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特許7440488半導体基板処理におけるペデスタルへの蒸着の防止
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】半導体基板処理におけるペデスタルへの蒸着の防止
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
C23C16/44 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021505403
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019043464
(87)【国際公開番号】W WO2020028145
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】62/712,436
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/832,952
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グルバル・ヴィナヤカラディー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェランキ・ラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】リンド・ギャリー・ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ラマー・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サトヤデヴァン・マンジュナス
【審査官】本多 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-119786(JP,A)
【文献】特開2003-100644(JP,A)
【文献】特開2013-138164(JP,A)
【文献】特開2010-116606(JP,A)
【文献】米国特許第06001183(US,A)
【文献】特開2009-076598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0317197(US,A1)
【文献】特開平11-036076(JP,A)
【文献】特開2004-214316(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0376780(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システム内の基板支持体のための熱遮蔽構造であって、
前記基板支持体のステムを取り囲むよう構成された外側遮蔽体であって、前記外側遮蔽体は、さらに、(i)前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記ステムとの間、および、(ii)前記外側遮蔽体と前記基板支持体の下面との間に、内部空間を規定するよう構成されている、外側遮蔽体と、
前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記下面との間の前記内部空間内で前記基板支持体の下に配置されるよう構成された少なくとも1つの熱遮蔽プレートと、
前記外側遮蔽体から上向きに伸びるエッジガードであって、前記エッジガードは、(i)前記基板支持体の外周を取り囲み、(ii)前記エッジガードと前記基板支持体との間にギャップを規定するよう構成されている、エッジガードと、
前記外側遮蔽体と前記ステムとの間に配置された内側遮蔽体と、を備える、熱遮蔽構造。
【請求項2】
請求項1に記載の熱遮蔽構造であって、前記少なくとも1つの熱遮蔽プレートは、前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記下面との間の前記内部空間内で離間して配置された複数の熱遮蔽プレートを含む、熱遮蔽構造。
【請求項3】
請求項2に記載の熱遮蔽構造であって、さらに、前記熱遮蔽プレートの隣接するプレートの間に配置された複数の断熱ピンを備える、熱遮蔽構造。
【請求項4】
請求項に記載の熱遮蔽構造であって、前記内側遮蔽体は、前記少なくとも1つの熱遮蔽プレートから下向きに伸びており、前記内側遮蔽体と前記ステムとの間に第2内部空間を規定している、熱遮蔽構造。
【請求項5】
請求項1に記載の熱遮蔽構造であって、前記外側遮蔽体は、前記基板支持体の前記ステムとも前記下面とも直接的に接触していない、熱遮蔽構造。
【請求項6】
請求項1に記載の熱遮蔽構造であって、前記熱遮蔽プレートは、前記基板支持体の前記下面とも前記基板支持体の前記ステムとも前記外側遮蔽体とも直接的に接触していない、熱遮蔽構造。
【請求項7】
基板支持体であって、請求項1に記載の前記熱遮蔽構造を備え、前記基板支持体は、化学蒸着および原子層蒸着の少なくとも一方の間に基板を支持するよう構成されたペデスタルに対応する、基板支持体。
【請求項8】
