(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】重合性化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 277/82 20060101AFI20240220BHJP
G02B 5/30 20060101ALN20240220BHJP
C08F 20/38 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
C07D277/82
G02B5/30
C08F20/38
(21)【出願番号】P 2022150736
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2019509354の分割
【原出願日】2018-03-19
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2017061659
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100175477
【氏名又は名称】高橋 林太郎
(72)【発明者】
【氏名】奥山 久美
(72)【発明者】
【氏名】坂本 圭
(72)【発明者】
【氏名】美馬 孝則
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-204026(JP,A)
【文献】国際公開第2015/141784(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/025793(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/147904(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/159193(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第1651397(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101987830(CN,A)
【文献】特開2010-031223(JP,A)
【文献】特開2009-249526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 277/
G02B 5/
C08F 20/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,6-ルチジンが存在する有機溶媒中において、下記式(I)で示される化合物と、下記式(II)で示される化合物とを-15℃~+30℃の反応温度で反応させて、下記式(III)で示される重合性化合物を含む反応液を得る工程を含み、
前記有機溶媒が、クロロホルム、塩化メチレン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ベンゼン、トルエン、キシレン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、シクロペンタン、及びシクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも1種である、重合性化合物の製造方法。
【化1】
(上記式(I)中、
Y
xは、単結合、-CH
2-、または-CH
2-CH
2-を表し、
A
1およびB
1は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y
1およびY
2は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、または-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-を表し、
L
1は、炭素数1~20のアルキレン基であり、
P
1は、下記式(IV)で示される基であり、
【化2】
〔上記式(IV)中、Rcは、水素原子、メチル基または塩素原子を表す。〕
pは、0または1であり、
Gは塩素原子を表す。)
【化3】
(上記式(II)中、
Ar
1およびAr
2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
X
1およびX
2は、-CHOを表し、
Y
3は、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、または、-O-C(=O)-O-を表し、
nは0または1であり、mは0であり、
R
nおよびR
mは、水酸基を表す。〕
【化4】
(上記式(III)中、
A
1、A
2、B
1およびB
2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Ar
1およびAr
2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
X
1およびX
2は、-CHOを表し、
Z
1は、-C(=O)-O-を表し、Z
2は、-O-C(=O)-を表し、
Y
1、Y
2、Y
5およびY
6は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、または-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-を表し、
Y
3は、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、または、-O-C(=O)-O-を表し、
L
1は、炭素数1~20のアルキレン基であり、L
2は、炭素数1~20のアルキレン基であり、
P
1およびP
2は、それぞれ独立して、下記式(IV)で示される基であり、
【化5】
〔上記式(IV)中、Rcは、水素原子、メチル基または塩素原子を表す。〕
pおよびqは、0または1であり、
nは0または1であり、mは0である。)
【請求項2】
前記Ar
1-X
1およびAr
2-X
2が、それぞれ独立して、下記式(VIII-1)~(VIII-7)のいずれかで示される、請求項1に記載の重合性化合物の製造方法。
【化6】
〔上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、
Wは、水素原子を表し、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1は、0~3の整数であり、r2は0~4の整数であり、r3は0または1であり、r4は0~2の整数である。
ただし、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。〕
【請求項3】
前記式(III)で示される重合性化合物が、下記式(III-1)~(III-6)のいずれかで示される、請求項1または2に記載の重合性化合物の製造方法。
【化7】
〔上記式(III-1)~(III-6)中、
W
1およびW
2は、水素原子を表し、
n1は、0または1であり、
m1は、0であり、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1およびr5は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r2およびr6は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、r3およびr7は、それぞれ独立して、0または1であり、r4およびr8は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、ここで、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよく、
A
1、A
2、B
1、B
2、Y
1~Y
3、Y
5~Y
6、L
1、L
2、P
1、P
2、Z
1、Z
2、p、およびqは、前記と同じ意味を表す。〕
【請求項4】
下記式(XII)で示される重合性化合物の存在下で、前記式(I)で示される化合物と、前記式(II)で示される化合物とを反応させる、請求項1~3のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化8】
(上記式(XII)中、
A
1、B
1aおよびB
1bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y
1a、Y
1b、Y
2aおよびY
2bは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、または-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-を表し
L
1aおよびL
1bは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキレン基であり、
P
1aおよびP
1bは、それぞれ独立して、下記式(IV)で示される基であり、
【化9】
〔上記式(IV)中、Rcは、水素原子、メチル基または塩素原子を表す。〕
p1およびp2は、それぞれ独立して、0または1を表す。)
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法を用いて前記式(III)で示される重合性化合物を得る工程1と、該工程1で得られた前記式(III)で示される重合性化合物と、下記(V)で示される化合物とを反応させて、下記式(VI)で示される重合性化合物を得る工程2とを含む、重合性化合物の製造方法。
【化10】
(上記式(V)中、
Dは、下記式(V-I)または(V-II)で示され、
【化11】
【化12】
ここで、*は、アミノ基を表し、
Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、
Ayは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
R
xは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表す。)
【化13】
(上記式(VI)中、
W
1およびW
2は、水素原子を表し、
Ar
3およびAr
4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
D
1およびD
2は、それぞれ独立して、下記式(V-I)または(V-II)で示され、
【化14】
【化15】
ここで、*は、アミノ基を表し、
Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、
Ayは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
R
xは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
A
1、A
2、B
1、B
2、Y
1~Y
3、Y
5~Y
6、L
1、L
2、P
1、P
2、Z
1、Z
2、p、q、n、およびmは、前記と同じ意味を表す。)
【請求項6】
前記Ar
3-W
1C=N-D
1およびAr
4-W
2C=N-D
2が、それぞれ独立して、下記式(IX-1)~(IX~14)のいずれかで示される、請求項5に記載の重合性化合物の製造方法。
【化16】
〔上記式(IX-1)~(IX-14)中、
Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、
Ayは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
R
xは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
Wは、水素原子を表し、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1は、0~3の整数であり、r2は0~4の整数であり、r3は0または1であり、r4は0~2の整数である。
ただし、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。〕
【請求項7】
前記Axは、それぞれ独立して、下記式(XI)で示される、請求項5または6に記載の重合性化合物の製造方法。
【化17】
〔上記式(XI)中、
R
2~R
5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF
3、-O-C(=O)-R
b1、または、-C(=O)-O-R
b1を表し、
R
b1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基を表し、
複数のR
2~R
5同士は、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC-R
2~C-R
5は、窒素原子に置き換えられていてもよい。〕
【請求項8】
前記式(VI)で示される重合性化合物が、下記式(VI-1)~(VI-12)のいずれかで示される、請求項5~7のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化18】
【化19】
〔上記式(VI-1)~(VI-12)中、
W
1およびW
2は、水素原子を表し、
Ay
1およびAy
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
n1は、0または1であり、
m1は、0であり、
R
2~R
9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF
3、-O-C(=O)-R
b1、または、-C(=O)-O-R
b1を表し、
R
b1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基を表し、
複数のR
2~R
9同士は、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC-R
2~C-R
9は、窒素原子に置き換えられていてもよく、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1およびr5は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r2およびr6は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、r3およびr7は、それぞれ独立して、0または1であり、r4およびr8は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、ここで、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよく、
h、l、j、kは、それぞれ独立して、1~18の整数を表し、
Y
3は、前記と同じ意味を表す。〕
【請求項9】
前記工程2において、前記工程1で得られた反応液に、前記式(V)で示される化合物と酸とを添加して反応を行う、請求項5~8の何れかに記載の重合性化合物の製造方法。
【請求項10】
前記酸が、無機酸または炭素数1~20の有機酸である、請求項9に記載の重合性化合物の製造方法。
【請求項11】
前記酸が酸性水溶液であり、前記有機溶媒が水非混和性有機溶媒である、請求項9または10に記載の重合性化合物の製造方法。
【請求項12】
前記酸が、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、スルホン酸類、スルフィン酸類、ギ酸、酢酸およびシュウ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項9~11のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性化合物の製造方法および溶液に関し、特に、光学フィルム等を作製するために用いられる重合性化合物を高収率で製造することができる重合性化合物の製造方法、並びに、当該製造方法により製造された重合性化合物を含む溶液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル表示装置(FPD)等に用いられる位相差板には、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板や、直線偏光の偏光振動面を90度変換する1/2波長板等がある。これらの位相差板は、ある特定の単色光に対しては正確に光線波長の1/4λあるいは1/2λの位相差に変換可能なものである。近年においては、広い波長域の光に対して均一な位相差を与え得る広帯域位相差板、いわゆる逆波長分散性を有する位相差板が種々検討されている。
【0003】
一方、モバイルパソコン、携帯電話等携帯型の情報端末の高機能化および普及に伴い、フラットパネル表示装置の厚みを極力薄く抑えることが求められてきている。その結果、構成部材である位相差板の薄層化も求められている。
薄層化の方法としては、フィルム基材に低分子重合性化合物を含有する重合性組成物を塗布することにより位相差板を作成する方法が近年有力視されている。そして、優れた波長分散性を有する低分子重合性化合物又はそれを用いた重合性組成物の開発が多く行われている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0004】
具体的には、実用的な低い融点を有し、汎用溶媒に対する溶解性に優れ、かつ、広い波長域において一様の偏光変換が可能な光学フィルムを得ることができる化合物が提供されてきた(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
また、例えば特許文献5では、下記の化合物(A)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒドとをトリエチルアミンなどの塩基の存在下で反応させることにより、特許文献4に記載の化合物を高収率で製造する技術が提案されている。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2012/147904号
【文献】国際公開第2012/141245号
【文献】国際公開第2014/126113号
【文献】国際公開第2014/010325号
【文献】国際公開第2015/141784号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献5に記載されたような、塩基としてトリエチルアミンを用いた従来の製造方法には、化合物を更に高収率で製造するという点において改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、光学フィルム等を作製するために用いられる重合性化合物を高収率で製造することができる重合性化合物の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記製造方法により製造された重合性化合物を含む溶液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、pKaが6.1以上9.5以下である塩基が存在する有機溶媒中において、下記式(I)で示される化合物と下記式(II)で示される化合物とを反応させれば、光学フィルム等を作製するために用いられる下記式(III)で示される重合性化合物を高収率で製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【化2】
【化3】
【化4】
【0010】
かくして本発明によれば、下記に示す重合性化合物の製造方法および溶液が提供される。
〔1〕pKaが6.1以上9.5以下である塩基が存在する有機溶媒中において、下記式(I)で示される化合物と、下記式(II)で示される化合物とを反応させて、下記式(III)で示される重合性化合物を含む反応液を得る工程を含む、重合性化合物の製造方法。
【化5】
(上記式(I)中、
Y
xは、単結合、-CH
2-、-CH
2-CH
2-、または-CH=CH-を表し、
A
1およびB
1は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y
1およびY
2は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR
21-C(=O)-、-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR
21-、-NR
21-C(=O)-NR
22-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-CH
2-、-NR
21-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-NR
21-、-CH
2-CH
2-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、または、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-を表し、R
21およびR
22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
L
1は、炭素数1~20のアルキレン基、および、炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH
2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基のいずれかの有機基であり、L
1の前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、ただし、L
1の両末端のメチレン基(-CH
2-)が-O-または-C(=O)-に置換されることはなく、
P
1は、水素原子または重合性基を表し、
pは、0~3の整数であり、
Gは脱離基を表す。)
【化6】
(上記式(II)中、
Ar
1およびAr
2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
X
1およびX
2は、それぞれ独立して、-CHO、または、-C(=O)-R
aを表し、ここでR
aは置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
Y
3およびY
4は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR
21-C(=O)-、-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR
21-、または、-NR
21-C(=O)-NR
22-を表し、R
21およびR
22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
Qは、置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
nおよびmは、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
R
nおよびR
mは、それぞれ独立して、-CH
2-CH
2-OR
b、-CH
2-OR
b、-CH
2-CH
2-OH、-CH
2-OH、-OR
b、-COOR
b、-NHR
20、-SH、水酸基、またはカルボキシル基を表す。ここでR
20は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、R
bは、保護基を表し、R
nまたはR
mが、-CH
2-CH
2-OR
b、-CH
2-OR
b、-OR
b、または-COOR
bである時には、RnおよびRmの少なくとも一方は、-CH
2-CH
2-OH、-CH
2-OH、-NHR
20、-SH、水酸基、またはカルボキシル基である。〕
【化7】
(上記式(III)中、
A
1、A
2、B
1およびB
2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Ar
1およびAr
2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
X
1およびX
2は、それぞれ独立して-CHO、または、-C(=O)-R
aを表し、ここでR
aは置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
Z
1およびZ
2は、それぞれ独立して、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-S-、-S-C(=O)-、-NR
20-C(=O)-、-C(=O)-NR
20-、-CH=CH-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH=CH-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-、-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-、-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-O-C(=O)-を表し、R
20は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
Y
1~Y
6は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR
21-C(=O)-、-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR
21-、-NR
21-C(=O)-NR
22-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-CH
2-、-NR
21-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-NR
21-、-CH
2-CH
2-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、または、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-を表し、R
21およびR
22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
L
1およびL
2は、炭素数1~20のアルキレン基、および、炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH
2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基のいずれかの有機基であり、L
1およびL
2の前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、ただし、L
1およびL
2の両末端のメチレン基(-CH
2-)が-O-または-C(=O)-に置換されることはない、
Qは、置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
P
1およびP
2は、それぞれ独立して、水素原子または重合性基を表し、P
1およびP
2の少なくとも一方は重合性基を表し、
p、q、nおよびmは、それぞれ独立して、0~3の整数である。)
【0011】
〔2〕前記塩基が、第3級アミンである、前記〔1〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【0012】
〔3〕前記塩基が、pKaが6.5以上7.5以下である、前記〔1〕または〔2〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【0013】
〔4〕前記塩基として、炭素数1~6のアルキル基を少なくとも2つ有するピリジン類を少なくとも1種を使用する、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【0014】
〔5〕前記塩基として、ピリジンにおける2位、4位および6位の水素原子のうち少なくとも2つの水素原子が炭素数1~6のアルキル基で置換されたピリジン類を少なくとも1種を使用する、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【0015】
〔6〕前記塩基として、2、4-ルチジン、2、6-ルチジン、および2、4、6-コリジンからなる群から選択される少なくとも1種を使用する、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【0016】
〔7〕前記Ar
1-X
1およびAr
2-X
2が、それぞれ独立して、下記式(VIII-1)~(VIII-7)のいずれかで示される、前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化8】
〔上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、
Wは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1は、0~3の整数であり、r2は0~4の整数であり、r3は0または1であり、r4は0~2の整数である。
ただし、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。〕
【0017】
〔8〕前記式(III)で示される重合性化合物が、下記式(III-1)~(III-6)のいずれかで示される、前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化9】
〔上記式(III-1)~(III-6)中、
W
1およびW
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
n1は、0~1の整数であり、
m1は、0~1の整数であり、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1およびr5は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r2およびr6は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、r3およびr7は、それぞれ独立して、0または1であり、r4およびr8は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、ここで、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよく、
