(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】電子デバイス製造装置、システム、及び方法における負荷ポート動作
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021210323
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2019550695の分割
【原出願日】2018-01-31
【審査請求日】2022-01-24
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロイター, ポール ビー.
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-204645(JP,A)
【文献】国際公開第2017/022431(WO,A1)
【文献】特開2003-060007(JP,A)
【文献】特開2002-357271(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0147235(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス製造システムのファクトリインターフェースの負荷ポートであって、
パージ装置、
基板キャリアドアと基板キャリアハウジングを備える基板キャリアを受け入れるように構成されたドッキングトレイ、
前記ドッキングトレイに隣接して位置するバックプレーン、
キャリアドアオープナーであって、前記キャリアドアオープナーが閉じられたときに前記バックプレーンの開口部を密閉するように構成され、且つ前記パージ装置の1つ以上の構成要素に結合された入口ガスラインが通る、キャリアドアオープナー、及び
コントローラ
を備えており、前記コントローラが、
前記基板キャリアが、前記ドッキングトレイ上のドッキング位置に置かれ、前記ドッキングトレイ上のドッキング位置に置かれた前記基板キャリアが、前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間に間隙を形成したことに対応し、
前記パージ装置に、a)前記基板キャリアドアと前記基板キャリアハウジングの間のスペース、又はb)前記基板キャリアドアと前記キャリアドアオープナーの間の領域の少なくとも一方を、前記入口ガスラインと、前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙とを介して、ある期間パージさせ、
前記パージ装置に、前記スペースと前記領域の少なくとも一方の前記パージを停止させ、且つ
前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙を閉じさせる
ように構成されている、負荷ポート。
【請求項2】
前記バックプレーンが、1つ以上のクランプを備え、前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙を閉じさせるために、前記コントローラが、前記基板キャリアを前記バックプレーンにクランプするように前記1つ以上のクランプを作動させる、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項3】
前記基板キャリアドアと前記基板キャリアハウジングの間の前記スペースが、環状スペースである、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項4】
前記コントローラが、前記パージ装置に、前記スペースと前記領域の少なくとも一方が前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙と流体連結している間に、前記スペースと前記領域の少なくとも一方をパージさせるように構成されている、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項5】
前記コントローラがさらに、
前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙が閉じたことに応じて、前記キャリアドアオープナーを前記基板キャリアドアに取り付くように作動させ、
前記キャリアドアオープナーが前記基板キャリアドアに取り付いた後に、前記基板キャリアドアをラッチ解除するように、前記キャリアドアオープナーから延びるラッチ機構を作動させ、
前記基板キャリアドアを開くように前記キャリアドアオープナーを作動させる
ように構成されている、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項6】
前記コントローラがさらに、
前記キャリアドアオープナー上に位置した1つ以上の吸引パッド装置に対する減圧を作動させることによって、前記キャリアドアオープナーを前記基板キャリアドアに取り付ける
ように構成されている、請求項5に記載の負荷ポート。
【請求項7】
前記パージ装置が、前記ドッキングトレイを支持する負荷ポートハウジングに囲まれており、該パージ装置が、バルブ、ポンプ、ガス流ライン、流量コントローラ、又は流量計のうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項8】
前記ドッキングトレイが、前記パージ装置に結合された第1のパージ入口と第1のパージ出口とを有しており、前記第1のパージ入口が前記基板キャリアの底部のガス入力ポートと整列し、且つ前記第1のパージ出口が前記基板キャリアの前記底部のガス出力ポートと整列し、
前記コントローラがさらに、
前記パージ装置に、前記ドッキングトレイの1つ以上の位置決めピンと整列して前記ドッキングトレイ上に位置決めされた前記基板キャリアをパージさせる
ように構成されている、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項9】
