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特許7443300セリア粒子を表面から除去するための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】セリア粒子を表面から除去するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240227BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 7/06 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 7/08 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 7/36 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 7/22 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
H01L21/304 647Z
H01L21/304 621D
H01L21/304 622Q
H01L21/304 647A
C11D17/08
C11D3/04
C11D7/06
C11D7/32
C11D7/08
C11D7/26
C11D7/36
C11D7/22
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021126732
(22)【出願日】2021-08-02
(62)【分割の表示】P 2019538379の分割
【原出願日】2018-01-17
(65)【公開番号】P2021192429
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】62/447,729
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】パーソン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クーパー, エマニュエル アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダス, アタヌ
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-069495(JP,A)
【文献】特表2016-526070(JP,A)
【文献】特開2010-163608(JP,A)
【文献】特表2016-519423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 17/08
C11D 3/04
C11D 7/06
C11D 7/32
C11D 7/08
C11D 7/26
C11D 7/36
C11D 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、少なくとも1つの酸素捕捉剤と、任意選択的に金属原子又は金属イオンを錯化するための少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つのポリマーとからなる表面に使用される水性除去組成物であって、
水性除去組成物が0.001重量%未満の界面活性剤からなり、表面からセリア粒子の少なくとも90パーセント、並びにその上に前記粒子及びCMP汚染物質を有するマイクロ電子デバイスから化学機械研磨(CMP)汚染物質を除去するのに適しており、
少なくとも1つの有機添加剤と少なくとも1つの還元剤が、0.:1から:1の範囲の重量パーセント比で存在し、
少なくとも1つの有機添加剤が、2-ピロリジノン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン(HEP)、テトラグライム、ジグリム、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、オクタノール、エタノール、ブタノール、メタノール、イソホロン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(EGHE)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEGHE)、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、4-メチル-2-ペンタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、シクロヘキサノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-ペンタノン、5-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,5-ヘキサンジオン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、ブタノン、2-メチル-2-ブタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、シクロペンタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、1-フェニルエタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、ジシクロヘキシルケトン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、2-アセチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、メントン又はそれらの組合せであり、
水性除去組成物が4から6のpHを有する、水性除去組成物。
【請求項2】
少なくとも1つのpH調整剤が、アルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、水酸化コリン又は水酸化テトラアルキルアンモニウムである、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのpH調整剤が、硫酸、クエン酸又はそれらの組合せである、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの還元剤が、亜硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、ホスフィン酸又はそれらの組合せである、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの酸素捕捉剤が、カルボヒドラジド、2-アミノエチルピペラジン(AEP)、メチルエチルケトキシム、ヒドロキノン、ヒドラジン又は1,3-、1,4-若しくは2,5-シクロヘキサンジオンである、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの錯化剤がアルカノールアミンである、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項7】