A
1、A
2、B
1、B
2、Y
1~Y
6、L
1、L
2、P
1、P
2、Z
1、Z
2、Q、p、およびqは、前記と同じ意味を表す。〕
【0018】
〔9〕前記P
1およびP
2は、それぞれ独立して、下記式(IV)で示される、前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化10】
〔上記式(IV)中、Rcは、水素原子、メチル基または塩素原子を表す。〕
【0019】
〔10〕前記Qが下記式(VII-1)~(VII-29)のいずれかで示される、前記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化11】
【0020】
〔11〕下記式(XII)で示される重合性化合物の存在下で、前記式(I)で示される化合物と、前記式(II)で示される化合物とを反応させる、前記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化12】
(上記式(XII)中、
A
1、B
1aおよびB
1bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y
1a、Y
1b、Y
2aおよびY
2bは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR
21-C(=O)-、-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR
21-、-NR
21-C(=O)-NR
22-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-CH
2-、-NR
21-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-NR
21-、-CH
2-CH
2-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、または、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-を表し、R
21およびR
22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
L
1aおよびL
1bは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキレン基、および、炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH
2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基のいずれかの有機基であり、L
1aおよびL
1bの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、ただし、L
1aおよびL
1bの両末端のメチレン基(-CH
2-)が-O-または-C(=O)-に置換されることはない、
P
1aおよびP
1bは、それぞれ独立して、重合性基を表し、
p1およびp2は、それぞれ独立して、0~3の整数を表す。)
【0021】
〔12〕前記〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法を用いて前記式(III)で示される重合性化合物を得る工程1と、該工程1で得られた前記式(III)で示される重合性化合物と、下記(V)で示される化合物とを反応させて、下記式(VI)で示される重合性化合物を得る工程2とを含む、重合性化合物の製造方法。
【化13】
(上記式(V)中、
Dは、下記式(V-I)または(V-II)で示され、
【化14】
【化15】
ここで、*は、アミノ基を表し、
Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、
Ayは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
R
xは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表す。)
【化16】
(上記式(VI)中、
W
1およびW
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
Ar
3およびAr
4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
D
1およびD
2は、それぞれ独立して、下記式(V-I)または(V-II)で示され、
【化17】
【化18】
ここで、*は、アミノ基を表し、
Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、
Ayは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
R
xは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
A
1、A
2、B
1、B
2、Y
1~Y
6、L
1、L
2、P
1、P
2、Z
1、Z
2、Q、p、q、n、およびmは、前記と同じ意味を表す。)
【0022】
〔13〕前記Ar
3-W
1C=N-D
1およびAr
4-W
2C=N-D
2が、それぞれ独立して、下記式(IX-1)~(IX~14)のいずれかで示される、前記〔12〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【化19】
〔上記式(IX-1)~(IX-14)中、
Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、
Ayは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
R
xは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
Wは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1は、0~3の整数であり、r2は0~4の整数であり、r3は0または1であり、r4は0~2の整数である。
ただし、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。〕
【0023】
〔14〕前記Axは、それぞれ独立して、下記式(XI)で示される、前記〔12〕または〔13〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【化20】
〔上記式(XI)中、
R
2~R
5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF
3、-O-C(=O)-R
b1、または、-C(=O)-O-R
b1を表し、
R
b1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基を表し、
複数のR
2~R
5同士は、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC-R
2~C-R
5は、窒素原子に置き換えられていてもよい。〕
【0024】
〔15〕前記式(VI)で示される重合性化合物が、下記式(VI-1)~(VI-12)のいずれかで示される、前記〔12〕~〔14〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【化21】
【化22】
〔上記式(VI-1)~(VI-12)中、
W
1およびW
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表し、
Ay
1およびAy
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表し、
n1は、0~1の整数であり、
m1は、0~1の整数であり、
R
2~R
9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF
3、、-O-C(=O)-R
b1、または、-C(=O)-O-R
b1を表し、
R
b1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基を表し、
複数のR
2~R
9同士は、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC-R
2~C-R
9は、窒素原子に置き換えられていてもよく、
R
0は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、-C(=O)-R
a1、-O-C(=O)-R
a1、-C(=O)-O-R
a1、または-SO
2R
a1を表し、R
a1は、炭素数1~6のアルキル基、または、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表し、r1およびr5は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r2およびr6は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、r3およびr7は、それぞれ独立して、0または1であり、r4およびr8は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、ここで、R
0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよく、
h、l、j、kは、それぞれ独立して、1~18の整数を表し、
Y
3、Y
4、およびQは、前記と同じ意味を表す。〕
【0025】
〔16〕前記工程2において、前記工程1で得られた反応液に、前記式(V)で示される化合物と酸とを添加して反応を行う、前記〔12〕~〔15〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【0026】
〔17〕前記酸が、無機酸または炭素数1~20の有機酸である、前記〔16〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【0027】
〔18〕前記酸が酸性水溶液であり、前記有機溶媒が水非混和性有機溶媒である、前記〔16〕または〔17〕に記載の重合性化合物の製造方法。
【0028】
〔19〕前記酸が、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、スルホン酸類、スルフィン酸類、ギ酸、酢酸およびシュウ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、前記〔16〕~〔18〕のいずれかに記載の重合性化合物の製造方法。
【0029】
〔20〕前記〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の製造方法を用いて得られた前記式(III)で示される重合性化合物と、下記式(XII)で示される重合性化合物とを含む溶液。
【化23】
(上記式(XII)中、
A
1、B
1aおよびB
1bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y
1a、Y
1b、Y
2aおよびY
2bは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR
21-C(=O)-、-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR
21-、-NR
21-C(=O)-NR
22-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-CH
2-、-NR
21-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-NR
21-、-CH
2-CH
2-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、または、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-を表し、R
21およびR
22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
L
1aおよびL
1bは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキレン基、および、炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH
2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基のいずれかの有機基であり、L
1aおよびL
1bの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、ただし、L
1aおよびL
1bの両末端のメチレン基(-CH
2-)が-O-または-C(=O)-に置換されることはない、
P
1aおよびP
1bは、それぞれ独立して、重合性基を表し、
p1およびp2は、それぞれ独立して、0~3の整数を表す。)
【0030】
〔21〕前記〔12〕~〔19〕のいずれかに記載の製造方法を用いて得られた前記式(VI)で示される重合性化合物と、下記式(XII)で示される重合性化合物とを含む溶液。
【化24】
(上記式(XII)中、
A
1、B
1aおよびB
1bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y
1a、Y
1b、Y
2aおよびY
2bは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR
21-C(=O)-、-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR
21-、-NR
21-C(=O)-NR
22-、-O-CH
2-、-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-、-CH
2-CH
2-O-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-、-C(=O)-CH
2-、-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-、-CH
2-CH
2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH
2-、-CH
2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-C(=O)-O-、-NR
21-C(=O)-CH
2-、-NR
21-C(=O)-CH
2-CH
2-、-CH
2-C(=O)-NR
21-、-CH
2-CH
2-C(=O)-NR
21-、-O-C(=O)-O-CH
2-、-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-、-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-C(=O)-O-CH
2-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-、-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-、-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-、または、-CH
2-CH
2-NR
21-C(=O)-NR
22-O-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-O-NR
21-C(=O)-NR
22-CH
2-CH
2-を表し、R
21およびR
22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、
L
1aおよびL
1bは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキレン基、および、炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH
2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基のいずれかの有機基であり、L
1aおよびL
1bの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよく、ただし、L
1aおよびL
1bの両末端のメチレン基(-CH
2-)が-O-または-C(=O)-に置換されることはない、
P
1aおよびP
1bは、それぞれ独立して、重合性基を表し、
p1およびp2は、それぞれ独立して、0~3の整数を表す。)
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、光学フィルム等を作製するために用いられる重合性化合物を高収率で製造することができる重合性化合物の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記製造方法により製造された重合性化合物を含む溶液が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、「置換基を有していてもよい」とは、「無置換の、または、置換基を有する」の意味である。また、一般式中に含まれるアルキル基や芳香族炭化水素環基等の有機基が置換基を有する場合、当該置換基を有する有機基の炭素数には、置換基の炭素数を含まないものとする。例えば、炭素数6~20の芳香族炭化水素環基が置換基を有する場合、炭素数6~20の芳香族炭化水素環基の炭素数には、このような置換基の炭素数を含まないものとする。さらに、本発明において、「アルキル基」とは、鎖状(直鎖状または分岐状)の飽和炭化水素基を意味し、「アルキル基」には、環状の飽和炭化水素基である、「シクロアルキル基」は含まれないものとする。
【0033】
((1-1)重合性化合物の製造方法(第1の化合物の製造方法))
本発明の化合物の製造方法(第1の化合物の製造方法)は、pKaが6.1以上9.5以下である塩基が存在する有機溶媒中において、下記式(I)で示される化合物(以下、「化合物(I)」ということがある。)と、下記式(II)で示される化合物(以下、「化合物(II)」ということがある。)とを反応させて、下記式(III)で示される重合性化合物(以下、「化合物(III)」ということがある。)を含む反応液を得る工程1を含む。
【0034】
<<式(I)で示される化合物>>
以下、式(I)で示される化合物について説明する。
【化25】
【0035】
上記式(I)中、Yxは、単結合、-CH2-、-CH2-CH2-、または-CH=CH-である。
【0036】
上記式(I)中、A1およびB1は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、置換基を有していてもよい炭素数5~20の環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい炭素数2~20の芳香族基が好ましい。さらにA1が置換基を有していてもよい炭素数5~20の環状脂肪族基であり、B1が置換基を有していてもよい炭素数2~20の芳香族基であることが好ましい。B1が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
【0037】
環状脂肪族基の具体例としては、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の炭素数5~20のシクロアルカンジイル基;デカヒドロナフタレン-1,5-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基等の炭素数5~20のビシクロアルカンジイル基等が挙げられる。中でも、環状脂肪族基としては、置換されていてもよい炭素数5~20のシクロアルカンジイル基が好ましく、シクロヘキサンジイル基がより好ましく、特に、下記式(a)で表されるシクロヘキサン-1,4-ジイル基が好ましい。環状脂肪族基としては、式(a1)で表されるトランス体であっても、式(a2)で表されるシス体であっても、或いは、シス体とトランス体の混合物であってもよいが、式(a1)で表されるトランス体がより好ましい。
【0038】
【0039】
上記式(a)、(a1)および(a2)中、R0は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、ターシャリーブチル基等の炭素数1~6のアルキル基;炭素数2~6のアルケニル基;少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;-C(=O)-Ra1;-O-C(=O)-Ra1;-C(=O)-O-Ra1;または-SO2Ra1を表し、Ra1は、メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基、または、フェニル基、4-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基等の、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表す。置換基が複数の場合は、複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。R0としては、溶解性向上の観点から、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基が好ましい。R0が複数の場合は、複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
さらに、上記式(a)、(a1)および(a2)中、n2は0~4の整数である。そして、n2=0であることが好ましい。
【0040】
芳香族基の具体例としては、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、4,4’-ビフェニレン基等の、炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;フラン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基等の、炭素数2~20の芳香族複素環基;等が挙げられる。中でも、芳香族基としては、炭素数6~20の芳香族炭化水素環基が好ましく、フェニレン基がさらに好ましく、特に、下記式(b)で表される1,4-フェニレン基が好ましい。
【0041】
【化27】
(式中、R
0およびn2は前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。)
また、A
1とB
1の組合せは、A
1が上記式(a)、(a1)または(a2)であり、B
1が上記式(b)であることが好ましく、さらにA
1が上記式(a1)であり、B
1が上記式(b)であることが特に好ましい。
【0042】
上記式(I)中、Y1およびY2は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR21-C(=O)-、-C(=O)-NR21-、-O-C(=O)-O-、-NR21-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NR21-、-NR21-C(=O)-NR22-、-O-CH2-、-O-CH2-CH2-、-CH2-O-、-CH2-CH2-O-、-CH2-O-CH2-、-CH2-CH2-O-CH2-、-CH2-O-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-CH2-CH2-、-C(=O)-CH2-、-C(=O)-CH2-CH2-、-CH2-C(=O)-、-CH2-CH2-C(=O)-、-O-C(=O)-CH2-、-CH2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH2-CH2-、-CH2-CH2-C(=O)-O-、-NR21-C(=O)-CH2-、-NR21-C(=O)-CH2-CH2-、-CH2-C(=O)-NR21-、-CH2-CH2-C(=O)-NR21-、-O-C(=O)-O-CH2-、-O-C(=O)-O-CH2-CH2-、-CH2-O-C(=O)-O-、-CH2-CH2-O-C(=O)-O-、-CH2-O-C(=O)-O-CH2-、-CH2-CH2-O-C(=O)-O-CH2-、-CH2-O-C(=O)-O-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-C(=O)-O-CH2-CH2-、-NR21-C(=O)-NR22-CH2-、-NR21-C(=O)-NR22-O-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-NR21-C(=O)-NR22-、-CH2-NR21-C(=O)-NR22-、-CH2-CH2-NR21-C(=O)-NR22-、-NR21-C(=O)-NR22-CH2-CH2-、-CH2-NR21-C(=O)-NR22-CH2-、-CH2-CH2-NR21-C(=O)-NR22-CH2-、-CH2-NR21-C(=O)-NR22-CH2-CH2-、-CH2-NR21-C(=O)-NR22-O-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-NR21-C(=O)-NR22-CH2-、または、-CH2-CH2-NR21-C(=O)-NR22-O-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-NR21-C(=O)-NR22-CH2-CH2-を表す。ここで、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。
中でも、Y1およびY2は、それぞれ独立して、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、または-O-C(=O)-であることが好ましい。
Y1が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
【0043】
上記式(I)中、L1は、炭素数1~20のアルキレン基、および、炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基のいずれかの有機基であり、L1の前記有機基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよい。なお、「炭素数3~20のアルキレン基に含まれるメチレン基(-CH2-)の少なくとも一つが-O-または-C(=O)-に置換された基」において、-O-は、アルキレン基中の連続したメチレン基を置換しない(すなわち、-O-O-の構造を形成しない)ことが好ましく、-C(=O)-は、アルキレン基中の連続したメチレン基を置換しない(すなわち、-C(=O)-C(=O)-の構造を形成しない)ことが好ましい。
【0044】
ここで、L1の有機基としては、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキレン基、または、フッ素原子で置換されていてもよい-(CH2)x-C(=O)-O-(CH2)y-で表される基(式中、x、yはそれぞれ2~12の整数を表し、好ましくは2~8の整数を表す。)が好ましく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~12のアルキレン基がより好ましく、無置換の炭素数2~12のアルキレン基が更に好ましく、-(CH2)z-で表される基(式中、zは2~12の整数を表し、好ましくは2~8の整数を表す。)が特に好ましい。
【0045】
上記式(I)中、P
1は、水素原子または重合性基を表す。ここで、P
1は、重合性基を表すことが好ましい。
ここで、P
1の重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のCH
2=CR
1-C(=O)-O-で表される基(R
1は、水素原子、メチル基、または塩素原子を表す。)、ビニル基、ビニルエーテル基、p-スチルベン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、カルボキシル基、メチルカルボニル基、水酸基、アミド基、炭素数1~4のアルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基またはチオイソシアネート基などが例示される。中でも、下式(IV)のような、CH
2=CRc-C(=O)-O-で表される基が好ましく、CH
2=CH-C(=O)-O-(アクリロイルオキシ基)、CH
2=C(CH
3)-C(=O)-O-(メタクリロイルオキシ基)がより好ましく、アクリロイルオキシ基がさらに好ましい。
【化28】
〔式(IV)中、Rcは、水素原子、メチル基または塩素原子を表す〕
【0046】
上記式(I)中、pは、0~3の整数であり、0~2の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
【0047】
上記式(I)中、Gは脱離基を表す。
ここで、Gの脱離基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、カンファースルホニルオキシ基等の有機スルホニルオキシ基;などが例示される。低コストで、収率よく目的物が得られる観点から、ハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
【0048】
上記式(I)で示される化合物は、下記式(XII)で示される重合性化合物を含有する混合物中であってもよい。
【化29】
【0049】
上記式(XII)中、A1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、B1aおよびB1bは、B1と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、Y1a、Y1b、Y2aおよびY2bは、前記Y1およびY2と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、L1aおよびL1bは、L1と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、P1aおよびP1bは、P1と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、p1およびp2は、pと同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0050】
