(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】制御されたエッチングのための単一エネルギイオン生成
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240222BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20240222BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2021500287
(86)(22)【出願日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 US2019041399
(87)【国際公開番号】W WO2020014480
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-11
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューブ・ジュリーン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ウー・イン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-244429(JP,A)
【文献】特開2000-150196(JP,A)
【文献】特開平06-267900(JP,A)
【文献】特開平03-072620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される
単一エネルギイオンを生成するための方法であって、
第1の材料層および第2の材料層を有し、プラズマチャンバにおいてエッチングされる基板の前記第1の材料層の識別子を受け入れ、前記第1の材料層は、前記第2の材料層の上に配置されており、
前記第1の材料層の前記識別子に基づいて
、前記第1の材料層の下方の前記第2の材料層を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で前記第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別し、前記第1のエネルギバンドは、イオン束とイオンエネルギとの間の関数関係の半値全幅におけるイオンエネルギ値の範囲であり、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なり
、
高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルスRF信号を生成するために高周波(RF)発生器を制御し、前記パルスRF信号は、デューティサイクルを有し、前記パルスRF信号は、前記第1のエネルギバンド内のイオンエネルギを有するプラズマイオンを生成するために、前記高パラメータレベルと前記低パラメータレベルとの間でパルス化され、前記デューティサイクルを有し、
前記第1のエネルギバンドから測定イオンエネルギ範囲が既定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1のエネルギバンドから前記測定イオンエネルギ範囲が前記既定範囲内にないとの判定を受けて、前記デューティサイクルを修正し、前記デューテ
ィサイクルの修正は、前記関数関係の半値全幅におけるイオンエネルギ値の前記範囲から前記測定イオンエネルギ範囲が既定範囲内に入るまで実行される、ことを備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第1のエネルギバンドから前記測定イオンエネルギ範囲が前記既定範囲内にないとの判定を受けて、前記高パラメータレベルを他の高パラメータレベルに修正することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記デューテ
ィサイクルの修正は修正デューテ
ィサイクルを出力するために実行され、前記修正デューティサイクルは
、25%以下であり、前記低パラメータレベルは、前記高パラメータレベルの大きさ
の25%以下の大きさを有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記速度は、前記第1の材料層のエッチング直後に前記第2の材料層に到達したときに前記第2の材料層のエッチングを停止するように、前記第2の材料層に対して自己抑制的である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の材料層は、前記第2の材料層とは異なる、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエネルギバンドは、前記プラズマイオンの第1の範囲のイオンエネルギであり、前記第2のエネルギバンドは、第2の範囲のイオンエネルギであり、前記第1の範囲のイオンエネルギは、前記第2の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない、方法。
【請求項7】
単一エネルギイオンを生成するためのシステムであって、
第1の材料層および第2の材料層を有する基板をエッチングのために受け入れるように構成されているプラズマチャンバと、前記第1の材料層は、前記第2の材料層の上に配置されており、
前記第1の材料層の識別子を受け入れ、前記第1の材料層の前記識別子に基づいて
、前記第1の材料層の下方の前記第2の材料層を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で前記第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別するように構成されているホストコンピュータと、前記第1のエネルギバンドは、イオン束とイオンエネルギとの間の関数関係の半値全幅におけるイオンエネルギ値の範囲であり、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なり
、
前記ホストコンピュータに接続された高周波(RF)発生器であって、前記RF発生器は、高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルスRF信号を生成するように構成されているRF発生器と、前記パルスRF信号は、デューティサイクルを有し、前記パルスRF信号は、前記第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために、前記高パラメータレベルと前記低パラメータレベルとの間でパルス化し、前記デューティサイクルを有し、
前記ホストコンピュータは、前記第1のエネルギバンドから測定イオンエネルギ範囲が既定範囲内であるか否かを判定し、前記第1のエネルギバンドから前記測定イオンエネルギ範囲が前記既定範囲内にないとの判定を受けて、前記デューティサイクルを修正し、前記デューテ
ィサイクルの修正は、前記関数関係の半値全幅におけるイオンエネルギ値の前記範囲から前記測定イオンエネルギ範囲が既定範囲内に入るまで実行され、
前記パルスRF信号を受信し、変調RF信号を出力するように構成されているインピーダンス整合回路と、前記プラズマチャンバは、さらに、前記変調RF信号を受信し、それに応答して、前記第2の材料層を実質的にエッチングしない前記速度で前記第1の材料層をエッチングするように構成されている、
ことを備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記ホストコンピュータは、前記第1のエネルギバンドから前記測定イオンエネルギ範囲が前記既定範囲内にないとの判定を受けて、前記高パラメータレベルを他の高パラメータレベルに修正するように構成されている、システム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記速度は、前記第1の材料層のエッチング直後に前記第2の材料層に到達したときに前記第2の材料層のエッチングを停止するように、前記第2の材料層に対して自己抑制的である、システム。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、
前記デューテ
ィサイクルの修正は修正デューテ
ィサイクルを出力するために実行され、
前記パルスRF信号の前記修正デューティサイクルは
、25%以下であり、前記低パラメータレベルは、前記高パラメータレベルの大きさ
の25%以下の大きさを有する、システム。
【請求項11】
請求項7に記載のシステムであって、
前記第1の材料層は、前記第2の材料層とは異なる、システム。
【請求項12】
請求項7に記載のシステムであって、
前記第1のエネルギバンドは、前記プラズマイオンの第1の範囲のイオンエネルギであり、前記第2のエネルギバンドは、第2の範囲のイオンエネルギであり、前記第1の範囲のイオンエネルギは、前記第2の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない、システム。
【請求項13】
単一エネルギイオンを生成するためのコントローラであって、
プロセッサであって、
プラズマチャンバにおいてエッチングされる基板
の第1の材料層の識別子を受け入れ、
前記第1の材料層の前記識別子に基づいて
、前記第1の材料層の下方の第2の材料層を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で前記基板の第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別するように構成され、前記第1のエネルギバンドは、イオン束とイオンエネルギとの間の関数関係の半値全幅におけるイオンエネルギ値の範囲であり、前記第1のエネルギバンドは、前記基板の
前記第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なり
、
高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルス高周波(RF)信号を生成するようRF発生器を制御するように構成され、前記パルスRF信号は、デューティサイクルを有し、前記
パルスRF信号は、前記第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために、前記高パラメータレベルと前記低パラメータレベルとの間でパルス化し、前記デューティサイクルを有し、
前記第1のエネルギバンドから測定イオンエネルギ範囲が既定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1のエネルギバンドから前記測定イオンエネルギ範囲が前記既定範囲内にないとの判定を受けて、前記デューティサイクルを修正
するように構成されているプロセッサと、前記デューテ
ィサイクルの修正は、前記関数関係の半値全幅におけるイオンエネルギ値の前記範囲から前記測定イオンエネルギ範囲が既定範囲内に入るまで実行され、
前記第1の材料層および前記第2の材料層、前記第1のエネルギバンド、前記第2のエネルギバンド、前記高パラメータレベル、前記低パラメータレベル、ならびに前記デューティサイクルに関するそれぞれの情報を格納するために前記プロセッサに接続されているメモリデバイスと、
を備える、コントローラ。
【請求項14】
請求項13に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記第1のエネルギバンドから前記測定イオンエネルギ範囲が前記既定範囲内にないとの判定を受けて、前記高パラメータレベルを他の高パラメータレベルに修正するように構成されている、コントローラ。
【請求項15】
請求項13に記載のコントローラであって、
前記デューテ
ィサイクルの修正は修正デューテ
ィサイクルを出力するために実行され、
前記修正デューティサイクルは
、25%以下であり、前記低パラメータレベルは、前記高パラメータレベルの大きさ
の25%以下の大きさを有する、コントローラ。
【請求項16】
請求項13に記載のコントローラであって、
前記速度は、前記第1の材料層のエッチング直後に前記第2の材料層に到達したときに前記第2の材料層のエッチングを停止するように、前記第2の材料層に対して自己抑制的である、コントローラ。
【請求項17】
請求項13に記載のコントローラであって、
前記第1の材料層は、前記第2の材料層とは異なる、コントローラ。
【請求項18】
請求項13に記載のコントローラであって、
前記第1のエネルギバンドは、前記プラズマイオンの第1の範囲のイオンエネルギであり、前記第2のエネルギバンドは、第2の範囲のイオンエネルギであり、前記第1の範囲のイオンエネルギは、前記第2の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない、コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、制御されたエッチング動作を実施するための単一エネルギイオン生成のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認めるものではない。
【0003】
プラズマ装置は、高周波発生器、整合器、およびプラズマチャンバを備える。高周波発生器は整合器に結合され、整合器はプラズマチャンバに結合される。半導体ウエハは、処理のためプラズマチャンバ内に設置される。高周波発生器は高周波信号を生成し、高周波信号は、半導体ウエハを処理するために整合器を介してプラズマチャンバに供給される。高周波信号は、プラズマチャンバ内でプラズマイオンを生成する。これらのイオンはウエハ上で作用して、ウエハを処理する。
【0004】
これに関連して、本開示において説明される実施形態が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、制御されたエッチング動作を実施するために単一エネルギイオンを生成するためのシステム、装置、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。本実施形態は、様々な方法(例えば、コンピュータ可読媒体におけるプロセス、装置、システム、デバイス、または方法)で実施されうることを理解されたい。いくつかの実施形態が以下に説明される。
【0006】
基板を処理するために、プラズマイオンのイオンビーム、直流(DC)電源、または変調波形が用いられる。イオンビームは、プラズマイオン間の正電荷反発により発散して、イオンの角度広がりを増加させる。増加した角度広がりは、基板をエッチングするエッチング速度を低下させ、エッチングされたフィーチャの方向性を低下させる。DC電源は、高いリアクタンスを有し、少量の電流を生成する。少量の電流は、エッチング速度を低下させる。また、基板を処理するのにDC電源が用いられるときは、プラズマイオンの角度広がりを最適化することが難しい。変調波長も同様に、イオンの大きな角度広がりを有し、基板表面にわたって期待されるエッチングプロファイルを生成しない。
【0007】
