(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】注射デバイスのための補助デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61M5/315 550N
A61M5/315 550Z
(21)【出願番号】P 2021528930
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2019081297
(87)【国際公開番号】W WO2020104285
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-09-20
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ユーグル
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・センダツキー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・リーバイン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-505028(JP,A)
【文献】特表2012-519026(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0008778(US,A1)
【文献】国際公開第2018/013419(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02182456(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端に軸周りで回転可能に取り付けられた調節ダイヤルを含む注射デバイスのための補助デバイスであって:
該補助デバイスを前記注射デバイスに取り付けたとき前記調節ダイヤルの上に位置するように適用されたスリーブと;
該スリーブへの前記調節ダイヤルの挿入により、スリーブ内への前記調節ダイヤルの軸方向運動を可能にする初期位置から、前記調節ダイヤルに係合して補助デバイスを前記調節ダイヤルに取り付ける係合位置へと動くように配置された軸方向取付部材と
を含
み、
軸方向取付部材は、複数のアームを有するクランプを含み、初期位置では、前記調節ダイヤルはアーム間を動くことができ、係合位置では、アームは軸方向の取り付けのために前記調節ダイヤルに押し付けられており、
複数のアームは、ベースから突出しており、
アームは、ベースから遠位方向に延び、スリーブの内側円周壁に当接し、スリーブ内でのベースの近位方向運動により初期位置から係合位置へと動くものである、前記補助デバイス。
【請求項2】
軸方向取付部材は、係合位置ではスリーブに対する調節ダイヤルの軸方向運動が制限されるように調節ダイヤルに係合するように適用される、請求項1に記載の補助デバイス。
【請求項3】
補助デバイスの回転が調節ダイヤルの回転を引き起こすようにスリーブを前記調節ダイヤルに回転不能に連結するように配置された回転方向連結部材をさらに含む、請求項1または2に記載の補助デバイス。
【請求項4】
軸方向取付部材および回転方向連結部材は、補助デバイスの単一構成要素である、請求項3に記載の補助デバイス。
【請求項5】
前記調節ダイヤルは、前記調節ダイヤルから突出した1つまたはそれ以上の軸方向に延びる形成部を含み、回転方向連結部材は、スリーブを前記調節ダイヤルに回転不能に連結するために前記1つまたはそれ以上の形成部に係合するように配置された1つまたはそれ以上の溝を含む、請求項3または4に記載の補助デバイス。
【請求項6】
1つまたはそれ以上の溝は、補助デバイスが様々な注射デバイスに使用できるように、異なるサイズおよび/ または形状を有する形成部を受けるように適用される、請求項5に記載の補助デバイス。
【請求項7】
軸方向取付部材は、前記調節ダイヤルの遠位縁に係合するように配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項8】
ベースは、ベースリングを含み、複数のアームは、該ベースリングから突出している、請求項
1~7のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項9】
アームの遠位端は、係合位置において前記調節ダイヤルを押圧するように内方に曲がっている、請求項
1~8のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項10】
取付部材の直径は、初期位置に比べて係合位置において減少する、請求項1~
9のいずれか1項に記載の補助デバイス。
【請求項11】
補助デバイスを、軸方向に細長く近位端に回転可能に取り付けられた調節ダイヤルを含む注射デバイスに取り付ける方法であって、
前記調節ダイヤルの上に補助デバイスのスリーブを配置することと;
前記調節ダイヤルへの補助デバイスの軸方向の取り付けのために、軸方向取付部材が前記調節ダイヤルに係合する係合位置へ、軸方向取付部材を偏向させることと
を含
み、
軸方向取付部材は、複数のアームを有するクランプを含み、初期位置では、前記調節ダイヤルはアーム間を動くことができ、係合位置では、アームは軸方向の取り付けのために前記調節ダイヤルに押し付けられ、
複数のアームは、ベースから突出し、
アームは、ベースから遠位方向に延び、スリーブの内側円周壁に当接し、スリーブ内でのベースの近位方向運動により初期位置から係合位置へと動く、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、注射デバイスのための補助デバイス、たとえば注射デバイスの調節ダイヤルの上に取り付けるデータ収集デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の注射による定期的な治療を必要とする様々な疾患が存在する。そのような注射は、医療従事者または患者自身によって適用される注射デバイスを使用して実行することができる。一例として、1型および2型の糖尿病は、たとえば1日1回または数回のインスリン用量の注射によって、患者自身が治療することができる。たとえば、充填済みの使い捨てインスリンペンを注射デバイスとして使用することができる。あるいは、再使用可能なペンを使用することもできる。再使用可能なペンでは、空の薬剤カートリッジを新しいものに交換することが可能である。いずれのペンにも1組の一方向針が付随しており、これらの針は使用前に毎回交換される。次いでたとえば、調節ダイヤルを回して、インスリンペンの用量窓またはディスプレイから実際の用量を観察することによって、注射予定のインスリン用量をインスリンペンで手動で選択することができる。次いで好適な皮膚部分に針を挿入し、インスリンペンの注射ボタンを押すことによって用量が注射される。
【0003】
インスリン注射を監視すること、たとえばインスリンペンの誤った取り扱いを防止すること、またはすでに適用された用量を追跡することが可能になるように、たとえば注射済みインスリン用量の情報など、注射デバイスの状態および/または使用に関係する情報を測定することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様は、近位端に軸周りで回転可能に取り付けられた調節ダイヤルを含む注射デバイスのための補助デバイスであって:
補助デバイスを前記注射デバイスに取り付けたとき前記調節ダイヤルの上に位置するように適用されたスリーブと;
スリーブへの前記調節ダイヤルの挿入により、スリーブ内への前記調節ダイヤルの軸方向運動を可能にする初期位置から、前記調節ダイヤルに係合して補助デバイスを前記調節ダイヤルに取り付ける係合位置へと動くように配置された軸方向取付部材と
を含む、補助デバイスを提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、軸方向取付部材は、係合位置ではスリーブに対する調節ダイヤルの軸方向運動が制限されるように調節ダイヤルに係合するように適用することができる。
【0006】
補助デバイスは、補助デバイスの回転が調節ダイヤルの回転を引き起こすようにスリーブを前記調節ダイヤルに回転不能に連結するように配置された回転方向連結部材をさらに含むことができる。軸方向取付部材および回転方向連結部材は、補助デバイスの異なる機能であってもよいが;いくつかの実施形態では、軸方向取付部材および回転方向連結部材は、単一構成要素として形成することができることを理解されよう。
【0007】
調節ダイヤルは、前記調節ダイヤルから突出した1つまたはそれ以上の軸方向に延びる形成部を含むことができ、回転方向連結部材は、スリーブを前記調節ダイヤルに回転不能に連結するために前記1つまたはそれ以上の形成部に係合するように配置された1つまたはそれ以上の溝を含むことができる。
