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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20240227BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20240227BHJP
   F24F 3/147 20060101ALI20240227BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20240227BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240227BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
F24F11/70
F24F11/80
F24F3/147
F24F11/46
F25B1/00 396D
F25B1/00 399Y
F25D23/00 302L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019118567
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2020034268
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】P 2018159486
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小松 富士夫
(72)【発明者】
【氏名】水野 正直
(72)【発明者】
【氏名】石塚 宗志
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-145000(JP,A)
【文献】特開2010-276325(JP,A)
【文献】特許第4870843(JP,B1)
【文献】米国特許第05517828(US,A)
【文献】特開2014-089046(JP,A)
【文献】特開2007-278594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 3/147
F25B 1/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空気室と再生空気室とに跨って配置されたロータを有し、前記ロータの表面に吸着面を有し、前記ロータの回転に伴い前記吸着面が前記処理空気室および前記再生空気室に交互に進入するデシカントロータと、
前記処理空気室に設けられ、前記デシカントロータの上流で処理空気を予冷するプレクーラと、
前記再生空気室に設けられ、前記デシカントロータを通過した再生空気から採熱する採熱器と、
圧縮機により凝縮器、膨張弁、蒸発器の間で冷媒を循環させ、外気より採熱した熱量を熱源として前記デシカントロータの上流で再生空気を加熱するとともに、前記蒸発器により熱源体を冷却するヒートポンプ装置と、
前記蒸発器へ流れる前記熱源体の熱量を検知するセンサと、
第一の流路と、第二の流路と、第三の流路のいずれかを選択して切り替える弁調整機構と、
前記センサの検知結果が目標値となるように前記弁調整機構を制御する制御部と、を備え、
前記第一の流路は、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラに流し、前記プレクーラを通過した前記熱源体を前記蒸発器に流す循環路であり、
前記第二の流路は、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラに流し、前記プレクーラを通過した前記熱源体の一部を前記蒸発器に流すとともに、前記プレクーラを通過した前記熱源体の残りを前記採熱器に流し、前記採熱器を通過した前記熱源体を前記蒸発器に流す循環路であり、
前記第三の流路は、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラ、前記採熱器の順に流し、前記採熱器を通過した前記熱源体を前記蒸発器に流す循環路であることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
前記プレクーラは、冷却除湿機能と採熱機能とを兼ね、
前記制御部は、前記プレクーラの採熱量が不足する場合、前記弁調整機構を制御し、前記採熱器からも採熱することを特徴とする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
前記ヒートポンプ装置から前記デシカントロータに向かう熱風の温度を検知する熱風温度検知センサを更に備え、
前記制御部は、前記熱風温度検知センサの検知温度が目標熱風温度となるように、前記再生空気室の内部に再生空気流を形成する再生ファンを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の除湿装置。
【請求項4】
処理空気室に設けられ、前記デシカントロータの上流かつ前記プレクーラの下流で処理空気を予冷する第二プレクーラを更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の除湿装置。
【請求項5】
前記ヒートポンプ装置は、前記再生空気室の外部に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の除湿装置。
【請求項6】
前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の除湿装置。
【請求項7】
前記熱源体は、水またはブラインであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からデシカントロータを使い、空調室など(需要先)に除湿された空気を供給する除湿装置が知られている(例えば、特許文献1)。
デシカントロータは、空気中の水蒸気を吸着し除湿する手段として、円盤状のロータの表面に吸着剤を担持した吸着面を有する。デシカントロータは、処理空気室と再生空気室とに跨って配置され、処理空気室および再生空気室は、隔壁で並列配置となるように仕切られている。デシカントロータは、隔壁に設けられた回転軸を中心に回転し、処理空気室に位置する部位で処理空気室に導入された空気流に含まれる水蒸気を吸着する。水蒸気を吸着した部位は回転して再生空気室に移動する。デシカントロータに再生空気室で加熱した再生空気を吹きつけて吸着した水蒸気を再生空気に放出する。
【0003】
しかし、デシカントロータの再生に使用する再生空気の加熱に電気ヒータを用いるとエネルギー効率が悪くなるので、大型の除湿装置にはデシカントロータは用いられてこなかった。
【0004】