様々な実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、基板の材料層をエッチングし、基板の1または複数の他の材料層を保護する単一エネルギのプラズマイオンを生成する。プラズマの単一エネルギイオンは、レベル間電圧パルスおよび/またはレベル間周波数パルスを用いて生成され、単一エネルギイオンを生成するために、電圧レベル、または周波数レベル、または電圧レベルのデューティサイクル、または周波数レベルのデューティサイクルが調整される。単一エネルギイオンは、期待されたエッチング速度プロファイルを実現し、エッチング速度を高め、選択率を高める。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、電圧レベルを調節し、電圧レベルのデューティサイクルを調節することを備える。例えば、より高い電圧レベルは、約25%以下などの低デューティサイクルで維持され、より低い電圧レベルは、約75%以上などの高デューティサイクルで維持される。また、この例では、より低い電圧レベルは、より高い電圧レベルの25%未満である。例を挙げると、より低い電圧レベルの全大きさは、より高い電圧レベルの任意の大きさの約25%より小さく、より高い電圧レベルの全大きさは、より低い電圧レベルの任意の大きさの約400%より大きい。より高い電圧レベルが維持されている状態においては、より高い電圧レベルの小デューティサイクルによりプラズマのプラズマシースによって電圧スパイクが生じ、高エネルギイオンを生成するためにプラズマシースを完全に帯電させるには時間が足りない。電圧スパイクは、短期間であり、より高い電圧レベルにおいて比較的大きい。より低い電圧レベルはより高いデューティサイクルで作動されるため、短期間の電圧スパイクの次に、この比較的大きい電圧スパイクから安定した低電圧レベルのプラズマシースへの放電が続く。電圧スパイク後のより低い電圧レベルへの放電は、この低平均シース電圧のプラズマシースに反応するプラズマイオンを生成する。低平均シース電圧のため、プラズマイオンは、そのエネルギの振幅が少なく、ほとんどが単一エネルギで、所望の材料をエッチングするのに十分なエネルギを有する。
【0009】
様々な実施形態では、方法について説明される。この方法は、エッチング用のチャンバに基板を受け入れることを含む。基板は、第1の材料層および第2の材料層を有する。第1の材料層は、第2の材料層の上に配置される。この方法は、さらに、第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別することを含む。第1のエネルギバンドは、第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なる。第1のエネルギバンドは、第2の材料層を実質的にエッチングしないように、第2の材料層に対して自己抑制的な速度で第1の材料層をエッチングするのに用いられる。この方法は、高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルス高周波(RF)信号を生成することを含む。パルスRF信号は、デューティサイクルを有する。パルスRF信号は、第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化し、デューティサイクルを有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムについて説明される。このシステムは、エッチングされる基板を受け入れるスロットを有するプラズマチャンバを備える。基板は、第1の材料層および第2の材料層を有する。第1の材料層は、第2の材料層の上に配置される。このシステムは、第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別するのに用いられるホストコンピュータを備える。第1のエネルギバンドは、第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なる。第1のエネルギバンドは、第2の材料層を実質的にエッチングしないように、第2の材料層に対して自己抑制的な速度で第1の材料層をエッチングするのに用いられる。このシステムは、さらに、ホストコンピュータに接続されたRF発生器を備える。RF発生器は、高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルスRF信号を生成するのに用いられる。パルスRF信号は、デューティサイクルを有する。パルスRF信号は、第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化し、デューティサイクルを有する。このシステムは、さらに、インピーダンス整合回路を備える。インピーダンス整合回路は、RFパルス信号を受信し、変調RF信号を出力する。プラズマチャンバは、変調RF信号を受信し、それに応答して、第2の材料層を実質的にエッチングしない速度で第1の材料層をエッチングする。
【0011】
様々な実施形態では、コントローラについて説明される。コントローラは、プロセッサを備える。プロセッサは、処理のためプラズマチャンバ内に設置された基板の第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別するように構成されている。第1のエネルギバンドは、基板の第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なる。第1の材料層は、第2の材料層の上に配置される。第1のエネルギバンドは、第2の材料層を実質的にエッチングしないように、第2の材料層に対して自己抑制的な速度で第1の材料層をエッチングするのに用いられる。プロセッサは、高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルスRF信号を生成するようRF発生器を制御するのに用いられる。パルスRF信号は、デューティサイクルを有する。パルスRF信号は、第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化し、デューティサイクルを有する。コントローラは、第1の材料層および第2の材料層、第1のエネルギバンド、第2のエネルギバンド、高パラメータレベル、低パラメータレベル、ならびにデューティサイクルに関するそれぞれの情報を格納するための、プロセッサに接続されたメモリデバイスを備える。
【0012】
本明細書に記載のシステムおよび方法のいくつかの利点は、より低い電圧レベルなどの低パラメータレベルが維持される期間と比べて、より高い電圧レベルなどの高パラメータレベルが維持される期間を短縮することを含む。また、高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間で少なくとも一定量の差が維持される。この期間を短縮し、少なくとも一定量の差を維持することによって、プラズマチャンバ内で大量の単一エネルギイオンのプラズマが生成される。単一エネルギイオンは、基板の底部材料層を実質的にエッチングすることなく基板の上部材料層をエッチングするのに用いられる。単一エネルギイオンは、底部材料層に対する上部材料層の選択率を高め、上部材料層をエッチングするエッチング速度を高める。
【0013】
他の態様は、添付の図面と共に説明される以下の発明を実施するための形態から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
実施形態は、添付の図面と共に記載される以下の説明を参照して十分に理解されることができる。
【0015】
【
図1】単一エネルギイオンの生成のためのマルチレベルパラメータおよび周波数パルスを表すシステムの実施形態の図。
【0016】
【
図2】デジタルパルス信号、マルチレベルパラメータ信号、およびマルチレベル周波数信号を表す実施形態のグラフ。
【0017】
【
図3A】基板の第2の材料層のエッチングに対する基板の第1の材料層のエッチングにおける選択率を示す基板の実施形態。
【0018】
【
図3B】第1の材料層の上に置かれた第2の材料層が第1の材料層を実質的にエッチングすることなくエッチングされる、別の基板の実施形態の図。
【0019】
【
図4】第2の材料層を実質的にエッチングすることなく第1の材料をエッチングするためにプラズマチャンバ内で単一エネルギイオンのプラズマが生成された複数パラメータレベルおよび複数周波数レベルの識別を表すシステムの実施形態の図。
【0020】
【
図5】第1の材料層を実質的にエッチングすることなく第2の材料をエッチングするためにプラズマチャンバ内で単一エネルギイオンのプラズマが生成された複数パラメータレベルおよび複数周波数レベルの識別を表すシステムの実施形態の図。
【0021】
【
図6】イオン束とイオンエネルギとの関係を表す実施形態のグラフ。
【0022】
【
図7】イオン束とイオンエネルギとの関係を表す実施形態のグラフ。
【0023】
【
図8】プラズマチャンバ内で形成されたプラズマのプラズマシースの電圧と時間との関係を表す実施形態のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施形態は、制御されたエッチング動作を実施するために単一エネルギイオンを生成するためのシステムおよび方法を説明する。本実施形態がこれらの特定の詳細の一部または全てなしに実施されてよいことは明らかだろう。他の例では、本実施形態が必要以上にわかりにくくならないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。
【0025】
図1は、単一エネルギイオンの生成のためのマルチレベルパラメータおよび周波数パルスを表すシステム100の実施形態の図である。本明細書におけるパラメータの例は、電圧または電力である。システム100は、RF発生器RFG、ホストコンピュータ、インピーダンス整合回路IMC、およびプラズマチャンバを備える。プラズマチャンバの例は、容量結合プラズマ(CCP)チャンバを含む。インピーダンス整合回路の入力は、RFケーブル106を介してRF発生器に接続され、インピーダンス整合回路の出力は、RF伝送路108を介してプラズマチャンバの下部電極LEに接続されている。
【0026】
RF発生器の例は、キロヘルツ(kHz)の動作周波数を有する発生器である。例えば、RF発生器は、200kHzまたは400kHzの周波数で動作する。RF発生器の別の例は、メガヘルツ(MHz)の動作周波数を有する発生器である。例えば、RF発生器は、2MHz、13.56MHz、27MHz、または60MHzの周波数で動作する。
【0027】
ホストコンピュータの例は、デスクトップ型コンピュータ、コントローラ、タブレット型端末、サーバ、ラップトップ型コンピュータ、およびスマートフォンなどを含む。ホストコンピュータは、プロセッサおよびメモリデバイスを備える。プロセッサは、メモリデバイスに接続されている。本明細書におけるいくつかの実施形態では、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)、またはマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラである。同様に、本明細書における様々な実施形態では、デジタル信号プロセッサは、ASIC、またはPLD、またはCPU、またはマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラである。また、本明細書における様々な実施形態では、コントローラは、メモリデバイスを備え、ASIC、またはPLD、またはCPU、またはマイクロプロセッサを備える。コントローラにおいて、ASIC、またはPLD、またはCPU、またはマイクロプロセッサは、メモリデバイスに接続されている。例として、コントローラはマイクロコントローラである。メモリデバイスの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)を含む。例えば、メモリデバイスは、フラッシュメモリ、ハードディスク、またはストレージデバイスなどである。メモリデバイスは、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0028】
本明細書に記載のインピーダンス整合回路は、インピーダンス整合回路に接続された負荷のインピーダンスをインピーダンス整合回路の入力に接続されたソースのインピーダンスと整合させる1または複数の構成部品(例えば、1もしくは複数の抵抗器、または1もしくは複数のコンデンサ、または1もしくは複数のインダクタ、またはこれらの組み合わせ)の回路網である。構成部品の2つ以上は、互いに並列または直列に接続されている。インピーダンス整合回路の出力に接続された負荷の例は、プラズマチャンバおよびRF伝送路108を含む。また、インピーダンス整合回路の入力に接続されたソースの例は、RFケーブル106およびRF発生器を含む。
【0029】
プラズマチャンバは、上部電極UEおよび下部電極を備える。下部電極は、半導体ウエハなどの基板Sが設置される、チャックなどの基板支持体に埋め込まれている。チャックは、上部電極に面する。上部電極は、アース電位に接続されている。下部電極および上部電極の各々は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属でできている。
【0030】
RF発生器は、デジタル信号プロセッサDSP、周波数コントローラFCS1、別の周波数コントローラFCS0、パラメータコントローラPRS1、別のパラメータコントローラPRS0、駆動システムDRVR、およびRF電源を備える。本明細書に記載のコントローラは、ASIC、またはPLD、またはCPU、またはマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラ、またはメモリに接続されているマイクロプロセッサである。本明細書に記載の駆動システムの例は、1または複数のトランジスタを含む。本明細書に記載の駆動システムの別の例は、増幅器に接続された1または複数のトランジスタを含む。本明細書に記載のRF電源の例は、例えば200kHzから100MHzを含む範囲の高周波で正弦波信号を生成するRF発振器を含む。RF電源は、RFケーブル106に接続されている。
【0031】
デジタル信号プロセッサは、パラメータコントローラPRS1およびパラメータコントローラPRS0、ならびに、周波数コントローラFCS1および周波数コントローラFCS0に接続されている。パラメータコントローラPRS1およびパラメータコントローラPRS0、ならびに、周波数コントローラFCS1および周波数コントローラFCS0の各々は駆動システムに接続され、駆動システムはRF電源に接続されている。ホストコンピュータのプロセッサは、伝達網(例えば、転送ケーブル、コンピュータネットワーク、インターネット、またはイントラネット)を介してRF発生器のデジタル信号プロセッサに接続されている。本明細書における転送ケーブルの例は、並列にデータを転送する並列転送ケーブル、直列にデータを転送する直列転送ケーブル、またはユニバーサルシリアルバス(SUB)ケーブルを含む。
【0032】
本明細書に記載の基板は、1または複数の電子デバイス(例えば、携帯電話、またはタブレット型端末、またはプロセッサ、またはメモリデバイス、またはテレビ、または人工知能を応用するデバイス、またはモノのインターネット(IoT)の一部であるデバイス)に用いられる1または複数の半導体チップを製造するのに用いられる。
【0033】
ホストコンピュータのプロセッサは、デジタルパルス信号DPS1を生成し、伝達網を介してRF発生器のデジタル信号プロセッサに送信する。デジタルパルス信号DPS1は、複数の状態、状態S1および状態S0を有し、状態S1と状態S0との間で定期的に遷移する。状態S1の例は、高状態、オン状態、または論理レベル1である。状態S0の例は、低状態、オフ状態、または論理レベル0である。状態S1の発生期間は、状態S0の発生期間より短いことに注意されたい。例えば、デジタルパルス信号DPS1のデューティサイクルは、約50%(例えば、50%、または50%から統計範囲内、または0から50%の間)未満である。例を挙げると、デジタルパルス信号DPS1の状態S1の発生は、デジタルパルス信号DPS1の状態S1が発生し、状態S0が発生するクロックサイクル(例えば、以下に説明されるクロックサイクルC1またはクロックサイクルC2)の全期間の約25%の期間である。この例では、状態S0の発生は、状態S1の発生に連続する。
【0034】
