(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】低い粗さのダイヤモンドフィルムの堆積
(51)【国際特許分類】
H01L 21/314 20060101AFI20240221BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240221BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240221BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240221BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240221BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H01L21/314 A
H01L21/31 C
H10B41/27
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2021568569
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 US2021055732
(87)【国際公開番号】W WO2022087054
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-02-01
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(73)【特許権者】
【識別番号】507335687
【氏名又は名称】ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サムガナサン, ビクネシュ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チョンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジテン, グ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタサブラマニアン, エスワラナンド
(72)【発明者】
【氏名】キアン ピン, ロー
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
(72)【発明者】
【氏名】スディジョノ, ジョン
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-513123(JP,A)
【文献】特開平04-231397(JP,A)
【文献】特表2012-512801(JP,A)
【文献】特開平11-246974(JP,A)
【文献】特開平06-024896(JP,A)
【文献】国際公開第2005/011902(WO,A1)
【文献】特開2006-250767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/314
H01L 21/31
H10B 41/27
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤモンド層を基板上に堆積させる方法であって、
基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスプラズマを生成することであって、前記混合ガスは、前記混合ガスの20体積%から80体積%の範囲内のH
2を含む第1のガス、CO
2を含む第2のガス、CH
4と、C
2H
2と、C
2H
4とからなる群から選択される第3のガス、及び不活性ガスを含む第4のガスを含み、前記第3のガスと前記第2のガスとは、合わせて前記混合ガスの3体積%から8体積%の範囲を占める、パルスプラズマを生成すること、並びに
厚さ、粗さ、硬度、及び弾性率を有するナノ結晶ダイヤモンド層を前記基板上に堆積させることを含む、方法。
【請求項2】
前記不活性ガスが、ヘリウム(He)、窒素(N
2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のガスがC
2H
2である、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のガスがC
2H
4である、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記基板処理チャンバ内の前記混合ガス内に前記パルスプラズマを生成することは、2,000Wから12,000Wの範囲内のピーク電力でマイクロ波プラズマを使用して生じ、前記マイクロ波プラズマは、10Hzから300Hzの範囲内の周波数において、前記ピーク電力の10%から90%の範囲内でパルス化される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板処理チャンバ内の前記混合ガス内に前記パルスプラズマを生成することは、3kWから9kWの範囲内のピーク電力でマイクロ波プラズマを使用して生じ、前記マイクロ波プラズマは、40Hzから270Hzの範囲内の周波数において、前記ピーク電力の25%から80%の範囲内でパルス化される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基板処理チャンバ内の前記混合ガスは、0.1Torrから1.0Torrの範囲内の圧力にある、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記基板処理チャンバ内の前記混合ガスは、0.2Torrから0.8Torrの範囲内の圧力にある、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基板処理チャンバ内の前記混合ガスは、450℃から600℃の範囲内の温度にある、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基板処理チャンバ内の前記混合ガスは、500℃から550℃の範囲内の温度にある、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ナノ結晶ダイヤモンド層の前記粗さが、25nm