細情報244毎に、仕訳情報242の入力欄を表示させる。仕訳補助部330の詳細は後述する。
【0052】
このとき、本実施形態の端末装置300は、選択された明細情報244毎に、仕訳情報242の一部を生成し、仕訳情報242の入力欄に表示させる。
【0053】
このため、本実施形態では、1つの帳票画像データから取得した請求書情報241から、複数の仕訳情報242を作成する際にも、仕訳を行いたい明細情報244を選択して仕訳情報242の作成指示を行えばよい。
【0054】
また、本実施形態の端末装置300は、仕訳情報242の一部が作成されると、作成された一部の仕訳情報242が入力された状態で、仕訳情報242の入力欄を表示させる。
【0055】
したがって、本実施形態の端末装置300によれば、仕訳情報242の入力を支援でき、仕訳情報242の入力の負荷を軽減できる。
【0056】
以下に、図5A図5Bを参照して、本実施形態の情報処理システム100の動作の概要について説明する。図5Aは、情報処理システムの動作の概要を説明する第一の図であり、図5Bは、情報処理システムの動作の概要を説明する第二の図である。
【0057】
図5Aに示す画面20Aは、例えば、端末装置300の表示部に表示された画面の一例であり、登録情報255が表示されている。
【0058】
画面20Aは、表示欄21、22、23、24、入力欄25と、操作ボタン26、27と、を含む。
【0059】
表示欄21には、帳票画像データが示す帳票画像が表示される。
【0060】
表示欄22には、登録情報255の状態を示すステータス情報243が表示される。図5Aの例では、表示欄22には、「未処理」と表示されており、画面20Aに表示された登録情報255は、未処理状態(状態1)であることがわかる。
【0061】
表示欄23、表示欄24には、表示欄21に表示された帳票画像から取得された請求書情報241が表示される。より具体的には、表示欄23には、請求書情報241に含まれる請求元に関する情報や請求金額等が表示され、表示欄24には、請求書情報241に含まれる明細情報244が表示される。
【0062】
以下に、本実施形態の明細情報244について説明する。
【0063】
図5Aの例では、表示欄21に示す帳票画像には、取引の内訳を示す表21aが表示されている。本実施形態の明細情報244は、主に、帳票画像に含まれる表21aから抽出された情報であり、表21aに記載された各項目と、各項目について、同じ行に記載されていた項目の値を対応付けた情報である。
【0064】
具体的には、例えば、表21aでは、項目「商品コード」、「商品名」、「数量」、「単価」、「金額」が記載されており、各項目の値として、「10845」、「応接テーブル」、「2」、「59,800」、「119,600」が同じ行に記載されている。したがって、項目「商品コード」の値「10845」、項目「商品名」の値「応接テーブル」、項目「数量」の値「2」、項目「単価」の値「59,800」、項目「金額」の値「119,600」が、1つの明細情報244となる。
【0065】
このように、本実施形態では、帳票画像データから抽出される明細情報244は、帳票画像に含まれる表における各行と対応した情報である。したがって、請求書情報241には、複数の明細情報244が含まれる場合がある。
【0066】
また、表示欄24は、表示欄24a、24b、24cと、選択欄24dと、操作ボタン24e、24fを含む。
【0067】
表示欄24aは、明細情報244に含まれる項目「商品名」の一覧が表示される。表示欄24bは、明細情報244において、項目「商品名」と対応付けられた項目「金額」の値の一覧が表示される。表示欄24cは、明細情報244に含まれる金額の合計が表示される。つまり、表示欄24a、24b、24cには、明細情報244の一部の一覧が表示される。
【0068】
選択欄24dは、表示欄24aに一覧表示された商品名のそれぞれを選択するためのチェックボックスである。言い換えれば、選択欄24dは、明細情報244を選択するためのチェックボックスである。
【0069】
操作ボタン24eは、入力欄25に表示された過去の仕訳情報242の消去を指示するための操作ボタンである。操作ボタン24fは、選択欄24dを用いて選択された商品名を含む明細情報を用いた仕訳情報242の作成を指示するための操作ボタンである。
【0070】
図5Aの例では、選択欄24dにおいて、商品名が選択されておらず、表示欄24cには、請求書情報241に含まれる請求金額合計が表示されている。