【0008】
1つまたはそれ以上の溝は、補助デバイスが様々な注射デバイスに使用できるように、異なるサイズおよび/または形状を有する形成部を受けるように適用される。有利には、軸方向取付部材が補助デバイスを調節ダイヤル上に保持するので、溝は、様々な調節ダイヤルの形成部に密着しなくてよく回転不能な連結だけを提供する。
【0009】
軸方向取付部材は、前記調節ダイヤルの遠位縁に係合するように配置することができる。いくつかの例では、調節ダイヤルの遠位縁は、調節ダイヤルの1つまたはそれ以上の形成部の遠位縁を含む。
【0010】
いくつかの例では、軸方向取付部材は、複数のアームを有するクランプを含むことができ、初期位置では、前記調節ダイヤルはアーム間を動くことができ、係合位置では、アームは軸方向の取り付けのために前記調節ダイヤルに押し付けられる。
【0011】
複数のアームは、ベースから突出してもよい。たとえば、複数のアームがベースリングから突出してもよいが、他の実施形態ではベースが異なる形状を有することもでき、たとえばU字形または中実形状であってもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、ベースは、たとえば円形、楕円形または正方形である。
【0012】
アームは、ベースから遠位方向に延び、スリーブの内側円周壁に当接し、スリーブ内でのベースの近位方向運動により初期位置から係合位置へと動くことができる。
【0013】
アームの遠位端は、係合位置において前記調節ダイヤルを押圧するように内方に曲がっていてもよい。
【0014】
いくつかの例では、軸方向取付部材は、前記調節ダイヤルの縁にスナップ嵌めで係合するように配置されたスナップ部分を含むことができる。スナップ部分は、前記調節ダイヤルの遠位縁に係合するように配置することができる。いくつかの例では、調節ダイヤルの遠位縁は、調節ダイヤルの1つまたはそれ以上の形成部の遠位縁を含む。
【0015】
他の例では、スリーブは、円周方向に延びる溝を含むことができ、軸方向取付部材は、溝内に配置された弾性変形可能リングを含むことができる。この例では、弾性変形可能リングは、係合位置では外方に偏向して前記調節ダイヤルを把持するように配置される。
【0016】
変形可能リングは、係合位置で前記調節ダイヤルに食い込むように適用することもできる。弾性変形可能リングは、1つまたはそれ以上の刃部を含むことができる。変形可能リングは、調節ダイヤルの形成部に適合する段状の内縁を含むことができる。
【0017】
補助デバイスは、データ収集デバイスとすることができる。いくつかの例では、データ収集デバイスは、スリーブに回転可能に連結された第2の部分を含む。第2の部分の少なくとも一部は、第1の部分に対して軸方向に可動とすることができる。データ収集デバイスは、スリーブに対する第2の部分の回転を検出するように構成されたセンサ装置をさらに含むことができる。データ収集デバイスは、検出した動きに基づいて、注射デバイスによって排出された薬剤量を決定するように構成されたプロセッサを含むことができる。
【0018】
データ収集デバイスはまた、スリーブに対する第2の部分の動きまたはユーザに起因する振動および/または音を検出するように構成されたセンサ装置を含むこともできる。データ収集デバイスは、検出した振動および/または音に基づいて、注射デバイスによって排出された薬剤量を決定するように構成されたプロセッサを含むことができる。
【0019】
データ収集デバイスは、装着されると、注射デバイスからの薬剤送達の量および時間を監視することができる。たとえば、薬剤量を、たとえばスマートフォンに送信することができ、および/またはデータ収集デバイスのディスプレイに表示することができる。いくつかの実施形態では、軸方向取付部材は、弾性材料から作ることができ、初期位置ではスリーブ内への調節ダイヤルの軸方向運動を可能にするような方向に付勢される。軸方向取付部材は、金属から作ってもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、取付部材の直径は、初期位置に比べて係合位置において減少することができる。スリーブは、取付部材を付勢して初期位置に比べて係合位置でより小さな直径にさせるように、スリーブ壁の傾斜面、案内部、テーパ状部分または増厚部のような幾何形状プロファイルを有することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、補助デバイスは、注射デバイスから取り外すことができ、取付部材および/または回転方向連結部材は係合位置から初期位置に戻る。
【0022】
いくつかの実施形態では、注射デバイスは、近位端の反対に遠位端を有する。いくつかの実施形態では、注射デバイスの遠位端は、たとえば針である薬剤送達要素が配置される注射デバイスの端部である。
【0023】
いくつかの実施形態では、スリーブは、補助デバイスの回転が調節ダイヤルの回転を引き起こすように、前記調節ダイヤルに回転不能に連結するように構成される。場合により、スリーブは、スリーブを調節ダイヤルに回転不能に連結するために内側スリーブの回転方向連結部材のような回転不能連結を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、注射デバイスの調節ダイヤルは、用量の設定、たとえば注射デバイスによって送達予定の薬剤の用量の設定のためにある。
【0025】
いくつかの実施形態では、スリーブは、調節ダイヤルの少なくとも一部分を受けるためのキャビティを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、補助デバイスは、前記注射デバイスに取り付けられたとき調節ダイヤルと一緒に回転するように、前記調節ダイヤルの上に位置するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、補助デバイスは、前記注射デバイスに取り付けられたとき、たとえば調節ダイヤルが回転可能に取り付けられたハウジングである、調節ダイヤルと一緒には回転しない注射デバイスの部分に接触しないように、前記調節ダイヤルの上に位置するように構成される。しかし、当業者は、他の実施形態では補助デバイスは前記非回転部分に当接してもよく、調節ダイヤルの回転のときに前記非回転部分に対して動いてもよいことを理解するであろう。たとえば、補助デバイスは、調節ダイヤルが回転すると前記ハウジングの外面に当接してその上を動くことができる。あるいは、補助デバイスの第1の部分は、調節ダイヤルと一緒に回転することができる一方、補助デバイスの第2の部分は、注射デバイスの残りの部分に対して静止したままにあり(調節ダイヤルが補助デバイスの前記第2の部分に対して回転する)、たとえば、第2の部分は補助デバイスの第1の部分に回転可能に連結される。
【0028】
一実施形態では、近位端に軸周りで回転可能に取り付けられた調節ダイヤルを含む注射デバイスのための補助デバイスであって:補助デバイスを前記注射デバイスに取り付けたとき前記調節ダイヤルの上に位置するように適用されたスリーブと;スリーブへの前記調節ダイヤルの挿入により、スリーブ内への前記調節ダイヤルの軸方向運動を可能にする初期位置から、前記調節ダイヤルに係合して補助デバイスを前記調節ダイヤルに取り付ける係合位置へと動くように配置された軸方向取付部材とを含み、ここで、軸方向取付部材は、複数のアームを有するクランプを含み、初期位置では、前記調節ダイヤルはアーム間を動くことができ、係合位置では、アームは軸方向の取り付けのために前記調節ダイヤルに押し付けられ、アームは、ベースから遠位方向に延び、スリーブの内側円周壁に当接し、スリーブ内でのベースの近位方向運動により初期位置から係合位置へと動く、補助デバイスが提供される。
【0029】
一実施形態では、近位端に軸周りで回転可能に取り付けられた調節ダイヤルを含む注射デバイスのための補助デバイスであって:補助デバイスを前記注射デバイスに取り付けたとき前記調節ダイヤルの上に位置するように適用されたスリーブと;スリーブへの前記調節ダイヤルの挿入により、スリーブ内への前記調節ダイヤルの軸方向運動を可能にする初期位置から、前記調節ダイヤルに係合して補助デバイスを前記調節ダイヤルに取り付ける係合位置へと動くように配置された軸方向取付部材とを含み、ここで、スリーブは、円周方向に延びる溝を含み、軸方向取付部材は、溝内に配置された弾性変形可能リングを含み、弾性変形可能リングは、係合位置では外方に偏向して前記調節ダイヤルを把持するように配置される、補助デバイスが提供される。
【0030】
