(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240222BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240222BHJP
C23C 16/505 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L21/302 101L
H01L21/302 101B
C23C16/455
C23C16/505
(21)【出願番号】P 2022516045
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(86)【国際出願番号】 US2020049464
(87)【国際公開番号】W WO2021050386
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-09
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トゥーランド, グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】シャッツ, ケネス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】カリタ, ラクシェスワル
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-216823(JP,A)
【文献】特表2003-524703(JP,A)
【文献】特表2019-517141(JP,A)
【文献】特開2019-004141(JP,A)
【文献】特開2019-009423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/455
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を支持するように構成されたペデスタルであって、第1のプラズマ生成電極として動作可能であるペデスタルと、
放射状容積を画定する蓋板と、
前記蓋板で支持された面板であって、前記面板が第2のプラズマ生成電極として動作可能であり、プラズマ処理領域が、前記面板によって画定された前記放射状容積内の、前記ペデスタルと前記面板との間で画定され、前記面板が複数の第1の開孔を画定する、面板と、
前記面板と前記ペデスタルとの間に設置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドが前記複数の第1の開孔より多数の開孔を含む複数の第2の開孔を画定する、シャワーヘッドと、
前記蓋板によって画定された前記放射状容積内に設置された環状ライナと、を備える、半導体処理システムであって、
前記環状ライナが、前記シャワーヘッドに面した第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とによって特徴づけられ、前記環状ライナが、前記環状ライナの外側表面の周りに延在する凸部を画定し、前記凸部が、前記環状ライナの前記第1の表面から凹んでおり、かつ前記環状ライナの前記第1の表面に面した第1の棚部と、前記環状ライナの前記第2の表面に面した第2の棚部とを画定する、
半導体処理システム。
【請求項2】
前記シャワーヘッドが、誘電体材料を含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記シャワーヘッドが、前記面板の少なくとも2倍の数の開孔を画定する、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項4】
前記複数の第2の開孔のうちの各開孔が、前記複数の第1の開孔のうちの各開孔からオフセットしている、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項5】
前記複数の第2の開孔のうちの開孔の第1のサブセットが、前記複数の第1の開孔と同様の開孔パターンによって特徴づけられ、前記開孔の第1のサブセットのうちの各開孔が、前記シャワーヘッドを通る中心軸からのある角度に沿って、前記複数の第1の開孔の関連付けられた開孔からオフセットしている、請求項4に記載の半導体処理システム。
【請求項6】
前記複数の第2の開孔のうちの開孔の第2のサブセットが、前記複数の第1の開孔と同様の開孔パターンによって特徴づけられ、前記開孔の第2のサブセットのうちの各開孔が、前記シャワーヘッドを通る中心軸からの半径に沿って、前記複数の第1の開孔の関連付けられた開孔からオフセットしている、請求項4に記載の半導体処理システム。
【請求項7】
前記第1の棚部の周りに延在する第1のエラストマ構成要素であって、前記第1のエラストマ構成要素が、前記環状ライナの前記第1の表面から突き出て延出し、前記シャワーヘッドが、前記第1のエラストマ構成要素上に据えられている、第1のエラストマ構成要素と、
前記第2の棚部の周りに延在する第2のエラストマ構成要素と、
をさらに備える、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項8】
前記蓋板上に据えられたスペーサであって、第1の凹んだ棚部を画定するスペーサをさらに備え、前記第2のエラストマ構成要素が、前記スペーサの前記第1の凹んだ棚部上に据えられ、前記スペーサが、前記第1の凹んだ棚部の半径方向外側の第2の凹んだ棚部を画定する、請求項7に記載の半導体処理システム。
【請求項9】
前記シャワーヘッドが、前記シャワーヘッドの外側端部の周りに複数のノッチを画定し、前記半導体処理システムが、
複数のアライメントピンをさらに備え、前記複数のアライメントピンのうちの各アライメントピンが、前記複数のノッチのうちのノッチ内に少なくとも部分的に配置されており、前記複数のアライメントピンのうちの各アライメントピンが、前記スペーサの前記第2の凹んだ棚部上に据えられている、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項10】
プラズマ処理用の放射状容積を少なくとも部分的に画定する蓋板と、
前記蓋板上に据えられ、少なくとも部分的に前記放射状容積内に延在するスペーサであって、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とによって特徴づけられ、前記スペーサの前記第2の表面に沿って前記蓋板上に据えられている、スペーサと、
前記スペーサの前記第1の表面上に据えられ、上方から前記放射状容積を少なくとも部分的に画定する面板であって、複数の第1の開孔を画定する、面板と、
ガスボックスであって、前記面板が、前記ガスボックスと前記スペーサとの間に配置され、前記ガスボックスが、中央の開孔を画定し、前記ガスボックスが、前記ガスボックスの第1の表面内の第1のチャネルを画定する、ガスボックスと、
前記蓋板によって画定された前記放射状容積内に設置された環状ライナと、を備える、半導体処理システムであって、
前記環状ライナが、第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とによって特徴づけられ、前記環状ライナが、前記環状ライナの外側表面の周りに延在する凸部を画定し、前記凸部が、前記環状ライナの前記第1の表面から凹んでおり、かつ前記環状ライナの前記第1の表面に面した第1の棚部と、前記環状ライナの前記第2の表面に面した第2の棚部とを画定する、
半導体処理システム。
【請求項11】
前記ガスボックスの前記第1の表面内で画定された前記第1のチャネルを横断して延在する被覆板をさらに備える、請求項10に記載の半導体処理システム。
【請求項12】
前記ガスボックスが、
前記第1のチャネルの半径方向内側の前記ガスボックスの前記第1の表面内の第2のチャネルと、
前記第1のチャネルの半径方向外側の前記ガスボックスの前記第1の表面内の第3のチャネルと、をさらに画定し、
前記半導体処理システムが、
前記ガスボックスの前記第1の表面内の前記第2のチャネル内に配置された第1のガスケットと、
前記ガスボックスの前記第1の表面内の前記第3のチャネル内に配置された第2のガスケットであって、前記被覆板が、前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとの間のシールを形成する、第2のガスケットと、をさらに備える、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項13】
蓋板であって、第1の放射状容積と、前記第1の放射状容積から前記蓋板に沿って横方向に分離されている第2の放射状容積とを画定する蓋板と、
前記蓋板上に据えられ、前記第1の放射状容積と軸方向にアライメントされた第1の蓋積層体と、
第1のRF整合部であって、前記第1の蓋積層体が、前記蓋板と前記第1のRF整合部との間に配置されている、第1のRF整合部と、
前記蓋板上に据えられ、前記第2の放射状容積と軸方向にアライメントされた第2の蓋積層体であって、前記第1の蓋積層体が、中央の開孔を画定する第1のガスボックスを含み、前記第2の蓋積層体が、中央の開孔を画定する第2のガスボックスを含む、第2の蓋積層体と、
第1の出口マニホールドであって、前記第1のガスボックス上に前記第1の出口マニホールドの第1の表面に沿って設置され、前記第1の出口マニホールドの前記第1の表面から、前記第1の出口マニホールドの前記第1の表面と反対側の前記第1の出口マニホールドの第2の表面に向かって、前記第1の出口マニホールドを部分的に通り延在する中央の開孔を画定し、前記第1の出口マニホールドの前記中央の開孔が、前記第1のガスボックスの前記中央の開孔に流体アクセスを提供する、第1の出口マニホールドと、
前記第1のRF整合部を前記第1の出口マニホールドと電気的に結合する第1の導電性ピンと、
第2の出口マニホールドであって、前記第2のガスボックス上に前記第2の出口マニホールドの第1の表面に沿って設置され、前記第2の出口マニホールドの前記第1の表面から、前記第2の出口マニホールドの前記第1の表面と反対側の前記第2の出口マニホールドの第2の表面に向かって、前記第2の出口マニホールドを部分的に通り延在する中央の開孔を画定し、前記第2の出口マニホールドの前記中央の開孔が、前記第2のガスボックスの前記中央の開孔に流体アクセスを提供する、第2の出口マニホールドと、
第2のRF整合部であって、前記第2の蓋積層体が、前記蓋板と前記第2のRF整合部との間に配置されている、第2のRF整合部と、
前記第2のRF整合部を前記第2の出口マニホールドと電気的に結合する第2の導電性ピンと、
前記蓋板によって画定された前記
第1の放射状容積内に設置された環状ライナと、を備える、半導体処理システムであって、
前記環状ライナが、第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とによって特徴づけられ、前記環状ライナが、前記環状ライナの外側表面の周りに延在する凸部を画定し、前記凸部が、前記環状ライナの前記第1の表面から凹んでおり、かつ前記環状ライナの前記第1の表面に面した第1の棚部と、前記環状ライナの前記第2の表面に面した第2の棚部とを画定する、
半導体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月13日に提出された米国仮特許出願第62/900,042号の優先権の利益を主張するものであり、その内容の全体が全ての目的のために参照により本明細書により組み込まれている。
【0002】