前記入口ガスラインが、一方向バルブを備える、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項10】
前記キャリアドアオープナーにさらに出口ガスラインが通る、請求項1に記載の負荷ポート。
【請求項11】
ファクトリインターフェース、及び
コントローラ
を備えた電子デバイス製造システムであって、
前記ファクトリインターフェースが、
前面開口部を有する前面と、後面とを有しているハウジング、及び
基板キャリアとインターフェースするように構成された負荷ポート
を備えており、前記負荷ポートが、
パージ装置、
基板キャリアドアと基板キャリアハウジングとを備える基板キャリアを受け入れるように構成されたドッキングトレイ、
前記前面開口部で前記前面に結合し、且つバックプレーン開口部を有しているバックプレーン、及び
キャリアドアオープナーであって、前記キャリアドアオープナーが閉じられたときに前記バックプレーン開口部を密閉し、基板キャリアの基板キャリアドアを開くように構成され、且つ前記パージ装置の1つ以上の構成要素に結合された入口ガスラインが通る、キャリアドアオープナー
を備えており、
前記コントローラが、
前記基板キャリアが、前記ドッキングトレイ上のドッキング位置に置かれ、前記ドッキングトレイ上のドッキング位置に置かれた前記基板キャリアが、前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間に間隙を形成したことに対応し、
前記パージ装置に、a)前記基板キャリアドアと前記基板キャリアの基板キャリアハウジングの間のスペース、又はb)前記基板キャリアドアと前記キャリアドアオープナーの間の領域の少なくとも一方を、前記入口ガスラインと、前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙とを介して、ある期間パージさせ、
前記パージ装置に、前記スペースと前記領域の少なくとも一方の前記パージを停止させ、且つ
前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙を閉じさせる
ように構成されている、電子デバイス製造システム。
【請求項12】
前記コントローラがさらに、前記パージ装置に、前記ドッキングトレイの1つ以上の位置決めピンと整列して前記ドッキングトレイ上に位置決めされた前記基板キャリアをパージさせる、請求項11に記載の電子デバイス製造システム。
【請求項13】
電子デバイス製造システムにおいてファクトリインターフェース負荷ポートを動作させる方法であって、
負荷ポートドッキングトレイの1つ以上の位置決めピンと整列して前記負荷ポートドッキングトレイ上に基板キャリアを位置決めし、前記負荷ポートドッキングトレイ上に位置決めされた前記基板キャリアは、基板キャリアハウジングと前記負荷ポートのバックプレーンの間に間隙を形成し、
前記基板キャリアは基板キャリアハウジングと基板キャリアドアとを備え、前記基板キャリアを前記負荷ポートドッキングトレイにドッキング位置で確実に取り付け、
前記基板キャリアが、前記負荷ポートドッキングトレイに前記ドッキング位置で取り付けられたことに応答し、キャリアドアオープナーの入口ガスラインと、前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙とを介して、ある期間、
パージ装置に、
a)前記基板キャリアドアと前記基板キャリアハウジングの間のスペース、又はb)前記基板キャリアドアと前記キャリアドアオープナーの間の領域の少なくとも一方
をパー
ジさせ、
前記スペースと前記領域の少なくとも一方の前記パージを停止させ、且つ
前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙を閉じる
ことを含む、方法。
【請求項14】
前記キャリアドアオープナーを前記基板キャリアドアに取り付け、且つ
前記キャリアドアオープナーから延びるラッチ機構を用いて、前記基板キャリアドアのラッチを解除し、且つ
前記キャリアドアオープナーで前記基板キャリアドアを開く
ことをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記キャリアドアオープナーを前記基板キャリアドアに取り付けることが、1つ以上の吸引パッド装置に対する減圧を作動させて前記キャリアドアオープナーを前記基板キャリアドアに取り付けることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記負荷ポートドッキングトレイ上に前記基板キャリアを位置決めした後に、前記負荷ポートドッキングトレイ上に位置決めされた前記基板キャリアをパージすること
をさらに含み、前記パージすることが、不活性ガスを前記基板キャリアに流すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記基板キャリアを前記負荷ポートドッキングトレイに確実に取り付けることが、前記基板キャリアを前記負荷ポートドッキングトレイに底部クランプすることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記基板キャリアドアと前記キャリアドアオープナーの間の前記領域の前記パージを作動させることが、不活性ガスを前記領域に流すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記不活性ガスを前記領域に流すことが、前記キャリアドアオープナーの入口を介して前記不活性ガスを前記領域に流すことを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基板キャリアハウジングと前記バックプレーンの間の前記間隙を閉じることが、前記負荷ポートの2つ以上のサイドクランプを前記基板キャリアと係合させて、前記基板キャリアを前記負荷ポートの前記バックプレーンに押し付けることを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、すべての目的でその全体が参照により本願に援用される、2017年3月14日出願の「LOAD