本開示のさらなる一態様は、補助デバイスを、軸方向に細長く近位端に回転可能に取り付けられた調節ダイヤルを含む注射デバイスに取り付ける方法であって、
前記調節ダイヤルの上に補助デバイスのスリーブを配置することと;
前記調節ダイヤルへの補助デバイスの軸方向の取り付けのために、軸方向取付部材が前記調節ダイヤルに係合する係合位置へ、軸方向取付部材を偏向させることと
を含む、方法である。
【0031】
いくつかの例では、軸方向取付部材は、複数のアームを有するクランプを含むことができ、初期位置では、前記調節ダイヤルはアーム間を動くことができ、係合位置では、アームは軸方向の取り付けのために前記調節ダイヤルに押し付けられる。複数のアームは、ベースから突出してもよい。たとえば、複数のアームは、ベースリングから突出してもよいが、他の実施形態では、ベースは、リング以外の形状を有してもよく、たとえばU字形であってもよく、または断面が中実形状であってもよいと理解されたい。ベースは、たとえば円形、楕円形または正方形とすることができる。
【0032】
アームは、ベースから遠位方向に延び、スリーブの内側円周壁に当接し、スリーブ内でのベースの近位方向運動により初期位置から係合位置へと動くことができる。
【0033】
他の例では、スリーブは、円周方向に延びる溝を含むことができ、軸方向取付部材は、溝内に配置された弾性変形可能リングを含むことができる。この例では、弾性変形可能リングは、係合位置では外方に偏向して前記調節ダイヤルを把持するように配置される。
【0034】
次に、添付の図面を参照して例について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】データ収集デバイスと一緒に使用される注射デバイスの分解図である。
【
図2】
図1の注射デバイスに取り付けられたデータ収集デバイスの図である。
【
図3】データ収集デバイスの断面が示されている、
図1の注射デバイスに取り付けられたデータ収集デバイスの図である。
【
図4A】
図1の注射デバイスの調節ダイヤルの異なる例の図である。
【
図4B】
図1の注射デバイスの調節ダイヤルの異なる例の図である。
【
図5】
図1の注射デバイスに取り付けられるデータ収集デバイスの一例の図である。
【
図6A】
図1の注射デバイスに取り付けられたときの、
図5のデータ収集デバイスの断面図である。
【
図6B】
図1の注射デバイスに取り付けられたときの、
図5のデータ収集デバイスの断面図である。
【
図8A】
図5のデータ収集デバイスの変形形態の断面図である。
【
図8B】
図5のデータ収集デバイスの変形形態の断面図である。
【
図8C】
図5のデータ収集デバイスの変形形態の断面図である。
【
図9A】
図1の注射デバイスに取り付けられるデータ収集デバイスのさらなる一例の図である。
【
図9B】
図1の注射デバイスに取り付けられたときの、
図9Aのデータ収集デバイスの断面図である。
【
図10】
図1の注射デバイスに取り付けられるデータ収集デバイスのさらなる一例の図である。
【
図13A】
図1の注射デバイスへの取り付け過程にある
図10のデータ収集デバイスの断面図である。
【
図13B】
図1の注射デバイスへの取り付け過程にある
図10のデータ収集デバイスの断面図である。
【
図13C】
図1の注射デバイスへの取り付け過程にある
図10のデータ収集デバイスの断面図である。
【
図14】
図1の注射デバイスに取り付けられるデータ収集デバイスのさらなる一例の図である。
【
図16】
図1の注射デバイスに取り付けられた
図14のデータ収集デバイスの断面図である。
【
図18】
図14のデータ収集デバイスの取付部材の一代替例の図である。
【
図19A】
図14のデータ収集デバイスの取付部材の一代替例の図である。
【
図19B】
図14のデータ収集デバイスの取付部材の一代替例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書は、注射デバイスのための補助デバイスを開示する。補助デバイスは、補助機能を実施するために注射デバイスに取り付け可能である。いくつかの例では、補助デバイスは、ペン注射器などの注射デバイスの近位端にある調節ダイヤルの上にたとえばキャップのように注射デバイスに嵌合するように取り付け可能なデータ収集デバイスである。特に、データ収集デバイスは、調節ダイヤルを受け入れるスリーブを含む。スリーブは、データ収集デバイスを注射デバイスに取り付けるために調節ダイヤルが押し込まれるキャビティを画成する。本明細書に記載の様々な例では、データ収集デバイスは、注射デバイス上にデータ収集デバイスを軸方向に保持するようにデータ収集デバイスを調節ダイヤルに取り付ける軸方向取付部材を含む。データ収集デバイスを調節ダイヤルに回転不能に連結するために、さらなる回転方向連結部材を設けることができる。
【0037】
データ収集デバイスは、注射デバイスの調節ダイヤルに装着されると、注射デバイスの動作を生じさせるためにユーザが操作することができる。データ収集デバイスは、装着されると、注射デバイスからの薬剤送達の量および時間を監視することができる。たとえば、薬剤量を、たとえばスマートフォンに送信することができ、および/またはデータ収集デバイスのディスプレイに表示することができる。いくつかの例では、データ収集デバイス、具体的には取付機能は、一連の異なる注射デバイスに取り付けられるように構成することができ、したがって、多数のデバイスにわたってユーザの薬剤治療を監視することができる。さらに、これは、注射デバイスの通常の使用を妨げず、注射デバイスの投薬量窓を隠すことなく達成することができる。
【0038】
以下では、インスリン注射デバイスを参照していくつかの例について述べる。しかし、本開示は、そのような適用例に限定されず、他の薬剤を放出する注射デバイスにも同様に良好に利用することができる。
【0039】
加えて、以下では、データ収集デバイスである補助デバイスを参照していくつかの例について述べる。しかし、本開示は、データ収集デバイスに限定されず、補助デバイスは、同様に良好に、注射デバイス用の異なるタイプの補助デバイスであってもよい。たとえば、補助デバイスは、注射デバイスに取り付けられ、注射デバイスを自動化するように1つまたはそれ以上の機能を実施する。
【0040】
図1は、薬剤送達デバイスの分解図である。この例では、薬剤送達デバイスは、Sanofi社のSoloSTAR(登録商標)インスリン注射ペンのような注射デバイス1である。
【0041】
図1の注射デバイス1は、ハウジング2を含み針4を取り付けることができるインスリン容器3を収容する、使い捨ての充填済み注射ペンである。針4は、内側針キャップ5と、外側針キャップ6または代替キャップ7のどちらかとによって保護される。注射デバイス1から放出予定のインスリン用量は、調節ダイヤル8を回すことによってプログラムまたは「ダイヤルイン」することができ、このとき、現在プログラムされている用量は、たとえば複数の単位で投薬量窓9を介して表示される。たとえば、注射デバイス1がヒトインスリンを投与するように構成されている場合、投薬量は、いわゆる国際単位(IU)で表示され、1IUは、純粋な結晶性インスリン約45.5マイクログラム(1/22mg)と生物学的に同等である。アナログインスリンまたは他の薬剤を送達する注射デバイスでは、他の単位を用いることもできる。選択された用量は、
図1の投薬量窓9に示されているものとは異なるかたちで、同様に良好に表示することもできることに留意されたい。
【0042】
本明細書で示されるような、注射デバイス1の遠位端Dは、注射デバイス1の針4が配置される端部である。注射デバイス1の近位端Pは、注射デバイス1の針4とは反対の反対端である。
【0043】
調節ダイヤル8は、注射デバイス1の近位端Pに配置され、針4は、注射デバイス1の遠位端Dに配置される。注射デバイス1は、細長い。この例では、ハウジング2は円筒形であるが、ハウジング2、より一般的には注射デバイス1は、他の細長い形状であってもよい。調節ダイヤル8は、注射デバイス1の軸周りで回転可能である。注射デバイス1の細長いハウジング2は、軸方向に延びる。
【0044】
投薬量窓9は、ハウジング2のアパーチャの形態とすることができ、投薬量窓9によって、ユーザは、調節ダイヤル8が回されると動くように構成される数字スリーブ10の限定された部分を見ることができ、こうして現在プログラムされている用量の視覚インジケーションがもたらされる。調節ダイヤル8は、プログラム中に回されると、ハウジング2に対して螺旋経路上を回転する。
【0045】
この例では、調節ダイヤル8は、補助デバイスが使用されない場合に調節ダイヤル8を把持しやすくするように1つまたはそれ以上の形成部11a、11b、11cを含む。形成部11a、11b、11cについては、
図4Aおよび
