(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】化学機械研磨用スラリー分配装置
(51)【国際特許分類】
B24B 37/00 20120101AFI20240227BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B24B37/00 K
H01L21/304 622E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022136529
(22)【出願日】2022-08-30
(62)【分割の表示】P 2018567208の分割
【原出願日】2017-06-19
【審査請求日】2022-09-29
(32)【優先日】2016-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, イェン-チュー
(72)【発明者】
【氏名】ジュー, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】タン, チエンショー
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ハオション
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ショウ-サン
(72)【発明者】
【氏名】バターフィールド, ポール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, アレクサンダー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ボム ジク
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-501753(JP,A)
【文献】特開2001-121407(JP,A)
【文献】特開2005-271151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0167195(US,A1)
【文献】米国特許第06712678(US,B1)
【文献】特開平09-186118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B37/00
H01L21/304
B24B57/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨のための装置であって、
研磨パッドを支持するための表面を有する回転可能なプラテン、
基板を前記研磨パッドと接触させて保持するためのキャリアヘッド、及び
研磨液分配システム
を備え、前記研磨液分配システムが、
前記研磨パッドの研磨面の分配位置に研磨液を供給するように配置されたディスペンサと、
第1の先行面と第1の平坦な底面を有する第1の固体の本体を含む第1のバリアと
を備え、前記第1の平坦な底面が前記研磨面と接触するように配置され、前記第1のバリアが、前記ディスペンサによって前記研磨面に供給された新しい研磨液を広げるように前記分配位置の後ろに位置づけられ、前記第1のバリアの先行面が、前記研磨面に対して直角な軸の周りに湾曲して
おり、
前記プラテンが、前記第1のバリアの下で運動方向を提供するように回転するように構成され、前記第1のバリアの第1の先行面が、前記第1のバリアの第1の先行面の凹側が前記運動方向に向くように、湾曲している、装置。
装置。
【請求項2】
前記研磨面に対する前記第1のバリアの高さおよび/または前記研磨面に対する前記第1のバリアの圧力を調整するように構成された第1のアクチュエータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2の先行面と第2の平坦な底面を有する第2の固体の本体を含む第2のバリアを備え、前記第2のバリアが、使用済み研磨液が前記分配位置に到達するのをブロックするように前記ディスペンサの前に配置され、前記第2のバリアの第2の先行面が、前記研磨面に対して直角な軸の周りに湾曲して
おり、
前記プラテンが、前記第1のバリアおよび前記第2のバリアの下で運動方向を提供するように回転するように構成され、前記第1のバリアの第1の先行面が、前記第1のバリアの前記先行面の凹側が前記運動方向を向くように、湾曲しており、前記第2のバリアの第2の先行面が、前記第2のバリアの第2の先行面の凹側が前記運動方向を向くように、湾曲している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第
1の先行面の曲率半径が、前記第
2の先行面の曲率半径より小さい、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記研磨面に対する前記第1のバリアの高さおよび/または前記研磨面に対する前記第1のバリアの圧力を調整するように構成された第1のアクチュエータ、および/または前記研磨面に対する前記第2のバリアの高さおよび/または前記研磨面に対する前記第2のバリアの圧力を独立に調整するように構成された第2のアクチュエータを備える、請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のバリアの下の前記研磨パッドの運動方向に沿った前記第1の固体の本体の幅が、前記研磨面に対して直角な前記第1の固体の本体の高さよりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の先行面から突き出ているスプラッシュガードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の先行面が、前記研磨面に対して鋭角に配向されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板の化学機械研磨中の研磨液、例えば研磨スラリーの分配に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、通常、シリコンウエハ上に導電層、半導体層、または絶縁層を順次堆積することによって基板上に形成される。