【0071】
入力欄25は、仕訳情報242に含まれる各項目の値等を入力するための複数の入力欄を含む。図5Aの例では、表示欄22に示す状態が「未処理状態」であり、仕訳情報242が未入力の状態である。したがって、入力欄25に含まれる入力欄は空欄である。
【0072】
操作ボタン26は、画面20Aに表示された登録情報255の状態を、下書き保存状態に変更するための操作ボタンである。本実施形態では、操作ボタン26が操作されると、画面20に表示された登録情報255のステータス情報243が示す状態が、未処理状態から、下書き保存状態に変更される。
【0073】
操作ボタン27は、画面20Aに表示された登録情報255の状態を、確定済み状態に変更するための操作ボタンである。本実施形態では、操作ボタン27が操作されると、画面20に表示された登録情報255のステータス情報243が示す状態が、未処理状態又は下書き保存状態から、確定済み状態に変更される。
【0074】
図5Bに示す画面20Bは、端末装置300の表示部に表示された画面の一例であり、図5Aに示す画面20Aの表示欄24aに表示された商品名の一覧から、商品が選択されて、操作ボタン24fが操作された場合を示している。
【0075】
画面20Bでは、選択欄24dにおいて、商品名「応接テーブル」と対応するチェックボックスにチェックが入力されて、商品名「応接テーブル」を含む明細情報244が選択されている。また、画面20Bでは、表示欄24cには、表示欄24bに表示された商品名「応接テーブル」と対応する金額が表示されている。
【0076】
また、画面20Bにおいて、入力欄25は、借方合計額の入力欄25aと、貸方合計額の入力欄25bとに、表示欄24cに表示された金額が入力された状態で表示される。
【0077】
つまり、本実施形態では、表示欄24において、明細情報244が選択されると、仕訳情報242の入力欄25は、選択された明細情報244を用いて作成された仕訳情報242の一部が入力された状態で表示される。
【0078】
また、本実施形態では、選択された明細情報244に含まれる商品名等が、仕訳情報242の一部として、入力欄25に自動的に表示されても良い。図5Bの例では、選択された明細情報244の商品名は「応接テーブル」である。したがって、仕訳情報242の入力欄25は、摘要欄の内容として「応接テーブル」が入力された状態で表示される。
【0079】
このように、本実施形態によれば、明細情報244を用いて仕訳情報242の入力を支援することができ、仕訳情報242の入力の負荷を軽減できる。
【0080】
尚、図5Bの例では、入力欄25のうち、入力欄25a、25bにのみ値が入力されるものとしたが、これに限定されない。入力欄25に含まれる他の入力欄の値についても、明細情報244から取得することができる値であれば、値が入力された状態で表示されて良い。つまり、仕訳情報242の一部とは、選択された明細情報244に含まれる情報であっても良い。
【0081】
また、本実施形態では、表示欄24aから商品名が選択されて、操作ボタン245が操作された後に、再度表示欄24aにおいて別の商品名が選択されて、操作ボタン245が操作された場合には、入力欄25に、新たな仕訳情報242の入力欄が追加される。
【0082】
したがって、本実施形態によれば、請求書情報241に含まれる明細情報244を用いて、請求書情報241に対応した複数の仕訳情報242の作成を支援することができる。仕訳情報242の追加の詳細は後述する。
【0083】
尚、本実施形態では、入力欄25に仕訳情報242の一部が入力された状態で表示されるものとしたが、これに限定されない。
【0084】
例えば、本実施形態では、操作ボタン27が操作されて、仕訳情報等が確定される(確定済み状態になる)と、仕訳情報毎に、仕訳情報の作成に用いられた明細情報と、仕訳情報に含まれる各項目の項目値とを対応付けて記憶しても良い。仕訳情報と明細情報とを対応付けることで、例えば、他の帳票の仕訳情報の入力の際に操作ボタン24gが操作された場合に、選択された明細情報に対応する仕訳情報の各項目の項目値を、入力欄25に自動で入力することもできる。
【0085】
仕訳情報と明細情報とを対応付ける方法としては、例えば、仕訳情報に、仕訳情報の作成に用いられた明細情報に含まれる商品名等を含めても良い。
【0086】
このように、明細情報と仕訳情報を対応付けることで、明細情報が選択されたときに、商品名や商品コードに対応する仕訳情報に含まれる項目値(科目コードの値等)を特定して、画面に対応する入力欄(「科目コード」欄)に自動入力できる。
