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特許7440291角度スケールを走査するための走査ユニットおよびこの走査ユニットを備えた角度測定装置
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  • 特許-角度スケールを走査するための走査ユニットおよびこの走査ユニットを備えた角度測定装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】角度スケールを走査するための走査ユニットおよびこの走査ユニットを備えた角度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20240220BHJP
   G01D 5/20 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01D5/245 110W
G01D5/20 110E
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020027764
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2020139946
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】19160261.4
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・エーダー
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-070713(JP,A)
【文献】特開2000-283704(JP,A)
【文献】特開2001-314069(JP,A)
【文献】特開2001-356027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00 ~ 5/252
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角度スケール(2)を走査するための角度測定装置用走査ユニット(1)であって、その結果、前記走査ユニット(1)と前記角度スケール(2)との間の相対的な角度位置を回転軸(A)の周りで規定することができ、前記走査ユニット(1)は、
- 第1の表面(1.41)を有する基板(1.4)と、
- 前記角度位置に依存する信号を生成するための、少なくとも1つの検出器(1.1)と、
- 複数の電子部品(1.21)を含む評価電子機器(1.2)とを含み、前記評価電子機器(1.2)の電子部品(1.21)は、注型コンパウンド(1.5)に囲まれており、前記走査ユニット(1)は、また、
- 前記評価電子機器(1.2)から後続の電子機器への接続を確立するための電気インターフェース(1.3)を含み、
前記少なくとも1つの検出器(1.1)と、前記電子部品(1.21)と、前記電気インターフェース(1.3)とは、前記基板(1.4)の前記第1の表面(1.41)上に配置されており、
前記電子部品(1.21)と前記電気インターフェース(1.3)とは、これらが前記少なくとも1つの検出器(1.1)よりも前記回転軸(A)からさらに離れて位置付けられているように配置されており、
前記注型コンパウンド(1.5)は、前記回転軸(A)に対して、前記基板(1.4)の前記第1の表面(1.41)に周回して配置されており、
前記基板(1.4)が金属層(1.44)を有し、前記金属層(1.44)が少なくとも0.5mmの厚さ(d)を有し、
前記基板(1.4)が、前記注型コンパウンド(1.5)の半径方向外側に延びる縁部領域を有し、
前記基板(1.4)が、前記縁部領域に配置されている少なくとも1つの取付要素(1.43)を有する、走査ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の走査ユニット(1)において、
前記基板(1.4)が少なくとも0.5mmの厚さ(D)を有する、走査ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の走査ユニット(1)において、
前記基板(1.4)が、前記第1の表面(1.41)に対向して配置されている第2の表面(1.42)を有し、前記第2の表面(1.42)には電子部品(1.21)が配置されていない、走査ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の走査ユニット(1)において、
前記検出器(1.1)が少なくとも1つの受信巻線(1.11)として構成されている、走査ユニット。
【請求項5】
請求項に記載の走査ユニット(1)において、
前記走査ユニット(1)が、前記基板(1.4)の前記第1の表面(1.41)に配置されている少なくとも1つの励磁巻線(1.12)を有する、走査ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の走査ユニット(1)において、
前記基板(1.4)が、シール要素(1.7)の半径方向外側に配置されている少なくとも1つの取付要素(1.43)を有する、走査ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の走査ユニット(1)と、角度スケール(2)とを備えた角度測定装置であって、前記角度スケール(2)は、前記走査ユニット(1)に対して相対的に回転軸(A)を中心として回転可能に配置されており、前記走査ユニット(1)と前記角度スケール(2)との間の相対的な角度位置が測定可能であり、前記走査ユニット(1)は、前記角度スケール(2)に対して相対的に軸方向にずれて配置されている、角度測定装置。
