(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】キャビティ内のマイクロ波場を検出するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01N 22/00 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
G01N22/00 C
G01N22/00 V
G01N22/00 U
(21)【出願番号】P 2020501528
(86)(22)【出願日】2018-07-10
(86)【国際出願番号】 US2018041377
(87)【国際公開番号】W WO2019014169
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュプディ アナンスクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】オウ ユー シェン
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ラオ プリータム
(72)【発明者】
【氏名】和田 優一
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン ヴィノード
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-021824(JP,A)
【文献】特開平09-269301(JP,A)
【文献】特表2005-507075(JP,A)
【文献】特開2002-058659(JP,A)
【文献】特表2006-512481(JP,A)
【文献】特開2006-322869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00-G01N 22/04
G01R 29/00-G01R 29/26
H01L 21/00-H01L 21/98
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波チャンバ内のマイクロ波エネルギーを特徴付けるための装置であって、
2GHzから4GHz、6GHzから8GHz又は2GHzから8GHzの全周波数範囲にわたってマイクロ波場を連続的に検出し、検出したマイクロ波場強度に関連付けられた少なくとも1つの信号を連続的に生成するように構成される少なくとも1つの高周波(RF)検出器と、
前記RF検出器から前記検出したマイクロ波場強度に関連付けられた前記少なくとも1つの信号を受信し、前記検出したマイクロ波場強度を送信する送信器と、
を有するマイクロ波透過性基板を備える、装置。
【請求項2】
前記送信器が前記情報をマイクロ波キャビティの外部の遠隔位置にリアルタイムで送信する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのRF検出器が少なくとも二次元でマイクロ波場を受信する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロ波場に関連付けられた前記信号をデータに変換する、前記少なくとも1つのRF検出器に電気的に結合されたアナログ-デジタル変換器をさらに備え、前記アナログ-デジタル変換器が前記送信器に電気的に結合されて前記送信器に前記データを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記送信器に電気的に結合されたメモリをさらに備え、前記送信器が前記メモリに前記データを記憶する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記送信器が前記データを送信する前に前記データに時間タグまたは識別をタグ付けする、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
マイクロ波チャンバ内のマイクロ波エネルギーを特徴付けるための装置であって、
2GHzから4GHz、6GHzから8GHz又は2GHzから8GHzの全周波数範囲にわたってマイクロ波場を連続的に検出し、検出したマイクロ波場強度に関連付けられた少なくとも1つの信号を連続的に生成するように構成される少なくとも1つの高周波(RF)検出器と、
前記少なくとも1つのRF検出器に電気的に結合された少なくとも1つの発光ダイオード(LED)であり、前記RF検出器から受信された前記マイクロ波場の前記検出したマイクロ波場強度に関連付けられた前記少なくとも1つの信号に基づいてマイクロ波場強度の視覚的表示を連続的に放射する、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、
を有するマイクロ波透過性基板
を備える、装置。
【請求項8】