本明細書における統計範囲とは、所定範囲、または分散、または標準偏差である。例えば、デジタルパルス信号DPS1の50%のデューティサイクルの統計範囲は、状態S1から状態S0へのデジタルパルス信号DPS1の遷移における標準偏差である。所定範囲の例は、0から5%の範囲である。例えば、デジタルパルス信号DPS1の状態S1から状態S0への遷移は、クロックサイクルの半分のゼロから5%以内で生じる。デジタルパルス信号DPS1の状態S1が発生し、デジタルパルス信号DPS1の状態S0が発生するクロックサイクルの約25%の期間の例は、クロックサイクルの25%である期間、および、クロックサイクルの25%から統計範囲内の期間を含む。別の例として、デジタルパルス信号DPS1の状態S1は、デジタルパルス信号DPS1の状態S1が発生し、状態S0が発生するクロックサイクルの全期間の約10%の期間に発生する。この例では、状態S0の発生は、状態S1の発生に連続する。デジタルパルス信号DPS1の状態S1が発生し、デジタルパルス信号DPS1の状態S0が発生するクロックサイクルの約10%の期間の例は、クロックサイクルの10%の期間、および、クロックサイクルの10%から統計範囲内の期間を含む。
【0035】
加えて、ホストコンピュータのプロセッサは、RF発生器によって生成されるRF信号102のパラメータレベルPRL1、およびRF信号102のパラメータレベルPRL2を送信する。パラメータレベルPRL2は、状態S1の間に生成され、パラメータレベルPRL1は、状態S0の間に生成される。パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2は、ホストコンピュータのメモリデバイスからホストコンピュータのプロセッサによって識別される。また、ホストコンピュータのプロセッサは、RF信号102の周波数レベルF1およびRF信号102の周波数レベルF2を送信する。周波数レベルF2は、状態S1の間に生成され、周波数レベルF1は、状態S0の間に生成される。周波数レベルF1および周波数レベルF2は、ホストコンピュータのメモリデバイスからホストコンピュータのプロセッサによって識別される。RF発生器のデジタル信号プロセッサは、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2、ならびに、周波数レベルF1および周波数レベルF2を受信すると、パラメータコントローラPRS0のメモリデバイスに格納するためにパラメータレベルPRL1をパラメータコントローラPRS0に送信し、パラメータコントローラPRS1のメモリデバイスに格納するためにパラメータレベルPRL2をパラメータコントローラPRS1に送信し、周波数コントローラFCS0のメモリデバイスに格納するために周波数レベルF1を周波数コントローラFCS0に送信し、周波数コントローラFCS1のメモリデバイスに格納するために周波数レベルF2を周波数コントローラFCS1に送信する。
【0036】
RF発生器のデジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号DPS1が状態S1を有するか、または状態S0を有するかを決定する。例えば、デジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号DPS1の論理レベルが所定閾値より高いか、または低いかを決定する。デジタルパルス信号DPS1の論理レベルが所定閾値より高いことを決定すると、デジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号DPS1の発生状態がS1であることを識別する。その一方で、デジタルパルス信号DPS1の論理レベルが所定閾値より低いことを決定すると、デジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号DPS1の発生状態がS0であることを識別する。別の例として、デジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号DPS1の論理レベルがゼロであるか、または1であるかを決定する。デジタルパルス信号DPS1の論理レベルが1であることを決定すると、デジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号136の発生状態がS1であることを識別し、デジタルパルス信号DPS1の論理レベルがゼロであることを決定すると、デジタル信号プロセッサは、デジタルパルス信号136の発生状態がS0であることを識別する。
【0037】
デジタルパルス信号DPS1が発生状態S1を有する期間に、デジタル信号プロセッサは、パラメータコントローラPRS1および周波数コントローラFCS1の各々に状態S1を示す信号を送信する。また、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S0を有する期間に、デジタル信号プロセッサは、パラメータコントローラPRS0および周波数コントローラFCS0の各々に状態S0を示す信号を送信する。
【0038】
さらに、パラメータコントローラPRS1は、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S1を有する期間に状態S1を示す信号を受信すると、パラメータコントローラPRS1のメモリデバイスからパラメータレベルPRL2にアクセスし、RF発生器の駆動システムにパラメータレベルPRL2を送信する。同様に、周波数コントローラFCS1は、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S1を有する期間に状態S1を示す信号を受信すると、周波数コントローラFCS1のメモリデバイスから周波数レベルF2にアクセスし、RF発生器の駆動システムに周波数レベルF2を送信する。
【0039】
そしてさらに、パラメータコントローラPRS0は、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S0を有する期間に状態S0を示す信号を受信すると、パラメータコントローラPRS0のメモリデバイスからパラメータレベルPRL1にアクセスし、RF発生器の駆動システムにパラメータレベルPRL1を送信する。同様に、周波数コントローラFCS0は、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S0を有する期間に状態S0を示す信号を受信すると、周波数コントローラFCS0のメモリデバイスから周波数レベルF1にアクセスし、RF発生器の駆動システムに周波数レベルF1を送信する。
【0040】
デジタルパルス信号DPS1が発生状態S1を有する期間に、RF発生器の駆動システムは、パラメータレベルPRL2および周波数レベルF2を受信し、パラメータレベルPRL2および周波数レベルF2に基づいて電流信号を生成し、RF電源に電流信号を提供する。また、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S1を有する期間に、RF電源は、駆動システムから電流信号を受信すると、RF信号102の一部を生成する。RF信号102の一部は、デジタルパルス信号DPS1の状態S1の発生の間、パラメータレベルPRL2および周波数レベルF2を有する。
【0041】
同様に、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S0を有する期間に、RF発生器の駆動システムは、パラメータレベルPRL1および周波数レベルF1を受信し、パラメータレベルPRL1および周波数レベルF1に基づいて電流信号を生成し、RF電源に電流信号を提供する。また、デジタルパルス信号DPS1が発生状態S0を有する期間に、RF電源は、駆動システムから電流信号を受信すると、RF信号102の一部を生成する。RF信号102の一部は、デジタルパルス信号DPS1の状態S0の発生の間、パラメータレベルPRL1および周波数レベルF1を有する。
【0042】
インピーダンス整合回路は、RFケーブル106を通じてRF信号102を受信し、インピーダンス整合回路の出力に接続された負荷のインピーダンスをインピーダンス整合回路の入力に接続されたソースのインピーダンスと整合させて変調RF信号104を生成する。変調RF信号104は、インピーダンス整合回路の出力から下部電極に供給される。
【0043】
変調RF信号104の供給に加えて、1または複数のプロセスガスがプラズマチャンバに供給されるときは、基板Sを処理するためにプラズマがプラズマチャンバ内で発生される、または維持される。1または複数のプロセスガスの例は、O2などの酸素含有ガスを含む。1または複数のプロセスガスの他の例は、テトラフルオロメタン(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、ヘキサフルオロエタン(C2F6)などのフッ素含有ガスを含む。本明細書に記載の基板処理の例は、基板上への材料の堆積、基板のエッチング、基板の洗浄、および基板のスパッタリングを含む。
【0044】
デジタルパルス信号DPS1の状態S1の発生の間にパラメータレベルPRL2および周波数レベルF2を有し、デジタルパルス信号DPS1の状態S0の発生の間にパラメータレベルPRL1および周波数レベルF1を有するRF信号102を生成することによって、基板Sを処理するためにプラズマチャンバ内でプラズマの単一エネルギイオンが生成される。状態S1の発生期間は、状態S0の発生期間より短いことに注意されたい。単一エネルギイオンは、基板Sの底部層を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で基板Sの上部層をエッチングする。基板Sの上部層は、基板Sの底部層の上に隣接している。
【0045】
いくつかの実施形態では、任意の数のRF発生器がインピーダンス整合回路に接続される。例えば、RF信号を生成してインピーダンス整合回路の他の入力に送信するために、追加のRF発生器が別のRFケーブルを介してインピーダンス整合回路の別の入力に接続される。
【0046】
様々な実施形態では、上部電極がアース電位に接続されるのではなく、下部電極がアース電位に接続され、上部電極はRF伝送路108に接続される。
【0047】
いくつかの実施形態では、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2は、ホストコンピュータシステムのプロセッサによって識別されるのではなく、入出力インタフェースを介してホストコンピュータシステムのプロセッサに接続された入力デバイス(例えば、キーボード、またはマウス、またはタッチペン)によってユーザから受信される。同様に、いくつかの実施形態では、周波数レベルF1および周波数レベルF2は、ホストコンピュータシステムのプロセッサによって識別されるのではなく、入力デバイスによってユーザから受信される。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRF信号の各パラメータレベルは、RF信号のエンベロープである。例えば、本明細書に記載のRF信号のパラメータレベルは、RF信号のゼロからピーク間の大きさ、またはRF信号のピーク間の大きさである。
【0049】
また、様々な実施形態では、RF信号のパラメータレベルは、RF信号のパラメータの1または複数の大きさ(例えば、振幅または値)を含み、その1または複数の大きさは、RF信号のパラメータの別のパラメータレベルの1または複数の大きさを含まない。例えば、パラメータレベルPRL1は、いずれもパラメータレベルPRL2の1または複数の値と同じではない1または複数の値を有する。
【0050】
同様に、いくつかの実施形態では、RF信号の周波数レベルは、RF信号の周波数の1または複数の大きさ(例えば、振幅または値)を含み、その1または複数の大きさは、RF信号の周波数の別の周波数レベルの1または複数の大きさを含まない。例えば、周波数レベルF1は、いずれも周波数レベルF2の1または複数の値と同じではない1または複数の値を有する。
【0051】
様々な実施形態では、複数の周波数レベルF1および周波数レベルF2ではなくRF信号の単一周波数レベルを生成するようにRF電源を制御するために、複数の周波数コントローラFCS1および周波数コントローラFCS0ではなく1つの周波数コントローラが用いられる。単一周波数レベルは、RF信号の周波数の1または複数の値を含む。単一周波数レベルは、周波数の連続波を表す。ホストコンピュータのプロセッサは、RF信号の単一周波数レベルの値をRF発生器のデジタル信号プロセッサに送信する。デジタル信号プロセッサは、単一周波数レベルの値を受信すると、デジタルパルス信号DPS1の状態がS1であるかS0であるかにかかわらず、周波数コントローラのメモリデバイスに格納するためにその値を周波数コントローラに送信する。また、周波数コントローラは、単一周波数レベルの値を受信すると、デジタルパルス信号DPS1の状態がS1であるかS0であるかにかかわらず、その値を駆動システムに送信する。駆動システムは、単一周波数レベルの値に基づいて電流信号を生成し、RF電源に電流を提供する。RF電源は、電流信号を受信すると、単一周波数レベル、ならびに、複数のパラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2を有するRF信号を生成する。
【0052】
図2は、クロック信号210、デジタルパルス信号DPS1、
図1のRF信号102のパラメータ214、およびRF信号201の周波数216を表す実施形態のグラフ202、グラフ204、グラフ206、およびグラフ208を示す。グラフ202は、C1などのクロックサイクルを有するクロック信号210の時間tに対する論理レベルを表す。クロック信号210は、上述のクロック信号の例である。クロック信号210は、
図1のホストコンピュータのプロセッサによって生成される。クロック信号210は、論理レベル1と論理レベル0との間で定期的に遷移する。例えば、クロック信号210は、クロックサイクルC1の時間1から時間0の期間に論理レベル1を有する。クロックサイクルC1は、時間0において開始する。クロック信号210は、時間t1において論理レベル1から論理レベル0に遷移する。論理レベル0は、クロックサイクルC1の時間t1から時間t2の期間に生じる。クロック信号210は、さらに、クロックサイクルC1が終了する時間t2において論理レベル0から論理レベル1に遷移する。クロック信号210は、クロックサイクルC2の時間t2から時間t3の期間に論理レベル1を有する。クロックサイクルC2は、時間t2において開始する。クロック信号210は、時間t3において論理レベル1から論理レベル0に遷移する。論理レベル0は、クロックサイクルC2の時間t3から時間t4の期間に生じる。クロック信号210は、さらに、クロックサイクルC2が終了する時間t4において論理レベル0から論理レベル1に遷移する。クロック信号210は、クロックサイクルC3の時間t4から時間t5の期間に論理レベル1を有する。クロックサイクルC3は、時間t4において開始する。クロック信号210は、時間t5において論理レベル1から論理レベル0に遷移する。論理レベル0は、クロックサイクルC3の時間t5から時間t6の期間に生じる。クロック信号210は、さらに、クロックサイクルC3が終了する時間t6において論理レベル0から論理レベル1に遷移する。
【0053】
クロックサイクルC1、クロックサイクルC2、およびクロックサイクルC3などのクロック信号210のクロックサイクルは、定期的に繰り返す。例えば、時間0から時間t2の期間は、時間t2から時間t4の期間に等しく、時間t4から時間t6の期間に等しい。
【0054】
クロック信号210は、50%のデューティサイクルを有する。例えば、クロックサイクルC1、クロックサイクルC2、およびクロックサイクルC3の各々の間、クロック信号210の論理レベルは、クロックサイクルの半分について1であり、クロックサイクルの残りの半分についてゼロである。
【0055】