様々な製造プロセスが、基板上の層の平坦化を必要とする。例えば、1つの製造工程は、絶縁層中のトレンチまたは孔を埋めるために、パターニングされた絶縁層上に導電性フィラー層を堆積させることを含む。次いで、絶縁層の隆起パターンが露出するまで、フィラー層が研磨される。平坦化後、絶縁層の隆起パターンの間に残っている導電性フィラー層の部分は、基板上の薄膜回路間に導電経路を提供するビア、プラグおよびラインを形成する。平坦化はまた、パターニングされた導電層の上にある絶縁層を、所望の厚さまで平滑化し除去するためにも使用することができる。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の1つの認められた方法である。この平坦化方法は通常、基板をキャリアヘッドに取り付けることを必要とする。基板の露出面が、回転する研磨パッドに押し当てられる。キャリアヘッドは、基板を研磨パッドに押し付けるために、基板に制御可能な荷重を与える。研磨粒子を有するスラリーなどの研磨液が、研磨パッドの表面に供給される。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、化学機械研磨のための装置は、研磨パッドを支持するための表面を有する回転可能なプラテンと、基板を研磨パッドと接触させて保持するためのキャリアヘッドと、研磨液分配システムとを含む。研磨液分配システムは、研磨液を研磨パッドの研磨面の一部に供給するように配置されたディスペンサと、研磨面の該一部の前に配置されて、使用済み研磨液が研磨面の該一部に到達するのをブロックするように構成された第1のバリアとを含む。
【0005】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0006】
第1のバリアが、動作中に研磨面と接触するように構成されてもよい。第1のアクチュエータが、研磨面に対する第1のバリアの高さおよび/または研磨面に対する第1のバリアの圧力を調整するように構成されてもよい。第1のバリアは、第1のワイパーブレードを含んでもよい。第1のワイパーブレードの先行エッジ部が、研磨面に対して鋭角に配向されていてもよい。第1のワイパーブレードは、鋭角を有する第1の部分と、研磨面に対して平行に配向された第2の部分とを含んでもよい。ディスペンサが、第1のワイパーブレードの後続面に研磨液を供給するように配置されてもよい。ディスペンサは、プラテンの中心により近い第1のワイパーブレードの側の後続面の部分に研磨液を供給するように配置されてもよい。
【0007】
第2のバリアが、ディスペンサの後ろに配置されて、ディスペンサによって研磨面の一部に供給された新しい研磨液を広げるように構成されてもよい。第2のバリアは、動作中に研磨面と接触するように構成されてもよい。第2のアクチュエータが、研磨面に対する第2のバリアの高さおよび/または研磨面に対する第2のバリアの圧力を調整するように構成されてもよい。第2のバリアは、第2のワイパーブレードを含んでもよい。第2のワイパーブレードの先行エッジ部が、研磨面に対して鋭角に配向されていてもよい。第1のバリアは、第2のバリアと平行に配置されてもよい。第1のバリアは、プラテンの縁部まで延びていてもよく、第2のバリアは、プラテンの縁部から離れていてもよい。第2のバリアは、第1のバリアよりも高い位置に配置されてもよく、または第1のバリアよりも低い圧力で研磨パッドを押してもよい。
【0008】
アクチュエータが、第1のバリアおよび/または第2のバリアを、研磨パッドを横切って横方向に動かすように構成されてもよい。リザーバが、研磨液を保持してもよく、ディスペンサが、リザーバに流体的に結合されてもよく、研磨液が、研磨スラリーであってもよい。
【0009】
別の態様において、化学機械研磨のための装置は、研磨パッドを支持するための表面を有する回転可能なプラテンと、基板を研磨パッドと接触させて保持するためのキャリアヘッドと、研磨液分配システムとを含む。研磨液分配システムは、研磨液を研磨パッドの研磨面の一部に供給するように配置されたディスペンサと、研磨面の該一部の前に配置されて、使用済み研磨液が研磨面の該一部に到達するのをブロックするように構成された第1のバリアとを含む。第1のバリアの先行面は、プラテンの中心に近い第1のバリアの内側端とプラテンの縁部に近い第1のバリアの外側端との間で湾曲している。
【0010】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0011】
プラテンは、第1のバリアの下で運動方向を提供するように回転するように構成されてもよく、第1のバリアの先行面の凹側が運動方向を向くように、第1のバリアの先行面が湾曲していてもよい。
【0012】