【0087】
また、複数の明細を選択したときに、選択された複数の商品名や商品コードの組み合わせと、仕訳情報とを対応付けて記憶しておくことで、複数の明細情報が選択された場合に、商品名や商品コードの組み合わせに対応する仕訳情報を特定してもよい。
【0088】
尚、対応付けて記憶しておいた情報は、請求元毎に記憶しておいてもよい。また、対応付けて記憶しておいた情報は、機械学習等を用いて、仕訳情報が確定されるたびに更新するようにしてもよい。
【0089】
このようにすれば、明細情報に基づいて全ての仕訳情報が予め入力された状態で、仕訳情報の入力欄を表示することができる。
【0090】
次に、図6図7を参照して、情報処理装置200における帳票処理部260の処理について説明する。
【0091】
図6は、帳票処理部について説明する図である。図6(A)に示す読取結果情報101は、OCR処理部250によるOCR処理を行った結果である。
【0092】
読取結果情報101は、画面20Aの表示欄21に表示された帳票画像データ(図5A参照)から文字フィールドを切り取り、文字フィールドの中の文字を認識した結果と、文字の位置を示す座標とから抽出されたものである。
【0093】
本実施形態の帳票認識部260は、この読取結果情報101から、隣り合う位置にある文字同士をつなげて文字列(文字列)を認識する。具体的には、帳票処理部260は、文字と文字との間の距離が、所定ピクセル以内である文字の組み合わせを、1つ単語として認識しても良い。
【0094】
図6(B)に示す情報102は、帳票処理部260により認識された文字列と、文字列の領域とを示す情報である。
【0095】
また、帳票処理部260は、帳票画像データから、縦線と横線で区切られた領域を1つのセルとして認識し、セル毎にセルを識別する識別情報(セルID)を付与する。
【0096】
本実施形態では、明細情報は、表形式で示されるものとしているため、帳票処理部260は、セルの領域内で認識された文字列を、明細情報244に含まれる文字列として抽出する。
【0097】
図6(C)に示す情報103は、画面20Aの表示欄21に表示された帳票画像データから認識されたセル毎の領域とセルIDとの対応付けを示す情報である。
【0098】
図6では、例えば、情報102において、文字列「商品名」が認識された領域は、X座標とY座標によって示される位置を基準として、高さと幅とから特定される。
【0099】
また、情報103において、文字列「商品名」が認識された領域は、セルID「2」に含まれることがわかる。したがって、文字列「商品名」は、明細情報244に含まれる文字列として、セルID「2」と対応付けられる。
【0100】
本実施形態の帳票処理部260は、このようにして、帳票画像データから、文字列とセルとを対応付けた明細情報244を抽出する。
【0101】
図7は、明細情報の一例を示す図である。図7の例では、明細情報244を、テーブル(表)形式の情報として示しているが、これに限定されない。
【0102】
明細情報244は、帳票画像に含まれる表における各行と対応した情報であれば良い。言い換えれば、明細情報244は、例えば、セルIDと、セルIDによって特定される領域内の文字列とを対応付けた情報を含んでいれば良い。
【0103】
また、明細情報244には、図7に示すように、表における各行と対応した情報に、仕訳が行われたか否かを示す情報を追加しても良い。
【0104】
本実施形態では、明細情報244に、仕訳済みであるか否かを示す情報を含ませることで、例えば、仕訳済みとされた明細情報244を流用する際に、流用できる明細情報244を抽出することができる。
【0105】
尚、上述した明細情報244の抽出の仕方は、一例であり、これに限定されるものではない。
【0106】
次に、図8を参照して、本実施形態の仕訳情報242について説明する。図8は、仕訳情報の一例を示す図である。
【0107】
本実施形態の仕訳情報242は、請求書情報241に含まれる請求元に関する情報と対応付けられて格納される。請求元に関する情報とは、具体的には、例えば、請求元を特定するための識別情報(ID)、請求元の名称、電話番号、口座番号等を含む。また、請求元に関する情報とは、ID、請求元の名称、電話番号、口座番号の何れかを含めばよい。
【0108】
