(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】梱包体及び梱包方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/07 20060101AFI20240221BHJP
B65D 85/86 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B65D81/07
B65D85/86 400
(21)【出願番号】P 2021179263
(22)【出願日】2021-11-02
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】片山 敬章
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-161242(JP,A)
【文献】米国特許第10239658(US,B1)
【文献】特開2007-030892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/07
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包物と、
前記被梱包物を梱包する梱包材と、を備える梱包体であって、
前記梱包材は、
第1基部と、前記第1基部より上方に位置する少なくとも一対の第1凸部と、を有する第1部材と、前記一対の第1凸部に架設される第1架設部材と、を備える第1梱包材と、
第2基部と、前記第2基部より下方に位置し、前記第1凸部と重ならない位置に配置される少なくとも一対の第2凸部と、を有する第2部材と、前記一対の第2凸部に架設される第2架設部材と、を備える第2梱包材と、を備え、
前記第1部材と前記第2部材とが離隔し、前記被梱包物が前記第1架設部材及び前記第2架設部材で挟持され
、
前記第1部材及び前記第2部材は、平面視において枠状である梱包体。
【請求項2】
前記第1架設部材及び前記第2架設部材は、弾性体である請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記第1凸部は、上部と、前記上部の両端に繋がる一対の第1側部と、を有し、
前記第1基部は、前記側部における前記上部と繋がる端部とは反対側の端部と繋がり、
前記第2凸部は、下部と、前記下部の両端に繋がる一対の第2側部と、を有し、
前記第2基部は、前記側部における前記上部と繋がる端部とは反対側の端部と繋がる請求項
1又は2に記載の梱包体。
【請求項4】
前記第1凸部の一対の側部は、前記第1基部側に向かって前記一対の側部間の間隔が広くなるように傾斜し、
前記第2凸部の一対の側部は、前記第2基部側に向かって前記一対の側部間の間隔が広くなるように傾斜する請求項
3に記載の梱包体。
【請求項5】
前記第1基部から前記第2凸部の下部までの高さが、前記第1基部から前記第1凸部の上部までの高さより低い請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の梱包体。
【請求項6】
前記第1梱包材と第2梱包材は、平面視において、同一の大きさであり、且つ同一形状である請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の梱包体。
【請求項7】
前記被梱包物は、面状光源である請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の梱包体。
【請求項8】
請求項
1乃至
7のいずれか1項に記載の梱包体は、
さらに、
第2被梱包物と、
第3基部と、前記第3基部より下方に位置する少なくとも一対の第3凸部と、を有する第3部材と、前記一対の第3凸部に架設される第3架設部材と、を備える第3梱包材と、
を備え、
前記第2梱包材は、前記一対の第2凸部に架設される第2下側架設部材と、少なくとも一対の第2基部と、前記一対の基部に架設される第2上側架設部材と、を有し、
前記第2部材と前記第3部材とが隔離し、前記第2被梱包物が前記第2上側架設部材及び前記第3架設部材で挟持される梱包体。
【請求項9】
第1基部と、前記第1基部より上方に位置する少なくとも一対の第1凸部と、を有
し、平面視において枠状である第1部材と、前記一対の第1凸部に架設される第1架設部材と、を備える第1梱包材を準備する工程と、
第2基部と、前記第2基部から下方に位置する少なくとも一対の第2凸部と、を有
し、平面視において枠状である第2部材と、前記一対の第2凸部に架設される第2架設部材と、を備える第2梱包材を準備する工程と、
前記第1架設部材が被梱包物を保持するように、前記第1梱包材上に前記被梱包物を載置する工程と、
前記被梱包物が前記第2架設部材を保持し、前記第1部材と前記第2部材が離隔した状態で、前記被梱包物上に前記第2梱包材を載置する工程と、
を含む梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包体及び梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被梱包物を梱包する方法として、特許文献1には、樹脂フィルムが貼り付けられた一対の枠体を用いて、厚みがある被梱包物を挟み込むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、被梱包物の厚みに関係なく被梱包物を保持し、外力や衝撃から被梱包物を保護することができる梱包体及び梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る梱包体は、被梱包物と、被梱包物を梱包する梱包材と、を備える。梱包材は、第1基部と、第1基部より上方に位置する少なくとも一対の第1凸部と、を有する第1部材と、一対の第1凸部に架設される第1架設部材と、を備える第1梱包材と、第2基部と、第2基部より下方に位置し、第1凸部と重ならない位置に配置される少なくとも一対の第2凸部と、を有する第2部材と、一対の第2凸部に架設される第2架設部材と、を備える第2梱包材と、を備える。そして、第1部材と第2部材とが離隔し、被梱包物が第1架設部材及び第2架設部材で挟持される。
【0006】
本開示の一態様に係る梱包方法は、第1基部と、第1基部より上方に位置する少なくとも一対の第1凸部と、を有する第1部材と、一対の第1凸部に架設される第1架設部材と、を備える第1梱包材を準備する工程と、第2基部と、第2基部から下方に位置する少なくとも一対の第2凸部と、を有する第2部材と、一対の第2凸部に架設される第2架設部材と、を備える第2梱包材を準備する工程と、第1架設部材が被梱包物を保持するように、第1梱包材上に被梱包物を載置する工程と、被梱包物が第2架設部材を保持し、第1部材と第2部材が離隔した状態で、被梱包物上に第2梱包材を載置する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る梱包体及び梱包方法によれば、被梱包物の厚みに関係なく被梱包物を保持し、外力や衝撃から被梱包物を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る梱包体を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、被梱包物を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1梱包材を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、第2梱包材を模式的に示す平面図である。
【
図6A】
図6Aは、第1梱包材の別例を模式的に示す斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、第1梱包材の別例を模式的に示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る梱包体の別例を模式図に示す斜視図である
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る梱包体を模式的に示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る梱包体を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る梱包体について説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに特定しない。各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0010】
<第1実施形態>
(梱包体1000)
図1は、第1実施形態に係る梱包体1000を模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1の分解斜視図である。なお、
図1及び
図2に図示される被梱包物1は、識別しやすくするために、塗りつぶされている。
【0011】
図1及び
図2に示すように、梱包体1000は、被梱包物1と、被梱包物1を梱包する梱包材100と、を有する。梱包材100は、第1梱包材10Aと第2梱包材20Aと、を備える。第1梱包材10Aは、第1基部13Aと、第1基部13Aより上方に位置する少なくとも一対の第1凸部14Aと、を有する第1部材11Aと、一対の第1凸部14Aに架設される第1架設部材15と、を備える。第2梱包材20Aは、第2基部23Aと、第2基部23Aより下方に位置し、第1凸部14Aと重ならない位置に配置される少なくとも一対の第2凸部24Aと、を有する第2部材21Aと、一対の第2凸部24Aに架設される第2架設部材25と、を備える。そして、第1部材11Aと第2部材21Aとが離隔し、被梱包物1が第1架設部材15及び第2架設部材25で挟持される。
【0012】
梱包体1000であれば、被梱包物1の厚みに関係なく被梱包物1を保持し、外力や衝撃から被梱包物を保護することができる。梱包体1000は、被梱包物1が第1架設部材15と第2架設部材25で挟持された際、第1部材11Aと第2部材21Aとが離隔する構成である。このような構成であれば、第1部材11Aと第2部材21Aとが互いに近づくような外力を加えることで、第1架設部材15と第2架設部材25とによる被梱包物1を挟持する力を高めることができる。これにより、被梱包物1の厚みに関係なく、被梱包物1のような厚みが薄い被梱包物でも被梱包物を保持し、外力や衝撃から被梱包物を保護することができる。
【0013】
また、梱包体1000は、被梱包物1が第1架設部材15及び第2架設部材25で挟持された状態で梱包されており、被梱包物1が第1部材11A及び第2部材21Aと直接接していないため、第1部材11A及び第2部材21Aに意図しない衝撃が加わっても、被梱包物1へのダメージを小さくすることができる。
【0014】
以下、梱包体1000を構成する各要素について説明する。
【0015】
(被梱包物1)
被梱包物1は、梱包体1000において、第1梱包材10A及び第2梱包材20Aで挟持されることによって梱包される部材である。被梱包物1の平面視における大きさは、第1梱包材10A及び第2梱包材20Aより小さい。第1梱包材10A及び第2梱包材20Aで挟持される被梱包物が1つの場合、被梱包物1の平面視における大きさは、例えば、第1梱包材10A及び第2梱包材20Aの60%以上80%以下の大きさである。また、第1梱包材10A及び第2梱包材20Aで挟持される被梱包物1は、1つであることに限らず、複数でもよい。複数の被梱包物1が第1梱包材10A及び第2梱包材20Aで挟持される場合、平面視において被梱包物1は第1梱包材10Aの複数の第1凸部14A及び第2梱包材20Aの第2凸部24Aと重ならないように互いに離隔して配置される。複数の被梱包物1は、各被梱包物1の平面視における形状は同一でもよいし、異なってもよい。また、複数の被梱包物1は、各被梱包物の厚みが同一でもよいし、異なってもよい。各被梱包物の厚みが同一であれば、各被梱包物を保持する力に偏りが生じるのを抑制することができる。
被梱包物1は、例えば、0.5mm以上50mm以下の厚みのものを用いることができる。
【0016】
被梱包物1は、例えば、板状部材である。板状部材は、例えば、面状光源である。面状光源は、例えば、複数の貫通孔を有する導光部材を含み、FPC基板(フレキシブルプリント回路基板)上に複数の光源を二次元方向に配置し、導光部材の貫通孔内に光源が位置するように導光部材をFPC基板上に配置したものである。光源は、例えば、発光ダイオードを用いることができる。導光部材は、例えば、ポリカーボネートを用いることができる。面状光源の寸法は、例えば、厚みが約1mmで、平面視における大きさが約350mm×約200mmである。被梱包物1の平面視における形状は、
図1又は
図2に示す例では、長方形である。但し、被梱包物1の平面視における形状は、
図3に示すように、長方形をベースにして、長方形の一辺から外側に突出する部位を一以上有する形状でもよい。また、被梱包物1の平面視における形状は、長方形に限らず、正方形でもよい。長方形または正方形の角部は、角張っていてもよいし、丸みをおびていてもよい。
【0017】
(梱包材100)
梱包材100は、被梱包物1を梱包する部材である。梱包材100は、第1梱包材10Aと第2梱包材20Aとを備える。
【0018】
(第1梱包材10A)
第1梱包材10Aは、被梱包物1の下方に位置し、被梱包物1を下側から保持する部材である。第1梱包材10Aは、第1基部13Aと、第1基部13Aより上方に位置する少なくとも一対の第1凸部14Aと、を有する第1部材11Aと、一対の第1凸部14Aに架設される第1架設部材15と、を備える。
【0019】
(第1部材11A)
第1部材11Aは、
図4に示すように、平面視において枠状である。第1部材11Aは、平面視において、被梱包物1を囲うように設けられる。第1部材11Aの平面視における形状は、例えば、長方形である。但し、第1部材11Aの平面視における形状は、長方形に限定されず、正方形でもよい。長方形や正方形の場合、角部が角張っていることに限定されず、例えば、丸みを帯びていてもよい。第1部材11Aの平面視における形状は、被梱包物1の平面視における形状に対応する形状でもよいし、被梱包物1の平面視における形状に対応する形状とは異なる形状でもよい。