図4Bを参照して本明細書の以下により詳細に記載する。
【0046】
注射デバイス1は、調節ダイヤル8が回されることにより機械的なクリック音が発生し、ユーザに音響フィードバックをもたらすように構成することができる。数字スリーブ10は、機械的に、インスリン容器3内のピストンと相互作用する。針4を患者の皮膚部分に刺し、注射ボタン12を押すと、ディスプレイ窓9に表示されているインスリン用量が注射デバイス1から放出されることになる。用量の大部分は、実際は、注射ボタン12が押された後、注射デバイス1の針4が皮膚部分内にある時間の間留まっているときに、患者の体内に注射される。インスリン用量の放出によって、やはりまた機械的なクリック音が発生し得るが、このクリック音は、調節ダイヤル8の使用のときに発生する音とは異なる。
【0047】
この実施形態では、インスリン用量の送達中、調節ダイヤル8は、軸方向運動で、すなわち回転せずに、その初期位置の方へと向かい、その間に数字スリーブ10は回転してその初期位置に戻り、たとえばゼロ単位の用量を表示する。
【0048】
注射デバイス1は、インスリン容器3が空になるか、注射デバイス1内の薬剤の使用期限(たとえば、最初の使用から28日)に達するまで、数回の注射処理に対して使用することができる。
【0049】
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、たとえば2単位のインスリンを選択し、針4を上向きにした状態で注射デバイス1を保持しながら注射ボタン12を押すことによって、インスリン容器3および針4から空気を除去する、いわゆる「プライムショット」を実行する必要がある場合がある。提示を簡潔にするために、以下では、放出量は注射用量に実質的に対応し、したがって、たとえば、注射デバイス1から放出される薬剤量はユーザが受ける用量に等しいと仮定する。それでもやはり、放出量と注射用量との間の差(たとえば損失)を考慮に入れる必要があり得る。
【0050】
図2は、データ収集デバイス20が取り付けられたときの注射デバイス1の近位端Pの斜視図である。データ収集デバイス20は、ハウジング21と、任意選択のディスプレイ22aを含むエンドプレート22とを含む。データ収集デバイス20は、以下に記載され図面に示されるようないくつかの異なる形態のうちの1つを取ることができる。データ収集デバイス20は、本明細書の以下でさらに説明するような異なる調節ダイヤル8を有する様々な注射デバイス1に使用することができる。
【0051】
図2に示されるように、データ収集デバイス20は、注射デバイス1に取り付けられたときその近位端にある調節ダイヤル8(
図1参照)を覆う。上述したように、注射デバイス1を使用するためにデータ収集デバイス20を回転させると、上述したように調節ダイヤル8(
図1参照)が回転する。
【0052】
図3は、注射デバイス1に取り付けられたときのデータ収集デバイス20の一例の断面図である。データ収集デバイス20は、調節ダイヤル8の上に配置されるスリーブ23を含むハウジング21を含む。データ収集デバイス20は、スリーブ23を介して注射デバイス1の調節ダイヤル8に取り付けられる。スリーブ23は、データ収集デバイス20を注射デバイス1に取り付けたとき調節ダイヤル8が配置されるキャビティ24を画成する。キャビティ24の遠位端Dは開放されており、この開いた遠位端から調節ダイヤル8が挿入される。
【0053】
図3は、データ収集デバイス20の簡素化された例示であることを理解されよう。様々な例では、データ収集デバイス20は、さらなる部材を含むこともできる。たとえば、データ収集デバイスは、スリーブ23に可動連結される第2の部材を含むことができる。たとえば、第2の部材は、スリーブ23に対して回転または軸方向に動いてもよい。データ収集デバイス20は、ボタンを含むことができる。ボタンは、データ収集デバイス20の他の部材に対して押し下げることができる。ボタンは、ばねを含むことができる。しかし、そのようなボタンは必須ではない。たとえば、データ収集デバイス20は、センサが調節ダイヤルの回転を検出した場合に注射デバイス1の使用を決定することができる。一実施形態では、データ収集デバイス20は、たとえば調節ダイヤルの軸方向運動および/または回転運動を検出することによって注射デバイス1の使用を検出する、加速度計などの運動センサを有することができる。他の実施形態では、ボタンおよび運動センサが省かれ、その代わりにデータ収集デバイス20は、常に電源が入っている。
【0054】
加えて、データ収集デバイス20は、様々な電子構成要素を含むことができる。たとえば、データ収集デバイス20は、たとえば電池である電源、スイッチ、プロセッサ、コネクタ、送信機および/または受信機のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。
【0055】
一例では、データ収集デバイス20は、データ収集デバイス20の一部、たとえばボタンの軸方向運動を検出するように配置されるスイッチを含む。このように、データ収集デバイス20は、注射デバイス1の使用を検出することができる。
【0056】
電子構成要素は、注射デバイスの使用を監視することができる。たとえば、データ収集デバイス20は、注射デバイス1の使用に関する情報、たとえば用量サイズ、用量時間、用量数などを記録、送信または表示することができる。
【0057】
配置において、スリーブ23の形状は、調節ダイヤル8の軸方向の全長にわたってスリーブ23と調節ダイヤル8との間の係合が実質的に均一になるような形状である。これは、注射デバイス1に対するデータ収集デバイス20の正しい軸方向の向きを確実にする助けとなる。構成要素の形状は、向きが正しくないと結果的に、調節ダイヤル8とスリーブ23が互いに嵌合したときにそれら同士の間に径方向に矯正力が加わるような形状になっていることから、この軸方向の向きがもたらされる。正しい軸方向位置合わせは、スリーブ23から調節ダイヤル8に回転力をより良好に伝達し、さらに、用量送達の実行のときにユーザにより良好なフィードバックをもたらすので、有用である。さらにこれは、一般的に、ユーザの体験を改善する。
【0058】
投与予定の薬剤投薬量を設定するため、ユーザはデータ収集デバイス20を把持して回転させることができ、そうすると注射デバイス1の調節ダイヤル8が回って投薬量がプログラムされることになる。
【0059】
SoloStar(登録商標)と類似の異なる注射デバイス、またはSoloStar(登録商標)のバリエーションは、異なる形状の調節ダイヤル8を有することができる。たとえば、
図4Aは、第1の調節ダイヤル8aを示し、
図4Bは、別の調節ダイヤル8bを示している。例示的な調節ダイヤル8a、8bは、ダイヤル部材13と、注射ボタン12とをそれぞれ含む。ダイヤル部材13は、近位端にある注射ボタン12の方に向けて先細りする、若干円錐形の形態を有する。
【0060】
図示のように、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fは、ダイヤル部材13の円周面の周りに形成される。形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fは、ダイヤル部材13の円周面から突出している。形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fは、ダイヤル部材13の周りに間隔を置いて配置され、軸方向に延びる。
【0061】
図4Aの例示的な調節ダイヤル8aでは、形成部11a、11b、11cは、丸みが付いた縁の略矩形形状を有し、ダイヤル部材13の円周面の方に向けて先細りするテーパ状上部14a、14b、14cを有する。
【0062】
図4Bの例示的な調節ダイヤル8bでは、形成部11d、11e、11fは、略三角形状を有し、丸みが付けられた上部15a、15b、15cを有する。
【0063】
調節ダイヤル8aの形成部11a、11b、11cは、調節ダイヤル8bの形成部11d、11e、11fとは異なるが、ダイヤル部材13およびボタン12はほぼ同じである。
【0064】
いくつかの例では、調節ダイヤル8は、他の形成部より大きな単一形成部を含むことができる。たとえば、より大きな形成部は、調節ダイヤル8の回転位置のユーザに対するインジケータとして働くことができる。
【0065】
一例では、
図4Aの調節ダイヤル8aは、第1のタイプの薬剤を有するSoloStar(登録商標)インスリンペン注射デバイス1に使用され、
図4Bの調節ダイヤル8bは、第2のタイプの薬剤を有するSoloStar(登録商標)インスリンペン注射デバイス1に使用される。
【0066】
