(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】3D-NANDモールド
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240227BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240227BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240227BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240227BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240227BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20240227BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L29/58 G
H01L21/88 B
H01L21/302 105A
(21)【出願番号】P 2021558829
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(86)【国際出願番号】 US2020026067
(87)【国際公開番号】W WO2020205908
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-30
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン, ムクン
(72)【発明者】
【氏名】ナタラジャン, サンジェイ
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108922891(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109155316(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0062455(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278859(US,A1)
【文献】特開2018-133590(JP,A)
【文献】米国特許第09449985(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0118403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H10B 43/50
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを形成する方法であって、
交互の第1の層及び第2の層を含む膜スタックを通るメモリホールチャネルを形成することと、
第1の酸化物チャネル層を堆積させることと、
前記第1の酸化物チャネル層上に窒化物チャネル層を堆積させることと、
前記窒化物チャネル層上に第2の酸化物チャネル層を堆積させることと、
前記メモリホールチャネル内において前記第2の酸化物チャネル層上
にポリシリコン層を形成することと、
前記膜スタックから一又は複数の第1の層を除去することであって、前記第1の層は、前記第1の層の第1の側から除去され、前記第1の側と対向する第2の側では、
前記ポリシリコン層を含み、前記第1の層と前記第2の層が積層された方向に延在する一又は複数の膜で境界された開口部が残され、前記開口部は第1の厚さを有する、前記膜スタックから一又は複数の第1の層を除去することと、
前記開口部の厚さを前記第1の厚さから第2の厚さに増加させ、前記第2の層の第1の厚さを、前記第2の層の前記第1の厚さよりも小さい前記第2の層の第2の厚さに減少させるために、前記開口部を通して前記第2の層をトリミングすることと、
前記開口部内にワード線置換材料を堆積させることと
を含み、
前記ワード線置換材料が堆積されて形成されたワード線の厚みは前記開口部の第1の厚さよりも大きい、方法。
【請求項2】
前記第1の層が窒化物層を含み、前記第2の層が酸化物層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の層が酸化ケイ素を含み、前記第1の層が窒化ケイ素を含み、前記ワード線置換材料がタングステンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記開口部の前記第2の厚さが前記開口部の前記第1の厚さよりも50%以上大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記開口部の前記第1の厚さが1nmから50nmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一又は複数の第1の層を除去することは、
前記膜スタックを通るスリットパターン開口部を形成することであって、前記第1の層の前記第1の側を前記スリットパターン開口部に露出させる、前記膜スタックを通るスリットパターン開口部を形成することと、
前記スリットパターン開口部を通して前記第1の層の前記第1の側をエッチング液に曝露することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の層をトリミングすることは、前記第2の層を、前記スリットパターン開口部を通して、フッ素系気相乾式洗浄化学物質又は希釈HF化学物質に曝露することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ワード線置換材料が、前記タングステンと前記第2の層との間に窒化チタンライナを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記開口部の前記第2の側にインシトゥ蒸気生成(ISSG)酸化物層又はラジカルプラズマ酸化(RPO)酸化物層を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の層をトリミングすることと同時に、前記開口部の前記第2の側から前記開口部の前記第2の側の酸化層が除去される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ISSG酸化物層又はRPO酸化物層が2nmの厚さを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