rms未満である、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ナノ結晶ダイヤモンド層の前記粗さが、10nm rms未満である、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノ結晶ダイヤモンド層が単一層を含む、請求項1から
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の表面は、堆積される前記ナノ結晶ダイヤモンド層の下にナノ結晶ダイヤモンド層を含まない、請求項1から
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ナノ結晶ダイヤモンド層のヤング率が325GPaよりも大きい、請求項1から
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
指示命令を含む非一過性のコンピュータ可読媒体であって、該指示命令は、基板処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、方法によって、基板処理チャンバに、ダイヤモンド層を基板上に堆積することを実行させ、前記方法は、前記基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスマイクロ波プラズマを生成することを含み、前記混合ガスは、前記混合ガスの20体積%から80体積%の範囲内のH
2を含む第1のガス、CO
2を含む第2のガス、CH
4と、C
2H
2と、C
2H
4とからなる群から選択される第3のガス、並びにヘリウム(He)、窒素(N
2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される不活性ガスを含む第4のガスを含み、前記第3のガスと前記第2のガスとは合わせて前記混合ガスの3体積%から8体積%の範囲にあり、前記方法は更に、ナノ結晶ダイヤモンド層を前記基板上に堆積させることを含む、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本開示の実施形態は、ナノ結晶ダイヤモンドフィルムを堆積させる方法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、電子デバイス、特に集積回路(IC)の製造中のナノ結晶ダイヤモンドフィルムの堆積に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 半導体産業がより高い性能とより優れた機能性とを有する新世代の集積回路(IC)を導入するにつれて、このようなICを形成する素子の密度は増大し、その一方で、個々の部品又は素子の寸法、サイズ、及び間隔は減少している。過去においては、このような低減は、フォトリソグラフィを使用して構造を画定する能力によってのみ制限されていたが、μm又はnmで測定される寸法を有するデバイス形状は、金属素子の伝導性、素子間に使用される絶縁材料(複数可)の誘電率、又は3D-NAND若しくはDRAMプロセスにおける課題などの新しい制限要因を生み出した。これらの制限は、より耐久性があり、より硬度の高いハードマスクによって対処することができる。
【0003】
[0004] 3D‐NANDにおけるビット当たりのコストを低減し、チップ密度を増加する直接的な方法は、より多くの層を追加することによるが、より高い耐久性とより高い硬度を有する単一層は、処理時間とコストを低減させるであろう。伝統的には、エッチング選択性が高く、高硬度、及び高密度を有する、非常に高品質のハードマスクフィルムが使用されている。現在のハードマスクフィルムには、高硬度及び高弾性率特性、フィルム透明性、及びスリットエッチング後の除去の容易さに基づく、純粋な又はドープされた、プラズマ化学気相堆積(PECVD)アモルファスカーボン(aC:H)ベースのフィルムが含まれる。しかし、PECVDアモルファスカーボンハードマスクフィルムは、斜面(bevel)での層間剥離/剥がれ(下流のエッチングプロセスにおける主要な問題)、より厚いフィルムではより不透明になること(光配向問題)、及び不十分な形態の問題を有し、ピラー溝付け(pillar striation)、片側弓形(one sided bow)、及びピラーねじれ(pillar twisting)につながる。
【0004】