仕訳情報242は、入力欄25において入力される項目と項目の値とを含む。具体的には、例えば、仕訳情報242は、情報の項目として、仕訳ID、金額、科目コード、部門コード、補助コード、摘要欄等を含む。尚、仕訳IDとは、仕訳情報242を特定するための識別情報である。
【0109】
尚、本実施形態の仕訳情報242には、仕訳された商品を特定する情報が含まれても良い。具体的には、例えば、仕訳ID「1」の仕訳情報242において、応接テーブルの仕訳が行われたとする。この場合には、仕訳ID「1」の仕訳情報242には、応接テーブルを特定するための商品名や商品コード等が含まれても良い。
【0110】
次に、図9を参照して、本実施形態の端末装置300の仕訳補助部330の機能の詳細について説明する。図9は、第一の実施形態の仕訳補助部の機能を説明する図である。
【0111】
本実施形態の端末装置300は、仕訳補助部330を有する。本実施形態の仕訳補助部330は、入力受付部331、登録情報取得部332、表示制御部333、仕訳処理部334、金額照合部335を有する。
【0112】
入力受付部331は、端末装置300に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部331は、登録情報255の表示指示や、明細情報244の選択等を受け付ける。
【0113】
登録情報取得部332は、情報処理装置200から、登録情報255を取得する。表示制御部333は、端末装置300のディスプレイ318等における表示を制御する。
【0114】
仕訳処理部334は、明細情報244が選択されると、選択された明細情報244と対応する仕訳情報242の一部を作成する。
【0115】
言い換えれば、仕訳処理部334は、明細情報244を用いた仕訳情報242の作成の指示を受け付けると、選択された明細情報244を一部に含む仕訳情報242を作成する。
【0116】
金額照合部335は、請求書情報241に示される請求合計額と、仕訳情報242が生成された明細情報244の金額の合計とが一致するか否かを照合する。
【0117】
次に、図10を参照して、本実施形態の端末装置300の処理について説明する。図1
0は、第一の実施形態の端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【0118】
本実施形態の端末装置300において、仕訳補助部330は、入力受付部331により、登録情報255の表示指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS701)。ステップS701において、表示指示を受け付けていない場合、仕訳補助部330は、表示指示を受け付けるまで待機する。
【0119】
ステップS701において、仕訳補助部330は、表示指示を受け付けた場合、登録情報取得部332により、情報処理装置200に対して、表示指示を受け付けた登録情報255の取得要求を送信し、情報処理装置200から登録情報255を取得する(ステップS702)。
【0120】
具体的には、本実施形態では、情報処理装置200が、端末装置300に対して、登録情報記憶部240に格納された登録情報255の一覧を表示させても良い。そして、端末装置300は、表示された一覧から選択された登録情報255の取得要求を情報処理装置200に対して送信しても良い。
【0121】
続いて、端末装置300の仕訳補助部330は、表示制御部333により、取得した登録情報255をディスプレイ318に表示させる(ステップS703)。
【0122】
続いて、仕訳補助部330は、入力受付部331により、仕訳情報242の再作成の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS704)。
【0123】
以下に、図5Bを参照して、仕訳情報242の再作成の指示について説明する。図5Bに示す画面20Bの入力欄25には、一部の入力欄に情報が入力されている。本実施形態では、このように、入力欄25に入力されている情報を消去する操作を、仕訳情報242の再作成の指示と表現する。
【0124】
具体的には、本実施形態では、仕訳補助部330の表示制御部333は、表示欄24に表示された操作ボタン24eが操作されると、入力欄25に入力されている全ての情報を消去する。
【0125】
本実施形態において、登録情報255を表示させたときに、入力欄25に情報が入力されている場合とは、例えば、登録情報255のステータス情報243が示す状態が、下書き保存状態である場合も含む。この場合、入力欄25には、過去に入力された仕訳情報242が表示される。本実施形態では、この状態において、操作ボタン24eが操作されると、入力欄25から、過去に入力された仕訳情報242が消去される。