半導体メモリデバイスであって、
前記半導体メモリデバイスの第1の部分に交互の窒化物層及び酸化物層を含む膜スタックであって、前記膜スタックの前記交互の窒化物層及び酸化物層は、窒化物/酸化物の厚さ比率(N
f/O
f)を有する、膜スタックと、
前記半導体メモリデバイスの第2の部分に交互のワード線及び酸化物層を含むメモリスタックであって、前記ワード線は、ワード線置換材料が堆積されて形成されたものであり、前記メモリスタックの前記交互のワード線及び酸化物層は、ワード線/酸化物の厚さ比率(W
m/O
m)を有する、メモリスタックと
を備え、
0.1(W
m/O
m)<N
f/O
f<0.95(W
m/O
m)である、半導体メモリデバイス。
【請求項13】
前記膜スタックの前記窒化物層は、1nmから50nmの範囲の厚さを有し、前記メモリスタックの前記酸化物層は、10nmから20nmの範囲の平均厚さを有し、W
m/O
mは、2.5/2から3.5/2の範囲である、請求項12に記載の半導体メモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、電子デバイス、並びに電子デバイスを製造するための方法及び装置の分野に関するものである。より具体的には、本開示の実施形態は、3D-NANDモールドスタックを形成するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体技術は急速に進歩しており、処理の高速化や単位体積当たりのストレージを提供するために、技術の進歩に伴いデバイスの寸法が縮小している。NANDデバイスでは、ONセルとOFFセルを区別するのに十分な電流を得るために、ストリング電流を充分に大きくする必要がある。ストリング電流は、シリコンチャネルの粒径を大きくすることで向上するキャリア移動度に依存する。
【0003】
[0003]交互の酸化膜及び窒化膜の層を備えた既存の3D-NANDメモリスタックでは、ワード線を構築するために置換金属ゲート(RMG)プロセスが必要である。窒化ケイ素層には大量の水素が残留しており、機械的に不安定である。この水素は、パターンの変形及び/又はプロセス制御性、又はメモリホールのエッチングプロセスに悪影響を及ぼす。
【0004】
[0004]したがって、より低いレベルの残留水素を有する3D-NANDデバイスが当技術分野で必要とされている。更に、3D-NANDデバイスを形成するための方法及び装置が、当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の一又は複数の実施形態は、メモリデバイスを形成する方法を対象とする。一実施形態では、電子デバイスを形成する方法は、交互の第2の層及び第1の層を含む膜スタックから一又は複数の第1の層を除去することであって、第1の層は、ポリシリコン層を含む一又は複数の膜で第2の側において境界された開口部を残すように、第1の層の第1の側から除去され、開口部は第1の厚さを有する、交互の第2の層及び第1の層を含む膜スタックから一又は複数の第1の層を除去することと、開口部の厚さを第1の厚さから第2の厚さに増加させ、第1の酸化物層の厚さを第1の酸化物層の厚さよりも小さい第2の酸化物層の厚さに減少させるために、開口部を通して隣接する第2の層をトリミングすることと、開口部内にワード線置換材料を堆積させることとを含む。
【0006】
[0006]本開示の追加の実施形態は、半導体メモリデバイスを対象とする。一実施形態では、半導体メモリデバイスは、デバイスの第1の部分に交互の窒化物層及び酸化物層を含む膜スタックであって、膜スタックの交互の窒化物層及び酸化物層は、窒化物/酸化物の厚さ比(Nf
/Of)を有する、膜スタックと、デバイスの第2の部分に交互のワード線及び酸化物層を含むメモリスタックであって、メモリスタックの交互のワード線及び酸化物層は、ワード線/酸化物の厚さ比(Wm
/Om)を有する、メモリスタックとを備え、0.1(Wm
/Om)<Nf
/Of<0.95(Wm
/Om)である。
【0007】
[0007]本開示の更なる実施形態は、処理ツールを対象とする。一実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを含む中央移送ステーションと、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションは、中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、複数のプロセスステーションは、酸化物層薄膜化チャンバ及びワード線堆積チャンバを含む、プロセスステーションと、中央移送ステーション及び複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間でウエハを移動させるためにロボットを作動させ、各プロセスステーションで行われるプロセスを制御するように構成されたコントローラとを備える。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。ただし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、例として示すものであり、同様の参照が類似の要素を示す添付の図面の図に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に記載の実施形態に係るメモリデバイスを形成する方法の一実施形態を示すフロープロセス図である。
【
図2】一又は複数の実施形態に係るメモリスタックを有するデバイスを示す断面図である。
【
図3】一又は複数の実施形態に係るメモリスタックの階段パターンを形成した後の基板を示す断面図である。
【
図4A】一又は複数の実施形態に係るメモリホール形成後の基板を示す断面図である。
【
図4B】一又は複数の実施形態に係る
図4Aの基板の断面図領域103を示す図である。
【
図5A】一又は複数の実施形態に係る窒化物層の選択的酸化後の基板を示す断面図である。
【
図5B】一又は複数の実施形態に係る領域101を示す拡大図である。
【
図6A】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図6B】一又は複数の実施形態に係る領域101を示す拡大図である。