第2のバリアが、ディスペンサの後ろに配置されて、ディスペンサによって研磨面の一部に供給された新しい研磨液を広げるように構成されてもよい。第2のバリアの先行面は、プラテンの中心に近い第2のバリアの内側端とプラテンの縁部に近い第2のバリアの外側端との間で湾曲していてもよい。第2のバリアの先行面の凹側が運動方向を向くように、第2のバリアの先行面が湾曲していてもよい。第2のバリアの曲率半径が、第1のバリアの曲率半径より小さくてもよい。
【0013】
別の態様において、化学機械研磨のための装置は、研磨パッドを支持するための表面を有する回転可能なプラテンと、基板を研磨パッドと接触させて保持するためのキャリアヘッドと、研磨液分配システムとを含む。研磨液分配システムは、研磨液を研磨パッドの研磨面の一部に供給するように配置されたディスペンサと、研磨面の該一部の前に配置されて、使用済み研磨液が研磨面の該一部に到達するのをブロックするように構成された第1のバリアとを含む。第1のバリアは、第1の平坦な底面と、使用済み研磨液と接触するように構成された第1の先行面とを有する固体の第1の本体を含む。
【0014】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0015】
本体は、研磨面に対して直角な第1の本体の高さよりも大きい、第1のバリアの下の研磨パッドの運動方向に沿った幅を有することができる。
【0016】
スプラッシュガードが、第1の先行面から突き出ていてもよい。第1のバリアの第1の本体の第1の先行面が、実質的に垂直であり、スプラッシュガードが、実質的に水平に突き出ていてもよい。
【0017】
第2のバリアが、ディスペンサの後ろに配置されて、ディスペンサによって研磨面の一部に供給された新しい研磨液を広げるように構成されてもよい。第2のバリアは、第2の平坦な底面と、新しい研磨液と接触するように構成された第2の先行面とを有する固体の第2の本体を含むことができる。第2の先行面が、研磨面に対して鋭角に配向されていてもよい。第1のバリアの第1の本体の先行面が、実質的に垂直であってもよい。第1のバリアは、プラテンの縁部まで延びていてもよく、第2のバリアは、プラテンの縁部から離れていてもよい。第2のバリアは、第1のバリアよりも高い位置に配置されてもよく、または第1のバリアよりも低い圧力で研磨パッドを押してもよい。
【0018】
別の態様において、化学機械研磨のための装置は、研磨パッドを支持するための表面を有する回転可能なプラテンと、基板を研磨パッドと接触させて保持するためのキャリアヘッドと、研磨液分配システムとを含む。研磨液分配システムは、研磨液を研磨パッドの研磨面の一部に供給するように配置されたディスペンサと、研磨面の該一部の前に配置されて、使用済み研磨液が研磨面の該一部に到達するのをブロックするように構成された第1のバリアと、ディスペンサの後ろに配置されて、ディスペンサによって研磨面の該一部に供給された新しい研磨液を広げるように構成された第2のバリアと、研磨面上の第1のバリアおよび第2のバリアの横方向位置を調整するように、第1のバリアおよび第2のバリアに結合された共通のアクチュエータとを含む。
【0019】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0020】
共通の横方向アクチュエータは、第1のバリアおよび第2のバリアに結合された第1の端部と、プラテン上で横方向にアームを動かすための回転アクチュエータに結合された第2の端部とを有するアームを含むことができる。第1のアクチュエータが、第1のバリアとアームとの間に結合されてもよく、第2のアクチュエータが、第2のバリアとアームとの間に結合されてもよい。第1のアクチュエータは、研磨面に対する第1のバリアの高さおよび/または研磨面に対する第1のバリアの圧力を調整するように構成され、第2のアクチュエータは、研磨面に対する第2のバリアの高さおよび/または研磨面に対する第2のバリアの圧力を独立に調整するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を含み得る。研磨の均一性を向上させることができる。欠陥を減らすことができる。パターン密度に対する研磨の感度を低くすることができ、ディッシングおよびエロージョンを減らすことができる。スラリーの使用量を減らすことができ、したがって所有コスト(cost of ownership)を削減できる。研磨速度を向上させることができる。または研磨速度を維持しながら、研磨圧力を低下させることができる。
【0022】
1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の態様、特徴および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】スラリー分配システムを含む化学機械研磨ステーションの部分断面概略側面図である。
【
図2A】
図1の化学機械研磨ステーションの概略上面図である。
【
図2B】化学機械研磨ステーションの別の実施形態の概略上面図である。
【
図3】スラリー分配システムの部分断面概略側面図である。
【
図4】化学機械研磨ステーションの一部分の概略上面図である。
【
図5】アクチュエータを有するスラリー分配システムの一実施形態の概略断面側面図である。
【
図6】アクチュエータを有するスラリー分配システムの別の実施形態の概略断面側面図である。
【0024】
様々な図面中の同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