【0126】
このように、図10のステップS704では、表示制御部333は、入力欄25に入力された情報を消去するための操作ボタン24eに対する操作を受け付けたか否かを判定している。
【0127】
ステップS704において、再作成の指示を受け付けない場合、仕訳補助部330は、後述するステップS706へ進む。
【0128】
ステップS704において、再作成の指示を受け付けた場合、仕訳補助部330は、表示制御部333により、仕訳情報242の入力欄25に入力された状態で表示されている情報を消去する(ステップS705)。
【0129】
続いて、仕訳補助部330は、仕訳処理部334により、明細情報244の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS706)。具体的には、仕訳処理部334は、表示欄24aに表示された商品名の一覧に対し、商品を選択したことを示すチェックが選択欄24dに入力されたか否かを判定している。
【0130】
ステップS706において、選択を受け付けていない場合、仕訳処理部334は、選択を受け付けるまで待機する。
【0131】
ステップS706において、選択を受け付けた場合、仕訳補助部330は、入力受付部331により、仕訳情報242の作成の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS707)。ステップS707において、指示を受け付けない場合、仕訳補助部330は、指示を受け付けるまで待機する。
【0132】
ステップS707において、指示を受け付けた場合、仕訳補助部330は、仕訳処理部334により、選択された明細情報244に基づき、仕訳情報242の一部を作成し、入力欄25に入力して表示させる(ステップS708)。
【0133】
続いて、仕訳補助部330は、入力受付部331により、入力が完了したか否かを判定する(ステップS709)。具体的には、入力受付部331は、例えば、操作ボタン26又は操作ボタン27が操作されたか否かを判定している。
【0134】
ステップS709において、入力が完了していない場合、仕訳補助部330は、ステップS706へ戻る。
【0135】
ステップS709において、入力が完了した場合、仕訳補助部330は、金額照合部335により、仕訳された金額の合計と、請求書情報241に含まれる請求金額の合計とが一致するか否かを判定する(ステップS710)。
【0136】
具体的には、金額照合部335は、選択された明細情報244に含まれる金額の合計と、請求書情報241に含まれる請求金額の合計とが一致するか否かを判定している。
【0137】
ステップS710において、金額が一致しない場合、仕訳情報242は、表示制御部333により、金額が一致しないことを示すエラーメッセージを表示させ(ステップS711)、処理を終了する。
【0138】
ステップS710において、金額が一致した場合、仕訳補助部330は、処理を終了する。
【0139】
以下に、図11を参照して、請求書情報241に対して複数の仕訳情報242が作成される場合について説明する。図11は、第一の実施形態の表示例を示す図である。
【0140】
図11に示す画面20Cは、端末装置300の表示部の表示された画面の一例である。画面20Cは、図5Bに示す画面20Bの表示欄24aにおいて、新たに明細情報244が選択されて、新たに選択された明細情報244と対応する仕訳情報242の一部が入力された状態を示している。
【0141】
画面20Cでは、表示欄24において、商品名「事務机」、「椅子」を含む明細情報244が選択されている。また、この場合、表示欄24cには、商品名「事務机」、「椅子」と対応する金額の合計が表示される。
【0142】
さらに、画面20Cにおいて、表示欄24の表示欄24aでは、画面20Bで選択されて、対応する仕訳情報242の入力欄が表示されている明細情報244は、選択されていない明細情報244と異なる表示態様で表示される。
【0143】
具体的には、画面20Cでは、商品名「応接テーブル」と、商品名「応接テーブル」の選択欄と、金額「119,600」とは、グレーアウトした状態で表示されている。このように、本実施形態では、一度選択されて、対応する仕訳情報242の一部が作成された明細情報244は、再び選択されないように、表示される。