【請求項8】
請求項に記載の角度測定装置において、
前記角度スケール(2)が前記注型コンパウンド(1.5)の半径方向内側に配置されている、角度測定装置。
【請求項9】
請求項またはに記載の角度測定装置において、
前記角度測定装置が、誘導角度測定装置として構成されている、角度測定装置。
【請求項10】
請求項乃至のいずれか一項に記載の角度測定装置において、
前記角度スケール(2)が、一定の間隔で分割構造としての導電性面を有する、角度測定装置。
【請求項11】
請求項乃至10のいずれか一項に記載の角度測定装置において、
前記角度スケール(2)が、導電性材料から形成されており、一定の間隔で分割構造としての凸凹を有する、角度測定装置。
【請求項12】
請求項乃至11のいずれか一項に記載の角度測定装置において、
前記角度測定装置が、ベアリングなしで構成されている、角度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
角度測定装置は、例えば互いに対して相対的に回転可能な2つの機械部品の角度位置を決定するためのロータリーエンコーダにおいて使用される。
誘導角度測定装置の走査ユニットでは、導体路の形状の励磁巻線および受信巻線が、多くの場合、例えばエンコーダの固定子に固定接続されている回路基板などの共通の基板に被着される。この基板に対向して別の構成部材があり、角度スケールとしてのこの構成部材上に、周期的に間隔をあけた分割構造としての導電性面が被着されており、導電性面はロータリーエンコーダの回転子に回転不動に接続されている。励磁場が励磁巻線に印加されると、回転子と固定子との間の相対回転中に、角度位置に応じた信号が受信巻線または受信コイルに生成される。そしてこれらの信号は、評価電子機器においてさらに処理される。
【0002】
原則として、一体型ベアリングを備えた角度測定装置と、一体型ベアリングを備えていない角度測定装置(以下、ベアリングレス角度測定装置と呼ぶ)とは区別される。一体型ベアリングを備えた角度測定装置は、通常、比較的小さい転がりベアリングを有しているため、互いに対して相対的に回転可能な部材グループ、特に走査ユニットおよび角度スケールは、該当する角度測定装置内の定義された軸方向および半径方向の位置に互いに対して相対的に配置されている。これに対して、(電動)モータなどの機械に取り付ける際のベアリングレス角度測定装置の場合、互いに対して回転可能な部材グループが正しい位置に、特に互いに対して正しい軸距離で固定されることに注意する必要がある。該当するする機械またはモータは作動中に頻繁に発熱するため、角度測定装置、特に走査ユニットは、そのコンポーネントが過度の温度に曝されていないように構成されていると有利である。
【背景技術】
【0003】
EP3355032A1には、支持基板を有する角度測定装置が記載されており、検出器信号の評価電子機器は、検出器に対向する基板側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】EP3355032A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎となる課題は、経済的に製造可能であり、その取り付けに関して利点を有する走査ユニットを生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴によって解決される。
それによれば、本発明は、角度スケールを走査するための角度測定装置用走査ユニットを含み、その結果、走査ユニットと角度スケールとの間の相対的な角度位置を回転軸の周りで規定することができる。走査ユニットは、第1の表面を有する基板を含む。加えて、走査ユニットは、角度位置に依存する信号を生成するのに適した、少なくとも1つの検出器を含む。また、走査ユニットは、信号を評価するために少なくとも1つの検出器に電気的に接続された複数の電子部品を含む評価電子機器を含む。加えて、評価電子機器の電子部品は、注型コンパウンドに囲まれている。さらに、走査ユニットは、評価電子機器から後続の電子機器への接続を確立するための電気インターフェースを含む。少なくとも1つの検出器と、電子部品と、電気インターフェースとは、基板の第1の表面上に配置されている。電子部品と電気インターフェースとは、これらが少なくとも1つの検出器よりも回転軸からさらに離れて位置付けられているように配置されている。注型コンパウンドは、回転軸に対して基板の第1の表面に周回して配置されているため、特に電子部品と電気インターフェースとは、注型コンパウンドに対して軸方向内側に位置して配置されている。
【0007】
角度依存信号は、特に、角度スケールと走査ユニットとの間の相対的な角度位置に関する情報を含む信号である。
電気インターフェースという用語は、直接接触する、すなわち互いに接触する複数の導電性部材間の導電性接続と理解されるべきである。これは、例えば、プラグイン装置またはケーブルダイレクト接続などの電気的結合装置であり得る。
【0008】
