(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】校正用熱電発電モジュール
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20240222BHJP
H10N 10/17 20230101ALI20240222BHJP
H10N 10/854 20230101ALI20240222BHJP
【FI】
H02N11/00 A
H10N10/17 A
H10N10/854
(21)【出願番号】P 2021014374
(22)【出願日】2021-02-01
(62)【分割の表示】P 2019532445の分割
【原出願日】2018-06-20
【審査請求日】2021-06-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2017145692
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 和夫
(72)【発明者】
【氏名】相原 誠
(72)【発明者】
【氏名】太田 道広
(72)【発明者】
【氏名】西当 弘隆
(72)【発明者】
【氏名】高澤 弘幸
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】八木 敬太
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-510992(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208561(WO,A1)
【文献】特開2013-26334(JP,A)
【文献】特開2014-33114(JP,A)
【文献】国際公開第2017/038324(WO,A1)
【文献】特開昭63-299383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電発電モジュールの評価装置の校正用熱電発電モジュールであって、
上部電極と下部電極の間に並列に配置された複数の熱電変換素子を含み、
複数の熱電変換素子の各々の側面に、当該熱電変換素子の内部において直交するように複数の貫通孔を設け、
前記複数の熱電変換素子の各々は、Ni合金からなる
ことを特徴とする、校正用熱電発電モジュール。
【請求項2】
前記複数の熱電変換素子の各々は、直方体の形状を有しており、
前記貫通孔は、前記熱電変換素子の隣り合う2つの側面の各々に設けられている
請求項1記載の校正用熱電発電モジュール。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記熱電変換素子の各側面に複数設けられている
請求項2記載の校正用熱電発電モジュール。
【請求項4】
前記貫通孔の断面は、円形または方形の形状を有する、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の校正用熱電発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電発電モジュールに関し、具体的には、熱電発電モジュールの評価装置の校正用の熱電発電モジュールに関し、より具体的には、その校正用の熱電発電モジュールを構成する熱電変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電変換技術とは、固体の熱電変換素子を用いて熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する技術である。熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術は、熱電発電と呼ばれ、熱電効果の1つであるゼーベック効果に基づく。熱電発電では、熱電変換素子の両端間の温度差が電気エネルギーに直接変換される。この熱電発電を利用して、工場や自動車から排出されている膨大な未利用熱エネルギーを回収し、そこから電力を生み出すことで、化石燃料の消費量低減、更にはCO2削減と省エネルギーに大いに貢献できる。
【0003】
熱電変換素子は、一般に熱電変換材料が2つの電極で挟持された構成を有する。その熱電変換素子を用いて熱電発電モジュールを構成することができる。具体的には、例えば、P型熱電変換素子(電荷を運ぶキャリアが正孔)と、N型熱電変換素子(電荷を運ぶキャリアが電子)を、上部接合電極と下部接合電極を用いて熱的には並列に電気的には直列に接続することにより、熱電発電モジュールを得る。熱電発電モジュールはP型-N型熱電変換素子一対でも熱電発電モジュールとして機能するが、通常、より大きな出力を得るために、P型-N型熱電変換素子を複数対接続して熱電発電モジュールとし、さらにこの熱電発電モジュールを複数個組み合わせて、熱電発電装置を構成する。
【0004】
