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特許7440480基板処理装置、半導体装置の製造方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20240220BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240220BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20240220BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 B
H01L21/316 X
H01L21/318 B
H01L21/318 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021201734
(22)【出願日】2021-12-13
(65)【公開番号】P2023087385
(43)【公開日】2023-06-23
【審査請求日】2022-09-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】柴田 仁
(72)【発明者】
【氏名】高畑 覚
(72)【発明者】
【氏名】布村 一朗
(72)【発明者】
【氏名】鋪田 嚴
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-206025(JP,A)
【文献】特開2009-135433(JP,A)
【文献】特開2007-019068(JP,A)
【文献】特開2017-069519(JP,A)
【文献】特開2016-122750(JP,A)
【文献】特開2015-035583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/316
H01L 21/318
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を多段に載置する基板載置部が設けられた基板保持具と、
前記基板載置部に対して前記基板を装填または脱装する基板移載機構と、
前記基板を保持した前記基板保持具を収容する処理容器と、
前記処理容器内の前記基板に対して成膜ガスを供給する成膜ガス供給系と、
前記基板移載機構による前記基板載置部からの前記基板の引きはがしが不可能となる膜の臨界厚さが予め設定された制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記基板に対して前記成膜ガスを供給する成膜処理を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記基板上に前記臨界厚さの膜が形成される前に前記成膜ガスの供給を中断することで前記成膜処理の実施を中断し、前記基板移載機構により、前記基板載置部上に載置された前記基板を持ち上げた後、前記基板の搬送を行うことなく、前記基板を前記基板載置部上の元の位置に下降させる処理のみを実行する引きはがし処理を行うように、前記基板移載機構および前記成膜ガス供給系を制御することが可能なよう構成される、
板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記成膜処理を開始してから前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、前記成膜ガスを供給する処理と、前記基板上に前記臨界厚さの膜が形成される前に前記成膜ガスの供給を中断する処理と、前記引きはがし処理と、をこの順行うサイクルを所定回数行うように、前記基板移載機構および前記成膜ガス供給系を制御することが可能なよう構成される、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記引きはがし処理は、前記数の基板に対して同時に行われることが可能な処理である、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記引きはがし処理は、前記処理容器内において行われることが可能な処理である、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板移載機構は、前記引きはがし処理の成否を検知するセンサを備え、
前記制御部は、前記センサが、前記引きはがし処理の失敗を検知したときは、その後の処理を中断させることが可能なように構成されている、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記センサが、前記引きはがし処理の失敗を検知したときは、アラームによる発報を行わせることが可能なよう構成されている、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記引きはがし処理の失敗は、少なくとも、前記基板保持具、前記基板移載機構、前記基板のいずれかが破損していることを示す、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記引きはがし処理の失敗は、前記基板移載機構の既定のトルクでは、前記基板を前記基板保持具から引きはがせないことを示す、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記センサが、前記引きはがし処理の失敗を検知したときは、前記基板移載機構によるリトライ処理を実行することが可能なように構成されている、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記リトライ処理は1回以上の所定の回数行うことが可能な、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記センサが前記リトライ処理で前記引きはがし処理の失敗を検知したときは、その後の処理を中断する、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記センサが前記リトライ処理で前記引きはがし処理の成功を検知したときは、次に続く処理を継続する、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
基板保持具に設けられ、複数の基板を多段に載置する基板載置部に対して、基板移載機構により前記基板を装填する工程と、
前記基板を保持した前記基板保持具を処理容器内に搬送する工程と、
前記処理容器内の前記基板に対して成膜ガスを供給する工程と、を有し、
前記基板に対して前記成膜ガスを供給する工程では、前記基板移載機構による前記基板載置部からの前記基板の引きはがしが不可能となる膜の臨界厚さが予め設定された制御部により、前記基板に対して前記成膜ガス供給する成膜処理を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記臨界厚さの膜が形成される前に前記成膜ガスの供給を中断することで前記成膜処理実施を中断し、前記基板移載機構により、前記基板載置部上に載置された前記基板を持ち上げた後、前記基板の搬送を行うことなく、前記基板を前記基板載置部上の元の位置に下降させる処理のみを実行する引きはがし処理を行う、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
基板保持具に設けられ、複数の基板を多段に載置する基板載置部に対して、基板移載機構により前記基板を装填する手順と、
前記基板を保持した前記基板保持具を処理容器内に搬送する手順と、
前記処理容器内の前記基板に対して成膜ガスを供給する手順と、を有し、