[0005] ナノ結晶ダイヤモンドは、半導体デバイス処理におけるハードマスクとして使用できる高硬度材料として知られている。ナノ結晶ダイヤモンドハードマスクフィルムは、高硬度及び高弾性率を有する一方、高い表面粗さを有し、これは、半導体処理のリソグラフィー中に回折をもたらし得る。この粗さを低減させることにより、リソグラフィプロセス及び半導体デバイスの処理方法の品質が改善される。したがって、高硬度及び高弾性率を有するが、表面粗さが低いハードマスクが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0006] 一実施形態では、ダイヤモンド層を基板上に堆積させる方法が、基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスプラズマを生成することを含み、混合ガスは、H2を含む第1のガス、CO2を含む第2のガス、CH4と、C2H2と、C2H4とからなる群から選択される第3のガス、及び不活性ガスを含む第4のガスを含み、該方法は更に、厚さ、粗さ、硬度、及び弾性率を有するナノ結晶ダイヤモンド層を基板上に堆積させることを含む。
【0006】
[0007] 他の実施形態では、方法が、ダイヤモンド層を基板の表面上に堆積させることを含み、該方法は、マイクロ波プラズマ化学気相堆積プロセスを使用して、厚さ、粗さ、硬度、及び弾性率を有するナノ結晶ダイヤモンド層を堆積させることを含み、粗さは、15nm rms未満であり、基板の表面は、マイクロ波プラズマ化学気相堆積プロセスを使用して形成されるナノ結晶ダイヤモンド層の下に、ナノ結晶ダイヤモンド層を含まない。
【0007】
[0008] 他の実施形態は、指示命令を含む非一過性のコンピュータ可読媒体に関する。該指示命令は、基板処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、方法によって、基板処理チャンバに、ダイヤモンド層を基板上に堆積することを実行させる。該方法は、基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスマイクロ波プラズマを生成することを含む。混合ガスは、10から90体積%(例えば、10sccmから96sccm)の範囲内のH2を含む第1のガス、CO2を含む第2のガス、CH4と、C2H2と、C2H4とからなる群から選択される第3のガス、並びに10sccmから90sccmの範囲内のヘリウム(He)、窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される不活性ガスを含む第4のガスを含み、第3のガスと第2のガスとは合わせて2から10体積%(例えば、2sccmから10sccm)の範囲にあり、該方法は更に、ナノ結晶ダイヤモンド層を基板上に堆積させることを含む。
【0008】
[0009] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態では、限定ではなく例示のために添付図面を用いて記載されており、図面においては同様の要素は類似の参照符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0010] 1以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図1B】[0011] 1以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図1C】[0012] 1以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図1D】[0013] 1以上の実施形態による基板の断面図を示す。
【
図2】[0014] 1以上の実施形態による基板処理チャンバの断面図を示す。
【
図3】[0015] 1以上の実施形態による方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016] 本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明で提示される構成又は処理ステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0011】
[0017] 本明細書で使用される際に、「基板」とは、その上で製造プロセス中に膜処理が実行されるところの、任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理実施され得る基板表面には用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、及び、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電材料といった任意の他の材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されない。基板表面を、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、及び/又はベークするために、基板に前処理プロセスを受けさせてよい。基板自体の表面上で直接フィルム処理することに加えて、本開示では、開示される任意のフィルム処理ステップが、以下でより詳細に開示されるように基板上に形成された下層上で実行されてもよい。「基板表面」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図されている。したがって、例えば、フィルム/層又は部分的なフィルム/層が、基板表面上に堆積された場合、新しく堆積されたフィルム/層の露出面が、基板表面となる。
【0012】
[0018] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される際に、「前駆体」、「反応物質」、「反応ガス」などの用語は、基板表面と反応することができる任意のガス種を指すために、相互交換可能に使用される。