化学機械研磨における1つの問題は、例えばエロージョンおよびディッシングによって示されるように、パターン密度に対する感度である。使用済みスラリーが基板の下を通って戻るのをブロックするためのバリアを配置することによって、パターン密度に対する研磨プロセスの感度を低くすることができ、ディッシングおよびエロージョンを減らすことができる。
【0026】
化学機械研磨における他の問題は、欠陥である。欠陥の潜在的な要因は、研磨副生成物である。使用済み研磨液がキャリアヘッドの下の領域に戻るのをブロックする装置は、研磨副生成物が研磨中に基板に到達するのを減らすのに役立ち得る。
【0027】
化学機械研磨における他の問題は、ウエハ内不均一性(WIWNU)である。研磨の不均一性の潜在的な要因は、基板と研磨パッドとの間の界面へのスラリーの不均一な分布である。スラリースプレッダーを研磨パッドと接触して配置することによって、スラリーをより均一な方法で研磨パッド全体に広げることができる。
【0028】
図1は、化学機械研磨装置の研磨ステーション20の一例を示す。研磨ステーション20は、その上に研磨パッド30が配置されている回転可能なディスク状プラテン24を含む。プラテン24は、軸25の周りに回転するように動作可能である。例えば、モータ22が、駆動シャフト28を回して、プラテン24を回転させることができる。
【0029】
研磨パッド30は、研磨層32と、より柔らかいバッキング層34とを有する2層研磨パッドとすることができる。複数の溝38を研磨パッド30の研磨面36に形成することができる(
図3参照)。
【0030】
研磨ステーション22は、研磨パッド30のコンディションを維持するためのコンディショニングディスク42を有するパッドコンディショナ装置40を含むことができる(
図2参照)。コンディショニングディスク42は、ディスク42を、研磨パッド30を横切って半径方向に移動させることができるアーム44の端部に配置されてもよい。
【0031】
キャリアヘッド70は、基板10を研磨パッド30に押し当てて保持するように動作可能である。キャリアヘッド70は、支持構造72、例えばカルーセルまたはトラックから吊るされ、キャリアヘッドが軸71の周りに回転できるように駆動シャフト74によってキャリアヘッド回転モータ76に接続されている。任意選択で、キャリアヘッド70は、例えばカルーセルまたはトラック72上のスライダ上で、横方向に振動することができ、またはカルーセル自体の回転振動によって振動することができる。動作中、プラテンは、その中心軸25の周りに回転し、キャリアヘッドは、その中心軸71の周りに回転し、研磨パッド30の上面を横切って横方向に並進する。複数のキャリアヘッドがある場合、各キャリアヘッド70は、その研磨パラメータを独立して制御することができ、例えば各キャリアヘッドは、それぞれの基板に印加された圧力を独立して制御することができる。
【0032】
キャリアヘッド70は、基板10の裏側と接触する基板取り付け面を有する可撓性膜80と、基板10上の異なるゾーン、例えば異なる半径方向ゾーンに異なる圧力を加えるための複数の加圧チャンバ82とを含むことができる。キャリアヘッドはまた、基板を保持するための保持リング84を含むことができる。
【0033】
研磨液分配システム100は、研磨パッド30の表面上に研磨液、例えば研磨スラリーを供給して広げる。研磨液分配システム100はまた、使用済み研磨液が基板10に戻るのを防ぐことができる。
【0034】
図1および
図2Aを参照すると、研磨液分配システム100は、リザーバ112から研磨パッド30に研磨液105を供給するためのディスペンサ110を含む。ディスペンサ110は、研磨パッド30の上に配置された1つ以上のポート116を有する1つ以上の通路114を含む。例えば、ディスペンサ110は、通路114が剛体を通って延びている剛体を含むことができ、またはディスペンサ110は、アームによって支持された可撓性の管を含むことができる。いずれの場合でも、通路114に結合された1つ以上の孔またはノズルが、ポート116を提供することができる。
【0035】
研磨液分配システム100は、キャリアヘッド70またはコンディショナディスク42の下を既に通過した研磨液が、ディスペンサ110が新しい研磨液を供給する研磨パッド30上の位置に到達するのをブロックするための第1のバリア120を、さらに含む。第1のバリア120は、パッドの運動方向に対して、ディスペンサ110が研磨液105を供給する研磨パッド上の位置の「前」に配置される。例えば、
図2に示すように、プラテン24が、矢印Aで示すように反時計回りに回転する場合、第1のバリア120は、ディスペンサ110の時計回り方向に配置される。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、ディスペンサ110とコンディショナ40との間(または、コンディショナがない場合は、ディスペンサ110とキャリアヘッド70との間)に配置される。いくつかの実施形態では、第1のバリアは、コンディショナ40とキャリアヘッド70との間に配置される。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、研磨パッド30の表面36に接触し、溝38内に存在し得る使用済み研磨液および/または使用済み研磨液105の薄膜を除いて、研磨液が下を通過するのを概してブロックする本体である。第1のバリアの本体は、単に研磨パッド30上に載っていてもよいし、または例えばアクチュエータによって研磨パッド30上に明確に押し付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、研磨パッド30の表面36のわずかに上に位置する本体である。