前記基板に対して前記成膜ガスを供給する手順において、前記基板移載機構による前記基板載置部からの前記基板の引きはがしが不可能となる膜の臨界厚さが予め設定されたコンピュータにより、前記基板に対して前記成膜ガス供給する成膜処理を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記臨界厚さの膜が形成される前に前記成膜ガスの供給を中断することで前記成膜処理実施を中断し、前記基板移載機構により、前記基板載置部上に載置された前記基板を持ち上げた後、前記基板の搬送を行うことなく、前記基板を前記基板載置部上の元の位置に下降させる処理のみを実行する引きはがし処理を行う手順を前記コンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の一工程として、基板保持具に保持された基板上に所望の厚さの膜を形成し、その後、基板を基板保持具から脱装する処理が行われることがある(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-252105号公報
【文献】WO2005/055314公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、基板を基板保持具から脱装する際に、形成された膜により基板と基板保持具とが固着して、基板を基板保持具から引きはがせなくなることを回避する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、
基板を載置する基板載置部が設けられた基板保持具と、
前記基板載置部に対して前記基板を装填または脱装する基板移載機構と、
前記基板を保持した前記基板保持具を収容する処理容器と、
前記処理容器内の前記基板に対して成膜ガスを供給する成膜ガス供給系と、
前記基板に対して前記成膜ガスを供給する成膜処理を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記成膜処理の実施を中断し、前記基板載置部上に載置された前記基板の引きはがし処理を行うように、前記基板移載機構および前記成膜ガス供給系を制御することが可能なよう構成される制御部と、
を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板を基板保持具から脱装する際に、形成された膜により基板と基板保持具とが固着して、基板を基板保持具から引きはがせなくなることを回避する技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置1の透視斜視図である。
図2図2は、本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置1の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分を縦断面図で示す図である。
図3図3は、本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置1の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分を図2のA-A線断面図で示す図である。
図4図4は、本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置1が備えるコントローラ124の概略構成図であり、コントローラ124の制御系をブロック図で示す図である。
図5図5は、本開示の一態様で好適に用いられる基板処理装置1が備えるボート217の縦断面部分拡大図である。
図6図6は、本開示の一態様に係る基板処理工程の手順の一例を示すフロー図である。
図7図7(a)は、基板載置部222上にウエハ200が載置された後のボート217における縦断面部分拡大図である。図7(b)は、基板載置部222上のウエハ200に臨界厚さの膜300が形成される前のボート217における縦断面部分拡大図である。図7(c)は、ツイーザ111により、基板載置部222上のウエハ200を持ち上げた状態を示す図である。図7(d)は、ツイーザ111により、持ち上げたウエハ200を基板載置部222上の元の位置に載置させた状態を示す図である。
図8図8は、本開示の他の態様で好適に用いられる基板処理装置における処理容器の要部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本開示の一態様>
以下、本開示の一態様について説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0009】
(1)基板処理装置の全体構成例
図1に示すように、基板処理装置1は、バッチ式縦型熱処理装置として構成されている。基板処理装置1は、耐圧容器である筐体101を備えており、その内部には、例えば処理炉202が設けられ、その外部には、制御部であるコントローラ124が設けられている。基板としてのウエハ200を筐体101の内外へ搬送する際に、基板搬送容器としてのカセット100が用いられる。カセット100は、複数枚(例えば、25枚)のウエハ200を収納可能に構成されている。筐体101には、カセット100を筐体101内外へ搬送するカセット搬送口(図示せず)が設けられている。
【0010】
筐体101には、カセット受渡し台としてのカセットステージ105(以下、ステージ105という。)が設けられている。カセット100は、外部搬送装置(図示せず)によりステージ105上に搬入され、また、ステージ105上から搬出されるようになっている。
【0011】
ステージ105の近傍には、カセット100を収納するカセット棚109が設けられている。カセット棚109は、複数段複数列にて少なくとも1つ以上のカセット100を保管するように構成されている。カセット棚109の一部として、後述する基板移載機構112の搬送対象となるカセット100が収納される移載棚123が設けられている。
【0012】
ステージ105の上方には、予備のカセット100を保管する予備カセット棚110が設けられている。ステージ105とカセット棚109との間には、カセット100を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ115(以下、「エレベータ115」という。)と、カセット100を搬送するカセット搬送機構114(以下、搬送機構114という。)と、が設けられている。エレベータ115と搬送機構114との連動動作により、ステージ105、カセット棚109、予備カセット棚110との間で、カセット100を搬送するように構成されている。
【0013】
筐体101の内部上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ116により開閉されるように構成されている。処理炉202の下方には、処理炉202に対し基板保持具としてのボート217を昇降させるボートエレベータ121(以下、エレベータ121という。)が設けられている。エレベータ121の昇降台に連結された連結具としての昇降部材122には、蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持するとともに、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。また、処理炉202の下方には、ウエハ200の装填、脱装、後述するウエハ200の引きはがし処理等を行う待機室141が設けられている。
【0014】
ボート217は、複数本のボート柱部221を備えている。ボート柱部221には、ウエハ200を載置する基板載置部222が複数設けられており(図5参照)、ボート217は、複数枚(例えば、200~250枚)のウエハ200を多段に支持するように構成されている。