【0144】
画面20Cにおいて、操作ボタン24fが操作されると、表示制御部333は、入力欄25に、新たに選択された明細情報244と対応する仕訳情報242を入力するための入力欄を表示させる。
【0145】
より具体的には、表示制御部333は、操作ボタン24fが操作されると、選択された明細情報244と対応する仕訳情報242が入力欄25に反映させる。すなわち、操作ボタン24dが選択されたことに応じて、表示制御部333は、入力欄25に表示する仕訳情報を動的に変更する。そして、操作ボタン24fが操作されると、表示制御部333は、選択された明細情報244と対応する仕訳情報242が入力された状態で、入力欄25を確定させ、新たに入力欄25を表示させる。
【0146】
このように、本実施形態では、入力欄25が予め表示されておらず、ユーザによって、明細情報244が選択されて、操作ボタン24fが操作されてこと応じて、選択された明細情報244に対応する仕訳情報の一部が入力された状態で、新たに入力欄25が表示されても良い。
【0147】
また、本実施形態では、入力欄25が予め表示されており、ユーザによって、明細情報244が選択されて、選択された明細情報244に対応する仕訳情報が入力欄25に反映された後に、ユーザにより、操作ボタン24fを操作して、入力欄25を確定させても良い(新たに入力欄25を表示させる)。
【0148】
つまり、本実施形態では、操作ボタン24fに対する操作、及び、選択欄24dに対する操作を、仕訳情報の作成の指示として受け付けても良い。
【0149】
画面20Cの例では、入力欄25には、入力欄25Aと入力欄25Bとが表示されている。入力欄25Aは、既に選択済みである商品名「応接テーブル」を含む明細情報244と対応する仕訳情報242の入力欄である。
【0150】
入力欄25Bは、画面20Cで新たに生成される入力欄であり、商品名「事務机」、「椅子」を含む明細情報244と対応する仕訳情報242の入力欄である。入力欄25Bは、借方合計額の入力欄25aと、貸方合計額の入力欄25bとに、表示欄24cに表示された金額が入力された状態で表示される。
【0151】
このように、本実施形態によれば、帳票認識によって取得された請求書の明細情報244から、明細情報244を選択して仕訳情報242の作成を指示する操作を行うだけで、仕訳情報242の一部が自動的に入力された入力欄が表示される。
【0152】
このため、本実施形態によれば、仕訳情報242を入力する際に、帳票画像等を参照して内容を確認する手間を省くことができ、仕訳情報242の入力における負荷を軽減できる。
【0153】
(第二の実施形態)
以下に、図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、明細情報を区分毎に表示させる点が、第一の実施形態と相違する。以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0154】
図12は、第二の実施形態の端末装置の機能を説明する図である。本実施形態の端末装置300Aは、仕訳補助部330Aを有する。
【0155】
仕訳補助部330Aは、入力受付部331、登録情報取得部332、表示制御部333、仕訳処理部334、金額照合部335、区分判定部336、明細分類部337を有する。
【0156】
区分判定部336は、明細情報244に含まれる項目に、「区分」という項目が含まれるか否かを判定する。
【0157】
明細分類部337は、区分判定部336により、明細情報244の項目に「区分」という項目が含まれる場合に、項目「区分」の値に応じて明細情報244を分類する。
【0158】
以下に、図13を参照して、本実施形態の端末装置300Aの処理について説明する。図13は、第二の実施形態の端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【0159】
図13のステップS1001とステップS1002の処理は、図13のステップS701とステップS702の処理と同様であるから、説明を省略する。
【0160】
ステップS1002において、端末装置300Aは、登録情報取得部332により登録情報を取得すると、区分判定部336により、明細情報244に含まれる項目に、項目「区分」が含まれるか否かを判定する(ステップS1003)。
【0161】