【0038】
第1のバリア120は、概して細長い本体、例えば(
図2Aに示すように)直線状の本体とすることができ、例えば概してプラテン24の半径に沿って、プラテン24の運動方向に対して実質的に直角に配向することができる。あるいは、第1のバリアは、プラテンの半径に対してかなりの角度、例えば10~30°傾斜していてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、たとえば
図2Bに示されるように、湾曲した本体である。バリア120は、プラテン24の外縁部に近い方の端部がプラテンの中心に近い方の端部よりも運動方向(矢印Aで示す)に沿って先にあるように、湾曲することができる。第1のバリア130は、凹側が運動方向を向くように湾曲することができる。
【0040】
第1のバリア120の先行面は、研磨面36に対して15~90°の角度に配向され得る(
図3の角度Bを参照)。いくつかの実施形態では、先行面は、例えば90度未満の角度で研磨面に対して傾斜している。いくつかの実施形態では、先行面は、垂直に、すなわち研磨面に対して直角に配向されている。第1のバリア120の先行面は、研磨パッドの運動方向(
図3の矢印Aを参照)に上部から底部に向かって傾斜することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、ワイパーブレードである。ワイパーブレードの前面が、第1のバリア120の先行面を提供する。第1のバリア120のワイパーブレードは、天然ゴムもしくは同様の可撓性を有する合成材料、例えば可撓性プラスチックなどの可撓性材料から形成することができ、または硬質材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリフェニレンサルファイド(PPS)などの硬質プラスチックから形成することができる。
【0042】
ワイパーブレードが一様な幅のシートであると仮定すると、第1のバリア120のワイパーブレードは、研磨面36に対して15~90度の角度に配置することができる(
図3の角度Bを参照)。いくつかの実施形態では、第1のバリア120のワイパーブレードは、例えば90度未満の角度で研磨面に対して傾斜している。いくつかの実施形態では、第1のバリア120のワイパーブレードは、垂直に、すなわち研磨面に対して直角に配向されている。第1のバリア120のワイパーブレードは、ワイパーブレードが研磨パッドの運動方向(
図3の矢印Aを参照)に上部から底部に向かって傾斜するように、配向することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、研磨面36に対する第1のバリア120の垂直方向位置および/または研磨面36に対する第1のバリア120の下向きの力を制御することができる第1のアクチュエータ124から吊るされている。代替的にまたは追加的に、第1のアクチュエータ124は、第1のバリア120を研磨パッド30上で横方向に、例えば半径方向に移動させることができる。
【0044】
研磨液分配システム100は、ディスペンサ110によって供給されたばかりの新しい研磨液を研磨面36全体にわたって一様な膜に広げるための第2のバリア130を、さらに含む。第2のバリア130は、ディスペンサ110が研磨液105を供給する研磨パッド30上の位置の「後ろ」に配置される。例えば、
図2に示すように、プラテン24が、矢印Aで示すように反時計回りに回転する場合、第2のバリア130は、ディスペンサ110の反時計回り方向に配置される。第2のバリア130は、ディスペンサ110とキャリアヘッド70との間に配置される。
【0045】
いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、研磨パッド30の表面36に接触し、溝38内に存在し得る研磨液および/または研磨液105の薄膜を除いて、研磨液が下を通過するのを概してブロックする本体である。第2のバリア130の本体は、単に研磨パッド30上に載っていてもよいし、または例えばアクチュエータによって研磨パッド30上に明確に押し付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、依然として研磨液に接触しながら、研磨パッド30の表面36のわずかに上に位置する本体である。例えば、プラテンが回転するとき、第2のバリア130の本体は、研磨液上を滑走することができる。いずれの場合でも、第2のバリア130は、新しい研磨液105aを研磨パッド30全体にわたってより均一に広げるのに役立ち得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、第2のバリア130よりも高い圧力で研磨パッド30に押し込まれる。いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、研磨パッド30と接触し、一方、第2のバリア130は、依然として研磨液に接触しながら、研磨パッド30の表面36のわずかに上に位置する。
【0047】
第2のバリア130は、概して細長い本体、例えば直線状の本体とすることができ、例えば概してプラテン24の半径に沿って、プラテン24の運動方向に対して実質的に直角に配向することができる。あるいは、第1のバリア120は、プラテンの半径に対してある角度、例えば10~30°傾斜していてもよい。
【0048】