前記マイクロ波透過性基板から遠隔に位置するカメラをさらに備え、前記カメラが前記マイクロ波透過性基板からの少なくとも1つの視覚的表示をモニタまたは記録する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのRF検出器が、少なくとも二次元でマイクロ波場を受信し、前記少なくとも1つのLEDが、関連付けられた次元のマイクロ波場強度の視覚的表示を提供する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
半導体基板を処理するためのマイクロ波キャビティであって、
前記マイクロ波キャビティの内部に取り付けられた少なくとも1つのマイクロ波透過性基板であり、
2GHzから4GHz、6GHzから8GHz又は2GHzから8GHzの全周波数範囲にわたってマイクロ波場を連続的に検出し、検出したマイクロ波場強度に関連付けられた少なくとも1つの信号を連続的に生成するように構成される少なくとも1つの高周波(RF)検出器と、
前記RF検出器から前記検出したマイクロ波場強度に関連付けられた前記少なくとも1つの信号を受信し、前記検出したマイクロ波場強度を送信する送信器と、
を有する、マイクロ波透過性基板
を備える、マイクロ波キャビティ
を備える、半導体を処理するための半導体処理チャンバ。
【請求項11】
前記RF検出器によって検出された前記マイクロ波場強度をデータに変換する、前記少なくとも1つのRF検出器に電気的に結合されたアナログ-デジタル変換器をさらに備え、前記アナログ-デジタル変換器が前記送信器に電気的に結合されて前記データを前記送信器に提供する、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項12】
前記送信器に電気的に結合されたメモリをさらに備え、前記送信器が前記メモリに前記データを記憶する、請求項11に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項13】
前記少なくとも1つのRF検出器が少なくとも二次元でマイクロ波場を受信する、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのマイクロ波透過性基板のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの次元でマイクロ波場を受信するためのRF検出器のアレイを有する、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項15】
前記送信器が前記情報を前記マイクロ波キャビティの外部の遠隔位置にリアルタイムで送信する、請求項10の半導体処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本原理の実施形態は、一般に、半導体製造システムで使用される半導体プロセスチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波は、例えば、アニール、洗浄、硬化、およびガス抜きを行うために半導体処理で使用される。マイクロ波を使用して、枚葉式ウエハおよび/または複数のウエハをバッチで処理することができる。マイクロ波が生成され、導波路を使用してマイクロ波をキャビティに送信する。キャビティ、およびキャビティ内部のいかなるウエハ支持体または他の構造体もマイクロ波の分布に影響を及ぼす。定在波がキャビティ内に形成される可能性があり、またはマイクロ波分布が不均一になることがある。定在波および不均一性は両方とも、キャビティ内でのウエハの処理に悪影響を及ぼす。
【0003】
したがって、本発明者らは、改善されたマイクロ波検出器、およびキャビティ内のマイクロ波を検出する方法を開発した。
【発明の概要】
【0004】
一部の実施形態では、マイクロ波チャンバ内のマイクロ波エネルギーを特徴付けるための装置は、マイクロ波場を検出することができ、検出されたマイクロ波場の場強度に関連付けられた信号を生成することができる少なくとも1つの高周波(RF)検出器と、RF検出器から検出されたマイクロ波場に関連付けられた信号を受信し、検出されたマイクロ波場強度に関する情報を送信する送信器と、を有するマイクロ波透過性基板を備える。
【0005】
一部の実施形態では、マイクロ波チャンバ内のマイクロ波エネルギーを特徴付けるための装置は、マイクロ波場を検出することができ、マイクロ波場のマイクロ波場強度に関連付けられた信号を生成することができる少なくとも1つの高周波(RF)検出器と、少なくとも1つのRF検出器に電気的に結合された少なくとも1つの発光ダイオード(LED)であって、RF検出器から受信されたマイクロ波場のマイクロ波場強度に関連付けられた信号に基づいてマイクロ波場強度の視覚的表示を連続的に放射する、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、を有するマイクロ波透過性基板を備える。
【0006】
一部の実施形態では、半導体を処理するための半導体処理チャンバは、マイクロ波キャビティの内部に取り付けられた少なくとも1つのマイクロ波透過性基板を備える半導体基板を処理するためのマイクロ波キャビティを備え、マイクロ波透過性基板は、マイクロ波場を検出することができ、マイクロ波場のマイクロ波場強度に関連付けられた信号を生成することができる少なくとも1つの高周波(RF)検出器と、RF検出器からマイクロ波場に関連付けられた信号を受信し、マイクロ波場強度に関する情報を送信する送信器と、を有する。