<<式(II)で示される化合物>>
以下、式(II)で示される化合物について説明する。
【化30】
【0051】
上記式(II)中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
【0052】
そして、Ar1およびAr2の芳香族炭化水素環基としては、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,2-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、アントラセニル-9,10-ジイル基、アントラセニル-1,4-ジイル基、およびアントラセニル-2,6-ジイル基等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族炭化水素環基としては、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基または2,6-ナフチレン基が好ましく、1,4-フェニレン基が特に好ましい。
【0053】
また、Ar1およびAr2の芳香族複素環基としては、ベンゾチアゾール-4,7-ジイル基、1,2-ベンゾイソチアゾール-4,7-ジイル基、ベンゾオキサゾール-4,7-ジイル基、インドール-4,7-ジイル基、ベンゾイミダゾール-4,7-ジイル基、ベンゾピラゾール-4,7-ジイル基、1-ベンゾフラン-4,7-ジイル基、2-ベンゾフラン-4,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ジチアゾリル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ジチアゾリル-4,8-ジイル基、ベンゾチオフェニル-4,7-ジイル基、1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン-4,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェニル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェニル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:5,4-b’]ジフラニル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジフラニル-4,8-ジイル基、ベンゾ[2,1-b:4,5-b’]ジピロール-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:5,4-b’]ジピロール-4,8-ジイル基、およびベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ジイミダゾール-4,8-ジイル基等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族複素環基としては、ベンゾチアゾール-4,7-ジイル基、ベンゾオキサゾール-4,7-ジイル基、1-ベンゾフラン-4,7-ジイル基、2-ベンゾフラン-4,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ジチアゾリル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ジチアゾリル-4,8-ジイル基、ベンゾチオフェニル-4,7-ジイル基、1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン-4,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:5,4-b’]ジチオフェニル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェニル-4,8-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:5,4-b’]ジフラニル-4,8-ジイル基またはベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジフラニル-4,8-ジイル基が好ましい。
【0054】
芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、ターシャリーブチル基等の炭素数1~6のアルキル基;炭素数2~6のアルケニル基;少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;-C(=O)-Ra1;-O-C(=O)-Ra1;-C(=O)-O-Ra1;または-SO2Ra1を表し、Ra1は、メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基、または、フェニル基、4-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基等の、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素環基を表す。なお、置換基を複数有する場合は、各置換基は同一でも相異なっていてもよい。
【0055】
上記式(II)中、X1およびX2は、それぞれ独立して、-CHO、または、-C(=O)-Raを表し、ここでRaは置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表す。
Raの炭素数1~20の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。
【0056】
上記(II)中、Y3およびY4は、前記Y1およびY2と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0057】
上記式(II)中、Qは、置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表す。
Qの炭素数1~20の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~18の環状脂肪族基、置換基を有していてもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素環基が挙げられる。
【0058】
Qの置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、ターシャリーブチル基等の炭素数1~6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2~6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;-OCF3;-C(=O)-Rb1;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-O-Rb1;-O-C(=O)-Rb1または-SO2Ra1が挙げられる。
Ra1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
Rb1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基を表す。
置換基が複数の場合は、複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
Qの置換基としては、溶解性向上の観点から、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ニトロ基が好ましい。
Qが上述した置換基を複数有する場合は、置換基は同一でも相異なっていてもよい。
【0059】
Rb1の、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である場合における炭素数1~20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、1-メチルペンチル基、1-エチルペンチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、およびn-イコシル基等が挙げられる。なお、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基の炭素数は、1~12であることが好ましく、4~10であることが更に好ましい。
【0060】
Rb1の、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基の炭素数2~20である場合におけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、およびイコセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基の炭素数は、2~12であることが好ましい。
【0061】
Rb1の炭素数1~20のアルキル基および炭素数2~20のアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素数1~12のアルコキシ基で置換された炭素数1~12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾチアゾール-2-イルチオ基等の、炭素数2~20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数3~8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の炭素数2~12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6~14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~12のフルオロアルキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;およびベンゾジオキサニル基等が挙げられる。これらの中でも、Rb1の炭素数1~20のアルキル基および炭素数2~20のアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;フラニル基、チオフェニル基等の、炭素数2~20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~8のシクロアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~12のフルオロアルキル基が好ましい。
なお、Rb1の炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基は、上述した置換基から選ばれる複数の置換基を有していてもよい。Rb1の炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
【0062】
Rb1の、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基である場合における炭素数3~12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。これらの中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
Rb1の炭素数3~12のシクロアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;および、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基等が挙げられる。中でも、Rb1の炭素数3~12のシクロアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;および、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基が好ましい。
なお、Rb1の炭素数3~12のシクロアルキル基は、複数の置換基を有していてもよい。Rb1の炭素数3~12のシクロアルキル基が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
【0063】
Rb1の、置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基である場合における炭素数5~18の芳香族炭化水素環基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。これらの中でも、フェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数5~18の芳香族炭化水素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素数1~12のアルコキシ基で置換された炭素数1~12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素数2~20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数3~8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の炭素数2~12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6~14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~12のフルオロアルキル基;-OCF3;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基等が挙げられる。中でも、炭素数5~18の芳香族炭化水素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;フラニル基、チオフェニル基等の、炭素数2~20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~8のシクロアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~12のフルオロアルキル基;-OCF3から選ばれる少なくとも1つの置換基が好ましい。
なお、炭素数5~18の芳香族炭化水素環基は、複数の置換基を有していてもよい。炭素数5~18の芳香族炭化水素環基が複数の置換基を有する場合、置換基は同一でも相異なっていてもよい。
【0064】
Qは、下記式(VII-1)~(VII-29)のいずれかで表される基であることが好ましく、下記式で表される基は、上述した置換基を有していてもよい。
【化31】
【0065】
上記式(II)中、nおよびmは、それぞれ独立して0~3の整数であり、それぞれ独立して0~2の整数が好ましく、それぞれ独立して0または1がより好ましい。また、n=m=0である場合、n=0、m=1である場合、n=1、m=1である場合のいずれかが特に好ましい。
【0066】
上記式(II)中、RnおよびRmは、それぞれ独立して、-CH2-CH2-ORb、-CH2-ORb、-CH2-CH2-OH、-CH2-OH、-ORb、-COORb、-NHR20、-SH、水酸基、またはカルボキシル基を表す。
【0067】
ここで、R20は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表される。中でも、水素原子が好ましい。
【0068】
また、Rbは、保護基を表す。
ここで、Rbの保護基としては、特に限定されることなく、水酸基またはカルボキシル基の保護基、例えば、テトラヒドロピラニル基、メトキシメチル基、2-メトキシエトキシメチル基、ターシャリブチルジメチルシリル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が挙げられる。それらの中でも、テトラヒドロピラニル基、2-メトキシエトキシメチル基、ターシャリブチルジメチルシリル基が好ましい。
【0069】
RnおよびRmは、それぞれ独立して、-CH2-CH2-ORb、-CH2-ORb、-CH2-CH2-OH、-CH2-OH、-ORb、-COORb、水酸基、またはカルボキシル基であることが好ましい。この中でも-CH2-CH2-ORb、-CH2-ORb、-CH2-CH2-OH、-CH2-OH、-ORbまたは水酸基が更に好ましく、-ORbまたは水酸基が特に好ましい。
【0070】
さらに、RnまたはRmが、-CH2-CH2-ORb、-CH2-ORb、-ORb、または-COORbである時には、RnおよびRmの少なくとも一方は、-CH2-CH2-OH、-CH2-OH、-NHR20、-SH、水酸基、またはカルボキシル基である。
【0071】
<<式(III)で示される重合性化合物>>
以下、式(III)で示される重合性化合物について説明する。ここで、重合性化合物(III)は、化合物(II)と、一種の化合物(I)または構造の異なる二種の化合物(I)とが反応して形成されたものである。
式(III)で示される重合性化合物において、「P
1-L
1-Y
2・・・・A
1-(※)」と「(※)-A
2-・・・Y
6-L
2-P
2」とは(※)を対称中心とした対称構造であってもよいし、対称構造でなくてもよい。
【化32】
【0072】
上記式(III)中、A1およびB1は、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、A2およびB2は、それぞれ独立して、前記A1およびB1と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、X1およびX2は、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0073】
上記式(III)中、Z1およびZ2は、化合物(I)の-Yx-C(=O)-Gと化合物(II)のRnまたはRmとが反応して形成される基であり、それぞれ独立して、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-S-、-S-C(=O)-、-NR20-C(=O)-、-C(=O)-NR20-、-CH=CH-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH=CH-、-CH2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH2-、-CH2-O-C(=O)-、-C(=O)-O-CH2-、-CH2-CH2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-C(=O)-、-C(=O)-O-CH2-CH2-、-C(=O)-O-C(=O)-を表す。ここで、R20は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。
中でも、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-CH2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH2-、-CH2-O-C(=O)-、-C(=O)-O-CH2-、-CH2-CH2-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-C(=O)-、または、-C(=O)-O-CH2-CH2-であることが好ましく、特に-C(=O)-O-、または、-O-C(=O)-であることが好ましい。
【0074】
上記式(III)中、Y1~Y4は、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、Y5およびY6は、それぞれ独立して、前記Y1およびY2と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0075】
上記式(III)中、L1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、L2は、前記L1と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0076】
上記式(III)中、Qは、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0077】
上記式(III)中、P1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、P2は、前記P1と同じ意味を表し、その好適例も同じである。P1およびP2の少なくとも一方は重合性基を表す。
【0078】
上記式(III)中、p、nおよびmは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、qは、前記pと同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0079】
上記式(III)中、前記Ar
1-X
1およびAr
2-X
2は、それぞれ独立して、下記式(VIII-1)~(VIII-7)のいずれかで示されることが好ましい。
【化33】
【0080】
上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、Wは、水素原子、または、炭素数1~6のアルキル基を表す。ここで、Wの炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、ターシャリーブチル基等が挙げられる。
【0081】
上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、R0は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
ただし、R0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
【0082】
上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、r1は、0~3の整数であり、0~2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、r2は、0~4の整数であり、0~3の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0または1であることが特に好ましく、0であることが最も好ましい。
上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、r3は、0または1であり、0であることが好ましい。
上記式(VIII-1)~(VIII-7)中、r4は、0~2の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
【0083】
上記式(III)で示される重合性化合物が、下記式(III-1)~(III-6)のいずれかで示されることが好ましい。
【化34】
【0084】
上記式(III-1)~(III-6)中、W1およびW2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~20の有機基を表す。これらの中でも、W1およびW2は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0085】
上記式(III-1)~(III-6)中、n1およびm1は、それぞれ独立して0~3の整数であり、それぞれ独立して0~2の整数が好ましく、それぞれ独立して0または1がより好ましい。また、n=m=0である場合、n=0、m=1である場合、n=1、m=1である場合のいずれかが特に好ましい。
【0086】
上記式(III-1)~(III-6)中、R0は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0087】
上記式(III-1)~(III-6)中、r1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、r5は、前記r1と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
上記式(III-1)~(III-6)中、r2は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、r6は、前記r2と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
上記式(III-1)~(III-6)中、r3は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、r7は、前記r3と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
上記式(III-1)~(III-6)中、r4は、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じであり、r8は、前記r4と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0088】
上記式(III-1)~(III-6)中、A1、A2、B1、B2、Y1~Y6、L1、L2、P1、P2、Z1、Z2、Q、p、およびqは、前記と同じ意味を表し、その好適例も同じである。
【0089】
<<塩基>>
前記塩基のpKaとしては、6.1以上9.5以下であり、6.15以上であることが好ましく、6.5以上であることがより好ましく、6.65以上であることが特に好ましく、7.5以下であることが好ましく、6.99以下であることがより好ましい。
前記塩基のpKaが、6.1以上、好ましくは6.5以上であることにより、上記式(III)で示される重合性化合物を高収率で製造することができ、9.5以下、好ましくは7.5以下であることにより、上記式(III)で示される重合性化合物を高収率で製造することができる。
ここで、pKaは、水中、25℃での値であり、CRC Handbook of Chemistry and Physics 87th Edition(CRC Press)に記載の値であり、当該文献に記載が無い場合は、SciFinder(Chemical Abstracts Service,American Chemical Society)に記載のシミュレーションの値である。
【0090】
また、前記塩基としては、炭素数1~6のアルキル基を少なくとも2つ有するピリジン類が好ましく、ピリジンにおける少なくとも2つの水素原子が炭素数1~6のアルキル基で置換されたピリジン類(例えば、2、4-ルチジン、2、6-ルチジン、2、4、6-コリジン、3,5-ルチジン、3,4-ルチジン、など)がより好ましく、ピリジンにおける2位、4位および6位の水素原子のうち少なくとも2つの水素原子が炭素数1~6のアルキル基で置換されたピリジン類がさらにより好ましく、2、4-ルチジン、2、6-ルチジン、2、4、6-コリジンが特に好ましい。
【0091】
塩基の使用量は、化合物(I)1モルに対し、通常1~3モルである。
【0092】
<<有機溶媒>>
前記有機溶媒としては、反応に不活性なものであれば、特に限定されない。例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒;N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン等のエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
これらの中でも、収率よく目的物が得られる観点から、アミド系溶媒、エーテル系溶媒等の極性溶媒が好ましい。
【0093】
有機溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、化合物(I)1gに対し、通常1~50gである。
【0094】
<工程1>
上記工程1は、有機溶媒中、塩基の存在下、化合物(I)と化合物(II)とを反応させて化合物(III)を含む反応液を得る工程である。
化合物(II)と化合物(I)との使用割合は、(化合物(II):化合物(I))のモル比で、1:2~1:4であることが好ましく、1:2~1:3であることがより好ましく、1:2~1:2.5であることが特に好ましい。
なお、化合物(I)の異なる2種を用い、段階的に反応を行えば、左右に異なる基を有する化合物を得ることができる。すなわち、化合物(II)の1モルに、化合物(I)の1モルを反応させた後、他の化合物(I)の1モルを反応させ、左右に異なる基を有する化合物を得ることができる。
【0095】
反応方法としては、(α)化合物(II)および塩基の有機溶媒溶液に、化合物(I)または化合物(I)の有機溶媒溶液を添加する方法、(β)化合物(I)および塩基の有機溶媒溶液に、化合物(II)又は化合物(II)の有機溶媒溶液を添加する方法、(γ)化合物(II)または化合物(I)の有機溶媒溶液に塩基を添加する方法;等が挙げられ、収率よく目的物が得られることから、(α)の方法が好ましい。
【0096】
反応温度は、-20℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは-15℃~+30℃であり、より好ましくは0℃~10℃である。
反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から数時間である。
得られる反応液は、上記温度を保ったまま、洗浄・抽出操作等することなく、そのまま後述する次の工程2に供される。
【0097】
なお、化合物(II)および化合物(I)の多くは公知物質であり、公知の方法(例えば、国際公開第2014/010325号および国際公開第2012/147904号に記載の方法)で製造し、入手することができる。化合物(II)は、市販されているものをそのまま、又は所望により精製して用いることができる。
化合物(I)のうち、Gがハロゲン原子(hal)である化合物は、例えば、下記に示す方法により製造することができる。
先ず、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸に、スルホニルクロライドを、トリエチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基存在下で反応させる。