少なくとも1つのポリマーが、ポリ(メタクリル酸)又はポリ(アクリル酸)である、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項8】
マイクロ電子デバイスが窒化シリコン層及び低誘電率層を含む、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項9】
酸化剤、
フッ化物含有源、
水酸化テトラメチルアンモニウム、
化学機械研磨研削材、及び
シアヌル酸、バルビツル酸及びその誘導体、グルクロン酸、スクエア酸、アルファ-ケト酸、アデノシン及びその誘導体、リボシルプリン及びその誘導体、プリン化合物及びその誘導体、アデノシンの分解生成物及びアデノシン誘導体、トリアミノピリミジン、プリン-サッカライド複合体、ホスホン酸及びその誘導体、フェナントロリン、グリシン、ニコチンアミド及びその誘導体、フラボノイド及びその誘導体、クェルセチン及びその誘導体並びにそれらの組合せからなる群から選択される腐食抑制剤、
のうちの少なくとも1つを実質的に含まない、請求項1に記載の水性除去組成物。
【請求項10】
水性除去組成物が界面活性剤を含まない、請求項1に記載の水性除去組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その開示全体が出典明示により本明細書に援用される、2017年1月18日に出願された米国特許仮出願第62/447729号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は一般に、セリア粒子と他の化学機械研磨スラリー汚染物質とを、それらをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するための組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ電子デバイスウエハは、集積回路を形成するために使用される。マイクロ電子デバイスウエハは、基板、例えば、シリコンを含み、その領域は、絶縁性、導電性又は半導性を有する様々な材料を堆積させるためにパターン化される。
【0004】
正確なパターニングを得るために、基板上の層の形成において使用された過剰な材料は除去されなければならない。さらに、機能的且つ信頼性の高い回路を製作するために、平らな、すなわち平坦なマイクロ電子ウエハ表面を調製し、その後に加工することが重要である。したがって、マイクロ電子デバイスウエハのある種の表面を除去及び/又は研磨することが必要である。
【0005】
化学機械研磨又は平坦化(「CMP」)は、材料がマイクロ電子デバイスウエハの表面から除去され、物理プロセス、例えば、摩耗と、化学プロセス、例えば、酸化又はキレート化とを結合することにより表面が研磨(例えば、平坦化)されるプロセスである。その最も基本的な形態において、CMPは、除去、平坦化及び研磨プロセスの間、マイクロ電子デバイスウエハの表面をバフ仕上げする研磨パッドに、活性のある化学を有する研削スラリーを適用するものである。純粋に物理的な作用若しくは純粋に化学的な作用を利用する除去又は研磨プロセスは、速く、均一な除去を実現するためには、両方の相乗的な組合せほど効果的でない。さらに、集積回路の製作において、その後のフォトリソグラフィー又はパターニング、エッチング及び薄膜加工のために非常に平坦な表面を生成できるように、CMPスラリーはまた、金属と他の材料との複合層を含む膜を優先的に除去可能であるべきである。
【0006】
シャロートレンチ分離(STI)プロセスを使用してシリコン基板内に分離領域を形成するためのフロントエンド・オブ・ライン(FEOL)法では、パッド酸化膜及びパッド窒化膜が半導体基板上に堆積され、パターン化されて基板の一部を露出させ、これが分離領域に対応する。次いで、基板の露出領域がエッチングされてトレンチを形成する。その後、基板エッチングによって生じた損傷を除去するために犠牲酸化プロセスが基板に施され、続いて、トレンチの表面に壁酸化膜が形成される。次に、トレンチ埋込酸化膜(例えば、HDP酸化膜と呼ばれる、高密度プラズマ化学気相成長により形成された酸化膜)が、トレンチに埋め込まれるように基板の表面に堆積される。次いで、パッド窒化膜が露出するまでHDP酸化膜の表面に化学機械研磨が施される。次いで、得られた基板が洗浄され、トレンチエッチの間にエッチバリアとして使用されたパッド窒化膜が除去され、分離領域の形成が完了する。
【0007】
セリア粒子を使用するCMPスラリーは、シリカ含有スラリーに比べて、絶縁体に対してより速い研磨速度を実現する。さらに、最小限の酸化物侵食でSTIパターン平坦化を実現できる能力のために、セリアベースのスラリーが最もよく使用される。不利なことに、セリアベースのスラリーは、酸化シリコン及び窒化シリコンの表面に対して逆電荷のセリア粒子のゼータ電位のために、STI構造物から除去することが困難である。ウエハ上に残留するこれらの残渣を伴ってデバイスが製造される場合、残渣は、短絡及び電気抵抗の増加につながる。セリア粒子はまた、セリアスラリーを使用するCMP加工後のFinFET構造に伴う課題でもある。
【0008】
現在、セリア粒子の除去に最も効率的な湿式洗浄配合物は希フッ化水素酸(DHF)である。しかし、DHFは、不利なことに、酸化シリコン及び他の低誘電率材料をエッチングする。
【0009】
したがって、セリア粒子除去組成物、並びに下にある材料、例えば、窒化シリコン層、低誘電率(例えば、酸化シリコン)層及びタングステン含有層を損傷せずにマイクロ電子デバイスの表面からセリア粒子を効果的に除去するプロセスが依然として必要とされている。セリア粒子除去組成物はまた、マイクロ電子デバイスの表面からCMPスラリー汚染物質を効果的に除去すべきである。
【発明の概要】
【0010】
本発明は一般に、セリア粒子とCMP汚染物質とを、前記粒子とCMP汚染物質とをその上に有するマイクロ電子デバイスから洗浄するのに特に有用である除去組成物及びプロセスに関する。
【0011】
一態様では、水性除去組成物が記載され、この水性除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含むものである。
【0012】
別の態様では、セリア粒子とCMP汚染物質とを、前記粒子と汚染物質とをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法が記載され、本方法は、マイクロ電子デバイスから前記粒子と汚染物質とを少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを除去組成物と接触させることを含み、この除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含むものである。
【0013】
さらに別の態様では、製造品が記載され、この製造品は、水性除去組成物と、マイクロ電子デバイスウエハと、セリア粒子、CMP汚染物質及びそれらの組合せからなる群から選択される材料とを含み、洗浄組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含むものである。
【0014】