【
図7】一又は複数の実施形態に係るビット線パッドの形成後の基板を示す断面図である。
【
図8】一又は複数の実施形態に係る層間誘電体の堆積後の基板を示す断面図である。
【
図9】一又は複数の実施形態に係るスリットパターニング後の基板を示す断面図である。
【
図10】一又は複数の実施形態に係る犠牲層を除去した後の基板を示す断面図である。
【
図11】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図12】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図13A】一又は複数の実施形態に係る窒化物のエッチング後の基板を示す断面図である。
【
図14A】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図15A】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図16】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図17】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図18】一又は複数の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【
図19】一又は複数の実施形態に係るクラスタツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0034]本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載の構造又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、また、様々な方法で実施、あるいは実行される。
【0011】
[0035]交互の酸化膜及び窒化膜の層を備えた既存の3D-NANDメモリスタックでは、ワード線を構築するために置換金属ゲート(RMG)プロセスが必要である。窒化ケイ素層には大量の水素が残留しており、機械的に不安定である。この水素は、パターンの変形及び/又はプロセス制御性、又はメモリホールのエッチングプロセスに悪影響を及ぼす。したがって、本開示の実施形態は、窒化物層の厚さを減少させ、酸化物層の厚さを増加させる方法を提供する。このため、一又は複数の実施形態の酸化物/窒化物モールドでは、SiN厚さが減少し、酸化物厚さが増加した所望の厚さの酸化物/窒化物モールドを実現することが可能となる。一又は複数の実施形態では、交互層は、窒化物及び酸化物の交互層に限定されず、第1の材料及び第2の材料の交互層を含み得る。
【0012】
[0036]金属堆積及び他のプロセスは、ポリシリコンと金属との間の表面を制御するために、隔離された環境(例えば、クラスタプロセスツール)で実施され得る。したがって、本開示の幾つかの実施形態は、方法を実施するために関連するプロセスモジュールを備えた統合ツールシステムを提供する。
【0013】
[0037]
図1は、メモリデバイスを形成するための例示的な方法10を示すフロー図である。当業者は、方法10が、図示したプロセスのいずれか又は全てを含み得ることを認識するであろう。更に、個々のプロセスの順序は、幾つかの部分について変更可能である。方法10は、本開示から逸脱することなく、列挙されたプロセスのいずれかで開始することができる。
図1を参照すると、工程15において、メモリスタックが形成される。工程20において、メモリスタックにワード線階段が形成される。工程25において、メモリホールチャネルがワード線階段にパターニングされる。工程30において、オプションとして、第1の層、例えば窒化物層が、メモリホールチャネルを通して選択的に酸化され得る。工程35において、トランジスタ層が堆積される。工程40において、ビット線パッドが形成される。工程45において、層間誘電体が堆積される。工程50において、メモリ階段がスリットパターニングされる。工程55において、犠牲層が除去される。工程60において、半導体材料が堆積される。工程65において、第1の層、例えば窒化物層が除去される。工程70において、第2の層、例えば酸化物層がトリミングされる。工程75において、ワード線置換材料が堆積される。工程80において、スリットが充填され、工程85において、ワード線コンタクトが形成される。
【0014】
[0038]
図2~
図18は、
図1の方法10について図示したプロセスフローに従うメモリデバイス100の一部を示す図である。
【0015】
[0039]
図2は、本開示の一又は複数の実施形態に係る電子デバイス100の初期又は開始メモリスタックを示す図である。幾つかの実施形態では、
図2に示す電子デバイス100は、図示したように、ベア基板105に層状に形成される。
図2の電子デバイスは、基板105と、半導体層110と、犠牲層120と、メモリスタック130と、酸化物層140とで構成されている。
【0016】
[0040]基板105は、当業者に周知の任意の適切な材料であり得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、用語「基板」は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。また、当業者であれば、文脈上そうでないことが明示されない限り、基板への言及は基板の一部のみを指し得ることを理解するだろう。更に、基板への堆積という表現は、ベア基板と、その上に一又は複数の膜又は特徴が堆積又は形成された基板の両方を意味する。
【0017】
[0041]本明細書で使用する「基板」とは、製造プロセス中に膜処理が行われる任意の基板又は基板に形成された材料表面を指す。例えば、処理が実施され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、金属合金、その他の導電性材料等、他の任意の材料を含む。基板は、半導体ウエハを含むが、これに限定されない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、及び/又はベークする前処理プロセスに暴露され得る。また、本開示では、基板自体の表面に直接行う膜処理に加えて、以下に詳細に開示するように、基板に形成された下層に対しても、開示のいずれかの膜処理ステップを実行することができ、用語「基板表面」は、文脈上、上記下層を含むことが意図されている。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0018】