【0020】
第1部材11Aは、
図4に示す例では、第1枠辺12a、第2枠辺12b、第3枠辺12c及び第4枠辺12dの4つの枠辺で構成される。平面視において長方形である第1部材11Aの短手方向において、第1枠辺12aと第2枠辺12bとが対向する。また、平面視において長方形である第1部材11Aの長手方向において、第3枠辺12cと第4枠辺12dとが対向する。
【0021】
(第1基部13A、第1凸部14A)
第1部材11Aは、第1基部13Aと、第1基部13Aより上方に位置する少なくとも一対の第1凸部14Aと、を有する。第1基部13Aは、第1凸部14Aを支持する部位である。第1凸部14Aは、第1架設部材15を架設させるために設ける部位である。
【0022】
図2に示すように、第1部材11Aにおける第1枠辺12aは、第1基部13Aの端部が第1凸部14Aの端部とつながり、第1基部13Aと第1凸部14Aが交互に配置されることで構成される。第1枠辺12aは、平面視において直線状に延伸する。第1部材11Aにおける第2枠辺12b、第3枠辺12c及び第4枠辺12dについても同様である。
【0023】
図2に示す例では、第1枠辺12aは、第1基部13Aを4つ、第1凸部14Aを3つ備える。第2枠辺12bについても同様に、第1基部13Aを4つ、第1凸部14Aを3つ備える。また、第3枠辺12cは、第1基部13Aを3つ、第1凸部14Aを2つ備える。第4枠辺12dについても同様に、第1基部13Aを3つ、第1凸部14Aを2つ備える。
【0024】
第1部材11Aは、少なくとも一対の第1凸部14Aを有する。第1部材11Aは、
図2に示す例では、5対の第1凸部14Aを備える。第1枠辺12a及び第2枠辺12bに3対の第1凸部14Aが設けられ、第3枠辺12c及び第4枠辺12dに2対の第1凸部14Aが設けられる。なお、一対の第1凸部は、枠体の隣接する枠辺(例えば、第1枠辺12a及び第3枠辺12c)に設けられた第1凸部14Aであってもよい。
【0025】
一対の第1凸部14Aは複数設けられることに限定されず、1つでもよい。例えば、第1枠辺12a及び第2枠辺12bに一対の第1凸部14Aを設けることができる。この場合、第1凸部14Aが設けられていない第3枠辺12c及び第4枠辺12dは、第1基部13Aのみで構成される。
【0026】
第1凸部14Aは、第1基部13Aより上方に位置する。換言すると、第1凸部14Aは、第2梱包材20A側に突出する。第1凸部14Aは、上部14aと、上部14aの両端に繋がる一対の第1側部14bとを有する。第1基部13Aは、第1凸部14Aの第1側部14bにおける上部14aと繋がる端部とは反対側の端部と繋がる。
【0027】
上部14aは、後述する第1架設部材15を配置するために設けられる部位である。上部14aが延伸する方向の長さは、例えば、
図1又は
図2の例で示すように、第1基部13Aが延伸する方向の長さと同じにすることができる。
【0028】
第1基部13A、第1凸部14Aの上部14a及び第1側部14bは、いずれも棒状の部材であり、四角柱状でもよいし、円柱状でもよい。
図1又は
図2の例で示す第1凸部14Aの上部14aは、四角柱状であり、矩形状の上面、側面及び下面を有する。上面は第2部材と対向する面である。また、下面は上面と反対側に位置する面である。側面は、上面と下面とを繋ぐ面である。第1凸部14Aの上部14aの上面は平坦面でもよいし、上方に盛り上がる湾曲面でもよい。
【0029】
第1凸部14Aの一対の第1側部14bは、第1基部13A側に向かって一対の第1側部14b間の間隔が広くなるように傾斜することが好ましい。さらに、後述する第2凸部24Aにおいて、第2凸部24Aの一対の第2側部24bは、第2基部23A側に向かって一対の第2側部24b間の間隔が広くなるように傾斜することが好ましい。これらの構成であれば、第1凸部14Aの上部14aと第2基部23Aとを対向させて、第1架設部材15及び第2架設部材25によって被梱包物1を挟持した場合、第1部材11Aと第2部材21Aとが接触しない状態を保ちながら第1部材11Aと第2部材21Aとを互いに近づけることができる。これにより、第1架設部材15と第2架設部材25とによる被梱包物1を挟持する力を高めることができる。さらに、第1部材11Aにおいて、第1凸部14Aの一方の第1側部14bと、その第1側部14bと第1基部13Aを介して繋がる隣の第1凸部14Aの第1側部14bとの間隔が、第1基部13A側に向かって狭くなることが好ましい。また、第2部材21Aにおいて、第2凸部24Aの一方の第2側部24bと、その第2側部24bと第2基部23Aを介して繋がる隣の第2凸部24Aの第2側部24bとの間隔が、第2基部23A側に向かって狭くなることが好ましい。
【0030】
第1凸部14Aの上部14aと第1側部14bとがなす角は、90度より大きく、160度より小さくすることが好ましく、130度より大きく140度より小さくすることがより好ましい。これにより、第1梱包材10Aの第1部材11Aと第2梱包材20Aの第2部材21Aとが接触するのを抑制しつつ、第1凸部14Aの高さを確保することができる。なお、「第1凸部14Aの高さ」とは、上部14aが四角柱状である場合は、上部14aの上面と直交する方向において、第1側部14bの第1基部側の端部から上部14aの上面までの長さである。また、上部14aが円柱状である場合は、円の上端と下端とを繋ぐ方向において、第1側部14bの第1基部側の端部から上部14aの上端までの長さである。
【0031】
第1凸部14Aの高さは、被梱包物1の厚みと同じ以上、被梱包物1の厚みの10倍以下であることが好ましい。これにより、梱包体1000が余分に厚くなることを抑制することができる。この結果、梱包体1000を搬送用ケース(例えば、段ボール箱又はコンテナ)に収納する場合、搬送用ケースに収納できる梱包体1000の数を増やすことができる。第1凸部14Aの高さは、被梱包物1の厚みが1mmの場合、例えば、6mmとすることができる。
【0032】
第1部材11Aに設けられている5対の第1凸部14Aの高さは、
図1及び
図2に示す例では、すべて同じである。但し、第1枠辺12a及び第2枠辺12bに設けられる一対の第1凸部14Aの高さは、第3枠辺12c及び第4枠辺12dに設けられる一対の第1凸部14Aの高さより高くてもよいし、低くてもよい。
【0033】
1つの枠辺に2以上の第1凸部14Aが設けられている場合、隣り合う第1凸部14Aの上部14aの間隔は、被梱包物1の外形の長さよりも短くすることが好ましい。これにより、第1凸部14Aに架設される第1架設部材15によって被梱包物1を保持することができる。
【0034】