システムであって、請求項1に記載の前記熱遮蔽構造を備え、前記システムは、さらに、前記内部空間内にパージガスを流すよう構成されたガス源を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2018年7月31日出願の米国仮出願第62/712,436号、および、2019年4月12日出願の米国仮出願第62/832,952号に基づく利益を主張する。上記の出願の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理に関し、特に、半導体基板蒸着処理で用いられるペデスタルへの蒸着を防止することに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示するためのものである。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされえない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【0004】
基板処理システムが、半導体ウエハなどの基板上の膜の蒸着およびエッチングなどの処理を実行するために用いられる。例えば、化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)、および/または、その他の蒸着処理を用いて、導電体膜、誘電体膜、または、その他のタイプの膜を蒸着するために、蒸着が実行されうる。蒸着中、基板は、基板支持体上に配置され、1または複数の前駆体ガスが、1または複数の処理工程中に処理チャンバに供給されうる。プラズマが、化学反応を起こすために用いられうる。蒸着が実行された後、処理ガスは排気され、基板は処理チャンバから取り出される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は、詳細な説明および以下に説明する添付図面から、より十分に理解できる。
【0006】
図1】本開示に従って、基板処理システムの一例を示す機能ブロック図。
【0007】
図2A】本開示に従って、蒸着処理中に基板を支持するためのペデスタルの一例を示す図。
【0008】
図2B】本開示に従って、ペデスタルのための熱遮蔽構造の一例を示す図。
【0009】
図3A】本開示に従って、熱遮蔽プレートの配置例を示す図。
【0010】
図3B】本開示に従って、熱遮蔽プレートを支持するための断熱ピンの一例を示す図。
【0011】
図3C】本開示に従って、熱遮蔽プレートの一例を示す図。
【0012】
図3D】本開示に従って、半径方向内側遮蔽体の一例を示す図。
【0013】
図4A】本開示に従って、熱遮蔽構造の別の例を備えたペデスタルを示す図。
【0014】
図4B】本開示に従って、図4Aの熱遮蔽構造の別の例を示す図。
【0015】
図5A】本開示に従って、熱遮蔽構造の別の例を備えたペデスタルを示す図。
【0016】
図5B】本開示に従って、図5Aの熱遮蔽構造の別の例を示す図。
【0017】
図面において、同様および/または同一の要素を特定するために、同じ符号を用いる場合がある。
【発明の概要】
【0018】
基板処理システム内の基板支持体のための熱遮蔽構造が、基板支持体のステムを取り囲むよう構成された外側遮蔽体を備える。外側遮蔽体は、さらに、外側遮蔽体と基板支持体のステムとの間、および、外側遮蔽体と基板支持体の下面との間に、内部空間を規定するよう構成されている。少なくとも1つの熱遮蔽プレートが、外側遮蔽体と基板支持体の下面との間の内部空間内で基板支持体の下に配置されるよう構成されている。エッジガードが、外側遮蔽体から上向きに伸びており、基板支持体の外周を取り囲むと共に、エッジガードと基板支持体との間にギャップを規定するよう構成されている。
【0019】
少なくとも1つの熱遮蔽プレートは、外側遮蔽体と基板支持体の下面との間の内部空間内で離間された複数の熱遮蔽プレートを含む。熱遮蔽構造は、さらに、熱遮蔽プレートの隣接するプレートの間に配置された複数の断熱ピンを備える。熱遮蔽構造は、さらに、外側遮蔽体とステムとの間に配置された内側遮蔽体を備える。内側遮蔽体は、少なくとも1つの熱遮蔽プレートから下向きに伸びており、内側遮蔽体とステムとの間に第2内部空間を規定している。
【0020】
別の特徴において、外側遮蔽体は、基板支持体のステムとも下面とも直接的に接触していない。熱遮蔽プレートは、基板支持体の下面とも基板支持体のステムとも外側遮蔽体とも直接的に接触していない。基板支持体が、上記の熱遮蔽構造を備える。基板支持体は、化学蒸着および原子層蒸着の少なくとも一方の間に基板を支持するよう構成されたペデスタルに対応する。システムが、上記の熱遮蔽構造と、内部空間内にパージガスを流すよう構成されたガス源と、を備える。
【0021】
基板処理システム内の基板支持体のための熱遮蔽構造が、基板支持体のステムを取り囲むよう構成された外側遮蔽体を備える。外側遮蔽体は、さらに、外側遮蔽体とステムの上側部分および基板支持体の下面との間の内部空間、ならびに、外側遮蔽体と基板支持体のステムの下側部分との間の垂直流路、を規定するよう構成されている。外側支持体は、円筒部分と、円筒部分から半径方向外向きに伸びる第1側方部分と、第1側方部分から半径方向外向きかつ上向きに伸びる傾斜部分と、傾斜部分から半径方向外向きに伸びる第2側方部分と、を備える。
【0022】
別の特徴において、熱遮蔽構造は、さらに、外側遮蔽体の第2側方部分から上向きに伸びるエッジガードを備える。エッジガードは、基板支持体の外周を取り囲むと共に、エッジガードと基板支持体との間にギャップを規定するよう構成されている。垂直流路は、環状である。第1側方部分の長さは、基板支持体のステムと基板支持体の外周との間の距離の50%~70%である。第2側方部分の長さは、基板支持体のステムと基板支持体の外周との間の距離の10%以上25%未満である。第1側方部分に対する傾斜部分の角度は、95~135度である。