異なる形状の調節ダイヤル8a、8bを、異なる注射デバイス1、たとえば異なる薬剤を含む注射デバイス1に使用することもできる。または、別々の工場の調節ダイヤル8a、8bの形成部11が異なっていてもよい。データ収集デバイス20は、様々な注射デバイス1で使用できるように、様々なタイプの調節ダイヤル8a、8bに適合できることが有利である。本明細書の以下に記載のデータ収集デバイス20の例は、調節ダイヤル8a、8bにおける形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの形状のバリエーションを考慮しつつ、様々な調節ダイヤル8a、8bに取り付けることができる。
【0067】
図5は、
図4Aおよび
図4Bの調節ダイヤル8a、8bのどちらか、ならびに同じまたは類似の注射デバイス1の他の類似の調節ダイヤルに嵌合されるように適用されたデータ収集デバイス20の一例を示している。
【0068】
図5のデータ収集デバイス20は、データ収集デバイス20の遠位端へと延びる調節ダイヤル8を受けるためのキャビティ24を画成するスリーブ23を含む。スリーブ23は、キャビティ24に面する内側円周壁25を含む。内側円周壁25は、スリーブ23が調節ダイヤル8a、8bの上に嵌るように、様々な調節ダイヤル8a、8bの外側プロファイルに実質的に適合するように適用される。
【0069】
具体的には、内側円周壁25は、円錐形であり、調節ダイヤル8の外側形状に適合する。内側円周壁25は、複数の溝26をさらに含む。溝26は、たとえば
図4Aおよび
図4Bの調節ダイヤル8a、8bである、様々な調節ダイヤルのいずれかにおける形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fのいずれかを収容するのに十分な大きさである。
【0070】
図5に示されるように、内側円周壁は、
図4Aおよび
図4Bを参照して述べたようなより大きな形成部を受けるように適用されたより幅広の溝27をさらに含む。より幅広の溝27は、
図5に示されるように、漏斗形口部28を含むことができる。漏斗形口部28は、データ収集デバイス20が調節ダイヤル8a、8b上に押し込まれるとき、データ収集デバイス20を回転させて、調節ダイヤル8a、8bの形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fに対する回転方向の位置合わせをするように働くことができる。
【0071】
図5および
図6Aに示されるように、データ収集デバイス20は、内側円周壁25の一部を画成するように位置する変形可能部分29をさらに含む。変形可能部分29は、キャビティ24の近位端においてキャビティ24の周りに円周方向に延びる。変形可能部分29は、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に回転不能に連結するために形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fを把持するように位置する。
【0072】
図6Aは、調節ダイヤル8への取り付け後の
図5のデータ収集デバイス20を示している。図示のように、調節ダイヤル8は、スリーブ23のキャビティ24に受け入れられ、内側円周壁25は、実質的に、調節ダイヤル8の外側形状に適合している。やはりまた図示されるように、調節ダイヤル8の形成部11a、11bの頂部は、内側円周壁25の変形可能部分29に係合する。具体的には、形成部11a、11bの近位端は、変形可能部分29と接触する。
【0073】
図6Aの一部の拡大図である
図6Bに示されるように、スリーブ23の内側円周壁25は、調節ダイヤル8の遠位縁30にスナップ嵌め配置で係合する軸方向取付部材を有する。
【0074】
具体的には、データ収集デバイス20の内側円周壁25は、キャビティ24の遠位端に位置するスナップ部分31を含む。このスナップ部分31は、データ収集デバイス20が注射デバイス1に取り付けられたときに調節ダイヤル8の遠位縁30にカチッと留まるように配置される。
【0075】
いくつかの例では、
図6Aおよび
図6Bに示されるように、調節ダイヤル8の遠位縁30は、スナップ部分31が係合するカットバック部分49を含む。他の例では、調節ダイヤル8の遠位縁30に、スナップ部分31に係合するように丸みまたは射角を付けることができる。
【0076】
カットバック部分49、丸みまたは射角が付けられた遠位縁30は、調節ダイヤル8の主ダイヤル部材(13、
図4Aおよび
図4B参照)に形成することができる。あるいは、カットバック部分49、丸みまたは射角が付けられた遠位縁30は、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fのうちの1つまたはそれ以上の上に形成してもよい。
【0077】
一例では、データ収集デバイス20は、
図5および
図7に示されるように、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11f1つにつき1つのスナップ部分31を有する。他の例では、データ収集デバイス20は2つ以上のスナップ部分31を有し、それらは、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの相当数の遠位縁30に係合するように配置される。他の例では、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11f1つにつき1つのスナップ部分31がある。
【0078】
データ収集デバイス20の1つまたはそれ以上のスナップ部分31によってもたらされるスナップ嵌め配置は、注射デバイス1、具体的には調節ダイヤル8へのデータ収集デバイス20の軸方向取り付けを提供する。すなわち、スナップ嵌め配置は、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8上で軸方向に保持する。スナップ部分31は、軸方向取付部材と考えることができる。
【0079】
データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に取り付けるには、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fに対して溝26を位置合わせし、データ収集デバイス20を注射デバイス1上に押し込む。データ収集デバイス20を調節ダイヤル8上に押し込むとき、スナップ部分31は、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fに係合し、調節ダイヤル8がキャビティ24内を動くにつれて、外方に偏向する。調節ダイヤル8がキャビティ24に適切に挿入されると、スナップ部分31は、遠位縁30を越え、調節ダイヤル8の遠位縁30の下にカチッと留まって調節ダイヤル8に係合する。これでデータ収集デバイス20は調節ダイヤル8に軸方向に取り付けられる。
【0080】
上述のように、この位置では、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの近位端は、変形可能部分29に係合する。形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fと溝26との間の係合、および/または形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fと変形可能部分29との間の係合は、調節ダイヤル8に対するデータ収集デバイス20の回転不能な連結をもたらす。
【0081】
このように、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に軸方向に取り付け回転不能に連結することができる。有利には、溝26および変形可能部分29は、調節ダイヤル8へのデータ収集デバイス20の軸方向の取り付けを行う必要がない。というのも、その機能はスナップ嵌め配置によって提供されるからである。したがって、溝26および変形可能部分29は、これらの機能が回転不能な連結しかもたらさないので、多種多様な形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fに適合するように適用することができる。しかし、変形可能部分29は、必要に応じて軸方向取付部材とすることもできることを理解されよう。
【0082】
本明細書の以下で説明するように、変形可能部分29は、調節ダイヤル8の様々な形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fにより良好に係合するように多様であってもよい。
【0083】
図7は、データ収集デバイス20のキャビティ24の断面図である。図示のように、スリーブ23の内側円周壁25は、上述したように調節ダイヤル8へのデータ収集デバイス20の軸方向取り付けのためのスナップ部分31をそれぞれ有する複数の溝26を含む。