次いで、得られた反応混合物に、下記化合物(XII-b)と、トリエチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基を加えて反応を行うことで、下記化合物Mを得る。
スルホニルクロライドの使用量は、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸1当量に対して、通常0.5~1.0当量であり、0.5~0.6当量であることが好ましい。ここで、当量とは、「モル当量」を意味する。
化合物(XII-b)の使用量は、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸1当量に対して、通常0.5~1.0当量である。
塩基の使用量は、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸1当量に対して、通常1.0~2.5当量であり、1.0~1.4当量であることが好ましい。
反応温度は、20~30℃であり、反応時間は反応規模等にもよるが、数分から数時間である。
その後、得られた化合物Mに、塩化チオニル、臭化チオニル、塩化スルフリル等のハロゲン化剤を作用させることにより、化合物(XII-b-x)(式(I)で示される化合物の一例)を得ることができる。
【化35】
【化36】
【化37】
【0098】
上記化合物Mを得る反応に用いる溶媒としては、上記化合物(III)を製造する際に用いることができる溶媒を用いることができる。中でも、エーテル系溶媒が好ましい。
また、式(II-b-x)で表される化合物を得る反応に用いる溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等のアミド系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;これらの2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸1gに対し、通常1~50gである。
【0099】
((1-2)重合性化合物の製造方法(第2の化合物の製造方法))
本発明の化合物の製造方法(第2の化合物の製造方法)は、上記工程1と、該工程1で得られた化合物(III)と、下記(V)で示される化合物(以下、「化合物(V)」ということがある。)とを反応させて、下記式(VI)で示される重合性化合物(以下、「化合物(VI)」ということがある。)を得る工程2とを含む。
【0100】
【0101】
上記式(V)中、Dは、下記式(V-I)または(V-II)で示される。
【化39】
【化40】
【0102】
上記式(V-I)および式(V-II)中、*は、アミノ基を表す。
上記式(V-I)および式(V-II)中、Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基を表し、Axが有する芳香環は置換基を有していてもよく、AyおよびRxは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基を表す。
【0103】
Axが有する炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基は、芳香環を複数個有するものであってもよく、芳香族炭化水素環および芳香族複素環を有するものであってもよい。また、芳香族炭化水素環および芳香族複素環を複数有する場合は、それぞれが同じであっても異なっていてもよい。
【0104】
なお、Axが有する芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましい。
【0105】
また、Axが有する芳香族複素環としては、例えば、1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン環、1-ベンゾフラン環、2-ベンゾフラン環、アクリジン環、イソキノリン環、イミダゾール環、インドール環、オキサジアゾール環、オキサゾール環、オキサゾロピラジン環、オキサゾロピリジン環、オキサゾロピリダジン環、オキサゾロピリミジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キノリン環、シンノリン環、チアジアゾール環、チアゾール環、チアゾロピラジン環、チアゾロピリジン環、チアゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、チオフェン環、トリアジン環、トリアゾール環、ナフチリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピラノン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピロール環、フェナントリジン環、フタラジン環、フラン環、ベンゾ[c]チオフェン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾトリアジン環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾピラゾール環、ペンゾピラノン環等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族複素環としては、フラン環、ピラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環等の単環の芳香族複素環;およびベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、1-ベンゾフラン環、2-ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン環、ベンゾ[c]チオフェン環、チアゾロピリジン環、チアゾロピラジン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、およびベンゾチアジアゾール環等の縮合環の芳香族複素環が好ましい。
【0106】
Axが有する芳香環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2~6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;-OCF3;-C(=O)-Rb1;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-O-Rb1;および-SO2Ra1;等が挙げられる。ここで、Rb1およびRa1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
これらの中でも、Axが有する芳香環の置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF3、-O-C(=O)-Rb1、または、-C(=O)-O-Rb1が好ましく、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、および、炭素数1~6のアルコキシ基がより好ましい。
なお、Axは、上述した置換基から選ばれる複数の置換基を有していてもよい。Axが複数の置換基を有する場合、置換基は同一でも相異なっていてもよい。
【0107】
ここで、Axが有する芳香環は、同一の、または、相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は単環であっても、縮合多環であってもよく、不飽和環であっても、飽和環であってもよい。
なお、Axの炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない芳香族炭化水素環および芳香族複素環自体の炭素数を意味する。
【0108】
そして、Axの、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基としては、例えば、以下の1)~5):
1)少なくとも一つの炭素数6~30の芳香族炭化水素環を有する、炭素数6~40の炭化水素環基、
2)炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2~40の複素環基、
3)炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも1つで置換された、炭素数1~12のアルキル基、
4)炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも1つで置換された、炭素数2~12のアルケニル基、および
5)炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも1つで置換された、炭素数2~12のアルキニル基、
が挙げられる。
【0109】
上述した1)の、「少なくとも一つの炭素数6~30の芳香族炭化水素環を有する、炭素数6~40の炭化水素環基」における芳香族炭化水素環の具体例としては、Axが有する芳香族炭化水素環の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。そして、上述した1)の炭化水素環基としては、例えば、炭素数6~30の芳香族炭化水素環基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、およびフルオレニル基等)、インダニル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、並びに、1,4-ジヒドロナフチル基が挙げられる。
【0110】
上述した2)の、「炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2~40の複素環基」における芳香族炭化水素環および芳香族複素環の具体例としては、Axが有する芳香族炭化水素環および芳香族複素環の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。そして、上述した2)の複素環基としては、例えば、炭素数2~30の芳香族複素環基(フタルイミド基、1-ベンゾフラニル基、2-ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジニル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロフラニル基、およびテトラヒドロフラニル基等)、2,3-ジヒドロインドリル基、9,10-ジヒドロアクリジニル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロフラニル基、およびテトラヒドロフラニル基が挙げられる。
【0111】
上述した3)の、「炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも1つで置換された、炭素数1~12のアルキル基」における炭素数1~12のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。そして、上述した3)における炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の具体例としては、上述した1)および2)において、炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。
【0112】
上述した4)の、「炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも1つで置換された、炭素数2~12のアルケニル基」における炭素数2~12のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基などが挙げられる。そして、上述した4)における炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の具体例としては、上述した1)および2)において、炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。
【0113】
上述した5)の、「炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも1つで置換された、炭素数2~12のアルキニル基」における炭素数2~12のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロピニル基などが挙げられる。そして、上述した5)における炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の具体例としては、上述した1)および2)において、炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。
【0114】
なお、上記1)~5)において列挙した有機基は、1または複数の置換基を有していてもよい。複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
【0115】
かかる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2~6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;-OCF3;-C(=O)-Rb1;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-O-Rb1;および-SO2Ra1;等が挙げられる。ここでRb1、Ra1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
これらの中でも、上記1)~5)において列挙した有機基が有する置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF3、-O-C(=O)-Rb1、または、-C(=O)-O-Rb1が好ましく、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、および炭素数1~6のアルコキシ基がより好ましい。
【0116】
Axとしての、炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する有機基の好ましい具体例を以下に示す。但し、本発明は以下に示すものに限定されるものではない。なお、下記式中、「-」は環の任意の位置からのびるN原子(即ち、式(V-I)においてAxと結合するN原子)との結合手を表す。
【0117】
1)少なくとも一つの炭素数6~30の芳香族炭化水素環を有する、炭素数6~40の炭化水素環基の具体例としては、下記式(1-1)~(1-21)で表される構造が挙げられ、式(1-9)~(1-21)等で表される炭素数6~30の芳香族炭化水素環基が好ましい。
【化41】
【化42】
【0118】
2)炭素数6~30の芳香族炭化水素環および炭素数2~30の芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2~40の複素環基の具体例としては、下記式(2-1)~(2-51)で表される構造が挙げられ、式(2-12)~(2-51)等で表される炭素数2~30の芳香族複素環基が好ましい。
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
〔各式中、Xは、-CH
2-、-NR
c-、酸素原子、硫黄原子、-SO-または-SO
2-を表し、
YおよびZは、それぞれ独立して、-NR
c-、酸素原子、硫黄原子、-SO-または-SO
2-を表し、
Eは、-NR
c-、酸素原子または硫黄原子を表す。
ここで、R
cは、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基を表す。(但し、各式中において酸素原子、硫黄原子、-SO-、-SO
2-は、それぞれ隣接しないものとする。)〕
【0119】
3)炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも一つで置換された、炭素数1~12のアルキル基の具体例としては、下記式(3-1)~(3-8)で表される構造が挙げられる。
【化47】
【0120】
4)炭素数6~30の芳香族炭化水素環基および炭素数2~30の芳香族複素環基の少なくとも一つで置換された、炭素数2~12のアルケニル基の具体例としては、下記式(4-1)~(4-5)で表される構造が挙げられる。
【化48】
【0121】
5)芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換された、炭素数2~12のアルキニル基の具体例としては、下記式(5-1)~(5-2)で表される構造が挙げられる。
【化49】
【0122】
なお、上述したAxの好ましい具体例が有する環は、1または複数の置換基を有していてもよい。そして、複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2~6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;ジメチルアミノ基等の炭素数1~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;-OCF3;-C(=O)-Rb1;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-O-Rb1;および-SO2Ra1;等が挙げられる。ここで、Rb1およびRa1は前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
これらの中でも、Axが有する上記環が有する置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF3、-O-C(=O)-Rb1、または、-C(=O)-O-Rb1が好ましく、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、および炭素数1~6のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの置換基がより好ましい。
【0123】
上述した中でも、Axは、炭素数6~30の芳香族炭化水素環基、炭素数2~30の芳香族複素環基、又は前記式(1-9)で示される基であることが好ましい。
そして、Axは、炭素数6~20の芳香族炭化水素環基、又は、炭素数4~20の芳香族複素環基であることがより好ましく、上記式(1-14)、式(1-20)、式(2-27)~式(2-33)、式(2-35)~式(2-43)、および、式(2-50)~(2-51)で示される基のいずれかであることが一層好ましい。
【0124】
なお、前述した通り、上記の環は1または複数の置換基を有していてもよい。複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2~6のアルケニル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基;ジメチルアミノ基等の炭素数1~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;-C(=O)-Rb1;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-O-Rb1;-SO2Ra1;等が挙げられる。
ここで、Rb1およびRa1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
これらの中でも、上記環が有する置換基としてはハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基、および、炭素数1~6のアルコキシ基が好ましい。
【0125】
そして、Axとしては、下記式(XI)で表される基が更に好ましい。
【化50】
【0126】
ここで、式(XI)中、R2~R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCF3、-O-C(=O)-Rb1、または、-C(=O)-O-Rb1を表し、Rb1は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数5~12の芳香族炭化水素環基を表す。なかでも、R2~R5が全て水素原子であるか、R2~R5のうちの少なくとも一つが置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルコキシ基であり、且つ残りが水素原子であることが好ましい。
【0127】
そして、C-R2~C-R5同士は、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC-R2~C-R5は、窒素原子に置き換えられていてもよい。
【0128】
ここで、上記式(XI)で表される基のC-R
2~C-R
5のうちの少なくとも1つが窒素原子に置き換えられた基の具体例を下記に示す。但し、C-R
2~C-R
5のうちの少なくとも1つが窒素原子に置き換えられた基はこれらに限定されるものではない。
【化51】
〔各式中、R
2~R
5は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。〕
【0129】
また、上記式(V-I)および式(V-II)中におけるAyおよびRxの、置換基を有していてもよい炭素数1~30の有機基としては、特に制限されることなく、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、-SO2Ra1、-C(=O)-Rb1、-CS-NH-Rb1、置換基を有していてもよい炭素数6~30の芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい炭素数2~30の芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、Ra1およびRb1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
【0130】
なお、AyおよびRxの、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である場合における炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基である場合における炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基である場合における炭素数3~12のシクロアルキル基としては、上述したRb1の置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である場合における炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基である場合における炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基である場合における炭素数3~12のシクロアルキル基の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。さらに、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基の炭素数は、1~10であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基の炭素数は、2~10であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基の炭素数は、3~10であることが好ましい。
【0131】
更に、AyおよびRxの、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルキニル基である場合における炭素数2~20のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、2-プロピニル基(プロパルギル基)、ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、ペンチニル基、2-ペンチニル基、ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、2-オクチニル基、ノナニル基、デカニル基、7-デカニル基等が挙げられる。
【0132】
そして、AyおよびRxの、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である場合、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基である場合、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基である場合、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルキニル基である場合の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素数1~12のアルコキシ基で置換された炭素数1~12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素数2~20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数3~8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の炭素数2~12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6~14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~12のフルオロアルキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-Rb1;-O-C(=O)-Rb1;-C(=O)-O-Rb1;-SO2Ra1;-SRb1;-SRb1で置換された炭素数1~12のアルコキシ基;水酸基;等が挙げられる。ここで、Ra1およびRb1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
なお、AyおよびRxが炭素数1~20のアルキル基である場合、炭素数2~20のアルケニル基である場合、炭素数3~12のシクロアルキル基である場合、炭素数2~20のアルキニル基である場合は、上述した置換基を複数有していてもよく、複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
【0133】
また、AyおよびRxが、炭素数6~30の芳香族炭化水素環基である場合および炭素数2~30の芳香族複素環基である場合、それらの置換基としては、それぞれAxの芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基、並びに、それらの置換基として列記したものと同じものが挙げられる。AyおよびRxが炭素数6~30の芳香族炭化水素環基である場合および炭素数2~30の芳香族複素環基である場合、上記列記したものから選ばれる複数の置換基を有していてもよい。AyおよびRxが芳香族炭化水素環基である場合および芳香族複素環基である場合において、それらが複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。さらに、AyおよびRxの上記芳香族炭化水素環基の炭素数は、6~20であることが好ましく、6~18であることがより好ましく、6~12であることがさらに好ましい。また、AyおよびRxの上記芳香族複素環基の炭素数は、2~20であることが好ましく、2~18であることがより好ましい。
【0134】
上述した中でも、AyおよびRxとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい炭素数2~18の芳香族複素環基が好ましい。さらに、AyおよびRxとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~18のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2~18のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~12の芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい炭素数2~18の芳香族複素環基がより好ましい。なかでも、AyおよびRxとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基が特に好ましく、中でも、置換基を有していてもよい炭素数2~12のアルキル基がさらに特に好ましい。
【0135】
以下、式(VI)で示される重合性化合物について説明する。ここで、化合物(VI)は、化合物(III)と、一種の化合物(V)または構造の異なる二種の化合物(V)とが反応して形成されたものである。化合物(VI)を光学フィルム等の材料として良好に使用し得る。
【化52】
【0136】
上記式(VI)中、W1およびW2は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、Ar3およびAr4は、前記Ar1およびAr2と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、D1およびD2は、前記Dと同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、A1、A2、B1、B2、Y1~Y6、L1、L2、P1、P2、Z1、Z2、Q、p、q、n、およびmは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
【0137】
上記式(VI)中、Ar
3-W
1C=N-D
1およびAr
4-W
2C=N-D
2は、Ar
1-X
1またはAr
2-X
2と化合物(V)とが反応して形成される基であり、それぞれ独立して、下記式(IX-1)~(IX~14)のいずれかで示されることが好ましい。
【化53】
【0138】
上記式(IX-1)~(IX-14)中、Axは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、AyおよびRxは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、Wは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、R0は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。ただし、R0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