【0023】
別の特徴において、第2側方部分は、第2側方部分と基板支持体の下面との間に側方流路を規定している。側方流路の幅は、1~10mmである。ギャップの幅は、1~10mmである。外側遮蔽体は、基板支持体のステムとも下面とも直接的に接触していない。基板支持体が、上記の熱遮蔽構造を備える。基板支持体は、化学蒸着および原子層蒸着の少なくとも一方の間に基板を支持するよう構成されたペデスタルに対応する。システムが、上記の熱遮蔽構造と、垂直流路を通して内部空間内にパージガスを流すよう構成されたガス源と、を備える。
【0024】
詳細な説明、特許請求の範囲、および、図面から、本開示を適用可能なさらなる領域が明らかになる。詳細な説明および具体的な例は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)、および/または、その他の蒸着処理を用いた蒸着中に、導電体膜、誘電体膜、または、その他のタイプの膜が、基板上に蒸着される。膜が基板上に蒸着される間、処理チャンバ内に配置されたその他の構成要素(基板を支持するよう構成されたペデスタルなど)にも、材料が蒸着されうる。時間と共に、残留膜が、これらの構成要素上に蓄積するので、粒子汚染、機械的変形、および/または、基板欠陥を防止するために除去する必要がある。チャンバ洗浄処理が、処理チャンバ内の構成要素から残留膜を除去するために定期的に実行される。例えば、定期洗浄処理が用いられうる。
【0026】
いくつかの例(例えば、蒸着性能を調整するために処理チャンバに対して上下に移動されるよう構成されたアクティブペデスタルを備えた基板処理システムを含むが、これに限定されない)において、基板処理システム内の様々な構造の表面が、比較的蒸着の影響を受けやすい場合がある。例えば、温度の上昇が、タングステンの蒸着速度の上昇と関連しうる。したがって、ペデスタルが加熱される例において、より多くの量のタングステンが、蒸着工程中にペデスタルの表面上に蒸着されうる。これらの例において、定期洗浄処理は、ペデスタルの表面から蒸着タングステンまたはその他の材料を完全に除去するのに十分ではない場合がある。さらに、蒸着物の増加は、ペデスタルのステムの変形を引き起こし、それが、ペデスタルの故障につながりうる。
【0027】
一部の蒸着システムにおいて、ペデスタルの下方での(例えば、ペデスタルの下面、ステムの表面などへの)材料の蒸着速度は、ペデスタルの上方での(例えば、ペデスタルの上面、基板などへの)材料の蒸着速度よりも大きくなりうる。例えば、低フッ素タングステン(LFW)ALDシステムでは、CVDが、LFW ALD処理中にペデスタルの下方の処理チャンバの領域内で発生する。ペデスタルの下方でのCVDの蒸着速度は、ペデスタルの上方でのALDの蒸着速度よりも大幅に大きい(例えば、10倍以上)。したがって、CVDは、LFW ALD処理中にペデスタルの下面に大量のタングステンを蒸着させる。
【0028】
本開示の原理に従ったシステムおよび方法は、ペデスタルの表面上へのタングステンおよびその他の材料の蒸着を低減し、その結果、洗浄時間を短縮する。例えば、本開示に従ったペデスタルは、ペデスタルの周りに配置された熱遮蔽構造を備える。一例において、熱遮蔽構造は、外側遮蔽体と、半径方向内側遮蔽体と、外側遮蔽体とペデスタルの下面との間に配置された1または複数の熱遮蔽プレートと、を備える。別の例において、熱遮蔽構造は、一体成形の外側遮蔽体のみを備える。外側遮蔽体とステムとの間の内部空間が、不活性ガス(例えば、アルゴン)でパージされてよい。熱遮蔽構造は、ペデスタルの外面の温度を低下させる。低下した温度と、内部空間のパージとにより、後に詳述するように、ペデスタル上へのタングステンおよびその他の材料の蒸着が低減される。蒸着の低減に応じて、洗浄時間が(例えば、本開示に従った熱遮蔽構造を備えない処理チャンバの洗浄時間に対して65%)短縮し、それにより、基板のスループットが(例えば、10%)上がる。さらに、ペデスタルの寿命が、(例えば、最長2年間まで)長くなりうる。ペデスタルを所望の温度に維持することに関連する電力消費も、(例えば、最高42%)減少しうる。
【0029】
ここで、図1を参照すると、本開示に従った基板支持体(例えば、CVDおよび/またはALD蒸着用に構成されたペデスタル)を備えた基板処理システム100の一例が示されている。基板支持体104は、処理チャンバ108内に配置されている。基板112が、処理中に基板支持体104上に載置される。例えば、蒸着が、基板112に対して実行される。基板112が取り出され、1または複数のさらなる基板が処理される。時間と共に、残留膜またはその他の材料(タングステンなど)が、構成要素(処理チャンバ108の側壁、基板支持体104の表面など)上に蓄積する。処理チャンバ108内の表面上に蒸着した残留膜またはその他の材料を除去するために、洗浄が定期的に実行される。
【0030】