グラフ204は、時間tに対するデジタルパルス信号DPS1を表す。デジタルパルス信号DPS1は、時間0において状態S0から状態S1に遷移する。状態S0は論理レベル0を有し、状態S1は論理レベル1を有する。状態S1の発生は、クロック信号210のデューティサイクルより短いデューティサイクルDC1を有する。例えば、デジタルパルス信号DPS1は、時間t1より短い時間0から時間t11の期間に状態S1を有する。デジタルパルス信号DPS1は、時間t11において状態S1から状態S0に遷移し、時間t11から時間t2の期間に状態S0に留まる。時間t11から時間t2の期間は、時間t1から時間t2の期間より長い。デジタルパルス信号DPS1は、時間t2において状態S0から状態S1に遷移する。
【0056】
デジタルパルス信号DPS1は、時間t2から時間t3の期間より短い時間t2から時間t12の期間に状態S1を有する。デジタルパルス信号DPS1は、時間t12において状態S1から状態S0に遷移し、時間t12から時間t4の期間に状態S0に留まる。時間t12から時間t4の期間は、時間t3から時間t4の期間より長い。デジタルパルス信号DPS1は、時間t4において状態S0から状態S1に遷移する。同様に、デジタルパルス信号DPS1は、時間t4から時間t13の期間に状態S1を有し、時間t13から時間t6の期間に状態S0を有し、時間t6から時間t14の期間に状態S1を有する。
【0057】
クロック信号210の各サイクル中に、デジタルパルス信号DPS1の状態の他の発生があることに注意されたい。例えば、クロックサイクルC1の間に、デジタルパルス信号DPS1の状態S1の第1の発生があり、デジタルパルス信号DPS1の状態S0の第1の発生がある。また、クロックサイクルC2の間に、デジタルパルス信号DPS1の状態S1の第2の発生があり、デジタルパルス信号DPS1の状態S0の第2の発生がある。
【0058】
グラフ206は、時間tに対する
図1のRF信号102のパラメータ214(例えば、電圧または電力)を表す。おおよそ時間0において、RF信号102のパラメータ214は、パラメータレベルPRL1からパラメータレベルPRL2に遷移する。RF信号102のパラメータ214は、時間0から時間t11の期間にパラメータレベルPRL2を有する。また、おおよそ時間t11において、RF信号102のパラメータ214は、パラメータレベルPRL2からパラメータレベルPRL1に遷移し、時間t11から時間t2の期間にパラメータレベルPRL1に留まる。例えば、RF信号102は、クロックサイクルC1の少なくとも75%においてパラメータレベルPRL1を有する。例を挙げると、RF信号102は、時間t11から時間t2の期間にパラメータレベルPRL1を有し、その期間は、時間0から時間t2の全期間の75%である。また、おおよそ時間t2において、RF信号102のパラメータ214は、パラメータレベルPRL1からパラメータレベルPRL2に遷移し、時間t12から時間t2の期間にパラメータレベルPRL2に留まる。さらに、おおよそ時間t12において、パラメータ214は、パラメータレベルPRL2からパラメータレベルPRL1に遷移し、時間t12から時間t4の期間にパラメータレベルPRL1に留まる。
【0059】
グラフ206は、時間tに対するRF信号102の周波数216を表す。おおよそ時間0において、RF信号102の周波数216は、周波数レベルF1から周波数レベルF2に遷移する。RF信号102の周波数216は、時間0から時間t11の期間に周波数レベルF2を有する。また、おおよそ時間t11において、RF信号102の周波数216は、周波数レベルF2から周波数レベルF1に遷移し、時間t11から時間t2の期間に周波数レベルF1に留まる。同様に、おおよそ時間t2において、RF信号102の周波数216は、周波数レベルF1から周波数レベルF2に遷移し、時間t2から時間t12の期間に周波数レベルF2に留まる。さらに、おおよそ時間t12において、周波数216は、周波数レベルF2から周波数レベルF1に遷移し、時間t12から時間t4の期間に周波数レベルF1に留まる。
【0060】
パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の少なくとも約25%未満であることに注意されたい。例えば、パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の約25%である、または、パラメータレベルPRL2の25%未満である。さらに例を挙げると、パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の0から約25%の間である。別の例として、パラメータレベルPRL2が1000ワットのとき、パラメータレベルPRL1は、約250ワット未満、または、0ワットから約250ワットの間である。さらに別の例として、パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の25%から統計範囲内である。別の例として、パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の0から約10%の間である。
【0061】
同様に、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の少なくとも約25%未満であることに注意されたい。例えば、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の約25%である、または、周波数レベルF2の25%未満である。さらに例を挙げると、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の0から約25%の間である。別の例として、周波数レベルF2が1MHzのとき、周波数レベルF1は、約0.25MHz未満、または、0MHzから約0.25MHzの間である。さらに別の例として、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の25%から統計範囲内である。別の例として、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の0から約10%の間である。
【0062】
いくつかの実施形態では、RF信号がデジタルパルス信号の遷移から統計範囲内で遷移するときに、本明細書に記載のデジタルパルス信号が1つの状態から別の状態に遷移するのとおおよそ同時に、本明細書に記載のRF信号の1つのレベルから別のレベルへの遷移が起こることにさらに注意されたい。例えば、RF信号102のパラメータは、デジタルパルス信号DPS1が状態S1から状態S0に遷移する時間t11から統計範囲内に、パラメータレベルPRL2からパラメータレベルPRL1に遷移する。例を挙げると、RF信号102のパラメータは、時間t11から0から5%以内の期間にパラメータレベルPRL2からパラメータレベルPRL1に遷移する。
【0063】
第1のパラメータレベルが第2のパラメータレベルの一定割合から統計範囲内にあるときは、第1のパラメータレベルは、おおよそその一定割合であることにも注意されたい。例えば、パラメータレベルPRL1がパラメータレベルPRL2の24%から30%の間であるときは、パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の約25%である。別の例として、パラメータレベルPRL1がパラメータレベルPRL2の23%から28%の間であるときは、パラメータレベルPRL1は、パラメータレベルPRL2の約25%である。
【0064】
同様に、第1の周波数レベルが第2の周波数レベルの一定割合から統計範囲内にあるときは、第1の周波数レベルは、おおよそその一定割合であることにも注意されたい。例えば、周波数レベルF1が周波数レベルF2の24%から30%の間であるときは、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の約25%である。別の例として、周波数レベルF1が周波数レベルF2の25%から28%の間であるときは、周波数レベルF1は、周波数レベルF2の約25%である。
【0065】
図3Aは、基板Sの別の材料層ML1のエッチングに対する基板Sの材料層ML2のエッチングにおける選択率を表す基板Sの実施形態である。基板Sは、材料層ML1の上に重ねられた材料層ML2を有する。材料層ML1は、材料層ML2とは異なる。例えば、材料層ML1の少なくとも1つの化学元素は、材料層ML2の少なくとも1つの化学元素と同じではない。例を挙げると、材料層ML2の化学特性は、材料層ML1の化学特性とは異なる。別の例として、材料層ML1の化学組成は、材料層ML2の化学組成とは異なる。材料層ML1の例は、銅層またはアルミニウム層などの金属層であり、材料層ML2の例は、二酸化シリコンである。材料層ML2の例は、窒化シリコン層であり、材料層ML1の例は、二酸化シリコン層である。材料層ML2の別の例は、酸化物層であり、材料層ML1の例は、金属層である。材料層ML2のさらに別の例は、ポリシリコン層であり、材料層ML1は、二酸化シリコン層である。また、材料層ML1の一部は、エッチングされるのを防ぐためにマスク層によって覆われている。
【0066】
図2のパラメータ214、または
図2の周波数216、またはこれらの組み合わせを有する
図1のRF信号102が供給されるときは、材料層ML2は、材料層ML2が材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度でエッチングされるような選択率を有する。例えば、材料層ML2の選択率は、約5:1以上である。例を挙げると、材料層ML1をエッチングするエッチング速度に対する材料層ML2をエッチングするエッチング速度は、5:1以上である。別の例として、材料層ML2の選択率は100:1である。さらに別の例として、材料層ML2のエッチング後に材料層ML1の上面302に到達したときは、材料層ML1は実質的にエッチングされない。上面302は、材料層ML2の底面に隣接している。
【0067】
図3Bは、基板SUの実施形態の図である。基板SUでは、材料層ML2が材料層ML1の上に重ねられるのではなく、材料層ML1が材料層ML2の上に重ねられている。材料層ML2の一部は、マスク層によって保護されている。
【0068】
図4は、
図3Aの材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で
図3Aの材料層ML2をエッチングするためにプラズマチャンバ内でプラズマの単一エネルギイオンが生成される、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2、ならびに、周波数レベルF1および周波数レベルF2の識別を表すシステム400の実施形態の図である。システム400は、基板SUではなく基板Sが処理されるトレーニングルーチンまたはラボルーチンを実行するのに用いられる。システム400は、プローブ402、ウエハバイアスセンサ、および電流センサを備えること以外は、
図1のシステム100と同じ構造を有する。プローブ402の例は、平面型イオン束プローブおよびラングミュアプローブを含む。ウエハバイアスセンサの例は、in-situの直流(DC)プローブピックアップピン、および、ウエハバイアスを測定するのに用いられる関連ハードウェアを含む。ハードウェアは、DCプローブピックアップピンに接続される。例として、ウエハバイアスセンサは、チャックの上面のウエハバイアスを測定する。チャックの上面は上部電極に面し、チャックの上面と上部電極との間にギャップが形成される。
【0069】
プローブ402は、ギャップ内に設置され、in-situのDCプローブピックアップピンは、チャックの上面に設置される。また、ウエハバイアスセンサは、ホストコンピュータのプロセッサに接続され、電流センサも同様に、ホストコンピュータのプロセッサに接続されている。ホストコンピュータのメモリデバイスは、基板Sの材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度でエッチングされる基板Sの材料層ML2の識別子と、プラズマチャンバ内のプラズマイオンのイオン束の量IF4と、IE41からIE42のイオンのイオンエネルギの範囲との間で、1対1のリンクまたは1対1の関係などの対応を格納する。材料層ML2の識別子は、材料層ML2に関する情報の例である。材料層の識別子の例は、材料層を別の材料層と区別する、英数字コード、または数字の組み合わせ、または数字および文字の組み合わせを含む。IE41からIE42の範囲は、基板Sがエッチングされているときのイオン束とイオンエネルギとの関係の半値全幅(FWHM)における範囲であり、量IF4はFWHMにおける量である。
【0070】
ホストコンピュータのプロセッサは、他の複数のパラメータレベル(例えば、
図2のデジタルパルス信号DPS1とは異なる別のデジタルパルス信号DPS5の状態S1についてパラメータレベルPRL5S1、および、その別のデジタルパルス信号DPS5の状態S0についてパラメータレベルPRL5S0)を提供する。例えば、別のデジタルパルス信号DPS5は、デジタルパルス信号DPS1のデューティサイクルDC1とは異なるデューティサイクルDC5を有する。また、他のパラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0は、
図2のパラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2とは異なる。例えば、別のデジタルパルス信号DPS5の状態S1についての他のパラメータレベルPRL5S1の第1のパラメータレベルPRL5S1と、別のデジタルパルス信号DPS5の状態S0についての他のパラメータレベルPRL5S0の第2のパラメータレベルPRL5S0との差は、パラメータレベルPRL1とパラメータレベルPRL2との差より大きい、または小さい。
【0071】
また、ホストコンピュータのプロセッサは、他の複数の周波数レベル(例えば、別のデジタルパルス信号DPS5の状態S1について周波数レベルf5S1、別のデジタルパルス信号DPS5の状態S0について周波数レベルf5S0)を提供する。例えば、他の周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0は、周波数レベルF1および周波数レベルF2とは異なる。例を挙げると、別のデジタルパルス信号DPS5の状態S1についての他の周波数レベルf5S1の第1の周波数レベルf5S1と、別のデジタルパルス信号DPS5の状態S0についての他の周波数レベルf2S0の第2の周波数レベルf2S0との差は、周波数レベルF1と周波数レベルF2との差より大きい、または小さい。
【0072】
パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2、ならびに、周波数レベルF1および周波数レベルF2を有するRF信号102を生成するための上記の方法と同様にして、他のパラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0、ならびに、他の周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0を有する、以下の
図5に示される別のRF信号504は、ホストコンピュータシステムのプロセッサから他のデジタルパルス信号DPS5、他の周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0、ならびに、他のパラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0が受信されると、RF発生器によって生成される。インピーダンス整合回路は、負荷のインピーダンスをソースのインピーダンスと整合させて別のRF信号504から別の変調RF信号506(
図5)を生成し、プラズマチャンバの下部電極にその変調RF信号を送信する。下部電極への別の変調信号506の供給に加えて、プラズマチャンバの上部電極とチャックとの間のギャップに1または複数のプロセスガスが供給されるときは、プラズマチャンバ内でプラズマが発生または生成される。