【0015】
図1に示すように、エレベータ121とカセット棚109との間には、基板移載機構112が設けられている。基板移載機構112は、ウエハ200を水平姿勢で保持する所定数(例えば、5つ)のツイーザ111を備えており、基板移載機構112を昇降させる基板移載機構エレベータ113(以下、エレベータ113という。)に取り付けられている。エレベータ113、基板移載機構112およびツイーザ111の連動動作により、ボート217の基板載置部222に対してウエハ200を装填するように、また、基板載置部222上からウエハ200を脱装するように構成されている。また、基板移載機構112には、後述する引きはがし処理の成否を検知するセンサ119が備えられている(図7(c)、図7(d)参照)。
【0016】
カセット棚109の上方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するクリーンユニット118が設置されている。クリーンユニット118は、供給ファンと防塵フィルタ(ともに図示せず)を備えており、クリーンエアを筐体101の内部に流通させるように構成されている。
【0017】
(2)基板処理装置1の動作例
【0018】
ウエハ200が垂直姿勢で装填されたカセット100は、外部搬送装置によってステージ105上に、カセット100のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。その後、ウエハ200が水平姿勢となるように、カセット100は、ステージ105により90°回転させられる。
【0019】
次に、カセット100は、ステージ105上から、カセット棚109または予備カセット棚110の指定された棚位置へ、エレベータ115と搬送機構114との連動動作により搬送され、一時的に保管された後、移載棚123に移載される。または、カセット100は、ステージ105上から、エレベータ115と搬送機構114との連動動作により、直接移載棚123に搬送される。
【0020】
カセット100が移載棚123に移載されると、ウエハ200は、カセット100から基板移載機構112に設けられたツイーザ111によってピックアップされ、ボート217に設けられた基板載置部222に装填される。ボート217にウエハ200を受け渡した基板移載機構112はカセット100に戻り、次のウエハ200をボート217の基板載置部222に対して装填する。
【0021】
予め指定されている枚数(例えば100~200枚)のウエハ200がボート217の基板載置部222に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ116が開き、処理炉202の下端部が開放される。その後、ウエハ200群を保持したボート217がエレベータ121の上昇動作により処理炉202内に搬入(ローディング)され、処理炉202の下部がシールキャップ219により閉塞される。
【0022】
ローディング後は、ウエハ200に対し所定の処理が実施される。処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200およびカセット100は筐体101の外部へ払出される。
【0023】
(3)処理炉202の構成例
【0024】
図2に示すように、処理炉202は温度調整器(加熱部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
【0025】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料を含み、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス鋼(SUS)等の金属材料を含み、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。反応管203はヒータ207と同様に垂直に据え付けられている。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成される。処理容器の筒中空部には処理室201が形成される。処理室201は、基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。この処理室201内でウエハ200に対する処理が行われる。
【0026】
処理室201内には、第1,第2供給部としてのノズル249a,249bが、マニホールド209の側壁を貫通するようにそれぞれ設けられている。ノズル249a,249bを、それぞれ第1ノズル、第2ノズルとも称する。ノズル249a,249bは、例えば石英またはSiC等の耐熱性材料を含んでいる。ノズル249a,249bには、ガス供給管232a,232bがそれぞれ接続されている。ノズル249a,249bは、互いに隣接して設けられている。
【0027】
ガス供給管232a,232bには、ガス流の上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a,241bおよび開閉弁であるバルブ243a,243bがそれぞれ設けられている。ガス供給管232aのバルブ243aよりも下流側には、ガス供給管232cが接続されている。ガス供給管232cには、ガス流の上流側から順に、MFC241c、バルブ243cが設けられている。ガス供給管232bのバルブ243bよりも下流側には、ガス供給管232dが接続されている。ガス供給管232dには、ガス流の上流側から順に、MFC241d、バルブ243dが設けられている。ガス供給管232a~232dは、例えば、SUS等の金属材料を含んでいる。
【0028】
図3に示すように、ノズル249a,249bは、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の配列方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a,249bは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249a,249bの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a,250bがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250a,250bは、それぞれが、平面視においてウエハ200の中心に向かって開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
【0029】
ガス供給管232aからは、成膜ガスの1つである原料ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。
【0030】
ガス供給管232bからは、成膜ガスの1つであるドーパントガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。
【0031】
ガス供給管232c,232dからは、不活性ガスが、それぞれMFC241c,241d、バルブ243c,243d、ガス供給管232a,232b、ノズル249a,249bを介して処理室201内へ供給される。不活性ガスは、パージガス、キャリアガス、希釈ガス等として作用する。
【0032】
主に、ガス供給管232a,232b、MFC241a,241b、バルブ243a,243bにより、成膜ガス供給系(原料ガス供給系、ドーパントガス供給系)が構成される。主に、ガス供給管232c,232d、MFC241c,241d、バルブ243c,243dにより、不活性ガス供給系が構成される。
【0033】