PORT OPERATION IN ELECTRONIC DEVICE MANUFACTURING APPARATUS, SYSTEMS, AND METHODS」と題された米国特許出願第15/458,908号(代理人整理番号24698/USA)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本開示は、電子デバイスの製造に関し、より詳細には、ファクトリインターフェースの負荷ポートの動作に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体電子デバイス製造における基板の処理は、概して、基板キャリア内のプロセスツール間を基板が移動する、複数のプロセスツールにおいてで実行される。基板キャリアは、1枚から例えば25枚までの基板を運ぶ密閉可能な容器であってよく、例えば、前方開口型統一ポッド、すなわちFOUPでありうる。基板キャリアは負荷ポートにドッキングされてよく、この負荷ポートは、例えば装置フロントエンドモジュール、すなわちEFEMなどのファクトリインターフェースに取り付けることができる。ファクトリインターフェースは、プロセスツールに結合されてよく、基板キャリアとプロセスツールとの間で基板を移送するように動作可能なロボット基板ハンドラを備えていてもよい。
【0004】
環境制御された雰囲気が、基板キャリア、ファクトリインターフェース、及びプロセスツール内、並びにそれらの間に提供されうる。すなわち、例えば、空気(特に酸素、反応性ガス)及び水分への曝露は、酸化によって基板特性及び基板処理に悪影響を与える可能性があることから、基板は、非反応性ガス環境に維持されうる。非反応性ガスは、例えば窒素でありうる。したがって、例えば、負荷ポートを介した基板キャリアからファクトリインターフェースへの基板の移送中に発生するその環境での漏れは、処理中の基板を汚染し、及び/又は基板上で実行されるプロセスに悪影響を及ぼす可能性がある。これは、これらの基板上に、欠陥のある電子デバイスを製造することにつながりうる。したがって、既存の電子デバイス製造システムは、このような漏れを低減又は排除する、改善された負荷ポート操作の恩恵を受けることができる。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によれば、電子デバイス製造システムのファクトリインターフェースの負荷ポートが提供される。負荷ポートは、パージ装置、ドッキングトレイ、ドッキングトレイに隣接して位置するバックプレーン、キャリアドアオープナーが閉じられたときにバックプレーンの開口部を密閉するように構成されたキャリアドアオープナー、並びに、パージ装置、ドッキングトレイ、及びキャリアドアオープナーを動作させるように結合されたコントローラを備えている。コントローラは、ドッキングトレイ上に位置する基板キャリアをパージし、該基板キャリアをドッキングトレイにドッキングし、ある期間、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーの周囲及びそれらの間の領域のパージを作動させ、期間の満了に応じて領域のパージを停止し、領域のパージの停止に応じて、基板キャリアをバックプレーンにクランプするように構成されている。
【0006】
第2の態様によれば、電子デバイス製造システムが提供される。電子デバイス製造システムは、基板プロセスツールとファクトリインターフェースとを含む。ファクトリインターフェースは、前面開口部を有する前面と、基板プロセスツールに結合した後面とを有するハウジングを備えている。電子デバイス製造システムはまた、基板キャリアとインターフェースするように構成された負荷ポートも含む。負荷ポートは、前面開口部で前面に結合されたバックプレーンを含む。バックプレーンはバックプレーン開口部を有する。負荷ポートはまた、ドッキングトレイ及びキャリアドアオープナーも含む。キャリアドアオープナーは、キャリアドアオープナーが閉じられたときにバックプレーン開口部を密閉し、基板キャリアの基板キャリアドアを開く。電子デバイス製造システムはさらに、ドッキングトレイ上に位置した基板キャリアをパージし、該基板キャリアをドッキングトレイにドッキングし、ある期間、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーの周囲及びそれらの間の領域のパージを作動させ、期間の満了に応じて領域のパージを停止し、領域のパージの停止に応じて、基板キャリアをバックプレーンにクランプするように構成されたコントローラを備えている。
【0007】
第3の態様によれば、電子デバイス製造システムにおけるファクトリインターフェース負荷ポートの動作方法が提供される。本方法は、負荷ポートドッキングトレイ上に置かれた基板キャリアをパージし、該基板キャリアを負荷ポートドッキングトレイにドッキングし、ある期間、基板キャリアの基板キャリアドアと負荷ポートのキャリアドアオープナーの周囲及びそれらの間の領域のパージを作動させ、期間の満了に応じて、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーとの間の領域のパージを停止し、停止に応じて、基板キャリアを負荷ポートのバックプレーンにクランプすることを含む。
【0008】
本開示のこれら及び他の実施態様に従う、さらに他の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面から容易に明らかになるであろう。したがって、図面及び本明細書の説明は、本質的に例示的であるとみなされるべきであり、限定であるとみなされるべきではない。
【0009】