【0013】
[0019] 本明細書で使用される「ナノ結晶ダイヤモンド」という用語は、典型的には、シリコンなどの基板上に成長されるダイヤモンドの固体フィルムを指す。1以上の実施形態では、ナノ結晶化度が、ダイヤモンド成長における強化された再核生成反応の結果であり、ダイヤモンド結晶の成長は、ラジカル種の量、温度、及び圧力などの周囲環境の変動によって中断される。1以上の実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンド層が、主として、ナノ球状又はナノ柱状の小さなダイヤモンド結晶で構成されており、アモルファスカーボンは通常、周囲の結晶の間の位置に分布するか、又は粒界に蓄積する。ナノ結晶ダイヤモンドは、その化学的不活性性、光透過性、及び良好な機械的特性のために、半導体用途におけるハードマスク材料として使用されている。
【0014】
[0020] 1以上の実施形態では、マイクロ波プラズマ化学気相堆積(MPECVD)を使用して、ナノ結晶ダイヤモンド層を堆積させ、低い粗さと高硬度/高弾性率との両方を示すナノ結晶ダイヤモンド層を提供するという問題を解決する。MPECVDプロセスでは、例えば、キャリアガス内に同伴された気相炭化水素や液相炭化水素の蒸気などの炭化水素源が、MPECVDチャンバの中に導入される。次いで、チャンバ内でプラズマが生成又は形成されて、励起されたCHラジカルを生成する。励起されたCHラジカルは、チャンバ内に配置された基板の表面に化学的に結合し、その上に所望のナノ結晶ダイヤモンド層を形成する。MPECVDプロセスを参照しながら本明細書で説明される実施形態は、マイクロ波プラズマ源を含む任意の適切な薄膜堆積システムを使用して実行され得る。適切なシステムの例には、DXZ(登録商標)処理チャンバを使用することができるCENTURA(登録商標)システム、PRECISION 5000(登録商標)システム、PRODUCER(登録商標)システム、PRODUCER(登録商標)GTTMシステム、PRODUCER(登録商標)XP Precision(商標)システム、PRODUCER(登録商標)SETMシステム、Sym3(登録商標)処理チャンバ、及びMesa(商標)処理チャンバが含まれ、これらは全て、カリフォルニア州サンタクララのカリフにあるアプライドマテリアルズ社から購入可能である。MPECVDプロセスを実行することができる他のツールも、本明細書で説明される実施形態から利益を得ることができるだろう。加えて、本明細書に記載のMPECVDプロセスを可能にする任意のシステムを使用することができる。本明細書で説明される任意の装置は、例示的なものであって、本明細書に記載された実施形態の範囲を限定するものとして理解又は解釈するべきではない。
【0015】
[0021] 炭素ベースのハードマスク層を使用するデバイスメーカーは、(1)下地材料のドライエッチング中のハードマスクの高い選択性、(2)低いフィルムの粗さ、(3)低いフィルム応力、及び(4)フィルムの剥離性、という要件を満たす必要がある。本明細書で使用される「ドライエッチング」という用語は、一般に、材料が化学溶液中に浸漬することによって溶解されないエッチングプロセスを指し、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、スパッタエッチング、及び気相エッチングなどの方法を含む。
【0016】
[0022] 1以上の実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンド層が基板上に形成される。1以上の実施形態のプロセスは、有利なことに、高密度、高硬度、高エッチング選択性、低応力、及び優れた熱伝導性を有する、ナノ結晶ダイヤモンド層を生成する。
【0017】
[0023] ハードマスクは、半導体処理においてエッチング停止層として使用される。灰化可能なハードマスクは、それらがそれらの目的を果たすと、灰化(ashing:アッシング)と呼ばれる技法によって除去されることを可能にする化学組成を有する。灰化可能なハードマスクは、一般に、微量の1以上のドーパント(例えば、窒素、フッ素、ホウ素、シリコン)を有する炭素及び水素から構成される。典型的な用途では、エッチング後に、ハードマスクはその目的を果たし、下層から除去される。これは、一般に、少なくとも部分的には、「プラズマアッシング」又は「ドライストリッピング」とも呼ばれる灰化によって実現される。灰化される硬質マスクを有する基板、一般に部分的に製造された半導体ウエハは、減圧下のチャンバ内に配置され、酸素が導入され、酸素ラジカル(プラズマ)を生成する高周波電力に曝露される。ラジカルはハードマスクと反応して、ハードマスクを水、一酸化炭素、及び二酸化炭素に酸化する。ある事例では、ハードマスクの完全な除去は、例えば、灰化可能なハードマスクが灰化だけでは除去できない任意の残留物を残すときに、追加の湿式又は乾式エッチングプロセスを用いて灰化後に続くことによって実現されてもよい。
【0018】
[0024] ハードマスク層は、しばしば、狭い及び/又は深いコンタクトエッチング用途で使用され、そこでは、フォトレジストが、下層をマスクするのに十分な厚さではない場合がある。これは、限界寸法が収縮するときに特にあてはまる。
【0019】