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a~243dやMFC241a~241d等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a~232dのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a~232h内への各種物質(各種ガス)の供給動作、すなわち、バルブ243a~243dの開閉動作やMFC241a~241dによる流量調整動作等が、後述するコントローラ124によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a~232d等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、集積型供給システム248のメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
【0034】
反応管203の側壁下方には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口231aが設けられている。排気口231aは、反応管203の側壁の下部より上部に沿って、すなわち、ウエハ配列領域に沿って設けられていてもよい。排気口231aには排気管231が接続されている。排気管231は、例えばSUS等の金属材料を含んでいる。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
【0035】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料を含み、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の下方には、ボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、例えばSUS等の金属材料を含み、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのエレベータ121によって垂直方向に昇降されるように構成されている。
【0036】
基板保持具としてのボート217は、ウエハ200支持する基板載置部222を複数備えており、例えば25~200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料を含んでいる。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料を含む断熱板218が多段に支持されている。
【0037】
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0038】
図4に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ124は、CPU(Central Processing Unit)124a、RAM(Random Access Memory)124b、記憶装置124c、I/Oポート124dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM124b、記憶装置124c、I/Oポート124dは、内部バス124eを介して、CPU124aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ124には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置125が接続されている。また、コントローラ124には、外部記憶装置126を接続することが可能となっている。
【0039】
記憶装置124cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成されている。記憶装置124c内には、基板処理装置1の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理における各手順をコントローラ124によって、基板処理装置1に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM124bは、CPU124aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0040】
I/Oポート124dは、上述のMFC241a~241d、バルブ243a~243d、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、エレベータ121、炉口シャッタ116等に接続されている。
【0041】
CPU124aは、記憶装置124cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置125からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置124cからレシピを読み出すことが可能なように構成されている。CPU124aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a~241dによる各種物質(各種ガス)の流量調整動作、バルブ243a~243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、エレベータ121によるボート217の昇降動作等を制御することが可能なように構成されている。
【0042】
コントローラ124は、外部記憶装置126に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。外部記憶装置126は、例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやSSD等の半導体メモリ等を含む。記憶装置124cや外部記憶装置126は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置124c単体のみを含む場合、外部記憶装置126単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置126を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0043】
(4)基板処理工程
次に、図6および図7を用い、本開示の一態様に係る基板処理工程について説明する。以下の説明において、基板処理装置1を構成する各部の動作はコントローラ124により制御される。
【0044】
本態様では、一例として、ウエハ200に対して、成膜ガスの1つである原料ガスとして、例えば、シラン系ガスを供給し、成膜ガスの1つであるドーパントガスとして、例えば、ドーパントの一種であるリン(P)を含むガスを供給し、ウエハ200上にポリシリコン膜(poly-Si膜、多結晶Si膜)を形成する例について説明する。
【0045】
また、本態様では、一例として、ウエハ200上に所望の厚さの膜として、例えば14μmの厚さのポリシリコン膜を形成する場合について説明する。なお、「所望の厚さ」を14μmとしたのは、あくまで一例であり、14μm以外の厚さのポリシリコン膜を所望の厚さの膜とすることを排除するものではない。
【0046】
本明細書において用いる「ウエハ」という用語は、ウエハそのものを意味する場合や、ウエハとその表面に形成された所定の層や膜との積層体を意味する場合がある。本明細書において用いる「ウエハの表面」という言葉は、ウエハそのものの表面を意味する場合や、ウエハ上に形成された所定の層等の表面を意味する場合がある。本明細書において「ウエハ上に所定の層を形成する」と記載した場合は、ウエハそのものの表面上に所定の層を直接形成することを意味する場合や、ウエハ上に形成されている層等の上に所定の層を形成することを意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
