(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】パターンフィルム、パターンフィルムの製造方法、およびこれを含む透過度可変デバイス
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20240228BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240228BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
G02F1/13 505
G09F9/00 313
(21)【出願番号】P 2022539451
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 KR2021001474
(87)【国際公開番号】W WO2021167272
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0019601
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チェオロック
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ハン ミン
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ナム ソク
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジェヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、スン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ギム、ミンジュン
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-530423(JP,A)
【文献】特開2002-148636(JP,A)
【文献】国際公開第2019/022564(WO,A1)
【文献】特開2020-024267(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0100575(KR,A)
【文献】国際公開第2015/008758(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/022565(WO,A1)
【文献】特表2015-508910(JP,A)
【文献】特表2009-501953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1339
G02F 1/13
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層
、および
前記基材層上に形成されたスペーサパターン
、
を含むパターンフィルムであって、
前記スペーサパターンは、複数のスペーサドット(dot)と、前記スペーサドットとスペーサドットを連結するスペーサライン(line)とを含む隔壁スペーサ、およびボールスペーサを含み、
少なくとも一つの前記隔壁スペーサに、前記ボールスペーサが組み込み、一部組み込み、または接する形態で含まれ、
前記複数のスペーサドット(dot)のうち任意に3以上を選択し、前記選択されたスペーサドット(dot)で取り囲まれた閉図形を形成するように前記スペーサライン(line)
が形成
され、前記閉図形の内部にスペーサドット(dot)が存在せず、
前記閉図形をなす辺の長さのうち少なくとも一つが残りの辺とは異なり、
前記スペーサドット(dot)の不規則度は50%以上であ
り、
LED光源から前記パターンフィルムに光を通過させた際、光が通過する領域を基準として長方形の200×200ピクセル領域を設定し、
前記長方形の200×200ピクセル領域の左下端角をx軸、y軸(0、0)基準、(0、0)~(200、200)の長方形200×200のピクセル領域は、下記式3を満たし、
[式3]
2≦D1-D2(%)≦10
式3の中、
D1は、パターンフィルムのスペーサドットの不規則度が0%である場合の回折比率を意味し、
D2は、パターンフィルムのスペーサドットの不規則度が70%である場合の回折比率を意味し、
前記回折比率は、下記式4を満たし、
[式4]
[1-Sc/S]×100(%)
式4の中、
Sは、前記(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域での全体光量を意味し、
Scは、前記(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域中の(100、100)を原点とし、半径が50ピクセルを有する領域のピクセル光量を意味する、
パターンフィルム。
【請求項2】
前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)および前記ボールスペーサの平均粒径(D)は、下記式1を満たす
、
[式1]
1.0≦T/D≦20
請求項1に記載のパターンフィルム。
【請求項3】
前記基材層は、無機基材層または有機基材層である、請求項1または2に記載のパターンフィルム。
【請求項4】
前記スペーサパターンの光学密度(Optical density)は、0.4以上4以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のパターンフィルム。
【請求項5】
前記スペーサパターンの線幅は、10μm以上200μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のパターンフィルム。
【請求項6】
前記基材層の全体面積(A)、および前記基材層上に形成されたスペーサパターンの前記基材層に接する面の面積(B)が、下記式2を満たす
、
[式2]
5≦[B/A]×100(%)≦30
請求項1から5のいずれか一項に記載のパターンフィルム。
【請求項7】
前記隔壁スペーサの高さ(H)の平均値が2μm以上100μm以下であり、前記隔壁スペーサの高さの標準偏差が0.05μm以上0.5μm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載のパターンフィルム。
【請求項8】
前記ボールスペーサの粒径の標準偏差が0.8μm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載のパターンフィルム。
【請求項9】
前記閉図形をなす辺の長さのうち、同一の長さを有する辺の比率が85%未満である、請求項1から8のいずれか一項に記載のパターンフィルム。
【請求項10】
基材層を準備するステップ
、
前記基材層の一面にボールスペーサが含まれた紫外線硬化型樹脂層を形成するステップ
、
前記紫外線硬化型樹脂層にフィルムマスクをラミネーション(Lamination)するステップ
、
前記フィルムマスク側から紫外線を照射するステップ
、
前記フィルムマスクを前記紫外線硬化型樹脂層から剥離するステップ
、および
前記紫外線硬化型樹脂層の未硬化領域を剥離するステップ
、
を含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載のパターンフィルムを製造する、パターンフィルムの製造方法。
【請求項11】
請求項1~
9のいずれか1項に記載のパターンフィルム
、および
前記パターンフィルムと対向配置され、前記パターンフィルムのスペーサパターンにより前記パターンフィルムとの間隔が維持された基板
、
を含む、透過度可変デバイス。
【請求項12】
前記パターンフィルムと前記基板との間に垂直配向力を有する接着剤層を含む、請求項
11に記載の透過度可変デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年02月18日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2020-0019601号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【0002】
本明細書は、パターンフィルム、パターンフィルムの製造方法、およびこれを含む透過度可変デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
透過度可変デバイスは、太陽光の透過率を調節できる機能性フィルムを意味し得る。
【0004】
透過度可変デバイスは、少なくとも2以上の異なる状態の間をスイッチングできるデバイスを意味する。このようなデバイスは、例えば、メガネまたはサングラスなどのアイウェア(eyewear)、モバイル機器、仮想現実(VR:Virtual Reality)用機器、拡張現実(AR:Augmented Reality)用機器のようなウェアラブル(wearable)デバイス、または車両のサンルーフなどに用いられるなど、その用途が次第に拡大している。
【0005】
透過度可変デバイスは、外部から流入される光の透過および遮断が容易であるため、建築用スマートウィンドウ、自動車用サンルーフ、および透明ディスプレイの遮光フィルムとして活用することができる。この際、透過度可変デバイスは、両基板の間に一定のセルギャップ(cell gap)を維持することが必須である。
【0006】