[0025] V-NAND又は3D-NAND構造は、フラッシュメモリ用途で使用される。V-NANDデバイスは、垂直に積み重ねられたNAND構造で、多数のセルがブロック状に配置されている。本明細書で使用されるときに、用語「3D-NAND」は、メモリセルが複数の層に積層される、一種の電子(ソリッドステート)不揮発性コンピュータ記憶メモリを指す。3D-NANDメモリは、一般に、フローティングゲートトランジスタを含む複数のメモリセルを含む。従来、3D-NANDメモリセルは、ビット線の周りに三次元で配置された複数のNANDメモリ構造を含む。
【0020】
[0026] 3D-NAND技術における重要なステップは、スリットエッチングである。各技術ノードの層の数が増加するにつれて、スリットエッチングプロファイルを制御するために、ハードマスクフィルムの厚さは、高アスペクトエッチングプロファイルに耐えるために比例して増加する必要がある。現在、アモルファスカーボン(aC:H)フィルムは、硬度が高く、スリットエッチング後の剥がしが容易であるために使用されている。しかし、アモルファスカーボンハードマスクフィルムは、斜面での層間剥離及び不十分な形態を有し、ピラー溝付けをもたらす。
【0021】
[0027] 1以上の実施形態では、好適には、ナノ結晶ダイヤモンドが、アモルファスカーボンの代わりにハードマスクとして使用される。ナノ結晶ダイヤモンドハードマスクフィルムは、高硬度及び高弾性率を提供するが、高レベルの表面粗さをもたらし得る。したがって、1以上の実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンドがハードマスクとして使用される、基板を処理する方法が提供される。該処理方法は、平滑な表面をもたらす。
【0022】
[0028] 1以上の実施形態の処理方法は、有利なことに、表面粗さを低く保ちながら、ナノ結晶ダイヤモンドハードマスクフィルムの硬度及び弾性率を維持する。ナノ結晶ダイヤモンドハードマスクフィルムの高硬度、高弾性率、改善された表面粗さにより、このフィルムは、アモルファスカーボンベースのフィルムで直面する課題を克服するためのハードマスクとして使用することができる。
【0023】
[0029] 1以上の実施形態では、より大きなエッチング選択性を実現するために、ナノ結晶ダイヤモンド層の密度及びヤング率(Young’s modulus)が改善される。エッチング選択性の向上及びヤング率の改善を実現する上での主な課題の1つは、かかるフィルムの圧縮応力が高く、それによってもたらされるウエハバウ(wafer bow)が大きくなることにより、用途に適さなくなることである。したがって、低応力(例えば、<500MPa)と共に高いエッチング選択性を有する高密度及び高弾性率(例えば、より高いsp3含有量)のナノ結晶ダイヤモンドフィルムが必要である。
【0024】
[0030] 本明細書で説明される実施形態は、高密度(例えば、>1.8g/cc)、高ヤング弾性率(例えば、>150GPa)、及び低応力(例えば、<-500MPa)を有するナノ結晶ダイヤモンドハードマスクフィルムを製造する改良方法を含む。1以上の実施形態では、ヤング率が、室温、若しくは周囲温度、又は約22℃から約25℃の範囲の温度で測定される。1以上の実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンドフィルムのヤング率が、250GPaより大きくてもよい。他の実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンドフィルムのヤング率は、300GPaを超え、325GPaを超え、又は350GPaを超える。
【0025】
[0031] 1以上の実施形態では、使用されるプロセスチャンバが、上述のプロセスチャンバのうちの1つなどの、プラズマ源(例えば、遠隔、マイクロ波、容量結合プラズマ(CCP)、又は誘導結合プラズマ(ICP))を有する任意のCVDプロセスチャンバであってよい。幾つかの実施形態では、以下で説明される流量及び他の処理パラメータが、300mmの基板向けのものである。これらのパラメータは、本明細書で開示される実施形態から逸脱せずに処理される基板のサイズ及び使用されるチャンバの種類に基づき調整することができると理解すべきである。特定の実施形態では、プラズマ源が、マイクロ波プラズマ化学気相堆積チャンバを提供するためのマイクロ波プラズマ源である。
【0026】
[0032] 本明細書で使用される「基板表面」は、その上でフィルム処理を行うことができる基板上に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、処理を実行することができる基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、並びに金属、窒化金属、金属合金、及び他の導電性材料などの任意の他の材料などのような材料が含まれる。基板表面はまた、二酸化ケイ素や、炭素がドープされた酸化ケイ素などのような、誘電体材料も含み得る。基板は、長方形又は正方形のペイン(pane)だけではなく、200mm、300mm、又は他の直径のウエハなどの、様々な寸法を有し得る。
【0027】