[0042]基板105には、半導体層110が設けられている。半導体層110は、共通ソース線とも呼ばれ得る。半導体層110は、当業者に周知の任意の適切な技法によって形成することができ、ポリシリコン(poly-Si)を含むが、これに限定されない任意の適切な材料からできていてよい。幾つかの実施形態では、半導体層110は、導電性材料又は半導体材料でできた共通ソース線である。
【0019】
[0043]犠牲層120は、半導体層110に形成され、任意の適切な材料でできていてよい。幾つかの実施形態における犠牲層120は、除去され、後のプロセスで置き換えられる。幾つかの実施形態では、犠牲層120は除去されず、メモリデバイス100内に残る。この場合、用語「犠牲層」は、永久的な層を含む拡張された意味を持ち、導電層と呼ばれ得る。図示した実施形態では、以下で更に説明するように、犠牲層120が工程55において除去される。一又は複数の実施形態では、犠牲層120は、隣接する半導体層110及び酸化物層132に対して選択的に除去され得る材料を含む。
【0020】
[0044]犠牲層120には、メモリスタック130が形成されている。図示の実施形態におけるメモリスタック130は、複数の交互の第2の層132及び第1の層134を含む。一又は複数の実施形態では、第1の層134は窒化物層を含み、第2の層132は酸化物層を含む。幾つかの実施形態では、メモリスタック130は、交互の酸化物及びpoly-Si(OP)、又は酸化物及び金属、又は酸化物及び犠牲層等の非置換ゲートを含む。第1の層134は、第2の層132に実質的に影響を与えることなく第1の層134を除去できるように、第2の層132に対してエッチング選択性のある材料を含む。一又は複数の実施形態では、第1の層134は、窒化ケイ素を含む。一又は複数の実施形態では、第2の層132は、酸化ケイ素を含む。
【0021】
[0045]個々の交互の層は、任意の適切な厚さに形成され得る。幾つかの実施形態では、各第2の層132の厚さは、ほぼ等しい。一又は複数の実施形態では、各第2の層132は、第1の第2の層の厚さを有する。幾つかの実施形態では、各第1の層134の厚さは、ほぼ等しい。この点で使用するほぼ等しい厚さは、互いに±5%以内である。幾つかの実施形態では、シリコン層(図示せず)が、第2の層132と第1の層134との間に形成される。シリコン層の厚さは、第2の層132又は第1の層134の層の厚さと比較して、比較的薄くてよい。一又は複数の実施形態では、第1の層134は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約0.5nmから約30nmの範囲の厚さを有する。一又は複数の実施形態では、窒化物層134は、約0.5から約40nmの範囲の厚さを有する。
【0022】
[0046]
図3を参照すると、方法10の工程20において、階段形態131が作製される。階段形態131は、第2の層132の上面135を露出させる。上面135は、以下に説明するように、ワード線コンタクトを形成するための空間を得るために使用され得る。階段形態131の外側の空間を占めるように、適切な充填材料137が堆積され得る。適切な充填材料137は、当業者には理解されるように、隣接するワード線間の電気的短絡を防止する任意の材料であり得る。階段形態131は、下のワード線よりも小さい幅(図では左から右に向かって図示)を有する各ワード線を備える。「上」及び「下」のような相対的な用語の使用により、本開示の範囲が空間における物理的な方向性に限定されるものとみなすべきではない。
【0023】
[0047]
図4A及び
図4Bを参照すると、工程25において、メモリホールチャネル150がメモリスタック130を通るように開口される。幾つかの実施形態では、メモリホールチャネル150を開口することは、酸化物層140、メモリスタック130、犠牲層120、及び半導体層110を通してエッチングすることを含む。領域103の拡大図である
図4Bを参照すると、メモリホールチャネル150は、第2の層132の表面138及び第1の層134の表面139を露出させるメモリスタック130を通って延在する側壁を有する。
【0024】
[0048]犠牲層120は、メモリホールチャネル150の側壁として露出する表面122を有している。メモリホールチャネル150は、半導体層110の中へある距離だけ延在するので、メモリホールチャネル150の側壁面112及び底部114は、半導体層110内に形成される。メモリホールチャネル150の底部114は、半導体層110の厚さ内の任意の点に形成され得る。幾つかの実施形態では、メモリホールチャネル150は、半導体層110の厚さの約10%から約90%の範囲で、又は、約20%から約80%の範囲で、又は、約30%から約70%の範囲で、又は、約40%から約60%の範囲で、半導体層110の中に厚さが延在する。幾つかの実施形態では、メモリホールチャネル150は、半導体層110の厚さの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、半導体層110の中にある距離だけ延在する。
【0025】
[0049]
図5Aは、第1の層134、例えば窒化物層が、メモリホールチャネル150を通して選択的に酸化される工程30を示す図である。一又は複数の実施形態では、第1の層134、例えば窒化物層の選択的な酸化はオプションである。
図5Bは、
図5Aの領域101の拡大図である。一又は複数の実施形態では、第1の層134、例えば窒化物層は、常圧の水素(H
2)ガス及び酸素(O
2)ガスの雰囲気中で、約700℃から約900℃の範囲の温度で、インシトゥ蒸気生成(ISSG)酸化又はラジカルプラズマ酸化(RPO)によって選択的に酸化される。ISSG酸化物155が、第1の層134、例えば窒化物層において、メモリホールチャネル150に隣接して形成される。理論に拘束されるつもりはないが、ISSG酸化物155は、高温のリンによる窒化物のプルバック中に、ブロッキング酸化物176をエッチングから保護すると考えられる。一又は複数の実施形態では、ISSG酸化物層155又はRPO酸化物層155は、約2nmの厚さを有する。
【0026】
[0050]
図6A及び