以下に記載される図面は、例示目的のためだけのものであり、必ずしも縮尺どおりには描かれていない。図面は、本開示の範囲を多少なりとも限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施態様による電子デバイス製造システムの側面概略図
【
図1A】本開示の実施態様による基板キャリアドア及び開放位置にあるキャリアドアオープナーを示す
図1の簡略図
【
図2】本開示の実施態様による負荷ポートの正面斜視図
【
図3】本開示の実施態様による負荷ポートの簡略化した背面斜視図
【
図4A】本開示の実施態様による、負荷ポートのキャリアドアオープナーに関連して、負荷ポートにドッキングされているが、クランプされていない基板キャリアの簡略化した側面概略図
【
図4B】本開示の実施態様による、負荷ポートのキャリアドアオープナーに関連して、負荷ポートにドッキングされ、かつクランプされた基板キャリアの簡略化した側面概略図
【
図5】本開示の実施態様による、電子デバイス製造システムにおけるファクトリインターフェース負荷ポートの動作方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面に示されている本開示の例となる実施態様について詳細に参照する。可能な限り、同一又は同様の部分についての言及には、図面全体を通じて同一の参照番号が使用される。
【0012】
電子デバイス製造システムは、例えば、基板特性及び/又は基板処理に悪影響を及ぼしうる、望ましくない酸素、水分、及び/又は粒子を低減又は排除するために、例えば、基板キャリア、負荷ポート、ファクトリインターフェース、及びプロセスツールなどのさまざまな構成要素の間に制御環境を提供することができる。制御された環境は、例えば正圧の非反応性ガス環境であってよく、例えば窒素が非反応性ガスとして使用される。
【0013】
負荷ポート動作を実行して、基板キャリアからファクトリインターフェースへの1つ以上の基板の移送を可能にすることができる。負荷ポート動作は、負荷ポートドッキングトレイ上に基板キャリアを受け入れ、例えば窒素などの非反応性ガスを基板キャリア内に流すことによって基板キャリアから空気(すなわち酸素)及び水分をパージし、基板キャリアをドッキングトレイにドッキングし、基板キャリアを負荷ポートのバックプレーンにクランプしてバックプレーンに基板キャリアを押しつけ、バックプレーンに位置する負荷ポートキャリアドアオープナーを基板キャリアドアに取り付け、例えば窒素をスペースに流すことによってキャリアドアオープナーと基板キャリアドアとの間のスペースをパージし(このパージは、以後「ドアパージ」と称される場合がある)、キャリアドアオープナーで基板キャリアドアを開いて基板キャリアからファクトリインターフェースへ、それからプロセスツールへの1つ以上の基板の移送を可能することを含みうる。
【0014】
しかしながら、幾つかの電子デバイス製造システムでは、このような負荷ポート動作により、制御されたファクトリインターフェース環境が汚染される可能性がある。汚染は、ドアパージ中に、アクセスできない基板キャリアドアの周囲のスペースに閉じ込められる可能性のある、空気(すなわち酸素)、水分、及び/又は粒子によって引き起こされうる。その後、基板キャリアドアを開くと、閉じ込められた空気が放出されて、ファクトリインターフェース環境が汚染される可能性がある。
【0015】
幾つかの電子デバイス製造システムでは、上記と同じ理由で、上記負荷ポート動作のバリエーションによって、ファクトリインターフェース環境の空気及び/又は粒子汚染が生じる可能性もある。例えば、基板キャリアをドッキングする前にドアパージを実行すると、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーの間の圧力が上昇し、それによってキャリアドアオープナーが押し開かれ、空気(すなわち酸素)、水分、及び/又は粒子によってファクトリインターフェース環境が汚染可能になる。同様に、ドッキング後に負荷ポートキャリアドアオープナーを基板キャリアドアに取り付け、その後、基板キャリアを負荷ポートのバックプレーンにクランプする前にドアパージを行うと、上記と同じ理由で、ファクトリインターフェース環境の空気及び/又は粒子による汚染を生じる可能性がある。
【0016】
これらの汚染問題に対処するために、本開示の1つ以上の実施態様による電子デバイス製造システムは、改善されたファクトリインターフェース負荷ポート及び/又は改善された負荷ポート動作を含みうる。改善された負荷ポートは、他の方法では基板キャリアドアの周囲のスペースに閉じ込められるであろう空気の一部又はすべて(及びその中に含まれる望ましくない粒子の一部又はすべて)を、基板キャリアドアが開く前にパージできるように、負荷ポート動作を実行するように構成されたコントローラを含みうる。これにより、制御されたファクトリインターフェース環境を負荷ポート動作中に許容レベルに維持できるようになる。
【0017】
電子デバイス製造システムにおける改善されたファクトリインターフェース負荷ポートを例示及び説明する例となる実施態様、並びに電子デバイス製造システムにおけるファクトリインターフェース負荷ポートの動作方法を含む他の態様のさらなる詳細は、
図1~5関連して以下により詳細に説明される。
【0018】
図1は、1つ以上の実施態様による電子デバイス製造システム100の側面概略図を示している。電子デバイス製造システム100は、基板キャリア102、負荷ポート104、ファクトリインターフェース106、及び基板プロセスツール108を含みうる。負荷ポート104は、ファクトリインターフェース106に結合されていてもよく、このファクトリインターフェース106は、基板プロセスツール108に結合することができる。電子デバイス製造システム100は、他の構成要素も含んでいてもよい。
【0019】