【0084】
やはりまた
図7に示されるように、変形可能部分29は、スリーブ23と一体成形される。たとえば、スリーブ23は、熱可塑性材料のような剛性プラスチック材料から成形され、変形可能部分29も同時に成形される。そのような二重成形プロセス(dual-moulding process)は、たとえば射出成形を用いて実現することができる。あるいは、変形可能部分29は、スリーブ23に接着させるまたは溶接してもよい。他の例では、変形可能部分29は、データ収集デバイス20の2つの部材間に捕らえ、それら2つの部材が互いに取り付けられることで所定位置に保持してもよい。
【0085】
変形可能部分29は、可撓性の弾性材料、たとえばゴムから作ることができる。
【0086】
図示のように、変形可能部分29は、上述したように調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの近位端に係合するようにキャビティ24の近位端Pに配置される。
【0087】
変形可能部分29は、内側円周壁25の周りに延びるリングを含む。変形可能部分29は、溝26と一致するところにリブ32を備える。
図7の例では、溝261つにつき5つのリブ32が設けられている。リブ32は、軸方向に延びる。リブ32は、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に取り付けるとき、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの近位端によって簡単に変形し、データ収集デバイス20と調節ダイヤル8との間に回転不能な連結をもたらす。
【0088】
図8A~
図8Cは、データ収集デバイス20の変形可能部分29の様々な代替形態を示している。
【0089】
図8Aでは、変形可能部分29は
図7を参照して述べたようなものであるが、溝26と一致するリブ32が形成されていない。この例では、変形可能部分29の材料は、無理な力をかけなくてもデータ収集デバイス20を調節ダイヤル8に取り付けることができるように、より高い可鍛性を有する(すなわち、より柔軟である)ことができる。
【0090】
図8Bでは、変形可能部分29は、
図8Aより軸方向に長い。この例の変形可能部分29は、スリーブ23の遠位端の方に向けて遠位方向にさらに延びる。この長さの増加により、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fと変形可能部分29との間の相互作用がより大きくなり、結果的により強い回転不能な連結になる。
【0091】
図8Cでは、変形可能部分29は、
図7を参照して述べたようなものであるが、溝26と一致するリブ32が円周方向により幅広になっている。より幅広のリブ32は、調節ダイヤル8へのデータ収集デバイス20の連結を可能にするために変形させるのにより大きな力を必要とするが、データ収集デバイス20と調節ダイヤル8との間により強い回転不能な連結をもたらすことができる。
【0092】
図9Aおよび
図9Bは、注射デバイス1の調節ダイヤル8に取り付けられるデータ収集デバイス20のさらなる一例を示している。この例では、スリーブ23は、スナップ嵌め取り付けによって調節ダイヤル8に軸方向に取り付けられる。
【0093】
この例では、スリーブ23の内側円周壁25は、複数のアーム33から形成される。内側円周壁25のアーム33間には、キャビティ24の近位端頂部から開いた遠位端の方に向けて延びるスロット34が設けられる。
【0094】
各アーム33は、その内面に、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fを受けるように適用された凹部35を有する。スナップ部分31は、アーム33の遠位端の、
図5~
図8Cの例と同じ位置に設けられる。これらのスナップ部分31は、
図6Aおよび
図6Bを参照して述べたように、たとえば形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの遠位端である、調節ダイヤル8の遠位縁30に係合するように配置される。
【0095】
図9Aおよび
図9Bに示されるように、凹部35の近位端には近位スナップ部分36が設けられる。近位スナップ部分36は、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの近位端に係合するように位置する。
【0096】
近位スナップ部分36が形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fに係合できるように、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの近位端に丸みを付ける、面取りする、または近位端をカットバックしてもよい。
【0097】
データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に取り付けるには、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8上に押し込む。データ収集デバイス20を軸方向に押すと、調節ダイヤル8がスナップ部分31を偏向させる。調節ダイヤル8が近位スナップ部分36に係合すると、アーム33は外方に偏向される。調節ダイヤル8が完全に挿入されると、スナップ部分31は、上述したように調節ダイヤル8の遠位縁30に係合し、近位スナップ部分36は、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの近位端に係合する。この位置で、スナップ部分31、36は、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に軸方向に取り付ける。スナップ部分31、36は、軸方向取付部材と考えることができる。加えて、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fは、凹部35に配置され、それによってデータ収集デバイス20は調節ダイヤル8に回転不能に連結される。
【0098】
アーム33間のスロット34によって、アーム33の外方への偏向、係合位置への近位スナップ部分36の移動、および凹部35内への形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの移動が可能になる。
【0099】
図5~
図9Bの例では、スナップ部分31、36は、データ収集デバイス20が調節ダイヤル8上に押し込まれるにつれて、初期位置から係合位置へと偏向される。
【0100】
図10、
図11および
図12は、たとえば
図4Aおよび
図4Bの調節ダイヤル8a、8bである調節ダイヤル8、ならびに他の類似の調節ダイヤル8に嵌合されるように適用されたデータ収集デバイス20のさらなる一例を示している。
【0101】
この例では、データ収集デバイス20は、調節ダイヤル8を受け入れるキャビティ24を画成する円周壁25を有するスリーブ23を含む。図示のように、キャビティ24内には把持部材が配置される。この例では、把持部材は、データ収集デバイス20を調節ダイヤル8に連結するために調節ダイヤル8を把持するクランプ37である。クランプ37は、ベースリング38と、ベースリング38から突出した複数のアーム39、40とを有する。アーム39、40は、互いに間隔を置いて配置される。ベースリング38は、キャビティ24の近位に配置され、アーム39、40は、ベースリング38から遠位方向に延びる。
【0102】
アーム39、40は、調節ダイヤル8がキャビティ24に押し込まれクランプ37が近位方向に軸方向に動くにつれて、調節ダイヤル8を締め付けるように配置される。この実施形態では、クランプ37は、軸方向取付部材と考えることができる。
【0103】
クランプ37は、その周りに交互に配置される長アーム39と短アーム40とを含む。長アーム39は、データ収集デバイス20が調節ダイヤル8に取り付けられたときに調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11f間に置かれるように、配置される。短アーム40は、データ収集デバイス20が調節ダイヤル8に取り付けられたときに、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fの上になるように配置される。
【0104】
やはりまた図示されるように、円周壁25は、クランプ37のアーム39、40を受けるように配置される複数の溝41を含む。短アーム40に対応する溝41はさらに、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fを受けるように適用される。