本技術は、半導体システム、プロセス、および装置に関する。より詳細には、本技術は、半導体処理システムおよび構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面上に複雑にパタニングされた材料層を作成するプロセスによって、製造され得る。基板上にパタニングされた材料を作成することは、露出された材料の制御された除去方法を必要とする。化学エッチングは、フォトレジストのパターンを下層に転写すること、層を薄層化すること、または表面上に既に存在している形体の横方向の寸法を細くすること、を含む、種々の目的に使用されている。多くの場合、ある材料を別の材料よりも速くエッチングし、例えば、パターン転写プロセスまたは単一の材料除去を容易にする、エッチングプロセスを有することが所望される。そのようなエッチングプロセスは、第1の材料に選択的であるといわれる。材料、回路、およびプロセスの多様性の結果として、種々の材料に向けた選択性を有するエッチングプロセスが、開発されてきた。
【0004】
エッチングプロセスは、プロセスで使用される材料により、ウェットまたはドライと呼ばれ得る。湿式HFエッチングは、他の誘電体および材料上の酸化シリコンを優先的に除去する。しかしながら、湿式プロセスは、ある程度制約されたトレンチに浸透することの困難さを有し得、またときには残った物質を変形させ得る。ドライエッチングプロセスは、複雑な形体およびトレンチ内に浸透し得るが、受容可能な上部から底部へのプロファイルを提供しないことがある。デバイスサイズは、次世代デバイスにおいて小型化され続けるので、システムが、チャンバ内にかつチャンバを通して前駆体を供給する方法は、増大する影響を及ぼし得る。処理状態の均一性は、重要性が増大し続けており、チャンバ設計およびシステム設定は、製造されるデバイスの品質において重要な役割を有し得る。
【0005】
そのため、高品質のデバイスおよび構造を製造するために使用され得る、改善されたシステムおよび方法の必要性が存在する。これらのおよび他の必要性が、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0006】
例示の半導体処理システムは、半導体基板を支持するように構成されたペデスタルを含み得る。ペデスタルは、第1のプラズマ生成電極として動作可能であり得る。システムは、放射状容積を画定する蓋板を含み得る。システムは、蓋板と共に支持される面板を含み得る。面板は、第2のプラズマ生成電極として動作可能であり得る。プラズマ処理領域は、面板によって画定される放射状容積内で、ペデスタルと面板との間で画定され得る。面板は、複数の第1の開孔を画定し得る。システムは、面板とペデスタルとの間に設置されたシャワーヘッドを含み得る。シャワーヘッドは、複数の第1の開孔よりも多い数を含む複数の第2の開孔を画定し得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッドは、誘電体材料であり、またはそれを含み得る。シャワーヘッドは、面板の少なくとも2倍多くの開孔を画定し得る。複数の第2の開孔のうちの各開孔は、複数の第1の開孔のうちの各開孔からオフセットされ得る。複数の第2の開孔のうちの開孔の第1のサブセットは、複数の第1の開孔に類似した開孔パターンによって特徴づけられ得る。開孔の第1のサブセットの各開孔は、シャワーヘッドを通して中心軸からある角度に沿った複数の第1の開孔のうちの関連付けられた開孔からオフセットされ得る。複数の第2の開孔のうちの開孔の第1のサブセットは、複数の第1の開孔内の開孔の数に類似した数の開孔を含み得る。
【0008】
複数の第2の開孔のうちの開孔第2のサブセットは、複数の第1の開孔に類似した開孔パターンによって特徴づけられ得る。開孔の第2のサブセットの各開孔は、シャワーヘッドを通して中心軸から半径に沿った複数の第1の開孔のうちの関連付けられた開孔からオフセットされ得る。複数の第2の開孔のうちの開孔の第2のサブセットは、複数の第1の開孔内の開孔の数に類似した数の開孔であり、またはそれらを含み得る。処理システムはまた、蓋板によって画定された放射状容積内に設置された環状ライナを含み得る。環状ライナは、シャワーヘッドに面した第1の表面および第1の表面と反対側の第2の表面によって特徴づけられ得る。環状ライナは、環状ライナの外側表面の周りに延在する凸部を画定し得る。凸部は、環状ライナの第1の表面から溝を形成され得、環状ライナの第1の表面に面した第1の棚部、および環状ライナの第2の表面に面した第2の棚部を画定し得る。処理システムは、第1の棚部の周りに延在する第1のエラストマ構成要素と、第2の棚部の周りに延在する第2のエラストマ構成要素と、をさらに含み得る。
【0009】
第1のエラストマ構成要素は、環状ライナの第1の表面から突き出て延在し得る。シャワーヘッドは、第1のエラストマ構成要素上に据えられ得る。処理システムはまた、蓋板上に据えられたスペーサを含み得、スペーサは、第1の凹んだ棚部を画定し得る。第2のエラストマ構成要素は、スペーサの第1の凹んだ棚部上に据えられ得る。スペーサは、第1の凹んだ棚部の半径方向に外側の第2の凹んだ棚部を画定し得る。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの外側端面の周りに複数のノッチを画定し得る。半導体処理システムは、複数のアライメントピンを含み得る。複数のアライメントピンのうちの各アライメントピンは、少なくとも部分的に、複数のノッチのうちの1つのノッチ内に配置され得る。複数のアライメントピンのうちの各アライメントピンは、スペーサの第2の凹んだ棚部上に据えられ得る。
【0010】
面板の外側は、酸化コーティングによって特徴づけられ得る。シャワーヘッドは、面板に面した第1の表面によって特徴づけられ得る。複数の第2の開孔は、シャワーヘッドの第1の表面からシャワーヘッドの第1の表面と反対側のシャワーヘッドの第2の表面に延在し得る。複数の第2の開孔のうちの各開孔は、シャワーヘッドの第2の表面に直行する方向に開孔を通過する直線経路を制限するプロファイルによって特徴づけられ得る。シャワーヘッドの第1の表面は、面板から2mm内に配置され得る。
【0011】
本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理システムを包括的に含み得る。システムは、プラズマ処理用の放射状容積を少なくとも部分的に画定する蓋板を含み得る。システムは、蓋板上に据えられ、少なくとも部分的に放射状容積内に延在するスペーサを含み得る。スペーサは、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面によって特徴づけられ得る。スペーサは、スペーサの第2の表面に沿った蓋板上に据えられ得る。システムは、スペーサの第1の表面上に据えられ、上方から放射状容積を少なくとも部分的に画定する、面板を含み得る。面板は、複数の第1の開孔を画定し得る。システムは、ガスボックスを含み得る。面板は、ガスボックスとスペーサとの間に配置され得る。ガスボックスは、中央の開孔を画定し得、ガスボックスは、ガスボックスの第1の表面内に第1のチャネルを画定し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムはまた、第1のチャネル通り延在するヒータを含み得る。第1のチャネルは、ガスボックスの第1の表面内の螺旋プロファイルによって特徴づけられ得る。ヒータは、整数の巻数の第1のチャネル内を延在し得る。システムは、ガスボックスの第1の表面内で画定される第1のチャネルを横切って延在する被覆板を含み得る。ガスボックスは、第1のチャネルの半径方向に内側のガスボックスの第1の表面内に第2のチャネルをさらに画定し得る。ガスボックスは、第1のチャネルの半径方向に外側のガスボックスの第1の表面内に第3のチャネルを画定し得る。半導体処理システムは、ガスボックスの第1の表面内の第2のチャネル内に配置された第1のガスケットを含み得る。システムは、ガスボックスの第1の表面内の第3のチャネル内に配置された第2のガスケットを含み得る。被覆板は、第1のガスケットと第2のガスケットとの間にシールを形成し得る。
【0013】
ガスボックスは、第1の表面と反対側の第2の表面によって特徴づけられ得、中央の開孔は、ガスボックスの第2の表面において広がり得る。ガスボックスは、ガスボックスの第1の表面から中央の開孔内に延在する凹んだ棚部を画定し得る。システムは、中央の開孔内の凹んだ棚部上に据えられた挿入体を含み得る。挿入体は、ガスボックスの中央の開孔を通る進入路を提供する1つまたは複数の開孔を画定し得る。蓋板は、スペーサが据えられた蓋板の第1の表面から蓋板を通り少なくとも部分的に延在する少なくとも1つの開孔を画定し得る。スペーサは、少なくとも1つの開孔を画定し得、スペーサの少なくとも1つの開孔のうちの各開孔は、蓋板の少なくとも1つの開孔のうちの関連付けられた開孔と軸方向にアライメント(位置合わせ)されている。スペーサの少なくとも1つの開孔のうちの各開孔は、蓋板の第1の表面で、蓋板の少なくとも1つの開孔のうちの関連付けられた開孔の直径よりも小さい直径によって特徴づけられ得る。システムは、蓋板の少なくとも1つの開孔のうちの各開孔内に配置されたジャッキ部材を含み得る。各ジャッキ部材の表面は、スペーサの少なくとも1つの開孔のうちの各開孔の直径よりも大きい直径によって特徴づけられ得、ジャッキ部材の取り外しは、蓋板からスペーサを分離するように構成され得る。
【0014】
本技術のいくつかの実施形態はまた、半導体処理システムを包括的に含み得る。システムは、第1の放射状容積と、第1の放射状容積から蓋板に沿って横方向に分離されている第2の放射状容積とを画定する蓋板を含み得る。システムは、蓋板上に据えられ、第1の放射状容積と軸方向にアライメントされた第1の蓋積層体を含み得る。システムは、第1のRF整合部を含み得、ここで第1の蓋積層体は、蓋板と第1のRF整合部との間に配置され得る。システムは、蓋板上に据えられ、第2の放射状容積と軸方向にアライメントされた第2の蓋積層体を含み得る。システムは、第2のRF整合部を含み得、ここで第2の蓋積層体は、蓋板と第2のRF整合部との間に配置され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の蓋積層体の1つまたは複数の構成要素および第2の蓋積層体の1つまたは複数の構成要素は、酸化物コーティングを含み得る。第1の蓋積層体は、中央の開孔を画定する第1のガスボックスを含み得る。第2の蓋積層体は、中央の開孔を画定する第2のガスボックスを含み得る。システムは、第1の出口マニホールドの第1の表面に沿って第1のガスボックス上に設置された第1の出口マニホールドを含み得る。第1の出口マニホールドは、第1の出口マニホールドを部分的に通り、第1の出口マニホールドの第1の表面から、第1の出口マニホールドの第1の表面と反対側の第1の出口マニホールドの第2の表面に向かって、延在する中央の開孔を画定し得る。第1の出口マニホールドの中央の開孔は、第1のガスボックスの中央の開孔への流体のアクセスを提供し得る。システムは、第1のRF整合部を第1の出口マニホールドと電気的に結合する第1の導電性ピンを含み得る。
【0016】
システムは、第2の出口マニホールドの第1の表面に沿って第2のガスボックス上に設置された第2の出口マニホールドを含み得る。第2の出口マニホールドは、第2の出口マニホールドを部分的に通り、第2の出口マニホールドの第1の表面から、第2の出口マニホールドの第1の表面と反対側の第2の出口マニホールドの第2の表面に向かって、延在する中央の開孔を画定し得る。第2の出口マニホールドの中央の開孔は、第2のガスボックスの中央の開孔への流体のアクセスを提供し得る。システムは、第2のRF整合部を第2の出口マニホールドと電気的に結合する第2の導電性ピンを含み得る。第1のガスボックスおよび第2のガスボックスは、それぞれの出口マニホールドが設置されたそれぞれのガスボックス第1の表面内で第1のチャネルを各々画定し得る。各第1のチャネルは、それぞれのガスボックスの第1の表面内の螺旋プロファイルによって特徴づけられ得る。