熱電発電装置を構成する熱電発電モジュールの性能規格の標準化を進める上で、熱電発電モジュールの開発・製造メーカ等において、熱電発電モジュールの特性評価がより適切かつ正確に行われる必要がある。そのためには、熱電発電モジュールの特性評価を行う評価装置の校正が不可欠である。評価装置の校正は基準(標準)となる校正用の熱電発電モジュールを用いて行うのが一般的である。評価装置の校正においては校正用の熱電発電モジュールの高温側に500℃程度の温度を付加する必要があるが、従来の熱電発電モジュールを用いた場合以下のような問題がある。
【0005】
熱電発電モジュール自体の問題として、高温側温度500℃に耐える校正用の熱電発電モジュールに使用できる熱電変換素子が容易に入手できないことが挙げられる。例えば、現在一般販売されているBiTe系焼結体の熱電変換素子は、最高使用温度230℃程度である。また、Mg2Si系焼結体の熱電変換素子などは500℃にて使用可能であるが、熱電変換素子自体の耐久性の課題があり校正用としては使用できない。さらに、SiGe系焼結体の熱電変換素子などは500℃にて使用可能であるが、その熱膨張係数がCu、Au、Niなどの金属電極の熱膨張係数との差が大きく、熱電変換素子と金属電極間の接合部剥がれや素子自体の破損が懸念され、熱電発電モジュールとして耐久性の問題があるので校正用としては使用できない。
【0006】
熱電発電モジュールの評価装置側の問題として、高温側温度500℃で使用可能な金属系、金属の合金系の熱電変換素子を用いた場合、素子内を流れる熱流(熱流束)が大きくなり、評価装置に通常考えられる以上の熱流が入力されてしまい、熱流を正確に測れない恐れがある。具体的には、大きい熱流が熱電発電モジュールの評価装置の冷却装置の能力を超えてしまい、低温側温度及び高温側と低温側の間の温度差を一定に保つのが難しくなる。
【0007】
特許文献1は、熱電素子の形状を、熱流束と垂直な断面方向において面積が一様とならない形状、例えば、円錐台や角錐台、あるいはこれらを複数組み合わせた形状、球を組み合わせた形状にすることによって、熱電素子内にホットスポットを形成して成る、熱電素子内の高温側と低温側の温度差を大きくすることを可能とした熱電発電素子を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の熱電変換素子は、円錐台や角錐台の形状を有し、上下の電極に接する面の一方の断面積が小さくなる。評価装置での評価対象となる通常の直方体や円柱形の形状を有する上下の電極に接する面の断面積が同一である熱電変換素子とは、形状や接合条件が異なる。よって、熱流の低減を図ろうとすればするほど、金属電極との接合面が小さくなるので、十分な接合強度を得られない恐れがある。つまり、熱電発電モジュールの評価装置の校正用の熱電発電モジュールを構成する熱電変換素子としては適していない。また、円錐台形状の熱電素子2個の小さい円同士を通電過熱等により結合させた熱電変換素子も、同様に小さな接合面となることから、十分な強度を保てない恐れがある。
【0010】
本発明は、高温側温度が500℃以上の高温でも熱流(熱流束)が抑制され、かつ通常の熱電変換素子の形状に近く、上下の電極に接する面の断面積が同一であって接合強度が確保でき、熱電発電モジュールの評価装置の校正用の熱電発電モジュールとして利用可能な熱電変換素子及びこれを含む熱電発電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様の熱電発電モジュールの評価装置の校正用熱電発電モジュールは、上部電極と下部電極の間に並列に配置された複数の熱電変換素子を含み、複数の熱電変換素子の各々の側面に、発電時において上部電極と下部電極の間の熱流の増加を抑制するように、少なくとも1つ以上の貫通孔を設け、複数の熱電変換素子の各々は、Ni合金からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様の校正用熱電発電モジュールによれば、熱電変換素子の側面に設けられた貫通孔により、発電時において上部電極と下部電極の間の熱流(熱流束)が抑制され、また、発電効率を貫通孔の無い熱電変換素子を用いた場合よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】従来の熱電発電モジュールの構成(一対のP-N熱電変換素子)を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態の熱電変換素子の構成を示す図である。
【
図4】従来の熱電発電モジュールの外観を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例の熱電発電モジュールの外観を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例の熱電発電モジュールの特性を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例の熱電発電モジュールの特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、比較のため及び本発明と共通する構成を理解するために、適宜従来の熱電変換素子及び熱電発電モジュールに関する図面も参照しながら説明を行う。
【0015】