注型コンパウンドが回転軸に対して周回して配置されているという表現は、以下では、注型コンパウンドが、例えば閉じた状態で、軸周りを360°周回して配置されていることを表す。同様に、この表現は、周回型セグメントによる注型コンパウンドの開放された状態での配置を意味することもできるため、この場合、注型コンパウンドが軸周りを約270°、180°、または120°周回して配置されている。同様に、この表現には、注型コンパウンドが断続的に、軸周りを360°周回して配置されている配置構成も含まれている。
【0009】
注型コンパウンドは、特に、1つのリングセグメントまたは複数のリングセグメントからなる、例えば閉じた、または開いた、または断続的なリングとして、リング形状または円環形状で構成されている。
【0010】
基板は、有利には少なくとも0.5mmの厚さを有する。特に、基板は、検出器、評価電子機器、およびインターフェースの支持体として機能するだけでなく、機械的な支持要素として構成されていることもできる。特にこの態様では、基板は、少なくとも0.5mmの厚さを持つ金属層を有することができるため、金属層は支持要素として機能する。同時に、このように構成された基板は、特に評価電子機器の領域からの熱を比較的うまく放散できる。
【0011】
基板は、有利には平坦であるように、すなわち湾曲しないように構成されている。
本発明のさらなる形態では、基板は、第1の表面に対向して配置されている第2の表面を有し、第2の表面には電子部品、および/またはインターフェース、および/または検出器が配置されていない。特に、第2の表面は、略平坦または略滑らかな面であってよい。例えば、基板の第2の表面は、同時にハウジング部分またはモータのハウジング外側面の一部として機能することができる。
【0012】
走査ユニットは、有利には誘導原理によって動作するように構成されている。特に、この場合、検出器は少なくとも1つの受信巻線として構成されている。
本発明のさらなる形態では、走査ユニットは、基板の第1の表面に配置されている少なくとも1つの励磁巻線を有する。
【0013】
基板は、有利には、シール要素の半径方向外側に配置されている少なくとも1つの取付要素を有する。例えば、取付要素は、穴またはクリップとして構成されていることができる。シール要素は、例えば、基板上に加硫された例えばOリングまたはシールコードであり得る。
【0014】
基板は、有利には、注型コンパウンドの半径方向外側に延びる縁部領域を有する。特に、縁部領域は、注型コンパウンドの周囲を中断することなく周回して延びているため、注型コンパウンド全体の半径方向外側に基板の縁部領域がある。特に、基板は、縁部領域に配置されている少なくとも1つの取付要素を有することができる。
【0015】
さらなる一態様によれば、本発明は、走査ユニットおよび角度スケールを備えた角度測定装置を含み、角度スケールは、走査ユニットに対して相対的に回転軸を中心として又はその周りで回転可能に配置されており、走査ユニットと角度スケールとの間の相対的な角度位置が測定可能又は決定可能である。ここで、走査ユニットは、角度スケールに対して相対的に軸方向にずれて配置されている。
【0016】
角度スケールは、有利には、注型コンパウンドの半径方向内側に配置されている。特に、注型コンパウンドの軸方向延伸に対する軸方向のずれは非常に小さいため、注型コンパウンドは角度スケールの半径方向外側に配置されている。すなわち、角度スケールは、注型コンパウンドによって周回して囲まれた(空気)体積に軸方向に入り込む。
【0017】
本発明のさらなる一形態によれば、角度測定装置は、誘導角度測定装置として構成されている。
本発明のさらなる形態では、角度スケールは、一定の間隔で又は周期的な間隔で分割構造としての導電性面を有する。
【0018】
角度スケールは、有利には、一定の間隔で又は周期的な間隔で分割構造としの凸凹を有する導電性材料で形成、作成、又は製造されている。これらの配置構成は、特に走査ユニットが誘導原理によって動作する場合に使用できる。
【0019】
角度測定装置は、有利にはベアリングなしで構成されている。
誘導角度測定装置は、角度スケールがその周囲の大部分にわたって、走査ユニットまたは受信巻線によって走査可能に構成されている場合が多く、したがって角度依存信号を生成できる。代替的に、角度測定装置は、角度スケールが全周にわたって分布する複数の走査点によって走査されるように構成することができる。
【0020】
本発明の有利な形態は、従属請求項に記載されている。
本発明にかかる走査ユニットのさらなる詳細および利点は、添付の図面を参照した一実施例の以下の説明から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】走査ユニットの上面図である。
図2】走査ユニットの詳細図である。
図3】走査ユニットの断面図である。
図4】走査ユニットを備えた角度測定装置の断面図である。
図5】角度測定装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面には、角度スケール2(例えば図4を参照)を走査するための角度測定装置における走査ユニット1のための一実施例が示されており、走査ユニット1と角度スケール2との間の回転軸A周りの相対的な角度位置は、角度測定装置によって決定できる。したがって、走査ユニット1は、とりわけ、必然的に第1の表面1.41および第1の表面1.41に対向する第2の表面1.42を有する基板1.4(図2を参照)を含む。加えて、提示された実施例の、略平坦で正方形の基板1.4は、比較的中実の金属層1.44も有しており、金属層1.44はここでは1.0mmの厚さdを有する。この金属層1.44上に、例えばラッカーまたはフィルムなどの例えばポリイミド層として構成された電気絶縁層または誘電層1.45がある。誘電体層1.45は、金属層1.44に比べて薄く、提示された実施例では20μmの厚さを有する。したがって、ここでは、基板1の厚さDは1.02mmである。誘電体層1.45上には導体路が作成される。