【0105】
図示のように、長アーム39の遠位端42は、内方に曲がっている。
【0106】
スリーブ23の内側円周壁25は、キャビティ24の遠位端に1つまたはそれ以上の突出部43を含む。突出部43は、スリーブ23の内側円周壁25の周りに延びる円周リッジであってもよく、または、内側円周壁25が、長アーム39に対して位置合わせされる複数の別個の突出部43を有してもよい。
【0107】
図13A~
図13Cは、
図10~
図12のデータ収集デバイス20を調節ダイヤル8に取り付けるプロセスを示している。
図13Aに示されるように、クランプ37は初期位置にあり、キャビティ24に部分的に受け入れられ、アーム39、40は、非偏向状態にあり
図13Bに示されるようにアーム39、40間に調節ダイヤル8を受けられるほど十分に開いている。
図13Bに示されるように、調節ダイヤル8がキャビティ24に押し込まれるにつれて、キャビティ24の内部形状によりアーム39、40が内方に偏向されて係合位置になり調節ダイヤル8を把持する。
図13Cに示される位置では、調節ダイヤル8は、キャビティ24に完全に挿入され、アーム39、40は、調節ダイヤル8を把持する。
【0108】
内側円周壁25の突出部43は、クランプ37と調節ダイヤル8をキャビティ24内に保持するように長アーム39の内方偏向端42と相互作用する。具体的には、調節ダイヤル8がキャビティ24に押し込まれるにつれて、長アーム39は、偏向端42にて若干まっすぐになり、各長アーム39の曲がった部分が突出部43の上を近位方向に動けるようになる。長アーム39は、突出部43を過ぎるとまた戻り、クランプ37はキャビティに効果的にロックされる。
【0109】
図13Cの位置では、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fおよびクランプ37の短アーム40は、溝41内にある。短アーム40は、調節ダイヤル8がキャビティ24に押し込まれるにつれて偏向して形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fに内向きの把持力を及ぼすように配置することができる。同様に、
図13Cの位置では、クランプ37の長アーム39は、若干偏向され、それによって調節ダイヤル8に内向きの把持力が及ぼされる。いくつかの例では、長アーム39の偏向端42は、調節ダイヤル8の遠位端30の下に延びることができる。
【0110】
このように、データ収集デバイス20は、クランプ37のアーム39、40によって調節ダイヤル8に軸方向に取り付けられる。加えて、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fを受ける溝41がデータ収集デバイス20を調節ダイヤル8に回転不能に連結する。
【0111】
図14、
図15および
図16は、
図4Aおよび
図4Bの調節ダイヤル8a、8bのどちらか、ならびに他の類似の調節ダイヤル8に嵌合されるように適用されたデータ収集デバイス20のさらなる一例を示している。
【0112】
この例では、データ収集デバイス20は、調節ダイヤル8を受け入れるキャビティ24を画成する内側円周壁25を有するスリーブ23を含む。この例では、内側円周壁25は、円周方向に延びる溝44を有する。溝44は、
図15に示され
図16において所定位置に見える取付リング45を受けるように配置される。
【0113】
図16に示されるように、取付リング45は、その内縁46が溝44からキャビティ24内へと延びるように、溝44内に配置される。このように、内縁46は、調節ダイヤル8がキャビティ24に押し込まれると調節ダイヤル8に係合する。
【0114】
取付リング45は、弾性材料を含み、切れ目47を含む。取付リング45は、初期位置ではキャビティ24内へと延び、調節ダイヤル8がキャビティ24に押し込まれるにつれて、調節ダイヤル8の力を受けて外方に変形する。それに応じて、取付リング45の弾性によって内縁46が調節ダイヤル8を把持し、データ収集デバイス20が調節ダイヤル8に軸方向に取り付けられる。この位置では、取付リング45は係合位置にある。取付リング45は、この例では、軸方向取付部材と考えることができる。
【0115】
取付リング45の弾性および/または内縁46の設計は、取付リング45が調節ダイヤル8を把持する、または調節ダイヤル8に食い込むようなものとすることができる。取付リング45は、調節ダイヤルの最外機能が形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fであることから、それらを把持またはそれに食い込むことになる。取付リングはさらに、回転方向連結部材の特徴を提供することができることを理解されよう。
【0116】
図14に示されるように、スリーブ23の内側円周壁25は、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fを受けデータ収集デバイス20と調節ダイヤル8との間に回転不能な連結をもたらす、
図5を参照して述べたものと類似の溝26をさらに含む。より大きな形成部に対応できるように、任意選択の漏斗形口部28を含むより幅広の溝27を設けてもよい。
【0117】
図17Aに示されるように、取付リング45’の内縁46’は直角であってもよく、取付リング45’の弾性力は軸方向の取り付けをもたらすように調節ダイヤル8’を押圧する。あるいは、
図17Bに示されるように、取付リング45’の内縁46’は、軸方向の取り付けをもたらすように調節ダイヤル8’に食い込む切刃をもたらすように傾斜していてもよい。
【0118】
図18に示されるように、取付リング45の内縁46は、調節ダイヤル8の形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fを収容する凹部47が設けられた段状であってもよい。このように、取付リング45は、形成部11a、11b、11c、11d、11e、11fおよび形成部11a、11b、11c、11d、11e、11f間の調節ダイヤル8の主部を把持またはそれに食い込むことができる。
【0119】
図19Aおよび
図19Bに示されるように、取付リング45の内縁46は、調節ダイヤル8を押圧する取付リング45の弾性力によってもたらされる把持する力または食い込む力を増大させる鋸歯状部分48を備えてもよい。
図19Aに示されるように、鋸歯状部分48は、
図18に示されるような段状取付リング45に設けることができる。あるいは、鋸歯状部分48は、
図15に示されるもののような円形取付リング45に設けてもよい。
【0120】
あるいは、
図19Bに示されるように、鋸歯状部分48は取付リング45の周りに間隔を置いた群として配置してもよい。
【0121】
各記載例において、軸方向の取り付けをもたらすことができる任意の機能は、軸方向取付部材と考えられ、回転不能な連結をもたらすことができる任意の機能は、回転方向連結部材と考えることができることを理解されよう。
【0122】
軸方向取付部材は、調節ダイヤルからのデータ収集デバイスの連結解除を防ぐ一方、回転方向連結部材は、データ収集デバイスが調節ダイヤルと一致して動けるようにする。
【0123】
各記載例では、データ収集デバイス20は、
図4Aおよび
図4Bを参照して述べた調節ダイヤル8a、8bのような様々な類似の調節ダイヤル8に使用するように適用される。
【0124】
注射デバイス1は、患者に薬剤を注射または注入するように構成される。たとえば送達は、皮下、筋肉内、または静脈内に行うことができる。送達は、針無しの場合もある。注射デバイス1は、患者または看護師もしくは医師などの医療従事者が操作することができ、各種タイプの安全シリンジ、ペン注射器、または自動注射器のうちの1つとすることができる。注射デバイス1は、カートリッジに基づくシステムを含むことができ、封止されたアンプルを使用前に穿孔する必要がある。これらの様々なデバイスによって送達される薬剤の体積は、約0.5ml~約2mlの範囲とすることができる。注射デバイス1は、大容量デバイス(「LVD」)またはパッチポンプであってもよく、ある時間(たとえば、約5、15、30、60、または120分)にわたって患者の皮膚に付着して、「大」容量の薬剤(典型的には、約2ml~約10ml)を送達するように構成される。特有の薬剤と組み合わせて、注射デバイス1はまた、必要とされる仕様の範囲内で動作するようにカスタマイズすることができる。たとえば、注射デバイス1は、特定の時間期間(たとえば、自動注射器の場合は約3~約20秒、LVDの場合は約10分~約60分)の範囲内で薬剤を注射するようにカスタマイズすることができる。他の仕様は、低レベルもしくは最小レベルの不快さ、または人的要因、保管寿命、有効期限、生体適合性、環境的考慮などに関係する特定の条件を含むことができる。そのような変動は、たとえば薬物の粘性が約3cP~約50cPの範囲に及ぶことなどの様々な要因によって生じる可能性がある。したがって、注射デバイス1は、サイズが約25~約31ゲージの範囲の中空の針を含むことができる。一般的なサイズは27および29ゲージである。