基板キャリア102は、1つ以上の基板を運ぶように構成された密閉可能な容器でありうる。基板は、シリコン含有ディスク又はウエハ、パターン化されたウエハ、ガラス板などの電子デバイス又は回路構成要素を製造するために用いられる任意の適切な物品でありうる。基板キャリア102は、幾つかの実施態様では、例えば、前方開口型統一ポッド、すなわちFOUPであってよく、基板キャリアドア110を含みうる。幾つかの実施態様では、基板キャリアドア110はFOUPドアでありうる。
【0020】
負荷ポート104は、ドッキングトレイ111と、該ドッキングトレイ111に隣接して位置するバックプレーン112とを含みうる。ドッキングトレイ111は、その上に基板キャリア102を受け入れるように構成することができ、バックプレーン112は、その中に基板キャリア102及び基板キャリアドア110を受け入れるように構成されたバックプレーン開口部113を有しうる。
【0021】
負荷ポート104はまた、基板キャリア102の内外へと基板を移送できるように、基板キャリアドア110に取り付け、そのラッチを解除し、開くように構成されたキャリアドアオープナー114も有しうる。より具体的には、キャリアドアオープナー114は、基板キャリアドア110に取り付けてそのラッチを解除し、バックプレーン112が離れるまで基板キャリアドア110を内側に(すなわち、矢印A1で表されるように右に)移動し、次に、レール又は同様の構造(図示せず)に沿って移動することができる昇降機構115を介して、基板キャリアドア110を(矢印A2で表されるように)下向きに開放位置に移動することにより、基板キャリアドア110を開くことができる。
図1Aは、1つ以上の実施態様に従って、基板キャリアドア110及びキャリアドアオープナー114が開放位置116にある電子デバイス製造システム100を示している(
図1Aではすべての特徴が示され及び/又標識されているわけではない)。開放位置116は、両方向矢印A3で表されるように、1つ以上の基板が基板キャリア102の内外に移送されることを可能にすることができる。
【0022】
負荷ポート104はまた、パージ装置105、第1の入口ガス流ライン107a、第1の出口ガス流ライン107b、第2の入口ガス流ライン109a、及び第2の出口ガス流ライン109bも含みうる。パージ装置105は、例えば正圧の非反応性及び/又は不活性ガス環境などの環境制御雰囲気を提供するように構成することができる。パージ装置105は、1つ以上のバルブ、ガス流ライン、ポンプ、流量コントローラ、流量計、外部機器への接続、及び/又はガス供給/供給源等(いずれも図示せず)を含みうる。幾つかの実施態様では、パージ装置105は、追加の又は代替の機器を含みうる。第1の入口ガス流ライン107a及び第1の出口ガス流ライン107bは、それぞれ、パージ装置105に接続することができ、基板キャリア102をパージすることができるように(例えば、非反応性ガスが基板キャリア102を満たすように)基板キャリア102に接続するために、それぞれ、パージ装置105からドッキングトレイ111を通って延びていてよい。第2の入口ガス流ライン109a及び第2の出口ガス流ライン109bは、それぞれパージ装置105に接続され、それぞれドアパージを実行できるように(例えば、基板キャリアドア110とキャリアドアオープナー114の周囲及びそれらの間のスペースを非反応性ガスで満たすことができるように)パージ装置105からキャリアドアオープナー114を通って延びていてもよい。幾つかの実施態様では、第1の入口ガス流ライン107a、第1の出口ガス流ライン107b、第2の入口ガス流ライン109a、及び/又は第2の出口ガス流ライン109bは、それぞれ、可撓性材料で作られていてもよい(例えば、キャリアドアオープナー114がパージ装置105及び/又はキャリアドアオープナー114へのガス流ライン接続を切断せずに開くことができるように)。
【0023】
負荷ポート104は、該負荷ポート104のアクティブな構成要素のそれぞれに結合されてその動作を制御することができる、コントローラ118をさらに含むことができる。幾つかの実施態様では、アクティブな構成要素は、パージ装置105、ドッキングトレイ111、及びキャリアドアオープナー114を含みうる(昇降機構115に沿って)。コントローラ118は、プログラムされたプロセッサと、プロセッサ実行可能命令を格納するメモリとを含みうる。
【0024】
ファクトリインターフェース106は、前面120F、後面120R、上部120T、底部120B、及び2つの側壁(別個には図示せず)を有するハウジング120を有する任意の適切な筐体でありうる。前面120Fは、それぞれの負荷ポート104を受け入れて結合するように構成された1つ以上の前面開口部122を有しうる。ファクトリインターフェース106は、基板キャリア102からファクトリインターフェース106を通して基板プロセスツール108まで基板を移送するように構成されたロボット基板ハンドラ(図示せず)を含みうる。ファクトリインターフェース106は、電子デバイス製造システム100内に位置した及び/又はそれに結合した機器(例えば、ガス供給ライン、1つ以上のガス供給又は供給源、減圧ポンプ、バルブ等;図示せず)を使用して、正圧の非反応性ガス環境(例えば、非反応性ガスとして窒素を使用)内で維持されうる。ファクトリインターフェース106は、他の実施態様では、他の非反応性及び/又は不活性ガス環境内、減圧下などで維持されうる。
【0025】
