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特許7443565基板の表面についてのレベルデータを生成するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】基板の表面についてのレベルデータを生成するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/02 20060101AFI20240227BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240227BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
G03F9/02 H
G03F7/20 505
G01B11/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022567215
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2021058125
(87)【国際公開番号】W WO2021223940
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】20172770.8
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ギースベルツェン、アリャン
(72)【発明者】
【氏名】トログリック、ビクター
(72)【発明者】
【氏名】デンダス、ピーター、フェルナンド、ウィリアム、ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ポピンシウク、ミハイタ
(72)【発明者】
【氏名】ロガチェフスキー、アンドレイ、バレリエビッチ
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-031368(JP,A)
【文献】特開2018-017608(JP,A)
【文献】特開2019-070859(JP,A)
【文献】特表2018-528462(JP,A)
【文献】特表2017-509016(JP,A)
【文献】特開2006-343152(JP,A)
【文献】特開2020-057008(JP,A)
【文献】特開2016-218355(JP,A)
【文献】特開平09-017717(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0259272(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
G02B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取り、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成するように構成されるレベルセンシングコントローラと、
測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成するように構成される第2レベルセンシングデバイスと、
を備え、
第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備え、
第2領域は、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える、
レベルセンシングコントローラは、第1サブ領域への第1重み値の適用および第2サブ領域への第2重み値の適用に基づいて、測定コントロールマップデータを生成するように構成される、
システム。
【請求項2】
レベルセンシングコントローラは、第1レベルデータを備えるデザインレイアウトデータを受け取るように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
デザインレイアウトデータは、グラフィックデータシステム(GDS)データファイルを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第1レベルデータを生成し、第1レベルデータを送信するように構成される第1レベルセンシングデバイスを更に備え、
レベルセンシングコントローラは、第1レベルセンシングデバイスから第1レベルデータを受け取るように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1レベルセンシングデバイスは、第1解像度での第1レベルデータを生成するように更に構成され、
第2レベルセンシングデバイスは、第2解像度での第2レベルデータを生成するように更に構成され、
第2解像度は、第1解像度より高い。
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
第1重み値は1であり、第2重み値は0である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
レベルセンシングコントローラは、測定コントロールマップデータに基づいて、第2レベルセンシングデバイスおよび基板の間の相対距離を調整するためのサーボコントロール信号を生成するように構成され、
サーボコントロール信号は、第2レベルセンシングデバイス、略第3表面レベルでの基板のトポグラフィに従い、測定プロセス中に第2レベルセンシングデバイスの測定範囲内で第3表面レベルを保つように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
サーボコントロール信号は、第2レベルセンシングデバイス、サーボ高さ目標を変更するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
サーボコントロール信号は、第2レベルセンシングデバイス、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
レベルセンシングコントローラによって、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備える基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取ることと、
レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成することと、
第2レベルセンシングデバイスによって、測定コントロールマップデータに基づいて、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える基板の第2領域についての第2レベルデータを生成することと、
レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータを備えるデザインレイアウトデータを受け取ることと、
を備える方法。
【請求項11】
レベルセンシングコントローラによって、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備える基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取ることと、
レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成することと、
第2レベルセンシングデバイスによって、測定コントロールマップデータに基づいて、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える基板の第2領域についての第2レベルデータを生成することと、
レベルセンシングコントローラによって、第1サブ領域への第1重み値の適用および第2サブ領域への第2重み値の適用に基づいて、測定コントロールマップデータを生成することと、
を備える方法。
【請求項12】
レベルセンシングコントローラによって、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備える基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取ることと、
レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成することと、
第2レベルセンシングデバイスによって、測定コントロールマップデータに基づいて、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える基板の第2領域についての第2レベルデータを生成することと、
レベルセンシングコントローラによって、測定コントロールマップデータに基づいて、第2レベルセンシングデバイスおよび基板の間の相対距離を調整するためのサーボコントロール信号を生成することと、
第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、略第3表面レベルでの基板のトポグラフィに従うことと、
第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、測定プロセス中に測定範囲内で第3表面レベルを保つことと、
を備える方法。
【請求項13】
第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2020年5月4日に出願された欧州出願20172770.8の優先権を主張し、その全体が参照によって本書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本開示は、リソグラフィ、特にリソグラフィツールをフォーカシングするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上、通常は基板のターゲット部分上に所望のパターンを適用する装置である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用されうる。この場合、マスクまたはレチクルとも表されるパターニングデバイスが、形成中のICの各層上に形成される回路パターンを生成するために使用されうる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの部分、一つのダイまたは複数のダイを含む)上に転写されうる。パターンの転写は、典型的には、基板上に提供される放射感応性材料(例えば、レジスト)の層上へのイメージングによる。一般的に、単一の基板は、連続的にパターン形成される近接するターゲット部分のネットワークを含む。従来のリソグラフィ装置は、ターゲット部分上に全体のパターンを一度に露光することによって各ターゲット部分が照射されるいわゆるステッパ、および、放射ビームを通じて与えられた方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすることによって、当該スキャン方向と平行または非平行(例えば、逆)にターゲット部分を同時にスキャンしながら各ターゲット部分が照射されるいわゆるスキャナを含む。基板上にパターンをインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0004】
半導体製造プロセスが進歩を続けるにつれて、一般的に「ムーアの法則」と表されるトレンドに従って数十年に亘ってデバイス当たりのトランジスタ等の機能要素の量が着実に増加すると共に、回路要素の寸法が継続的に低減されている。ムーアの法則に付いていくために、ますます小さいフィーチャの生成を可能にする技術を半導体業界は追い求めている。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用してもよい。この放射の波長は、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nmおよび13.5nmである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、基板の各レベルでの基板の各領域内で基板に亘る高さ変動を正確に測定するために、基板(例えば、複数の高さレベルを有する表面を有するウェーハ)の表面についてのレベルデータをより迅速かつ正確に生成するためのシステム、装置、方法およびコンピュータプログラム製品の各種の側面を記述する。いくつかの側面では、ここで開示されるシステム、装置、方法およびコンピュータプログラム製品が、三次元メモリアレイ(例えば、三次元NOT-AND(3D NAND)メモリアレイ)のための広範囲レベリングを実行でき、生成されたレベルデータおよびここで記述される他の技術に基づいてデバイストポグラフィをキャリブレーションできる。いくつかの側面では、ここで開示されるシステム、装置、方法およびコンピュータプログラム製品が、細かいセンサおよび粗いセンサの組合せ(例えば、同じセンサまたは異なるセンサを使用して実施できる)を利用できる。ここで、粗いセンサは、特定の領域の有効性の判定における使用のために、メモリセルおよび周辺の間の高さの差を測定し、細かいセンサは一つのレベル(例えば、メモリセル)における高さ変動を測定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの側面では、本開示はシステムを記述する。システムは、基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取るように構成されるレベルセンシングコントローラを含みうる。第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を含みうる。非限定的な一例では、第1表面レベルがメモリセルの頂面に対応し、第2表面レベルがメモリセルに近接配置される周辺の底面に対応しうる。レベルセンシングコントローラは、第1レベルデータに基づいて、測定コントロールマップデータ(例えば、興味のある領域、無効領域、または両方を含む)を生成するように更に構成されうる。システムは、測定コントロールマップデータに基づいて(例えば、興味のある領域に基づいて)、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成するように構成される第2レベルセンシングデバイスを更に含みうる。いくつかの側面では、測定コントロールマップデータが、サーボオフセットマップ(x,y)および有効性マップ(x,y)の少なくともいずれかを含みうる。第2領域は、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を含みうる。オプションで、いくつかの側面では、更に第2領域が第2表面レベルに略等しい表面レベルを有する領域を含まなくてもよい。
【0007】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、更にデザインレイアウトデータを受け取るように構成されうる。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータがグラフィックデータシステム(GDS)データファイルを含みうる。いくつかの側面では、受け取られたデザインレイアウトデータが第1レベルデータを含んでもよく、レベルセンシングコントローラが受け取られたデザインレイアウトデータから第1レベルデータを抽出するように更に構成されうる。他の側面では、レベルセンシングコントローラが、受け取られたデザインレイアウトデータに基づいて、第1レベルデータを生成するように更に構成されうる。
【0008】
いくつかの側面では、システムが、第1レベルデータを生成し、レベルセンシングコントローラに直接的または間接的に第1レベルデータを送信するように構成される第1レベルセンシングデバイスを更に含みうる。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスが第1解像度での第1レベルデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが第2解像度での第2レベルデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第2解像度が第1解像度より高くてもよい。例えば、第2レベルデータの第2測定ノイズは約5ナノメートルより小さくてもよく、第1レベルデータの第1測定ノイズは約5ミクロンより小さくてもよい。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスが、第1測定期間中に第1レベルデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、第2測定期間において第2レベルデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第1測定期間が第2測定期間より長くてもよい。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスが可視スペクトルセンサを含みうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが紫外スペクトルセンサを含みうる。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスおよび第2レベルセンシングデバイスが、レベルセンサ等の同じレベルセンシングデバイスに含まれうる。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスおよび第2レベルセンシングデバイスが、単一チップのレベルセンサ(例えば、レベルセンシングチップ)に含まれうる。他の側面では、第1レベルセンシングデバイスおよび第2レベルセンシングデバイスが、エアゲージ(例えば、ガスゲージ近接センサ)および光学センサ等の二つの異なるレベルセンシングデバイスに含まれうる。