図6Bは、トランジスタ層165が第2の層132及びISSG酸化物層155又はRPO酸化物層155に隣接してメモリホールチャネル150に共形堆積される工程35を示す図である。トランジスタ層165は、当業者に周知の任意の適切な技法によって形成され得る。幾つかの実施形態では、トランジスタ層165は、共形堆積プロセスによって形成される。幾つかの実施形態では、トランジスタ層165は、原子層堆積又は化学気相堆積のうちの一又は複数によって形成される。
【0027】
[0051]一又は複数の実施形態では、トランジスタ層165の堆積は実質的に共形である。本明細書で使用する「実質的に共形」である層は、厚さが全体的に(例えば、側壁の上部、中央、及び底部、並びにメモリホールチャネル150の底部で)ほぼ同じである層を指す。実質的に共形である層は、約5%、2%、1%、又は0.5%以下の厚さの変化がある。
【0028】
[0052]領域101の拡大図である
図6Bを参照すると、一又は複数の実施形態では、トランジスタ層165は、ブロッキング酸化物層176(又は第1の酸化物層176)と、第1の酸化物層176上の窒化物トラップ層174と、窒化物トラップ層174上の第2の酸化物層172(又はトンネル酸化物層172)と、第2の酸化物層172上のメモリホールチャネル150内のポリシリコン層170とを含む。一又は複数の実施形態では、ブロッキング酸化物層176、電荷トラップ窒化物(SiN)層174、及びトンネル酸化物層172は、メモリホールチャネル150の側壁又は半導体層110に堆積される。
【0029】
[0053]一又は複数の実施形態では、ポリシリコン(poly-Si)層170が、トランジスタ層165に隣接するメモリホールチャネル150に形成される。poly-Si層170は、トランジスタ層165に直接形成され得る。poly-Si層170は、原子層堆積及び化学気相堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の任意の適切な技法によって堆積され得る。幾つかの実施形態では、poly-Si層170は、ポリシリコン層がメモリホールチャネル150の側壁及び露出面138、139、122、112及び底部114(
図4B参照)に形成されるように、共形層として堆積される。
【0030】
[0054]ポリシリコン層170は、例えば、メモリホールチャネル150の寸法に応じて、任意の適切な厚さを有し得る。幾つかの実施形態では、ポリシリコン層170は、約0.5nmから約50nmの範囲、又は約0.75nmから約35nmの範囲、又は約1nmから約20nmの範囲の厚さを有する。幾つかの実施形態では、ポリシリコン層170は、連続膜である。一又は複数の実施形態では、ポリシリコン層170は、トンネル酸化物層172に共形堆積でマカロニ型に形成され、ポリシリコン層170は、約1nmから約20nmの範囲の厚さを有する。そして、メモリホールチャネル150には、誘電体材料160が充填される。
【0031】
[0055]
図7は、ビット線パッド180がポリシリコン(poly-Si)層160に形成される方法10の工程40を示す図である。ビット線パッド180は、ポリシリコンを含むがこれに限定されない、当業者に周知の任意の適切な材料であり得る。
【0032】
[0056]
図8は、酸化物層140及びビット線パッド180の上面に層間誘電体185を堆積させる方法10の工程45を示す図である。層間誘電体(ILD)185は、当業者に周知の任意の適切な技法によって堆積され得る。層間誘電体185は、当業者に周知の任意の適切な材料を含み得る。一又は複数の実施形態では、層間誘電体185は、例えば、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、炭素がドープされた酸化物(「CDO」)、例えば、炭素がドープされた二酸化ケイ素、多孔質二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(SiN)、又はそれらの任意の組み合わせ等の材料を含むが、これらに限定されない低誘電率誘電体である。層間誘電体185を説明するのに用語「酸化ケイ素」を使用することがあるが、当業者は、本開示が特定の化学量論に限定されないことを認識するであろう。例えば、用語「酸化ケイ素」及び「二酸化ケイ素」はいずれも、任意の適切な化学量論比でケイ素原子及び酸素原子を有する材料を説明するために使用され得る。同じことが、本開示で挙げられている他の材料、例えば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等にも当てはまる。
【0033】
[0057]
図9は、メモリスタック130をスリットパターニングして、層間誘電体185の上面から基板105まで延在するスリットパターン開口部190を形成する方法10の工程50を示す図である。
【0034】
[0058]
図10は、犠牲層120及びポリシリコン層160の一部165を除去する方法10の工程55を示す図である。犠牲層120は、選択的エッチングを含むがこれに限定されない、当業者に周知の任意の適切な技法によって除去され得る。
【0035】
[0059]
図11は、半導体材料(例えば、窒化物及びポリシリコンフィル)195をスリットパターン開口部190内に堆積させる方法10の工程60を示す図である。半導体材料は、当業者に周知の任意の適切な材料であり得る。
【0036】
[0060]
図12は、半導体材料195をスリットパターン開口部190の側壁から除去するところを示す図である。理論に拘束されるつもりはないが、スリットパターン開口部190は、半導体材料195を側壁から除去するために、スリットパターン開口部190に開口部があり得るように、共通ソース線110(半導体層110)の高さよりも大きくなければならない。一又は複数の実施形態では、半導体材料195は、等方性エッチングプロセス(例えば、TMAH等を用いた湿式エッチング)によってスリットパターン開口部190の側壁から除去される。
【0037】
[0061]
図13A及び
図13Bは、第1の層134の一又は複数、例えば窒化物層を除去して、開口部210及びスリットパターン開口部190を形成する方法10の工程65を示す図である。一又は複数の実施形態では、開口部210は、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、約30nm、約32nm、約35nm、約37nm、約40nm、約42nm、約45nm、約47nm、及び約50nmを含む、約1nmから約50nmの範囲の第1の厚さt