【0023】
提示された実施例では、走査ユニット1は、誘導測定原理に基づいている。したがって、第1の表面1.41に配置されている検出器1.1は、複数の受信巻線1.11として構成されている。加えて、複数の励磁巻線1.12が第1の表面1.41に配置されている。提示された実施例では、受信巻線1.11および励磁巻線1.12は、回転軸Aの周りに略同心円状に配置されている。
【0024】
検出器1.1によって生成できる信号は、導体路を介して伝送され、評価電子機器1.2において処理できる。図5には、例えば、基板1.4上の環状領域に取り付けられている評価電子機器1.2の電子部品1.21が示されている。さらに、基板1.4上にインターフェース1.3が取り付けられており、これは、ここではプラグコネクタまたは電気結合部として構成されており、特に、複数の電気接点1.32を包含する接点支持体1.31を有する(図3)。したがって、後続の電子機器への接続ケーブルをインターフェース1.3に接続できる。
【0025】
評価電子機器1.2の電子部品1.21と、インターフェース1.3またはコンタクト支持体1.31との両方が、基板1.4上に取り付けられた後に鋳造され、図1にかかるリング状注型コンパウンド1.5が生じる。図5には、評価電子機器1.2の電子部品1.21を表すために、リング状注型コンパウンド1.5の1つのセグメントを開けて示している。
【0026】
提示された実施例では、図では開けられていない領域の注型コンパウンド1.5の体積内に、評価電子機器1.2のさらなる電子部品1.21がある。したがって、注型コンパウンド1.5は、回転軸Aに対して周回して、基板1.4の第1の表面1.41上に配置されている。注型コンパウンド1.5の内縁および注型コンパウンド1.5の外縁は面取りされるように構成されており、注型コンパウンド1.5の外縁はシール要素1.7の半径方向の支持を形成する。提示された実施例では、シール要素1.7はOリングとして構成されている。シール要素1.7は、注型コンパウンド1.5に対して半径方向に支持されている(図4)。
【0027】
代替的に、注型コンパウンドの外縁がアンダーカットを有してもよいため、このアンダーカットでOリングが特に軸方向に保持される。
角度測定装置は、走査ユニット1および角度スケール2を含み、走査ユニット1および角度スケール2は、回転軸Aの周りで互いに対して相対的に回転可能に配置されている。相対的な回転可能性を得るために、現在の角度測定装置には一体型ベアリング、すなわち、転がりベアリングまたは滑りベアリング(ベアリングなしの角度測定装置)は設けられていない。むしろ、走査ユニット1は第1の機械部品に取り付けられ、角度スケール2は第2の機械部品に取り付けられる。ここで、第1の機械部品は、第2の機械部品に対して相対的に回転可能に配置されている。走査ユニット1および角度スケール2は、空隙によって分離されて互いに対向している。
【0028】
走査ユニット1は、挿入物1.6が固定されている穴1.43を用いて第1の機械部品に、例えばねじ接続によって取り付けることができる。第1の機械部品は、特にモータのハウジングであり得る。基板1.4または金属層1.44は、支持要素として機能し、例えば、同時にモータのハウジング用のカバーとして機能することができる。電子部品も、インターフェースまたは検出器も、第2の表面1.42に配置されていないため、第2の表面1.42はモータの外側面の一部として適している。
【0029】
モータのハウジングは、シール要素1.7が押し付けられる周回壁を有することができる。
角度測定装置の角度スケール2上には、シャフト2.1が、例えば機械シャフトまたはモータシャフトに固定して回転不動に取り付けるために回転不動に取り付けられている。角度スケール2は、導電性および非導電性領域、すなわち異なる導電性の領域が周期的順序で、かつ同じ分割ステップで設けられているリング状の回路基板からなる。シャフト2.1を備えた角度スケール2は、多くの場合回転子とも呼ばれ得る。
【0030】
走査ユニット1上の励磁巻線1.12によって、角度測定装置の動作中に均一な交番磁界が生成され、これはシャフト2.1の角度位置または回転角度に応じて、角度スケール2によって変調される。走査ユニット1上にもある受信巻線1.11では、変調電磁場によって角度依存信号が生成される。
【0031】
提示された実施例では、角度測定装置は、いわゆる全周走査によって構成されている。つまり、特に、走査ユニット1は、角度スケール2が走査ユニット1または受信巻線1.11によってほぼ全周にわたって走査可能であり、そうして角度依存信号が生成可能であるように構成されている。すなわち、角度スケール2のほぼ完全な分割構造は、相対的な角度位置の情報を含む信号を得るために、走査ユニット1により走査される。
【0032】
このように生成された信号は、その後評価電子回路1.2に供給され、そこでさらに処理される。信号は、これが常に一定の信号振幅またはレベルを有するように、制御ユニットにおいて制御される。
【0033】
評価電子回路1.2では、角度スケール2の角度位置または位置値は、信号に基づいて決定される。また、角度スケール2の角度位置および回転速度は、さらなる電子処理のために後続の電子機器に転送される。
図1
図2
図3
図4
図5