他の態様、特徴及び利点は、以下の開示及び添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は一般に、セリア粒子とCMP汚染物質とを、(一又は複数の)そのような材料をその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するのに有用な組成物に関する。有利には、セリア粒子とCMP汚染物質とが、組成物を使用して効果的に除去され、さらに組成物は、窒化シリコン層及び低誘電率(例えば、酸化シリコン)層と適合する。
【0016】
参照しやすくするため、「マイクロ電子デバイス」は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリ素子、太陽電池パネル、及び太陽電池基板、光電装置を含む他の製品、並びに超小型電子集積回路又はコンピュータチップ用途において使用するために製造されるマイクロ電子機械システム(MEMS)に対応する。太陽電池基板には、シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム及びガリウム上のヒ化ガリウムが含まれるが、これらに限定されない。太陽電池基板は、ドープされても、ドープされなくてもよい。「マイクロ電子デバイス」という用語は、いかなる意味においても限定することを意図せず、最終的にマイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリになる任意の基板を含むと理解されるべきである。
【0017】
本明細書において使用されるとき、「セリア粒子」は、例えば、式Ce及びCeOを有する酸化セリウムを含む、化学機械研磨スラリー中で使用することができるセリウムベースの研削粒子に対応する。「セリア粒子」は、酸化セリウムを含んでもよく、それからなっていてもよく、又はそれから実質的になっていてもよいと理解されるべきである。
【0018】
本明細書において使用されるとき、「汚染物質」は、CMPスラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、CMP後残渣、ウェットエッチング組成物中に存在する化学物質、ウェットエッチング組成物の反応副生成物、及びCMPプロセス、ウェットエッチング、プラズマエッチング又はプラズマアッシングプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。
【0019】
本明細書において使用されるとき、「CMP後残渣」は、研磨スラリーからの粒子、例えば、スラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、炭素に富む粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、装置の構成材料粒子、金属、有機残渣、及びCMPプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。さらに、タングステンがCMPプロセスの間に除去された場合、CMP後残渣は、タングステン含有粒子をさらに含み得る。
【0020】
本明細書において定義される通り、「低誘電率材料」は、積層マイクロ電子デバイスにおいて誘電材料として使用される任意の材料に対応し、この材料は、約3.5未満の誘電率を有する。好ましくは、低誘電率材料には、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ化ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化シリコン及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が含まれる。低誘電率材料は、様々な密度及び様々な空隙率を有してもよいと理解されるべきである。
【0021】
本明細書において定義される通り、「錯化剤」は、当業者が錯化剤、キレート剤及び/又は金属イオン封鎖剤と理解する化合物を含む。錯化剤は、本明細書に記載の組成物を使用して除去される金属原子及び/若しくは金属イオンと化学的に結合し、又はそれらを物理的に保持する。
【0022】
「実質的にない」は、本明細書において、2wt.%未満、好ましくは1wt.%未満、より好ましくは0.5wt.%未満、最も好ましくは0.1wt.%未満と定義される。「ない」は、環境汚染を償う0.001wt%未満に対応することが意図される。
【0023】
本明細書において用いられるとき、「約」は、記載の値の±5%に対応することが意図される。
【0024】
本明細書において使用されるとき、「酸化剤」は、(一又は複数の)露出した金属を酸化して、金属の腐食又は金属上の酸化物生成をもたらす化合物に対応する。酸化剤には以下が含まれるが、これらに限定されない:過酸化水素;他の過化合物、例えば、ペルオキソ一硫酸塩、過ホウ酸塩、過塩素酸塩、過ヨウ素酸塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩及び過酢酸陰イオンを含む塩並びに酸;アミン-N-オキシド。
【0025】
本明細書において使用されるとき、「フッ化物含有化合物」は、別の原子にイオン結合したフッ化物イオン(F)を含む塩又は酸化合物に対応する。
【0026】
本明細書において定義される通り、「バリア材料」という用語は、金属線(例えば、銅相互接続)を封止して、前記金属(例えば、銅)の誘電材料内への拡散を最小限にするために当技術分野において使用される任意の材料に対応する。好ましいバリア層材料には、タンタル、チタン、ルテニウム、ハフニウム、タングステン及び他の耐熱金属並びにそれらの窒化物及びケイ化物が含まれる。
【0027】
本開示において、「アデノシンの分解生成物及びアデノシン誘導体」には、アデニン(C)、メチル化アデニン(例えば、N-メチル-7H-プリン-6-アミン、C)、ジメチル化アデニン(例えば、N,N-ジメチル-7H-プリン-6-アミン、C)、N4,N4-ジメチルピリミジン-4,5,6-トリアミン(C11)、4,5,6-トリアミノピリミジン、アラントイン(C)、ヒドロキシル化C-O-O-C二量体((C)、C-C架橋二量体((C又は(CO))、リボース(C10)、メチル化リボース(例えば、5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2,3,4-トリオール、C12)、テトラメチル化リボース(例えば、2,3,4-トリメトキシ-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン、C18)及び他のリボース誘導体、例えば、メチル化加水分解ジリボース化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書において使用されるとき、「界面活性剤」は、当業者には容易に理解されるように、疎水基と親水基とを有する両親媒性種に対応するが、ポリマーを含まない。本明細書において定義される通り、「ポリマー」は、繰返しモノマーの基を有する化学種に対応し、天然又は合成であり得る。「ポリマー」は、ただ1つのタイプの繰返しモノマーを有するホモポリマー、又は1つを超えるタイプの繰返しモノマーを有するコポリマーであり得ると理解されるべきである。
【0029】