基板プロセスツール108は、1つ以上の基板上で、例えば物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、エッチング、アニーリング、前洗浄、金属又は金属酸化物の除去などの1つ以上のプロセスを実行することができる。その中の基板上で他のプロセスを実行することもできる。基板プロセスツール108は、1つ以上のロードロックチャンバ、移送チャンバ、及び1つ以上の処理チャンバを含みうる(いずれも図示せず)。1つ以上のロードロックチャンバは、ファクトリインターフェース106に結合することができ、一方、移送チャンバは、1つ以上のロードロックチャンバ及び1つ以上の処理チャンバに結合することができる。ファクトリインターフェース106のロボット基板ハンドラは、1つ以上のロードロックチャンバの内外へと基板を移送することができる。基板プロセスツール108は、移送チャンバ内に少なくとも部分的に収容された移送ロボット(図示せず)を含みうる。移送ロボットは、1つ以上のロードロックチャンバ及び1つ以上の処理チャンバへ及びそこから基板を移送するように構成することができる。ファクトリインターフェース106と同様に、基板プロセスツール108は、電子デバイス製造システム100内に位置した、及び/又はそれに結合された機器(例えば、ガス供給ライン、1つ以上のガス供給又は供給源、減圧ポンプ、バルブ等;図示せず)を使用して、環境制御雰囲気(例えば、正圧の非反応性及び/又は不活性ガス環境内、減圧下など)に維持されうる。
【0026】
図2は、1つ以上の実施態様による負荷ポート204の正面斜視図を示している。幾つかの実施態様では、負荷ポート204は、負荷ポート104と同一又は同様でありうる。負荷ポート204は、ドッキングトレイ211、バックプレーン開口部213を有するバックプレーン212、並びにキャリアドアオープナー214が
図2に示されるようにバックプレーン212に対して閉じられたときにバックプレーン開口部213を密封するキャリアドアオープナー214を含みうる。幾つかの実施態様では、ドッキングトレイ211は、ドッキングトレイ111(
図1)と同一又は同様であってよく、バックプレーン212は、バックプレーン112(
図1)と同一又は同様であってよく、キャリアドアオープナー214は、キャリアドアオープナー114(
図1)と同一又は同様であってよい。
【0027】
ドッキングトレイ211は、その上に、例えば基板キャリア102などの基板キャリアを受け入れるように構成されうる。ドッキングトレイ211は、基板キャリアをドッキングトレイ211上の適切な位置に案内するために、基板キャリアの底部の対応する穴と協働するように構成することができる、ドッキングトレイ211から上方に延びた1つ以上の位置決めピン224を有しうる。
図2では2つの位置決めピン224が示されているが、他の実施態様は、それより多い又は少ない数の位置決めピン224を有することができる。ドッキングトレイ211はまた、基板キャリアの底部に位置する対応する特徴を介して基板キャリアをドッキングトレイ211に確実に取り付けるように構成された、例えばフック又は爪状デバイスでありうる、底部クランプ225も有しうる。ドッキングトレイ211はさらに、第1のパージ入口207a及び第1のパージ出口207bを有していてもよい。幾つかの実施態様では、第1のパージ入口207a及び第1のパージ出口207bは、それぞれ、適切に配向された一方向バルブを含みうる。第1のパージ入口207aは、第1の入口ガス流ライン107aを介してパージ装置105(
図1)に接続するように構成することができ、第1のパージ出口207bは、第1の出口ガス流ライン107bを介してパージ装置105に接続するように構成することができる。他の実施態様は、1つより多い第1のパージ入口207a及び/又は1つより多い第1のパージ出口207bを有しうる。幾つかの実施態様では、ドッキングトレイ211は、
図4A及び4Bに関連して以下により詳細に説明されるように、基板キャリアの配置/ドッキング位置からクランプ位置までバックプレーン212に向かって移動するように構成されうる。
【0028】
バックプレーン212は、基板キャリアをバックプレーン212にクランプするように構成された2つ以上のサイドクランプ226を含みうる。
図2に示される実施態様では、バックプレーン212に4つのサイドクランプ226を提供することができ、2つはバックプレーン開口部213の左垂直側に配置され(図示のように)、2つのサイドクランプ226は反対の右垂直側に配置される(図示せず)。基板キャリアをドッキングトレイ211に配置してドッキングし、ドッキングトレイ211によってクランプ位置に移動させた後、各サイドクランプ226は、基板キャリアをバックプレーン212に係合して押しつけるように構成されうる。
【0029】
キャリアドアオープナー214は、基板キャリア102の基板キャリアドア110に接触して取り付けるように構成された1つ以上のコネクタ227を有しうる。コネクタ227は、例えば、負荷ポート204の減圧ポンプに連結された吸引パッド又はカップ型デバイスであってよく、キャリアドアオープナー214を基板キャリアドア110に確実に取り付けるのに十分な吸引力を生み出す。キャリアドア110に取り付けることができる他の適切なタイプのコネクタデバイスを使用することもできる。
【0030】
キャリアドアオープナー214はまた、第2のパージ入口209a及び第2のパージ出口209bも有しうる。幾つかの実施態様では、第2のパージ入口209a及び第2のパージ出口209bは、それぞれ、適切に配向された一方向バルブを含みうる。第2のパージ入口209aは、第2の入口ガス流ライン109aを介してパージ装置105(
図1)に接続するように構成することができ、第2のパージ出口209bは、第2の出口ガス流ライン109bを介してパージ装置105に接続するように構成することができる。
【0031】
幾つかの実施態様では、基板キャリア102(
図1)は、基板キャリアドア110を基板キャリアハウジング102H(
図1)に固定するロック又はラッチ機構を有していてもよい。1つ以上の実施態様では、キャリアドアオープナー214は、該キャリアドアオープナー214から延び、基板キャリアドア110の対応する特徴に接続してラッチ解除又はロック解除(例えば、時計回り又は反時計回りの回転)するか、又はそうでなければ、基板キャリアドア110を開くことを可能にするように構成された1つ以上のラッチキー又はラッチ機構228を有しうる。
【0032】