【0009】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1サブ領域への第1重み値の適用および第2サブ領域への第2重み値の適用に基づいて、測定コントロールマップデータを生成するように構成されうる。非限定的な一例では、第1重み値が約1でもよく、第2重み値が約0でもよい。
【0010】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータに基づいて、第1トポグラフィマップデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第2レベルデータに基づいて、第2トポグラフィマップデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第2トポグラフィマップデータが、第1トポグラフィマップデータと異なりうる。
【0011】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、測定コントロールマップデータに基づいて、サーボコントロール信号を生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、特定のサーボオフセットを使用することを指示するように構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、略第3表面レベルでの基板トポグラフィに従うことを指示するように構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、測定プロセス中に第2レベルセンシングデバイスの測定範囲(または、いくつかの側面では、略焦点面上)内で第3表面レベルを保つことを指示するように更に構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、サーボ高さ目標を変更することを指示するように更に構成されうる。例えば、いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更することを指示するように更に構成されうる。
【0012】
いくつかの側面では、本開示は装置を記述する。装置は、基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取るように構成されるレベルセンシングコントローラを含みうる。第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を含みうる。レベルセンシングコントローラは、第1レベルデータに基づいて、測定コントロールマップデータを生成するように更に構成されうる。装置は、測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成するように構成される第2レベルセンシングデバイスを更に含みうる。第2領域は、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を含んでもよく、いくつかのオプションの側面では、いずれの領域も第2表面レベルに略等しい表面レベルを有しない。
【0013】
いくつかの側面では、本開示はレベルデータを生成するための方法を記述する。方法は、レベルセンシングコントローラによって、基板の第1領域についての第1レベルデータを生成することを含みうる。第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を含みうる。方法は、レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて、測定コントロールマップデータを生成することを更に含みうる。方法は、第2レベルセンシングデバイスによって、測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成することを更に含みうる。第2領域は、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を含んでもよく、いくつかのオプションの側面では、いずれの領域も第2表面レベルに略等しい表面レベルを有しない。
【0014】
いくつかの側面では、方法が、レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータを含むデザインレイアウトデータを受け取ることを更に含みうる。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータがGDSデータファイルを含みうる。
【0015】
いくつかの側面では、方法が、第1レベルセンシングデバイスによって、第1レベルデータを生成することと、第1レベルセンシングデバイスによって、第1レベルデータをレベルセンシングコントローラに送信することを更に含みうる。いくつかの側面では、方法が、第1レベルセンシングデバイスによって、第1解像度および第1測定期間で第1レベルデータを生成することを更に含みうる。いくつかの側面では、方法が、第2レベルセンシングデバイスによって、第2解像度および第2測定期間で第2レベルデータを生成することを更に含みうる。いくつかの側面では、第2解像度が第1解像度より略高くてもよい。いくつかの側面では、第2測定期間が第2測定期間より略短くてもよい。
【0016】
いくつかの側面では、方法が、レベルセンシングコントローラによって、第1サブ領域への第1重み値の適用および第2サブ領域への第2重み値の適用に基づいて、測定コントロールマップデータを生成することを更に含みうる。
【0017】
いくつかの側面では、方法が、レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて、第1トポグラフィマップデータを生成することを更に含みうる。いくつかの側面では、方法が、レベルセンシングコントローラによって、第2レベルデータに基づいて、第2トポグラフィマップデータを生成することを更に含みうる。いくつかの側面では、第2トポグラフィマップデータが第1トポグラフィマップデータと異なる。
【0018】
いくつかの側面では、方法が、レベルセンシングコントローラによって、測定コントロールマップデータに基づいて、サーボコントロール信号を生成することを更に含みうる。いくつかの側面では、方法が、第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、略第3表面レベルでの基板トポグラフィに従うことを更に含みうる。いくつかの側面では、方法が、第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、測定プロセス中に第2レベルセンシングデバイスの測定範囲(または、いくつかの側面では、略焦点面上)内で第3表面レベルを保つことを更に含みうる。いくつかの側面では、方法が、第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更することを更に含みうる。
【0019】
更なる特徴および利点や、様々な側面の構造および動作が、付随する図面を参照して以下で詳細に記述される。なお、開示は、ここで記述される具体的な側面に限定されない。このような側面は、例示のみを目的として提示される。ここに含まれる教示に基づいて、追加的な側面も当業者にとって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
明細書に統合されてその一部を構成する付随する図面は、本開示を例示し、記述と共に、本開示の側面の原理を説明し、当業者が本開示の側面を作って使用することを可能にすることに更に役立つ。
【0021】
図1】本開示のいくつかの側面に係るリソグラフィ装置例の模式図である。
【0022】
図2】本開示のいくつかの側面に係るリソグラフィ装置例のためのレベルセンサ例の模式図である。
【0023】
図3】本開示のいくつかの側面に係る他のレベルセンサ例の模式図である。
【0024】
図4】本開示のいくつかの側面に係るデータ環境例600の模式図である。
【0025】
図5】本開示のいくつかの側面に係るメモリセルアレイ例の模式図である。
【0026】
図6】本開示のいくつかの側面に係る高さ測定データ例を示す。
【0027】
図7】本開示のいくつかの側面に係る他のレベルセンサ例、基板例、データ環境例および高さ測定データ例を示す。
【0028】
図8】本開示のいくつかの側面に係るレベルデータを生成するための方法例またはその部分例である。
【0029】
図9】本開示のいくつかの側面またはその部分を実施するためのコンピュータシステム例である。
【0030】
同様の参照文字が対応する要素を特定する図面と併せて考慮される以下の詳細な記述から、本開示の特徴および利点がより明らかになる。図面では、特に断らない限り、同様の参照番号は、同一、機能的に同様、および/または、構造的に同様の要素を示す。加えて、原則として、参照番号の最も左の数字は、参照番号が最初に現れる図を特定する。特に断らない限り、開示を通じて提供される図面は、原寸通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書は、本開示の特徴を取り込んだ一または複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は、単に本開示を記述するに過ぎない。開示の範囲は、開示される実施形態に限定されない。開示の幅および範囲は、添付される請求項およびそれらの均等物によって定められる。
【0032】
記述される実施形態、および、明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」「実施形態例」等への参照は、記述される実施形態が特定の特徴、構造または特性を含みうるが、全ての実施形態が特定の特徴、構造または特性を必ずしも含まなくてよいということを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造または特性が一実施形態に関して記述される場合、明示的に記述されるか否かに関わらず、他の実施形態に関するこのような特徴、構造または特性に影響することは当業者の知識内であると理解される。
【0033】
「下方」「下」「下側」「上方」「上」「上側」等の空間的に相対的な用語は、図に例示されるような一つの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を記述するために便宜的に使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図に示される方向に加えて、使用中または稼働中のデバイスの異なる方向を包含することを意図している。装置は、他の方向(90度回転された方向または他の方向)に向けられてもよく、それに応じて空間的に相対的な記述子が同様に解釈されてもよい。
【0034】
ここで使用される用語「約」は、特定の技術に基づいて変動しうる与えられた量の値を示す。特定の技術に基づいて、用語「約」は、例えば、値の10-30%(例えば、値の±10%、±20%または±30%)内で変動する与えられた量の値を示しうる。
【0035】
[概要]
一例では、スキャナ等のリソグラフィ装置が、露光前にウェーハ表面の高さを測定するためのレベルセンサ(または高さセンサ)を含みうる。リソグラフィ装置は、(i)露光中にウェーハステージによって従われる露光プロファイル(および、いくつかの側面では、投影システム特性)を演算するため、(ii)露光中に生じるレベリングおよびフォーカスエラーの診断のために本測定を使用しうる。レベルセンサは、ウェーハマップを測定しながら、ウェーハに焦点が合うようにウェーハステージを制御できる。レベルセンサは、ウェーハの表面を見付けるために初期測定結果を取得する。
【0036】
特に3D NANDメモリアレイにおけるデバイストポグラフィの増加に応じて、レベルセンサに対する要求は範囲および解像度の両面でより厳しくなる。例えば、KrFシステム上で階段構造を制作する場合、デバイストポグラフィは数ミクロンの階段を有しうる。ArFおよびArFiシステム上の他の3D NANDメモリアレイは、典型的には平坦化されており最大200nm程度のトポグラフィを有する。他の例では、20ミクロンを超えるデバイストポグラフィが近い将来に予測されており、40ミクロンを超えるデバイストポグラフィ(例えば、少なくとも約50nmの厚さの層が最低でも約800層ある)が長期的に予測されている。
【0037】
一例では、レベルセンサが、測定スキャン中に基板トポグラフィに従うことを試みることによって、高さマップを測定できる。測定は、ウェーハ高さマップを生成するために使用されうる。続いて、生成されたウェーハ高さマップを使用して基板露光が実行されうる。(1)再現性およびノイズ、(2)解像度、(3)測定範囲の間には、しばしば直接的な関係がある。しかし、測定範囲(z)が広がると通常はノイズが大きくなり、(x,y)解像度が高くなると通常はノイズが大きくなる。従って、広範囲レベリングおよび3D NANDユースケースのための最適なレベルセンサは、(i)極広範囲(z)、(ii)高解像度(x,y)、(iii)低測定ノイズ(例えば、nmスケール)、(iv)高精度(例えば、nmスケール)を有しうる。更に、典型的には同じスキャナが他のよりフォーカスに敏感な層にも使用されるため、ノイズは低レベルに抑えられるべきである。しかし、以上のパラメータの一つを改善すると、他のパラメータが悪化しうる。
【0038】
測定スキャン中、ウェーハテーブルが異なる領域を測定するために左右に移動し(例えば、サーボコントロール信号を介して)、測定中の領域の表面高さがレベルセンサの有効な測定範囲に留まることを担保するために上下に移動する間、レベルセンサは静止状態に留まりうる。表面高さにおける大きな変化が生じた時(例えば、トレンチ上を通過する時)であっても、レベルセンサはウェーハテーブルに各領域の表面トポグラフィに従って上下に移動することを指示するため、測定の失敗(例えば、トレンチ等の重要でない表面の測定による不正確な測定、測定エラー)をもたらす。
【0039】
加えて、デバイストポグラフィの範囲がレベルセンサのそれを超える場合、以下の失敗モードが起こりうる。
a.レベルセンサ取得の失敗(例えば、センサ(自動)フォーカス制御または測定高さ制御)
b.予期しないオフセットをもたらす、誤ったレベル(例えば、メモリセルではなく周辺)でのレベルセンサ取得
c.正しい高さを得られない問題
d.ウェーハマップにおける期間ジャンプ(例えば、誤った高さ測定、大きいゲインエラー、サーボの問題(例えば、ダイナミクスが従えない))
【0040】
一例では、これらの実用的な問題(例えば「レベルセンサの失敗」)が、デバイストポグラフィの完璧な高さマップおよびレベリングのためのその変動を得るよりも重要になりうる。他の例では、いくつかのレベルセンサ(または、レベルセンサと相互作用するプロセッサ)が、ウェーハのトポグラフィが測定され、ウェーハマップが形成された後に、補正を適用する(例えば、異なる領域に重みを適用することによって)。
【0041】
対照的に、本開示のいくつかの側面は、粗い高さセンサを使用して基板トポグラフィを「プリスキャン」することによって、または、受け取られたGDSファイルから取得される粗い高さデータに基づいて、興味のある領域(例えば、正確な表面トポグラフィ測定を要求する重要領域またはサブ領域)を定められる。本開示のいくつかの側面は、別の測定アクションにおいて、または、臨機応変にプリスキャンを実行できる(例えば、二つのセンサを連続的に使用して)。そして、本開示のいくつかの側面は、サーボオフセットマップ(x,y)、有効性マップ(x,y)または両方を含む測定コントロールマップを生成できる。全てのウェーハ上の全てのフィールドが実質的に同じデバイストポグラフィを有する非限定的な一例では、本開示のいくつかの側面が、その事実に基づいて測定コントロールマップを生成できる。続いて、本開示のいくつかの側面は、興味のある領域が正確に測定されることを担保するために、測定コントロールマップを使用して高さマップを測定できる。最後に、生成された高さマップを使用して基板露光が実行されうる。
【0042】
いくつかの側面では、サーボオフセットマップ(x,y)が、測定スキャン中に異なる領域(例えば、XY平面に沿った)について基板テーブルの高さ(例えば、Z軸に沿った)を制御するように構成されるバイアス設定の組を含みうる。いくつかの側面では、サーボオフセットマップが、興味のある領域(例えば、複数の「測定有効」サブ領域)のそれぞれについて、「サーボを起動する」「サーボがアクティブ」または「サーボコントロールが利用可能」という値、フラグまたは制御信号、または任意の他の適切な特性を含みうる。また、サーボオフセットマップは、重要でない領域(例えば、複数の「測定無効」サブ領域)のそれぞれについて、「サーボを停止する」「サーボが非アクティブ」または「サーボコントロールが利用不能」という値、フラグまたは制御信号、または任意の他の適切な特性を含みうる。測定スキャン中、いくつかの側面では、基板テーブルが異なる領域を測定するために左右に移動しつつも(例えば、サーボオフセットマップに基づいてレベルセンシングコントローラによって生成されるサーボコントロール信号を介して)、興味のある領域の表面高さが、レベルセンシングデバイスによって放射される測定放射の焦点上または付近(例えば、レベルセンシングデバイスが放射センサを備える場合)またはレベルセンシングデバイスの範囲の中央付近(例えば、レベルセンシングデバイスがエアゲージを備える場合)に留まる位置(例えば、Z軸に沿った)に留まる間、ここで開示されるレベルセンシングデバイス(例えば、高さセンシングデバイス)が静止状態に留まりうる。結果として、表面高さにおける大きな変化を伴う重要でない領域に来た時(例えば、トレンチ上を通過する時)、ここで開示されるレベルセンシングデバイスは、基板テーブルに当該重要でない領域の表面トポグラフィに従うために上下に移動しないように指示でき(例えば、当該重要でない領域の測定中にサーボコントロールを無効化することによって)、測定の失敗の低減および興味のある領域についての測定スピードおよび精度の向上をもたらす(例えば、トレンチ等の重要でない表面を無視またはバイパスすることによって)。