セルギャップを維持するための方法としては、ボールスペーサ(Ball Spacer)およびカラムスペーサ(Column Spacer)、そしてメッシュ(Mesh)、ハニカム(Honeycomb)パターンのような隔壁を代表的に用いることができる。しかし、ボールスペーサ(Ball Spacer)およびカラムスペーサ(Column Spacer)の場合、大面積に垂直にフィルムが置かれる際に、重力により液相が下端に偏って発生する外観不良の問題が発生している。このため、透過度可変デバイス分野においては、隔壁をパターン化させる技術により外観不良の問題を解決しようとする研究が進められている。
【0007】
特に、隔壁をパターン化させる技術において、メッシュ(Mesh)またはハニカム(Honeycomb)構造の隔壁を規則パターンに形成し、ボールスペーサ(Ball spacer)を含まないパターンが開発された。
【0008】
しかし、前記規則パターンの場合、光が透過した際、特定の方向に光の回折(diffraction)現象が発生し、乱反射による特定事物の視認性が低下するなどの問題が発生している。
【0009】
したがって、セルギャップを維持するとともに透過度可変デバイスの視認性を増大できる研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本明細書は、パターンフィルム、パターンフィルムの製造方法、およびこれを含む透過度可変デバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本出願の一実施態様は、基材層;および前記基材層上に形成されたスペーサパターンを含むパターンフィルムであって、
前記スペーサパターンは、複数のスペーサドット(dot)と、前記スペーサドットとスペーサドットを連結するスペーサライン(line)とを含む隔壁スペーサ、およびボールスペーサを含み、
少なくとも一つの前記隔壁スペーサに、前記ボールスペーサが組み込み、一部組みく込み、または接する形態で含まれ、
前記複数のスペーサドット(dot)のうち任意に3以上を選択し、前記選択されたスペーサドット(dot)で取り囲まれた閉図形を形成するように前記スペーサライン(line)を形成した際、前記閉図形の内部にスペーサドット(dot)が存在せず、
前記閉図形をなす辺の長さのうち少なくとも一つが残りの辺とは異なり、
前記スペーサドット(dot)の不規則度は50%以上である、パターンフィルムを提供する。
【0013】
他の一実施態様において、基材層を準備するステップ;前記基材層の一面にボールスペーサが含まれた紫外線硬化型樹脂層を形成するステップ;前記紫外線硬化型樹脂層にフィルムマスクをラミネーション(Lamination)するステップ;前記フィルムマスク側から紫外線を照射するステップ;前記フィルムマスクを前記紫外線硬化型樹脂層から剥離するステップ;および前記紫外線硬化型樹脂層の未硬化領域を剥離するステップを含む、パターンフィルムの製造方法を提供しようとする。
【0014】
最後に、本出願のまた他の一実施態様において、本出願に係るパターンフィルム;および前記パターンフィルムと対向配置され、前記パターンフィルムのスペーサパターンにより前記パターンフィルムとの間隔が維持された基板を含む、透過度可変デバイスを提供しようとする。
【発明の効果】
【0015】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムは、スペーサパターンが隔壁スペーサおよびボールスペーサを含み、前記スペーサパターンをなすスペーサドットの不規則度が50%以上であることにより、セルギャップを維持するとともに、パターンの不規則度を導入することで、既存の四角形(mesh)または六角形(honeycomb)の1種類のパターンから、多様なパターンを含むパターンの構造を拡張し、不規則度を導入することで、これを含む透過度可変デバイスは、回折現象を改善することができるため、乱反射が低減され、視認性に優れるという特徴を有するようになる。
【0016】
また、本出願に係るパターンフィルムの製造において、無溶剤タイプの紫外線硬化型樹脂層を用いることにより、製造工程上のコーティングおよび露光工程を一括で行うことができるため、工程費用および時間が節減されるという効果を有し、大面積の均一な高さを有するパターンを形成できるという特徴を有するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本出願の一実施態様によるパターンフィルムの側面図を示す図である。
【
図2】スペーサパターンが規則パターンを有する場合を示す上面図である。
【
図3】四角形スペーサパターンの50%不規則度を操作する方法に関する図である。
【
図4】四角形スペーサパターンの50%不規則度を操作した後のパターンを示す図である。
【
図5】本出願の一実施態様によるパターンフィルムの回折比率を測定する装置を示す概略図である。
【
図6】本出願の一実施態様によるパターンフィルムの回折比率の測定方法を示す図である。
【
図7】本出願の一実施態様によるパターンフィルムの製造工程を概略的に示す図である。
【
図8】本出願の実施例1によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図9】本出願の実施例2によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図10】本出願の比較例1によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図11】本出願の実施例3によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図12】本出願の実施例4によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結を示す図である。
【
図13】本出願の比較例2によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図14】本出願の実施例5によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図15】本出願の実施例6によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図16】本出願の比較例3によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図17】本出願の実施例7によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図18】本出願の実施例8によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【
図19】本出願の比較例4によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本明細書についてさらに詳しく説明する。
【0019】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。但し、本発明は、種々の異なる形態に実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0020】
本出願の一実施態様は、基材層;および前記基材層上に形成されたスペーサパターンを含むパターンフィルムであって、
前記スペーサパターンは、複数のスペーサドット(dot)と、前記スペーサドットとスペーサドットを連結するスペーサライン(line)とを含む隔壁スペーサ、およびボールスペーサを含み、
少なくとも一つの前記隔壁スペーサに、前記ボールスペーサが組み込み、一部組み込み、または接する形態で含まれ、
前記複数のスペーサドット(dot)のうち任意に3以上を選択し、前記選択されたスペーサドット(dot)で取り囲まれた閉図形を形成するように前記スペーサライン(line)を形成した際、前記閉図形の内部にスペーサドット(dot)が存在せず、
前記閉図形をなす辺の長さのうち少なくとも一つが残りの辺とは異なり、
前記スペーサドット(dot)の不規則度は50%以上である、パターンフィルムを提供する。
【0021】
本出願の一実施態様において、前記隔壁スペーサは、複数のスペーサドット(dot)と、前記スペーサドットとスペーサドットを連結するスペーサライン(line)とから形成され、前記スペーサドット(dot)は、本出願において、不規則度を調節する因子として用いられるものであって、前記スペーサラインで連結されるスペーサパターンが形成される場合、前記スペーサラインおよびスペーサドットは、隔壁スペーサと表示することができる。
【0022】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムは、スペーサパターンが隔壁スペーサおよびボールスペーサを含み、前記スペーサドットの不規則度が50%以上であることにより、セルギャップを維持するとともに、パターンの不規則度を導入することで、既存の四角形(mesh)または六角形(honeycomb)の1種類のパターンから、多様なパターンを含むパターンの構造を拡張し、不規則度を導入することで、これを含む透過度可変デバイスは、回折現象を改善することができるため、乱反射が低減され、視認性に優れるという特徴を有するようになる。
【0023】