【0017】
システムは、第1のガスボックスの第1のチャネルを通り延在する第1のヒータを含み得、第1のRFフィルタは、第1のヒータと結合し得る。システムは、第2のガスボックスの第1のチャネルを通り延在する第2のヒータを含み得、第2のRFフィルタは、第2のヒータと結合し得る。システムは、第1の出口マニホールドの外側端面に連結された第1のガスブロックを含み得る。第1のガスブロックは、流体連結を提供するように、第1の出口マニホールドの中央の開孔に連結され得る。システムは、第2の出口マニホールドの外側端面に連結された第2のガスブロックを含み得る。第2のガスブロックは、流体連結を提供するように、第2の出口マニホールドの中央の開孔に連結され得る。システムは、蓋板を通り延在し、第1のガスブロックおよび第2のガスブロックの各々と連結される、ガス貫通接続を含み得る。半導体処理システムは、蓋板を通り延在し、第1のガスブロックおよび第2のガスブロックの各々と連結される、2つのガス貫通接続を含み得る。蓋板は、ガス貫通接続が通り延在する開孔を画定し得る。蓋板は、半導体処理システムのチャンバ本体とヒンジ連結され得る。チャンバ本体は、蓋板がチャンバ本体上で閉じられているとき、ガス貫通接続が据えるエラストマ構成要素を含み得る。
【0018】
そのような技術は、従来のシステムおよび技術に関する多数の利益を提供し得る。例えば、システムは、従来の設計より良好に腐食に対して保護し得る。さらに、対称な電気的設計が、プラズマ均一性を改善し得る、RF均一性を改善し得る。これらおよび他の実施形態は、それらの利点および特徴のうちの多くと共に、以下の説明および添付図と合わせてより詳細に説明されている。
【0019】
開示された技術の性質および利点のさらなる理解は、明細書および図面の残りの部分を参照することによって、実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な処理メインフレームの概略上面平面図である。
【
図2】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な半導体処理システムの概略等角投影図である。
【
図3】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な処理チャンバの概略部分断面図である。
【
図4】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な蓋板の概略等角投影図である。
【
図5】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な蓋積層体の概略部分断面図である。
【
図6】本技術のいくつかの実施形態による、蓋積層体構成要素の概略分解等角投影図である。
【
図7】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図である。
【
図8A-8B】本技術のいくつかの実施形態による、投影を伴う構成要素の概略平面図である。
【
図9】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図である。
【
図10】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略上面等角投影図である。
【
図11】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図である。
【
図12A-12D】本技術のいくつかの実施形態による、例示の分配挿入体の概略図である。
【
図13】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分等角投影図である。
【
図14】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図のうちのいくつかは、概略として含まれている。図は、例解用であり、一定の縮尺であることが言明されない限り、一定の尺度にあると考慮されるべきでないことが理解されよう。さらに、概略として、図は、理解を支援するために提供されており、現実的な表現と比較された全ての態様または情報を含まないことがあり、例解目的で誇張された構成要素が含まれ得る。
【0022】
添付図では、類似する構成要素および/または特徴が、同一の参照ラベルを有し得る。さらに、同一の種類の多様な構成要素が、類似の構成要素間で区別する文字により参照ラベルを追従することによって、区別され得る。最初の参照ラベルのみが明細書で使用されている場合、説明は、文字に関係なく同一の最初の参照ラベルを有する類似の構成要素のうちのいずれか1つに適用可能である。
【0023】
本技術は、半導体処理システム、チャンバ、および半導体製造作業を実行するための構成要素を含む。半導体製造中に実行される多くのドライエッチング作業は、複数の前駆体を含み得る。多様な方法で活性化され組み合わされるとき、これらのエッチャントは、基板の態様を除去または変更するために、基板に供給され得る。従来の処理システムは、複数の方法でエッチングためなどに、前駆体を提供し得る。改良された前駆体またはエッチャントを提供する1つの方法は、処理チャンバを介して処理するウェハなどの基板に前駆体を供給する前に、遠隔プラズマユニットを介して全ての前駆体を生成することである。しかしながら、このプロセスの課題は、種々の前駆体が、種々の材料と反応性であり得ることであり、このことは遠隔プラズマユニットまたはラジカル放出物によって接触され得る任意の構成要素に損傷をもたらし得る。例えば、改良型フッ素含有前駆体は、アルミニウム表面と反応し得るが、酸化物表面と反応しないことがある。改良型水素含有前駆体は、アルミニウム表面と反応しないことがあるが、酸化物コーティングと反応し、除去し得る。したがって、2つの前駆体が、共に遠隔プラズマユニットを介して供給される場合、それらは、任意の数の構成要素に損傷を与え得る。
【0024】
本技術は、エッチャントを生成するために局所的なプラズマが生成され得るチャンバ内に、前駆体を供給する前に前駆体を混合するように構成された、構成要素およびシステムを利用することによって、これらの課題を克服し得る。本技術のいくつかの実施形態によるチャンバおよびシステムはまた、チャンバを通る熱伝導率を最大化する構成要素の構成を含み、特有の方法で構成要素を連結することによって、整備の平易性を向上させ得る。いくつかのシステム構成要素はまた、コーティングされ、またはそうでなければ、チャンバを通した流体供給中の反応性および損傷を制限するために保護されていてもよい。
【0025】
残りの開示は、開示された技術を利用して特定のエッチングプロセスを決まった仕方で識別することになるが、本システムおよび方法は、記述されているチャンバ内で発生し得るような堆積プロセスおよび/または洗浄プロセスに、同等に適用可能であることが、容易に理解されるであろう。したがって、本技術は、エッチングプロセス単独で使用されるものとして限定されると考慮されるべきではない。
【0026】
図1は、いくつかの実施形態による、堆積、エッチング、焼成、および/または硬化チャンバの処理システム100のある実施形態の上面平面図を示している。図では、1対の前方開口型統一ポッド102は、ロボットアーム104によって受容され、タンデム部109a~cに設置された基板処理チャンバ108a~fのうちの1つの中に配置される前に低圧保持領域106内に配置される、種々のサイズの基板を供給し得る。第2のロボットアーム110は、基板ウェハを保持領域106から基板処理チャンバ108a~fに、およびその逆に移送するために使用され得る。各基板処理チャンバ108a~fは、本明細書で示されているドライエッチングプロセスを含む多くの基板処理作業、および循環的な層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、エッチング、前洗浄、ガス抜き、配向、および他の基板プロセスを実行するように装備され得る。
【0027】
基板処理チャンバ108a~fは、基板ウェハ上の誘電体、金属、もしくは半導体膜を堆積、アニーリング、硬化、および/またはエッチングするための1つまたは複数のシステム構成要素を含み得る。ある構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c~dおよび108e~fが、基板上に誘電体材料を堆積するために使用され得、処理チャンバの第3の対、例えば108a~bは、堆積された材料をエッチングするために使用され得る。別の構成では、3対全てのチャンバ、例えば108a~fは、基板上の誘電体、金属、または半導体材料をエッチングするように構成され得る。タンデム部のうちの任意のものは、下記の処理システムと共に装備され得る。誘電体膜用の堆積、エッチング、アニーリング、および硬化チャンバの付加的な構成が、システム100によって同様に包括的に含まれることが理解されよう。
【0028】
図2は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理システム200の概略断面図を示している。システム200は、
図1に例解されているメインフレーム上に組み込まれ得、その図で例解されている構成要素のうちのいくつかまたは全てを含み得る。図は、蓋板および蓋積層体ならびに結合された構成要素の部分図を含み得るが、さらに以下で説明されるような付加的な構成要素を含み得る。システム200は、互いに同様の構成要素を含み得る、1対の隣接した処理チャンバまたはタンデムの処理チャンバを含み得、システムの一定の構成要素を共有し得る。システムは、個別のチャンバ用の蓋積層体210aおよび210bを支持し得る蓋板205を含み得る。さらに以下で説明されるように、蓋板205は、いくつかの実施形態で2つの放射状容積を画定し得、蓋積層体は、放射状容積のうちの1つに各々アライメントまたは同軸にされ得る。例えば、蓋積層体210aは、蓋板205によって画定される第1の放射状容積と同軸であり得、蓋積層体210bは、蓋板205によって画定される第2の放射状容積と同軸であり得る。覆われている構成要素を例解するために透明に示されている、ボックスカバー212は、RF密閉を提供し得、蓋積層体210を少なくとも部分的に収容し得る。
【0029】
ボックスカバー212はまた、以下でより詳細に説明され得る付加的な構成要素を支持し得る。例えば、システムの各チャンバは、チャンバにアライメントされた別個のRF整合部215を含み得る。例えば、第1のRF整合部215aは、蓋積層体210aまたは第1の処理チャンバの中心軸に軸方向にアライメントまたは同軸にされ得、蓋積層体210aは、蓋板205と第1のRF整合部215aとの間に配置され得る。同様に、第2のRF整合部215bは、蓋積層体210bまたはシステム200の第2の処理チャンバの中心軸に軸方向にアライメントまたは同軸にされ得、蓋積層体210bは、蓋板205と第2のRF整合部215bとの間に配置され得る。ボックスカバー212は、チャンバごとの個別のRFフィルタ217などの付加的な構成要素を支持し得る。例えば、各チャンバは、プラズマ処理用の電気的信号に干渉し得るヒータを組み込み得る。ヒータは、損失およびプラズマ生成システムへの干渉を改善するために、例解されており以下でさらに説明されるようなRFフィルタによって、運転され得る。例解されているように、第1のRFフィルタ217aは、ボックスカバーに連結され、蓋積層体210aのヒータと結合され得る。第2のRFフィルタ217bは、例えば例解されているような反対側の、ボックスカバーと連結され得、蓋積層体210bのヒータと結合され得る。以下でさらに説明されるような同軸のRF整合部の設定を利用することによって、改善されたRF供給、低減された損失、および改善されたプラズマ均一性が、本技術の実施形態によるシステムによって、もたらされ得る。