【0043】
いくつかの側面では、有効性マップ(x,y)が、測定スキャン中に興味のある領域のみについて基板テーブルの高さの制御を可能にするように構成される有効性設定(例えば、測定前有効性設定)の組を含みうる。いくつかの側面では、有効性マップが、興味のある領域(例えば、バイアスが最大バイアス値以下)のそれぞれについて、1の値(例えば「1」または「1.00」)、「有効」メタデータフラグ、または任意の他の適切な特性を含みうる。また、有効性マップは、重要でない領域(例えば、バイアスが最大バイアス値より大きい)のそれぞれについて、0の値(例えば「0」または「0.00」)、「無効」メタデータフラグ、または任意の他の適切な特性を含みうる。いくつかの側面では、ここで開示されるレベルセンシングデバイスは、有効性マップ値が1の場合に、基板の表面トポグラフィに従うことと(例えば、レベルセンシングデバイスおよび基板の間の距離が変わる時に基板テーブルの位置を調整することによって)、有効性マップ値が0の場合に、基板の表面トポグラフィに従わないことと(例えば、レベルセンシングデバイスおよび基板の間の距離が変わる時に基板テーブルの位置を調整しないことによって)、が可能である。測定スキャン中、いくつかの側面では、ここで開示されるレベルセンシングデバイスは、それらの1の有効性マップ値に基づいて興味のある領域の高さを測定することと、それらの0の有効性マップ値に基づいて重要でない領域の高さを測定しないことと、が可能である。他の側面では、測定スキャン中、ここで開示されるレベルセンシングデバイスは、興味のある領域の表面高さがレベルセンシングデバイスによって放射される測定放射の焦点上または付近に留まる(例えば、興味のある領域について基板の表面にレベルセンシングデバイスの焦点が合う必要があるということを示す)ように、サーボコントロール信号を生成して、サーボに興味のある領域について基板テーブルの位置を調整することを指示するように構成されるサーボに送信することと、サーボに重要でない領域について基板テーブルの位置を調整するためのサーボコントロール信号を生成も送信もしないことと(例えば、重要でない領域について基板の表面にレベルセンシングデバイスの焦点が合う必要がないということを示す)、が可能である。いくつかの側面では、表面高さにおける大きな変化を伴う重要でない領域に来た時、ここで開示されるレベルセンシングデバイスは、当該重要でない領域の表面トポグラフィに従うために上下に移動することを基板テーブルに意図的に指示しないことで、測定の失敗の低減および興味のある領域についての測定スピードおよび精度の向上をもたらす。いくつかの側面では、有効性マップ(x,y)が、基板の表面トポグラフィの判定において、重要でない領域から取得された高さ測定結果を使用しない(例えば、破棄する)ことをレベルセンシングコントローラに指示するように構成される有効性設定(例えば、測定後有効性設定)の組を含みうる。
【0044】
更に対照的には、本開示のいくつかの側面は、十分な測定対象の表面がある限り(例えば、セル領域は支配的なまま)、実質的に拡大された(および、いくつかの側面では、無制限の)範囲を提供できる。例えば、本開示のいくつかの側面は、興味のある領域を特定するためにウェーハトポグラフィが測定される前に補正を適用でき(例えば、異なる領域に重みを適用することによって)、これらの興味のある領域のみにおいてウェーハトポグラフィに従ってウェーハ表面をセンサ焦点面に保つために、ウェーハトポグラフィの測定中にサーボコントロールを使用できる。本開示のいくつかの側面は、実際の高さ測定が始まる前に取得または生成されるデータに基づいて、これらの興味のある領域を定められる。例えば、本開示のいくつかの側面は、同じレベルセンサLS、異なるセンサ、任意の他の適切なデバイス、またはこれらの任意の組合せを使用して、このデータを実際の高さ測定が始まる前に取得または取得できる。他の例では、本開示のいくつかの側面が、計測データ(例えば、別の計測ツール)、GDSファイルまたはデザインレイアウト(例えば、ユーザによって提供される、または、ストレージデバイスから取得される)、任意の他の適切なデータまたは電子情報、またはこれらの任意の組合せに基づいて、このデータを実際の高さ測定が始まる前に生成できる。
【0045】
いくつかの側面では、本開示が、基板における第1サブ領域および第2サブ領域を表す基板における領域のデータを受け取るシステムを記述する。受け取られたデータは、例えば、第1高さセンシングデバイス、GDSファイル、または両方から受け取られた高さ情報を含みうる。いくつかの側面では、二つのサブ領域の一方のみに興味がある(例えば、リソグラフィプロセスのための重要領域)。つまり、高さ測定においては、例えば、第1サブ領域における高さのみが正確に測定される必要がある。第1サブ領域(例えば、受け取られたデータ)に対応する基板におけるこれらの「重要」領域を選択することによって、次の測定ステップ中にこれらの選択された領域がデバイス測定範囲(例えば、焦点が合っている)内で測定されうる。これは、デバイスが選択された領域のいずれかにある際に選択された領域が測定範囲内に収まるように、基板およびデバイスを相対的に移動させること(例えば、サーボコントロール)によって行われてもよい。なお、高さセンシングデバイスは、典型的には測定中の基板のトポグラフィ、従って、各瞬間の範囲外の領域にも「従う」。
【0046】
いくつかの側面では、第2領域(例えば、興味のないまたは重要でない領域)に対応する領域が、測定範囲内に収まらない。これらの領域では、基板およびデバイスが相対的に移動できない(例えば、相互の距離を調整するためのサーボコントロールがない)。このように、第1領域によって定められる距離が保たれうる。他の側面では、重要領域および重要でない領域の両方が、高さセンシングデバイスの測定範囲内で保たれうる(例えば、サーボオフセットを使用して)。
【0047】
いくつかの側面では、正確な高さ測定のために使用される興味のある領域を定義または選択することが、異なるサブ領域に重みを適用することによって実行されうる。いくつかの側面では、サブ領域が測定範囲内にあることを担保するために、通常であれば基板の位置調整をもたらすサーボコントロール信号が無視されうる。いくつかの側面では、コントロールマップが、二つより多いレベルまたは表面を出力として含みうる。このように、コントロールマップは、異なる重みを有する複数の領域を含みうる。いくつかの側面では、「粗いマップ」が、第1(例えば、粗い)高さセンシングデバイスによって臨機応変に測定されうる。つまり、第1高さセンシングデバイスからのデータが処理され、期待値と直接的に比較されうる。値が所定範囲内であれば、対応する領域が第2(例えば、細かい)高さセンシングデバイス(例えば、サーボコントロール下の)によって測定されうる。いくつかの側面では、許容範囲外(例えば、領域が測定範囲にない)である場合、補正信号がサーボに送られない。
【0048】
いくつかの側面では、デバイストポグラフィが再現され、本開示のいくつかの側面が、粗い測定を層当たり一回使用してデバイストポグラフィをキャリブレーションできる。粗いキャリブレーション測定は、レベルセンサ自体によって、または、広範囲を有する別のセンサと共に実現されうる。レベルセンサの取得スポット(または測定スポット)によって、このような粗い測定が複数の高さで測定を実行することによって実行されうる。いくつかの側面では、測定が層当たり一回実行されればよいため、タイムクリティカルでない。このように、ダイ、セルの主要領域が正確に測定されうる。
【0049】
いくつかの側面では、ここで開示されるレベルセンサが、平均フィールド(例えば、図4を参照して記述されるような)について層当たり一回のキャリブレーションシーケンスを実行できる。例えば、ここで開示されるレベルセンサは、以下のことを行うように構成されうる。
1.一または複数のフィールドを大きいZ範囲スキャンで密に測定する
2.LS高さマップ(広範囲)を演算する
3.次のウェーハについて取得Zレベル(例えば、最大領域を有するレベル)および安全位置を定める
4.サーボコントロールについて有効位置を定める
5.例えば、不十分なゲインを有する、または、センサの測定範囲(例えば、線型範囲)外にあるフィールド位置を無効化する
6.有効位置(例えば、興味のある領域)上の取得
7.有効領域上のみのサーボ(例えば、初期キャリブレーションからの有効マップを使用する)
8.測定されたウェーハマップおよびフィールド内マップ(例えば、平均露光フィールドについてキャリブレーションされたデバイストポグラフィマップ)からの信頼できるデータサブセットを使用して、高さプロファイルをレポートする
【0050】
いくつかの側面では、ここで開示される方法が、サーボ高さの周りのレベルセンサゲインも測定することによって拡張されうる。例えば、ここで開示される方法は、フィールドを有する異なる位置、異なるサーボ高さでゲインを測定することを更に含みうる。どのサーボ高さでゲインが有効であるかを判定することによって、レベルセンサLSは、例えば、信頼度の指標としてゲインを使用することによって、どのサーボ高さでレベルセンサLSが信頼できる信号を生成するかを判定できる。
【0051】
一例では、ここで開示される方法が、異なる高さでのスキャンを実行し、演算されたそれぞれのゲインがそれぞれの特定の高さにおいて「期待通り」であるか否かを判定することによって、全てのフィールドポイント(例えば、セルおよび周辺の両方を含む)においてゲインを演算することを更に含みうる。ゲインが「期待通り」である場合、方法は、特定の高さ測定が有効であると判定することを更に含みうる。ゲインが「期待通りでない」(例えば、ゲインが不十分)場合、方法は、特定の高さ測定が有効でないと判定することを更に含みうる。換言すれば、特定の位置におけるゲインが不十分な場合、これらの位置は無効化されうる、または、全フィールドに亘って十分なゲインが得られるようにサーボ高さ目標が調整されうる。結果として、ここで開示される方法は、例えば、周期的レベルセンサの周期性を克服することによって、周期的レベルセンサの範囲を拡大できる。
【0052】
いくつかの側面では、ここで開示される方法が、露光セットポイント演算においてデバイスフィンガープリントを使用することによって、更に拡張されうる。いくつかの場合には、露光軌道の演算において周辺を無視すること、または、フォーカス感度がフィールドにおける位置の関数として既知の場合に「仕様におけるダイ」と同様の最適化をフィンガープリント上で実行することも有益である。
【0053】
いくつかの側面では、ウェーハのトポグラフィを測定するためにここで開示されるレベルセンサを使用することにユーザが興味を持ちうる。いくつかの側面では、ユーザが正確に測定することに興味を持ちうるウェーハの領域が、レベルセンサの測定スポットサイズより大きくなりうる。例えば、ユーザが頂面、底面、または3D NAND構造間の任意の領域を測定することに興味を持つ場合、測定スポットが当該領域内にフィットするように構成されうる。いくつかの側面では、正確に測定されることができない他の領域が、ユーザにとって主な興味の対象ではなく、レベルセンサは、(i)これらの領域の測定が無効であると宣言し、これらを使用しないこと、または(ii)キャリブレーションマップとの組合せでこれらの領域の測定を使用すること(例えば、キャリブレーションマップに基づいて、これらの測定に重みの組を適用することによって)、のいずれかを行える。
【0054】
いくつかの側面では、ウェーハの領域が正確に測定されうるか否かをレベルセンサが検出するように構成されうる。例えば、レベルセンサは、被測定表面上のゲインを分析し、当該ゲインを期待ゲインと比較することによって、領域が正確に測定されうるか否かを検出するように構成されうる。他の例では、レベルセンサが、Z軸に沿ってノイズを含むがXY平面において高い空間解像度を有するキャリブレーションマップを使用することによって、領域が正確に測定されうるか否かを検出するように構成されうる。キャリブレーションマップを取得または生成するために、レベルセンサは、取得スポット(例えば、粗い測定スポット)または測定スポット(例えば、細かい測定スポット)を異なる期間(例えば、このためスポットサイズが見かけ上より小さくなる)に使用するように構成されうる。続いて、レベルセンサは、特定の測定結果の読み取りを無効化する、または、それらをキャリブレーションされた(例えば、不正確な)値によって置き換えるためにキャリブレーションマップを使用するように構成されうる。いくつかの側面では、キャリブレーションマップ自体が無効な領域(例えば、レベルセンサが測定できない、または、測定することが許されない領域)を含みうる。いくつかの側面では、レベルセンサが、これらの領域を測定するために使用されるセンサのゲインを再び分析することによって、これらの無効領域を検出するように構成されうる。
【0055】
いくつかの側面では、本開示が、コントローラおよび高さセンシングデバイスを含むシステムを提供する。コントローラは、基板の第1領域についての第1データを受け取るように構成されうる。ここで、第1領域は、(i)第1表面レベルを有する第1サブ領域、および(ii)第2表面レベルを有する第2サブ領域、を含む。コントローラは、第1データに基づいて測定コントロールマップを生成するように更に構成されうる。コントローラは、測定コントロールマップに基づいて高さ測定を制御するように更に構成されうる。高さセンシングデバイスは、測定範囲を有しうる。高さセンシングデバイスは、高さ測定を実行するように構成されうる。高さセンシングデバイスは、基板の第2領域についての第2データを生成するように更に構成されうる。ここで、第2領域は(iii)それぞれが第1表面レベルに略等しい測定範囲内に設けられる第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を含む。
【0056】
ここで開示されるシステム、装置、方法およびコンピュータプログラム製品には多くの便益がある。例えば、本開示は、スキャナにおける全てのトポグラフィ測定を実行することを提供する。他の例では、本開示が、全ての用途について単一のレベルセンサデザインを提供する。更に他の例では、本開示が高解像度を提供する。
【0057】
このような側面をより詳細に記述する前に、参考のために本開示の側面が実施されうる環境例を提示する。
【0058】
[リソグラフィシステム例]
図1は、本開示の側面が実施されうるリソグラフィ装置100の模式図である。図1に示されるように、リソグラフィ装置100は、XZ平面(例えば、X軸は右を向き、Z軸は上を向き、Y軸は紙面に垂直な方向を向く)に垂直な視点(例えば、側面視)から例示される。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、XY平面(例えば、X軸は右を向き、Y軸は上を向き、Z軸は紙面に垂直な方向を向く)に垂直な追加的な視点(例えば、上面視)から提示される。
【0059】
いくつかの側面では、リソグラフィ装置100は、以下の構造の一または複数を含みうる:放射ビームB(例えば、深紫外(DUV)放射ビームまたは極端紫外(EUV)放射ビーム)を調整するように構成される照明システムIL(例えば、イルミネータ)、パターニングデバイスMA(例えば、マスク、レチクル、動的パターニングデバイス)を支持するように構成され、パターニングデバイスMAを正確に配置するように構成される第1ポジショナPMに接続される支持構造MT(例えば、マスクテーブル)、基板W(例えば、レジストでコーティングされたウェーハ)を保持するように構成され、基板Wを正確に配置するように構成される第2ポジショナPWに接続される基板テーブルWT(例えば、ウェーハテーブル)等の基板ホルダ。リソグラフィ装置100は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに形成されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、一または複数のダイを含む部分)上に投影するように構成される投影システムPS(例えば、屈折投影レンズシステム)も有する。
【0060】
本実施形態では屈折型リソグラフィ装置が参照されるが、反射投影システムを備え、反射型パターニングデバイス向けに設けられるリソグラフィ装置も本開示の範囲内である。
【0061】
いくつかの側面では、稼働中に、照明システムILが放射源SOから放射ビームを受け取れる(例えば、図1に示されるビームデリバリシステムBDを介して)。照明システムILは、放射の方向付け、形成または制御のために、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型、静電型、および他のタイプの光学コンポーネント、またはこれらの任意の組合せ等の各種のタイプの光学構造を含みうる。いくつかの側面では、照明システムILが、パターニングデバイスMAの面上の断面において所望の空間および角度強度分布を有するように、放射ビームBを調整するように構成されうる。
【0062】
いくつかの側面では、支持構造MTが、参照フレーム、リソグラフィ装置100のデザイン、パターニングデバイスMAが真空環境に保持されるか否か等の他の条件に関するパターニングデバイスMAの方向に依存する態様でパターニングデバイスMAを保持できる。支持構造MTは、機械式、真空式、静電式、またはパターニングデバイスMAを保持するための他のクランピング技術を使用しうる。支持構造MTは、例えば、必要に応じて固定または可動のフレームまたはテーブルでもよい。センサを使用することによって、支持構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば、投影システムPSに対して所望の位置にあることを担保できる。
【0063】
用語「パターニングデバイス」MAは、例えば、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するために、放射ビームBの断面にパターンを形成するために使用されうる任意のデバイスを表すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに形成されたパターンは、集積回路を形成するために、ターゲット部分Cにおいて生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応しうる。