図1は、従来の熱電変換素子の構成を示す図である。熱電変換素子10は、熱電変換材料1が2つの電極材料2a、2bで挟持された構成とされる。電極材料2a、2bは、熱電変換材料1と、後述する接合電極とを電気的、熱的に接続して、電流や熱を良く伝える一方で、熱電変換材料1と接合電極との反応を抑制する役割、及び熱電変換材料1と接合電極と間の応力を緩和する役割を有する。
【0016】
図2は、従来の熱電発電モジュールの構成(一対のP-N熱電変換素子)を示す図である。熱電発電モジュール100は、熱電変換素子20と熱電変換素子30の2つの熱電変換素子と、上部にこれら2つの熱電変換素子を架け渡すように配される1つの上部接合電極13と、熱電変換素子20及び熱電変換素子30の下部にそれぞれ配される下部接合電極14、14’とを含む。
図2に示すように熱電発電モジュール100は全体がπ型の形状とされる。
【0017】
上部接合電極13及び下部接合電極14、14’は、前述の接合電極に相当する。これらの上部接合電極13及び下部接合電極14、14’には、電気的、熱的な伝導性の良い材料が使用される。例えばCu、Au、Niなどが使われる。その厚さは、生産性を考慮して、上限1mm程度である。また、熱電変換素子20は、
図1の熱電変換素子10と同様、熱電変換材料11が2つの電極12a、12bで挟持された構成とされ、熱電変換素子30も熱電変換材料11’が2つの電極12a’、12b’で挟持された構成とされる。
【0018】
熱電発電モジュール100においては、熱電変換素子20がP型熱電変換素子(電荷を運ぶキャリアが正孔)であると、対の熱電変換素子30がN型熱電変換素子(電荷を運ぶキャリアが電子)である。上部接合電極13側を高温にし、下部接合電極14、14’側を低温にすると、下部接合電極14-14’間に電位差を生じさせる熱電発電モジュールとして利用することができる。なお、以上の従来の熱電変換素子10及び熱電発電モジュール100の構成の内、熱電変換材料1、11、11’の構成(形態)を除いて他の構成は、以下に説明する本発明の一実施形態の熱電発電モジュールと基本的に同様である。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態の熱電変換素子の構成(外観)を示す図である。
図3の(a)~(c)は、縦長の直方体の形状を有する3つの熱電変換素子40、41、42の例を示す。(a)の熱電変換素子40では、熱電変換材料3が2つの電極材料4a、4bで挟持された構成を有する。熱電変換材料3の4つの側面の各々に、言い換えれば隣り合う2つの側面の各々に、断面が円形の貫通孔5が2つ内部で直交するように設けられている。
【0020】
図3(b)の熱電変換素子41では、同様に熱電変換材料3が2つの電極材料4a、4bで挟持された構成を有する。熱電変換材料3の4つの側面の各々に、言い換えれば隣り合う2つの側面の各々に、断面が方形の貫通孔6が2つ内部で直交するように設けられている。(c)の熱電変換素子42では、同様に熱電変換材料3が2つの電極材料4a、4bで挟持された構成を有する。熱電変換材料3の隣り合う2つの側面の各々に断面が円形の貫通孔7が1つ設けられている。なお、図示はしていないが、上記した縦長の直方体の形状に代えて、縦長の円柱の形状を有する場合も(a)~(c)で示したような貫通孔を設けることで他の一実施形態として本発明に含まれる。
【0021】
図3の各実施形態の熱電変換素子40~41において、貫通孔3~5の数と開口サイズは、発電時、すなわち上下の電極材料4a、4bに所定の温度差を与えた時に熱電変換材料3を流れる熱流を抑制するために有効な範囲で決めることができる。貫通孔の数と開口サイズが大きくなれば、貫通孔を介して熱電変換材料3の実質的伝熱経路が狭くなり熱抵抗が大きくなるため、熱電変換材料3を流れる熱流をより大きく抑制することができる。ただし、発電時において、熱電変換材料3は同時に生じた電位差による電流路となることから、貫通孔の数と開口サイズを大きくしすぎると反って発電量(発電効率)を下げてしまうことになる。したがって、熱流(その抑制)と発電量(その維持)のバランスを考慮して貫通孔の数と開口サイズを決める必要がある。
【0022】
熱電変換材料3の材料は、本発明の一実施形態の熱電変換素子41~42が校正用熱電発電モジュールの一部として使用されることから、高温となる上側の電極4bの温度が500℃以上でも耐え得ることができる材料が選択される。また、側面に貫通孔を設けることからその加工が可能な容易な材料であることも求められる。さらに、加熱時の接合剥がれ等を防ぐために、上下の電極材料4a、4bとなり得る金属(例えばCu、Au、Niなど)に近い熱膨張係数を有する材料であることが望ましい。これらの条件を満たす熱電変換材料3の材料として、例えばP型熱電変換素子となるNiCr合金、N型熱電変換素子となるCuNi合金などが挙げられる。なお、熱電変換材料3の材料はこの一例に限定されず、上記の3条件を満たし得る材料であれば他の任意の材料を選択することができる。
【実施例】
【0023】
図4~