第2のバリア130は、第1のバリア120と平行であってもよい。あるいは、第2のバリア130は、第1のバリア120よりもプラテンの半径に対してより大きい角度で傾斜していてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、たとえば
図2Bに示されるように、湾曲した本体である。第2のバリア130は、プラテン24の外縁部に近い方の端部がプラテンの中心に近い方の端部よりも運動方向(矢印Aで示す)に沿って先にあるように、湾曲することができる。第2のバリア130は、凹側が運動方向を向くように湾曲することができる。
【0050】
第2のバリア130は、その長さに沿って第1のバリア120から等距離であってもよい。あるいは、第2のバリア130の曲率半径が、第1のバリア120の曲率半径より小さくてもよい。これにより、第1のバリア120と第2のバリア130との間の距離がプラテン24の縁部に向かって半径方向に沿って増大することになる。
【0051】
第2のバリア130の先行面は、研磨面36に対して15~90°の角度に配向され得る。いくつかの実施形態では、第2のバリアの先行面は、例えば90度未満の角度で研磨面に対して傾斜している。いくつかの実施形態では、第2のバリアの先行面は、垂直に、すなわち研磨面に対して直角に配向されている。第2のバリア130の先行面は、研磨パッドの運動方向(
図3の矢印Aを参照)に上部から底部に向かって傾斜することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、ワイパーブレードである。ワイパーブレードの前面が、第2のバリア130の先行面を提供する。第2のバリア130のワイパーブレードは、天然ゴムもしくは同様の可撓性を有する合成材料、例えば可撓性プラスチックなどの可撓性材料から形成することができ、または硬質材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリフェニレンサルファイド(PPS)などの硬質プラスチックから形成することができる。いくつかの実施形態では、第1のバリア120および第2のバリア130のワイパーブレードは、同じ材料で形成されている。
【0053】
ワイパーブレードが一様な幅のシートであると仮定すると、第2のバリア130のワイパーブレードは、ワイパーブレードの先行面132と研磨面36との間に15~90度の角度を形成するように配置することができる(
図3参照)。第2のバリア130のワイパーブレードをある角度に配置することは、新しいスラリーを溝の中に押し込むのに役立ち、したがって基板に到達する使用済みスラリーの存在を減らすことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、第2のバリア130のワイパーブレードは、例えば90度未満の角度で研磨面に対して傾斜している。いくつかの実施形態では、第2のバリア130のワイパーブレードは、垂直に、すなわち研磨面に対して直角に配向されている。第2のバリア130のワイパーブレードは、ワイパーブレードが研磨パッドの運動方向に上部から底部に向かって傾斜するように、配向することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120および第2のバリア130のワイパーブレードは、同じ角度を研磨面36と形成する。いくつかの実施形態では、第1のバリア120のワイパーブレードは、垂直に配向され、第2のバリア130のワイパーブレードは、研磨パッドの運動方向に上部から底部に向かって傾斜する。
【0056】
いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、研磨面36に対する第2のバリア130の垂直方向位置および/または研磨面36に対する第2のバリア130の下向きの力を制御することができる第2のアクチュエータ134から吊るされている。代替的にまたは追加的に、第2のアクチュエータ134は、第2のバリア130を研磨パッド30上で横方向に、例えば半径方向に移動させることができる。
【0057】
各アクチュエータ124、134は、空気圧式アクチュエータとすることができる。例えば、
図5を参照すると、各アクチュエータは、バリア、例えばワイパーブレードが固定されている下部本体150、支持部、例えばアームによって保持されている上部本体152、および下部本体150と上部本体152との間に閉じ込められたブラダー154を含むことができる。したがって、ブラダー154の膨張は、下側本体150およびバリア120、130の垂直方向位置ならびに/または研磨パッドに対するバリア120、130の圧力を制御する。ブラダーの底部は、例えば接着によって、下部本体150に固定することができ、ブラダーの上部は、例えばブラダーのリムを留めることによって、上部本体152に固定することができる。いずれのアクチュエータも、他の種類のアクチュエータ、例えばリニアモータまたは圧電アクチュエータとすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120および第2のバリア130は、同じアクチュエータから吊るされている。
【0059】
図4および
図5を参照すると、各バリア120、130は、アーム160から吊るすことができる。例えば、各アクチュエータ124、134の上部本体152は、アーム160に固定されているプレート164に取り付けることができる。アーム160は、アーム160を、プラテン24を横切って横方向に移動させるように構成されたアクチュエータ162に接続することができる。例えば、アクチュエータ162は、アーム160を円弧状(矢印C参照)に動かすための回転アクチュエータとすることができる。