本出願の一実施態様において、前記スペーサドットの不規則度が50%であるとは、それぞれのスペーサドットの配置において、選択されたスペーサドットの正常ピッチ(pitch)の50%の半径(0.5ピッチ)を有する円領域内で、前記スペーサドットを無作為に移動して不規則なスペーサパターンを有することを意味する。
【0024】
すなわち、スペーサドットの不規則度がX%であるとは、選択されたスペーサドットの正常ピッチ(pitch)のX%の半径(0.Xピッチ)を有する円領域内で、前記スペーサドットを無作為に移動して不規則度がX%を満たすことを意味し得る。
【0025】
具体的に、前記不規則度を操作する方法は下記のとおりである。
【0026】
不規則度が0、50、70%であるスペーサドットは、乱数座標発生プログラム(CAD)を用いて、次のような方式により設計することができる。先ず、全体面積が約10mm程度の基材層上に、100個の点を280μm、940μmの間隔(Pitch)で、規則的(不規則度が0%)に四角形(Mesh)または六角形配列で配置する。
【0027】
四角形配列の場合、4個のスペーサドットを任意に選択して構成した正方形において、個別スペーサドットが各スペーサを基準として正常ピッチ(P)の50%の半径(0.5P)、または70%の半径(0.7P)を有する円領域内で無作為に移動するようにプログラムをセッティングして、個別スペーサドットを移動させ、不規則度(50%または70%)を有するスペーサパターン配置を構成する。六角形配列の場合、6個のスペーサドットを選択して構成した正六角形の構成にのみ差があり、残りの過程は四角形配列と同様である。
【0028】
個別スペーサドットの直径を設定し、スペーサドットとスペーサドットを連結するスペーサラインを形成し、最終的にスペーサパターンを完成する。この際、形成されたスペーサパターンは、四角形パターンだけでなく、五角形、六角形のパターンが形成されてもよく、六角形配列パターンも、六角形だけでなく、四角形、五角形、七角形のパターンが形成されてもよい。
【0029】
図2は、スペーサドットが規則パターンを有する場合を示す上面図である。具体的に、メッシュ(mesh)パターンおよびハニカム(honeycomb)パターンを有する場合の上面図であって、各パターンの正常ピッチおよび線幅を確認することができる。
【0030】
図3は、四角形スペーサパターンの50%不規則度を操作する方法に関する図である。すなわち、四角形配列の場合、4個のスペーサドットを任意に選択して構成した正方形において、個別スペーサドットが各スペーサドットを基準として正常ピッチ(P)の50%の半径(0.5P)を有する円領域内で無作為に移動するようにプログラムをセッティングして、個別スペーサドットを移動させ、不規則度(50%)を有するスペーサ配置パターンを構成することを確認することができる。
【0031】
図4は、四角形スペーサパターンの50%不規則度を操作した後のパターンを示す図である。具体的に、
図3の操作により形成した四角形スペーサパターンの50%不規則度を有するパターンであって、
図2とは異なり、ピッチの間隔が異なることを確認することができた。
【0032】
本出願の一実施態様において、前記スペーサパターンの不規則度は、50%以上であってもよく、90%未満であってもよい。
【0033】
他の一実施態様において、前記スペーサパターンの不規則度は、50%以上90%未満、好ましくは50%以上80%未満、より好ましくは50%以上75%未満であってもよい。
【0034】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムは、スペーサパターンが隔壁スペーサおよびボールスペーサを含み、前記スペーサパターンの不規則度が前記範囲を満たすことにより、既存の四角形(mesh)または六角形(honeycomb)の1種類のパターンから、多様なパターンを含むパターンの構造を拡張し、不規則度を導入することで、これを含む透過度可変デバイスは、回折現象を改善することができるため、乱反射が低減された、視認性に優れるという特徴を有するようになる。
【0035】
図1は、本出願の一実施態様によるパターンフィルムの側面図を示す図であって、前記パターンフィルムは、基材層10上にスペーサパターンを有し、前記スペーサパターンは、隔壁スペーサ20およびボールスペーサ30を含むことを確認することができ、少なくとも一つの前記隔壁スペーサに、前記ボールスペーサが組み込み、一部組み込み、または接する形態で含まれることを確認することができる。
【0036】
特に、
図1においては、ボールスペーサが含まれる形態を具体的に確認することができ、隔壁スペーサにボールスペーサが組み込まれたとは、内部に完全に組み込まれた形態を意味し、一部組み込まれたとは、ボールスペーサが隔壁スペーサの内部に組み込まれ、ボールスペーサの一部は外部に露出された形態を有する形態を意味し、接する形態で含まれるとは、前記隔壁スペーサの一面と前記ボールスペーサの一面が接することを意味する。
【0037】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドット(dot)のうち任意に3以上を選択し、前記選択されたスペーサドット(dot)で取り囲まれた閉図形を形成するように前記スペーサライン(line)を形成した際、前記閉図形の内部にスペーサドット(dot)が存在せず、前記閉図形をなす辺の長さのうち少なくとも一つが異なってもよい。
【0038】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドット(dot)のうち任意に3以上10以下を選択し、前記選択されたスペーサドット(dot)で取り囲まれた閉図形を形成するように前記スペーサライン(line)を形成した際、前記閉図形の内部にスペーサドット(dot)が存在せず、前記閉図形をなす辺の長さのうち少なくとも一つが異なってもよい。
【0039】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドット(dot)のうち任意に3以上6以下を選択し、前記選択されたスペーサドット(dot)で取り囲まれた閉図形を形成するように前記スペーサライン(line)を形成した際、前記閉図形の内部にスペーサドット(dot)が存在せず、前記閉図形をなす辺の長さのうち少なくとも一つが異なってもよい。
【0040】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドットのうち任意に3個のスペーサドットを選択し、これを頂点として取り囲まれた閉図形は三角形であってもよい。
【0041】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドットのうち任意に4個のスペーサドットを選択し、これを頂点として取り囲まれた閉図形は四角形であってもよい。
【0042】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドットのうち任意に5個のスペーサドットを選択し、これを頂点として取り囲まれた閉図形は五角形であってもよい。
【0043】
本出願の一実施態様において、前記複数のスペーサドットのうち任意に6個のスペーサドットを選択し、これを頂点として取り囲まれた閉図形は六角形であってもよい。
【0044】
本出願の一実施態様において、前記閉図形をなす辺の長さのうち最大長さは、50μm以上2,500μm以下である、パターンフィルムを提供する。
【0045】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムは、前記スペーサパターンの不規則度が50%を超過するものであって、前記閉図形である三角形、四角形、または六角形において、同一の長さを有する辺の比率が85%未満であってもよい。
【0046】
一つの例示において、上記のように形成された閉図形である三角形、四角形、または六角形の辺のうち同一の長さを有する辺の個数の比率(%)(三角形の場合は100×(同一長さの辺の個数)/3、四角形の場合は100×(同一長さの辺の個数)/4、六角形の場合は100×(同一長さの辺の個数)/6)は、85%未満であってもよい。前記比率は、他の例示において、84%以下、80%以下、76%以下、67%以下、55%以下、または40%以下であってもよい。前記比率の下限は特に制限されない。すなわち、場合によっては、前記閉図形の全ての辺の長さが同一ではなくてもよいため、前記比率の下限は0%であってもよい。
【0047】
すなわち、前記スペーサパターンが同一の間隔を有する規則パターンではなく、不規則度が50%を超過するものであって、これを含む透過度可変デバイスは、回折現象を改善することができるため、乱反射が低減された、視認性に優れるという特徴を有するようになる。
【0048】
本出願の一実施態様において、前記隔壁スペーサの高さ(H)の平均値が2μm以上100μm以下であり、前記隔壁スペーサの高さの標準偏差が0.05μm以上0.5μm以下である、パターンフィルムを提供する。
【0049】
他の一実施態様において、前記隔壁スペーサの高さ(H)の平均値が2μm以上100μm以下であり、好ましくは5μm以上90μm以下、より好ましくは10μm以上80μm以下であってもよい。
【0050】
また他の一実施態様において、前記隔壁スペーサの高さの標準偏差が0.05μm以上0.5μm以下であり、好ましくは0.05μm以上0.4μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.3μm以下であってもよい。