【0073】
別の変調信号506に基づいてプラズマチャンバ内でプラズマが発生または生成されるときに、ウエハバイアスセンサは、チャックの上面におけるウエハバイアスを測定する。測定されたウエハバイアスは、ウエハバイアスセンサによってホストコンピュータのプロセッサに提供される。プロセッサは、ウエハバイアスから、プラズマチャンバ内のプラズマイオンのイオンエネルギの範囲を計算する。例えば、プロセッサは、以下式(1)でイオンエネルギの範囲を計算する。
【数1】
ここで、Eiはイオンエネルギの範囲、Vdcはチャックの上面で測定されたウエハバイアス、Vpeakはチャックの上面におけるゼロからピーク間の電圧。例として、Vdcは負の値を有し、Vpeakは正の値または負の値を有することに注意されたい。Eiの例は、
図5を参照して以下に説明されるIE51からIE52の範囲である。例として、ゼロからピーク間の電圧Vpeakは、チャックに接続される電圧プローブなどの電圧センサ(図示せず)によって測定される。ウエハバイアスVdcは、範囲Eiが計算される一定範囲の値を有する、および/または、ゼロからピーク間の電圧Vpeakは、範囲Eiが計算される一定範囲の値を有することに注意されたい。イオンエネルギのIE51からIE52の範囲は、ホストコンピュータのメモリデバイスに格納される。
【0074】
また、プローブ402は、例えば、平方センチメートルなどで測定された表面積を有し、プラズマチャンバ内で回転される。プローブ402は、プラズマチャンバ内のプローブ402の表面積上のプラズマイオンのイオン電流を集電するように回転して電気信号を生成し、電流センサに電気信号を送信する。電流センサは、電気信号から電流量を測定し、ホストコンピュータのプロセッサに電流量を提供する。ホストコンピュータのプロセッサは、プローブ402の表面積単位あたりの電流量を計算して、
図5を参照して以下に説明されるイオン束IF5を計算する。プラズマの各イオンは、所定量の電流を生成する。プロセッサは、ホストコンピュータのメモリデバイス内で計算されたイオン束IF5を格納する。
【0075】
プロセッサは、計算されたイオン束がイオン束IF4の既定範囲内であるかを決定し、さらに、IE51からIE52の範囲がIE41からIE42の範囲から所定のウィンドウ内であるかを決定する。例えば、プロセッサは、計算されたイオン束IF5がイオン束の値IF4から既定割合(例えば、0%から10%)内であるかを決定し、IE51からIE52の範囲における最低値が、イオンエネルギの最低値IE41から既定割合内であるか、および、IE51からIE52の範囲における最高値がイオンエネルギの最高値IE42から既定割合内であるかを決定する。例を挙げると、プロセッサは、計算されたイオン束IF5がイオン束IF4と同じであるかを決定し、IE51からIE52の範囲がIE41からIE42の範囲と同じであるかを決定する。イオン束の既定範囲およびイオンエネルギの所定ウィンドウは、ホストコンピュータのメモリデバイスに格納される。
【0076】
ホストコンピュータのプロセッサは、計算されたイオン束IF5がイオン束IF4から既定範囲内にないこと、または、イオンエネルギのIE51からIE52の範囲がIE41からIE41の範囲から所定ウィンドウ内にないこと、または、別のデジタルパルス信号DPS5のデューティサイクルDC5がデューティサイクルDC1から予め計算された範囲内にないことを決定すると、他のパラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0を異なるパラメータレベル(例えば、パラメータレベルPRL2およびパラメータレベルPRL1)に変更する、または、他の周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0を異なる周波数レベル(例えば、周波数レベルF2および周波数レベルF1)に変更する、または、別のデジタルパルス信号DPS5のデューティサイクルDC5を異なるデューティサイクル(例えば、デジタルパルス信号DPS1のデューティサイクルDC1)に変更する、または、別のデジタルパルス信号DPS5の他のパラメータレベル、他の周波数レベル、およびデューティサイクルの2つ以上を変更する。プロセッサは、RF発生器に異なるパラメータレベルもしくは異なる周波数レベルを、および/または、RF発生器に異なるデューティサイクルを提供する。RF発生器は、異なるデューティサイクルに基づいて異なるパラメータレベルおよび/または異なる周波数レベルを有する、RF信号102などの異なるRF信号を生成し、インピーダンス整合回路にその異なるRF信号を送信する。インピーダンス整合回路は、異なるRF信号から変調RF信号104などの異なる変調RF信号を生成し、下部電極にその異なる変調RF信号を送信する。
【0077】
異なる変調RF信号が下部電極に供給され、1または複数のプロセスガスがプラズマチャンバに供給されるときに、ウエハバイアスセンサは、異なるウエハバイアスを測定し、電流センサは、プローブ402から受信した異なる電気信号から異なる電流量を測定する。数式(1)を用いる上述の方法と同様にして、ホストコンピュータシステムのプロセッサは、異なる範囲のイオンエネルギを計算する。また、プロセッサは、上述の方法と同様にして異なる電流量から異なるイオン束量を計算する。プロセッサは、さらに、異なるイオンエネルギの範囲がIE41からIE42の範囲から所定ウィンドウの範囲内であることを決定する。例えば、プロセッサは、異なるイオンエネルギの範囲がIE41からIE42の範囲と同じであることを決定する。加えて、プロセッサは、異なるイオン束量がイオン束IF4から既定範囲内であることを決定する。例えば、プロセッサは、異なるイオン束量がイオン束IF4と同じであることを決定する。
【0078】
プロセッサは、異なるイオンエネルギの範囲がイオンエネルギのIE41からIE42の範囲から所定ウィンドウ範囲内であること、および、異なるイオン束量がイオン束IF4から既定範囲内であることを決定すると、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2などの異なるパラメータレベル、周波数レベルF1および周波数レベルF2などの異なる周波数レベル、デューティサイクルDC1などの異なるデューティサイクルをホストコンピュータのメモリデバイスに格納する。プロセッサは、イオン束IF4、イオンエネルギのIE41からIE2の範囲、パラメータレベルPRL1、パラメータレベルPRL2、周波数レベルF1、周波数レベルF2、およびデューティサイクルDC1の間で、1対1の対応またはマッピングまたはリンクを構築するなど関連付け、ホストコンピュータのメモリデバイスに1対1の対応を格納する。
【0079】
パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2を有する、または周波数レベルF1および周波数レベルF2を有する、デューティサイクルDC1に基づいて生成されたRF信号102を供給することによって、材料層ML2は、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度でエッチングされることに注意されたい。例えば、プラズマチャンバは、変調RF信号104の受信に応答して、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングする。変調RF信号104は、RF信号102の受信直後にインピーダンス整合回路から出力される。例を挙げると、プラズマチャンバは、インピーダンス整合回路からの変調RF信号104、および1または複数のプロセスガスを受け取ると、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングする。上述の
図1および
図2は、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングするために、基板Sの処理の間、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2ならびに/または周波数レベルF1および周波数レベルF2を有するRF信号102の印加を提供する。例えば、ホストコンピュータのプロセッサは、材料層ML2が基板S内でエッチングされなければならないという指示を入力デバイスから受信する。プロセッサは、IE41からIE42のイオンエネルギ範囲およびイオン束IF4にアクセスして、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングすることに対応する(例えば、リンクする、マッピングする、または1対1の関係を有する)イオンエネルギ範囲およびイオン束を識別する。プロセッサは、IE41からIE42のイオンエネルギ範囲およびイオン束IF4に対応する、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2ならびに/または周波数レベルF1および周波数レベルF2にアクセスし、RF信号102を生成するように上述の方法でRF発生器を制御する。RF発生器によってRF信号102が供給されるとき、基板Sは、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングするようにエッチングされる。
【0080】
図5は、パラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0、ならびに/または、周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0、ならびにデューティサイクルDC5を有するRF信号504を供給することによって、材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML1のエッチングが実施されることを表すシステム500の実施形態の図である。システム500は、基板Sではなく基板SUが処理されるトレーニングルーチンまたはラボルーチンを実行するのに用いられる。システム500は、基板Sとは異なる基板SUがプラズマチャンバ内で処理されること以外は、
図4のシステム400と同じ構成である。
【0081】
ホストコンピュータのメモリデバイスは、基板SUの材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度でエッチングされる基板SUの材料層ML1の識別子と、プラズマチャンバ内のプラズマイオンのイオン束の量IF5と、イオンのイオンエネルギのIE51からIE52の範囲との間の対応(例えば、1対1のリンクまたは1対1の関係)を格納する。材料層ML1の識別子は、材料層ML1に関する情報の例である。IE51からIE52の範囲は、基板SUがエッチングされるときのイオン束とイオンエネルギとの関係のFWHMにおける範囲であり、量IF5はFWHMにおける量である。
【0082】
図5のトレーニングルーチンの間に、ホストコンピュータのプロセッサは、複数のパラメータレベル(例えば、デジタルパルス信号DPS1の状態S1についてパラメータレベルPRL2、およびデジタルパルス信号DPS1の状態S0についてパラメータレベルPRL1)を提供する。また、ホストコンピュータのプロセッサは、複数の周波数レベル(例えば、デジタルパルス信号DPS1の状態S1について周波数レベルF2、およびデジタルパルス信号DPS1の状態S0について周波数レベルF1)を提供する。
【0083】
パラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0、ならびに、周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0を有するRF信号504を生成するための上述の方法と同様にして、
図5のトレーニングルーチンの間に、上記の
図4で示された、パラメータレベルPRL2およびパラメータレベルPRL1、ならびに、周波数レベルF2および周波数レベルF1を有するRF信号102は、デジタルパルス信号DPS1、周波数レベルF2および周波数レベルF1、ならびにパラメータレベルPRL2およびパラメータレベルPRL1がホストコンピュータシステムのプロセッサから受信されると、RF発生器によって生成される。
図5のトレーニングルーチンの間に、インピーダンス整合回路は、負荷のインピーダンスをソースのインピーダンスと整合させてRF信号102から変調RF信号104(
図4)を生成し、プラズマチャンバの下部電極に変調RF信号104を送信する。また、
図5のトレーニングルーチンの間に、下部電極への変調信号104の供給に加えて、1または複数のプロセスガスがプラズマチャンバの上部電極とチャックとの間に供給されるときは、プラズマチャンバ内でプラズマが発生または生成される。
【0084】
図5のトレーニングルーチン中に変調信号104に基づいてプラズマチャンバ内でプラズマが発生または生成されるときに、ウエハバイアスセンサは、チャック表面のウエハバイアスを測定する。
図5のトレーニングルーチン中に測定されたウエハバイアスは、ウエハバイアスセンサによってホストコンピュータのプロセッサに提供される。プロセッサは、プラズマチャンバ内のプラズマイオンのイオンエネルギの範囲をウエハバイアスから計算する。例えば、
図5のトレーニングルーチン中に、プロセッサは、数式(1)を適用して範囲を計算する。
図5のトレーニングルーチン中に計算されたEiの例は、
図4を参照して上述されたIE41からIE42の範囲である。また、この例では、ゼロからピーク間の電圧Vpeakは、チャックに接続された電圧センサ(図示せず)によって測定される。
図5のトレーニングルーチン中に決定されたイオンエネルギのIE41からIE42の範囲は、ホストコンピュータのメモリデバイスに格納される。
【0085】
加えて、基板SUが処理される、システム500を用いて実行されるトレーニングルーチンの間に、ホストコンピュータのプロセッサは、イオン束IF5を計算するための上述の方法と同様にして、プローブ402の表面積単位あたりの電流量を計算してイオン束IF4を計算する。プロセッサは、計算されたイオン束IF4をホストコンピュータのメモリデバイスに格納する。
【0086】
プロセッサは、計算されたイオン束IF4がメモリデバイスに格納されたイオン束IF5から既定範囲内にあるかを決定し、さらに、
図5のトレーニングルーチン中に計算されたIE41からIE42の範囲がメモリデバイスに格納されたIE51からIE52の範囲から所定ウィンドウ範囲内にあるかを決定する。例えば、プロセッサは、
図5のトレーニングルーチン中に計算されたイオン束IF4がイオン束の値IF5から既定割合(例えば、0%から10%)範囲内であるかを決定し、IE41からIE42の範囲における最低値が、IE51からIE52の範囲におけるイオンエネルギの最低値から既定割合範囲内にあり、IE41からIE42の範囲における最大値がイオンエネルギのIE51からIE52の範囲における最大値から既定割合範囲内にあるかを決定する。例を挙げると、プロセッサは、計算されたイオン束IF4がイオン束IF5と同じであるかを決定し、IE41からIE42の範囲がIE51からIE52の範囲と同じであるかを決定する。
【0087】
ホストコンピュータのプロセッサは、
図5のトレーニングルーチン中に計算されたイオン束IF4がメモリデバイスに格納されたイオン束IF5から既定範囲内にないこと、または、