図4および
図5は、両方のバリアに対して共通のアームを示しているが、別々のアクチュエータを有する別々のアームが存在し得る。
【0060】
図6を参照すると、一方または両方のバリア120、130は、別個の薄いワイパーブレードではなく、研磨面と平行に延び、研磨パッド上に押し付けられている、または依然として研磨液に接触しながら研磨パッドからわずかに離れている(例えばハイドロプレーニング)平坦な下面170を有する本体によって提供されてもよい。この本体は、比較的硬質の材料、例えばセラミック、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリフェニレンサルファイド(PPS)などの硬質プラスチックで形成することができる。例えば、
図6に示すように、一方または両方のバリア120、130が、対応するアクチュエータ124、134の下部本体150によって提供されてもよい。
【0061】
いずれのバリア120、130についても、バリアを形成する本体は、(研磨パッドが最初に下を通過する側に)先行面172を有することができる。いくつかの実施形態では、先行面は垂直面である。いくつかの実施形態では、先行面172は、研磨液を押す。
【0062】
いずれのバリア120、130についても、バリアは、先行面172に衝突する研磨液の飛散を防止するためのスプラッシュガード174を、さらに含むことができる。スプラッシュガード174は、下面170から垂直方向に離されて、研磨パッドの回転の運動方向と反対の方向に本体の先行面から水平に延びることができる。
【0063】
あるいは、いずれのバリア120、130についても、バリアは、スプレッダ176を含むことができる。スプレッダ176は、本体の先行面172から突き出て、研磨面に対して傾斜した底面を有する。スプレッダ176の底面と研磨面との間の角度Dは、15~75度であり得る。傾斜したワイパーブレードと同様に、スプレッダ176の傾斜した底面は、新しいスラリーを溝の中に押し込むのに役立ち、したがって基板に到達する使用済みスラリーの存在を減らすことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1のバリア120は、スプラッシュガードを含み、第2のバリア130は、スプレッダ176を含む。
【0065】
図2Aおよび
図2Bに戻って、第2のバリア130は、第1のバリア120から離されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2のバリア130のワイパーブレードは、第1のバリア120のワイパーブレードと平行に配向されている。第1のバリア120および第2のバリア130は、(それらの長手方向軸に沿って)同じ長さであってもよいし、または第2のバリア130が、第1のバリア120より短くてもよい。第1のバリア120は、完全にプラテン24および/または研磨パッド30の縁部まで延びていてもよく、一方、第2のバリア130は、プラテン24および/または研磨パッド30の縁部から離されていてもよい。
【0066】
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、ディスペンサ110は、研磨液105が第1のバリア120のワイパーブレードの後続面126上に供給されるように配置される。研磨面36に対するワイパーブレードの角度のため、研磨液は、後続面126を流れ落ちて、第1のバリア120と第2のバリア130との間の領域で研磨パッド30上に流れる。ワイパーブレード上に研磨液105を供給することの利点は、研磨液がワイパーブレードに沿って横方向に流れる傾向があり、したがって研磨液がより広い領域に沿って研磨パッド30に供給されることである。その結果、研磨液を研磨パッド30全体にわたってより一様に広げることができ、研磨の均一性を向上させることができる。しかしながら、
図1に示すように、いくつかの実施形態では、研磨液105は、研磨パッド30上に直接に分配される(これは、垂直または傾斜ワイパーブレードのいずれにも適用可能であろう)。
【0067】
図3を参照すると、動作中、第1のバリア120の先行エッジ部122は、使用済み研磨液105bをブロックする。研磨面36の溝38内の使用済み研磨液105bの一部は、バリア120の下を通過するが、使用済み研磨液105bの大部分は、向きを変えられて、研磨パッド30の縁部から流れ出る。
【0068】
他方、新しい研磨液105aは、ディスペンサ110によって第1のバリア120と第2のバリア130との間の領域に供給される。新しい研磨液は、同様に、第2のバリア130の先行エッジ部132によってブロックされる。流量および構成要素間の間隔に応じて、新しい研磨液105aが、第1のバリア120と第2のバリア130との間の領域に溜まる可能性がある。しかしながら、新しい研磨液の一部は、溝38に流れ込み、使用済み研磨液105bを排出する可能性がある。その結果、基板10に到達できる使用済み研磨液が、大幅に少なくなり、欠陥を減らすことができる。
【0069】
第1のバリア120および第2のバリア130は、別々の構成要素として示されているが、それらは、接続された単一のハウジングの2つの壁であってもよい。研磨液を収容することができる開放チャンバが、2つの壁の間のハウジングの中央にあってもよい。
【0070】