【0051】
本出願の一実施態様において、前記スペーサパターンの線幅は、10μm以上200μm以下である、パターンフィルムを提供する。
【0052】
前記スペーサパターンの線幅は、例えば、10μm~200μmであってもよく、他の例示において、12μm以上、13μm以上、14μm以上、15μm以上、16μm以上、17μm以上、18μm以上、19μm以上、20μm以上、21μm以上、22μm以上、23μm以上、24μm以上、25μm以上、または26μm以上であるか、200μm以下、195μm以下、180μm以下、170μm以下、160μm以下、150μm以下、149μm以下、148μm以下、147μm以下、または146μm以下であってもよい。
【0053】
本出願の一実施態様において、前記スペーサパターンのピッチ(pitch)は、50μm以上1,500μm以下である、パターンフィルムを提供する。
【0054】
前記スペーサパターンのピッチは、例えば、50μm以上1,500μm以下であってもよく、他の例示において、50μm以上、100μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、または280μm以上であるか、1,500μm以下、1,400μm以下、または1,000μm以下であってもよい。
【0055】
前記スペーサパターンのピッチおよび線幅は、本出願の目的を損なわない範囲内で適宜選択されてもよい。
【0056】
本出願の一実施態様において、前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)および前記ボールスペーサの平均粒径(D)は、下記式1を満たす、パターンフィルムを提供する。
[式1]
1.0≦T/D≦20
【0057】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムが前記式1を満たす場合、隔壁スペーサ下部の硬化度が適しており、後続工程(現像工程:Develop process)に用いられるストリッパ(stripper)溶液、洗浄溶液、または現像圧力(1bar以上)によるスペーサパターンの下部が基材層から脱離するのを防止できるという特徴を有するようになる。すなわち、前記式1が1.0未満の値を有する場合には、隔壁スペーサ下部の硬化度が充分ではなく、後続工程(現像工程:Develop process)に用いられるストリッパ(stripper)溶液、洗浄溶液、または現像圧力(1bar以上)によりスペーサパターンの下部が基材層から脱離し、隔壁スペーサが失われるという問題が発生し得る。また、前記式1が20超過である場合には、隔壁スペーサ交差区間(スペーサドット区間)に過硬化現象が発生して、隔壁スペーサ以外の領域にも硬化が発生し、この場合、選択的露光/現像による隔壁スペーサの製造を難しくするという問題が発生し得る。
【0058】
本出願の一実施態様において、前記隔壁スペーサの線幅(T)は、その後のこれを含む透過度可変デバイスの透過率可変度を考慮して適宜調節されてもよい。
【0059】
具体的に、前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)は、10μm~200μmであってもよく、他の例示において、20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、または80μm以上であるか、190μm以下、180μm以下、170μm以下、160μm以下、150μm以下、140μm以下、130μm以下、120μm以下、110μm以下、100μm以下、または90μm以下であってもよい。
【0060】
本出願において、前記ボールスペーサの平均粒径(D)は、その後のこれを含む透過度可変デバイスの上部基板と下部基板との間の間隔を考慮して調節されてもよい。例えば、前記ボールスペーサの平均粒径(D)は、1μm~15μmであってもよく、他の例示において、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、または8μm以上であるか、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下、11μm以下、10μm以下、または9μm以下であってもよい。
【0061】
本出願の一実施態様において、前記ボールスペーサの粒径の標準偏差が0.8μm以下である、パターンフィルムを提供する。
【0062】
他の一実施態様において、前記ボールスペーサの粒径の標準偏差が0.8μm以下、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下であってもよく、0.05μm以上であってもよい。
【0063】
本出願の一実施態様において、前記スペーサパターンの光学密度(Optical density)は、0.4以上4以下である、パターンフィルムを提供する。
【0064】
前記光学密度は、前記スペーサパターンの透過率(transmittance、単位:%)を測定した後、これを光学密度の数式(光学密度=-log10(T)、Tは前記透過率)に代入して求めることができる。
【0065】
他の一実施態様において、前記スペーサパターンの光学密度(Optical density)は、0.4以上4.0以下、好ましくは0.5以上3.5以下、より好ましくは1.0以上3.0以下を満たしてもよい。
【0066】
光の透過率、色相、または反射率を調節できる透過度可変デバイスにおいて、スペーサパターンが存在する領域は光学的に不活性領域となり、本出願に係るパターンフィルムが前記光学密度の範囲を満たすことにより、光漏れを調節することができ、スペーサパターンの製造安定性を実現することで、その後の透過度可変デバイスに適用時に均一な光学性能を確保できるという特徴を有するようになる。すなわち、前記光学密度の範囲未満である場合には、デバイスの駆動時に光学的に不活性領域であるスペーサパターンの内部を通過することとなって光漏れの問題が発生し得るし、光学密度が前記範囲を超過する場合には、低い透過率(0.01%)を実現するブラック粒子(カーボンブラックなど)の含量が増加して高分子樹脂のUV硬化を妨害することにより、パターンの製造不良をもたらすという問題が発生し得る。
【0067】
本出願の一実施態様において、前記基材層としては、特に制限されず、LCD(Liquid Crystal Display)のような公知の光学デバイスの構成において、基板に用いられる任意の基材層が適用されてもよい。例えば、基材層は、無機基材層であるか、または有機基材層であってもよい。無機基材層としては、ガラス(glass)基材層などが挙げられ、有機基材層としては、多様なプラスチックフィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、TAC(triacetyl cellulose)フィルム;ノルボルネン誘導体などのCOP(cyclo olefin copolymer)フィルム;PMMA(poly(methyl methacrylate)などのアクリルフィルム;PC(polycarbonate)フィルム;PE(polyethylene)またはPP(polypropylene)などのポリオレフィンフィルム;PVA(polyvinyl alcohol)フィルム;DAC(diacetyl cellulose)フィルム;Pac(Polyacrylate)フィルム;PES(polyether sulfone)フィルム;PEEK(polyetheretherketon)フィルム;PPS(polyphenylsulfone)フィルム、PEI(polyetherimide)フィルム;PEN(polyethylenemaphthatlate)フィルム;PET(polyethyleneterephtalate)フィルム;PI(polyimide)フィルム;PSF(polysulfone)フィルム、またはPAR(polyarylate)フィルムなどが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0068】
一つの例示において、前記基材層は、いわゆる、フレキシブル基材層であってもよい。フレキシブル基材層の具体的な種類は、特に制限されず、前述の基材層のうち主にプラスチックフィルムや、薄膜ガラス(thin glass)のような非常に薄い無機基材などもフレキシブル基材層として用いられてもよい。
【0069】
前記基材層の厚さは、特に制限されず、用途に応じて適正範囲が選択されてもよく、具体的に、1μm以上1,000μm以下、好ましくは10μm以上900μm以下、より好ましくは30μm以上500μm以下の範囲を満たしてもよい。
【0070】
本出願の一実施態様において、前記基材層と前記スペーサパターンとの間に透過度可変デバイスの駆動に求められる他の要素をさらに含んでもよい。このような要素は、多様に公知されており、代表的には、電極層などが挙げられる。
【0071】
すなわち、本出願の一実施態様において、前記パターンフィルムは、前記基材層と前記スペーサパターンとの間に電極層をさらに含んでもよい。
【0072】