【0030】
図3は、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な処理チャンバ300の概略部分断面図を示している。例えば、図は、上述されたシステム200の半分を例解し得、システムの1つのチャンバの結合された構成要素を例解し得る。例えば、処理チャンバ300は、蓋板205、または1つの処理チャンバに結合された蓋板のおおよそ半分であり得るもの、および蓋板205上に配置された1つの蓋積層体210を含み得る。蓋板205は、実行されたプロセスの過剰な前駆体または副生成物を取り出すためのポンピングまたは排気システムへのアクセスを提供し得る、チャンバ本体305に連結され得る。チャンバ300はまた、ペデスタル310、または半導体基板312を支持するように構成され得る他の基板支持体を含み得る。
【0031】
上述されたように、処理システム200または個々のチャンバ300は、本技術の実施形態においてプラズマ処理を実行するように構成され得る。例えば、塩素含有またはフッ素含有前駆体などの1つまたは複数のハロゲン前駆体を利用するエッチングプロセスは、1つまたは複数の他の反応性、中性、またはキャリア前駆体を、処理領域315内に供給され得る。基板312上の物質を反応させエッチングするラジカル放出物を生成し得る、容量結合プラズマなどのプラズマは、いくつかの実施形態において、処理領域315内で生成され得る。ペデスタルは、実施形態における2つのプラズマ生成電極のうちの1つとして機能し得る。蓋積層体の1つまたは複数の構成要素は、実施形態における第2のプラズマ生成電極として機能し得る。ペデスタルまたは蓋積層体構成要素のどちらかは、ホット電極として機能し得るが、いくつかの実施形態では、ペデスタルが接地され得る一方で、RF整合部と電気連絡しているなどの、蓋積層体の構成要素が、ホット電極として機能し得る。
【0032】
ペデスタルがRF高温部として機能する場合、チャンバ壁近傍および電極の端部での電界強度は、比較的高いことがあり、端部でのプラズマ強度を増大させ得る。これが、基板上の端部エッチングレートを増大させ得、これがエッチング均一性を低下させ得る。極性が逆で、蓋積層体がRFホット電極として機能する場合、チャンバ壁近傍の増大された電界強度は、増大されたラジカル放出物をやはり生成し得るが、基板からのある程度の距離により、これらの増大されたラジカルは、直ちに基板に影響を与えない可能性がある。このことは、基板におけるエッチング均一性を増大させ、基板全体の処理を改善し得る。
【0033】
チャンバ300は、蓋積層体210をもたらすために連結された多くの構成要素を含み得る。蓋積層体は、蓋スペーサ320、シャワーヘッド325、ライナ327、面板330、遮断板335、ガスボックス340、被覆板345、および出口マニホールド350のうちの1つまたは複数を含み得る。構成要素は、前駆体または前駆体のセットを、チャンバを通して分配して、エッチャントまたは他の前駆体の処理する基板への均一な供給を提供するために利用され得、かつ/または以下で説明されるように、チャンバ構成要素を保護するために使用され得る。いくつかの実施形態では、これらの構成要素のうちのいくつかは、チャンバ300の外側を各々少なくとも部分的に画定する積層板であり得る。
【0034】
先に説明されたように、本技術のいくつかの実施形態によるチャンバおよび構成要素は、バイアスプラズマが処理領域315内で形成され得る作業を実行するために使用され得る。この作業は、基板上の構造体の物理的衝撃を含むエッチング、および処理領域315内に生成される反応性プラズマ放出物によって実行される反応性エッチングの側面を含み得る。前駆体は、基板から物質を除去するように構成され得る、ハロゲン前駆体を含み得る。したがって、チャンバの構成要素は、フッ素、塩素、または他のハロゲン含有放出物などの化学的反応性プラズマ放出物、ならびに物質および構成要素に物理的に影響を与え得るプラズマ中で生成されるイオンの両方に曝露され得る。
【0035】
本技術の実施形態によるシステムおよびチャンバはまた、プラズマの構成要素との相互作用を制限するような構成およびコーティングを含み得る。例えば、付加的なシャワーヘッドであり得る面板330は、従来、基板に面した表面および開孔内部の表面に接触するバイアスプラズマ放出物などのプラズマ放出物、ならびに基板312と相互作用する前に面板の開孔を通り進行する反応性放出物の両方に曝露されてきた可能性がある。上記の他の構成要素はまた、逆流プラズマからを含めて、1つまたは両方のプラズマ放出物に曝露され得る。
【0036】
プラズマ放出物は、チャンバ構成要素に対して異なる効果をもたらし得る。例えば、処理領域315で生成された化学的反応性プラズマ放出物からのイオンは、シャワーヘッド325による逆流から少なくとも部分的にフィルタリングされ得る。しかしながら、例えば塩素含有放出物などの反応性放出物は、アルミニウム塩化物を形成することによるなどの、曝露された物質の腐食をもたらし得る。時間と共に、このプロセスは、曝露された金属構成要素を腐食し得、交換を必要とする。さらに、処理領域315内でプラズマから形成されたプラズマ種は、従来、構成要素に影響を与え、物理的損傷および時間と共に構成要素を侵食し得るスパッタリングをもたらしてきた可能性がある。したがって、説明された構成要素のうちの任意のものは、チャンバの1つまたは複数の領域内で生成されたプラズマ放出物から、化学的腐食および物理的浸食の影響を受けやすかった可能性がある。
【0037】
腐食は、物質上にコーティングを形成することによるいくつかの方法で、制御され得る。例えば、アルミニウムは、塩素含有またはフッ素含有材料への曝露により腐食し得る一方で、酸化アルミニウムまたは他のメッキまたはコーティングは、前駆体との接触により腐食しない可能性がある。したがって、記述された構成要素のうちの任意のものは、陽極酸化、酸化、無電解ニッケルメッキ、酸化アルミニウム堆積コーティング、チタン酸バリウム、または曝露されたアルミニウムなどの導電性材料を化学的腐食から保護し得る他の任意の材料によって、コーティングまたは保護され得る。同様に、浸食は、物質上にコーティングを形成することによるいくつかの方法で、制御され得る。例えばアルミニウムまたはジルコニウムを含む付加的な材料を含む場合も含まない場合もある、電子ビームまたはプラズマスプレイ酸化イットリウムなどの高性能材料は、例えば、構成要素をプラズマ放出物に起因する物理的損傷から保護し得る。しかしながら、構造体が、腐食性プラズマ放出物および侵食性プラズマ放出物の両方によって接触され得る場合、構成要素への損傷は、やはり発生し得る。
【0038】
チャンバ300は、ハロゲン含有前駆体を蓋積層体構成要素の各々を通して供給するように構成され得るので、これらの構成要素のうちの任意の1つまたは複数は、上述された耐腐食性材料のうちの任意のものでコーティングまたは保護され得る。処理領域315へのプラズマ生成を制限することによって、より少ない構成要素が、耐浸食性コーティングを含み得る。さらに、チャンバ300は、例えば石英などの誘電体材料であり、またはそれらを含み得るシャワーヘッド325を含み得、それが面板330をイオン衝撃による浸食から保護し得る。以下で説明されるように、構成要素を通る開孔は、プラズマ放出物と面板330との間の相互作用を制限または防止するように共に構成され得る。
【0039】
図4は、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な蓋板205の概略等角投影図を示している。蓋板205は、先に説明されたような蓋積層体の支持構造を提供し得る。例解されているように、蓋板205は、第1の放射状容積405および第2の放射状容積410を画定する、部分的または実質的に平面の構成要素を提供し得、それは、第1の放射状容積405から横方向へオフセットまたは分離されている場合もある。上で例解されているように、放射状容積は、上方から面板330および/またはシャワーヘッド325、下方からペデスタル310または基板支持体と共に、プラズマ処理領域を半径方向に少なくとも部分的に画定し得る。
【0040】
蓋板205は、上述されたように蓋積層体の構成要素のうちの1つまたは複数を支持し得、タンデム蓋積層体ならびにRF整合部および結合された構成要素の各々を支持し得る。蓋板205は、いくつかの実施形態では、アルミニウムであり得、上述されたような耐腐食性または耐浸食性コーティングのうちの任意のものを含んでも含まなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、蓋板205は、処理作業中、流体または物質が蓋板と接触することを制限または防止するように構成され得、またはそのように構成された構成要素を含み得る。その結果、蓋板205は、いくつかの実施形態では、コーティングを含まない場合もある。このことは、いくつかの構成では、長さでほぼ1m以上であり得る一体構造の蓋板をコーティングすることがいくつかのコーティングシステムにとって非実践的または不可能であり得るので、有益であり得る。
【0041】
図5は、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な蓋積層体500の概略部分断面図を示している。図は、先行の図のうちの任意のもので識別された構成要素の拡大された図を例解し得、構成要素、材料、または上述されたような特性のうちの任意のものを含み得る。図は、蓋板205上で支持され得る処理チャンバのうちの1つの一部分の構成要素を示し得、第2の蓋積層体または処理チャンバは、説明された構成要素の第2の変種、および例えば、回転されているなどの異なる構成として、例解されている構成要素のうちの一部または全てを含み得ることが理解されよう。例えば、蓋積層体500は、構成要素を支持し得る蓋板205の一部分を例解し得る。支持されている構成要素は、蓋スペーサ320、ライナ327、シャワーヘッド、325、面板330、遮断板335、ガスボックス340、および被覆板345を含み得る。上述されているように、これらは、いくつかの実施形態では、これらの構成要素の各々第2のセット、および蓋板205上の第2の蓋積層体として組み込まれ他の場所で説明されている他の任意のものを伴う、各々第1の構成要素であり得る。これらの構成要素のうちのいくつかまたは全ては、以下で説明されるように蓋積層体を通して伝熱が増大し得る、構成要素を圧縮的に連結し得るボルト、締め具、ねじ釘、または他の構成要素などで、共に連結され得る。構成要素はまた、以下でさらに説明されるような前駆体を受容し得る出口マニホールド350を含み得る。
【0042】
処理システムは、電力を面板330に供給し、上述されたように処理領域315内にプラズマを生成するために、処理チャンバと電気的に結合された電源および/またはRF整合部215をさらに含み得る。蓋積層体の各構成要素は、RFガスケット、またはRF経路のために適正な電気的結合を維持するために、連続するプレート間に配置された他の電気的結合構成要素を含み得る。図のいくつかは、RFガスケットおよびOリングなどのエラストマ構成要素を据え、隣接したシステム構成要素間のシールを提供するために使用され得る、各構成要素の1つまたは複数の表面内に形成された1つまたは複数のチャネルを例解している。電源は、実行されるプロセスに応じて、調節可能な電力量をチャンバに供給するように構成され得る。そのような構成が、同調可能なプラズマが実行中のプロセスで使用されることを可能にし得る。多くの場合オンオフ機能を備えて提供される遠隔プラズマユニットと異なり、同調可能なプラズマは、特定の電力量をプラズマ処理領域315に供給するように構成され得る。これが結果として、前駆体が特定の方法で解離され、これらの前駆体によって生成されるエッチングプロファイルを改善し得るように、特定のプラズマ特性の実用化を可能にし得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、基板処理領域315内で形成されたプラズマは、塩素含有前駆体または他の前駆体などの流入物から、ラジカル前駆体を生成するために使用され得る。通常RF範囲内のAC電圧は、出口マニホールド350などの処理チャンバの導電性の上部と、蓋積層体構成要素を介して、面板330との間に印加され、堆積中に処理領域315内のプラズマを励起し得る。RF電源は、13.56MHzの高RF周波数を生成し得るが、他の周波数を単独で、または13.56MHzの周波数との組み合わせで、ならびに60MHz以下または上回る他の任意の周波数もまた生成し得る。RF整合部は、処理チャンバへの電圧を供給する導電性ピン510を介してチャンバと接続され得る。導電性ピンは、誘電体絶縁体、および出口マニホールド350の表面と結合されたピンガイド内に存在し得る。例解されているように、RF整合部および導電性ピンは、チャンバまたは蓋積層体構成要素を介して、中心軸に位置合わせされ得、いくつかの実施形態では同軸であり得、このことが電気的な供給を改善し、より均一なプラズマをもたらし得る。