本明細書において使用されるとき、セリア粒子とCMP汚染物質とを、前記粒子と汚染物質とをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するための「適合性」は、マイクロ電子デバイスからの前記粒子/汚染物質の少なくとも部分的な除去に対応する。洗浄効果は、マイクロ電子デバイス上の物体の減少により評価される。例えば、洗浄前後の分析は、原子間力顕微鏡を使用して実施することができる。サンプル上の粒子を、ある範囲の画素として記録することができる。ヒストグラム(例えば、Sigma Scan Pro)を適用して、一定強度(例えば、231-235)の画素及び計数された粒子の数をフィルタすることができる。粒子の減少は、以下を使用して計算することができる:
洗浄効果={(洗浄前の物体の数-洗浄後の物体の数)/洗浄前の物体の数}×100
注目すべきことに、洗浄効果の測定法は、単なる例として記載されており、それに限定されるものではない。あるいは、洗浄効果は、粒子状物質によって覆われた全表面の割合と考えてもよい。例えば、z平面走査を実施するようAFMをプログラムして一定の高さの閾値を上回る対象のトポグラフィー領域を特定し、次いで、対象の前記領域によって覆われた全表面の領域を計算してもよい。洗浄後に対象の前記領域によって覆われた面積が小さいほど、除去組成物がより効果的であることを当業者なら容易に理解するであろう。好ましくは、本明細書に記載の組成物を使用して、粒子/汚染物質の少なくとも75%がマイクロ電子デバイスから除去され、より好ましくは粒子/汚染物質の少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%が除去される。
【0030】
本明細書に記載の組成物は、以下でさらに詳しく説明するように、多種多様な特定の配合物として具体化することができる。
【0031】
ゼロ下限を含む重量パーセントの範囲に関して組成物の特定の成分が議論されるすべてのそのような組成物において、そのような成分は、組成物の様々な特定の実施態様において存在しても、存在しなくてもよいこと、及びそのような成分が存在する場合、これらは、そのような成分が使用される組成物の全重量に基づいて、0.00001重量パーセントという低い濃度で存在してもよいことが理解されるであろう。
【0032】
第1の態様において、除去組成物が記載され、これは、いくつかの実施態様において、好ましくは、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つのポリマーと、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる水性除去組成物である。第1の態様のある実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様の別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの錯化剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様のさらに別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つのポリマーとを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様のさらに別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様の別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様のさらに別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つのポリマーとを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様のさらに別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。第1の態様の別の実施態様において、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。本明細書に記載の水性洗浄組成物は、水、好ましくは脱イオン水をさらに含むことが当業者には理解される。
【0033】
各実施態様において、除去組成物は、マイクロ電子デバイスから残渣材料を除去する前に、酸化剤;フッ化物含有源;界面活性剤;水酸化テトラメチルアンモニウム;化学機械研磨研削材(例えば、シリカ、アルミナなど);シアヌル酸、バルビツル酸及びその誘導体、グルクロン酸、スクエア酸、アルファ-ケト酸、アデノシン及びその誘導体、リボシルプリン及びその誘導体、プリン化合物及びその誘導体、アデノシンの分解生成物及びアデノシン誘導体、トリアミノピリミジン及び他の置換ピリミジン、プリン-サッカライド複合体、ホスホン酸及びその誘導体、フェナントロリン、グリシン、ニコチンアミド及びその誘導体、フラボノイド、例えば、フラボノール及びアントシアニンとその誘導体、クェルセチン及びその誘導体並びにそれらの組合せからなる群から選択される腐食抑制剤のうちの少なくとも1つが実質的にないものにすることができる。さらに、除去組成物は、固化して、例えば、フォトレジストを含むポリマー固体を生成すべきでない。
【0034】
錯化剤は、存在するとき、一般式NR(式中、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐鎖のC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル)基、直鎖又は分岐鎖のC-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル及びヒドロキシヘキシル)基及び上で定義した直鎖又は分岐鎖のC-Cヒドロキシアルキル基のC-Cアルキルエーテルからなる群から選択される。)を有する化学種を含む。最も好ましくは、R、R及びRのうちの少なくとも1つが、直鎖又は分岐鎖のC-Cヒドロキシアルキル基である。例には、限定することなしに、アルカノールアミン、例えば、アミノエチルエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、トリエチレンジアミン、他のC-Cアルカノールアミン及びそれらの組合せが含まれる。アミンがアルキルエーテル成分を含むとき、アミンは、アルコキシアミン、例えば、1-メトキシ-2-アミノエタンと考えてもよい。NRアミンの代わりに、又はそれに加えて、錯化剤は、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、m-キシレンジアミン(MXDA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、尿酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン及びそれらの組合せを含むがこれらに限定されない多官能性アミンでもよい。