前記電極層としては、公知の素材が適用されてもよい。例えば、電極層は、金属合金、電気伝導性化合物、または上記したもののうち2種以上の混合物を含んでもよい。このような材料としては、金などの金属、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZTO(Zinc Tin Oxide)、アルミニウムまたはインジウムがドープされた亜鉛オキシド、マグネシウムインジウムオキシド、ニッケルタングステンオキシド、ZnO、SnO2、またはIn2O3などの酸化物材料や、ガリウムナイトライドのような金属ナイトライド、亜鉛セレナイドなどのような金属セレナイド、亜鉛スルフィドのような金属スルフィドなどが挙げられる。また、透明な正孔注入性電極層は、Au、Ag、またはCuなどの金属薄膜と、ZnS、TiO2、またはITOなどのような高屈折の透明物質の積層体などを用いて形成してもよい。
【0073】
前記電極層は、蒸着、スパッタリング、化学蒸着、または電気化学的手段などの任意の手段により形成されてもよい。電極層のパターン化も、特に制限されず、公知の方式により行われてもよく、例えば、公知のフォトリソグラフィやシャドウマスクなどを用いた工程によりパターン化されてもよい。
【0074】
本出願の一実施態様において、前記基材層の全体面積(A)、および前記基材層上に形成されたスペーサパターンの前記基材層に接する面の面積(B)が、下記式2を満たす、パターンフィルムを提供する。
[式2]
5≦[B/A]×100(%)≦30
【0075】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムが前記式2を満たす場合、隔壁スペーサ下部の硬化度が適しており、後続工程(現像工程:Develop process)に用いられるストリッパ(stripper)溶液、洗浄溶液、または現像圧力(1bar以上)によるスペーサパターンの下部が基材層から脱離するのを防止できるという特徴を有するようになる。すなわち、前記式2が5%未満の値を有する場合には、隔壁スペーサが硬化するのに十分な時間を有することができないため下部の硬化度が低下し、後続工程(現像工程:Develop process)に用いられるストリッパ(stripper)溶液、洗浄溶液、または現像圧力(1bar以上)によりスペーサパターンの下部が基材層から脱離し、隔壁スペーサが失われるという問題が発生し得る。また、前記式2が30%超過である場合には、隔壁スペーサ交差区間(スペーサドット区間)に過硬化現象が発生して、隔壁スペーサ以外の領域にも硬化が発生し、この場合、選択的露光/現像による隔壁スペーサの製造を難しくするという問題が発生し得る。
【0076】
本出願の一実施態様において、前記パターンフィルムのLED光源から前記パターンフィルムに光を通過させた際、光が通過する領域を基準として長方形の200×200ピクセル領域を設定し、
前記長方形の200×200ピクセル領域の左下端角をx軸、y軸(0、0)基準、(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域は、下記式3を満たす、パターンフィルムを提供する。
[式3]
2≦D1-D2(%)≦10
前記式3の中、
D1は、パターンフィルムのスペーサドットの不規則度が0%である場合の回折比率を意味し、
D2は、パターンフィルムのスペーサドットの不規則度が70%である場合の回折比率を意味し、
前記回折比率は、下記式4を満たし、
[式4]
[1-Sc/S]×100(%)
前記式4の中、
Sは、前記(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域での全体光量を意味し、
Scは、前記(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域中の(100、100)を原点とし、半径が50ピクセルを有する領域のピクセル光量を意味する。
【0077】
本出願において、前記パターンフィルムのLED光源から前記パターンフィルムに光を通過させた際、光が通過する領域を基準として長方形の200×200ピクセル領域を設定することは、任意のピクセル領域を選定することであって、パターンフィルムの回折度を評価するための方法であってもよい。本出願において、ピクセル領域は限定されず、これを一般化すれば、X1×Y1のピクセル領域に設定することができ、X1は100~10,000の整数、Y1は100~10,000の整数であってもよい。
【0078】
この際、Sは、(0、0)~(X1、Y1)の長方形X1×Y1ピクセル領域での全体光量を意味し、Scは、(0、0)~(X1、Y1)の長方形X1、Y1ピクセル領域中の(X1/2、Y1/2)を原点とし、半径が(x1/2)*1/2のピクセルを有する領域のピクセル光量を意味する。
【0079】
すなわち、前記式3および式4は、本出願に係るパターンフィルムの回折度が改善されることを示す資料であって、前記ピクセル領域には制限されない。
本出願の一実施態様において、前記LED光源から光を通過させて測定する方法としては、当業界で周知の多様な方法を用いてもよく、具体的に、3mm LED、5mm Hole、レンズ(Model:FLCC-1614-2M、製造会社:Konica Minolta)、およびCCD(Model:CA-2500、製造会社:Konica Minolta)の装置を構成して測定してもよい。
【0080】
本出願の一実施態様において、前記回折比率を測定する方法は下記のとおりである。
1.測定対象であるパターンフィルムをレンズから0.1cmの距離差をおいて固定する。
2.LED光源の光をオンにし、光が5mmのホール(Hole)を通過し、測定対象であるパターンフィルムを通過する瞬間に発生する回折(diffraction)をレンズおよびCCDを介して赤色~青色に色格納をし、格納されたイメージから回折(diffraction)の定性的差を計算する。
【0081】
図5は、本出願の一実施態様によるパターンフィルムの回折比率を測定する装置を示す概略図である。
【0082】
本出願の一実施態様において、前記パターンフィルムのLED光源から光を通過させることは、前記装置を介して光を通過させることができ、前記装置から本出願のパターンフィルムに光を通過した後、測定装置から得られたイメージの原本において、左下端角をx軸、y軸(0、0)基準、(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域(フレーム)を形成する。
【0083】
すなわち、光が通過する領域を200×200の個別のピクセルに区分することができ、(0、0)、(0、1)、(0、2)などのそれぞれのピクセルの光量を計算することができ、計算方法は下記のとおりである。
【0084】
エッジ(Edge)の縁によるノイズ(noise)を除去するために、エッジの縁を除去(フレーム領域を除去)した画像ファイルをjpg形式で格納する。この際、エッジの縁を除去する方法は、MS-officeの描画ツール/切り取り命令語を利用するか、その他のImage J、フォトショップ(登録商標)などのイメージ処理専門プログラムを利用するか、またはMATLAB(登録商標)、Python(登録商標)などのプログラムでコーディングして実行してもよい。
【0085】
それぞれのピクセルのRedの総計は、Image Jなどのイメージ処理専門プログラムや、MATLAB(登録商標)、Python(登録商標)などのコーディングプログラムなど、画像ファイルを呼び込んでRGB Stackの個別ピクセル値および統計値を提供する如何なるプログラムで計算してもよく、Black/Whiteにイメージを変更して多くのプログラムが自動的に計算する方法を提供する。
【0086】
本出願の一実施態様において、パターンフィルムの回折比率は、下記式4を満たしてもよい。
[式4]
[1-Sc/S]×100(%)
Sは、前記(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域での全体光量を意味し、
Scは、前記(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域(100、100)を原点とし、半径が50ピクセルを有する領域のピクセル光量を意味する。
【0087】
すなわち、200×200のそれぞれのピクセルの光量をイメージ処理プログラムを介して上記のように計算することができ、前記Sは、200×200のピクセル領域の全体光量を意味し、Scは、(100、100)を原点とし、半径が50ピクセルを有する領域の光量を意味するものであって、式4の値が大きいほど、回折(diffraction)が多く発生することを意味し得る。
【0088】
本出願の一実施態様において、前記パターンフィルムは、下記式3を満たしてもよい。
[式3]
2≦D1-D2(%)≦10
前記式3の中、
D1は、パターンフィルムのスペーサドットの不規則度が0%である場合の回折比率を意味し、
D2は、パターンフィルムのスペーサドットの不規則度が70%である場合の回折比率を意味する。
【0089】
本出願の一実施態様において、前記式3は、2≦D1-D2(%)≦10、好ましくは2≦D1-D2(%)≦9、より好ましくは2≦D1-D2(%)≦8の範囲を満たしてもよい。
【0090】
本出願の一実施態様によるパターンフィルムは、スペーサドット(dot)の不規則度を50%超過に調節することにより、セルギャップを維持するとともに、パターンの不規則度を導入することで、既存の四角形(mesh)または六角形(honeycomb)の1種類のパターンから、多様なパターンを含むパターンの構造を拡張し、不規則度を導入することで、これを含む透過度可変デバイスは、回折現象を改善することができるため、乱反射が低減され、視認性に優れるという特徴を有するものであって、前記式3の範囲を満たすことを確認することができる。