[0033] 次いで、堆積ガスは、プラズマ(特定の実施形態では、マイクロ波プラズマ)によって活性化されてよく、活性化された堆積ガスを生成することができる。堆積ガスは、電源を使用してプラズマを生成することによって活性化することができる。ガスを反応性核種に活性化させ、反応性核種のプラズマを維持することができる任意の電源が使用されてもよい。例えば、高周波(RF)、直流(DC)、又はマイクロ波(MW)ベースの電力放電技法が使用されてもよい。電源は、プラズマ源(例えば、遠隔、マイクロ波、CCP、又はICP)を有するCVDプロセスチャンバに印加されて、堆積ガスのプラズマを生成し、維持するソースプラズマ電力を生成する。ソースプラズマ電力にRF電力を使用する実施形態では、ソースプラズマ電力は、約2MHzから約170MHzの周波数、及び500Wと12,000Wとの間の電力レベルで供給され得る。他の実施形態は、約2,000Wから約12,000Wでソースプラズマ電力を供給することを含む。印加される電力は、処理される基板のサイズに応じて調整することができる。1以上の実施形態では、マイクロ波プラズマが、約2,000Wから約12,000Wの範囲内の電力で連続波として印加される。
【0028】
[0034] CVDチャンバ内の高圧、ならびに他の要因に基づいて、ラジカル生成が最大化される一方で、イオン化種の生成が最小化される。理論に束縛されることを意図するものではないが、ナノ結晶ダイヤモンド層は、sp2結合ではなく主にsp3結合であるべきであると考えられている。更に、層の堆積中にイオン化種よりもラジカル種の数を増加させることによって、より多くのsp3結合を実現することができると考えられている。イオン化種は、高エネルギーであり、ラジカルよりも多くの移動のための余地を必要とし得る。一旦活性化されると、第1の空間内で生成された活性化された堆積ガスは、次いで、第2の圧力を有する第2の空間を通して供給される。第2の空間は、第2のチャンバ、又はプロセス空間とプラズマ源を有するCVDチャンバとの間の別の密閉エリアであってよい。一実施例では、第2の空間が、プラズマ源を有するCVDチャンバとプロセス空間との間の連結部である。
【0029】
[0035] 次いで、堆積ガスを活性化して活性化された堆積ガスを生成することができる。堆積ガスは、電源を使用してプラズマを生成することによって活性化することができる。ガスを反応性核種に活性化させ、反応性核種のプラズマを維持することができる任意の電源が使用されてもよい。電源は、CVDプラズマチャンバに印加されるソースプラズマ電力を生成して、堆積ガスのプラズマを生成し、維持する。ソースプラズマ電力にMW電力を使用する実施形態では、ソースプラズマ電力は、約2MHzから約170MHzの周波数、及び500Wと12,000Wとの間の電力レベルで供給され得る。他の実施形態は、約2,000Wから約12,000Wでソースプラズマ電力を供給することを含む。印加される電力は、処理される基板のサイズに応じて調整することができる。
【0030】
[0036] 特定の実施形態では、本明細書で説明されるプロセスを使用して、基板上にナノ結晶ダイヤモンド層を形成することができる。
図1A~
図1Dは、ハードマスクとしてナノ結晶ダイヤモンド層を組み込む、集積回路製造シーケンスの種々の段階における基板102の概略断面図を示している。
図1A~
図1Dでは、堆積されるナノ結晶ダイヤモンド層108が、厚さ、すなわちT
1、高弾性率(E>250GPa)、低い粗さ、及び硬度を有する。1以上の実施形態では、第1のナノ結晶ダイヤモンド層108が、約250nmから約650nmの範囲内の厚さT
1を有する。1以上の実施形態では、原子間力顕微鏡(AFM)によって測定されるナノ結晶ダイヤモンド層108の粗さが、25nm
rms未満である。
【0031】
[0037]
図1Aは、デバイス100の断面図を示している。1以上の実施形態では、デバイス100がNANDデバイスであってよい。デバイス100は、基板102と、複数のデバイス層104、106と、複数のデバイス層104、106上に形成されたナノ結晶ダイヤモンドマスク層108とを含む。
【0032】
[0038] 1以上の実施形態では、基板102が、単結晶シリコン、シリコンゲルマニウム(Si-Ge)、若しくはシリコンゲルマニウムカーボン(Si-Ge-C)などのIV-IV化合物、III-V化合物、II-VI化合物、そのような基板上のエピタキシャル層、又は酸化ケイ素、ガラス、プラスチック、金属、若しくはセラミック基板などの任意の他の半導体若しくは非半導体材料などのような、当技術分野で知られている任意の半導体基板であってよい。1以上の実施形態では、基板102が、メモリデバイス(図示せず)用の駆動回路などの、その上に製造された集積回路を含んでよい。
【0033】
[0039] 1以上の実施形態では、複数のデバイス層104、106を基板102の表面の上に形成することができる。複数のデバイス層104、106は、3D垂直NAND構造の構成要素を形成する堆積層であってよい。構成要素は、複数のデバイス層(例えば、誘電体、若しくは個別の電荷蓄積セグメント)の全部又は一部によって形成されてもよい。誘電体部分は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、又は他のhigh-k絶縁材料などの、任意の1以上の同じ又は異なる電気絶縁材料から独立して選択することができる。一実施形態では、構造が、交互様式で堆積された酸化ケイ素/窒化ケイ素対を含んでよい。この対は、全高さが100と600Åとの間であってよい。対の数は、32対、64対、又はそれ以上など、10対より多くてもよい。
【0034】
[0040] 幾つかの実施形態では、反射防止コーティング110が、ナノ結晶ダイヤモンド層108上にあり、フォトレジスト112が、反射防止コーティング110上にある。幾つかの実施形態では、反射防止コーティング110が、誘電体反射防止コーティング(DARC)である。
図1Bを参照すると、ナノ結晶ダイヤモンド層108の上面の部分を露出させる開口部113を形成するために、反射防止コーティング110がパターニングされる。