図7を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図4は、比較のための従来の熱電発電モジュールの外観を示す図である。
図5は、本発明の一実施例の熱電発電モジュールの外観を示す図である。
図6と
図7は、
図4と
図5の熱電発電モジュールの特性を示す図である。
図4(a)の従来の熱電発電モジュール50では、高温となる上側の基板51と低温となる下側の基板52の間に、(b)の形状の熱電変換素子10が16個並列に配置されている。16個の熱電変換素子10の内、P型とN型が8個ずつあり、1つずつ交互に並列に配置されている。(b)の熱電変換素子10は、
図1の熱電変換材料1が2つの電極材料2a、2bで挟持された構成と同様である。
【0024】
図5の本発明の一実施例の熱電発電モジュール60では、高温となる上側の基板61と低温となる下側の基板62の間に、(b)の形状の熱電変換素子40が16個並列に配置されている。16個の熱電変換素子40の内、P型とN型が8個ずつあり、1つずつ交互に並列に配置されている。(b)の熱電変換素子40は、
図3(a)の貫通孔5を有する熱電変換材料3が2つの電極材料4a、4bで挟持された構成と同様である。
図4と
図5の熱電変換素子10、40では、熱電変換素子の形状(貫通孔の有無)が異なるだけで他の構成は基本的に同様である。
【0025】
下記の表1に
図5(b)の本発明の一実施例の熱電変換素子40の基本仕様を示す。表中の最後の2行の部位名を
図4(b)の孔無しP型素子、孔無しN型素子とすれば、
図4(b)の従来の熱電変換素子10も同様な仕様(サイズ、材料等)を有する。表中の高温側及び低温側基板として、表面に0.2mm厚の銅を貼り付けた窒化ケイ素からなる基板を用いた。表中の低温側接合材のSn63Pb37の元素名の後ろの数字は原子%を意味し、mp183℃は融点が183℃であることを示している。同様に表中のNi90Cr10とCu55Ni45の元素名の後ろの数字は原子%を意味する。また、表中のサイズの単位はミリメートル(mm)であり、Φ2は貫通孔の直径が2mmであることを示す。
【0026】
【0027】
図6は、
図4と
図5の熱電発電モジュールの各々において、高温側500℃、低温側50℃の温度負荷を与え、その時の発電効率導出のために上下の電極間の通過熱流の測定を行った結果を示す。Aのグラフは
図5の本発明の一実施例の熱電発電モジュール60の熱流Q(W)であり、Bのグラフは
図4の従来の熱電発電モジュール50の熱流Q(W)である。Aの本発明の熱流Qは約74Wであり、熱流密度は約9.4W/cm
2であった。一方、Bの従来構造の熱流は約234Wであり、熱流密度は約29.8W/cm
2であった。両者の比較から、
図5の本発明の一実施例の熱電発電モジュール60では
図4の従来構造に較べて通過熱流を約69%低減(抑制)することができた。
【0028】
図7は、
図6の測定条件下で得られた熱から電気への熱電変換効率η(%)を示す。Aのグラフは
図5の本発明の一実施例の熱電発電モジュール60の変換効率η(%)であり、Bのグラフは
図4の従来の熱電発電モジュール50のη(%)である。Aの本発明の変換効率ηは約0.52%であり、Bの従来構造の変換効率ηは約0.30%であった。両者の比較から、
図5の本発明の一実施例の熱電発電モジュール60では
図4の従来構造に較べて変換効率ηを約70%増加(向上)させることができた。
【0029】
図7の変換効率ηの向上は、
図6の熱流Qの低減効果に依ることが大きいと考えられる。すわち、変換効率ηは、発電出力Pと熱電変換素子の通過熱流Q
outを用いて下記の式(1)で表すことができる。
η=P/(Q
out+P)×100(%) (1)
式(1)から変換効率ηを上げるには通過熱流Q
outを低減させることが有効であることがわかる。
【0030】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明をした。しかし、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。さらに、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できるものである。例えば、熱電変換素子の側面の貫通孔に代えて、熱電変換材料を貫通しない途中までの深さの開口を設けて同様な熱流の低減効果を得るようにしてもよい。その際、開口の深さ等に応じて放出される熱流量を調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の熱電変換素子及びこれを用いた熱電発電モジュールは、熱電発電モジュールの評価装置の校正用の熱電発電モジュールとして産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1、3、11、11’ 熱電変換材料
2a、2b、4a、4b 電極材料
5、6、7 貫通孔
10、40、41、42 熱電変換素子
20 P型熱電変換素子
30 N型熱電変換素子
12a、12b、12a’、12b’ 電極
13 上部接合電極
14、14’ 下部接合電極
51、61 上側の基板
52、62 下側の基板