図5のトレーニングルーチン中に計算されたイオンエネルギのIE41からIE42の範囲がメモリデバイスに格納されたIE51からIE52の範囲から所定ウィンドウ範囲内にないこと、または、デジタルパルス信号DPS1のデューティサイクルDC1がデューティサイクルDC5から予め計算された範囲内にないことを決定すると、パラメータレベルPRL2およびパラメータレベルPRL1を変更パラメータレベル(例えば、パラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0)に変更する、または、周波数レベルF1および周波数レベルF2を変更周波数レベル(例えば、周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0)に変更する、または、デジタルパルス信号DPS1のデューティサイクルDC1を変更デューティサイクル(例えば、デューティサイクルDC5)に変更する、または、デジタルパルス信号DPS1のパラメータレベルPRL2およびパラメータレベルPRL1、周波数レベルF1および周波数レベルF2、ならびにデューティサイクルDC1のうちの2つ以上を変更する。プロセッサは、RF発生器に変更パラメータレベル、変更周波数レベルを、および/または、RF発生器に変更デューティサイクルを提供する。RF発生器は、変更デューティサイクルに基づく変更パラメータレベルを有する、および/または、変更デューティサイクルに基づく変更周波数レベルを有するRF信号504などの変更RF信号を生成し、インピーダンス整合回路にその変更RF信号を送信する。インピーダンス整合回路は、変更RF信号から変調RF信号506などの変更変調RF信号を生成し、下部電極にその変更変調RF信号を送信する。
【0088】
変更変調RF信号が下部電極に供給され、1または複数のプロセスガスがプラズマチャンバに供給されたときは、ウエハバイアスセンサは変更ウエハバイアスを測定し、電流センサは、プローブ402から受信した変更電気信号から変更電流量を測定する。コンピュータシステムのプロセッサは、数式(1)を用いる上述の方法と同様にして、イオンエネルギの変更範囲を計算する。また、プロセッサは、上述の方法と同様にして、変更電流量から変更イオン束量を計算する。プロセッサは、さらに、イオンエネルギの変更範囲がメモリデバイスに格納されたIE51からIE52の範囲から所定ウィンドウ範囲内にあることを決定する。例えば、プロセッサは、イオンエネルギの変更範囲がメモリデバイスに格納されたIE51からIE54の範囲と同じであることを決定する。加えて、プロセッサは、変更イオン束量がメモリデバイスに格納されたイオン束IF5から既定範囲内にあることを決定する。例えば、プロセッサは、変更イオン束量がメモリデバイスに格納されたイオン束IF5と同じであることを決定する。
【0089】
プロセッサは、イオンエネルギの変更範囲がイオンエネルギのIE51からIE52の範囲から所定ウィンドウ範囲内にあり、イオン束の変更量がイオン束IF5から既定範囲内にあることを決定すると、ホストコンピュータのメモリデバイスに変更パラメータレベル(例えば、パラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0)、変更周波数レベル(例えば、周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0)、ならびに、変更デューティサイクル(例えば、デューティサイクルDC5)を格納する。プロセッサは、イオン束IF5、イオンエネルギのIE51からIE52の範囲、パラメータレベルPRL5S1、パラメータレベルPRL5S0、周波数レベルf5S1、周波数レベルf5S0、およびデューティサイクルDC5の間で、1対1の対応またはマッピングまたはリンクを構築するなど関連付ける。パラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0を有する、または、周波数レベルf5S1および周波数レベル5fS0を有し、デューティサイクルDC5に基づいて生成されたRF信号504を供給することによって、材料層ML2は、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度でエッチングされることに注意されたい。
【0090】
様々な実施形態では、複数の周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0ではなくRF信号の単一周波数レベルを生成するようにRF電源を制御するために、複数の周波数コントローラFCS1および周波数コントローラFCS0ではなく1つの周波数コントローラが用いられる。単一周波数レベルは、RF信号の1または複数の周波数値を含む。単一周波数レベルは、周波数の連続波を表す。ホストコンピュータのプロセッサは、RF信号の単一周波数レベルの値をRF発生器のデジタル信号プロセッサに送信する。デジタル信号プロセッサは、単一周波数レベルの値を受信すると、デジタルパルス信号DPS5の状態がS1であるかS0であるかにかかわらず、周波数コントローラのメモリデバイスに格納するためにその値を周波数コントローラに送信する。また、周波数コントローラは、単一周波数レベルの値を受信すると、デジタルパルス信号DPS5の状態がS1であるかS0であるかにかかわらず、駆動システムにその値を送信する。駆動システムは、単一周波数レベルの値に基づいて電流信号を生成し、RF電源に電流を供給する。RF電源は、電流信号を受信すると、単一周波数レベルならびに複数のパラメータレベルPRL5S0およびパラメータレベルPRL5S1を有するRF信号を生成する。
【0091】
パラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0を有する、または周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0を有し、デューティサイクルDC5に基づいて生成されたRF信号504を供給することによって、材料層ML1は、材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度でエッチングされることに注意されたい。例えば、ホストコンピュータのプロセッサは、材料層ML1が基板SU内でエッチングされなければならないという指示を入力デバイスから受信する。プロセッサは、IE51からIE52のイオンエネルギ範囲およびイオン束IF5にアクセスして、イオンエネルギ範囲およびイオン束が、材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML1をエッチングすることに対応する(例えば、リンク、マッピング、および1対1の関係を有する)ことを識別する。プロセッサは、IE51からIE52のイオンエネルギ範囲およびイオン束IF5に対応するパラメータレベルPRL5S1およびパラメータレベルPRL5S0、ならびに/または、周波数レベルf5S1および周波数レベルf5S0にアクセスし、RF信号504を生成するように上述の方法でRF発生器を制御する。RF信号504がRF発生器によって供給されたときは、基板SUは、材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML1をエッチングするようにエッチングされる。例えば、プラズマチャンバは、インピーダンス整合回路からの変調RF信号506の受信に応答して、材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML1をエッチングする。変調RF信号506は、RF信号504の受信直後にインピーダンス整合回路から出力される。例を挙げると、プラズマチャンバは、インピーダンス整合回路からの変調RF信号506、および1または複数のプロセスガスを受け取ると、材料層ML2を実質的にエッチングない自己抑制的な速度で材料層ML1をエッチングする。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書においてRF発生器のデジタル信号プロセッサによって実施されると記載された1または複数の動作は、ホストコンピュータのプロセッサによって実施される。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書においてRF発生器のデジタル信号プロセッサによって実施されると記載された1もしくは複数の動作、および/または、本明細書において周波数コントローラFCS1によって実施されると記載された1もしくは複数の動作、および/または、本明細書において周波数コントローラFCS0によって実施されると記載された1もしくは複数の動作、および/または、本明細書においてパラメータコントローラPRS1によって実施されると記載された1もしくは複数の動作、および/または、本明細書においてパラメータコントローラPRS0によって実施されると記載された1もしくは複数の動作は、ホストコンピュータのプロセッサによって実施される。
【0094】
様々な実施形態では、本明細書においてホストコンピュータのプロセッサによって実施されると記載された1または複数の動作は、RF発生器のデジタル信号プロセッサによって実施される。
【0095】
いくつかの実施形態では、RF発生器のパラメータコントローラPRS1およびパラメータコントローラPRS0、ならびに/または、RF発生器の周波数コントローラFCS1および周波数コントローラFCS0は、RF発生器のデジタル信号プロセッサによって実行されるコンピュータプログラムのコンピュータプログラムモジュールである。
【0096】
図6は、イオン束とイオンエネルギとの関係を表す実施形態のグラフ600である。イオンエネルギは、電子ボルト(eV)で測定される。グラフ600は、プロット602、プロット604、プロット606、プロット608、プロット612、プロット614、およびプロット616の複数のプロットを表す。プロット602は、
図2のデジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に200Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に
図1の下部電極に20Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。また、プロット602は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが10%のときに生成される。例えば、デジタルパルス信号DCS1の状態S1は、
図2のクロック信号210の対応するクロックサイクルの10%について各々発生し、デジタルパルス信号DCS1の状態S0は、対応するクロックサイクルの残りの90%について各々発生する。例を挙げると、プロット602は、
図1のRF信号102に基づいて生成される。プロット602の平均バイアス電圧は40Vである。
【0097】
プロット602のFWHM610は約23eVであり、プラズマチャンバ内のプラズマのイオン小集団は、約23eVより大きいイオンエネルギ分布を有する。23eVは、プラズマチャンバ内のプラズマの単一エネルギイオンのエネルギ分布の例を表すことに注意されたい。FWHM610では、プロット602は、IE61からIE62のイオンエネルギ値のイオンエネルギを有し、イオン束値を有する。
【0098】
プロット604は、下部電極に40Vの連続波バイアス電圧が印加されたときに生成される。連続波バイアス電圧は、RF発生器によって生成されたRF信号が複数のパラメータレベル(例えば、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2)の間で遷移しないとき、および、複数の周波数レベル(例えば、周波数レベルF1および周波数レベルF2)の間で遷移しないときに印加される。例えば、複数のパラメータレベル間で遷移しないRF信号の単一パラメータレベルの任意の2つの値の間の標準偏差は、0から20%である。例を挙げると、複数のパラメータレベル間で遷移しないRF信号の単一パラメータレベルの任意の2つの値の間の標準偏差は、0から10%である。
【0099】
プロット606は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に300Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に下部電極に30Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。また、プロット606は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが10%であるときに生成される。例を挙げると、プロット606は、RF信号102に基づいて生成される。また、プロット608は、下部電極に60Vの連続波バイアス電圧が印加されたときに生成される。プロット606の時間平均バイアス電圧は、約60Vである。
【0100】
プロット612は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に300Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に
図1の下部電極に100Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。また、プロット612は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが25%のときに生成される。例えば、デジタルパルス信号DCS1の状態S1は、
図2のクロック信号210の対応するクロックサイクルの25%について各々発生し、デジタルパルス信号DCS1の状態S0は、対応するクロックサイクルの残りの75%について各々発生する。例を挙げると、プロット612は、
図1のRF信号102に基づいて生成される。
【0101】
また、プロット614は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に300Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に下部電極に30Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。さらに、プロット614は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが25%のときに生成される。プロット616は、300Vの連続波バイアス電圧が下部電極に印加されたときに生成される。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の複数状態のバイアス電圧は、RF信号102の様々な例を提供することに注意されたい。例えば、デジタルパルス信号DCS1の10%のデューティサイクルで200Vから20Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。別の例として、デジタルパルス信号DCS1の10%のデューティサイクルで300Vから30Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。さらに別の例として、デジタルパルス信号DCS1の25%のデューティサイクルで300Vから100Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。別の例として、デジタルパルス信号DCS1の25%のデューティサイクルで300Vから30Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。
【0103】
プロット602は、40Vの連続波バイアス電圧のプロット604より狭いイオンエネルギ分布を有することにさらに注意されたい。例えば、FWHM610において、プロット602はプロット604のFWHMより狭い。より狭いイオンエネルギ分布は、第1の材料層(例えば、
図3Aの材料層ML2)の下にある第2の材料層(例えば、