ガス供給システム120が、バルブ124-1、124-2、...、および、124-N(集合的に、バルブ124)およびマスフローコントローラ126-1、126-2、...、および、126-N(集合的に、MFC126)に接続されているガス源122-1、122-2、...、および、122-N(集合的に、ガス源122)を備える。MFC126は、ガス源122から、ガスが混ざり合うマニホルド128へのガスの流れを制御する。マニホルド128の出力は、任意選択的な圧力調整器132を介してマニホルド136へ供給される。マニホルド136の出力は、マルチインジェクタシャワーヘッド140などのガス分配装置に入力される。マニホルド128および136が図示されているが、単一のマニホルドが用いられてもよい。
【0031】
いくつかの例において、基板支持体104の温度は、抵抗ヒータ160を用いて制御されてよい。基板支持体104は、冷却材流路164を備えてよい。冷却流体が、流体貯蔵部168およびポンプ170から冷却材流路164へ供給される。圧力センサ172、174が、圧力を測定するために、それぞれマニホルド128またはマニホルド136内に配置されてよい。バルブ178およびポンプ180が、処理チャンバ108から反応物質を真空引きするため、および/または、処理チャンバ108内の圧力を制御するために用いられてよい。
【0032】
コントローラ182は、マルチインジェクタシャワーヘッド140によって供給されるドーズ量を制御するドーズコントローラ184を備える。コントローラ182は、さらに、ガス供給システム120からのガス供給を制御する。コントローラ182は、バルブ178およびポンプ180を用いて、処理チャンバ内の圧力および/または反応物質の真空引きを制御する。コントローラ182は、(例えば、基板支持体内のセンサ(図示せず)および/または冷却材温度を測定するセンサ(図示せず)からの)温度フィードバックに基づいて、基板支持体104および基板112の温度を制御する。
【0033】
いくつかの例において、基板処理システム100は、同じ処理チャンバ108内で基板112にエッチングを実行するよう構成されてよい。したがって、基板処理システム100は、(例えば、電圧源、電流源などとして)RF電力を生成して、下側電極(例えば、図に示すように基板支持体104のベースプレート)および上側電極(例えば、シャワーヘッド140)の一方へ供給するよう構成されたRF発生システム188を備えてよい。単に例として、RF発生システム188の出力は、本明細書ではRF電圧として記載される。下側電極および上側電極の他方は、DC接地、AC接地されるか、または、浮遊していてよい。単に例として、RF発生システム188は、基板112のエッチングに向けて処理チャンバ108内でプラズマを生成するために整合/配電ネットワーク196によって供給されるRF電圧を生成するよう構成されたRF発生器192を備えてよい。他の例において、プラズマは、誘導的にまたは遠隔で生成されてもよい。例示の目的で示すように、RF発生システム188は、容量結合プラズマ(CCP)システムに対応するが、本開示の原理は、単に例として、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、遠隔マイクロ波プラズマ生成/供給システムなど、他の適切なシステムで実施されてもよい。
【0034】
本開示に従った基板支持体104は、熱遮蔽構造198を備える。熱遮蔽構造198は、後に詳述するように、基板支持体104の表面上へのタングステンおよびその他の材料の蒸着を低減する。基板処理システム100のいくつかの例において、基板支持体104は、処理中に蒸着パラメータを調整するために処理チャンバ108内で上下に移動されるよう構成されてもよい。これらの例において、熱遮蔽構造198は、基板支持体104に対する熱遮蔽構造198の位置を維持するために、同様に上下移動するよう構成されてよい。
【0035】
ここで、図2Aおよび図2Bを参照すると、本開示に従った熱遮蔽構造204を備えた基板支持体の一例200が示されている。図2Aにおいて、熱遮蔽構造204は、基板支持体200上に配置された様子が示されている。図2Bにおいて、熱遮蔽構造204は、簡単のために基板支持体200なしで示されている。
【0036】
基板支持体200は、ベースプレート(例えば、図1で上述した冷却材流路164を備えうるアルミニウムなどの導電性ベースプレート)208と、セラミック層212と、を備える。いくつかの例において、セラミック層212は、(例えば、図1で上述した抵抗ヒータ160を用いて)選択的に加熱されてよい。CVDおよびALD蒸着などの処理中、処理チャンバ108内の温度、ひいては、処理チャンバ108内の表面(例えば、基板支持体200の表面)の温度が、大幅に上昇する。例えば、処理チャンバ108内および基板支持体200上の様々な表面が、300~500℃まで上昇しうる。熱遮蔽構造204は、熱遮蔽構造204の外面216上の温度が大幅に下げられるように配置されている。例えば、熱遮蔽構造204の外面216上の温度は、蒸着処理中に300℃未満(例えば、200~285℃の間)でありうる。タングステンの蒸着速度は、300℃を下回ると指数関数的に減少する。いくつかの例において、熱遮蔽構造204は、セラミック層212の上面220上の温度不均一性を低減する。
【0037】