【0044】
出口マニホールド350は、ガスボックス340の第1の表面342上に据えられ得、出口マニホールド350の第1の表面352に沿ってガスボックス340の第1の表面と接触し得る。出口マニホールド350は、第1の表面352から出口マニホールドを部分的に通り延在する中央の開孔354を画定し得る。中央の開孔354は、出口マニホールドを部分的またはほとんどを通り延在し得、一方、第1の表面352と反対側の出口マニホールドの第2の表面356の方にまたはそれを通り延在しない。第2の表面356は、導電性ピン510を介するなどして、RF整合部215と電気的に結合し得、RF電力を、蓋積層体構成要素を通して供給するように構成され得る。出口マニホールド350は、以下に説明されるように、出口マニホールドの放射状または外側の端部から中央の開孔にアクセスする流体を供給し得る、中央の開孔354の側壁を通る1つまたは複数の開孔358を含み得る。
【0045】
出口マニホールド350の中央の開孔354は、ガスボックス340、およびガスボックスの中央の開孔344への流体のアクセスを提供し得る。ガスボックス340は、遮断板335によって画定された領域内に流体または前駆体を供給し得る。遮断板335は、構成要素を通して画定された多くの開孔を含み、前駆体をチャンバ内で外側へより均一に散布し得る。例えば、遮断板335は、構成要素を横断して圧力降下を発生させて、前駆体の滞留時間を増大させ、蓋積層体を通り進行する前により横方向または放射状の供給を可能にする、多くの比較的小さい開孔を画定し得る。遮断板335は、後述されるように、複数の第1の開孔を画定し得る、面板330に前駆体を供給し得る。面板330は、前駆体を処理領域315にさらに分散させ得る、シャワーヘッド325に前駆体を供給し得る。処理領域315では、チャンバの内部構成要素に接触し得るイオンを生成し得る前駆体から、プラズマが、生成され得る。蓋スペーサ320、蓋板205、および面板330などの構成要素の表面とのプラズマ放出物の相互作用を低減するために、シャワーヘッド325およびライナ327が、いくつかの実施形態では、含まれ得る。
【0046】
蓋スペーサ320は、蓋積層体を蓋板および/またはチャンバ本体から電気的に絶縁し得る、例えばセラミック材料などの誘電体材料を含み、上述された処理容積内でのプラズマ生成を支援し得る。蓋板によって画定される放射状容積内に延在し得る、蓋スペーサ320を保護するために、蓋スペーサは、付加的な構成要素を支持し得る。例えば、蓋スペーサ320は、第1の表面および第2の表面によって特徴づけられ得、スペーサの第2の表面に沿って蓋板上に据えられ得る。以下で説明されるように、蓋スペーサ320は、いくつかの実施形態では、シャワーヘッド325およびライナ327を支持し得る。面板330、および上層にある蓋積層体構成要素は、いくつかの実施形態では、プラズマ生成電極として機能し得るこれらの構成要素の電気的分離を維持し得る、蓋スペーサ320の第1の表面上に据えられ得る。
【0047】
図6は、本技術のいくつかの実施形態による、蓋積層体構成要素の概略分解等角投影図を示している。図は、シャワーヘッド325、ライナ327、および蓋スペーサ320を含み得る。上述されているように、蓋スペーサ320は、プラズマ放出物種による接触または影響から他のチャンバ構成要素を保護するために、シャワーヘッド325およびライナ327を支持し得る。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド325およびライナ327は、例えば、石英などの誘電体材料であり得、他の蓋積層体およびチャンバ構成要素への影響保護を提供し、生成されたエッチャント種からの腐食に対する耐性を示し得る。石英の材料特性のために、いくつかの実施形態では、シャワーヘッド325およびライナ327は、他のチャンバ構成要素と直接接触しない可能性があり、間隔を空けられ間接的連結が維持されて、蓋積層体内に据えられ得る。
【0048】
シャワーヘッド325は、後述されるように、第2の開孔であり得る、複数の開孔を画定し得る。シャワーヘッド325はまた、シャワーヘッド325の半径方向の外側端部上またはその周りの1つまたは複数のノッチ602を画定し得る。ノッチ602は、後述されるように、アライメントピンを受容するようにサイズ設定され得る。ライナ327は、例解されているような環状ライナであり得、シャワーヘッド325に面し得る第1の表面604によって特徴づけられ得る。ライナ327はまた、第1の表面と反対側の第2の表面606によって特徴づけられ得、処理領域内で面板からペデスタルへの方向に、少なくとも蓋スペーサ320の端部へ、またはそれを越えて延在し得る。このことが、処理作業中、蓋スペーサの保護を確実にする。
【0049】
例解されているように、ライナ327は、環状ライナの外側表面の周りを延在する凸部610を画定し得る。この凸部は、いくつかの実施形態では、ライナおよびシャワーヘッドの両方を据えることを支援し得る。凸部610は、モノリシックまたは一体構造の構成要素であり得るライナ327の一体化された部分であり得る。凸部610は、ライナ327の第1の表面604から溝形成され得る。このことは、環状ライナの第1の表面に面した凸部610の第1の表面の上などに第1の棚部612、およびライナの第2の表面に面した第1の表面と反対側の凸部610の第2の表面の上などに第2の棚部614を提供し得る。いくつかの実施形態では、第1のエラストマ構成要素616は、第1の棚部612上に設置され、周りに延在し得る。第2のエラストマ構成要素618は、第2の棚部614上に設置され、周りに延在し得る。第1のエラストマ構成要素616および第2のエラストマ構成要素618は、チャンバ内の処理中に圧力シールする構成要素であってもなくてもよい。エラストマ構成要素は、シャワーヘッド325およびライナ327が、他の構成要素との制限された接触を有し得ることを付加的にまたは代替的に保証し得る。
【0050】
図7は、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図を示しており、蓋積層体内に組み込まれているシャワーヘッド325およびライナ327の詳細図を示し得る。例解されているように、蓋スペーサ320は、第1の表面702と、第1の表面と反対側の第2の表面704と、を含み得る。蓋スペーサ320は、蓋板205上に第2の表面704に沿って位置し得、一方、面板および他の蓋積層体の構成要素は、蓋スペーサの第1の表面702の周りにあり得る。蓋スペーサ320は、上述されているように、蓋板によって画定される放射状容積内に垂直に延在する部分を付加的に画定し得る。蓋スペーサ320は、第1の凹んだ棚部706をこの部分に沿って画定し得る。前に説明されているように、シャワーヘッド325およびライナ327は、いくつかの実施形態では、石英などの誘電体材料であり得る。石英は、処理状況の間に他の構成要素と接触すると、ひび割れ得るので、いくつかの実施形態では、構成要素は、蓋積層体の他の構成要素と直接接触しない場合がある。
【0051】
先述されたように、第1のエラストマ構成要素616および第2のエラストマ構成要素618は、凸部610の表面上を延在し、環状ライナの周りに延在し得る。エラストマ構成要素は、例えばバンパリングであり得、ライナおよびシャワーヘッドが、他の構成要素上に据えられることを可能にし得る。例えば、ライナ327は、蓋スペーサ320の第1の凹んだ棚部706上に、第2のエラストマ構成要素618に沿って置かれ得る。第1の凹んだ棚部706は、処理領域体積の周りに半径方向に延在し得、エラストマ構成要素618と棚部に沿って接触し得る。いくつかの実施形態では、ライナ327の半径方向に外側の端部は、蓋スペーサ320と接触し得る。いくつかの実施形態では、第1のエラストマ構成要素616または第2のエラストマ構成要素618のうちのどちらかまたは両方は、凸部610から突き出て延在し得、凸部610の半径方向に外側の端部から半径方向に外側に延在し得、凸部610と蓋スペーサ320との間の接触を制限または防止し得る。第1のエラストマ構成要素616はまた、ライナ327から突き出て延在し得、ライナ327の第1の表面604を垂直に越えて延出し得る。したがって、シャワーヘッド325は、第1のエラストマ構成要素616上に置かれ得、ライナ327との制限された接触を有し得、いくつかの実施形態では、ライナ327と接触しない可能性がある。
【0052】
蓋スペーサ320はまた、第2の凹んだ棚部708を第1の凹んだ棚部706から半径方向に外側に画定し得る。第2の凹んだ棚部708は、蓋スペーサ320の第1の表面702から凹み得、第1の凹んだ棚部706は、第1の表面702および第2の凹んだ棚部708から凹み得る。第1の凹んだ棚部706の第2の凹んだ棚部708から凹みの程度は、凸部の第1の棚部612と第2の棚部614との間の距離のように、ライナ327の凸部610の厚さよりも大きい場合がある。しかしながら、凹みの程度は、各エラストマ構成要素の直径を含む距離を下回り得る。その結果、第2のエラストマ構成要素618、凸部610、および第1のエラストマ構成要素616から延在する全体の距離は、第1の凹んだ棚部706の第2の凹んだ棚部708からの距離を上回り得る。このことは、シャワーヘッド325が第2の凹んだ棚部708のわずかに上に据えられることを可能にし得、シャワーヘッド325の半径方向の端面と蓋スペーサ320の露出された表面との間の接触を制限または防止し得る。第2の凹んだ棚部708は、シャワーヘッド325の厚さを少なくともわずかに上回る距離によって特徴づけられ得る。
【0053】
上述されたような面板が、蓋スペーサ320の第1の表面702上に据えられ得るので、面板とシャワーヘッド325との間のギャップは、維持され得る。ギャップを維持するために、第2の凹んだ棚部708は、シャワーヘッド325の厚さを上回る第1の表面702からの凹みの距離、および第1のエラストマ構成要素616が第2の凹んだ棚部708を越えて延在するに距離によって、特徴づけられ得る。結果的に、シャワーヘッド325は、面板または蓋積層体の構成要素が据えられ得る、蓋スペーサ320の第1の表面702の最上部分より下方に凹んで維持され得る。このことは、同時に、以下でさらに説明されるように、シャワーヘッドと面板との間のギャップを維持し得る。
【0054】
シャワーヘッド325の移動を制限するために、および連続する位置決めの間にアライメントを維持するために、シャワーヘッド325は、上述されているように、複数のノッチ602を画定し得る。ノッチ602は、シャワーヘッド325の外側の半径方向の端部から半径方向に内向きに延在し得る。複数のノッチ710は、半径方向の側壁に沿って、蓋スペーサ320の第2の凹んだ棚部708を少なくとも部分的に画定して形成され得、シャワーヘッド325上のノッチ602ごとのコンパニオンノッチであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、ノッチ602の数およびノッチ710の数は、同様であり得る。