ステップS1003において、該当する項目が含まれない場合、仕訳補助部330Aは、ステップS1004へ進み、登録情報取得部332が取得した登録情報255を対象者特定部233によって表示させ(ステップS1004)、後述するステップS1007へ進む。
【0162】
ステップS1003において、明細情報244の項目に該当する項目が含まれる場合、仕訳補助部330Aは、明細分類部337により、項目「区分」の値毎に明細情報244を分類する(ステップS1005)。
【0163】
続いて、仕訳補助部330Aは、表示制御部333により、明細情報244を分類毎に表示させ(ステップS1006)、ステップS1007に進む。
【0164】
図13のステップS1007からステップS1014までの処理は、図10のステップS704からステップS711の処理と同様であるから、説明を省略する。
【0165】
次に、図14を参照して、本実施形態の表示例について説明する。図14は、第二の実施形態の表示例を示す図である。
【0166】
図14に示す画面20Dでは、表示欄21に表示された帳票画像に含まれる表21bにおいて、項目「区分」が含まれる。したがって、図14の例では、帳票画像データから取得された明細情報244には、項目「区分」が含まれる。
【0167】
図14の例では、項目「区分」の値は、消費税率が8%であるか、又は、10%であるかを示す。より具体的には、図14の例では、項目「区分」の値が空である場合には、対応する明細情報244に含まれる商品名が示す商品の消費税率が10%であることを示す。また、図14の例では、項目「区分」の値が「*」である場合には、対応する明細情報244に含まれる商品名が示す商品の消費税率が8%であることを示す。
【0168】
したがって、仕訳補助部330Aは、明細分類部337は、請求書情報241に含まれる複数の明細情報244を、消費税率が10%である明細情報244と、消費税率が8%である明細情報244と、に分類し、表示制御部333は、明細情報244を消費税率毎に分類して表示させる。
【0169】
画面21Dの表示欄24は、表示欄24Aと表示欄24Bとを含む。表示欄24Aは、消費税率が10%の明細情報244の一覧が表示され、表示欄24Bは、消費税率が8%の明細情報244の一覧が表示される。
【0170】
言い換えれば、表示欄24Aには、項目「区分」の値が空の明細情報244の一覧が表示され、表示欄24Bは、項目「区分」の値が「*」の明細情報244の一覧が表示される。
【0171】
また、表示欄24A、24Bのそれぞれには、区分が示す情報24g、24hが表示されている。
【0172】
また、表示欄24Aの表示欄24caには、表示欄24Aに表示された各明細情報244に含まれる金額の合計が表示される。
【0173】
さらに、本実施形態では、表示欄24Aにおいて、明細情報244が選択されて、操作ボタン24faが操作されると、仕訳処理部334によって、入力欄25に、表示欄24Aにおいて選択された明細情報244を用いて仕訳情報242の一部を生成する。そして、表示制御部333は、表示欄24Aで選択された明細情報244と対応する仕訳情報242の入力欄を、入力欄25内に表示させる。
【0174】
また、表示欄24Bの表示欄24cbには、表示欄24Bに表示された各明細情報244に含まれる金額の合計が表示される。
【0175】
さらに、本実施形態では、表示欄24Bにおいて、明細情報244が選択されて、操作ボタン24fbが操作されると、仕訳処理部334によって、入力欄25に、表示欄24Bにおいて選択された明細情報244を用いて仕訳情報242の一部を生成する。そして、表示制御部333は、表示欄24Bで選択された明細情報244と対応する仕訳情報242の入力欄を、入力欄25内に表示させる。
【0176】
尚、本実施形態では、明細情報244に含まれる項目「区分」の値に基づいて、明細情報244を分類するものとしたが、これに限定されない。
【0177】
明細情報244の分類の仕方は、各種の方法があって良い。具体的には、明細情報244を分類する際に参照する項目は、項目「区分」以外であっても良く、例えば、予め設定された項目の値を参照して明細情報244を分類しても良い。
【0178】
このように、本実施形態では、明細情報244を分類した状態で表示させることができる。また、本実施形態では、分類された明細情報244群において、選択された明細情報244毎に、一部が入力済みの状態とされた仕訳情報242の入力欄を表示させることができる。