【0007】
上で簡潔に要約し、以下でより詳細に論じる本原理の実施形態は、添付の図面に示す本原理の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は、本原理の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本原理が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるため、範囲を限定していると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本原理の一部の実施形態によるマイクロ波強度検出ユニットの図である。
【
図2】本原理の一部の実施形態による有線マイクロ波強度検出ユニットの図である。
【
図3】本原理の一部の実施形態による無線マイクロ波強度検出ユニットの図である。
【
図4】本原理の一部の実施形態によるメモリを備えたマイクロ波強度検出ユニットの図である。
【
図5】本原理の一部の実施形態によるインシトゥのマイクロ波強度検出ユニットの図である。
【
図6】本原理の一部の実施形態による三次元マイクロ波強度検出ユニットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を指定するために、可能な場合は、同一の参照数字が使用された。図は、縮尺通りには描かれておらず、明瞭にするために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳説することなく他の実施形態に有益に組み込まれることがある。
【0010】
マイクロ波は、半導体プロセス中に使用されて、ガス抜き、洗浄、硬化、およびアニーリングを支援する。これらのプロセスが均一な結果を生成するためには、マイクロ波場は、基板が処理されているキャビティ内で均一でなければならない。本原理に基づく方法および装置は、有利には、キャビティ内部のマイクロ波場の調整を可能にする。一部の実施形態では、キャビティ内のマイクロ波場の強度(ワット/メートル)を捕捉するために、マイクロ波強度検出ユニット(MIDU)がキャビティ内部に配置されている。MIDUは、マイクロ波場強度に関する情報を連続的に中継する。MIDUは、処理される半導体基板の有無にかかわらず、キャビティ内で有利に使用することができる。MIDUは、マイクロ波キャビティに恒久的に組み込むこともできる。MIDUの一部の実施形態は、約2GHz~8GHzの周波数範囲にわたって動作することができる。一部の実施形態は、より小さな周波数帯をカバーし、一部の実施形態は、MIDUが使用される特定のマイクロ波キャビティに関連する周波数をカバーする。
【0011】
MIDUの連続検出能力により、有利には、経時的なマイクロ波場強度の変動の検出が可能になる。MIDUによって取得されたマイクロ波場強度情報により、有利には、半導体チャンバのマッチングも可能になる。MIDUは、有益には、マイクロ波キャビティ全体にわたってマイクロ波場強度レベルをモニタし、マイクロ波の波長調節を行うことによって、マイクロ波キャビティから定在波を調節または除去するやり方も提供する。マイクロ波キャビティ(例えば、半導体チャンバ)の適切な調整により、半導体チャンバ内でより均一なプロセスを有益に提供する、より均一なマイクロ波場が提供される。
【0012】
一部の実施形態では、
図1に示すように、MIDU100は、高周波(RF)検出器104を備えるマイクロ波透過性基板102を含むことができる。RF検出器は、検出されたマイクロ波場の強度に基づいて信号を生成する。信号は、電圧ベースの信号および/または電流ベースの信号などであってもよい。一部の実施形態では、RF検出器は、デジタル信号を生成することができる。一部の実施形態では、RF検出器は、約2GHz~約8GHzの周波数範囲をカバーすることができる。一部の実施形態では、RF検出器は、約2GHz~約4GHzの周波数範囲をカバーすることができる。他の実施形態では、RF検出器は、約6GHz~約8GHzの周波数範囲をカバーすることができる。RF検出器は、マイクロ波場強度信号を連続的に生成することができる。マイクロ波透過性基板102は、マイクロ波場強度が測定されている間にMIDUがマイクロ波キャビティ内部のマイクロ波場に及ぼす可能性がある影響を最小限に抑える。
【0013】
一部の実施形態では、RF検出器104は、発光ダイオード(LED)106および/または例えば白熱電球などの他の照明源とインターフェースする。LED106は、マイクロ波キャビティ内のマイクロ波場の強度を視覚的に示す(「視覚的表示」)ための照明源を提供する。LED照明レベルは、RF検出器104の出力信号によって影響を受ける。LED106からの照明の量は、RF検出器によって検出されたマイクロ波場の強度の大きさを反映することができる。LED106は、RF検出器によって提供される生成された信号に基づいて照明を連続的に変化させる。LED106は、フルスペクトルカメラなどのデバイスによってモニタまたは記録することができる赤外スペクトルまたは他のスペクトルなど、可視スペクトルの外側でも動作することができる。