上記式(IX-1)~(IX-14)中、r1は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、r2は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、r3は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、r4は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
【0139】
上記式(VI)で示される重合性化合物が、下記式(VI-1)~(VI-12)のいずれかで示されることが好ましい。
【化54】
【化55】
【0140】
上記式(VI-1)~(VI-12)中、W1およびW2は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、Ay1およびAy2は、前記Ayと同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、nおよびmは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、R2~R5は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、R6~R9は、前記R2~R5と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。複数のR2~R9同士は、すべて同一であっても、相異なっていてもよく、環を構成する少なくとも1つのC-R2~C-R9は、窒素原子に置き換えられていてもよい。
上記式(VI-1)~(VI-12)中、R0は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。ここで、R0が複数存在する場合、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
上記式(VI-1)~(VI-12)中、r1~r4は、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じであり、r5~r8は、前記r1~r4と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
上記式(VI-1)~(VI-12)中、h、l、j、kは、それぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキレン基、または、フッ素原子で置換されていてもよい-(CH2)x-C(=O)-O-(CH2)y-で表される基(式中、x、yはそれぞれ2~12の整数を表し、好ましくは2~8の整数を表す。)が好ましく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~12のアルキレン基がより好ましく、無置換の炭素数2~12のアルキレン基が更に好ましく、-(CH2)z-で表される基(式中、zは2~12の整数を表し、好ましくは2~8の整数を表す。)が特に好ましい。
上記式(VI-1)~(VI-12)中、Y3、Y4、およびQは、前記と同じ意味を表し、その好適例も前記と同じである。
【0141】
<酸添加>
上記工程2において、上記工程1で得られた反応液に、上記式(V)で示される化合物と酸とを添加して反応を行うことが好ましい。
【0142】
酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、過塩素酸、硝酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸類;p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、10-カンファースルホン酸等のスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸等のスルフィン酸類;等の有機酸が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、収率よく目的物が得られる観点から、無機酸、炭素数1~20の有機酸が好ましく、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、スルホン酸類、スルフィン酸類、ギ酸、酢酸、シュウ酸が好ましく、塩酸、スルホン酸類が特に好ましい。
また、酸が酸性水溶液の形態で使用されることが好ましい。用いる酸性水溶液としては特に制限されないが、酸性水溶液のpHは、6以下が好ましく、2以下がより好ましい。ここで、酸が酸性水溶液の形態で含まれており、有機溶媒が後述する水非混和性有機溶媒であることにより、高純度の目的物をより高収率で得ることができる。
酸性水溶液の濃度は、0.1モル/リットル以上2モル/リットル以下であるのが好ましい。
酸性水溶液の使用量は、反応液に、化合物(V)と酸性水溶液を添加して、前記反応で生成する塩類を酸性水溶液に一旦完全に溶解させながら反応を行うことができるだけの量であることが好ましい。例えば、1.0規定の酸性水溶液であれば、化合物(I)10質量部に対し、1~20質量部、好ましくは5~15質量部である。
【0143】
<工程2>
上記工程2は、前記工程1で得られた反応液に、化合物(V)を添加して、化合物(III)と化合物(V)とを反応させる工程である。
この反応により、目的とする化合物(VI)を、高収率、高純度で得ることができる。
化合物(V)の使用量は、化合物(III)との割合が、(化合物(III):化合物(V))のモル比で、1:1~1:2であることが好ましく、1:1~1:1.5であることがより好ましく、1:1.2~1:1.5であることが特に好ましい。
【0144】
工程2の反応は、工程1で得られた反応液に、化合物(V)を添加して行う。前述の通り、工程1で得られた反応液は、洗浄、抽出等の後処理操作等することなく、そのまま使用されるため、コスト削減が図られる。
【0145】
化合物(V)は、所望により、適当な有機溶媒に溶解してから添加してもよい。用いる有機溶媒は、前記工程1で例示したのと同様のものを使用することができる。
【0146】
工程1で得られた反応液に、化合物(V)と酸性水溶液を添加して、前記反応で生成する塩類を酸性水溶液に一旦完全に溶解させながら反応を行うと、イオン性不純物の含有量が極めて少ない、高純度の化合物(VI)を高収率で得ることができる。すなわち、化合物(III)を含有する反応液に、酸性水溶液を添加することで、反応液中の、工程1の反応によって副生した塩類が完全に溶解され、反応系外に除かれるため、化合物(III)と化合物(V)との反応によって得られる化合物(VI)における、イオン性不純物の含有量を低減することができ、高純度で目的物を得ることができると考えられる。
【0147】
工程1で用いる有機溶媒(第1の有機溶媒)、または、工程2で化合物(V)を有機溶媒溶液の形態で添加する場合に用いる有機溶媒(第2の有機溶媒)の少なくとも一方、好ましくは両方が、水非混和性有機溶媒であることが好ましい。第1の有機溶媒及び/又は第2の有機溶媒として水非混和性有機溶媒を用いることで、イオン性不純物の含有量がより少ない、より高純度の化合物(VI)をより高収率で得ることができる。
【0148】
ここで、「水非混和性有機溶媒」は、20℃の水への溶解度が、10g(有機溶媒)/100ml(水)以下、好ましくは1g(有機溶媒)/100ml(水)以下、更に好ましくは0.1g(有機溶媒)/100ml(水)以下の有機溶媒である。
水非混和性有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等のエステル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素類;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;等が挙げられる。
【0149】
工程2の反応温度は、-20℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃~80℃である。反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から10時間である。
【0150】
反応終了後、反応液が有機層と水層の2層に分離する場合には、必要に応じて、水(食塩水)及び水非混和性有機溶媒を添加し、分液して有機層を分取する。
また、反応液が2層に分離しない場合には、必要に応じて、水(食塩水)及び水非混和性有機溶媒を添加し、分液して有機層を分取する。
いずれの場合にも、得られた有機層を有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、沈澱法、再結晶法、蒸留法、カラムクロマトグラフィー等の公知の分離・精製手段を施すことにより、目的とする化合物(VI)を単離することができる。
【0151】
イオン性不純物の低減、不溶分(高分子量体)を除去するため、吸着剤、及び、濾過助剤あるいは両方組み合わせて使用することができる。
ここで用いられる吸着剤としては、活性炭、シリカゲル(主成分SiO2)、合成吸着剤(主成分MgO、Al2O3、SiO2)、活性白土、アルミナ、イオン交換樹脂、吸着樹脂等が挙げられる。
濾過助剤としては珪藻土、シリカゲル(主成分SiO2)、合成ゼオライト、パーライト、ラジオライト等が挙げられる。
【0152】
これらの中でも、簡便な操作により収率よく、高純度の目的物を得ることができる観点から、得られた有機層を濃縮して、濃縮液から目的物の結晶を析出させる方法、又は、得られた有機層を濃縮し、濃縮液に貧溶媒を添加して目的物の結晶を析出させる方法のいずれかが好ましい。
後者の方法で用いる貧溶媒としては、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0153】
また、得られた結晶を更に再結晶法あるいは、沈殿法により精製することも好ましい。
再結晶法は、得られた(粗)結晶を、少量の溶媒に溶かし(溶け残りがあるようにする)、このものを加熱して完全に溶かし、熱時ろ過して不溶物を除去し、その後、ろ液を冷却して、結晶を析出させる方法である。
再結晶法に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類が挙げられる。
沈殿法は、得られた(粗)結晶を、少量の良溶媒に溶かして、そこに、貧溶媒を加えて、結晶を析出させる方法である。沈殿法に用いる良溶媒としては、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類が挙げられ、貧溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
また、再結晶溶媒や沈殿法における良溶媒に、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等の酸化防止剤を添加することも、高純度品を得る上で好ましい。酸化防止剤の添加量は、目的物の結晶100gに対して、1~500mgである。
再結晶法や沈殿法で、結晶を析出又は成長させる温度は、結晶が析出する温度であれば特に制限されないが、通常-20℃~50℃であり、-5℃~40℃が好ましく、0℃~25℃が特に好ましい。
【0154】
目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
【0155】
((2-1)溶液(第1の溶液))
本発明の溶液(第1の溶液)は、本発明の重合性化合物の製造方法を用いて得られた上記式(III)で示される重合性化合物を含み、必要に応じて、上記式(XII)で示される重合性化合物を含む溶液である。
前記溶液は、上記有機溶媒や、その他の配合物を含んでいてもよい。
【0156】
((2-2)溶液(第2の溶液))
本発明の溶液(第2の溶液)は、本発明の重合性化合物の製造方法を用いて得られた上記式(VI)で示される重合性化合物を含み、必要に応じて、上記式(XII)で示される重合性化合物を含む溶液である。
前記溶液は、上記有機溶媒や、その他の配合物を含んでいてもよい。
【実施例】
【0157】
以下、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
【0158】
(合成例1)化合物B(式(II)で示される化合物の一例)の合成
【化56】
【0159】
【0160】
温度計を備えた4つ口反応器において、窒素気流中、1,4-ジヒドロキシナフタレン20.0g(125mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド200mlに溶解した。この溶液に、炭酸カリウム51.8g(375mmol)、沃化メチル19.4ml(312mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応終了後、反応液をセライト濾過した。濾液を水500mlに投入し、酢酸エチル500mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、白色固体を得た。この白色固体をヘキサン(125ml)より再結晶することにより、無色結晶として中間体aを20.3g得た。収率は86.3モル%であった。中間体aの構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0161】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm):8.19-8.22(m、2H)、7.52-7.48(m、2H)、6.69(s、2H)、3.95(s、6H)。
【0162】
<ステップ2:中間体bの合成>
【化58】
温度計を備えた4つ口反応器において、窒素気流中、前記ステップ1で合成した中間体a15.0g(79.7mmol)をジクロロメタン100mlに溶解し、0℃に冷却した。この溶液に四塩化チタン(1.0Mジクロロメタン溶液)91.7ml(91.7mmol)、ジクロロメチルメチルエーテルに8.11ml(91.7mmol)を滴下し、0℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を氷水300mlに投入し、酢酸エチル500mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、白色固体を得た。この白色固体をヘキサン260mlより再結晶することにより、無色結晶として中間体bを16.6g得た。収率は96.4モル%であった。中間体bの構造は
1H-NMRで同定した。
1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0163】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm):10.58(s、1H)、8.28-8.31(m、1H)、8.20-8.22(m、1H)、7.61-7.67(m、2H)、7.13(s、1H)、4.10(s、3H)、4.03(s、3H)。
【0164】
<ステップ3:化合物B(式(II)で示される化合物の一例)の合成>
温度計を備えた4つ口反応器において、窒素気流中、前記ステップ2で合成した中間体b16.6g(76.8mmol)をジクロロメタン100mlに溶解し、-40℃に冷却した。この溶液に三臭化ほう素(17%ジクロロメタン溶液)230ml(230mmol)を滴下した後、室温に昇温し2時間撹拌した。反応終了後、反応液を氷水500mlに投入し、ジクロロメタン500mlで抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにてジクロロメタンを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30)により精製し、黄色固体として化合物Bを12.7g得た。収率は87.9モル%であった。目的物(化合物B)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0165】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm):12.31(s、1H)、9.88(s、1H)、8.45(d、1H、J=8.5Hz)、8.16(d、1H、J=8.5Hz)、7.72(dd、1H、J=7.8Hz、8.5Hz)、7.61(dd、1H、J=7.8Hz、8.5Hz)、6.83(s、1H)、5.17(s、1H)。
【0166】
(合成例2)化合物C(式(II)で示される化合物の他の一例)の合成
【化59】
【0167】
<ステップ1:中間体cの合成>
【化60】
温度計を備えた3つ口反応器において、窒素気流中、4-ヒドロキシ安息香酸20g(145mmol)と、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン14.62g(145mmol)とをテトラヒドロフラン200mlに加えて、均一な溶液とした。反応器を冷水浴に浸して反応液内温を15℃とした。そこへ、(±)-10-カンファースルホン酸336mg(1.45mmol)を加えた。その後、全容を25℃に戻して6時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液に、蒸留水1リットルと飽和食塩水100mlとを加え、酢酸エチル300mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物を、酢酸エチルを溶媒として再結晶を行った。析出した結晶をろ取した。得られた結晶を冷酢酸エチルで洗浄後、真空乾燥させて、白色固体として中間体cを9.0g得た。収率は28モル%であった。中間体cの構造は
1H-NMRで同定した。
1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0168】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):12.66(s、1H)、7.89(d、2H、J=9.0Hz)、7.09(d、2H、J=9.0Hz)、5.58(t、1H、J=3.5Hz)、3.75-3.70(m、1H)、3.59-3.55(m、1H)、1.92-1.48(m,6H)。
【0169】
【0170】
温度計を備えた3つ口反応器において、窒素気流中、前記ステップ1で合成した中間体c:6.0g(27mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド3.73g(27mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン330mg(2.7mmol)とをクロロホルム110mlに加えた。そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド4.09g(32.4mmol)を25℃にて、強撹拌しながらゆっくり滴下した。その後、25℃にて2時間撹拌して反応を行った。反応終了後、得られた反応液に蒸留水1リットルと飽和食塩水100mlを加え、酢酸エチル500mlで2回抽出した。有機層を集め、飽和食塩水500mlで洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=97:3(容積比))により精製して、白色固体として中間体dを4.5g得た。収率は49モル%であった。中間体dの構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0171】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm):10.94(s、1H)、9.87(d、1H、J=0.5Hz)、8.13(d、2H、J=9.0Hz)、7.44(d、1H、J=3.0Hz)、7.37(dd、1H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.15(d、2H、J=9.0Hz)、7.02(d、1H、J=9.0Hz)、5.55(t、1H、J=3.0Hz)、3.89-3.84(m、1H)、3.66-3.62(m、1H)、2.07-1.95(m、1H)、1.93-1.83(m、2H)、1.77-1.57(m、3H)。
【0172】
<ステップ3:化合物C(式(II)で示される化合物の他の一例)の合成>
温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、前記ステップ2で合成した中間体d:3.0g(8.76mmol)を酢酸/テトラヒドロフラン/水=4/2/1(質量比)の混合溶液40mlに加えた。その後、全容を45℃に加温して6時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液に蒸留水500mlを加え、酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=80:20(容積比))により精製して、白色固体として化合物Cを1.5g得た。収率は66モル%であった。目的物(化合物C)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0173】
1H-NMR(500MHz,THF-d8,TMS,δppm):10.91(s、1H)、10.07(s、1H)、9.36(s、1H)、8.15(d、2H、J=9.0Hz)、7.69(d、1H、J=3.0Hz)、7.51(dd、1H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.10(d、1H、J=9.0Hz)、6.98(d、2H、J=9.0Hz)。
【0174】
(合成例3)化合物D(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化62】
【0175】
温度計を備えた3つ口反応器において、窒素気流中、trans-4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸:5.0g(34.7mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド4.79g(34.7mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン424mg(3.47mmol)とを、クロロホルム100mlに加えた。そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド5.25g(41.6mmol)を15℃にて、強撹拌しながらゆっくり滴下した。その後、25℃にて8時間撹拌して反応を行った。反応終了後、得られた反応液に、蒸留水1リットルと、飽和食塩水100mlとを加え、酢酸エチル500mlで2回抽出した。有機層を集め、飽和食塩水500mlで洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=75:25(容積比))により精製して、白色固体として化合物Dを5.0g得た。収率は55モル%であった。目的物(化合物D)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0176】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):10.77(s、1H)、10.25(s、1H)、7.31(d、1H、J=3.0Hz)、7.26(dd、1H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.02(d、1H、J=9.0Hz)、4.62(d、1H、J=4.0Hz)、3.44-3.36(m、1H)、2.49-2.45(m、1H)、2.04-1.99(m、2H)、1.90-1.86(m、2H)、1.52-1.43(m、2H)、1.27-1.19(m、2H)。
【0177】
(合成例4)化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【0178】
【0179】
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、アジピン酸10g(68.4mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド18.9g(136.9mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン836mg(6.84mmol)と、クロロホルム250mlとを投入した。そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド20.7g(164.3mmol)を加えた。その後、25℃にて20時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液に蒸留水500mlと飽和食塩水100mlを加え、酢酸エチル300mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=90:10(容積比))により精製して、淡黄色固体として化合物Eを18g得た。収率は68.1モル%であった。目的物(化合物E)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0180】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):10.84(s、2H)、10.25(s、2H)、7.35(d、2H、J=3.0Hz)、7.29(dd、2H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.02(d、2H、J=9.0Hz)、2.65-2.60(m、4H)、1.75-1.69(m、4H)。
【0181】
(合成例5)化合物F(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化64】
【0182】
温度計を備えた3つ口反応器において、窒素気流中、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸10g(58.1mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド16.0g(116mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン710mg(5.8mmol)とをクロロホルム350mlに加えた。そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド17.6g(139mmol)を15℃にて、強撹拌しながらゆっくり滴下した。その後、25℃にて6時間撹拌して反応を行った。反応終了後、セライトを敷いたキリヤマロートを用いて、析出物をろ別、除去した。得られた反応液を0.1規定の塩酸水溶液300mlで洗浄した。さらに、有機層に飽和食塩水200mlを加え、洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=90:10(容積比))により精製して、淡黄色固体として化合物Fを18g得た。収率は75.1モル%であった。目的物(化合物F)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0183】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):10.78(s、2H)、10.26(s、2H)、7.34(d、2H、J=3.0Hz)、7.29(dd、2H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.03(d、2H、J=9.0Hz)、2.65-2.58(m、2H)、2.18-2.12(m、4H)、1.62-1.52(m、4H)。
【0184】
(合成例6)化合物G(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化65】
【0185】
温度計を備えた3つ口反応器において、窒素気流中、テレフタル酸10g(60.2mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド16.6g(120mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン735mg(6.0mmol)とをクロロホルム300mlに加えた。そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド18.2g(144.5mmol)を15℃にて、強撹拌しながらゆっくり滴下した。その後、25℃にて12時間撹拌して反応を行った。反応終了後、セライトを敷いたキリヤマロートを用いて、析出物をろ別、除去した。得られた反応液を0.1規定の塩酸水溶液100mlで洗浄した。さらに、有機層に飽和食塩水100mlを加え、洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=85:15(容積比))により精製して、淡黄色固体として化合物Gを12.3g得た。収率は50.3モル%であった。目的物(化合物G)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0186】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):10.88(s、2H)、10.30(s、2H)、8.31(s、4H)、7.58(d、2H、J=3.0Hz)、7.52(dd、2H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.10(d、2H、J=9.0Hz)。
【0187】
(合成例7)化合物H(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化66】
【0188】
温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、こはく酸10g(84.7mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド23.4g(169.4mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン1.04g(8.5mmol)とをクロロホルム250mlに加えた。この溶液を氷浴下にて、0℃に冷却した後、そこへN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド25.7g(203.3mmol)を加えた。その後、25℃にて20時間攪拌して反応を行った。反応終了後、生じた沈殿物をろ過した。得られたろ物を500mlのメタノールに投入して、室温下にて、1時間撹拌洗浄した。再びろ過を行い、メタノール500mlでろ物を洗浄して、白色固体として化合物Hを19.6g得た。収率は64.6モル%であった。目的物(化合物H)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0189】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm): 10.93(s、2H)、9.85(s、2H)、7.34(d、2H、J=2.5Hz)、7.27(dd、2H、J=2.5Hz、9.0Hz)、7.01(d、2H、J=9.0Hz)、3.01(s、4H)。
【0190】
(合成例8)化合物J(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化67】
温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、グルタル酸10g(75.7mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド20.9g(151.4mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン928mg(7.6mmol)とをクロロホルム250mlに加えた。この溶液を氷浴下にて、0℃に冷却した後、そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド22.9g(181.7mmol)を加えた。その後、25℃にて20時間攪拌した。反応終了後、反応液をロータリーエバポレーターにて溶媒を蒸発させて濃縮した。この反応液にメタノール500mlを加えて固体を析出させ、生じた固体をろ過した。得られたろ物を500mlのメタノールに投入して、室温下にて、1時間撹拌洗浄した。再びろ過を行い、メタノール500mlでろ物を洗浄して、白色固体として化合物Jを18.3g得た。収率は64.9モル%であった。目的物(化合物J)の構造は
1H-NMRで同定した。
1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0191】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm): 10.93(brs、2H)、9.85(s、1H)、9.85(s、1H)、7.34(d、2H、J=3.0Hz)、7.28-7.25(m、2H)、7.01(d、2H、J=9.0Hz)、2.75(t、4H、J=7.5Hz)、2.21(quin、2H、J=7.0Hz)。
【0192】
(合成例9)化合物K(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化68】
温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、ピメリン酸10g(62.4mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド17.2g(124.9mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン757mg(6.2mmol)とを、クロロホルム250mlに加えた。この溶液を氷浴下にて、0℃に冷却した後、そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド18.9g(149.9mmol)を加えた。その後、25℃にて20時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液に蒸留水500mlと飽和食塩水100mlを加え、クロロホルム300mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。得られた有機層をロータリーエバポレーターにて溶媒を蒸発させて濃縮した。この溶液にメタノール500mlを加えて固体を析出させ、生じた固体をろ過した。得られたろ物を500mlのメタノールに投入して、室温下にて、1時間撹拌洗浄した。再びろ過を行い、メタノール500mlでろ物を洗浄して、白色固体として化合物Kを16.7g得た。収率は66.7モル%であった。目的物(化合物K)の構造は
1H-NMRで同定した。
1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0193】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm): 10.91(s、2H)、9.83(s、2H)、7.32(d、2H、J=3.0Hz)、7.24(dd、2H、J=3.0Hz、9.0Hz)、7.00(d、2H、J=9.0Hz)、2.62(t、4H、J=7.5Hz)、1.86-1.80(m、4H)、1.59-1.53(m、2H)。
【0194】
(合成例10)化合物L(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化69】
温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、1,6-ヘキサンジカルボン酸10g(57.4mmol)と、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド15.9g(114.8mmol)と、N,N-ジメチルアミノピリジン696mg(5.7mmol)とを、クロロホルム250mlに加えた。この溶液を氷浴下にて、0℃に冷却した後、そこへ、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド17.4g(137.8mmol)を加えた。その後、25℃にて20時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液に蒸留水500mlと飽和食塩水100mlを加え、クロロホルム300mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。得られた有機層をロータリーエバポレーターにて溶媒を蒸発させて濃縮した。この溶液にメタノール500mlを加えて固体を析出させ、生じた固体をろ過した。得られたろ物を500mlのメタノールに投入して、室温下にて、1時間撹拌洗浄した。再びろ過を行い、メタノール500mlでろ物を洗浄して、灰色固体として化合物Lを13.8g得た。収率は58.2モル%であった。目的物(化合物L)の構造は
1H-NMRで同定した。
1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0195】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm): 10.91(s、2H)、9.85(s、1H)、9.85(s、1H)、7.32(d、2H、J=2.5Hz)、7.24(dd、2H、J=2.5Hz、9.0Hz)、7.00(d、2H、J=9.0Hz)、2.59(t、4H、J=7.5Hz)、1.81-1.78(m、4H)、1.51-1.48(m、4H)。
【0196】
【0197】
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、トランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸17.98g(104.42mmol)と、テトラヒドロフラン(THF)180mlとを投入した。そこへ、メタンスルホニルクロリド6.58g(57.43mmol)を加え、反応器を水浴に浸して反応液内温を20℃とした。次いで、トリエチルアミン6.34g(62.65mmol)を、反応液内温を20~30℃に保持しながら、10分間かけて滴下した。滴下終了後、全容を25℃で2時間さらに攪拌した。
得られた反応液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン0.64g(5.22mmol)と、4-(6-アクリロイルオキシ-ヘクス-1-イルオキシ)フェノール(DKSH社製)13.80g(52.21mmol)とを加え、再度反応器を水浴に浸して反応液内温を15℃とした。そこへ、トリエチルアミン6.34g(62.65mmol)を、反応液内温を20℃以上30℃以下に保持しながら、10分間かけて滴下し、滴下終了後、全容を25℃でさらに2時間攪拌した。反応終了後、反応液に、蒸留水1000mlと飽和食塩水100mlとを加え、酢酸エチル400mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて、ろ液から溶媒を蒸発除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(THF:トルエン=1:9(体積比))により精製することで、白色固体として化合物Mを14.11g得た。収率は65モル%であった。目的物(化合物M)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0198】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):12.12(s,1H)、6.99(d,2H,J=9.0Hz)、6.92(d,2H,J=9.0Hz)、6.32(dd,1H,J=1.5Hz,17.5Hz)、6.17(dd,1H,J=10.0Hz,17.5Hz)、5.93(dd,1H,J=1.5Hz,10.0Hz)、4.11(t,2H,J=6.5Hz)、3.94(t,2H,J=6.5Hz)、2.48-2.56(m,1H)、2.18-2.26(m,1H)、2.04-2.10(m,2H)、1.93-2.00(m,2H)、1.59-1.75(m,4H)、1.35-1.52(m,8H)。
【0199】
(合成例12)混合物O(式(I)で示される化合物と式(XII)で示される重合性化合物との混合物の一例)の合成
【化71】
・・・混合物O
【0200】
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、式(XII-a)で表されるtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド10.0g(47.83mmol)と、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)84mlと、テトラヒドロフラン(THF)31mlとを加えた。そこへ、式(XII-b)で表される4-(6-アクリロイルオキシ-ヘクス-1-イルオキシ)フェノール(DKSH社製)12.04g(45.55mmol)を加え、反応器を氷浴に浸して反応液内温を0℃とした。次いで、トリエチルアミン4.83g(47.83mmol)を、反応液内温を10℃以下に保持しながら、5分間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、全容を10℃以下に保持しながら1時間さらに攪拌した。
得られた反応液に、蒸留水30mlを加えた。この反応液を50℃に昇温した後、2時間洗浄(加水分解反応)した後、水層を抜き出した。さらに、得られた有機層に、蒸留水30mlを加えた後、全容を50℃にて2時間洗浄(加水分解反応)を行い、水層を抜き出した。得られた有機層を40℃に冷却した後、さらに、濃度1mol/リットルの酢酸と酢酸ナトリウムからなる緩衝溶液(pH:5.5)50gを加えて、撹拌することで洗浄した。その後、緩衝溶液水層を抜き出し、有機層を得た。この緩衝溶液による洗浄操作を合計5回行った。得られた有機層にさらに、蒸留水30mlで洗浄を行った後、水層を抜き出した。
得られた有機層に、40℃にてn-ヘキサン214mlを加えた後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。ろ過物をn-ヘキサンで洗浄後、真空乾燥させて、白色固体として混合物Oを16.78g得た。
得られた結晶をHPLCにて分析を行い、検量線にて定量を行ったところ、化合物M11.49g(27.45mmol)と、前記式(XII-I)で示される化合物(式(XII)で示される重合性化合物の一例)5.29g(7.96mmol)とが含まれており、目的物(混合物O)が得られたことが分かった。また、得られた結晶を13C-NMR(DMF-d7)にて分析を行い、シクロヘキサンジカルボン酸の含量を算出したところ、検出限界以下であった。それぞれの組成比からモル含量を計算すると、モノエステルの含量:77.52mol%、ジエステルの含量:22.48mol%であった。
【0201】
(合成例13)化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)の合成
【化72】
温度計を備えた4つ口反応器において、窒素気流中、2-ヒドラジノベンゾチアゾール2.00g(12.1mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解した。この溶液に、炭酸カリウム8.36g(60.5mmol)と、1-ヨードヘキサン3.08g(14.5mmol)とを加え、50℃で7時間撹拌した。反応終了後、反応液を20℃まで冷却し、反応液を水200mlに投入し、酢酸エチル300mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25(容積比))により精製し、白色固体として化合物Pを2.10g得た。収率は69.6モル%であった。目的物(化合物P)の構造は
1H-NMRで同定した。
1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0202】
1H-NMR(500MHz、CDCl3、TMS、δppm):7.60(dd、1H、J=1.0、8.0Hz)、7.53(dd、1H、J=1.0、8.0Hz)、7.27(ddd、1H、J=1.0、8.0、8.0Hz)、7.06(ddd、1H、J=1.0、8.0、8.0Hz)、4.22(s、2H)、3.74(t、2H、J=7.5Hz)、1.69-1.76(m、2H)、1.29-1.42(m、6H)、0.89(t、3H、J=7.0Hz)。
【0203】
(合成例14)化合物R(式(V-I)で示される化合物の他の一例)の合成
【化73】
【0204】
【0205】
温度計を備えた4つ口反応器において、窒素気流中、2-アミノ-4-メトキシベンゾチアゾール4.00g(22.2mmol)をエチレングリコール40mlおよび水15mlに溶解した。この溶液に、ヒドラジン1水和物11.1g(222mmol)および12N塩酸2.8ml(33.3mmol)を加え、120℃で15時間撹拌した。反応終了後、反応液を20℃まで冷却し、反応液を10%重曹水200mlに投入し、酢酸エチル800mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体を酢酸エチルから再結晶して中間体eを2.3g得た。収率は53.1モル%であった。目的物(中間体e)の構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0206】
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,TMS,δppm):8.93(s、1H)、7.27(dd、1H、J=1.0Hz、8.0Hz)、6.94(dd、1H、J=8.0Hz、8.0Hz)、6.82(dd、1H、J=1.0Hz、8.0Hz)、5.00(s、2H)、3.82(s、3H)。
【0207】
<ステップ2:化合物R(式(V-I)で示される化合物の他の一例)の合成>
温度計を備えた4つ口反応器において、窒素気流中、前記ステップ1で合成した中間体e:2.00g(10.2mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解した。この溶液に、炭酸セシウム6.68g(20.4mmol)および1-ブロモヘキサン2.0g(12.2mmol)を加え、50℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応液を20℃まで冷却し、反応液を水200mlに投入し、酢酸エチル300mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:THF=80:20(容積比))により精製し、白色固体として化合物Rを2.0g得た。収率は70.2モル%であった。化合物Rの構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
【0208】
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm):7.22(dd、1H、J=1.0Hz、8.0Hz)、7.04(dd、1H、J=8.0Hz、8.0Hz)、6.81(dd、1H、J=1.0Hz、8.0Hz)、4.26(s、2H)、3.98(s、3H)、3.73(t、2H、J=7.5Hz)、1.75-1.69(m、2H)、1.41-1.27(m、6H)、0.89(t、3H、J=7.0Hz)。
【0209】
(実施例1)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される重合性化合物の一例)の合成
【化75】
【0210】
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、前記合成例11で合成した化合物M10.00g(23.90mmol)、クロロホルム100g、およびジメチルホルムアミド(DMF)3.49gを加えて、10℃以下に冷却した。そこへ、塩化チオニル3.27g(27.48mmol)を反応温度が10℃以下になるように制御して滴下した。滴下終了後、反応液を25℃に戻して1時間撹拌した。反応終了後、エバポレーターにて反応液の量が四分の1になるまで濃縮した。その後、クロロホルム25gを加えて、クロロホルム溶液を得た。
別途、温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、上記式(A)で示される2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)、および塩基としての2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、50gのクロロホルムに溶解させ、10℃以下まで冷却した。この溶液に、前記クロロホルム溶液を、反応液内温を10℃以下に保持しながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、反応液を10℃以下に保持しながらさらに1時間反応を行った(工程1)。
得られた反応液を高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分析を行い、検量線にて定量を行ったところ、上記式(1)で示される重合性化合物(重合性化合物(1):式(III)で示される化合物の一例)が9.77g(10.40mmol)含まれていることが分かった。収率は95.75モル%であった。
さらに、10℃以下のまま、得られた反応液に、前記合成例13で合成した化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)3.52g(14.12mmol)を加え、さらに、1.0規定の塩酸水溶液40gを加えた。その後、反応液を40℃に昇温して3時間反応を行った(工程2)。
得られた反応液をHPLCにて分析を行い、検量線にて定量を行ったところ、上記式(1-1)で示される重合性化合物(重合性化合物(1-1):式(VI)で示される化合物の一例)が11.76g(10.05mmol)含まれていることが分かった。収率は92.49モル%であった。
反応終了後、反応液を25℃まで冷却し、分液操作を行った。
得られた有機層にロカヘルプ#479(三井金属鉱業社製)0.50gを加え、30分間撹拌した後、ロカヘルプ#479をろ別した。次いで、得られた反応液から、総重量の約80%をエバポレーターにて抜き出して濃縮した。この溶液にTHF20gを加えた後、1時間攪拌した。次いで、この溶液にn-ヘキサン80gを滴下した後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。
得られた結晶にTHF108g、ロカヘルプ#479:1.8g、および2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール100mgを加えて30分間撹拌した後、ロカヘルプ#479をろ別した。次いで、得られた反応液から、エバポレーターにてTHF36gを留去した。得られた溶液にメタノール117gを滴下した後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。ろ過物をメタノールで洗浄後、真空乾燥させて、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を11.45g得た(工程3)。単離収率は90.03モル%であった。
【0211】
(実施例2)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、2,4-ルチジン(pKa:6.99)6.98g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.57g(10.20mmol)含まれていることが分かった。収率は93.86モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が11.56g(9.87mmol)含まれていることが分かった。収率は90.91モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を11.25g得た。単離収率は88.49モル%であった。
【0212】
(実施例3)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、2,4,6-コリジン(pKa:7.43)7.90g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.63g(10.25mmol)含まれていることが分かった。収率は94.39モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が11.57g(9.89mmol)含まれていることが分かった。収率は91.01モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を11.26g得た。単離収率は88.59モル%であった。
【0213】
(実施例4)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、3,5-ルチジン(pKa:6.15)6.98g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.19g(9.79mmol)含まれていることが分かった。収率は90.12モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が11.18g(9.56mmol)含まれていることが分かった。収率は87.98モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を10.89g得た。単離収率は85.63モル%であった。
【0214】
(実施例5)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、3,4-ルチジン(pKa:6.46)6.98g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.26g(9.86mmol)含まれていることが分かった。収率は90.77モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が10.96g(9.37mmol)含まれていることが分かった。収率は86.22モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を10.67g得た。単離収率は83.92モル%であった。
【0215】
(実施例6)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、化合物M10.00g(23.90mmol)を、前記合成例12で合成した混合物O(式(I)で示される化合物と式(XII)で示される化合物との混合物の一例)14.60g代えたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.68g(10.31mmol)含まれていることが分かった(式(III)で示される化合物と、式(XII)で示される化合物とを含む溶液が得られたことが分かった)。収率は94.88モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が11.65g(9.96mmol)含まれていることが分かった(式(VI)で示される化合物と、式(XII)で示される化合物とを含む溶液が得られたことが分かった)。収率は91.66モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を11.34g得た。単離収率は89.21モル%であった。
【0216】
(実施例7)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1と同様の操作を行った後、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.77g(10.40mmol)含まれていることが分かった。収率は95.75モル%であった。
実施例1の工程2において、1.0規定の塩酸水溶液40gを(±)-10-カンファースルホン酸505mg(2.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が11.58g(9.90mmol)含まれていることが分かった。収率は91.11モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を11.27g得た。単離収率は88.68モル%であった。
【0217】
(実施例8)重合性化合物(2-1)(式(VI)で示される化合物の他の一例)の合成
【化76】
【0218】
実施例1の工程1において、化合物M10.00g(23.90mmol)を、上記式(N)で示される4-(6-アクリロイル-ヘクス-1-イルオキシ)安息香酸(DKSH社製)(式(I)で示される化合物の他の一例)6.99g(23.90mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(2)で示される重合性化合物(重合性化合物(2):式(III)で示される化合物の他の一例)が7.00g(10.20mmol)含まれていることが分かった。収率は93.91モル%であった。
実施例1の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)3.52g(14.12mmol)を、上記式(Q)で示される2-ヒドラジノベンゾチアゾール2.33g(14.12mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(2-1)で示される重合性化合物(2-1)(式(VI)で示される化合物の他の一例)が8.22g(9.85mmol)含まれていることが分かった。収率は90.72モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(2-1)(式(VI)で示される化合物の他の一例)を8.00g得た。単離収率は88.30モル%であった。
【0219】
(実施例9)重合性化合物(3-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化77】
実施例1の工程1において、化合物M10.00g(23.90mmol)を、上記式(N)で示される4-(6-アクリロイル-ヘクス-1-イルオキシ)安息香酸(DKSH社製)(式(I)で示される化合物の他の一例)6.99g(23.90mmol)に代えて、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、合成例1で合成した化合物B(式(II)で示される化合物の一例)2.04g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(3)で示される重合性化合物(重合性化合物(3):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が7.25g(9.83mmol)含まれていることが分かった。収率は90.54モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(3-1)で示される重合性化合物(3-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が9.20g(9.50mmol)含まれていることが分かった。収率は87.46モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(3-1)を8.95g得た。単離収率は85.13モル%であった。
【0220】
(実施例10)重合性化合物(4-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化78】
【0221】
実施例1の工程1において、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例2で合成した化合物C(式(II)で示される化合物の他の一例)2.80g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(4)で示される重合性化合物(重合性化合物(4):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が10.83g(10.22mmol)含まれていることが分かった。収率は94.12モル%)であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(4-1)で示される重合性化合物(4-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が12.74g(9.88mmol)含まれていることが分かった。収率は90.92モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(4-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)を12.41g得た。単離収率は88.50モル%であった。
【0222】
(実施例11)重合性化合物(4-2)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化79】
【0223】
実施例1の工程1において、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例2で合成した化合物C(式(II)で示される化合物の他の一例)2.80g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(4)で示される重合性化合物(重合性化合物(4):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が10.83g(10.22mmol)含まれていることが分かった。収率は94.1モル%)であった。
実施例1の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)3.52g(14.12mmol)を、前記合成例14で合成した化合物R(式(V-I)で示される化合物の他の一例)3.95g(14.12mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(4-2)で示される重合性化合物(4-2)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が12.98g(9.83mmol)含まれていることが分かった。収率は90.48モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(4-2)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)を12.56g得た。単離収率は87.56モル%であった。
【0224】
(実施例12)重合性化合物(5-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化80】
【0225】
実施例1の工程1において、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例3で合成した化合物D(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)2.87g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(5)で示される重合性化合物(重合性化合物(5):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が10.50g(9.86mmol)含まれていることが分かった。収率は90.79モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(5-1)で示される重合性化合物(5-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が12.35g(9.53mmol)含まれていることが分かった。収率は87.70モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(5-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)を12.02g得た。単離収率は85.37モル%であった。
【0226】
(実施例13)重合性化合物(6-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化81】
【0227】
実施例1の工程1において、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(6)で示される重合性化合物(重合性化合物(6):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が12.05g(10.15mmol)含まれていることが分かった。収率は93.45モル%であった。
実施例1の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)の添加量を3.52g(14.12mmol)から6.77g(27.15mmol)に変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(6-1)で示される重合性化合物(6-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が16.18g(9.81mmol)含まれていることが分かった。収率は90.27モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(6-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)を15.75g得た。単離収率は87.87モル%であった。
【0228】
(実施例14)重合性化合物(7-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化82】
【0229】
実施例1の工程1において、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例5で合成した化合物F(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.48g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(7)で示される重合性化合物(7)(重合性化合物(7):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が12.44g(10.26mmol)含まれていることが分かった。収率は94.42モル%であった。
実施例1の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)の添加量3.52g(14.12mmol)を6.77g(27.15mmol)に変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(7-1)で示される重合性化合物(7-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が16.60g(9.91mmol)含まれていることが分かった。収率は91.21モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(7-1)を16.16g得た。単離収率は88.78モル%であった。
【0230】
(実施例15)重合性化合物(8-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化83】
【0231】
実施例1の工程1において、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例6で合成した化合物G(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.41g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(8)で示される重合性化合物(8)(重合性化合物(8):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が12.09g(10.01mmol)含まれていることが分かった。収率は92.19モル%であった。
実施例1の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)の添加量を3.52g(14.12mmol)から6.77g(27.15mmol)に変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(8-1)で示される重合性化合物(8-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が16.15g(9.67mmol)含まれていることが分かった。収率は89.06モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(8-1)を15.72g得た。単離収率は86.68モル%であった。
【0232】
(実施例16)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化84】
【0233】
実施例1の工程1において、化合物M10.00g(23.90mmol)を、上記式(N)で示される4-(6-アクリロイル-ヘクス-1-イルオキシ)安息香酸(DKSH社製)(式(I)で示される化合物の他の一例)6.99g(23.90mmol)に代え、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド1.50g(10.86mmol)を、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(9)で示される重合性化合物(重合性化合物(9):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.63g(10.29mmol)含まれていることが分かった。収率は94.78モル%であった。
実施例1の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)の添加量3.52g(14.12mmol)を、6.77g(27.15mmol)に変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(9-1)で示される重合性化合物(9-1)が13.90g(9.94mmol)含まれていることが分かった。収率は91.56モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を13.53g得た。単離収率は89.12モル%であった。
【0234】
(実施例17)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、2,4-ルチジン(pKa:6.99)6.98g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(9)で示される重合性化合物(重合性化合物(9):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.58g(10.25mmol)含まれていることが分かった。収率は94.34モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(9-1)で示される重合性化合物(9-1)が13.84g(9.90mmol)含まれていることが分かった。収率は91.13モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を13.47g得た。単離収率は88.71モル%であった。
【0235】
(実施例18)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、2,4,6-コリジン(pKa:7.43)7.90g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(9)で示される重合性化合物(重合性化合物(9):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.40g(10.05mmol)含まれていることが分かった。収率は92.52モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(9-1)で示される重合性化合物(9-1)が13.57g(9.71mmol)含まれていることが分かった。収率は89.38モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を13.21g得た。単離収率は86.99モル%であった。
【0236】
(実施例19)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、3,5-ルチジン(pKa:6.15)6.98g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(9)で示される重合性化合物(重合性化合物(9):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.47g(10.13mmol)含まれていることが分かった。収率は93.26モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(9-1)で示される重合性化合物(9-1)が13.68g(9.79mmol)含まれていることが分かった。収率は90.09モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を13.31g得た。単離収率は87.69モル%であった。
【0237】
(実施例20)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、3,4-ルチジン(pKa:6.46)6.98g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(9)で示される重合性化合物(重合性化合物(9):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.32g(9.97mmol)含まれていることが分かった。収率は91.79モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(9-1)で示される重合性化合物(9-1)が13.46g(9.63mmol)含まれていることが分かった。収率は88.67モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を13.10g得た。単離収率は86.31モル%であった。
【0238】
(実施例21)重合性化合物(10-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化85】
【0239】
実施例16の工程1において、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)を、前記合成例7で合成した化合物H(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)3.89g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(10)で示される重合性化合物(重合性化合物(10):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.28g(10.24mmol)含まれていることが分かった。収率は94.25モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(10-1)で示される重合性化合物(10-1)が13.54g(9.89mmol)含まれていることが分かった。収率は91.05モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(10-1)を13.18g得た。単離収率は88.62モル%であった。
【0240】
(実施例22)重合性化合物(11-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化86】
実施例16の工程1において、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)を、前記合成例8で合成した化合物J(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.04g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(11)で示される重合性化合物(重合性化合物(11):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.40g(10.21mmol)含まれていることが分かった。収率は93.96モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(11-1)で示される重合性化合物(11-1)が13.64g(9.86mmol)含まれていることが分かった。収率は90.77モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(11-1)を13.28g得た。単離収率は88.35モル%であった。
【0241】
(実施例23)重合性化合物(12-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化87】
実施例16の工程1において、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)を、前記合成例9で合成した化合物K(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.35g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(12)で示される重合性化合物(重合性化合物(12):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.79g(10.31mmol)含まれていることが分かった。収率は94.94モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(12-1)で示される重合性化合物(12-1)が14.06g(9.96mmol)含まれていることが分かった。収率は91.71モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(12-1)を13.69g得た。単離収率は89.27モル%であった。
【0242】
(実施例24)重合性化合物(13-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化88】
【0243】
実施例16の工程1において、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)を、前記合成例10で合成した化合物L(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.50g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(13)で示される重合性化合物(重合性化合物(13):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.68g(10.06mmol)含まれていることが分かった。収率は92.58モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(13-1)で示される重合性化合物(13-1)が13.85g(9.71mmol)含まれていることが分かった。収率は89.43モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(13-1)を13.48g得た。単離収率は87.05モル%であった。
【0244】
(実施例25)重合性化合物(14-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化89】
【0245】
実施例16の工程1において、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)を、前記合成例5で合成した化合物F(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.48g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(14)で示される重合性化合物(重合性化合物(14):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.74g(10.14mmol)含まれていることが分かった。収率は93.35モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(14-1)で示される重合性化合物(14-1)が13.95g(9.79mmol)含まれていることが分かった。収率は90.18モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(14-1)を13.57g得た。単離収率は87.77モル%であった。
【0246】
(実施例26)重合性化合物(15-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化90】
【0247】
実施例16の工程1において、前記合成例4で合成した化合物E(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.20g(10.86mmol)を、前記合成例6で合成した化合物G(式(II)で示される化合物のさらに他の一例)4.41g(10.86mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(15)で示される重合性化合物(重合性化合物(15):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.51g(9.96mmol)含まれていることが分かった。収率は91.71モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(15-1)で示される重合性化合物(15-1)が13.64g(9.62mmol)含まれていることが分かった。収率は88.59モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(15-1)を13.28g得た。単離収率は86.23モル%であった。
【0248】
(実施例27)重合性化合物(16-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
【化90-2】
・・・重合性化合物(16-1)
【0249】
【0250】
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、1-ナフチル酢酸50g(268.5mmol)をトルエン110gに加えた。さらに、6-クロロ-1-ヘキサノール34.8g(255mol)、パラトルエンスルホン酸1水和物4.09g(21.5mmol)を加えて、溶液を調製した。ディーンスターク装置を用いて、調製した溶液を加熱し、生成する水を反応系外に排出しながら共沸脱水(内温約95℃)を5時間行った。反応終了後、25℃まで冷却した反応液に、6重量%の重曹水75gを加えて、分液して洗浄した。分液後、さらに有機層を水80gで洗浄した。洗浄後、有機層をろ過した。有機層をロータリーエバポレーターにて溶媒を留去して、中間体fを含む淡茶色オイルを75g得た。この淡茶色オイルの精製は行わず、そのまま次の反応(ステップ2:化合物Sの合成)に用いた。中間体fの構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm): 8.00(dd,1H,J=1.0Hz、8.5Hz)、7.86(dd,1H,J=1.5Hz,8.5Hz)、7.79(dd,1H,J=1.5Hz,7.5Hz)、7.54-7.47(m,2H)、7.45-7.41(m,2H)、4.09-4.06(m,4H)、3.43(t,2H,J=7.0Hz)、1.67-1.61(m,2H)、1.58-1.53(m,2H)、1.35-1.29(m,2H)、1.22-1.15(m,2H)。
【0251】
【0252】
温度計を備えた3口反応器において、窒素気流中、2-ヒドラジノベンゾチアゾール6.00g(36.32mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド65mLに溶解させた。この溶液に、炭酸セシウム23.67g(72.63mmol)、前記ステップ1で合成した中間体fを含む茶色オイル20gを加え、全容を25℃で15時間撹拌した。反応終了後、反応液に蒸留水250mLを投入し、酢酸エチル250mLで2回抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナ卜リウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにてろ液から溶媒を蒸発除去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:THF=80:20(容積比))により精製することで、化合物Sを白色固体として8.0g得た。収率は51.0モル%であった。化合物Sの構造は1H-NMRで同定した。1H-NMRスペクトルデータを下記に示す。
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm):8.00(d,1H,J=8.5Hz)、7.85(dd,1H,J=1.0Hz,8.0Hz)、7.78(dd,1H,J=1.5Hz、7.5Hz)、7.60(dd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz)、7.54-7.51(m,2H)、7.49-7.40(m,3H)、7.28(ddd,1H,J=1.0Hz、7.5Hz,7.5Hz)、7.07(ddd,1H,J=1.0Hz,7.5Hz,7.5Hz)、4.16(br,2H)、4.08(t,2H,J=6.5Hz)、4.06(s,2H)、3.66(t,2H,J=7.0Hz)、1.63-1.54(m,4H)、1.32-1.22(m,4H)。
【0253】
<ステップ3:重合性化合物16-1(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)
の合成>
実施例6の工程1と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が9.68g(10.31mmol)含まれていることが分かった(式(III)で示される化合物と、式(XII)で示される化合物とを含む溶液が得られたことが分かった)。収率は94.88モル%であった。
実施例6の工程2において、化合物P(式(V-I)で示される化合物の一例)3.52g(14.12mmol)を、上記ステップ2で合成した化合物S:5.66g(13.05mmol)に代えたこと以外は、実施例6と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(16-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)が13.46g(9.94mmol)含まれていることが分かった(式(VI)で示される化合物と、式(XII)で示される化合物とを含む溶液が得られたことが分かった)。収率は91.50モル%であった。
反応終了後、反応液を25℃まで冷却し、分液操作を行った。
得られた有機層にロカヘルプ#479(三井金属鉱業社製)0.50gを加え、30分間撹拌した後、ロカヘルプ#479をろ別した。次いで、得られた反応液から、総重量の約60%をエバポレーターにて抜き出して濃縮した。この溶液にTHF18gを加えた後、15℃まで冷却して30分攪拌した。次いで、15℃のまま、この溶液にn-ヘキサン70gを滴下して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。
得られた結晶にTHF72g、ロカヘルプ#479:1.2g、および2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール100mgを加えて30分間撹拌した後、ロカヘルプ#479をろ別した。次いで、得られた反応液から、エバポレーターにてTHF36gを留去した。得られた溶液にメタノール66gを滴下した後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。ろ過物をメタノールで洗浄後、真空乾燥させて、重合性化合物(16-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)を13.24g得た(工程3)。単離収率は90.01モル%であった。
【0254】
(比較例1)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.82g(9.39mmol)含まれていることが分かった。収率は86.45モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)が10.76g(9.19mmol)含まれていることが分かった。収率は84.62モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を10.47g得た。単離収率は82.37モル%であった。
【0255】
(比較例2)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(pKa:10.98)8.42g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.69g(9.26mmol)含まれていることが分かった。収率は85.21モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)が10.41g(8.89mmol)含まれていることが分かった。収率は81.86モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を10.13g得た。単離収率は79.68モル%であった。
【0256】
(比較例3)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、2-メチルピリジン(pKa:6.00)6.07g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が4.04g(4.30mmol)含まれていることが分かった。収率は39.58モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)が4.53g(3.87mmol)含まれていることが分かった。収率は35.62モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を4.41g得た。単離収率は34.67モル%であった。
【0257】
(比較例4)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、ピリジン(pKa:5.23)5.16g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.23g(8.77mmol)含まれていることが分かった。収率は80.73モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)が9.82g(8.39mmol)含まれていることが分かった。収率は77.21モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を9.55g得た。単離収率は75.15モル%であった。
【0258】
(比較例5)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、キノリン(pKa:4.93)8.42g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.49g(9.04mmol)含まれていることが分かった。収率は83.21モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)が10.19g(8.71mmol)含まれていることが分かった。収率は80.17モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を9.92g得た。単離収率は78.03モル%であった。
【0259】
(比較例6)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、ジアザビシクロウンデセン(pKa:13.20)9.92g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が0.19g(0.20mmol)含まれていることが分かった。収率は1.86モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(1-1)が0.15g(0.13mmol)含まれていることが分かった。収率は1.16モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったが、重合性化合物(1-1)を単離できなかった。
【0260】
(比較例7)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、ジアザビシクロノネン(pKa:13.40)8.09g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が0.22g(0.24mmol)含まれていることが分かった。収率は2.19モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(1-1)が0.24g(0.20mmol)含まれていることが分かった。収率は1.85モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったが、重合性化合物(1-1)を単離できなかった。
【0261】
(比較例8)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例1の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、4-ジメチルアミノピリジン(pKa:9.52)7.96g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.06g(8.58mmol)含まれていることが分かった。収率は79.01モル%であった。
実施例1の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)が9.66g(8.25mmol)含まれていることが分かった。収率は75.99モル%であった。
さらに、実施例1の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)を9.18g得た。単離収率は72.18モル%であった。
【0262】
(比較例9)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例6の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例6と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.67g(9.23mmol)含まれていることが分かった。収率は85.02モル%であった。
実施例6の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(1-1)が10.49g(8.97mmol)含まれていることが分かった。収率は82.54モル%であった。
さらに、実施例6の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を10.21g得た。単離収率は80.34モル%であった。
【0263】
(比較例10)重合性化合物(1-1)(式(VI)で示される化合物の一例)の合成
実施例7の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例7と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(1)(式(III)で示される化合物の一例)が8.82g(9.39mmol)含まれていることが分かった。収率は86.45モル%であった。
実施例7の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(1-1)が10.32g(8.82mmol)含まれていることが分かった。収率は81.21モル%であった。
さらに、実施例7の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(1-1)を10.05g得た。単離収率は79.05モル%であった。
【0264】
(比較例11)重合性化合物(2-1)(式(VI)で示される化合物の他の一例)の合成
実施例8の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例8と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(2)(式(III)で示される化合物の他の一例)が6.47g(9.42mmol)含まれていることが分かった。収率は86.72モル%であった。
実施例8の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(2-1)が7.59g(9.10mmol)含まれていることが分かった。収率は83.77モル%であった。
さらに、実施例8の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(2-1)を7.39g得た。単離収率は81.54モル%であった。
【0265】
(比較例12)重合性化合物(3-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例9の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例9と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(3)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が6.81g(9.25mmol)含まれていることが分かった。収率は85.14モル%であった。
実施例9の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(3-1)が8.65g(8.93mmol)含まれていることが分かった。収率は82.25モル%であった。
さらに、実施例9の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(3-1)を8.42g得た。単離収率は80.06モル%であった。
【0266】
(比較例13)重合性化合物(4-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例10の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例10と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(4)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.80g(9.25mmol)含まれていることが分かった。収率は85.15モル%であった。
実施例10の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(4-1)が11.39g(8.83mmol)含まれていることが分かった。収率は81.26モル%であった。
さらに、実施例10の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(4-1)を11.20g得た。単離収率は79.88モル%であった。
【0267】
(比較例14)重合性化合物(4-2)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例11の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例11と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(4)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.80g(9.25mmol)含まれていることが分かった。収率は85.15モル%であった。
実施例11の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(4-2)が11.62g(8.80mmol)含まれていることが分かった。収率は80.98モル%であった。
さらに、実施例11の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(4-2)を11.14g得た。単離収率は77.69モル%であった。
【0268】
(比較例15)重合性化合物(5-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例12の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例12と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(5)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.82g(9.22mmol)含まれていることが分かった。収率は84.89モル%であった。
実施例12の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(5-1)が11.55g(8.91mmol)含まれていることが分かった。収率は82.00モル%であった。
さらに、実施例12の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(5-1)を11.24g得た。単離収率は79.82モル%であった。
【0269】
(比較例16)重合性化合物(6-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例13の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例13と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(6)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が11.09g(9.34mmol)含まれていることが分かった。収率は86.01モル%であった。
実施例13の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(6-1)が14.89g(9.02mmol)含まれていることが分かった。収率は83.09モル%であった。
さらに、実施例13の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(6-1)を14.49g得た。単離収率は80.87モル%であった。
【0270】
(比較例17)重合性化合物(7-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例14の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例14と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(7)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が11.29g(9.31mmol)含まれていることが分かった。収率は85.67モル%であった。
実施例14の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(7-1)が15.42g(9.20mmol)含まれていることが分かった。収率は84.69モル%であった。
さらに、実施例14の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(7-1)を15.01g得た。単離収率は82.43モル%であった。
【0271】
(比較例18)重合性化合物(8-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例15の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例15と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(8)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が11.41g(9.45mmol)含まれていることが分かった。収率は86.99モル%であった。
実施例15の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(8-1)が15.24g(9.13mmol)含まれていることが分かった。収率は84.03モル%であった。
さらに、実施例15の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(8-1)を14.84g得た。単離収率は81.79モル%であった。
【0272】
(比較例19)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.75g(9.35mol)含まれていることが分かった。収率は86.12モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が12.63g(9.04mmol)含まれていることが分かった。収率は83.19モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を12.29g得た。単離収率は80.98モル%であった。
【0273】
(比較例20)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(pKa:10.98)8.42g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.59g(9.18mmol)含まれていることが分かった。収率は84.56モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が12.40g(8.87mmol)含まれていることが分かった。収率は81.69モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を12.07g得た。単離収率は79.51モル%であった。
【0274】
(比較例21)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、2-メチルピリジン(pKa:6.00)6.07g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が3.59g(3.84mmol)含まれていることが分かった。収率は35.34モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が5.18g(3.71mmol)含まれていることが分かった。収率は34.14モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を5.04g得た。単離収率は33.23モル%であった。
【0275】
(比較例22)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、ピリジン(pKa:5.23)5.16g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が7.15g(7.65mmol)含まれていることが分かった。収率は70.41モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が10.33g(7.39mmol)含まれていることが分かった。収率は68.02モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を10.05g得た。単離収率は66.20モル%であった。
【0276】
(比較例23)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、キノリン(pKa:4.93)8.42g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が7.92g(8.47mmol)含まれていることが分かった。収率は78.00モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が11.44g(8.18mmol)含まれていることが分かった。収率は75.35モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を11.13g得た。単離収率は73.34モル%であった。
【0277】
(比較例24)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、ジアザビシクロウンデセン(pKa:13.20)9.92g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が0.09g(0.10mmol)含まれていることが分かった。収率は0.89モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が0.07g(0.05mmol)含まれていることが分かった。収率は0.44モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったが、重合性化合物(9-1)を単離できなかった。
【0278】
(比較例25)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、ジアザビシクロノネン(pKa:13.40)8.09g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(9)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が0.07g(0.07mmol)含まれていることが分かった。収率は0.65モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(9-1)が0.02g(0.01mmol)含まれていることが分かった。収率は0.12モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったが、重合性化合物(9-1)を単離できなかった。
【0279】
(比較例26)重合性化合物(9-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例16の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、4-ジメチルアミノピリジン(pKa:9.52)7.96g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例16と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、上記式(9)で示される重合性化合物(重合性化合物(9):式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.20g(8.77mmol)含まれていることが分かった。収率は80.78モル%であった。
実施例16の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、目的物である上記式(9-1)で示される重合性化合物(9-1)が11.80g(8.44mmol)含まれていることが分かった。収率は77.69モル%であった。
さらに、実施例16の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(9-1)を11.44g得た。単離収率は75.36モル%であった。
【0280】
(比較例27)重合性化合物(10-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例21の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例21と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(10)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.48g(9.35mmol)含まれていることが分かった。収率は86.10モル%であった。
実施例21の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(10-1)が12.37g(9.03mmol)含まれていることが分かった。収率は83.17モル%であった。
さらに、実施例21の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(10-1)を12.04g得た。単離収率は80.96モル%であった。
【0281】
(比較例28)重合性化合物(11-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例22の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例22と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(11)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.51g(9.24mmol)含まれていることが分かった。収率は85.04モル%であった。
実施例22の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(11-1)が12.35g(8.92mmol)含まれていることが分かった。収率は82.15モル%であった。
さらに、実施例22の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(11-1)を12.02g得た。単離収率は79.96モル%であった。
【0282】
(比較例29)重合性化合物(12-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例23の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例23と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(12)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.77g(9.24mmol)含まれていることが分かった。収率は85.06モル%であった。
実施例23の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(12-1)が12.90g(9.13mmol)含まれていることが分かった。収率は84.10モル%であった。
さらに、実施例23の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(12-1)を12.55g得た。単離収率は81.86モル%であった。
【0283】
(比較例30)重合性化合物(13-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例24の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例24と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(13)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が9.01g(9.35mmol)含まれていることが分かった。収率は86.12モル%であった。
実施例24の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(13-1)が12.88g(9.04mmol)含まれていることが分かった。収率は83.19モル%であった。
さらに、実施例24の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(13-1)を12.54g得た。単離収率は80.98モル%であった。
【0284】
(比較例31)重合性化合物(14-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例25の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例25と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(14)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.90g(9.26mmol)含まれていることが分かった。収率は85.24モル%であった。
実施例25の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(14-1)が12.73g(8.94mmol)含まれていることが分かった。収率は82.34モル%であった。
さらに、実施例25の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(14-1)を12.39g得た。単離収率は80.15モル%であった。
【0285】
(比較例32)重合性化合物(15-1)(式(VI)で示される化合物のさらに他の一例)の合成
実施例26の工程1において、塩基である2,6-ルチジン(pKa:6.65)6.98g(65.17mmol)を、トリエチルアミン(pKa:10.75)6.59g(65.17mmol)に代えたこと以外は、実施例26と同様の操作を行った。同様の方法で反応液を分析し、検量線にて定量を行ったところ、重合性化合物(15)(式(III)で示される化合物のさらに他の一例)が8.71g(9.12mmol)含まれていることが分かった。収率は83.95モル%であった。
実施例26の工程2と同様の操作を行い、同様の方法で反応液を分析したところ、目的物である重合性化合物(15-1)が12.49g(8.81mmol)含まれていることが分かった。収率は81.10モル%であった。
さらに、実施例26の工程3と同様の操作を行ったところ、重合性化合物(15-1)を12.16g得た。単離収率は78.94モル%であった。
【0286】
以上の結果を下記表1および表1-2にまとめた。
なお、表中塩基の「pKa」の値に関して、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンはSciFinder(Chemical Abstracts Service,American Chemical Society)に記載の値を示し、その他の塩基はCRC Handbook of Chemistry and Physics 87th Edition(CRC Press)に記載の値を示す。
また、工程1~3全てにおける収率は、工程1で使用した式(II)で示される化合物を基準として算出した。
【0287】
【0288】
【0289】
表1および表1-2から、pKaが6.1以上9.5以下である塩基を用いて反応を行うと、重合性化合物1~16および重合性化合物1-1~16-1が収率よく得られることが分かる(実施例1~27)。
一方、pKaが6.1未満または9.5より大きい塩基を用いて反応を行うと、重合性化合物1~15および重合性化合物1-1~15-1を収率よく得ることができないことが分かる(比較例1~32)。