【0055】
複数のアライメントピン712は、シャワーヘッドのアライメントを維持するために、ノッチセットの各々内に据えられ得る。各アライメントピン712は、シャワーヘッドの周りのノッチ602とノッチ710との各セットの間に画定されたチャネルを通って延在し得る。アライメントピンは、シャワーヘッド325への損傷を制限するように構成された材料であり得、ベスペルなどのポリイミド材料であり得、またはテフロン、PEEK、もしくはシャワーヘッドと、ひび割れまたは損傷に寄与し得る硬質材料との間の接触を制限または防止し得るいくつかの他の材料であり得る。アライメントピン712は、第2の凹んだ棚部708上に据えられ得る。したがって、ライナ327は、エラストマ構成要素616および618によって接触され得、シャワーヘッド325は、第1のエラストマ構成要素616および/またはアライメントピン712によって接触され得るが、シャワーヘッド325およびライナ327は、蓋スペーサ320、上述されたような結合された面板、蓋板205、いくつかの実施形態における処理システムの他の任意の構成要素からの分離を維持され得、接触しない可能性がある。
【0056】
メンテナンス作業または分解中、蓋積層体は、検査または清掃のためなどの取り外しのために、各蓋積層体の板にアクセスするために、蓋板から取り外され得る。蓋スペーサ320、シャワーヘッド325、およびライナ327の取り外しは、潜在的に脆弱な構成要素への損傷を制限するために用心して実行され得る。先述されたように、蓋スペーサ320は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、または他の任意のセラミックまたは誘電体材料などのセラミック材料であり得る。ひび割れまたは材料への損傷なしに、ねじ釘もしくはボルト、あるいは他のジャッキ部材のためなどのねじ山を形成することは、したがって、困難であり得る。それゆえ、いくつかの実施形態では、ジャッキ部材は、蓋スペーサを持ち上げるために、蓋板に組み込まれ、蓋板を形成し得る。
【0057】
図7で示されているように、蓋板205は、蓋スペーサ320が据えられ得る、蓋板の第1の表面から少なくとも部分的に延在している1つまたは複数の開孔714を画定し得る。開孔または開孔群714は、第1の表面から少なくとも部分的に蓋板205を通り延在し得、いくつかの実施形態では、ジャッキ部材716を支持するためにねじ山が切られ得る。開孔714は、例解されているような座ぐりまたはさら穴プロファイルを含む任意のプロファイルによって特徴づけられ得るが、直線開孔および他のプロファイルが同様に包括的に含まれ得る。関連付けられた開孔718が、蓋スペーサ320を通して画定され得、蓋スペーサの第1の表面702から第2の表面704を通り完全に延在し得る。蓋スペーサ320は、いくつかの実施形態では、セラミックであり得、開孔または開孔群718は、ねじ山が切られていなくてもよく、開孔内に付加的な構成要素が収容されていない場合があるが、開孔は、開孔は、開孔または開孔群714、およびジャッキ部材716への少なくとも部分的なアクセスを提供し得る。各開孔718は、蓋板205の関連付けられた開孔714および/またはジャッキ部材716と軸方向にアライメントされ得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、スペーサの開孔718は、蓋板205を通る開孔714の直径を下回るまたはほぼ等しい直径によって特徴づけられ得る。開孔718および開孔714は、多くのプロファイルによって特徴づけられ得るが、少なくとも第2の表面704での開孔718の直径は、蓋板205の第1の表面での開孔714の直径を下回り得る。例えば、例解されているような、ジャッキ部材716の頭部または少なくとも表面、および開孔714の関連付けられた部分は、蓋スペーサ320の第2の表面704での開孔718の直径を上回る直径によって特徴づけられ得る。したがって、ジャッキ部材716は、蓋スペーサの開孔718を通してアクセスされ得、開孔714のねじ山を切った方向から回転させることによるなどのジャッキ部材の動作が、開孔714からジャッキ部材を引っ張り得、これが蓋スペーサ320を蓋板205から持ち上げまたは分離し得る。シャワーヘッド325およびライナ327が、蓋スペーサ320の上または共に据えられ得る場合、蓋スペーサの取り外しはまた、これらの構成要素を取り外し得る。
【0059】
図8A~8Bを参照すると、本技術のいくつかの実施形態による、投影を伴う構成要素の概略平面図が示されている。
図8Aは、本技術のいくつかの実施形態による面板部分の上面図を例解している。面板は、遮断板または他の蓋積層体構成要素に面した表面などの第1の表面での直径が、シャワーヘッドまたはペデスタルに面する、または上方から処理領域を画定する表面などの、第1の表面と反対側の第2の表面での直径を上回り得る、示されているような座ぐりプロファイルを含む多くのプロファイルによって特徴づけられ得る、複数の第1の開孔805を画定し得る。面板の第2の表面に近接して設置されたシャワーヘッドを通り存在し得る、開孔807の投影がまた、示されている。シャワーヘッドを通る開孔がいくつかの実施形態では、面板の開孔と重なり合わない場合があることを例解する投影が、含まれている。同様に
図8Bは、面板に面している場合があり、他の場所で説明されている任意のシャワーヘッドの材料または特性のうちの任意のものを含み得る、第1の表面などのシャワーヘッドの一部分が例解されている。シャワーヘッドは、以下でさらに説明されるような任意の数のプロファイルによって特徴づけられ得る、複数の第2の開孔810を画定し得る。いくつかの実施形態では、複数の第2の開孔810は、複数の第1の開孔805より多い数の開孔を含み得る。シャワーヘッドの第1の表面に近接して設置された面板を通り存在し得る、開孔812の投影がまた、示されている。さらに、投影が、面板を通る開孔が、いくつかの実施形態では、シャワーヘッドの開孔と重なり合わないまたはアライメントしない例を例解し得る。
【0060】
面板の複数の第1の開孔805は、示されているような第1のパターンによって特徴づけられ得る。第1の開孔の種々のパターンのうちの任意のものは、リング当たりの異なる数の開孔、より不規則なパターンを含む異なる幾何学的パターンの開孔、または他の開孔の構成を含む、本技術によって同様に包括的に含まれ得る。シャワーヘッドの第2の複数の開孔810は、種々の開孔パターンのうちの任意のものをも含み得る、示されているような第2のパターンによって特徴づけられ得る。いくつかの実施形態では、第2のパターンは、少なくとも部分的に第1のパターンに基づき得る。
【0061】
例えば、いくつかの実施形態では、第2のパターンは、第1のパターンからの1つまたは複数の調整を含み得る。第2のパターンは、第1のパターンによって特徴づけられる開孔の1つ、2つ、またはそれを上回る数のセットを含み得、複数の第2の開孔のうちの各開孔は、複数の第1の開孔のうちの各開孔からオフセットされ得る。非限定的な一例として、
図8は、複数の第2の開孔が、複数の第1の開孔の2倍の数の開孔であり、第1のパターンおよび開孔の数が、複数の第2の開孔の2つのサブセットとして第2の開孔パターンを作成するために、2倍組み込まれている、開孔パターンを例解している。複数の第2の開孔の第1のサブセットは、第1のパターンから第1の方法でオフセットされている第1の開孔パターンに類似したパターンによって特徴づけられ得る。さらに、複数の第2の開孔の第2のサブセットは、第1のパターンから第2の方法でオフセットされている第1の開孔パターンに類似したパターンによって特徴づけられ得る。したがって、第2の開孔の第1のサブセットおよび第2の開孔の第2のサブセットは、複数の第1の開孔と同一の数の開孔を各々含み得る。
【0062】
例えば、複数の第2の開孔のうちの開孔の第1のサブセットは、角度オフセット後の第1の開孔パターンを含み得る。したがって、複数の第2の開孔のうちの開孔の第1のサブセットのうちの各開孔は、第1の開孔のうちの開孔と対であり、シャワーヘッドを通る中心軸からどちらかの方向のある角度に沿って、その関連付けられた開孔からオフセットされ得る。図解では、開孔814を含む複数の第2の開孔のうちの開孔の第1のサブセットに角度オフセットが適用されており、シャワーヘッド上の開孔814または代替として開孔815、および面板上の開孔816は、2つのパターンの同一の開孔であり得る。この角度オフセットを適用することによって、複数の第2の開孔は、構成要素を通る中心軸を中心にある量だけ回転された開孔の第1のパターンを模倣し得る開孔の第1のサブセットを含み得る。
【0063】
同様に、複数の第2の開孔のうちの開孔の第2のサブセットは、半径方向オフセット後の第1の開孔パターンを含み得る。したがって、複数の第2の開孔のうちの開孔の第2のサブセットのうちの各開孔は、第1の開孔のうちの開孔と対であり、シャワーヘッドを通る中心軸からどちらかの方向の半径に沿って、その関連付けられた開孔からオフセットされ得る。図解では、開孔818を含む複数の開孔のうちの開孔の第2のサブセットに半径方向オフセットが適用されており、シャワーヘッド上の開孔818および面板上の開孔820は、2つのパターンの同一の開孔であり得る。この半径方向オフセットを適用することによって、複数の第2の開孔は、構成要素を通る中心軸から対応する半径に沿ってある量だけ内側または外側にある開孔の第1のパターンを模倣し得る開孔の第2のサブセットを含み得る。
【0064】
図9は、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図を示している。図は、本技術のいくつかの実施形態による面板905およびシャワーヘッド910の概略図を提供し得る。面板905およびシャワーヘッド910は、上述されているような蓋板および蓋積層体に組み込まれ得る。面板905は、他の場所で説明されているような、面板の特徴または特性のうちの任意のものを含み得る。さらに、シャワーヘッド910は、他の場所で説明されているような、シャワーヘッドの特徴または特性のうちの任意のものを含み得る。
【0065】
例示の面板905は、先述されているような、第1の開孔908の第1のパターンを含んでいる。第1の開孔は、例解されているような座ぐりを含み、面板の第1の表面906から第2の表面907に延在している、任意の数のプロファイルによって特徴づけられ得る。シャワーヘッド910は、先述されているような第2のパターン構成し得る、多くの異なる開孔パターンを含み得、開孔914の第1のサブセットおよび第2のサブセットを含み得る。示されているように、シャワーヘッド910は、面板905の開孔908のいくつかまたは全てからオフセットされた、開孔914を画定し得る。開孔914は、第1の表面911から第2の表面912に延在し得るが、第2の表面912にある開孔914の出口は、いくつかの実施形態では、開孔914の入口とアライメントされていない場合がある。いくつかの実施形態では、各開孔914は、面板の各開孔908からオフセットされ得るが、オフセットは、第1の表面911または第2の表面912で、および第1の表面911から第2の表面912に開孔を完全に横断して見い出され得る。
【0066】