【0064】
いくつかの側面では、パターニングデバイスMAは、透過型(図1のリソグラフィ装置100におけるように)または反射型でもよい。パターニングデバイスMAは、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネル、他の適切な構造、またはこれらの組合せ等の各種の構造を含みうる。マスクは、バイナリ、レベンソン型位相シフト、ハーフトーン型位相シフト、および各種のハイブリッドマスクタイプ等のマスクタイプを含みうる。一例では、プログラマブルミラーアレイが、入射する放射ビームを異なる方向に反射するために、それぞれが個別に傾けられうる小ミラーの行列配置を含みうる。傾けられたミラーは、小ミラーの行列によって反射される放射ビームBにパターンを形成できる。
【0065】
用語「投影システム」PSは、広義に解釈されるべきであり、使用中の露光放射および/または液浸液(例えば、基板W上)または真空の使用等の他のファクタにとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、アナモルフィック型、電磁気型、静電型の光学システム、またはこれらの任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを包含しうる。他のガスが多くの放射または電子を吸収しうるため、真空環境はEUVまたは電子ビーム放射について使用されうる。従って、真空環境は、真空壁および真空ポンプによって、ビーム経路全体に提供されうる。加えて、用語「投影レンズ」のここでの使用は、いくつかの側面では、より一般的な用語「投影システム」PSと同義と解釈されうる。
【0066】
いくつかの側面では、リソグラフィ装置100が、二つ(例えば「デュアルステージ」)以上の基板テーブルWTおよび/または二つ以上のマスクテーブルを有するタイプでもよい。このような「複数ステージ」装置では、追加的な基板テーブルWTが並列的に使用されうる、または、準備ステップが一または複数のテーブル上で実行されながら、一または複数の他の基板テーブルWTが露光のために使用されうる。一例では、基板Wの後続の露光の準備ステップが一方の基板テーブルWT上に位置する基板W上で実行されながら、他方の基板テーブルWT上の他の基板Wが他の基板W上へのパターンの露光のために使用されうる。いくつかの側面では、追加的なテーブルが基板テーブルWTでなくてもよい。
【0067】
いくつかの側面では、基板テーブルWTに加えて、リソグラフィ装置100が測定ステージを含みうる。測定ステージは、センサを保持するように設けられうる。センサは、投影システムPSの特性、放射ビームBの特性、または両方を測定するように設けられうる。いくつかの側面では、測定ステージは、複数のセンサを保持できる。いくつかの側面では、基板テーブルWTが投影システムPSから離れている時に、測定ステージが投影システムPSの下方を移動できる。
【0068】
いくつかの側面では、リソグラフィ装置100が、投影システムPSおよび基板Wの間の空間を満たすために、基板の少なくとも一部が比較的高い屈折率を有する水等の液体によって覆われうるタイプでもよい。液浸液は、リソグラフィ装置における他の空間、例えば、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSの間に適用されてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数の増加をもたらす。ここで使用される用語「液浸」は、基板等の構造が液体に浸らなければならないことを意味するのではなく、露光中に液体が投影システムおよび基板の間に位置することのみを意味する。各種の液浸技術は、その全体が参照によって本書に援用される、2005年10月4日に発行された「リソグラフィ装置およびデバイス製造方法」というタイトルの米国特許番号6,952,253に記述されている。
【0069】
図1において、照明システムILは、放射源SOから放射ビームBを受け取る。例えば、放射源SOがエキシマレーザである場合、放射源SOおよびリソグラフィ装置100は物理的に別の物でもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置100の一部を構成するものではなく、適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダ等を含むビームデリバリシステムBD(例えば、図1に示される)によって、放射ビームBは放射源SOから照明システムILへ伝わる。他の場合、例えば、放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100の一部でもよい。放射源SOおよびイルミネータIL(必要に応じてビームデリバリシステムBDも共に)は、放射システムと表されうる。
【0070】
いくつかの側面では、照明システムILが、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを含みうる。一般的に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(それぞれ一般的に「σ-outer」および「σ-inner」と表される)が調整されうる。加えて、照明システムILは、インテグレータINおよび放射コレクタCO(例えば、コンデンサまたはコレクタ光学要素)等の各種の他のコンポーネントを含みうる。いくつかの側面では、断面において所望の均一性および強度分布を有するように、放射ビームBを調整するために照明システムILが使用されうる。
【0071】
いくつかの側面では、マスクアライメントマークM1およびM2および基板アライメントマークP1およびP2を使用して、パターニングデバイスMAおよび基板Wが整列されうる。図1は基板アライメントマークP1およびP2を、専用のターゲット部分を占めるものとして例示するが、基板アライメントマークP1およびP2は、ターゲット部分の間の空間に配置されてもよい。ターゲット部分Cの間に配置されている基板アライメントマークP1およびP2は、スクライブラインアライメントマークとして知られている。基板アライメントマークP1およびP2は、ターゲット部分C領域におけるダイ内マークとして設けられてもよい。これらのダイ内マークも、例えば、オーバーレイ測定のための計測マークとして使用されうる。
【0072】
いくつかの側面では、非限定的な例示の目的のために、一または複数の図がデカルト座標系を利用しうる。デカルト座標系は、X軸、Y軸、Z軸の三つの軸を含む。三つの軸のそれぞれは、他の二つの軸に直交する(例えば、X軸はY軸およびZ軸に直交し、Y軸はX軸およびZ軸に直交し、Z軸はX軸およびY軸に直交する)。X軸周りの回転は、Rx回転と表される。Y軸周りの回転は、Ry回転と表される。Z軸周りの回転は、Rz回転と表される。いくつかの側面では、X軸およびY軸が水平面を定め、Z軸が鉛直方向を向いている。いくつかの側面では、例えば、Z軸が水平面に沿った成分を有するように、デカルト座標系の方向が異なっていてもよい。いくつかの側面では、円筒座標系等の他の座標系が使用されうる。
【0073】
図1において、放射ビームBは支持構造MT上に保持されているパターニングデバイスMA上に入射し、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを通過した放射ビームBは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に集光する投影システムPSを通過する。いくつかの側面では、投影システムPSが、照明システム瞳に対する瞳共役を有する。いくつかの側面では、放射の部分が照明システム瞳における強度分布から出て、マスクパターンMPにおける回折によって影響されることなくマスクパターンを通過し、照明システム瞳における強度分布の像を生成する。
【0074】
投影システムPSは、マスクパターンMPの像MP’を、基板W上にコーティングされたレジスト層上に投影する。ここで、像MP’は、強度分布からの放射によってマスクパターンMPから生成される回折ビームによって形成される。例えば、マスクパターンMPは、線および空間のアレイを含みうる。アレイにおける放射の零次回折と異なる回折は、線に垂直な方向における方向の変化を伴った逸れた回折ビームを生成する。非回折ビーム(例えば、いわゆる零次回折ビーム)は、伝播方向における変化を伴うことなくパターンを通過する。零次回折ビームは、投影システムPSの瞳共役の上流において、投影システムPSの上方レンズまたは上方レンズ群を通過して瞳共役に到達する。瞳共役面において零次回折ビームと関連付けられる強度分布の部分は、照明システムILの照明システム瞳における強度分布像である。いくつかの側面では、実質的に投影システムPSの瞳共役を含む面に開口デバイスが配置されうる。
【0075】
投影システムPSは、レンズまたはレンズ群によって、零次回折ビームだけでなく、一次または一次および高次の回折ビーム(不図示)も取得するように設けられる。いくつかの側面では、線に垂直な方向に延びる線パターンを結像するためのダイポール照明が、ダイポール照明の解像度向上効果を利用するために使用されうる。例えば、一次回折ビームは、基板Wのレベルで対応する零次回折ビームと干渉し、可能な限り高い解像度およびプロセスウィンドウ(例えば、許容可能な露光ドーズ偏差との組合せでの使用可能な焦点深度)でマスクパターンMPの像を生成する。いくつかの側面では、照明システム瞳の反対の象限に放射極(不図示)を提供することによって、非点収差が低減されうる。更に、いくつかの側面では、反対の象限における放射極と関連付けられる投影システムPSの瞳共役における零次ビームをブロックすることによって、非点収差が低減されうる。これは、その全体が参照によって本書に援用される、2009年3月31日に発行された「リソグラフィ投影装置およびデバイス製造方法」というタイトルの米国特許番号7,511,799により詳細に記述されている。
【0076】
いくつかの側面では、例えば、放射ビームBの経路上の焦点および整列位置に異なるターゲット部分Cを配置するために、第2ポジショナPWおよび位置測定システムPMS(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、容量センサ等の位置センサを含む)によって、基板テーブルWTが正確に駆動されうる。同様に、第1ポジショナPMおよび他の位置センサ(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、容量センサ)(図1には示されない)が、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に配置するために使用されうる(例えば、マスクライブラリからの機械的取出後またはスキャン中)。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2および基板アライメントマークP1およびP2を使用して整列されうる。
【0077】
一般的に、支持構造MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を構成する長ストロークポジショナ(粗い位置決め)および短ストロークポジショナ(細かい位置決め)によって実現されうる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2ポジショナPWの一部を構成する長ストロークポジショナおよび短ストロークポジショナを使用して実現されうる。ステッパ(スキャナではなく)の場合の支持構造MTは、短ストロークアクチュエータのみに接続されてもよいし、固定されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2、基板アライメントマークP1およびP2を使用して整列されうる。基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めるが(例示されるように)、これらはターゲット部分の間の空間に配置されうる(例えば、スクライブラインアライメントマーク)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイが提供される状況では、マスクアライメントマークM1およびM2がダイの間に配置されうる。
【0078】
支持構造MTおよびパターニングデバイスMAは、真空内ロボットがマスク等のパターニングデバイスを真空チャンバ内外に駆動するために使用されうる真空チャンバV内にあってもよい。あるいは、支持構造MTおよびパターニングデバイスMAが真空チャンバ外にある場合、真空内ロボットと同様に真空外ロボットが各種の搬送動作のために使用されうる。いくつかの側面では、転写ステーションの固定されたキネマティックマウントへの任意のペイロード(例えば、マスク)の円滑な転写のために、真空内および真空外ロボットの両方がキャリブレーションされる必要がある。
【0079】
いくつかの側面では、以下のモードの少なくとも一つにおいてリソグラフィ装置100が使用されうる。
1.ステップモードでは、支持構造MTおよび基板テーブルWTが実質的に静止状態に保たれながら、放射ビームBに形成された全体パターンがターゲット部分C上に一度に投影される(例えば、単一静的露光)。そして、異なるターゲット部分Cが露光されるように、基板テーブルWTはXおよび/またはY方向にシフトされる。
2.スキャンモードでは、支持構造MTおよび基板テーブルWTが同時にスキャンされながら、放射ビームBに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される(例えば、単一動的露光)。支持構造MT(例えば、マスクテーブル)に対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの倍率および像反転特性によって決定されうる。
3.他のモードでは、プログラマブルパターニングデバイスMAを保持する支持構造MTが実質的に静止状態に保たれ、基板テーブルWTが駆動またはスキャンされながら、放射ビームBに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される。パルス放射源SOが利用されてもよく、基板テーブルWTの各移動後またはスキャン中の連続的な放射パルスの間に、プログラマブルパターニングデバイスが必要に応じて更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスMAを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用されうる。
【0080】
いくつかの側面では、リソグラフィ装置100が、前述された使用モードの組合せおよび/または変形、または全く異なる使用モードを利用してもよい。
【0081】
リソグラフィ装置100は、リソグラフィセルの一部を構成できる。リソグラフィセルは、露光前および露光後の処理を基板上で実行するための一または複数の装置も含みうる。例えば、これらの装置は、レジスト層を形成するためのスピンコータ、露光されたレジストを現像するためのディベロッパ、冷却プレート、ベークプレートを含みうる。基板ハンドラ(例えば、ロボット)は、入力/出力ポートから基板をピックアップし、それらを異なる処理装置の間で移動させ、リソグラフィ装置100のローディングベイまで搬送する。しばしば総称してトラックと表されるこれらのデバイスは、リソグラフィ制御ユニットを介してリソグラフィ装置も制御する監視制御システムによって制御されるトラック制御ユニットの制御下にある。このように、スループットおよび処理効率を最大化するために異なる装置が稼働されうる。
【0082】
[レベルセンサ例]
いくつかの側面では、レベルセンサ(例えば、トポグラフィ測定システムまたは高さセンサとも表される)が、リソグラフィ装置100に組み込まれ、基板Wの頂面のトポグラフィを測定するように設けられる。これらの測定から、コンピューティングシステム(例えば、図9に示されるコンピューティングシステム例1100)は、基板Wのトポグラフィのマップ(「高さマップ」とも表される)を生成できる。高さマップは、基板W上の位置の関数としての基板Wの高さを示す電子情報(例えば、データ、数値)を含みうる。続いて、コンピューティングシステムは、この高さマップを、適切にフォーカスされた基板W上の位置におけるパターニングデバイスMAの空間像を提供するために、基板W上へのパターンの転写中に基板Wの位置を補正または調整するために使用しうる。この文脈における「高さ」は、基板Wの頂面に平行な面から離れる寸法(例えば、Z軸)を広義に表すことが理解される。いくつかの側面では、レベルセンサが、固定された位置(例えば、自身の光学システムに対して)で測定を実行でき、基板Wおよびレベルセンサの光学システムの間の相対移動が、基板Wに亘る位置での高さ測定を可能にする。
【0083】
図2は、本開示のいくつかの側面に係るリソグラフィ装置例(例えば、図1のリソグラフィ装置100)のためのレベルセンサ例LSを含む環境例400を示す。図2に示されるように、レベルセンサ例LSは、XZ平面に垂直な視点(例えば、側面視)から例示される。図2は、レベルセンサ例LSの動作原理のみを例示するものと理解される。
【0084】
図2に示されるように、レベルセンサ例LSは、投影ユニットLSPおよび検出ユニットLSDを含む光学システムを含む。投影ユニットLSPは、投影ユニットLSPの投影格子PGRによってパターン形成される放射ビームLSBを提供する放射源LSOを含む。放射源LSOは、例えば、偏光または非偏光レーザビーム等の、偏光または非偏光のパルス式または連続式の超広帯域光源等の狭帯域または広帯域の放射源でもよい。いくつかの側面では、放射源LSOは、複数のLED等の異なる色または波長範囲を有する複数の放射源を含んでもよい。レベルセンサ例LSの放射源LSOは、可視放射に限定されず、いくつかの側面では、これに加えてまたは代えて、UVおよび/またはIR放射および基板Wの表面または基板Wにおける層からの反射に適した任意の波長範囲を包含してもよい。