【0035】
[0041]
図1C及び
図1Dを参照すると、デバイス100はチャネル114を備える。チャネル114は、ナノ結晶ダイヤモンド層108及び複数のデバイス層104、106を貫通して形成される。チャネル114は、基板102の上面に対して実質的に垂直であってよい。例えば、チャネル114は、柱形状を有してよい。チャネル114は、基板102の上面に対して実質的に垂直に延在し得る。幾つかの実施形態では、チャネル114が、充填されたフィーチャであってよい。幾つかの他の実施形態では、チャネル114が中空であってもよい。このような実施形態では、絶縁充填材料(図示せず)が、チャネル114によって取り囲まれる中空部分を充填するように形成されてもよい。絶縁充填材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、又は他のhigh-k絶縁材料などの任意の電気絶縁材料を含んでよい。
【0036】
[0042]
図1Dを参照すると、1以上の実施形態では、チャネル114が形成された後で、反射防止コーティング110を除去することができる。チャネル114には、任意の適切な半導体材料、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、若しくはIII-V、II-VIなどの他の化合物半導体材料、又は導電性若しくは半導体酸化物、或いは他の材料を使用することができる。半導体材料は、アモルファス、多結晶、又は単結晶であってもよい。半導体チャネル材料は、任意の適切な堆積方法によって形成され得る。例えば、一実施形態では、半導体チャネル材料が、低圧化学気相堆積(LPCVD)によって堆積される。他の実施形態では、半導体チャネル材料が、最初に堆積されたアモルファス半導体材料を再結晶化させることによって形成された再結晶化された多結晶半導体材料であってもよい。
【0037】
[0043] 本明細書で説明される方法は、回転ペデスタルなどのペデスタルであってよい基板支持体210を含む基板処理チャンバ200を示している
図2で示されているような、基板処理チャンバ200内で実行され得る。少なくとも1つのプロセス
ガスインプット204が、1以上のプロセスガスを処理チャンバ内部空間202に投入するために設けられる。プラズマ電源206が、チャンバの中に電力を入力し、チャンバは、処理チャンバ200の内部空間202内にプラズマ214を生成する。特定の実施形態では、プラズマ電源206が、マイクロ波プラズマ電源である。ガスは、ポンプ出口208を通ってチャンバから出る。
【0038】
[0044] 次に
図3を参照すると、ダイヤモンド層を基板上に堆積させる方法300が、302で、本明細書で説明されるような基板を基板処理チャンバ(例えば、プラズマ化学気相堆積チャンバ)内に配置することを含む。304で、該方法は、第1、第2、第3、及び第4のガスを基板処理チャンバの内部空間の中に流入させて、混合ガスを提供することを含む。304では、プラズマが生成される。プラズマを生成することは、基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスプラズマを生成することを含み得る。1以上の実施形態では、混合ガスが、H
2を含む第1のガス、CO
2を含む第2のガス、CH
4と、C
2H
2と、C
2H
4とからなる群から選択される第3のガス、及び不活性ガスを含む第4のガスを含む。308で、該方法は、厚さ、粗さ、硬度、及び弾性率を有するナノ結晶ダイヤモンド層を基板上に堆積させることを含む。
【0039】
[0045] 1以上の実施形態では、不活性ガスが、ヘリウム(He)、窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の一実施形態では、混合ガスが、10体積パーセント(vol.%)から90体積%、例えば、10sccmから96sccmの範囲内のH2、合わせて2体積%から10体積%(例えば、2sccmから10sccm)の範囲の第3のガスと第2のガス、及び10体積%から90体積%(例えば、10sccmから90sccm)の範囲内のアルゴンを含む。別の特定の一実施形態では、混合ガスが、20から80体積%(例えば、20sccmから80sccm)の範囲内のH2を含み、合わせて3から8体積%(例えば、3sccmから8sccm)の範囲の第3のガスと第2のガス、及び20から80体積%(例えば、20sccmから80sccm)の範囲内のアルゴンを含む。別の特定の一実施形態では、混合ガスが、30から70体積%(例えば、30sccmから70sccm)の範囲内のH2を含み、合わせて4から6体積%(例えば、4sccmから6sccm)の範囲の第3のガスと第2のガス、及び30から70体積%(例えば、30sccmから70sccm)の範囲内のアルゴンを含む。
【0040】
[0046] 直前で説明された実施形態のいずれにおいても、基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスプラズマを生成することは、2,000Wから12,000Wの範囲内のピーク電力でマイクロ波プラズマを使用して生じ、このマイクロ波プラズマは、10Hzから300Hzの範囲内の周波数において、ピーク電力の10%から90%の範囲内でパルス化される。代替的な実施形態では、基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスプラズマを生成することが、3,000Wから9,000Wの範囲のピーク電力でマイクロ波プラズマを使用して生じ、このマイクロ波プラズマは、40Hzから270Hzの範囲内の周波数において、ピーク電力の25%から80%の範囲内でパルス化される。