負荷ポート204は、パージ装置(例えば、パージ装置105)、コントローラ(例えば、コントローラ118)、基板キャリアドア開閉機構(例えば、昇降機構115及び関連部品)、及び/又は他の機器を囲むことができるハウジング204Hをさらに含むことができる。
【0033】
図3は、1つ以上の実施態様による負荷ポート304の簡略化された背面図を示している。幾つかの実施態様では、負荷ポート304は、負荷ポート104及び/又は204と同一又は同様でありうる。負荷ポート304は、バックプレーン312と、キャリアドアオープナー314が図示されるように閉じられたときにバックプレーン開口部(
図3には図示せず)を密閉するキャリアドアオープナー314とを含みうる。キャリアドアオープナー314は、該キャリアドアオープナー314がバックプレーン開口部を密閉できるように、バックプレーン開口部よりわずかに大きくなっていてもよい。負荷ポート304は、バックプレーン312を通る昇降開口部330を介して例えば昇降機構115(
図1及び1A)などの昇降機構に結合された昇降アーム329をさらに含むことができる。基板キャリアドア(
図1の基板キャリアドア110など)を開くために、キャリアドアオープナー314は、例えば
図2のコネクタ227及びラッチ機構228に関連して上述したように、基板キャリアドアに取り付け、ラッチ解除し、基板キャリアドアをバックプレーン開口部を通じて開口部から矢印A4の方向に離し、次にバックプレーン開口部の下方に矢印A5の方向に動かすことができる。
【0034】
図4A及び4Bは、1つ以上の実施態様による負荷ポート動作中の負荷ポート404に対する基板キャリア402を示している。負荷ポート動作は、例えばプログラミング命令を実行するコントローラ118(
図1)など、コントローラによって実行することができる。基板キャリア402は、基板キャリアドア410を含んでもよく、幾つかの実施態様では、基板キャリア402は、基板キャリア102(
図1及び1A)と同一又は同様であってよく、基板キャリアドア410は、基板キャリアドア110(
図1及び1A)と同一又は同様であってよい。環状スペース432は、基板キャリアドア410の周囲、並びに基板キャリアドア410と基板キャリア402のハウジング402Hとの間に存在しうる。
【0035】
負荷ポート404は、ドッキングトレイ411、バックプレーン412、及びキャリアドアオープナー414を含みうる。幾つかの実施態様では、負荷ポート404は、負荷ポート104、204、及び/又は304と同一又は同様であってよく;ドッキングトレイ411は、ドッキングトレイ111及び/又は211と同一又は同様であってよく;バックプレーン412は、バックプレーン112、212、及び/又は312と同一又は同様であってよく;キャリアドアオープナー414は、キャリアドアオープナー114、214、及び/又は314と同一又は同様であってよい。
【0036】
図4Aは、1つ以上の実施態様による配置/ドッキング位置400Aにある基板キャリア402を示している。すなわち、基板キャリア402は、例えば位置決めピン224(
図2)などの1つ以上の位置決めピン上の配置によって、ドッキングトレイ411上に配置することができる。幾つかの実施態様では、基板キャリア402は、その後、基板キャリア402の底部内又は底部上の対応する特徴への例えば底部クランプ225(
図2)などの底部クランプ(図示せず)の底部のクランピングによってドッキングトレイ411にドッキングすることができる。したがって、環状スペース432は、基板キャリアハウジング402Hとバックプレーン412/キャリアドアオープナー414との間の間隙434と流体連結しうる。環状スペース432はまた、基板キャリアドア410とキャリアドアオープナー414との間のスペース436と流体連結していてもよい。
【0037】
図4Bは、1つ以上の実施態様による、クランプ位置400Bにある基板キャリア402を示している。すなわち、ドッキングトレイ411は、ドッキングされた基板キャリア402をバックプレーン412(に向かって(矢印A6の方向に)移動させて、例えばサイドクランプ226(
図2)などの2つ以上のサイドクランプ(図示せず)が基板キャリア402に係合し、負荷ポート404のバックプレーン412に基板キャリア402を押しつけることができるようにする。結果として、間隙434は、そのほとんど又はすべてが、もはや存在しない。基板キャリアハウジング402Hとバックプレーン412との間の間隙434の部分は、クランプ後にもはや存在しない可能性があるが、幾つかの実施態様では、基板キャリアドア410とキャリアドアオープナー414との間に小さい間隙(図示せず)が依然として存在する可能性がある。
図5に関連して以下により詳細に説明するように、この小さい間隙は、キャリアドアオープナー414を基板キャリアドア410に取り付ける際に、閉じることができる。クランプした結果、環状スペース432は、間隙434及びスペース436とはもはや流体連結していないか、あるいは間隙434及びスペース436の残りの部分と無視できる程度に流体連結しうる。したがって、環状スペース432に存在していた可能性のある空気又は他のガス(及びそこに含まれる粒子)を、今やその中に閉じ込めることができる。
【0038】
図5は、1つ以上の実施態様による、電子デバイス製造システムのファクトリインターフェース負荷ポートを動作させる方法500を示している。方法500は、例えば、プログラミング命令を実行するコントローラ118(
図1)などのコントローラによって実施されうる。幾つかの実施態様では、方法500は、代替として、電子デバイス製造システムのシステムコントローラによって、及び/又は例えばコントローラ118などの負荷ポートコントローラと組み合わせたこのようなシステムコントローラによって実行されうる。
【0039】
プロセスブロック502では、方法500は、負荷ポートドッキングトレイ上に置かれた基板キャリアをパージすることを含みうる。このパージを受ける基板キャリアは、