【0085】
いくつかの側面では、投影格子PGRが、例えば、周期的に変動する強度を有するパターン形成された放射ビームBE1をもたらす周期構造を含む格子でもよい。パターン形成された放射ビームBE1は、入射する基板表面に垂直な軸(例えば、Z軸)に対して、0度および90度の間、いくつかの側面では70度および80度の間の入射角度ANGを有するように、基板W上の測定位置MLOに向けられうる。測定位置MLOでは、パターン形成された放射ビームBE1が基板Wによって反射され、反射されたパターン形成された放射ビームBE2(例えば、パターン形成された放射ビームBE1による測定位置MLOの照明に応じて、ウェーハWの表面から部分的または全体的に反射または屈折した放射ビーム)によって示されるように検出ユニットLSDに向けられうる。
【0086】
いくつかの側面では、測定位置MLOでの高さレベルを判定するために、レベルセンサ例LSが、検出格子DGR、検出器DET(例えば、光検出器、カメラ)、検出器DETの出力信号を処理するためのコンピューティングシステム(例えば、図9に示されるコンピューティングシステム例1100)を含む検出ユニットLSDを更に含みうる。いくつかの側面では、検出格子DGRの構造は、投影格子PGRの構造と同一でもよい。いくつかの側面では、検出器DETが、受け取られた光強度を示す、または、受け取られた強度の空間分布を表す検出器出力信号を生成できる。検出器DETは、光検出器、イメージングデバイス、カメラ、干渉計、または他の適切なデバイス、構造、またはこれらの組合せ等の一または複数の検出器タイプの任意の組合せを含みうる。
【0087】
いくつかの側面では、三角測量技術によって、コンピューティングシステムが、測定位置MLOにおける高さレベルを判定できる。検出された高さレベルは、検出器DETによって測定される信号強度に関連付けられる。いくつかの側面では、投影格子PGRのデザインおよび入射角度ANG(例えば、斜め)に部分的に依存する周期性を信号強度が有しうる。
【0088】
いくつかの側面では(簡潔性のために図2には示されない)、投影ユニットLSPおよび/または検出ユニットLSDが、投影格子PGRおよび検出格子DGRの間のパターン形成された放射ビームBE1および反射されたパターン形成されたビームBE2の経路に沿って配置される、レンズ、プリズム、ミラー、ビームスプリッタ(例えば、偏光ビームスプリッタ)、偏光器、偏光回転器、光学結晶(例えば、非線型光学結晶)、波長板、ウィンドウ、格子等の一または複数の光学構造を含みうる。
【0089】
いくつかの側面では、検出格子DGRが省略され、検出格子DGRが配置されていた位置に検出器DETが配置されうる。このような構成は、いくつかの側面では、投影格子PGRの像のより直接的な検出を可能にする。いくつかの側面では、基板Wの表面を効果的にカバーするために、レベルセンサ例LSが測定ビームBE1のアレイを基板Wの表面上に投影するように構成され、測定領域MLOまたはより大きい測定範囲をカバーするスポットのアレイを生成する。
【0090】
各種の高さセンサ例は、例えば、それぞれの全体が参照によって本書に援用される、2007年9月4日に発行された「リソグラフィ装置のためのレベルセンサ」というタイトルの米国特許番号7,265,364、2010年1月12日に発行された「リソグラフィ装置、レベルセンサ、検査方法、デバイス製造方法、およびそれによって製造されたデバイス」というタイトルの米国特許番号7,646,471に開示されている。可視または赤外放射の代わりにUV放射を使用する高さセンサ例は、例えば、その全体が参照によって本書に援用される、2014年9月23日に発行された「リソグラフィ装置のためのレベルセンサ配置およびデバイス製造方法」というタイトルの米国特許番号8,842,293に開示されている。検出格子なしで格子像の位置を検出および認識するために複数要素検出器を使用するコンパクトな高さセンサ例は、例えば、その全体が参照によって本書に援用される、2019年3月26日に発行された「レベルセンサ、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法」というタイトルの米国特許番号10,241,425に開示されている。
【0091】
図3は、本開示のいくつかの側面に係るレベルセンサ例500の模式図である。いくつかの側面では、図3に示されるように、レベルセンサ例500が、他の構造に加えて、オプションの第1レベルセンシングデバイス502、第2レベルセンシングデバイス504、レベルセンシングコントローラ510を含みうる。加えてまたは代えて、いくつかの側面では、レベルセンサ例500が、以上の図2および以下の図4図9を参照して記述される任意の構造、技術、方法、データ、特徴、またはこれらの任意の組合せを含みうる。
【0092】
いくつかの側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502が、一または複数の第1照明源、一または複数の第1照明センサ、任意の他の適切な構造、またはこれらの任意の組合せを含みうる。いくつかの側面では、一または複数の第1照明源が一または複数の可視スペクトル源を含み、一または複数の第1照明センサのそれぞれが可視スペクトルセンサを含みうる。いくつかの側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502が、ここで記述されるように、基板の第1領域についての第1レベルデータを生成するように構成されうる。いくつかの側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502が、第1解像度(例えば、粗い解像度)および第1測定期間で第1レベルデータを生成するように更に構成されうる。
【0093】
いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイス504が、一または複数の第2照明源および一または複数の第2照明センサを含みうる。いくつかの側面では、一または複数の第2照明源が一または複数の紫外スペクトル源を含み、一または複数の第2照明センサのそれぞれが紫外スペクトルセンサを含みうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイス504が、ここで記述されるように、測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成するように構成されうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイス504が、第2解像度(例えば、細かい解像度)および第2測定期間で第2レベルデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第1解像度が第2解像度より粗くてもよい。いくつかの側面では、第2測定期間が第1測定期間より短くてもよい。いくつかの側面では、第2レベルデータの測定ノイズが第1レベルデータの測定ノイズより小さくてもよい。例えば、第1レベルデータの第1測定ノイズは約5ミクロンより小さくてもよく、第2レベルデータの第2測定ノイズは約5ナノメートルより小さくてもよい。
【0094】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラ510が、一または複数のコンピューティングシステム、プロセッサ、メモリ、任意の他の適切な構造、およびこれらの組合せを含みうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラ510が、ここで記述されるように、第1レベルデータに基づいて、測定コントロールマップデータを生成するように構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラ510が、基板のデザインレイアウトを含むデザインレイアウトデータを受け取るように構成される通信回路を更に含む、または、このような通信回路と通信可能である。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータが、第1レベルデータを含みうる。他の側面では、レベルセンシングコントローラ510が、デザインレイアウトデータに基づいて、第1レベルデータを生成するように構成されうる。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータが、GDSデータファイルを含みうる。このような側面では、デザインレイアウトデータの受信が、第2レベルセンシングデバイス504のみを使用して第2レベルデータを生成することを可能にするため、オプションの第1レベルセンシングデバイス502がなくてもよい(そして、いくつかの側面ではレベルセンサ例500から省略されてもよい)。
【0095】
ここで記述されるいくつかの側面のための基礎として、本開示は、図2に示されるレベルセンサ例LS、図3に示されるレベルセンサ例500、図7A、7B、7C、7Dに示されるシステム例900、図9に示されるコンピューティングシステム例1100、またはこれらの組合せ等のレベルセンシングデバイスを提供するためのシステム、装置、方法、コンピュータプログラム製品を記述する。いくつかの側面では、レベルセンシングデバイスが、第2レベルセンシングデバイス、レベルセンシングコントローラ、いくつかの側面ではオプションの第1レベルセンシングデバイスを含みうる。いくつかの側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502および第2レベルセンシングデバイス504が、同じレベルセンシングデバイス(例えば、図2に示されるレベルセンサ例LS、図3に示されるレベルセンサ例500、図7A、7B、7C、7Dに示されるシステム例900、単一チップのレベルセンサ、または任意の他の適切なデバイスまたは構造)に含まれうる。他の側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502および第2レベルセンシングデバイス504が、エアゲージ(例えば、ガスゲージ近接センサ)および光学センサ等の二つの異なるレベルセンシングデバイスに含まれうる。いくつかの側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502が、可視スペクトルセンサを含みうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイス504が、紫外スペクトルセンサを含みうる。
【0096】
いくつかの側面では、照明(例えば、オプションの第1レベルセンシングデバイス502または第2レベルセンシングデバイス504による)がある瞬間には、基板を介して検出格子上に投影される投影格子を含む格子プレートをレベルセンサ例500が利用できる。いくつかの側面では、格子プレートが、(i)粗い測定のための取得スポットと、(ii)細かい測定のための測定スポットの、スポットの二つの組を含みうる。
【0097】
いくつかの側面では、オプションの第1レベルセンシングデバイス502が計測装置に設けられてもよく、第2レベルセンサがリソグラフィ装置100等の露光装置に設けられてもよい。計測装置は、スタンドアローン装置でもよいし、リソグラフィセルの一部でもよい。
【0098】
図4は、本開示のいくつかの側面に係るデータ環境例600の模式図である。いくつかの側面では、図4に示されるデータ環境例600が、レベルセンサ(例えば、図2に示されるレベルセンサ例LS、図3に示されるレベルセンサ例500、図7A、7B、7C、7Dに示されるシステム例900)によって層当たり一回実行されるデバイストポグラフィキャリブレーションの模式的表現を提供する。
【0099】
図4に示されるように、いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスが、基板602の第1領域(例えば、図1および図2に示される基板W、図7A、7B、7C、7Dに示される基板5、図5Aに示される基板740)のための第1レベルデータ610を生成するように構成されうる。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスが、第1領域604A、604B、604C、604D、604E等の基板602の表面上の異なる位置に配置される複数の第1領域604の平均に基づいて、第1レベルデータ610を生成するように構成されうる。
【0100】
いくつかの側面では、基板602の第1領域(例えば、複数の第1領域604の一つ、または、複数の第1領域604のうち二つ以上の平均)が、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を含みうる。例えば、図4に示されるように、第1領域のための第1レベルデータ610は、第1表面レベルを有する第1サブ領域614Aを含み、第2表面レベルを有する第2サブ領域612Aを含みうる。いくつかの側面では、第2サブ領域612Aの幅が、第1サブ領域614Aの幅の約5パーセントと50パーセントの間でもよい。
【0101】
いくつかの側面では、第1領域のための第1レベルデータ610が、それぞれが略第1表面レベルの表面レベルを有する複数の第1サブ領域614A、614B…614Nを更に含みうる。いくつかの側面では、第1領域のための第1レベルデータ610が、それぞれが略第2表面レベルの表面レベルを有する複数の第2サブ領域612A、612B…612Nを更に含みうる。
【0102】
いくつかの側面では、第2表面レベルが、第1表面レベルより低くてもよい。例えば、第1レベルセンシングデバイスの表面および第1表面の間の第1距離は、第1レベルセンシングデバイスの表面および第2表面の間の第2距離より小さくてもよい。一例では、第1表面レベルおよび第2表面レベルの間の差が、約15ミクロンより大きくてもよい。他の例では、第1表面レベルおよび第2表面レベルの間の差が、約50ミクロンより大きくてもよい。
【0103】
非限定的な一例では、第1表面レベルがメモリセルの頂面に対応し、第2表面レベルがメモリセルに近接配置される周辺の底面に対応しうる。例えば、複数の第1サブ領域614A、614B…614Nのそれぞれが、メモリセルの頂面に対応し、複数の第2サブ領域612A、612B…612Nのそれぞれが、メモリセルに近接配置される周辺の底面(例えば、トレンチ)に対応しうる。
【0104】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータ610に基づいて、測定コントロールマップデータ620を生成するように構成されうる。例えば、図4に示されるように、測定コントロールマップデータ620は、「測定有効」サブ領域624Aおよび「測定無効」サブ領域622Aを含みうる。いくつかの側面では、「測定有効」サブ領域624Aの幅が、第1サブ領域614Aの幅より小さく(例えば、僅かに狭く)てもよく、「測定無効」サブ領域622Aの幅が、第2サブ領域612Aの幅より大きく(例えば、僅かに広く)てもよい。例えば、「測定無効」サブ領域622Aの幅は、「測定有効」サブ領域624Aの幅の約20パーセントでもよい。
【0105】
いくつかの側面では、測定コントロールマップデータ620が、それぞれが略第1表面レベルの表面レベルを有する複数の「測定有効」サブ領域624A、624B…624Nを更に含みうる。いくつかの側面では、測定コントロールマップデータ620が、それぞれが略第2表面レベルの表面レベルを有する複数の「測定無効」サブ領域622A、622B…622Nを更に含みうる。非限定的な例示の目的のために、複数の第1サブ領域614A、614B…614Nおよび複数の第2サブ領域612A、612B…612Nの間の境界が、測定コントロールマップデータ620上に点線として重畳されている。
【0106】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、複数の第1サブ領域614A、614B…614Nのそれぞれへの第1重み値(例えば「1」)の適用に基づいて、複数の「測定有効」サブ領域624A、624B…624Nを生成するように構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、複数の第2サブ領域612A、612B…612Nのそれぞれ、および、いくつかの側面では、これらのサブ領域の周りのバッファ領域への第2重み値(例えば「0」)の適用に基づいて、複数の「測定無効」サブ領域622A、622B…622Nを生成するように構成されうる。
【0107】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、複数の第1サブ領域614A、614B…614Nのそれぞれへの第1メタデータフラグ(例えば「有効」)の適用に基づいて、複数の「測定有効」サブ領域624A、624B…624Nを生成するように構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、複数の第2サブ領域612A、612B…612Nのそれぞれ、および、いくつかの側面では、これらのサブ領域の周りのバッファ領域への第2メタデータフラグ(例えば「無効」)の適用に基づいて、複数の「測定無効」サブ領域622A、622B…622Nを生成するように構成されうる。
【0108】