1を有する。
図13Bは、
図13Aの基板の一部201の拡大図である。一又は複数の実施形態では、第1の層134、例えば窒化物層の一又は複数を除去する際に、第1の層134、例えば窒化物層の第1の面をスリットパターン開口部190に露出させ、第1の層134、例えば窒化物層の第1の面をスリットパターン開口部190を通してエッチング液に露出させる。
【0038】
[0062]
図14A及び
図14Bは、第2の層132、例えば酸化物層を開口部210を通してトリミングして、開口部210の厚さを第1の厚さt
1から第2の厚さt
2まで増加させる方法10の工程70を示す図である。一又は複数の実施形態では、第2の厚さt
2は、第1の厚さt
1よりも約50%から約75%以上大きい。一又は複数の実施形態では、第2の厚さt
2は、第1の厚さt
1よりも約50%、又は約55%、又は約60%、又は約65%、又は約70%、又は約75%大きい。一又は複数の実施形態では、第2の層132、例えば酸化物層がトリミングされると、第2の層132の厚さは、第2の層の第2の厚さまで減少し、第2の層の第2の厚さは、第2の層の第1の厚さよりも小さくなる。一又は複数の実施形態では、メモリスタック130の第2の層132、例えば酸化物層は、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約5nmから約30nmの範囲の平均厚さ、第2の層132の第2の厚さを有する。一又は複数の実施形態では、メモリスタック130の酸化物層132は、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約5nmから約30nmの範囲の平均厚さ、第2の酸化物層の厚さを有する。
【0039】
[0063]一又は複数の実施形態では、第2の層132、例えば酸化物層を、スリットパターン開口部190を通して、フッ素系気相乾式洗浄プロセス又は希釈フッ化水素(HF)溶液に暴露することによってトリミングする。一又は複数の実施形態では、第2の層132をトリミングすることは、第2の層132を、スリットパターン開口部190を介して、フッ素系気相乾式洗浄化学物質又は希釈フッ化水素(HF)化学物質に暴露することを含む。理論に拘束されるつもりはないが、乾式化学エッチングはいかなる液体も含まないため、酸化物除去中の表面張力による酸化物の崩壊が回避できると考えられる。第2の層132、例えば酸化物層をトリミングすると、第2の層132、例えば酸化物層の厚さが減少し、開口部210の厚さが増加/拡大する。一又は複数の実施形態では、開口部210の厚さは、第1の厚さt1から第2の厚さt2まで増加し、第2の層132、例えば酸化物層の厚さは、第2の層132の第1の厚さよりも小さい第2の厚さまで減少する。
【0040】
[0064]
図15A及び
図15Bは、酸化アルミニウム層215及びワード線置換材料225を開口部210内に堆積させる方法10の工程75を示す図である。
図15Bは、
図15Aのデバイスの一部201の拡大図である。一又は複数の実施形態では、ワード線置換材料225は、窒化物ライナ220(例えば、窒化チタン、窒化タンタル等)と、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの一又は複数を含むバルク金属とを含む。一又は複数の実施形態では、バルク金属は、タングステン(W)を含む。他の実施形態では、バルク金属層は、ルテニウム(Ru)を含む。
【0041】
[0065]
図16は、スリットパターン開口部190を充填材料230で充填する方法10の工程80を示す図である。充填材料230は、当業者に周知の任意の適切な材料であり得る。一又は複数の実施形態では、充填材料230は、誘電体材料又は導体材料の一又は複数を含む。本明細書で使用する用語「誘電体材料」は、電界中で分極可能な電気絶縁体である材料の層を指す。一又は複数の実施形態では、誘電体材料は、酸化物、炭素をドープした酸化物、酸化ケイ素(SiO)、多孔質二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素/窒化ケイ素、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物、ポリマー、リンケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸塩(SiOF)ガラス、又は有機ケイ酸塩ガラス(SiOCH)のうちの一又は複数を含む。
【0042】
[0066]
図17は、ワード線コンタクト235を形成する方法10の工程85を示す図である。ワード線コンタクト235は、ワード線225の1つで終端するのに十分な距離をメモリスタック130を通って延在する。一又は複数の実施形態では、ワード線コンタクト235は、当業者に周知の任意の適切な材料を含み得る。一又は複数の実施形態では、ワード線コンタクト235は、金属、金属ケイ素化合物、ポリシリコン、アモルファスシリコン、又はEPIシリコンのうちの一又は複数を含む。一又は複数の実施形態では、ワード線コンタクトは、接触抵抗を低減するために、N型ドーパント又はP型ドーパントのいずれかによってドープされる。一又は複数の実施形態では、ワード線コンタクト235の金属は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、又は白金(Pt)のうちの一又は複数から選択される。
【0043】
[0067]
図18は、一又は複数の実施形態に係る半導体メモリデバイスを示す図である。メモリデバイス100は、デバイス100の第1の部分300に、交互の第1の層134、例えば窒化物層、及び第2の層132、例えば酸化物層を含む膜スタック120を備え、膜スタック120の交互の第1の層134、例えば窒化物層、及び第2の層132、例えば酸化物層は、窒化物
/酸化物の厚さ比(N
f
/O
f)を有する。メモリスタック130は、デバイス100の第2の部分400に、交互のワード線225及び第2の層132、例えば酸化物層を含み、メモリスタック130の交互のワード線225及び第2の層132、例えば酸化物層は、ワード線
/酸化物の厚さ比(W
m
/O
m)を有し、0.1(W
m
/O
m)<N
f
/O
f<0.95(W
m
/O
m)である。一又は複数の実施形態では、0.2(W
m
/O
m)<N
f
/O
f<0.9(W
m