【0179】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態は、端末装置の有する機能を情報処理装置に設けた点が、第一の実施形態と相違する。以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0180】
図15は、第三の実施形態の情報処理システムの各装置の機能を説明する図である。本実施形態の情報処理システム100Aは、情報処理装置200Aと、端末装置300Bとを有する。
【0181】
本実施形態の情報処理装置200Aは、受付部220、帳票画像記憶部230、登録情報記憶部240、OCR処理部250、帳票認識部260に加え、仕訳補助部330を有する。
【0182】
本実施形態の情報処理装置200Aは、端末装置300Bから登録情報255の表示指示を受け付けると、例えば、画面20A(図5参照)を端末装置300Bに表示させる。そして、情報処理装置200Aは、端末装置300Bから、明細情報244の選択を受け付けると、仕訳補助部330により、選択された明細情報244を用いて仕訳情報242の一部を作成し、一部が入力された状態の仕訳情報242の入力欄25を端末装置300Bに表示させる。
【0183】
このように、本実施形態では、情報処理装置200Aに仕訳補助部330を設けるため、端末装置300Bに仕訳補助部330を設ける必要がなく、汎用的な端末装置を用いることができる。
【0184】
また、本実施形態では、情報処理装置200Aが、端末装置300Bに対して、仕訳補助部330を実現するプログラムを配信することで、端末装置300Bに仕訳補助部330を持たせるようにしても良い。
【0185】
また、図15の例では、画面20Aを端末装置300Bに表示させるものとしたが、これに限定されない。情報処理装置200Aは、ブラウザを有し、情報処理装置200Aに対する操作を受けて、自機のブラウザに画面20Aを表示させて、明細情報244の選択を受け付けても良い。
【0186】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0187】
また、上述した実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理装置200は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0188】
同様に、情報処理装置200は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。さらに、情報処理装置200は、開示された処理ステップ、例えば図10、13を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理装置200によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、情報処理装置200によって実行することができる。また、情報処理装置200の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0189】
また、明細書中の登録情報255は、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを,事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0190】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0191】
100 情報処理システム
200 情報処理装置
230 帳票画像記憶部
240 登録情報記憶部
241 請求書情報
242 明細情報
243 ステータス情報
255 登録情報
250 OCR処理部
260 帳票認識部
300、300A、300B 端末装置
330、310A 仕訳補助部
331 入力受付部
332 登録情報取得部
333 表示制御部
334 仕訳処理部
335 金額照合部
336 区分判定部
337 明細分類部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0192】
【文献】特開2018-194971号公報
図1
図2
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図5A
図5B
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図15