熱遮蔽構造204は、外側遮蔽体224(外面216を含む)と、半径方向内側遮蔽体228と、外側遮蔽体224と基板支持体200の下面236との間に配置された1または複数の熱遮蔽プレート232と、を備える。内部空間240が、外側遮蔽体224と、基板支持体200のステム244の一部、内側遮蔽体228、および、基板支持体200の下面236との間に規定されている。熱遮蔽プレート232は、ステム244を取り囲み、基板支持体200の下面236と外側遮蔽体224との間に配置されている。したがって、熱遮蔽プレート232は、基板支持体200の下面236と外側遮蔽体224との間の熱放射バリアとして機能し、外側遮蔽体224の外面216の温度を低下させる。換言すると、熱遮蔽プレート232は、基板支持体200の下面236から外側遮蔽体224への熱の伝達を低減する。内側遮蔽体228は、外側遮蔽体224からステム244への熱の伝達を防ぐ。外側遮蔽体224、内側遮蔽体228、および、熱遮蔽プレート232は、アルミニウムで構成されてよい。
【0038】
不活性ガス(例えば、アルゴン)が、内部空間240に供給されてよい。例えば、不活性ガスは、1または複数の流入口248を介してガス供給システム120から内部空間240へ流されてよい。不活性ガスは、外側遮蔽体224とステム244および内側遮蔽体228との間では上向きに流れ、外側遮蔽体224と熱遮蔽プレート232との間では外向きに流れる。また、不活性ガスは、内側遮蔽体228とステム244との間に規定された内部空間252において上向きに流れうる。不活性ガスは、内部252を抜けて熱遮蔽プレート232の内の隣接するプレートの間を流れる。
【0039】
外側遮蔽体224は、基板支持体200の外周260の周りに外側遮蔽体224から上向きに伸びる環状のエッジガード256を備える。例えば、エッジガード256は、ベースプレート208およびセラミック層212に対応する基板支持体200の外周260を保護するために、ベースプレート208およびセラミック層212と少なくとも部分的に重なっている。エッジガード256は、外側遮蔽体224と基板支持体200との間の直接的な接触を防ぐために、外側遮蔽体224と基板支持体200の外周260との間にギャップ(例えば、垂直ギャップ)264を規定している。したがって、外側遮蔽体224から基板支持体200への熱の伝達は、さらに最小化される。さらに、内部空間240に流された不活性ガスは、ギャップ264を通って出て行くことで、処理材料が内部空間240に入るのを防ぐためにガスのパージ流を提供する。不活性ガスの流れは、図2Aに矢印で示されている。このように、内部空間240内の基板支持体200、ステム244などの表面上への材料(例えば、タングステン)の蒸着が防止される。
【0040】
内側遮蔽体228は、内側遮蔽体228から半径方向外向きに伸びる環状外側リップ268を備える。環状外側リップ268は、熱遮蔽プレート232の内の最も下のプレートと重なっており、内側遮蔽体228は、外側遮蔽体224内で下方に伸びている。したがって、熱遮蔽プレート232は、内側遮蔽体228を支持しており、内側遮蔽体228は、ステム244と直接的に熱的接触(すなわち、物理的接触)をしていない。
【0041】
ここで、図3A図3B図3C、および、図3Dを参照して、熱遮蔽構造204の構成要素例について詳述する。図3Aでは、熱遮蔽構造204の一部300が、エッジガード308を含む外側遮蔽体部分304と、熱遮蔽プレート312と、を備える。熱遮蔽プレート312は、断熱ピン316を用いて、外側遮蔽体部分304の上、および、熱遮蔽プレート312の内のそれぞれの下にあるプレートの上に支持されている。断熱ピン316の一例が、図3Bでさらに詳細に示されている。断熱ピン316は、隣接する熱遮蔽プレート312の間に均一な間隔を維持するよう構成された中央ディスク部分320と、図3Cに示す熱遮蔽プレート312のそれぞれの穴328内に受け入れられるよう構成されたピン部分324と、を備える。断熱ピン316は、断熱材料(例えば、セラミック)で構成されている。したがって、熱遮蔽プレート312は、外側遮蔽体部分304、基板支持体200とも、そして互いにも、直接的に熱的接触していない。さらに、熱遮蔽プレート312の中央開口部332の半径が、ステム244の半径よりも大きい。したがって、熱遮蔽プレート312は、ステム244と直接的に熱的接触していない。
【0042】
図3Dに示すように、半径方向内側遮蔽体336は、内側遮蔽体336から半径方向外向きに伸びる環状外側リップ340を備える。環状外側リップ340は、熱遮蔽プレート312の最も下のプレートと重なっており、本体344が、熱遮蔽プレート312の中央開口部332を通って下向きに伸びている。
【0043】
ここで、図4Aおよび図4Bを参照すると、本開示に従った熱遮蔽構造404を備えた基板支持体の別の例400が示されている。図4Aにおいて、熱遮蔽構造404は、基板支持体400上に配置された様子が示されている。図4Bにおいて、熱遮蔽構造404は、簡単のために基板支持体400なしで示されている。
【0044】
基板支持体400は、ベースプレート408およびセラミック層412を備える。いくつかの例において、セラミック層412は、選択的に加熱されてよい。熱遮蔽構造404は、図2Aおよび図2Bで上述したのと同様に、熱遮蔽構造404の外面416上の温度が大幅に下げられるように配置されており、セラミック層412の上面420上の温度不均一性を低減しうる。この例では、図2Aおよび図2Bの例とは対照的に、熱遮蔽構造404は、外側遮蔽体424(外面416を備え、アルミニウムで構成されてよい)を備えるが、半径方向内側遮蔽体228および熱遮蔽プレート232を備えない。ただし、いくつかの例において、図4Aおよび図4Bの熱遮蔽構造404は、1または複数の半径方向内側遮蔽体および熱遮蔽プレートの内の1以上と組み合わせられてもよい。