【0041】
[0047] 上述の実施形態のいずれにおいても、基板処理チャンバ内の混合ガスは、0.1Torrから1.0Torrの範囲内の圧力にある。代替的な実施形態では、基板処理チャンバ内の混合ガスが、0.2Torrから0.8Torrの範囲内の圧力にある。
【0042】
[0048] 上述の実施形態のいずれにおいても、基板処理チャンバ内の混合ガスは、450℃から600℃の範囲内の温度にある。代替的な実施形態では、基板処理チャンバ内の混合ガスが、500℃から550℃の範囲内の温度にある。
【0043】
[0049] 1以上の実施形態では、該方法が、ナノ結晶ダイヤモンド層を形成し、好適には、ナノ結晶ダイヤモンドの粗さが、25nm rms未満、24nm rms未満、23nm rms未満、22nm rms未満、21nm rms未満、20nm rms未満、19nm rms未満、18nm rms未満、17nm rms未満、16nm rms未満、15nm rms未満、14nm rms未満、13nm rms未満、12nm rms未満、10nm rms未満、9nm rms未満であり、且つ0.5nm rmsを超える。
【0044】
[0050] 特定の実施形態では、ナノ結晶ダイヤモンド層が、下層のナノ結晶ダイヤモンド層を含まない基板表面上に形成される。幾つかの実施形態では、プラズマCVDプロセスによって形成されるナノ結晶ダイヤモンド層が単層であるか、又はその単層が下層のナノ結晶ダイヤモンド層上に形成されない。
【0045】
[0051] 基板処理チャンバは、コントローラによって制御することができる。本開示は、本明細書で説明される方法が、一般に、コントローラ又はプロセッサによって実行されたときに、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてメモリ内に記憶され得ることを提供する。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置付けられた第2のコントローラ又はプロセッサ(図示せず)によって、記憶及び/又は実行され得る。本開示の方法の一部又は全部をハードウェア内で実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェア内に実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路若しくは他の種類のハードウェア実施態様としての、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとしてのハードウェア内で実行され得る。ソフトウェアルーチンは、コントローラ又はプロセッサによって実行されたときに、本明細書で説明される方法が実行されるように、汎用コンピュータを、チャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0046】
[0052] コントローラ又はプロセッサは、指示命令を含む非一過性のコンピュータ可読媒体を含み得る。該指示命令は、基板処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、方法によって、基板処理チャンバに、ダイヤモンド層を基板上に堆積することを実行させる。該方法は、基板処理チャンバ内の混合ガス内にパルスマイクロ波プラズマを生成することを含む。混合ガスは、10から90体積%(例えば、10sccmから96sccm)の範囲内のH2を含む第1のガス、CO2を含む第2のガス、CH4と、C2H2と、C2H4とからなる群から選択される第3のガス、並びに10から90体積%(例えば、10sccmから90sccm)の範囲内の、ヘリウム(He)、窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される不活性ガスを含む第4のガスを含み、第3のガスと第2のガスとは合わせて2から10体積%(例えば、2sccmから10sccm)の範囲にあり、該方法は更に、ナノ結晶ダイヤモンド層を基板上に堆積させることを含む。
【0047】
[0053]上述の明細書では、本発明の特定の例示の実施形態を参照しながら本発明の実施形態を説明してきた。以下の特許請求の範囲に記載されるように、本発明の実施形態のより広い主旨及び範囲から逸脱しない限り、本発明に様々な修正を加えることができることが明らかになろう。従って、本明細書及び図面を限定的と捉えるのではなく、例として見なすべきである。
【0048】
[0054] この明細書全体を通じて、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「1以上の実施形態(one or more embodiments)」、又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、この明細書全体の様々な箇所での「1以上の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特質は、1以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わされ得る。
【0049】
[0055] 本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図されている。