【0091】
図6は、本出願の一実施態様によるパターンフィルムの回折比率の測定方法を示す図である。具体的に、前記LED光源を介して本出願に係るパターンフィルムに光を通過させた後、測定装置からパターンイメージをImage Jプログラムにおいて呼び込んで原本を格納する。その後、エッジの縁によるノイズを除去するために、イメージの原本において、左下端角をx軸、y軸(0、0)基準、(0、0)~(200、200)の長方形200×200ピクセル領域(フレーム)を形成し、フレームの外部領域を除去する。Imageメニュー内Type/RGB Stackに分離した後、red stackのみを格納し、black/whiteに変換する。この際、ピクセル値の最小値は0(black領域)、最大値は255(white領域)であり、(100、100)を原点とし、半径が50ピクセルを有する領域を選択した後、それぞれの領域でのピクセル値を計算して回折比率を測定することができる。
【0092】
すなわち、
図6において、前記パターンフィルムのエッジのフレーム(frame)を除去した後、長方形の左下端が(0、0)が基準となり、右側が+x、上部が+yを有するものであって、(100、100)を原点とし、半径が+xを基準として(200/2)*1/2=50ピクセルを有する領域は、センター部の円形の領域と表示することができる。
【0093】
本出願の一実施態様において、基材層を準備するステップ;前記基材層の一面にボールスペーサが含まれた紫外線硬化型樹脂層を形成するステップ;前記紫外線硬化型樹脂層にフィルムマスクをインプリンティング(imprinting)するステップ;前記フィルムマスク側から紫外線を照射するステップ;前記フィルムマスクを前記紫外線硬化型樹脂層から剥離するステップ;および前記紫外線硬化型樹脂層の未硬化領域を剥離するステップを含む、パターンフィルムの製造方法を提供しようとする。
【0094】
図7は、本出願の一実施態様によるパターンフィルムの製造工程を概略的に示す図である。
【0095】
本出願の一実施態様において、前記フィルムマスクは、透明基材;前記透明基材の一面に形成された遮光パターン;および前記透明基材の前記遮光パターンが形成された面上に形成された表面離型層を含むパターンフィルムの製造方法を提供する。
【0096】
本出願の一実施態様において、本出願に係るパターンフィルム;および前記パターンフィルムと対向配置され、前記パターンフィルムのスペーサパターンにより前記パターンフィルムとの間隔が維持された基板を含む、透過度可変デバイスを提供する。
【0097】
上記のような透過度可変デバイスは、多様な用途に適用されてもよい。透過度可変デバイスが適用可能な用途には、ウィンドウまたはサンルーフなどのような建物、容器、または車両などを含む密閉された空間の開口部や、アイウェア(eyewear)などや、窓戸用、OLED(organic light emitting device)の遮光板などが挙げられる。前記アイウェアの範囲には、一般的なメガネ、サングラス、スポーツ用ゴーグルもしくはヘルメット、または仮想現実または拡張現実体験用機器などのようなウェアラブル機器など、観察者がレンズを介して外部を観察できるように形成された全てのアイウェアが含まれてもよい。
【0098】
本出願の透過度可変デバイスが適用可能な代表的な用途には、車両用サンルーフが挙げられる。
【0099】
一つの例示において、前記透過度可変デバイスは、それ自体で車両用サンルーフであってもよい。例えば、少なくとも一つ以上の開口部が形成されている車体を含む自動車において、前記開口部に取り付けられた前記透過度可変デバイスまたは車両用サンルーフを取り付けて用いられてもよい。
【0100】
サンルーフは、車両の天井に存在する、固定されているかまたは作動(ベンディングまたはスライディング)する開口部(opening)であって、光または新鮮な空気が車両の内部に流入されるように機能する装置を通称する意味であり得る。本出願において、サンルーフの作動方式は、特に制限されず、例えば、手動で作動するかまたはモータで駆動してもよく、サンルーフの形状、大きさ、またはスタイルは、目的とする用途に応じて適宜選択されてもよい。例えば、サンルーフは、作動方式に応じて、ポップ-アップタイプのサンルーフ、スポイラー(tile & slide)タイプのサンルーフ、インビルトタイプのサンルーフ、フォールディングタイプのサンルーフ、トップ-マウントタイプのサンルーフ、パノラミックルーフシステムタイプのサンルーフ、除去可能なルーフパネル(t-topsまたはtarga roofts)タイプのサンルーフ、またはソーラータイプのサンルーフなどが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0101】
本出願の例示的なサンルーフは、本出願の前記透過度可変デバイスを含んでもよく、この場合、透過度可変デバイスに対する具体的な事項は、前記透過度可変デバイスの項目で記述された内容が同様に適用されてもよい。
【0102】
本出願の一実施態様において、前記パターンフィルムと前記基板との間に垂直配向力を有する接着剤層を含む、透過度可変デバイスを提供する。
【実施例】
【0103】
以下、実施例により本明細書をさらに詳しく説明する。但し、以下の実施例は、本明細書を例示するためのものにすぎず、本明細書を限定するためのものではない。
【0104】
<製造例>
<実施例1>
隔壁スペーサの形成に用いられる硬化性組成物を次のような方式により製造した。
【0105】
紫外線硬化型アクリレート化合物、重合開始剤、および分散剤を含むバインダーとして、隔壁スペーサの製造に通常用いられるバインダーに、ブラックボールスペーサおよび暗色化材料を混合して硬化性組成物を製造した。この際、ブラックボールスペーサとしては、平均粒径が10μm程度であり、CV(Coefficient of Variation)が4であり、粒径の標準偏差が約0.4μm程度であるブラックボールスペーサ(製造会社:Sekisui Chemical、商品名:KBN 510)を用いた。前記ブラックボールスペーサは、前記バインダー100重量部に対して2.5重量部で配合した。また、暗色化材料として、カーボンブラックは、材料中に約3重量%の比率で配合した。前記製造された組成物の光学密度(OD)を確認した結果、約1.7の値に確認された。
【0106】
表面に非結晶質のITO(Indium Tin Oxide)電極層が形成された1軸延伸基材フィルム(PET、Poly(ethylene terephthalate))の前記電極層上に、上記で製造された硬化性組成物を2mL~3mL滴加(dropping)し、マスクで前記滴加されたた混合物を圧着して基材層、電極層、硬化性組成物層、およびマスクを含む積層体を形成した状態で、前記マスクに向かって紫外線を照射して前記硬化性組成物層を硬化させた(紫外線の照射量:380mJ/cm2)。
【0107】
適用されたマスクとしては、
図7に示すように、透明基材フィルムであるPETフィルム上に、パターン化された遮光層(AgX、X=Cl、F、Br、またはI)と離型層が順次形成された形態のマスクを用いた。前記遮光層パターンは、不規則度が約70%であり、乱数座標発生プログラム(CAD)を用いて次のような方式により設計した。
【0108】
先ず、全体面積が約10mm程度の基材層上に、100個のドット(dot)が、
図3に示すように、280μmの一定間隔(正常ピッチ)で配置されている状態を仮定した(正常配置状態)。この際、個別ドットの底部の断面積は、約12μm程度となるように調整した。その後、4個のドットを選択して構成した正方形において、個別ドットがが各ドットを基準として前記正常ピッチの70%の半径(0.7P)を有する円領域内で無作為に移動するようにプログラムをセッティングして、個別ドットを移動させ、配置パターンを構成した。その後、個別ドットを線で連結した。
【0109】
図4は、上記のように設計された隔壁スペーサ配置の例示を示すものであって、四角形だけでなく、五角形、六角形も示していることが分かる。前記閉図形の全ての辺の長さのうち最小長さは約55μmであり、最大長さは約470μm程度であった。
【0110】
紫外線の照射後、未硬化の硬化性組成物を除去(現像)して隔壁スペーサを形成した。
図1は、上記のような方式により製造されたスペーサパターンが形成されたパターンフィルムの断面写真である。
図1のように、隔壁スペーサは、ブラックボールスペーサが組み込み、一部組み込み、または接する形態のスペーサパターンを形成する。製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.2μmであって、平均が約10.1μm程度であり、線幅は約27μm~31μm程度であって、平均が約28.5μm程度に測定された。
【0111】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.15μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.70μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は2.85に測定された。
【0112】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は27.2%の定量値を示した。