先述されているように、シャワーヘッド910は、処理領域内でプラズマを生成するように共に機能する、面板905とペデスタルとの間の処理領域内に設置され得る。シャワーヘッド910は、面板905の第2の表面907上でのイオン衝撃を制限するように構成され得、イオン衝撃により耐性を有し得る石英などの材料であり得るまたはそのような材料を含み得る。プラズマが生成されるとき、チャンバ構成要素を通る中心軸に相対的に平行な直線方向に、多くのイオン移送が発生し得る。その結果、シャワーヘッド910の第2の表面912への直交する方向にある、シャワーヘッドの開孔914を通る直線経路を制限し得る、シャワーヘッド910を通る開孔プロファイルを含むことによって、イオンは、開孔の表面上に衝突する傾向にあり、シャワーヘッド910の第1の表面911に、またはほかに配置された面板905に通過しない場合がある。
【0067】
任意の数の開孔プロファイルが、本技術の実施形態で利用され得る。開孔914a~914eは、本技術によって包括的に含まれる開孔パターンの少数の可能な例であり得るに過ぎず、他の開孔プロファイルと共に選択または組み合わされ得る。例えば、開孔914aは、第1の表面911から第2の表面912への角のある経路によって特徴づけられ得、第2の表面912にある出口は、第1の表面911にある入口から横方向へオフセットされ、開孔を通る直線経路を制限または防止し得る。開孔は、種々の方向にシャワーヘッドを通り延在する、または他の開孔から種々の範囲への、角度を含む多くの角度によって特徴づけられ得、処理領域内への供給を支援し、均一性を改善し得る。
【0068】
開孔914bおよび同様の開孔914eは、第1の表面911からまたは第2の表面912へのどちらかの開孔を通る部分的直線経路を含み得、一方、一方の表面に延在する部分的に角度設定された部分を含み、この部分が、開孔を通る直接的直線経路を同様に制限し得る。さらに、開孔は、複数の第2の開孔間で統合され得、他の開孔に対する種々の方向に延在する角度設定された部分によって特徴づけられ得る。開孔914cは、2つの角度設定された区分を含むプロファイルによって特徴づけられ得、例解されているように開孔のアラインメントされた入口および出口を含んでも含まなくてもよい。しかしながら、角度の程度は、開孔を通る直接的直線経路が制限または防止され得るようにされ得る。開孔914cは、他の任意の開孔設計と同様に組み合わされ得、互いから同様のまたは異なる角度設定されたプロファイルを有する複数の開孔をさらに含み得る。
【0069】
開孔914dは、第1の表面911および第2の表面912の各々から延在する2つの垂直方向の部分が、互いにから横方向にオフセットし、開孔を通る直接的直線経路を制限または防止するように角度設定され得る、開孔の角度設定された部分に連結され得る、より複雑な開孔プロファイルを例解し得る。さらに、任意の数の異なる角度が、シャワーヘッドを通る開孔間で利用され得、例示の構成のうちの任意のものが、単独または組み合わせで使用され、任意の数の方法で流体流動に影響を及ぼし、一方で面板905の第2の表面907上へのイオンの衝突を制限または防止し得る、開孔パターンを生成し得る。
【0070】
上述されているように、シャワーヘッド910は、例えば、関連付けられた蓋スペーサおよびエラストマ構成要素の構成から発生し得る、面板905から距離D間隔を空けられ得る。距離Dは、いくつかの実施形態では、最小化され得る。例えば、いくつかの実施形態では、面板905が、面板とペデスタルとの間の処理領域内にプラズマを生成するために、プラズマ生成電極として運転されるので、プラズマは、面板とペデスタルとの間で完全に生成され得る。しかしながら、プラズマが、シャワーヘッドと面板との間で生成され得る場合、シャワーヘッドは、面板の第2の表面907上へのイオン衝撃を防止しないことになる。さらに、シャワーヘッドと面板との間の接触は、石英シャワーヘッドの損傷または破損の原因となり得る。
【0071】
したがって、いくつかの実施形態では、シャワーヘッドと面板との間の距離Dは、運転中に構成要素間でのプラズマ生成を制限または防止するためにある距離に限定され、イオン化を防止し得る2つの構成要素との衝突前の平均自由行程長を制御し得る。例えば、いくつかの実施形態では、シャワーヘッド910は、プラズマ生成を防止するために、面板から2mm以下で離間され得、面板から約1.8mm以下、約1.6mm以下、約1.4mm以下、約1.2mm以下、約1.0mm以下、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.6mm以下、約0.5mm以下、約0.4mm以下、約0.3mm以下、約0.2mm以下、またはそれらを未満で離間され得るが、ギャップは、2つの構成要素間で維持され、構成要素間の物理的接触を制限または防止し、2つの構成要素間のギャップ内の圧力降下を最小化し得る。
【0072】
図10を参照すると、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略上面等角投影図が示されている。図は、蓋板205および蓋積層体210の一部分を例解し得、上述されているような蓋積層体210aに類似し得る。図は、部分図のみを含み、システムは、他の場所で説明されている本技術の実施形態による半導体処理システムの構成要素のうちの任意のものをさらに含み得ることが理解されよう。例えば、蓋板205は、第2の蓋積層体が上に配置され得る、本開示全体で説明されている任意の構成要素または任意の構成要素の任意の特徴を含み得る、例えば構成要素の回転などの種々の変更を伴うことを含む、第2の容積を画定し得る。
【0073】
図は、RF整合部および結合された構成要素が取り外され、示されているガスボックス340上の被覆板を取り外されている、蓋積層体の一部分を例解し得る。上述されている構成要素のうちの任意のものを含む付加的な蓋積層体構成要素が、ガスボックス340の下に存在し得る。図は、ガスボックスを通るガスボックスの中央の開孔344への入口を含む第1の表面342の視野を示している。ガスボックス340は、ガスボックスの第1の表面内の第1のチャネル1010をさらに画定し得る。第1のチャネル1010は、例解されているような螺旋または巻型を含む、多くのプロファイルによって特徴づけられ得る。ヒータ1015は、第1のチャネル1010内に配置され得る。例解されているように、ヒータ1015は、被覆板を通り延在し得、第1のチャネル1010内で巻型であり得る。第1のチャネル1010は、ヒータ1015より遠く延在し得、運転中ヒータ1015の膨張を収容し得る。
【0074】
ヒータ1015は、実施形態の蓋積層体210を加熱するように構成され得、各蓋積層体の構成要素を伝導的に加熱し得る。ヒータ1015は、ケーブルヒータまたはガスボックス340に熱を伝導的に供給するように構成された他のデバイスを含む、任意の種類のヒータであり得、蓋積層体の構成要素を互いに順に加熱し得る。いくつかの実施形態では、ヒータ1015は、ガスボックス340全域にわたり、中央の開孔344および上述されているような出口マニホールドの周りに、第1のチャネル1010によって画定されたパターン内に形成された電気ヒータであり得る、またはそのヒータを含み得る。ヒータは、最高2,000W、約2,000W、または約2,000W超の熱を提供するように構成された抵抗素子ヒータであり得、約2,500W以上、約3,000W以上、約3,500W以上、約4,000W以上、約4,500W以上、約5,000W以上、またはそれ以上を提供するように構成され得る。
【0075】
実施形態において、ヒータ1015は、最高50°C、約50°C、または約50°C超の可変のチャンバ構成要素温度をもたらすように構成され得、約75°C以上、約100°C以上、約150°C以上、約200°C以上、約250°C以上、約300°C以上、約350°C以上、約400°C以上、約450°C以上、約500°C以上、約550°C以上、約600°C以上、またはそれ以上のチャンバ構成要素温度をもたらすように構成され得る。ヒータ1015は、処理運転を支援するために、面板などの個別の構成要素を、これらの温度のうちの任意のものに上昇されるように構成され得る。いくつかの処理運転では、ヒータ1015は、基板の温度を上述されている任意の特定の温度に、または所定の温度のうちの任意のものの中またはそれらの間の任意の温度領域内に、伝導的に上昇させるように調整され得る。ガスボックス340全域にわたる温度均一性を維持するために、いくつかの実施形態では、ヒータは、第1のチャネル1010内で整数の周回の巻型であり得る。例えば、例解されているように、ヒータ1015は、実質的にまたはいくつかの実施形態では直接的に、入口または半径方向で最も内側の周回にあるヒータの位置とのライン内に、半径方向外側の周回上の位置まで延在している。したがって、ガスボックス340の各面積は、同等のヒータ1015の面積または量と接触し、このことがいくつかの実施形態では、温度均一性を改善し得る。入口は、上層にある被覆板を通して形成され得、このことは、ヒータが、
図5などで先に例解されているように、関連付けられたRFフィルタと電気的に結合されることを可能にし得る。
【0076】
ガスボックス340は、ガスボックスの第1の表面342内で第2のチャネル1020をさらに画定し得る。第2のチャネル1020は、いくつかの実施形態では、第1のチャネル1010の半径方向内側にあり得る。ガスボックス340は、ガスボックスの第1の表面342内の第3のチャネル1025をさらに画定し得る。チャネル1025は、いくつかの実施形態では、第1のチャネル1010の半径方向外側にあり得る。第1のチャネル1010が、示されたようにヒータを据えるように組み込まれ得る一方で、第2のチャネル1020および第3のチャネル1025は、ガスボックスの周りで被覆板をシールするために含まれ得る。
【0077】
図11は、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図を示しており、本技術のいくつかの実施形態による、ガスボックスおよび被覆板の部分断面図を例解し得る。図は、他の場所で説明されている任意のチャンバまたはシステムに組み込まれ得、他の場所で説明されている構成要素またはシステムの任意の態様を含み得る、特定の構成要素の付加的な詳細を提供することのみが意図されている。例解されているように、ガスボックス340は、第1の表面342および第1と反対側の第2の表面343によって特徴づけられ得る。第1の表面342内には、ヒータ1015が配置され得る、第1のチャネル1010と、第2のチャネル1020と、第3のチャネル1025とが画定され得る。例解されているように、いくつかの実施形態では、第2のチャネル1020は、第1のチャネル1010の半径方向内側に配置され得、第3のチャネル1025は、第1のチャネル1010の半径方向外側に配置され得る。
【0078】
第1のガスケット1110またはエラストマ構成要素は、第2のチャネル1020内に配置され得、第2のガスケット1115またはエラストマ構成要素は、第3のチャネル1025内に配置され得る。被覆板345は、ガスボックス340の第1の表面342の全域に少なくとも部分的に据えられ得、少なくとも第1のチャネル1010、第2のチャネル1020、および第3のチャネル1025にまたがって延在し得る。被覆板345は、出口マニホールドへのアクセスを提供し、ガスボックスの第1の表面342上にまたは接触して配置されるために、半径方向内側に完全に延在しない場合がある。ヒータ1015の厚さに対する第1のチャネル1010の深さは、ヒータ1015と被覆板345との間の接触を低減、制限、または防止するように構成され得る。被覆板345は、第1のガスケット1110および第2のガスケット1115と接触し得、いくつかの実施形態では、2つのガスケット間のシールを形成し得る。第1のチャネル1010全体、および第1のチャネル1010内に据えられたヒータをシールすることによって、いくつかの実施形態では、第1のチャネルおよびヒータの清掃作業は、より少ない頻度で実行され得る。
【0079】