上述の錯化剤の代わりに、又はそれに加えて、別の錯化剤には、ホスホネート(例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、1,5,9-トリアザシクロドデカン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンペンタメチレンホスホン酸、1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(NOTP)、ヒドロキシエチルジホスホン酸塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、カルボキシエチルホスホン酸、アミノエチルホスホン酸、グリホサート、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)フェニルホスホン酸、それらの塩及びそれらの誘導体)及び/又はカルボン酸(例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、トリカルバリル酸、トリメチロールプロピオン酸、酒石酸、グルクロン酸、2-カルボキシピリジン)及び/又はスルホン酸、例えば、チロン(4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸ジナトリウム塩)が含まれ得る。好ましくは、少なくとも1つの錯化剤は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、硫酸、クエン酸及びそれらの組合せからなる群から選択される化学種を含む。存在するとき、除去組成物中の(一又は複数の)錯化剤の量は、除去組成物の全重量に基づいて約0.01wt%-約10wt%の範囲内である。
【0035】
pH調整剤は、酸及び/又は塩基を含む。塩基には、アルカリ金属水酸化物(例えば、LiOH、KOH、RbOH、CsOH)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、Be(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH))、水酸化アンモニウム(すなわち、アンモニア)及び式NROH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐鎖のC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル)基、C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル及びヒドロキシヘキシル)基及び置換又は非置換のC-C10アリール基(例えば、ベンジル基)からなる群から選択される。)を有する水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物が含まれるが、これらに限定されない。市販されている水酸化テトラアルキルアンモニウムには、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム(TBMAH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化コリン、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム及びそれらの組合せが含まれ、それらを使用することができる。代わりに、又は加えて、pH調整剤は、式(PR)OH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖のC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル)基、分岐鎖のC-Cアルキル基、C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル及びヒドロキシヘキシル)基、置換C-C10アリール基、非置換C-C10アリール基(例えば、ベンジル基)及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。)を有する四級塩基、例えば、水酸化テトラブチルホスホニウム(TBPH)、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化ベンジルトリフェニルホスホニウム、水酸化メチルトリフェニルホスホニウム、水酸化エチルトリフェニルホスホニウム、水酸化N-プロピルトリフェニルホスホニウムでもよい。酸には、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、乳酸、グリコール酸及びそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。一実施態様において、pH調整剤はKOHを含む。別の実施態様において、pH調整剤は水酸化コリンを含む。さらに別の実施態様において、pH調整剤は水酸化アンモニウムを含む。別の実施態様において、pH調整剤は、本明細書に列挙した少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物と、少なくとも1つの別の水酸化物とを含む。別の実施態様において、pH調整剤は、KOHと、本明細書に列挙した少なくとも1つの別の水酸化物とを含む。さらに別の実施態様において、pH調整剤は、KOHと、水酸化コリン及び水酸化アンモニウムのうちの少なくとも1つとを含む。これらの列挙した実施態様の何れかに加えて、pH調整剤は、少なくとも1つの酸、例えば、硫酸、クエン酸、又はクエン酸と硫酸との組合せをさらに含むことができる。
【0036】
企図される有機添加剤には、2-ピロリジノン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン(HEP)、グリセロール、1,4-ブタンジオール、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ジメチルスルホン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラグライム、ジグリム、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、オクタノール、エタノール、ブタノール、メタノール、イソホロン、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(EGHE)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEGHE)、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(例えば、DOWANOL PnB)、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(PPh、例えば、DOWANOL