【0047】
(ウエハチャージ:S102)
基板移載機構112により移載棚123上のカセット100内から待機室141内のボート217へウエハ200が装填(ウエハチャージ)される。具体的には、例えば、5つのツイーザ111により、ウエハ200が5枚ずつ、移載棚123上のカセット100内からボート217の基板載置部222に装填される。この処理は、予定された全てのウエハ200(例えば100~200枚のウエハ200)のボート217への装填が完了するまで行われる。
【0048】
(ボートロード:S104)
その後、炉口シャッタ116が移動して、マニホールド209の下端開口が開放される(シャッタオープン)。そして、図2に示すように、ウエハ200を保持したボート217は、エレベータ121によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。このようにして、ウエハ200は、処理室201内に提供されることとなる。
【0049】
(圧力調整および温度調整:S106)
その後、処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。また、処理室201内のウエハ200が所望の処理温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。また、回転機構267によるウエハ200の回転を開始する。また、バルブ243c,243dを開き、ノズル249a,249bのそれぞれを介して処理室201内への不活性ガスの供給を開始する。処理室201内の排気、ウエハ200の加熱および回転、不活性ガスの供給は、いずれも、少なくとも後述する成膜処理(S108)が終了するまでの間は継続して行われる。
【0050】
(成膜処理:S108)
処理室201内が所望の圧力、温度に達したら、バルブ243aを開き、ガス供給管232a内へ原料ガスを流す。これと併行して、バルブ243bを開き、ガス供給管232b内へドーパントガスを流す。原料ガス、ドーパントガスは、それぞれ、MFC241a,MFC241bにより流量調整され、ノズル249a,ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気口231aより排気される。このとき、ウエハ200の側方から、ウエハ200に対して成膜ガス(原料ガス、ドーパントガス)が一緒かつ同時に供給される(成膜ガス供給)。
【0051】
本ステップにて成膜ガスを供給する際における処理条件としては、
処理温度:300~700℃
処理圧力:1~10000Pa
原料ガス供給流量:0.001~10slm
ドーパントガス供給流量:0.0001~2slm
原料ガスおよびドーパントガス供給時間:1~1000分
不活性ガス供給流量(ガス供給管毎):0.0001~10slm
が例示される。
【0052】
なお、本明細書における「300~700℃」のような数値範囲の表記は、下限値および上限値がその範囲に含まれることを意味する。よって、例えば、「300~700℃」とは「300℃以上700℃以下」を意味する。他の数値範囲についても同様である。また、本明細書における処理温度とはウエハ200の温度または処理室201内の温度のことを意味し、処理圧力とは処理室201内の圧力のことを意味する。また、供給流量に0slmが含まれる場合、0slmとは、そのガスを供給しないケースを意味する。
【0053】
上述の処理条件下でウエハ200に対して、原料ガスとして、例えばシラン系ガスを供給し、ドーパントガスとして、例えばPを含むガスを供給することにより、ウエハ200の表面上に、Pを含むシリコン(Si)を堆積させることが可能となる。これにより、ウエハ200上に、膜として、ドーパントとしてのPがドープされたポリシリコン膜(以下、PドープSi膜、或いは、単にSi膜とも称する)300を形成することが可能となる(図7(a)、図7(b)参照)。図7(b)に示すように、Si膜300は、ウエハ200上に形成されるだけでなく、基板載置部222上にも形成されており、ウエハ200は、Si膜300によりボート217に接着された状態となっている。ここで「接着」とは、Si膜300によりウエハ200とボート217がくっついているものの、基板移載機構112により、ウエハ200をボート217から引きはがせる状態のことをいい、後述する「固着」の状態には至っていない状態のことをいう。
【0054】
原料ガスとしては、例えば、ウエハ200上に形成される膜を構成する主元素としてのSiを含む上述のシラン系ガスを用いることができる。シラン系ガスとしては、例えば、モノシラン(SiH)ガス、ジシラン(Si)ガス、トリシラン(Si)ガス、テトラシラン(Si10)ガス、ペンタシラン(Si12)ガス、ヘキサシラン(Si14)ガス等の水素化ケイ素ガスを用いることができる。原料ガスとしては、これらのうち1以上を用いることができる。この点は、後述する成膜処理(S124)においても同様である。
【0055】
ドーパントガスとしては、例えば、III族元素(第13族元素)およびV族元素(第15族元素)のうちいずれかの元素を含むガスを用いることができる。ドーパントガスとしては、例えば、ホスフィン(PH)ガス等のV族元素としてPを含むガス、アルシン(AsH)ガス等のV族元素として砒素(As)を含むガスを用いることができる。また、ドーパントガスとしては、ジボラン(B)ガス、トリクロロボラン(BCl)ガス等のIII族元素として硼素(B)を含むガスを用いることができる。ドーパントガスとしては、これらのうち1以上を用いることができる。この点は、後述する成膜処理(S124)においても同様である。
【0056】
不活性ガスとしては、例えば、窒素(N)ガスや、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを用いることができる。不活性ガスとしては、これらのうち1以上を用いることができる。この点は、後述する成膜処理(S124)においても同様である。
【0057】
(成膜処理中断:S110)
成膜処理を開始してから、ウエハ200上に、所望の厚さである14μmの厚さのSi膜を形成するまでの間に、成膜処理を中断する。より具体的には、成膜処理を開始してから、ウエハ200上に、所望の厚さである14μmの厚さのSi膜を形成するまでの間であって、ウエハ200上に臨界厚さの膜(Si膜)が形成される前に、成膜処理を中断する。「臨界厚さ」とは、それ以上の厚さになると基板移載機構112による引きはがし処理が不可能となるときの膜の厚さのことである。より具体的には、それ以上の厚さになるとウエハ200とボート217とが固着してしまい、基板移載機構112ではウエハ200をボート217から引きはがせなくなるときの、ウエハ200上に形成される膜(Si膜)の厚さのことである。ここで、「引きはがし処理」とは、基板移載機構112により、基板載置部222上に載置されたウエハ200を持ち上げた後、基板載置部222上の元の位置に下降させる処理のことである。「固着」とは、Si膜300によりウエハ200とボート217とが固くくっついてしまい、基板移載機構112ではウエハ200をボート217から引きはがせない状態のことをいう。
【0058】
本態様では、一例として、「臨界厚さの膜」を、例えば6μmの厚さの膜であるとし、ウエハ200上に臨界厚さの膜(Si膜)が形成される前、例えば5μmの厚さの膜が形成されたときに、成膜処理を中断する場合について説明する。
【0059】