図8は、本出願の実施例1によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が70%である長方形の形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0113】
<実施例2>
前記実施例1において、マスクの設計(遮光層パターンが正常ピッチの50%の半径[0.5P]を有する円領域で無作為に移動した設計)を変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0114】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.2μmであって、平均が約10.1μm程度であり、線幅は約28μm~32μm程度であって、平均が約29.3μm程度に測定された。
【0115】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.17μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.75μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は2.93に測定された。
【0116】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は29.3%の定量値を示した。
図9は、本出願の実施例2によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が50%である長方形の形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0117】
<比較例1>
前記実施例1において、マスクの設計(遮光層パターンを規則パターンに設計)を変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0118】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約27μm~31μm程度であって、平均が約28.7μm程度に測定された。
【0119】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.16μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.73μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は2.87に測定された。
【0120】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが明確に観察され、式4により測定される回折比率は29.9%の定量値を示した。
図10は、本出願の比較例1によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含むスペーサパターンを含むものであって、規則パターン(四角形)を有することと、回折ラインが明確に観察されることを確認することができた。
【0121】
<実施例3>
前記実施例1において、マスクの設計(遮光層パターン間隔[Pitch]を940μmに設計)を変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0122】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.2μmであって、平均が約10.1μm程度であり、線幅は約95μm~100μm程度であって、平均が約97.8μm程度に測定された。
【0123】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.15μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.90μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は9.78に測定された。
【0124】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は20.5%の定量値を示した。
図11は、本出願の実施例3によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が70%である長方形の形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0125】
<実施例4>
前記実施例1において、マスクの設計(遮光層パターン間隔[Pitch]が940μm、遮光層パターンが正常ピッチの50%の半径[0.5P]を有する円領域で無作為に移動した設計)を変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0126】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約96μm~99μm程度であって、平均が約97.5μm程度に測定された。
【0127】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~21%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.15μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.88μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は9.75に測定された。
【0128】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は23.9%の定量値を示した。
図12は、本出願の実施例4によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が50%である長方形の形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0129】
<比較例2>
前記実施例1において、マスクの設計(遮光層パターン間隔[Pitch]が940μm、遮光層パターンを規則パターンに設計)を変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0130】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約94μm~97μm程度であって、平均が約95.6μm程度に測定された。
【0131】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.16μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.79μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は9.56に測定された。
【0132】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが明確に観察され、式4により測定される回折比率は26.6%の定量値を示した。
図13は、本出願の比較例2によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含むスペーサパターンを含むものであって、規則パターン(四角形)を有することと、回折ラインが明確に観察されることを確認することができた。
【0133】
<実施例5>
前記実施例1において、マスクの設計(遮光層パターンは、6個のドットを選択して構成した正六角形において、個別ドットが各ドットを基準として前記正常ピッチの70%の半径[0.7P]を有する円領域内で無作為に移動するようにプログラムをセッティングした設計)を変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0134】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.2μmであって、平均が約10.1μm程度であり、線幅は約27μm~31μm程度であって、平均が約28.9μm程度に測定された。
【0135】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.15μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.75μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は2.89に測定された。
【0136】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は27.4%の定量値を示した。
図14は、本出願の実施例5によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が70%であるハニカム形態のスペーサパターンを含むことを確認することがき、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0137】
<実施例6>
前記実施例5において、マスクの設計(正常ピッチの50%の半径[0.5P]を有する円領域内で無作為に移動するようにプログラムをセッティングした設計)を変更したことを除いては、前記実施例5と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0138】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約27μm~30μm程度であって、平均が約28.7μm程度に測定された。
【0139】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.16μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.75μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は2.87に測定された。
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は28.0%の定量値を示した。
図15は、本出願の実施例6によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が50%であるハニカム形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0140】
<比較例3>
前記実施例5において、マスクの設計(遮光層パターンを規則パターンに設計)を変更したことを除いては、前記実施例5と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0141】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約27μm~30μm程度であって、平均が約28.8μm程度に測定された。
【0142】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約19%~20%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.16μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.75μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は2.88に測定された。
【0143】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが明確に観察され、式4により測定される回折比率は30.1%の定量値を示した。
図16は、本出願の比較例3によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含むスペーサパターンを含むものであって、規則パターン(ハニカム)を有することと、回折ラインが明確に観察されることを確認することができた。
【0144】
<実施例7>
前記実施例5において、マスクの設計(遮光層パターン間隔[Pitch]を940μmに設計)を変更したことを除いては、前記実施例5と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0145】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.2μmであって、平均が約10.1μm程度であり、線幅は約70μm~74μm程度であって、平均が約72.9μm程度に測定された。
【0146】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約14%~15%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.15μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.75μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は7.29に測定された。
【0147】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は21.3%の定量値を示した。
図17は、本出願の実施例7によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が70%であるハニカム形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0148】
<実施例8>
前記実施例5において、マスクの設計(正常ピッチの50%の半径[0.5P]を有する円領域内で無作為に移動するようにプログラムをセッティング、および遮光層パターン間隔[Pitch]を940μmに設計)を変更したことを除いては、前記実施例5と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0149】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約71μm~74μm程度であって、平均が約72.8μm程度に測定された。
【0150】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約14%~16%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.16μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.78μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は7.28に測定された。
【0151】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが観察されず、式4により測定される回折比率は21.9%の定量値を示した。
図18は、本出願の実施例8によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含む、不規則度が50%であるハニカム形態のスペーサパターンを含むことを確認することができ、回折ラインが観察されないことを確認することができた。
【0152】
<比較例4>
前記実施例5において、マスクの設計(遮光層パターンを規則パターン、および遮光層パターン間隔[Pitch]を940μmに設計)を変更したことを除いては、前記実施例5と同様の方式によりパターンフィルムを形成した。
【0153】
製造された前記隔壁スペーサの高さは約9.9μm~10.1μmであって、平均が約10.0μm程度であり、線幅は約72μm~75μm程度であって、平均が約73.8μm程度に測定された。
【0154】
また、前記パターンフィルムの表面において前記スペーサパターンが存在する面積の比率は約14%~16%であった。上記でスペーサパターンの高さの標準偏差は約0.15μm程度であり、ボールスペーサの直径の標準偏差は約0.80μm程度であった。前記隔壁スペーサの隔壁の線幅(T)と前記ボールスペーサの平均粒径(D)との比率(T/D)は7.83に測定された。
【0155】
回折(Diffraction)の評価結果、定性的にDiffraction Lineが明確に観察され、式4により測定される回折比率は26.4%の定量値を示した。
図19は、本出願の比較例4によるパターンフィルムの50倍率光学顕微鏡、200倍率光学顕微鏡イメージおよび回折評価結果を示す図である。具体的に、光学顕微鏡イメージの確認結果、ボールスペーサおよび隔壁スペーサを含むスペーサパターンを含むものであって、規則パターン(ハニカム)を有することと、回折ラインが明確に観察されることを確認することができた。
【0156】
前記実施例1~8および比較例1~4から分かるように、本出願の一実施態様によるパターンフィルムは、スペーサパターンが隔壁スペーサおよびボールスペーサを含み、前記スペーサパターンをなすスペーサドットの不規則度が50%以上であることにより、セルギャップを維持するとともに、パターンの不規則度を導入することで、既存の四角形(mesh)または六角形(honeycomb)の1種類のパターンから、多様なパターンを含むパターンの構造を拡張し、不規則度を導入することで、これを含む透過度可変デバイスは、回折現象を改善することができるため、乱反射が低減され、視認性に優れるという特徴を有することを確認することができた。
【0157】
具体的に、実施例1、実施例2、比較例1(構成1)/実施例3、実施例4、比較例2(構成2)/実施例5、実施例6、比較例3(構成3)/実施例7、実施例8、比較例4(構成4)に区分することができ、構成1~構成4は、それぞれピッチおよびスペーサパターンの模様を異にした場合をもってそれぞれを構成し、構成1~4において、それぞれ不規則度を70%、50%、および0%に調節した場合をもって実施例および比較例を構成した。
【0158】
ピッチおよびスペーサパターンの模様を異にしたそれぞれの構成において、スペーサドットの不規則度を70%および50%に調節してスペーサパターンを形成した場合のパターンフィルムは、スペーサドットの不規則度を0%(規則パターン)に調節してスペーサパターンを形成した場合のパターンフィルムよりも回折現象を大幅に改善することができるため、乱反射を低減し、その後のこれを含む透過度可変デバイスの視認性が大幅に改善されることを確認することができた。
【符号の説明】
【0159】
10 ・・・基材層
20 ・・・隔壁スペーサ
30 ・・・ボールスペーサ