図3Aの材料層ML1)を実質的にエッチングせずに第1の材料層をエッチングするために、プラズマチャンバ内のプラズマの単一エネルギイオンの生成を容易にする。プロット602およびプロット604の同量の平均バイアス電圧(例えば、プロット602について40Vの平均バイアス電圧、および、プロット604について40Vの平均バイアス電圧)について、複数状態のRF信号であるRF信号102が印加されたときは、連続波RF信号が印加されたときより狭いイオンエネルギ分布が実現されることにも注意されたい。40V、60V、および300Vの連続波バイアス電圧は、連続波RF信号の電圧の様々な例を提供する。
【0104】
プロット602は、RF信号102の第1の電圧がRF信号102の第2の電圧に対して最適化されたときに生成されることにさらに注意されたい。RF信号102の第2の電圧は、プロット606を生成するために供給される。第2の電圧を最適化して第1の電圧を実現するために、RF信号102の第2の電圧は、RF信号102の第1の電圧に修正(例えば、変更または低減)される。例えば、プロット602を生成するのに用いられる200VのパラメータレベルPRL2は、プロット606を生成するのに用いられる300VのパラメータレベルPRL2より低い。また、プロット602を生成するのに用いられる20VのパラメータレベルPRL1は、プロット606を生成するのに用いられる30VのパラメータレベルPRL1より低い。例として、30VのパラメータレベルPRL1は、20VのパラメータレベルPRL1に修正(例えば、変更または低減)して最適化される。プロット602は、プロット606より狭いイオンエネルギ分布を有する。例えば、FWHM610は、プロット606のFWHMより狭い。
【0105】
同様に、プロット606は、RF信号102の第2の電圧がRF信号102の第3の電圧に対して最適化されたときに生成される。第3の電圧を最適化して第2の電圧を実現するために、RF信号102の第3の電圧は、RF信号102の第2の電圧に修正(例えば、変更または低減)される。RF信号102の第3の電圧は、プロット612を生成するために供給される。例えば、プロット606を生成するのに用いられる10%のデューティサイクル値は、プロット612を生成するのに用いられる25%のデューティサイクル値より小さい。例を挙げると、25%のデューティサイクル値は、10%のデューティサイクル値に修正(例えば、低減または変更)して最適化される。10%および25%のデューティサイクル値の各々は、デューティサイクルDC1の例である。プロット606は、プロット612より狭いイオンエネルギ分布を有する。例えば、プロット606のFWHMは、プロット612のFWHMより狭い。
【0106】
図7は、イオン束およびイオンエネルギの関係を表す実施形態のグラフ700である。グラフ700は、プロット702、プロット704、プロット708、プロット710、およびプロット716の複数のプロットを示す。プロット702は、
図2のデジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に75Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に
図1の下部電極に8Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。また、プロット702は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが10%のときに生成される。例を挙げると、プロット702は、
図1のRF信号102に基づいて生成される。また、プロット702は、基板Sの材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で基板Sの材料層ML2をエッチングするために
図1のRF信号102が用いられるときに生成される。プロット702のFWHM712では、プロット702は、IE41のイオンエネルギからIE42のイオンエネルギの範囲であり、IF4のイオン束値を有する。例えば、FWHM712では、プラズマチャンバ内のプラズマイオンは、単一エネルギであり、約20eVの分布を有するイオンエネルギを有する。イオンエネルギのFWHMは、約23eVのFWHMを有するイオンエネルギを生成するためのデジタルパルス信号DCS1の状態S1のパラメータレベルが低減され、約23eVのFWHMを有するイオンエネルギを生成するためのデジタルパルス信号DCS1の状態S0のパラメータレベルも低減されたときに、約23eVから約20eVに減少することに注意されたい。IE41~IE42のエネルギバンドは、
図6のIE61~IE62のイオンエネルギバンドに対して、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングするために最適化される。また、
図6のプロット602について、23eVより大きいイオンエネルギ分布を有するイオンより少数のイオンは、約20eVより大きいイオンエネルギ分布を有する。
【0107】
プロット704は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に100Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に下部電極に10Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。また、プロット704は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが10%のときに生成される。例えば、プロット704は、RF信号102に基づいて生成される。
【0108】
プロット708は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に150Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に
図1の下部電極に10Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。また、プロット708は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが10%のときに生成される。例えば、プロット708は、
図1のRF信号102に基づいて生成される。
【0109】
また、プロット710は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に下部電極に200Vのバイアス電圧が印加され、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に下部電極に20Vのバイアス電圧が印加されたときに生成される。さらに、プロット710は、デジタルパルス信号DCS1の状態S1のデューティサイクルが10%のときに生成される。
【0110】
プロット716は、基板SUの材料層ML2を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で基板SUの材料層ML1をエッチングするために
図5のRF信号504が用いられるときに生成される。プロット714は、FWHM714を有する。プロット716のFWHM714では、プロット716は、IE51のイオンエネルギからIE52のイオンエネルギの範囲であり、IF5のイオン束値を有する。
【0111】
イオンエネルギIE51からイオンエネルギIE52の範囲のイオンエネルギバンドは、イオンエネルギIE41からイオンエネルギIE42の範囲のイオンエネルギバンドとは異なることに注意されたい。例として、イオンエネルギIE51からイオンエネルギIE52の範囲のイオンエネルギバンドにおけるイオンエネルギの値の大多数は、イオンエネルギIE41からイオンエネルギIE42の範囲のイオンエネルギバンドにおけるイオンエネルギの値の大多数と重ならない。例えば、イオンエネルギIE51からイオンエネルギIE52の範囲のイオンエネルギバンドにおけるイオンエネルギの値の10%未満は、イオンエネルギIE41からイオンエネルギIE42の範囲のイオンエネルギバンドにおけるイオンエネルギの値の10%未満と同じである。別の例として、イオンエネルギIE51からイオンエネルギIE52の範囲のイオンエネルギバンドにおけるイオンエネルギの値の25%未満は、イオンエネルギIE41からイオンエネルギIE42の範囲のイオンエネルギバンドにおけるイオンエネルギの値の25%未満と同じである。イオンエネルギIE51からイオンエネルギIE52の範囲のイオンエネルギバンドがイオンエネルギIE41からイオンエネルギIE42の範囲のイオンエネルギバンドとは異なるときは、イオンエネルギIE41からイオンエネルギIE42の範囲のイオンエネルギは、イオンエネルギIE51からイオンエネルギIE52の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の複数状態のバイアス電圧は、RF信号102の様々な例を提供することに注意されたい。例えば、デジタルパルス信号DCS1の10%のデューティサイクルで75Vから8Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。別の例として、デジタルパルス信号DCS1の10%のデューティサイクルで100Vから10Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。さらに別の例として、デジタルパルス信号DCS1の10%のデューティサイクルで150Vから10Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。別の例として、デジタルパルス信号DCS1の10%のデューティサイクルで200Vから20Vの間で遷移するバイアス電圧は、RF信号102の電圧と同じである。
【0113】
デジタルパルス信号DCS1の各状態についてのバイアス電圧の減少によりイオンエネルギ分布がより狭くなることが、材料層ML1を実質的にエッチングしない自己抑制的な速度で材料層ML2をエッチングするための多数の単一エネルギイオンの生成を説明していることに注意されたい。例えば、プロット702は、RF信号102の第1の電圧がRF信号102の第2の電圧に対して最適化されたときに生成される。第2の電圧を最適化して第1の電圧を実現するために、RF信号102の第2の電圧は、RF信号102の第1の電圧に修正(例えば、変更または低減)される。RF信号102の第2の電圧は、プロット704を生成するために供給される。例えば、プロット702を生成するのに用いられる75VのパラメータレベルPRL2は、プロット704を生成するのに用いられる100VのパラメータレベルPRL2より低い。また、プロット702を生成するのに用いられる8VのパラメータレベルPRL1は、プロット704を生成するのに用いられる10VのパラメータレベルPRL1より低い。プロット702は、プロット704より狭いイオンエネルギ分布を有する。例えば、FWHM712は、プロット704のFWHMより狭い。
【0114】
この例では、プロット704は、RF信号102の第2の電圧がRF信号102の第3の電圧に対して最適化されたときに生成される。RF信号102の第3の電圧は、プロット708を生成するために供給される。第3の電圧を最適化して第2の電圧を実現するために、RF信号102の第3の電圧は、RF信号102の第2の電圧に修正(例えば、変更または低減)される。例えば、プロット704を生成するのに用いられる100VのパラメータレベルPRL2は、プロット708を生成するのに用いられる150VのパラメータレベルPRL2より低い。プロット704は、プロット708より狭いイオンエネルギ分布を有する。例えば、プロット704のFWHMは、プロット708のFWHMより狭い。
【0115】
また、この例では、プロット708は、RF信号102の第3の電圧がRF信号102の第4の電圧に対して最適化されたときに生成される。第4の電圧を最適化して第3の電圧を実現するために、RF信号102の第4の電圧は、RF信号102の第3の電圧に修正(例えば、変更または低減)される。RF信号102の第4の電圧は、プロット710を生成するために供給される。例えば、プロット708を生成するのに用いられる150VのパラメータレベルPRL2は、プロット710を生成するのに用いられる200VのパラメータレベルPRL2より低い。プロット708は、プロット710より狭いイオンエネルギ分布を有する。例えば、プロット708のFWHMは、プロット710のFWHMより狭い。
【0116】
図8は、プラズマチャンバ内で形成されたプラズマのプラズマシースの電圧と、マイクロ秒(μs)で測定された時間tとの関係を表す実施形態のグラフ800のである。グラフ800は、
図2のデジタルパルス信号DCS1の状態S1と状態S0との間の変化によりプラズマシースの充放電を表すプロット802を有する。デジタルパルス信号DCS1の状態S1の間に、プラズマシースは期間Tonにおいて急速に放電し、デジタルパルス信号DCS1の状態S0の間に、プラズマシースは期間Toffにおいて充電する。
図1のRF信号102は、デューティサイクルDC1の短縮、ならびに、パラメータレベルPRL1およびパラメータレベルPRL2の低減で最適化されるため、プラズマシースの平均電圧は時間と共に減少する。プラズマシースの平均電圧の減少は、プラズマチャンバ内のプラズマイオンのイオンエネルギを安定させて、材料層ML1に対する材料層ML2の選択率を増加させる。
【0117】
本明細書に記載の実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサ搭載家電またはプログラマブル家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、様々なコンピュータシステムの構成によって実行されてよい。これらの実施形態は、ネットワークを通じて接続されるリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実行される分散コンピューティング環境においても実行されることができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上記の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理構成部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含む。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のそれらの動作を制御するための電子機器と統合される。この電子機器は、「コントローラ」と呼ばれ、システムの様々な構成部品または副部品を制御してよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールに対するウエハ搬入出、ならびに/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出など、本明細書に開示されたプロセスを制御するようにプログラムされる。
【0119】
概して、様々な実施形態では、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICとして定義されるチップ、PLD、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するためのパラメータ、因子、変数などを定義する。いくつかの実施形態では、プログラム命令は、1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造中における1または複数の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されたレシピの一部である。