/O
m)である。他の実施形態では、0.5(W
m
/O
m)<N
f
/O
f<0.75(W
m
/O
m)である。一又は複数の実施形態では、膜スタック120の第1の層134、例えば窒化物層は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約0.5nmから約30nmの範囲の厚さを有する。一又は複数の実施形態では、W
m
/O
mは、約2.5
/2から約3.5
/2の範囲である。
【0044】
[0068]一又は複数の実施形態では、膜スタック120の第1の層134、例えば窒化物層は、約1nmから約50nmの範囲、及び1nmから約30nmの範囲を含む、約0.5から約50nmの範囲の厚さを有する。一又は複数の実施形態では、メモリスタック130の第2の層132、例えば酸化物層は、約10nmから約20nmの範囲の平均厚さを有する。
【0045】
[0069]一又は複数の実施形態では、電子デバイスを形成する方法は、交互の第2の層及び第1の層を含む膜スタックから一又は複数の第1の層を除去することであって、第1の層は、ポリシリコン層を含む一又は複数の膜で第2の側において境界された開口部を残すように、第1の層の第1の側から除去され、開口部は第1の厚さを有する、交互の第2の層及び第1の層を含む膜スタックから一又は複数の第1の層を除去することと、開口部の厚さを第1の厚さから第2の厚さに増加させ、第2の層の第1の厚さを、第2の層の第1の厚さよりも小さい第2の酸化物層の厚さに減少させるために、開口部を通して隣接する第2の層をトリミングすることと、開口部内にワード線置換材料を堆積させることとを含む。
【0046】
[0070]本開示の追加の実施形態は、
図19に示すように、記載のメモリデバイスの形成及び方法のための処理ツール900を対象とするものである。
【0047】
[0071]クラスタツール900は、複数の側面を備えた少なくとも1つの中央移送ステーション921,931を含む。ロボット925,935は、中央移送ステーション921,931に位置づけされ、ロボットブレード及びウエハを複数の側面のそれぞれに移動させるように構成される。
【0048】
[0072]クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる、複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、及び918を備える。様々な処理チャンバは、隣接するプロセスステーションから分離された別々の処理領域を提供する。処理チャンバは、前洗浄チャンバ、バッファチャンバ、移送空間、ウエハオリエンタ/ガス抜きチャンバ、低温冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニールチャンバ、エッチングチャンバ、選択酸化チャンバ、酸化物層薄膜化チャンバ、又はワード線堆積チャンバを含むが、これらに限定されない任意の適切なチャンバであり得る。プロセスチャンバと構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変更可能であり、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0049】
[0073]幾つかの実施形態では、クラスタツール900は、酸化物層薄膜化チャンバを含む。幾つかの実施形態の酸化物層薄膜化チャンバは、一又は複数のフッ素系乾式洗浄チャンバを含む。幾つかの実施形態では、クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された前洗浄チャンバを含む。
【0050】
[0074]
図19に示す実施形態では、ファクトリインターフェース950がクラスタツール900の前面に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951に、ロードチャンバ954及びアンロードチャンバ956を含む。ロードチャンバ954を左に、アンロードチャンバ956を右に示したが、当業者は、これが単に1つの可能な構成の代表であることを理解するであろう。
【0051】
[0075]ロードチャンバ954及びアンロードチャンバ956のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール900で処理される基板に応じて変更可能である。図示の実施形態では、ロードチャンバ954及びアンロードチャンバ956は、カセット内に位置づけされた複数のウエハを有するウエハカセットを保持するようにサイズ設定されている。
【0052】
[0076]ロボット952は、ファクトリインターフェース950内にあり、ロードチャンバ954とアンロードチャンバ956との間で移動可能である。ロボット952は、ロードチャンバ954のカセットからファクトリインターフェース950を通してロードロックチャンバ960にウエハを移送することができる。また、ロボット952は、ロードロックチャンバ962からファクトリインターフェース950を通してアンロードチャンバ956のカセットにウエハを移送することができる。当業者には理解されるように、ファクトリインターフェース950は、複数のロボット952を有し得る。例えば、ファクトリインターフェース950は、ロードチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロック962とアンロードチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットとを有し得る。
【0053】
[0077]図示したクラスタツール900は、第1のセクション920と第2のセクション930とを有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960,962を通してファクトリインターフェース950に接続されている。第1のセクション920は、内部に位置づけされた少なくとも1つのロボット925を有する第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925は、ロボット式ウエハ輸送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918、及びバッファチャンバ922、924に対して中央に位置する。幾つかの実施形態のロボット925は、一度に複数のウエハを独立して移動させることができるマルチアームロボットである。幾つかの実施形態では、第1の移送チャンバ921は、複数のロボット式ウエハ移送機構を含む。第1の移送チャンバ921のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周囲のチャンバ間でウエハを移動させるように構成されている。個々のウエハは、第1のロボット式機構の遠位端に位置するウエハ輸送ブレード上で運ばれる。