【0045】
内部空間428が、外側遮蔽体424と基板支持体400のステム432および下面436との間に規定されている。環状流路440(例えば、垂直環状流路)が、外側遮蔽体424とステム432の下側部分との間に規定されている。内部空間428は、基板支持体400の下面436から外側遮蔽体424への熱の伝達を削減し、外側遮蔽体424の外面416の温度を低下させる。
【0046】
不活性ガス(例えば、アルゴン)が、ステム432の下側部分を取り囲む環状流路440を通して内部空間428へ供給されてよい。例えば、不活性ガスは、1または複数の流入口444を介してガス供給システム120から環状流路440へ流されてよい。不活性ガスは、外側遮蔽体424とステム432との間を上向きに流れて、内部空間428へ流れ込む。
【0047】
外側遮蔽体424は、基板支持体400の外周452の周りに外側遮蔽体424から上向きに伸びる環状のエッジガード448を備える。例えば、エッジガード448は、基板400の外周452を保護するために、ベースプレート408と少なくとも部分的に重なっている。エッジガード448は、外側遮蔽体424と基板支持体400との間の直接的な接触を防ぐために、外側遮蔽体424と基板支持体400の外周452との間にギャップ(例えば、垂直ギャップ)456を規定している。したがって、外側遮蔽体424から基板支持体400への熱の伝達は、さらに最小化される。
【0048】
内部空間428へ供給された不活性ガスは、側方流路460およびギャップ456を通って内部空間428を出て行くことで、処理材料が内部空間428へ入るのを防ぐためにガスのパージ流を提供する。単に例として、ギャップ456および側方流路460の幅は、1~10mmの間である。ギャップ456および側方流路460の幅は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ギャップ456からのガスの上方向外向きの流れは、基板支持体400の外周452での蒸着材料の蓄積も防ぐ。不活性ガスの流れは、図4Aに矢印で示されている。このように、内部空間428内の基板支持体400、ステム432などの表面上、ならびに、外周452におけるベースプレート408およびセラミック層412上、への材料(例えば、タングステン)の蒸着が防止される。
【0049】
外側遮蔽体424は、外側遮蔽体424とステム432の下側部分との間に環状流路440を規定する略垂直円筒部分464を備える。第1側方部分468、傾斜部分472、および、第2側方部分476が、円筒部分464からエッジガード448へ半径方向外向きに伸びている。単に例として、外側遮蔽体424は、ステム432と外周452との間の距離の50%~75%の所に位置する点480で、第1側方部分468から傾斜部分472へ移行する。換言すると、第1側方部分468の長さが、ステム432と外周452との間の距離の50%~75%である。第1側方部分468に対する傾斜部分472の角度は、95~135度である。
【0050】
傾斜部分472は、点480から、外側遮蔽体424が傾斜部分472から第2側方部分476へ移行する点484まで伸びている。単に例として、点484から外周452までの距離は、最小長の側方流路460を規定するように、外周452とステム432との間の全体距離の10%以上25%未満である。最小長の側方流路460は、内部空間428から流れ出るガスの速度および圧力を高める。
【0051】
ここで、図5Aおよび図5Bを参照すると、本開示に従った熱遮蔽構造504を備えた基板支持体の別の例500が示されている。図5Aにおいて、熱遮蔽構造504は、基板支持体500上に配置された様子が示されている。図5Bにおいて、熱遮蔽構造504は、簡単のために基板支持体500なしで示されている。
【0052】
基板支持体500は、ベースプレート508およびセラミック層512を備える。セラミック層512は、選択的に加熱されてよい。熱遮蔽構造504は、図2Aおよび図2Bで上述したのと同様に、熱遮蔽構造504の外面516上の温度が大幅に下げられるように配置されており、セラミック層512の上面520上の温度不均一性を低減しうる。この例において、熱遮蔽構造504は、外側遮蔽体524(外面516を備え、アルミニウムで構成されてよい)を備える。
【0053】
内部空間528が、外側遮蔽体524と基板支持体500のステム532および下面536との間に規定されている。環状流路540(例えば、垂直環状チャネル)が、外側遮蔽体524とステム532との間に規定されている。内部空間528は、基板支持体500の下面536から外側遮蔽体524への熱の伝達を削減し、外側遮蔽体524の外面516の温度を低下させる。
【0054】
不活性ガス(例えば、アルゴン)が、ステム532の下側部分を取り囲む環状流路540を通して内部空間528へ供給されてよい。例えば、不活性ガスは、1または複数の流入口544を介してガス供給システム120から環状流路540へ流されてよい。不活性ガスは、外側遮蔽体524とステム532との間を上向きに流れて、内部空間528へ流れ込む。
【0055】