【0014】
一部の実施形態では、カメラを利用して、LED106によって提供される照明をモニタまたは記録する。カメラは、可視スペクトルおよび/または例えば赤外スペクトルなどの他のスペクトルの照明を捕捉するために装備されることがある。カメラは、LED106からの照明を連続的かつリアルタイムに記録することができる。カメラを使用して、データを定期的に記録することもできる。リアルタイムのおよび/または記録された可視もしくは非可視スペクトル情報を使用して、マイクロ波キャビティを調整し、マイクロ波場強度をより均一に分布させ、および/または他の機器とマッチングさせることができる。マイクロ波キャビティを調節した後、MIDU100は、調節がマイクロ波場に適切な効果があったことを確認するために、より多くのマイクロ波場強度情報を捕捉することができる。同様のやり方で、MIDU100は、健全性チェックとして既存のマイクロ波キャビティと共に使用して、マイクロ波キャビティが正しいパラメータの範囲内で依然として動作していることを確認することができる。
【0015】
視覚的に透明なパネルが観察のために利用可能な場合、カメラの有無にかかわらずMIDU100を使用することもできる。カメラの代わりに、オペレータが、マイクロ波キャビティの動作中にMIDU100のマイクロ波場強度の変化を監視することができる。視覚的に透明なパネルが、観察またはカメラの記録に利用可能でない場合、カメラは、キャビティ内のマイクロ波場に対するカメラの影響を無視できるか、または著しく減らすことができるように、マイクロ波キャビティの近くにまたは内部に配置されてもよい。
【0016】
一部の実施形態では、異なる波長(色スペクトル)がLED照明に使用されてもよい。異なる波長を使用して、場強度および/または場周波数を区別することができる。複数のMIDUのアレイをマイクロ波透過性基板102に取り付けることができ、複数のMIDUのうちの1つまたは複数が異なるマイクロ波周波数を検出するRF検出器を有する。例えば、2GHzの周波数で動作するRF検出器を有するMIDUは、縁色のスペクトルで明るくなってもよく、一方、4GHzの周波数で動作するRF検出器を有するMIDUは、青色のスペクトルで明るくなってもよい。複数の検出周波数により、異なる周波数で動作する異なるマイクロ波キャビティでアレイを柔軟に使用することができる。アレイ内のMIDUの数もマイクロ波キャビティの寸法に応じて調節することができる。一部の実施形態では、MIDUは、マイクロ波透過性基板102に非恒久的に取り付けられてもよく、異なる状況に対してMIDUの取り外しおよび/または設置を行うことができる。非恒久性により、異なる環境で異なる構成を使用することができる。異なる構成には、MIDUの追加もしくは削減、または所与のタスクに対するMIDUの周波数応答性に基づいてMIDUを選択することが含まれてもよい。
【0017】
図2に表すような一部の実施形態では、MIDU200は、RF検出器104および送信器206を含むことができる。送信器206は、生成された信号をRF検出器104から受信し、信号および/または信号に関する情報を遠隔位置に中継する。一部の実施形態では、送信器206は、伝送ケーブル208を介して外部位置に電気的に接続されている。外部位置は、伝送ケーブル208を介して送信器206によって中継されたリアルタイム情報を受信および記録するデータ取得ユニットを含むことができる。伝送ケーブル208は、代表的なものであり、1つの送信器または複数の送信器に含まれる1つまたは複数のケーブルで構成されてもよい。伝送ケーブル208は、マイクロ波キャビティの内部を既存のポートまで配線されて、マイクロ波キャビティを破り、遠隔位置に到達することができる。
【0018】
送信器206は、伝送ケーブル208を介してアナログおよび/またはデジタル信号を使用して、RF検出器104によって検出されたマイクロ波場強度に関する情報を中継することができる。一部の実施形態では、送信器206は、RF検出器104から受信した信号を増幅するための増幅器を含むことができる。次いで、送信器206は、増幅された信号をリアルタイムで遠隔位置に中継する。一部の実施形態では、送信器206は、アナログ-デジタル変換器(ADC)を含むことができる。送信器206は、RF検出器から受信した信号をデータに変換することができる。変換プロセスの待ち時間に応じて、送信器206は、伝送ケーブル208を介してデータを遠隔位置に中継する前にデータにタイムスタンプを施すこともできる。送信器206は、RF検出器104、送信器206、および/またはMIDUなどの識別(ID)を含むこともできる。識別情報は、最初にまたは定期的な間隔で1回、あるいはデータが送信されるたびに送信されてもよい。ID情報は、特にMIDUがアレイ構成で使用される場合、受信したマイクロ波場強度データの位置を決定するために利用されることがある。マイクロ波透過性基板102上の複数のMIDUの位置は、マイクロ波キャビティ内の位置にマッピングすることができる。一部の実施形態では、単一の送信器がもう1つのRF検出器に接続されてもよい。単一の送信器が複数のRF検出器と共に使用される場合、RF検出器のID情報を使用して、マイクロ波キャビティ内のどこでマイクロ波場強度データが生じたかを特定することができる。