PPh)、4-メチル-2-ペンタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、シクロヘキサノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-ペンタノン、5-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,5-ヘキサンジオン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、ブタノン、2-メチル-2-ブタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、シクロペンタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、1-フェニルエタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、ジシクロヘキシルケトン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、2-アセチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、メントン、モノエタノールアミン(MEA)及びそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施態様において、除去組成物中の少なくとも1つの有機添加剤は、プロピレングリコールフェニルエーテルを含む少なくとも1つのグリコールエーテルを含む。
【0037】
ポリマーは、存在するとき、例えば、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びマレイン酸とのメタクリル酸ホモポリマーとコポリマー;マレイン酸/ビニルエーテルコポリマー;ポリ(ビニルピロリドン)/酢酸ビニル;ホモポリマー、例えば、ホスホン酸化ポリエチレングリコールオリゴマー、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)、ポリアリルアミン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP);PPG-PEG-PPGブロックコポリマー;PEG-PPG-PEGブロックコポリマー;並びにそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。存在するとき、除去組成物中の(一又は複数の)ポリマーの量は、除去組成物の全重量に基づいて約0.0001wt%-約1wt%の範囲内である。
【0038】
酸素捕捉剤は、存在するとき、ジアルキルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアルキルヒドロキシルアミン、カルボヒドラジド、2-アミノエチルピペラジン(AEP)、メチルエチルケトキシム、ヒドロキノン、ヒドラジン、1,3-、1,4-及び2,5-シクロヘキサンジオン単独又は3-メトキシプロピルアミンとの組合せ、アミノフェノール、直鎖の水溶性ポリエチレンアミン(例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン)、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム並びにそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。好ましくは、酸素捕捉剤には、カルボヒドラジド、2-アミノエチルピペラジン(AEP)、メチルエチルケトキシム、ヒドロキノン、ヒドラジン、1,3-、1,4-及び2,5-シクロヘキサンジオン単独又は3-メトキシプロピルアミンとの組合せ、アミノフェノール、直鎖の水溶性ポリエチレンアミン、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン並びにそれらの組合せが含まれる。理論によって制限されることなく、酸素捕捉剤は、還元剤の安定化を助けると考えられる。存在するとき、除去組成物中の(一又は複数の)酸素捕捉剤の量は、除去組成物の全重量に基づいて約0.0001wt%-約1wt%の範囲内である。
【0039】
還元剤には、アスコルビン酸、L(+)-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、ドーパミンHC1、亜リン酸、ホスフィン酸、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、ヒドロキシルアミン、還元糖(例えば、ガラクトース、リボース、アラビノース、キシロース、フコース、ラムノース、マンノース、フルクトース、ソルボース、ガラクツロン酸、グルコサミン、マルトース、ラクトース)、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸アンモニウム、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム、ドーパミン、二酸化硫黄溶液及びそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、少なくとも1つの還元剤は、少なくとも1つの亜硫酸イオンと、少なくとも1つの他の列挙した還元剤、例えば、亜硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、ホスフィン酸及びそれらの任意の組合せとを含む。亜硫酸アンモニウムが存在するとき、亜硫酸アンモニウムはin situで生成することができて、特定の成分の組合せは、残渣、例えば、セリア粒子及び他のCMP後残渣の除去を助ける亜硫酸アンモニウムの生成につながると理解されるべきである。
【0040】
上述の成分を含む水性除去組成物は、セリア粒子及び汚染物質(例えば、CMP後残渣及び汚染物質)をマイクロ電子デバイス構造物から除去するのに特に有用である。本明細書に記載の水性除去組成物のpHは、約1-約13.9の範囲内にすることができる。一実施態様において、pHは、約3-約13.9、好ましくは約3.5-約13.9の範囲内である。別の実施態様において、pHは、約3.5-約5.5の範囲内である。さらに別の実施態様において、pHは、約4.5-約8.5、好ましくは約7.5-8.5の範囲内である。別の実施態様において、pHは、約9-約13.7の範囲内である。
【0041】
特に好ましい実施態様において、水性除去組成物は、(一又は複数の)還元剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、水性除去組成物は、亜硫酸イオンを含む化合物と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、水性除去組成物は、(一又は複数の)還元剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、プロピレングリコールフェニルエーテルと、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、水性除去組成物は、亜硫酸イオンを含む化合物と、少なくとも1つのpH調整剤と、プロピレングリコールフェニルエーテルと、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。別の実施態様において、水性除去組成物は、(一又は複数の)還元剤と、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。