いくつかの例において、外側遮蔽体524は、基板支持体500の外周552の周りに外側遮蔽体524から上向きに伸びる環状のエッジガード548を備える。例えば、エッジガード548は、基板500の外周552を保護するために、ベースプレート508と少なくとも部分的に重なっている。エッジガード548は、外側遮蔽体524と基板支持体500との間の直接的な接触を防ぐために、外側遮蔽体524と基板支持体500の外周552との間にギャップ(例えば、垂直ギャップ)556を規定している。したがって、外側遮蔽体524から基板支持体500への熱の伝達は、さらに最小化される。
【0056】
内部空間528へ供給された不活性ガスは、側方流路560およびギャップ556を通って内部空間528を出て行くことで、処理材料が内部空間528へ入るのを防ぐためにガスのパージ流を提供する。単に例として、ギャップ556および側方流路560の幅は、1~10mmの間である。ギャップ556および側方流路560の幅は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ギャップ556からのガスの上方向外向きの流れは、基板支持体500の外周552での蒸着材料の蓄積も防ぐ。不活性ガスの流れは、図5Aに矢印で示されている。このように、内部空間528内の基板支持体500、ステム532などの表面上、ならびに、外周552におけるベースプレート508およびセラミック層512上、への材料(例えば、タングステン)の蒸着が防止される。
【0057】
図に示すように、外側遮蔽体524は、複数(例えば、2つ)の部分で構成されてよい。例えば、外側遮蔽体524は、垂直方向のステム部分564および水平方向のプレート部分568を備えてよい。ステム部分564は、ステム532を取り囲む。ステム部分564の上端部は、プレート部分568を支持する。例えば、プレート部分568の内側開口部を規定する内径572が、ステム部分564の上端部の外径を規定する環状レッジ576上に配置されてよい。
【0058】
上述の記載は、本質的に例示に過ぎず、本開示、応用例、または、利用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施されうる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および、以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されない。方法に含まれる1または複数の工程が、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装することができる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0059】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係および機能的関係性が、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「近接する」、「の上部に」、「上方に」、「下方に」、および、「配置される」など、様々な用語を用いて記載されている。第1および第2要素の間の関係性を本開示で記載する時に、「直接」であると明確に記載されていない限り、その関係性は、他に介在する要素が第1および第2の要素の間に存在しない直接的な関係性でありうるが、1または複数の介在する要素が第1および第2の要素の間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係性でもありうる。本明細書で用いられているように、「A、B、および、Cの少なくとも1つ」という表現は、非排他的な論理和ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、および、Cの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0060】
いくつかの実施例において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0061】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0062】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。一部の例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部として配置されるなど)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1以上の集積回路である。
【0063】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層蒸着(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0064】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。また、本開示は以下の形態として実現できる。
[形態1]
基板処理システム内の基板支持体のための熱遮蔽構造であって、
前記基板支持体のステムを取り囲むよう構成された外側遮蔽体であって、前記外側遮蔽体は、さらに、(i)前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記ステムとの間、および、(ii)前記外側遮蔽体と前記基板支持体の下面との間に、内部空間を規定するよう構成されている、外側遮蔽体と、