(ボートアンロード:S112)
その後、エレベータ121によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下降が開口される。そして、ボート217を処理室201内から待機室141内へ移動させる(ボートアンロード)。ボートアンロードの後は、炉口シャッタ116が移動して、マニホールド209の下端開口が炉口シャッタ116によりシールされる(シャッタクローズ)。
【0060】
(ウエハ冷却:S114)
ボートアンロードされたウエハ200は、ボート217に支持された状態で、待機室141内において所定の温度になるまで冷却される。
【0061】
(引きはがし処理:S116)
その後、ボート217の基板載置部222上に載置されたウエハ200の下面に、基板移載機構112のツイーザ111が差し込まれ、ウエハ200が持ち上げられる。このとき、Si膜300により接着されていたウエハ200とボート217(基板載置部222)とが、引きはがされる(図7(c)参照)。本態様では、ウエハ200上に5μmのSi膜300が形成されたときに成膜ガスの供給を中断し、引きはがし処理を行うことにより、後述するように、ウエハ200上に所望の厚さの膜(例えば、14μmの厚さのSi膜)を形成するにあたり、再度、成膜処理(S108)を行い、ウエハ200上にさらなるSi膜を形成しても、ウエハ200とボート217との固着を防ぐことができる。その後、基板載置部222から引きはがされウエハ200は、基板移載機構112により下降させられ、基板載置部222上の元の位置に載置される(図7(d)参照)。なお、本態様における基板移載機構112は、5つのツイーザ111を備えているので、引きはがし処理は、例えば、5枚のウエハ200に対して同時に行われるが、図7(c)、図7(d)では、便宜上、そのうちの1つのツイーザ111が引きはがし処理を実行している状態を示している。
【0062】
本ステップ(S116)では、基板移載機構112に備えられているセンサ119によって、引きはがし処理の成否が判定される。引きはがし処理の失敗とは、例えば、ボート217、基板移載機構112、ウエハ200の少なくともいずれかが破損していること、基板移載機構112の既定のトルクではウエハ200をボート217から引きはがせないこと、の少なくともいずれかを含むものをいう。センサ119が、引きはがし処理の失敗を検知したときは、基板処理工程におけるその後の処理を中断し、ツイーザ111をボート217から退避させ、アラームによる発報を行う。
【0063】
なお、センサ119が、引きはがし処理の失敗を検知したときは、ツイーザ111による再度の引きはがし処理であるリトライ処理を実行してもよい。リトライ処理は、1回以上の所定の回数行うことができる。リトライ処理の実行後、センサ119が、リトライ処理における引きはがし処理の成功を検知したときは、次のステップ(S118)に進み、リトライ処理における引きはがし処理の失敗を検知したときは、その後の処理を中断し、ツイーザ111をボート217から退避させ、アラームによる発報を行ってもよい。この場合、次のバッチ処理は、行わないことが好ましい。なお、リトライ処理においては、必ずしも5つのツイーザ111を作動させる必要はなく、例えば、引きはがし処理の失敗が検知されたウエハ200の枚数に対応する数のツイーザ111のみを作動させるようにしてもよい。
【0064】
ここで、リトライ処理における引きはがし処理の成功とは、例えば、リトライ処理の対象となった全てのウエハ200を破損させることなくボート217から引きはがすことができることをいう。リトライ処理における引きはがし処理の失敗とは、例えば、リトライ処理の対象となったウエハの200のうち、少なくとも1枚のウエハ200をボート217から引きはがすことができないこと、または引きはがすときにウエハ200を破損させてしまうことをいう。リトライ処理における引きはがし処理の失敗を検知した場合において、例えば、リトライ処理の対象となったウエハ200のうち、ボート217から引きはがすことができたウエハ200が1枚以上あったときには、当該ウエハ200については、次のステップ(S118)に進み、このとき、ボート217からの引きはがしに失敗したウエハ200については、例えば、ボート217に固着させた状態のままにしてもよいし、所定の方法により、ボート217から取り除くようにしてもよい。
【0065】
(判定工程:S118)
ウエハ引きはがし処理(S116)を終えると、上述した一連の処理(S104~S116)を1つのサイクルとし、その1サイクルを所定回数(2回)実施したか否か、すなわち成膜処理(S108)において、形成された膜の厚さが10μmに到達したか否かを判定する。そして、所定回数(2回)実施していなければ、ボートロード(S104)から引きはがし処理(S116)までの1サイクルを繰り返す。一方、所定回数実施したと判定したときには、次のステップ(S120)に進む。
【0066】
その後、上述のボートロード(S104)と同様の処理手順により、ボート217を処理室201内へ搬入し(ボートロード:S120)、上述の圧力調整および温度調整(S106)と同様の処理手順、処理条件により、処理室201内の圧力調整および温度調整を行う(圧力調整および温度調整:S122)。
【0067】
(成膜処理:S124)
その後、上述の成膜処理(S108)と同様の処理手順により、ウエハ200に対して成膜ガス(原料ガス、ドーパントガス)を供給する。
【0068】
本ステップにて成膜ガスを供給する際における処理条件としては、
原料ガスおよびドーパントガス供給時間:400~800分
が例示される。他の処理条件は、成膜処理(S108)において成膜ガスの供給する際における処理条件と同様とすることができる。
【0069】
上述したように、ウエハ200上には、既に10μmの厚さのSi膜が形成されているので、所望の厚さである14μmの厚さのSi膜を形成するために、本ステップにおいて、上述の条件下でウエハ200に対して成膜ガスを供給することにより、残余の4μmの厚さのSi膜を形成し、膜厚を調整する。
【0070】
その後、上述のボートアンロード(S112)と同様の処理手順により、ボート217を処理室201内から待機室141内へ移動させ(ボートアンロード:S126)、上述のウエハ冷却(S114)と同様の処理手順、処理条件により、処理済のウエハ200を、待機室141内において所定の温度になるまで冷却する(ウエハ冷却:S128)。
【0071】
(ウエハディスチャージ:S130)
その後、基板移載機構112により、待機室141内のボート217に設けられた基板載置部222上から移載棚123上のカセット100内に処理済みのウエハ200が脱装(ウエハディスチャージ)される。具体的には、例えば、5つのツイーザ111により、ウエハ200が5枚ずつ、ボート217の基板載置部222から移載棚123上のカセット100内に搬送される。この処理は、予定された全てのウエハ200(例えば100~200枚のウエハ200)のボート217からの脱装が完了するまで行われる。そして、基板処理工程を終了する。
【0072】
(5)本態様による効果
本態様によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
【0073】
(a)成膜処理を開始してから、ウエハ200上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、成膜処理の実施を中断し、基板載置部222上に載置されたウエハ200の引きはがし処理を行うことにより、ウエハ200とボート217との固着を防ぐことができ、ウエハ200上に所望の厚さの膜を形成した後に、ウエハ200をボート217から引きはがせなくなることを回避することができる。