いくつかの側面では、測定コントロールマップデータ620が、複数の第1サブ領域614A、614B…614Nに基づいて、かつ、複数の第2サブ領域612A、612B…612Nのいずれにも基づかずに、第2レベルデータ630を生成するための電子的指示を表してもよい。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、測定コントロールマップデータ620に基づいて、サーボコントロール信号を生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、サーボコントロールにおいて複数の「測定無効」サブ領域622A、622B…622Nを無視すること、および、サーボコントロールにおける取得位置を複数の「測定有効」サブ領域624A、624B…624Nに設定することを指示するように構成されてもよい。いくつかの側面では、測定コントロールマップデータ620が、サーボオフセットマップ(x,y)および有効性マップ(x,y)の少なくとも一つを含みうる。
【0109】
いくつかの側面では、複数の「測定有効」サブ領域624A、624B…624Nのそれぞれについて、測定コントロールマップデータ620が、「サーボを起動する」値、フラグ、制御信号(例えば、サーボオフセットマップに含まれる);1の値(例えば、有効性マップに含まれる);「有効」メタデータフラグ;任意の他の適切な特性を含みうる。いくつかの側面では、複数の「測定無効」サブ領域622A、622B…622Nのそれぞれについて、測定コントロールマップデータ620が、「サーボを停止する」値、フラグ、制御信号(例えば、サーボオフセットマップに含まれる);零の値(例えば、有効性マップに含まれる);「無効」メタデータフラグ;任意の他の適切な特性を含みうる。
【0110】
いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、特定のサーボオフセットを使用することを指示するように構成されうる。例えば、レベルセンシングコントローラは、第2レベルセンシングデバイス(例えば、細かいセンサ)に、特定のサーボオフセットを使用することを指示するために、第1レベルデータ610(例えば、粗いセンサ測定)を使用するように更に構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、略第3表面レベルでの基板602のトポグラフィに従うことを指示するように構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、測定プロセス中に第2レベルセンシングデバイスの測定範囲内(または、いくつかの側面では、略焦点面上)で第3表面レベルを保つことを指示するように更に構成されうる。いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、サーボ高さ目標を変更することを指示するように更に構成されうる。例えば、いくつかの側面では、サーボコントロール信号が、第2レベルセンシングデバイスに、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更すること(例えば、図6Bに示されるように)を指示するように更に構成されうる。
【0111】
いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、測定コントロールマップデータ620に基づいて、基板602の第2領域のための第2レベルデータ630を生成するように構成されうる。例えば、図4に示されるように、第2レベルデータ630は、第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する第3サブ領域634Aを含むが、第2表面レベルに等しい第4表面レベルを有する第4サブ領域632Aを含まない。
【0112】
いくつかの側面では、第2領域が、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域634A、634B…634Nを含みうる。いくつかの側面では、複数の第3サブ領域634A、634B…634Nが、複数の「測定有効」サブ領域624A、624B…624Nに対応しうる。
【0113】
いくつかの側面では、第2領域が、第2表面レベルに略等しい表面レベルを有するいずれの領域も含まない。例えば、第2領域は、複数の第4サブ領域632A、632B…632Nのいずれも含まない。一例では、第2領域が、複数の「測定無効」サブ領域622A、622B…622Nに対応する複数の第4サブ領域632A、632B…632Nのいずれも含まない。他の例では、第2領域が、それぞれが、零の値、「無効」メタデータフラグ、またはレベルセンシングコントローラに基板602のトポグラフィのマップ(例えば、高さマップ)の決定において当該高さ測定結果を使用しないことを指示するように構成される任意の他の適切な特性を含みうる、または、それらと関連付けられる、複数の第4サブ領域632A、632B…632Nを含みうる。
【0114】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、基板602のデザインレイアウトを含むデザインレイアウトデータを受け取るように構成される通信回路を更に含みうる、または、このような通信回路と通信可能である。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータが、GDSデータファイルを含みうる。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータが、第1レベルデータ610を含みうる。他の側面では、レベルセンシングコントローラが、デザインレイアウトデータに基づいて、第1レベルデータ610を生成するように構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、受け取られたデザインレイアウトデータ、生成された第1レベルデータ610、または両方に基づいて、測定コントロールマップデータ620を生成するように構成されうる。このような側面では、デザインレイアウトデータの受信が、第2レベルセンシングデバイスのみを使用して第2レベルデータ630を生成することを可能にする。
【0115】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第2レベルデータ630に基づいて、「高さマップ」とも表される基板602のトポグラフィのマップを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータ610に基づいて、第1トポグラフィマップデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第2レベルデータ630に基づいて、第2トポグラフィマップデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第2トポグラフィマップデータが、第1トポグラフィマップデータと異なってもよい。
【0116】
いくつかの側面では、複数の第1サブ領域614A、614B…614Nが、複数のメモリセルを含み、第1表面レベルが、複数のメモリセルの頂面に対応しうる。いくつかの側面では、複数のメモリセルが、複数の3D NANDメモリセルを含みうる。いくつかの側面では、複数の第2サブ領域612A、612B…612Nが、複数のメモリセルの各ペアの間に配置される複数の周辺を含み、第2表面レベルが、周辺の底面に対応しうる。いくつかの側面では、複数の第3サブ領域634A、634B…634Nが、複数のメモリセル、または、それらの部分を含みうる。ここで、複数のメモリセルのそれぞれの第3表面レベルは、複数のメモリセルのそれぞれの頂面に対応する。いくつかの側面では、測定コントロールマップデータ620が、複数のメモリセルに基づいて、かつ、複数のメモリセルのいずれの二つの間の周辺のいずれにも基づかずに、第2レベルデータ630を生成するための電子的指示を表しうる。いくつかの側面では、第2領域が、複数のメモリセルの任意のペアの間の周辺に対応する領域を含まない。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、複数のメモリセルの二つの間の周辺の底面を測定せずに(例えば、複数の第4サブ領域632A、632B…632Nのいずれも測定せずに)、第2レベルデータ630を生成するように構成されうる。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、複数のメモリセルの二つの間の周辺の底面に対応する全ての測定結果を破棄した(例えば、複数の第4サブ領域632A、632B…632Nを測定した後に破棄すること、零にすること、無効化することによって)後に、複数のメモリセルの二つの間の周辺の底面を測定せずに、第2レベルデータ630を生成するように構成されうる。
【0117】
図5Aは、本開示のいくつかの側面に係る例えばメモリセルのアレイのアーキテクチャ例700の模式図である。図5Aに示されるように、アーキテクチャ例700は、基板740を含みうる。いくつかの側面では、基板740が、幅742および長さ744を有しうる。いくつかの側面では、アーキテクチャ例700が、第1メモリセル721A(例えば、第1階段構造770Aを有する)、第2メモリセル721B(例えば、第2階段構造770Bを有する)、第1メモリセル721Aおよび第2メモリセル721Bの間の周辺722に近接配置されるCMOS構造760を更に含みうる。いくつかの側面では、第1階段構造770Aおよび第2階段構造770Bのそれぞれが、複数の層を有しうる。
【0118】
いくつかの側面では、第1表面レベル750が、第1メモリセル721Aの頂面、第2メモリセル721Bの頂面、または両方(例えば、平均値、設計値)に対応しうる。いくつかの側面では、第2表面レベル752が、周辺722の底面に対応しうる。いくつかの側面では、第1表面レベル750および第2表面レベル752の間の差が、約15ミクロンより大きくなりうる。例えば、第1メモリセル721A、第2メモリセル721Bの頂面、または両方の高さ754は、約16ミクロンになりうる。いくつかの側面では、第1表面レベル750および第2表面レベル752の間の差が、約50ミクロンより大きくなりうる。
【0119】
いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイスが、第1メモリセル721Aの頂面、第2メモリセル721Bの頂面、周辺722の底面に基づいて、第1レベルデータを生成するように構成されうる。
【0120】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータに基づいて、測定コントロールマップデータを生成するように構成されうる。例えば、測定コントロールマップデータは、第1「測定有効」サブ領域724A、第2「測定有効」サブ領域724B、および、図5Aに示されるアレイ例における第1「測定有効」サブ領域724Aおよび第2「測定有効」サブ領域724Bの外の全ての領域を含む「測定無効」サブ領域を含みうる。いくつかの側面では、「測定有効」サブ領域724Aの領域が、第1メモリセル721Aの頂面の領域より小さく、「測定有効」サブ領域724Bの領域が、第2メモリセル721Bの頂面の領域より小さくなりうる。例えば、第1「測定有効」サブ領域724Aの領域は、第1メモリセル721Aの頂面の領域より約10パーセント小さくてもよい。同様に、第2「測定有効」サブ領域724Bの領域は、第2メモリセル721Bの頂面の領域より約10パーセント小さくてもよい。
【0121】
いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、測定コントロールマップデータに基づいて、第1「測定有効」サブ領域724A、第2「測定有効」サブ領域724Bを含むが、第1「測定有効」サブ領域724Aおよび第2「測定有効」サブ領域724Bの外の領域は含まない第2レベルデータを生成するように構成されうる。結果として、第2レベルデータは、それぞれが第1表面レベル750に略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域に対応し、第2表面レベル752に略等しい表面レベルを有する領域に対応しない。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、周辺722の底面を測定せずに、第2レベルデータを生成するように構成される。いくつかの側面では、第2レベルセンシングデバイスが、周辺722に対応する全ての測定結果を破棄した後に(例えば、第1「測定有効」サブ領域724Aまたは第2「測定有効」サブ領域724Bに対応しない全ての測定結果を破棄した後に)、第2レベルデータを生成するように構成される。
【0122】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第2レベルデータに基づいて、「高さマップ」とも表されるアーキテクチャ例700のトポグラフィのマップを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータに基づいて、第1トポグラフィマップデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第2レベルデータに基づいて、第2トポグラフィマップデータを生成するように更に構成されうる。いくつかの側面では、第2トポグラフィマップデータが、第1トポグラフィマップデータと異なってもよい。例えば、第1トポグラフィマップデータは、第1表面レベル750における表面および第2表面レベル752における表面から(例えば、比較的粗い解像度で)取得される第1高さデータを含む一方、第2トポグラフィマップデータは、第1表面レベル750における表面から(例えば、比較的細かい解像度で)取得されるが、第2表面レベル752における表面からは取得されない第2高さデータを含みうる。
【0123】
図5Bは、本開示のいくつかの側面に係る例えばメモリセルのアレイのレイアウト例780の模式図である。いくつかの側面では、メモリセル781Aおよび781Bについてのレイアウト例が、CMOS構造760、第1メモリセル721A、第2メモリセル721B、第1メモリセル721Aおよび第2メモリセル721Bの間の周辺722等の図5Aを参照して記述された構造を含みうる。例えば、メモリセル781Aは、他の特徴および構造に加えて、第1メモリセル721A、「ダミー」階段構造772A、「アクティブ」階段構造774A、「測定有効」サブ領域724A、周辺722を含みうる。
【0124】
図5Bに示されるように、レイアウト例780は、メモリセル781A、781B、782A、782B、783A、783B、784A、784B、785A、785B、786A、786B、787A、787B、788A、788B、789A、789B、790A、790Bを含む複数のメモリセルアレイを含む最大露光フィールド792を更に含みうる。いくつかの側面では、最大露光フィールド792が、幅794および長さ796を有しうる。いくつかの側面では、第1レベルセンシングデバイス、第2レベルセンシングデバイス、または両方のスキャン方向が、矢印798によって示される。
【0125】
図5Cは、本開示のいくつかの側面に係るメモリセルアレイ例の側面視例799の模式図である。側面視例799は、複数のメモリセル721A、721B、721C等を示す。側面視例799は、それぞれ複数のメモリセル721A、721B、721C等の各ペアの間に配置される複数の周辺722A、722B等(例えば、周辺722Aはメモリセル721Aおよび721Bの間に配置される)を更に示す。
【0126】
側面視例799は、それぞれが略第1表面レベル750の表面レベルを有する、複数の「測定有効」サブ領域724A、724B、724C等を更に示す。側面視例799は、それぞれが略第2表面レベル752の表面レベルを有する、複数の「測定無効」サブ領域725A、725B等を更に示す。いくつかの側面では、複数のメモリセル721A、721B、721C等の高さ754(例えば、第1表面レベル750および第2表面レベル752の間の差)が、約15ミクロン、50ミクロン、または任意の他の適切な高さの値より大きくなりうる。
【0127】
いくつかの側面では、「測定無効」サブ領域725Aの幅が、周辺722Aの幅712Aより大きく、「測定有効」サブ領域724Bの幅が、第2メモリセル721Bの幅714Bより小さくなりうる。一例では、幅712Aが、周辺722Aおよび第2メモリセル721Bを合わせた幅715の約10パーセントとなり、幅714Bが、結合幅715の約90パーセントとなりうる。この例では、「測定無効」サブ領域725Aの幅が、結合幅715の約12パーセントとなり、「測定有効」サブ領域724Bの幅が、結合幅715の約88パーセントとなりうる。
【0128】
図6Aおよび6Bは、本開示のいくつかの側面に係る高さ測定データ例800および補正高さ測定データ例890を例示する。いくつかの側面では、ここで記述される方法が、サーボ高さの周りのレベルセンサゲインを更に測定することによって拡張されうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラ(例えば、図3に示されるレベルセンシングコントローラ510、図7Aに示されるコントローラ2、図9に示されるコンピューティングシステム例1100)がレベルセンサゲインも保存する、または、それへのアクセスも有する場合、フィールドの全表面(例えば、メモリセルおよび周辺の両方を含む)が、レベルデータを決定するために使用されうる。
【0129】
図6Aは、レベルセンサ(図2に示されるレベルセンサ例LS、図3に示されるレベルセンサ例500、オプションの第1レベルセンシングデバイス502、第2レベルセンシングデバイス504、図7A、7B、7C、7Dに示されるシステム例900または高さセンシングデバイス3、単一チップのレベルセンサ、またはこれらの組合せ)のサーボ高さ目標801を例示する。図6Aに更に示されるように、第1レベルセンシングデバイス、第2レベルセンシングデバイス、または両方のスキャン方向が、矢印898によって示される。図6Aに更に示されるように、サーボ高さの周りのレベルセンサゲインが、レベルセンサゲインカーブ802によって示される。
【0130】