上述されているように、ガスボックス340は、第1の表面342および第1の表面と反対側の第2の表面343によって特徴づけられ得る。中央の開孔344は、第1の表面342から第2の表面343に延在し得、他の蓋積層体の構成要素へ、およびチャンバの処理領域内への流体のアクセスを提供し得る。流体分配を支援するために、中央の開孔344は、ガスボックスの第2の表面343へ延在する中央チャネルの出口にあるフレア1120またはベベルによって特徴づけられ得る。さらに、ガスボックス340は、第1の表面342から中央の開孔344内への凹んだ棚部1125を画定し得る。挿入体が、いくつかの実施形態では、凹んだ棚部1125に据えられ得、処理チャンバ内へ流体流動を誘導または調整するために使用され得る。
【0080】
図12A~12Dは、本技術のいくつかの実施形態による、例示の分配挿入体1200の概略図を示している。挿入体1200は、凹んだ棚部1125に据えられ得、流体流動の混合を向上させるまたは調整するために使用され得る。例えば、複数の前駆体は、ガスボックス上層にある出口マニホールドへ流入され得る。混合を向上させるために、挿入体は、ガスボックスの中央の開孔を通るアクセスを提供する、開孔のサイズを低減し、または複数の開孔を含み得、前駆体が処理チャンバに入るとき、前駆体の混合を支援し得る。例えば、
図12Aで例解されているように、挿入体1200aは、単一の開孔1205aを含み得、ガスボックスを通した供給の前の滞留時間および混合を向上させ得る。同様に、
図12Bで例解されているように、挿入体1200bは、複数の開孔1205bを含み得、やはり滞留時間および流動に影響を及ぼし得る。任意の数の開孔構成が、このようにして利用され得る。
【0081】
さらに、開孔は、流体流動または混合をさらに調整するために、任意の数の方法で、挿入体を通り延在し得る。例えば、
図12Cで例解されているように、1つまたは複数の開孔を含む任意の開孔構成に関連付けられ得る、1つまたは複数の開孔1205cは、挿入体を通る実質的に垂直方向のプロファイルによって特徴づけられ得る。さらに
図12Dで例解されているように、1つまたは複数の1205dは、処理チャンバ内へ供給される前駆体にある程度の渦をもたらすことなどによって、流体流動を変更し得る、挿入体を通り延在する角度によって特徴づけられ得、これが物質をさらに混合し得る。実施形態では、挿入体1200は、上述されているような材料のうちの任意のものでコーティングされ得る。
【0082】
図13は、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分等角投影図を示している。図は、上述されているシステムおよび構成要素の部分的な逆転された視野を示し得、付加的なシステム詳細を例解し得る。
図13は、半導体処理システム1300を例解しており、上述されている任意の構成要素、特徴、または材料を含み得る。例えば、システム1300は、チャンバ本体305と連結され得る、蓋板205を含み得る。チャンバ本体305は、上述されているような蓋積層体の構成要素および蓋板205によって画定された、処理領域内で基板を係合するために持ち上げられ得る、ペデスタルを含み得る。蓋板205上には、第1の蓋積層体210aおよび第2の蓋積層体210bが存在し得、先に説明されている構成要素および構成のうちの任意のものを含み得る。
【0083】
例えば、蓋積層体210aは、第1の出口マニホールド350aを含み得、蓋積層体210bは、第2の出口マニホールド350bを含み得、上述されているような、それぞれのRF整合部に各々結合され得る。上で説明されているように、出口マニホールド350は、ガスボックスを通るそれぞれの蓋積層体へのアクセスを提供する中央の開孔を含み得、出口マニホールドの半径方向外側表面から中央の開孔に延在する、1つまたは複数の付加的な開孔を含み得る。いくつかの実施形態では、出口マニホールド350aおよび出口マニホールド350bは、同等または同一であり得るが、蓋板205上の中央位置から付加的な開孔へのアクセスを提供するために互いから逆転され得る。処理で使用される前駆体は、蓋板205を通して供給され得、2つの処理チャンバまたは蓋積層体へ導かれ分割され得る。
【0084】
各出口マニホールドは、関連付けられた前駆体配管に各出口マニホールドで連結されたガスブロックを含み得る。例えば、システム1300は、第1の出口マニホールド350aの外側端部と連結された第1のガスブロック1310aを含み得る。第1のガスブロックは、外側表面から中央の開孔へ横方向または半径方向に延在する付加的な1つまたは複数の開孔を通して、出口マニホールドの中央の開孔との流体連結を提供し得る。システム1300はまた、第2の出口マニホールド350bの外側端部または表面と連結された第2のガスブロック1310bを含み得る。第2のガスブロックは、外側表面から中央の開孔へ横方向または半径方向に延在する付加的な1つまたは複数の開孔を通して、出口マニホールドの中央の開孔との流体連結を提供し得る。
【0085】
各出口マニホールド350が、実質的に円柱状であるように例解され得るが、付加的な開孔を通りアクセスされ得て、ガスブロック1310が連結され得る表面は、構成要素の連結および漏洩の制限を支援するために、少なくとも部分的に平面化または平坦化され得る。ガスブロックは、例解されているような2つの前駆体源などの、1つまたは複数の前駆体源からの配管を受容し得る。前駆体は、別々にガスブロックへ導かれ得、以下でさらに説明されることになる、貫通接続1315により蓋板205を通り延在し得る。
【0086】
図13は、本技術のいくつかの実施形態による、蓋板205とチャンバ本体305との間の連結の態様を追加で例解している。例えば、いくつかの実施形態では、蓋板205、蓋積層体、RF構成要素、および蓋板205によって支持された結合された配管は、ヒンジ1320を中心にチャンバ本体305と連結され得る。ヒンジ1320は、蓋板205の第1の表面と連結されたヒンジ可動部を含み得、蓋板から外側に延在するピンを提供し得る。チャンバ本体305は、つぼ金、軸受、またはピンを受容し得、蓋板がチャンバ本体の周りを丁番式に動作することを可能にし得るレセプタクルを、含み得、基板供給、ならびに取り外し、検査、および清掃、または他の保守のために処理領域の内部へのアクセスを提供し得る。
【0087】
図14は、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素の概略部分断面図を示しており、上述されているような蓋板205を通り、貫通接続1315を通る断面を例解し得る。蓋板205は、蓋板を通る1つまたは複数の開孔を画定し得、それを通り処理する前駆体が供給され得る。処理チャンバは、腐食性または反応性前駆体を供給し得るので、システムを通る構成要素または配管は、損傷から材料を保護するためのコーティングを含み得る。蓋板205は、いくつかの実施形態では、一体構造設計であり得、最高で1m以上の長さで延在し得、チャンバをコーティングすることを課題とし得る。したがって、本技術のいくつかの実施形態は、内部表面を保護するために、上述されているような蓋スペーサおよびライナなどを用いて、さらに例解されているような貫通接続を利用することによって、前駆体と蓋板205との間の相互作用を制限し得る。
【0088】
蓋板205を通り延在する開孔1405は、蓋板を通して前駆体を供給するためのチャネルを提供し得る、貫通接続を収容するようにサイズ設定され得る。貫通接続は、塩素またはフッ素含有前駆体などの供給されている前駆体からの損傷から保護し得る、耐腐食性材料でありまたはそのような材料を含み得る。材料は、上述されているコーティングまたは材料のうちの任意のものを含み得、また、鋼、ニッケル、合金、または耐腐食性であり得る他の金属または材料などの、他の耐腐食性材料を含み得る。貫通接続は、蓋板を貫通して延在し得、分岐を用いて配管され得、またはそうでなければ上述されているように、第1のガスブロックおよび第2のガスブロックの各々と連結され得る。前駆体の数に応じて、複数の貫通接続が、蓋板を通り延在し、上述されている2つの貫通接続および結合された配管を含む、各ガスブロックに連結され得る。貫通接続は、蓋板、ならびに薄ナットおよび例解されているような皿ばねなどのワッシャを備えるセットを通して、設置され得、このことが蓋板と貫通接続をシールし、貫通接続のベース板との調整可能なシーリングを可能にし得る。
【0089】
先に説明されているように、蓋板205は、チャンバ本体305とヒンジ連結され得、貫通接続1315を結合された配管経路から分離し得るが、いくつかの実施形態では、可撓性およびまたは格納式の配管解決策が組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、貫通接続1315は、Oリングなどのエラストマ構成要素1410上に載り得、このことが、蓋板がチャンバ本体と係合されたときに、貫通接続を受容するために、表面シーリングを提供し得る。ガス貫通接続は、蓋板がチャンバ本体上に閉じられたとき、エラストマ構成要素1410上に据えられ得、このことが、構成要素間のシールを提供し得る。本技術の実施形態によるチャンバシステムおよび構成要素を利用することによって、構成要素の劣化および剥離が低減され得、改善されたプラズマ処理がもたらされ得る。
【0090】
上述において、説明する目的で、多数の詳細が、本技術の多様な実施形態の理解を提供するために表明されてきた。しかしながら、一定の実施形態が、これらの詳細のいくつかを用いることなく、または追加の詳細を用いて、実践され得ることは、当業者には明白であろう。
【0091】
いくつかの実施形態が開示されてきたが、多様な変形例、代替構造、および同等物が、実施形態の技術概念から逸脱することなく使用され得ることが当業者には理解されよう。さらに、多くのよく知られたプロセスおよび構成要素は、本技術を不必要に不明瞭化することを避けるために、説明されてこなかった。したがって、上の説明は、技術範囲を制限するものとして見なされるべきでない。
【0092】
値の範囲が提供される場合、下限の単位の最小の端数まで、文脈が明確にそうでないことを規定しない限り、その範囲の上限と下限の間に、各々の介在する値がやはり、明確に開示されていると理解される。規定された範囲内の任意の規定された値または規定されていない介在する値と、その規定された範囲内の他の任意の規定されたまたは介在する値との間の、任意のより狭い範囲が包括的に含まれる。それらのより狭い範囲の上下限は、単独で範囲内に含まれまたは排除され得、どちらかの、どちらでもない、または両方の、限度がより狭い範囲に含まれる各範囲は、やはり技術内に包括的に含まれ、規定された範囲内の任意の明確に排除された限度に依存する。規定された範囲が、限度、範囲のうちの1つまたは両方を含む場合、それらの含まれた限度のどちらかまたは両方を除外する範囲がまた、含まれる。
【0093】
本明細書および添付された請求項で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないこと示さない限り、複数である意味を含む。したがって、例えば、「プレート」への参照は、複数のそのような層を含み、「前駆体」への参照は、1つまたは複数の前駆体、および当業者に知られているその同等物などへの参照を含む。
【0094】
さらに、「備える」(”comprise(s)”)、「備えている」(”comprising”)、「含有する」(”contain(s)”)、「含有している」(”containing”)、「含む」(”include(s)”)、「含んでいる」(”including”)という語は、本明細書中および続く請求項で使用されているとき、規定された特徴、完全体、構成要素、動作の存在を明示することが意図されているが、それらは、1つまたは複数の他の特徴、完全体、構成要素、動作、行為、またはグループの存在もしくは付加を妨げない。