第1基部13A及び第1凸部14Aの材料は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、金属、木材などである。樹脂を用いて第1部材11Aを作製する場合、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形の方法によって一体的に成形して作製することができる。また、第1枠辺12a、第2枠辺12b、第3枠辺12c及び第4枠辺12dをそれぞれ一体的に作製し、各枠辺の端部同士を接着剤を用いて接着させて平面視で枠状の第1部材11Aを作製することもできる。また、複数の第1基部13A及び第1凸部14Aをそれぞれ作製し、第1基部13Aと第1凸部14Aとを接着剤を用いて接着させて枠辺を作製し、枠辺の端部同士を接着剤を用いて平面視で枠状の第1部材を作製することもできる。木材を用いて第1部材11Aを作製する場合、複数の第1基部13A及び第1凸部14Aをそれぞれ作製し、第1基部13Aと第1凸部14Aとを接着剤を用いて接着させて枠辺を作製し、枠辺の端部同士を接着剤を用いて平面視で枠状の第1部材を作製することができる。金属を用いて第1部材11Aを作製する場合、枠状の部材を金型等でプレスすることで作製してもよいし、鋳型を用いて作製してもよい。第1基部13Aと第1凸部14Aは同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。なお、第1部材11Aを購入して準備してもよい。
【0035】
第1基部13Aの厚みは、例えば、6mmである。第1凸部14Aの第1側部14b及び上部14aの厚みは、第1基部13Aの厚みと同じでもよいし、異なってもよい。
【0036】
対向する枠辺に設けられる第1凸部14Aの数は、
図2に示すように同じ数であることに限定されず、異なってもよい。対向する枠辺に設けられる第1凸部14Aの数が異なる場合、例えば、第1枠辺12aの第1凸部14Aを3つ設け、第2枠辺12bに第1凸部14Aを2つ設けることができる。この場合、例えば、第2枠辺12bに設けられる1つの第1凸部14Aから第1枠辺12aの2つの第1凸部14Aに向かって第1架設部材15を架設させることができる。
【0037】
なお、第1部材11Aの枠内に被梱包物1を複数並べて配置する場合、第1部材11Aにおける被梱包物1同士の間の領域に、第1凸部14Aと第1基部13Aを備える枠辺を追加することができる。第2部材21Aについても同様である。
【0038】
なお、第1凸部14Aは、上部14aと第1側部14bとで構成されることに限らず、第1側部14bのみで構成されてもよい。この場合、第1凸部14Aの断面視における形状は三角形にすることができる。また、第1凸部14Aの断面視における形状は半円でもよい。第2凸部24Aについても同様である。
【0039】
(第1架設部材15)
第1架設部材15は、被梱包物1を保持するための部材であり、後述する第2架設部材25と併用して被梱包物1を挟持する。第1架設部材15は、一対の第1凸部14Aに架設される。
【0040】
図2に示す例では、第1梱包材10Aは第1架設部材15を5つ備える。第1枠辺12aに設けられた第1凸部14Aと第2枠辺12bに設けられた第1凸部14Aとに架設される第1架設部材15が3つ、第3枠辺12cに設けられた第1凸部14Aと第2枠辺12bに設けられた第1凸部14Aとに架設される第1架設部材15が2つ設けられる。
図2に示す例では、第1架設部材15は、すべての第1凸部14Aに設けられている。
【0041】
図2に示す例において、第1枠辺12aに設けられた第1凸部14Aと第2枠辺12bに設けられた第1凸部14Aとに架設される3つの第1架設部材15は、互いに平行である。第3枠辺12cに設けられた第1凸部14Aと第4枠辺12dに設けられた第1凸部14Aとに架設される2つの第1架設部材15は、互いに平行である。また、第1部材11Aの第1枠辺12aに設けられた第1凸部14Aと第2枠辺12bに設けられた第1凸部14Aとに架設される第1架設部材15と、第1部材11Aの第3枠辺12cに設けられた第1凸部14Aと第4枠辺12dに設けられた第1凸部14Aとに架設される第1架設部材15とは、直交する。
【0042】
第1架設部材15は、
図2で示すように第1部材11Aの長手方向及び短手方向の2方向に架設されてもよいし、いずれかの方向のみに架設されてもよい。同じ方向に架設される第1架設部材15は、互いに平行してもよいし、
図6Aに示すように、2つの第1架設部材15が交差してもよい。第1架設部材15は、
図6Bに示すように、第2枠辺12bの第1凸部14Aに配置される2つ第1架設部材15が、第1枠辺12aの一つの第1凸部14Aに架設されてもよい。
【0043】
第1架設部材15は、第1枠辺12aに設けられる第1凸部14Aと、第3枠辺12c又は第4枠辺12dに設けられる第1凸部14Aと、に架設されてもよい。同様に、第1架設部材15は、第2枠辺12bに設けられる第1凸部14Aと、第3枠辺12c又は第4枠辺12dに設けられる第1凸部14Aと、に架設されてもよい。
【0044】
第1架設部材15の幅は、
図1及び
図2に示す例では、第1凸部14Aの上部14aの延伸方向の長さと同じである。但し、第1架設部材15の幅は、第1凸部14Aの上部14aの延伸方向の長さより広くてもよいし、狭くてもよい。第1架設部材15の幅が上部14aの延伸方向の長さより広い場合は、第1架設部材15が、第1基部13Aを介して隣接する2つの第1凸部14Aに跨って配置されてもよい。ここで、「第1架設部材15の幅」とは、第1架設部材15の架設方向及び第1架設部材15の厚み方向に直交する方向の長さである。
【0045】
第1架設部材15の架設方向の長さは、一対の第1凸部14Aにおける第1凸部14A間の長さと同じでもよいし、長くてもよい。第1架設部材15はたるみがないように架設されてもよいし、たるんだ状態で架設されてもよい。
【0046】
第1架設部材15が複数設けられていると、被梱包物1の挟持を安定して行うことができる。ただし、第1架設部材15の大きさや被梱包物1の大きさによっては、第1架設部材15の数を1つにしてもよい。第1架設部材15は、すべての第1凸部14Aに設けられていることに限定されない。すなわち、第1架設部材15が設けられていない第1凸部14Aが存在してもよい。
【0047】
第1架設部材15は、弾性体であることが好ましい。第1架設部材15の引張弾性率は1.0MPa以上であることが好ましい。これにより、被梱包物1が第1架設部材15と第2架設部材25とで挟持された状態で、第1梱包材10Aもしくは第2梱包材20Aに過度な力が加わっても、第1架設部材15が撓むことによって被梱包物1に過度な力が加わることを抑制することができる。第1架設部材15の材料は、例えば、ゴムやプラスチックなどの樹脂を用いることができる。
図1及び
図2に示す例において、第1架設部材15は、シート状である。各第1架設部材15は、一枚のシートで構成されたものでもよいし、複数の部材を並べた又は重ねたものでもよい。複数の部材を並べた又は重ねたものである場合、各部材は互いに平行していてもよいし、一部の部材が交差してもよい。複数の部材は同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。また、第1架設部材15は、編み目状のシートでもよい。第1架設部材15の厚みは、例えば、100μmである。第1架設部材15の厚みは、全体的に均一の厚さでもよいし、部分的に厚みが異なってもよい。