【0074】
(b)成膜処理を開始してからウエハ200上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、成膜ガスを供給する処理と、ウエハ200上に臨界厚さの膜が形成される前に成膜ガスの供給を中断する処理と、引きはがし処理と、をこの順を行うサイクルを所定回数行うことにより、ウエハ200とボート217との固着を確実に防ぐことができる。
【0075】
コントローラ124の記憶装置124c内には、上述した基板処理(例えば、S102~S130)の手順や条件等が記載されたプロセスレシピが読み出し可能に格納されていることにより、当該プロセスレシピを読み出して1回実行すれば、ウエハ200とボート217との固着を確実に防ぎつつ、ウエハ200上に所望の厚さの膜を形成することができる。結果として、成膜処理の操作を容易にすることができる。
【0076】
(c)上述した条件下で、引きはがし処理、すなわち、基板移載機構112により、基板載置部222上に載置されたウエハ200を持ち上げた後、基板載置部222上の元の位置に下降させる処理のみを行い、ウエハ200の脱装、装填までは行わないことにより、基板処理工程に要する時間を短縮し、生産性を向上させることができる。ここで「脱装」とは、基板移載機構112により、待機室141内のボート217に設けられた基板載置部222上から移載棚123上のカセット100内に処理済みのウエハ200を搬送することをいう。「装填」とは、基板移載機構112により、移載棚123上のカセット100内から待機室141内のボート217へ未処理のウエハ200を搬送することをいう。
【0077】
(d)基板移載機構112は、複数のツイーザ111を備えており、複数枚のウエハ200に対して同時に引きはがし処理を行うことにより、基板処理工程に要する時間を短縮し、生産性を向上させることができる。
【0078】
(e)引きはがし処理の実行中に、基板移載機構112に備えられているセンサ119によって、引きはがし処理の失敗が検知されたときは、その後の処理が中断されることにより、基板品質の向上、生産効率の向上を実現することができる。また、アラームによる発報が行われることにより、操作者に異常事態を知らせることができる。なお、リトライ処理を実行することにより、ウエハ200とボート217との固着を確実に防ぐことができるので、ウエハ200の損失を抑えることができる。
【0079】
<本開示の他の態様>
以上、本開示の態様を具体的に説明した。しかしながら、本開示は上述の態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0080】
上述の態様では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置1を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合には、引きはがし処理は、処理容器内において行われることが好ましい。具体的には、成膜処理は、処理容器内に設けられている基板載置部(サセプタ)上に、ウエハを載置した状態で行う。図8に示すように、処理容器内には、基板載置部上に載置されているウエハを持ち上げた後、基板載置部上の元の位置に下降させる、リフトピン等の基板移動機構が設けられている。成膜処理が行われた後は、基板移動機構により、基板載置部上のウエハを持ち上げた後、基板載置部上の元の位置に下降させる、引きはがし処理が行われる。成膜処理と引きはがし処理とを所定回数繰り返すことにより、ウエハ上に所望の厚さの膜を形成することができる。このように、処理容器内で引きはがし処理を行うことにより、基板処理工程に要する時間を短縮し、生産性を向上させることができる。
【0081】
また、上述の態様では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。
【0082】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の態様と同様な処理手順、処理条件にて各処理を行うことができ、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0083】
上述の態様では、引きはがし処理を、基板移載機構112により、基板載置部222上に載置されたウエハ200を持ち上げた後、基板載置部222上の元の位置に下降させる処理のことである、と規定したが、本開示はこれに限定されない。例えば、引きはがし処理は、基板移載機構112により、基板載置部222上に載置されたウエハ200を、基板載置部222上でずらして移動させた後、再びずらして基板載置部222上の元の位置に戻す処理であってもよい。上述した引きはがし処理(S116)において、これらの引きはがし処理のうちの少なくともいずれか1つを用いることができる。これらの場合においても、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0084】
また、同様に、引きはがし処理は、基板移載機構112により、基板載置部222上に載置されたウエハ200を脱装した後、基板載置部222上の元の位置に装填する処理であってもよい。この場合においては、上述の態様の効果が確実に得られる。
【0085】
上述の態様では、ウエハ200上に、ドーパントがドープされた導電性ポリシリコン膜を形成する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、ウエハ200上に、ドーパントがドープされた導電性アモルファスシリコン膜(a-Si膜、非晶質Si膜)、ドーパントがドープされた導電性単結晶シリコン膜(単結晶Si膜)等の膜を形成する場合にも、本開示を適用することができる。また、ドーパントガスを用いずに、ウエハ200上に、ノンドープポリシリコン膜、ノンドープアモルファスシリコン膜、ノンドープ単結晶シリコン膜を形成する場合にも、本開示を適用することができる。また、成膜ガスとして、原料ガス等の他、窒素(N)含有ガス、酸素(O)含有ガス、炭素(C)含有ガス、N及びC含有ガス、硼素(B)含有ガス等の反応ガスをさらに用い、ウエハ200上に、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン炭化膜(SiC膜)、シリコン炭窒化膜(SiCN膜)、シリコン酸窒化膜(SiON膜)、シリコン酸炭化膜(SiOC膜)、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)、シリコン硼炭窒化膜(SiBCN膜)、シリコン硼窒化膜(SiBN膜)等の多元系Si膜を形成する場合にも、本開示を適用することができる。各種成膜ガスを供給する際の処理手順、処理条件は、例えば、上述の態様と同様とすることができる。これらの場合においても、上述の態様と同様の効果が得られる。
【0086】
上述の態様では、ウエハ200上に所望の厚さの膜を形成する際に、最後(3回目)の成膜処理において、膜厚を調整する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、1回目の成膜処理、2回目の成膜処理のいずれかにおいて、膜厚を調整するようにしてもよい
【0087】
上述の態様では、成膜処理(S108,S124)において、複数種類の成膜ガスを同時かつ連続的に処理室201内に供給するCVD(chemical vapor deposition)処理を行う例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、成膜ガスを間欠的に供給するサイクリックCVD処理を行ってもよい。また例えば、原料ガスと上述の反応ガスとを交互に供給する工程を繰り返す交互供給処理を行ってもよい。すなわち、原料ガス供給→パージ→反応ガス供給→パージを1サイクルとして、このサイクルを所定回数行うようにしてもよい。これらの場合、例えば、1サイクルあたりSi含有層を250nm成長させるサイクルを20回繰り返すことで、5μmの厚さのSi含有膜を形成するようにしてもよい。