図4Aに示される配置/ドッキング位置400Aで配置されてもよい。より具体的には、例えば
図1及び2を参照すると、基板キャリア102は、例えば位置決めピン224などの位置決めピンを使用して、負荷ポート104のドッキングトレイ111上に配置され、適切に位置決めされうる。ドッキングトレイ111上の基板キャリア102の適切な位置決めは、基板キャリア102の底部に位置するガス入力及び出力ポートを、それぞれ、ドッキングトレイ111の第1のパージ入口(例えば、
図2の第1のパージ入口207a)及び第1のパージ出口(例えば、
図2の第1のパージ出口207b)と整列させることができる。その後、パージ装置105は、第1のパージ入口及び第1のパージ出口にそれぞれ結合された第1の入口ガス流ライン107a及び第1の出口ガス流ライン107bを介して、例えば窒素などの非反応性ガスで基板キャリアをパージしてもよい。幾つかの実施態様では、パージ流量は、約50lpm(リットル毎分)から約95lpmの範囲で用いられうる。
【0040】
プロセスブロック504では、方法500は、基板キャリアを負荷ポートドッキングトレイにドッキングすることを含みうる。例えば、配置/ドッキング位置400A(
図4A)に留まりつつ、例えばドッキングトレイ211の底部クランプ225(
図2)などの底部クランプを作動させて、基板キャリアをドッキングトレイに確実に取り付けることができる。
【0041】
プロセスブロック506では、方法500は、ある期間、基板キャリアの基板キャリアドアと負荷ポートのキャリアドアオープナーの周囲及びそれらの間の領域のパージを作動させることを含みうる。以下でより詳細に説明するように、このパージを受ける基板キャリアは、有利には、配置/ドッキング位置400A(
図4A)に留まる。例えば
図1、2、及び4Aを参照すると、パージ装置105は、基板キャリアドア410とキャリアドアオープナー414の周囲及びそれらの間の領域をパージすることができ、すべて互いに流体連結した環状スペース432、間隙434、及びスペース436を含みうる。その領域は、キャリアドアオープナー214(
図2)の第2のパージ入口209a及び第2のパージ出口209bにそれぞれ結合された第2の入口ガス流ライン109a及び第2の出口ガス流ライン109bを介して、例えば窒素などの非反応性ガスでパージされうる。幾つかの実施態様では、パージ流量は、約20lpm(リットル毎分)から約65lpmの範囲で用いられうる。
【0042】
プロセスブロック508では、方法500は、期間の満了に応じて、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーとの間の領域のパージを停止することを含みうる。幾つかの実施態様では、期間は約20秒から約120秒の範囲でありうる。
【0043】
プロセスブロック510では、方法500は、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーとの間の領域のパージの停止後に、負荷ポートのバックプレーンに対して基板キャリアをクランプすることを含みうる。例えば、
図2及び4Bを参照すると、基板キャリアは、例えばサイドクランプ226(
図2)などのサイドクランプが基板キャリア402と係合して、負荷ポート404のバックプレーン412に対して基板キャリア402を押しつけることができるように、バックプレーン412(
図4B)に向かってドッキングトレイ411をドッキングすることにより、移動することができる。
【0044】
プロセスブロック510で基板キャリアをクランプした後、方法500は、キャリアドアオープナーを基板キャリアドアに取り付け(例えば、吸引パッド型のデバイスでありうる、コネクタ227(
図2)に結合した減圧ポンプを作動させることによって);例えば、ラッチ機構228(
図2)を使用することによって基板キャリアドアのラッチを解除し;
図1Aに示されるようにキャリアドアオープナーで基板キャリアドアを開くことをさらに含みうる。
【0045】
プロセスブロック506に戻ると、基板キャリアが配置/ドッキング位置400A(
図4A)に位置している間に、基板キャリアドアとキャリアドアオープナーの周囲及びそれらの間の領域のパージを作動させると、パージの有効性が大幅に改善されうる(すなわち、環状スペース432、間隙434、及びスペース436内に存在しうる酸素、水分、及び/又は粒子の除去において)。幾つかの実施態様では、第2のパージ出口及び第2の出口ガス流ライン(例えば、第2のパージ出口209b及び第2の出口ガス流ライン109b)は、このパージ中に生じる流出を完全に処理できないため、間隙434との流体連結は、環状スペース432を占める空気(酸素)、水分、及び/又は粒子の少なくとも一部を、間隙434を介して通気することによってそこからパージすることができる。プロセスブロック506でのパージは、プロセスブロック510(すなわち、負荷ポートのバックプレーンに対して基板キャリアをクランプする)の後に実行される場合には、間隙434のすべてではないにしてもほとんどがもはや存在せず(例えば、
図4Bを参照)、はるかに効果が低くなりうる。プロセスブロック506でのパージはまた、キャリアドアオープナーが基板キャリアドアに取り付けられた後に実行される場合にも、はるかに効果が低くなりうる。次いで、環状スペース432に閉じ込められた空気(酸素)、水分、及び/又は粒子は、キャリアドアオープナーで基板キャリアドアを開く際に、ファクトリインターフェースを汚染する可能性がある。
【0046】
前述の説明は、本開示の例となる実施態様を開示している。上記開示される装置、システム、及び方法の修正は、本開示の範囲内に含まれうる。したがって、本開示の例となる実施態様が開示されているが、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、他の実施態様が本開示の範囲内に含まれうることが理解されるべきである。