【0054】
[0078]第1のセクション920でウエハを処理した後、ウエハは、パススルーチャンバを通して第2のセクション930に回され得る。例えば、チャンバ922,924は、一方向性又は双方向性のパススルーチャンバであり得る。パススルーチャンバ922,924は、例えば、第2のセクション930での処理の前にウエハを低温冷却する、又は第1のセクション920に戻る前にウエハを冷却する又は後処理することを可能にするために使用され得る。
【0055】
[0079]システムコントローラ990は、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918、及び第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信している。システムコントローラ990は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素であり得る。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置、メモリ、適切な回路及びストレージを含むコンピュータであり得る。
【0056】
[0080]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてシステムコントローラ990のメモリに記憶され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に配置された第2のプロセッサ(図示せず)によっても記憶及び/又は実行され得る。また、本開示の方法の一部又は全部をハードウェアで実行することも可能である。このように、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して実行され得る、又は例えば、特定用途向け集積回路や他の種類のハードウェア実装態様としてハードウェアで実装され得る、あるいはソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実装され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ工程を制御する特定目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0057】
[0081]幾つかの実施形態では、システムコントローラ990は、選択酸化チャンバを制御して、常圧の水素(H2)ガス及び酸素(O2)ガスの雰囲気中で、約400℃から約900℃の範囲の温度で、ウエハ上の第1の層、例えば窒化物層を選択的に酸化させる構成を有する。幾つかの実施形態では、コントローラ990は、フッ化水素(HF)溶液系エッチングのうち、フッ素系乾式エッチングを用いて、酸化物層の一部をウエハから除去するように、酸化物層薄膜化チャンバを作動させる構成を有する。
【0058】
[0082]一又は複数の実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを含む中央移送ステーションと、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションは、中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、複数のプロセスステーションは、酸化物層薄膜化チャンバ及びワード線堆積チャンバを含む、プロセスステーションと、中央移送ステーション及び複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間でウエハを移動させるためにロボットを作動させ、各プロセスステーションで行われるプロセスを制御するように構成されたコントローラとを備える。
【0059】
[0083]本明細書に記載の材料及び方法を説明する文脈での(特に以下の請求項の文脈で)「a」及び「an」及び「the」という用語及び同様の指示対象の使用は、本書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供する任意の及び全ての例、又は例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、単に材料及び方法をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、範囲に制限を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、開示された材料及び方法の実施に不可欠であるとして、特許請求の範囲にないいかなる要素も示すと解釈されるべきではない。
【0060】
[0084]本明細書全体における「一実施形態」、「特定の実施形態」、「一又は複数の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、材料、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」又は「実施形態では」等の句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。更に、一又は複数の実施形態において特定の特徴、構造、材料、又は特性を任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0061】
[0085]本明細書の開示を、特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び適用の単なる例示であることを理解されたい。当業者には、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変更を加えることができることが明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内にある修正及び変更を含むことが意図されている。