図3に示すように、いくつかの実施形態では、一方または両方のバリア120、130、例えばワイパーブレードは、研磨面36に対して鋭角の第1の部分140と、研磨面36と平行な第2の部分142とを含むことができる。丸みを帯びた部分144は、第1の部分140を第2の部分142に接続することができる。バリアは、この形状で事前に形成することができ、またはバリアは、最初は平面であるが下方に研磨面36に対して押し付けられるとこの形状に変形する可撓性材料であってもよい。この形状は、新しい研磨液105aを溝38内に押し込むのに役立ち、使用済み研磨液105bとの交換を改善することができる。
【0071】
使用済みスラリーをブロックすることで、基板に到達する研磨副生成物の量を減らすことができ、したがって欠陥を減らすことができる。さらに、いかなる特定の理論にも限定されないが、溝内の新しいスラリーの量を増やすことによって、基板と接触する反応抑制剤および活性剤(金属研磨用)の濃度を高めることができる。これにより、パターン密度に対する研磨プロセスの感度が低下し、ディッシングおよびエロージョンを減少させることができる。逆に、やはり特定の理論に限定されないが、使用済みスラリーをブロックすることによって、銅イオンの濃度を減少させることができ、これは金属表面との反応のための抑制剤を節約する。
【0072】
第1のバリア120および/または第2のバリア130の制御された配置(形状、装置寸法、パッドカバー範囲、パッド上の取り付け位置など)を使用して、望まれる流路に応じて、流体をプラテン24から離れるように案内し、または基板10の方に案内することができる。
【0073】
第1のバリア120および第2のバリア130に対する制御された下向きの力を使用して、第2のバリアの下を流れる新しい研磨液対使用済み研磨液の比率を調整することができる。いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、第1のバリア120よりも低い圧力で研磨パッド30に対して押し付けられる。いくつかの実施形態では、第2のバリア130は、研磨パッド30の上方に第1のバリア120よりも高く配置されている。
【0074】
スラリー分配システム100を使用して研磨液の分配位置または分配パターンを制御することによって、研磨プロファイルを調整することができ、研磨の均一性を改善することができる。
【0075】
上記の議論は、研磨液に対する物理的障壁に焦点を当てているが、研磨液をブロックするために空気の噴射を使用することも可能であろう。例えば、アームが、研磨パッドの上を延びており、加圧されたガス、例えば空気または窒素を、アームの底部のスロットまたは複数の孔を通して研磨パッドに向けて送ることができる。ガス流量を適切に選択すると、ガスが、研磨液をブロックすることができる。さらに、真空を使用して、使用済み研磨液を研磨パッドから吸引することも可能であろう。そのような真空は、研磨パッドの上を横方向に延びるアームの底部のスロットまたは複数の孔を通して加えることができる。
【0076】
コントローラ90、例えば汎用プログラマブルデジタルコンピュータが、リザーバからの研磨液105の流量を制御し、研磨パッド30に対するバリア120、130の下向きの力および/または位置を制御するために、アクチュエータ124、134を制御することができる。インシトゥモニタリングシステムからの測定値が、コントローラ90に供給され、コントローラ90は、研磨液の流量および/またはバリアの下向きの力および/またはバリアの位置を調整して、研磨の不均一性を補償することができる。
【0077】
コントローラ90はまた、キャリアヘッド70によって加えられる圧力を制御する圧力機構、キャリアヘッド回転速度を制御するためのキャリアヘッド回転モータ76、プラテン回転速度を制御するためのプラテン回転モータ21、または研磨パッドに供給されるスラリー組成物を制御するための研磨液分配システム100に、接続することができる。
【0078】
研磨液分配システムは、様々な研磨システムで使用することができる。研磨パッドは、プラテンに固定された円形(または他の形状)のパッド、供給ローラと巻き取りローラとの間に延びるテープ、または連続ベルトとすることができる。研磨パッドは、プラテンに付着されていてもよいし、研磨工程と研磨工程の間にプラテンの上方を徐々に進んでもよいし、または研磨中にプラテンの上方で連続的に駆動されてもよい。パッドは、研磨中、プラテンに固定されていてもよいし、または研磨中、プラテンと研磨パッドとの間に流体軸受があってもよい。研磨パッドは、標準(例えば、フィラーを含むまたは含まないポリウレタン)ラフパッド、ソフトパッド、または固定砥粒パッドとすることができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明した。それにもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正を加えることができることが理解されよう。例えば、
・先行バリア(第1のバリア)は、後続バリア(第2のバリア)なしで使用することができる。
・後続バリア(第2のバリア)は、先行バリア(第1のバリア)なしで研磨システムに使用することができる。
・ディスペンサは、第1のバリアおよび/または第2のバリアの上に支持されていてもよいし、またはそれらの一部分であってもよい。例えば、ディスペンサは、第1のバリア上に支持された可撓性の管であってもよい。
【0080】
したがって、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲内にある。