【0048】
図2に示す例おいて、第1架設部材15は、第1凸部14Aの上部14aの上面に架設されている。第1架設部材15は、例えば、接着剤を用いて第1凸部14Aの上面に接合される。また、第1架設部材の端部に第1架設部材とは異なる材料からなる部材を設け、この部材と第1凸部とを接着剤を介して接合してもよい。なお、第1架設部材15は、第1凸部14Aの上部14aの上面で接合されることに限らず、上部14aの下面又は側面で接合されてもよい。また、上部14aの上面、側面及び下面のうち2面以上に接合されてもよい。なお、ここでの「側面」とは、上部14aにおける上面と下面とをつなぐ4つの側面のうち第1側部14bと繋がっていない側の側面を指す。
【0049】
被梱包物1を第1架設部材15及び第2架設部材25で挟持した際、被梱包物1が滑ることを抑制するために、第1架設部材15及び第2架設部材25の少なくとも一方の被梱包物1と対向する面に滑り止め加工を施すことができる。例えば、第1架設部材15の表面に凹凸を設けてもよいし、滑り止め効果がある材料を塗布してもよい。後述する第2架設部材25、第3架設部材35についても同様である。
【0050】
(第2梱包材20A)
第2梱包材20Aは、被梱包物1の上方に位置し、被梱包物1を上側から保持する部材である。第2梱包材20Aは、第2基部23Aと、第2基部23Aより下方に位置する少なくとも一対の第2凸部24Aと、を有する第2部材21Aと、一対の第2凸部24Aに架設される第2架設部材25と、を備える。
【0051】
(第2部材21A)
第2部材21Aは、
図5に示すように平面視において枠状である。第2部材21Aは、平面視において、被梱包物1を囲うように設けられる。第2部材21Aの平面視における形状は、第1部材11Aで説明した内容と同様であるため、説明を省略する。
図5に示す例では、第2部材21Aは、第5枠辺22a、第6枠辺22b、第7枠辺22c及び第8枠辺22dの4つの枠辺で構成される。第2部材21Aの短手方向において、第5枠辺22aと第6枠辺22bとが対向する。第2部材21Aの長手方向において、第7枠辺22cと第8枠辺22dとが対向する。
【0052】
(第2基部23A、第2凸部24A)
第2部材21Aは、第2基部23Aと、第2基部23Aより下方に位置する少なくとも一対の第2凸部24Aと、を有する。第2基部23Aは、第2凸部24Aを支持する部位である。第2凸部24Aは、第2架設部材25を架設させるために設ける部位である。
【0053】
図2に示すように、第2部材21Aにおける第5枠辺22aは、第2基部23Aの端部が第2凸部24Aの端部とつながり、第2基部23Aと第2凸部24Aが交互に配置されることで構成される。第5枠辺22aは、平面視におけて直線状に延伸する。第2部材における第6枠辺22b、第7枠辺22c及び第8枠辺22dについても同様である。
【0054】
図2に示す例では、第5枠辺22aは、第2基部23Aを3つ、第2凸部24Aを2つ備える。第6枠辺22bについても同様に、第2基部23Aを3つ、第2凸部24Aを2つ備える。また、第7枠辺22cは、第2基部23Aを2つ、第2凸部24Aを1つ備える。第8枠辺22dについても同様に、第2基部23Aを2つ、第2凸部24Aを1つ備える。なお、各枠辺の端部に存在する第2基部23Aの下方に位置する凸部は、第2凸部24Aではないものとする。
【0055】
第2部材21Aは、少なくとも一対の第2凸部24Aを有する。
図2に示す例において、第2部材21Aは、3対の第2凸部24Aを備える。第5枠辺22a及び第6枠辺22bに2対の第2凸部24Aが設けられ、第7枠辺22c及び第8枠辺22dに1対の第2凸部24Aが設けられる。なお、一対の第2凸部24Aは、枠体の隣接する枠辺(例えば、第5枠辺22aと第7枠辺22c)に配置された第2凸部24Aであってもよい。一対の第1凸部14Aと同様に、一対の第2凸部24Aは複数設けられることに限定されず、1つでもよい。
【0056】
第2凸部24Aは、第2基部23Aより下方に位置する。換言すると、第2凸部24Aは、第1梱包材10A側に突出する。第2凸部24Aは、下部24aと、下部24aの両端に繋がる一対の第2側部24bとを有する。第2基部23Aは、第2凸部24Aの側部における下部24aと繋がる端部とは反対側の端部と繋がる。
【0057】
下部24aは、後述する第2架設部材25を配置するために設けられる部位である。下部24aが延伸する方向の長さは、例えば、
図1又は
図2の例で示すように、第2基部23Aが延伸する方向の長さと同じにすることができる。
【0058】
第2基部23A、第2凸部24Aの下部24a及び第2側部24bは、いずれも棒状の部材であり、四角柱状でもよいし、円柱状でもよい。
図1又は
図2の例で示す第2凸部24Aの下部24aは、四角柱状であり、矩形状の上面、側面及び下面を有する。下面は第1部材と対向する面である。また、上面は下面と反対側に位置する面である。側面は、上面と下面とを繋ぐ面である。第2凸部24Aの下部24aの下面は平坦面でもよいし、下方に盛り上がる湾曲面でもよい。
【0059】
第2凸部24Aの一対の第2側部24bは、第2基部23A側に向かって一対の第2側部24b間の間隔が広くなるように傾斜することが好ましい。
【0060】
第2凸部24Aの下部24aと第2側部24bとがなす角は、第1凸部14Aの上部14aと第1側部14bとがなす角と同様に、90度より大きく、160度より小さくすることが好ましく、130度より大きく140度より小さくすることがより好ましい。
【0061】
第2凸部24Aの高さは、被梱包物1の厚みと同じ以上、被梱包物1の厚みの10倍以下であることが好ましい。なお、「第2凸部24Aの高さ」とは、下部24aが四角柱状である場合は、下部24aの下面と直交する方向において、第2側部24bの第2基部側の端部から下部24aの下面までの長さである。また、下部24aが円柱状である場合は、円の上端と下端とをつなぐ方向において、第2側部24bの第2基部側の端部から下部24aの下面までの長さである。
【0062】
第2部材21Aに設けられている3対の第2凸部24Aの高さは、
図1及び
図2に示す例では、すべて同じある。但し、第5枠辺22a及び第6枠辺22bに設けられる一対の第2凸部24Aの高さは、第7枠辺22c及び第8枠辺22dに設けられる一対の第2凸部24Aの高さより高くてもよいし、低くてもよい。
【0063】
1つの枠辺に2以上の第2凸部24Aが設けられている場合、隣り合う第2凸部24Aの下部24aの間隔は、被梱包物1の外形の長さよりも短くすることが好ましい。
【0064】
第2基部23A及び第2凸部24Aの材料は、第1基部13A及び第1凸部14Aの材料と同様のものを用いることができる。第2部材は、第1部材で説明した内容と同じ方法で作製することができるため、説明を省略する。また、第2部材も第1部材と同様に購入して準備してもよい。
【0065】
第2基部23Aの厚みは、例えば、6mmである。第2凸部24Aの第2側部24b及び下部24aの厚みは、第2基部23Aの厚みと同じでもよいし、異なってもよい。
【0066】
(第2架設部材25)
第2架設部材25は、被梱包物1を保持するための部材であり、前述した第1架設部材15と併用して、被梱包物1を挟持する。第2架設部材25は、一対の第2凸部24Aに架設される。
【0067】
図2に示す例において、第2部材21Aは第2架設部材25を3つ備える。第5枠辺22aに設けられた第2凸部24Aと第6枠辺22bに設けられた第2凸部24Aとに架設される第2架設部材25が2つ、第7枠辺22cに設けられる第2凸部24Aと第8枠辺22dに設けられる第2凸部24Aとに架設される第2架設部材25が1つ設けられる。
図2に示す例では、第2架設部材25は、すべての第2凸部24Aに設けられている。
【0068】
図2に示す例において、第5枠辺22aに設けられた第2凸部24Aと第6枠辺22bに設けられた第2凸部24Aとに架設される2つの第2架設部材25は、互いに平行である。また、第7枠辺22cに設けられた第2凸部24Aと第8枠辺22dに設けられた第2凸部24Aとに架設される第2架設部材25と、第7枠辺22cに設けられた第2凸部24Aと第8枠辺22dに設けられた第2凸部24Aとに架設される第2架設部材25とは、直交する。
【0069】
第2架設部材25は、
図2の例で示すように第2部材21Aの長手方向及び短手方向の2方向に架設されてもよいし、いずれかの方向のみに架設されてもよい。同じ方向に架設される第2架設部材25は、第1架設部材15と同様に、互いに平行してもよいし、2つの第1架設部材15が交差してもよい。
【0070】
第2架設部材25は、第5枠辺22aに設けられる第2凸部24Aと、第7枠辺22c又は第8枠辺22dに設けられる第2凸部24Aと、に架設されてもよい。同様に、第2架設部材25は、第7枠辺22cに設けられる第2凸部24Aと、第7枠辺22c又は第8枠辺22dに設けられる第2凸部24Aと、に架設されてもよい。
【0071】
第2架設部材25の幅は、
図1及び
図2に示す例では、第2凸部24Aの下部24aの延伸方向の長さと同じである。但し、第2架設部材25の幅は、第2凸部24Aの下部24aの延伸方向の長さより広くてもよいし、狭くてもよい。第2架設部材25の幅が第2凸部24Aの下部24aの延伸方向の長さより広い場合は、第2架設部材25が、第2基部23Aを介して隣接する2つの第2凸部24Aに跨って配置されてもよい。ここで、「第2架設部材25の幅」とは、第2架設部材25の架設方向及び第2架設部材25の厚み方向に直交する方向の長さである。
【0072】
第2架設部材25の架設方向の長さは、一対の第2凸部24Aにおける第2凸部24A間の長さと同じでもよいし、長くてもよい。第2架設部材25はたるみがないように架設されてもよいし、たるんだ状態で架設されてもよい。
【0073】
第2架設部材25が複数設けられていると、被梱包物1の挟持を安定して行うことができる。ただし、第2架設部材25の大きさや被梱包物1の大きさによっては、第2架設部材25の数を1つにしてもよい。第2架設部材25は、すべての第2凸部24Aに設けられていることに限定されない。すなわち、第2架設部材25が設けられていない第2凸部24Aが存在してもよい。
【0074】
第2架設部材25は、弾性体であることが好ましい。第2架設部材25の引張弾性率は1.0MPa以上であることが好ましい。これにより、被梱包物1が第1架設部材15と第2架設部材25とで挟持された状態で、第1梱包材10Aもしくは第2梱包材20Aに過度な力が加わっても、第2架設部材25が撓むことによって被梱包物1に過度な力が加わることを抑制することができる。第2架設部材25の材料は、第1架設部材15と同様のものを用いることができる。
図1及び
図2に示す例において、第2架設部材25は、第1架設部材15と同様に、シート状である。各第2架設部材25は、第1架設部材15と同様に、一枚のシートで構成されたものでもよいし、複数の部材を並べた又は重ねたものでもよい。複数の部材を並べた又は重ねたものである場合、各部材は互いに平行していてもよいし、一部の部材が交差してもよい。複数の部材は同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。また、第2架設部材25は、編目状のシートでもよい。第2架設部材25の厚みは、例えば、100μmである。第2架設部材25の厚みは、全体的に均一の厚さでもよいし、部分的に厚みが異なってもよい。第2架設部材25の厚みは、第1架設部材15の厚みと同じでもよいし、異なってもよい。
【0075】
図2に示す例において、第2架設部材25は、第2凸部24Aの下部24aの下面に架設されている。第2架設部材25は、例えば、接着剤を用いて第2凸部24Aの下面に接合される。なお、第2架設部材25は、第2凸部24Aの下部24aの下面で接合されることに限らず、下部24aの上面又は側面で接合されてもよい。また、下部24aの下面、側面及び上面のうち2面以上に接合されてもよい。なお、ここでの「側面」とは、下部24aにおける上面と下面とをつなぐ4つの側面のうち第2側部24bと繋がっていない側の側面を指す。
【0076】
梱包体1000は、第1梱包材10Aの第1基部13Aと、第2梱包材20Aの第2凸部24Aとが対向し、第1梱包材10Aの第1凸部14Aと、第2梱包材20Aの第2基部23Aとが対向するように、第1梱包材10Aと第2梱包材20Aとが重なることが好ましい。これにより、被梱包物1を第1梱包材10Aと第2梱包材20Aで挟持した際に、第1梱包材10Aの第1部材11Aと第2梱包材20Aの第2部材21Aが接触するのを抑制できる。
【0077】
梱包体1000において、第1基部13Aから第2凸部24Aの下部24aまでの高さが、第1基部13Aから第1凸部14Aの上部14aまでの高さより低くなることが好ましい。これにより、第1基部13Aから第2凸部24Aの下部24aまでの高さが、第1基部13Aから第1凸部14Aの上部14aまでの高さと同じである場合と比べて、第1架設部材15と第2架設部材25とによる被梱包物1を挟持する力を高めることができる。
【0078】
第1梱包材10Aと第2梱包材20Aは、平面視において、同一の大きさであり、且つ同一形状であることが好ましい。このように、第1梱包材10Aと第2梱包材20Aとが同じものであると、被梱包物1を下側から保持する部材(第1梱包材10A)と被梱包物1を上側から保持する部材(第2梱包材20A)のどちらにも使用することができ、コストを低減できる。
【0079】
(第1実施形態の別例)
図7は、第1実施形態に係る梱包体1000Eの別例を模式的に示す図である。
図8は、
図7の分解斜視図である。
図7及び
図8に図示される被梱包物1は、識別しやすくするために、塗りつぶされている。梱包体1000と梱包体1000Eとを比べると、梱包体1000Eにおける梱包材の第1凸部14A及び第2凸部24Aの高さが梱包体1000における梱包材100の第1凸部14A及び第2凸部24Aの高さより低くなっている点が異なり、これ以外の構成は同じである。梱包体1000Eであれば、第1凸部14A及び第2凸部24Aの高さが低い梱包材100Eを用いているため、梱包体を薄型化することができる。
【0080】
<第2実施形態>
(梱包体2000)
図9は、第2実施形態に係る梱包体2000を模式的に示す斜視図である。
図10は、
図9の分解斜視図である。なお、
図9及び
図10に図示される被梱包物1は、識別しやすくするために、塗りつぶされている。また、
図10において、第2梱包材20Bは透視図として図示している。
【0081】
梱包体2000は、被梱包物1と梱包材200とを備える。梱包材200は、第1梱包材10Bと第2梱包材20Bとを備える。第1梱包材10Bと第2梱包材20Bの構成が、第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通する部分については説明を省略する場合がある。
【0082】
図9及び
図10に示す例では、第1梱包材10Bは、第1基部13Bと、第1基部13Bより上方に位置する少なくとも一対の第1凸部14Bとを有する第1部材11Bと、一対の第1凸部14Bに架設される第1架設部材15と、を備える。また、第2梱包材20Bは、第2基部23Bと、第2基部23Bより下方に位置する少なくとも一対の第2凸部24Bとを有する第2部材21Bと、一対の第2凸部24Bに架設される第2架設部材25と、を備える。第1部材11Bと第2部材21Bとが離隔し、被梱包物1が第1架設部材15及び第2架設部材25で挟持される。
【0083】
図9及び
図10に示す例において、第1基部13B及び第2基部23Bは、平板状の部材である。また、第1基部13B及び第2基部23Bの平面視における形状は、ともに長方形である。但し、第1基部13B及び第2基部23Bの平面視おける形状は、長方形に限定されず、正方形でもよい。第1基部13B及び第2基部23Bの平面視における大きさは、被梱包物1の大きさより大きい。第1基部13B及び第2基部23Bの厚みは、例えば、3mm以上10mm以下である。
【0084】
第1凸部14Bは、第1基部13Bの上面に配置され、平面視で被梱包物1と重ならない領域に配置されている。第1凸部14Bは、長方形の第1基部13Bの短手方向に一対の第1凸部14Bが2つ設けられている。第2凸部24Bは、第2基部23Bの下面に配置され、平面視で被梱包物1と重ならない領域に配置されている。第2凸部24Bは、長方形の第2基部23Bの長手方向に一対の第2凸部24Bが2つ設けられている。
【0085】
第1凸部14B及び第2凸部24Bの形状は、
図10に示すように、直方体である。但し、第1凸部14B及び第2凸部24Bの形状は、これに限定されず、第1実施形態で説明したような第1凸部14A及び第2凸部24Aであってもよい。
【0086】
第1凸部14Bは、第1基部13Bに接着剤を介して接着することができる。第1基部13Bと第1凸部14Bは同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。第1基部13Bの材料は、第1実施形態で説明した材料を用いることができる第2凸部24Bについても同様である。
【0087】
図10に示す例では、第1架設部材15及び第2架設部材25は、それぞれ2つ設けられる。第2架設部材25の架設方向は、第1架設部材15の架設方向と直交してもよいし、同じ方向でもよい。
【0088】
第1凸部14Bに関して、第1凸部14Bは、長方形の第1基部13Bの短手方向に一対の第1凸部14Bが2つ設けられていることに限らず、1つ設けられてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。また、第1凸部14Bは、長方形の第1基部13Bの長手方向に一対の第1凸部14Bが1以上設けられてもよい。
【0089】
第2凸部24Bも同様に、第2凸部24Bは、長方形の第2基部23Bの長手方向に一対の第2凸部24Bが2つ設けられていることに限らず、1つ設けられてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。また、第2凸部24Bは、長方形の第2基部23Bの短手方向に一対の第2凸部24Bが1以上設けられてもよい。
【0090】
第1架設部材15及び第2架設部材25の数は、それぞれ2つであることに限らず、第1凸部14B及び第2凸部24Bの数に応じて適宜選択することができる。
【0091】
第2実施形態の梱包体2000では、第1部材11B及び第2部材21Bが平板状の第1基部13B及び第2基部23Bを含むため、第1実施形態で説明した第1部材11A及び第2部材21Aが枠状である場合と比べて、第1部材11B及び第2部材21Bの外力に対する強度が高い。これに対して、第1実施形態の梱包体1000又は1000Eでは、第1部材11A及び第2部材21Aが枠状であるため、第2実施形態で説明した第1部材11B及び第2部材21Bに平板状の第1基部13B及び第2基部23Bを有する場合と比べて、軽量化することができる。
【0092】
<第3実施形態>
(梱包体3000)
図11は、第3実施形態に係る梱包体3000を模式的に示す斜視図である。
図12は、
図11の分解斜視図である。
図11及び
図12に図示される被梱包物1A、1Bは、識別しやすくするために、塗りつぶされている。
【0093】
図11及び
図12に示すように、梱包体3000は、実施形態1で説明した被梱包物1(第1被梱包物1A)、第1梱包材10A及び第2梱包材20Aに加えて、さらに、第2被梱包物1Bと、第3梱包材30Aを備える。第3梱包材30Aは、第3基部33Aと、第3基部33Aより下方に位置する少なくとも一対の第3凸部34Aと、を有する第3部材31Aと、一対の第3凸部34Aに架設される第3架設部材35と、を備える。第2梱包材20Aは、一対の第2凸部24Aに架設される第2下側架設部材25Aと、少なくとも一対の第2基部23Aと、一対の第2基部23Aに架設される第2上側架設部材25Bと、を有する。第2部材21Aと第3部材31Aとが隔離し、第2被梱包物1Bが第2上側架設部材及び第3架設部材で挟持される。
図11及び
図12に示す例では、梱包体3000は、第1梱包材10Aと第2梱包材20Aと第3梱包材30Aとで構成される梱包材300を備える。
【0094】
梱包体3000であれば、第1被梱包物1Aと第2被梱包物1Bの間に配置された第2梱包材20Aによって、第1被梱包物1A及び第2被梱包物1Bを保持することができる。第2梱包材20Aで2つの被梱包物を保持することができるため、第1被梱包物1Aと第2被梱包物1Bの間に配置する第2梱包材20Aの数を削減することができる。なお、被梱包物を複数梱包する場合、第1実施形態で説明した梱包体1000又は1000Eを複数作製し、この梱包体1000又は1000Eを積み重ねてもよい。
【0095】
第3凸部34Aは、上部34aと、上部34aの両端に繋がる一対の第3側部34bとを有する。第3基部33Aは、第3凸部34Aの第3側部34bにおける上部34aと繋がる端部とは反対側の端部と繋がる。
【0096】
第3部材31Aの構造および材料は、第1部材11Aで説明した内容と同様であるため、説明を省略する。また、第3架設部材35についても、第1架設部材15で説明した内容と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
第1梱包材10A、第2梱包材20A及び第3梱包材30Aは、
図11及び
図12に示すように、平面視において、同一の大きさであり、且つ同一形状であることが好ましい。具体的には、
図12に示すように、第1梱包材10Aは、一対の第1基部13Aに架設される第1下側架設部材15Aと、一対の第1凸部14Aに架設される第1上側架設部材15Bとを備える。第2梱包材20Aは、一対の第2凸部24Aに架設される第2下側架設部材25Aと、一対の第2基部23Aに架設される第2上側架設部材25Bとを備える。第3梱包材30Aは、一対の第3凸部34Aに架設される第3下側架設部材35Aと、一対の第3基部33Aに架設される第3上側架設部材35Bとを備える。このように、第1梱包材10A、第2梱包材20A及び第3梱包材30Aが同じものであると、第1被梱包物の下に設けられる梱包材と、第1梱包物と第2梱包物との間に設けられる梱包材と、第2梱包物の上に設けられる梱包材のいずれにも使用することができ、コストを低減できる。
【0098】
第3梱包材30Aは、第3梱包材30Aの第3凸部34Aの上部34aと第2梱包材20Aの第2基部23Aとが対向し、且つ、第3梱包材30Aの第3基部33Aと第2梱包材20Aの第2凸部24Aの下部24aとが対向するように、第2梱包材20A上に配置されることが好ましい。これにより、第2被梱包物1Bを第2架設部材25と第3架設部材35によって挟持する際、第2部材21Aと第3部材31Aとが接触することを抑制することができる。
【0099】
第1被梱包物1Aは、第1架設部材15と第2架設部材25とが重なる領域に配置されることが好ましい。これにより、第1被梱包物1Aが安定して挟持される。同様に、第2被梱包物1Bも第2架設部材25と第3架設部材35とが重なる領域に配置されることが好ましい。
【0100】
梱包体3000は、被梱包物1が2つ設けられている。但し、被梱包物の数はこれに限らず、梱包材と被梱包物を交互に積み重ねることによって3つ以上の被梱包物を梱包することができる。
【0101】
なお、第2梱包材20Aの第2上側架設部材25Bが一対の第2基部23Aに架設される例を説明したが、これに限定されない。例えば、第2梱包材20Aの第2部材21Aが、第2基部23Aより上方に位置する一対の凸部をさらに備え、第2上側架設部材25Bがこの一対の凸部に架設されてもよい。
【0102】
(梱包方法)
本実施形態に係る梱包方法を以下説明する。ここでは、第1実施形態の梱包体の梱包方法について説明する。他の実施形態についても同様の方法を採用してもよい。
【0103】
(第1梱包材10Aを準備する工程)
第1基部13Aと、第1基部13Aより上方に位置する少なくとも一対の第1凸部14Aと、を有する第1部材11Aと、一対の第1凸部14Aに架設される第1架設部材15と、を備える第1梱包材10Aを準備する。第1梱包材10Aは製造して準備してもよいし、購入することによって準備してもよい。後述する第2梱包材20Aについても同様である。
【0104】
(第2梱包材20Aを準備する工程)
第2基部23Aと、第2基部23Aから下方に位置する少なくとも一対の第2凸部24Aと、を有する第2部材21Aと、一対の第2凸部24Aに架設される第2架設部材25と、を備える第2梱包材20Aを準備する。第2梱包材20Aは第1梱包材10Aと同じものを用いることができる。
【0105】
(被梱包物1を載置する工程)
第1架設部材15で被梱包物1を保持するように、第1梱包材10A上に被梱包物1を載置する。
【0106】
(第2梱包材20Aを載置する工程)
被梱包物1が第2架設部材25を保持し、第1部材11Aと第2部材21Aが離隔した状態で、被梱包物1上に第2梱包材20Aを載置する。
【0107】
上記の工程により、被梱包物1が梱包された梱包体1000を得ることができる。
【0108】
複数の被梱包物1を梱包する場合、第1実施形態で説明した梱包体を複数準備して、各梱包体を積み重ねてもよい。または、第3実施形態で説明したように、第1梱包材10A、第2梱包材20A及び第3梱包材30Aが同じものである梱包材を用いて、梱包材と被梱包物1とが交互に積み重なるように、第1梱包材10A、被梱包物1A、第2梱包材20A、第2被梱包物1B、第3梱包材30Aの順に積み重ねてもよい。
【0109】
梱包体は、梱包材によって被梱包物が挟持された状態で、梱包材同士をテープ又は紐を用いて固定することができる。これにより、梱包材による被梱包物を挟持する力を維持することができる。なお、梱包体を袋(例えば、帯電防止機能を有する袋)に包んだ後に、梱包材同士をテープ又は紐を用いて固定することもできる。
【0110】
梱包体は、搬送用ケースに収納することができる。梱包体を搬送用ケースに収納する際、梱包体の第1梱包材が搬送用ケースの底面と対面するように収納してもよいし、梱包体の第1梱包材が搬送用ケースの側面と対面するように収納してもよい。搬送用ケース内における上方から平面視したときの大きさは、梱包体における上方から平面視したときの大きさより大きくすることができる。搬送用ケース内に梱包体を収納した際、搬送用ケースと梱包体との隙間に、緩衝材を設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本実施形態に係る梱包体は、面状光源等の厚みが薄い被梱包物を梱包することに有効である。
【符号の説明】
【0112】
1000、1000E、2000、3000・・・梱包体
1・・・被梱包物
1A・・・第1被梱包物
1B・・・第2被梱包物
100、100E,200、300・・・梱包材
10A、10B・・・第1梱包材
11A、11B・・・第1部材
12a・・・第1枠辺
12b・・・第2枠辺
12c・・・第3枠辺
12d・・・第4枠辺
13A、13B・・・第1基部
14A、14B・・・第1凸部
14a・・・上部
14b・・・第1側部
15・・・第1架設部材
15A・・・第1下側架設部材
15B・・・第1上側架設部材
20A、20B・・・第2梱包材
21A、21B・・・第2部材
22a・・・第5枠辺
22b・・・第6枠辺
22c・・・第7枠辺
22d・・・第8枠辺
23A、23B・・・第2基部
24A、24B・・・第2凸部
24a・・・下部
24b・・・第2側部
25・・・第2架設部材
25A・・・第2下側架設部材
25B・・・第2上側架設部材
30A・・・第3梱包材
31A・・・第3部材
33A・・・第3基部
34A・・・第3凸部
34a・・・上部
34b・・・第3側部
35・・・第3架設部材
35A・・・第3下側架設部材
35B・・・第3上側架設部材