前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記下面との間の前記内部空間内で前記基板支持体の下に配置されるよう構成された少なくとも1つの熱遮蔽プレートと、
前記外側遮蔽体から上向きに伸びるエッジガードであって、前記エッジガードは、(i)前記基板支持体の外周を取り囲み、(ii)前記エッジガードと前記基板支持体との間にギャップを規定するよう構成されている、エッジガードと、
を備える、熱遮蔽構造。
[形態2]
形態1に記載の熱遮蔽構造であって、前記少なくとも1つの熱遮蔽プレートは、前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記下面との間の前記内部空間内で離間して配置された複数の熱遮蔽プレートを含む、熱遮蔽構造。
[形態3]
形態2に記載の熱遮蔽構造であって、さらに、前記熱遮蔽プレートの隣接するプレートの間に配置された複数の断熱ピンを備える、熱遮蔽構造。
[形態4]
形態1に記載の熱遮蔽構造であって、さらに、前記外側遮蔽体と前記ステムとの間に配置された内側遮蔽体を備える、熱遮蔽構造。
[形態5]
形態4に記載の熱遮蔽構造であって、前記内側遮蔽体は、前記少なくとも1つの熱遮蔽プレートから下向きに伸びており、前記内側遮蔽体と前記ステムとの間に第2内部空間を規定している、熱遮蔽構造。
[形態6]
形態1に記載の熱遮蔽構造であって、前記外側遮蔽体は、前記基板支持体の前記ステムとも前記下面とも直接的に接触していない、熱遮蔽構造。
[形態7]
形態1に記載の熱遮蔽構造プレートであって、前記熱遮蔽プレートは、前記基板支持体の前記下面とも前記基板支持体の前記ステムとも前記外側遮蔽体とも直接的に接触していない、熱遮蔽構造。
[形態8]
基板支持体であって、形態1に記載の前記熱遮蔽構造を備え、前記基板支持体は、化学蒸着および原子層蒸着の少なくとも一方の間に基板を支持するよう構成されたペデスタルに対応する、基板支持体。
[形態9]
システムであって、形態1に記載の前記熱遮蔽構造を備え、前記システムは、さらに、前記内部空間内にパージガスを流すよう構成されたガス源を備える、システム。
[形態10]
基板処理システム内の基板支持体のための熱遮蔽構造であって、
前記基板支持体のステムを取り囲むよう構成された外側遮蔽体であって、前記外側遮蔽体は、さらに、(i)前記外側遮蔽体と前記ステムの上側部分および前記基板支持体の下面との間の内部空間、ならびに、(ii)前記外側遮蔽体と前記基板支持体の前記ステムの下側部分との間の垂直流路、を規定するよう構成されている、外側遮蔽体を備え、
前記外側遮蔽体は、
円筒部分と、
前記円筒部分から半径方向外向きに伸びる第1側方部分と、
前記第1側方部分から半径方向外向きかつ上向きに伸びる傾斜部分と、
前記傾斜部分から半径方向外向きに伸びる第2側方部分と、
を備える、熱遮蔽構造。
[形態11]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、さらに、前記外側遮蔽体の前記第2側方部分から上向きに伸びるエッジガードであって、前記エッジガードは、(i)前記基板支持体の外周を取り囲み、(ii)前記エッジガードと前記基板支持体との間にギャップを規定するよう構成されている、エッジガードを備える、熱遮蔽構造。
[形態12]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、前記垂直流路は、環状である、熱遮蔽構造。
[形態13]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、前記第1側方部分の長さは、前記基板支持体の前記ステムと前記基板支持体の前記外周との間の距離の50%~70%である、熱遮蔽構造。
[形態14]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、前記第2側方部分の長さは、前記基板支持体の前記ステムと前記基板支持体の前記外周との間の距離の10%以上25%未満である、熱遮蔽構造。
[形態15]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、前記第1側方部分に対する前記傾斜部分の角度は、95~135度である、熱遮蔽構造。
[形態16]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、前記第2側方部分は、前記第2側方部分と前記基板支持体の前記下面との間に側方流路を規定している、熱遮蔽構造。
[形態17]
形態16に記載の熱遮蔽構造であって、前記側方流路の幅は、1~10mmである、熱遮蔽構造。
[形態18]
形態11に記載の熱遮蔽構造であって、前記ギャップの幅は、1~10mmである、熱遮蔽構造。
[形態19]
形態10に記載の熱遮蔽構造であって、前記外側遮蔽体は、前記基板支持体の前記ステムとも前記下面とも直接的に接触していない、熱遮蔽構造。
[形態20]
基板支持体であって、形態10に記載の前記熱遮蔽構造を備え、前記基板支持体は、化学蒸着および原子層蒸着の少なくとも一方の間に基板を支持するよう構成されたペデスタルに対応する、基板支持体。
[形態21]
システムであって、形態10に記載の前記熱遮蔽構造を備え、前記システムは、さらに、前記垂直流路を通して前記内部空間内にパージガスを流すよう構成されたガス源を備える、システム。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B