【0088】
なお、サイクリックCVD処理や交互供給処理の場合、パージステップにおいて、パージ・真空排気を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すようにしてもよい。この場合、ウエハ面内均一性が向上するなどの効果が得られる。
【0089】
上述の手順や条件等が記載され、各処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置126を介して記憶装置124c内に格納しておくことが好ましい。そして、各処理を開始する際、CPU124aが、記憶装置124c内に格納された複数のレシピの中から、処理内容に応じて適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、各処理を迅速に開始できるようになる。
【0090】
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールするようにしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置125を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更するようにしてもよい。
【0091】
上述の態様は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の態様の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
【0092】
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様について付記する。
【0093】
(付記1)
本開示の一態様によれば、
基板を載置する基板載置部が設けられた基板保持具と、
前記基板載置部に対して基板を装填または脱装する基板移載機構と、
基板を保持した前記基板保持具を収容する処理容器と、
前記処理容器内の基板に対して成膜ガスを供給する成膜ガス供給系と、
基板に対して前記成膜ガスを供給する成膜処理を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記成膜処理の実施を中断し、前記基板載置部上に載置された基板の引きはがし処理を行うように、前記基板移載機構および前記成膜ガス供給系を制御することが可能なよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0094】
(付記2)
付記1に記載の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記成膜処理を開始してから前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、前記成膜ガスを供給する処理と、前記基板上に臨界厚さの膜が形成される前に前記成膜ガスの供給を中断する処理と、前記引きはがし処理と、をこの順を行うサイクルを所定回数行うように、前記基板移載機構および前記成膜ガス供給系を制御することが可能なよう構成される。
【0095】
(付記3)
付記2に記載の基板処理装置であって、
前記臨界厚さとは、それ以上の厚さになると前記基板移載機構による前記引きはがし処理が不可能となるときの膜の厚さのことである。
【0096】
(付記4)
付記1~3のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記引きはがし処理とは、前記基板移載機構により、前記基板載置部上に載置された基板を持ち上げた後、前記基板載置部上の元の位置に下降させることが可能な処理のことである。
【0097】
(付記5)
付記1~3のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記引きはがし処理とは、前記基板移載機構により、前記基板載置部上に載置された基板を、前記基板載置部上でずらして移動させた後、再びずらして前記基板載置部上の元の位置に戻すことが可能な処理のことである。
【0098】
(付記6)
付記1~3のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記引きはがし処理とは、前記基板移載機構により、前記基板載置部上に載置された基板を脱装した後、前記基板載置部上の元の位置に装填することが可能な処理のことである。
【0099】
(付記7)
付記1~6のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記引きはがし処理は、複数枚の基板に対して同時に行われることが可能な処理である。
【0100】
(付記8)
付記1~6のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記引きはがし処理は、前記処理容器内において行われることが可能な処理である。
【0101】
(付記9)
付記1~8のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記基板移載機構は、前記引きはがし処理の成否を検知するセンサを備え、
前記制御部は、前記センサが、前記引きはがし処理の失敗を検知したときは、その後の処理を中断させることが可能なように構成されている。
【0102】
(付記10)
付記1~9のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
前記基板移載機構は、前記引きはがし処理の成否を検知するセンサを備え、
前記制御部は、前記センサが、前記引きはがし処理の失敗を検知したときは、アラームによる発報を行わせることが可能なよう構成されている。
【0103】
(付記11)
本開示の他の態様によれば、
基板保持具に設けられた基板載置部に対して、基板移載機構により基板を装填する工程と、
基板を保持した前記基板保持具を処理容器内に搬送する工程と、
前記処理容器内の基板に対して成膜ガスを供給する工程と、を有し、
前記基板に対して成膜ガスを供給する工程では、前記基板に対する前記成膜ガスの供給を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記成膜ガスの供給を中断し、前記基板載置部上に載置された基板の引きはがし処理を行う半導体装置の製造方法が提供される。
【0104】
(付記12)
本開示のさらに他の態様によれば、
基板保持具に設けられた基板載置部に対して、基板移載機構により基板を装填する手順と、
基板を保持した前記基板保持具を処理容器内に搬送する手順と、
前記処理容器内の基板に対して成膜ガスを供給する手順と、を有し、
前記基板に対して成膜ガスを供給する手順において、前記基板に対する前記成膜ガスの供給を開始してから、前記基板上に所望の厚さの膜を形成するまでの間に、少なくとも1回、前記成膜ガスの供給を中断し、前記基板載置部上に載置された基板の引きはがし処理を行う手順をコンピュータによって基板処理装置に実行させることが可能なプログラムが提供される。
【符号の説明】
【0105】
112 基板移載機構
124 コントローラ
200 ウエハ(基板)
217 ボート
222 基板載置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8