いくつかの側面では、第1表面レベル測定値850が、メモリセル821の頂面に対応しうる。いくつかの側面では、第2表面レベル測定値852が、周辺822の底面に対応しうる。いくつかの側面では、メモリセル821の高さ854が、第1表面レベル測定値850および第2表面レベル測定値852の間の差によって示されうる。例えば、高さ854は、約15ミクロン、50ミクロン、または任意の他の適切な値より大きくなりうる。
【0131】
いくつかの側面では、図6Aに示されるように、領域812(例えば「無効な」レベルセンサの測定範囲外)、領域814(例えば「有効な」レベルセンサの測定範囲内)、領域816(例えば「無効な」レベルセンサの測定範囲外)に基づいて、レベルセンサがゲインに基づくキャリブレーションを実行できる。例えば、レベルセンシングコントローラは、第1表面レベル測定値850が領域814内に入ったと判定でき、結果として、第1表面レベル測定値850が「有効」と判定できる。他の例では、レベルセンシングコントローラが、第2表面レベル測定値852が領域812内に入ったと判定でき、結果として、第2表面レベル測定値852が「無効」と判定できる。
【0132】
いくつかの側面では、特定の位置において不十分なまたは予期しないレベルセンサゲインが存在しうる。このような側面では、レベルセンシングコントローラが、不十分なレベルセンサゲインを有するこれらの特定の位置を無効化できる。例えば、レベルセンシングコントローラは、フィールド内の異なる位置および異なるサーボ高さでゲインを測定できる。続いて、レベルセンシングコントローラは、どのサーボ高さでゲインが有効かを判定できる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、例えば、ゲインを信頼度の指標として使用することによって、どのサーボ高さでレベルセンサが信頼できる信号を生成するかを判定できる。
【0133】
一例では、レベルセンシングコントローラが、異なる高さでスキャンを実行することによって、全てのフィールドポイント(例えば、セルおよび周辺の両方を含む)におけるゲインを演算できる。そして、レベルセンシングコントローラは、それぞれ演算されたゲインが、それぞれの特定の高さで「期待通り」か否かを判定できる。ゲインが「期待通り」の場合、レベルセンシングコントローラは、特定の高さ測定が有効と更に判定できる。ゲインが「期待通りでない」場合(例えば、レベルセンサゲインが不十分な場合)、レベルセンシングコントローラは、特定の高さ測定が無効と更に判定できる。換言すれば、特定の位置でのレベルセンサゲインが不十分な場合、レベルセンシングコントローラは、これらの位置を無効化できる、および/または、全フィールドに亘って十分なゲインが得られるようにサーボ高さ目標を変更できる。例えば、図6Bに示されるように(例えば、範囲の半分のみが利用可能な図6Aと対照的に)、レベルセンシングコントローラは、全フィールドに亘って十分なゲインが得られるように、サーボ高さ目標801を変更できる。
【0134】
いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、サーボ高さの周りのレベルセンサゲインを測定できる。例えば、レベルセンシングコントローラは、異なる高さでスキャンを実行し、それぞれ演算されたゲインが、それぞれの特定の高さで「期待通り」か否かを判定することによって、全てのフィールドポイントにおけるゲインを演算できる。ゲインが「期待通り」の場合、レベルセンシングコントローラは、特定の高さ測定が有効と判定できる。ゲインが「期待通りでない」場合、レベルセンシングコントローラは、特定の高さ測定が無効と判定できる。結果として、レベルセンシングコントローラは、例えば、レベルセンサの周期性を克服することによって、レベルセンサの範囲を大きくできる。
【0135】
図6Bは、第1レベルセンシングデバイス、第2レベルセンシングデバイス、または両方の補正サーボ高さ目標803を例示する。いくつかの側面では、図6Bに示されるように、補正サーボ高さ目標803が、メモリセル821の頂面および周辺822の底面の間となりうる。図6Bに更に示されるように、サーボ高さの周りのレベルセンサゲインは、レベルセンサゲインカーブ804によって示される。
【0136】
いくつかの側面では、第3表面レベル測定値856が、メモリセル821の頂面に対応しうる。いくつかの側面では、第4表面レベル測定値858が、周辺822の底面に対応しうる。いくつかの側面では、メモリセル821の高さ854が、第3表面レベル測定値856および第4表面レベル測定値858の間の差によって示されうる。
【0137】
いくつかの側面では、図6Bに示されるように、レベルセンサが、領域812、領域814、領域816に基づいて、ゲインに基づくキャリブレーションを実行できる。例えば、レベルセンシングコントローラは、第3表面レベル測定値856が領域814内に入ったと判定でき、結果として、第3表面レベル測定値856が「有効」と判定できる。他の例では、レベルセンシングコントローラが、第4表面レベル測定値858も領域814内に入ったと判定でき、結果として、第4表面レベル測定値858も「有効」と判定できる。
【0138】
図7A、7B、7C、7Dは、本開示のいくつかの側面に係る追加的なレベルセンサ例、基板例、データ環境例、高さ測定データ例の例示である。加えてまたは代えて、いくつかの側面では、図7A、7B、7C、7Dに示されるレベルセンサ例、基板例、データ環境例、高さ測定データ例が、以上の図2図6および以下の図8図9を参照して記述される任意の構造、技術、方法、データ、特徴、またはこれらの任意の組合せを含みうる。いくつかの側面では、図7Cおよび7Dが、それぞれ、図6Aおよび6Bを参照して記述された任意の構造、技術、方法、データ、特徴を含みうる。
【0139】
図7Aは、いくつかの側面ではコントローラ2および高さセンシングデバイス3を含むシステム例900を示す。コントローラ2は、基板5の第1領域についての第1データ1(例えば、第1レベルデータ)を受け取るように構成されうる。第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域6(例えば、重要領域、興味のある領域、メモリセル)と、第2表面レベルを有する第2サブ領域7(例えば、重要でない領域、周辺、トレンチ)を含みうる。コントローラ2は、第1データ1に基づいて、測定コントロールマップを生成するように更に構成されうる。コントローラ2は、測定コントロールマップに基づいて、高さセンシングデバイス3の高さ測定を制御するように更に構成されうる。高さセンシングデバイス3は、測定範囲8(例えば、Z軸に沿って配置される線型範囲)を有してもよく、基板5は測定範囲8内にあってもよい。高さセンシングデバイス3は、測定放射4を使用した高さ測定を実行するように構成されうる。測定範囲8を提供するために、測定放射4の焦点は第1サブ領域6の略表面上にあってもよい。高さセンシングデバイス3は、基板5の第2領域についての第2データ(例えば、第2レベルデータ)を生成するように更に構成されうる。ここで、第2領域は、複数の第3サブ領域を含む。複数の第3サブ領域のそれぞれは、測定範囲8内に配置される第1サブ領域6の第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する。
【0140】
図7Bに示されるように、第1サブ領域6は高さセンシングデバイス3の測定範囲8内にあり、測定放射4は第1サブ領域6の略第1表面レベルに焦点が合っている。高さセンシングデバイス3が基板5のスキャンを続けると、第1サブ領域6から第2サブ領域7に進む。しかし、第2サブ領域7に入ると、コントローラ2は(例えば、測定コントロールマップに基づいて生成されるサーボコントロール信号を介して)、基板テーブルに、第2サブ領域7の測定中に基板5の表面トポグラフィに従って上昇しないように指示できる(例えば、当該重要でない領域の測定中に、サーボコントロールを無効化することによって)。あるいは、コントローラ2は、基板テーブルに、第2サブ領域7の測定中に基板5の表面トポグラフィに従って上昇することを意図的に指示しなくてもよい(例えば、測定コントロールマップに基づくサーボコントロール信号を送信しないという決定によって)。結果として、第2サブ領域7は高さセンシングデバイス3の測定範囲8外となり、測定放射4は第2サブ領域7の略第2表面レベルに焦点が合わない。このように、基板5は測定スキャン中に略同じレベルに留まり(例えば、基板5は第2サブ領域7を測定範囲8内に入れるために上方に駆動されず)、興味のある領域についての測定の失敗の低減と、測定スピードおよび精度の向上がもたらされる(例えば、第2サブ領域7を無視またはバイパスすることによって)。
【0141】
図7Cに示されるように、高さセンシングデバイス3による基板5の測定は、例えば、第2サブ領域7における測定結果10および第1サブ領域6における測定結果11を含む周期信号9をもたらす。測定結果10は、測定範囲8外(例えば、周期信号9の線型部分外である周期信号9の非線型部分内)の領域I内に入る。領域IIも測定範囲8外である。測定結果11は、周期信号9の線型部分(例えば、領域IおよびIIの間)によって示されるように、測定範囲8内に入る。
【0142】
いくつかの側面では、第1サブ領域6が高さセンシングデバイス3の測定範囲8内である場合、高さセンシングデバイス3は、周期信号9の線型部分内の高さセンシングデバイス3および基板5の間の相対距離における変化を測定する。ここで、高さセンシングデバイス3の測定信号および基板5の位置の間には1対1の関係がある(例えば、ゲイン=1)。いくつかの側面では、第2サブ領域7が高さセンシングデバイス3の測定範囲8外である場合、高さセンシングデバイス3は、非線型領域IおよびII内、周期信号9の非線型部分(例えば、領域I)内の高さセンシングデバイス3および基板5の間の相対距離における変化を測定する。ここで、高さセンシングデバイス3の測定信号および基板5の位置の間には1対1の関係がない(例えば、ゲイン≠1)。このように、いくつかの側面では、高さセンシングデバイス3が、相対距離におけるこれらの変化を不正確に測定する、または、全く測定しない。このように、コントローラ2は、基板5の全ての(x,y)位置について、有効および無効なサーボ位置を判定できる。
【0143】
いくつかの側面では、コントローラ2が、第1データ1に基づいて、領域IおよびIIを判定できる。いくつかの側面では、領域IおよびIIが高さセンシングデバイス3の範囲外であるため、コントローラ2はサーボ設定を無視できる、または、これらの領域内の測定を無効化できる。いくつかの側面では、コントローラ2が、第1データ1および/または領域IおよびIIに基づいて、第1サブ領域6の測定を、測定信号および基板テーブル位置の間に1対1の関係がある周期信号9の線型部分(例えば、測定範囲8の中央)の中央内に維持するように構成されるサーボコントロール信号を生成できる。
【0144】
図7Dは、図7Dの左側の高さセンシングデバイス3から図7Dの右側の高さセンシングデバイス3に向かう矢印によって示されるように、高さセンシングデバイス3および基板5の間の相対距離を調整することによる、ゲインに基づく有効性キャリブレーションを例示する。図7Dの左側の高さセンシングデバイス3に関して、測定放射4の焦点は第1サブ領域6の表面上および測定範囲8内にある。図7Dの右側の高さセンシングデバイス3に関して、基板5はサーボオフセット量によって上方に駆動されており、測定放射4の焦点は第1サブ領域6の表面下だが依然として測定範囲8内にある。いくつかの側面では、サーボオフセット量(例えば、測定範囲8の半分、または任意の他の適切な距離)によって基板5を保持する基板テーブルを上方に駆動するために、バイアスをサーボに適用することによって(例えば、全ての測定点について)、高さセンシングデバイス3および基板5の間の相対距離が調整されうる。このように、基板5がサーボオフセット量によって高さセンシングデバイス3の近くに駆動される結果、測定放射4の焦点が第1サブ領域6の表面直下に来る(例えば、第1サブ領域6の表面上ではなく)。サーボへのバイアスの適用の結果として、測定範囲8外だが測定結果10より周期信号9の線型部分に近い測定結果10’が領域I内に入る。測定結果11’は、周期信号9の線型部分によって示されるように測定範囲8内に入るが、測定結果11より周期信号9の線型部分の外側にある。
【0145】
いくつかの側面では、第2サブ領域7が高さセンシングデバイス3の焦点面内(例えば、測定範囲8内および周期信号9の線型部分内)にあることをコントローラ2が選択できる。いくつかの側面では(例えば、図6Bを参照して記述されたように)、第1サブ領域6および第2サブ領域7の両方が高さセンシングデバイス3の焦点面内にあることをコントローラ2が選択できる(例えば、第1サブ領域6および第2サブ領域7の間の高さの差がより小さいスカイスクレイパーアーキテクチャについて)。いくつかの側面では、コントローラ2が、ここで記述される技術を、三つ以上のレベルを有するマルチレベル基板に適用できる。例えば、上方の二つの層が興味のある領域である4レベル基板では、上方の二つの表面が高さセンシングデバイス3の焦点面内にあり、下方の二つの表面が高さセンシングデバイス3の焦点面外にあることをコントローラが選択できる。
【0146】
[レベルデータを生成するための処理例]
図8は、本開示のいくつかの側面またはそれらの部分に係るレベルデータを生成するための方法例1000である。方法例1000を参照して記述される動作は、以上の図1図7および以下の図9を参照して記述されるもの等の、ここで記述される任意のシステム、装置、コンポーネント、技術、またはそれらの組合せによって、または、これらに従って実行されうる。
【0147】
動作1002では、方法が、レベルセンシングコントローラ(例えば、図3に示されるレベルセンシングコントローラ510、図7Aに示されるコントローラ2、図9に示されるコンピューティングシステム例1100)によって、基板(例えば、図1および図2に示される基板W、図4に示される基板602、図5Aに示される基板740、図7A、7B、7C、7Dに示される基板5)の第1領域(例えば、図4に示される一または複数の第1領域604A、604B、604C、604D、604E、またはこれらに基づく平均領域)についての第1レベルデータ(例えば、図4に示される第1レベルデータ610)を受け取ることを含みうる。いくつかの側面では、第1領域が、第1表面レベル(例えば、図5Aおよび図5Cに示される第1表面レベル750)を有する第1サブ領域(例えば、図4に示される一または複数の第1サブ領域614A、614B…614N、図7A、7B、7C、7Dに示される第1サブ領域6)、および、第2表面レベル(例えば、図5Aおよび図5Cに示される第2表面レベル752)を有する第2サブ領域(例えば、図4に示される一または複数の第2サブ領域612A、612B…612N、図7A、7B、7C、7Dに示される第2サブ領域7)を含みうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータを含むデザインレイアウトデータを受け取り、受け取られたデザインレイアウトデータから第1レベルデータを抽出することによって、第1レベルデータを受け取れる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、デザインレイアウトデータを受け取り、受け取られたデザインレイアウトデータに基づいて第1レベルデータを生成することによって、第1レベルデータを受け取れる。いくつかの側面では、デザインレイアウトデータが、GDSデータファイルを含みうる。いくつかの側面では、レベルセンシングコントローラが、第1レベルデータを生成して直接的または間接的に第1レベルデータをレベルセンシングコントローラに送信した第1レベルセンシングデバイス(例えば、図2に示されるレベルセンサ例LS、図3に示されるオプションの第1レベルセンシングデバイス502、図7A、7B、7C、7Dに示される高さセンシングデバイス3またはこれらの組合せの一または複数の部分)から直接的または間接的に第1レベルデータを受け取れる。いくつかの側面では、第1レベルデータの受信が適切な機械的または他の方法を使用して実現されてもよく、以上の図1図7および以下の図9を参照して記述される任意の側面または側面の組合せに従って第1レベルデータを受け取ることを含む。
【0148】
動作1004では、方法が、レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて、測定コントロールマップデータ(例えば、図4に示される測定コントロールマップデータ620)を生成することを含みうる。いくつかの側面では、測定コントロールマップデータが、サーボオフセットマップ(x,y)、有効性マップ(x,y)、または組合せサーボオフセットおよび有効性マップ(x,y)を含みうる。いくつかの側面では、測定コントロールマップデータの生成が、適切な機械的または他の方法を使用して実現されてもよく、以上の図1図7および以下の図9を参照して記述される任意の側面または側面の組合せに従って測定コントロールマップデータを生成することを含む。
【0149】
動作1006では、方法が、第2レベルセンシングデバイス(例えば、図2に示されるレベルセンサ例LS、図3に示される第2レベルセンシングデバイス504、図7A、7B、7C、7Dに示される高さセンシングデバイス3、またはこれらの組合せの一または複数の部分)によって、測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータ(例えば、図4に示される第2レベルデータ630)を生成することを含みうる。いくつかの側面では、第2領域が、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域(例えば、図4に示される複数の第3サブ領域634A、634B…634N)を含みうる。オプションで、いくつかの側面では、第2領域が、第2表面レベルに略等しい表面レベルを有する領域を含まない。いくつかの側面では、第2レベルデータの生成が、適切な機械的または他の方法を使用して実現されてもよく、以上の図1図7および以下の図9を参照して記述される任意の側面または側面の組合せに従って第2レベルデータを生成することを含む。