【0120】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であり、またはそのコンピュータに結合されている。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする、「クラウド」内にある、または、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部である。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更して、現在の処理に続く処理工程を設定する、または、新しいプロセスを開始する。
【0121】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含むネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供する。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを備える。いくつかの例では、コントローラは、1または複数の動作中に実施される各処理工程のパラメータ、因子、および/または、変数を特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータ、因子、および/または、変数は、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されているツールの種類に固有であることを理解されたい。よって、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1または複数の個別のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的のために協働することとによって分散される。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1または複数の集積回路と連通するチャンバの1または複数の集積回路を含む。
【0122】
制限するのではなく、様々な実施形態では、本方法が適用される例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連するもしくは使用される他の半導体処理システムを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、上述の動作は、いくつかの種類のプラズマチャンバ(例えば、容量結合プラズマ(ICP)リアクタを備えるプラズマチャンバ、トランス結合プラズマチャンバ、コンダクタツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを備えるプラズマチャンバ)に適用されることにさらに注意されたい。例えば、1または複数のRF発生器は、ICPリアクタ内のインダクタに接続される。インダクタの形状の例は、ソレノイド、ドーム状コイル、扁平状コイルなどを含む。
【0124】
上記のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、ホストコンピュータは、他のツール回路もしくはツールモジュール、他のツール構成部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つまたは複数と連通する。
【0125】
上記の実施形態を考慮して、いくつかの実施形態は、コンピュータシステムに格納されたデータを含む様々なコンピュータ実施動作を用いる。これらの動作は、物理量を物理的に操作する動作である。実施形態の一部を構成する、本明細書に記載の動作のいずれかは、実用的な機械動作である。
【0126】
いくつかの実施形態は、これらの動作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置にも関する。この装置は、専用コンピュータのために特別に構成されている。コンピュータは、専用コンピュータとして定義されたときは、特定の目的のために動作できる能力を有しながら、なお特定の目的の一部ではない他の処理、プログラム実行、またはルーチンを実施する。
【0127】
いくつかの実施形態では、これらの動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに格納された、もしくは、コンピュータネットワークを通じて取得された、1または複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成されているコンピュータによって処理されてよい。データがコンピュータネットワークを通じて取得されたときは、データは、コンピュータネットワーク(例えば、クラウドコンピューティング資源)上の他のコンピュータによって処理されてよい。
【0128】
1または複数の実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作られてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによって後に読み込まれるデータを格納するあらゆるデータ記憶ハードウェアユニット(例えば、メモリデバイス)である。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続型ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、記録可能なCD(CD-R)、書き換え可能CD(CD-RW)、磁気テープ、ならびに、他の光学データ記憶ハードウェアユニットまたは非光学データ記憶ハードウェアユニットを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散して格納され実行されるようにネットワーク接続されたコンピュータシステムを通じて分配されたコンピュータ可読有形媒体を含む。
【0129】
上記の方法動作は特定の順番で説明されたが、様々な実施形態では、他のハウスキーピング操作が動作の間に実施される、または、方法動作がわずかに異なる時間で起こるように調節される、もしくは、様々な間隔での方法動作の発生を可能にするシステムで分配される、もしくは、上述とは異なる順番で実施される。
【0130】
一実施形態では、上記の実施形態の1または複数の特徴は、本開示に記載の様々な実施形態に記載された範囲を逸脱することなく、他の実施形態の1または複数の特徴と組み合わされることにさらに注意されたい。
【0131】
前述の実施形態は、明確な理解のためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更および修正が実施されうることは明らかだろう。従って、本実施形態は例示であって、制限的とみなされるべきでなく、本明細書に記載の詳細に限定されるべきでない。
[適用例1]方法であって、
第1の材料層および第2の材料層を有する基板をエッチングのためにプラズマチャンバに受け入れ、前記第1の材料層は、前記第2の材料層の上に配置されており、
前記第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別し、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なり、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層を実質的にエッチングしないように前記第2の材料層に対して自己抑制的な速度で前記第1の材料層をエッチングするように構成されており、
高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルス高周波(RF)信号を生成し、前記パルスRF信号は、デューティサイクルを有し、前記パルスRF信号は、前記第1のエネルギバンド内のイオンエネルギを有するプラズマイオンを生成するために、前記高パラメータレベルと前記低パラメータレベルとの間でパルス化され、前記デューティサイクルを有する、
ことを備える、方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、
前記第1のエネルギバンドは、追加の高パラメータレベルを前記高パラメータレベルに修正することによって、および、追加の低パラメータレベルを前記低パラメータレベルに修正することによって最適化される、方法。
[適用例3]適用例2に記載の方法であって、
前記第1のエネルギバンドは、前記デューティサイクルを実現するように前記パルスRF信号の追加のデューティサイクルを修正することによって最適化される、方法。
[適用例4]適用例1に記載の方法であって、
前記デューティサイクルは、約25%以下であり、前記低パラメータレベルは、前記高パラメータレベルの大きさの約25%以下の大きさを有する、方法。
[適用例5]適用例1に記載の方法であって、
前記速度は、前記第1の材料層のエッチング直後に前記第2の材料層に到達したときに前記第2の材料層のエッチングを停止するように、前記第2の材料層に対して自己抑制的である、方法。
[適用例6]適用例1に記載の方法であって、
前記低パラメータレベルは、クロックサイクルの少なくとも約75%について継続する、方法。
[適用例7]適用例1に記載の方法であって、
前記第1の材料層は、前記第2の材料層とは異なる、方法。
[適用例8]適用例1に記載の方法であって、
前記第1のエネルギバンドは、前記プラズマイオンの第1の範囲のイオンエネルギであり、前記第2のエネルギバンドは、第2の範囲のイオンエネルギであり、前記第1の範囲のイオンエネルギは、前記第2の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない、方法。
[適用例9]システムであって、
第1の材料層および第2の材料層を有する基板をエッチングのために受け入れるように構成されているプラズマチャンバと、前記第1の材料層は、前記第2の材料層の上に配置されており、
前記第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別するように構成されているホストコンピュータと、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なり、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層を実質的にエッチングしないように前記第2の材料層に対して自己抑制的な速度で前記第1の材料層をエッチングするように構成されており、
前記ホストコンピュータに接続された高周波(RF)発生器であって、前記RF発生器は、高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルスRF信号を生成するように構成されているRF発生器と、前記パルスRF信号は、デューティサイクルを有し、前記パルスRF信号は、前記第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために、前記高パラメータレベルと前記低パラメータレベルとの間でパルス化し、前記デューティサイクルを有し、
前記パルスRF信号を受信し、変調RF信号を出力するように構成されているインピーダンス整合回路と、前記プラズマチャンバは、さらに、前記変調RF信号を受信し、それに応答して、前記第2の材料層を実質的にエッチングしない前記速度で前記第1の材料層をエッチングするように構成されている、
ことを備える、システム。
[適用例10]適用例9に記載のシステムであって、
前記第1のエネルギバンドは、追加の高パラメータレベルを前記高パラメータレベルに修正することによって、および、追加の低パラメータレベルを前記低パラメータレベルに修正することによって最適化される、システム。
[適用例11]適用例10に記載のシステムであって、
前記第1のエネルギバンドは、前記デューティサイクルを実現するように前記パルスRF信号の追加のデューティサイクルを修正することによって最適化される、システム。
[適用例12]適用例9に記載のシステムであって、
前記速度は、前記第1の材料層のエッチング直後に前記第2の材料層に到達したときに前記第2の材料層のエッチングを停止するように、前記第2の材料層に対して自己抑制的である、システム。
[適用例13]適用例9に記載のシステムであって、
前記パルスRF信号の前記デューティサイクルは、約25%以下であり、前記低パラメータレベルは、前記高パラメータレベルの大きさの約25%以下の大きさを有する、システム。
[適用例14]適用例9に記載のシステムであって、
前記低パラメータレベルは、クロックサイクルの少なくとも約75%について継続する、システム。
[適用例15]適用例9に記載のシステムであって、
前記第1の材料層は、前記第2の材料層とは異なる、システム。
[適用例16]適用例9に記載のシステムであって、
前記第1のエネルギバンドは、前記プラズマイオンの第1の範囲のイオンエネルギであり、前記第2のエネルギバンドは、第2の範囲のイオンエネルギであり、前記第1の範囲のイオンエネルギは、前記第2の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない、システム。
[適用例17]コントローラであって、
プロセッサであって、
処理のためにプラズマチャンバ内に設置されるように構成されている基板の第1の材料層をエッチングするために最適化された第1のエネルギバンドを識別するように構成され、前記第1のエネルギバンドは、前記基板の第2の材料層をエッチングするために最適化された第2のエネルギバンドとは異なり、前記第1の材料層は、前記第2の材料層の上に配置され、前記第1のエネルギバンドは、前記第2の材料層を実質的にエッチングしないように前記第2の材料層に対して自己抑制的な速度で前記第1の材料層をエッチングするように構成され、
高パラメータレベルと低パラメータレベルとの間でパルス化するパルス高周波(RF)信号を生成するようRF発生器を制御するように構成され、前記パルスRF信号は、デューティサイクルを有し、前記RF信号は、前記第1のエネルギバンドのプラズマイオンを生成するために、前記高パラメータレベルと前記低パラメータレベルとの間でパルス化し、前記デューティサイクルを有し、
前記第1の材料層および前記第2の材料層、前記第1のエネルギバンド、前記第2のエネルギバンド、前記高パラメータレベル、前記低パラメータレベル、ならびに前記デューティサイクルに関するそれぞれの情報を格納するために前記プロセッサに接続されているメモリデバイスと、
を備える、コントローラ。
[適用例18]適用例17に記載のコントローラであって、
前記第1のエネルギバンドは、追加の高パラメータレベルを前記高パラメータレベルに修正することによって、および、追加の低パラメータレベルを前記低パラメータレベルに修正することによって最適化される、コントローラ。
[適用例19]適用例18に記載のコントローラであって、
前記第1のエネルギバンドは、前記デューティサイクルを実現するように前記パルスRF信号の追加のデューティサイクルを修正することによって最適化される、コントローラ。
[適用例20]適用例17に記載のコントローラであって、
前記デューティサイクルは、約25%以下であり、前記低パラメータレベルは、前記高パラメータレベルの大きさの約25%以下の大きさを有する、コントローラ。
[適用例21]適用例17に記載のコントローラであって、
前記速度は、前記第1の材料層のエッチング直後に前記第2の材料層に到達したときに前記第2の材料層のエッチングを停止するように、前記第2の材料層に対して自己抑制的である、コントローラ。
[適用例22]適用例17に記載のコントローラであって、
前記低パラメータレベルは、クロックサイクルの少なくとも約75%について継続する、コントローラ。
[適用例23]適用例17に記載のコントローラであって、
前記第1の材料層は、前記第2の材料層とは異なる、コントローラ。
[適用例24]適用例17に記載のコントローラであって、
前記第1のエネルギバンドは、前記プラズマイオンの第1の範囲のイオンエネルギであり、前記第2のエネルギバンドは、第2の範囲のイオンエネルギであり、前記第1の範囲のイオンエネルギは、前記第2の範囲のイオンエネルギを実質的に含まない、コントローラ。