【0125】
注射デバイス1はまた、1つまたはそれ以上の自動機能を含むことができる。たとえば、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの1つまたはそれ以上を自動化することができる。1つまたはそれ以上の自動化工程のためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によって提供することができる。
【0126】
エネルギー源は、たとえば、機械、空気圧、化学、または電気エネルギーを含むことができる。たとえば、機械エネルギー源は、エネルギーを貯蔵または解放するためのばね、てこ、エラストマー、または他の機械機構を含むことができる。1つまたはそれ以上のエネルギー源は、単一のデバイス内に組み合わせることができる。デバイスは、エネルギーをデバイスの1つまたはそれ以上の構成要素の動きに変換するためのギア、バルブ、または他の機構をさらに含むことができる。
【0127】
そのような注射デバイス1の1つまたはそれ以上の自動機能は各々、起動機構を介して起動することができる。そのような起動機構は、ボタン、レバー、ニードルスリーブ、または他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。自動機能の起動は、1つの工程または複数の工程を含むプロセスとすることができる。すなわち、ユーザは、自動機能が行われるように、1つまたはそれ以上の起動構成要素を起動する必要があり得る。たとえば、1つの工程を含むプロセスでは、ユーザは、提供予定の薬剤の注射を可能にするために、ニードルスリーブを自身の体に当てて押し下げることができる。注射デバイス1は、自動機能の複数の工程の起動を必要とすることもある。たとえば、ユーザは、注射を行うために、ボタンの押し下げおよびニードルシールドの後退を行う必要がある場合もある。
【0128】
加えて、1つの自動機能の起動によって1つまたはそれ以上の次の自動機能を起動し、それによって起動シーケンスを形成することができる。たとえば、第1の自動機能の起動により、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの少なくとも2つを起動することができる。注射デバイス1はまた、1つまたはそれ以上の自動機能が行われるように、特定の一連の工程を必要とすることもある。注射デバイス1は、一連の独立した工程によって動作することもできる。
【0129】
注射デバイス1は、安全シリンジ、ペン注射器、または自動注射器の1つまたはそれ以上の機能を含むことができる。たとえば、注射デバイス1は、薬剤を自動的に注射するように構成された機械エネルギー源(典型的には、自動注射器で見られる)と、用量設定機構(典型的には、ペン注射器で見られる)とを含むことができる。
【0130】
注射デバイス1は、使い捨てであってもよく、または再使用可能であってもよい。
【0131】
注射デバイス1は、固定用量またはユーザ設定可能用量を提供することができる。
【0132】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬学的に活性な成分の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他のベッセルであり得る。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。
【0133】
いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、薬物製剤の2つ以上の成分(たとえば、薬物と希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジであり得るか、またはそれを含み得る。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に薬物または薬剤の2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
【0134】
本明細書に記載の薬物送達デバイスおよび薬物は、多くの異なるタイプの障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。
【0135】
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
【0136】
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含み得る。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられ得る。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
【0137】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルであり得る。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジであり得るか、またはそれを含み得る。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
【0138】
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
【0139】
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかであり得る。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
【0140】
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0141】
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0142】
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
【0143】
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
【0144】
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
【0145】
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
【0146】
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
【0147】
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体であり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体であり得る。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
【0148】
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含み得るが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本開示に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
【0149】
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与し得るか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼし得る。
【0150】
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
【0151】
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
【0152】
本明細書に記載のAPI、公式、装置、方法、システムおよび実施形態の様々な構成要素の修正(追加および/または削除)は、本開示の全範囲および趣旨から逸脱することなく行うことができ、本開示は、そのような修正、およびそのあらゆる均等物もすべて包含することが当業者には理解されよう。