【0150】
[コンピューティングシステム例]
開示の側面は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組合せにおいて実施されうる。開示の側面は、一または複数のプロセッサによって読み取られて実行されうる機械読取可能媒体に格納された命令としても実施されうる。機械読取可能媒体は、装置(例えば、演算デバイス)によって読み取り可能な形態で情報を格納または送信するための任意のメカニズムを含みうる。例えば、機械読取可能媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光学ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音声または他の態様の伝送信号(例えば、搬送波、赤外信号、デジタル信号)を含みうる。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーティン、命令、およびこれらの組合せは、特定のアクションを実行するものとしてここで記述されうる。しかし、このような記述は単に便宜的であり、このようなアクションは、実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーティン、命令、またはこれらの組合せを実行する演算デバイス、プロセッサ、コントローラ、または他のデバイスが実行し、その際にアクチュエータまたは他のデバイス(例えば、サーボモータ、ロボティックデバイス)に物理的な世界と相互作用させると理解されるべきである。
【0151】
各種の側面は、例えば、図9に示されるコンピューティングシステム例1100等の一または複数のコンピューティングシステムを使用して実施されうる。コンピューティングシステム例1100は、図2を参照して記述されたレベルセンサ例LS、図3を参照して記述されたレベルセンサ例500、レベルセンシングコントローラ510、または両方、図7A、7B、7C、7Dに示されたシステム例900、コントローラ2、高さセンシングデバイス3、またはこれらの組合せ、単一チップのレベルセンサ、任意の他の適切なシステム、サブシステム、コンポーネント、またはこれらの任意の組合せ等の、ここで記述される機能を実行可能な専用コンピュータでもよい。コンピューティングシステム例1100は、プロセッサ1104等の一または複数のプロセッサ(中央処理ユニットまたはCPUとも呼ばれる)を含みうる。プロセッサ1104は、通信基盤1106(例えば、バス)に接続される。コンピューティングシステム例1100は、ユーザ入力/出力インターフェース1102を通じて通信基盤1106と通信するモニタ、キーボード、ポインティングデバイス等のユーザ入力/出力デバイス1103も含みうる。コンピューティングシステム例1100は、メインメモリ1108(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の一または複数の主ストレージデバイス)も含みうる。メインメモリ1108は、一または複数のキャッシュのレベルを含みうる。メインメモリ1108は、制御ロジック(例えば、コンピュータソフトウェア)および/またはデータを格納している。
【0152】
コンピューティングシステム例1100は、副メモリ1110(例えば、一または複数の副ストレージデバイス)も含みうる。副メモリ1110は、例えば、ハードディスクドライブ1112および/またはリムーバブルストレージドライブ1114を含みうる。リムーバブルストレージドライブ1114は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光学ストレージデバイス、テープバックアップデバイス、および/または任意の他のストレージデバイス/ドライブでもよい。
【0153】
リムーバブルストレージドライブ1114は、リムーバブルストレージユニット1118と相互作用できる。リムーバブルストレージユニット1118は、コンピュータソフトウェア(制御ロジック)および/またはデータを格納しているコンピュータによって使用可能または読取可能なストレージデバイスを含む。リムーバブルストレージユニット1118は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光学ストレージディスク、および/または任意の他のコンピュータデータストレージデバイスでもよい。リムーバブルストレージドライブ1114は、リムーバブルストレージユニット1118に対する読み書きを行う。
【0154】
いくつかの側面によれば、副メモリ1110が、コンピュータプログラムおよび/または他の命令および/またはデータが、コンピューティングシステム例1100によってアクセスされることを可能にするための他の手段、機構または他のアプローチを含みうる。このような手段、機構または他のアプローチは、例えば、リムーバブルストレージユニット1122およびインターフェース1120を含みうる。リムーバブルストレージユニット1122およびインターフェース1120の例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに存在するもの等)、リムーバブルメモリチップ(EPROMまたはPROM等)および関連ソケット、メモリスティックおよびUSBポート、メモリカードおよび関連メモリカードスロット、および/または任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連インターフェースを含みうる。
【0155】
コンピューティングシステム例1100は、通信インターフェース1124(例えば、一または複数のネットワークインターフェース)を更に含みうる。通信インターフェース1124は、コンピューティングシステム例1100が、リモートデバイス、リモートネットワーク、リモートエンティティ等(個別におよび総称してリモートデバイス1128と表される)の任意の組合せと通信して相互作用することを可能にする。例えば、通信インターフェース1124は、コンピューティングシステム例1100が、LAN、WAN、インターネット等の任意の組合せを含みうる有線および/または無線の通信経路1126上で、リモートデバイス1128と通信することを可能にしうる。制御ロジック、データ、または両方は、通信経路1126を介して、コンピューティングシステム例1100との間で通信されうる。
【0156】
以上の本開示の側面における動作は、多様な構成およびアーキテクチャにおいて実施されうる。従って、以上の側面における動作の一部または全部は、ハードウェア、ソフトウェアまたは両方において実行されうる。いくつかの側面では、有形の、非一時的な装置または製品が、コンピュータプログラム製品またはプログラムストレージデバイスとも表される制御ロジック(ソフトウェア)を格納した有形の、非一時的なコンピュータによって使用可能または読取可能な媒体を含む。これは、コンピューティングシステム例1100、メインメモリ1108、副メモリ1110およびリムーバブルストレージユニット1118および1122、および上記の任意の組合せを体現する有形の製品を含むが、これらに限定されない。このような制御ロジックは、一または複数のデータ処理デバイス(コンピューティングシステム例1100等)によって実行される時、このようなデータ処理デバイスをここで記述されるように動作させる。
【0157】
本開示に含まれる教示によれば、図9に示されたものと異なるデータ処理デバイス、コンピュータシステムおよび/またはコンピュータアーキテクチャを使用して開示の側面を製造および使用する方法は当業者にとって明らかである。特に、開示の側面は、ここで記述されたものと異なるソフトウェア、ハードウェアおよび/またはオペレーティングシステム実装と共に稼働できる。
【0158】
本テキストにおいてICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な参照がなされたかもしれないが、ここで記述されるリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリのためのガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、薄膜磁気ヘッド等の製造等の他の適用例を有しうると理解されるべきである。当業者は、このような代替的な適用例の文脈において、用語「ウェーハ」または「ダイ」の使用が、それぞれ、より一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」と同義と解釈されてもよいと理解する。ここで言及された基板は、露光の前または後に、例えば、トラックユニット(典型的には、レジストの層を基板に適用し、露光されたレジストを現像するツール)、計測ユニットおよび/または検査ユニットにおいて処理されうる。適切な場合には、ここでの開示が、このような他の基板処理ツールに適用されうる。更に、例えば多層ICを製造するために基板は複数回に亘って処理されてもよく、ここで使用される用語「基板」は複数の既に処理された層を含む基板を表してもよい。
【0159】
ここでの表現または用語は非限定的な記述を目的としており、本明細書の用語または表現は、ここでの教示の下で当業者によって解釈されると理解される。
【0160】
ここで使用される用語「基板」は、その上に材料層が加えられる材料を記述する。いくつかの側面では、基板自体にパターンが形成されてもよく、その上に加えられる材料にもパターンが形成されてもよいし、パターンが形成されないままでもよい。
【0161】
ここで開示される例は、本開示の実施形態の非限定的な例示である。多様な条件およびパラメータの他の適切な変更および適合も現場では普通のことで、当業者にとって明らかであり、開示の精神および範囲に含まれる。
【0162】
具体的な開示の側面が前述されたが、側面は記述されたものと異なる態様で実施されうると理解される。記述は、開示の実施形態を限定する趣旨ではない。
【0163】
背景、要約、概要ではない詳細な説明は、請求項を解釈するために使用される趣旨であると理解される。要約および概要は、発明者によって考案された一または複数の実施形態例を記述するかもしれないが、全ての実施形態例を記述するものではなく、従って、本実施形態および添付された請求項をいかなる態様でも限定するものではない。
【0164】
特定の機能およびそれらの関係の実装を例示する機能ブロックを利用して、いくつかの開示の側面が前述された。これらの機能ブロックの境界は、記述の便宜のために任意に定められた。特定の機能およびそれらの関係が適切に実行される限り、他の境界が定められうる。
【0165】
具体的な開示の側面の以上の記述は、側面の一般的な性質を完全に明らかにし、技術分野における知識を適用することによって、第三者が各種の適用例のために、このように具体的な側面を、過度の実験なしで、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、容易に変更できる、および/または、適合させられる。従って、このような適合および変更も、ここで提示された教示およびガイダンスに基づいて、開示された側面の均等物の意味および範囲に含まれる。
【0166】
発明の側面は、以下の項目において記述される。
1.基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取り、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成するように構成されるレベルセンシングコントローラと、測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成するように構成される第2レベルセンシングデバイスと、を備え、第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備え、第2領域は、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える、システム。
2.レベルセンシングコントローラは、第1レベルデータを備えるデザインレイアウトデータを受け取るように構成される、項目1に記載のシステム。
3.デザインレイアウトデータは、グラフィックデータシステム(GDS)データファイルを備える、項目2に記載のシステム。
4.第1レベルデータを生成し、第1レベルデータを送信するように構成される第1レベルセンシングデバイスを更に備え、レベルセンシングコントローラは、第1レベルセンシングデバイスから第1レベルデータを受け取るように構成される、項目1に記載のシステム。
5.第1レベルセンシングデバイスは、第1解像度での第1レベルデータを生成するように更に構成され、第2レベルセンシングデバイスは、第2解像度での第2レベルデータを生成するように更に構成され、第2解像度は、第1解像度より高い。項目4に記載のシステム。
6.第1レベルセンシングデバイスは、可視スペクトルセンサを備え、第2レベルセンシングデバイスは、紫外スペクトルセンサを備える、項目4に記載のシステム。
7.レベルセンシングコントローラは、第1サブ領域への第1重み値の適用および第2サブ領域への第2重み値の適用に基づいて、測定コントロールマップデータを生成するように構成される、項目1に記載のシステム。
8.第1重み値は約1であり、第2重み値は約0である、項目7に記載のシステム。
9.レベルセンシングコントローラは、第1レベルデータに基づいて第1トポグラフィマップデータを生成し、第2レベルデータに基づいて第2トポグラフィマップデータを生成するように構成され、第2トポグラフィマップデータは第1トポグラフィマップデータと異なる、項目1に記載のシステム。
10.レベルセンシングコントローラは、測定コントロールマップデータに基づいて、サーボコントロール信号を生成するように構成され、サーボコントロール信号は、第2レベルセンシングデバイスに、略第3表面レベルでの基板のトポグラフィに従い、測定プロセス中に第2レベルセンシングデバイスの測定範囲内で第3表面レベルを保つことを指示するように構成される、項目1に記載のシステム。
11.サーボコントロール信号は、第2レベルセンシングデバイスに、サーボ高さ目標を変更することを指示するように構成される、項目10に記載のシステム。
12.サーボコントロール信号は、第2レベルセンシングデバイスに、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更することを指示するように構成される、項目11に記載のシステム。
13.基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取り、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成するように構成されるレベルセンシングコントローラと、測定コントロールマップデータに基づいて、基板の第2領域についての第2レベルデータを生成するように構成される第2レベルセンシングデバイスと、を備え、第1領域は、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備え、第2領域は、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える、装置。
14.レベルセンシングコントローラによって、第1表面レベルを有する第1サブ領域および第2表面レベルを有する第2サブ領域を備える基板の第1領域についての第1レベルデータを受け取ることと、レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて測定コントロールマップデータを生成することと、
第2レベルセンシングデバイスによって、測定コントロールマップデータに基づいて、それぞれが第1表面レベルに略等しい第3表面レベルを有する複数の第3サブ領域を備える基板の第2領域についての第2レベルデータを生成することと、を備える方法。
15.レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータを備えるデザインレイアウトデータを受け取ることを更に備える、項目14に記載の方法。
16.第1レベルセンシングデバイスによって、第1レベルデータを生成することを更に備える、項目14に記載の方法。
17.レベルセンシングコントローラによって、第1サブ領域への第1重み値の適用および第2サブ領域への第2重み値の適用に基づいて、測定コントロールマップデータを生成することを更に備える、項目14に記載の方法。
18.レベルセンシングコントローラによって、第1レベルデータに基づいて第1トポグラフィマップデータを生成することと、レベルセンシングコントローラによって、第2レベルデータに基づいて第2トポグラフィマップデータを生成することと、を更に備え、第2トポグラフィマップデータは第1トポグラフィマップデータと異なる、項目14に記載の方法。
19.レベルセンシングコントローラによって、測定コントロールマップデータに基づいて、サーボコントロール信号を生成することと、第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、略第3表面レベルでの基板のトポグラフィに従うことと、第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、測定プロセス中に測定範囲内で第3表面レベルを保つことと、を更に備える項目14に記載の方法。
20.第2レベルセンシングデバイスによって、サーボコントロール信号に基づいて、サーボ高さ目標を第1表面レベルおよび第2表面レベルの間に変更することを更に備える、項目19に記載の方法。
【0167】
本開示の幅および範囲は、前述された側面例または実施形態例によって限定されるべきでなく、以下の請求項およびそれらの均等物のみに応じて定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9