別の実施態様において、水性除去組成物は、亜硫酸イオンを含む化合物と、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、水性除去組成物は、亜硫酸イオンを含む化合物と、クエン酸と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、水性除去組成物は、亜硫酸イオンを含む化合物と、クエン酸と、少なくとも1つのpH調整剤と、プロピレングリコールフェニルエーテルと、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。別の実施態様において、水性除去組成物は、(一又は複数の)還元剤(例えば、亜硫酸イオンを含む化合物)と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの酸素捕捉剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、水性除去組成物は、(一又は複数の)還元剤(例えば、亜硫酸イオンを含む化合物)と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、少なくとも1つの錯化剤(例えば、クエン酸)と、少なくとも1つの酸素捕捉剤と、水とを含み、これらからなり、又はこれらから実質的になる。
【0042】
組成量に関して、(一又は複数の)有機添加剤対(一又は複数の)還元剤の重量パーセント比は、約0.001:1-約10:1、好ましくは約0.1:1-約5:1の範囲内である。pH調整剤の量は、使用のための除去組成物を本明細書に開示のpH値に基づいて調製するときの所望の最終pH及び当業者の知識に依存する。
【0043】
成分の重量パーセント比の範囲は、組成物のすべての可能な濃縮又は希釈された実施態様を対象に含む。そのために、一実施態様において、洗浄溶液として使用するために希釈することができる濃縮除去組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、有利に、使用者(例えば、CMPプロセス技術者)が使用ポイントで濃縮物を所望の強度及びpHに希釈することを可能にする。濃縮水性除去組成物の希釈は、約1:1-約2500:1、好ましくは約5:1-約200:1、最も好ましくは約20:1-約120:1の範囲内にすることができて、水性除去組成物は、ツールにおいて、又はツールの直前で、溶媒、例えば、脱イオン水により希釈される。希釈後、本明細書に開示の成分の重量パーセント比の範囲は不変であるべきであることが当業者によって理解される。
【0044】
本明細書に記載の組成物は、エッチ後残渣除去、アッシュ後残渣除去表面調製、めっき後洗浄及びCMP後残渣除去を含むがこれらに限定されない用途において有用性があり得る。さらに、本明細書に記載の水性洗浄組成物は、装飾用金属、金属線接合、プリント回路基板及び金属又は金属合金を使用する他の電子実装を含むがこれらに限定されない他の金属(例えば、銅含有及びタングステン含有)製品の洗浄及び保護に有用である可能性があることが意図されている。
【0045】
さらに別の好ましい実施態様において、本明細書に記載の水性除去組成物は、セリア粒子及び/又はCMP汚染物質をさらに含む。セリア粒子及び汚染物質は、洗浄が始まった後、除去組成物の成分になり、組成物に溶解及び/又は懸濁する。
【0046】
水性除去組成物は、それぞれの原料を単純に加えて、均質な状態まで混合することで容易に配合される。さらに、組成物は、使用ポイントで、若しくは使用ポイント前に混合される単一パッケージの配合物又はマルチパート配合物として容易に配合されてもよく、例えば、マルチパート配合物の個々のパートは、ツールにおいて、又はツールの上流の貯蔵タンク内で混合されてもよい。それぞれの原料の濃度は、特定の複数の組成物において大きく変化してもよく、すなわち、より希薄であっても、より濃厚であってもよく、本明細書に記載の組成物は、本明細書の開示と一貫した原料の任意の組合せを、様々に、代替的に含み得、これらからなり得、又はこれらから実質的になり得ることを理解されたい。
【0047】
したがって、別の態様は、一又は複数の容器内に、本明細書に記載の組成物を生成するように適合された一又は複数の成分を含むキットに関する。キットは、製造工場又は使用ポイントで別の溶媒(例えば、水)と組み合わせるために、一又は複数の容器内に、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つのポリマーと、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含んでもよい。あるいは、キットは、製造工場又は使用ポイントで少なくとも1つのpH調整剤及び別の溶媒(例えば、水)と組み合わせるために、一又は複数の容器内に、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つのポリマーと、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含んでもよい。キットの容器は、組成物の保管及び運搬に適していなければならず、例えば、NOWPak(登録商標)容器(Entegris,Inc.(米国マサチューセッツ州ビルリカ))でもよい。
【0048】
水性除去組成物の成分を含む一又は複数の容器は、好ましくは、ブレンディング及び分配のために前記一又は複数の容器内の成分を流体連通させるための手段を含む。例えば、NOWPak(登録商標)容器を参照すると、前記一又は複数の容器内のライナーの外側にガス圧を加えて、ライナーの内容物の少なくとも一部を排出させ、したがって、ブレンディング及び分配のための流体連通を可能にしてもよい。あるいは、従来の加圧可能な容器のヘッドスペースにガス圧が加えられてもよく、又はポンプを使用して流体連通を可能にしてもよい。さらに、このシステムは、好ましくは、ブレンドされた除去組成物をプロセスツールに分配するための分配ポートを含む。
【0049】
マイクロ電子製造作業に適用されるとき、本明細書に記載の水性除去組成物は、セリア粒子及び/又はCMP汚染物質(例えば、CMP後残渣及び汚染物質)をマイクロ電子デバイスの表面から洗浄するために有用に使用される。水性除去組成物は、デバイス表面の低誘電率材料(例えば、酸化シリコン)、窒化シリコン層又はタングステン含有層を損傷しない。好ましくは、水性除去組成物は、粒子除去の前にデバイス上に存在するセリア粒子の少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去する。
【0050】
CMP後粒子及び汚染物質の除去用途において、本明細書に記載の水性除去組成物は、多くの種類の従来の洗浄ツール、例えば、Verteq社製単一ウエハ用メガソニックGoldfinger、OnTrak systems社製DDS(両面スクラバ)、SEZ又は他の単一ウエハ用スプレーリンス、Applied Materials社製Mirra-Mesa(商標)/Reflexion(商標)/Reflexion LK(商標)及びメガソニックバッチウェットベンチシステムを含むがこれらに限定されないメガソニックス並びにブラシスクラビングと共に使用することができる。
【0051】
セリア粒子とCMP汚染物質とを、それらをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するための本明細書に記載の組成物の使用において、水性除去組成物は、典型的には、約5秒-約10分、好ましくは約1秒-20分、好ましくは約15秒-約5分の時間、約20℃-約90℃、好ましくは約20℃-約50℃の範囲内の温度でデバイスと接触させる。そのような接触時間及び温度は例示であり、本方法の広範な実施の範囲内で、セリア粒子とCMP汚染物質とをデバイスから少なくとも部分的に除去するのに効果的なその他の任意の適した時間及び温度の条件が使用されてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」及び「実質的な除去」は何れも、粒子除去の前にデバイス上に存在するセリア粒子の少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0052】
所望の粒子除去作用を達成後、本明細書に記載の組成物の所与の最終使用用途において所望され、且つ効果的であり得るように、水性除去組成物があらかじめ適用されていたデバイスから、水性除去組成物が容易に除去される。好ましくは、すすぎ液は脱イオン水を含む。その後、デバイスは、窒素又は遠心脱水サイクルを使用して乾燥することができる。
【0053】
さらに別の態様は、本明細書に記載の方法にしたがって製造される改善されたマイクロ電子デバイス、及びそのようなマイクロ電子デバイスを含む製品に関する。
【0054】
別の態様は、リサイクルされた水性除去組成物に関し、当業者により容易に判断される水性除去組成物が適応できる最大量に粒子及び/又は汚染物質の負荷が達するまで除去組成物がリサイクルされてもよい。
【0055】
さらに別の態様は、マイクロ電子デバイスを含む物品を製造する方法であって、セリア粒子とCMP汚染物質とを、前記粒子と汚染物質とをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを水性除去組成物と接触させることと、本明細書に記載の除去組成物を使用して、前記マイクロ電子デバイスを前記物品に取り込むこととを含む方法に関する。
【0056】
別の態様において、セリア粒子とCMP汚染物質とを、それらをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法が記載される。本方法は、セリア粒子を含むCMPスラリーを使用してマイクロ電子デバイスを研磨することと、セリア粒子とCMP汚染物質とをマイクロ電子デバイスから除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つのポリマーと、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含む水性除去組成物と接触させて、CMP後粒子含有組成物を生成することと、マイクロ電子デバイスを実質的に洗浄するのに十分な時間の間、マイクロ電子デバイスをCMP後粒子含有組成物と連続的に接触させることとを含む。上述の成分の何れかを、セリア粒子とCMP汚染物質とを除去する本方法において使用することができる。
【0057】
別の態様は、製造品であって、水性除去組成物と、マイクロ電子デバイスウエハと、セリア粒子、CMP汚染物質及びそれらの組合せからなる群から選択される材料とを含み、除去組成物は、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの還元剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、水と、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤と、任意選択的に少なくとも1つのポリマーと、任意選択的に少なくとも1つの酸素捕捉剤とを含む製造品に関する。
【0058】
本発明の特徴及び利点を、以下の非限定的な例によりさらに詳しく説明する。すべての部及びパーセントは、特に明記されていない限り、重量による。
【実施例
【0059】
実施例1
以下に示す除去組成物を調製し(各配合物中の残部はDI水であった。)、水で100:1に希釈した。プロセスは、TEOS基板をセリア含有スラリーに5分間浸漬し、基板をDI水中で30秒間すすぎ、基板を除去組成物に60秒間浸漬し、次いで、第2のDI水リンスで30秒間すすぐものであった。浸漬中の温度は室温であった。洗浄の程度を、走査型電子顕微鏡法(SEM)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)及び暗視野顕微鏡法(DFM)を使用して決定し、比較例の配合物1と比較した。
配合物A:2wt%クエン酸、2wt%プロピレングリコールフェニルエーテル、残部の水。調整及び1:100希釈後のpH=2.5
配合物B:2wt%クエン酸、2wt%亜硫酸ナトリウム、残部の水。調整及び1:100希釈後のpH=2.6
配合物C:2wt%クエン酸、2wt%プロピレングリコールフェニルエーテル、2wt%亜硫酸ナトリウム、残部の水。調整及び1:100希釈後のpH=2.6
比較例の配合物1:NHOH:H:HO=1:1:5
【0060】
DFMデータは、洗浄後のセリア汚染の総面積を示す。配合物A-Cはすべて、洗浄において比較例の配合物1より効率が高いことが明らかになった。特に、配合物Cは、比較例の配合物の3.5倍効率が高く、配合物Aの2倍効率が高いことが明らかになった。
【0061】
配合物Cの有効性に基づいて、表1に示す通り別の組成物を調製し、DFMデータを決定した。各配合物中の残部はDI水であった。KOHを加えて、pHを目標pHに調整した。配合物を水で100:1に希釈し、セリア含有スラリーを含むTEOS基板をその中に室温で5分間浸漬した。
【0062】
配合物Jは、比較例の配合物1に比べて150倍改善された性能を有することが明らかになった。配合物D、F、H、I及びN-Rも、洗浄において比較例の配合物より効率が高かった。注目すべきことに、これらの配合物は、4-6の範囲内でより高いpHを有していた。
【0063】
実施例2
以下に示す除去組成物を調製し(各配合物中の残部はDI水であった。)、水で100:1に希釈した。プロセスは、TEOS基板をセリア含有スラリーに5分間浸漬し、基板をDI水中で30秒間すすぎ、基板を除去組成物に60秒間浸漬し、次いで、第2のDI水リンスで30秒間すすぐものであった。浸漬中の温度は室温であった。洗浄の程度を、走査型電子顕微鏡法(SEM)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)及び暗視野顕微鏡法(DFM)を使用して決定した。特に、表2は、各除去組成物のDMFデータを示す。
【0064】
本明細書では例示的な実施態様及び特徴を参照して本発明を様々に開示してきたが、本明細書に前述の実施態様及び特徴は本発明を限定するものではないこと、並びに当業者なら本明細書の開示に基づいて他の変形、修正及びその他の実施態様を思いつくであろうことを理解されたい。したがって、本発明は、すべてのそのような変形、修正及び代替の実施態様を、以下に記載の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に包含するものと広く解釈されるべきである。