一方、デシカントロータとヒートポンプ装置とを備えた装置が知られている(特許文献2)。この装置は、デシカントロータの吸着熱をヒートポンプ装置で採熱し、デシカントロータの再生に使用する再生空気の加熱に利用している。ヒートポンプ装置は、冷媒が循環する冷媒循環路、冷媒循環路に直列に接続された圧縮機、エアヒータ、膨張弁およびエアクーラ等のヒートポンプサイクル構成機器を備える。再生空気室においてデシカントロータの上流側の位置には、ヒートポンプ装置の一部を構成するエアヒータが設けられている。再生空気はエアヒータで加熱され、その温度および相対湿度が水蒸気の取り込みに適するように調整される。処理空気室では、デシカントロータにより空気流から水蒸気を吸着するとき、吸着剤は吸着熱を放出するため、処理空気は加熱され昇温する。処理空気室においてデシカントロータの下流側の位置には、ヒートポンプ装置の一部を構成するエアクーラが設けられている。デシカントロータを通過した処理空気は、エアクーラで冷却(採熱)される。
【0005】
しかし、夏期のように高温状態の場合には、空気に溶け込む水蒸気が過剰になる(絶対湿度が高くなる)ため、条件によっては、デシカントロータで需要先の要求まで除湿できない場合がある。したがって、デシカントロータとヒートポンプ装置とを備えた除湿装置には、夏期の気候にも対応できるように冷却除湿を行うプレクーラが備えられている。例えば、プレクーラは、処理空気室に取り込まれる空気を予冷するために、装置外部に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-24448号公報
【文献】特許第4870843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
夏期の気候にも対応できるようにプレクーラを用意することは、プレクーラを動作させるコストが発生し、それ以外の季節では使用しない装置が存在することになり、無駄である。また、一般的にプレクーラは、フロン系冷媒を用いたチラー装置が用いられる。そのため、省エネ効果や自然冷媒を活用した除湿装置でありながら、一年を通じて運用するにはフロン系冷媒を用いたチラー装置が必須であった。また装置外部にフロン系冷媒冷却装置を設ける場合、一年を通じて運用するには、低コスト、省エネ効果などの目的を達成できない問題があった。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明は、どのような外気条件でも除湿を安定して行い、しかも低コストで、外部にフロン系冷媒冷却装置を必要としない除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る除湿装置は、処理空気室と再生空気室とに跨って配置されたロータを有し、前記ロータの表面に吸着面を有し、前記ロータの回転に伴い前記吸着面が前記処理空気室および前記再生空気室に交互に進入するデシカントロータと、
前記処理空気室に設けられ、前記デシカントロータの上流で処理空気を予冷するプレクーラと、
前記再生空気室に設けられ、前記デシカントロータを通過した再生空気から採熱する採熱器と、
圧縮機により凝縮器、膨張弁、蒸発器の間で冷媒を循環させ、外気より採熱した熱量を熱源として前記デシカントロータの上流で再生空気を加熱するとともに、前記蒸発器により熱源体を冷却するヒートポンプ装置と、
前記蒸発器へ流れる前記熱源体の熱量を検知するセンサと、
第一の流路と、第二の流路と、第三の流路のいずれかを選択して切り替える弁調整機構と、
前記センサの検知結果が目標値となるように前記弁調整機構を制御する制御部と、を備え、
前記第一の流路は、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラに流し、前記プレクーラを通過した前記熱源体を前記蒸発器に流す循環路であり、
前記第二の流路は、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラに流し、前記プレクーラを通過した前記熱源体の一部を前記蒸発器に流すとともに、前記プレクーラを通過した前記熱源体の残りを前記採熱器に流し、前記採熱器を通過した前記熱源体を前記蒸発器に流す循環路であり、
前記第三の流路は、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラ、前記採熱器の順に流し、前記採熱器を通過した前記熱源体を前記蒸発器に流す循環路であることを特徴とする。
【0013】
上記除湿装置によれば、どのような外気条件でも除湿を安定して行うことができ、しかも低コストで、外部にフロン系冷媒冷却装置を必要としない。
例えば、下記(I)~(III)のように制御を行うことができる。
(I)夏期は冬期よりも外気温度(処理空気室の入口温度)が高いため、プレクーラで冷却除湿と採熱を行う。すなわち、前記弁調整機構により、前記第一の流路を選択して、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラに流し、前記プレクーラを通過した前記熱源体を前記蒸発器に流して循環させ、夏期はプレクーラからの採熱だけで温度センサの検知温度を目標値に維持し、ヒートポンプ装置に必要な加熱量を確保することができる。また、プレクーラによる冷却除湿に加えデシカントロータによる除湿も行うため、低除湿の処理空気を安定して供給することができる。
(II)夏期と冬期との間の中間期(春期および秋期)は夏期よりも外気温度(処理空気室の入口温度)が低いため、プレクーラでの冷却除湿は必要頻度が減り、従って採熱量も減少する。中間期では、前記弁調整機構により、前記第二の流路を選択して、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラに流し、前記プレクーラを通過した前記熱源体の一部を前記蒸発器に流すとともに、前記プレクーラを通過した前記熱源体の残りを前記採熱器に流し、前記採熱器を通過した前記熱源体を前記蒸発器に流して循環させ、プレクーラからの採熱で不足した熱量を採熱器で確保する。結果、中間期でも温度センサの検知結果を目標値に維持し、必要な加熱量を確保することができる。また、デシカントロータによる除湿だけで低除湿の処理空気を安定して供給することができる。
(III)冬期はプレクーラでの冷却除湿はすでに必要でなく採熱も困難になるので、採熱器でのみ熱量を確保する。このため、前記弁調整機構により、前記第三の流路を選択して、前記熱源体を前記蒸発器から前記プレクーラ、前記採熱器の順に流し、前記採熱器を通過した前記熱源体を前記蒸発器に流して循環させる。この結果、冬期でも温度センサの検知結果を目標値に維持し、前記採熱器で主として必要な加熱量を確保することができる。引き続きデシカントロータによる除湿だけで低除湿の処理空気を安定して供給することができる。
【0014】
以上の事から、通年において、外気条件(外気温度)にかかわらず、要求された低除湿の処理空気を確保することができ、ヒートポンプ装置に必要な加熱量を常にほぼ定量で確保し、デシカントロータの再生も可能になる。
言い換えれば、夏期(プレクーラ)、中間期(プレクーラと採熱器)、冬期(採熱器)ともに、冷却除湿と採熱とができる環境を構成し、それを制御するので、蒸発器から出てきた例えば15℃の熱源体を、どの時期においても常に20℃で蒸発器に戻すことができる。これにより、どの時期においてもヒートポンプ装置の動作を一定(蒸発温度を一定)にして、加熱量にできる限り影響を与えない運転ができる。
【0015】
本発明の一態様において、前記プレクーラは、冷却除湿機能と採熱機能とを兼ね、前記制御部は、前記プレクーラの採熱量が不足する場合、前記弁調整機構を制御し、前記採熱器からも採熱してもよい。
例えば、特許文献2では、冷却除湿は外部に設置されたプレクーラで行い、採熱は装置内部のエアクーラで行っている。これに対し、この構成によれば、装置内部のプレクーラが冷却除湿機能と採熱機能とを兼ねるため、部品の削減とコストダウンとを実現できる。
【0016】
本発明の一態様において、前記ヒートポンプ装置から前記デシカントロータに向かう熱風の温度を検知する熱風温度検知センサを更に備え、前記制御部は、前記熱風温度検知センサの検知温度が目標熱風温度となるように再生ファンを制御してもよい。
この構成によれば、外気条件にかかわらず、ヒートポンプ装置からデシカントロータに向かう熱風の温度を目標熱風温度に合わせることができるため、必要な加熱量を一定範囲に保つことができる。したがって、どのような外気条件でも除湿をより一層安定して行うことができる。
【0017】
本発明の一態様において、処理空気室に設けられ、前記デシカントロータの上流かつ前記プレクーラの下流で処理空気を予冷する第二プレクーラを更に備えていてもよい。
この構成によれば、プレクーラを一つのみ備えた構成と比較して、デシカントロータに送る処理空気の相対湿度を更に高めることができるため、トータルとしての除湿効果をより一層向上させることができる。
【0018】
本発明の一態様において、前記ヒートポンプ装置は、再生空気室の外部に配置されていてもよい。
この構成によれば、ヒートポンプ装置を再生空気室の内部に配置した構成と比較して、弁調整機構(配管など)のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0019】
本発明の一態様において、前記ヒートポンプ装置は、前記プレクーラを冷却するための熱源体と冷媒とを熱交換する蒸発器を備え、前記冷媒は、二酸化炭素であってもよい。
この構成によれば、自然冷媒を用い、フロン系冷媒を用いないため、温暖化対策に好適である。
【0020】
本発明の一態様において、前記ヒートポンプ装置は、前記プレクーラを冷却するための熱源体と冷媒とを熱交換する蒸発器を備え、前記熱源体は、水またはブラインであってもよい。
この構成によれば、水またはブラインは空気よりも熱伝達率が高いため、除湿装置のCOP(Coefficient Of Performance)を向上させやすい。
【0021】
本発明の他の態様に係る除湿装置は、
除湿すべき空気と接触させられることにより前記空気中の水分を吸着して前記空気を除湿するデシカントロータと、
圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を備え、これらに冷媒を循環させることにより前記凝縮器で発生させた熱で空気を加熱し、加熱された空気を前記デシカントロータに吸着された水分の除去のために供給するヒートポンプ装置と、
前記蒸発器で発生する冷熱を用いて、前記デシカントロータにより除湿された空気を冷却するアフタークーラとを具備することを特徴とする。
【0022】
前記態様の除湿装置はさらに、
前記ヒートポンプ装置により加熱された空気をさらに加熱して前記デシカントロータに吸着された水分を除去するために供給するヒータと、
除湿すべき空気を冷却したうえで前記デシカントロータと接触させるプレクーラとを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、どのような外気条件でも除湿を安定して行い、しかも低コストで、外部にフロン系冷媒冷却装置を必要としない除湿装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る除湿装置の構成図。
図2】実施形態に係る第一の流路の説明図。
図3】実施形態に係る第二の流路の説明図。
図4】実施形態に係る第三の流路の説明図。
図5】プレクーラおよび採熱器のそれぞれを通る熱源水の流量と外気温との関係を示す図。
図6】実施形態の第一変形例に係る除湿装置の構成図。
図7】実施形態の第二変形例に係る除湿装置の構成図。
図8参照例に係る除湿装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。実施形態においては、除湿装置の一例として、冷媒として二酸化炭素(CO)を用い、熱源体として水を用いた除湿装置を挙げて説明する。除湿装置は、処理空気の需要先である空調室(不図示)に接続されている。例えば、空調室は、鋳物工場に適用される。例えば、除湿装置は、鋳物工場において油炉に吹き込む空気の除湿に用いられる。
【0026】
[除湿装置1]
図1に示すように、除湿装置1は、処理空気室2、再生空気室3、処理ファン4、再生ファン5、デシカントロータ6、プレクーラ7、採熱器10、ヒートポンプ装置8、弁調整機構11、温度センサ42(センサ)および制御部13を備える。
【0027】
処理空気室2および再生空気室3は、互いに隣接して配置されている。処理空気室2および再生空気室3は、隔壁14で並列配置となるように仕切られている。処理空気室2および再生空気室3は、互いに平行に延在する直方体状をなしている。
【0028】
処理空気室2の第一端部には、外気の入口(以下「処理入口15」ともいう。)が設けられている。処理空気室2の第二端部(処理空気室2の第一端部とは反対側の端部)には、処理空気の供給口(以下「処理出口16」ともいう。)が設けられている。
【0029】
再生空気室3の第一端部(処理空気室2の第一端部とは反対側の端部)には、熱風の入口(以下「熱風入口17」ともいう。)が設けられている。再生空気室3の第二端部(再生空気室3の第一端部とは反対側の端部)には、再生空気の排出口18(以下「排気口18」ともいう。)が設けられている。
【0030】
処理ファン4は、処理空気室2に設けられている。処理ファン4は、処理空気室2の内部に処理空気流を形成する。処理ファン4の作動によって、処理入口15から外気が処理空気室2に導入される。導入された空気によって、処理出口16に向かう空気流が形成される。
【0031】
再生ファン5は、再生空気室3に設けられている。再生ファン5は、再生空気室3の内部に再生空気流を形成する。再生ファン5の作動によって、熱風入口17から熱風(外気)が再生空気室3に導入される。導入された空気によって、排気口18に向かう空気流が形成される。
処理空気室2に形成される処理空気流と、再生空気室3に形成される再生空気流とは、互いに逆方向に流れるように構成されている。
【0032】
デシカントロータ6は、空気中の水蒸気を吸着し除湿する手段として、円盤状のロータの表面に吸着剤を担持した吸着面6aを有する。例えば、吸着剤は、シリカゲルおよびゼオライト等の無機系吸着剤または高分子吸着剤が用いられる。デシカントロータ6は、処理空気室2と再生空気室3とに跨って配置されている。デシカントロータ6の回転軸6bは、隔壁14に配置されている。デシカントロータ6は、回転軸6bを中心に回転する。
【0033】
例えば、デシカントロータ6は、不図示の駆動モータによって、1時間に数十回転という低速で回転する。デシカントロータ6の回転によって、吸着面6aは、処理空気室2および再生空気室3に交互に進入する。デシカントロータ6は、連続的に吸着と再生とを交互に繰り返す。
【0034】
プレクーラ7は、処理空気室2に設けられている。プレクーラ7は、処理空気室2の第一端部寄り(処理入口15近傍)に配置されている。プレクーラ7は、デシカントロータ6の上流で処理空気を予冷する。処理入口15とプレクーラ7との間には、外気中の塵埃などを除去するためのフィルタ19が設けられている。
【0035】
採熱器10は、再生空気室3に設けられている。採熱器10は、再生空気室3の第二端部寄り(再生空気の流れ方向における下流領域)に配置されている。採熱器10は、デシカントロータ6の下流で再生空気から採熱する。
【0036】
ヒートポンプ装置8は、外気より採熱した熱量を熱源として使用する。ヒートポンプ装置8は、プレクーラ7を冷却するための熱源体としての水と、冷媒としての二酸化炭素とを熱交換する蒸発器24を備える。ヒートポンプ装置8は、デシカントロータ6の上流で再生空気を加熱する。例えば、ヒートポンプ装置8は、不図示の駆動ファンによって、熱風を発生させる。
【0037】
ヒートポンプ装置8は、冷媒として二酸化炭素が循環する冷媒循環ライン20と、冷媒循環ライン20に直列に接続された圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23および蒸発器24と、を備える。
【0038】
冷媒循環ライン20は、環状(閉回路)をなしている。冷媒循環ライン20における冷媒の流れ方向において、圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23および蒸発器24は、この順に配置されている。
【0039】
ヒートポンプ装置8は、再生空気室3の外部に配置されている。ヒートポンプ装置8は、再生空気室3の延在方向から見て、再生空気室3と重なる直方体状をなしている。
【0040】
ヒートポンプ装置8と再生空気室3の第一端部(熱風入口17の形成部)との間には、ヒートポンプ装置8と再生空気室3の第一端部とを接続する接続ゲート25が設けられている。接続ゲート25には、ヒートポンプ装置8からの熱風を再生空気室3に案内する流路が形成されている。
【0041】
ヒートポンプ装置8の上流端部(接続ゲート25とは反対側の端部)には、外気の入口26(以下「再生入口26」ともいう。)を有する入口ゲート27が設けられている。入口ゲート27には、外気中の塵埃などを除去するためのフィルタ28が設けられている。
【0042】
圧縮機21内で圧縮された高圧かつ高温の冷媒は、圧縮機21から吐出される。圧縮機21から吐出された冷媒は、凝縮器22内で凝縮し、再生入口26からデシカントロータ6に向かう再生空気を加熱する。実施形態では、冷媒として高圧領域で超臨界状態となり高温となる二酸化炭素を用いることで、ヒートポンプ装置8によって再生空気を80℃以上の高温に昇温することができる。
【0043】
凝縮器22から流れ出た冷媒は、膨張弁23で膨張して低圧かつ低温になる。蒸発器24には、冷媒に蒸発熱を与える熱源体として水(以下「熱源水」ともいう。)が供給される。膨張弁23から流れ出た冷媒は、蒸発器24内で熱源水と熱交換し、蒸発潜熱を得て蒸発する。蒸発器24で蒸発された冷媒は、再び圧縮機21に流れ込み、圧縮機21内で圧縮される。
【0044】
弁調整機構11は、第一の流路L1(図2参照)と、第二の流路L2(図3参照)と、第三の流路L3(図4参照)と、を切り替え可能である。
図2に示すように、第一の流路L1は、熱源体としての水(熱源水)を蒸発器24からプレクーラ7に流し、プレクーラ7を通過した熱源水を蒸発器24に流す流路である。第一の流路L1は、蒸発器24とプレクーラ7との間で熱源水の循環路を形成する。
図3に示すように、第二の流路L2は、熱源水を蒸発器24からプレクーラ7に流し、プレクーラ7を通過した熱源水を蒸発器24に流すとともに、プレクーラ7を通過した熱源水の一部を採熱器10に流し、採熱器10を通過した熱源水を蒸発器24に流す流路である。第二の流路L2は、蒸発器24とプレクーラ7との間、および蒸発器24と採熱器10との間で熱源水の循環路を形成する。
図4に示すように、第三の流路L3は、熱源水を蒸発器24からプレクーラ7、採熱器10の順に流し、採熱器10を通過した熱源水を蒸発器24に流す流路である。言い換えると、第三の流路L3は、熱源水を蒸発器24からプレクーラ7に流し、プレクーラ7を通過した熱源水の全部を採熱器10に流し、採熱器10を通過した熱源水を蒸発器24に流す流路である。第三の流路L3は、蒸発器24と採熱器10との間で熱源水の循環路を形成する。
【0045】
図1に示すように、弁調整機構11は、第一配管31、第二配管32、第三配管33、第四配管34、および弁機構35を備える。
第一配管31の各端部は、蒸発器24と、プレクーラ7とにそれぞれ接続されている。第一配管31は、熱源水を蒸発器24からプレクーラ7に流入可能とする。第一配管31は、熱源水を蒸発器24からプレクーラ7に流す往路を形成する。第一配管31には、熱源水を流すためのポンプ41が設けられている。
第二配管32の各端部は、プレクーラ7と蒸発器24とにそれぞれ接続されている。第二配管32は、熱源水をプレクーラ7から蒸発器24に流入可能とする。第二配管32は、熱源水をプレクーラ7から蒸発器24に流す復路を形成する。第二配管32には、蒸発器24に流れる熱源水の温度を検知する温度センサ42が設けられている。温度センサ42は、外気より採熱した熱量(ヒートポンプ装置8が熱源として使用する熱量)を検知するセンサの一例である。
【0046】
第三配管33の各端部は、第二配管32と採熱器10とにそれぞれ接続されている。第三配管33は、プレクーラ7を通過した熱源水の少なくとも一部を採熱器10に流入可能とする。
第四配管34の各端部は、採熱器10と、第二配管32における第三配管33の接続位置よりも下流の位置とにそれぞれ接続されている。第四配管34は、採熱器10を通過した熱源水を蒸発器24に流入可能とする。
【0047】
弁機構35は、第一の流路L1(図2参照)と、第二の流路L2(図3参照)と、第三の流路L3(図4参照)と、を切り替え可能である。弁機構35は、第二配管32と第三配管33との接続部に設けられている。例えば、弁機構35は三方弁である。弁機構35の弁の開度を調整することで、第三配管33を流れる熱源体の流量を調整することができる。第三配管33を流れる熱源水の流量を調整することで、採熱器10に流入する熱源水の流量を調整することができる。
【0048】
制御部13は、除湿装置1の各構成要素を統括制御する。制御部13は、温度センサ42の検知温度が目標値となるように弁調整機構11を制御する。制御部13は、弁調整機構11を制御し、第一の流路L1、第二の流路L2および第三の流路L3を選択的に切り替える。制御部13は、弁調整機構11を制御し、熱源水が採熱器10を通る流量を調整する。
【0049】
例えば、制御部13は、温度センサ42の検知温度(蒸発器24に流れる熱源水の温度)が20℃を維持するように弁調整機構11(弁機構35)を制御する。制御部13は、弁調整機構11を制御し、流路が各流路L1~L3のいずれかに切り替えられているとき、温度センサ42の検知結果が目標値となるように、熱源水が放熱量プレクーラ10を通る流量を調整する。
【0050】
図5は、プレクーラ7および採熱器10のそれぞれを通る熱源水の流量と外気温との関係を示す図である。図5の横軸は外気温(℃)、縦軸は流量をそれぞれ示す。図5において、符号C1はプレクーラ7を通る熱源水の流量、符号C2は採熱器10を通る熱源水の流量をそれぞれ示す。
【0051】
図5に示すように、プレクーラ7を通る熱源水の流量C1は一定である。一方、採熱器10を通る熱源水の流量C2は、外気温が高くなるほど低くなる。
図5の例では、採熱器10を通る熱源水の流量C2は、外気温が0℃のときはプレクーラ7を通る熱源水の流量C1と略同じであり(C2≒C1)、外気温が10℃のときはプレクーラ7を通る熱源水の流量C1の略半分であり(C2≒C1/2)、外気温が35℃のときは略ゼロである(C2≒0)。
【0052】
[除湿装置1の各構成要素の作用]
処理ファン4の作動によって、処理入口15から外気が処理空気室2に導入される。導入された空気によって、処理出口16に向かう空気流が形成される。導入された処理空気は、フィルタ19で異物が除去されて、プレクーラ7に流入する。
【0053】
プレクーラ7で、流入した処理空気の温度を下げ冷却除湿を行った上で、デシカントロータ6に吸着させる。例えば、プレクーラ7に流入する処理空気は、30℃~40℃の温度を有する。プレクーラ7に流入する処理空気は、プレクーラ7で熱源水と熱交換し、冷却除湿される。
【0054】
デシカントロータ6は、処理空気室2に位置する部位で、処理空気室2に導入された処理空気に含まれる水蒸気を吸着する。処理空気室2では、デシカントロータ6により空気流から水蒸気を吸着するとき、吸着剤は吸着熱を放出するため、処理空気は加熱され昇温する。昇温し相対湿度が低下した処理空気は、需要先である空調室に供給される。
【0055】
ヒートポンプ装置8の作動によって、再生入口26から外気がヒートポンプ装置8の内部に導入される。
再生入口26からの外気は、フィルタ28で異物が除去される。ヒートポンプ装置8は、冷媒循環ライン20を循環する冷媒として二酸化炭素を用いることで、外気を再生空気として80℃以上の高温に昇温する。ヒートポンプ装置8は、再生空気室3に形成される再生空気流の温度を上げる。冷媒循環ライン20において、膨張弁23から流れ出た冷媒は、蒸発器24内で熱源水と熱交換する。
【0056】
処理空気室2で処理空気に含まれる水蒸気を吸着した吸着面6aは、デシカントロータ6の回転により、再生空気室3に移動する。ヒートポンプ装置8で昇温されて相対湿度が低下した再生空気流は、吸着面6aに接触し、吸着面6aに吸着されている水蒸気を脱離させる。デシカントロータ6から水蒸気を取り込んだ再生空気は、採熱器10に流入する。
【0057】
採熱器10では、必要であれば流入した再生空気から採熱する。その後、再生空気は、排気口18から再生空気室3の外部に排出される。例えば、採熱器10に流入する再生空気は、40℃~60℃の温度を有する。採熱器10に流入する再生空気は、採熱器10で熱源水と熱交換し、熱源水を加熱する。
【0058】
[弁機構35の制御]
制御部13は、温度センサ42の検知温度が目標値となるように弁機構35を制御する。例えば、制御部13は、温度センサ42の検知温度(蒸発器24に流れる熱源水の温度)が20℃を維持するように弁機構35を制御する。
【0059】
例えば、制御部13は、弁機構35を制御し、夏期では第一の流路L1に切り替える(図2参照)。夏期は冬期よりも外気温度(処理空気室の入口温度)が高い。夏期では第一の流路L1のみに熱源水を流すことにより、プレクーラ7からの採熱だけで温度センサ42の検知温度を目標値(例えば20℃)に維持する。例えば、夏期ではプレクーラ7のみで、蒸発器24から流れてきた熱源水の温度(例えば15℃)を、蒸発器24に戻すときに20℃とする。制御部13は、弁機構35を制御し、流路が第一の流路L1に切り替えられているとき、温度センサ42の検知温度が20℃を維持するように、熱源水が放熱量プレクーラ10を通る流量を調整する(図5参照)。
【0060】
例えば、制御部13は、弁機構35を制御し、夏期と冬期との間の中間期(春期および秋期)では第二の流路L2に切り替える(図3参照)。中間期は夏期よりも外気温度(処理空気室の入口温度)が低い。そのため、中間期においてはプレクーラ7での冷却除湿は必要頻度が減り、従って採熱量も減少する。中間期では、熱源水の一部を採熱器10へ流すことにより、プレクーラ7からの採熱で不足した熱量を採熱器10で確保する。すなわち、中間期ではプレクーラ7および採熱器10のそれぞれで熱量を確保し、温度センサ42の検知温度を目標値(例えば20℃)に維持する。例えば、中間期ではプレクーラ7および採熱器10の双方で、蒸発器24から流れてきた熱源水の温度(例えば15℃)を、蒸発器24に戻すときに20℃とする。制御部13は、弁機構35を制御し、流路が第二の流路L2に切り替えられているとき、温度センサ42の検知温度が20℃を維持するように、熱源水が放熱量プレクーラ10を通る流量を調整する(図5参照)。
【0061】
例えば、制御部13は、弁機構35を制御し、冬期では第三の流路L3に切り替える(図4参照)。冬期はプレクーラ7での冷却除湿はすでに必要ではなく採熱も困難になるので、採熱器10でのみ熱量を確保する。冬期では、ヒートポンプ装置8で昇温されて相対湿度が低下した再生空気流が採熱器10に流入することにより、熱源水を加熱する。冬期では、熱源水の全部を採熱器10へ流すことにより、採熱器10で熱量を確保する。すなわち、冬期では採熱器10で、温度センサ42の検知温度を目標値(例えば20℃)に維持する。例えば、冬期では採熱器10で、蒸発器24から流れてきた熱源水の温度(例えば15℃)を、蒸発器24に戻すときに20℃とする。制御部13は、弁機構35を制御し、流路が第三の流路L3に切り替えられているとき、温度センサ42の検知温度が20℃を維持するように、熱源水が放熱量プレクーラ10を通る流量を調整する(図5参照)。
【0062】
以上説明したように、上記実施形態に係る除湿装置1は、デシカントロータ6と、プレクーラ7と、採熱器10と、外気より採熱した熱量を熱源として使用するヒートポンプ装置8と、前記熱量を検知するセンサ42と、弁調整機構11と、センサ42の検知結果が目標値となるように弁調整機構11を制御する制御部13と、を備える。
具体的に、前記除湿装置1は、互いに隣接して配置された処理空気室2および再生空気室3と、処理空気室2に設けられ、処理空気室2の内部に処理空気流を形成する処理ファン4と、再生空気室3に設けられ、再生空気室3の内部に再生空気流を形成する再生ファン5と、処理空気室2および再生空気室3に跨って配置されたデシカントロータ6と、処理空気室2に設けられ、デシカントロータ6の上流で処理空気を予冷(冷却除湿)するプレクーラ7と、再生空気室3に設けられ、デシカントロータ6の下流で再生空気から採熱する採熱器10と、プレクーラ7を冷却するための熱源体と冷媒とを熱交換する蒸発器24を有し、デシカントロータ6の上流で再生空気を加熱するヒートポンプ装置8と、熱源体を蒸発器24からプレクーラ7に流し、プレクーラ7を通過した熱源体を蒸発器24に流す第一の流路L1と、熱源体を蒸発器24からプレクーラ7に流し、プレクーラ7を通過した熱源体を蒸発器24に流すとともに、プレクーラ7を通過した熱源体の一部を採熱器10に流し、採熱器10を通過した熱源体を蒸発器24に流す第二の流路L2と、熱源体を蒸発器24からプレクーラ7、採熱器10の順に流し、採熱器10を通過した熱源体を蒸発器24に流す第三の流路L3と、を切り替え可能な弁調整機構11と、蒸発器24に流れる熱源体の温度を検知する温度センサ42と、温度センサ42の検知温度が目標値となるように弁調整機構11を制御する制御部13と、を備える。
【0063】
この構成によれば、どのような外気条件でも除湿を安定して行い、しかも低コストで、外部にフロン系冷媒冷却装置を必要としない除湿装置1を提供することができる。
この装置では、例えば、下記(I)~(III)のように制御を行う。
(I)夏期は冬期よりも外気温度(処理入口15の温度)が高いため、プレクーラ7で冷却除湿と採熱を行う。夏期はプレクーラ7からの採熱だけで温度センサ42の検知温度を目標値に維持し、ヒートポンプ装置8に必要な加熱量を確保することができる。また、プレクーラ7による冷却除湿に加えデシカントロータ6による除湿も行うため、低除湿の処理空気を安定して供給することができる。
(II)夏期と冬期との間の中間期(春期および秋期)は夏期よりも外気温度(処理入口15の温度)が低いため、プレクーラ7での冷却除湿は必要頻度が減り、従って採熱量も減少する。中間期では、熱源体の一部を採熱器10へ流し、プレクーラ7からの採熱で不足した熱量を採熱器10で確保する。結果、中間期でも温度センサ42の検知結果を目標値に維持し、必要な加熱量することができる。また、デシカントロータ6による除湿だけで低除湿の処理空気を安定して供給することができる。
(III)冬期はプレクーラ7での冷却除湿はすでに必要ではなく採熱も困難になるので、採熱器10でのみ熱量を確保する。結果、冬期でも温度センサ42の検知結果を目標値に維持し、必要な加熱量することができる。引き続きデシカントロータ6による除湿だけで低除湿の処理空気を安定して供給することができる。
【0064】
以上の事から、通年において、外気条件(外気温度)にかかわらず、要求された低除湿の処理空気を確保することができ、ヒートポンプ装置8に必要な加熱量を常にほぼ定量で確保し、デシカントロータ6の再生も可能になる。
言い換えれば、夏期(プレクーラ7)、中間期(プレクーラ7と採熱器10)、冬期(採熱器10)ともに、冷却除湿と採熱とができる環境を構成し、それを制御するので、蒸発器24から出てきた例えば15℃の熱源体を、どの時期においても常に20℃で蒸発器24に戻すことができる。これにより、どの時期においてもヒートポンプ装置8の動作を一定(蒸発温度を一定)にして、加熱量にできる限り影響を与えない運転ができる。
【0065】
上記実施形態において、プレクーラ7は、冷却除湿機能と採熱機能とを兼ね、制御部13は、プレクーラ7の採熱量が不足する場合、弁調整機構11を制御し、採熱器10からも採熱することで、以下の効果を奏する。
例えば、特許文献2では、冷却除湿は外部に設置されたプレクーラで行い、採熱は装置内部のエアクーラで行っている。これに対し、この構成によれば、装置内部のプレクーラ7が冷却除湿機能と採熱機能とを兼ねるため、部品の削減とコストダウンとを実現できる。
【0066】
上記実施形態において、弁調整機構11は、各端部が蒸発器24とプレクーラ7とにそれぞれ接続され、熱源体を蒸発器24からプレクーラ7に流入可能とする第一配管31と、各端部がプレクーラ7と蒸発器24とにそれぞれ接続され、熱源体をプレクーラ7から蒸発器24に流入可能とする第二配管32と、各端部が第二配管32と採熱器10とにそれぞれ接続され、プレクーラ7を通過した熱源体の少なくとも一部を採熱器10に流入可能とする第三配管33と、各端部が採熱器10と、第二配管32における第三配管33の接続位置よりも下流の位置とにそれぞれ接続され、採熱器10を通過した熱源体を蒸発器24に流入可能とする第四配管34と、第一の流路L1と第二の流路L2と第三の流路L3とを切り替え可能な弁機構35と、を備えることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、蒸発器24、プレクーラ7および採熱器10を配管で直列に接続し、弁機構35を設けた構成において、除湿を安定して行うことができる。
【0067】
上記実施形態において、ヒートポンプ装置8は、再生空気室3の外部に配置されていることにより、ヒートポンプ装置8を再生空気室3の内部に配置した構成と比較して、弁調整機構11(配管など)のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0068】
上記実施形態において、冷媒は、二酸化炭素であることにより、自然冷媒を用い、フロン系冷媒を用いないため、温暖化対策に好適である。
【0069】
上記実施形態において、熱源体は、水であることにより、水は空気よりも熱伝達率が高いため、除湿装置1のCOP(Coefficient Of Performance)を向上させやすい。
【0070】
[変形例]
なお、上記実施形態では、第二配管32に弁機構35のみが設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第二配管32に弁機構35以外のバルブが設けられていてもよい。
【0071】
例えば、図6に示すように、弁調整機構111は、第二配管32における第三配管33の接続位置と第四配管34の接続位置との間に設けられたバルブ45を更に備えていてもよい。制御部13は、バルブ45の開閉を制御する。
この構成によれば、バルブ45の開閉を制御することで、第二配管32における第三配管33の接続位置と第四配管34の接続位置との間の圧力損失を調整することができる。したがって、夏期と冬期とで(第一流路L1と第三流路L3とで)、圧力損失に差が生じることを抑制することができる。
【0072】
例えば、除湿装置101は、ヒートポンプ装置8からデシカントロータ6に向かう熱風の温度を検知する熱風温度検知センサ46を更に備えていてもよい。制御部13は、熱風温度検知センサ46の検知温度が目標熱風温度となるように再生ファン5を制御してもよい。
この構成によれば、外気条件にかかわらず、ヒートポンプ装置8からデシカントロータ6に向かう熱風の温度を目標熱風温度に合わせることができるため、ヒートポンプ装置8の加熱量を一定範囲に保つことができる。したがって、どのような外気条件でも除湿をより一層安定して行うことができる。
例えば、制御部13は、熱風温度検知センサ46の検知温度が目標熱風温度となるように、外気温が低く且つ熱風の温度が低いほど再生ファン5の回転を遅くする。例えば、制御部13は、熱風温度検知センサ46の検知温度が目標熱風温度となるように、外気温が高く且つ熱風の温度が高いほど再生ファン5の回転を速くする。
【0073】
上記実施形態では、処理空気室2に一つのプレクーラ7のみが設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、処理空気室2に複数のプレクーラが設けられていてもよい。
【0074】
例えば、図7に示すように、除湿装置201は、処理空気室2に設けられ、デシカントロータ6の上流かつプレクーラ7の下流で処理空気を予冷する第二プレクーラ150を更に備えていてもよい。
この構成によれば、プレクーラ7を一つのみ備えた構成と比較して、デシカントロータ6に送る処理空気の絶対湿度を更に低くすることができるため、トータルとしての除湿効果をより一層向上させることができる。
【0075】
図7において、符号159は冷凍機、符号160は第二プレクーラ150と冷凍機159に接続された冷媒循環ライン、符号161は冷媒が冷凍機159から第二プレクーラ150に向かう冷媒循環ライン160の往路、符号162は冷媒が第二プレクーラ150から冷凍機159に向かう冷媒循環ライン160の復路、符号163はポンプをそれぞれ示す。
【0076】
上記実施形態では、除湿装置が採熱器10および弁調整機構11を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、条件によっては、除湿装置は、採熱器10および弁調整機構11を備えていなくてもよい。例えば、夏期ではプレクーラ7のみの採熱で温度センサ42の検知温度を目標値に維持し、除湿を安定して行うことができる。
【0077】
上記実施形態では、蒸発器24、プレクーラ7および採熱器10を配管で直列に接続した例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、蒸発器24およびプレクーラ7と、放熱器24および採熱器10とを配管で並列に接続してもよい。
【0078】
次に、図8を参照して、参照例の除湿装置を説明する。この参照例は本発明の特許請求の範囲には含まれない。先の実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、先の説明を援用する。
この参照例の除湿装置301は、処理空気室2と再生空気室3とを有するデシカント除湿器303と、処理空気室2の入口P1に外気を冷却して供給するプレクーラ308と、再生空気室3の入口P5に高温空気を供給するためのヒートポンプ装置8と、処理空気室2から導出される冷却除湿後の空気をさらに冷却するためのアフタークーラ312とを有している。
【0079】
この参照例の特徴は、ヒートポンプ装置8で発生する冷熱をアフタークーラ312へ供給し、デシカントロータ6を通過して冷却および除湿された空気を、アフタークーラ312でさらに冷却する点にある。このようなアフタークーラは本発明にも適用可能である。
【0080】
デシカント除湿器303の処理空気室2と再生空気室3は、隔壁14によって仕切られており、隔壁14に形成された矩形状の開口部を垂直に貫通して、円盤状のデシカントロータ6が配置されている。デシカントロータ6の一方の半円部は処理空気室2内に突出しており、他方の半円部は再生空気室3内に突出している。デシカントロータ6はその中心を貫通する回転軸6b回りに回転可能とされ、回転軸6bは隔壁14と平行に配置されており、図示しないモータによりデシカントロータ6が低速回転される。
【0081】
再生空気室3内において、デシカントロータ6の上流側には、電気ヒータ302が配置され、その上流側から供給される空気を加熱して、デシカントロータ6の半円部に高温空気を供給し、デシカントロータ6が処理空気室2内で吸着した水分を除去する。再生空気室3内において、デシカントロータ6の下流側には再生ファン304が配置され、デシカントロータ6を通過して湿った高温空気を、再生空気室3の出口P7から外へ排気する。
【0082】
再生空気室3の入口P5の上流に配置されたヒートポンプ装置8は、その内部に圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23、および蒸発器24を有し、冷媒として二酸化炭素を満たした冷媒循環ライン20でこれらは順に接続されている。圧縮機21により加圧された二酸化炭素が冷媒循環ライン20を循環すると、凝縮器22内で二酸化炭素が加圧されて発熱する一方、蒸発器24内で減圧されて冷熱を発生する。
【0083】
凝縮器22には、フィルタ28を介して、ヒートポンプ装置8の入口P2から空気が供給され、この空気は、凝縮器22で発熱した二酸化炭素と熱交換し、加熱された後に、ヒートポンプ装置8の入口P5を通じて電気ヒータ302へ導入される。
【0084】
蒸発器24は、第一配管322および第二配管324を介して、アフタークーラ312に接続されており、この循環流路には熱源体としての水が満たされ、ポンプ320により蒸発器24、第二配管324、アフタークーラ312、および第一配管322の順に水が循環される。水は蒸発器24から冷熱を奪い、アフタークーラ312内を流れる空気を冷却したうえ、ポンプ320を経て蒸発器24に戻されて、再度冷却される。
【0085】
アフタークーラ312で冷却された空気は、切替ダンパ314に導入される。切替ダンパ314は一対のダンパ316、318を備え、第1のダンパ316を開くことにより、冷却空気が冷却すべき冷蔵庫等へ供給される。一方、第2のダンパ318を開くことにより空気は外へ排気される。運転初期において、アフタークーラ312から供給される空気が十分に除湿されていない場合には、ダンパ316を閉じてダンパ318を開き、空気を冷蔵庫内へ供給せずに外へ排気して、冷蔵庫の結露を防止する。アフタークーラ312からの空気が十分に除湿されたら、ダンパ318を閉じてダンパ316を開き、空気を冷蔵庫内へ供給する。
【0086】
プレクーラ308は、冷媒循環路328を通じて他の冷却設備326と接続され、冷却設備326との間に例えば水などの冷媒が循環される。プレクーラ308は、外部からフィルタ310を介して取り入れた空気を冷媒との熱交換により冷却し、入口P1から予備冷却された空気を処理空気室2へ供給する。
【0087】
上記除湿装置301の動作を説明する。なお、以下の条件は発明の効果を説明するための一例であり、本発明は下記条件に限定されない。外気温が35℃、相対湿度が60.0%RHと仮定する。外気はフィルタ310を介して除塵後、プレクーラ308で冷却され、温度5℃、相対湿度95.0%RHと低温高湿度状態にされる。この低温高湿度の空気が処理ファン306を通じてデシカントロータ6を通過すると、デシカントロータ6の吸着面6aに担持された吸着剤に水分の殆どが吸収される。吸着剤は吸水時に発熱するため、デシカントロータ6を通過した空気は温度26.7℃となり、相対湿度1.1%RHまで低下する。この時の露点は-30℃DPに達する。
【0088】
除湿された空気は次にアフタークーラ312に導入され、蒸発器24で冷却された水により冷却され、温度10℃、相対湿度3.1%RHとなって、ダンパ316を通じて冷却すべき冷蔵庫へと供給される。
【0089】
一方、デシカントロータ6の水分を吸着した部分は、デシカントロータ6の回転につれて再生空気室3へ移動する。再生空気室3での再生は以下のように行われる。
外気温が35℃、相対湿度が60.0%RHの外気はフィルタ28を通って除塵され、ヒートポンプ装置8へ供給される。ヒートポンプ装置8内において、空気は凝縮器22を通過して約120℃に加熱される。加熱された空気は電気ヒータ302を通ってさらに加熱され、約140℃に達したのち、デシカントロータ6に供給される。デシカントロータ6を高温の空気が通過するにつれ水分が除去され、水分を含む空気は再生ファン304により出口P7から外へ放出される。
【0090】
ヒートポンプ装置8内では、圧縮機21が二酸化炭素を循環させており、凝縮器22内で加圧された二酸化炭素は発熱して、凝縮器22を通る空気を加熱して熱を放出したのち、膨張弁23を通じて蒸発器24で減圧され、冷熱を生じてアフタークーラ312に冷たい水を供給する。上記の動作が連続的に行われることにより、除湿装置301は連続して低露点(-25℃DB以下)に除湿された冷気を冷蔵庫に連続的に供給することが可能である。
【0091】
上記構成からなる除湿装置301によれば、ヒートポンプ装置8を用いたことにより全て電気ヒータで加熱するよりも、例えば約30%程度の省電力が可能であるうえ、ヒートポンプ装置8から排出される冷熱は、アフタークーラ312に供給されて、除湿後の空気をさらに冷却するために使用でき、エネルギー効率が高い。
【0092】
また、外気温に拘わらず、例えば、外気温が0℃くらいまで低い場合にも、デシカントロータ6では吸着剤への水分吸着により発熱が生じるため、デシカントロータ6を通過した空気の温度は、冷蔵庫へ供給すべき空気の温度より高くなる。よって、アフタークーラ312には、外気温に拘わらず常に冷熱負荷が発生するから、アフタークーラ312は常に動作させることが可能である。よって、ヒートポンプ装置8による高温発生に付随して発生する冷熱を効果的に消費することができ、除湿装置301の全体のエネルギー効率を高めることが可能である。
【0093】
上記実施形態では、熱源体として水を用いた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、熱源体としてブラインを用いてもよい。
【0094】
上記実施形態では、処理空気の需要先である空調室が鋳物工場や冷蔵庫に適用される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、空調室は、自動車塗装工場、バルク船の積み荷場、菓子などの食品製造場などいかなる用途に適用されてもよい。
【0095】
また、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【実施例
【0096】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0097】
本発明者は、実施形態の除湿装置の各要素を所定の条件に設定することによって、デシカントロータの出口(処理出口)において、相対湿度が低い処理空気を得ることができることを確認した。
各実施例では、冷媒として二酸化炭素を用い、熱源体として水(熱源水)を用いた。熱源水は、第一の流路(以下「熱源体循環ライン」という。)のみ循環させた。
【0098】
(実施例1)
実施例1の除湿装置は、実施形態の除湿装置1(図1参照)を用いた。
処理入口(図中符号P1の位置)の条件は、外気の温度35.0℃、相対湿度60.0%、絶対湿度21.45g/kg(DA)、風量5300m/hとした。
再生入口(図中符号P2の位置)の条件は、外気の温度32.0℃、相対湿度71.0%、絶対湿度21.45g/kg(DA)、風量5100m/hとした。
熱源体循環ラインを循環する熱源水の流量は、200L/minとした。
機外静圧は、500Paとした。
【0099】
プレクーラの下流かつ処理ファンの上流(図中符号P3の位置)の空気は、温度18.2℃、相対湿度95.0%、絶対湿度12.44g/kg(DA)であった。
処理ファンの下流かつデシカントロータの上流(図中符号P4の位置)の空気は、温度19.2℃、絶対湿度12.44g/kg(DA)であった。
ヒートポンプ装置の下流かつデシカントロータの上流(図中符号P5の位置)の空気は、温度85.0℃であった。
デシカントロータの下流かつ再生ファンの上流(図中符号P6の位置)の空気は、温度57.0℃、相対湿度25.6%、絶対湿度28.5g/kg(DA)であった。
排気口(図中符号P7の位置)の空気は、温度27.9℃、相対湿度95.0%、絶対湿度22.67g/kg(DA)であった。
熱源体循環ラインの往路を流れる熱源水の温度(図中符号P8の位置の熱源水入口温度)は、15.0℃であった。
熱源体循環ラインの復路を流れる熱源水の温度(図中符号P9の位置の熱源水出口温度)は、20.0℃であった。
【0100】
処理出口(図中符号P10の位置)の空気は、温度45.9℃、相対湿度9.3%、絶対湿度5.76g/kg(DA)、露点温度6.0℃であった。除湿量は、27.0kg/hであった。
これにより、常温以上の絶対湿度が低い処理空気を得ることができることが分かった。
【0101】
(実施例2)
実施例2の除湿装置は、実施形態の変形例に係る除湿装置201(図7参照)を用いた。
実施例2では、処理入口の条件、再生入口の条件、熱源体循環ラインを循環する熱源水の流量、および機外静圧は、それぞれ実施例1と同じ条件とした。
【0102】
プレクーラの下流かつ第二プレクーラの上流(図中符号P11の位置)の空気は、温度18.2℃、相対湿度95.0%、絶対湿度12.44g/kg(DA)であった。
第二プレクーラの下流かつ処理ファンの上流(図中符号P12の位置)の空気は、温度15.0℃、相対湿度95.0%、絶対湿度10.11g/kg(DA)であった。
処理ファンの下流かつデシカントロータの上流(図中符号P4の位置)の空気は、温度17.0℃、絶対湿度10.11g/kg(DA)であった。
デシカントロータの下流かつ再生ファンの上流(図中符号P6の位置)の空気は、温度57.0℃、相対湿度25.6%、絶対湿度28.5g/kg(DA)であった。
冷媒循環ラインの往路を流れる冷媒の温度(図中符号P13の位置の冷媒入口温度)は、7.0℃であった。
冷媒循環ラインの復路を流れる冷媒の温度(図中符号P14の位置の冷媒出口温度)は、12.0℃であった。
なお、実施例2において、他の各位置の測定結果(ヒートポンプ装置の下流かつデシカントロータの上流の空気、排気口の空気、熱源体循環ラインの往路を流れる熱源水の温度、および熱源体循環ラインの復路を流れる熱源水の温度)は、それぞれ実施例1と同じ測定結果であった。
【0103】
実施例2において、処理出口(図中符号P10の位置)の空気は、温度41.1℃、相対湿度8.9%、絶対湿度4.32g/kg(DA)であった。これにより、実施例1と比較して更に絶対湿度が低い処理空気を得ることができることが分かった。
【符号の説明】
【0104】
1,101,201…除湿装置、2…処理空気室、3…再生空気室、4…処理ファン、5…再生ファン、6…デシカントロータ、7…プレクーラ、8…ヒートポンプ装置、9…熱源体循環ライン、10…採熱器、11,111…弁調整機構、13…制御部、24…蒸発器、31…第一配管、32…第二配管、33…第三配管、34…第四配管、35…弁機構、42…温度センサ(センサ)、45…バルブ,46…熱風温度検知センサ、150…第二プレクーラ、L1…第一の流路、L2…第二の流路、L3…第三の流路、301…除湿装置、302…電気ヒータ、303…デシカント除湿器、304…再生ファン、306…処理ファン、308…プレクーラ、310…フィルタ、312…アフタークーラ、314…切替ダンパ、316…ダンパ、318…ダンパ、320…ポンプ、322…第一配管(流路)、324…第二配管(流路)、326…冷却設備。
図1
図2
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図6
図7
図8