【0019】
一部の実施形態では、
図3に示すように、MIDU300は、RF検出器104とインターフェースする無線送信器306を含むことができる。無線送信器306により、マイクロ波場強度に関する情報を送信するためにケーブルでキャビティを破る必要なしに、マイクロ波キャビティ内にマイクロ波透過性基板102を配置することができる。無線送信器306は、RF検出器104からのマイクロ波場強度情報を、マイクロ波キャビティ外部の遠隔位置および/またはマイクロ波キャビティを収納する半導体処理装置内の別の位置に連続的に中継する。一部の実施形態では、MIDU300は、無線送信器306にADCを含み、情報を無線で中継する前に、RF検出器104からの受信信号をデータに変換する。MIDUは、無線であるため、マイクロ波透過性基板は、マイクロ波キャビティ内部の任意の場所に、および/または例えば、マイクロ波を使用する半導体プロセス中にウエハを保持することができるウエハ支持体などの、マイクロ波キャビティ内に位置する構造体に配置することができる。
【0020】
一部の実施形態では、
図4に示すように、MIDU400は、RF検出器104、送信器406、メモリ410、および任意選択のデータポート412を含むことができる。一部のマイクロ波キャビティ環境では、有線および無線送信器は、実用的ではない場合がある。MIDU400は、後で検索するためにマイクロ波場強度情報を記憶するためのメモリ410を含む。送信器406は、典型的には、RF検出器104からの信号をデータに変換するためのADCを含む。送信器406は、メモリ410に電気的に接続され、データをメモリ410に記憶する。送信器406は、データに時間タグを付けおよび/またはメモリ410に記憶する際に、(上で詳述したような)ID情報をデータに含めることもできる。メモリ410は、マイクロ波透過性基板102上の単一の送信器または複数の送信器に電気的に接続され、これらの送信器によってアクセス可能であってもよい。データは、MIDU400がマイクロ波キャビティから取り外されるまで、メモリ410に連続的に記憶される。キャビティからMIDU400を取り外した後、メモリ410に記憶されたデータは、メモリ410および/または送信器406に電気的に接続された任意選択のデータポート412を介して検索することができる。一部の実施形態では、送信器406は、メモリ410内のデータにアクセスし、検索されたデータを無線で中継するようにトリガーすることができる無線機能を含むことができる。
【0021】
図5は、マイクロ波キャビティ502を有する半導体処理チャンバ500を示す。マイクロ波透過性基板504上にRF検出器506のアレイを備えたMIDU510がマイクロ波キャビティ502内部に配置されている。RF検出器506のアレイがマイクロ波場に曝されると、マイクロ波場の強度は、関連付けられた位置のRF検出器を励起し、関連付けられたRF検出器からマイクロ波場強度信号を生成する。次いで、信号は、連続的に送信および/または記憶される。マイクロ波透過性基板504は、マイクロ波キャビティ502内で任意の軸に配向させることができる。
図5は、マイクロ波キャビティ502内に、および/またはマイクロ波キャビティ内の構造体上もしくは構造体内に、恒久的または一時的に個々に取り付けることができる任意選択のRF検出器508も示す。任意選択のRF検出器508は、送信器および/またはメモリを含むこともできる。
【0022】
状況によっては、マイクロ波場強度は、複数の平面で同時に測定される場合、有用な場合がある。一部の実施形態では、立方体のような構成であるMIDU600は、MIDU600の1つまたは複数の異なる側面にRF検出器604、606、608を含むことができる。RF検出器604、606、608は、三次元でマイクロ波透過性材料602に取り付けられている。三次元は、長さが等しくなくてもよい。RF検出器604は、Y610/Z614平面に入射するマイクロ波場を検出する。RF検出器606は、X612/Z614平面に入射するマイクロ波場を検出する。RF検出器608は、X612/Y610平面に入射するマイクロ波場を検出する。一部の実施形態では、複数のRF検出器がマイクロ波透過性材料602の1つまたは複数の側面に取り付けられている。一部の実施形態では、少なくとも1つのRF検出器は、少なくとも二次元でマイクロ波場を受信する。一部の実施形態では、メモリおよび/または送信器は、マイクロ波透過性材料602の内部に取り付けられ、1つまたは複数のRF検出器からのマイクロ波場強度を連続的に送信および/または記憶する。
【0023】
前述の事項は、本原理の実施形態を対象としているが、本原理の他のおよびさらなる実施形態がその基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよい。